(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157156
(43)【公開日】2024-11-07
(54)【発明の名称】画像読取装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/04 20060101AFI20241030BHJP
H04N 1/10 20060101ALI20241030BHJP
G03B 27/50 20060101ALI20241030BHJP
G03B 27/62 20060101ALI20241030BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20241030BHJP
【FI】
H04N1/04 105
H04N1/10
G03B27/50 A
G03B27/62
G03G15/00 107
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023071322
(22)【出願日】2023-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】堀口 靖之
【テーマコード(参考)】
2H012
5C072
【Fターム(参考)】
2H012CA11
2H012CC11
5C072AA01
5C072BA03
5C072CA02
5C072DA02
5C072DA12
5C072DA25
5C072EA07
5C072LA02
5C072MB04
5C072MB06
5C072MB08
(57)【要約】
【課題】走査ユニットを速やかにホーム位置に位置決めすること。
【解決手段】第1参照部23aは、第1の色の下面を有する。第2参照部23bは、前記第1参照部23aに対し第1方向に隣接し、第2の色の下面を有する。第3参照部23cは、前記第2参照部23bに対し前記第1方向に隣接し、前記第1の色の下面を有する。第4参照部23dは、前記第3参照部23cに対し前記第1方向に隣接し、前記第2の色の下面を有する。データ処理部5cは、ライン画像データにおける参照領域の1つ以上の参照画素データが記第1の色および前記第2の色のいずれの色のデータであるかを判別する色判別処理を実行する。ユニット駆動装置17は、走査ユニット10を移動させる方向または距離がそれぞれ異なる複数の試行駆動動作の中から前記色判別処理の結果に応じて順次選択される複数の駆動動作を実行することにより、前記走査ユニット10をホーム位置に位置決めする。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿が載置される透明な板状の第1透明板部と、
前記第1透明板部に対し第1方向側に配置された透明な板状の第2透明板部と、
前記第2透明板部の上面を経由する搬送路に沿って前記原稿を搬送する原稿搬送装置と、
それぞれ前記第1方向に交差する主走査方向に沿って配置された発光部および導光部を含み、前記第1透明板部の下方および前記第2透明板部の下方に亘る可動領域おいて前記第1方向および前記第1方向の反対の第2方向へ移動可能な走査ユニットと、
前記導光部によって導かれる光を受光し、受光量を表すライン画像信号を出力する主イメージセンサーと、
前記走査ユニットを前記可動領域において前記第1方向または前記第2方向へ移動させるユニット駆動装置と、
前記主イメージセンサーにより出力される前記ライン画像信号に対応する複数の画素データを含むライン画像データを処理するデータ処理部と、
前記第1透明板部における前記主走査方向の一端を成す側縁に沿って配置され、第1の色の下面を有する第1参照部と、
前記第1参照部に対し前記第1方向に隣接して配置され、前記第1の色と異なる第2の色の下面を有する第2参照部と、
前記第2参照部に対し前記第1方向に隣接して配置され、前記第1の色の下面を有する第3参照部と、
前記第3参照部に対し前記第1方向に隣接して配置され、前記第2の色の下面を有する第4参照部と、を備え、
前記データ処理部は、前記ライン画像データにおける前記第1参照部、前記第2参照部、前記第3参照部または前記第4参照部に対応する参照領域の1つ以上の参照画素データが記第1の色および前記第2の色のいずれの色のデータであるかを判別する色判別処理を実行し、
前記ユニット駆動装置は、前記走査ユニットを移動させる方向または距離がそれぞれ異なる複数の試行駆動動作の中から前記色判別処理の判別結果に応じて順次選択される複数の駆動動作を実行することにより、前記走査ユニットを前記第1透明板部および前記第2透明板部の間のホーム位置に位置決めする、画像読取装置。
【請求項2】
前記第1方向および前記第2方向に沿う副走査方向における前記第1透明板部と前記第2透明板部との間の領域に前記主走査方向に沿って配置され、白色の下面を有する第1白基準部と、
前記副走査方向における前記第1透明板部と前記第2透明板部との間の領域に前記主走査方向に沿って配置され、白色の上面を有する第2白基準部と、
前記第2白基準部の上面に対向して配置され、前記原稿搬送装置によって搬送される前記原稿の上面の画像を読み取る副イメージセンサーと、をさらに備え、
前記第2の色が白色であり、
前記第1白基準部および前記第2白基準部の一方が前記第2参照部を含み、
前記第1白基準部および前記第2白基準部の他方が前記第4参照部を含む、請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記第1透明板部および前記第2透明板部を含む1枚の透明のガラス板と、
前記ガラス板の上面に重なって配置されたガラスカバー部材と、を備え、
前記ガラスカバー部材には、前記ガラス板における前記第1透明板部を含む一部を露出させる第1開口と前記ガラス板における前記第2透明板部を含む他の一部を露出させる第2開口とが形成されており、
前記ガラスカバー部材は、前記第1参照部および前記第3参照部を含み、
前記第1白基準部は、前記ガラスカバー部材における前記第1開口と前記第2開口との間の部分の下面に配置され前記第2参照部を含み、
前記第2白基準部は、前記ガラス板の上面における前記ガラスカバー部材の前記第2開口内の領域に、前記第2透明板部に対し前記第2方向側に隣接して配置され、前記第4参照部を含む、請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記複数の試行駆動動作は、
前記参照画素データが前記第2の色のデータであると判別されたときに、前記ユニット駆動装置が、前記走査ユニットを第1距離だけ前記第1方向へ移動させる第1駆動動作と、
前記第1駆動動作が行われた後に前記参照画素データが前記第2の色のデータであると判別されたときに、前記ユニット駆動装置が、前記走査ユニットを第2距離だけ前記第2方向へ移動させる第2駆動動作と、
前記第2駆動動作が行われた後に前記参照画素データが前記第1の色のデータであると判別されたときに、前記ユニット駆動装置が、前記参照画素データが前記第2の色のデータであると判別されるまで、前記走査ユニットを前記第1距離および前記第2距離よりも短い基準距離ずつ前記第1方向へ移動させる1回以上の第3駆動動作と、
