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特開2024-157180画像生成装置、画像生成方法、プログラム、及び画像生成システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157180
(43)【公開日】2024-11-07
(54)【発明の名称】画像生成装置、画像生成方法、プログラム、及び画像生成システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 17/12 20060101AFI20241030BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20241030BHJP
   G08B 17/00 20060101ALI20241030BHJP
【FI】
G08B17/12 Z
G06T19/00 600
G08B17/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023071358
(22)【出願日】2023-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100171446
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 尚幸
(72)【発明者】
【氏名】中村 嘉夫
(72)【発明者】
【氏名】森 智彦
【テーマコード(参考)】
5B050
5C085
5G405
【Fターム(参考)】
5B050BA09
5B050DA01
5B050EA19
5B050FA02
5C085AA03
5C085BA32
5C085BA33
5C085BA36
5C085CA01
5C085EA41
5G405AA01
5G405AB02
5G405AD07
5G405CA22
5G405EA41
(57)【要約】
【課題】処理負荷を抑えつつ不自然に見えない煙画像を生成する。
【解決手段】対象領域が撮像された撮像画像を取得する取得部と、三次元形状を有する煙モデルの三次元情報を用いて、前記煙モデルの背後から照射された光が前記煙モデルによって減光された減光成分が表現された減光成分画像、及び前記煙モデルに照射された光が前記煙モデルによって反射された散乱光成分が表現された散乱光成分画像を記憶する記憶部と、前記減光成分画像と前記散乱光成分画像と前記撮像画像とを用いて、前記撮像画像に煙の画像を合成した合成画像を生成する合成部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象領域が撮像された撮像画像を取得する取得部と、
三次元形状を有する煙モデルの三次元情報を用いて、前記煙モデルの背後から照射された光が前記煙モデルによって減光された減光成分が表現された減光成分画像、及び前記煙モデルに照射された光が前記煙モデルによって反射された散乱光成分が表現された散乱光成分画像を記憶する記憶部と、
前記減光成分画像と前記散乱光成分画像と前記撮像画像とを用いて、前記撮像画像に煙の画像を合成した合成画像を生成する合成部と、
を備える画像生成装置。
【請求項2】
前記合成部は、前記撮像画像における第1座標にある第1画素値を、前記減光成分画像において前記第1座標に対応する位置座標にある第2画素値に基づく第1変換量を前記第1画素値に反映することによって算出した第1合成画素値に、前記散乱光成分画像における前記位置座標にある第3画素値を加算した第2合成画素値に変換した画像を、前記合成画像として生成する、
請求項1に記載の画像生成装置。
【請求項3】
前記合成部は、前記第1画素値を、前記第1変換量に第1係数を乗算した第2画素量を前記第1画素値に反映することによって算出した前記第1合成画素値に、前記第3画素値に第2係数を乗算した第4画素値を加算した前記第2合成画素値に変換した画像を、前記合成画像として生成し、
前記第1係数、及び前記第2係数は、前記撮像画像に合成する煙の濃さに応じて決定される値である、
請求項2に記載の画像生成装置。
【請求項4】
前記合成部は、前記第1画素値を、前記第1変換量を前記第1画素値に反映することによって算出した前記第1合成画素値に、前記第3画素値に第2係数を乗算した第4画素値を加算した前記第2合成画素値に変換した画像を、前記合成画像として生成し、
前記第2係数は、前記対象領域を照明する明るさに応じて決定される値である、
請求項2に記載の画像生成装置。
【請求項5】
前記合成部は、前記第1画素値を、前記第1変換量に第1係数を乗算した第2画素量を前記第1画素値に反映することによって算出した前記第1合成画素値に、前記第3画素値に第2係数を乗算した第4画素値を加算した前記第2合成画素値に変換した画像を、前記合成画像として生成し、
前記第1係数は、前記撮像画像に合成する煙の濃さに応じて決定される値であり、
