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2024-157092情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157092
(43)【公開日】2024-11-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20241030BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20241030BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20241030BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20241030BHJP
【FI】
G06F3/12 357
G06F3/12 305
H04N1/00 350
B41J29/38 202
B41J29/38 201
B41J29/42 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023071206
(22)【出願日】2023-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】久保田 和久
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AR01
2C061AR03
2C061AS02
2C061CQ04
2C061CQ24
2C061CQ34
2C061HJ07
2C061HK11
2C061HN15
5C062AA05
5C062AB20
5C062AB23
5C062AB40
5C062AC02
5C062AC05
5C062AC22
(57)【要約】
【課題】利便性を向上可能な、情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】情報処理装置は、ジョブに含まれる1以上の機能の設定内容を記憶可能な記憶部と、前記設定内容を、前記機能単位で前記記憶部に記憶させる制御部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジョブに含まれる1以上の機能の設定内容を記憶可能な記憶部と、
前記設定内容を、機能単位で前記記憶部に記憶させる制御部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記設定内容を、ジョブ単位で前記記憶部に記憶させる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、ユーザの操作入力に基づき、前記設定内容を前記記憶部に記憶させる単位を決定する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記記憶部に記憶された前記機能単位の前記設定内容を表示する表示部と、
前記表示部に表示された前記機能単位の前記設定内容のうち、1以上の前記設定内容を選択する操作入力を受け付ける受付部と、
をさらに備え、
前記制御部は、選択された前記1以上の前記設定内容の前記機能を含む新規ジョブを実行させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記記憶部に記憶された前記機能単位の前記設定内容を表示する表示部と、
前記表示部に表示された前記機能単位の前記設定内容のうち、1以上の前記設定内容を選択する操作入力を受け付ける受付部と、
をさらに備え、
前記制御部は、前記表示部に表示された前記機能単位の前記設定内容の1以上が選択された場合、選択された前記1以上の前記設定内容の前記機能に関する設定内容を、前記表示部において非表示にする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記記憶部に記憶された前記機能単位の前記設定内容を表示する表示部と、
前記表示部に表示された前記機能単位の前記設定内容のうち、1以上の前記設定内容を選択する操作入力を受け付ける受付部と、
をさらに備え、
前記制御部は、実行が不可能である又は実行が禁止されている前記機能に関する設定内容を、前記表示部において非表示にする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記記憶部に記憶された前記機能単位の前記設定内容を表示する表示部と、
前記表示部に表示された前記機能単位の前記設定内容のうち、1以上の前記設定内容を選択する操作入力を受け付ける受付部と、
をさらに備え、
前記制御部は、前記表示部に表示された前記機能単位の前記設定内容の1以上が選択された場合、選択された前記1以上の前記設定内容と組み合わせることができない設定内容を、前記表示部において非表示にする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記ジョブを実行させた場合、前記ジョブに含まれる1以上の前記機能の前記設定内容を、自動的に、前記機能単位で前記記憶部に記憶させる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記ジョブに含まれる1以上の前記機能の前記設定内容の一部が、既に前記記憶部に記憶されている場合、前記一部の前記設定内容を前記機能単位で新たに前記記憶部に記憶させず、
前記ジョブに含まれる1以上の前記機能の前記設定内容のうち、前記一部の設定内容以外の他の設定内容を、自動的に、前記機能単位で前記記憶部に記憶させ、
前記記憶部において、前記一部の前記設定内容を、前記他の設定内容と対応付ける、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記記憶部に記憶された前記機能単位の前記設定内容を表示する表示部をさらに備え、
前記制御部は、対応付けられた前記設定内容を、前記表示部において互いに近接する位置に表示させる、
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記記憶部に記憶された前記機能単位の前記設定内容を表示する表示部をさらに備え、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された時期が新しい前記設定内容ほど、前記表示部における所定位置の近くに表示させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
ジョブを実行可能な情報処理装置と、
前記情報処理装置と情報通信可能に接続され、前記ジョブに含まれる1以上の機能の設定内容を機能単位で記憶する、端末装置と、
を備える、情報処理システム。
【請求項13】
前記端末装置は、記憶した前記機能単位の前記設定内容を表示し、表示した前記機能単位の前記設定内容のうち、1以上の前記設定内容を選択する操作入力を受け付け、
前記情報処理装置は、前記端末装置において選択された前記1以上の前記設定内容の前記機能を含む新規ジョブを実行する、
請求項12に記載の情報処理システム。
【請求項14】
ジョブに含まれる1以上の機能の設定内容を記憶可能な情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
