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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157193
(43)【公開日】2024-11-07
(54)【発明の名称】加熱調理器及び加熱調理システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 6/12 20060101AFI20241030BHJP
   F24C 7/04 20210101ALI20241030BHJP
   F24C 15/00 20060101ALI20241030BHJP
【FI】
H05B6/12 313
H05B6/12 312
F24C7/04 301A
F24C15/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】44
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023071377
(22)【出願日】2023-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000176866
【氏名又は名称】三菱電機ホーム機器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【弁理士】
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(74)【代理人】
【識別番号】100116643
【弁理士】
【氏名又は名称】伊達 研郎
(74)【代理人】
【識別番号】100184022
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 美保
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 匡薫
(72)【発明者】
【氏名】川田 幸男
【テーマコード(参考)】
3K151
3L087
【Fターム(参考)】
3K151AA01
3K151BA52
3K151BA53
3K151BA55
3K151BA56
3K151CA56
3K151CA60
3K151CA72
3K151CA75
3L087AA03
3L087BA03
3L087BA09
3L087BC02
3L087BC09
3L087DA24
(57)【要約】
【課題】複数の加熱部(加熱口、加熱室)を備え、ユーザーに利便性の高い加熱調理器と加熱調理システムを提供する。
【解決手段】加熱調理器の制御装置は、複数の加熱口の少なくとも1つにおいて加熱動作が実行されているときにタイマー操作部が操作されると、加熱動作中の加熱口を識別し、加熱動作中の加熱口に対応している個別表示エリアの何れか1つにおいて、切タイマー機能の設定時間情報を表示する。加熱動作中の加熱口又は加熱室の総数が複数個以上ある場合には、タイマー操作部が操作される度に、加熱動作中の各加熱口に対応した個別表示エリアにおいて、切タイマー機能の設定時間情報を、その個別表示エリア単位で順次表示する。加熱調理器は、個別表示エリアの1つにおいて、設定時間情報を表示し、計時動作の開始指令を受け付けた場合、計時動作を開始し、設定時間情報を通信端末に対して送信できる。
【選択図】図50
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の加熱部と、
ユーザーが操作して前記加熱部を個々に選択できる選択部と、
前記加熱部に共通したタイマー機能を選択できるタイマー操作部と、
前記加熱部毎に割り当てられた個別表示エリアと、
前記加熱部の加熱動作を個々に制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記加熱部の少なくとも何れか1つにおいて加熱動作が実行されている期間中に、前記タイマー操作部からの入力を受け付けると、当該加熱動作中の前記加熱部に対応した前記個別表示エリアの範囲内で、当該個別表示エリア毎に、前記切タイマー機能の設定時間情報を表示すること、
を特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
前記加熱部は、水平方向に点在する少なくとも2つの加熱口であること、を特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記加熱部は、第1の場所にあって載置された被加熱物を加熱する加熱口と、前記第1の場所と離れた第2の場所にあって被調理物を収容する加熱室と、を備えたこと、を特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記個別表示エリアは、1つの表示画面の中を分割して形成されたものであること、を特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記加熱口は、水平面上で左右方向に離れて点在する右加熱口と左加熱口であり、
前記個別表示エリアは、前記右加熱口と左加熱口にそれぞれ対応し、かつ、前記右加熱口と前記左加熱口の前方位置において隣接している1つの統合表示部の、表示画面を構成していること、を特徴とする請求項2に記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記制御装置は、前記タイマー操作部が操作され、その後、別の入力キーからの指令を受けると、経過時間をカウントアップする簡単タイマー機能を起動できること、を特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項7】
前記加熱部は、水平面上で左右方向に離れて点在する右加熱口と左加熱口を有し、
前記個別表示エリアは、前記右加熱口と左加熱口にそれぞれ対応し、かつ、前記右加熱口と前記左加熱口の前方位置に配置された1つの統合表示部の、表示画面の範囲内を分割して形成されており、
前記経過時間は、加熱動作をしていない前記加熱部に対応した前記個別表示エリアにおいて表示されること、を特徴とする請求項6に記載の加熱調理器。
【請求項8】
前記個別表示エリアのそれぞれの前方位置には、当該個別表示エリアの横幅の範囲内に、前記選択部をそれぞれ配置していること、を特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項9】
前記個別表示エリアのそれぞれの前方位置には、当該個別表示エリアの横幅の範囲内に、前記加熱部の1つずつに対応して、調理メニュー、調理モード、又は制御条件の内、少なくとも2つを選択できる共用キーを、それぞれ配置していること、を特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項10】
前記加熱部を前記選択部によって選択した場合、選択された当該加熱部に対応する前記個別表示エリアには、前記調理メニューの識別情報A又は前記調理モードの識別情報Bが表示され、
前記識別情報A又は前記識別情報Bは、前記共用キーを更に操作することによって、別の識別情報の表示に変更できること、を特徴とする請求項9に記載の加熱調理器。
【請求項11】
前記加熱部を前記選択部によって選択した場合、選択された当該加熱部に対応する前記個別表示エリアには、前記調理メニューの識別情報A又は前記調理モードの識別情報Bと、前記制御条件とが表示され、
前記制御条件は、前記共用キーを更に操作することによって、別の制御条件に変更できること、を特徴とする請求項9に記載の加熱調理器。
【請求項12】
前記共用キーは、前記個別表示エリア毎に設けられ、かつ、当該共用キーは、それぞれが1対のキーを有しており、それらキーは、規定の順序で表示内容を変更するアップキーと、前記規定の順序と反対の順序で表示内容を変更するダウンキーと、の組み合わせで構成していること、を特徴とする請求項9に記載の加熱調理器。
【請求項13】
前記加熱部において前記被加熱物を加熱する第1の加熱手段と、
前記加熱室において前記被調理物を加熱する第2の加熱手段と、を更に備え、
前記制御装置は、1つの調理メニューに関して、前記第1の加熱手段と前記第2の加熱手段の何れか一方を使用する調理工程1と、他方を使用する調理工程2とを、有した連携調理モードの実行機能を有していること、を特徴とする請求項3に記載の加熱調理器。
【請求項14】
複数の加熱部と、
前記加熱部を個々に選択できる選択部と、
前記加熱部の加熱動作を個々に制御する制御装置と、
前記加熱部における加熱動作時間を制限する切タイマー機能を選択できるタイマー操作部と、
前記加熱部における調理情報を表示する表示部と、
前記表示部の表示動作と前記加熱部の加熱動作とを制御する制御装置と、
を備え、
前記表示部は、前記加熱部毎に割り当てられた個別表示エリアを有し、
前記制御装置は、前記加熱部の内、少なくとも2つにおいて加熱動作が実行されているときに前記タイマー操作部が操作されると、当該加熱動作中の前記加熱部に対応した前記個別表示エリアの範囲内で、前記タイマー操作部の操作に応じて、前記切タイマー機能の設定時間情報を当該個別表示エリア毎に順次表示すること、
を特徴とする加熱調理器。
【請求項15】
前記個別表示エリアのそれぞれの前方位置には、当該個別表示エリアの横幅の範囲内に、前記選択部を、それぞれ配置していること、を特徴とする請求項14に記載の加熱調理器。
【請求項16】
前記個別表示エリアのそれぞれの前方位置には、当該個別表示エリアの横幅の範囲内に、前記加熱部の1つずつに対応して、調理メニュー、調理モード、又は制御条件の内、少なくとも2つを選択できる共用キーを、それぞれ配置していること、を特徴とする請求項14に記載の加熱調理器。
【請求項17】
前記加熱部を前記選択部によって選択した場合、選択された当該加熱部に対応する前記個別表示エリアには、前記調理メニューの識別情報A又は前記調理モードの識別情報Bが表示され、
前記識別情報A又は前記識別情報Bは、前記共用キーを、更に操作することによって、別の識別情報の表示に変更できること、を特徴とする請求項16に記載の加熱調理器。
【請求項18】
前記加熱部を前記選択部によって選択した場合、選択された当該加熱部に対応する前記個別表示エリアには、前記調理メニューの識別情報A又は前記調理モードの識別情報Bと、前記制御条件とが表示され、
前記制御条件は、前記共用キーを更に操作することによって、別の制御条件に変更できること、を特徴とする請求項16に記載の加熱調理器。
【請求項19】
前記共用キーは、それぞれが1対のキーを有しており、それらキーは、規定の順序で表示内容を変更するアップキーと、前記規定の順序と反対の順序で表示内容を変更するダウンキーと、の組み合わせで構成していること、を特徴とする請求項16に記載の加熱調理器。
【請求項20】
前記加熱部において被加熱物を加熱する第1の加熱手段と、
前記加熱部と別の場所にある加熱室において被調理物を加熱する第2の加熱手段と、を更に備え、
前記制御装置は、1つの調理メニューに関して、前記第1の加熱手段と前記第2の加熱手段の何れか一方を使用する調理工程1と、他方を使用する調理工程2とを、有した連携調理モードの実行機能を有していること、を特徴とする請求項14に記載の加熱調理器。
【請求項21】
複数の加熱部と、
ユーザーが操作して前記加熱部を個々に選択できる選択部と、
前記加熱部に共通の入力を行う共用操作部と、
前記加熱部毎に割り当てられた個別表示エリアと、
前記加熱部の加熱動作を個々に制御する制御装置と、
を備え、
前記共用操作部には、前記加熱口の加熱動作時間を制限する切タイマー機能を選択できるタイマー操作部と、前記切タイマー機能の設定時間を入力できる時間入力部と、を有し、
前記制御装置は、
(1)前記タイマー操作部が操作されると、加熱動作中の前記加熱部に対応した前記個別表示エリアの何れか1つにおいて、前記切タイマー機能の候補時間情報を表示し、
(2)前記時間入力部の入力を受けて前記候補時間情報の表示を設定時間情報の表示に変更し、
(3)前記候補時間情報の表示又は前記設定時間情報の表示から、所定の時間経過した段階で前記切タイマー機能を自動的に開始できること、
を特徴とする加熱調理器。
【請求項22】
前記加熱部は、水平方向に点在する少なくとも2つの加熱口であること、を特徴とする請求項21に記載の加熱調理器。
【請求項23】
前記加熱部は、第1の場所にあって載置された被加熱物を加熱する加熱口と、前記第1の場所と離れた第2の場所にあって被調理物を収容する加熱室と、を備えたこと、を特徴とする請求項21に記載の加熱調理器。
【請求項24】
前記個別表示エリアのそれぞれの前方位置には、当該個別表示エリアの横幅の範囲内に、前記選択部をそれぞれ配置していること、を特徴とする請求項21に記載の加熱調理器。
【請求項25】
前記個別表示エリアのそれぞれの前方位置には、当該個別表示エリアの横幅の範囲内に、前記加熱部の1つずつに対応して、調理メニュー、調理モード、又は制御条件の内、少なくとも2つを選択できる共用キーを、それぞれ配置していること、を特徴とする請求項21に記載の加熱調理器。
【請求項26】
前記加熱部を前記選択部によって選択した場合、選択された当該加熱部に対応する前記個別表示エリアには、前記調理メニューの識別情報A又は前記調理モードの識別情報Bが表示され、
前記識別情報A又は前記識別情報Bは、前記共用キーを更に操作することによって、別の識別情報の表示に変更できること、を特徴とする請求項25に記載の加熱調理器。
【請求項27】
前記加熱部を前記選択部によって選択した場合、選択された当該加熱部に対応する前記個別表示エリアには、前記調理メニューの識別情報A又は前記調理モードの識別情報Bと、前記制御条件とが表示され、
前記制御条件は、前記共用キーを更に操作することによって、別の制御条件に変更できること、を特徴とする請求項25に記載の加熱調理器。
【請求項28】
前記共用キーは、それぞれが1対のキーを有しており、それらキーは、規定の順序で表示内容を変更するアップキーと、前記規定の順序と反対の順序で表示内容を変更するダウンキーと、の組み合わせで構成していること、を特徴とする請求項25に記載の加熱調理器。
【請求項29】
前記加熱部において、前記被加熱物を加熱する第1の加熱手段と、
前記加熱室において被調理物を加熱する第2の加熱手段と、を更に備え、
前記制御装置は、1つの 調理メニューに関して、前記第1の加熱手段と前記第2の加熱手段の何れか一方を使用する調理工程1と、他方を使用する調理工程2とを、有した連携調理モードの実行機能を有していること、を特徴とする請求項23に記載の加熱調理器。
【請求項30】
前記制御装置は、前記タイマー操作部が操作され、その後、別の入力キーからの開始指令を受けると、経過時間をカウントアップする簡単タイマー機能を起動できること、を特徴とする請求項21に記載の加熱調理器。
【請求項31】
入力操作部と、表示部と、通信機能と、切タイマー機能を選択するタイマー操作部と、複数の加熱部と、を有した加熱調理器と、
前記加熱調理器と無線通信で接続される通信端末と、を含み、
前記表示部は、前記加熱部毎に対応している複数の個別表示エリアを有し、
前記通信端末は、
(1)端末側表示部において、ユーザーに選択された被調理物に関するレシピデータを表示し、
(2)前記端末側表示部に表示された前記レシピデータを選択した場合、当該レシピデータの予告情報を表示した形態に、当該端末側表示部の表示内容を変更し、
(3)前記予告情報を表示した前記端末側表示部には、前記レシピデータを送信するための入力キーを表示し、
(4)前記入力キーが操作されると、前記レシピデータを前記加熱調理器に送信し、
前記加熱調理器は、
前記タイマー操作部を操作した場合、加熱動作を実行中である前記加熱部に対応している前記個別表示エリアの1つにおいて、設定時間情報を表示し、計時動作の開始指令を受け付けた場合、前記計時動作を開始し、かつ、前記設定時間情報を前記通信端末に対して送信できること、
を特徴とする加熱調理システム。
【請求項32】
前記個別表示エリアには、前記レシピデータを受信するために待機中であることを示す受信動作表示部を表示すること、を特徴とする請求項31に記載の加熱調理システム。
【請求項33】
前記加熱調理器は、前記予告情報を受けたことに対応して選択情報を前記通信端末に送信することができ、
前記通信端末は、前記選択情報を受けると、前記端末側表示部において表示していた前記レシピデータが、前記加熱調理器に送信可能となること、を特徴とする請求項31に記載の加熱調理システム。
【請求項34】
前記通信端末は、前記レシピデータが、前記加熱調理器に届いたと判定した場合、当該レシピデータの送信結果情報を前記端末側表示部において表示すること、を特徴とする請求項33に記載の加熱調理システム。
【請求項35】
前記加熱部は、第1の場所にある第1の加熱部と、前記第1の場所と離れた場所にある第2の加熱部と、を有し、
1つの調理メニューに関して、第1の加熱手段と第2の加熱手段の何れか一方を使用する調理工程1と、他方を使用する調理工程2とを、有した連携調理モードの実行機能を有し、
前記連携調理モードは、前記第1の加熱部と前記第2の場所の何れか一方で前記調理工程1を実行し、他方で前記調理工程2を実行すること、を特徴とする請求項31に記載の加熱調理システム。
【請求項36】
複数の加熱部と、
ユーザーが操作して前記加熱部を個々に選択できる選択部と、
前記加熱部のそれぞれにおける加熱動作時間を制限する切タイマー機能を集中して選択できるタイマー操作部と、
前記加熱部毎に割り当てられた個別表示エリアと、
前記加熱部の加熱動作を個々に制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、複数の調理メニューの中からユーザーが選択した1つの調理メニューの実行機能を有し、
前記制御装置は、前記加熱部の少なくとも1つが、前記調理メニューの1つのために加熱動作しているときに前記タイマー操作部が操作されると、当該調理メニューに前記切タイマー機能を適用するかどうか判定し、適用する場合は、前記調理メニューを実行中の前記加熱部に対応した、前記個別表示エリアにおいて、前記切タイマー機能の設定時間情報を表示すること、
を特徴とする加熱調理器。
【請求項37】
前記加熱部の内、少なくとも2つは、被加熱物を下方から加熱手段によって加熱する左加熱口と右加熱口であり、
前記個別表示エリアの内の2つは、前記左加熱口と前記右加熱口の位置関係と対応させて左右に配置されていること、を特徴とする請求項36に記載の加熱調理器。
【請求項38】
前記個別表示エリアのそれぞれの前方位置には、当該個別表示エリアの横幅の範囲内に、前記選択部を配置していること、を特徴とする請求項36に記載の加熱調理器。
【請求項39】
前記個別表示エリアのそれぞれの前方位置には、当該個別表示エリアの横幅の範囲内に、前記加熱部の1つずつに対応して、前記調理メニュー、調理モード、又は制御条件の内、少なくとも2つを選択できる共用キーを、それぞれ配置していること、を特徴とする請求項36に記載の加熱調理器。
【請求項40】
前記加熱部を前記選択部によって選択した場合、選択された当該加熱部に対応する前記個別表示エリアには、前記調理メニューの識別情報が表示され、
前記識別情報は、前記共用キーを更に操作することによって、別の識別情報の表示に変更できること、を特徴とする請求項39に記載の加熱調理器。
【請求項41】
前記加熱部を前記選択部によって選択した場合、選択された当該加熱部に対応する前記個別表示エリアには、前記調理メニューの識別情報と、前記制御条件とが表示され、
前記制御条件は、前記共用キーを更に操作することによって、別の制御条件に変更できること、を特徴とする請求項39に記載の加熱調理器。
【請求項42】
前記共用キーは、それぞれが1対のキーを有しており、それらキーは、規定の順序で表示内容を変更するアップキーと、前記規定の順序と反対の順序で表示内容を変更するダウンキーと、の組み合わせで構成していること、を特徴とする請求項39に記載の加熱調理器。
【請求項43】
前記加熱部において被加熱物を加熱する第1の加熱手段と、
加熱室において被調理物を加熱する第2の加熱手段と、を更に備えたことを特徴とする、請求項37~39の何れか1つに記載の加熱調理器。
【請求項44】
外郭を構成する本体の上面に、前記加熱部の内、少なくとも3つを配置し、当該加熱部は、被加熱物を下方から加熱手段によって加熱する左加熱口と、中央加熱口と右加熱口であり、
前記本体の内部には、前記加熱部の1種として被調理物を収容する加熱室を設け、
前記個別表示エリアは、前記左加熱口に対応した左表示エリアと、前記中央加熱口に対応した中央表示エリアと、前記右加熱口に対応した右表示エリアと、を有し、
前記中央加熱口に関する調理情報と、前記加熱室に関する調理情報とを、前記中央エリアにおいて択一的に表示する機能を有していること、を特徴とする請求項43に記載の加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数の加熱部を有した加熱調理器と、その加熱調理器を使用する加熱調理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
加熱調理器は、使用される環境から見て、大きく分けて3種類ある。
その内の1つは、キッチンカウンター等の厨房家具の中に設置される、所謂「ビルトイン式(組込式)」である。2つ目は、厨房家具の所定の位置に、ガス台(「ガス燃焼式テーブル」ともいう)等のように置かれて使用される「据置式」である。3つ目は、食卓等の上の任意の位置に置かれて使用される、小型で可搬式の「卓上式」である。
【0003】
代表的なビルトイン式加熱調理器として、本体の上部に複数個の加熱口を配置して、当該加熱口で誘導加熱を行い、また本体内部にはグリル庫(「オーブン室」又は「加熱室」ともいうが、以下、統一的に「加熱室」という)を具備し、その加熱室においてマイクロ波加熱源からのマイクロ波を導入して加熱調理する構成のものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、利便性向上のために、タイマー機能を内蔵して加熱手段の動作を自動制御するものも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-117570号公報(第1頁、図29
【特許文献2】特開2016-58177号公報(第1頁、図1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の特許文献1で提案されているように、加熱手段を複数個増えた加熱調理器では、ユーザーにとっては同時に2つの場所で加熱調理ができて便利である一方、調理条件をユーザーが個々の加熱手段毎に設定する作業は、より複雑になる。特に、上面加熱部(加熱口)が複数個ある場合には、加熱部毎に表示部を設け、当該表示部を見ながら火力等の加熱条件を入力したり、希望する調理モード、調理メニュー等を入力したりする操作を必要とするため、ユーザーの確認や入力操作が増え、かつ、複雑にならざるを得ない。
そこで、特許文献2に示したように、1つの表示部を設けて、複数の加熱部に共通した制御条件(タイマー機能の設定時間)の入力等を、その1つの表示画面を利用して集中的に行うことが提案されている。
しかしながら、複数の表示部分を有した表示手段を使用する場合には、ユーザーが目的とする個々の加熱部や加熱手段と、表示エリア、表示画面等の対応関係について、誤解や視覚的な迷いを生じないように、入力操作部を含めて工夫する必要がある。しかしながら、上記特許文献2では、このような課題に対する対策が未だ十分でない。
【0006】
本開示の目的は、ユーザーの操作性を改善することによって、複数の加熱部を利用して各種の調理を実行することができる、利便性の高い加熱調理器及び加熱調理システムを得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の開示に関する加熱調理器は、
複数の加熱部と、
ユーザーが操作して前記加熱部を個々に選択できる選択部と、
前記加熱部に共通したタイマー機能を選択できるタイマー操作部と、
前記加熱部毎に割り当てられた個別表示エリアと、
前記加熱部の加熱動作を個々に制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記加熱部の少なくとも何れか1つにおいて加熱動作が実行されている期間中に、前記タイマー操作部からの入力を受け付けると、当該加熱動作中の前記加熱部に対応した前記個別表示エリアの範囲内で、当該個別表示エリア毎に、前記切タイマー機能の設定時間情報を表示すること、
を特徴とする構成である。
【0008】
第2の開示に関する加熱調理器は、
複数の加熱部と、
前記加熱部を個々に選択できる選択部と、
前記加熱部の加熱動作を個々に制御する制御装置と、
前記加熱部における加熱動作時間を制限する切タイマー機能を選択できるタイマー操作部と、
前記加熱部における調理情報を表示する表示部と、
前記表示部の表示動作と前記加熱部の加熱動作とを制御する制御装置と、
を備え、
前記表示部は、前記加熱部毎に割り当てられた個別表示エリアを有し、
前記制御装置は、前記加熱部の内、少なくとも2つにおいて加熱動作が実行されているときに前記タイマー操作部が操作されると、当該加熱動作中の前記加熱部に対応した前記個別表示エリアの範囲内で、前記タイマー操作部の操作に応じて、前記切タイマー機能の設定時間情報を当該個別表示エリア毎に順次表示すること、
を特徴とする構成である。
【0009】
第3の開示に関する加熱調理器は、
複数の加熱部と、
ユーザーが操作して前記加熱部を個々に選択できる選択部と、
前記加熱部に共通の入力を行う共用操作部と、
前記加熱部毎に割り当てられた個別表示エリアと、
前記加熱部の加熱動作を個々に制御する制御装置と、
を備え、
前記共用操作部には、前記加熱口の加熱動作時間を制限する切タイマー機能を選択できるタイマー操作部と、前記切タイマー機能の設定時間を入力できる時間入力部と、を有し、
前記制御装置は、
(1)前記タイマー操作部が操作されると、加熱動作中の前記加熱部に対応した前記個別表示エリアの何れか1つにおいて、前記切タイマー機能の候補時間情報を表示し、
(2)前記時間入力部の入力を受けて前記候補時間情報の表示を設定時間情報の表示に変更し、
(3)前記候補時間情報の表示又は前記設定時間情報の表示から、所定の時間経過した段階で前記切タイマー機能を自動的に開始できること、
を特徴とする構成である。
【0010】
第4の開示に関する加熱調理システムは、
入力操作部と、表示部と、通信機能と、切タイマー機能を選択するタイマー操作部と、複数の加熱部と、を有した加熱調理器と、
前記加熱調理器と無線通信で接続される通信端末と、を含み、
前記表示部は、前記加熱部毎に対応している複数の個別表示エリアを有し、
前記通信端末は、
(1)端末側表示部において、ユーザーに選択された被調理物に関するレシピデータを表示し、
(2)前記端末側表示部に表示された前記レシピデータを選択した場合、当該レシピデータの予告情報を表示した形態に、当該端末側表示部の表示内容を変更し、
(3)前記予告情報を表示した前記端末側表示部には、前記レシピデータを送信するための入力キーを表示し、
(4)前記入力キーが操作されると、前記レシピデータを前記加熱調理器に送信し、
前記加熱調理器は、
前記タイマー操作部を操作した場合、加熱動作を実行中である前記加熱部に対応している前記個別表示エリアの1つにおいて、設定時間情報を表示し、計時動作の開始指令を受け付けた場合、前記計時動作を開始し、かつ、前記設定時間情報を前記通信端末に対して送信できること、
を特徴とする構成である。
【0011】
第5の開示に関する加熱調理器は、
複数の加熱部と、
ユーザーが操作して前記加熱部を個々に選択できる選択部と、
前記加熱部のそれぞれにおける加熱動作時間を制限する切タイマー機能を集中して選択できるタイマー操作部と、
前記加熱部毎に割り当てられた個別表示エリアと、
前記加熱部の加熱動作を個々に制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、複数の調理メニューの中からユーザーが選択した1つの調理メニューの実行機能を有し、
前記制御装置は、前記加熱部の少なくとも1つが、前記調理メニューの1つのために加熱動作しているときに前記タイマー操作部が操作されると、当該調理メニューに前記切タイマー機能を適用するかどうか判定し、適用する場合は、前記調理メニューを実行中の前記加熱部に対応した、前記個別表示エリアにおいて、前記切タイマー機能の設定時間情報を表示すること、
を特徴とする構成である。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、複数の加熱部において各種の加熱調理に幅広く対応でき、ユーザーの入力操作の効率化や入力負荷の軽減に貢献する加熱調理器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示の実施の形態1を示した加熱調理器を含む、加熱調理システムの構成図1
図2図1に示した加熱調理器の、設置状態を斜視図で示す、加熱調理システムの構成図2