前記第2係数は、前記撮像画像に合成する煙の濃さ、及び前記対象領域を照明する明るさの組合せに応じて決定される値である、
請求項2に記載の画像生成装置。
【請求項6】
三次元形状を有する煙モデルの三次元情報を用いて、前記煙モデルの背後から照射された光が前記煙モデルによって減光された減光成分が表現された減光成分画像、及び前記煙モデルに照射された光が前記煙モデルによって反射された散乱光成分が表現された散乱光成分画像を記憶する記憶部を備えるコンピュータである画像生成装置が行う画像生成方法であって、
取得部が、対象領域が撮像された撮像画像を取得し、
合成部が、前記記憶部に記憶された前記減光成分画像と前記散乱光成分画像、及び前記取得部によって取得された前記撮像画像を用いて、前記撮像画像に煙の画像を合成した合成画像を生成する、
画像生成方法。
【請求項7】
三次元形状を有する煙モデルの三次元情報を用いて、前記煙モデルの背後から照射された光が前記煙モデルによって減光された減光成分が表現された減光成分画像、及び前記煙モデルに照射された光が前記煙モデルによって反射された散乱光成分が表現された散乱光成分画像を記憶する記憶部を備えるコンピュータである画像生成装置に、
対象領域が撮像された撮像画像を取得させ、
前記記憶部に記憶された前記減光成分画像と前記散乱光成分画像、及び前記取得された前記撮像画像を用いて、前記撮像画像に煙の画像を合成した合成画像を生成させる、
プログラム。
【請求項8】
対象領域が撮像された撮像画像を取得する取得部と、
三次元形状を有する煙モデルの三次元情報を用いて、前記煙モデルの背後から照射された光が前記煙モデルによって減光された減光成分が表現された減光成分画像、及び前記煙モデルに照射された光が前記煙モデルによって反射された散乱光成分が表現された散乱光成分画像を生成する生成部と、
前記減光成分画像と前記散乱光成分画像と前記撮像画像とを用いて、前記撮像画像に煙の画像を合成した合成画像を生成する合成部と、
を備える画像生成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像生成装置、画像生成方法、プログラム、及び画像生成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像を用いて火災を検出する火災検出システムがある。例えば、特許文献1には、非火災時の画像と三次元形状の煙モデルを仮想空間に配置し、煙モデルの向きを変えながら不自然に見えない向きに煙画像が配置された合成画像を生成することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-149378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1では三次元形状モデルを用いるため、処理負荷が大きくハイスペックな装置でなければ煙画像を生成することが難しい。このため、不自然に見えない煙画像を生成するには処理負荷が増大してしまうという課題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、処理負荷を抑えつつ不自然に見えない煙画像を生成することができる画像生成装置、画像生成方法、及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一実施形態は、対象領域が撮像された撮像画像を取得する取得部と、三次元形状を有する煙モデルの三次元情報を用いて、前記煙モデルの背後から照射された光が前記煙モデルによって減光された減光成分が表現された減光成分画像、及び前記煙モデルに照射された光が前記煙モデルによって反射された散乱光成分が表現された散乱光成分画像を記憶する記憶部と、前記減光成分画像と前記散乱光成分画像と前記撮像画像とを用いて、前記撮像画像に煙の画像を合成した合成画像を生成する合成部と、を備える画像生成装置である。
【0007】
また、本発明の一実施形態は、三次元形状を有する煙モデルの三次元情報を用いて、前記煙モデルの背後から照射された光が前記煙モデルによって減光された減光成分が表現された減光成分画像、及び前記煙モデルに照射された光が前記煙モデルによって反射された散乱光成分が表現された散乱光成分画像を記憶する記憶部を備えるコンピュータである画像生成装置が行う画像生成方法であって、取得部が、対象領域が撮像された撮像画像を取得し、合成部が、前記記憶部に記憶された前記減光成分画像と前記散乱光成分画像、及び前記取得部によって取得された前記撮像画像を用いて、前記撮像画像に煙の画像を合成した合成画像を生成する、画像生成方法である。
【0008】
