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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157188
(43)【公開日】2024-11-07
(54)【発明の名称】車両
(51)【国際特許分類】
   B60K 28/06 20060101AFI20241030BHJP
   G01N 33/98 20060101ALI20241030BHJP
【FI】
B60K28/06 B
G01N33/98
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023071367
(22)【出願日】2023-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩田 覚
【テーマコード(参考)】
2G045
3D037
【Fターム(参考)】
2G045CB22
2G045DA74
3D037FA03
3D037FB05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】乗員がアルコールセンサを使用しやすくすることができる車両を得る。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る車両は、車両の外部に面する外面パネル51と、車両の車室に面する内面パネル52と、外面パネルおよび前記内面パネルにより挟まれた空間9の内部において、前記外面パネルと離間して設けられ、車両の乗員の呼気に含まれるアルコール成分を検出可能なアルコールセンサ10と、内面パネルにおいて、アルコールセンサに対応する位置に設けられ、車室と空間とをつなぐ開口部32とを備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の外部に面する外面パネルと、
前記車両の車室に面する内面パネルと、
前記外面パネルおよび前記内面パネルにより挟まれた空間の内部において、前記外面パネルと離間して設けられ、前記車両の乗員の呼気に含まれるアルコール成分を検出可能なアルコールセンサと、
前記内面パネルにおいて、前記アルコールセンサに対応する位置に設けられ、前記車室と前記空間とをつなぐ開口部と
を備えた車両。
【請求項2】
前記空間に設けられ、前記アルコールセンサの温度を検出可能な温度センサと、
前記空間に設けられ、前記温度センサの検出結果に基づいて、前記アルコールセンサの温度を調節可能な温度調節部と
をさらに備えた
請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記外面パネルは、前記車両のドアの外面のパネルであり、
前記内面パネルは、前記車両の前記ドアの内面のパネルである
請求項1に記載の車両。
【請求項4】
前記内面パネルは、前記車両のダッシュボードのパネルである
請求項1に記載の車両。
【請求項5】
前記車両を制御可能な制御部を備え、
前記制御部は、前記アルコール成分の量が所定量以下である場合に、前記車両を走行させ、前記アルコール成分の量が所定量より多い場合に、前記車両を走行させないようにすることが可能である
請求項1に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、乗員の呼気に含まれるアルコール成分を検出可能な車両に関する。
【背景技術】
【0002】
車両には、しばしば、乗員が飲酒しているかどうかを判定するアルコールセンサが設けられる。アルコールセンサには、乗員の呼気に含まれるアルコール成分を検出するものがある。例えば、特許文献1には、ヒータを設け、アルコールセンサが所定の動作温度範囲内で動作するようアルコールセンサの温度を調節する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-118177号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両では、乗員がアルコールセンサを使用しやすいことが望まれており、アルコールセンサをより使用しやすくすることが期待されている。
【0005】