図3図1に示した加熱調理器の平面図と正面図。
図4図1に示した加熱調理器の、X-X線における縦断面図。
図5図1に示した加熱調理器の機能的構成を示すブロック図。
図6図1に示した加熱調理器の統合表示部、中央操作部(後方操作部・前方操作部)及び右操作部を拡大した平面図。
図7図6に示した統合表示部と中央操作部(後方操作部・前方操作部)を拡大した平面図。
図8図6に示した中央操作部の入力操作ステップを示す説明図。
図9図6に示した統合表示部、中央操作部(後方操作部・前方操作部)、右操作部及び右火力表示部の、表示状態と入力操作とを示す説明図1
図10図6に示した統合表示部、中央操作部(後方操作部・前方操作部)、右操作部及び右火力表示部の、表示状態と入力操作とを示す説明図2
図11図6に示した統合表示部、中央操作部(後方操作部・前方操作部)、右操作部及び右火力表示部の、表示状態と入力操作とを示す説明図3
図12図6に示した右火力表示部における表示動作の変遷を示した拡大説明図。
図13図6に示した統合表示部、中央操作部(後方操作部・前方操作部)、右操作部及び右火力表示部の、表示状態と入力操作とを示す説明図4
図14図6に示した統合表示部、中央操作部(後方操作部・前方操作部)、右操作部及び右火力表示部の、表示状態と入力操作とを示す説明図5
図15図6に示した統合表示部、中央操作部(後方操作部・前方操作部)、右操作部及び右火力表示部の、表示状態と入力操作とを示す説明図6
図16図6に示した統合表示部、中央操作部(後方操作部・前方操作部)、右操作部及び右火力表示部の、表示状態と入力操作とを示す説明図7
図17図1に示した加熱調理器の、中央操作部によって選択できる調理モードの種類全体を示した説明図。
図18図1に示した加熱調理器の中央加熱口を使用する場合の統合表示部と中央操作部(後方操作部・前方操作部)の、表示状態と入力操作とを示す説明図1
図19図18に示した中央加熱口を使用する場合の、表示状態と入力操作の続きを示す説明図。
図20図1に示した加熱調理器の加熱室(グリル庫)を使用して、1つの調理モード(切り身)を選択する場合の、統合表示部と中央操作部(後方操作部・前方操作部)の、表示状態と入力操作とを示す説明図1
図21図20に示した加熱室(グリル庫)を使用した調理モードの、加熱動作開始のための入力操作を示す説明図。
図22図20に示した加熱室(グリル庫)を使用した調理モードの、火力の入力操作を示す説明図。
図23図1に示した加熱調理器の加熱室(グリル庫)を使用して、別の調理モード(オーブン加熱)を選択する場合の、統合表示部と中央操作部(後方操作部・前方操作部)の、表示状態と入力操作とを示す説明図。
図24図23に示した1つの調理モード(オーブン加熱)の、設定温度の入力操作を示す説明図。
図25図1に示した加熱調理器の、中央操作部によって選択できる加熱室(グリル庫)を使用した調理モードの種類全体を示した説明図。
図26図1に示した加熱調理器の起動時の動作を示すフローチャート1。
図27図1に示した加熱調理器の、連携調理モードの種類全体と調理工程の概要を示した説明図。
図28図1に示した加熱調理器において、連携調理モードを実行する場合の制御装置の動作を示すフローチャート。
図29】連携調理モードで調理する場合における、統合表示部、中央操作部(後方操作部・前方操作部)、右操作部及び右火力表示部の、表示状態と入力操作とを示す説明図1
図30】連携調理モードで調理する場合における、統合表示部、中央操作部(後方操作部・前方操作部)、右操作部及び右火力表示部の、表示状態と入力操作とを示す説明図2
図31】連携調理モードで調理する場合における、統合表示部、中央操作部(後方操作部・前方操作部)、右操作部及び右火力表示部の、表示状態と入力操作とを示す説明図3
図32】連携調理モードで調理する場合における、統合表示部、中央操作部(後方操作部・前方操作部)、右操作部及び右火力表示部の、表示状態と入力操作とを示す説明図4
図33】連携調理モードで調理する場合における、統合表示部、中央操作部(後方操作部・前方操作部)、右操作部及び右火力表示部の、表示状態と入力操作とを示す説明図5
図34】連携調理モードの場合の、1つのレシピデータを、外部の通信端末から取得する場合における、通信端末と加熱調理器の動作を、時系列に示すタイムチャート。
図35】実施の形態1において、外部から取得したレシピデータを使用して、連携調理モードで調理する場合における、統合表示部、中央操作部、右操作部及び右火力表示部の、表示状態と入力操作とを示す説明図1
図36】実施の形態1において、外部から取得したレシピデータを使用して、連携調理モードで調理する場合における、統合表示部、中央操作部、右操作部及び右火力表示部の、表示状態と入力操作とを示す説明図2
図37】外部の通信端末等から送信されたレシピデータに関する予告情報の受信から、選択情報の送信までの一連の動作を示したフローチャート。
図38】加熱調理器において、外部からレシピデータCDを取得する動作を示すフローチャート1。
図39】実施の形態1に係る通信端末の、調理メニューの検索機能起動時からの主要な動作ステップを示したフローチャート。
図40図39に示した通信端末からデータを受信した以後の、加熱調理器の動作を示すフローチャート1。
図41】通信端末からデータを受信した以後の、加熱調理器の動作を示すフローチャート2。
図42図39に示した通信端末の表示動作を示す説明図1
図43図39に示した通信端末の表示動作を示す説明図2
図44図39に示した通信端末の表示動作を示す説明図3
図45図39に示した通信端末の、レシピデータの表示画面と調理工程との関係を示す動作説明図1
図46】実施の形態1の加熱調理システムにおける、通信端末と加熱調理器の連携動作を示すタイムチャート1。
図47】実施の形態1の加熱調理システムにおける、通信端末と加熱調理器の連携動作を示すタイムチャート2。
図48】実施の形態1の加熱調理器における、主電源スイッチをONにした以降の、主な各動作ステップに対応した統合表示部の表示内容説明図。
図49】実施の形態1の加熱調理器において、統合表示部のレシピデータ受信過程を示す動作説明図。
図50】タイマー機能(切タイマー機能)を使用した場合における、統合表示部、中央操作部(後方操作部・前方操作部)、右操作部及び右火力表示部の、表示状態と入力操作とを示す説明図1
図51】タイマー機能(切タイマー機能)を使用した場合における、統合表示部、中央操作部(後方操作部・前方操作部)、右操作部及び右火力表示部の、表示状態と入力操作とを示す説明図2
図52】タイマー機能(切タイマー機能)を使用した場合における、統合表示部、中央操作部(後方操作部・前方操作部)、右操作部及び右火力表示部の、表示状態と入力操作とを示す説明図3
図53】タイマー機能(切タイマー機能)を使用した場合における、統合表示部、中央操作部(後方操作部・前方操作部)、右操作部及び右火力表示部の、表示状態と入力操作とを示す説明図4
図54】タイマー機能(切タイマー機能)を使用した場合における、制御装置の制御動作のステップ説明図。
図55】タイマー機能(切タイマー機能)と外部通報モードを使用した場合における、制御装置の動作を示すフローチャート。
図56】タイマー機能(簡単タイマー機能)を使用した場合における、統合表示部の、表示状態と入力操作とを示す説明図1
図57】切タイマー機能と簡単タイマー機能を選択する場合の、入力操作と表示エリアの対応を時系列で示す説明図。
図58図39に示した通信端末の、レシピデータの表示画面と調理工程との関係を示す動作説明図2
図59】タイマー機能(簡単タイマー機能)を使用した場合における、統合表示部15の、表示状態を示す説明図。
図60】実施の形態2を示す加熱調理器の、統合表示部と中央操作部(後方操作部・前方操作部)の、表示状態と入力操作とを示す説明図1
図61】実施の形態2を示す加熱調理器の、統合表示部と中央操作部(後方操作部・前方操作部)の、表示状態と入力操作とを示す説明図2
図62図60に示した加熱調理器において、外部から連携調理モードのレシピデータを取得する動作を示すフローチャート。
図63】実施の形態2を示す加熱調理器において、外部から連携調理モードのレシピデータを取得した調理を行う場合の、統合表示部と中央操作部の、表示状態と入力操作とを示す説明図。
図64】実施の形態3に係る加熱調理器において、連携調理モードで調理する場合における、統合表示部、中央操作部、右操作部及び右火力表示部の、表示状態と入力操作とを示す説明図1
図65図64の加熱調理器において、連携調理モードの調理を行う場合の、統合表示部の表示とダイヤル式の入力部の動作とを示す模式図。
図66図65に示した動作の変形例を示す動作ステップの説明図。
図67】実施の形態4に係る加熱調理器において、タイマー機能(切タイマー機能と簡単タイマー機能)を使用した場合における、制御装置の動作を示すフローチャート1。
図68図67に示した制御装置の、タイマー機能(切タイマー機能と簡単タイマー機能)の動作を示すフローチャート2。
図69図67に示した制御装置の、タイマー機能(切タイマー機能と簡単タイマー機能)の動作を示すフローチャート3。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示に係る加熱調理器について図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば「上」、「下」、「右」、「左」、「前」、「後」など)を用いるが、これらは説明のためのものにすぎない。また、各図において、同一の符号を付したものは、同一の又はこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。
【0015】
更に、以下の説明では、複数種類の加熱手段を備えた複合加熱調理器についても、単に「加熱調理器」という。
以下の説明で「トッププレートの上に載置された被加熱物」という場合は、後述するトッププレート3の上面に鍋等の被加熱物を直接載せて(第1の加熱手段HM1により)加熱する場合と、ガス燃焼器(バーナー)等のように、トッププレートの上方に配置された五徳等の支持部材の上に被加熱物を載せて加熱する場合の、両方を含む意味である。つまり、第1の加熱手段HM1とは、誘導加熱手段に限定されない。
【0016】
実施の形態1において、「第2の加熱手段」HM2とは、後述する加熱室6の内部に収容した被調理物を加熱するための加熱源をいう。輻射熱や蒸気を利用したものでも良い。
実施の形態1では、第2の加熱手段HM2としてマイクロ波加熱源を有している。マイクロ波加熱源は、マグネトロンを使用しているが、半導体素子を利用したマイクロ波発振器等、マイクロ波発振原理や方式に制限はない。また加熱源を複数個備えても良い。
【0017】
この実施の形態1において「第3の加熱手段」HM3とは、前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2との差異を示すために、「第3」という用語を使用しているが、優劣関係を意味していない。
また、実施の形態1では、輻射式電熱源(シーズヒーター、マイカヒーター、カーボンヒーター、セラミックヒーター、赤外線ヒーター、ラジアント・ヒーター等)を用いた加熱源を使用しているが、他の形態や方式で発熱する加熱源であっても良い。
【0018】
第3の加熱手段HM3は、1つの加熱室6において加熱調理ができるものをいう。電気ヒーター等から構成した加熱源とガス燃焼器(バーナー)のように、異なる加熱原理を有する複数の加熱源を併用する形態でも良い。また加熱室6を加熱する加熱源として、誘導加熱源を使用しても良い。高温の蒸気(過加熱蒸気など)を供給する蒸気発生器(ボイラー)(図示せず)でも良い。
【0019】
更に、第3の加熱手段HM3は、加熱室6の壁面を、その外側から加熱する加熱源や、加熱室6の内部空間に設置し、当該内部空間の雰囲気を高温にする加熱源の、何れでも良い。
また、誘導加熱方式で高温になる発熱部材を加熱室に配置し、この発熱部材で加熱室6の壁面を外側から加熱する形態でも良い。更には、加熱室6の外部に熱源を有し、当該加熱室6の内部に高温の空気を供給する形態であっても良い。
【0020】
この実施の形態1でいう誘導加熱コイル(IHコイル)の代表的なものとして、0.1mm~0.3mm程度の細い銅線やアルミ線を30本程度束にして、この束を複数本撚りながら渦巻状に巻いて構成したものがある。あるいは、0.05mm程度のものを1000本~1500本程度巻いて構成したものもある。また、平板状の導電材料で、環状に形成した環状導電体で構成する提案もある。これら何れの形態のものも第1の加熱手段HM1(誘導加熱源)の主要部となる「IHコイル」に相当する。
【0021】
以下の説明において、「調理モード」とは、加熱手段の数を基準にして加熱調理形態を大別した場合の分類の呼称であり、この実施の形態では、3つの調理モードがある。
すなわち、後述する連携調理モードKM1と、複合調理モードKM2と、単独調理モードKM3の、3種類である(これら3つを、「メイン調理モード」と総称する)。
以下の説明において、「サブ調理モード」とは、前記連携調理モードKM1と、複合調理モードKM2と、単独調理モードKM3のそれぞれに属した下位の分類の呼称であり、第1の加熱手段HM1~第3の加熱手段HM3を実際に駆動する制御形態で分類した呼称である。例えば、(誘導加熱又はマイクロ波加熱の何れか一方だけを利用した)単独調理モードKM3に属する「加熱」や「保温」は、サブ調理モードの1種である。詳しくは、図17図27で説明する。
以下の説明で、特に混乱を招かない限り、前記「調理モード」には、前記メイン調理モードとサブ調理モードの両者を含む。
【0022】
以下の説明において、「連携調理」とは、1つの被調理物(食品、肉、野菜等を含む)に対する加熱場所が異なり、かつ独立して加熱動作条件が設定可能な2つ以上の加熱源を使用して行う調理をいう。この調理形態を「連携調理モード」KM1という。
【0023】
前記「連携調理」は、複数の加熱手段を、時間差を置いて使用する場合が該当する。例えば1つの調理を完成させる過程で、マイクロ波加熱源で予備加熱したあと、被調理物を別の場所に移し、移動後の場所で、IHコイルで加熱して完成させる調理の場合は、ここでいう「連携調理」の一種である。
【0024】
また、加熱室6の内部で被調理物を、ガス燃焼器(バーナー)によって加熱し、その後、当該被調理物をトッププレート3の上に移動し、ガス燃焼器(バーナー)や誘導加熱源で加熱して、調理の完成度を上げるという形態も「連携調理」の一種である。
【0025】
「音声入力モード」とは、ユーザー(使用者)が入力用のスイッチ(入力キー)のボタンや操作面に触れたり、押したりする動作をせずに、発声によって入力する制御形態をいう。
以下の説明では、「音声入力モード」の種類には、加熱調理器1に直接音声で入力する「音声入力モード1」と、スマートスピーカ等の外部入力機器を通じて、外部サーバー等の外部情報処理機器経由で音声信号を入力する「音声入力モード2」がある。
【0026】
以下の説明では、「設定情報」とは、後述するレシピデータCDによる(加熱手段の)制御内容を、加熱調理器1に与えて、設定する情報である。
後述するように、連携調理モードKM1では、少なくとも調理工程1と調理工程2を有する。説明の都合上で、前記調理工程1のための前記設定情報を「設定情報A」と呼び、前記調理工程2のための前記設定情報を「設定情報B」と呼ぶ場合がある。
【0027】
以下の説明で、「レシピデータ」CDとは、1つの被調理物を加熱調理するために、加熱調理器1の制御で使用されるデータをいう。
レシピデータCDの1つの形態は、加熱手段を特定したデータ、加熱工程や順番を規定したデータ、加熱時の制御条件(火力や目標温度、加熱調理時間等を含むが、これらに限定されない)を、全て含んだ命令であり、また、その命令を実現するためのコンピュータプログラムである。
【0028】
前記レシピデータCDの他の1つの形態は、加熱手段を特定したデータ、加熱工程や順番を規定したデータを含まず、調理メニュー(例えば、ハンバーグ)を実行するための一部のデータだけを含んだものである。
例えば、後述する連携調理モードKM1で加熱調理する場合、1つの調理メニューを実行する加熱手段固有の情報(加熱手段の属性を示す情報や加熱口の情報等を含む)、調理工程の情報、駆動する加熱手段の順番を示す情報等は含まないものをいう。
この場合、加熱能力や加熱時間等の制御条件を決める指令やデータ等(以下、「コマンド」又は「コマンドデータ」という)が主体になったデータとなる。このケースの場合、加熱調理器1で保有しているレシピデータCDが、例えば1人前の被調理物を前提に構成されたものであった場合、外部からのコマンドによって、加熱調理器側で2人前又は4人前等に対応するように、内蔵のプログラムによって制御条件(例えば、加熱時間という1つのパラメータ)を変更することで対応しても良い。
【0029】
更に、前記レシピデータCDの内、以下の説明では、前記連携調理モードKM1のレシピデータが、例えば、調理工程1と調理工程2の2つで構成されている場合を主体に
述べる。
例えば、前記第1の加熱手段HM1を調理工程1で使用するケースでは、調理工程1で使用する調理工程1の動作内容を設定する第1部分M1と、前記第2の加熱手段HM2を使用する調理工程2を設定する第2部分M2の、2段階に分けて加熱調理器1がレシピデータを取得する。
すなわち、前記第1の加熱手段HM1を使用する調理工程1を設定する第1部分M1と、前記第2の加熱手段HM2を使用する調理工程2を設定する第2部分M2の、2つから構成されている。なお、前記第2の加熱手段HM1を調理工程1で使用するケースでも、同様に調理工程1と調理工程2のそれぞれの設定情報は、別々に加熱調理器1が取得する。なお、前記第1部分M1は前記「設定情報A」に対応し、前記第2部分M2は、前記「設定情報B」に対応している。
【0030】
以下の実施の形態においては、上記したようなレシピデータCDの形態について、特に区別して説明しない。また、連携調理モードKM1の場合は、調理工程が2つの事例について説明するが、調理工程が3つ以上であっても良い。
【0031】
以下の実施の形態でいう「表示画面」とは、液晶表示素子(液晶パネル)による液晶表示画面や、その他発光方式(有機ELパネル等)による表示画面を含む。
また、表示画面の中に自動的に立ち上がる「ポップアップ画面」を含んでいる。「ポップアップ」とは、インターネットブラウザー(「Web ブラウザー」ともいう)の画面上で、自動的に立ち上がった(起動して表示開始する)別のウィンドウーのことである。
例えば、後述する通信端末200の端末側表示部(表示画面)216において、第1画面216Aや第2画面216B等の説明をするが、それらをポップアップ画面で構成しても良い。
【0032】
実施の形態1.
(1.加熱調理システムの構成)
本開示に係る実施の形態1は、図1図25に記載している。
図1について説明する。
本実施形態1の加熱調理システムは、加熱調理器1と、この加熱調理器1との間で、双方向の無線通信を行う機能を有するスマートフォン200(高機能通信端末器とも呼ぶが、以下の説明では、統一的に「通信端末」と呼ぶ)と、情報処理手段の1種であるクラウドサーバー300と、を備えて構成されている。なお、通信端末200は、スマートフォン以外でも良く、例えば通信機能付きタブレット端末器やパーソナルコンピュータ等でも良い。これら機器も含めて、この実施の形態1では統一的に、通信端末200と呼んでいる。
【0033】
通信端末200は、加熱調理器1が使用される家屋(図示せず)に設置されている無線ルーター201(図2)との間でWiFi(登録商標)等の通信方式による無線通信202WFを行う。
【0034】
加熱調理器1は、通信端末200との無線通信330によって、少なくともレシピデータCD1を取得できる。なお、後述するクラウドサーバー300経由で加熱調理器1が取得したレシピデータCD2については、後で説明する。
前記通信端末200は、加熱調理器1との間で、Bluetooth(登録商標)等の通信方式による無線通信202BTを行う(図2参照)。
【0035】
通信端末200は、前記無線ルーター201(図2)とインターネット等のネットワークNWを介して外部空間にあるクラウドサーバー300にアクセスする。クラウドサーバー300には、少なくとも1つのレシピデータ提供サーバー301がある。
【0036】
レシピデータ提供サーバー301には、種々の調理を実行するレシピのデータが保持されたレシピDB(データベース)302が備えられ、通信端末200は、レシピデータ提供サーバー301により運用されるレシピ提供サイトにアクセスして、レシピDB302から種々のレシピデータCD1を取得(ダウンロード)する。
【0037】
前記レシピデータCD1は、後で詳しく説明するが、特定の被調理物(例えば「ハンバーグ」)を加熱調理器1で実行できるように、加熱手段や制御条件(火力や加熱時間、温度等の少なくとも何れか1つを含むが、これに限定されない)を指定する命令(指令データ)が含まれている。但し、前述したように特定の調理メニューを実行するための、1つのレシピデータCD1を識別する固有のデータだけであっても良い。
【0038】
以下の説明では、レシピデータについて、CD1、CD2等の符号を付けて説明する場合があるが、この符号によってレシピデータの内容が、必ずしも異なるものではなく、同一の場合もある。それら符号(CD1、CD2)は、レシピデータの発信主体を基準に付して、理解を容易にするためである。なお、レシピデータについて、統一的に参照符号を用いる場合には、「CD」を用いる。
【0039】
図1に示した加熱調理器1は、当該加熱調理器1の上面を覆うトッププレート3(図2以降で説明する)の下方に配置された第1の加熱手段HM1と、当該加熱調理器1の内部に形成された加熱室6(図3参照)内部にマイクロ波を供給する第2の加熱手段HM2と、前記加熱室6の内部又は外部にあって、当該加熱室6の内部空間の温度を上げて加熱する第3の加熱手段HM3と、を備えている。
【0040】
前記トッププレート3の上面を「第1の場所」と定義すれば、この第1の場所に置いた被加熱物(磁性金属製の鍋、フライパン等)を加熱するため、前記第1の加熱手段HM1は、誘導加熱手段が使用される。あるいは、磁性金属製や非磁性金属製の鍋を加熱するガスバーナを備えた、ガス燃焼装置が前記第1の加熱手段HM1に相当する。
【0041】
前記第1の場所と離れた場所にある閉鎖空間を「第2の場所」と定義すれば、前記加熱室6(図3参照)の内部が、当該第2の場所となる。
【0042】
前記加熱調理器1は、3つの調理モード(メイン調理モード)を有している。
1つ目の調理モードは、前記した連携調理モードKM1である。
2つ目の調理モードは、複合調理モードKM2である。
3つ目の調理モードは、単独調理モードKM1である。
【0043】
単独調理モードKM3は、前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2とを、それぞれ単独で(独立して)駆動する調理形態である。
【0044】
前記複合調理モードKM2とは、1つの被調理物を調理する方法として、前記第2の加熱手段HM2と前記第3の加熱手段HM3とを、同時に駆動し、あるいは何れか一方を先に動作させ、他方を後から自動的に駆動開始する調理形態である。前記第2の加熱手段HM2と前記第3の加熱手段HM3を同時に動作している場合でも、その両方の加熱終了時期が同じ場合と、異なる場合の何れも、前記「複合調理モード」KM2に属する1つの運転パターンである。
【0045】
前記複合調理モードKM2では、前記第2の加熱手段HM2と前記第3の加熱手段HM3を最初から同時に駆動するパターン(RG制御モード1)と、前記第2の加熱手段HM2の後で、前記第3の加熱手段HM3の駆動を開始するパターン(RG制御モード2)と、前記第3の加熱手段HM3を最初に駆動し、その後自動的に前記第2の加熱手段HM3の駆動に切り替わるパターン(RG制御モード3)と、を少なくとも有している。これらRG制御モード1~RG制御モード3において、各加熱手段の切り替えは、加熱室6(図3参照)で加熱調理を開始すると、自動的に行われる。なお、これらRG制御モード1~RG制御モード3は、前記サブ調理モードの1種である。
【0046】
前記複合調理モードKM2は、前記連携調理モードKM1とは異なり、特定の被調理物(例:ハンバーグ)に対応した「調理メニュー」を有していない。すなわち、前記第2の加熱手段HM2と前記第3の加熱手段HM3を駆動するパターン別の「制御メニュー」を用意している。1つの制御パターンで、複数の被調理物(例えば、肉の解凍や、野菜等を茹でること)に対応できる。
【0047】
例えば、「制御メニュー」の1つが、前記「RG制御モード1」である。RG制御モード(RG複合調理モード)では、色々な調理物の調理ができる。「制御メニュー」の1つの、例えば前記「RG制御モード1」は、その制御モードを規定するレシピデータで制御されるが、特定の被調理物毎に設定したものではない。
【0048】
つまり、2つ以上の加熱源(第2の加熱手段HM2と前記第3の加熱手段HM3)を予め決めたシーケンスで動作させる運転パターンが、複数の「制御メニュー」を有する、前記複合調理モードKM2である。
【0049】
これに対し、加熱室6の内部と、トッププレート3の上方の、それぞれの場所に置いた被調理物を予め決めた順番で加熱調理する、(特定の被調理物に対応した)レシピデータが適用されるものが、連携調理メニューを有する連携調理モードKM1である。
つまり、複合調理モードKM2と連携調理モードKM1では、レシピデータの内容が異なる。
【0050】
以下の説明では、加熱源の駆動(通電)パターンのように制御形態の種類を示す場合に「制御メニュー」と呼ぶ。例えば「解凍」は制御メニューの1つである。
一方、加熱調理可能な被調理物、料理名等を特定する場合には「調理メニュー」と呼ぶ。例えば「ハンバーグ」は調理メニューの1つである。
【0051】
前記加熱調理器1は、前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2とが、ユーザー(使用者)の操作に依存して確定する時間差で駆動される連携調理モードKM1の実行機能を有している。言い換えると、調理工程1と調理工程2の間には、ユーザーの操作タイミングによって変化する「加熱休止期間」(「移行期間」ともいう)が存在する。
【0052】
前記連携調理モードKM1では、前記第1の加熱手段HM1で調理工程1を実施するパターンと、前記第2の加熱手段HM2で調理工程1を実施するパターンと、を有する。
例えば、第1の加熱手段HM1による調理工程1を終えて調理工程2に移るため、被調理物を前記加熱室6に移動させ、その後、前記第2の加熱手段HM2の駆動を開始するため、この調理工程1と調理工程2の間には、加熱動作を行わない「加熱休止期間」(移行期間TR)が存在する。
【0053】
この連携調理モードKM1では、特定の被調理物(例:ハンバーグやローストビーフ、グラタン)毎に、前記レシピデータCDが用意される。
前記レシピデータCDは、使用する加熱手段と、その加熱手段を駆動する順番、及び加熱手段の制御条件(火力や加熱時間、温度等の少なくとも何れか1つを含む)が、調理工程1(第1部分M1)と調理工程2(第2部分M2)別に、それぞれ指定されている。つまり、調理工程1の設定情報と、調理工程2の設定情報とが、それぞれ加熱調理器1に送信される。
【0054】
前記レシピデータCDは、前記加熱調理器1と前記レシピDB302の双方に格納されている。レシピDBにあるレシピデータCDの種類と、前記加熱調理器1で保有している前記レシピデータCDの種類は、同一である必要はない。例えば、前記レシピDB302には、新しい連携調理モードKM1のレシピデータCDが順次追加され、また複合調理メニューの前記レシピデータCDが、順次蓄積されていく形態でも良い。
【0055】
以下の説明では、加熱調理器1に最初から格納(記憶保持)されている調理メニューを「基本メニュー」と呼ぶ。連携調理モードKM1では、合計8つの基本メニューを有している。
これに対し、ユーザーが、通信端末200を使用してレシピデータ提供サーバー301から取得し、加熱調理器1にレシピデータを提供した調理メニューは「追加メニュー」という。
【0056】
加熱調理器1が、前記通信端末200から前記連携調理モードKM1を実行するための前記レシピデータCDを取得する場合、当該データは、ユーザーが前記通信端末200において選択した1つの調理メニュー単位である。言い換えると、1種類の調理単位である。これは、連携調理モードKM1に限らず、複合調理モードKM2、単独調理モードKM3にも共通である。
【0057】
つまり、加熱調理器1では、例えば、複合調理モードKM2において「あたため」という制御メニュー(サブ調理モード)を選択できるが、前記通信端末200から加熱調理器1に提供されるレシピデータCDは、そのような制御メニュー単位ではなく、前述した「調理メニュー」単位である。