また、本発明の一実施形態は、三次元形状を有する煙モデルの三次元情報を用いて、前記煙モデルの背後から照射された光が前記煙モデルによって減光された減光成分が表現された減光成分画像、及び前記煙モデルに照射された光が前記煙モデルによって反射された散乱光成分が表現された散乱光成分画像を記憶する記憶部を備えるコンピュータである画像生成装置に、対象領域が撮像された撮像画像を取得させ、前記記憶部に記憶された前記減光成分画像と前記散乱光成分画像、及び前記取得された前記撮像画像を用いて、前記撮像画像に煙の画像を合成した合成画像を生成させる、プログラムである。
【0009】
また、本発明の一実施形態は、対象領域が撮像された撮像画像を取得する取得部と、三次元形状を有する煙モデルの三次元情報を用いて、前記煙モデルの背後から照射された光が前記煙モデルによって減光された減光成分が表現された減光成分画像、及び前記煙モデルに照射された光が前記煙モデルによって反射された散乱光成分が表現された散乱光成分画像を生成する生成部と、前記減光成分画像と前記散乱光成分画像と前記撮像画像とを用いて、前記撮像画像に煙の画像を合成した合成画像を生成する合成部と、を備える画像生成システムである。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように、この発明によれば、処理負荷を抑えつつ不自然に見えない煙画像を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係る火災検出システム1の構成例を示す図である。
図2】実施形態に係る画像生成装置10の構成例を示すブロック図である。
図3】実施形態に係る画像生成装置10が行う処理を説明するための図である。
図4】実施形態に係る画像生成装置10が行う処理を説明するための図である。
図5】実施形態に係る減光成分画像Aの例を示す図である。
図6】実施形態に係る散乱光成分画像Bの例を示す図である。
図7A】実施形態に係る画像生成装置10が行う処理を説明するための図である。
図7B】実施形態に係る画像生成装置10が行う処理を説明するための図である。
図7C】実施形態に係る画像生成装置10が行う処理を説明するための図である。
図8】実施形態に係る合成係数記憶部104に記憶される情報の例を示す図である。
図9】実施形態に係る画像生成装置10が行う処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0013】
(火災検出システム1について)
対象領域Tを監視し、対象領域Tに発生した火災を検出するシステムである。対象領域Tは、火災検出システム1が監視する対象とする領域又は物体である。対象領域Tは任意に設定されてよい。例えば、対象領域Tは、車道、トンネル構内、建物、建物構内等である。
【0014】
図1は、実施形態に係る火災検出システム1の構成例を示す図である。火災検出システム1は、例えば、カメラCAと、画像生成装置10と、動作制御装置20と、煙検出装置30を備える。
【0015】
カメラCAと画像生成装置10とは、通信可能に接続される。また、カメラCAと煙検出装置30とは、SW1を介して通信可能に接続される。また、画像生成装置10と動作制御装置20は通信可能に接続される。動作制御装置20と煙検出装置30とは、SW2を介して通信可能に接続される。
【0016】
火災検出システム1における通信は、例えば、通信ネットワーク、無線LAN(Local Area Network)などを用いた近距離無線通信、或いはUSB(Universal Serial Bus)ケーブルなどを介して行われる。また、カメラCAと画像生成装置10が一体に備えられるものであってもよい。すなわち、火災検出システム1において、カメラCAが画像生成装置10に内蔵されていてもよい。同様に、火災検出システム1において、カメラCAが煙検出装置30に内蔵される構成であってもよい。
【0017】
火災検出システム1は、火災検出モードと、動作確認モードと、を有する。火災検出モードは、対象領域Tにおける火災を検出するモードである。火災検出モードでは、スイッチSW1によってカメラCAと煙検出装置30とが接続され、カメラCAによって撮像された撮像画像TGが煙検出装置30に出力される。撮像画像TGは、対象領域Tを撮像した画像である。煙検出装置30は、撮像画像TGに基づいて対象領域Tに火災が発生しているか否かを判定し、その判定結果を検出結果KKとして出力する。
【0018】
動作確認モードは、煙検出装置30が正しく動作するか確認するモードである。動作確認モードでは、スイッチSW1によって動作制御装置20と煙検出装置30とが接続される。画像生成装置10は、カメラCAによって撮像された撮像画像TGを取得し、取得した撮像画像TGに基づいて合成画像GGを生成する。合成画像GGは、撮像画像TGに、煙画像(煙が示された画像)を合成した画像である。すなわち、合成画像GGは、対象領域Tに煙が発生した様子が表現された画像である。画像生成装置10は、生成した合成画像GGを、動作制御装置20を介して、煙検出装置30に出力する。煙検出装置30は、合成画像GGに基づいて対象領域Tに火災が発生しているか否かを判定し、その判定結果を検出結果KKとして、出力する。動作確認モードでは、スイッチSW2によって、動作制御装置20と煙検出装置30とが接続され、煙検出装置30から出力された検出結果KKが動作制御装置20に出力される。動作制御装置20は、煙検出装置30から出力された検出結果に基づいて、煙検出装置30が正しく動作したか否かを判定する。
