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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157128
(43)【公開日】2024-11-07
(54)【発明の名称】多層型化粧料及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
A61K 8/73 20060101AFI20241030BHJP
A61K 8/03 20060101ALI20241030BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20241030BHJP
A61Q 1/00 20060101ALI20241030BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20241030BHJP
A61Q 17/04 20060101ALI20241030BHJP
A61Q 15/00 20060101ALI20241030BHJP
A61Q 5/00 20060101ALI20241030BHJP
A61K 8/87 20060101ALI20241030BHJP
【ＦＩ】
A61K8/73
A61K8/03
A61K8/37
A61Q1/00
A61Q19/00
A61Q17/04
A61Q15/00
A61Q5/00
A61K8/87
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2023071274
(22)【出願日】2023-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】307025931
【氏名又は名称】株式会社パラエルモサ
(74)【代理人】
【識別番号】100092901
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 祐司
(74)【代理人】
【識別番号】100188260
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 愼二
(72)【発明者】
【氏名】徳江 渡
(72)【発明者】
【氏名】前澤 小悠
(72)【発明者】
【氏名】前澤 大介
【テーマコード（参考）】
4C083
【Ｆターム（参考）】
4C083AA121
4C083AA122
4C083AC021
4C083AC022
4C083AC121
4C083AC122
4C083AC302
4C083AC421
4C083AC422
4C083AC532
4C083AD021
4C083AD022
4C083AD041
4C083AD042
4C083AD071
4C083AD072
4C083AD241
4C083AD242
4C083BB36
4C083BB60
4C083CC02
4C083CC03
4C083CC12
4C083CC17
4C083CC19
4C083CC23
4C083CC31
4C083DD05
4C083DD27
4C083DD39
4C083EE01
4C083EE06
4C083EE07
4C083EE10
(57)【要約】
【課題】振盪時には均一な分散状態となり、静置時には最上水層とそれ以外の水層とを明瞭に分離でき、優れた外観性及び使用感を有する多層型化粧料の提供。
【解決手段】（Ａ）エーテル化デンプン、（Ｂ）分子中に親水基と疎水基を持ち該疎水基を分子の両末端に有する会合性増粘剤、及び（Ｃ）液晶構造を有する組成物を含有し、低級アルコールを実質的に含有しない多層型化粧料である。
【選択図】なし
【解決手段】（Ａ）エーテル化デンプン、（Ｂ）分子中に親水基と疎水基を持ち該疎水基を分子の両末端に有する会合性増粘剤、及び（Ｃ）液晶構造を有する組成物を含有し、低級アルコールを実質的に含有しない多層型化粧料である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
（Ａ）エーテル化デンプン、
（Ｂ）分子中に親水基と疎水基を持ち該疎水基を分子の両末端に有する会合性増粘剤、及び
（Ｃ）液晶構造を有する組成物
を含有し、低級アルコールを実質的に含有しないことを特徴とする多層型化粧料。
（Ｂ）分子中に親水基と疎水基を持ち該疎水基を分子の両末端に有する会合性増粘剤、及び
（Ｃ）液晶構造を有する組成物
を含有し、低級アルコールを実質的に含有しないことを特徴とする多層型化粧料。
【請求項2】
２層以上の水層からなり、重力方向における最上水層が前記（Ｂ）成分及び前記（Ｃ）成分を含有する、請求項１に記載の多層型化粧料。
【請求項3】
前記（Ｃ）成分がその液晶構造を維持した状態で、前記（Ｂ）成分のフラワーミセル内に保持されている、請求項１に記載の多層型化粧料。
【請求項4】
前記（Ａ）成分の含有量が０．１質量％～３質量％である、請求項１に記載の多層型化粧料。
【請求項5】
前記（Ａ）成分が、ヒドロキシアルキルデンプン、ヒドロキシアルキルデンプンリン酸、及びヒドロキシアルキルデンプンリン酸塩から選択される少なくとも１種である、請求項１に記載の多層型化粧料。
【請求項6】
前記（Ｂ）成分が、下記一般式（Ｉ）で表される疎水変性ポリエーテルウレタンである、請求項１に記載の多層型化粧料。
ただし、前記一般式（Ｉ）中、Ｒ１、Ｒ２及びＲ４は、それぞれ独立に炭素数２～４のアルキレン基又はフェニルエチレン基を示す。Ｒ３はウレタン結合を有していてもよい炭素数１～１０のアルキレン基を示す。Ｒ５は炭素数８～３６の直鎖又は分岐のアルキル基を示す。ｍは２以上の数、ｈは１以上の数、ｋは１～５００の数、ｎは１～２００の数である。
【化1】
【請求項7】
前記（Ｂ）成分が、（ＰＥＧ－２４０／デシルテトラデセス－２０／ＨＤＩ）コポリマーである、請求項６に記載の多層型化粧料。
【請求項8】
前記（Ｂ）成分の含有量が０．０１質量％～３質量％である、請求項１に記載の多層型化粧料。
【請求項9】
前記（Ｃ）成分の平均粒子径が２５０ｎｍ以下である、請求項１に記載の多層型化粧料。
【請求項10】
前記（Ｃ）成分が、ラメラ液晶構造を有する組成物である、請求項１に記載の多層型化粧料。
【請求項11】
前記低級アルコールがエタノール又はプロパノールである、請求項１に記載の多層型化粧料。
【請求項12】
請求項１から１１のいずれかに記載の多層型化粧料を製造する方法であって、
（Ａ）エーテル化デンプン、（Ｂ）分子中に親水基と疎水基を持ち該疎水基を分子の両末端に有する会合性増粘剤、及び（Ｄ）水を混合する第１の混合工程と、
前記第１の混合工程で得られた混合物に、（Ｃ）液晶構造を有する組成物を添加し、混合する第２の混合工程と、
を含むことを特徴とする多層型化粧料の製造方法。
（Ａ）エーテル化デンプン、（Ｂ）分子中に親水基と疎水基を持ち該疎水基を分子の両末端に有する会合性増粘剤、及び（Ｄ）水を混合する第１の混合工程と、
前記第１の混合工程で得られた混合物に、（Ｃ）液晶構造を有する組成物を添加し、混合する第２の混合工程と、
を含むことを特徴とする多層型化粧料の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、多層型化粧料及び多層型化粧料の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多層型化粧料は、油層－水層、水層－粉末層、又は乳化層－水層のような二層、あるいは油層－水層－粉末層のような三層からなる液状の化粧料であり、油分等を配合できることから、単一層の化粧料では得られない使用感及び洗浄効果等の機能を付与できるという利点を有する。しかし、油層－水層からなる多層型化粧料は、油層と水層のいずれも外観がほぼ透明であり、多層に分離していることを一見して判別し難いという問題がある。また、水層－水層からなる二層型化粧料も提案されている（例えば特許文献１参照）。しかし、水層－水層からなる二層型化粧料は、エタノール等の低級アルコールの配合が必須であり、上下二層に明瞭に分離させることが困難であった。
【0003】
そこで、油分を乳化して乳化粒子を形成させて白濁させ、油分が乳化された状態を保ったままの白濁した乳化層と透明の水層に明瞭に分離できる多層型化粧料が提案されている（例えば特許文献２～４参照）。これらの提案の乳化層－水層からなる多層型化粧料は、界面活性剤を配合することで乳化層を形成するものである。また、多層に明瞭に分離できるものとして水層－粉末層からなる多層型化粧料が提案されている（例えば特許文献５及び６参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公昭６１－１２８８２号公報
【特許文献2】特開２０２２－０２８２５７号公報
【特許文献3】特許第３７９４５４２号公報
【特許文献4】特許第４１２９３８８号公報
【特許文献5】特許第５８８１１６２号公報
【特許文献6】国際公開２０１９／０４４８７７号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献２～４の乳化層－水層からなる多層型化粧料は、乳化粒子が合一しにくく安定性も一定のレベルを備えたものであるが、さらなる改良、とりわけ温度変化における乳化粒子の安定性の向上が望まれる。
また、上記特許文献５及び６の水層－粉末層からなる多層型化粧料は、粉末のケーキング防止及び使用感の向上を図るためエタノール等の低級アルコールが配合されており、アルコールを好まない人及びアルコールに過敏な人への適応が困難であるという問題がある。
また、上記特許文献５及び６の水層－粉末層からなる多層型化粧料は、粉末のケーキング防止及び使用感の向上を図るためエタノール等の低級アルコールが配合されており、アルコールを好まない人及びアルコールに過敏な人への適応が困難であるという問題がある。
