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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157076
(43)【公開日】2024-11-07
(54)【発明の名称】レンズフード
(51)【国際特許分類】
   G03B 11/04 20210101AFI20241030BHJP
   G02B 7/02 20210101ALI20241030BHJP
【FI】
G03B11/04 C
G02B7/02 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023071179
(22)【出願日】2023-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】000131326
【氏名又は名称】株式会社シグマ
(72)【発明者】
【氏名】大野 雅浩
(72)【発明者】
【氏名】田内 久真
【テーマコード(参考)】
2H044
2H083
【Fターム(参考)】
2H044AE09
2H083DD15
2H083DD16
(57)【要約】
【課題】小型で携行性に優れ、容易に着脱可能であり、レンズ鏡筒に対して確実に正規の位相で固定され、装着後もガタが少なく品位の高いレンズフードを提供すること
【解決手段】レンズ鏡筒と前記レンズ鏡筒に着脱されるレンズフードにおいて、前記レンズ鏡筒は、前記レンズフードと係合する第1係合部と第2係合部とを備え、前記レンズフードは、前記第1係合部を付勢する付勢部と、前記第2係合部と係合する第3係合部とを備え、前記付勢部と前記第1係合部との当接部に生じる力は、周方向と光軸方向とに作用し、前記レンズフードと前記レンズ鏡筒の光軸方向の装着位置では、前記レンズフードが回動可能であり、前記付勢部の付勢力により、前記レンズフードが回動することで、前記レンズ鏡筒に装着されることを特徴とするレンズフード
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズ鏡筒と前記レンズ鏡筒に着脱されるレンズフードにおいて、
前記レンズ鏡筒は、
前記レンズフードと係合する第1係合部と第2係合部とを備え、
前記レンズフードは、
前記第1係合部を付勢する付勢部と、
前記第2係合部と係合する第3係合部とを備え、
前記付勢部と前記第1係合部との当接部に生じる力は、周方向と光軸方向とに作用し、
前記レンズフードと前記レンズ鏡筒の光軸方向の装着位置では、前記レンズフードが回動可能であり、
前記付勢部の付勢力により、
前記レンズフードが回動することで、前記レンズ鏡筒に装着されることを特徴とするレンズフード
【請求項2】
レンズ鏡筒と前記レンズ鏡筒に着脱されるレンズフードにおいて、
前記レンズフードは、
前記レンズ鏡筒と係合する第1係合部と第2係合部とを備え、
前記レンズ鏡筒は、
前記第1係合部を付勢する付勢部と、
前記第2係合部と係合する第3係合部とを備え、
前記付勢部と前記第1係合部との当接部に生じる力は、周方向と光軸方向とに作用し、
前記レンズフードと前記レンズ鏡筒の光軸方向の装着位置では、前記レンズフードが回動可能であり、
前記付勢部の付勢力により、
前記レンズフードが回動することで、前記レンズ鏡筒に装着されることを特徴とするレンズフード
【請求項3】
前記付勢部は、前記第1係合部と当接する移動部と前記移動部を付勢する付勢部材とから構成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のレンズフード
【請求項4】
前記当接部は、前記周方向に対して傾斜していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のレンズフード
【請求項5】
前記第1係合部は、前記第2係合部と一つのリブに配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のレンズフード
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ鏡筒に着脱されるレンズフードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、交換レンズに装着されるレンズフードは、不意の脱落の防止、繰り返し装着することに起因する装着部分の摩耗によるガタツキの抑制のため、ロック機構を備えたものが多く知られている。