【0019】
カメラCAは、対象領域Tを撮像する撮像装置である。カメラCAは、動画を撮像してもよいし、静止画を撮像してもよい。
【0020】
画像生成装置10は、コンピュータであり、例えば、PC(Personal Computer)、サーバ装置などにより実現される。画像生成装置10は、撮像画像TGをカメラCAから取得し、動作確認モードにおいて、撮像画像TGから合成画像GGを生成する。画像生成装置10が合成画像GGを生成する方法については、後で詳しく説明する。
【0021】
動作制御装置20は、コンピュータであり、例えば、PC(Personal Computer)、サーバ装置などにより実現される。動作制御装置20は、モード(火災検出モードであるか、動作確認モードであるか)に応じて、スイッチSW1、SW2を制御する。また、動作制御装置20は、動作確認モードにおいて、煙検出装置30が正しく動作したか否かを判定する。動作制御装置20が、煙検出装置30が正しく動作したか否かを判定する具体的な方法については任意の方法が採用されてよく、本実施形態ではその詳細な説明を省略する。
【0022】
煙検出装置30は、コンピュータであり、例えば、PC(Personal Computer)、サーバ装置などにより実現される。煙検出装置30は、火災検出モードにおいて、撮像画像TGをカメラCAから取得し、取得した撮像画像TGに基づいて、対象領域Tに火災の発生を示し得るもの(ここでは煙)が示されているか否かを判定する。煙検出装置30が火災を検出する具体的な方法については任意の方法が採用されてよく、本実施形態ではその詳細な説明を省略する。
【0023】
(画像生成装置10について)
図2は、実施形態に係る画像生成装置10の構成例を示すブロック図である。画像生成装置10は、例えば、画像取得部100と、生成部101と、合成部102と、三次元煙モデル情報記憶部103と、合成係数記憶部104と、画像情報記憶部105とを備える。
【0024】
画像取得部100は、カメラCAにより撮像された撮像画像TGの画像情報を取得する。画像取得部100は、取得した画像情報を、生成部101に出力する。
【0025】
生成部101は、煙画像を生成する。生成部101は、三次元煙モデルMLを用いて、煙画像を生成する。三次元煙モデルMLは、煙の三次元形状を示すモデルである。三次元煙モデルMLは、予め作成されることを前提とし、例えば、三次元煙モデルMLの三次元情報が、三次元煙モデル情報記憶部103に記憶される。三次元煙モデルMLを生成する方法については任意である。例えば、公知の画像処理装置又は画像処理ソフトを用いて仮想的な煙の三次元形状を形成することにより、生成してもよいし、既にある三次元モデルをダウンロードするなどして煙の形状を示す三次元情報を取得してもよい。
【0026】
生成部101は、煙画像として、減光成分画像Aと、散乱光成分画像Bと、を生成する。減光成分画像Aは、三次元煙モデルMLに遮られて光が減光した状態を示す画像である。減光成分画像Aでは、煙の濃淡及び三次元的な奥行などを、二次元で表現することができる。散乱光成分画像Bは、三次元煙モデルMLに照射した光が反射(散乱)した状態を示す画像である。散乱光成分画像Bでは、煙の表面における質感(テクスチャ)などを、二次元で表現することができる。
【0027】
煙画像として、減光成分画像Aと、散乱光成分画像Bと、の両画像を用いることにより、煙の濃淡、三次元的な奥行、及びテクスチャなどを表現することができるため、リアルで不自然に見えない煙を表現することが可能となる。しかも、既に作成済みの三次元モデルを利用するため、三次元煙モデルMLを新たに作成したり、その三次元煙モデルMLを配置するための三次元空間を生成したりする必要もない。このため、本実施形態の火災検出システム1では、処理負荷を抑えつつ不自然に見えない煙画像を生成することが可能となる。
【0028】
ここで、生成部101が煙画像を生成する方法について、図3及び図4を用いて説明する。図3及び図4は、実施形態に係る画像生成装置10が行う処理を説明するための図である。
【0029】
図3には、減光成分画像Aを生成するための仮想空間が模式的に示されている。図3に示すように、仮想空間には、仮想カメラVC、三次元煙モデルML、仮想面VS1が、順に配置される。仮想面VS1は、均一の光を照射する仮想的な面であり、例えば仮想的な面光源である。
【0030】