乗員がアルコールセンサを使用しやすくすることができる車両を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施の形態に係る車両は、外面パネルと、内面パネルと、アルコールセンサと、開口部とを備えている。外面パネルは、車両の外部に面するものである。内面パネルは、車両の車室に面するものである。アルコールセンサは、外面パネルおよび内面パネルにより挟まれた空間の内部において、外面パネルと離間して設けられ、車両の乗員の呼気に含まれるアルコール成分を検出可能なものである。開口部は、内面パネルにおいて、アルコールセンサに対応する位置に設けられ、車室と空間とをつなぐものである。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一実施の形態に係る車両によれば、乗員がアルコールセンサを使用しやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本開示の一実施の形態に係る車両の一構成例を表す説明図である。
図2図2は、図1に示した車両の一構成例を表すブロック図である。
図3図3は、図1に示した車両における車室の一構成例を表す説明図である。
図4図4は、図3に示したドアの一構成例を表す断面図である。
図5図5は、変形例に係る車両における車室の一構成例を表す説明図である。
図6図6は、他の変形例に係る車両における車室の一構成例を表す説明図である。
図7図7は、他の変形例に係る車両の一構成例を表すブロック図である。
図8図8は、図7に示した車両における車室の一構成例を表す説明図である。
図9図9は、図8に示したドアの一構成例を表す断面図である。
図10図10は、他の変形例に係るドアの一構成例を表す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0010】
<実施の形態>
[構成例]
図1は、一実施の形態に係る車両1の一構成例を表すものである。車両1は、アルコールセンサ10を備えている。アルコールセンサ10は、ドライバの呼気に含まれるアルコール成分を検出するように構成される。アルコールセンサ10では、例えば、ドライバが、アルコールセンサ10の吹込口10A(後述)に向かって息を吹きかけることにより、ドライバの呼気に含まれるアルコール成分を検出するようになっている。
【0011】
図2は、車両1における、アルコールセンサ10に係る部分の一構成例を表すものである。車両1は、アルコールセンサ10と、温度センサ11と、温度調節部12と、車両制御部20とを備えている。アルコールセンサ10、温度センサ11、および温度調節部12は、車両1における、後述する空間9の内部に設けられている。
【0012】
温度センサ11は、アルコールセンサ10の温度を検出するように構成される。
【0013】
温度調節部12は、温度センサ11の検出結果に基づいて、アルコールセンサ10の温度が、高い検出精度を実現可能な所定の温度範囲内の温度になるように、アルコールセンサ10の温度を調節するように構成される。この例では、温度調節部12は、ペルチェ素子などの熱電変換素子13を含んでいる。温度調節部12では、例えば、アルコールセンサ10の温度を高くしたい場合に、熱電変換素子13がアルコールセンサ10を加熱し、アルコールセンサ10の温度を低くしたい場合に、熱電変換素子13がアルコールセンサ10を冷却するようになっている。なお、これに限定されるものではなく、例えば、温度調節部12は、ヒータを有し、アルコールセンサ10の温度を高くしたい場合に、ヒータがアルコールセンサ10を加熱し、アルコールセンサ10の温度を低くしたい場合に、ヒータが動作しないようにしてもよい。
【0014】
車両制御部20は、例えば、ECU(Electronic Control Unit)を含んで構成され、車両1を制御するように構成される。車両制御部20は、アルコールセンサ10の検出結果に基づいて、ドライバの呼気に含まれるアルコール成分の量が所定量以下である場合に、車両1を走行させる。また、車両制御部20は、ドライバの呼気に含まれるアルコール成分の量が所定量より多い場合に、車両1を走行させないようにする。具体的には、車両制御部20は、例えば、ドライバの呼気に含まれるアルコール成分の量が所定量より多い場合には、エンジンやモータなどの動力源を始動させないようになっている。
【0015】
図3は、車両1における車室の一構成例を表すものである。この車両1は、右側に運転席がある車両である。なお、これに限定されるものではなく、左側に運転席があってもよい。車両1は、ドア31と、吹込口32と、ドアミラー33と、フロントウィンドウ34と、サイドウィンドウ35と、フロントピラー36と、センターピラー37と、ダッシュボード41と、ステアリングホイール42と、吹出口43とを備えている。ドア31は、車両1の側面のドアであり、ドライバが乗り降りするためのドアである。この例では、アルコールセンサ10は、ドア31の内部に設けられる。吹込口32は、ドア31における、アルコールセンサ10に対応する位置に設けられる。吹込口32は、直射日光があたりにくい位置に設けられる。吹込口32の色は、例えば、熱を吸収しにくい色にすることができる。