【0003】
特許文献1は、レンズ鏡筒との嵌めあい部とレンズフード取付時のクリック形状を分離した構成とすることで、取付時の感触の改善を図ったバヨネット方式のレンズフードを開示している。
【0004】
特許文献2は、半径方向に付勢することでガタ取りを行うロックボタン方式のレンズフードを開示している。
【0005】
特許文献3は、レンズフードが二重構造となっており、遮光部はレンズ鏡筒に対して常に正しい角度で固定することで、レンズフードの取付不良の発生しないレンズフードを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許6478874号
【特許文献2】特許7071157号
【特許文献3】特許4779268号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載のレンズフードは、クリック部の変形を逃すためのスペースが必要であるため、レンズフードの径が大きくなってしまうという課題を有する。
【0008】
次に、特許文献2に記載のレンズフードも同様に、ロック用のレバーや付勢機構のスペースが必要なため、レンズフードの小型化が困難であるという課題を有する。
【0009】
また、特許文献1と特許文献2に記載のレンズフードは、レンズフードを正規の位置まで回さなくともレンズ鏡筒から容易に脱落しないため、取付不良の状態でも撮影が可能である。その結果、四隅がけられた写真の撮影となってしまう事態が発生し得る。
【0010】
最後に、特許文献3に記載のレンズフードは、撮影時に四隅にケラレが発生しないが、レンズ本体に対してフードを逆方向に取り付けることができない。従って、収納時に嵩張ってしまうという課題を有する。
【0011】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、小型で携行性に優れ、容易に着脱可能であり、レンズ鏡筒に対して確実に正規の位相で固定され、装着後もガタが少なく品位の高いレンズフードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するための手段である第1の発明は、レンズ鏡筒と前記レンズ鏡筒に着脱されるレンズフードにおいて、前記レンズ鏡筒は、前記レンズフードと係合する第1係合部と第2係合部とを備え、前記レンズフードは、前記第1係合部を付勢する付勢部と、前記第2係合部と係合する第3係合部とを備え、前記付勢部と前記第1係合部との当接部に生じる力は、周方向と光軸方向とに作用し、前記レンズフードと前記レンズ鏡筒の光軸方向の装着位置では、前記レンズフードが回動可能であり、前記付勢部の付勢力により、前記レンズフードが回動することで、前記レンズ鏡筒に装着されることを特徴とするレンズフード
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、小型で携行性に優れ、容易に着脱可能であり、レンズ鏡筒に対して確実に正規の位相で固定され、装着後もガタが少なく品位の高いレンズフードを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施例に係るレンズフードとフロントリングを示す斜視図
図2】本発明の実施例に係る各係合部と付勢部周辺の模式図
図3】本発明の実施例に係る各係合部と付勢部周辺の模式図
図4】本発明の実施例に係る各係合部と付勢部周辺の模式図
図5】本発明の実施例に係る各係合部と付勢部周辺の模式図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付の図面に従って、本発明を実施するための最良の形態について説明する。また、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
【0016】