従って、マイクロ波加熱等の制御メニューの中に、後述する「あたため」、「レンジ手動」、「葉菜下ゆで」、「根菜下ゆで」、「肉解凍」等の、各種制御メニューがあるが、このような制御メニュー単位では、通信端末200はレシピデータCDを提供しない。例えば解凍の場合には、被加熱物を特定した「〇〇の解凍」というレシピデータ(識別情報を含む)で通信端末200から提供される。
【0058】
以上のように、通信端末200は、レシピデータ提供サーバー301に、希望する被調理物のレシピデータCDを提供するように求め、希望するレシピに対応したレシピデータCD1をダウンロードする(図1参照)。
【0059】
通信端末200は、レシピデータ提供サーバー301で生成され、当該サーバー301から取得した、1つのレシピに対応したレシピデータCD2を、加熱調理器1に送信することができる(図1参照)。
加熱調理器1のユーザーは、このようなレシピデータ取得機能を利用するために、レシピ提供サイト(レシピデータ提供サーバー301)にアクセスしてレシピ選択用のアプリケーション(以下、「レシピ選択アプリ」という)を、通信端末200にインストールする。
【0060】
前記ユーザーは、レシピ選択アプリをインストールしたときに、初期設定として加熱調理器の機種名等、「機器識別情報」(後述する)を登録する操作を行う。この登録により、加熱調理器1の定格仕様(各加熱手段HM1~HM3の加熱能力等)に対応したレシピデータCDを、レシピ提供サイト(レシピデータ提供サーバー301)から取得することができる。
【0061】
また、前記ユーザーは、レシピ選択アプリにより、通信端末200と加熱調理器1のペアリングを行って、通信端末200と加熱調理器1との間の、直接的な無線通信202BTを確立する。なお、この無線通信202BTは、近接無線通信(NFC)方式を用いたものでも良い。
【0062】
図2に示している202WFは、通信端末200と無線ルーター201との間の無線通信を示す。通信端末200と加熱調理器1との間の無線通信202BTの通信方式は、近距離の無線通信規格の1つになっているBluetooth(ブルートゥース)(登録商標)を使用している。また、通信端末200と無線ルーター201との間の無線通信202WFは、WiFi(登録商標)等の無線LANによる通信方式を使用している。
【0063】
なお、図1には図示していないが、この実施の形態1の加熱調理システムにおいては、ユーザーが作成した(1つのレシピに対応した)レシピデータCDを、通信端末200で、レシピ提供サイト(レシピデータ提供サーバー301)に送信して、前記レシピDB302に一旦格納させ、その後、加熱調理器1向けに提供するようにしても良い。つまり、加熱調理器1が設置された家屋から遠く離れた場所(例えば、外出先)に通信端末200が存在している場合でも、当該通信端末200のレシピデータCDを、レシピデータ提供サーバー301に保存しておけるので便利である。
【0064】
なお、加熱調理器1と、前記クラウドサーバー300との間は、無線ルーター201(図2参照)を介在させても良い。
以下の説明では、前記したインターネット回線等のネットワークNWを説明する場合には、統一的な符号として「NW」を使用する。
【0065】
加熱調理器1の「機器識別情報」とは、加熱調理器1を特定するための固有の情報である。具体的には、情報通信を行う場合に必要となる重要な情報であり、MACアドレス、加熱調理器1の製造者名、型名(モデル名)、形式番号、製造番号等である。
【0066】
前記クラウドサーバー300は、加熱調理器1の運転や停止、待機状態等の現在状況に関する情報を、前記ネットワークNW経由で取得する機能を有する。
前記クラウドサーバー300は、前記機器識別情報を利用して目的の加熱調理器1と接続される。
【0067】
前記クラウドサーバー300の内部には、レシピデータベース302の他に、情報提供サーバー(図示せず)を有しており、加熱調理器1や通信端末200に対して、有益な情報を発信する。加熱調理器1は、通信端末200との無線通信とは別に、前記クラウドサーバー300との間で定期的(例えば、5分又は10分間隔で反復的)に無線通信を行う処理を実行している。そして、当該定期的通信の途中段階で、加熱調理器1側の「状態情報」(後述する)の中に何らかの異常があると発見・判定した場合、それをトリガーとして、その都度クラウドサーバー300に報知や照会を行って、適切な運転の維持のための情報を取得する処理を行う。異常がなければ、上記定期的通信を繰り返し実行する処理に自動的に復帰し、このような処理を、後述する主電源スイッチ20(図5参照)を開放するまで継続する。これについては後で詳しく説明する。
【0068】
情報提供サーバー(図示せず)は、例えば、特定地域の地震情報提供機関や電力会社等の外部機関が設置したサーバーでも良いし、加熱調理器1を製造したメーカが用意したサーバーでも良い。
【0069】
前記クラウドサーバー300には、加熱調理器1を遠隔制御することができるようにした制御用アプリケーション・ソフトウェアが格納・記憶されている。後で詳しく述べる通信端末200からは、クラウドサーバー300にアクセスして制御用アプリケーション・ソフトウェアをダウンロード(読み込み)することにより、前記した遠隔制御を実現することができる。
【0070】
本実施の形態1における通信端末200は、加熱調理器1の入出力部に数センチメートル程度接近(又は接触させても良い)した状態で、近距離通信で信号の授受をする機能を備えている。なお、この近距離通信とは、Near Field Communication(略称:NFC)として知られている無線通信の国際規格技術のことである。
【0071】
このNFCの通信では、誘導加熱調理器1側に、いわゆる無線タグ(NFCタグ)が埋め込まれている。
一方、通信端末200側から制御データを加熱調理器1のNFC記憶部へ送り、加熱調理器1を、前記制御データに従って制御することもできる。
【0072】
次に図2について説明する。
400は、加熱調理器1等を設置したキッチン家具である。400Dは、キッチン家具400に設置した水道の給水口である。
201は、加熱調理器1と無線通信が可能な無線ルーターである。この無線ルーター201は、インターネット等のネットワークNWのアクセスポイントでもある。
【0073】
260は、キッチン(居住空間)500(図示せず)の内部空間、特に加熱調理器1の前方の所定範囲(例えば、2m以内)に人が居ないかどうかを監視する人感知センサーを備えた監視装置である。この監視装置260は、キッチン500内部を常時又は短時間間隔(例えば、5秒間隔)で繰り返しチェックし、人の有無を示す信号をクラウドサーバー300や加熱調理器1に発信する。例えば、前記無線ルーター201に対して監視結果の信号を送信し、クラウドサーバー300に提供しても良い。加熱調理器1からクラウドサーバー300が起動信号を受けた場合、当該加熱調理器1が運転を終了するまで監視信号を継続的に提供し、特定条件が満たされるかどうかの判定を加熱調理器1が行う場合、その判定の基礎データの1つに利用されるようにしている。
【0074】
加熱調理器1は、中空で箱形形状の本体2と、この本体2の上面全体を覆うトッププレート3とによって外郭が構成されている。
前記トッププレート3の上に、(磁性金属製の鍋等の)被加熱物を載置し、IHコイル9(図3図4に示す符号9C、9L、9R)によって誘導加熱する。すなわち、トッププレート3には、左加熱口4Lと右加熱口4R及び中央加熱口4Cを備えた加熱口4を有している。
【0075】
前記トッププレート3の奥側(後方側)には、排気口カバー5が設けられている。排気口カバー5は、小さな貫通孔を無数に形成したパンチングメタル又は格子状の金属部材で構成されていて、全体に亘って通気性があり、通気抵抗が少ない。加熱調理器1の本体2の内部から放出される排気は、排気口カバー5を通過して加熱調理器1の外へ出る。
【0076】
加熱調理器1の本体2の前面には、本体2の内部に配置される加熱室6(図3参照)の前面開口部を開閉するドア(加熱扉)7が設けられている。ドア7には、これを開閉するための取手8が設けられている。
【0077】
(2.加熱調理器の詳細構成)
次に、前記加熱調理器1の具体的な構成について、図3図6を参照しながら説明する。
図3について説明する。図3(A)は、加熱調理器1の平面図である。図3(B)は、加熱調理器1の正面図である。
この図3では、図2で説明したキッチン家具400は図示していない。加熱調理器1は、上部に調理台を備えたキッチン家具(厨房家具)400に組み込まれて使用されるビルトイン型(組込み型)のIHクッキングヒーターである。
加熱調理器1は、本体2と、本体2の上に設置されたトッププレート3とを有する。
トッププレート3は、キッチン家具400の天面を構成するキッチン天板の上に露出している。
【0078】
トッププレート3は、例えば、耐熱性の結晶化ガラス板と、そのガラス板を周囲から囲むように取り付けられた金属の枠体とにより構成される。トッププレート3の上面には、前記左加熱口4Lと、右加熱口4Rと、中央加熱口4Cの、3つの加熱口4が設けられている。
【0079】
以下の説明では、「加熱部」という場合、次に説明する「上面加熱部」と後述する加熱室6の両方を含む。参照符号は、HPを用いる。
加熱部HPの1種である「上面加熱部」という場合、前記左加熱口4Lと、右加熱口4Rと、中央加熱口4Cの、全部又はその一部をいうものである。なお、参照符号は、UHを用いる。
前述したようにトッププレート3の上面を「第1の場所」と定義すれば、この第1の場所に置いた被加熱物N(図示していないが、磁性金属製の鍋、フライパン等)を加熱するため、前記第1の加熱手段HM1は、誘導加熱手段が使用される構成である。そして、前記上面加熱部UHは、前記第1の加熱手段HM1によって加熱動作が実行される場所である。なお、上面加熱部UHの加熱手段は、1種類(例えば、誘導加熱)の加熱手段で統一する必要はなく、加熱原理の異なる複数の加熱手段で加熱動作するものであっても良い。例えば、誘導加熱源と輻射熱を発する電気加熱源を併用しても良い。
【0080】
統合表示部15には、前記した3つの加熱口4L、4C、4R毎に割り当てられた個別表示エリア15L、15M、15Rが、当該加熱口の配置と同じ配置で並んでいるが、ここでいう「同じ配置」とは、左右方向における位置関係をいうものであり、前後関係を含めた位置関係が同じであるという意味ではない。例えば、中央加熱口4Cは、その中心点が前記左加熱口4Lと右加熱口4Rの各中心を結ぶ直線上にはなく、後方に少し偏倚(偏った)位置にあるが、このような配置であっても、上述した「同じ配置」と定義している。
【0081】
個別表示エリア15L、15M、15Rは、その位置に対応して、左(表示)エリア15L、中央(表示)エリア15M、右(表示)エリア15Rと呼ぶ場合がある。なお、以下の説明では、2つ以上の加熱口や1つの加熱口と加熱室6の両方の情報を表示できる場合を、統合表示部と呼んでいるが、この統合表示部に代えて個々の加熱口や加熱室に専用の表示部としても良い。
【0082】
左加熱口4Lと右加熱口4Rと中央加熱口4Cは、鍋またはフライパンなどの金属製調理容器(被加熱物N)が載置されて加熱される場所である。前記トッププレート3の上面には、前記左加熱口4Lと右加熱口4Rと中央加熱口4Cにそれぞれ対応して、前記被加熱物を載置する位置の目安となる案内マーク(図示せず)が、印刷で描かれている。
【0083】
加熱調理器1を上方から見た場合、トッププレート3の左右中心部を貫通する前後方向の中心線CL(図6参照)の真上に、前記中央加熱口4CのIHコイル9Cが配置されている。
前記中心線CLの上には、更に中央火力表示部16Mと、統合表示部15と、中央操作部17が、それぞれ一直線上に並ぶように配置されている。
図3(B)において、7は、本体2の内部に形成されている加熱室6(図示せず)の前方開口部を開閉自在に覆うドア7である。このドア7の上端部には取手8が設けてある。ドア7の中央部には、透明な耐熱性ガラスと、マイクロ波遮蔽用の無数の貫通孔が形成された金属遮蔽板(図示せず)とで覆われた、覗き窓7Wが形成されている。
【0084】
前記統合表示部15は、横に長い液晶表示画面を有している。前記左火力表示部16L、中央火力表示部16M及び右火力表示部17Rは、それぞれ複数個の発光素子(LED等)によって火力レベルを表示するものであり、表示画面は備えていない。詳しくは後で説明する。
【0085】
次に、図4について説明する。図4は、図3におけるX-X線における縦断面図である。
19Sは、本体2の内部空間を、上下2つに仕切る金属製の仕切板である。この仕切板19Sよりも上方にあるのが、第1の加熱手段HM1の(第1の)設置空間19Aである。また、仕切板19Sより下方にあり、加熱室6等を収容しているのが(第2の)設置空間19Bである。
【0086】
設置空間19Aには、3つの前記加熱口4L、4R、4Cに対応した(直下の)位置に、前記IHコイル9(9C、9L、9R)が収容されている。
つまり、右加熱口4Rの下方には右誘導加熱手段としての右IHコイル9Rが、また、中央加熱口4Cの下方には中央誘導加熱手段としての中央IHコイル9Cが、それぞれ設けられている。左加熱口4Lの下方には、左誘導加熱手段としての左IHコイル9Lが設置されている。
【0087】
前記IHコイル9C、9L、9Rと、それらの駆動回路(インバーター回路等の高周波電源供給回路をいう。図示していない)を含めて、以下の説明では、特に矛盾が起こらない限り、第1の加熱手段HM1と呼ぶ。
【0088】
IHコイル9C、9L、9Rの近傍にはトッププレート3や調理容器(被加熱物N)の温度を検知するために、複数個の温度センサー(図示せず)からなる温度センサー群30(図5参照)が搭載されている。温度センサー群を構成する温度センサー30A(図示せず)の1つには、サーミスタのような接触式の温度センサーが使用されている。また、他の温度センサー30B(図示せず)には、赤外線センサーのような非接触温度センサーが使用されている。
【0089】
本体2の内部の設置空間19Bにある加熱室6は、周囲がステンレス等の金属壁で構成されており、この加熱室6内に収容される被調理物(食品、食材)を加熱するための空間である。
【0090】
前記被調理物は、耐熱性プラスチック容器や磁器製、耐熱ガラス製の皿に載せられ、又は容器の中に入れられて加熱室6に置かれる場合があり、その場合、それら皿や容器は「被加熱容器」と呼ぶ場合がある。但し、それら容器は前記IHコイル9C、9L、9Rでは誘導加熱されないので、仮にトッププレート3の加熱口4に置いても、前記IHコイル9C、9L、9Rの「被加熱物」Nとは呼ばない。
【0091】
前記加熱室6の前面には、被調理物を出し入れするための横長(長方形)の開口(図示せず)が形成されている。加熱室6の前面にある前記開口は、前記ドア7により開閉自在に覆われている。ドア7は、本体2によってヒンジおよびアーム(図示せず)を介して回動自在に支持されている。これにより、ドア7は、その下端部を支点(回動中心)として前方に水平位置まで開く構成となっている。なお、ドア7は、スライドレール(図示せず)によって、被加熱容器を下方から支持する支持部材(棚等の構造物をいう。図示せず)と一体的に前方へ引き出されてもよい。
【0092】
ドア7には、このドア7の開閉を検知するための開閉検知部10が設けられる。開閉検知部10は、例えばマイクロスイッチまたは赤外線センサーである。加熱室6の後方には、加熱室6内に収容される被調理物を加熱するマイクロ波発振器11が設けられている。このマイクロ波発振器11は、例えば、マグネトロンから構成されており、加熱室6内にマイクロ波を照射することで、加熱室の中に置かれた被調理物を加熱する、いわゆるレンジ加熱を行う。
【0093】
前記マイクロ波発振器11とその駆動回路(インバーター回路等の高周波電源供給回路をいう。図示せず)を含めた加熱手段は、第2の加熱手段HM2と呼ぶ場合がある。
【0094】
前記加熱室6には、被調理物を上下から加熱をする上側輻射熱加熱手段12a、及び下側輻射熱加熱手段12bが設けられている。上側輻射熱加熱手段12aは加熱室6の外側又は内側の天井壁面に、下側輻射熱加熱手段12bは加熱室6の内側又は外側壁面に配置されており、共に、シーズヒーターである。
【0095】
上側輻射熱加熱手段12aと下側輻射熱加熱手段12bは、シーズヒーター以外の他の種類の輻射熱加熱手段でも良い。例えば、マイカヒーターやカーボンヒーター等を加熱室6の外側に設置しても良い。図4では、上側輻射熱加熱手段12aと下側輻射熱加熱手段12bを、何れも加熱室6の外側壁面に密着するように設置した例を示している。
【0096】
前記上側輻射熱加熱手段12aと下側輻射熱加熱手段12b、及びそれらの駆動回路(図示せず)を含めた加熱手段は、第3の加熱手段HM3と呼ぶ場合がある。なお、上側輻射熱加熱手段12aと下側輻射熱加熱手段12bを総称して「輻射熱加熱手段」と呼ぶ場合があり、その場合の符号は「12」を使用する。
【0097】
前記加熱室6には、加熱室6内の被調理物の温度を非接触で検知するため、非接触式温度センサーとして、赤外線センサー13が設けられている。この赤外線センサー13によって検知される温度範囲は、例えば-20℃~100℃に設定される。これにより、被調理物の加熱度合を、例えば1℃刻みで精度良く、リアルタイムで検出することができる。この赤外線センサー13も、前記温度センサー群30(図5参照)の中の1つのセンサーを構成している。
【0098】
加熱室6には、加熱室6内部の雰囲気温度または加熱室6の壁面温度を検知する室内温度センサーである接触式温度センサー(例えば、サーミスタセンサー)14も設けられている。
【0099】
前記サーミスタセンサー14は、温度の変化を電気抵抗の変化で捉えて温度を検知するという特性から、検知できる温度の上限値は、250℃程度である。このサーミスタセンサー14も、温度センサー群30の中の1つのセンサーを構成している。なお、このサーミスタセンサー14は、図4に示したように加熱室6の底面近傍と天井面近傍の、2個所に設置しても良い。
【0100】
次に図5について説明する。
図5は、加熱調理器1の主要な機能を示した制御ブロック図である。
図5に示すように、加熱調理器1は、加熱調理器1の全体を統合制御する制御装置22を備える。
【0101】
前記制御装置22は、加熱調理器1を構成する各部の動作を制御する制御回路などの電子部品が実装された電子回路基板である。制御装置22は、中央操作部17と右操作部18を通じた入力信号、ならびにトッププレート3上の被加熱物の温度に基づき、左IHコイル9L、右IHコイル9R、中央IHコイル9Cの駆動条件を、それぞれ個別に制御する。
【0102】
前記制御装置22は、中央操作部17からの入力指令と、トッププレート3上の被加熱物の温度、および赤外線センサー13、サーミスタセンサー14の検出結果に基づき、中央IHコイル9C、マイクロ波加熱手段11、上側輻射熱加熱手段12a、下側輻射熱加熱手段12bの駆動条件を、それぞれ個別に制御する。
【0103】
また、制御装置22は、中央操作部17と右操作部18の入力指令に基いて、左火力表示部16L、中央火力表示部16M及び右火力表示部16Rにおいて、入力された火力値の表示を、それぞれ個別に行う。
【0104】
さらに、制御装置22は、開閉検知部10からのドア7の開放信号と閉鎖信号とに基づいて、統合表示部15において、ドア7の開放と閉鎖の状態を表示する。
【0105】
制御装置22は、加熱調理器1の制御に用いられる各種プログラムおよびパラメータ等のデータ(以下、これらを総称して「制御データ」と呼ぶ)と、統合表示部15及び各火力表示部16L、16M、16Rに表示される表示制御用データ(以下、「表示条件データ」と呼ぶ)とを、記憶する記憶装置21を有する。また、制御装置22は、音声報知部49を必要に応じて起動し、ユーザーに対して加熱調理器1の動作状況を音声で伝える。
【0106】
制御装置22は、後述する加熱制御部23の加熱調理制御に用いられる各種プログラムおよびパラメータ等の情報を、一定のフォーマットに纏めたデータを、前記記憶装置21のレシピデータ記憶部21Aに記憶させている。このデータが、前述したレシピデータCDである。後で説明するが、加熱調理器1では、連携調理モードKM1の実行のために、合計8つの調理メニュー(前記した「基本メニュー」)のそれぞれに対応したレシピデータCDが、最初から用意されている。前述した追加メニューも、このレシピデータ記憶部21Aに追加的に記憶させることができる。
【0107】
前記基本メニューに対応する前記設定情報(設定情報A、設定情報Bを含む)は、以下の説明では「設定情報X」と呼び、前記追加メニューに対応する前記設定情報は、「設定情報Y」と呼んで区別する場合がある。すなわち、ユーザーが通信端末200等から取得できた追加メニューに対応する前記設定情報Yは、レシピデータ記憶部21Aに記憶させることができる。このため、設定情報Yを取得すれば、それに応じてレシピデータ記憶部21Aの中に保有させておける設定情報Yの数が増える。つまり、調理に実施できる調理メニューの種類を増やすことができる。
【0108】
前記「追加メニュー」に係るレシピデータCDと前記「表示条件データ」とは、加熱調理器1が通信端末200等の外部機器から、個々の調理メニュー毎に、しかも複数の調理工程がある場合は、その調理工程毎に取得することができる。
【0109】
23は、加熱調理器1の全体の加熱動作を統合制御する加熱制御部であり、マイクロコンピュータを主体に構成されている。
24は、データ取得部であり、通信部25を介して、通信端末200やクラウドサーバー300から、前記レシピデータCDを取得することが可能である。また、前記通信部25を介して、通信端末200やクラウドサーバー300から、前記表示条件データを取得する場合もある。
【0110】
前記通信部25は、外部と無線で通信を行うものであり、図1図2に示したように、通信端末200と無線通信330(330BT)を行う機能を有している。または、ネットワークNWを介してクラウドサーバー300と無線通信する機能を有している。
前記通信部25は、後述するように少なくとも2つに通信方式に対応した第1通信部25A(図示せず)と第2通信部25B(図示せず)と、を有している。
第1通信部25Aは、通信端末200との間の通信方式が、Bluetooth(ブルートゥース)(登録商標)であるため、この通信方式に対応している。また、第2通信部25B(図示せず)は、無線ルーター201(図2参照)との間の通信方式が、WiFi(登録商標)等の無線LANによる通信方式を使用しているので、この通信方式に対応した機能を有している。
【0111】
26は、許可条件判定部であり、連携調理モードKM1や複合調理モードKM2による調理を許可するかどうかの判定処理を行う。
27は、電源回路であり、前記制御装置22に対して一定電圧の電力を供給する。20は、この電源回路27に挿入された主電源スイッチであり、ユーザーにより開閉される操作ボタン20Aを有している。
連携調理モードKM1に関する前記レシピデータCDについては、後述するように調理工程1を設定する第1部分M1を受信する段階で、前記許可条件判定部26が調理の許可を判定し、その段階で許可されない場合には、調理工程1が実行できず、また調理工程2の第2部分M2の取得工程には進まない。
【0112】
28は、前記レシピデータCDの取得を制限する制限部である。
制限部28は、前記連携調理モードKM1の調理を開始する前の待機期間中(つまり、後述する「調理工程1」の前)に、前記データ取得部24が前記通信部25を介して前記レシピデータCDの取得を制限する機能を有する。
【0113】
更に、前記制限部28は、外部から取得したレシピデータCDに基づいて、1つの調理メニューの調理工程が終了するまでの間、前記通信部25から新たなレシピデータCDを取得することを制限する機能を有する。
なお、制限部28は、制御装置22を構成するコンピュータ(図示せず)の1つの制御プログラムで実現されても良く、制御装置22とハードウエア上で別に構成されることは、必ずしも必須ではない。
【0114】
図5に示しているように、前記右操作部18には、音声入力モードの選択用入力キー29を有している。
31は、前記音声入力モードが選択されている期間中、ユーザーが発する音声をマイク(図示せず)で受けて所定の音声信号に変換する音声信号受信部である。
【0115】
一方、制御装置22には、前記音声信号受信部31からの音声信号を受けて、音声の内容を解析する音声信号解析部32を備えている。音声信号解析部32は、記憶装置21の中にある音声データベースの情報と比較し、音声信号受信部31で受信した音声の内容を解析し、加熱制御部23に解析結果を伝達する。
【0116】
33は、入力処理部である。この入力処理部33は、右操作部18の入力キー29からの入力信号を受けて、自身の入力受付モードを「音声入力モード1」に切り替える。また、入力信号解析部34を制御する。更に、音声信号解析部32からの解析結果を受けて、前記加熱制御部23に制御用データを送信する。
【0117】
図5において、35は、人感知センサーである。この人感知センサー35には、超音波又は赤外線信号を加熱調理器1の前方に放射して、その反射波を受信する受信部(図示せず)も有している。なお、前記受信部が受信した信号の処理専用回路は設けておらず、制御装置22によって受信信号が解析され、人がいるかどうかの判定が行われる。
人感知センサー35として赤外線センサーを用いた場合、加熱調理器1の前方方向に向けて前記赤外線センサーが設置され、加熱調理器1から所定範囲内に存在する熱源から放射される赤外線を検出する。つまり、赤外線は、赤外線センサー35側から放射しなくとも、ユーザーが発する赤外線を検知することができるので、制御装置22は、当該赤外線センサー(人感知センサー)35からの検知信号を受けて、ユーザーが所定範囲に居るかどうかを判定できる。なお、この人感知センサー35の人検知判定は、通常は一定時間(例えば、5秒間隔)で繰り返し行われるが、当該判定間隔は、連携調理モードKM1の場合には、後述する「加熱休止期間」では長く設定しても良い。
【0118】
図5に破線の枠で示しているように、前記音声報知部49と統合表示部15等を総称して「報知部」と呼ぶ場合があり、この場合は符号として、40を用いる。
前記中央火力表示部16Mは、左火力表示部16L及び右火力表示部16Rには、LED等から構成された多数の発光素子37A(図示せず)が配置されている。前記発光素子37Aは、発光色の異なる2つ以上の発光素子を規則的に配置しており、それら複数の発光素子の発光状態によって、ユーザーに対しては発光色が変化したような視覚効果がある。これについては、図9図12で説明する。
【0119】
前記入力信号解析部34は、中央操作部17と右操作部18から送信された、それぞれの入力信号を個別に解析する。従って、例えば前記入力キー29から、前記音声入力モード切替指令を受け付けたかどうかを判定する判別機能がある。そして、当該入力モード切替指令を受け付けたことを判別すると、入力モードを「タッチ入力モード」から「音声入力モード」に切り替えるための切替指令を発する。
【0120】
前記中央操作部17は、図6図7で詳しく説明するように、前方操作部17Fと、後方操作部17Bの2つの部分から構成されている。
図5に示しているように、この加熱調理器1の入力操作部36は、前記前方操作部17Fと、後方操作部17B及び右操作部18の、3つの操作部から構成されている。
37は、発光制御部であり、主電源投入表示部38を、主電源が投入されている期間中において下方から赤色光で照らして、電源投入の有無を表示する。また、火力表示部16(16L、16M、16R)と中央操作部17においても発光を制御する。
【0121】
39は、計時回路であり、加熱調理を開始した時点からの経過時間を計測し、1秒単位で計測結果を報知する機能を有している。なお、この計時回路は、制御装置22の一部を構成するマイクロコンピュータのソフトウエアによって実現しても良く、ハードウエア上で個別に構成された(専用の)時計回路でなくとも良い。
【0122】
次に図6について説明する。
図6は、加熱調理器1の統合表示部15、中央操作部17(後方操作部17B、前方操作部17F)及び右操作部18を拡大した平面図である。
加熱調理器1を上方から見た場合、トッププレート3の左右中心部を貫通する前後方向の中心線CLの真上に、前記中央加熱口4CのIHコイル9Cの中心が位置している。
前記中心線CLの真上に、前記中央加熱口4CのIHコイル9Cと、中央火力表示部16M、統合表示部15及び中央操作部17が、それぞれ(前後方向に)直線的に並ぶように配置されている。
前記中心線CLの真上に、中央操作部17Mが配置され、この中央操作部17Mを挟んで左右に左操作部17Lと右操作部17Rが配置されている。
【0123】
統合表示部15の右側近傍位置には、右火力表示部16Rが配置されている。
前方操作部17Fの前方端縁を真横に横切るような左右方向の基準線(直線)BLに沿って、その前方操作部17Fの右側に少し離れて右操作部18が配置されている。
右操作部18の最も右端部には、前記主電源スイッチ20の操作ボタン20Aが配置され、その左側近傍には、前記入力キー29が配置されている。
【0124】