前記設定内容を、機能単位で記憶する、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、情報処理装置において、実行させる一連の処理を記憶する機能が知られている。例えば、特許文献1には、各アプリケーションの実行に伴って設定データを登録したり、ユーザが各アプリケーションに設定データを設定したりする装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-146503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、装置の表示画面によっては、記憶された一連の処理の内容全体が、表示画面内に表示しきれず、記憶された一連の処理の内容を、ユーザが表示画面上で確認できない場合がある。また、一連の処理が自動的に登録されたり、他のユーザが一連の処理を登録した場合、自ら登録を行っていないユーザは、登録された一連の処理の内容を知ることができない場合がある。その場合、当該ユーザは、登録された一連の処理を使用できない。これにより、複数の異なるユーザが同一又は類似する一連の処理を登録する可能性もある。
【0005】
また、一連の処理の登録件数が多い場合には、登録された一連の処理を装置に実行させる際に、ユーザは、装置を操作して、使用したい一連の処理を見つけることが困難になりうる。さらに、登録した一連の処理に対してユーザが自由に名称を付した場合、名称を見ただけでは、登録された当該一連の処理の内容を、他のユーザが知ることが難しくなる。
【0006】
本開示は、上述の問題に鑑みてなされたものである。本開示の目的は、利便性を向上可能な、情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一形態の情報処理装置は、ジョブに含まれる1以上の機能の設定内容を記憶可能な記憶部と、前記設定内容を、機能単位で前記記憶部に記憶させる制御部と、を備える。
【0008】
本開示の一形態の情報処理システムは、ジョブを実行可能な情報処理装置と、前記情報処理装置と情報通信可能に接続され、前記ジョブに含まれる1以上の機能の設定内容を機能単位で記憶する、端末装置と、を備える。
【0009】
本開示の一形態の情報処理方法は、ジョブに含まれる1以上の機能の設定内容を記憶可能な情報処理装置が実行する情報処理方法であって、前記設定内容を、機能単位で記憶する。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、利便性を向上可能な、情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態に係る情報処理装置の概略構成の一例を示す機能ブロック図である。
図2図1の制御部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図3】ジョブの例を示す図である。
図4図1の記憶部に記憶される設定内容の例を示す図である。
図5図1の記憶部に記憶された機能単位の設定内容に基づいて新規ジョブを実行させる場合の処理の一例を示すフローチャートである。
図6図1の表示部に表示される、機能単位の設定内容の一覧を表示する表示画面を示す図である。
図7図1の表示部に表示される、機能単位の設定内容の一覧を表示する表示画面を示す図である。
図8】一実施形態に係る情報処理システムの概略構成の一例を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面において、同一又は同等の構成要素には同一の符号を付し、同一又は同等の構成要素に関する説明が重複する場合は適宜省略する。
【0013】
図1は、一実施形態に係る情報処理装置10の概略構成の一例を示す機能ブロック図である。情報処理装置10は、1以上の機能の設定内容を組み合わせたジョブに基づいて、所定の処理を実行可能な装置である。本明細書では、一例として、情報処理装置10が、コピー、ファクシミリ(FAX)、スキャン、プリントなどの処理を実行可能な複合機であるとして、以下説明する。
【0014】
ジョブは、1以上の機能の設定内容の組合せにより構成される。機能は、各処理において、ユーザが希望に応じて選択することができる設定事項である。例えば、コピー処理において選択可能な設定事項(機能)は、カラーモード、コピー用紙、両面モード、倍率、濃度及び後処理などを含む。カラーモードは、カラーコピーを行うか否かに関する設定であり、具体的な設定として、例えば、カラー、白黒及び自動の中から選択できる。コピー用紙は、コピー先の用紙に関する設定であり、具体的な設定として、例えば、各用紙サイズ(B5、B4、A4、A3など)、カード、はがき及び封筒の中から選択できる。両面モードは、両面コピーを行うか否かに関する設定であり、具体的な設定として、例えば、片面又は両面の中から選択できる。両面モードにおいては、さらに、コピーの原稿が片面印刷か両面印刷かを選択可能であってよい。従って、これらを組み合わせて、片面から片面へのコピー、片面から両面へのコピー、両面から片面へのコピー、両面から両面へのコピー、のいずれかを選択可能であってよい。両面モードにおいては、両面コピーを行う場合、さらに、両面コピーを行う向きを選択可能であってよい。倍率は、コピーの倍率に関する設定であり、例えば、予め決定された適宜の範囲の間で選択できる。濃度は、コピーの濃度に関する設定であり、例えば、自動、薄く及び濃くの中から選択できる。後処理は、コピーした後にコピーした用紙に対して施す処理であり、例えば、ソート、紙折り機能、パンチ2穴の中から選択できる。コピー処理では、さらに部数に関する設定が可能であってよい。つまり、コピー機能では、何部コピーを行うかを設定可能であってよい。
【0015】
機能は、情報処理装置10が実行可能な各処理に対して、それぞれ設けられていてよい。従って、コピー処理以外の処理についても、それぞれ選択可能な設定項目が設けられていてよい。例えば、FAX処理において選択可能な設定事項は、送信先名、原稿、濃度及び画質などを含んでよい。送信先名は、FAXの送信先に関する設定であり、例えば、予め設定された送信先の名称から選択できる。原稿は、FAX送信の原稿に関する設定であり、具体的な設定として、例えば、各原稿サイズ(B5、B4、A4、A3など)、カード、及びはがきの中から選択できる。濃度は、FAX送信の原稿の読取り濃度に関する設定であり、例えば、自動、薄く及び濃くの中から選択できる。画質は、FAX原稿を送信する際の画質に関する設定であり、具体的な設定として、例えば、普通、精細及び高精細の中から選択できる。
【0016】
機能は、ここで具体的に説明した各処理以外の処理についてもそれぞれ設けられていてよい。例えば、スキャン処理及びプリント処理についても、それぞれ選択可能な設定項目が、機能として設けられていてよい。
【0017】
図1に示すように、情報処理装置10は、機能部として、制御部11と、記憶部12と、表示部13と、受付部14と、を備える。
【0018】
制御部11は、情報処理装置10の各機能部をはじめとして、情報処理装置10の全体を制御及び管理する。制御部11は、例えば記憶部12に格納された制御プログラムを動作させるなどして、各種制御を行う。例えば、制御部11は、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)などの制御デバイスにより構成することができる。
【0019】