図1は、本発明の一実施の形態に係るレンズ鏡筒の要部を示す斜視図である。尚、図1は、本発明のレンズフード1と不図示のレンズ鏡筒を構成しレンズフード1と係合するフロントリング2のみに簡略化されている。図2図5は、図1のレンズフード1とフロントリング2の係合部の模式図である。図2図5は、レンズフード1をレンズ鏡筒に装着するにあたり、レンズフード1とフロントリング2の係合部分を光軸に沿った断面であり、係合関係の変化を示した模式図である。尚、本実施例中では、不図示のレンズ鏡筒を構成するフロントリング2内側に外接するように配置された光学素子を基に、光学素子の光軸に沿った方向を光軸方向、光学素子の外周に沿った方向を周方向とする。具体的には、図1における光軸方向は、紙面左右方向となり、光軸に対する円周が周方向となる。図2図5における光軸方向は、紙面上下方向となり、周方向は紙面左右方向となる。
【0017】
図1を用いて、本願実施例のレンズフード1とフロントリング2の構成を説明する。
【0018】
不図示のレンズ鏡筒は、撮像装置に対して装着されており、交換可能でも固定されていても問題ない。内部には不図示の光学素子を備え、最も物体側はレンズフード1を装着するためのフロントリング2を備える。
【0019】
フロントリング2は、レンズ鏡筒の最も物体側に位置し、レンズフード1と係合する第1係合部21と第2係合部22を備える。
【0020】
レンズフード1は、フロントリング2を介してレンズ鏡筒に装着可能であり、移動部材11と弾性部材12からなる付勢部10と第3係合部13を備える。また、本願実施例の移動部材11は傾斜部11aを備え、傾斜部11aが第1係合部21と接触する当接部を構成する。
【0021】
レンズフード1は、フロントリング2と係合することでレンズ鏡筒へ装着される。また、レンズフード1は、レンズ鏡筒を通して撮像素子へ迷光が入射することを防ぐ機能を発揮するために、レンズ鏡筒に対して決まった位相で装着する必要がある。従って、フロントリング2外周に配置されるレンズフード1との係合部である第1係合部21、第2係合部22を適切な位置に配置することで、レンズフード1内周に配置される移動部材11、第3係合部13がそれぞれと係合することで、自ずとレンズフード1は適切な位置でレンズ鏡筒に装着されることとなる。
【0022】
レンズフード1は、移動部材11と弾性部材12からなる付勢部10と第3係合部13を2組備える。図1の真ん中に記載されている移動部材11と弾性部材12と第3係合部13の1組目は、レンズフード1の手前側の内周に位置する。使用者がレンズフード1をフロントリング2に装着時には傾斜部11aと第1係合部21が当接し、同様にレンズフード1の手前側の内周に位置するので図面に現れない第3係合部13と第2係合部22とが係合する。図2図5を用いて、係合関係の変化を説明する。他方、図1の左下には、もう一組の第3係合部13と移動部材11が記載されている。尚、付勢部材12はレンズフード1内部に位置するため図面には表れていない。こちらの付勢部10と第3係合部13については後述する。
【0023】
尚、図1図2図5は、前述した各図面の紙面方向と軸方向または各図面に記載の第1係合部21と第2係合部22を図1図2図5とで合わせることで、図1の真ん中に記載されている移動部材11と弾性部材12からなる付勢部10と第3係合部13のレンズフード1内周での配置は分かる。
【0024】
次に、図2図5を用いて、レンズフード1をレンズ鏡筒へ装着するに際し、レンズフード1とフロントリング2の係合関係の変化を順に説明する。
【0025】
図2は、使用者がレンズ鏡筒へレンズフード1を装着するために、前述したようにレンズフード1をレンズ鏡筒即ちフロントリング2に対して適切な位相つまり、移動部材11と第1係合部21、第3係合部13と第2係合部22とがそれぞれ係合するように合わせた状態での各係合部と付勢部10周辺の模式図である。
【0026】
尚、使用者は、レンズフード1をレンズ鏡筒に装着するために図2の位置関係となるようレンズフード1を位置調整した後、レンズフード1に光軸方向フロントリング2側へ力をフロントリング2にロックされるまで継続的に加えることで図2図5へ変化をしながらレンズフード1はフロントリング2へ固定される。
【0027】
使用者が、レンズフード1とフロントリング2に対して適切な位相に合わせた図2の状態から、前述したようにレンズフード1をフロントリング2へ押し込むことで、レンズフード1とフロントリング2に配置された各部材の位置関係は図3に示すように変化する。
【0028】