前記統合表示部15は、ハードウエア上は1枚の液晶ディスプレイであるが、図6に示すように左側の第1表示エリア15L、左右中央の第2表示エリア15M及び右側の第3表示エリア15Rの3つの表示エリアを有し、これらの表示エリアごとに異なる表示を行うこともできる。
【0125】
また、3つの表示エリア15L、15M、15Rは、表示の場面に応じて適宜連携して1つの(広い面積の)表示エリアになり、1つ又は複数の目的の表示を行う場合もある。なお、以下の説明では、第1表示エリア15Lは、第1エリア(左エリア)15Lと呼ぶ。第2表示エリア15Mは、第2エリア(中央エリア)15Mと呼ぶ。第3表示エリア15Rは、第3エリア(右エリア)15Rと呼ぶ。
【0126】
前記第1~第3エリア15L、15M、15Rは、基本的には図6に示すように有効表示面積が同一となるように表示される。つまり、第1エリア15Lの横幅寸法W1と、第2エリア15Mの横幅寸法W2と、第3エリア15Rの横幅寸法W3の、3者は同一寸法である。
この実施の形態1では、前記第1~第3エリア15L、15M、15Rは、境界線15Sによって分割されているように図示しているが、実際の表示画面ではそのような境界線15Sを表示しなくとも良い。つまり、ユーザーが前記第1~第3エリア15L、15M、15Rの個々の(平面視での)範囲を厳密に視認できなくとも良い。
【0127】
前記第1エリア15Lは、基本的には左加熱口4Lで行う調理のために、各種制御情報やサブ調理モード等を表示する。
同様に、前記第3エリア15Rは、基本的には右加熱口4Rで行う調理のために、各種制御情報やサブ調理モード等を表示する。
第2エリア15Mは、基本的には中央加熱口4Cで行う調理と、前記加熱室6で行う調理のために、各種制御情報やサブ調理モードの情報等を表示する。但し、この第2エリア15Mでは、中央加熱口4Cで行う調理と、前記加熱室6で行う調理のための情報は、同時に表示することはない。加熱室6の加熱手段(第2の加熱手段HM2等)と、中央加熱口4Cの加熱手段であるIHコイル9Cは、排他的に使用されるように前記制御装置22によって統合的に制御される。
【0128】
左加熱口4Lで行う調理のための左操作部17Lは、左IHコイル9Lによる加熱調理の開始・停止操作をする左切入スイッチ41Lと、左IHコイル9Lによる制御条件(加熱調理時の火力や加熱時間等)を設定することができ、かつ、サブ調理モードを選択することができる、左右1対の左共用スイッチ42Lと、を備えている。
【0129】
右加熱口4Rで行う調理のための右操作部17Rは、右IHコイル9Rによる加熱調理の開始・停止操作をする右切入スイッチ41Rと、右IHコイル9Rによる制御条件(加熱調理時の火力や加熱時間等)を設定することができ、かつ、サブ調理モードを選択することができる、左右1対の右共用スイッチ42Rと、を備えている。
【0130】
加熱室6と中央加熱口4Cで行う調理のために共用される中央操作部17Mは、中央コイル9Cによる加熱調理の開始・停止操作をする中央切入スイッチ41Mと、中央IHコイル9Cによる制御条件(加熱調理時の火力や加熱時間等)を設定することができ、かつ、サブ調理モードを選択することができる、左右1対の中央共用スイッ チ42Mと、を備えている。
前記中央共用スイッチ42Mは、加熱室6の加熱手段(第2の加熱手段HM2と第3の加熱手段HM3)の制御条件(加熱調理時の火力や加熱時間等)を設定することができる。
【0131】
前記左切入スイッチ41L、中央切入スイッチ41M及び右切入スイッチ41Rは、以下の説明では、左切入キー41L、中央切入キー41M及び右切入キー41Rと呼ぶ。
また、これら左切入キー41L、中央切入キー41M及び右切入キー41Rの3者を総称して「選択部」と呼ぶ場合がある。その場合、参照符号は、SKを用いる。
【0132】

また、前記左共用スイッチ42L、中央共用スイッチ42M及び右共用スイッチ42Rは、以下の説明では、左共用キー42L、中央共用キー42M及び右共用キー42Rと呼ぶ。
更に、連携調理モードKM1において、1つの調理メニューを選択する場面では、左共用キー(42L)は、「左選択キー」(42L)と呼び、中央共用キー(42M)は、「中央選択キー」(42M)と呼び、更に右共用キー(42R)は、「右選択キー」(42Rと呼ぶ場合がある。
【0133】
図6に示しているように、左操作部17Lを構成する左切入キー41Lと、左共用キー42Lは、操作入力の対象である左IHコイル9Lとの対応関係が明確になるように、第1エリア15Lの横幅寸法W1の範囲内で、当該第1エリア15Lの前方の近傍位置に配置されている。
【0134】
同様に、右操作部17Rを構成する右切入キー41Rと、右共用キー42Rは、操作入力の対象である右IHコイル9Rとの対応関係が明確になるように、第3エリア15Rの横幅寸法W3の範囲内で、当該第3エリア15Rの前方の近傍位置に配置されている。
【0135】
更に、中央操作部17Mを構成する中央切入キー41Mと、中央共用キー42Mは、操作入力の対象である中央IHコイル9C及び加熱室6との対応関係が明確になるように、第2エリア15Mの横幅寸法W2の範囲内で、当該第2エリア15Mの前方の近傍位置に配置されている。
【0136】
前記右操作部18は、手動操作を行うための各種スイッチ(入力キー)が配置されている。
43は、「タイマー操作部」に相当するタイマースイッチであり、ユーザーが設定した所望の時間経過後に、第1~第3の加熱手段HM1~HM3の何れかの加熱調理を自動的に停止させることができる。このため、例えば、加熱室6の加熱調理を設定時間経過時点で、自動停止させることができる。
44は、このタイマースイッチ43の設定時間の変更を行うための、設定キー(以下、「時間入力部」とも呼ぶ場合がある)であり、押圧操作やタッチ操作に応じて当該設定時間を長くすることができる設定キーと、逆に、押圧操作やタッチ操作に応じて前記設定時間を短くすることができる設定キーの、2つを有し、左右に隣接して配置している。
【0137】
45は、各種の機能設定を行うための機能設定キー(複数機能入力スイッチ)である。例えば、加熱調理器1全体の各種動作や表示等を、ユーザーの希望通りに設定できるようにするためのものである。なお、後述するタイマー機能(切タイマー機能など)を利用する場合には、この機能設定キーは、「スタートキー」と呼ぶ場合もある。
前記機能設定キー45を押すと、前記制御装置22は「機能設定モード」に切り替わり、統合表示部15の表示画面に以下のような「機能設定メニュー」を表示する。
(1)チャイルドロック設定(各種入力キーの操作無効化設定)。
(2)換気装置の連動モード設定(加熱調理器1の動作に連動して換気装置運転)。
(3)お掃除ガイド設定(加熱室6と排気口カバー5の清掃時期自動報知機能設定)。
(4)ピークカット設定(最大消費電力を、5700W、5000W、4800W及び4000Wの4段階から1つ選択)。
(5)音声ガイドの音声設定。
(6)音声ガイドの音量設定。
(7)加熱室6からの被調理物、調理器具等の出し忘れを防止する設定(音声報知部49と統合表示部15における警報の要否)。
(8)HEMS登録設定(家庭用電力制御装置による電力使用制限機能に関する設定)。
(9)タイマー調理の時間単位(1分単位設定を、5分や30分単位等へ変更)設定。
(10)初心者モードと通常(習熟者)モードの切り替え。
(11)連携調理モードKM1の各調理メニュー(例えば、「ハンバーグ」)の表示優先度(デフォルト表示にすべき具体的な調理メニュー)の設定。
(12)複合調理モードKM2の各制御メニュー(例えば、「レンジグリル」、「葉菜下ゆで」)の表示優先度(デフォルト表示にすべき具体的な制御メニュー)の設定。
(13)主電源スイッチ20の「ON」の後、加熱室6のドア7が開けられた場合、自動的に統合表示部15に表示する調理モードの設定(連携調理モードKM1と複合調理モードKM2の2者の間の、表示優先度など)。
(14)タイマー機能(切タイマー機能)を利用する場合に外部へ設定時間情報を報知する「外部報知モード」の設定
【0138】
FGは、ユーザーの指先を示している。
図6に示したように、ユーザーは、例えば右加熱口4Rを使用したい場合には、右操作部17Rの範囲で入力操作を行い、また、右加熱口4Rの調理に関する制御条件やサブ調理モードの入力結果や、加熱調理の進捗状況等は、基本的に第3エリア15Rに表示される情報によって、リアルタイムで知ることができる。
【0139】
前述した6つ(1対ずつ3組)の共用キー42L、42M、42Rと、3組の切入キー41L、41M、41Rは、押しボタン式の入力キー(スイッチ)でも良いし、ユーザーが指先FGで軽く触れた時の静電容量の変化を利用して入力できる静電容量方式等の、タッチ式キーで構成しても良い。
【0140】
図6において、70は、右操作部18に設けた連携調理モード選択スイッチ(キー)であり、1回押すと連携調理モードKM1を選択できる。なお、以下の説明では、単に「選択キー」70と呼ぶ。この選択キーを押した場合、記憶装置41に格納された連携調理モードの調理メニュー(「連携調理メニュー」)が呼び出され、当該連携調理メニューは、例えば中央エリア15Mに一定のルールで順次1つずつ表示が入れ替わる形態で表示される。また、連携調理メニューの種類と調理工程については、図27で説明する。
【0141】
次に図7について説明する。
図7は、統合表示部15と中央操作部17(後方操作部17B・前方操作部17F)を拡大した平面図である。
統合表示部15の前方側に、後方操作部17Bが配置され、この後方操作部17Bよりも更に前方に隣接して前方操作部17Fが配置されている。
【0142】
統合表示部15は、加熱調理器1全体の情報および警報情報を表示するものであり、液晶ディスプレイにより構成される。
図7に示しているように、統合表示部15の表示画面の内、第1エリア15Lには、誘導加熱手段(第1の加熱手段)HM1を使用した左加熱口4Lを使用時に、ユーザーが設定した誘導加熱火力値が、1~9までの9段階で表示される。48は、その火力表示部である。これは、火力値そのものや火力レベルの大小を表示する部分である。
63は、ユーザーが設定した加熱時間の「残り時間」を示す残存時間表示部である。この図7では、火力は第7段階(例えば、2500W)であり、残存時間は7分間であることが分かる。
【0143】
図7に示しているように、統合表示部15の第2エリア15Mには、マイクロ波加熱手段(第2の加熱手段)HM2及び輻射熱加熱手段(第3の加熱手段)HM3の、少なくとも何れか一方を使用したサブ調理モードの識別情報46を表示することができる。この識別情報は、「識別情報B」と呼ぶ場合がある。
更に、第2エリア15Mには、第1の加熱手段HM1の内、中央加熱口4Cに対応した中央IHコイル9Cを使用した加熱調理の情報も表示することができる。47は、その中央IHコイル9Cを使用した調理(単独調理モードKM3)を示す加熱源表示部である。
【0144】
46は、第1エリア15Lや第2エリア15M、第3エリア15Rの中の、所定の位置、すなわち、前後方向の中央部において、1つずつ表示されるサブ調理モードの識別情報(識別情報B)である。図7では、加熱室6を使用した調理の1種である「姿焼き」というサブ調理モードを特定するための、名称や略称、記号等の識別情報46が、表示されている。但し、図7に示した右エリア15Rのように、「揚げ物」という1つのサブ調理モードの調理の開始が、右切入りキー41Rで決定された場合には、識別情報46の表示位置は、後方に変化する。
【0145】
1つのサブ調理モードを選択した後の段階では、1つの表示エリア(例えば、第1エリア15L)には、選択した1つの識別情報46だけが表示され、後述する識別情報46Aと同時に表示されることはなくなる(識別情報46Aの表示は消える)。
【0146】
3つの前記エリア15L、15M、15Rには、加熱手段(第1の加熱手段HM1~第3の加熱手段HM3)の選択を取り消すための、取り消し表示部46Cも、それぞれ表示される場合がある。なお、前記加熱源表示部47が「中央IH」と表示している位置、すなわち、第2エリア15Mの前後方向の中央部に表示された情報で特定されるサブ調理モードや加熱手段が、選択される。つまり、図7に示した状態では、中央IHコイル9Cを使用した加熱調理を選択する状態であることが分かる。
【0147】
図7に示しているように、統合表示部15の第3エリア15Rには、第1の加熱手段HM1の右加熱口4Rに対応した、右IHコイル9Rを使用した加熱調理の情報を表示することができる。
46Aは、その右IHコイル9Rを使用した(単独調理モードKM3に属した)サブ調理モードの内、次の候補を特定するための、名称や略称、記号等の固有の識別情報である。この図7の例では、サブ調理モードの候補を示す識別情報46Aは、「揚げ物」である。サブ調理モードの識別情報46Aは、3つの前記エリア15L、15M、15Rの前後方向の中央部に表示された時点で、サブ調理モード表示部46と呼称が変化する。
【0148】
以上の説明から分かるように、前記識別情報46(識別情報B)は、右エリア15Rや左エリア15L、中央エリア15Mの、それぞれに中央部に1つずつ表示される。
そして、1つの識別情報46が、共用キー42L、42M、42Rの入力操作によって、3つの前記エリア15L、15M、15Rの前後方向の中央部に表示されている時点で、その識別情報46の調理モードを、実行すべき調理モードに決定することができる。その決定は、3つの切入りキー41L、41M、41Rによって行う。
【0149】
50は、設定温度表示部である。この設定温度表示部50の1つの例は、ユーザーが設定した予熱工程の目標加熱温度を示すものである。この図7では、180℃で「揚げ物」を行う状態であることが分かる。フライパンや天ぷら鍋等の被加熱物の底面が、180℃になると予熱完了となる。
【0150】
前述した後方操作部17Bには、6つ(1対ずつ3組)の左共用キー42L、42M、42Rが配置されている。第1エリア15Lに対応した(左右)1組の左共用キー42Lは、制御条件(火力や温度、加熱時間等)の設定に使用される。
例えば、右側の左共用キー42Lを1回押すたびに、設定火力が1段階ずつ上位火力になる。逆に左の左共用キー42Lを1回押すたびに、設定火力が1段階ずつ下位の火力になる。言い換えると、これら1対の左共用キー42Lは、アップダウンキーであるため、第1エリア15Lに表示された火力レベルや加熱時間、温度等のパラメータを、一定の順番で第1エリア15Lに表示させることができる。また、複数のサブ調理モード(図17で詳しく説明する)も、一定の順序で1つずつ第1エリア15Lの前後方向中央部へ表示させることができる機能を有している。
【0151】
第2エリア15Mに対応した(左右)1組の中央共用キー42Mと、第3エリア15Rに対応した(左右)1組の右共用キー42Rについても、前記左共用キー42Lと同様に、アップダウンキーである。このため、制御条件(火力や温度、加熱時間等)の設定に使用されるし、前記サブ調理モードの選択にも使用される。
前述した3組の切入キー41L、41M、41Rは、それぞれ前記左操作部17L、中央操作部17M及び右操作部17Rの前方側近傍に配置されている。
【0152】
前述した3組の切入キー41L、41M、41Rは、各加熱手段を選択した状態(ON状態)と、各加熱手段を選択していない状態(OFF状態)とを、それら切入キー41L、41M、41R自体を見て識別できるように、それぞれの切入キー41L、41M、41Rの、下方には発光ダイオード(LED)等の発光素子(図示せず)を配置している。それら発光素子は、図5で説明した発光制御部37によって発光動作が制御される。
【0153】
また、前述した3組の共用キー42L、42M、42Rについても、入力機能が有効である場合と、無効である場合を視覚的に認識できるように、それら各共用キー42L、42M、42Rの下方には発光素子(図示せず)を配置し、前記発光制御部37によって発光動作を制御するように構成しても良い。
【0154】
次に、図8について説明する。
図8は、中央操作部17の入力操作ステップを示す説明図である。なお、説明を簡略化するために、この図8では、統合表示部15は、第1エリア15Lと第3エリア15Rの2つの場合で説明する。
最初に主電源スイッチ20をONにすると、制御装置22は統合表示部15を起動する。最初のステップS1では、特定の調理モードを表示させない「待機時初期画面」を表示させることが基本である。しかしながら、この図8では説明の都合上、第1エリア15Lと第3エリア15Rには、1つのサブ調理モードとしてデフォルト表示に指定してある「保温」のサブ調理モードの識別情報46を表示した例で説明する。
【0155】
次のステップS2では、ユーザーが右加熱口4Rを使用することを意図した場合、右加熱口4Rに対応した第3エリア15Rに表示されている前記「保温」のサブ調理モードを、右共用キー42Rで変更できる。右加熱口4Rのサブ調理モードは、図17で説明するが、4つのサブ調理モードを有している。そして、左側にある右共用キー42Rを押すと、「保温」の次に規定されている「加熱」というサブ調理モードに変更できる。このように第3エリア15Rの表示内容が変更された状態が、ステップS3である。
【0156】
次に、ステップS3のように、第3エリア15Rの中央部に「加熱」というサブ調理モードの識別情報46を表示させたまま、右切入キー41Rを押すと(ステップS4)、右加熱口4Rの使用が確定し、当該識別情報46に対応している特定の調理モードの選択も確定する。そして、加熱動作の開始が確定する。
この場合の加熱動作は、誘導加熱動作であるが、デフォルト設定された所定の火力、例えば、火力6(例えば、2000W)で誘導加熱が開始される。
当該加熱動作開始から一定時間内は、火力値の変更が可能であるので、ユーザーは、右共用キー42Rを押せば、デフォルト火力を上げることも、逆に下げることもできる(ステップS6)。
【0157】
次に、図9について説明する。
図9は、統合表示部15、中央操作部(後方操作部・前方操作部)17、右操作部18及び右火力表示部16Rの、表示状態と入力操作とを示す説明図1である。
この図9は、図8のステップS5の段階で加熱動作を開始した直後の状態を示している。
【0158】
図9において、53Rは、制御条件が変更可能であることを示す変更マークであり、第1エリア15Lと第2エリア15Mでも表示される場合があり、その場合の符号は、53Lと53Mを用いる。
この図9では、右加熱口4Rでの誘導加熱の火力レベルが(9段階の内の)「第6段階」であることを示している。この状態で前記変更マーク53Rが表示されている場合、図9に示すように1対の右共用キー42Rの内、右にある共用キー42Rを押すと、1段階上の火力7に変更でき、逆に左にある共用キー42Rを1回押すと、1段階下の火力5に変更できる。2回押すと2段階火力を上げること又は逆に下げることができる。
【0159】
前記3つの火力表示部16L、16M、16Rの火力表示は、一列状態に並べたLED等の発光素子16REで行う構成になっている。
右火力表示部16Rは、この図9に示すように少なくとも9組(18個)並んだ発光素子16REの発光有無とその発光色によって火力の大きさが9段階に表示される。
例えば、それぞれの発光素子は、青色発光のLED1個と赤色発光のLED1個の計2個を1組に並べられ、それらが合計9組配置されている。
そのため、例えば、火力6は、赤色に発光する6つの発光素子16REによる発光域55と、青色に発光した3つの発光素子16REのグループ(集合体)による発光域56によって表示される。ユーザーから見た場合、赤色発光部が6個並んで表示されることで、火力6であることが容易に分かる。前記発光素子16REは、前記発光制御部37によって発光動作が制御される。
【0160】
更に、左火力表示部16Lには、同様に2色(赤、青)発光する、9組(18個)の発光素子16LE(図示せず)の発光有無とその発光色によって火力の大きさが9段階に表示される。
更に、中央火力表示部16Mは、直線的に並んだ5組の発光素子16ME(5組の赤色発光素子5個と青色発光素子5個)(図18図19参照)の発光有無と、その発光色によって火力の大きさが5段階(火力5段階:1500Wまで)に表示される。前記発光素子16ME、16LE(図示せず)は、前記発光制御部37によって発光動作が制御される。
【0161】
次に、図10について説明する。
図10は、統合表示部15、中央操作部(後方操作部・前方操作部)17、右操作部18及び右火力表示部16Rの、表示状態と入力操作とを示す説明図2である。
この図10(A)では、図9に示した加熱動作を開始した直後の状態を示し、図10(B)では、加熱動作を停止させた直後の状態を示している。
【0162】
火力レベル6で右加熱口4Rにおいて誘導加熱を行っている段階は、図10(A)に示す通りであり、右火力表示部16Rでは「火力6」を表示している。
この段階で、右切入キー41Rを押すと、右IHコイル9Rに駆動は停止し、誘導加熱動作が即時停止する。そして、第3エリア15Rには、トッププレート3の温度が高温、例えば50℃以上である場合には、高温注意表示情報54が表示される。そして、50℃未満に温度が下がるまでその注意表示が継続する。
【0163】
次に、図11について説明する。
図11は、統合表示部15、中央操作部(後方操作部・前方操作部)17、右操作部18及び右火力表示部16Rの、表示状態と入力操作とを示す説明図3である。
図11(A)に示すようにサブ調理モードとして「加熱」の識別情報(サブ調理モード表示部)46を、右共用キー42Rで選択した状態から、図8のステップS4で説明したように右切入キー41Rを押さずに、左側の右共用キー42Rを押した場合について説明する。
この場合は、図11(B)に示すように第3エリア15Rには、前記「加熱」の識別情報(サブ調理モード表示部)46に代わり、「揚げ物」の識別情報(サブ調理モード表示部)46が表示される。
右火力表示部16Rは、まだ加熱動作開始前であるので、火力表示を行っていない。青色に発光した9つの発光素子16REのグループ(集合体)による発光域56によって、加熱開始指令を待っている「スタンバイ状態」であることを表示している。
【0164】
次に、図12について説明する。
図12は、右火力表示部16Rにおける表示動作の変遷を示した拡大説明図である。左火力表示部16Lにおける表示動作も同じである。
右火力表示部16Rと左火力表示部16Lは、火力の大きさを最大9段階で表示できるが、図12に示すように予熱工程の進捗度合いも段階的に表示できる。以下、右火力表示部16Rに限定して、予熱工程の進捗度合いの表示動作を説明する。
【0165】
図12に示すように、予熱工程の進捗は、予熱工程1~予熱完了の5段階で表示できる。当該進捗度合いは、被加熱物の温度上昇を制御装置22が検知して、その温度上昇に伴って予熱工程1~予熱完了までの段階であると判定する。
【0166】
予熱工程が開始されると、右火力表示部16Rには図12のように予熱工程の進捗が、発光素子16REの点灯によって表示される。右加熱口4RのIHコイル9Rの火力は、ここでは表示されない。予熱時の火力は、加熱制御部23によって自動的に決定される。
【0167】
図12に示すように、予熱段階1では、赤色に発光する1つの発光素子16REによる発光域55と、青色に発光した3つの発光素子群16REによる発光域56とによって、予熱の進捗度合いが表示される。
予熱段階2は、赤色に発光する1つの発光素子16REと、それと隣接した1つの発光素子が青色に発光することにより、紫色の発光域57が初めて出現する。
この紫色の発光域57は、予熱段階3、予熱段階4と進むに伴って段階的に右横方向に増える。そして、予熱完了段階では、紫色の発光域57だけが横に長く帯状に現れた状態となり、予熱工程の完了を表示する。
以上のように、紫色の発光域57の変化、大きさによって、ユーザーは予熱動作の進捗を知ることができる。
【0168】
次に、図13について説明する。
図13は、統合表示部15、中央操作部(後方操作部・前方操作部)17、右操作部18及び右火力表示部16Rの、表示状態と入力操作とを示す説明図4である。
サブ調理モードとして「揚げ物」を選択した図11(B)の状態から、右切入キー41Rを操作すると、この図13に示すように加熱動作を開始する場面に進む。揚げ物の設定温度は180℃で加熱動作が開始される。
右火力表示部16Rは、赤色の表示領域55と、青色の表示領域56の表示になる。
50は、図7で説明した設定温度表示部である。この図13では。設定温度が180℃であることを示している。
【0169】
次に、図14について説明する。
図14は、統合表示部15、中央操作部(後方操作部・前方操作部)17、右操作部18及び右火力表示部16Rの、表示状態と入力操作とを示す説明図5である。
サブ調理モードとして「揚げ物」を選択し、加熱動作開始した図13に示す状態から、1対の右共用キー42Rの1つ(右側)を操作すると、この図14に示すように、前記設定温度の「180℃」を「190℃」に上げる場面に変化する。このように、揚げ物の設定温度は加熱動作を開始した後で、一定の範囲(例えば、140℃~200℃の範囲)で、10℃刻みで設定できる。1対の右共用キー42Rの1つを操作する都度、10℃ずつ変更できるようになっている。
この場合でも、右火力表示部16Rは、図13に示した状態と変化はなく、赤色の表示領域55と、青色の表示領域56の表示が維持されたままになる。
【0170】
次に、図15について説明する。
図15は、統合表示部15、中央操作部(後方操作部・前方操作部)17、右操作部18及び右火力表示部16Rの、表示状態と入力操作とを示す説明図6である。
この図15は、右加熱口4Rを最初に選択し、かつ、サブ調理モードを選択する場面を示している。
第3エリア15Rには、図8のステップS3のように、1つのサブ調理モード「加熱」が表示されても、左側の右共用キー42Rを1回押すと、「保温」に変更できる。つまり、図15に示すように第3エリア15Rには、前記「加熱」の識別情報(サブ調理モード表示部)46に代わり、「保温」の識別情報(サブ調理モード表示部)46が表示される。この場合、右火力表示部16Rの表示内容は、図11に示した状態と変化はなく、青色の表示領域56だけの表示になる。従って、火力の大きさをこの右火力表示部16Rで確認することはできないし、また、その必要もない。なお、サブ調理モードが「保温」の場合は、右IHコイル9Rは、例えば最大火力が150Wに自動的に設定される。
【0171】
次に、図16について説明する。
図16は、統合表示部15、中央操作部(後方操作部・前方操作部)17、右操作部18及び右火力表示部16Rの、表示状態と入力操作とを示す説明図7である。
図15に示したサブ調理モードが「保温」の状態から、右側の右共用キー42Rを1回押すと、図16に示しているように、「取り消し」を選択できる入力場面に変更できる。つまり、図16に示すように第3エリア15Rには、前記「保温」の識別情報(サブ調理モード表示部)46に代わり、全てのサブ調理モードの設定を取り消すことを表示する取消表示部46Cが表示される。この場合、右火力表示部16Rの表示内容は、赤色の表示領域55も、青色の表示領域56もなく、起動前の状態に戻る。
【0172】
次に、図17について説明する。
図17は、中央操作部15によって選択できるサブ調理モードの種類全体を示した説明図である。第1エリア15Lと第3エリア15Rには、この図17に示しているように、4つの識別情報(サブ調理モード表示部)46と取消表示部46Cとが、正方向と逆方向の順番で順次表示される。
1対の前記右共用キー42Rの内、右側にある右共用キー42Rを押した場合、この図17の正方向R1に、順次サブ調理モードを選択できる。逆に、右共用キー42Rの内、左側の右共用キー42Rを押した場合、この図17の逆方向R2に順次サブ調理モードを選択できる。つまり、右共用キー42Rの内、左側の右共用キー42Rを押した場合、1回押す都度、サブ調理モードは「保温」から「加熱」に代わり、更に「揚げ物」、「焼き物」と変わり、更に1回押すと、取消表示部46Cが表示される(図16参照)。
【0173】
次に、図18について説明する。
図18は、中央加熱口4Cを使用する場合の統合表示部15と中央操作部(後方操作部・前方操作部)17の、表示状態と入力操作とを示す説明図1である。
図18(A)は、加熱室6を使用したサブ調理モードとして、「姿焼き」の識別情報(サブ調理モード表示部)46を第2エリア15Mの前後方向中央部に表示させた例である。
図18(B)は、中央IHコイル9Cを使用した調理(単独調理モードKM3)を示した加熱源表示部47を、第2エリア15Mの前後方向中央部に表示させた例である。
【0174】
図18(A)に示す状態において、1対の前記中央共用キー42Mの内、右側にある中央共用キー42Mを押した場合、この図18(A)の「姿焼き」の識別情報(サブ調理モード表示部)46は、中央加熱口4Cを選択できる加熱源表示部47の表示に変更される。逆に、1対の中央共用キー42Mの内、左側の中央共用キー42Mを押した場合、加熱室6を使用する「切り身」の識別情報(サブ調理モード表示部)46を、第2エリア15Mの中央部に表示させることができる。
【0175】