前記第3駆動動作が行われた後に前記参照画素データが前記第2の色のデータであると判別されたときに、前記ユニット駆動装置が、前記走査ユニットを第3距離だけ前記第1方向へ移動させることにより前記走査ユニットを前記ホーム位置に位置決めする完了駆動動作と、を含む、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記走査ユニットは、前記発光部と集光レンズである前記導光部とCMOSタイプの前記主イメージセンサーとを有するコンタクトイメージセンサーユニットを含む、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走査ユニットをホーム位置に位置決めする機能を有する画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像読取装置は、静止原稿読取処理を実行する機能を有する場合がある。前記静止原稿読取処理は、プラテンガラス上に載置された原稿の画像を読み取る処理である。前記静止原稿読取処理は、フラットベッド式の画像読取処理とも称される。
【0003】
前記静止原稿読取処理において、ユニット駆動装置が、主走査方向に沿って形成された発光部および導光部材を含む走査ユニットを予め定められたホーム位置から前記プラテンガラスの下方へ向けて移動させる。
【0004】
前記画像読取装置は、イメージセンサー、AFE(Analog Front End)およびデータ処理部をさらに備える。前記イメージセンサーは、前記導光部材によって導かれる光を受光し、受光量を表すライン画像信号を出力する。前記AFEは、前記ライン画像信号をデジタルの複数の画素データを含むライン画像データへ変換する。前記データ処理部は、前記ライン画像データを処理する。
【0005】
なお、前記走査ユニットがコンタクトイメージセンサーユニットを含む場合もある。前記コンタクトイメージセンサーユニットは、前記発光部と集光レンズである前記導光部材とCMOSタイプのイメージセンサーとを有する。
【0006】
前記ホーム位置は、前記プラテンガラスの下方の領域に対して副走査方向にずれた位置である。前記走査ユニットが前記ホーム位置から前記プラテンガラスの下方の領域へ移動するまでに、前記走査ユニットの移動速度が安定する。
【0007】
従って、前記ユニット駆動装置は、前記静止原稿読取処理が実行される前に、前記走査ユニットを前記ホーム位置に位置決めする必要がある。
【0008】
例えば、前記ホーム位置を表すマークが、前記プラテンガラスの隣に配置されたシェーディング補正用の基準板に形成されることが知られている(例えば、特許文献1参照)。この場合、前記データ処理部が、前記ライン画像データから前記マークを検出することにより、前記走査ユニットが前記ホーム位置に到達したことを検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、前記ライン画像データから特定のマークを検出するマーク検出処理は、一定の時間を要する。そのため、前記ユニット駆動装置が前記マーク検出処理の結果に応じて前記走査ユニットを移動させる処理を随時実行する場合、前記走査ユニットの位置決めに比較的長い時間が必要である。
【0011】
また、前記画像読取装置は、搬送原稿読取処理を実行するための構成を備える場合がある。この場合、前記画像読取装置は、コンタクトガラスと原稿搬送装置とを備える。前記原稿搬送装置は、前記コンタクトガラスの上面を経由する搬送路に沿って原稿を搬送する。
【0012】
前記搬送原稿読取処理が実行される場合、前記ユニット駆動装置は前記走査ユニットを前記コンタクトガラスの下方に位置決めし、前記原稿搬送装置は前記原稿を搬送する。前記イメージセンサーは、前記コンタクトガラス上を通過する前記原稿の画像を読み取る。
【0013】
前記走査ユニットが前記プラテンガラスまたは前記コンタクトガラスの下方に位置するときに、前記ライン画像データは、不特定の状態である。このように、前記ライン画像データが不特定の状態になる位置が前記走査ユニットの可動領域に複数存在する場合でも、前記走査ユニットを速やかに前記ホーム位置に位置決めすることが望まれる。
【0014】
一方、前記走査ユニットが前記ホーム位置に到達したことを検出する専用のセンサーを設けることは、部品点数が増えるため好ましくない。
【0015】
本発明の目的は、静止原稿読取処理および原稿搬送読取処理を実行可能な装置において走査ユニットを速やかにホーム位置に位置決めすることができる画像読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一の局面に係る画像読取装置は、第1透明板部と、第2透明板部と、走査ユニットと、主イメージセンサーと、ユニット駆動装置と、データ処理部と、第1参照部と、第2参照部と、第3参照部と、第4参照部と、を備える。前記第1透明板部は、原稿が載置される透明な板状の部分である。前記第2透明板部は、前記第1透明板部に対し第1方向側に配置された透明な板状の部分である。前記原稿搬送装置は、前記第2透明板部の上面を経由する搬送路に沿って前記原稿を搬送する。前記走査ユニットは、それぞれ前記第1方向に交差する主走査方向に沿って配置された発光部および導光部を含み、前記第1透明板部の下方および前記第2透明板部の下方に亘る可動領域おいて前記第1方向および前記第1方向の反対の第2方向へ移動可能である。前記主イメージセンサーは、前記導光部によって導かれる光を受光し、受光量を表すライン画像信号を出力する。前記ユニット駆動装置は、前記走査ユニットを前記可動領域において前記第1方向または前記第2方向へ移動させる。前記データ処理部は、前記主イメージセンサーにより出力される前記ライン画像信号に対応する複数の画素データを含むライン画像データを処理する。前記第1参照部は、前記第1透明板部における前記主走査方向の一端を成す側縁に沿って配置され、第1の色の下面を有する。前記第2参照部は、前記第1参照部に対し前記第1方向に隣接して配置され、前記第1の色と異なる第2の色の下面を有する。前記第3参照部は、前記第2参照部に対し前記第1方向に隣接して配置され、前記第1の色の下面を有する。前記第4参照部は、前記第3参照部に対し前記第1方向に隣接して配置され、前記第2の色の下面を有する。前記データ処理部は、前記ライン画像データにおける前記第1参照部、前記第2参照部、前記第3参照部または前記第4参照部に対応する参照領域の1つ以上の参照画素データが記第1の色および前記第2の色のいずれの色のデータであるかを判別する色判別処理を実行する。前記ユニット駆動装置は、前記走査ユニットを移動させる方向または距離がそれぞれ異なる複数の試行駆動動作の中から前記色判別処理の判別結果に応じて順次選択される複数の駆動動作を実行することにより、前記走査ユニットを前記第1透明板部および前記第2透明板部の間のホーム位置に位置決めする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、静止原稿読取処理および原稿搬送読取処理を実行可能な装置において走査ユニットを速やかにホーム位置に位置決めすることができる画像読取装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、実施形態に係る画像読取装置の構成図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る画像読取装置におけるCISユニットの構成図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る画像読取装置におけるユーザーインターフェイスおよび制御装置の構成を表すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る画像読取装置のCPUにおける処理モジュールの構成を表すブロック図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る画像読取装置における本体の上面図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る画像読取装置における本体の上部の断面図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る画像読取装置におけるホーム位置決め制御の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、実施形態に係る画像読取装置における前調整制御の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、実施形態に係る画像読取装置における応用例に係る走査ユニットの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0020】