例えば、運転席に着座したドライバが、この吹込口32に向かって息を吹きかけることにより、ドア31の内部に設けられたアルコールセンサ10は、ドライバの呼気に含まれるアルコール成分を検出するようになっている。ドアミラー33は、ドア31の外面に設けられる。フロントウィンドウ34は、車両1における車室の前面に設けられる。サイドウィンドウ35は、ドア31に設けられる。フロントピラー36は、フロントウィンドウ34の端部において、車両1の屋根を支える。センターピラー37は、車両1の側面の中央付近において、車両1の屋根を支える。ダッシュボード41は、車両1における車室の前面において、フロントウィンドウ34の下部に設けられる。ステアリングホイール42は、運転席に設けられる。吹出口43は、車両1の空調装置からの空気を吹き出すものであり、ダッシュボード41における、ドア31に近い位置に設けられる。
【0016】
図4は、ドア31におけるアルコールセンサ10の位置を表すものである。図4において、ドア31の左の空間は車両1の車室であり、ドア31の右の空間は車両1の外部である。ドア31は、外面パネル51と、内面パネル52とを有している。外面パネル51は、車両1の外部に面する、ドアの外面パネルである。内面パネル52は、車両1の車室に面する、ドアの内面パネルである。外面パネル51と内面パネル52との間には空間9が設けられる。アルコールセンサ10、温度センサ11、および温度調節部12は、この空間9に設けられる。アルコールセンサ10は、内面パネル52と接し、外面パネル51とは離間して配置される。内面パネル52に設けられた吹込口32は、車両1の車室と空間9とをつなぐように開口している。アルコールセンサ10は、アルコールセンサ10の吹込口10Aが、内面パネル52の吹込口32の近くに位置するように配置される。この例では、温度センサ11および温度調節部12は、アルコールセンサ10に接するように配置される。これにより、温度調節部12は、温度センサ11の検出結果に基づいて、アルコールセンサ10の温度を調節するようになっている。
【0017】
ここで、外面パネル51は、本開示の一実施の形態における「外面パネル」の一具体例に対応する。内面パネル52は、本開示の一実施の形態における「内面パネル」の一具体例に対応する。空間9は、本開示の一実施の形態における「空間」の一具体例に対応する。アルコールセンサ10は、本開示の一実施の形態における「アルコールセンサ」の一具体例に対応する。吹込口32は、本開示の一実施の形態における「開口部」の一具体例に対応する。温度センサ11は、本開示の一実施の形態における「温度センサ」の一具体例に対応する。温度調節部12は、本開示の一実施の形態における「温度調節部」の一具体例に対応する。車両制御部20は、本開示の一実施の形態における「制御部」の一具体例に対応する。
【0018】
[動作および作用]
続いて、本実施の形態の車両1の動作および作用について説明する。
【0019】
(全体動作概要)
まず、図2を参照して、車両1の動作を説明する。アルコールセンサ10は、ドライバの呼気に含まれるアルコール成分を検出する。温度センサ11は、アルコールセンサ10の温度を検出する。温度調節部12は、温度センサ11の検出結果に基づいて、アルコールセンサ10の温度が、高い検出精度を実現可能な所定の温度範囲内の温度になるように、アルコールセンサ10の温度を調節する。車両制御部20は、アルコールセンサ10の検出結果に基づいて、ドライバの呼気に含まれるアルコール成分の量が所定量以下である場合に、車両1を走行させ、ドライバの呼気に含まれるアルコール成分の量が所定量より多い場合に、車両1を走行させないようにする。
【0020】
(作用)
図4に示したように、アルコールセンサ10は、外面パネル51と内面パネル52との間の空間9に設けられる。温度調節部12は、温度センサ11の検出結果に基づいて、アルコールセンサ10の温度が、高い検出精度を実現可能な所定の温度範囲内の温度になるように調節する。車両1のドライバは、運転席に着座した後に、アルコールセンサ10に直接触れることなく、例えば、内面パネル52に設けられた吹込口32に息を吹き込む。これにより、アルコールセンサ10は、ドライバの呼気に含まれるアルコール成分を検出する。車両制御部20は、アルコールセンサ10の検出結果に基づいて、ドライバの呼気に含まれるアルコール成分の量が所定量以下である場合に、車両1を走行させ、ドライバの呼気に含まれるアルコール成分の量が所定量より多い場合に、車両1を走行させないようにする。
【0021】
