(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157153
(43)【公開日】2024-11-07
(54)【発明の名称】陳列箱
(51)【国際特許分類】
B65D 5/52 20060101AFI20241030BHJP
【FI】
B65D5/52 101Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023071319
(22)【出願日】2023-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】390020019
【氏名又は名称】レック株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】502042850
【氏名又は名称】株式会社エフトイズ・コンフェクト
(74)【代理人】
【識別番号】100092680
【弁理士】
【氏名又は名称】入江 一郎
(72)【発明者】
【氏名】小澤 一壽
(72)【発明者】
【氏名】松本 伸之
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060CB16
3E060CB22
3E060CC17
3E060CC34
3E060DA17
3E060EA14
(57)【要約】
【課題】
本発明の目的は、陳列箱内の被収納物の移動をスムーズにすることができる陳列箱を提供するものである。
【解決手段】
陳列箱1は、球面又は曲面状を有する被収納物2を収納する略直方体形状の陳列箱1であって、陳列箱1の正面視、前方の取り出し口に向けて下り勾配の下面部材20が陳列箱1の内部に設けられ、陳列箱1の正面視、前方から後方に向けて下り勾配の案内部材30が陳列箱1の内部に設けられ、案内部材30上の被収納物2を下面部材20に案内する案内通路40が陳列箱1の内部に設けられ、前記最下層の被収納物2の上に案内部材30を介在させて前記最下層の被収納物2と前記最下層の被収納物2の上に位置する被収納物2が接触するのを防ぐものである。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
球面又は曲面状を有する被収納物を収納する略直方体形状の陳列箱であって、
前記陳列箱の正面視、前方の取り出し口に向けて下り勾配の下面部材が前記陳列箱の内部に設けられ、
前記陳列箱の正面視、前方から後方に向けて下り勾配の案内部材が前記陳列箱の内部に設けられ、
前記案内部材上の前記被収納物を前記下面部材に案内する案内通路(案内空間)が前記陳列箱の内部に設けられ、
前記最下層の前記被収納物の上に前記案内部材を介在させて前記最下層の前記被収納物と前記最下層の前記被収納物の上に位置する前記被収納物が接触するのを防ぐ
ことを特徴とする陳列箱。
【請求項2】
球面又は曲面状を有する被収納物を収納する略直方体形状の陳列箱であって、
前記陳列箱の正面視、前方の取り出し口に向けて下り勾配の下面部材が前記陳列箱の内部に設けられ、
前記陳列箱の正面視、後方から前方の正面壁に向けて下り勾配の案内部材が前記陳列箱の内部に設けられ、
前記案内部材に対向する天井壁の前記陳列箱の背面壁より前記正面壁に近い側に前記被収納物の第2の取り出し口が設けられている
ことを特徴とする陳列箱。
【請求項3】
球面体の被収納物を収納する略直方体形状の陳列箱であって、
前記陳列箱の正面視、前方の正面壁に設けた取り出し口に向けて下り勾配の下面部材が前記陳列箱の内部に設けられ、
前記取り出し口は、横長の矩形形状であって前記取り出し口の高さH、前記被収納物の球面体の直径をLとすれば、1.5L≦H<2Lの関係とする
ことを特徴とする陳列箱。
【請求項4】
陳列箱の正面視、被収納物が下面部材の上に横方向に2個、縦方向にM個、案内部材の上に横方向に2個、縦方向にM個、収納され、前記案内部材の縦方向に接触防止壁が設けられ、前記接触防止壁により隣接する前記案内部材の縦方向の前記被収納物同士が接触するのを防止する
ことを特徴とする請求項2記載の陳列箱。
【請求項5】
取り出し口で取り出した被収納物を陳列箱内に戻す戻し口を前記陳列箱の天井壁に設けた
ことを特徴とする請求項1~3の何れか記載の陳列箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、陳列箱に係り、特に、陳列箱内の被収納物の移動をスムーズにすることができる陳列箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、外箱の内部にトレーを挿入し、外箱の前壁下部に形成した開口部から