制御部11は、後述する受付部14で受け付けたユーザの操作入力に基づいて、処理を実行する。例えば、制御部11は、受付部14で受け付けたユーザの操作入力に基づいて、コピー、FAX、スキャン又はプリントなどの処理を実行する。制御部11は、処理を実行するにあたり、受付部14において1以上の機能について、設定事項に関する選択が行われている場合には、選択に基づき、当該1以上の機能の設定内容を組み合わせたジョブを実行する。
【0020】
本実施形態において、制御部11は、機能に関する設定内容を、機能単位で記憶部12に記憶させる。制御部11は、例えばユーザの操作入力に基づいてジョブを実行させた場合、実行させたジョブに含まれる1以上の機能の設定内容を、自動的に、機能単位で記憶部12に記憶させることができる。あるいは、制御部11は、ユーザによる、設定内容を記憶(登録)させるための所定の操作入力に基づき、機能単位で設定内容を記憶部12に記憶させることが可能に構成されていてもよい。制御部11による、機能単位で設定内容を記憶させる処理の詳細については、後述する。
【0021】
制御部11は、記憶部12に記憶された設定内容に関する情報に基づいて、表示部13における表示内容を制御する。例えば、制御部11は、記憶部12に記憶された機能単位の設定内容を、表示部13に一覧として表示する。制御部11による、表示内容の制御の詳細については、後述する。
【0022】
記憶部12は、プログラム及びデータを記憶可能な記憶媒体である。記憶部12は、例えば半導体メモリ又は磁気メモリなどで構成することができる。具体的には、記憶部12は、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)により構成することができる。記憶部12は、例えば制御部11を動作させるためのプログラムなどを記憶してよい。
【0023】
本実施形態において、記憶部12は、機能の設定内容を、機能単位で記憶する。記憶部12は、例えば、制御部11がユーザの操作入力に基づいてジョブを実行するたびに、当該ジョブに含まれる機能について、機能単位で設定内容を記憶する。このようにして、記憶部12には、実行されたジョブに含まれる機能の設定内容が、機能単位で記憶される。このようにして、記憶部12は、過去に実行されたジョブに含まれる機能の設定内容を、履歴として蓄積することができる。
【0024】
表示部13は、画像を表示するデバイスである。表示部13は、例えば液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro-Luminescence Display)、又は無機ELディスプレイ(IELD:Inorganic Electro-Luminescence Display)等の周知のディスプレイにより構成されてよい。表示部13は、制御部11の制御に基づいて、各種情報を表示する。具体的には、表示部13は、例えば情報処理装置10が実行可能な処理を表示する。また、表示部13は、ユーザが選択可能な機能の情報を表示する。
【0025】
受付部14は、ユーザからの操作入力を受け付ける。本実施形態では、受付部14は、ユーザが情報処理装置10に実行させる処理の入力を受け付ける。また、受付部14は、各機能を選択する入力を受け付けてよい。
【0026】
受付部14は、例えばタッチパネルにより構成することができる。タッチパネルは、静電容量方式、抵抗膜方式、赤外線遮断方式又は超音波表面弾性波方式など、公知の方式により構成することができる。受付部14は、タッチパネルにより構成される場合、表示部13上に配置されてよい。例えば、受付部14であるタッチパネルは、例えば透明なアクリル樹脂などで形成され、表示部13に表示された画像が、タッチパネルを通して視認可能に構成されていてよい。受付部14がタッチパネルにより構成されている場合、ユーザがタッチパネルに対して、操作入力のためのタッチを行うと、タッチの位置が検出され、検出されたタッチの位置に応じた処理が実行される。
【0027】
本実施形態に係る情報処理装置10では、ユーザは、表示部13に表示された情報に基づいて操作入力を行う。受付部14は当該操作入力を受け付け、制御部11は受け付けた操作入力に応じた処理を実行する。
【0028】
例えば、表示部13には、情報処理装置10が実行可能な処理が表示される。ユーザが、受付部14に対して、所定の処理を実行させるための操作入力を行うと、制御部11は、操作入力に応じて、例えば、コピー、FAX、スキャン又はプリントなどの処理を実行する。
【0029】
例えば、表示部13には、ユーザが処理を実行させるにあたり、各機能の設定内容を選択させるための入力ボタンが表示される。受付部14は、機能に関する設定内容の選択を受け付け可能である。一例として、コピー処理を実行させる場合、表示部13には、例えば、カラーモード、コピー用紙、両面モード、倍率、濃度及び後処理の設定内容を選択するための入力ボタンが表示される。ユーザが、カラーモードの設定内容を選択するための入力ボタンを選択する操作入力を行った場合、受付部14が当該操作入力を受け付け、制御部11は、カラーモードで選択可能な設定内容として、カラー、白黒及び自動の中からいずれかを選択させるための入力ボタンを、表示部13に表示させる。ユーザは、カラー、白黒及び自動のいずれかを選択する操作入力を行う。受付部14が当該操作入力を受け付けることにより、カラーモードという機能における設定内容が選択(決定)される。他の機能についても同様である。つまり、コピー用紙、両面モード、倍率、濃度及び後処理の各機能についても、表示部13における表示内容に従ってユーザが操作入力を行うことにより、希望する設定内容を選択することができる。なお、本段落で説明したように、各機能の設定内容を個別に選択する方法を、以下、本明細書において「個別の機能設定」ともいう。
【0030】
また、表示部13は、制御部11の制御に基づき、記憶部12に記憶された設定内容を表示させることができる。例えば、ユーザが、記憶部12に記憶された設定内容を表示させるための操作入力を行ったとする。受付部14が当該操作入力を受け付けると、制御部11は、操作入力に基づき、記憶部12に機能単位で記憶された設定内容を参照し、記憶部12に記憶された機能単位の設定内容を表示する。ユーザは、表示部13に表示された機能単位の設定内容のうち、1以上を選択する操作入力を行う。受付部14は、表示部13に表示された機能単位の設定内容のうち、1以上の設定内容を選択する操作入力を受け付ける。この場合、制御部11は、選択された1以上の設定内容の機能を含む新規ジョブを実行させる。なお、本段落で説明したように、記憶部12に記憶された機能単位の設定内容に基づいて各機能の設定内容を選択する方法を、以下、本明細書において「登録済み設定内容に基づく機能設定」ともいう。
【0031】
なお、情報処理装置10は、ここで示した機能部の他に、処理を実行するための機能部を備えている。具体的には、情報処理装置10は、例えばコピー、FAX、スキャン及びプリントなどの処理を実行するための機能部を備える。これらの機能部は、公知の構成により実現することができる。
【0032】
次に、情報処理装置10の制御部11により実行される処理の具体的な例について、フローチャートを参照しながら説明する。図2は、制御部11が実行する処理の一例を示すフローチャートである。具体的には、図2は、制御部11が、ジョブを実行した場合に、自動的に、機能単位で設定内容を記憶(登録)させる処理の一例を示す。