【0006】
本開示は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本開示は、振盪時には均一な分散状態となり、静置時には最上水層とそれ以外の水層とを明瞭に分離でき、優れた外観性及び使用感を有する多層型化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための手段としての本開示の多層型化粧料は、（Ａ）エーテル化デンプン、（Ｂ）分子中に親水基と疎水基を持ち該疎水基を分子の両末端に有する会合性増粘剤、及び（Ｃ）液晶構造を有する組成物を含有し、低級アルコールを実質的に含有しないものである。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、振盪時には均一な分散状態となり、静置時には最上水層とそれ以外の水層とを明瞭に分離でき、優れた外観性及び使用感を有する多層型化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
（多層型化粧料）
本開示の多層型化粧料は、（Ａ）エーテル化デンプン、（Ｂ）分子中に親水基と疎水基を持ち該疎水基を分子の両末端に有する会合性増粘剤、及び（Ｃ）液晶構造を有する組成物を含有し、（Ｄ）水を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
本開示の多層型化粧料は、（Ａ）エーテル化デンプン、（Ｂ）分子中に親水基と疎水基を持ち該疎水基を分子の両末端に有する会合性増粘剤、及び（Ｃ）液晶構造を有する組成物を含有し、（Ｄ）水を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
【0010】
本開示の多層型化粧料は、二層以上の水層からなり、所定時間静置時には二層以上の水層に明瞭に分離した状態となり、使用時には振盪することによって、均一な分散状態となり、使用後静置すると徐々に元の分離状態に復帰する多層型化粧料である。
【0011】
本開示の多層型化粧料は、低級アルコールを実質的に含有しない。低級アルコールを実質的に含有すると、アルコールを好まない人及びアルコールに過敏な人への適応が困難となると共に、（Ｂ）成分のフラワーミセルの形成が抑制され、静置時に最上水層とそれ以外の水層とを明瞭に分離できないことがある。
低級アルコールとは炭素数１～４の脂肪族アルコールをいい、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどが挙げられる。これらの中でも、エタノール又はプロパノールが好ましい。
「低級アルコールを実質的に含有しない」とは、多層型化粧料の全量を基準として、低
級アルコーの含有量が、１質量％以下であることをいい、好ましくは０．５質量％以下であり、より好ましくは０．０５質量％以下である。
低級アルコールとは炭素数１～４の脂肪族アルコールをいい、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどが挙げられる。これらの中でも、エタノール又はプロパノールが好ましい。
「低級アルコールを実質的に含有しない」とは、多層型化粧料の全量を基準として、低
級アルコーの含有量が、１質量％以下であることをいい、好ましくは０．５質量％以下であり、より好ましくは０．０５質量％以下である。
【0012】
本開示においては、上記（Ａ）成分、（Ｂ）成分、及び（Ｃ）成分を含有し、低級アルコールを実質的に含有しない多層型化粧料であって、２層以上の水層からなり、重力方向における最上水層が、（Ｂ）成分及び（Ｃ）成分を含有していることが好ましく、（Ｃ）成分がその液晶構造を維持した状態で、（Ｂ）成分のフラワーミセル内に保持されていることがより好ましい。その結果、静置時には最上水層とそれ以外の水層とに明瞭に分離でき、分離速度も速いので振盪時には均一な分散状態となる。また、優れた外観性及び使用感を有しており、従来技術のように乳化粒子の合一の恐れもなく、エタノール等の低級アルコールを配合する必要もない。
【0013】
＜（Ａ）エーテル化デンプン＞
（Ａ）成分のエーテル化デンプンにおけるデンプンはブドウ糖を単位として数百個から数千個、あるいは数万個の鎖状又は房状に連なった高分子物質であり、アミロース及びアミロペクチンで構成されている。このようなデンプンとしては、例えばバレイショデンプン、トウモロコシデンプン、モチトウモロコシデンプン、カンショデンプン、タピオカデンプン、コムギデンプン、サゴデンプン、コメデンプン、モチゴメデンプン、アマランサスデンプンなどが挙げられる。
（Ａ）成分のエーテル化デンプンにおけるデンプンはブドウ糖を単位として数百個から数千個、あるいは数万個の鎖状又は房状に連なった高分子物質であり、アミロース及びアミロペクチンで構成されている。このようなデンプンとしては、例えばバレイショデンプン、トウモロコシデンプン、モチトウモロコシデンプン、カンショデンプン、タピオカデンプン、コムギデンプン、サゴデンプン、コメデンプン、モチゴメデンプン、アマランサスデンプンなどが挙げられる。
【0014】
（Ａ）成分のエーテル化デンプンは、上記デンプンのヒドロキシル基の少なくとも一部がエーテル化されたデンプン誘導体の一種である。デンプンにアルキレンオキサイドを作用させ、ヒドロキシアルキレン基をエーテル結合で導入したものがヒドロキシアルキルデンプンであり、食品、健康・美容食品、化粧料などに幅広く用いられている。また、リン酸とデンプンとのジエステルにヒドロキシアルキル基をエーテル結合させたヒドロキシアルキルデンプンリン酸、ヒドロキシアルキルデンプンリン酸塩も化粧料に用いられている。また、デンプンにカチオンをエーテル結合させたカチオン化デンプンは、工業用では繊維の集束剤又は製紙用途ではパルプの凝集促進に使用され、化粧料ではヘアケア製品に用いられている。
【0015】
（Ａ）成分のエーテル化デンプンとしては、静置時に多層に明瞭に分離できる点からヒドロキシアルキルデンプン、ヒドロキシアルキルデンプンリン酸、及びヒドロキシアルキルデンプンリン酸塩から選択される少なくとも１種であることが好ましく、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸ナトリウムが特に好ましい。
（Ａ）成分のエーテル化デンプンは市販されており、市販品としては、例えばペノンＰＫＷ（ヒドロキシプロピルデンプン）、パイオスターチＨ（ヒドロキシプロピルデンプン）（いずれも、日澱化学株式会社製）、ＳＴＲＵＣＴＵＲＥ ＸＬ（ヒドロキシプロピルデンプンリン酸、株式会社マツモト交商製）、Ｆａｒｍａｌ ＭＳ６８２２（ヒドロキシプロピルデンプンリン酸ナトリウム、ＩＭＣＤジャパン合同会社製）などが挙げられる。
（Ａ）成分のエーテル化デンプンの含有量は、多層型化粧料の全量に対して、０．１質量％～４質量％であることが好ましく、０．１質量％～３質量％であることがより好ましく、０．５質量％～２質量％であることが更に好ましい。（Ａ）成分の含有量が０．１質量％未満であると、多層に明瞭に分離できなくなることがある。（Ａ）成分の含有量が４質量％を超えると、べたつきが生じて使用感が低下してしまうことがある。
（Ａ）成分のエーテル化デンプンは市販されており、市販品としては、例えばペノンＰＫＷ（ヒドロキシプロピルデンプン）、パイオスターチＨ（ヒドロキシプロピルデンプン）（いずれも、日澱化学株式会社製）、ＳＴＲＵＣＴＵＲＥ ＸＬ（ヒドロキシプロピルデンプンリン酸、株式会社マツモト交商製）、Ｆａｒｍａｌ ＭＳ６８２２（ヒドロキシプロピルデンプンリン酸ナトリウム、ＩＭＣＤジャパン合同会社製）などが挙げられる。
（Ａ）成分のエーテル化デンプンの含有量は、多層型化粧料の全量に対して、０．１質量％～４質量％であることが好ましく、０．１質量％～３質量％であることがより好ましく、０．５質量％～２質量％であることが更に好ましい。（Ａ）成分の含有量が０．１質量％未満であると、多層に明瞭に分離できなくなることがある。（Ａ）成分の含有量が４質量％を超えると、べたつきが生じて使用感が低下してしまうことがある。
【0016】
＜（Ｂ）分子中に親水基と疎水基を持ち該疎水基を分子の両末端に有する会合性増粘剤＞
（Ｂ）成分の会合性増粘剤は水溶性であり、分子中に親水基と疎水基を持ち、中央に親水基を有し、両末端に疎水基を有する１本のひも状の分子である。水中では、両端の疎水性部分が引きつけ合い、リング状になった分子が疎水性部分を中心に複数集合して、花びら状の集合体（フラワーミセル）を形成する。更にフラワーミセルの疎水性部分同士を橋渡しする分子が現われ、フラワーミセルの疎水性部分が会合し、巨大なネットワーク構造を形成して増粘する。このネットワーク構造にある一定の力が加わるとフラワーミセル同士をつないでいる部分がはずれ、ネットワーク構造が崩壊する。また力を加えるのをやめると、再びフラワーミセル同士が結びつき、ネットワーク構造を再形成するという特徴を有する。
（Ｂ）成分の会合性増粘剤が水溶性であるとは、例えば、２５℃の水１，０００ｍＬに、（Ｂ）成分の会合性増粘剤が３０ｇ以上溶解することをいう。溶解したかどうかは、水が透明であるか否かで判断でき、目視により確認することができる。
（Ｂ）成分の会合性増粘剤は水溶性であり、分子中に親水基と疎水基を持ち、中央に親水基を有し、両末端に疎水基を有する１本のひも状の分子である。水中では、両端の疎水性部分が引きつけ合い、リング状になった分子が疎水性部分を中心に複数集合して、花びら状の集合体（フラワーミセル）を形成する。更にフラワーミセルの疎水性部分同士を橋渡しする分子が現われ、フラワーミセルの疎水性部分が会合し、巨大なネットワーク構造を形成して増粘する。このネットワーク構造にある一定の力が加わるとフラワーミセル同士をつないでいる部分がはずれ、ネットワーク構造が崩壊する。また力を加えるのをやめると、再びフラワーミセル同士が結びつき、ネットワーク構造を再形成するという特徴を有する。