[画像読取装置1の構成]
第1実施形態に係る画像読取装置1は、原稿9の画像を読み取る画像読取処理を実行する。例えば、画像読取装置1は、複写機、ファクシミリ装置または複合機などの画像処理装置の一部として構成される場合がある。
【0021】
以下の説明において、画像読取装置1の前記画像読取処理によって原稿9から読み取られた画像のことを読取画像と称する。
【0022】
本実施形態において、画像読取装置1は、本体101、原稿カバー102、走査ユニット10、AFE(Analog Front End)14x、原稿搬送装置15、プラテンガラス部16a、コンタクトガラス部16bおよびユニット駆動装置17などを備える(
図1参照)。
【0023】
さらに、画像読取装置1は、ユーザーインターフェイス装置3および制御装置5も備える。
【0024】
走査ユニット10の長手方向は主走査方向D1である。走査ユニット10は、第1CISユニット(Contact Image Sensor Unit)1xと、第1CISユニット1xを支持するキャリッジ100とを含む。
【0025】
図1において、図面に向かって奥行方向が主走査方向D1であり、図面に向かって左右の方向が副走査方向D2である。副走査方向D2は、主走査方向D1に交差する方向である。本実施形態において、副走査方向D2は、主走査方向D1に直交する方向である。
【0026】
図1,5,6において、第1方向D21は、副走査方向D2に沿う一方の方向であり、第2方向D22は、副走査方向D2に沿う他方の方向である。即ち、第2方向D22は、第1方向D21に対し反対の方向である。
【0027】
本体101は、走査ユニット10およびユニット駆動装置17を収容する筐体である。プラテンガラス部16aおよびコンタクトガラス部16bは、本体101の上面の一部を構成している。
【0028】
プラテンガラス部16aおよびコンタクトガラス部16bは、透明な板状である。プラテンガラス部16aは、原稿9が載置される部分である。プラテンガラス部16aは、第1透明板部の一例である。
【0029】
コンタクトガラス部16bは、プラテンガラス部16aに対し第1方向D21側に配置されている。コンタクトガラス部16bは、第2透明板部の一例である。
【0030】
本実施形態において、1枚の透明のガラス板16が、プラテンガラス部16aおよびコンタクトガラス部16bを含む(
図1,5,6参照)。本体101は、ガラス板16の上面に重なって配置されたガラスカバー部材18を備える。ガラスカバー部材18は合成樹脂部材である。
【0031】
ガラスカバー部材18には、第1開口18aおよび第2開口18bが形成されている(
図5,6参照)。第1開口18aは、ガラス板16におけるプラテンガラス部16aを含む一部を露出させる。第2開口18bは、ガラス板16におけるコンタクトガラス部16bを含む他の一部を露出させる。
【0032】
図5に示される例において、第1開口18aは、本体101の前面側および第2方向D22の側面側から内側へ切れ込んで形成された切欠部である。これにより、原稿9をプラテンガラス部16a上から前面側または側面側へ滑らせることにより、原稿9をプラテンガラス部16a上から容易に取り出すことができる。第1開口18aは、矩形状の孔である。
【0033】
なお、第1開口18aが、本体101の前面側から内側へ矩形状に切れ込んで形成された切欠部であってもよい。この場合、原稿9をプラテンガラス部16a上から前面側へ滑らせることにより、原稿9をプラテンガラス部16a上から取り出すことができる。
【0034】
走査ユニット10は、本体101によって支持されている。走査ユニット10は、プラテンガラス部16aの下方およびコンタクトガラス部16bの下方に亘る可動領域おいて第1方向D21および第2方向D22へ移動可能に支持されている。
【0035】
ユニット駆動装置17は、走査ユニット10を前記可動領域において第1方向D21または第2方向D22へ移動させる。ユニット駆動装置17は、ユニット支持部17a、モーター17b、動力伝達機構17cおよびモーター駆動回路17dを備える。
【0036】
ユニット支持部17aは、走査ユニット10を副走査方向D2に沿って移動可能に支持する。モーター17bは、走査ユニット10を移動させる機構の駆動源である。動力伝達機構17cは、モーター17bの回転力を副走査方向D2に沿う力へ変換して走査ユニット10へ伝達する。
【0037】
モーター17bが第1回転方向へ回転することにより、走査ユニット10が第1方向D21へ移動する。モーター17bが第2回転方向へ回転することにより、走査ユニット10が第2方向D22へ移動する。
【0038】
モーター駆動回路17dは、制御装置5からの制御司令に従って、モーター17bを回転させる。制御装置5は、前記制御司令を出力することによりユニット駆動装置17を動作させる。
【0039】
原稿カバー102は、閉位置と開位置との間で回動可能に支持されている。原稿カバー102は、前記閉位置において、プラテンガラス部16aおよびコンタクトガラス部16bの上面を覆う。原稿カバー102は、前記開位置において、プラテンガラス部16aおよびコンタクトガラス部16bの上面を開放する。
【0040】
画像読取装置1は、静止原稿読取処理を実行可能である。前記静止原稿読取処理において、走査ユニット10がプラテンガラス部16aに沿って移動し、第1CISユニット1xがプラテンガラス部16a上の原稿9の下面の画像を読み取る。
【0041】
原稿搬送装置15は、原稿カバー102に設けられている。原稿搬送装置15は、供給トレイ151上の原稿9を搬送路150へ送り出す。さらに原稿搬送装置15は、コンタクトガラス部16bの上面を経由する搬送路150に沿って原稿9を搬送する。さらに原稿搬送装置15は、原稿9を搬送路150から排出トレイ152上へ搬出する。
【0042】
画像読取装置1は、原稿カバー102が閉じられた状態で搬送原稿読取処理を実行可能である。前記搬送原稿読取処理において、ユニット駆動装置17が走査ユニット10をコンタクトガラス部16bの下方に保持し、原稿搬送装置15が原稿9を搬送路150に沿って搬送する。さらに第1CISユニット1xがコンタクトガラス部16b上を通過する原稿9の下面の画像を読み取る。
【0043】
画像読取装置1は、原稿カバー102に設けられた第2CISユニット1yをさらに備える。第2CISユニット1yは、搬送路150における本体101に沿う部分に対向して配置されている。
【0044】
前記搬送原稿読取処理において、第2CISユニット1yがコンタクトガラス部16b上を通過する原稿9の上面の画像を読み取る。
【0045】
図2に示されるように、第1CISユニット1xおよび第2CISユニット1yの各々は、発光部11、レンズ13およびイメージセンサー14を備える。
【0046】
発光部11、レンズ13およびイメージセンサー14は、主走査方向D1に沿って配置されている。発光部11、レンズ13およびイメージセンサー14の長手方向は主走査方向D1である。
【0047】