【0033】
まず、制御部11は、受付部14において、ユーザによる、所定の処理を実行するための操作入力を受け付ける(ステップS11)。具体的には、ユーザは、情報処理装置10を用いて、所定の処理を実行させるための操作入力を行う。制御部11は、当該操作入力を受け付ける。このとき、ユーザは、希望に応じて、各機能の設定事項を選択する。つまり、ユーザは、個別の機能設定を行う。この場合、ユーザは、各機能について、1つずつ設定事項を選択する操作入力を行う。例えば、ユーザは、「カラー:白黒/原稿:A5/用紙:トレイ2 A3 普通紙/紙折り:サドル折り(外側)」というジョブを実行しようとしているとする。この場合、ユーザは、受付部14に対して所定の操作入力を行うことにより、「カラー」という機能について、例えば「白黒」、「カラー」又は「自動」という3つの設定の中から、「白黒」という設定を選択する。同様に、ユーザは、受付部14に対して所定の操作入力を行うことにより、「原稿」という機能について、例えば「A3」、「A4」、「A5」、「B3」、「B4」及び「B5」などの設定の中から、「A5」という設定を選択する。「用紙」及び「紙折り」という機能についても、同様に、機能単位で設定を選択する操作入力を行う。
【0034】
このようにしてユーザが実行する操作入力に基づき、制御部11は、各機能の設定事項の選択の入力を受け付ける。これにより、制御部11は、実行するジョブを受け付けることができる。
【0035】
制御部11は、ステップS11で受け付けた操作入力に基づいて、ジョブを実行する(ステップS12)。例えば、制御部11は、ステップS11で、コピー処理を実行するための操作入力を受け付けていた場合、ステップS12でコピー処理を実行する。このとき、制御部11は、ステップS11で受け付けたジョブに従って、コピー処理を実行する。
【0036】
図2に示すフローでは、ステップS12でジョブを実行した後、制御部11は、実行したジョブに含まれる機能について、自動的に、機能単位で設定内容を記憶部12に記憶(登録)させる。
【0037】
具体的には、制御部11は、実行したジョブを機能単位に分解する(ステップS13)。図3は、ジョブの例を示す図である。図3では、ジョブの例が、一覧として列挙されている。図3において、各行ごとに各番号に対応付けられたジョブの内容が、1つのジョブの内容であり、すなわち、1つのジョブに含まれる1以上の機能である。ここでは、図3に示すジョブの一覧が、情報処理装置10の制御部11により実行されたジョブの一覧であるとする。また、図3に示すジョブの一覧において、番号が若いほど、後に実行されたジョブであるとする。つまり、図3に示すジョブの一覧において、番号が「1」のジョブが、最後に実行された、最新のジョブであるとする。
【0038】
図3に示す例では、最新のジョブとして、「カラー:白黒/原稿:A5/用紙:トレイ2 A3 普通紙/紙折り:サドル折り(外側)」と記載されている。ここで、スラッシュ記号「/」は、機能単位の区切りを示す。つまり、図3に示す例における最新のジョブは、「カラー:白黒」、「原稿:A5」、「用紙:トレイ2 A3 普通紙」及び「紙折り:サドル折り(外側)」という4つの機能を含むジョブである。制御部11は、ステップS13において、例えば最新のジョブを、「カラー:白黒」、「原稿:A5」、「用紙:トレイ2 A3 普通紙」及び「紙折り:サドル折り(外側)」のように、機能単位に分解する。
【0039】
次に、制御部11は、分解した各機能について、登録済みの設定内容が存在するか否かを判定する(ステップS14)。例えば、制御部11は、「カラー:白黒」という設定内容が、既に記憶部12に記憶されているか否かを判定する。同様に、制御部11は、「原稿:A5」、「用紙:トレイ2 A3 普通紙」及び「紙折り:サドル折り(外側)」の各機能についても、これらの設定内容が記憶部12に記憶されているか否かを判定する。
【0040】
制御部11は、登録済みの設定内容が存在しないと判定した場合(ステップS14のNo)、ステップS13で分解された全ての機能について、機能単位で設定内容を記憶させる(ステップS15)。ここでの例では、制御部11は、「カラー:白黒」、「原稿:A5」、「用紙:トレイ2 A3 普通紙」及び「紙折り:サドル折り(外側)」の全てについて、設定内容を記憶部12に記憶させる。これにより、実行されたジョブに含まれる各機能が登録される。
【0041】
一方、制御部11は、登録済みの設定内容が存在すると判定した場合(ステップS14のYes)、ステップS13で分解された機能のうち、登録済みの設定内容を除き、機能単位で設定内容を記憶させる(ステップS16)。つまり、制御部11は、ジョブに含まれる1以上の機能の設定内容の一部が、既に記憶部12に記憶されている場合、当該一部の設定内容を機能単位で新たに記憶部12に記憶させず、ジョブに含まれる1以上の機能の設定内容のうち、当該一部の設定内容以外の他の設定内容を、自動的に、機能単位で記憶部12に記憶させる。例えば、「原稿:A5」という設定内容が、記憶部12に記憶されている場合、制御部11は、既に記憶部12に記憶されている「原稿:A5」という設定内容については、新たに記憶部12に記憶させず、他の設定内容である、「カラー:白黒」、「用紙:トレイ2 A3 普通紙」及び「紙折り:サドル折り(外側)」については、機能単位で設定内容を記憶部12に記憶させる。これにより、既に登録されている設定内容と重複することなく、実行されたジョブに含まれる各機能が登録される。
【0042】
なお、図2に示すフローでは、ステップS12でジョブを実行した後に、実行したジョブに含まれる機能について、機能単位で設定内容を記憶部12に記憶される場合について説明した。しかしながら、ジョブに含まれる機能の設定内容は、ジョブが実行される前に記憶部12に記憶されてもよい。例えば、ユーザによりジョブが入力されたときに、ジョブに含まれる機能について、機能単位で設定内容が記憶部12に記憶されてもよい。
【0043】
また、図2では、ジョブが実行されるとき、自動的に、機能単位で設定内容が記憶部12に記憶される場合について説明した。しかしながら、設定内容は、必ずしもジョブの実行と関連していなくてもよい。例えば、ユーザが、設定内容を記憶部12に記憶させるための操作入力を受付部14に行い、制御部11は、当該操作入力に基づいて、機能単位で設定内容を記憶部12に記憶させてもよい。例えば、ユーザが、「カラー:白黒」という設定内容を登録するための操作入力を行うと、制御部11は、当該操作入力に基づいて、「カラー:白黒」という設定内容を記憶部12に記憶させる。
【0044】
図4は、記憶部12に記憶される設定内容の例を示す図である。図4に示すように、記憶部12には、機能単位で設定内容が記憶される。図4に示す例では、番号「1」から「36」までの36個の設定内容が、機能単位で記憶されている。
【0045】
次に、図5を参照しながら、記憶部12に記憶された機能単位の設定内容に基づいて新規ジョブを実行させる場合の処理の一例について、説明する。つまり、ここでは、個別の機能設定ではなく、登録済み設定内容に基づく機能設定を行うことにより、新規ジョブを実行させる場合の例について説明する。
【0046】
まず、ユーザは、情報処理装置10に対して、記憶部12に記憶された機能単位の設定内容の一覧を表示させるための操作入力を行う。制御部11は、受付部14において、当該操作入力を受け付ける(ステップS21)。