トレーを手前に引き出して、トレーの底壁の後部に連設した誘導板を外箱の後壁に当接す
るように後上がりに傾斜させた状態で、商品(陳列箱に収納された被収納物)を陳列する
ようにした陳列箱において、前記トレーの後部に、両側壁から底壁への切込により下方へ
突出する脚片を形成し、トレーの底壁を後方が高くなるように傾斜させた被収納物の陳箱
がある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
商品(陳列箱に収納された被収納物)を取り出すには、外箱の前壁の下部を手前に倒して開口させた後、特許文献1の
図5及び
図6に示すように、その開口部からトレーを手前に引き出し、引き出し後、引き出されたトレーから、商品(陳列箱に収納される被収納物)を取り出すようにしている。
ところが、上記陳列箱の外箱の前壁の下部に形成した開口部付近の2段目(特許文献1の
図7)の商品にあっては、外箱の前壁、両側壁に当接し、商品が移動できないという問題点があった。
【0005】
本発明は、上記の問題点を考慮してなされた陳列箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の陳列箱は、球面又は曲面状を有する被収納物を収納する略直方体形状の陳列箱であって、前記陳列箱の正面視、前方の取り出し口に向けて下り勾配の下面部材が前記陳列箱の内部に設けられ、前記陳列箱の正面視、前方から後方に向けて下り勾配の案内部材が前記陳列箱の内部に設けられ、前記案内部材上の前記被収納物を前記下面部材に案内する案内通路(案内空間)が前記陳列箱の内部に設けられ、前記最下層の前記被収納物の上に前記案内部材を介在させて前記最下層の前記被収納物と前記最下層の前記被収納物の上に位置する前記被収納物が接触するのを防ぐものである。
【0007】
また、請求項2記載の陳列箱は、球面又は曲面状を有する被収納物を収納する略直方体形状の陳列箱であって、前記陳列箱の正面視、前方の取り出し口に向けて下り勾配の下面部材が前記陳列箱の内部に設けられ、前記陳列箱の正面視、後方から前方の正面壁に向けて下り勾配の案内部材が前記陳列箱の内部に設けられ、前記案内部材に対向する天井壁の前記陳列箱の背面壁より前記正面壁に近い側に前記被収納物の第2の取り出し口が設けられているものである。
【0008】
また、請求項3記載の陳列箱は、球面体の被収納物を収納する略直方体形状の陳列箱であって、前記陳列箱の正面視、前方の正面壁に設けた取り出し口に向けて下り勾配の下面部材が前記陳列箱の内部に設けられ、前記取り出し口は、横長の矩形形状であって前記取り出し口の高さH、前記被収納物の球面体の直径をLとすれば、1.5L≦H<2Lの関係とするものである。
【0009】
また、請求項4記載の陳列箱は、請求項2記載の陳列箱において、陳列箱の正面視、被収納物が下面部材の上に横方向に2個、縦方向にM個、案内部材の上に横方向に2個、縦方向にM個、収納され、前記案内部材の縦方向に接触防止壁が個設けられ、前記接触防止壁により隣接する前記案内部材の縦方向の前記被収納物同士が接触するのを防止するものである。
【0010】
また、請求項5記載の陳列箱は、請求項1~3の何れか記載の陳列箱において、取り出し口で取り出した被収納物を陳列箱内に戻す戻し口を前記陳列箱の天井壁に設けたものである。
【発明の効果】
【0011】
球面又は曲面状を有する被収納物を、最下層の被収納物から取り出した場合、最下層の被収納物に接触する上に位置する被収納物が陳列箱内で移動できない不具合を生じるが、請求項1記載の陳列箱によれば、最下層の被収納物の上に案内部材を介在させて最下層の被収納物と最下層の被収納物の上に位置する被収納物が接触するのを防いで、前記不具合を防止することができる。
【0012】
球面又は曲面状を有する被収納物を、最下層の被収納物から取り出した場合、最下層の被収納物に接触する上に位置する被収納物が陳列箱内で移動できない不具合を生じるが、請求項2記載の陳列箱によれば、最下層の被収納物の上に案内部材を介在させて最下層の被収納物と案内部材の被収納物が接触するのを防いで、前記不具合を防止することができる。
【0013】
球面体の被収納物を、最下層の被収納物から取り出した場合、最下層の被収納物に接触する上に位置する被収納物が陳列箱内で移動できない不具合を生じるが、請求項3記載の陳列箱によれば、前記取り出し口の高さHを 1.5L≦H<2L の関係としたため、取り出し口から被収納物を取り出すと、取り除かれた被収納物の位置を埋めるように、残りの下面部材上の被収納物が移動して前記不具合を防止することができる。
【0014】