発光部11は、光を出射する。第1CISユニット1xの発光部11は、上方へ光を出射する。第2CISユニット1yの発光部11は、下方へ光を出射する。
【0048】
発光部11が出射する光は原稿9に反射する。例えば、発光部11は、光源と、主走査方向D1に沿って配置された導光部材と、を含む。前記導光部材は、一端から入射した前記光源の光を主走査方向D1に導きつつ主走査方向D1に交差する方向へ放射する。例えば、前記導光部材は合成樹脂の部材である。
【0049】
レンズ13は、発光部11から出射された光の反射光をイメージセンサー14へ導く集光レンズである。前記反射光は、原稿9で拡散反射した光である。また、前記反射光が、後述する第1白基準部21、第2白基準部22、第1参照部23a、第2参照部23b、第3参照部23cまたは第4参照部23dで拡散反射した光である場合もある。
【0050】
イメージセンサー14は、前記反射光を受光し、前記反射光の光量を検出する。さらに、イメージセンサー14は、前記反射光の光量の検出結果を表すライン画像信号Ia0をAFE14xへ出力する。
【0051】
本実施形態において、イメージセンサー14は、CMOSタイプのラインセンサーである。レンズ13は、前記反射光をイメージセンサー14へ導く導光部材の一例である。
【0052】
第1CISユニット1xのイメージセンサー14は、主イメージセンサーの一例である。第2CISユニット1yののイメージセンサー14は、副イメージセンサーの一例である。
【0053】
AFE14xは、アナログのライン画像信号Ia0をデジタルのライン画像データId0へ変換し、ライン画像データId0を制御装置5へ出力する。ライン画像データId0は、主走査方向D1の1ライン分の複数の画素データを含む。
【0054】
原稿9の1ページに対応する複数ライン分のライン画像データId0が、原稿9の1ページに対応する前記読取画像のデータである。
【0055】
イメージセンサー14は、原稿9の画像をカラー画像として読み取る。従って、前記読取画像のデータは、赤、緑および青の3色の前記反射光の光量を表すカラー画像のデータである。
【0056】
本実施形態では、発光部11が、それぞれ赤色、緑色および青色の光を出射する赤発光部11R、緑発光部11Gおよび青発光部11Bを含む。そして、赤発光部11R、緑発光部11Gおよび青発光部11Bが順次発光したときに得られる3色のライン画像データId0が前記読取画像のデータを構成する。
【0057】
図3に示されるように、ユーザーインターフェイス装置3は、操作装置3aおよび表示装置3bを含む。操作装置3aは、人の操作を受け付ける装置であり、例えば操作ボタンおよびタッチパネルなどを含む。
【0058】
表示装置3bは、画像およびその他の情報を表示可能な液晶パネルなどの表示パネルを含む。なお、前記人の操作は、人の手による操作の他、人の声による操作または人の目線による操作なども含む。
【0059】
制御装置5は、CPU(Central Processing Unit)51、RAM52、二次記憶装置53、第1通信装置54および第2通信装置55などを含む。
【0060】
二次記憶装置53は、コンピューター読み取り可能な不揮発性の記憶装置である。二次記憶装置53は、コンピュータープログラムおよび各種のデータを記憶可能である。例えば、SSD(Solid State Drive)およびハードディスクドライブの一方または両方が、二次記憶装置53として採用される。
【0061】
CPU51は、二次記憶装置53に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、各種のデータ処理および制御を実行するプロセッサーである。なお、DSPなどの他のプロセッサーが、CPU51の代わりに前記データ処理および制御を実行することも考えられる。
【0062】
RAM52は、コンピューター読み取り可能な揮発性記憶装置である。RAM52は、CPU51によってアクセスされる。RAM52は、CPU51による処理の対象となるデータおよびCPU51によって生成されるデータを一次記憶する。RAM52は、二次記憶装置53よりもデータアクセスの速度が速い。
【0063】
CPU51は、LAN(Local Area Network)などのネットワークを通じて、外部装置である不図示のホスト装置と通信可能である。前記ホスト装置は、画像読取装置1と通信可能なコンピューターである。
【0064】
第1通信装置54は、CPU51と画像読取装置1が備える他の機器との間で行われる信号伝送またはデータ通信を中継するインターフェイス装置である。例えば、CPU51は、第1通信装置54を通じてモーター駆動回路17dへ制御司令を送信する。また、CPU51は、AFE14xから第1通信装置54を通じてライン画像データId0を取得する。
【0065】
第2通信装置55は、前記ネットワークを通じて前記ホスト装置との間で通信を行う通信インターフェイスデバイスである。CPU51は、前記ホスト装置との間のデータの送信および受信の全てを、第2通信装置55を通じて行う。
【0066】
例えば、CPU51は、前記画像読取処理によって得られる前記読取画像のデータを、第2通信装置55を通じて前記ホスト装置へ送信する。
【0067】
CPU51は、前記コンピュータープログラムの実行により実現される複数の処理モジュールを含む。前記複数の処理モジュールは、主制御部5a、読取制御部5bおよび画像処理部5cなどを含む(
図4参照)。
【0068】
主制御部5aは、主として操作装置3aに対する操作および第2通信装置55によるデータ受信を監視し、操作またはデータ受信を検出したときに、検出内容に応じた処理の開始を制御する。
【0069】
読取制御部5bは、モーター駆動回路17dおよび第1CISユニット1xを制御することにより、画像読取装置1に前記静止原稿読取処理を実行させる。さらに読取制御部5bは、原稿搬送装置15、第1CISユニット1xおよび第2CISユニット1yを制御することにより、画像読取装置1に前記搬送原稿読取処理を実行させる。
【0070】
画像処理部5cは、前記静止原稿読取処理または前記搬送原稿読取処理により得られるライン画像データId0に対する各種の処理を実行する。画像処理部5cは、ライン画像信号Ia0に対応する複数の画素データを含むライン画像データId0を処理するデータ処理部の一例である。
【0071】
読取制御部5bは、第1CISユニット1xおよびモーター駆動回路17dを制御することにより、走査ユニット10を予め定められたホーム位置P1に移動させる。ホーム位置P1は、走査ユニット10の初期位置であり、プラテンガラス部16aに対して第1方向D21側の位置である。
【0072】
読取制御部5bは、前記静止原稿読取処理において、走査ユニット10をホーム位置P1から読み取り範囲の終端位置まで第2方向D22へ移動させる(
図1,5,6参照)。
【0073】
読取制御部5bは、走査ユニット10がホーム位置P1から予め定められた助走距離を移動したタイミングで第1CISユニット1xに前記画像読取処理を開始させる。
【0074】
前記助走距離は、ホーム位置P1からプラテンガラス部16a上の原稿9の先端に対応する位置までの距離である。走査ユニット10がホーム位置P1から前記助走距離を移動する間に、走査ユニット10の移動速度が安定する。
【0075】
さらに読取制御部5bは、走査ユニット10を前記終端位置からホーム位置P1まで第1方向D21へ移動させる。
【0076】
読取制御部5bは、前記搬送原稿読取処理において、走査ユニット10をホーム位置P1からコンタクトガラス部16bの下方の読取位置P2まで移動させた後、走査ユニット10を読取位置P2に静止させる(
図1,5,6参照)。
【0077】