【0047】
制御部11は、ステップS21で受け付けた操作入力に基づき、記憶部12に記憶された機能単位の設定内容の一覧を、表示部13に表示させる(ステップS22)。
【0048】
図6は、表示部13に表示される、機能単位の設定内容の一覧を表示する表示画面を示す図である。制御部11は、例えば図4に示す、記憶部12に記憶された設定内容の一覧に基づいて、図6に示す表示画面を表示部13に表示させる。制御部11は、適宜の配列で、記憶部12に記憶された設定内容の一覧を表示させることができる。図6に示す例では、機能単位の設定内容のみが一覧として表示されているが、制御部11は、例えば図4に示すように、各機能単位の設定内容に対して番号を付して、機能単位の設定内容を表示してもよい。
【0049】
ユーザは、表示部13に、例えば図6に示す表示画面が表示された状態で、表示された機能単位の設定内容のうち、実行させようとする新規ジョブに含める1以上の機能の設定内容を選択する操作入力を行う。制御部11は、受付部14において、当該操作入力、つまり、1以上の機能の設定内容を選択する操作入力を受け付ける(ステップS23)。
【0050】
例えば、ユーザが、「コピー濃度:文字印刷 濃度:3.0/白黒反転:ON/両面:片面→両面(よことじ)/ステープル:針無し」という新規ジョブを実行させようとしているとする。このとき、ユーザは、表示部13に、例えば図6に示す表示画面が表示された状態で、新規ジョブに含める機能の設定内容である「コピー濃度:文字印刷 濃度:3.0」及び「白黒反転:ON」を選択する操作入力を行ったとする。制御部11は、受付部14において、「コピー濃度:文字印刷 濃度:3.0」及び「白黒反転:ON」を選択する操作入力を受け付ける。
【0051】
このとき、制御部11は、表示部13において、選択された設定内容を、選択されていない他の設定内容と区別可能に表示してよい。制御部11は、適宜の方法により、選択された設定内容を区別可能に表示することができ、例えば図7に示すように、選択された設定内容を、太枠で示すことにより、区別可能に表示することができる。ただし、図7に示す方法は一例にすぎず、制御部11は、例えば表示サイズや表示色を変更するなど、適宜の方法で、設定内容を区別可能に表示してよい。
【0052】
次に、制御部11は、選択された機能の設定内容に基づき、表示部13における表示を変更する(ステップS24)。このとき、制御部11は、ステップS23で選択を受け付けた機能の設定内容に基づいて、表示部13における表示を変更する。
【0053】
例えば、制御部11は、選択された1以上の設定内容の機能に関する設定内容を、表示部13において非表示にする。選択された1以上の設定内容の機能に関する設定内容とは、選択された1以上の設定内容の機能として選択可能な他の設定内容をいう。例えば、上述のように、「コピー濃度:文字印刷 濃度:3.0」という機能の設定内容が選択されているとする。この場合、選択された1以上の設定内容の機能は、「コピー濃度」である。すでに、「コピー濃度」という機能について、「コピー濃度:文字印刷 濃度:3.0」という機能の設定内容が選択されている場合、同一の機能に関する他の設定内容については、同一の(1つの)ジョブに含めることができない。例えば、同一の「コピー濃度」という機能に関する他の設定内容である「コピー濃度:文字印刷 濃度:5.0」については、同一のジョブに含めることができない。そのため、制御部11は、選択された1以上の設定内容の機能に関する設定内容(ここでの例では、「コピー濃度:文字印刷 濃度:5.0」)については、例えば図7に示すように、表示部13において非表示にするように、表示を変更する。
【0054】
なお、ここでの例では、「白黒反転:ON」という機能の設定内容も選択されている。そのため、例えば、「白黒反転」という機能の他の設定内容として、「白黒反転:OFF」などが表示部13に表示されている場合には、制御部11は、当該「白黒反転:OFF」という機能の設定内容を、表示部13において非表示にするように、表示を変更する。
【0055】
制御部11は、他の観点で表示部13における表示を変更することもできる。例えば、制御部11は、選択された1以上の設定内容と組み合わせることができない設定内容を、表示部13において非表示にするように、表示を変更することができる。例えば、上述のように、「白黒反転:ON」という機能の設定内容が選択されているとする。この場合、制御部11は、「白黒反転:ON」という設定内容と組み合わせることができない設定内容を、表示部13において非表示にする。例えば、「RGB調整」という機能は、「白黒反転:ON」という設定内容と組み合わせることができないため、制御部11は、図7に示すように、「RGB調整:緑 レベル2」及び「RGB調整:赤 レベル1」という設定内容を非表示にする。また、例えば、「明度」及び「彩度」という機能は、「白黒反転:ON」という設定内容と組み合わせることができないため、制御部11は、図7に示すように、「彩度:レベル3」、「明度:レベル2」及び「明度:レベル3」という設定内容を非表示にする。さらに、例えば、「カラー:2色(赤)」という機能の設定内容は、「白黒反転:ON」という設定内容と組み合わせることができないため、制御部11は、図7に示すように、当該「カラー:2色(赤)」という設定内容を非表示にする。また、例えば、「カラー:白黒」という機能は、「白黒反転:ON」という設定内容を選択することにより、同時に選択された設定内容となるため、制御部11は、図7に示すように、「カラー:白黒」という設定内容を非表示にする。また、選択された機能を解除(非選択)した場合は、非表示になった設定項目が再表示される。
【0056】
このようにして、制御部11は、ステップS23で選択を受け付けた機能の設定内容に基づいて、表示部13における表示を変更することができる。これにより、選択済みの設定内容との関係で、1つのジョブとして組み合わせることができない設定内容を非表示にすることにより、実行できないジョブをユーザに入力させることを防止することができる。また、表示される設定内容を非表示にすることによって表示される設定内容の数を減らすことで、ユーザに対して提示される設定内容の選択肢の数が減るので、他の設定内容をユーザに見つけやすくすることができ、設定内容の選択を容易にすることができる。
【0057】
制御部11は、ステップS24で表示を変更した後、ユーザによる設定内容の選択が完了したか否かを判定する(ステップS25)。制御部11は、多様な方法で、設定内容の選択が完了したか否かを判定することができる。例えば、設定内容の選択を完了したことを示す入力ボタンが表示部13に表示されている場合、制御部11は、当該入力ボタンへの操作入力を検出すると、設定内容の選択が完了したと判定することができる。例えば、ジョブの実行を開始させる入力ボタンが表示部13に表示されている場合、制御部11は、当該入力ボタンへの操作入力を検出すると、設定内容の選択が完了したと判定することができる。例えば、制御部11は、受付部14において何らの操作入力も受け付けていない状態で所定時間が経過した場合に、設定内容の選択が完了したと判定してもよい。
【0058】