図18(B)に示す状態において、1対の前記中央共用キー42Mの内、右側にある中央共用キー42Mを押した場合、この図18(B)の第2エリア15Mの表示は、「中央IH」の加熱源表示部47が中央部に表示された表示内容に変更できる。つまり、中央IHコイル9Cを選択できる状態に変更できる。仮に、逆に、1対の中央共用キー42Mの内、左側の中央共用キー42Mを押した場合、図18(B)における加熱源表示部47の表示位置には、加熱室6を使用する「姿焼き」の識別情報(サブ調理モード表示部)46が表示される。
【0176】
第2エリア15Mの中央部に、「中央IH」の加熱源表示部47が表示されると同時に、中央火力表示部16Mには、直線的に並んだ5組の発光素子16ME(5組の赤色発光素子5個と青色発光素子5個)の内、青色の発光素子16MEが発光して、中央加熱口4Cの加熱動作開始に備えた状態となる。なお、このように青色の発光素子16MEが発光した時点では、まだ中央IHコイル9Cは実際の誘導加熱動作は開始していない。
【0177】
次に、図19について説明する。
図19は、中央加熱口4Cを使用する場合の、統合表示部15と中央火力表示部16Mにおける、表示状態と入力操作の状態を示す説明図であり、図18(B)の表示状態で加熱動作を開始した場合を示している。
【0178】
図18(B)の表示状態で、中央切入スイッチ41Mを図19に示したように押すと、中央IHコイル9Cによる加熱動作の開始が確定する。そして、第2エリア15Mには、制御条件の1つである火力の大きさが、デフォルト設定条件で最初に表示される。ここで、デフォルト設定条件は、例えば、「火力2」であり、500Wに設定されて誘導加熱が開始される。そのように火力表示部48に表示された火力で誘導加熱動作が開始される。
中央加熱表示部16においては、2つの発光素子16MEの発光により、赤色の表示領域55が表示され、また、3つの発光素子16MEは青色の表示領域56を表示する。これにより、赤色の表示領域55によって「火力2」の状態であることをユーザーが明瞭に認識できる。
【0179】
次に、図20について説明する。
図20(A)は、図18(B)の表示状態で、1対の中央共用キー42Mの内、左側の中央共用キー42Mを押した場合の状態を示す説明図である。統合表示部15と中央火力表示部16Mにおける、表示状態と入力操作の状態を示している。
この図20(A)に示したように、第2エリア15Mの中央部に表示されていた加熱源表示部47に代わり、加熱室6を使用する「姿焼き」の識別情報(サブ調理モード表示部)46が表示される。
【0180】
図20(A)の表示状態で、1対の中央共用キー42Mの内、左側の中央共用キー42Mを、更に1回押した場合は、図20(B)の状態に変化する。すなわち、図20(B)に示したように、第2エリア15Mの中央部に表示されていた「姿焼き」の識別情報(サブ調理モード表示部)46が後方位置に移動した形になり、第2エリア15Mの中央部には、「切り身」の識別情報46が表示される。
図20(A)(B)のような加熱室6を使用する調理は、中央加熱口4Cを使用する調理と同時に選択することはできない。すなわち、加熱室6を使用する調理と、中央加熱口4Cを使用する調理とは、互いに排他的関係にあり、それらの何れか一方しか選択できない。
【0181】
次に、図21について説明する。
図21(A)は、加熱室6を使用したサブ調理モードの、加熱動作開始のための入力操作を示す説明図である。具体的には、第2エリア15Mの中に適宜タイミングで現れる補助表示部60の表示動作の変化を示す模式図である。
前記補助表示部60は、加熱動作が開始された以降の、火力レベルの大きさや、設定温度の高低等を表示するものである。
図21(A)に示すように、加熱室6における火力の大きさは、5段階の棒グラフ形態で表示される。赤色表示部61の位置が右方向に表示されるに伴って、火力1~火力5まで順次火力値が大きいことを示す。なお、ここでいう火力とは、上側輻射熱加熱手段12aと、下側輻射熱加熱手段12bとの駆動条件をいう。つまり、第3の加熱手段HM3の加熱能力をいい、マイクロ波加熱手段11(第2の加熱手段HM2)のマイクロ波出力を表示するものではない。
また、設定温度の高低は、赤色表示部61の位置が右方向に表示されるに伴って、高い温度に設定されていることを示す。
【0182】
図21(B)は、加熱室6を使用したサブ調理モードとして、「切り身」の調理を開始する場面を示したものである。
図20(B)に示した状態で、中央切入スイッチ41Mを図21(B)に示したように押すと、加熱室6の第3の加熱手段HM3による加熱動作が確定する。
そして、第2エリア15Mの表示は、この図21(B)に示したように、後方位置に「切り身」の識別情報(サブ調理モード)を示すために、サブ調理モード表示部46が表示される。
53Mは、前記変更マーク53R(図13参照)と同様な変更マークであり、第2エリア15Mの調理に関して、制御条件が変更可能であることを示すものである。
【0183】
62は、図21(B)に示したように、1つのサブ調理モードの調理が確定した場合、当該サブ調理モードの加熱条件を特定の用語で示す加熱強度情報である。この図21(B)に示した「切り身」の識別情報(サブ調理モード)では、加熱強度情報は例えば5種類あり、加熱強度の弱い方から順に、「弱め」、「やや弱め」、「標準」、「やや強め」、「強め」の表示が使用される。なお、加熱強度情報は、これ以外でも良く、例えば3種類又は6種類以上であっても良い。例えば、3種類の場合の加熱強度は、例えば、「弱め」、「標準」、「強め」の表示を使用すれば良い。
【0184】
図22は、加熱室6を使用した1つのサブ調理モード(切り身)の場合の、火力の入力操作を示す説明図である。
図21(B)の状態は、加熱強度が「標準」であるので、まだ加熱強度を上げることも、逆に下げることも可能である。そのため、変更マーク53Mは、前記加熱強度情報62の左右両側に、それぞれ表示されていた。
ユーザーが、図21(B)の加熱強度「標準」から、更に加熱強度を上げた場合の例が、図22である。1対の中央共用キー42Mの内、右側の中央共用キー42Mを図22に示すように押せば、加熱強度情報62を「標準」から「強め」へ変更することができる。
この図22の状態では、更に加熱強度を上げることは不可能であるので、変形マーク53Mは、加熱強度情報62の左側だけに表示される。
【0185】
図23について説明する
図20(B)に示した「切り身」のサブ調理モードの状態で、1対の中央共用キー42Mの内、右側の中央共用キー42Mを1回押せば、「切り身」を「グリル」に変更できる。更に、右側の中央共用キー42Mを1回押せば、「グリル」を「オーブン」に変更できる。 図23(A)に示した状態で、中央切入スイッチ41Mを押すと、加熱室6の第3の加熱手段HM3による、オーブン加熱のサブ調理モードによる加熱動作が確定する。
そして、第2エリア15Mの表示は、この図23(B)に示したように、後方位置にはサブ調理モード「オーブン」を示すために、加熱源表示部47が表示される。
【0186】
50は、設定温度表示部である。この設定温度表示部50の1つの例は、ユーザーが設定したオーブン予熱工程の目標加熱温度が「180℃」であることを示すものである。
つまり、この23(B)の状態では、180℃で「オーブン」を行う状態であることが分かる。加熱室6は、加熱制御部23(図5参照)と温度センサー群30とにより、加熱室6の内部の雰囲気温度が、180℃になるまで第3の加熱制御手段HM3により一気に加熱される。そして180℃になった段階で、予熱完了となる。なお、予熱が完了すると、報知手段40の音声報知部49や統合表示部15によって報知される。そして、その設定温度(例:180℃)を維持するために、一定の時間だけ第3の加熱制御手段HM3の通電が加熱制御部23によって自動的に制御される。
【0187】
図24について説明する
図24(B)に示したサブ調理モードの状態で、1対の中央共用キー42Mの内、左側の中央共用キー42Mを1回押せば、前記した設定温度(180℃)を下げることができる。1回中央共用キー42Mを押す都度、10℃だけ温度を下げることができる。図24(A)は、このようにして170℃に変更した場面を示している。なお、図23(B)と図24の何れの状態でも、前記変更マーク53Mは、前記設定温度表示部50の左右両側に、それぞれ表示されているので、設定温度を上げることも、逆に下げることも可能である。
【0188】
図25について説明する
図25は、加熱調理器1の、中央操作部17によって選択できる加熱室6を使用したサブ調理モードの種類全体を示した説明図である。
この図25から明らかなように、サブ調理モードは、全部で5つある。すなわち、「中央IH」、「姿焼き」、「切り身」、「グリル」及び「オーブン」である。これら5つのサブ調理モードを識別できるように前記サブ調理モード表示部46が、前記第2エリア15Mに表示される。
また、この図25に示したように、1つの取消表示部46Cと、前記サブ調理モード表示部46及び加熱源表示部47は、正方向R1と逆方向R2の順番で、前記第2エリア15Mの範囲に順次表示される。
【0189】
次に、図26について説明する。
図26は、加熱調理器1の起動時の動作を示すフローチャート1である。
図8で説明したように、最初に右操作部18の右端部にある主電源スイッチ20の操作用ボタン(キー)20Aを(一定時間以上継続して)押し続けると、主電源スイッチ20が閉じられて電源回路27に商用電源が印加される。なお、電源回路27がONの状態において、再び操作用ボタン20Aを、例えば数秒間押し続けることにより、電源回路27はOFFとなる。
【0190】
図26に示した動作は、制御装置22の基本動作プログラムに規定されている。
最初に、前記主電源スイッチ20の操作ボタン20Aが押された場合(ST1)、電源回路27に商用電源を印加する。
次のステップST2では、加熱制御部23が、異常の有無を判定(以下、「初期自己チェック」という)する。また、このステップST2の段階で、前記通信端末200又はクラウドサーバー300に対して、加熱調理器1から起動情報を送信するような設定になっていた場合、この段階で通信部25から起動情報(運転状態データ)を無線で送信する。なお、前記初期自己チェックの結果、異常があった場合には、異常検知の情報が起動情報に含めて外部へ送信される場合がある。
【0191】
次のステップST3では、前記初期自己チェックの結果、異常がない場合には、統合表示部15を起動する。統合表示部15では、第1エリア15L~第3エリア15Rまでの全ての表示画面が同時に起動され、それら第1エリア15L~第3エリア15Rの表示画面は、「待機時初期画面」になる。ここでいう待機時初期画面には、「調理を開始できること」や「使用上の注意事項」等を表示した案内画面のことであり、前記第1エリア15L~第3エリア15Rの個々に表示しても良いが、3つの表示エリアを1つに結合させて広い表示エリアにしたまま、注意事項等を表示しても良い。なお、この段階で、加熱制御部23は、この加熱調理器1の総電力消費量の上限値について、入力操作部36から設定指令を受けているかどうかも確認する。
【0192】
ステップST3の段階では、音声報知部22によっても、加熱手段の選択を促すための報知と、音声ガイドを行う。
次のステップST4では、統合表示部15において、ユーザーへ入力操作を促す表示を行う。すなわち、使用する加熱手段の選択やサブ調理モードの選択を求める情報(以下、「初期入力推奨情報」という)の表示を行う。なお、初期入力推奨情報の表示の次の段階で図8に示したように、第1エリア15L~第3エリア15Rの全てにおいて、サブ調理モードのデフォルト表示として「保温」を示す前記サブ調理モード表示部46を表示しても良い。あるいは、第2エリア15Mには「中央IH」という加熱源表示部47を表示しても良い。
【0193】
そして、後方操作部17Bに配置された3対の入力キーの操作の有無をチェックする。すなわち、左共用キー42L、中央共用キー42M及び右共用キー42Rの中の何れが操作されたかどうかを判別する(ST5)。例えば、図8で説明したステップS2のように、右共用キー42Rが操作された場合は、ステップST5は「Yes」となり、ステップST6に進む。
【0194】
ステップST5では、最新の入力操作をチェックする。例えば、右共用キー42Rが押され、それに続いて、右切入スイッチ41Rが押される前に、左共用キー42L又は中央共用キー42Mが操作されたかどうかを判別する。3つの加熱手段HM1~HM3の選択は、3つの切入スイッチ41L、41M、41Rを押した時点で確定するため、これら確定前に、3対の前記共用キー42L、42M、42Rの何れかを押せば、それら共用キーに対応した加熱手段が選択できる。
【0195】
ステップST6では、許可条件判定部26が「許可条件」を満たすかどうかについてチェックをする。例えば、「連携調理モード」KM1で使用される加熱源の使用状態をチェックする。例えば、既に右加熱口4Rの右IHコイル9Rが別の調理で加熱動作中の場合には、許可条件の判定は「使用不可」、すなわち、「No」判定となる。
この図26の場合は、主電源スイッチ20をONにした直後であるので、別の調理で先に使用されていることはあり得ないため、「使用可」、すなわち、「Yes」判定となる
【0196】
図26において、ステップST6は、「許可条件1」を判定する段階である。
ここで「許可条件1」とは、
(1)加熱調理器1で使用できる最大使用電力の上限値を規定している「ピークカット値」が、5000W以上であること、
(2)外部のクラウドサーバー300又は通信端末200から、通信部25経由で制御装置22が受信した電力削減指令信号がある場合、その削減指令のピークカット値が5000W以上であること、
の2つであり、この2つを満たせば、ステップST6は「Yes」判定になる。
【0197】
次のステップST7における「許可条件2」とは、以下の4つである。
(1)第1の加熱手段HM1において、中央加熱口4Cが加熱動作中ではない。
(2)第2の加熱手段HM2又は第3の加熱手段HM3の、一方又は両方が加熱動作中ではない。
【0198】
(3)第1の加熱手段HM1において、右加熱口4Rと左加熱口4Lの両方とも加熱動作に使用されていない(又は、一方だけが加熱動作に使用中である)。つまり、左IHコイル9Lと右IHコイル9Rの両方とも、加熱動作に使用されていない。
(4)トッププレート3と加熱室6の最新の温度が制限値(例えば、50℃)を超えるような高温ではないこと。
【0199】
以上の4つを満たせば、ステップST7は「Yes」判定となる。そして、ステップST9に進む。つまり、図8のステップS4で説明したように、3つの加熱口や加熱室6の選択が確定し、調理開始のステップに進むことができる。すなわち、ステップST9において、例えば、図9で説明したように、右加熱口4Rを使用した誘導加熱の調理工程に進むことができ、第1エリア15Rには、火力等の制御条件(火力表示部48)が表示される。
【0200】
前記ステップST6とST7で「No」の判定になった場合は、ステップST8に進み、選択した調理モードは選択できないことを前記統合表示部15と音声報知部22の、少なくとも何れか一方によってユーザーへ知らせる。そして、別の加熱手段やメイン調理モードを選択することを求める。例えば、連携調理モードKM1から単独調理モードKM3に変更しない限り、許可条件が満たされないことをユーザーへ報知する。
【0201】
なお、この実施の形態1では、前記中央操作部17Mで選択できる複合調理モードKM2には、中央IHコイル9Cによる単独調理モードKM3の1つの調理メニューとして、例えば「炊飯」や「保温」という調理も例外的に含んでいる。例えば、図25で説明した「中央IH」という加熱源表示部47を選択すれば、その直後から、「炊飯」と「保温」というサブ調理モードの識別情報46が、順次(1つずつ)表示される。
【0202】
主電源スイッチ20の「ON」の後、加熱室6のドア7が開けられた場合、このドア7の開放を制御装置22が検知する。
ユーザーが加熱室6を使用する調理を行うものと推定し、前記初期待機画面においては、図18図24に示したように第2エリア15Mに、識別情報(サブ調理モード表示部)46や加熱源表示部47を、自動的に表示させる機能がある。
つまり、主電源スイッチ20が「ON」になった直後、統合表示部15の表示画面は、前述した「待機時初期画面」が表示される。この後、ドア7が開放された直後には、後方操作部17Bにある1対(2個)の共用スイッチ42Mの、操作部の1つが操作されなくとも、自動的に第2エリア15Mだけに、サブ調理モード表示部46や加熱源表示部47が表示される。
【0203】
前記統合表示部15の表示画面は、左加熱口4Lの左IHコイル9Lと右加熱口4Rの右IHコイル9Rが、何れも調理に使用されている場合、第1エリア15Lと第3エリア15Rの双方において、サブ調理モード表示部46や設定温度表示部50、火力表示部48等が表示される。
また、第1エリア15L~第3エリア15Rでは、加熱動作を終えた後には、図10(B)で説明したような高温注意表示情報54が自動的に表示される。
【0204】
次に、図27について説明する。
図27は、加熱調理器1の、連携調理モードKM1の種類全体と調理工程の概要を示した説明図である。この図27に示すものは、加熱調理器1のレシピデータ記憶部21Aに最初から格納されて提供されるものであり、通信端末200等の外部の情報提供手段からユーザーの要求に応じて、その都度1つずつ提供されるレシピデータCDは含まれていない。
図27から明らかなように、加熱調理器1には、合計8つの連携調理メニューを有しており、8つの識別情報72が中央エリア15Mに順番に表示される。これら連携調理メニューは、後述する「基本メニュー」である。この識別情報72は、「識別情報A」と呼ぶ場合がある。
8つの連携調理メニューの識別情報72(識別情報A)は、1対の中央共用キー42Mの内、右側の中央共用キー42Mを押すと、正方向(R1)の順番で1つずつ中央表示部15Mの前後方向中央部に表示される。
反対に、1対の中央共用キー42Mの内、左側の中央共用キー42Mを押すと、正方向(R1)と反対の逆方向(R2)の順番で、1つずつ中央表示部15Mの前後方向中央部に表示される。なお、デフォルト設定では、「ハンバーグ」が表示されるが、これは機能設定キー45によって事前に変更し、他の識別情報72が表示されるようにしておいても良い。
【0205】
次に、図28について説明する。
図28は、加熱調理器1において、連携調理モードKM1を実行する場合の制御装置22の動作を示すフローチャートである。
ステップSA1~SA12に示した動作は、制御装置22の基本動作プログラムに規定されている。
【0206】
説明を簡潔にするために、図26で説明したステップST4に相当するステップSA1から説明する。
ステップSA1では、ユーザーへ入力操作を促す表示を行う。すなわち、使用する加熱手段の選択やサブ調理モードの選択を求める、前記初期入力推奨情報の表示を行う。
次に、ユーザーが右操作部18に設けた連携調理モード選択用の前記選択キー70を押した場合、図27で説明したような(記憶装置41に格納された)連携調理メニューが1つずつ呼び出され、中央エリア15Mに表示される(ステップSA2)。
【0207】
1対の中央共用キー42Mの内、右側の中央共用キー42Mを押すと(ステップSA3)、正方向(R1)の順番で1つずつ中央表示部15Mに、図27に示した連携調理メニューの中から、1つずつ調理メニュー候補表示部72Aが表示され、その右側の中央共用キー42Mを更に1回押すと、正方向(R1)に変化するので、調理メニュー表示部72として中央エリア15Mの前後方向の中央に表示される(ステップSA4)。
【0208】
中央エリア15Mの前後方向の中央部に表示された調理メニュー表示部72の内容に異存がある場合には、1対の中央共用キー42Mの内、右側又は左側の中央共用キー42Mが操作され、ステップSA3に戻る(ステップSA5)。
ステップSA4が「Yes」判定の場合には、ステップSA6に進み、第1エリア15L~第3エリア15Rの中で、1つのエリアに対応した切入キー41L、41M、41Rを押す(ステップSA6)。すると、加熱動作が開始される(ステップSA7)。なお、ステップSA6の段階のまま一定時間(例えば30分間)放置されると、安全上の観点で統合表示部15で警告表示された後、自動的に主電源スイッチ20を開放する。
【0209】
一方、前記ステップSA2において、前記選択キー70を押さないで、3対の共用スイッチ42L~42Rの内の何れか1つを押した場合(ステップSA8)、連携調理モードKM1以外の調理を選択したことになる。すると、操作した共用スイッチ42L~42Rに応じて、統合表示部15にはサブ調理モードが表示される(ステップSA9)。例えば、図11(A)で説明したように、右加熱口4Rで「誘導加熱」を行うサブ調理モード表示部46が表示される。
【0210】
次に、ステップSA10において、右共用キー42Rが押されず、右切入りキー41Rが押された場合(ステップSA11)、右IHコイル9Rによる加熱動作が開始される(ステップSA12)。ステップSA10において、右共用キー42Rが押されると、ステップSA9に戻り、別の識別情報(サブ調理モード表示部)46が第3エリア15Rの前後方向中央部に表示される。なお、ステップSA8では、3対の共用スイッチ42L~42Rの内、右共用スイッチ42Rを押した場合であったが、左共用スイッチ42L又は中央共用スイッチ42Mを押しても良い。
【0211】
次に、図29について説明する。
図29(A)は、連携調理モードKM1で調理する場合、ユーザーが選択キー70を最初に操作する場面を示したものである。
図29(B)は、連携調理モードKM1において、1つの調理メニューとして「ハンバーグ」の調理メニュー表示部72が表示された状態を示したものである。「パエリア」と「天ぷら」の、調理メニュー候補表示部72Aが、それぞれ調理メニュー表示部72の前後において、少し小さな文字で表示される。
【0212】
71Lは、第1エリア15Lに表示された加熱部選択指示部である。図29(B)の連携調理メニュー(ハンバーグ)は、左加熱口4Lだけで実行できるように事前に機能設定キー45で設定してあるため、「ハンバーグ」という調理メニューの場合には、この図29(B)に示すように第1エリア15Lだけに、加熱部選択指示部71Lが表示される。しかし、連携調理モードKM1の調理メニューによっては、第3エリア15Rに加熱部選択指示部71Rが表示される場合がある。また、第2エリア15Mに識別情報72が表示されている場合、同じ第2エリア15Mには、原則として、加熱部選択指示部71Mは表示されないが、表示するように変更しても良い。
【0213】
次に、図30について説明する。
図30は、連携調理モードKM1で調理する場合における、統合表示部15、中央操作部(後方操作部・前方操作部)17、右操作部18及び右火力表示部16Rの、表示状態と入力操作とを示す説明図2である。
【0214】
図30は、図29(B)の操作の続きを示したものであるが、最後に操作すべき左切入りキー41Lをユーザーに強調するために中央操作部17を少し改良したものである。
図29(B)の状態で「ハンバーグ」を選択せず、更に1対の中央共用キー42Mの内、左側の中央共用キー42Mを押した場合、図30に示したように「パエリア」の調理メニュー表示部72が第2エリア15Mの中央部に表示される。また、第1エリア15Lには、加熱部選択指示部71Lが表示される。
更に、この図30に示すように、第1エリア15Lに対応した左切入りキー41Lは、発光制御部37(図5参照)によって発光素子(図示)により下方から照らされて、例えば青色又は黄色等の図形を表示し、左切入りキー41Lの操作部分を強調する。
【0215】
次に、図31について説明する。
図31は、連携調理モードKM1で調理する場合における、統合表示部15、中央操作部(後方操作部・前方操作部)17、右操作部18及び右火力表示部16Rの、表示状態と入力操作とを示す説明図3である。
この図31は、図29(B)の操作の続きを示したものであるが、図30と異なった構成を示すものである。すなわち、図30では、1つの連携調理メニュー(ハンバーグ)は、左加熱口4Lだけで実行できるように事前に機能設定キー45で設定していたため、最後に操作すべき左切入りキー41Lを、第1エリア15Lにおいて、加熱部選択指示部71Lによってユーザーに示していた。
【0216】
これに対し、図31は、1つの連携調理メニュー「パエリア」については、左加熱口4Lだけで実行できるように事前に機能設定キー45で設定しておらず、デフォルト状態にしているため、左右の加熱口4L、4Rの何れでも実行できることを示した例である。
図31において、73Lは、左IHコイル9Lで連携調理メニュー(この場合、「パエリア」)の調理を開始できることを示した左加熱口選択案内部である。73Rは、右IHコイル9Rで連携調理メニュー(この場合、「パエリア」)の調理を開始できることを示した右加熱口選択案内部である。なお、この図31では、左加熱口選択案内部73Lと右加熱口選択案内部73Rにそれぞれ対応して、前記左切入りキー41Lと右切入りキー41Rの部分を、発光制御部37(図5参照)によって発光素子(図示)により下方から照らして、操作を促している。この場合、左切入りキー41Lと右切入りキー41Rは、両方入力操作することはできない。先に操作した側だけが有効な信号として制御装置22に認識される。
【0217】
次に、図32について説明する。
図32は、連携調理モードKM1で調理する場合における、統合表示部15、中央操作部(後方操作部・前方操作部)17、右操作部18及び右火力表示部16Rの、表示状態と入力操作とを示す説明図4である。
この図32は、図30に示した構成を少し変更した例を示すものである。すなわち、図32では、1つの連携調理メニュー(パエリア)は、左加熱口4Lだけで実行できるように事前に機能設定キー45で設定してある。そして、最後に操作すべき左切入りキー41Lを明瞭に表示するため、第1エリア15Lにおいて、加熱部受付指示部74Lを表示した例である。つまり、この加熱部受付指示部74Lによってユーザーには、左切入りキー41Lの操作をするように案内する。
【0218】
次に、図33について説明する。
図33は、連携調理モードKM1で調理する場合における、統合表示部15、中央操作部(後方操作部・前方操作部)17、右操作部18及び右火力表示部16Rの、表示状態と入力操作とを示す説明図5である。
この図33は、連携調理メニューとして、調理工程1が加熱室6において行われる例として、「からあげ」の例を示したものである。すなわち、図33では、連携調理メニュー(からあげ)は、図27に示したように、右加熱口4Rにおいて「予熱」動作を必要とするが、調理工程1は、加熱室6においてマイクロ波加熱で行う(レンジ加熱)ものである。そこで、調理工程1の加熱手段である第2の加熱手段HM2を指定するために、中央切入りキー41Mの操作が必要である。なお、この図33の例では、第3エリア15Rに前記加熱部選択指示部71Rが表示される。なお、この「からあげ」の調理開始後、右加熱口4Rの上に載置したフライパン等の被加熱物は、右IHコイル9Rの駆動により予熱が開始されるが、これと並行して、加熱室6ではドア7を開放し、その後、再びドア7が閉鎖されたことを制御装置22が検知した場合に限り、加熱室6での調理工程1がマイクロ波加熱によって実行される。つまり、右加熱口4Rでの予熱動作と、加熱室6での調理工程1は同じ時間帯で実行されることになる。
【0219】
次に、図34について説明する。
図34は、連携調理モードKM1の場合の、1つのレシピデータCDを、外部の通信端末200から取得する場合における、通信端末200と加熱調理器1の主要な動作を、時系列に示すタイムチャートである。
外部から取得したレシピデータCDを使用して、連携調理モードKM1で調理する場合には、通信端末200と加熱調理器1は、この図34のステップSB1~SB7のように順次動作する。
【0220】
最初に、通信端末200が保有しているレシピデータCDの中から、加熱調理器1へ提供したいレシピデータCDを確定する(ステップSB1)。つまり、1つの調理メニューを選択する。なお、ネットワークNW経由で前記クラウドサーバー300から事前に取得したレシピデータCD(CD1:図1参照)でも良い。
次に、通信端末200から特定の調理メニューのレシピデータCDを加熱調理器1に送信する前に、どのような調理メニューのデータであるのかを、加熱調理器1側で事前に識別できるように、予告情報201を送信する(ステップSB2)。
【0221】
前記予告情報201とは、調理メニューを特定できる識別情報72を含む情報である。なお、前記レシピデータCDには、当該識別情報72に加え、調理工程(調理工程1、調理工程2等)、使用する加熱手段の種類や加熱口(例えば、左加熱口4L)、複数の加熱手段を駆動する順番、各加熱手段の標準的な制御条件(火力や加熱時間等のパラメータ)等のデータが含まれる。
前記ステップSB1とステップSB2は、通信端末200で行う動作である。
【0222】
次のステップSB3からステップSB5までは、加熱調理器1で行う動作である。