以下に具体的に説明する。レンズフード1とフロントリング2は光軸方向の距離が狭まると同時に移動部材11が第1係合部21に押し付けられる。ここで移動部材11と第1係合部21の当接部を見ると移動部材11の傾斜部11aが第1係合部21と接触して当接部を形成していることが分かる。この当接部が傾斜していることで、レンズフード1の装着時に移動部材11及びフロントリング2には当接部に垂直抗力が生じ、垂直抗力は弾性部材12による付勢方向と反対方向へ作用する。同時に、第2係合部22と第3係合部13が周方向で突き当たることでの係合関係が生じる。前述の第2係合部22と第3係合部13の当接面に作用する力は、前述の当接部に生じる垂直抗力の周方向の成分と釣り合う関係にあるので、レンズフード1とフロントリング2の周方向における位置関係は変化しない。当接部に働く垂直抗力の大きさはレンズフード1に加えられる光軸方向の力に依存する。レンズフード1に加える力を大きくして当接部によって生じる垂直抗力の周方向の成分に作用された力が、弾性部材12による付勢力を超えると移動部材11は付勢力に抗って付勢方向と反対方向へ移動する。尚、第2係合部22と第3係合部13は、周方向での係合関係は継続している。
【0029】
ここで、当接部について説明する。前述したように、本願実施例の当接部は、レンズフード1をレンズ鏡筒へ装着時、使用者からレンズフード1に加わる光軸方向フロントリング2側への力を垂直抗力が光軸方向レンズ鏡筒向きの力と周方向付勢力と反対向きの力へ作用する形状であれば問題ない。本願実施例では、一例として移動部材11の傾斜部11aと第1係合部21との当接部が周方向に対して傾斜を形成する形状としたが、移動部材11と第1係合部21とのいずれか一方が周方向に対して傾斜、または円筒面を形成している形状としても問題ない。また、周方向に対する傾斜とは、光軸方向に垂直な面である周方向の平面に対して勾配がついた斜面である。
【0030】
さらに、使用者がレンズフード1に光軸方向の力をさらに加えることで、レンズフード1とフロントリング2の光軸方向の距離はさらに接近し、いずれは図4に示すように両者の距離がゼロとなり接触する。すると、周方向における第2係合部22と第3係合部13の係合関係が解除され、レンズフード1は周方向の移動が可能となる。レンズフード1へ図4中の矢印方向へ弾性部材12の付勢力が作用する。
【0031】
その結果、図5に示すようにレンズフード1とフロントリング2はロックされた状態となる。具体的には、レンズフード1とフロントリング2は、互いに逆L字形状の第2係合部22と第3係合部13とが係合することで光軸方向において固定される。次に、周方向に着目すると、レンズフード1には図4中の矢印方向と同様に付勢力が作用する。一方、付勢力に対して第2係合部22からの反力により周方向についても固定される。従って、レンズフード1は、レンズ鏡筒へ装着されたこととなる。また、この位置を装着位置とする。装着位置については、後述する。
【0032】
以上のことから、装着の際、レンズフード1に配置される移動部材11と第3係合部13をフロントリング2に配置される第1係合部21と第2係合部22とが係合するように適切な位置に合わせなければ装着することが出来ないので、レンズフード1の装着完了時は、レンズ鏡筒に対して確実に正規の位相で固定されることとなる。また、装着後も常に付勢されることでガタが少なく品位の高いレンズフード1を実現する。
【0033】
本願実施例のレンズフード1は、フロントリング2と光軸方向の距離がゼロ、つまりレンズフード1とフロントリング2が接触と同時に、周方向における第2係合部22と第3係合部13の係合関係が解除され、レンズフード1は周方向の移動が可能としたが、レンズフード1とフロントリング2が接触時に周方向の移動が可能であれば問題ないことは言うまでもない。その際、弾性部材12の付勢力により、前述したように第2係合部22と第3係合部13とが係合する状態となる。
【0034】
ここで、装着位置について説明する。装着位置は光軸方向と周方向とで分けて考える。本願実施例では、前述したように、図4の状態となった時点でレンズフード1とレンズ鏡筒について、光軸方向は、装着位置となっており、図4から図5に示すようにレンズフード1が回転移動することで周方向も装着位置となる。周方向と光軸方向がともに装着位置となることでレンズフード1がレンズ鏡筒に装着完了となる。