また、請求項4記載の陳列箱によれば、上述した請求項2記載の発明の効果に加え、取り出し口から被収納物を取り出すと、接触防止壁により隣接する案内部材の縦方向の被収納物同士が接触するのを防止して、取り除かれた被収納物の位置を埋めるように、残りの被収納物がスムーズに移動することができる。
【0015】
また、請求項5記載の陳列箱によれば、上述した請求項1~3の何れか記載の発明の効果に加え、取り出し者が取り出し口から被収納物を取り出し、被収納物の重さ等の感触が気に入らなかった場合、陳列箱の天井壁に設けた戻し口から被収納物を陳列箱内に簡易に戻すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例の使用状態の陳列箱の概略的斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2の天井壁を開放した状態の概略的図である。
【
図4】
図4は、
図3の陳列箱から被収納物を取り出した状態の概略的図である。
【
図7】
図7は、
図1の陳列箱と異なる他の実施例の概略的平面図である。
【
図8】
図8は、
図7の天井壁を開放した状態の概略的図である。
【
図9】
図9は、
図8の陳列箱から被収納物を取り出した状態の概略的図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(実施例1)
本発明の一実施例の陳列箱を
図1乃至
図6を参照して説明する。
図1に示す1は、球面又は曲面状を有する被収納物2を収納する略直方体形状の陳列箱で、陳列箱1は、載置面3に載置されている。被収納物2は、球面又は曲面状を有するもので、より具体的には、カプセル玩具、球状の入浴剤等である。
【0018】
陳列箱1は、底面壁(図示せず)と、四方を覆う正面壁11、右側壁12、背面壁13、左側壁14と、これら正面壁11、右側壁12、背面壁13、左側壁14の上部空間を覆う天井壁15とを有している。陳列箱1は、例えば、段ボールで形成されている。
【0019】
陳列箱1の正面視、前方の取り出し口11Aに向けて下り勾配の下面部材20が陳列箱1の内部に設けられている。
また、陳列箱1の正面視、前方から後方に向けて下り勾配の案内部材30が陳列箱1の内部に設けられている。
また、案内部材30上の被収納物2を下面部材20に案内する案内通路(案内空間)40が陳列箱1の内部に設けられている。
つまり、最下層の被収納物2の上に案内部材30を介在させて最下層の被収納物2と最下層の被収納物2の上に位置する被収納物2が接触するのを防いでいる。
【0020】
即ち、従来、球面又は曲面状を有する被収納物を積層し、最下層の被収納物から取り出した場合、最下層の被収納物に接触する上に位置する被収納物が陳列箱内で移動できない不具合を生じるが、本実施例の陳列箱1によれば、最下層の被収納物2の上に案内部材30を介在させて最下層の被収納物2と最下層の被収納物2の上に位置する被収納物2が接触するのを防いで、前記不具合を防止することができる。
【0021】
また、取り出し口11Aより被収納物2を取り出し者が、取り出した被収納物2の重さ等の感触が気に入らなかった場合、本実施例の陳列箱1にあっては、取り出し口11Aより取り出した被収納物2を陳列箱1内に戻す戻し口15Aを陳列箱1の天井壁15に設けている。
【0022】
(実施例2)
次に、
図1~
図6記載の陳列箱と異なる他の実施例の陳列箱を
図7~
図11を参照して説明する。
図7~
図11記載の陳列箱1は、
図1~
図6記載の陳列箱1の案内部材30に接触防止壁31を設けたものである。
【0023】
陳列箱1は、上述の実施例1と同様、底面壁(図示せず)と、四方を覆う正面壁11、右側壁12、背面壁13、左側壁14と、これら正面壁11、右側壁12、背面壁13、左側壁14の上部空間を覆う天井壁15とを有している。陳列箱1は、例えば、段ボールで形成されている。
【0024】
そして、上述の実施例1と同様、 陳列箱1の正面視、前方の取り出し口11Aに向けて下り勾配の下面部材20が陳列箱1の内部に設けられている。
また、陳列箱1の正面視、前方から後方に向けて下り勾配の案内部材30が陳列箱1の内部に設けられている。
また、案内部材30上の被収納物2を下面部材20に案内する案内通路(案内空間)40が陳列箱1の内部に設けられている。
つまり、最下層の被収納物2の上に案内部材30を介在させて最下層の被収納物2と最下層の被収納物2の上に位置する被収納物2が接触するのを防いでいる。
【0025】
そして、陳列箱1の正面視、被収納物2が下面部材20の上に横方向に2個、縦方向にM個、案内部材30の上に横方向に2個、縦方向にM個、収納され、案内部材30の縦方向に接触防止壁31が設けられている。本実施例では、例えば、Mは4である。接触防止壁31により隣接する案内部材30の縦方向の被収納物2同士が接触するのを防止することができる。