まず、ステップSB3においては、加熱調理器1の入力信号解析部52で解析することに加え、データ取得部53で1つのレシピデータCDの予告情報1(201)の内容を解析することにより、少なくとも実行する調理工程1の加熱手段や加熱口を特定する。例えば、調理工程1は、第1の加熱手段HM1を使用し、左加熱口4Rで行う調理工程1であると判定する。
このような解析結果により、この後、前記予告情報201の受信を表示すべき表示エリアが、左エリア(第1エリア)15L~右エリア(第3エリア)15Rの何れであるかを判別する。
【0223】
次のステップSB4では、ステップSB3で特定された表示エリア(第1エリア15L~第3エリア15Rの何れか1つ)において、前記予告情報201の内容を表示する。
そして、第1エリア15L~第3エリア15Rの何れか1つに対応した共用スイッチ(キー)42L~42Rの何れかを操作することを、ユーザーに勧告する。この表示と並行して、音声報知部49によって入力操作をするように音声で案内しても良い。
【0224】
前記ステップSB4において、正しい共用スイッチ(キー)42L~42Rが操作された場合、通信部25から所定の選択情報(選択信号)202が発信される(ステップSB5)。
通信端末200は、選択情報202を受信した場合、当該情報を分析し、正しい選択情報202であれば、調理メニューのレシピデータCDを送信する待機状態に進む(ステップSB6)。通信端末200の入力画面で所定のタッチ操作等の送信操作を行うと、加熱調理器1に対してレシピデータCDの送信が行われる(ステップSB7)。なお、この図34に示した加熱調理器1と通信端末200との間の情報授受については、図39図44及び図45で詳しく説明する。
【0225】
次に、図35について説明する。
図35は、外部から取得したレシピデータCDを使用して、連携調理モードKM1で調理する場合における、統合表示部15、中央操作部(後方操作部・前方操作部)17、右操作部18及び右火力表示部16Rの、表示状態と入力操作とを示す説明図1である。
この図35は、図34に説明したステップSB3の段階を示すものである。
この図35の例では、左エリア(第1エリア)15Lに、外部からのレシピデータCDを取得する準備段階に入ったことを、受信待機情報80によってユーザーに知らせている状態である。
【0226】
連携調理モードKM1の1つの調理メニュー(例えば、「ラタトゥイユ」)に関して、外部からレシピデータCDを取得する動作では、(図52で説明する)ステップSS4において、前記共用キー(例えば、42L)の操作を行うことが必要である(図34図35参照)。つまり、調理メニュー(例えば、「ラタトゥイユ」)の調理工程1を左加熱口4Lで行うことがレシピデータCDで決まっていれば、左エリア15Lに対応した左共用キー42Lを押す必要がある。図35は、このように左共用キー42Lが押される直前の状態を示している。
なお、前記受信待機情報80には、調理メニューを特定する識別情報72が含まれていない例であるが、そのような識別情報72を含めて、受信待機情報80で表示しても良い。その場合、通信端末200からは1つの調理メニューの予告情報201しか送信できないので、複数の調理メニューの識別情報72が、左エリア15Lに同時に表示されることはない。
【0227】
次に、図36について説明する。
図36は、外部から取得したレシピデータCDを使用して、連携調理モードKM1で調理する場合における、統合表示部15、中央操作部(後方操作部・前方操作部)17、右操作部18及び右火力表示部16Rの、表示状態と入力操作とを示す説明図2である。
この図36は、図34に説明したステップSB5の段階を示すものである。
つまり、この図36の例では、外部からレシピデータCDを取得するために、前記左共用キー42Lを押して前記予告情報201に対応した、前記選択情報202を送信する段階を示している。この後、前記選択情報202が通信端末200に到着し、通信端末200からレシピデータCDが送信された場合、前記レシピデータCDは、加熱調理器1に取得される。そして、左切入りキー41Lの操作をすれば、調理工程1が開始される。
【0228】
次に、図37について説明する。
図37は、外部の通信端末200等から送信されたレシピデータCDに関する予告情報201の受信から、選択情報202の送信までの一連の動作を示したものであり、制御装置22の中に格納されている制御プログラムの一部を示したフローチャートである。
この図37は、図34に説明したステップSB3~SB5の詳細を示すものである。
図37において、破線の枠で示す範囲は、入力キー29を操作した場合に設定できる「音声入力モード」において、音声で入力できる範囲を示している。
【0229】
ステップSC3~SC6は、第1エリア15Lに対応している左加熱口4Lで調理するレシピデータCDの場合である。
ステップSC7~SC10は、第2エリア15Mに対応している中央加熱口4C又は加熱室6で調理するレシピデータCDの場合である。
ステップSC11~SC14は、第3エリア15Rに対応している右加熱口4Rで調理するレシピデータCDの場合である。
【0230】
図37のステップSC2において、通信端末200等から受信した「予告情報」を、データ取得部24(図5参照)が分析し、予告情報201に含まれた識別情報72から、1つの調理メニューを特定する。例えば、前記した調理メニューの「ハンバーグ」の識別情報72からは、調理工程1は右加熱口4Rが使用されることが分かる。また、調理メニューの「ラタトゥイユ」の識別情報72からは、調理工程1は加熱室6で実行されることが分かる。
【0231】
ステップSC2における識別情報72の判定結果で分かった調理工程1から、ステップSC3、SC7又はSC11の3つの内、選択情報200の発信のために入力操作が必要な共用キーが、42L、42M、42Rの中の何れか1つであることが分かる。
すなわち、対応するエリアが左エリア15Lの場合には、ステップSC3が「Yes」判定となり、ステップSC4に進む。
第1エリア15Lにおいて、前記予告情報201を受信したことが、例えば前記した受信待機情報80によって表示されるので、ユーザーは左共用キー42Lの操作が必要であることが分かる。
【0232】
ユーザーが左共用キー42Lを操作したかどうかの判定が行われ、操作された場合には、ステップSC5が「Yes」判定となり、ステップSC6に進む。
ステップSC6では、前記通信部25から選択情報202が送信される。
なお、ステップSC15では、入力キー29を押した場合に設定される音声入力モードにも対応している。すなわち、ユーザーが音声で入力した場合(例えば音声によって「左IH 選択」と発声すれば)、当該音声情報が音声信号受信部31で音声信号に変換され、音声信号解析部32によって、所定の音声指令信号であるかどうかが判断される。
正規の音声入力と判定された場合、左共用キー42Lの操作と同様な入力となり、同様に選択情報202が発信される。なお、この音声入力では、選択情報202の発信前に、間違った音声入力でないことを確認する意味で、左エリア15Lにおいて、「音声入力確認」等の、確認情報を表示させ、その後(一定時間内に)、選択情報202を自動的に送信するような動作プログラムにしても良い。
【0233】
次に、図37のステップSC7~SC10について説明する。
ステップSC2における「予告情報201」の分析により、受信した予告情報201から、調理工程1が加熱室6で行われること、又は中央加熱口4Cで行われることが分かった場合、ステップSC7は「Yes」判定となる。
【0234】
ステップSC2における予告情報201の判定結果で、選択情報200の発信のために入力操作が必要な共用キーが、中央共用キー42Mであることが分かるから、ステップSC8に進む。
第2エリア(中央エリア)15Mにおいて、前記予告情報201を受信したことが、例えば前記した受信待機情報80によって表示されるので、ユーザーは中央共用キー42Mの操作が必要であることが分かる。
【0235】
ユーザーが中央共用キー42Mを操作したかどうかの判定が行われ、操作された場合には、ステップSC9が「Yes」判定となり、ステップSC10に進む。
ステップSC10では、前記通信部25から選択情報202が送信される。
なお、ステップSC16では、ステップSC15と同様に、入力キー29を押した場合に設定される音声入力モードにも対応している。すなわち、ユーザーが音声で入力した場合(例えば音声によって「中央 選択」と発声すれば)、当該音声情報が音声信号受信部31で音声信号に変換され、音声信号解析部32によって、所定の音声指令信号であるかどうかが判断される。
正規の音声入力と判定された場合、中央共用キー42Mの操作と同様な入力となり、同様に選択情報202が発信される。なお、この音声入力では、選択情報202の発信前に、間違った音声入力でないことを確認する意味で、中央エリア15Mにおいて、「音声入力確認」等の、確認情報を表示させ、その後(一定時間内に)、選択情報202を自動的に送信するような動作プログラムにしても良い。
【0236】
次に、図37のステップSC11~SC14について説明する。
ステップSC2における「予告情報201」の分析により、受信した予告情報201から、調理工程1が右加熱口4Rで行われることが分かった場合、ステップSC11は「Yes」判定となる。
【0237】
ステップSC2における予告情報201の判定結果で、選択情報202の発信のために入力操作が必要な共用キーが、右共用キー42Rであることが分かるから、ステップSC12に進む。
第3エリア(右エリア)15Rにおいて、前記予告情報201を受信したことが、例えば前記した受信待機情報80によって表示されるので、ユーザーは右共用キー42Rの操作が必要であることが分かる。
【0238】
ユーザーが右共用キー42Rを操作したかどうかの判定が行われ(ステップSC13)、操作された場合には、ステップSC13が「Yes」判定となり、ステップSC14に進む。
ステップSC14では、前記通信部25から選択情報202が送信される。
なお、ステップSC17では、ステップSC15と同様に、入力キー29を押した場合に設定される音声入力モードにも対応している。すなわち、ユーザーが音声で入力した場合(例えば音声によって「右IH 選択」と発声すれば)、当該音声情報が音声信号受信部31で音声信号に変換され、音声信号解析部32によって、所定の音声指令信号であるかどうかが判断される。
正規の音声入力と判定された場合、右共用キー42Rの操作と同様な入力となり、同様に選択情報202が発信される。なお、この音声入力では、選択情報202の発信前に、間違った音声入力でないことを確認する意味で、右エリア15Rにおいて、「音声入力確認」等の、確認情報を表示させ、その後(一定時間内に)、選択情報202を自動的に送信するような動作プログラムにしても良い。
【0239】
次に図38について説明する。
図38は、加熱調理器1において、外部からレシピデータCDを取得する動作を示すフローチャート1である。
図38において、ステップSL1では、図34のステップSB3の処理に相当する処理を行う。すなわち、予告情報201を受信し、その識別情報72等の内容を判定する。
【0240】
次のステップSL2は、図26で説明したステップST6、ST7の処理に相当する処理を行う。つまり、連携調理モードKM1の場合であっても、許可条件1と許可条件2を満たしているかどうかの判定を行う。
すなわち、受信したレシピデータCDの調理を実施することが、事前に定めた許可条件に合致しているかどうかを判定する処理である。前述したように、連携調理モードKM1では、「許可条件1」と「許可条件2」を満たさないものは調理メニューとして許可されない。因みに、複合調理モードKM2においても、特定の「許可条件3」を満たしているかどうかの判定が行われる。
【0241】
もし、許可条件を満たさないとステップSL2で判定された場合には、通信部25から外部に対してレシピデータCDの調理は実行できない旨を報知する信号(データ)を発信する(ステップSL7)。なお、この図38では、連携調理モードKM1のレシピデータCDを受信する場合であったが、複合調理モードKM2と単独調理モードKM3についても、外部からレシピデータCDの識別情報を受信した段階で、このような「非受信のメッセージ」を発信する。
【0242】
許可条件を満たしている場合には、図34のステップSB3で説明したように、少なくとも実行する調理工程1の加熱手段や加熱口を特定する。例えば、調理工程1は第1の加熱手段HM1を使用し、左加熱口4Rで行うと判定する。これにより、この後、前記予告情報201の受信を表示すべき表示エリアが、第1エリア15L~第3エリア15Rの何れであるかを判別でき、該当する第1エリア15L~第3エリア15Rの何れか1つにおいて、受信待機情報80を表示する(ステップSL3)。また、これに加えて調理メニューの名称等の識別情報72も表示すると良い。
【0243】
次のステップSL4では、制御装置22は、中央操作部17の内、少なくとも3対の共用キー42L、42M、42Rの入力機能を有効にする。つまり、この段階で初めて各共用キー42L、42M、42Rが、操作された場合、有効な入力信号を制御装置22に発信できることになる。従って、これ以前において、誤って共用キー42L、42M、42Rを操作しても、次のステップSL5の「選択情報202」を発信することはできない。
【0244】
正しい共用キー42L、42M、42Rが操作された場合、ステップSL5は「Yes」判定となり、通信部25から所定の選択信号202が外部へ発信され(ステップSL6)、それは最終的に通信端末200によって確認される。
【0245】
前記ステップSL5において、正しい共用キー42L、42M、42Rが操作されない場合、ステップSL8に進む。このステップSL8では、ステップSL4の時点からの経過時間が、予め設定してある制限時間TXを超過しているかどうかの判定が行われる。前記制限時間TXを超えていない場合には、前記ステップSL5に戻る。しかし、制限時間TXを超えていた場合には、ステップSL9に進む。ステップSL9は、自動的に主電源スイッチ20を開放して、電源を強制的に遮断する「自動遮断処理1」である。
【0246】
次に、図39について説明する。
図39において、ステップSE1~SE12は、通信端末200における、調理メニューの検索機能起動時からの主要な動作ステップを示したものである。この図39では、レシピデータCDを送信するまで動作を主体に示している。
【0247】
通信端末200の入力部(タッチ操作部)において、ユーザーがクラウドサーバー300に接続すること又は検索機能を起動操作する(ステップSE1)。そして液晶画面等で構成された端末側表示部216(図42で説明する)に示された検索条件入力キーや調理メニューの名称入力キー等を操作して調理メニューの検索を行う(ステップSE2)。なお、通信端末200の音声入力機能を利用して音声で調理メニューを検索しても良い。
端末側表示部216をユーザーがタッチ操作して、目的の調理メニューを端末側表示部216に表示させることができる(例えば、1つの表示画面に、1つ又は複数個の調理メニューの候補が表示される)(ステップSE3)。
【0248】
端末側表示部216には、デフォルト設定によって、所定の順番、ルールで各種の調理メニューが一覧状態で、同時に多数表示されるようにしても良い。例えば、調理メニューの名称から「アイウエオ」順に並べて表示しても良いし、検索機能を利用してユーザーが音声で「ハンバーグ」等の調理名を発声して、音声入力で検索を実行させても良い。
【0249】
端末側表示部216に表示された調理メニューの中から、所望の1つの調理メニューを選択するすると、当該調理メニューの「専用画面」に切り替わる。つまり、そのような特定の調理メニューだけを選択すると、ステップSE4の判定は「Yes」となり、ステップSE5に進む。なお、この場面でいう前記「専用画面」は、例えば図42(A)で説明する「第1画面216A」である。
一方、端末側表示部216には、検索結果を表示した画面に、「他のメニューを探す」や「再度検索する」等の入力キー(アイコン)も同時に表示されているので、それにタッチすると、このステップSE4は「No」の判定となり、検索入力画面の表示に戻る。
【0250】
通信端末200の中央処理装置(図示せず)は、選択された1つの調理メニューに関する識別情報(調理の名称等)72と、使用する加熱手段等の情報を端末側表示部216に表示する。この表示画面を、以下、「第1画面」216Aと呼ぶ。
ステップSE5の第1画面216Aにおいて、特定の決定用キーをタッチ操作すること、又は音声入力によって選択すると、1つの調理メニューの送信指令が行われたことを、レシピ選択部(図示せず)が検知する(ステップSE6)。そして、予告情報201を送信する。
【0251】
前記第1画面216Aは、図42(A)で詳しく説明するが、識別情報表示部245の情報等の複数の情報が同時に表示される。但し、端末側表示部216の表示面積の制約で、全ての情報が一覧状態で(1つの画面で全て)見える訳ではない。詳しくは図42で説明する。
【0252】
ユーザーが、前記第1画面216Aにおいて、調理メニューの確定キー(アイコン)237(図42で説明する)をタッチ操作すると、そのタッチ操作による入力を受けて前記中央処理装置は、前記第1画面216Aから第2画面216B(図42で説明する)に表示内容を切り替える(ステップSE7)。前記第1画面216Aに表示された調理メニューを選択しない場合は、ステップSE6からステップSE2に戻り、別の調理メニューを検索して、選択することができる。
【0253】
この図39において、ステップSE6Aは、オプション機能として用意されているものであるから、破線で示している。このステップSE6Aは、調理メニューの確定キー(アイコン)237(図42参照)をタッチ操作すると、「予告情報」(201)を加熱調理器1に対して発信したことを、第1画面216A又は第2画面216Bにおいて表示するステップである。
【0254】
前記予告情報201は、加熱調理器1に対して、1つのレシピデータCDが送信される準備段階にあることを示す目的がある。
この予告情報(201)は、特定の調理メニューを示す識別情報だけの情報で良く、連携調理モードKM1や複合調理モードKM2、単独調理モードKM1の3種類の調理モード名を特定できる情報を、含まなくても良い。例えば、「ハンバーグ」や「ラタトゥイユ」を特定できれば良い。なお、後述する図42(A)で説明するように、調理工程の数や調理工程情報(加熱手段と、その制御条件等を含む)226を含めても良い。
【0255】
前記予告情報201の送信後に、表示が開始される第2画面216Bは、加熱調理器1に対して選択した調理メニューに係るレシピデータCDを送信して良いかどうかの判断を求める情報を含んでいる(詳しくは、図42以降で説明する)。なお、調理メニューによっては、右加熱口4Rと左加熱口4Lの何れでも使用可能な場合がある。その場合には、前記予告情報201には、右加熱口4Rと左加熱口4Lの何れを使用するのかを、ユーザーが加熱調理器1で選択するような勧告情報を含める。
【0256】
図42(B)で説明するが、前記予告通知201を受けて加熱調理器1では、共用キー(42L、42M、42Rの内の、何れか1つ)を押す動作が必要である。この動作に応じて加熱調理器1からは通信端末200に対して、特定の調理メニュー(例えば、ハンバーグ)と使用する加熱口(4L、4C、4Rの何れか)又は加熱室6の使用を選択したことを示す前記「選択情報202」が発信される。
【0257】
外部からのレシピデータCDを使用しない場合において、連携調理モードKM1の調理工程1が、右加熱口4R又は左加熱口4Lで行われる場合、中央エリア(第2エリア)15Mに表示された識別情報72等を確認して「切入りキー」41L又は41Rの何れか1つを押せば、加熱動作が開始できた。
【0258】
これに対し、外部からのレシピデータCDを使用した調理の場合は、連携調理モードKM1の調理工程1が、右加熱口4Rで行われる場合は、右加熱口4Rに対応した右エリア(第3エリア)に識別情報72等が最初の段階で表示されるので、右共用キー42Rを操作して選択信号202を発信すれば良い。つまり、予告情報201の受信によって、右共用キー42Rを操作して選択信号202を発信すれば良いことが分かる。
また、調理工程1が、左加熱口4Lで行われる場合は、左エリア15Lに対応している左共用キー42Lを操作して選択信号202を発信すれば良い。
更に、調理工程1が、中央加熱口4C又は加熱室6で行われる場合は、中央エリア15Mに対応した中央共用キー42Mを操作して選択信号202を発信すれば良い。
以上のように、この実施の形態1の選択情報202は、連携調理モードKM1の調理工程1で使用される加熱口や加熱手段に対応した、個々の表示エリアで予告情報201の受信が表示される。そして、1つの表示エリアに対応した1つの共用キー42L、42M、42Rの操作に応じて、選択情報202の送信が決定される。
【0259】
前記のような選択情報202を通信端末200が受信すると、ステップSE8は「Yes」判定となる。
この図39において、ステップSE6AとステップSE8は、オプション機能として用意されているものであるから、破線で示している。
オプション機能を使用しない場合には、ステップSE6の段階から表示が開始された第2画面216Bの状態のまま、ステップSE9に進む。
【0260】
前記ステップSE8は、加熱調理器1の中央操作部17の、共用キー42L、42M、42Rの何れか1つ(例えば、42L)を押す動作の有無を、判定するためのものである。
正しい共用キー42L、42M、42Rを押す動作があると、加熱調理器1がその結果を示す信号を通信端末200に送信するので、ステップSE8の判定は「Yes」となり、ステップSE8Aに進む。
【0261】
予告情報201の信号が、ステップSE6の段階で加熱調理器1に送信されているので、その予告情報201の受信(ステップSE8)によって、制御装置22は、通信端末200から取得したレシピデータCDによる調理に備える処理を開始しても良い。例えば、統合表示部15において、「これからレシピデータを受信しますから、他の調理は開始できません」のような注意文を表示しても良い。
【0262】
一方、選択情報202が加熱調理器1から届かないかどうかを通信端末200は、一定時間間隔で繰り返しチェックするが、受信していない場合には、時間制限処理(ステップSE12)に進む。時間制限処理は、前記ステップSE6からの経過時間を計測しており、一定の制限時間(例えば、10分間)を経過すると、エラー処理を行い、この図39の動作を中止する。つまり、ユーザーが途中で送信操作を忘れていても、ステップSE2の段階まで自動的に復帰する。
【0263】
選択情報202が加熱調理器1から届いた場合、ステップSE8は「Yes」判定となり、ステップSE6で表示を開始した第2画面216Bを、図44(B)で説明するが、別の内容を表示する第2画面A(216B1)に変更する。
そして、第2画面A(216B1)に表示したレシピデータCD送信用の入力キー240をタッチ操作するように勧告する。これについては、図44で詳しく説明する。
【0264】
ステップSE9では、ユーザーが、第2画面216Bの入力キー(アイコン)240をタッチ操作した場合、又は、図44(A)に示した第2画面A(216B1)の入力キー240をタッチ操作すると、ステップSE9は「Yes」となり、ステップSE10に進む。
ステップSE10では、ステップSE6で選択した調理メニュー(レシピデータCD)を加熱調理器1に送信する。
【0265】
次に、通信端末200は、前記第2画面216B又は第2表示画面A(216B1)から第3画面216Cに表示内容を切り替える(ステップSE11)。前記第3画面216C(216C1、216C2)は、図43に示すように2種類ある。これについては後で説明する。
【0266】
次に、図40について説明する。
図40は、通信端末(情報処理端末器)200からレシピデータCDを受信した以後の、加熱調理器1の制御装置22の動作を示すフローチャート1である。
制御装置22において、レシピデータCDの取得処理を担当する通信部25は、データ取得部24(図5参照)と連携して、以下に説明するステップSF1~SF11の動作を行う。
【0267】
加熱調理器1では、通信端末200との間の最初の通信状態確立の段階において、当該通信端末200側に対して、通信部25から前記加熱調理器1を特定する固有の「機器識別情報」を始めとしたデータ(「準備情報203」ともいう)を提供している。これについては、図45で説明する。
【0268】
通信状態確立の状態において、その後に、外部から通信部25経由でレシピデータCDを受信すると、一旦、一時メモリーに当該データを格納する(ステップSF1)。
通信部25では、最初に加熱調理器1の全体の状態情報を取得する。この状態情報とは、加熱調理器1の制御装置22の状態を示す情報である。そのため、例えば第1の加熱手段HM1~第3の加熱手段HM3が、加熱制御部23によって、どのような状態であるかを確認した情報となる。
【0269】
例えば、既に制御条件の設定を終えており、加熱開始直前の待機状態であることや、温度センサー群30からの温度検出信号を受けている状態などの情報を、前記通信部25が取得する(ステップSF2)。
【0270】
通信部25では、このような状態確認の動作を、加熱調理器1の各構成部分に向けて、一定時間間隔で何度も繰り返し行い、最新の正確なデータを収集する。
こうして、加熱調理器1が受信したレシピデータCDの内容に従った制御に移行できる状態であるかどうかを判断できる情報が、この通信部25によって集約される。つまり、加熱調理器1の通信部25は、直前で送信した前記機器識別情報を始めとしたデータの内容と、通信端末200から前記ステップSC1で受信したレシピデータCDの内容を照合する(ステップSF3)。なお、図40に破線で示しているように、データの収集と照合は、一定の制限時間内に何度も実行される。
【0271】
そして、通信部25から送信したデータの内容と、受信したレシピデータの内容との間に齟齬がないと判定すると、状態情報の判定を終える(ステップSF4)。なお、このステップSF4では、加熱室6の温度や最大使用電力の上限値を規定している「ピークカット値」の状況等の「許可条件1」と「許可条件2」を満たすかどうかの判定も同時に行われる。
【0272】
ステップSF4の判定結果が「Yes」であった場合、通信部25からの判定結果を受けてデータ取得部24は、レシピデータCDを所定の記憶エリアに格納し、この直後に行われる加熱調理に備える(ステップSF5)。
【0273】
次にステップSF6に進み、データ取得部24は、通信部25からレシピデータCDの送信元である通信端末200に対して、レシピデータCDを正常に取得できたことを示す信号(状態確認結果)を送信する。ここでいう「状態確認結果」とは、図46のステップSG10の処理に相当する。なお、当該状態確認結果の情報を受けて、通信端末200では、レシピデータCDの送信が成功したことを判定する(図46のステップSG11)。
【0274】
更に、データ取得部24は、統合表示部15においてレシピデータCDを取得したことを表示する(ステップSF6)。この表示の例は、後で説明する。
この段階で通信端末200からレシピデータCDに含まれた「設定情報」は、通信端末200側で事前に用意された制御条件(例えば、火力は1000W、加熱時間は10分間)である。つまり、事前にデフォルト設定された制御条件を含んでいるため、以後の説明では「事前設定情報A」と呼ぶ。
【0275】
次にステップSF7では、ユーザーによる制御条件(例えば、火力は1000W、加熱時間は10分間)の可否が判定される。ユーザーが切入りキー15L、15M、15Rの何れか1つを押した場合、ユーザーが前記事前設定情報Aに含まれる制御条件に同意したこととして扱い、制御装置22は、前記事前設定情報Aを「確定設定情報A」として扱い、レシピデータ記憶部21Aの中の「確定設定情報」記憶エリアに格納する(ステップSF8)。そして、加熱動作を開始し、加熱制御部23から第1の加熱手段HM1や第2の加熱手段HM2等に対し、実施の駆動開始信号が発信されて、誘導加熱やマイクロ波加熱等の状態に移行する(ステップSF9)。
【0276】
一方、ステップSF6で表示された制御条件をユーザーが変更したい場合は、共用キー42L、42M、42Rをタッチ操作すると、その操作に応じて別の制御条件が該当する第1エリア15L~15Rの中に表示される(ステップSF10)。そして、ステップSF7に戻ることができるから、修正した制御条件に同意してステップSC8に進むことなる。つまり、事前設定情報Aは、ユーザーからの入力で一部の制御条件が変更されて前記「確定設定情報A」となる。
【0277】
前記ステップSC4の判定結果が「No」であった場合、通信部25からの判定結果を受けてデータ取得部24は、通信部25から外部(送信元の、通信端末200)に対してレシピデータCDは受信できない旨の内容を含んだ信号(不許可通知)のデータを発信する(ステップSF11)。ここでいう「不許可通知」とは、図45図46のステップSG10の時点で通信端末200に送信される。なお、この図40では、連携調理モードKM1の場合であったが、複合調理モードKM2、単独調理モードKM1についても、このような「不許可通知」のメッセージは発信される。