生成部101は、仮想空間において、三次元煙モデルMLの背後から仮想面VS1による光が照射されるようにする。生成部101は、仮想カメラVCに、仮想面VS1から照射された光が三次元煙モデルMLにより減光された光を受光させることによって、減光成分画像Aを撮像する。生成部101は、撮像した減光成分画像Aの画像情報を、例えば画像情報記憶部105に記憶させる。これにより、生成部101は、減光成分画像Aを生成する。
【0031】
図4には、散乱光成分画像Bを生成するための仮想空間が模式的に示されている。図4に示すように、仮想空間には、仮想カメラVC、仮想光源VL、三次元煙モデルML、仮想面VS2が、順に配置される。仮想光源VLは、対象領域Tと同等の照明環境を再現する仮想的な光源である。仮想光源VLは、例えば、対象領域Tにある照明と同等な位置、同等な向きに配置され、対象領域Tにある照明と同等な指向性を有する。仮想面VS2は、光を反射しない仮想的な面である。
【0032】
生成部101は、仮想空間において、三次元煙モデルMLを、対象領域Tと同じ照明環境により照明させる。こうすることにより、三次元煙モデルMLに反射した反射光のみが仮想カメラVCに到達し、三次元煙モデルML以外の物体に反射した反射光については仮想カメラVCに到達しないようになる。生成部101は、仮想カメラVCに、三次元煙モデルMLに反射した反射光のみを受光させることによって、散乱光成分画像Bを撮像する。生成部101は、撮像した散乱光成分画像Bの画像情報を、例えば画像情報記憶部105に記憶させる。これにより、生成部101は、散乱光成分画像Bを生成する。
【0033】
図5は、実施形態に係る減光成分画像Aの例を示す図である。図5に示すように、減光成分画像Aは、例えば、煙の影絵のような形状が表現された画像である。但し、減光成分画像Aにおいて、煙を形成する画素の画素値は均一とは限らず、互いに異なる画素値を有している。
【0034】
図6は、実施形態に係る散乱光成分画像Bの例を示す図である。図6に示すように、散乱光成分画像Bは、例えば、煙における一部の曲面が表現された画像である。なお、図6において煙の輪郭を点線で示したが、これは散乱光成分画像Bにおける白色部分が煙の一部分であることを判り易くするためのものである。散乱光成分画像Bにおいて煙の輪郭が点線で示されていることを示唆するものではない。
【0035】
生成部101は、生成した減光成分画像A及び散乱光成分画像Bの画像情報を、画像情報記憶部105(記憶部の一例)に記憶させる。なお、生成部101は、減光成分画像A及び散乱光成分画像Bとして、透過チャンネル付きpng(Portable Network Graphics)ファイルのような形式にて、1つのファイルに統合した画像ファイルを記憶させるようにしてもよい。また、生成部101は、減光成分画像A及び散乱光成分画像Bとして、時系列に沿った複数枚で構成されるpng画像の集合を記憶させるようにしてもよい。また、生成部101は、圧縮処理による画質の劣化などを許容できる環境であれば、H.264(エイチ264)等の規格を適用することによって圧縮された動画ファイルを、減光成分画像A及び散乱光成分画像Bとして、記憶させるようにしてもよい。
また、合成部102は、画像情報記憶部105を参照することによって、減光成分画像A、及び散乱光成分画像Bの画像情報を取得する。
【0036】
図2の説明に戻り、合成部102は、合成画像GGを生成する。合成部102は、カメラCAによって撮像された撮像画像TGに、煙画像(減光成分画像A、及び散乱光成分画像B)を合成することで、合成画像GGを生成する。これにより、対象領域Tにおいて火災が発生しているかのように見える画像(合成画像GG)を生成することができる。
【0037】
ここで、図7図7A図7C)を用いて、合成部102が合成画像GGを生成する方法について説明する。図7は、実施形態に係る画像生成装置10が行う処理を説明するための図である。
【0038】
図7Aには、撮像画像TGの例が示されている。撮像画像TGには、対象領域Tにある物体が撮像されている。
【0039】
図7Bに示すように、まず、合成部102は、撮像画像TGに減光成分画像Aを合成した合成画像G1を生成する。具体的に、合成部102は、式(1)、又は式(2)を用いて、減光成分画像Aを合成する。
【0040】
G1(x、y)=Img(x、y)-(Imax-IA(x、y))×k1 …(1)
但し、
G1(x、y)は、合成画像G1における座標(x、y)の画素値である。
Img(x、y)は、撮像画像TGにおける座標(x、y)の画素値である。
Imaxは画素値がとり得る最大値(例えば、255)である。
IA(x、y)は、減光成分画像Aにおける座標(x、y)の画素値である。
k1は、係数である。
【0041】
G1(x、y)=Img(x、y)×IA(x、y)/Imax/k1 …(2)
但し、
G1(x、y)は、合成画像G1における座標(x、y)の画素値である。
Img(x、y)は、撮像画像TGにおける座標(x、y)の画素値である。
Imaxは画素値がとり得る最大値(例えば、255)である。
IA(x、y)は、減光成分画像Aにおける座標(x、y)の画素値である。