【0035】
次に、レンズフード1をレンズ鏡筒から取り外す場合、すなわちフロントリング2からレンズフード1を取り外すには、使用者がレンズフード1に作用している付勢力に反する方向に回転操作することで、第2係合部22と第3係合部13による光軸方向の係合関係が解除される。
【0036】
本実施例では、取り外し時に当接面での垂直抗力が光軸方向の成分を持ち、レンズフード1がフロントリング2から離れる形状としたが、垂直抗力が光軸方向の成分を持たず、第2係合部22と第3係合部13の係合関係が解除されたときに光軸方向の力が生じていなくても問題ない。
【0037】
以上に説明したように、本願発明のレンズフード1は、容易に着脱可能である。
【0038】
尚、本願実施例では、付勢部10として傾斜部11aを有する移動部材11と弾性部材12からなる構成とすることで、付勢部10の構成と設計の自由度に幅を持たせることが可能となり、付勢部10が配置されるレンズフード1又はフロントリング2の小型化に貢献する。一方、付勢部10は、板バネ単体の構成などでも問題ない。その場合も前述したように付勢部10である板バネと第1係合部21との当接部を傾斜又は円筒面とすることで、使用者がフロントリング1を装着する際に加える光軸方向の力を周方向の付勢力と反対側と光軸方向レンズ鏡筒側の両方向に力を作用することが可能である。従って、前述した構成も本願発明の効果を有する構成となる。
【0039】
次に、本願実施例では、第1係合部21と第2係合部22は、レンズフード1とフロントリング2の装着面周上に同位相として、1つのリブに配置している。第1係合部21と第2係合部22を円周上に距離を取って離して配置すると、互いの係合部を軸とした揺れが生じる可能性がある。しかし、移動部材11と係合する位置に第1係合部21を配置し、第3係合部13と係合する位置に第2係合部22を配置すれば、第1係合部21と第2係合部21はレンズフード1とフロントリング2の装着面周上の位相が異なっても本願発明の効果を有する構成となる。
【0040】
また、本願実施例では、付勢部10と第3係合部13をレンズフード1に配置し、第1係合部21と第2係合部22をフロントリング2に配置する構成とした。しかし、付勢部材10と第3係合部13をフロントリングに配置し、第1係合部21と第2係合部22をレンズフード1へ配置する構成としても問題ない。
【0041】
さらに、レンズ鏡筒の持ち運び時などには、レンズフード1が嵩張らないようにレンズフードを撮影時とは逆方向にレンズ鏡筒へ装着することがある。本願実施例のレンズフード1は、前述したように図1に記載のように移動部材11と第3係合部13を2組備える。
【0042】
図1左下に位置する付勢部10と第3係合部13は、レンズ鏡筒に対して逆方向に取り付ける際に用いるためのものとなる。具体的には、レンズフード1の凹凸部分をレンズ鏡筒側へ向けることでレンズフード1を逆向きにした後、左下に位置する付勢部10を第1係合部21と第2係合部22と係合するように回転操作して位相を合わせた後、レンズ鏡筒に装着するのと同様にレンズフード1をフロントリング2へ押し込むことで、各係合部は図2図5を用いて説明したように係合関係が変化し、レンズ鏡筒に対してレンズフード1を逆向きに装着することが可能である。
【0043】
以上のようにすることで、本願実施例のレンズフード1は、レンズ鏡筒に対して逆向きに装着することが可能となることで持ち歩きや収納の際に嵩張らずに済み、携行性に優れるという効果を有する。さらには、レンズフード1の大型化をすることなくこれらの効果を有することが可能である。
【0044】
さらには、図1左下に位置する付勢部10と第3係合部13は、レンズ鏡筒に対してレンズフード1を逆向きに装着することが可能となるようにレンズフード1の内周に配置されていた。しかし、図1左下に位置する付勢部10と第3係合部13も前述した1組目と同様に付勢部10と第3係合部13の配置とすることで、レンズフード1は、半周毎にフロントリング2との適切な位相に合わせた状態を迎えることが可能となる。
【符号の説明】
【0045】
1 レンズフード
10 付勢部
11 移動部材
11a 傾斜部
12 弾性部材
13 第3係合部
2 フロントリング
21 第1係合部
22 第2係合部
図1
図2
図3
図4
図5