車両1では、アルコールセンサ10を、外面パネル51と内面パネル52との間の空間9に設けるようにした。これにより、車両1では、乗員がアルコールセンサを使用しやすくすることができる。すなわち、例えば、乗員が持ち運べるようなアルコールセンサを用いた場合には、例えば、アルコールセンサをなくす可能性や、アルコールセンサが壊れる可能性がある。このような場合には、乗員はアルコールセンサを使用しにくい。一方、本実施の形態に係る車両1では、アルコールセンサ10を、外面パネル51と内面パネル52との間の空間9に設けるようにしたので、乗員は、アルコールセンサ10を取り外すことはできないので、アルコールセンサ10をなくさないで済む。また、アルコールセンサ10は、外面パネル51および内面パネル52により守られるので、外力により壊れる可能性を低減することができる。また、アルコールセンサ10に直射日光が当たらないので、アルコールセンサ10が壊れる可能性を低減することができる。その結果、車両1では、乗員がアルコールセンサ10を使用しやすくすることができる。
【0022】
また、車両1では、空間内9において、アルコールセンサ10を、外面パネル51と離間して配置するようにした。これにより、アルコールセンサ10と外面パネル51との間の空気の層が断熱材として働き、車両1の外部の温度が、アルコールセンサ10の温度に及ぼす影響を抑えることができる。また、このように、空間内9において、アルコールセンサ10を、外面パネル51と離間して配置することにより、アルコールセンサ10の周囲に熱がこもらないようにすることができる。これにより、車両1では、温度調節部12を用いて、アルコールセンサ10の温度を調節しやすくすることができる。その結果、車両1では、アルコールセンサ10の温度を、高い検出精度を実現可能な所定の温度範囲内の温度にしやすいので、乗員がアルコールセンサ10を使用しやすくすることができる。すなわち、例えば、乗員が持ち運べるようなアルコールセンサを用いた場合には、アルコールセンサの温度が低いときは、例えば、乗員は、アルコールセンサを手で握って温めたり、アルコールセンサに息を吹きかけて温めたり、アルコールセンサを空調装置の吹出口43に近づけることにより温める必要があるので、手間がかかる。一方、本実施の形態に係る車両1では、温度調節部12を用いて、アルコールセンサ10の温度を調節しやすくすることができるので、乗員の手間を省くことができるため、乗員がアルコールセンサ10を使用しやすくすることができる。
【0023】
また、車両1では、アルコールセンサ10を、運転席のドア31において、サイドウィンドウ35に近い位置に設けるようにした。アルコールセンサ10の位置は、ドライバの頭の位置に比較的近いので、ドライバは、ドア31の内面パネル52の吹込口32に向かって息を吹き込みやすいので、乗員がアルコールセンサ10を使用しやすくすることができる。
【0024】
このように、車両1では、車両1の外部に面する外面パネル51と、車両1の車室に面する内面パネル52と、外面パネル51および内面パネル52により挟まれた空間9の内部において、外面パネル51と離間して設けられ、車両1の乗員の呼気に含まれるアルコール成分を検出可能なアルコールセンサ10と、内面パネル52において、アルコールセンサ10に対応する位置に設けられ、車室と空間9とをつなぐ吹込口32とを設けるようにした。これにより、例えば、アルコールセンサ10をなくさないで済み、アルコールセンサ10が壊れる可能性を低減することができる。また、例えば、アルコールセンサ10と外面パネル51との間の空気の層が断熱材として働くので、アルコールセンサ10の温度を調節しやすくすることができる。その結果、車両1では、乗員がアルコールセンサ10を使用しやすくすることができる。
【0025】
また、車両1では、空間9に設けられ、アルコールセンサ10の温度を検出可能な温度センサ11と、空間9に設けられ、温度センサ11の検出結果に基づいて、アルコールセンサ10の温度を調節可能な温度調節部12とを設けるようにした。これにより、温度調節部12を用いて、アルコールセンサ10の温度を調節しやすくすることができる。その結果、車両1では、乗員がアルコールセンサ10を使用しやすくすることができる。
【0026】
また、車両1では、車両1を制御可能な車両制御部20を設けるようにした。この車両制御部20は、アルコール成分の量が所定量以下である場合に、車両1を走行させ、アルコール成分の量が所定量より多い場合に、車両1を走行させないようにした。これにより、ドライバが飲酒運転を行う可能性を低減することができる。
【0027】
[効果]
以上のように本実施の形態では、車両における、車両の外部に面する外面パネルと、車両の車室に面する内面パネルと、外面パネルおよび内面パネルにより挟まれた空間の内部において、外面パネルと離間して設けられ、車両の乗員の呼気に含まれるアルコール成分を検出可能なアルコールセンサと、内面パネルにおいて、アルコールセンサに対応する位置に設けられ、車室と空間とをつなぐ吹込口とを設けるようにしたので、乗員がアルコールセンサを使用しやすくすることができる。