従って、取り出し口11Aから被収納物2を取り出すと、接触防止壁31により隣接する案内部材30の縦方向の被収納物2同士が接触するのを防止して、取り除かれた被収納物2の位置を埋めるように、残りの被収納物2がスムーズに移動することができる。
【0026】
(実施例3)
次に、上述した
図7~
図11記載の陳列箱と異なる他の実施例の陳列箱を
図12~
図16を参照して説明する。
図12に示す1は、球面又は曲面状を有する被収納物2を収納する略直方体形状の陳列箱で、陳列箱1は、載置面3に載置されている。被収納物2は、球面又は曲面状を有するもので、より具体的には、カプセル玩具、球状の入浴剤等である。
【0027】
陳列箱1は、上述の実施例1、2と同様、底面壁(図示せず)と、四方を覆う正面壁11、右側壁12、背面壁13、左側壁14と、これら正面壁11、右側壁12、背面壁13、左側壁14の上部空間を覆う天井壁15とを有している。陳列箱1は、例えば、段ボールで形成されている。
【0028】
陳列箱1の正面視、前方の取り出し口11Aに向けて下り勾配の下面部材20が陳列箱1の内部に設けられている。
また、陳列箱1の正面視、後方から前方の正面壁11に向けて下り勾配の案内部材30’が陳列箱1の内部に設けられている。
つまり、最下層の被収納物2の上に案内部材30’を介在させて最下層の被収納物2と最下層の被収納物2の上に位置する被収納物2が接触するのを防いでいる。
なお、本実施例の陳列箱1にあっては、案内部材30’と下面部材20との間には、
図1~
図4記載の陳列箱1、
図5~
図8記載の陳列箱1のような案内通路(案内空間)40はない。
そのため、下面部材20上の被収納物2は取り出し口11Aから、案内部材30’上の被収納物2は第2の取り出し口(戻し口)15Aから、それぞれ取り出すこととなる。
なお、案内部材30’に対向する天井壁15の陳列箱1の背面壁13より正面壁11に近い側に15Aが設けられ、15Aは、被収納物2の第2の取り出し口であると共に、戻し口でもある。
【0029】
従って、取り出し口11Aから被収納物2を取り出すと、取り除かれた被収納物2の位置を埋めるように、残りの下面部材20上の被収納物2がスムーズに移動することができる。
また、第2の取り出し口(戻し口)15Aから被収納物2を取り出すと、取り除かれた被収納物2の位置を埋めるように、残りの案内部材30’上の被収納物2がスムーズに移動することができる。
また、取り出し口11Aで取り出した被収納物2を陳列箱1内に戻す場合には、第2の取り出し口(戻し口)15Aを介して陳列箱1内に戻すことができるようになっている。
【0030】
(実施例4)
次に、上述した12~
図16記載の陳列箱と異なる他の実施例の陳列箱を
図17~
図21を参照して説明する。
図17に示す1は、球面体の被収納物2を収納する略直方体形状の陳列箱で、陳列箱1は、載置面3に載置されている。被収納物2は、より具体的には、カプセル玩具、球状の入浴剤等である。
【0031】
陳列箱1は、上述の実施例1、2、3と同様、底面壁(図示せず)と、四方を覆う正面壁11、右側壁12、背面壁13、左側壁14と、これら正面壁11、右側壁12、背面壁13、左側壁14の上部空間を覆う天井壁15とを有している。陳列箱1は、例えば、段ボールで形成されている。
【0032】
陳列箱1の正面視、前方の正面壁11に設けた取り出し口11Aに向けて下り勾配の下面部材20が陳列箱1の内部に設けられている。
取り出し口11Aは、横長の矩形形状であって取り出し口11Aの高さH、被収納物2の球面体の直径をLとすれば、1.5L≦H<2Lの関係となっている。
図21に示す陳列箱1にあっては、H<1.5Lであると、取り出し口11Aから被収納物2を取り出しても、
図21に示すように、被収納物2が矢印方向に作用し、被収納物2の移動が停止し、そのままでは、取り出し口11Aから被収納物2を取り出せない不具合が生じますが、
本実施例の陳列箱1によれば、取り出し口11Aの高さHを1.5L≦H<2Lの関係としたため、取り出し口11Aから被収納物2を取り出すと、取り除かれた被収納物2の位置を埋めるように、残りの下面部材20上の被収納物2が移動して前記不具合を防止することができる。
【符号の説明】
【0033】
1 陳列箱
2 被収納物
3 載置面
11 正面壁
11A 取り出し口
12 右側壁
13 背面壁
14 左側壁
15 天井壁
15A 第2の取り出し口(戻し口)
20 下面部材
30 案内部材
31 接触防止壁
40 案内通路(案内空間)