k1は、係数である。
【0042】
図7Cに示すように、次に、合成部102は、合成画像G1に散乱光成分画像Bを合成した合成画像G2を生成する。具体的に、合成部102は、式(3)を用いて、散乱光成分画像Bを合成する。
【0043】
G2(x、y)=G1(x、y)+k2×IB(x、y) …(3)
但し、
G1(x、y)は、合成画像G1における座標(x、y)の画素値である。
G2(x、y)は、合成画像G2における座標(x、y)の画素値である。
IB(x、y)は、散乱光成分画像Bにおける座標(x、y)の画素値である。
k2は、係数である。
【0044】
合成部102は、合成画像G2を、合成画像GGとする。合成部102は、生成した合成画像GGの画像情報を、例えば、画像情報記憶部105に記憶させる。また、合成部102は、動作確認モードにおいて、合成画像GGを動作制御装置20に出力する。
【0045】
なお、合成部102は、式(1)~式(3)などを用いて算出した画素値が、画素がとり得る上限値(例えば、255)、又は下限値(例えば、0)を超過した場合、クリッピング処理をするようにしてもよい。例えば、合成部102は、算出した画素値が上限値を超えた場合、その画素値を上限値とする。一方、合成部102は、算出した画素値が下限値を超えた場合、その画素値を下限値とする。
【0046】
また、合成部102は、リスケール処理をするようにしてもよい。例えば、合成部102は、算出した画素値が上限値を超えた場合、その画素値を上限値として、画像における残り全ての画素値の分布が、新たに設定した上限値に対する分布となるように画素値を計算し直す。例えば、算出した画素値Ic(例えば、300)が、上限値Imax(例えば、255)を超えた場合、算出した画素値Ic(300)を、Imaxの画素値(255)に変更する。また、画像における残り全ての画素について、その画素値Iに、定数(Ic/Imax)(例えば、255/300)を乗算する。これにより、画像における全ての画素値の分布が、新たに設定した上限値に対する分布となるように画素値を計算し直すことができる。
【0047】
ここで、係数k1及びk2について、説明する。合成部102は、式(1)及び式(2)における係数k1、及び式(3)における係数k2を任意に設定してよい。例えば、係数k1を大きく設定した場合には濃度が大きい濃い煙を合成することができ、係数k1を小さく設定した場合には濃度が小さい薄い煙を合成することができる。係数k2を大きく設定した場合には明るく照らされた煙を合成することができ、係数k2を小さく設定した場合には暗がりの中で発生したような暗い煙を合成することができる。
【0048】
しかしながら、現場において、動作確認モードを実施する度に、係数k1及びk2を個別に調整することは煩雑である。合成する煙において想定されるタイプごとに、係数k1及びk2の組合せを事前に準備(プリセット)しておく方がよい。この対策として本実施形態では、合成係数記憶部104を設け、合成する煙において想定されるタイプごとに、係数k1及びk2の組合せを記憶させておくようにした。
【0049】
図8は、実施形態に係る合成係数記憶部104に記憶される情報の例を示す図である。図8の横方向には、煙の濃さについて、「薄」、「中」、「濃」、の3タイプが設定されている。「薄」は煙の濃度が小さいタイプを示す。「中」は煙の濃度が中程度なタイプを示す。「濃」は煙の濃度が大きいタイプを示す。図8の縦方向には、対象領域Tにおける照明の明るさについて、「暗」、「中」、「明」、の3タイプが設定されている。「暗」は照度が小さいタイプを示す。「中」は照度が中程度なタイプを示す。「明」は照度が大きいタイプを示す。
【0050】
図8に示すように、合成係数記憶部104には、横方向にある煙の濃さと、縦方向にある照明の明るさとの組合せに対応するセルごとに、係数k1及びk2の設定値が記憶されている。例えば、煙の濃さが「薄」タイプであり、照明の明るさが「暗」タイプであれば、係数k1=0.5、k2=0.25を設定値とすることが示されている。煙の濃さが「中」タイプであり、照明の明るさが「暗」タイプであれば、係数k1=1.0、k2=0.5を設定値とすることが示されている。煙の濃さが「薄」タイプであり、照明の明るさが「中」タイプであれば、係数k1=0.5、k2=0.5を設定値とすることが示されている。
【0051】
煙の濃さに対して照明の明るさが変わらない場合、つまり横方向に見た場合、係数k1とk2との比は一定である。また、例えば、減光成分画像Aを生成した際に用いた仮想空間と同じ照明条件の煙を合成させる場合、k1=k2とする。
【0052】
図2の説明に戻り、三次元煙モデル情報記憶部103は、三次元煙モデルMLの三次元情報を記憶する。合成係数記憶部104は、合成する煙において想定されるタイプごとの係数k1及びk2の設定値を記憶する。画像情報記憶部105は、撮像画像TG、合成画像G1、合成画像G2、及び合成画像GGなどの画像情報を記憶する。