【0028】
本実施の形態では、空間に設けられ、アルコールセンサの温度を検出可能な温度センサと、空間に設けられ、温度センサの検出結果に基づいて、アルコールセンサの温度を調節可能な温度調節部とを設けるようにしたので、乗員がアルコールセンサを使用しやすくすることができる。
【0029】
本実施の形態では、車両を制御可能な車両制御部を設けるようにした。この車両制御部は、アルコール成分の量が所定量以下である場合に、車両を走行させ、アルコール成分の量が所定量より多い場合に、車両を走行させないようにした。これにより、ドライバが飲酒運転を行う可能性を低減することができる。
【0030】
[変形例1]
上記実施の形態では、ドア31の内部にアルコールセンサ10を設けたが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、図5に示すように、フロントピラー36の内部にアルコールセンサ10を設けてもよい。本変形例に係る車両1は、吹込口32Aを備えている。吹込口32Aは、フロントピラー36における、アルコールセンサ10に対応する位置に設けられる。この例では、吹込口32Aは、フロントピラー36における、縦方向の中央付近の位置に設けられる。吹込口32Aは、直射日光があたりにくい位置に設けられる。吹込口32Aの色は、例えば、熱を吸収しにくい色にすることができる。例えば、運転席に着座したドライバが、この吹込口32Aに向かって息を吹きかけることにより、フロントピラー36の内部に設けられたアルコールセンサ10は、ドライバの呼気に含まれるアルコール成分を検出することができる。なお、この例では、アルコールセンサ10をフロントピラー36の内部に設けたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、アルコールセンサ10をセンターピラー37の内部に設けてもよい。
【0031】
また、例えば、図6に示すように、ダッシュボード41の内部にアルコールセンサ10を設けてもよい。本変形例に係る車両1は、吹込口32Bを備えている。吹込口32Bは、ダッシュボード41における、アルコールセンサ10に対応する位置に設けられる。この例では、吹込口32Bは、ダッシュボード41における、ステアリングホイール42に近い位置に設けられる。吹込口32Bは、直射日光があたりにくい位置に設けられる。吹込口32Bの色は、例えば、熱を吸収しにくい色にすることができる。例えば、運転席に着座したドライバが、この吹込口32Bに向かって息を吹きかけることにより、ダッシュボード41の内部に設けられたアルコールセンサ10は、ドライバの呼気に含まれるアルコール成分を検出することができる。
【0032】
[変形例2]
上記実施の形態では、空間9に温度センサ11および温度調節部12を設けたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、空間9の外部に温度センサおよび温度調節部を設けてもよい。以下に、本変形例に係る車両1Cについて、詳細に説明する。
【0033】
図7は、車両1Cにおける、アルコールセンサ10に係る部分の一構成例を表すものである。車両1Cは、温度センサ61と、温度調節部62と、送風ダクト63とを備えている。
【0034】
温度センサ61は、車両1Cにおける車室の温度を検出するように構成される。
【0035】
温度調節部62は、車両1Cの空調装置であり、乗員が設定した設定温度、および温度センサ61の検出結果に基づいて、温度が調節された空気を吹出口43から吹き出すことにより、車室の温度が設定温度になるように、車室の温度を調節するように構成される。
【0036】
送風ダクト63は、チューブ形状を有し、温度調節部62により温められあるいは冷やされた空気の一部をアルコールセンサ10に向かって流すように構成される。
【0037】
図8は、車両1Cにおける車室の一構成例を表すものである。この例では、アルコールセンサ10および送風ダクト63は、ドア31Cの内部に設けられる。
【0038】
図9は、ドア31Cにおける送風ダクト63およびアルコールセンサ10の位置を表すものである。送風ダクト63およびアルコールセンサ10は、外面パネル51と内面パネル52との間の空間9に設けられる。送風ダクト63の一端は、図8に示したように、ダッシュボード41の内部に設けられた温度調節部62に導かれ、他方は、図9に示したように、アルコールセンサ10に導かれる。送風ダクト63は、温度調節部62により温められあるいは冷やされた空気の一部をアルコールセンサ10に向かって流す。これにより、温度調節部62は、アルコールセンサ10の温度を調節するようになっている。