制御部11は、ユーザによる設定内容の選択が完了していないと判定した場合(ステップS25のNo)、ステップS23に移行して、ステップS23からステップS25を繰り返す。例えば、ユーザが、「コピー濃度:文字印刷 濃度:3.0/白黒反転:ON/両面:片面→両面(よことじ)/ステープル:針無し」という新規ジョブを実行させようとしており、「コピー濃度:文字印刷 濃度:3.0」及び「白黒反転:ON」という設定内容のみが選択されている場合、ユーザは、さらに「両面:片面→両面(よことじ)」及び「ステープル:針無し」という設定内容を選択する。制御部11は、このようにしてユーザにより選択された設定内容を、ステップS23において受け付ける。
【0059】
一方、制御部11は、ユーザによる設定内容の選択が完了したと判定した場合(ステップS25のYes)ステップS23で受け付けた1以上の機能の設定内容により構成される1つの新規ジョブを生成する(ステップS26)。上述の例では、制御部11は、「コピー濃度:文字印刷 濃度:3.0」及び「白黒反転:ON」という設定内容を含む新規ジョブを生成する。
【0060】
そして、制御部11は、ステップS26で生成した新規ジョブを実行する(ステップS27)。制御部11は、ユーザにより、新規ジョブを実行させるための別途の操作入力を受付部14から受け付けた場合に、新規ジョブを実行してもよい。
【0061】
このように、本実施形態では、制御部11は、設定内容を機能単位で記憶部12に記憶させることができる。ジョブ単位で設定内容が記憶される場合には、複数のユーザにより類似する設定内容により構成されるジョブが複数登録されることがあり、類似する設定内容により構成されるジョブによって、記憶部12のメモリーが消費されることがあった。なお、ジョブ単位で記憶部12に記憶されるとは、例えば図3に示す例に示す、行ごとの設定内容のジョブが、記憶部12に記憶されることである。従って、例えば、図3の番号3のジョブと番号17のジョブとは、「ステープル:針無し」という設定内容を含むか含まないか、という違いを有しているだけにもかかわらず、2つのジョブとして別々に記憶されていた。これに対し、本実施形態のように機能単位で設定内容が記憶される場合には、類似するジョブが複数登録されることがないため、記憶部12の記憶容量を、より有効に利用することができる。また、機能単位で設定内容が記憶される場合、ジョブ単位で記憶される場合と比較して、1つの単位に含まれる情報量が少ない。そのため、記憶部12の記憶容量を、より有効に利用することができる。
【0062】
また、機能単位で記憶された設定内容を、例えば図6に示すように表示部13に表示させる場合、1つの単位に含まれる情報量が少ないため、単位ごとに表示部13に表示される情報が少なくなる。そのため、表示部13のサイズが小さくても、1つの単位に含まれる情報の全体が、表示部13に表示されやすくなる。例えば、ジョブ単位で設定内容が記憶されている場合、図3に示す内容が、表示部13に表示されることになる。しかしながら、ジョブを構成する設定内容が多い場合には、表示すべき内容が長くなる。そのため、ジョブの内容の全体が表示部13に収まりきらない場合がある。この場合、ユーザは、記憶されたジョブを表示部13に表示させたとしても、ジョブの内容の全体が表示部13に収まっていないため、ジョブの内容の全体を確認できない場合がある。これに対し、本実施形態のように機能単位で設定内容が記憶されている場合、1つの単位に含まれる情報が少ないため、表示部13の画面が小さい場合であっても、例えば図6に示すように、個々の機能の設定内容の全体が表示されやすくなる。そのため、ユーザは、記憶されている設定内容を、表示部13上で確認しやすくなる。このようにして、本実施形態に係る情報処理装置10によれば、利便性を向上させることができる。
【0063】
上述した図5のステップS24において、制御部11は、さらに他の観点で表示部13における表示を変更することもできる。例えば、制御部11は、実行が不可能である又は実行が禁止されている機能に関する設定内容を、表示部13において非表示にするように、表示を変更することができる。
【0064】
実行が不可能であるとは、例えば情報処理装置10の機能として実行ができないことをいう。例えば、情報処理装置10に対して、特定の機能の設定内容をオプションで装着可能である場合に、当該特定の機能の設定内容が、オプションとして非装着の情報処理装置10では、当該特定の機能の設定内容を実行することができない。このように、オプションが非装着の場合、実行が不可能であるため、制御部11は、当該特定の機能の設定内容を、表示部13において非表示とすることができる。オプションで装着可能な機能として、例えば、用紙に、ホチキス留め、穴あけ、中折り又は製本などの処理を自動で行う、フィニッシャー機能がある。ただし、オプションで装着可能な機能は、これに限られない。
【0065】
実行が禁止されているとは、例えば情報処理装置10の管理者などによって、情報処理装置10で実行が禁止されるように設定されていることをいう。例えば、管理者などは、フィニッシャー機能などの特定の機能を、情報処理装置10において使用禁止に設定することができる。この場合、制御部11は、使用禁止に設定された機能を、表示部13において非表示にする。なお、管理者などは、情報処理装置10のユーザごとに、特定の機能の設定内容を禁止するか否かを設定することもできる。この場合、表示部13において非表示となる機能の設定内容は、ユーザごとに異なる。
【0066】
このように、実行が不可能である又は実行が禁止されている機能に関する設定内容を非表示にすることにより、実行できないジョブをユーザに入力させることを防止することができる。また、表示される設定内容を非表示にすることによって表示される設定内容の数を減らすことで、ユーザに対して提示される設定内容の選択肢の数が減るので、他の設定内容をユーザに見つけやすくすることができ、設定内容の選択を容易にすることができる。
【0067】
上記実施形態において、制御部11は、記憶部12に記憶された機能の設定内容のうち、記憶された時期が新しい設定内容ほど、表示部13における所定の位置の近くに表示させてよい。所定の位置は、例えば表示部13における画面の上部である。この場合、制御部11は、例えば図5のステップS22において、記憶された時期が新しい設定内容ほど、画面の上部に表示させる。つまり、制御部11は、新たに記憶された設定内容を、画面の上部に表示させることができる。新たに記憶部12に記憶された設定内容は、ユーザが直近で使用する可能性が高いと考えられるため、新たに記憶された設定内容を所定の位置(例えば上部)に表示することで、ユーザが目的とする設定内容を探しやすくなる。なお、所定の位置は、必ずしも画面の上部でなくてもよく、例えば情報処理装置10における表示部13の配置などに基づき、適宜定めることができる。
【0068】
上記実施形態では、制御部11は、ジョブに含まれる1以上の機能の設定内容の一部が、既に記憶部12に記憶されている場合、当該一部の設定内容を機能単位で新たに記憶部12に記憶させず、ジョブに含まれる1以上の機能の設定内容のうち、当該一部の設定内容以外の他の設定内容を、自動的に、機能単位で記憶部12に記憶させると説明した(図2のステップS16)。この場合、制御部11は、当該一部の設定内容を、他の設定内容と対応付けて記憶させることができる。つまり、制御部11は、記憶部12において、当該一部の設定内容を、他の設定内容と対応付けることができる。
【0069】