【0278】
通信端末200は、加熱調理器1からの前記ステップSF11の不許可通知を受けると端末側表示部216にその旨表示する。なお、通信端末200のスピーカ(図示せず)で音声により報知しても良い。
【0279】
次に、図41について説明する。
図41は、通信端末(情報処理端末器)200からデータを受信した以後の、加熱調理器1の制御装置22の動作を示すフローチャート2である。
この図41は、図40の構成の変形例を示している。制御装置22において、データの取得処理を担当する通信部25は、データ取得部24(図5参照)と連携して動作を行う。図40との差異は、ステップSF7とSF12であるので、これら相違点について説明する。
【0280】
データ取得部24は、統合表示部15において通信端末200からレシピデータCDを取得したことを表示し(ステップSF6)、その次のステップSF7Aでは加熱動作の開始を求める。つまり、図40の例とは異なり、切入りキー41L、41M、41Rの操作の有無を判定し、操作があった場合、加熱動作を開始する。
制御装置22は、通信端末200から取得した事前設定情報Aを「確定設定情報A」として扱い、レシピデータ記憶部21Aの中の「確定設定情報A」記憶エリアに格納する(ステップSF8)。
【0281】
つまり、加熱動作は、「事前設定情報A」に含まれた制御条件(例えば、火力は1000W、加熱時間は10分間)を変更せずに開始される。
次にステップSF9では、加熱動作を開始し、加熱制御部23から第1の加熱手段HM1や第2の加熱手段HM2等に対し、実施の駆動開始信号が発信されて、誘導加熱やマイクロ波加熱等の状態に移行する(ステップSF9)。
【0282】
ステップSF12では、ユーザーによる制御条件(例えば、火力は1000W、加熱時間は10分間)の変更有無が判定される。加熱動作(調理工程1)が開始された加熱口や加熱室6に対応した第1エリア15L~第3エリア15Rの内の、何れか1つのエリアに対応している共用キー42L、42M、42Rの何れか1つを押せば、ユーザーが既に加熱動作開始されている調理メニューの制御条件を、一定の範囲で変更できる。但し、加熱口の変更と加熱手段の変更はできない。
制御条件の変更入力が有効であると、制御装置22に判定された場合、当該制御装置22が定めるタイミングで制御条件が加熱動作中に変更される。
【0283】
次に図42について説明する。
図42は、通信端末200の表示動作を示す説明図1である。
図42(A)に示したものは、前記第1画面216Aである。すなわち、ユーザーが既に希望する1つの調理メニューのレシピ情報を探し出して、それを表示させた状態を示している。
【0284】
図42(A)において、224は、第1画面216Aの表示情報の種類を示すメニュー表示部である。この図42(A)では、調理工程1が誘導加熱調理のメニューであることを示すために「IHのメニュー」と表示している。調理メニューは、連携調理モードKM1に属している。
第1画面216Aには、調理メニューの対象となる調理物を端的にイメージできる模式図や写真(静止画)等の画像表示部235が、調理名と近接した位置に表示される。
【0285】
前記第1画面216Aは、識別情報表示部245の情報等、以下の8つの情報が同時に表示される。但し、端末側表示部216の表示面積の制約で、全ての情報が一覧状態で(1つの画面で全て)見える訳ではない。
(1)識別情報72(例えば、「アクアパッツァ」という調理の名称)
(2)調理メニューの画像情報(画像表示部235)
(3)調理時間
(4)分量(2人前、4人前など)
(5)材料
(6)下ごしらえ
(7)作り方(加熱調理器1で行う調理工程1、調理工程2等における調理方向など)
(8)調理工程情報(加熱手段と、その制御条件等を含む)226
【0286】
226は、前記した「作り方」の一環で、2種類の加熱源と、その駆動される順番を示した調理工程情報である。
なお、この図42(A)は、第1画面216Aの一部しか示していない。この第1画面216Aを指先FGでタッチしながら上方向へ移動させるように、画面をスクロールすると、この第1画面216Aは縦方向に長く続いて表示され、詳細な材料や下ごしらえ等の情報が表示されるようになる。詳しくは図45で説明する。
【0287】
237は、この第1画面216Aに表示された1つの調理メニューを選択する確定キー(アイコン)である。この確定キー237は、図39のステップSE5で説明した調理メニューの確定キー(アイコン)である。238は、この第1画面216Aを閉じることを指令する入力キー(アイコン)である。
【0288】
次に、図42(B)について説明する。
ユーザーが、前記第1画面216Aにおいて、調理メニューの確定キー(アイコン)237をタッチ操作すると、そのタッチ操作による入力を受けて中央処理装置(図示せず)は、前記第1画面216Aの表示から、図42(B)に示したような第2画面216Bの表示に切り替える。
【0289】
第2画面216Bにおいて、229は、第2画面216Bの表示情報の種類を示す送信画面種類情報である。この図42(B)では、誘導加熱調理の設定情報(調理工程1を示す設定情報A)を送信する準備段階であることを示すために「IH設定の送信準備」と表示している。
240は、送信を指令する入力キー(アイコン)であり、これを押すと、図42(A)で選択されていた調理メニューのレシピデータが加熱調理器1に送信される。
【0290】
この図42(B)に示した第2画面216Bは、図39に示したステップSE6でいう「対象レシピの確定待ちの入力画面」である。
この第2画面216Bの状態で、ユーザーは加熱調理器1の中央操作部17の中の、1つの共用キー42L、42M、42Rの中の、何れか1つを操作する必要があることを、ユーザーが認識できる。この図42(B)の例では、調理工程1は左加熱口4Lを使用するため、左共用キー42Lの押圧操作を促す表示をしている。
その操作の後で、この第2画面216Bの入力キー240をタッチ操作する。なお、241は、取り消し用の入力キーであり、これをタッチ操作すると、図42(A)の状態まで戻ることができる。
【0291】
次に、図43について説明する。
図43は、通信端末200の表示動作を示す説明図2である。
図43(A)は、送信結果を表示する第3画面216C1である。また、図43(B)は、送信結果を表示する別の第3画面216C2である。
これら第3画面216C1、216C2の何れか一方は、通信端末200からレシピデータCDを送信後、端末側表示部216に必ず表示される専用画面である。
【0292】
第3画面216C1、216C2は、2種類ある。1つ目の画面は、この図43(A)に示す第3表示画面216C1である。無事に送信が成功したことを、表示部244Aに文字で表示している。
もう1つは、加熱調理器1からの送信が失敗に終わった場合に表示される、別の第3画面216C2である。
図43(B)に示しているように、前記第3画面216C2には、加熱調理器1からの送信が失敗したことと、その原因が文字で表示される。
【0293】
次に、図44について説明する。
図44は、通信端末200の表示動作を示す説明図3である。
図37で説明したように、オプション設定機能によって図44(A)に示すような第2画面A(216B1)が表示される。240は、図42(B)で説明した送信用の入力キー(アイコン)である。
【0294】
図44(B)は、第2画面B(216B2)を示したものである。この第2画面B(216B2)は、第1画面216の確定キー(アイコン)237を押した段階で、選択した調理メニューで使用する加熱手段や加熱口(この図44では、右加熱口4R)が別の調理で使用中である場合に表示される。
この図44(B)の第2画面B(216B2)から明らかなように、先に使用している調理(右加熱口4R)を終えてから、レシピデータCDを送信することを示したアドバイス情報が表示される。
【0295】
次に図45について説明する。
図45は、通信端末(情報処理端末器)200の、レシピデータの表示画面と調理工程との関係を示す動作説明図である。
図45(A)に示したものは、前記第1画面216Aの模式図である。すなわち、ユーザーが既に希望する1つの調理メニュー(この場合、「アクアパッツァ」)のレシピ情報を探し出して、それを表示させた状態を示している。
【0296】
図45(A)において、245は、レシピデータCDの識別情報(調理メニュー名)表示部である。例えば、調理の名称や略称等を表示する部分である。
235は、調理メニューの対象となる調理物を端的にイメージできる模式図や写真(静止画)等の画像表示部であり、前記識別情報表示部245と近接した位置に表示される。
【0297】
図42で説明したように、この図45(A)に示している第1画面216Aには、識別情報表示部245の情報に加えて、識別情報72や調理時間、調理工程情報226A等が表示される。
この図45(A)では、後述する第1表示部分251と第2表示部分252に示しているように、「IHで適温200℃」と「グリル10分」等の制御条件のデフォルト値が示されている。このような制御条件のデフォルト値も、レシピデータCDに含めて送信できる。従って加熱調理器1側では、制御装置22に対する(調理工程1用の)設定情報Aとして「予熱温度200℃」等のデータを最初から取得できる。
【0298】
前記調理工程情報226A、226Bは、調理工程別に1個所に纏めて表示される。例えば、調理工程1と調理工程2を有する調理メニュー(例えば、前記した「アクアパッツァ」)では、調理工程1と調理工程2の内容を表示した末尾の部分に、それぞれ1個所ずつ表示される。
この図45(A)には、第1画面216Aの一部しか図示していない。この第1画面216Aを、破線で示すように指先FGをタッチしながら上方向へ移動させると、画面を上方向にスクロールすることができる。つまり、この第1画面216Aは縦方向に長く続いており、画面を上方向にスクロールすることに伴い、下方から順次別の関連情報が表示される。これにより、詳細な材料や下ごしらえ等の情報が、順次表示されるようになる。
【0299】
237は、この第1画面216Aに表示された1つの調理メニュー(例えば、前記した「アクアパッツァ」)の調理工程1を選択する確定キー(アイコン)である。この確定キー237Aは、図39のステップSE5で説明した調理メニューの確定キー(アイコン)である。
251は、調理の作り方(レシピ)の中で、調理工程1に関する説明文が表示されている第1表示部分である。
この図45(A)から明らかなように、第1画面216Aにおいて、調理工程1の「作り方」を表示した部分の最も末尾の位置、すなわち、第1表示部分251の下端と隣接した位置に、前記入力キー237Aと、前記調理工程情報226Aと、が配置された画面構成になっている。
【0300】
次に、図45(B)について説明する。
図45(B)は、図45(A)に示した第1画面216Aの下端に連続した画面であるため、レシピデータCDの識別情報(調理メニュー名)表示部245と、画像表示部235とは、何れも表示していないが、常に第1画面216Aの上部に表示されるようにしても良い。
調理の作り方(レシピ)の中で、調理工程2に関する第2表示部分252の下方に隣接して、前記調理工程情報226Bと、入力キー(アイコン)237Bとが、それぞれ配置されている。なお、図45(B)に示しているように、調理工程1と調理工程2の間の「加熱休止期間P3」における調理の方法も表示される。
このように、図45(A)(B)に示すように、第1画面216Aには、調理工程1から加熱休止期間P3、更には調理工程2における調理の仕方や食材の情報、火力や加熱時間等の制御条件に関する情報も、調理工程の順番通りに、画面の上部から下方に連続的に表示される。
【0301】
次に、図46について説明する。
図46は、実施の形態1の加熱調理システムにおける、通信端末(情報処理端末器)200と加熱調理器1の連携動作を示すタイムチャート1である。
ここで、「予告情報A」とはレシピデータCDの内、調理工程1を実行するために必要な情報をいう。前記予告情報201の一部である。
レシピデータCDの対象となる調理メニューが、連携調理モードKM1の調理メニューである場合、少なくとも調理工程1と調理工程2の2つの部分を含む。そして、調理工程1と調理工程2を、通信端末200から順次(2回に分けて)取得する場合には、調理工程1の部分の予告情報201を「予告情報A」(201A)と呼び、調理工程2の部分の予告情報を「予告情報B」(201B)と呼ぶ。但し、2つの調理工程の情報を一括して送信する場合には、単に「予告情報」と総称する。この図46に示した例は、調理工程1と調理工程2を、通信端末200から順次(2回に分けて)取得する方式を採用した場合の例である。
【0302】
図46において、ステップSG1~SG12は、加熱調理器1の制御装置22の主要な動作ステップと、通信端末200の関連する動作ステップを示している。
SP1は、通信状態確立した以後の「通信確立ステップ」(準備ステップ)である。特定のレシピデータCDに関する情報を送信又は受信しない段階である。
【0303】
次のSP2Aは、通信端末200から(調理工程1の)予告情報A(201A)が通信端末200から送信され、その予告情報201Aの内容を制御装置22で判定する「キー特定工程」である。このキー特定工程SP2Aでは、加熱調理器1で操作すべき特定入力キーを、予告情報201Aで特定される調理メニューの情報(識別情報72を含む)から判定する。
【0304】
次のステップSP2Bは、キー特定ステップSP2Aの判定結果を受けて、レシピデータCDの受信のために、事前に操作すべき「特定入力キー」を統合表示部15で表示する「報知工程」である。具体的には、その「特定入力キー」は、3対の共用キー42L~42Rの内から1対だけ選択される。連携調理モードKM1の各調理メニューと統合表示部15の3つの表示エリア15L~15Rとの対応関係は、制御装置22側で事前にデータとして保有しているため、例えば、前記「特定入力キー」が、中央操作部17の左共用キー42Lであると判定された場合、統合表示部15の第1エリア15Lで表示するように、制御装置22から指令が発せられる。
【0305】
SP3は、加熱調理器1において、前記予告情報A(201A)の内容を確認し、確認信号(選択情報A)202(202A)を通信端末200に送信する「確認ステップ」である。
SP4は、調理の対象となる1つの被調理物に関するレシピデータCDの情報を取得する「受信ステップ」である。
SP5は、レシピデータCDを加熱調理器1が正常に取得できた後で、加熱調理動作の開始指令を待っている「待機ステップ」である。
図46においては、加熱調理器1と通信端末200との間で通信状態を確立した時点(ステップSG1)以降を主体にして、以下の通り説明する。
【0306】
前記通信状態の確立は、加熱調理器1と通信端末200との間で、例えば、相互認証のための準備信号(準備情報)203を送信・受信することによって行われる。なお、この準備信号(準備情報)203は、加熱調理器1の起動時に自動的に発信される。あるいは特定の入力キー(例えば選択キー70)を押すと発信される。
準備信号203は、加熱手段や調理メニューに関係なく、統一された信号であり、加熱調理器1の少なくとも機器識別情報を含む。また、通信端末200をクラウドサーバー300に誘導する二次元情報が、統合表示部15に最初に表示される待機時初期画面に表示されるので、通信端末200でその二次元コードを読み取り、クラウドサーバー300に誘導するので、レシピデータCDをクラウドサーバー300から取得する準備も簡単に行える。
【0307】
図46では、連携調理モードKM1に関する調理メニューを実行する場合について説明する。なお、通信端末200では、上述したようにサブ調理モードを指定して、そのサブ調理モード別に(1つの)調理メニューを検索することができない。また、そのようなサブ調理モード別の検索よりも、調理の種類(例えば、和食、中華等)や名称、略称等によって探す方が効率的であるため、この実施の形態1の通信端末200では、調理の名称等によって調理メニューを抽出する方法を採用している。つまり、通信端末200では、使用する加熱手段や加熱口等を検索キーワードとして、目的の調理メニューを抽出できないようになっている。
【0308】
最初に、通信端末200では、調理メニューを検索する。クラウドサーバー300から目的の調理メニューのレシピデータを先に取得しておいても良い(ステップSG2)。この時点では、端末側表示部216は、調理メニューの検索結果を表示した検索画面216P(図示せず)になっている。
【0309】
通信端末200では、前記検索画面216Pに表示された複数の調理メニューの1つをタッチ操作して選択すると、ユーザーが調理したい特定の(1つの)調理メニューだけを、第1画面216Aに表示させることができる(ステップSG3)。この時点では、特定の1つの調理メニューを実行するための設定情報(設定情報A)は、加熱調理器データベース217(図示せず)から読み出され、通信端末200のレシピ選択部232(図示せず)の中に一時的に保持されている。
【0310】
このステップSG3の段階の第1画面216Aは、図42(A)で説明した通りである。この第1画面216Aにおいて、確定キー237をユーザーがタッチ操作すると(ステップSG3A)、そのタッチ操作による入力を受けて通信端末200の中央処理装置(図示せず)は、前記第1画面216Aに代えて、第2画面216Bを端末側表示部216に表示させる(ステップSG3B)。
【0311】
一方、加熱調理器1に対して予告情報A(予告通知)201Aが送信される(ステップSG3B)。このように、調理メニューの確定キー(アイコン)237を押した段階で、通信端末200において、調理工程1に関する予告情報A(201A)が生成されて送信される。
【0312】
前記第2画面216Bでは、図42(B)で説明したように、加熱調理器1側で、確認用の入力操作をすることを求める情報(選択要求情報)が表示される(ステップSG4)。この情報には、前記予告情報A(201A)を含んでいる。
図42(B)の例では、右加熱口4Lに対応した左共用キー42Lの操作が指定された。この図46の例でも、連携調理モードKM1の場合であって、最初の調理工程1は誘導加熱であり、例えば、左加熱口4Lを使用するので、左共用キー42Lを操作する必要がある。
【0313】
このように、前記予告情報A(201A)を受けた加熱調理器1側では、中央操作部17の中で選択(確認ステップSP3の)操作が求められている共用キーを特定できるようにしている。すなわち、統合表示部15の中の関係する表示エリア15L~15Rの何れか1つには、受信待機情報80や識別情報72を表示する(ステップSG4)。
【0314】
次のステップSG5において、左共用キー42Lを押圧操作すると、前述したように1つの調理メニューで使用する加熱手段の「占用状態」が開始される。連携調理モードKM1の場合、少なくとも調理工程は2つあるため、調理工程1と調理工程2で使用する加熱手段の「占用状態」が開始される。
つまり、加熱調理器1では何らかの取消し操作をしないと、占用された加熱手段を利用する、他の調理メニューの選択ができない状態になる。
【0315】
引き続き図46について説明する。
ステップSG5において、例えば、左共用キー42Lを操作すると、この入力操作結果を示すデータ(選択情報A)(202A)が通信端末200にて取得される(ステップSG6)。このため、通信端末200における端末側表示部216には、図44(A)に示すように、「共用キー(共用ボタン)が押された」旨の案内文が、第2画面A(216B1)に表示される(オプション設定の場合)。オプション設定していない場合には、図42(B)に示した第2画面216Bの状態が維持される。
【0316】
次に、図42(B)に示した第2画面216Bにおける、送信キー240が押されると、又は、図44(A)に示した第2画面A(216B1)の送信キー240が押されると、1つの調理メニューを実行するためのレシピデータCDが、通信端末200から送信される(ステップSG7)。つまり、通信端末200から加熱調理器1を特定の状態に設定するための「コマンドデータ」(調理工程1のための設定情報A)が一括して送信される。なお、この場合は、設定情報Aだけであるため、調理工程1のレシピデータCDだけが送信されるが、前述したように調理工程1と調理工程2の全てのレシピデータCDを、一括して送信しても良い。
【0317】
この実施の形態1においては、加熱調理器1の通信部25は、アダプター形式で加熱調理器1の外側壁面等に取り付けられているので、以下では、通信部25を「通信アダプター」と呼ぶ。
【0318】
通信アダプター25では、前記コマンドデータを受信すると(ステップSG8)、この後、図47で説明するように、加熱調理器1自身の状態情報を取得する。この状態情報とは、加熱調理器1の制御装置22の状態を示す情報である。そのため、例えば第1の加熱手段HM1が加熱制御部23によって、どのような状態であるかを確認した情報となる。
こうして、加熱調理器1の状態情報と、受信したコマンドデータとの内容を分析し、受信したコマンドデータに従った加熱調理の実行に問題がないかどうかを判定する(図47のステップSG9参照)。
【0319】
加熱調理器1で、調理の実施に問題がないという判定結果になると、通信アダプター25では、状態確認結果を通信端末200へ送信する(ステップSG10)。なお、この送信処理は、図40で説明したステップSC5の「許可通知」の発信に相当する。仮に、調理の実施に問題があるという判定結果の場合は、加熱調理器1の通信アダプター25から通信端末200に対してレシピデータCDは受信できない旨の内容を含んだ信号(不許可通知)のデータを発信する。これは、図40に示したステップSC11の処理に相当する。
【0320】
通信端末200は、加熱調理器1からの「許可通知」又は「不許可通知」の内容を、中央処理装置(図示せず)が分析する(ステップSG11)。
そして、図43(A)に示した第3画面216C1、又は図43(B)に示した第3画面216C2の、何れかを表示する(ステップSG12)。
【0321】
レシピデータCDによって特定の調理メニュー(例えば、「ハンバーグ」)のデータを取得した場合には、その調理メニューを別の調理メニュー(例えば「からあげ」や「とんかつ」)に変更することはできない。また、音声入力によっても、調理メニューの変更は、この段階ではできない。
【0322】
なお、受信したレシピデータCDによって特定の調理メニューで調理を実行する場合、その調理開始前(図40参照)、又は開始後(図41参照)に入力操作部36や音声入力によって、制御条件(例えば、加熱調理時間や目標とする加熱温度等)を、ユーザーが適宜変更できるが、一部の調理メニューには、制御条件の変更ができないものもある。また、制御条件の「設定許容範囲」は、加熱調理器1側で事前に設定されており、通信端末200から入手した調理メニューの調理であっても、その「設定許容範囲」を逸脱することはできない。
【0323】
選択情報A(201A)を発信する直前で操作した共用キー(42L等)の前方にある、1つの切入りキー(41L等)を押せば、受信したレシピデータ(設定情報A)を利用して、連携調理モードKM1の調理工程1を開始できる(図47の、ステップSG14参照)。
【0324】
次に、図47について説明する。
図47は、実施の形態1の加熱調理システムにおける、通信端末(情報処理端末器)200と加熱調理器1の連携動作を示すタイムチャート2である。図46のタイムチャート1を更に詳しく説明したものである。
【0325】
図47において、ステップSG1~SG16は、加熱調理器1の制御装置22の主要な動作ステップと、通信端末200の関連する主要な動作ステップとを示している。
図47では、図46と同じ部分については、同じ符号を付しているので、相違する部分を主体に以下説明する。
【0326】
ステップSG9は、加熱調理器1の状態情報と、受信したコマンドデータとの内容を分析し、受信したコマンドデータに従った加熱調理の実行に問題がないかどうかを判定する。
ここで、加熱調理器1の前記「状態情報」とは、例えば、「誘導加熱の火力はゼロであり、加熱開始直前の待機状態である」ことや、温度センサー群30からの温度検出信号を受けた状態と検出温度などの情報を、前記通信アダプター(通信部)25が取得する。なお、通信アダプター25の内部では、このような状態確認の動作を、一定時間間隔で何度も繰り返し行い、最新の正確なデータを収集する。
こうして、加熱調理器1の状態情報と、受信したコマンドデータとの内容を分析し、受信したコマンドデータに従った加熱調理の実行に問題がないかどうかを判定する。なお、このような判定処理は、図40のステップSC3で詳しく説明したので、詳細は省略する。
【0327】
加熱調理器1では、受信したレシピデータCDでの調理を開始できる場合には、操作すべき入力キーをユーザーに示すため、前記発光制御部37により、関係する第1(左)エリア15L~第3(右)エリア15Rの内の、何れか1つの表示を強調する。例えば、背景色を白色から黄色等に変化させることを採用しても良い。
あるいは、操作すべき共用キー15L,15M、15Rの1つだけを、発光制御部37によって発光素子(図示せず)によって下方から照らして、他のキーと明瞭に識別できるようにする(ステップSG13)。
【0328】
以上のように、ステップSG13では、ステップSG5で選択した入力操作部17の中の特定の入力キー(共用キー)の操作面やその近傍、あるいは表示エリア15L、15M、15R自体を、連続発光や点滅発光、背景色等によって、視覚的に目立った状態にする。
次に、ステップSG15に進む。このステップSG15では、左共用キー42Lの前方にある左切入りキー41Lを押せば、誘導加熱調理が開始される。加熱調理器1の通信アダプター25では、この加熱開始直後から、再び状態情報の取得動作を一定時間毎に行い、通信端末200に送信する。
【0329】
レシピデータCDを利用しない連携調理モードKM1の調理は、調理工程1が左加熱口4Lであっても、調理メニューの識別情報72は、中央エリア15Mに表示された。
これに対して、外部から取得したレシピデータCDを連携調理モードKM1の調理に利用する場合には、以上の説明から明らかなように、調理工程1で使用する加熱口や加熱手段、加熱室6等の情報を基準にして、識別情報72や受信待機情報80(図36参照)を表示する場所が変化する。
【0330】
次のステップSG16では、通信端末200は加熱調理器1からの状態情報のデータを取得し、ユーザーが設定したレシピデータCD通りの加熱調理が行われていることを、端末側表示部216で監視できる。なお、この時点では、既に端末側表示部216には第3画面216Cは表示されていない。
【0331】
次に、図48について説明する。
図48は、主電源スイッチ20をONにした以降の、主な各動作ステップに対応した統合表示部15の表示内容を模式的に示した説明図である。
図48(A)のように、主電源スイッチ20をOFFにしている状態では、統合表示部15は起動されていないので、何も情報を表示していない。
主電源スイッチ20をONにすると、制御装置22は、前述したように異常有無等の自己診断を行ったあとで図48(B)に示したような待機時初期画面1を、統合表示部15の表示画面全体に亘って表示させる。
【0332】
図48(B)に示した表示画面において、68Aは、電源が入っていることを報知した表示文である。68Bは、ネットワークNW経由で専用のレシピ掲載サイトであるレシピデータ提供サーバー301に(通信端末200を)誘導するための、二次元情報(二次元コード)である。68Cは、その二次元コードの意味を説明した文章(以下、「二次元情報説明文」)である。
【0333】
前記した通信端末200によって、前記二次元コード68Bを光学的に読み込ませると、各種調理レシピの情報を保有した前記レシピデータ提供サーバー301に誘導して接続することができる。この二次元情報説明文68Cと、前記表示文68Aは、前記待機時共通情報68の1種である。
【0334】
図48(B)に示した待機時初期画面1が表示されたあと、図48(C)に示したような待機時初期画面2に表示が自動的に切り替わる。この待機時初期画面2では、操作誘導情報68Dによって、ユーザーによる加熱源の選択のための、入力操作を促している。
68Eは、外部からのレシピデータCDを使用して調理ができることを説明した案内文である。これら操作誘導情報68Dと案内文68Eは、待機時共通情報68の1種である。
【0335】
図48の(B)と図48(C)に示した待機時初期画面1及び待機時初期画面2を総称して待機時初期画面と呼ぶ。なお、この2つ以外の形態を待機時初期画面に含めても良い。
図48(D)は、統合表示部15の表示画面に、前記受信待機情報80が表示された状態を示したものである。この図48(D)は、既に図47で説明した「通信状態確立」のステップSG1よりも後の段階で、ステップSG5よりも前の時点の状態を示している。
【0336】