【0039】
図9に示したように、アルコールセンサ10は、外面パネル51と内面パネル52との間の空間9に設けられる。送風ダクト63は、温度調節部62により温度が調節された空気の一部をアルコールセンサ10に流す。これにより、温度調節部62は、アルコールセンサ10の温度を調節する。車両1Cのドライバは、運転席に着座した後に、アルコールセンサ10に直接触れることなく、例えば、内面パネル52に設けられた吹込口32に息を吹き込む。これにより、アルコールセンサ10は、ドライバの呼気に含まれるアルコール成分を検出することができる。車両制御部20は、アルコールセンサ10の検出結果に基づいて、ドライバの呼気に含まれるアルコール成分の量が所定量以下である場合に、車両1Cを走行させ、ドライバの呼気に含まれるアルコール成分の量が所定量より多い場合に、車両1Cを走行させないようにする。
【0040】
なお、この例では、図8に示したように、送風ダクト63の一端が、図8に示したように、ダッシュボード41の内部に設けられた温度調節部62に導かれるようにしたが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、送風ダクト63の一端が、吹出口43の近傍における、吹出口43から吹き出された空気が流れる位置に導かれるようにしてもよい。この場合、送風ダクト63は、温度調節部62により温められあるいは冷やされ、吹出口43から吹き出された空気の一部をアルコールセンサ10に流すことができる。
【0041】
[変形例3]
上記実施の形態では、アルコールセンサ10を、内面パネル52と接するように配置したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、図10に示すように、内面パネル52と離間して配置してもよい。
【0042】
[その他の変形例]
また、これらの変形例のうちの2以上を組み合わせてもよい。
【0043】
以上、実施の形態および変形例を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
【0044】
例えば、上記実施の形態等では、本技術を、右側に運転席がある車両に適用したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、左側に運転席がある車両に適用してもよい。
【0045】
本明細書中に記載された効果はあくまで例示であり、本開示の効果は、本明細書中に記載された効果に限定されない。よって、本開示に関して、他の効果が得られてもよい。
【0046】
さらに、本開示は、以下の態様を取り得る。
【0047】
(1)
車両の外部に面する外面パネルと、
前記車両の車室に面する内面パネルと、
前記外面パネルおよび前記内面パネルにより挟まれた空間の内部において、前記外面パネルと離間して設けられ、前記車両の乗員の呼気に含まれるアルコール成分を検出可能なアルコールセンサと、
前記内面パネルにおいて、前記アルコールセンサに対応する位置に設けられ、前記車室と前記空間とをつなぐ開口部と
を備えた車両。
(2)
前記空間に設けられ、前記アルコールセンサの温度を検出可能な温度センサと、
前記空間に設けられ、前記温度センサの検出結果に基づいて、前記アルコールセンサの温度を調節可能な温度調節部と
をさらに備えた
前記(1)に記載の車両。
(3)
前記外面パネルは、前記車両のドアの外面のパネルであり、
前記内面パネルは、前記車両の前記ドアの内面のパネルである
前記(1)または(2)に記載の車両。
(4)
前記内面パネルは、前記車両のダッシュボードのパネルである
前記(1)または(2)に記載の車両。
(5)
前記車両を制御可能な制御部を備え、
前記制御部は、前記アルコール成分の量が所定量以下である場合に、前記車両を走行させ、前記アルコール成分の量が所定量より多い場合に、前記車両を走行させないようにすることが可能である
前記(1)から(4)のいずれかに記載の車両。
【符号の説明】
【0048】
1,1C…車両、10…アルコールセンサ、10A…吹込口、11…温度センサ、12…温度調節部、13…熱電変換素子、20…車両制御部、31,31C…ドア、32,32A,32B…吹込口、33…ドアミラー、34…フロントウィンドウ、35…サイドウィンドウ、36…フロントピラー、37…センターピラー、41…ダッシュボード、42…ステアリングホイール、43…吹出口、51…外面パネル、52…内面パネル、61…温度センサ、62…温度調節部、63…送風ダクト。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10