画像読取装置1は、それぞれ主走査方向D1に沿って配置された第1白基準部21および第2白基準部22をさらに備える(
図5,6参照)。第1白基準部21は、白色の下面を有し、第2白基準部22は白色の上面を有する。例えば、第1白基準部21および第2白基準部22は、それぞれ合成樹脂のシートまたはプレートである。
【0078】
第1白基準部21は、ガラスカバー部材18における第1開口18aと第2開口18bとの間の部分の下面に配置されている(
図6参照)。即ち、第1白基準部21は、副走査方向D2におけるプラテンガラス部16aとコンタクトガラス部16bとの間の領域に配置されている。
【0079】
第2白基準部22は、ガラス板16の上面におけるガラスカバー部材18の第2開口18b内の領域に、コンタクトガラス部16bに対し第2方向D22側に隣接して配置されている(
図6参照)。即ち、第2白基準部22は、副走査方向D2におけるプラテンガラス部16aとコンタクトガラス部16bとの間の領域に配置されている。
【0080】
本実施形態において、第2白基準部22は、第1白基準部21に対し第1方向D21側に間隔を隔てて配置されている。
【0081】
図6に示されるように、本体101は、本体101の上面の一部に接着された透明フィルム24をさらに備える。透明フィルム24は、コンタクトガラス部16bの上面と第2白基準部22の上面とを覆っている。
【0082】
透明フィルム24は、コンタクトガラス部16bの上面と第2白基準部22の縁との間の段差部を覆い、傾斜面を形成する。これにより、透明フィルム24は、原稿搬送装置15によって搬送される原稿9が前記段差部に引っかかることを防ぐ。
【0083】
ホーム位置P1は、第1白基準部21の下方の位置である(
図6参照)。第2CISユニット1yは、第2白基準部22の上面に対向して配置されている(
図6参照)。
【0084】
第1白基準部21の下面および第2白基準部22の上面は、拡散反射率が高い均一な白色の面である。
【0085】
画像処理部5cは、走査ユニット10がホーム位置P1に存在するときに第1CISユニット1xにより得られるライン画像データId0を用いて第1CISユニット1xについてのシェーディング補正を実行する。前記シェーディング補正は、ライン画像データId0の補正係数を設定する処理である。
【0086】
さらに画像処理部5cは、原稿9が搬送されていないときに第2CISユニット1yにより得られるライン画像データId0を用いて第2CISユニット1yについてのシェーディング補正を実行する。
【0087】
ところで、参考例として、ホーム位置P1を表すマークが第1白基準部21に形成されることが考えられる。この参考例において、画像処理部5cは、ライン画像データId0から前記マークを検出することにより、走査ユニット10がホーム位置P1に到達したことを検出することができる。
【0088】
ライン画像データId0から特定のマークを検出するマーク検出処理は、一定の時間を要する。そのため、ユニット駆動装置17が前記マーク検出処理の結果に応じて走査ユニット10を移動させる処理を随時実行する場合、走査ユニット10の位置決めに比較的長い時間が必要である。
【0089】
また、画像読取装置1は、前記搬送原稿読取処理を実行するための構成を備える。即ち、画像読取装置1は、コンタクトガラス部16bと原稿搬送装置15とを備える。前述したように、原稿搬送装置15は、コンタクトガラス部16bの上面を経由する搬送路150に沿って原稿9を搬送する。
【0090】
前記搬送原稿読取処理が実行される場合、ユニット駆動装置17は走査ユニット10をコンタクトガラス部16bの下方の読取位置P2に位置決めし、原稿搬送装置15は原稿9を搬送する。第1CISユニット1xのイメージセンサー14は、コンタクトガラス部16b上を通過する原稿9の画像を読み取る。
【0091】
走査ユニット10がプラテンガラス部16aまたはコンタクトガラス部16bの下方に位置するときに、ライン画像データId0は、不特定の状態である。このように、ライン画像データId0が不特定の状態になる位置が走査ユニット10の前記可動領域に複数存在する場合でも、走査ユニット10を速やかにホーム位置P1に位置決めすることが望まれる。
【0092】
一方、走査ユニット10がホーム位置P1に到達したことを検出する専用のセンサーを設けることは、部品点数が増えるため好ましくない。
【0093】
画像読取装置1は、走査ユニット10を速やかにホーム位置P1に位置決めするための構成を備える。以下、その構成について説明する。
【0094】
図5,6に示されるように、画像読取装置1は、第1参照部23aと第2参照部23bと第3参照部23cと第4参照部23dとを備える。
【0095】
第1参照部23aは、プラテンガラス部16aにおける主走査方向D1の一端を成す側縁に沿って配置され、第1の色の下面を有する。本実施形態において、前記第1の色は、黒色である。
【0096】
第2参照部23bは、第1参照部23aに対し第1方向D21に隣接して配置されている。第2参照部23bは、前記第1の色と異なる第2の色の下面を有する。本実施形態において、前記第2の色は白色である。
【0097】
なお、前記第1の色が黒色以外の色であってもよい。同様に、前記第2の色が、白色以外の色であってもよい。例えば、前記第1の色が、光の反射率が低い黒系または茶系の濃い色であり、前記第2の色が、光の反射率が低い白系または黄系の薄い色であってもよい。
【0098】
第3参照部23cは、第2参照部23bに対し第1方向D21に隣接して配置されている。第3参照部23cは、前記第1の色の下面を有する。本実施形態において、第3参照部23cの下面の色は黒色である。
【0099】
第4参照部23dは、第3参照部23cに対し第1方向D21に隣接して配置されている。第4参照部23dは、前記第2の色の下面を有する。本実施形態において、第4参照部23dの下面の色は白色である。
【0100】
本実施形態において、第1白基準部21は、第2参照部23bを含む。即ち、第1白基準部21における主走査方向D1の一方の端部が第2参照部23bである。同様に、第2白基準部22は、第4参照部23dを含む。即ち、第2白基準部22における主走査方向D1の一方の端部が第4参照部23dである。第2白基準部22の上面および下面は白色である。
【0101】
以下の説明において、主走査方向D1における原稿9の画像が読み取られる領域のことを読取対象領域A1と称する(
図5参照)。また、主走査方向D1における読取対象領域A1の一端に隣接する領域のことを参照領域A2と称する(
図5参照)。
【0102】
第1白基準部21および第2白基準部22は、それぞれ主走査方向D1における読取対象領域A1と参照領域A2とに亘って形成されている。
【0103】
プラテンガラス部16aおよびコンタクトガラス部16bが主走査方向D1において占める領域は、読取対象領域A1を含む(
図5参照)。第1参照部23a、第2参照部23b、第3参照部23cおよび第4参照部23dは、参照領域A2に配置されている。
【0104】
本実施形態において、ガラスカバー部材18における第1開口18aの縁部の一部が第1参照部23aである(
図5参照)。第1参照部23aは、第1開口18aにおける主走査方向D1の一端に沿って形成されている。
【0105】
また、ガラスカバー部材18における第2開口18bの縁部の一部が、第3参照部23cである(
図5参照)。第3参照部23cは、第2開口18bにおける第2方向D22の端に沿って形成されている。
【0106】
従って、ガラスカバー部材18における少なくとも第1参照部23aおよび第3参照部23cの下面は黒色である。例えば、ガラスカバー部材18の下面全体が黒色の面である。
【0107】
[ホーム位置決め制御]
次に、