（Ｂ）成分の会合性増粘剤が水溶性であるとは、例えば、２５℃の水１，０００ｍＬに、（Ｂ）成分の会合性増粘剤が３０ｇ以上溶解することをいう。溶解したかどうかは、水が透明であるか否かで判断でき、目視により確認することができる。
【0017】
（Ｂ）成分の会合性増粘剤は、下記一般式（Ｉ）で表される疎水変性ポリエーテルウレタンであることが好ましい。
上記一般式（Ｉ）中、Ｒ1、Ｒ2及びＲ4は、それぞれ独立に炭素数２～４のアルキレン基、又はフェニルエチレン基を示す。好ましくは炭素数２～４のアルキレン基である。
Ｒ3はウレタン結合を有していてもよい炭素数１～１０のアルキレン基を示す。
Ｒ5は炭素数８～３６、好ましくは１２～２４の直鎖又は分岐のアルキル基を示す。
ｍは２以上の数であり、好ましくは２である。
ｈは１以上の数であり、好ましくは１である。
ｋは１～５００の数であり、好ましくは１００～３００の数である。
ｎは１～２００の数であり、好ましくは１０～１００の数である。
【化1】
Ｒ3はウレタン結合を有していてもよい炭素数１～１０のアルキレン基を示す。
Ｒ5は炭素数８～３６、好ましくは１２～２４の直鎖又は分岐のアルキル基を示す。
ｍは２以上の数であり、好ましくは２である。
ｈは１以上の数であり、好ましくは１である。
ｋは１～５００の数であり、好ましくは１００～３００の数である。
ｎは１～２００の数であり、好ましくは１０～１００の数である。
【0018】
上記一般式（Ｉ）で表される疎水変性ポリエーテルウレタンは、例えば、Ｒ１－［（Ｏ－Ｒ２）ｋ－ＯＨ］ｍ（ここで、Ｒ１、Ｒ２、ｋ、ｍは上記で定義したとおり）で表される少なくとも１種のポリエーテルポリオールと、Ｒ３－（ＮＣＯ）ｈ＋１（ここで、Ｒ３、ｈは上記で定義したとおり）で表される少なくとも１種のポリイソシアネートと、ＨＯ－（Ｒ４－Ｏ）ｎ－Ｒ５（ここで、Ｒ４、Ｒ５、ｎは上記で定義したとおり）で表される少なくとも１種のポリエーテルモノアルコールとを、例えば８０℃～９０℃で１～３時間加熱し、反応させることにより製造することができる。
【0019】
上記一般式（Ｉ）で表される疎水変性ポリエーテルウレタンとしては、例えば（ＰＥＧ－２４０／デシルテトラデセス－２０／ＨＤＩ）コポリマー（上記一般式（Ｉ）において、Ｒ１＝エチル基、Ｒ２及びＲ４は各々エチレン基、Ｒ３＝ヘキサメチレン基、Ｒ５＝２－デシルテトラデシル基、ｈ＝１、ｍ＝２、ｋ＝１２０、ｎ＝２０であるもの）が好適に挙げられる。なお、「ＰＥＧ」はポリエチレングリコール、「ＨＤＩ」はヘキサメチレンジイソシアネートの略語である。
上記（ＰＥＧ－２４０／デシルテトラデセス－２０／ＨＤＩ）コポリマーは、商品名「アデカノールＧＴ－７００」又は「アデカノールＧＴ－７３０」として株式会社ＡＤＥＫＡから販売されている。また、商品名「Ａｖａｌｕｒｅ Ｆｌｅｘ－６ ＣＣ Ｐｏｌｙｍｅｒ」としてルーブリゾール社から販売されている。
上記（ＰＥＧ－２４０／デシルテトラデセス－２０／ＨＤＩ）コポリマーは、商品名「アデカノールＧＴ－７００」又は「アデカノールＧＴ－７３０」として株式会社ＡＤＥＫＡから販売されている。また、商品名「Ａｖａｌｕｒｅ Ｆｌｅｘ－６ ＣＣ Ｐｏｌｙｍｅｒ」としてルーブリゾール社から販売されている。
【0020】
（Ｂ）成分の会合性増粘剤の含有量は、多層型化粧料の全量に対して、０．０１質量％～４質量％であることが好ましく、０．０１質量％～３質量％であることがより好ましく、０．１質量％～２質量％であることが更に好ましい。（Ｂ）成分の含有量が０．０１質量％未満であると、（Ｂ）成分のフラワーミセルが十分に形成できないため、最上水層とそれ以外の水層とに明瞭に分離できないことがある。（Ｂ）成分の含有量が４質量％を超えると、多層分離には影響はないが、粘度が高くなることによって混合作業が困難となり、ハンドリング性が低下してしまうことがある。
【0021】
＜（Ｃ）液晶構造を有する組成物＞
（Ｃ）成分の液晶構造を有する組成物は、液晶構造を有していれば、液晶構造の種類、液晶構造を形成する成分、及び液晶構造を有する組成物の製造方法などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
液晶構造としては、例えばラメラ液晶構造、キュービック液晶構造、ヘキサゴナル液晶構造、逆ヘキサゴナル液晶構造、ネマチック液晶構造、ゲル液晶構造などが挙げられる。これらの中でも、ラメラ液晶構造、又はキュービック液晶構造が好ましく、光透過性が高い点からラメラ液晶構造が特に好ましい。
（Ｃ）成分が液晶構造を有することは、液晶が光学異方性を有していることから、例えば偏光顕微鏡観察により確認することができる。
（Ｃ）成分の液晶構造を有する組成物は、液晶構造を有していれば、液晶構造の種類、液晶構造を形成する成分、及び液晶構造を有する組成物の製造方法などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
液晶構造としては、例えばラメラ液晶構造、キュービック液晶構造、ヘキサゴナル液晶構造、逆ヘキサゴナル液晶構造、ネマチック液晶構造、ゲル液晶構造などが挙げられる。これらの中でも、ラメラ液晶構造、又はキュービック液晶構造が好ましく、光透過性が高い点からラメラ液晶構造が特に好ましい。
（Ｃ）成分が液晶構造を有することは、液晶が光学異方性を有していることから、例えば偏光顕微鏡観察により確認することができる。
【0022】
（Ｃ）成分の液晶構造を有する組成物は、液晶構造を形成する成分、水、多価アルコール、色材、油性成分、及び有効成分を６０℃～７０℃で均一に混合して、冷却することにより製造することができる。
【0023】
－液晶構造を形成する成分－
液晶構造を形成する成分としては、形成する液晶構造の種類に応じて異なり一概には規定できないが、ラメラ液晶構造を形成する成分としては、例えばポリグリセリル３－ジシ
ロキサンジメチコン、ＰＥＧ－１２ジメチコン、ポリシリコーン－１３、ＰＥＧ－９ジメチコン、レシチン、ジイソステアリン酸ポリグリセリル－１０等の界面活性剤が挙げられる。これらは、１種単独で使用してもよいし、２種以上を併用してもよい。
液晶構造を形成する成分としては、形成する液晶構造の種類に応じて異なり一概には規定できないが、ラメラ液晶構造を形成する成分としては、例えばポリグリセリル３－ジシ
ロキサンジメチコン、ＰＥＧ－１２ジメチコン、ポリシリコーン－１３、ＰＥＧ－９ジメチコン、レシチン、ジイソステアリン酸ポリグリセリル－１０等の界面活性剤が挙げられる。これらは、１種単独で使用してもよいし、２種以上を併用してもよい。
【0024】
キュービック液晶構造を形成する成分としては、例えばα，ε－ビス（γ－Ｎ－（炭素数１０～３０）アシルグルタミル）リジン又はその塩、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ピログルタミン酸グリセリン脂肪酸エステル等の界面活性剤が挙げられる。これらは、１種単独で使用してもよいし、２種以上を併用してもよい。
グリセリン脂肪酸エステルとしては、例えばグリセリンモノオレイン酸エステル、グリセリンモノステアリン酸エステルなどが挙げられる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、例えばポリグリセリンモノオレイン酸エステル、ポリグリセリンモノステアリン酸エステルなどが挙げられ、グリセリンの重合度は２～１０が好ましい。
ピログルタミン酸グリセリン脂肪酸エステルとしては、例えばピログルタミン酸グリセリンモノオレイン酸エステル、ピログルタミン酸グリセリンモノステアリン酸エステルなどが挙げられる。
グリセリン脂肪酸エステルとしては、例えばグリセリンモノオレイン酸エステル、グリセリンモノステアリン酸エステルなどが挙げられる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、例えばポリグリセリンモノオレイン酸エステル、ポリグリセリンモノステアリン酸エステルなどが挙げられ、グリセリンの重合度は２～１０が好ましい。
ピログルタミン酸グリセリン脂肪酸エステルとしては、例えばピログルタミン酸グリセリンモノオレイン酸エステル、ピログルタミン酸グリセリンモノステアリン酸エステルなどが挙げられる。
【0025】
液晶構造を形成する成分の含有量は、（Ｃ）成分の液晶構造を有する組成物の全量に対して、１０質量％以上であることが好ましく、２０質量％以上であることがより好ましい。また、４０質量％以下が好ましく、３０質量％以下がより好ましい。
【0026】
－水－
水としては、化粧料、医薬部外品等に使用される水を使用することができ、例えばイオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水、純水、超純水、水道水などが挙げられる。
水としては、化粧料、医薬部外品等に使用される水を使用することができ、例えばイオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水、純水、超純水、水道水などが挙げられる。
【0027】
－多価アルコール－
多価アルコールとしては、水溶性多価アルコールが好ましく、例えばグリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、１，３－ブチレングリコール、１，４－ブチレングリコール、トリエチレングリコール、ポエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、グルコース、マルチトールなどが挙げられる。
多価アルコールとしては、水溶性多価アルコールが好ましく、例えばグリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、１，３－ブチレングリコール、１，４－ブチレングリコール、トリエチレングリコール、ポエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、グルコース、マルチトールなどが挙げられる。