例えば、図2のステップS16で説明した例では、「原稿:A5」という設定内容が、記憶部12に既に記憶されており、「カラー:白黒」、「用紙:トレイ2 A3 普通紙」及び「紙折り:サドル折り(外側)」という設定内容が、新たに記憶部12に記憶されると説明した。この場合、「原稿:A5」という設定内容が、「一部の設定内容」に相当し、「カラー:白黒」、「用紙:トレイ2 A3 普通紙」及び「紙折り:サドル折り(外側)」という設定内容が、「他の設定内容」に相当する。そのため、制御部11は、一部の設定内容である「原稿:A5」を、他の設定内容である「カラー:白黒」、「用紙:トレイ2 A3 普通紙」及び「紙折り:サドル折り(外側)」と対応付けて、記憶部12に記憶させることができる。このように対応付けを行うことにより、1つのジョブに含まれる1以上の機能の設定内容が、互いに対応付けて記憶される。つまり、機能単位で設定内容が記憶されるとともに、ジョブ単位で設定内容が記憶されなくとも、ジョブ単位での設定内容の関連を、記憶部12に記憶させることができる。
【0070】
なお、記憶部12に記憶させる設定内容の対応付けは、必ずしも、既に記憶部12に記憶されている設定内容と、新たに記憶される設定内容との間で行われなくてもよい。例えば、図2のステップS15で説明したように、ジョブに含まれる全ての機能について、機能単位で設定内容を記憶させる場合においても、制御部11は、1つのジョブに含まれる全ての機能の設定内容を、互いに対応付けることができる。これにより、ジョブ単位で設定内容が記憶されなくとも、ジョブ単位での設定内容の関連を、記憶部12に記憶させることができる。
【0071】
制御部11は、設定内容を対応付けて記憶部12に記憶する場合、対応付けられた設定内容を、表示部13において互いに近接する位置に表示させることができる。制御部11は、例えば図5のステップS22で説明したように、機能単位の設定内容の一覧を表示部13の表示画面に表示する際に、記憶部12において対応付けられた設定内容を、互いに近接する位置(例えば上下左右の隣接する位置)に表示させる。これにより、過去に実行された1つのジョブに含まれる複数の機能の設定内容を、互いに近接する位置に表示させることができる。そのため、ユーザが、過去に実行させたジョブと同一のジョブを、新規ジョブとして実行させる場合に、表示部13において、過去に実行させたジョブに含まれる複数の機能の設定内容が近接する位置に表示されているため、新規ジョブに含める複数の機能の設定内容を探しやすくなる。
【0072】
上記実施形態では、制御部11は、設定内容を機能単位で記憶部12に記憶させると説明した。しかしながら、制御部11は、設定内容を、機能単位で記憶部12に記憶させるとともに、ジョブ単位で記憶部12に記憶できるように構成されていてもよい。この場合、例えば過去に実行されたジョブは、当該ジョブに含まれる設定内容が、機能単位で記憶されるとともに、ジョブ単位でも記憶される。ユーザは、ジョブ単位で記憶された設定内容を実行させる場合、所定の操作入力を行うことにより、記憶部12に記憶されたジョブ単位の設定内容を、表示部13に表示させ、表示されたジョブ単位の設定内容から、実行させることを希望する設定内容を選択することにより、当該ジョブ単位の設定内容により構成されるジョブを実行させることができる。このように、設定内容をジョブ単位でも記憶することにより、ユーザは、機能単位又はジョブ単位で設定内容を選択することができるので、利便性が向上する。
【0073】
また、制御部11は、ユーザの操作入力に基づき、設定内容を記憶部12に記憶させる単位を決定してもよい。つまり、制御部11は、ユーザに対して、設定内容を、機能単位で記憶(登録)させるか、ジョブ単位で記憶(登録)させるかを、入力させる。制御部11は、ユーザの操作入力に基づき、設定内容を機能単位及びジョブ単位のいずれか又は双方で記憶させることができる。これにより、ユーザは、ジョブの内容や使用場面などに応じて、設定内容を適した形式で登録することができるので、利便性がさらに向上する。
【0074】
上記実施形態では、本開示を情報処理装置として実現する場合の例について説明した。しかしながら、本開示は、情報処理システムとしても実現することができる。図8は、一実施形態に係る情報処理システム1の概略構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0075】
図8に示すように、情報処理システム1は、情報処理装置10と、端末装置20と、を備える。情報処理装置10と、端末装置20とは、例えばインターネットなどのネットワーク30を介して、情報通信可能に接続されている。情報処理装置10と端末装置20とは、例えば、Bluetooth(登録商標)又は無線LAN(Local Area Network)など、他の方式により情報通信可能に接続されてもよい。情報処理装置10と端末装置20とは、有線又は無線により情報通信可能に接続されていればよい。
【0076】
情報処理装置10は、機能部として、制御部11と、記憶部12と、表示部13と、受付部14と、通信部15と、を備える。制御部11、記憶部12、表示部13及び受付部14の機能及び構成は、図1を参照して説明したものと同じであってよいため、ここでは説明を省略する。
【0077】
通信部15は、外部装置との情報通信を実行する。ここでは、通信部15は、外部装置としての端末装置20と情報通信を実行する。通信部15は、情報通信の方式に応じて、適宜のインタフェースを含んで構成されている。通信部15は、例えば外部装置としての端末装置20から、ジョブを実行させる命令を含む信号を受信する。通信部15が当該信号を受信すると、制御部11は、当該信号に含まれる命令に基づき、ジョブを実行させる。
【0078】
端末装置20は、情報処理装置10のユーザが使用する装置である。情報処理装置10のユーザが複数存在する場合、複数のユーザは、それぞれ1台又は複数台の端末装置20を使用してもよい。つまり、情報処理システム1は、複数台の端末装置20を含んでよい。端末装置20は、例えばスマートフォン又はコンピュータなどにより構成することができる。端末装置20は、機能部として、制御部21と、記憶部22と、表示部23と、受付部24と、通信部25と、を備える。
【0079】
制御部21は、端末装置20の各機能部をはじめとして、端末装置20の全体を制御及び管理する。制御部21は、例えば記憶部22に格納された制御プログラムを動作させるなどして、各種制御を行う。例えば、制御部21は、CPU又はMPUなどの制御デバイスにより構成することができる。
【0080】
制御部21は、ユーザの操作入力に基づき、情報処理装置10に対して、所定の処理(例えばジョブ)を実行させる命令を含む信号を送信する。情報処理システム1では、端末装置20の制御部21が、機能に関する設定内容を、機能単位で端末装置20の記憶部22に記憶させる。制御部21は、例えばユーザの操作入力に基づいて、情報処理装置10にジョブを実行させた場合、実行させたジョブに含まれる1以上の機能の設定内容を、自動的に、機能単位で記憶部22に記憶させる。機能単位で設定内容を記憶させる処理としては、例えば図2を参照して説明した方法を用いることができる。
【0081】