【0053】
画像生成装置10の記憶部(三次元煙モデル情報記憶部103、合成係数記憶部104、及び画像情報記憶部105を含む)は、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)などの記憶媒体、あるいはこれらの組合せによって構成される。画像生成装置10の記憶部は、画像生成装置10における各種処理を実行するためのプログラム、及び各種処理を行う際に利用される一時的なデータを記憶する。
【0054】
また、画像生成装置10が備える機能部(画像取得部100、生成部101、合成部102を含む)は、画像生成装置10がハードウェアとして備えるCPU(Central Processing Unit)にプログラムを実行させることによって実現される。
【0055】
(処理の流れ)
ここで、画像生成装置10が行う処理の流れを、図9を用いて説明する。図9は、実施形態に係る画像生成装置10が行う処理の流れを示すフローチャートである。ここでは、減光成分画像A、及び散乱光成分画像B、が既に生成済であることを前提とする。
【0056】
画像生成装置10は、撮像画像TGの画像情報を取得する(ステップS10)。画像生成装置10は、取得した撮像画像TGに合成する煙の濃度を設定する(ステップS11)。例えば、画像生成装置10は、煙の濃さが「薄」、「中」、「濃」、の3タイプのうち何れのタイプとするかを設定する。画像生成装置10は、取得した撮像画像TGにおける対象領域Tの照明条件を設定する(ステップS12)。例えば、画像生成装置10は、照明の明るさが「暗」、「中」、「明」、の3タイプのうち何れのタイプとするかを設定する。画像生成装置10は、設定した煙濃度と照明条件との組合せに応じて、合成係数記憶部104を参照し、係数k1及びk2を決定する。
【0057】
画像生成装置10は、係数k1を用いて、撮像画像TGに、減光成分画像Aを合成した合成画像G1を生成する(ステップS13)。次に、画像生成装置10は、係数k2を用いて、合成画像G1に、散乱光成分画像Bを合成した合成画像G2を生成する(ステップS14)。画像生成装置10は、合成画像G2を、合成画像GGとして、生成した合成画像GGを画像情報記憶部105に記憶させる(ステップS15)。
【0058】
以上説明したように、実施形態の画像生成装置10は、画像取得部100と、生成部101と、合成部102とを備える。画像取得部100は、対象領域が撮像された撮像画像を取得する。生成部101は、三次元煙モデルML(「煙モデルの三次元情報」の一例)を用いて、減光成分画像A、及び散乱光成分画像Bを生成する。減光成分画像Aは、三次元煙モデルMLの背後から照射された光が、その三次元煙モデルMLによって減光された減光成分が画素値として表現された画像である。散乱光成分画像Bは、三次元煙モデルMLに照射された光が、三次元煙モデルMLによって反射された散乱光成分が画素値として表現された画像である。合成部102は、減光成分画像Aと散乱光成分画像Bと撮像画像TGとを用いて、合成画像GGを生成する。合成画像GGは、撮像画像TGに、煙の画像を合成した画像である。これにより、実施形態の画像生成装置10では、合成画像GGにおいて、減光成分画像Aを用いた煙の濃淡を表現することができ、且つ、散乱光成分画像Bを用いた煙のテクスチャを表現することができる。しかも画像合成により、合成画像GGを生成するこのため、三次元モデルを生成するためのレンダリング処理のような処理負荷が増大する処理を行う必要がなく、処理負荷を抑えることができる。したがって、処理負荷を抑えつつ不自然に見えない煙画像を生成することができる。
【0059】
また、実施形態の画像生成装置10では、合成部102は、式(1)又は式(2)を用いて、「G1(x、y)」を算出する。合成部102は、式(3)を用いて、「G2(x、y)」を算出する。ここで、「G1(x、y)」は、「第1合成画素値」の一例である。また、式(1)又は式(2)における、「Img(x、y)」は、「第1画素値」の一例である。式(1)における「(Imax-IA(x、y))」は、「第1変換量」の一例である。式(2)における、「{(1-Imax-IA(x、y))/Imax}」は、「第1変換量」の一例である。また、「G2(x、y)」は、「第2合成画素値」の一例である。また、式(3)における「IB(x、y)」は、「第3画素値」の一例である。これにより、実施形態の画像生成装置10では、四則演算によって合成画像GGを生成することができ、処理負荷を抑えつつ不自然に見えない煙画像を生成することができる。
【0060】