【0028】
－色材－
色材を含有すると液晶構造を有する組成物が着色され、重力方向における最上水層が着色されるので、最上水層とそれ以外の水層とが明瞭に分離でき、分離状態を目視観察で容易に判別することが可能となる。
色材としては、例えば無機顔料、有機顔料、天然色素などが挙げられる。
無機顔料としては、例えば無機赤色系顔料（例えば酸化鉄（ベンガラ）、チタン酸鉄等）；無機褐色系顔料（例えばγ－酸化鉄等）；無機黄色系顔料（例えば黄酸化鉄、黄土等）；無機黒色系顔料（例えば黒酸化鉄、低次酸化チタン等）；無機紫色系顔料（例えばマンガンバイオレット、コバルトバイオレット等）；無機緑色系顔料（例えば酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等）；無機青色系顔料（例えば群青、紺青等）；無機白色系顔料（例えば二酸化チタン、酸化亜鉛等）；金属粉末（例えばアルミニウム、金、銀、銅等）などが挙げられる。これらは、１種単独で使用してもよいし、２種以上を併用してもよい。
色材を含有すると液晶構造を有する組成物が着色され、重力方向における最上水層が着色されるので、最上水層とそれ以外の水層とが明瞭に分離でき、分離状態を目視観察で容易に判別することが可能となる。
色材としては、例えば無機顔料、有機顔料、天然色素などが挙げられる。
無機顔料としては、例えば無機赤色系顔料（例えば酸化鉄（ベンガラ）、チタン酸鉄等）；無機褐色系顔料（例えばγ－酸化鉄等）；無機黄色系顔料（例えば黄酸化鉄、黄土等）；無機黒色系顔料（例えば黒酸化鉄、低次酸化チタン等）；無機紫色系顔料（例えばマンガンバイオレット、コバルトバイオレット等）；無機緑色系顔料（例えば酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等）；無機青色系顔料（例えば群青、紺青等）；無機白色系顔料（例えば二酸化チタン、酸化亜鉛等）；金属粉末（例えばアルミニウム、金、銀、銅等）などが挙げられる。これらは、１種単独で使用してもよいし、２種以上を併用してもよい。
【0029】
有機顔料としては、例えばジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料；赤色２号、赤色３号、赤色１０２号、赤色１０４号、赤色１０５号、赤色１０６号、赤色２０１号、赤色２０２号、赤色２０３号、赤色２０４号、赤色２０５号、赤色２０６号、赤色２０７号、赤色２０８号、赤色２１３号、赤色２１４号、赤色２１５号、赤色２１８号、赤色２１９号、赤色２２０号、赤色２２１号、赤色２２３号、赤色２２５号、赤色２２６号、赤色２２７号、赤色２２８号、赤色２３０号、赤色２３１号、赤色２３２号、赤色４０１号、赤色４０４号、赤色４０５号、赤色５０１号、赤色５０２号、赤色５０３号、赤色５０４号、赤色５０５号、赤色５０６号；だいだい色２０１号、だいだい色２０５号、だいだい色４０１号；黄色４号、黄色５号、黄色２０１号、黄色２０２号、黄色２０３号、黄色２０４号、黄色２０５号、黄色４０１号、黄色４０２号、黄色４０３号の（１）、黄色４０４号、黄色４０５号、黄色４０６号、黄色４０７号；青色１号、青色４０４号；緑色３号、緑色２０１号、緑色２０２号、緑色２０４号；紫色２０１号などが挙げられる。これらは、１種単独で使用してもよいし、２種以上を併用してもよい。
【0030】
天然色素としては、例えばβ－カロチン、コチニール色素、赤キャベツ色素、リボフラビン、クロシン、アントラキノン、カンタキサンチン、紅花色素などが挙げられる。これらは、１種単独で使用してもよいし、２種以上を併用してもよい。
【0031】
－油性成分－
油性成分としては、例えば油脂、ロウ類、炭化水素油、シリコーン油、高級脂肪酸、高級アルコール、合成エステル油、天然エステル油などが挙げられる。
油性成分としては、例えば油脂、ロウ類、炭化水素油、シリコーン油、高級脂肪酸、高級アルコール、合成エステル油、天然エステル油などが挙げられる。
【0032】
油脂としては、例えばアボカド油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、大豆油、落花生油、茶実油、コメヌカ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、モクロウ核油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油などが挙げられる。これらは、１種単独で使用してもよいし、２種以上を併用してもよい。
【0033】
ロウ類としては、例えばミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ラノリン、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、ＰＯＥラノリンアルコールエーテル、ＰＯＥラノリンアルコールアセテート、ＰＯＥコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、ＰＯＥ水素添加ラノリンアルコールエーテルなどが挙げられる。これらは、１種単独で使用してもよいし、２種以上を併用してもよい。
【0034】
炭化水素油としては、例えばミネラルオイル、スクワラン、イソドデカン、イソヘキサデカン、水添ポリイソブデン、オレフィンオリゴマー、ワセリンなどが挙げられる。これらは、１種単独で使用してもよいし、２種以上を併用してもよい。
【0035】
シリコーン油としては、例えばジメチコン、トリシロキサン、シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン、カプリリルメチコン、メチルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン等の直鎖状又は環状のシリコーンなどが挙げられる。これらは、１種単独で使用してもよいし、２種以上を併用してもよい。
【0036】
高級脂肪酸としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、エイコサペンタエン酸（ＥＰＡ）、ドコサヘキサエン酸（ＤＨＡ）などが挙げられる。これらは、１種単独で使用してもよいし、２種以上を併用してもよい。
【0037】
高級アルコールとしては、例えば直鎖アルコール（例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等）；分岐鎖アルコール（例えば、モノステアリルグリセリンエーテル（バチルアルコール）、２－デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等）などが挙げられる。これらは、１種単独で使用してもよいし、２種以上を併用してもよい。
【0038】
合成エステル油としては、例えばミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、１２－ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ－２－エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸Ｎ－アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ－２－へプチルウンデカン酸グリセリン、トリ－２－エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ－２－エチルヘキサン酸ペンタンエリスリトール、トリ－２－エチルヘキサン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル２－エチルヘキサノエート、２－エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ－２－ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、セトステアリルアルコール、アセトグリセライド、パルミチン酸２－へプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、Ｎ－ラウロイル－Ｌ－グルタミン酸－２－オクチルドデシル、アジピン酸ジ－２－ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバチン酸ジ－２－エチルヘキシル、ミリスチン酸２－ヘキシルデシル、パルミチン酸２－ヘキシルデシル、アジピン酸２－ヘキシルデシル、セバチン酸ジイソプロピル、コハク酸２－エチルヘキシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、クエン酸トリエチルなどが挙げられる。これらは、１種単独で使用してもよいし、２種以上を併用してもよい。
【0039】
天然エステル油としては、例えばアボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリンなどが挙げられる。これらは、１種単独で使用してもよいし、２種以上を併用してもよい。
【0040】
－有効成分－
有効成分としては、例えば酸化剤、抗菌剤、抗炎症剤、血行促進剤、美白剤、肌荒れ防止剤、老化防止剤、保湿剤、ホルモン剤、配糖体、タンパク質、脂質、ビタミン類、各種抽出物などが挙げられる。これらは、１種単独で使用してもよいし、２種以上を併用してもよい。
有効成分としては、例えば酸化剤、抗菌剤、抗炎症剤、血行促進剤、美白剤、肌荒れ防止剤、老化防止剤、保湿剤、ホルモン剤、配糖体、タンパク質、脂質、ビタミン類、各種抽出物などが挙げられる。これらは、１種単独で使用してもよいし、２種以上を併用してもよい。