また、制御部21は、記憶部22に記憶された設定内容に関する情報に基づいて、表示部23における表示内容を制御する。例えば、制御部21は、記憶部22に記憶された機能単位の設定内容を、表示部23に一覧として表示する。これにより、情報処理システム1においても、ユーザは、登録済み設定内容に基づく機能設定を行うことができる。つまり、制御部21は、例えば図6に示すように、記憶部22に記憶された機能単位の設定内容を表示部23に表示する。制御部21は、表示した機能単位の設定内容のうち、1以上の設定内容を選択する操作入力を、受付部24において受け付ける。制御部21は、受け付けた1以上の設定内容により構成される新規ジョブを実行させる命令を含む信号を、情報処理装置10に送信する。情報処理装置10は、信号を受信すると、信号に含まれる命令に基づき、新規ジョブを実行する。
【0082】
記憶部22は、プログラム及びデータを記憶可能な記憶媒体である。記憶部22は、例えば半導体メモリ又は磁気メモリなどで構成することができる。具体的には、記憶部22は、例えばEEPROMにより構成することができる。記憶部22は、例えば制御部21を動作させるためのプログラムなどを記憶してよい。また、記憶部22は、機能の設定内容を、機能単位で記憶する。例えば、記憶部22には、実行されたジョブに含まれる機能の設定内容が、機能単位で記憶される。このようにして、記憶部22は、過去に実行されたジョブに含まれる機能の設定内容を、履歴として蓄積することができる。
【0083】
表示部23は、画像を表示するデバイスである。表示部23は、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、又は無機ELディスプレイ等の周知のディスプレイにより構成されてよい。表示部23は、制御部21の制御に基づいて、各種情報を表示する。具体的には、表示部23は、例えば情報処理装置10が実行可能な処理を表示する。また、表示部23は、ユーザが選択可能な機能の情報を表示する。
【0084】
受付部24は、ユーザからの操作入力を受け付ける。受付部24は、例えば操作ボタンにより構成される。表示部23にタッチセンサが設けられている場合、表示部23に設けられたタッチセンサが受付部24として機能してもよい。
【0085】
通信部25は、外部装置との情報通信を実行する。ここでは、通信部25は、外部装置としての情報処理装置10と情報通信を実行する。通信部25は、情報通信の方式に応じて、適宜のインタフェースを含んで構成されている。通信部25は、例えば外部装置としての情報処理装置10に、ジョブを実行させる命令を含む信号を送信する。
【0086】
このように、情報処理システム1においても、図1から図7を参照して説明した情報処理装置10と同様の理由で、記憶部22の記憶容量を、より有効に利用することができる。特に、情報処理システム1では、機能単位の設定内容が、端末装置20の記憶部22に記憶されるため、情報処理装置10の記憶部12の容量によらず、機能単位の設定内容を端末装置20の記憶部22に記憶させることができる。
【0087】
また、情報処理システム1では、各ユーザが、自分が使用する設定内容のみを、各端末装置20に記憶させることもできる。この場合、ユーザごとに希望する設定内容のみを記憶部22に記憶させ、表示部23に表示させることができるので、自分が頻繁に使用する設定内容を容易に見つけやすくなる。また、情報処理システム1では、各ユーザが、自分が使用する端末装置20を用いて、ジョブを実行させることができるので、例えば、情報処理装置10におけるユーザごとの認証をする手間を省略することができる。さらに、情報処理システム1では、端末装置20の表示部23に、例えば記憶部22に記憶された機能単位の設定内容を表示させることができるので、情報処理装置10の表示部13が小型であっても、ユーザが不便に感じにくくなる。これにより、情報処理装置10の表示部13の小型化を実現することもできる。これにより、情報処理システム1は、利便性を向上させることができる。
【0088】
本開示を諸図面及び実施形態に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形及び修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各機能部又は各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の機能部又はステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0089】
また、実施形態において各装置で動作するプログラムは、上述した実施形態の機能を実現するようにCPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これらの装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的に一時記憶装置(例えば、RAM(Random Access Memory))に蓄積され、その後、各種ROM(Read Only Memory)やHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行われる。
【0090】
ここで、プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROMや、不揮発性のメモリカード等)、光記録媒体・光磁気記録媒体(例えば、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto Optical Disc)、MD(Mini Disc)、CD(Compact Disc)、BD(Blu-ray(登録商標)Disc等))、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等の何れであってもよい。また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本開示の機能が実現される場合もある。
【0091】
また、市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本開示に含まれるのは勿論である。
【0092】
また、上述した実施形態に用いた装置の各機能ブロック、又は諸特徴は、電気回路、例えば、集積回路あるいは複数の集積回路で実装、実行することも可能である。本明細書で述べた機能を実現するように設計された電気回路は、汎用用途プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲート又はトロンジスタロジック、ディスクリートハードウェア部品、又はこれらを組み合わせたものを含んでもよい。汎用用途プロセッサは、マイクロプロセッサでもよいし、従来型のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又はステートマシンであってもよい。前述した電気回路は、デジタル回路で構成されていてもよいし、アナログ回路で構成されていてもよい。また、半導体技術の進歩により現在の集積回路に代替する集積回路化の技術が出現した場合、本開示の一以上の態様は当該技術による新たな集積回路を用いることも可能である。
【符号の説明】
【0093】
1 情報処理システム
10 情報処理装置
11,21 制御部
12,22 記憶部
13,23 表示部
14,24 受付部
15,25 通信部
20 端末装置
30 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8