また、実施形態の画像生成装置10では、合成部102は、式(1)又は式(2)において係数k1(「第1係数」の一例)を、式(3)において係数k2(「第2係数」の一例)を用いることによって、合成する煙の濃度を調整する。ここで、式(1)における「(Imax-IA(x、y))×k1」は、「第2変換量」の一例である。式(2)における、「IA(x、y)/Imax/k1」は、「第2変換量」の一例である。式(3)における「k2×IB(x、y)」は、「第4画素値」の一例である。これにより、実施形態の画像生成装置10では、合成する煙の濃度を調整することができ、煙検出装置30に様々な濃さの煙について煙権利検知させたい煙の濃度に応じて、煙検出装置30が正しく動作するか否かを確認することができる。
【0061】
また、実施形態の画像生成装置10では、合成部102は、合成する煙の濃度に応じて決定される係数k1(「第1係数」の一例)及び係数k2(「第2係数」の一例)を用いて、合成画像GGを生成する。これにより、実施形態の画像生成装置10では、様々な濃さの煙を、撮像画像TGに合成することができる。したがって、様々な濃さの煙が発生して見える合成画像GGを用いて煙検出装置30に火災検知を実行させることができ、より精度よく煙検出装置30が正しく動作するか否かを確認することが可能である。
【0062】
また、実施形態の画像生成装置10では、対象領域Tの明るさに応じて決定される係数k2(「第2係数」の一例)を用いて、合成画像GGを生成する。これにより、実施形態の画像生成装置10では、対象領域Tの明るさが様々な場合において、対象領域Tに煙が発生して見える合成画像GGを生成することができ、より精度よく煙検出装置30が正しく動作するか否かを確認することが可能である。
【0063】
また、実施形態の画像生成装置10では、合成する煙の濃度に応じて決定される係数k1(「第1係数」の一例)、及び、合成する煙の濃度と対象領域Tの明るさとの組合せに応じて決定される係数k2(「第2係数」の一例)、を用いて、合成画像GGを生成する。これにより、実施形態の画像生成装置10では、対象領域Tの明るさが様々な場合において、様々な濃さの煙が発生して見える合成画像GGを生成することができ、より精度よく煙検出装置30が正しく動作するか否かを確認することが可能である。
【0064】
画像生成装置10における構成要素が、複数の装置に分散して設けられてもよい。例えば、画像生成装置10の生成部101が、画像生成装置10とは異なる外部装置に設けられていてもよい。
【0065】
例えば火災検出システム1は、画像生成装置10と外部装置とを備える。画像生成装置10と外部装置とは通信可能に接続されている。画像生成装置10は、画像取得部100と、合成部102と、合成係数記憶部104と、画像情報記憶部105とを備える。外部装置は、生成部101と、三次元煙モデル情報記憶部103とを備える。
外部装置は、生成部101により、減光成分画像A、及び散乱光成分画像Bを生成する。
画像生成装置10は、画像取得部100を介して、外部装置の生成部101によって生成された減光成分画像A及び散乱光成分画像Bを取得し、取得した画像の画像情報を画像情報記憶部105に記憶させる。画像生成装置10の合成部102は、画像情報記憶部105に記憶された減光成分画像A及び散乱光成分画像Bを用いて、合成画像GGを生成する。
【0066】
三次元煙モデルMLから、減光成分画像Aや散乱光成分画像Bを生成する場合、GPU(Graphics Processing Unit)などを用いて、処理負荷が高い信号処理を実行する必要がある。画像生成装置10における生成部101の機能を、外部装置に設けることによりこ、画像生成装置10の処理負荷を低減させることが可能である。
【0067】
このような火災検出システム1において、外部装置をサーバとして機能させるように構成されてもよい。この場合、例えば、火災検出システム1は、外部装置と複数の画像生成装置10を備える。外部装置と複数の画像生成装置10とは通信可能に接続される。外部装置は、画像生成装置10のそれぞれに応じた減光成分画像A及び散乱光成分画像Bを生成し、生成した減光成分画像A及び散乱光成分画像Bを、画像生成装置10のそれぞれに出力する。この方法によれば、GPUなどが必要な処理負荷が高い信号処理を、外部装置における生成部101に集約させることができる。このため、画像生成装置10のそれぞれの処理負荷を低減させることができ、画像生成装置10として処理性能が高くない廉価な装置を利用することが可能となる。
【0068】
上述した実施形態における火災検出システム1、及び画像生成装置10の全部または一部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0069】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0070】
1…火災検出システム
10…画像生成装置
100…画像取得部(取得部)
101…生成部
102…合成部
103…三次元煙モデル情報記憶部
104…合成係数記憶部
105…画像情報記憶部(記憶部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9