図7に示されるフローチャートを参照しつつ、ホーム位置決め制御の手順の一例について説明する。
【0108】
前記ホーム位置決め制御は、走査ユニット10をホーム位置P1に位置決めするために実行される。読取制御部5bは、画像読取装置1が起動したときに前記ホーム位置決め制御を開始する。
【0109】
以下の説明において、S101,S102,…は、前記ホーム位置決め制御における複数の工程の識別符号を表す。前記ホーム位置決め制御において、読取制御部5bは、まず工程S101の処理を開始する。
【0110】
<工程S101>
工程S101において、読取制御部5bは、色判別制御を実行する。
【0111】
前記色判別制御は、第1CISユニット1xにライン画像読取処理を実行させることと、画像処理部5cに色判別処理を実行させることと、を含む。
【0112】
読取制御部5bは、前記ライン画像読取処理において、発光部11を発光させるとともにイメージセンサー14を動作させる。例えば、読取制御部5bは、前記ライン画像読取処理において、赤発光部11R、緑発光部11Gおよび青発光部11Bのうちの予め定められた1つまたは複数を発光させる。
【0113】
画像処理部5cは、前記色判別処理において、前記ライン画像読取処理により得られるライン画像データId0における1つ以上の参照画素データが黒色および白色のいずれの色のデータであるかを判別する。前記参照画素データは、ライン画像データId0における参照領域A2に対応する1つ以上の画素データである。
【0114】
参照領域A2は、主走査方向D1における第1参照部23a、第2参照部23b、第3参照部23cまたは第4参照部23dに対応する領域である(
図5参照)。
【0115】
画像処理部5cは、前記参照画素データの値である参照画素値が予め定められたしきい値を上回るか否かを判別することにより、前記参照画素データが黒色および白色のいずれの色のデータであるかを判別する。
【0116】
読取制御部5bは、前記色判別処理の結果が白色である場合に工程S102の処理を実行し、前記色判別処理の結果が黒色である場合に工程S109の処理を実行する。
【0117】
<工程S102>
工程S102において、読取制御部5bは、走査ユニット10を第1距離だけ第1方向D21へ移動させる動作をユニット駆動装置17に実行させる。
【0118】
前記第1距離は、副走査方向D2におけるホーム位置P1から第4参照部23dの領域内までの距離である。例えば、前記第1距離は、ホーム位置P1から第4参照部23dの副走査方向D2の中心線までの距離L1である(
図6参照)。
【0119】
以下、工程S102におけるユニット駆動装置17の動作のことを第1駆動動作と称する。読取制御部5bは、工程S102の処理を実行した後、工程S103の処理を実行する。
【0120】
<工程S103>
工程S103において、読取制御部5bは、走査ユニット10が前記第1駆動動作によって到達した位置に停止しているときに前記色判別制御を実行する。
【0121】
読取制御部5bは、前記色判別処理の結果が白色である場合に工程S104の処理を実行し、前記色判別処理の結果が黒色である場合に工程S109の処理を実行する。
【0122】
<工程S104>
工程S104において、読取制御部5bは、走査ユニット10を第2距離だけ第2方向D22へ移動させる動作をユニット駆動装置17に実行させる。
【0123】
前記第2距離は、副走査方向D2における第4参照部23dの領域内から第1参照部23aの領域内までの距離である。前記第2距離は、前記第1移動距離よりも長い。
【0124】
例えば、前記第2距離は、第4参照部23dの副走査方向D2の中心線から第1参照部23aにおける第1方向D21の端までの距離L2に僅かな余裕長さが加算された距離である(
図6参照)。
【0125】
以下、工程S104におけるユニット駆動装置17の動作のことを第2駆動動作と称する。読取制御部5bは、工程S104の処理を実行した後、工程S105の処理を実行する。
【0126】
画像読取装置1が起動したときに、走査ユニット10は、多くの場合にホーム位置P1に存在する。
【0127】
走査ユニット10が前記ホーム位置決め制御の開始時点でホーム位置P1に存在する場合、走査ユニット10は、工程S101~S104の処理により前調整位置に到達する。前記前調整位置は、第1参照部23aにおける第1方向D21の端部寄りの部分に対向する走査ユニット10の位置である。
【0128】
従って、走査ユニット10は、多くの場合に、2回の移動によって前記前調整位置へ移動する。
【0129】
<工程S105>
工程S105において、読取制御部5bは、走査ユニット10が前記第2駆動動作によって到達した位置に停止しているときに前記色判別制御を実行する。
【0130】
読取制御部5bは、前記色判別処理の結果が黒色である場合に工程S106の処理を実行し、前記色判別処理の結果が白色である場合に工程S109の処理を実行する。
【0131】
前記ホーム位置決め制御が開始されたときに走査ユニット10がホーム位置P1に存在する場合、工程S101~S105の処理が実行される。
【0132】
<工程S106>
工程S106において、読取制御部5bは、走査ユニット10を基準距離だけ第1方向D21へ移動させる動作をユニット駆動装置17に実行させる。
【0133】
前記基準距離は、前記第1距離および前記第2距離よりも短い距離である。前記基準距離は、ホーム位置P1への走査ユニット10の位置決めに要求される精度に応じて予め設定される。従って、前記基準距離はごく僅かな距離である。
【0134】
以下、工程S106におけるユニット駆動装置17の動作のことを第3駆動動作と称する。読取制御部5bは、工程S106の処理を実行した後、工程S107の処理を実行する。
【0135】
<工程S107>
工程S107において、読取制御部5bは、走査ユニット10が前記第3駆動動作によって到達した位置に停止しているときに前記色判別制御を実行する。
【0136】
読取制御部5bは、前記色判別処理の結果が白色である場合に工程S108の処理を実行し、前記色判別処理の結果が黒色である場合に工程S106およびS107の処理を再び実行する。
【0137】
即ち、ユニット駆動装置17は、前記参照画素データが白色のデータであると判別されるまで、走査ユニット10を前記基準距離ずつ第1方向D21へ移動させる1回以上の前記第3駆動動作を実行する(工程S106,S107参照)。
【0138】
走査ユニット10は、1回以上の前記第3駆動動作によって第2参照部23bにおける第2方向D22の端部に対向する位置へ移動する。
【0139】
<工程S108>
工程S108において、読取制御部5bは、走査ユニット10を第3距離だけ第1方向D21へ移動させる動作をユニット駆動装置17に実行させる。
【0140】
前記第3距離は、副走査方向D2における第2参照部23bの第2方向D22の端からホーム位置P1までの距離L3である(
図6参照)。前記第3距離は、前記第1距離および前記第2距離よりも短く、前記基準距離よりも長い。
【0141】
以下、工程S108におけるユニット駆動装置17の動作のことを完了駆動動作と称する。前記完了駆動動作は、前記第3駆動動作が行われた後に前記参照画素データが白色のデータであると判別されたときに実行される。
【0142】
ユニット駆動装置17は、前記完了駆動動作を実行することにより、走査ユニット10をホーム位置P1に位置決めする。走査ユニット10の位置決め誤差は、概ね前記基準距離である。読取制御部5bは、工程S108の処理を実行した後、前記ホーム位置決め制御を終了する。
【0143】
<工程S109>
工程S109において、読取制御部5bは、後述する前調整制御を実行する。前記前調整制御は、走査ユニット10を前記前調整位置へ移動させるための処理である。