【0041】
（Ｃ）成分の液晶構造を有する組成物の平均粒子径は、３００ｎｍ以下であることが好ましく、２５０ｎｍ以下であることがより好ましく、２００ｎｍ以下であることが更に好ましい。また、１０ｎｍ以上であることが好ましく、５０ｎｍ以上であることがより好ましい。平均粒子径が３００ｎｍ以下であると、（Ｃ）成分が（Ｂ）成分のフラワーミセル内に保持されているので、多層に分離していることを目視で容易に判別することができる。平均粒子径が３００ｎｍを超えると、（Ｃ）成分が（Ｂ）成分のフラワーミセル内に保持されなくなり、多層に分離していることを目視で判別することが困難になる。
平均粒子径は、例えばレーザー回折／散乱式粒度分布計又は偏光顕微鏡観察などによって測定することができる。
平均粒子径は、例えばレーザー回折／散乱式粒度分布計又は偏光顕微鏡観察などによって測定することができる。
【0042】
（Ｃ）成分の液晶構造を有する組成物は、その液晶構造を維持した状態で、（Ｂ）成分のフラワーミセル内に保持されている。これにより、重力方向における最上水層とそれ以外の水層との分離が明瞭となり、分離状態を目視で容易に判別することができる。
（Ｃ）成分の液晶構造を有する組成物は、（Ｂ）成分のフラワーミセル内に、配位結合、共有結合、水素結合等の任意の化学結合で結合されていてもよく、付着、凝着、吸着、ファンデルワールス結合等の任意の相互作用によって保持されていてもよい。
（Ｃ）成分の液晶構造を有する組成物がその液晶構造を維持した状態で、（Ｂ）成分のフラワーミセル内に保持されていることは、例えば偏光顕微鏡又は透過型電子顕微鏡観察などによって確認することができる。
（Ｃ）成分の液晶構造を有する組成物は、（Ｂ）成分のフラワーミセル内に、配位結合、共有結合、水素結合等の任意の化学結合で結合されていてもよく、付着、凝着、吸着、ファンデルワールス結合等の任意の相互作用によって保持されていてもよい。
（Ｃ）成分の液晶構造を有する組成物がその液晶構造を維持した状態で、（Ｂ）成分のフラワーミセル内に保持されていることは、例えば偏光顕微鏡又は透過型電子顕微鏡観察などによって確認することができる。
【0043】
（Ｃ）成分の液晶構造を有する組成物の含有量は、多層型化粧料の全量に対して、０．１質量％～１０質量％であることが好ましく、１質量％～５質量％であることがより好ましい。（Ｃ）成分の含有量が０．１質量％未満であると、多層に分離していることを目視で判別することが困難となる。（Ｃ）成分の含有量が１０質量％を超えても多層に分離していることを目視で判別するのに影響はないが、（Ｃ）成分の液晶構造を有する組成物を作るための活性剤量が多くなり、塗布時にべたつきが生じるため好ましくない。
【0044】
＜（Ｄ）水＞
（Ｄ）成分の水としては、化粧料、医薬部外品等に使用される水を使用することができ、例えばイオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水、純水、超純水、水道水などが挙げられる。
（Ｄ）成分の水の含有量は、多層分離を実現できれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、４０質量％以上が好ましく、４０質量％～９０質量％がより好ましく、６０質量％～８５質量％が更に好ましい。
（Ｄ）成分の水としては、化粧料、医薬部外品等に使用される水を使用することができ、例えばイオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水、純水、超純水、水道水などが挙げられる。
（Ｄ）成分の水の含有量は、多層分離を実現できれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、４０質量％以上が好ましく、４０質量％～９０質量％がより好ましく、６０質量％～８５質量％が更に好ましい。
【0045】
＜その他の成分＞
本開示の多層型化粧料は、本開示の目的及び効果を損なわない限り、上記（Ａ）成分、（Ｂ）成分、（Ｃ）成分、及び（Ｄ）成分以外に、必要に応じてその他の成分を含有することができる。
その他の成分としては、例えば保湿剤、油性成分、界面活性剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、酸化防止剤、酸化防止助剤、各種薬剤などが挙げられる。
本開示の多層型化粧料は、本開示の目的及び効果を損なわない限り、上記（Ａ）成分、（Ｂ）成分、（Ｃ）成分、及び（Ｄ）成分以外に、必要に応じてその他の成分を含有することができる。
その他の成分としては、例えば保湿剤、油性成分、界面活性剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、酸化防止剤、酸化防止助剤、各種薬剤などが挙げられる。
【0046】
－保湿剤－
保湿剤としては、例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、１，３－ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル－１２－ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、ｄ，Ｌ－ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン（ＥＯ）ＰＯ（（エチレンオキシド）プロピレンオキシド）付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物、トレハロース、エリスリトール、ＰＯＥ・ＰＯＰランダム共重合体メチルエーテルなどが挙げられる。これらは、１種単独で使用してもよいし、２種以上を併用してもよい。
保湿剤としては、例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、１，３－ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル－１２－ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、ｄ，Ｌ－ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン（ＥＯ）ＰＯ（（エチレンオキシド）プロピレンオキシド）付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物、トレハロース、エリスリトール、ＰＯＥ・ＰＯＰランダム共重合体メチルエーテルなどが挙げられる。これらは、１種単独で使用してもよいし、２種以上を併用してもよい。
【0047】
－油性成分－
油性成分としては、上記（Ｃ）成分の液晶構造を有する組成物における油性成分と同様のものを用いることができる。
油性成分としては、上記（Ｃ）成分の液晶構造を有する組成物における油性成分と同様のものを用いることができる。
【0048】
－界面活性剤－
界面活性剤としては、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤などを安定性及び安全性に問題ない範囲で配合することができる。なお、「ＰＥＧ」はポリエチレングリコール、「ＥＯ」はエチレンオキサイド、「ＰＯ」はプロピレンオキサイド、「ＰＯＥ」はポリオキシエチレン、「ＰＯＰ」はポリオキシプロピレンの略である。
界面活性剤としては、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤などを安定性及び安全性に問題ない範囲で配合することができる。なお、「ＰＥＧ」はポリエチレングリコール、「ＥＯ」はエチレンオキサイド、「ＰＯ」はプロピレンオキサイド、「ＰＯＥ」はポリオキシエチレン、「ＰＯＰ」はポリオキシプロピレンの略である。
【0049】
非イオン界面活性剤としては、具体的には、ＰＯＥ－ソルビタン脂肪酸エステル類（例えばＰＯＥ－ソルビタンモノオレエート、ＰＯＥ－ソルビタンモノステアレート、ＰＯＥ－ソルビタンテトラオレエート等）；ＰＯＥソルビット脂肪酸エステル類（例えばＰＯＥ－ソルビットモノラウレート、ＰＯＥ－ソルビットモノオレエート、ＰＯＥ－ソルビットペンタオレエート、ＰＯＥ－ソルビットモノステアレート等）；ＰＯＥ－グリセリン脂肪酸エステル類（例えばＰＯＥ－グリセリンモノステアレート、ＰＯＥ－グリセリンモノイソステアレート、ＰＯＥ－グリセリントリイソステアレート等のＰＯＥ－モノオレエート等）；ポリグリセリン脂肪酸類（例えばジイソステアリン酸ポリグリセリル－１０等）；ＰＯＥ－脂肪酸エステル類（例えばＰＯＥ－ジステアレート、ＰＯＥ－モノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等）；ＰＯＥ－アルキルエーテル類（例えばＰＯＥ－ラウリルエーテル、ＰＯＥ－オレイルエーテル、ＰＯＥ－ステアリルエーテル、ＰＯＥ－ベヘニルエーテル、ＰＯＥ－２－オクチルドデシルエーテル、ＰＯＥ－コレスタノールエーテル等）；プルロニック（登録商標）型類（例えばプルロニック（登録商標）等）；ＰＯＥ・ＰＯＰ－アルキルエーテル類（例えばＰＯＥ・ＰＯＰ－セチルエーテル、ＰＯＥ・ＰＯＰ－２－デシルテトラデシルエーテル、ＰＯＥ・ＰＯＰ－モノブチルエーテル、ＰＯＥ・ＰＯＰ－水添ラノリン、ＰＯＥ・ＰＯＰ－グリセリンエーテル等）；テトラＰＯＥ・テトラＰＯＰ－エチレンジアミン縮合物類（例えばテトロニック等）；ＰＯＥ－ヒマシ油・ＰＯＥ－硬化ヒマシ油誘導体（例えばＰＯＥ－ヒマシ油、ＰＯＥ－硬化ヒマシ油、ＰＯＥ－硬化ヒマシ油モノイソステアレート、ＰＯＥ－硬化ヒマシ油トリイソステアレート、ＰＯＥ－硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、ＰＯＥ－硬化ヒマシ油マレイン酸等）；ＰＯＥ－ミツロウ・ラノリン誘導体（例えばＰＯＥ－ソルビットミツロウ等）；アルカノールアミド（例えばヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等）；ＰＯＥ－プロピレングリコール脂肪酸エステル；ＰＯＥ－アルキルアミン；ＰＯＥ－脂肪酸アミド；ショ糖脂肪酸エステル；アルキルエトキシジメチルアミンオキシド；トリオレイルリン酸、ソルビタン脂肪酸エステル類（例えばソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ－２－エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ－２－エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等）；グリセリンポリグリセリン脂肪酸類（例えばモノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、ＥＯ基の付加数が少ない、及び／又は脂肪酸残基の数が多いために低ＨＬＢとなっているＰＯＥ－グリセリン脂肪酸エステル類（例えばジステアリン酸ＰＥＧ－６、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－１２等）、モノステアリン酸グリセリン、α，α’－オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等）；プロピレングリコール脂肪酸エステル類（例えばモノステアリン酸プロピレングリコール等）；ＥＯ基の付加数が少なく、低ＨＬＢとなっているＰＯＥ－ヒマシ油・ＰＯＥ－硬化ヒマシ油誘導体（例えばＰＥＧ－１０水添ヒマシ油等）、硬化ヒマシ油誘導体；グリセリンアルキルエーテルなどが挙げられる。これらは、１種単独で使用してもよいし、２種以上を併用してもよい。
【0050】
アニオン界面活性剤としては、例えば高級脂肪酸アミドスルホン酸塩、脂肪酸石鹸、Ｎ－アシルグルタミン酸塩、アルキルエーテル酢酸等のカルボン酸塩型；α－オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸等のスルホン酸型；高級アルコール硫酸エステル塩等の硫酸エステル塩型；リン酸エステル塩型などが挙げられる。これらは、１種単独で使用してもよいし、２種以上を併用してもよい。これらの中でも、ステアロイルメチルタウリンＮａ、ラウロイルメチルタウリンＮａ、ミリストイルメチルタウリンＮａ、パルミトイルメチルタウリンＮａ等の高級脂肪酸アミドスルホン酸塩が好ましい。
【0051】
両性界面活性剤としては、例えばアルキルベタイン、アルキルアミドベタイン等のカルボベタイン型両性界面活性剤；アルキルスルホベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン等のスルホベタイン型両性界面活性剤；ホスホベタイン型両性界面活性剤、イミダゾリン型両性界面活性剤、アミドアミノ酸塩などが挙げられる。これらは、１種単独で使用してもよいし、２種以上を併用してもよい。
【0052】
－紫外線吸収剤－
紫外線吸収剤としては、例えば安息香酸誘導体、サリチル酸誘導体、ケイ皮酸誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、β，β－ジフェニルアクリレート誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ベンジリデンショウノウ誘導体、フェニルベンゾイミダゾール誘導体、トリアジン誘導体、フェニルベンゾトリアゾール誘導体、アントラニル誘導体、イミダゾリン誘導体、ベンザルマロナート誘導体、４，４－ジアリールブタジエン誘導体などが挙げられる。これらは、１種単独で使用してもよいし、２種以上を併用してもよい。
紫外線吸収剤としては、例えば安息香酸誘導体、サリチル酸誘導体、ケイ皮酸誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、β，β－ジフェニルアクリレート誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ベンジリデンショウノウ誘導体、フェニルベンゾイミダゾール誘導体、トリアジン誘導体、フェニルベンゾトリアゾール誘導体、アントラニル誘導体、イミダゾリン誘導体、ベンザルマロナート誘導体、４，４－ジアリールブタジエン誘導体などが挙げられる。これらは、１種単独で使用してもよいし、２種以上を併用してもよい。
【0053】
－金属イオン封鎖剤－
金属イオン封鎖剤としては、例えば１－ヒドロキシエタン－１，１－ジフォスホン酸、１－ヒドロキシエタン－１，１－ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸３ナトリウムなどが挙げられる。これらは、１種単独で使用してもよいし、２種以上を併用してもよい。
金属イオン封鎖剤としては、例えば１－ヒドロキシエタン－１，１－ジフォスホン酸、１－ヒドロキシエタン－１，１－ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸３ナトリウムなどが挙げられる。これらは、１種単独で使用してもよいし、２種以上を併用してもよい。
【0054】
－酸化防止剤－
酸化防止剤としては、例えばトコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類などが挙げられる。これらは、１種単独で使用してもよいし、２種以上を併用してもよい。
酸化防止剤としては、例えばトコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類などが挙げられる。これらは、１種単独で使用してもよいし、２種以上を併用してもよい。
【0055】
－酸化防止助剤－
酸化防止助剤としては、例えばリン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸などが挙げられる。これらは、１種単独で使用してもよいし、２種以上を併用してもよい。
酸化防止助剤としては、例えばリン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸などが挙げられる。これらは、１種単独で使用してもよいし、２種以上を併用してもよい。
【0056】
－各種薬剤－
各種薬剤としては、具体的には、ビタミン（例えばビタミンＡ、Ｂ１、Ｂ２、Ｂ６、Ｃ、Ｅ又はこれらの誘導体、パントテン酸又はその誘導体、ビオチン）；防腐剤（例えばメチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、フェノキシエタノール等）；消炎剤（例えばグリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、チオタウリン、ヒポタウリン、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等）；美白剤（例えばユキノシタ抽出物、アルブチン、トラネキサム酸、Ｌ－アスコルビン酸、Ｌ－アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩、Ｌ－アスコルビン酸グルコシド、４－メトキシサリチル酸カリウム等）；各種抽出物（例えばオウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等）；賦活剤（例えばローヤルゼリー、コレステロール誘導体等）；血行促進剤などが挙げられる。これらは、１種単独で使用してもよいし、２種以上を併用してもよい。
各種薬剤としては、具体的には、ビタミン（例えばビタミンＡ、Ｂ１、Ｂ２、Ｂ６、Ｃ、Ｅ又はこれらの誘導体、パントテン酸又はその誘導体、ビオチン）；防腐剤（例えばメチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、フェノキシエタノール等）；消炎剤（例えばグリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、チオタウリン、ヒポタウリン、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等）；美白剤（例えばユキノシタ抽出物、アルブチン、トラネキサム酸、Ｌ－アスコルビン酸、Ｌ－アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩、Ｌ－アスコルビン酸グルコシド、４－メトキシサリチル酸カリウム等）；各種抽出物（例えばオウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等）；賦活剤（例えばローヤルゼリー、コレステロール誘導体等）；血行促進剤などが挙げられる。これらは、１種単独で使用してもよいし、２種以上を併用してもよい。
【0057】
（多層型化粧料の製造方法）
本開示の多層型化粧料の製造方法は、本開示の多層型化粧料を製造する方法であって、
（Ａ）エーテル化デンプン、（Ｂ）分子中に親水基と疎水基を持ち該疎水基を分子の両末端に有する会合性増粘剤、及び（Ｄ）水を混合する第１の混合工程と、前記第１の混合工程で得られた混合物に、（Ｃ）液晶構造を有する組成物を添加し、混合する第２の混合工程と、を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
本開示の多層型化粧料の製造方法における（Ａ）成分、（Ｂ）成分、（Ｃ）成分、及び（Ｄ）成分は、上述した本開示の多層型化粧料の（Ａ）成分、（Ｂ）成分、（Ｃ）成分、及び（Ｄ）成分と同様なものを用いることができる。
本開示の多層型化粧料の製造方法は、本開示の多層型化粧料を製造する方法であって、