【0144】
読取制御部5bは、前記前調整制御を実行した後、工程S106~S108の処理を実行する。
【0145】
工程S101~S105の処理、または、工程S109の処理により、走査ユニット10は、工程S106の前記第3駆動動作が開始される前に前記前調整位置に到達している。前記前調整位置は、第1参照部23aと第2参照部23bとの境界に近い位置である。
【0146】
従って、ユニット駆動装置17は、比較的少ない回数の前記第3駆動動作と1回の前記完了駆動動作とを実行するだけで、走査ユニット10をホーム位置P1へ位置決めすることができる。
【0147】
[前調整制御]
次に、
図8に示されるフローチャートを参照しつつ、前記前調整制御の手順の一例について説明する。
【0148】
以下の説明において、S201,S202,…は、前記前調整制御における複数の工程の識別符号を表す。前記前調整制御において、読取制御部5bは、まず工程S201の処理を開始する。
【0149】
<工程S201>
工程S201において、読取制御部5bは、走査ユニット10を第4距離だけ第2方向D22へ移動させる動作をユニット駆動装置17に実行させる。
【0150】
前記第4距離は、走査ユニット10が移動前の位置に関わらず確実に第1参照部23aに対向する位置へ移動するよう設定される距離である。前記第4距離は、前記可動領域における第1方向D21の端から第1参照部23aにおける第1方向D21の端までの距離よりも長い。
【0151】
以下、工程S201におけるユニット駆動装置17の動作のことを第4駆動動作と称する。読取制御部5bは、工程S201の処理を実行した後、工程S202の処理を実行する。
【0152】
<工程S202>
工程S202において、読取制御部5bは、走査ユニット10が前記第4駆動動作によって到達した位置に停止しているときに前記色判別制御を実行する。
【0153】
読取制御部5bは、前記色判別処理の結果が黒色である場合に工程S203の処理を実行し、前記色判別処理の結果が白色である場合に工程S207の処理を実行する。
【0154】
<工程S203>
工程S203において、読取制御部5bは、走査ユニット10を第5距離だけ第1方向D21へ移動させる動作をユニット駆動装置17に実行させる。
【0155】
前記第5距離は、第2参照部23bの副走査方向D2の幅よりも短く、前記基準距離よりも長い。
【0156】
以下、工程S203におけるユニット駆動装置17の動作のことを第5駆動動作と称する。読取制御部5bは、工程S203の処理を実行した後、工程S204の処理を実行する。
【0157】
<工程S204>
工程S204において、読取制御部5bは、走査ユニット10が前記第5駆動動作によって到達した位置に停止しているときに前記色判別制御を実行する。
【0158】
読取制御部5bは、前記色判別処理の結果が白色である場合に工程S205の処理を実行し、前記色判別処理の結果が黒色である場合に工程S203およびS204の処理を再び実行する。
【0159】
即ち、ユニット駆動装置17は、前記参照画素データが白色のデータであると判別されるまで、走査ユニット10を前記第5距離ずつ第1方向D21へ移動させる1回以上の前記第5駆動動作を実行する(工程S203,S204参照)。
【0160】
<工程S205>
工程S205において、読取制御部5bは、走査ユニット10を前記第5距離だけ第2方向D22へ移動させる動作をユニット駆動装置17に実行させる。
【0161】
以下、工程S205におけるユニット駆動装置17の動作のことを第6駆動動作と称する。読取制御部5bは、工程S205の処理を実行した後、工程S206の処理を実行する。
【0162】
ユニット駆動装置17が前記第6駆動動作を実行することにより、走査ユニット10が第1参照部23aにおける第1方向D21の端部寄りの部分に対向する位置へ移動する。
【0163】
<工程S206>
工程S206において、読取制御部5bは、走査ユニット10が前記第6駆動動作によって到達した位置に停止しているときに前記色判別制御を実行する。
【0164】
読取制御部5bは、前記色判別処理の結果が黒色である場合に前記前調整制御を終了し、工程S106以降の処理を実行する(
図7参照)。読取制御部5bは、前記色判別処理の結果が白色である場合に工程S207の処理を実行する。
【0165】
<工程S207>
工程S207において、読取制御部5bは、予め定められたエラー処理を実行する。例えば、前記エラー処理は、表示装置3bにエラーメッセージを出力する処理を含む。
【0166】
読取制御部5bは、工程S207の処理を実行した後、前記ホーム位置決め制御を強制終了する。これにより、工程S106以降の処理は実行されない(
図7参照)。
【0167】
工程S102の前記第1駆動動作、工程S104の前記第2駆動動作、工程S106の前記第3駆動動作、工程S108の前記完了駆動動作は、複数の試行駆動動作の一例である。さらに前記工程S201の前記第4駆動動作、工程S203の前記第5駆動動作および工程S205の前記第6駆動動作も、前記複数の試行駆動動作の一例である。
【0168】
駆動動作前記複数の試行駆動動作は、それぞれ走査ユニット10を移動させる動作である。前記複数の試行駆動動作は、それぞれ走査ユニット10を移動させる方向または距離が異なる。
【0169】
ユニット駆動装置17は、前記複数の試行駆動動作の中から前記色判別処理の判別結果に応じて順次選択される複数の駆動動作を実行することにより、走査ユニット10をホーム位置P1に位置決めする。ホーム位置P1は、プラテンガラス部16aとコンタクトガラス部16bとの間の位置である。
【0170】
前述したように、画像読取装置1において、ライン画像データId0が不特定の状態になる位置が走査ユニット10の前記可動領域に2箇所存在する。このような場合においても、前記ホーム位置決め制御が実行されることにより、走査ユニット10は速やかにホーム位置P1に位置決めされる。
【0171】
[第1応用例]
以下、
図9を参照しつつ、画像読取装置1の第1応用例について説明する。
【0172】
第1応用例に係る画像読取装置は、画像読取装置1の走査ユニット10が
図9に示される走査ユニット10Aに置き換えられた構成を備える。
【0173】
走査ユニット10Aは、発光部11と、1つまたは複数のミラー12と、レンズ13と、イメージセンサー14aと、キャリッジ100とを含む。キャリッジ100は、発光部11、ミラー12、レンズ13およびイメージセンサー14aを支持する。
【0174】
ミラー12およびレンズ13は、イメージセンサー14aへ前記反射光を導く導光部材の一例である。イメージセンサー14aは、CCD(Charge Coupled Device)タイプのラインセンサーである。
【0175】
イメージセンサー14aも、イメージセンサー14と同様に、前記導光部材によって導かれる光を受光し、受光量を表すライン画像信号Ia0を出力する。本応用例が採用される場合も、画像読取装置1が採用される場合と同様の効果が得られる。
【0176】
[第2応用例]
次に、画像読取装置1の第2応用例について説明する。本応用例は、前記第1応用例の応用例である。
【0177】
本応用例において、キャリッジ100は、移動速度の異なる第1キャリッジと第2キャリッジとに区分される。前記第1キャリッジは、発光部11および複数のミラー12の一部を支持し、前記第2キャリッジは、複数のミラー12の残りの一部を支持する。
【0178】
また、レンズ13およびイメージセンサー14aは、本体101内に固定される。
【0179】