（Ａ）エーテル化デンプン、（Ｂ）分子中に親水基と疎水基を持ち該疎水基を分子の両末端に有する会合性増粘剤、及び（Ｄ）水を混合する第１の混合工程と、前記第１の混合工程で得られた混合物に、（Ｃ）液晶構造を有する組成物を添加し、混合する第２の混合工程と、を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
本開示の多層型化粧料の製造方法における（Ａ）成分、（Ｂ）成分、（Ｃ）成分、及び（Ｄ）成分は、上述した本開示の多層型化粧料の（Ａ）成分、（Ｂ）成分、（Ｃ）成分、及び（Ｄ）成分と同様なものを用いることができる。
【0058】
本開示の多層型化粧料の製造方法で製造された多層型化粧料は、所定時間静置することによって、二層以上の水層に明瞭に分離する。使用時に振盪することによって、均一な分散状態とすることができ、使用後所定時間静置すると元の多層分離状態に復帰する。
所定時間とは、得られた多層化粧料が多層に分離することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば室温（２５℃）で５時間以上であることが好ましい。
所定時間とは、得られた多層化粧料が多層に分離することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば室温（２５℃）で５時間以上であることが好ましい。
【0059】
本開示の多層型化粧料の製造方法は、例えば（Ａ）成分、（Ｂ）成分、（Ｄ）成分、及びその他の成分を混合し、得られた混合液に、（Ｃ）成分を添加し、ホモミキサー等で混合することにより、全成分が均一に分散した化粧料を得る。得られた化粧料を容器に充填し蓋をして室温（２５℃）で８時間静置することによって、重力方向における最上水層とそれ以外の水層とが明瞭に分離した本開示の多層型化粧料を製造することができる。
【0060】
本開示の多層型化粧料の製品形態としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クレンジング化粧料、ファンデーション等のメ－キャップ化粧料、化粧下地、サンスクリーン、スキンケア化粧料、ボディ用化粧料、制汗用化粧料、毛髪化粧料などが挙げられる。
【実施例0061】
以下、本開示の実施例を説明するが、本開示は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。各表に示す各成分の含有量は特に断りがない限り質量％である。
【0062】
（液晶構造を有する組成物の調製例１）
－液晶構造を有する組成物２の調製－
水１０質量％に、濃グリセリン（株式会社ＡＤＥＫＡ製）２５質量％、ジプロピレングリコールＬＯ＋ ５質量％、及びＥＭＡＬＥＸ ＤＩＳＧ－１０ＥＸ（ジイソステアリン酸ポリグリセリル－１０、日本エマルジョン株式会社製）２８質量％を添加し、６０～７０℃で撹拌して溶解したものをＡ液とする。
ミリトール３１８ＪＰ（トリ（カプリル酸／カプリン酸）グリセリル、ＢＡＳＦジャパン株式会社製）８質量％に、シコニックスリキッドＭＤ（Ｊ）（ムラサキ根エキス、一丸ファルコス株式会社製）２質量％を溶解させ、これにシュガースクワラン（Ｃ：３０）（ホシケミカルズ株式会社製）１５質量％、及びパールリーム６（水添ポリイソブテン、日油株式会社製）７質量％を溶解したものをＢ液とする。
次に、上記Ａ液にＢ液を添加し、６０～７０℃で撹拌して、４０℃まで冷却することにより液晶構造を有する組成物２を調製した。
得られた液晶構造を有する組成物２について、平均粒子径を測定したところ、１００ｎｍであった。平均粒子径は、レーザー回折／散乱式粒度分布計で測定した。また、得られた液晶構造を有する組成物２を偏光顕微鏡で観察することにより、ラメラ液晶構造を有する組成物であることが確認できた。
－液晶構造を有する組成物２の調製－
水１０質量％に、濃グリセリン（株式会社ＡＤＥＫＡ製）２５質量％、ジプロピレングリコールＬＯ＋ ５質量％、及びＥＭＡＬＥＸ ＤＩＳＧ－１０ＥＸ（ジイソステアリン酸ポリグリセリル－１０、日本エマルジョン株式会社製）２８質量％を添加し、６０～７０℃で撹拌して溶解したものをＡ液とする。
ミリトール３１８ＪＰ（トリ（カプリル酸／カプリン酸）グリセリル、ＢＡＳＦジャパン株式会社製）８質量％に、シコニックスリキッドＭＤ（Ｊ）（ムラサキ根エキス、一丸ファルコス株式会社製）２質量％を溶解させ、これにシュガースクワラン（Ｃ：３０）（ホシケミカルズ株式会社製）１５質量％、及びパールリーム６（水添ポリイソブテン、日油株式会社製）７質量％を溶解したものをＢ液とする。
次に、上記Ａ液にＢ液を添加し、６０～７０℃で撹拌して、４０℃まで冷却することにより液晶構造を有する組成物２を調製した。
得られた液晶構造を有する組成物２について、平均粒子径を測定したところ、１００ｎｍであった。平均粒子径は、レーザー回折／散乱式粒度分布計で測定した。また、得られた液晶構造を有する組成物２を偏光顕微鏡で観察することにより、ラメラ液晶構造を有する組成物であることが確認できた。
【0063】
（液晶構造を有する組成物の調製例２）
－液晶構造を有する組成物４の調製－
液晶構造を有する組成物の調製例１において、Ｂ液中のパールリーム６（水添ポリイソブテン、日油株式会社製）７質量％をＮＩＫＫＯＬ シンセラン４ＳＰ（水添ポリ（Ｃ６－１２オレフィン）、日光ケミカルズ株式会社製）７質量％に変え、ミリトール３１８ＪＰを１４質量％に増量し、シュガースクワランを１２質量％に減量し、Ａ液中のＥＭＡＬＥＸ ＤＩＳＧ－１０ＥＸを２７質量％に減量し、液晶構造を有する組成物の調製例１と同様にして、液晶構造を有する組成物４を調製した。
得られた液晶構造を有する組成物４について、液晶構造を有する組成物の調製例１と同様にして、平均粒子径を測定したところ、３００ｎｍであった。また、得られた液晶構造を有する組成物４を偏光顕微鏡で観察することにより、ラメラ液晶構造を有する組成物であることが確認できた。
－液晶構造を有する組成物４の調製－
液晶構造を有する組成物の調製例１において、Ｂ液中のパールリーム６（水添ポリイソブテン、日油株式会社製）７質量％をＮＩＫＫＯＬ シンセラン４ＳＰ（水添ポリ（Ｃ６－１２オレフィン）、日光ケミカルズ株式会社製）７質量％に変え、ミリトール３１８ＪＰを１４質量％に増量し、シュガースクワランを１２質量％に減量し、Ａ液中のＥＭＡＬＥＸ ＤＩＳＧ－１０ＥＸを２７質量％に減量し、液晶構造を有する組成物の調製例１と同様にして、液晶構造を有する組成物４を調製した。
得られた液晶構造を有する組成物４について、液晶構造を有する組成物の調製例１と同様にして、平均粒子径を測定したところ、３００ｎｍであった。また、得られた液晶構造を有する組成物４を偏光顕微鏡で観察することにより、ラメラ液晶構造を有する組成物であることが確認できた。
【0064】
（液晶構造を有する組成物の調製例３）
－液晶構造を有する組成物１の調製－
液晶構造を有する組成物の調製例２において、Ａ液中のＥＭＡＬＥＸ ＤＩＳＧ－１０ＥＸを３０質量％に増量し、水を７質量％に減量し、Ｂ液はシュガースクワランを２０質量％とミリトール３１８ＪＰを１３質量％の２成分とした以外は、液晶構造を有する組成物の調製例２と同様にして、液晶構造を有する組成物１を調製した。
得られた液晶構造を有する組成物１について、液晶構造を有する組成物の調製例１と同様にして、平均粒子径を測定したところ、５０ｎｍであった。また、得られた液晶構造を有する組成物１を偏光顕微鏡で観察することにより、ラメラ液晶構造を有する組成物であることが確認できた。
－液晶構造を有する組成物１の調製－
液晶構造を有する組成物の調製例２において、Ａ液中のＥＭＡＬＥＸ ＤＩＳＧ－１０ＥＸを３０質量％に増量し、水を７質量％に減量し、Ｂ液はシュガースクワランを２０質量％とミリトール３１８ＪＰを１３質量％の２成分とした以外は、液晶構造を有する組成物の調製例２と同様にして、液晶構造を有する組成物１を調製した。
得られた液晶構造を有する組成物１について、液晶構造を有する組成物の調製例１と同様にして、平均粒子径を測定したところ、５０ｎｍであった。また、得られた液晶構造を有する組成物１を偏光顕微鏡で観察することにより、ラメラ液晶構造を有する組成物であることが確認できた。
【0065】
（液晶構造を有する組成物の調製例４）
－液晶構造を有する組成物３の調製－
液晶構造を有する組成物の調製例２において、Ａ液中のＥＭＡＬＥＸ ＤＩＳＧ‐１０ＥＸを２７質量％に減量し、Ｂ液はシュガースクワランを１８質量％とミリトール３１８ＪＰを１５質量％の２成分とした以外は、液晶構造を有する組成物の調製例２と同様にして、液晶構造を有する組成物３を調製した。
得られた液晶構造を有する組成物３について、液晶構造を有する組成物の調製例１と同様にして、平均粒子径を測定したところ、２００ｎｍであった。また、得られた液晶構造を有する組成物３を偏光顕微鏡で観察することにより、ラメラ液晶構造を有する組成物であることが確認できた。
－液晶構造を有する組成物３の調製－
液晶構造を有する組成物の調製例２において、Ａ液中のＥＭＡＬＥＸ ＤＩＳＧ‐１０ＥＸを２７質量％に減量し、Ｂ液はシュガースクワランを１８質量％とミリトール３１８ＪＰを１５質量％の２成分とした以外は、液晶構造を有する組成物の調製例２と同様にして、液晶構造を有する組成物３を調製した。
得られた液晶構造を有する組成物３について、液晶構造を有する組成物の調製例１と同様にして、平均粒子径を測定したところ、２００ｎｍであった。また、得られた液晶構造を有する組成物３を偏光顕微鏡で観察することにより、ラメラ液晶構造を有する組成物であることが確認できた。
【0066】
（実施例１～１０及び比較例１～４）
－多層型化粧料の製造－
下記表１及び表２に示す各成分を用い、（Ａ）成分、（Ｂ）成分、（Ｄ）成分、及びその他の成分を表１及び表２に示す含有量で混合した後、得られた混合物に、（Ｃ）成分を表１及び表２に示す含有量で添加し、均一になるまで混合して、実施例１～１０及び比較例１～４の多層型化粧料を製造した。なお、表１及び表２に記載の含有量（質量％）は、いずれも有効成分量である。
－多層型化粧料の製造－
下記表１及び表２に示す各成分を用い、（Ａ）成分、（Ｂ）成分、（Ｄ）成分、及びその他の成分を表１及び表２に示す含有量で混合した後、得られた混合物に、（Ｃ）成分を表１及び表２に示す含有量で添加し、均一になるまで混合して、実施例１～１０及び比較例１～４の多層型化粧料を製造した。なお、表１及び表２に記載の含有量（質量％）は、いずれも有効成分量である。
【0067】
表１及び表２で用いた各成分の詳細な内容については、以下のとおりである。
＊（ＰＥＧ－２４０／デシルテトラデセス－２０／ＨＤＩ）コポリマー：「アデカノールＧＴ－７３０」、株式会社ＡＤＥＫＡ製
＊ヒドロキシプロピルデンプン：商品名ペノンＰＫＷ、日澱化学株式会社製
＊ヒドロキシプロピルデンプンリン酸：商品名ＳＴＲＵＣＴＵＲＥ ＸＬ、株式会社マツモト交商製
＊ヒドロキシプロピルデンプンリン酸ナトリウム：商品名Ｆａｒｍａｌ ＭＳ６８２２、ＩＭＣＤジャパン合同会社製
＊水：純水
＊（ＰＥＧ－２４０／デシルテトラデセス－２０／ＨＤＩ）コポリマー：「アデカノールＧＴ－７３０」、株式会社ＡＤＥＫＡ製
＊ヒドロキシプロピルデンプン：商品名ペノンＰＫＷ、日澱化学株式会社製
＊ヒドロキシプロピルデンプンリン酸：商品名ＳＴＲＵＣＴＵＲＥ ＸＬ、株式会社マツモト交商製
＊ヒドロキシプロピルデンプンリン酸ナトリウム：商品名Ｆａｒｍａｌ ＭＳ６８２２、ＩＭＣＤジャパン合同会社製
＊水：純水
【0068】
次に、得られた多層型化粧料について、以下のようにして、諸特性を評価した。結果を表１及び表２に示す。なお、多層型化粧料は、直径４．０ｃｍ、容量１２０ｍＬのスクリューキャップ蓋付きガラス瓶（商品名：Ｖｉａｌｓ Ｗｉｔｈ Ｓｃｒｅｗ Ｃａｐ／ＳＶ－１００、日電理化硝子株式会社製）に１００ｍＬ充填した状態で評価を行った。
【0069】
＜分離の速さ＞
製造直後（製造後１０分以内）の多層型化粧料を、上記ガラス瓶に充填し蓋をして２５℃で８時間静置した後の多層型化粧料の分離状態を目視で観察し、下記基準で分離の速さを評価した。
［評価基準］
〇：二層に分離し、界面が明瞭である
×：二層に分離していない
製造直後（製造後１０分以内）の多層型化粧料を、上記ガラス瓶に充填し蓋をして２５℃で８時間静置した後の多層型化粧料の分離状態を目視で観察し、下記基準で分離の速さを評価した。
［評価基準］
〇：二層に分離し、界面が明瞭である
×：二層に分離していない
【0070】
＜温度安定性＞
得られた多層型化粧料を上記ガラス瓶に充填し蓋をして４５℃環境下で１ヶ月間保存後の多層型化粧料と、得られた多層型化粧料を上記ガラス瓶に充填し蓋をして５℃環境下で１ヶ月間保存後の多層型化粧料とを比較して分離の程度を目視で観察し、下記基準で温度安定性を評価した。
［評価基準］
〇：ほとんど差がない
△：わずかに差はあるが許容範囲内
×：差がある
得られた多層型化粧料を上記ガラス瓶に充填し蓋をして４５℃環境下で１ヶ月間保存後の多層型化粧料と、得られた多層型化粧料を上記ガラス瓶に充填し蓋をして５℃環境下で１ヶ月間保存後の多層型化粧料とを比較して分離の程度を目視で観察し、下記基準で温度安定性を評価した。
［評価基準］
〇：ほとんど差がない
△：わずかに差はあるが許容範囲内
×：差がある
【0071】
＜使用感（べたつきのなさ）＞
製造直後（製造後１０分以内）の多層型化粧料の使用感（べたつきのなさ）を専門パネル３名により、下記基準で評価した。使用感（べたつきのなさ）は、３名の専門パネルの前腕内側部を洗浄後、多層型化粧料を０．５ｇ塗布し、塗布時及び塗布後の感触を評価した。
［評価基準］
〇：３名ともべたつきを感じなかった
△：２名はべたつきを感じなかったが１名はべたつきを感じた
×：２名以上がべたつきを感じた
製造直後（製造後１０分以内）の多層型化粧料の使用感（べたつきのなさ）を専門パネル３名により、下記基準で評価した。使用感（べたつきのなさ）は、３名の専門パネルの前腕内側部を洗浄後、多層型化粧料を０．５ｇ塗布し、塗布時及び塗布後の感触を評価した。
［評価基準］
〇：３名ともべたつきを感じなかった
△：２名はべたつきを感じなかったが１名はべたつきを感じた
×：２名以上がべたつきを感じた
【0072】
＜混合のしやすさ＞
得られた多層型化粧料を上記ガラス瓶に充填し蓋をして２５℃で１週間静置した多層型化粧料入りガラス瓶を、手で上下方向に１０回振盪（２０ｃｍの振盪幅、１０回／５秒の振盪速度）し、振盪直後（振盪後１分以内）の混合状態を目視で観察し、下記基準で混合のしやすさを評価した。
［評価基準］
〇：簡単に混合できる
△：混合できる
×：混合が難しい
得られた多層型化粧料を上記ガラス瓶に充填し蓋をして２５℃で１週間静置した多層型化粧料入りガラス瓶を、手で上下方向に１０回振盪（２０ｃｍの振盪幅、１０回／５秒の振盪速度）し、振盪直後（振盪後１分以内）の混合状態を目視で観察し、下記基準で混合のしやすさを評価した。
［評価基準］
〇：簡単に混合できる
△：混合できる
×：混合が難しい
【0073】
＜外観性＞
得られた多層型化粧料を上記ガラス瓶に充填し蓋をして、２５℃で１週間静置した多層型化粧料入りガラス瓶を、手で上下方向に１０回振盪（２０ｃｍの振盪幅、１０回／５秒の振盪速度）した後、２５℃で８時間静置後の外観を目視で観察し、下記の基準で外観性を評価した。
［評価基準］
Ａ：上層と下層がきれいに分離している
Ｂ：分離はするが、上層と下層の分離が明瞭ではない
Ｃ：分離が明瞭に分からない
得られた多層型化粧料を上記ガラス瓶に充填し蓋をして、２５℃で１週間静置した多層型化粧料入りガラス瓶を、手で上下方向に１０回振盪（２０ｃｍの振盪幅、１０回／５秒の振盪速度）した後、２５℃で８時間静置後の外観を目視で観察し、下記の基準で外観性を評価した。
［評価基準］
Ａ：上層と下層がきれいに分離している
Ｂ：分離はするが、上層と下層の分離が明瞭ではない
Ｃ：分離が明瞭に分からない
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】
表１の結果から、実施例１～３は、ヒドロキシプロピルデンプンと（ＰＥＧ－２４０／デシルテトラデセス－２０／ＨＤＩ）コポリマーの含有量を変えたものであり、上下二層への分離が速く、上下二層に明瞭に分離しており、分離状態を目視観察で容易に判別することができた。
これに対して、比較例１は、ヒドロキシプロピルデンプンが配合されていないため、上下二層に分離が認められなかった。
比較例２は、（ＰＥＧ－２４０／デシルテトラデセス－２０／ＨＤＩ）コポリマーが配合されていないため、比較例１と同様に上下二層に分離が認められなかった。
比較例３は、液晶構造を有する組成物を含有していないため、上下二層に分離しているが上下二層に明瞭に分離できていないので、製品としては不合格である。
比較例４は、エタノールを実質的に含有しているため、上下二層に分離が認められなかった。
これに対して、比較例１は、ヒドロキシプロピルデンプンが配合されていないため、上下二層に分離が認められなかった。
比較例２は、（ＰＥＧ－２４０／デシルテトラデセス－２０／ＨＤＩ）コポリマーが配合されていないため、比較例１と同様に上下二層に分離が認められなかった。
比較例３は、液晶構造を有する組成物を含有していないため、上下二層に分離しているが上下二層に明瞭に分離できていないので、製品としては不合格である。
比較例４は、エタノールを実質的に含有しているため、上下二層に分離が認められなかった。
【0077】
表２の結果から、実施例４は、ヒドロキシプロピルデンプンの含有量を増加したものであり、上下二層に明瞭に分離できたが、べたつきが少し生じており使用感がやや劣るものであった。
実施例５は、（ＰＥＧ－２４０／デシルテトラデセス－２０／ＨＤＩ）コポリマーの含有量を増加したものであり、上下二層に明瞭に分離できたが、二層に分離したものを手で振盪した際にやや混合しにくく、ハンドリング性がやや低かった。
実施例６及び７は、ヒドロキシプロピルデンプンの代わりに他のエーテル化デンプンである、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸又はヒドロキシプロピルデンプンリン酸ナトリウムを含有したものであるが、いずれも上下二層に明瞭に分離しており、分離速度も速かった。
実施例８は、液晶構造を有する組成物の平均粒子径を５０ｎｍと小さくしたものであり、実施例９は、液晶構造を有する組成物の平均粒子径を２００ｎｍとしたものであり、いずれも上下二層に明瞭に分離しており、分離速度も速かった。
実施例１０は、液晶構造を有する組成物の平均粒子径を３００ｎｍと大きくしたものであり、上下二層への分離がやや不明瞭であり、上層と下層とを判別することがやや困難であった。
実施例５は、（ＰＥＧ－２４０／デシルテトラデセス－２０／ＨＤＩ）コポリマーの含有量を増加したものであり、上下二層に明瞭に分離できたが、二層に分離したものを手で振盪した際にやや混合しにくく、ハンドリング性がやや低かった。
実施例６及び７は、ヒドロキシプロピルデンプンの代わりに他のエーテル化デンプンである、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸又はヒドロキシプロピルデンプンリン酸ナトリウムを含有したものであるが、いずれも上下二層に明瞭に分離しており、分離速度も速かった。
実施例８は、液晶構造を有する組成物の平均粒子径を５０ｎｍと小さくしたものであり、実施例９は、液晶構造を有する組成物の平均粒子径を２００ｎｍとしたものであり、いずれも上下二層に明瞭に分離しており、分離速度も速かった。
実施例１０は、液晶構造を有する組成物の平均粒子径を３００ｎｍと大きくしたものであり、上下二層への分離がやや不明瞭であり、上層と下層とを判別することがやや困難であった。