そして、前記第1キャリッジに支持されたミラー12は、原稿9で反射した光を前記第2キャリッジに支持されたミラー12へ導き、前記第2キャリッジに支持されたミラー12は、光を本体101内に固定されたレンズ13およびイメージセンサー14aへ導く。本応用例が採用される場合も、第1応用例が採用される場合と同様の効果が得られる。
【0180】
[第3応用例]
次に、画像読取装置1の第3応用例について説明する。
【0181】
本応用例において、第1参照部23a、第2参照部23b、第3参照部23cおよび第4参照部23dの下面の色が、画像読取装置1に比べて白黒が入れ替わっている。即ち、本応用例において、前記第1の色が白色であり、前記第2の色が黒色である。
【0182】
本応用例において、読取制御部5bは、
図7,8に示される処理を白と黒とを入れ替えて実行する。本応用例が採用される場合も、画像読取装置1が採用される場合と同様の効果が得られる。
【0183】
[第4応用例]
次に、画像読取装置1の第4応用例について説明する。
【0184】
本応用例において、第1白基準部21および第2参照部23bは、画像読取装置1における第1白基準部21および第2参照部23bの配置とは逆に配置されている。
【0185】
本応用例において、第2白基準部22は、第2参照部23bを含む。即ち、本応用例において、第2白基準部22における主走査方向D1の一方の端部が第2参照部23bである。
【0186】
本応用例において、第1白基準部21は、第4参照部23dを含む。即ち、本応用例において、第1白基準部21における主走査方向D1の一方の端部が第4参照部23dである。
【0187】
本応用例が採用される場合も、画像読取装置1が採用される場合と同様の効果が得られる。
【0188】
[発明の付記]
以下、上述の実施形態から抽出される発明の概要について付記する。なお、以下の付記で説明する各構成および各処理機能は取捨選択して任意に組み合わせることが可能である。
【0189】
<付記1>
原稿が載置される透明な板状の第1透明板部と、
前記第1透明板部に対し第1方向側に配置された透明な板状の第2透明板部と、
前記第2透明板部の上面を経由する搬送路に沿って前記原稿を搬送する原稿搬送装置と、
それぞれ前記第1方向に交差する主走査方向に沿って配置された発光部および導光部を含み、前記第1透明板部の下方および前記第2透明板部の下方に亘る可動領域おいて前記第1方向および前記第1方向の反対の第2方向へ移動可能な走査ユニットと、
前記導光部によって導かれる光を受光し、受光量を表すライン画像信号を出力する主イメージセンサーと、
前記走査ユニットを前記可動領域において前記第1方向または前記第2方向へ移動させるユニット駆動装置と、
前記主イメージセンサーにより出力される前記ライン画像信号に対応する複数の画素データを含むライン画像データを処理するデータ処理部と、
前記第1透明板部における前記主走査方向の一端を成す側縁に沿って配置され、第1の色の下面を有する第1参照部と、
前記第1参照部に対し前記第1方向に隣接して配置され、前記第1の色と異なる第2の色の下面を有する第2参照部と、
前記第2参照部に対し前記第1方向に隣接して配置され、前記第1の色の下面を有する第3参照部と、
前記第3参照部に対し前記第1方向に隣接して配置され、前記第2の色の下面を有する第4参照部と、を備え、
前記データ処理部は、前記ライン画像データにおける前記第1参照部、前記第2参照部、前記第3参照部または前記第4参照部に対応する参照領域の1つ以上の参照画素データが記第1の色および前記第2の色のいずれの色のデータであるかを判別する色判別処理を実行し、
前記ユニット駆動装置は、前記走査ユニットを移動させる方向または距離がそれぞれ異なる複数の試行駆動動作の中から前記色判別処理の判別結果に応じて順次選択される複数の駆動動作を実行することにより、前記走査ユニットを前記第1透明板部および前記第2透明板部の間のホーム位置に位置決めする、画像読取装置。
【0190】
<付記2>
前記第1方向および前記第2方向に沿う副走査方向における前記第1透明板部と前記第2透明板部との間の領域に前記主走査方向に沿って配置され、白色の下面を有する第1白基準部と、
前記副走査方向における前記第1透明板部と前記第2透明板部との間の領域に前記主走査方向に沿って配置され、白色の上面を有する第2白基準部と、
前記第2白基準部の上面に対向して配置され、前記原稿搬送装置によって搬送される前記原稿の上面の画像を読み取る副イメージセンサーと、をさらに備え、
前記第2の色が白色であり、
前記第1白基準部および前記第2白基準部の一方が前記第2参照部を含み、
前記第1白基準部および前記第2白基準部の他方が前記第4参照部を含む、前記付記1に記載の画像読取装置。
【0191】
<付記3>
前記第1透明板部および前記第2透明板部を含む1枚の透明のガラス板と、
前記ガラス板の上面に重なって配置されたガラスカバー部材と、を備え、
前記ガラスカバー部材には、前記ガラス板における前記第1透明板部を含む一部を露出させる第1開口と前記ガラス板における前記第2透明板部を含む他の一部を露出させる第2開口とが形成されており、
前記ガラスカバー部材は、前記第1参照部および前記第3参照部を含み、
前記第1白基準部は、前記ガラスカバー部材における前記第1開口と前記第2開口との間の部分の下面に配置され前記第2参照部を含み、
前記第2白基準部は、前記ガラス板の上面における前記ガラスカバー部材の前記第2開口内の領域に、前記第2透明板部に対し前記第2方向側に隣接して配置され、前記第4参照部を含む、前記付記2に記載の画像読取装置。
【0192】
<付記4>
前記複数の試行駆動動作は、
前記参照画素データが前記第2の色のデータであると判別されたときに、前記ユニット駆動装置が、前記走査ユニットを第1距離だけ前記第1方向へ移動させる第1駆動動作と、
前記第1駆動動作が行われた後に前記参照画素データが前記第2の色のデータであると判別されたときに、前記ユニット駆動装置が、前記走査ユニットを第2距離だけ前記第2方向へ移動させる第2駆動動作と、
前記第2駆動動作が行われた後に前記参照画素データが前記第1の色のデータであると判別されたときに、前記ユニット駆動装置が、前記参照画素データが前記第2の色のデータであると判別されるまで、前記走査ユニットを前記第1距離および前記第2距離よりも短い基準距離ずつ前記第1方向へ移動させる1回以上の第3駆動動作と、
前記第3駆動動作が行われた後に前記参照画素データが前記第2の色のデータであると判別されたときに、前記ユニット駆動装置が、前記走査ユニットを第3距離だけ前記第1方向へ移動させることにより前記走査ユニットを前記ホーム位置に位置決めする完了駆動動作と、を含む、前記付記1から前記付記3のいずれか1つに記載の画像読取装置。
【0193】
<付記5>
前記走査ユニットは、前記発光部と集光レンズである前記導光部とCMOSタイプの前記主イメージセンサーとを有するコンタクトイメージセンサーユニットを含む、前記付記1から前記付記4のいずれか1つに記載の画像読取装置。
【符号の説明】
【0194】
1 :画像読取装置
1x :第1CISユニット
1y :第2CISユニット
5 :制御装置
5a :主制御部
5b :読取制御部
5c :画像処理部
9 :原稿
10,10A:走査ユニット
11 :発光部
14 :イメージセンサー
14a :イメージセンサー
15 :原稿搬送装置
16 :ガラス板
16a :プラテンガラス部
16b :コンタクトガラス部
17 :ユニット駆動装置
18 :ガラスカバー部材
18a :第1開口
18b :第2開口
21 :第1白基準部
22 :第2白基準部
23a :第1参照部
23b :第2参照部
23c :第3参照部
23d :第4参照部
P1 :ホーム位置
P2 :読取位置