図48(E)は、図48(D)の状態から自動的に切り替わって表示された統合表示部15の表示画面の状態を示している。この図48(E)に示すように、前記受信待機情報80は、通信端末200から送信された予告情報201を受けて、左加熱口4Lに対応した共用キー42Lの操作を促す内容に変化している。
この図48(E)の状態は、図46で示したステップSG4の段階である。なお、この図48(E)の表示内容は、自動的に音声報知部50により、音声で報知しても良い。この場合、音声では「レシピデータを受信して良い場合には、左の共用キーを押してください」というような内容になる。
【0337】
図48(B)(C)によって明らかなように、前記待機時共通情報68の表示は、表示画面の全体を利用して行っている。つまり、前述した第1エリア15L~第3エリア15Rの何れかによって、部分的に表示するのではなく、できるだけ広い表示面積を確保するため、第1エリア15L~第3エリア24の3つを識別できないように一体化(結合)表示をして、ユーザーには統合表示部15の全体で表示しているように見せている。
【0338】
次に図49について説明する。
図49は、統合表示部15における、レシピデータ受信過程を示す動作説明図である。 図49(A)と図49(B)は、図48(D)(E)の表示例の変形例を示している。
図49(A)は、通信端末200から予告情報201を受信した直後に表示される表示例を示している。図49(A)の状態は、図46で示したステップSG4の段階である。
図49(B)は、図49(A)の表示時点から短時間(数秒以内)に自動的に切り替えられて表示される表示画面の例である。この図49(B)の状態も、図46で示したステップSG4の段階である。
【0339】
図49(A)(B)において、80Aは、受信工程開始前の待機状態表示部である。80Bは、レシピデータCDの受信のための共用キー42L、42M、42Rの操作を促す案内情報である。
80Cは、操作すべき共用キー42L、42M、42Rのイメージを図形で表示した図形である。これは共用キー42L、42M、42Rの平面形状を模した形状で表示される。前記待機状態表示部80Aと、前記案内情報80Bと、前記図形80Cは、何れも前記受信待機情報80の一種である。
【0340】
図49(B)の例は、調理工程1が左加熱口4Lと右加熱口4Rの何れでも可能なレシピデータCDの場合であり、左共用キー42Lと右共用キー42Rの何れか1つだけを選択できる。なお、操作間違いをした場合を考慮して、例えば、仮に一方の共用キー(左共用キー42L)を押した直後から、短時間(数秒以内)であれば、他方の共用キー(右共用キー42R)を押すことによって、最初の左加熱口4Lの選択を直ぐに取り消すことを可能にしても良い。
【0341】
図49(C)は、正しい共用キー(例えば、42L)が操作された直後の表示内容を示したものである。つまり、レシピデータCDの受信動作が開始された以降の状態を示している。この図49(C)の状態は、図46で示したステップSG8の段階である。
図49(C)において、90Aは、受信動作の進捗に応じて現れる、複数個の進捗マークである。この進捗マーク90Aは、黒い三角図形と白い三角図形の2種類ある。
90は、受信動作表示部である。この場面では、外部からレシピデータCDを受信している途中段階にあることを文字で表示している。
【0342】
図49(C)に示すように、レシピデータCDの受信動作の開始直後は、黒い三角図形の進捗マーク90Aが1つ表示される。受信動作が進むにつれて順次その数が増えて行き、最終的に黒い三角図形(進捗マーク90A)が5つ並んだ状態となる。なお、黒い三角図形の進捗マーク90Aの増加に応じて、白い角形図形の進捗マーク90Aは同じ数だけ消えた状態になる。
【0343】
進捗マーク90Aは、1つの図形の大きさや色を変化させて進捗度合いを表示しても良く、またはアニメーションで表現しても良い。
次に、図49(D)は、レシピデータCDの受信動作の結果を示した模式図である。
レシピデータCDが、前記許可条件(許可条件1等)の判定によって「不許可処理」となった場合、図49(D)に示すように、図49(C)の受信動作表示部90は、受信動作に失敗した不受信情報(不許可情報)91の表示に変化する。
この図49(D)の状態は、図46で示したステップSG10の段階である。
91Aは、受信支援情報である。この図49(D)では、許可条件の内、ピークカット電力の設定値が5000W未満であったことがレシピデータCDの不許可の理由であったことを指摘している。そのため、改善方法を表示している。この図49(D)の例では、ユーザーに対して、機能設定キー45を操作して加熱調理器1のピークカット機能の設定変更をすることを推奨している。
【0344】
この実施の形態1では、連携調理モードKM1のように、2種類以上に加熱手段と、2つ以上の調理工程とを有した調理を、外部からレシピデータCDを取得して行う場合、調理工程1と調理工程2の両方のレシピデータCDを一括して一度に加熱調理器1が外部から取得する方法(一括取得方式)と、調理工程1の段階と、調理工程2の段階で順次取得する方法(順次取得方式)、の2種類があることを説明した。
【0345】
後者の「順次取得方式」を採用する場合、連携調理モードKM1では、加熱休止工程(加熱休止期間P3)があるため便利である(図45参照)。
すなわち、調理工程1は、設定時間経過時又はユーザーが終了キー(切入りキー)を押した場合等で、それぞれ終了するため、その終了時点から加熱休止期間P3が開始される。この加熱休止期間P3では、ユーザーが調理工程2の開始前の準備を行うことができるので、この加熱休止期間P3中に、調理工程2の取得のために予告情報201(201B)を受けることができる。その後、調理工程2のための確認信号を発信するため、正しい入力キー(共用キー42L、42M、42R)を押すという手順で、確実に調理工程2のレシピデータを取得し、調理工程2を開始することができる。
【0346】
調理工程2は、ユーザーが切入りキー(41R、41M等)を操作して開始指令を与えた場合に制御装置22が加熱動作を開始するから、ユーザーが加熱休止期間(P3)中に、調理工程2の準備を自由に行える(但し、調理工程1の終了から、30分間以内等の上限が設定されている)。
【0347】
次に図50について説明する。
図50は、タイマー機能(切タイマー機能)を使用した場合における、統合表示部15、中央操作部(後方操作部・前方操作部)17、右操作部18及び右火力表示部16Rの、表示状態と入力操作とを示す説明図1である。
【0348】
前記選択部SKにより選択された前記上面加熱部UHの1つ(例えば、左加熱口4を構成する左IHコイル9L)に対し、「時限条件」を入力するタイマー操作部43は、当該左IHコイル9Lの加熱動作時間TAをユーザーが入力することができる。
ここで、前記時限条件とは、加熱動作を時間的要素で制限する条件のことをいう。例えば、加熱動作時間TAとして30分間という条件をユーザーが入力した場合、当該時間が設定時間PTであり、この「30分間」が前記時限条件でもある。
【0349】
この図50は、図10で説明したように左加熱口4Lと右加熱口4Rで、それぞれ加熱調理を行っている途中段階を示している。
右加熱口4Rでは、火力レベル6で誘導加熱を行っている段階であり、右火力表示部16Rでは「火力6」を表示している。
一方、左加熱口4Lでは、火力レベル2で誘導加熱を行っているが、その加熱は、タイマー機能(切タイマー機能)によって設定時間経過時に自動的に停止される。
【0350】
次に、この左加熱口4Lの誘導加熱と右加熱口4Rの誘導加熱途中で、タイマー操作部43を操作した場合について説明する。
図50に示すように、タイマー操作部43をユーザーが1回操作した場合、制御装置22は、加熱動作に使用中の上部加熱部UHがあるかどうかを判定する。また、加熱室6についても加熱動作中であるかどうかを判定する。
【0351】
図50に示すように、上部加熱部UHの内、左加熱口4Lと右加熱口4Rが加熱動作中であると制御装置22が判定すると、一定のルールに従って候補時間情報TXを関係する表示エリアに表示する。
すなわち、表示する順番は基本的に第1エリア(左エリア)15L、第2エリア(中央エリア)15M、第3エリア(右エリア)15Rの順である。ここで、図50に示した例のように、第2エリア15Mが加熱動作に使用されていない場合は、当該表示エリアで表示せず、次の第3エリア15Rで表示する。
【0352】
更に、第1エリア(左エリア)15L~第3エリア(右エリア)15Rに候補時間情報TXを順次表示するタイミングは、タイマー操作部43をユーザーが1回操作するタイミングと同期している。言い換えると、最初は第1エリア15Lに優先的に表示されるが、その表示後においてユーザーが更にタイマー操作部43を操作しない限り、候補時間情報TXの表示エリアが切り替わることはない。
【0353】
ところで、最初に表示される候補時間情報TXでは、第1エリア(左エリア)15L~第3エリア(右エリア)15Rの全てにおいて、一律に15分間がデフォルト値である。
従って、第1エリア15Lの設定時間表示部67には、最初に30分間という時間が表示される。そして、その30分間を増減させるのは、第1エリア15Lに対応した入力キー(共用キー42L)ではなく、右操作部18に配置した1対の入力キー(アップダウンキー)44である。時間を長く設定したい場合は、右側の時間調整キー44である。逆に時間を短く設定したい場合は、左側の時間調整キー44を操作すれば良い。
【0354】
タイマー調理の時間は、基本的に1分単位であるが、機能設定キー45によって、5分単位、10分単位、30分単位等に設定できる。
以下の説明では、時間調整キー44は、1回操作する度に30秒変更できるという前提で説明を簡略化する。なお、1つの候補時間情報TXの表示が開始されてから、そのまま5秒間以上、何も右操作部18から入力が行われないと、5秒経過時点でその候補時間情報TXの時間が、設定時間PTとして確定する。
【0355】
図50では、デフォルト値の30分間を変更することなく、ユーザーが機能設定キー45を操作して、計時動作(カウントダウン)が開始され、残り時間が15分間になった状態を示している。
66Aは、残り加熱時間表示部66に付随した補助情報であり、残り加熱時間表示部66に表示された時間が、設定時間(例:30分間)を基準にした残り時間であることを示す目的で表示されている。
【0356】
前記制御装置22は、複数の加熱調理メニューの中からユーザーが選択した1つの調理メニューの実行機能を有しており、前記加熱部の1つ、例えば、左加熱口4Lの左IHコイル9Lが、前記加熱調理メニューの1つのために加熱動作しているときに、前記タイマー操作部43が操作されると、当該加熱調理メニューに前記切タイマー機能を適用するかどうか判定し、適用する場合は、前記加熱調理メニューを実行中の前記加熱部に対応した、前記個別表示エリア(例えば、左表示エリア15L)において、前記切タイマー機能の設定時間情報(例えば、10分間)を表示する。
【0357】
図50では、火力表示部48の下方に、残り時間表示部66を表示している例である。切タイマー機能の設定時間(例:10分間)を「10:00」と表示している。
この火力表示部48の代わりに、サブ調理モードの識別情報46(図25参照)を表示しても良い。あるいは、調理メニューの識別情報72(図27参照)を表示しても良い。つまり、残り時間表示部66と、これら識別情報46、72を同時に表示しても良い。
【0358】
次に図51について説明する。
図51は、タイマー機能(切タイマー機能)を使用した場合における、統合表示部15、中央操作部(後方操作部・前方操作部)17、右操作部18及び右火力表示部16Rの、表示状態と入力操作とを示す説明図2である。
この図51では、第1エリア15Lに、候補時間情報TX(例えば、15分間)が表示された後、ユーザーが機能設定キー45を操作せずに、タイマー操作部43を更に1回操作した場合を示している。
この図51では、火力レベル6で誘導加熱を行っている右加熱口4Rの加熱動作を、タイマー機能(切タイマー機能)を使用して、設定時間PTだけ継続させる場合を示している。図51に示しているように、残り時間は10分間であるので、10分経過後に右加熱口4Lの加熱動作は自動的に停止する。
【0359】
図50図51の説明から分かるように、図51のように右加熱口4Rの第3エリア15Rに候補時間情報TX(例えば、15分間)を表示させるには、図50図51のように、タイマー操作部43をユーザーが連続して2回操作する必要がある。なお、この図51の状態でタイマー操作部43をユーザーが更に1回操作した場合、候補時間情報TX(例えば、15分間)を表示させる表示エリアは、再び第1エリア15Lに戻る。
【0360】
次に図52について説明する。
図51は、タイマー機能(切タイマー機能)を使用した場合における、統合表示部15、中央操作部(後方操作部・前方操作部)17、右操作部18及び右火力表示部16Rの、表示状態と入力操作とを示す説明図3である。
この図52は、図51に示した操作に続く、操作内容と表示内容を示している。
【0361】
第3エリア15Rに、候補時間情報TX(例えば、15分間)が表示された後、ユーザーが機能設定キー45を操作せずに、時間を短く設定したい場合は、左側の時間調整キー44を数回操作すれば、候補時間情報TXを10分間に変更して表示させることができる。更に、その状態から左側の時間調整キー44を1回操作すれば、この図52に示しているように、候補時間情報TXを9分30秒間に変更して表示させることができる。この9分30秒間の状態では、補助情報66Aが「あと」という文字を点滅表示させているので、確定した時間ではないことが分かる。
【0362】
次に図53について説明する。
図53は、タイマー機能(切タイマー機能)を使用した場合における、統合表示部15、中央操作部(後方操作部・前方操作部)17、右操作部18及び右火力表示部16Rの、表示状態と入力操作とを示す説明図4である。
この図53は、図52に示した操作に続く、操作内容と表示内容を示している。
【0363】
第3エリア15Rに、候補時間情報TX(例えば、9分30秒間)が表示された状態(図52に示した状態)から、ユーザーがタイマー操作部43を1回操作すると、制御装置22は、その瞬間の候補時間情報TXが示す時間を、設定時間PTとして採用し、設定時間PTが確定する。
なお、図53に示したように、候補時間情報TXを残り時間表示部66に表示させたまま、一定時間(例えば、5秒間)放置すると、当該候補時間情報TXが示す時間が前記設定時間PTに採用される。
【0364】
図53に示すように、文字を点滅状態で示していた前記補助情報66Aは、前記候補時間情報TXが設定時間PTとして確定した場合、連続表示状態の補助情報66Bに変化する。
【0365】
次に、図54について説明する。
図54は、タイマー機能(切タイマー機能)を使用した場合における、制御装置22の制御動作のステップ説明図(タイムチャート)である。
ステップSD1~SD8は、制御装置22の中に切タイマー機能の実行プログラムとして記憶(格納)されている。
図54では、加熱動作の開始から設定時間PTのカウントダウン開始指令待ち(待機状態)までの動作を時系列に示している。
【0366】
加熱室6を使用して1つの調理モード(グリル)の加熱動作を開始すると、対応する第2エリア15Mには、調理モード(グリル)の識別情報を兼ねた加熱源表示部47が表示される。また、図25に示したように火力レベル1~火力レベル5(図25参照)等の制御条件の情報も表示される(ステップSD1)。
【0367】
以上のように、加熱室6だけが加熱動作している段階で、次にタイマー操作部43を1回操作すると(ステップSD2)、当該加熱動作中の特定の調理メニューに対して、前記切タイマー機能を適用するかどうかを制御装置22が判定する。当該判定は専用の判定回路を設けても良いが、制御装置22の動作プログラムを構成するソフトウエアによって実行しても良い。切タイマー機能を適用することに問題ないという判定結果が得られた場合は、第2エリア(中央エリア)15Mに、候補時間情報TXが表示される。なお、この図54では、特定の調理モード(グリル)の場合、最初に表示される(デフォルト値)候補時間情報TXの時間は、「10分間」であるとして、以下説明する。
残り時間表示部66には、「あと」という文字が点滅表示され、それに隣接して「10:00」という候補時間情報TXを表示する(ステップSD3)。
【0368】
次に、左側の時間調整キー44を1回操作すれば(ステップSD4)、図52で説明したように、候補時間情報TXを9分30秒間に変更して表示させることができる。この9分30秒間の状態では、補助情報66Aが「あと」という文字を点滅表示させている(ステップSD5)。
更に、ステップSD5から何も入力操作をせずに5秒間経過した場合、又は、タイマー操作部43を1回操作すると(ステップSD6)、設定時間PTは、ステップSD5の段階の「9分30秒間」で確定する。そして、図53で説明したように、点滅状態で示していた前記補助情報66Aは、連続点灯の表示状態になり、補助情報66Bに変化する(ステップSD7)。
この後、制御装置22は、前記機能設定キー45が押されたかどうかを検知する待機状態に移行する(ステップSD8)。
【0369】
次に、図55について説明する。
図55は、タイマー機能(切タイマー機能)と前記「外部通報モード」を使用した場合における、制御装置22の制御動作を示すフローチャートである。
ステップSH1~ステップSH4は、制御装置22の中に「切タイマーの外部通報モード」の実行プログラムとして記憶(格納)されている。
【0370】
加熱室6を使用して1つの調理モード(グリル)の加熱動作を開始すると、対応する第2エリア15Mには、調理モード(グリル)の識別情報を兼ねた加熱源表示部47が表示される。また、図54のステップSD1で説明したように、火力レベル1~火力レベル5(図25参照)等の制御条件の情報も表示される(ステップSH1)。
【0371】
次のステップSH2では、前記「外部通報モード」に事前に設定されているかどうかを判定する。外部通報モードであった場合、ステップSH3に進む。
ステップSH3では、ユーザーが機能設定キー45を操作して、計時動作(カウントダウン)が開始されかどうかを判定する。カウントダウンが開始されると、ステップSH4に進む。
ステップSH4では、事前に相互認証を行っている特定の通信端末200又は外部サーバー(クラウドサーバー)300に対して、ステップSH3でカウントダウンを開始した最初の時間情報、すなわち、設定時間情報(例えば、10分間)を送信する。
【0372】
通信端末200又は外部サーバー(クラウドサーバー)300に設定時間情報(例えば、10分間)が送信されると、受信側の通信端末200等では、同様に時間のカウントダウンを開始し、例えば、設定時間PTが終了する一定時間前(例えば、1分間又は30秒間前)に、通信端末200によって音声等で報知する。これにより、仮にタイマー調理の途中で、加熱調理器1の前からユーザーが少し離れていた場合でも、当該ユーザーが携帯している通信端末200や、同居している別の人に、調理の終了時期が迫っていることを報知することができ、安全性を向上させる加熱調理システムにすることができる。
【0373】
次に、図56について説明する。
図56は、タイマー機能(簡単タイマー機能)を使用した場合における、統合表示部15の、表示状態と入力操作とを示す説明図1である。この図56では、統合表示部15の近傍に、タイマー操作部(タイマースイッチ)43又は機能設定キー45を描いているが、これは説明を分かり易くするために描いたものであり、平面視でこのような位置関係にタイマー操作部43や機能設定キー45が存在するという意味ではない。
【0374】
図56のステップSM1は、図50と同じ場面を示している。すなわち、右加熱口4Rと左加熱口4Lにおいて、それぞれ加熱調理が行われている状態を示している。
ここで、タイマー操作部(タイマースイッチ)43を1回押すと、第1エリア15Lに補助情報66Aと、「10分00秒」という残り時間表示部66とが、一連に表示される。
次に、タイマー操作部43を更に1回押すと、第1エリア15Lの残り時間表示部66が消えるとともに、第2エリア15Mには経過時間表示部69が表示される(ステップSM1A)。69Tは、初期時間であり、この図に示すように「0秒」である。
次に、ユーザーが機能設定キー45を操作すると、経過時間表示部69の表示内容は1秒経過毎に順次変化し、前記初期時間69T(0秒)は、以後は経過時間(カウントアップ時間)となって、1秒単位で表示される(ステップSM2)。
【0375】
ステップSM3は、計時部39が経過時間を1分25秒までカウントアップした状態を示しており、タイマー操作部43を更に1回押した場合、この時点で経過時間の計測は一時的に停止したままとなる。
この後、タイマー操作部43を更に1回押すと、第2エリア15Lの残り時間表示部66は、計測した経過時間の表示に戻る。この後、ユーザーが機能設定キー45を操作すると、経過時間表示部69の表示内容は1秒経過毎に順次変化し、経過時間を1秒単位で表示する(ステップSM4)。更に、ユーザーが機能設定キー45を1回操作すると、計時部30の経過時間の計測は終了する。そのため、それまでの経過時間が経過時間表示部69に、例えば「1分30秒」のように表示された状態で終了する(ステップSM5)。
【0376】
次に、図57について説明する。
図57は、切タイマー機能と簡単タイマー機能とを選択する場合の、入力操作と表示エリアの対応を時系列で示す説明図である。
図57(A)が切タイマー機能の説明図であり、図57(B)が、簡単タイマー機能の説明図である。
図57(A)(B)において、符号43は、タイマー操作部43を示し、符号44は、機能設定キー45を示している。また、符号15L、15M、15Rは、個別表示エリアを示している。すなわち、15Lは第1エリア(左エリア)、15Mは第2エリア(中央エリア)、15Rは第3エリア(右エリア)を、それぞれ示している。
図57(A)において、設定時間のカウントダウンを開始する直前のタイマー操作部43の操作は、必ずしも必要ではないので、破線の枠で示している。すなわち、図53で説明したように、候補時間情報TXを残り時間表示部66に表示させたまま、一定時間(例えば、5秒間)である「待機期間TY」だけ経過すると、当該候補時間情報TXが示す時間が前記設定時間PTに採用されるので、そのままにしておくと、計時部39による「切タイマー機能」のカウントダウンが自動的に開始されるからである。
【0377】
次に、図58について説明する。
図58は、図39に示した通信端末200の、レシピデータの表示画面216と調理工程との関係を示す動作説明図2である。図45の連携調理メニュー(アクアパッツァ)とは別の調理メニューの例を示している。
この図58では、中央加熱口4Cを調理工程1で使用し、調理工程2は加熱室6を使用する、1つの連携調理モードKM1の場合の例である。
【0378】
図58(A)に示しているように、第1画面216Aには、調理メニューの名称等を示した識別情報表示部245の情報に加えて、以下の6つの情報が同時に表示される。但し、端末側表示部216の表示面積の制約で、全ての情報が一覧状態で見える訳ではない。
(1)調理時間
(2)分量(2人前、4人前など)
(3)材料
(4)下ごしらえ
(5)作り方(加熱調理器1で行う調理工程1、調理工程2等における調理方向など)
(6)調理工程情報(加熱手段と、その制御条件等を含む)226A、226B。
【0379】
この図58の連携調理メニューでは、調理工程1の終盤に、加熱動作を停止させて余熱で被調理物の調理効果を上げることが、図45の例と少し異なる。
【0380】
前記余熱工程PEは、中央加熱口4Cにおける誘導加熱を停止した時点から開始される。この余熱工程PEの期間は、この場合、15分間であるが、これは調理工程1の制御条件の1つであり、かつ、前記「15分間」は、デフォルト値である。このような制御条件のデフォルト値も、レシピデータ記憶部21Aの中に事前に格納されている。なお、レシピデータCDを通信端末200から取得した場合には、そのレシピデータCDの中の調理工程1のデータに含めて受信したものでも良い。何れにしても、加熱調理器1側では、調理工程1は、この「余熱工程(デフォルト時間は、15分間)」を基本的に含んでいる。
【0381】
前記余熱工程PEは、中央加熱口4Cの中央IHコイル9Mの駆動が停止すると、自動的に経過時間が計時部39でカウント開始される。
そして、このカウント開始時点からの経過時間は、1分単位で第2エリア(中央エリア)15Mに表示される。この点については、次の図59で詳しく説明する。
【0382】
次に、図59について説明する。
図59は、タイマー機能(簡単タイマー機能)を使用した場合における、統合表示部15の、表示状態を示す説明図である。この図59では、図58で説明した連携調理メニューの場合の、調理工程1の終盤における余熱工程段階の表示内容を示している。
【0383】
図59のステップSN1は、中央加熱口4Cにおける調理工程1の終盤で、中央IHコイル9Mの駆動を停止し、加熱動作を停止した場面を示している。
調理工程1を中央加熱口4Cで実行していたので、第2エリア15Mには、加熱源表示部47を表示し、それが停止していることを文字情報76で表示している。
また、この第2エリア15Mには、余熱工程を開始したことを示す文字情報77Aを併せて表示している。なお、中央加熱口4Cの上から調理工程1で使用した被加熱物Nが他の場所へ移動されてしまった場合には、その時点以降、被加熱物Nの不存在を温度センサー群30が検知し、余熱工程の文字情報77Aの表示は行わなくなる。
【0384】
前記中央IHコイル9Mの駆動の停止時点から、制御装置22は計時部39によって経過時間を計測(カウント)しており、1分経過毎に経過時間情報78Aを表示する(ステップSN2参照)。そして、余熱時間のデフォルト値(例:15分間)に至るまでの残り時間情報78Bを表示する。これは1分経過毎に表示内容が更新される。
その後、規定の時間(前述した例では、15分間)を経過すると、ステップSN3に示すように、余熱工程が終わることを予告情報78Cで表示する。
【0385】
余熱工程が終わると、統合表示部15の第2エリア15Mには、自動的に調理工程2に移行するための準備を示す文字情報79と、調理工程2を開始するための進捗情報79Aが表示される。79Bは、調理工程1の余熱工程が終わった時点からの経過時間情報である。この図59のステップSN4では、経過時間情報79Bでは、余熱工程が終わってから1分経過していることを示している。
【0386】
図59では、経過時間情報78Aと残り時間情報78Bを、第2エリア15Mに表示していたが、これは調理工程2を行う加熱手段(第2の加熱手段HM2、第3の加熱手段HM3)や加熱室6の表示を行う担当が、第2エリア15Mであるからである。仮に、調理工程2を右加熱口4Rで行う調理メニューの場合は、第3エリア15Rにそれらが表示されることになる。
【0387】
以上のように、この実施の形態1では、連携調理モードKM1において、調理工程1から調理工程2に変わる途中段階で、ユーザーが経過時間(経過時間情報78Aや残り時間情報78B)を容易に知ることができ、円滑に調理工程2に進めることができる。また、これら経過時間の計測は、ユーザーがタイマー操作部43をその都度操作する必要がなく、自動的に行われるので、ユーザーの操作性を損なったり、複雑な入力操作を強いたりするような懸念もない。
【0388】
実施の形態1の総括.
以上の説明から明らかなように、この実施の形態1では、以下の通り第1の開示に関する加熱調理器1を開示していた。
すなわち、第1の開示に関する加熱調理器1の1つの形態は、
本体2の上面に配置された複数の加熱口(左加熱口4L、中央加熱口4C、右加熱口4R)と、
ユーザーが操作して前記加熱口4L、4C、4Rを個々に選択できる選択部41L、41M、41Rと、
前記加熱口4L、4C、4Rの加熱動作時間を制限する切タイマー機能を選択できるタイマー操作部43と、
前記加熱口4L、4C、4Rに関する調理情報を表示する統合表示部15と、
前記統合表示部15と前記加熱口4L、4C、4Rとを制御する制御装置22と、
を備え、
前記統合表示部15には、前記加熱口4L、4C、4R毎に割り当てられた個別表示エリア15L、15M、15Rが、当該加熱口4L、4C、4Rの配置と同じ配置で並んでおり、
前記制御装置22は、前記加熱口4L、4C、4Rの少なくとも1つが加熱動作しているときに前記タイマー操作部43が操作されると、当該加熱動作中の前記加熱口4L、4C、4Rに対応した前記個別表示エリア15L、15M、15Rの何れか1つにおいて、前記切タイマー機能の設定時間情報66を表示すること、
を特徴とする構成である。
【0389】
この構成であるから、複数の加熱口4L、4C、4Rを使用して各種の加熱調理に幅広く対応でき、タイマー機能を活用するための、ユーザーによる入力操作の効率化や負荷軽減に貢献する加熱調理器1を提供することができる。
【0390】
更に、実施の形態1の加熱調理器1では、
外部の情報処理手段(通信端末200等)と通信を行う通信部25と、
前記上面加熱部を加熱する第1の加熱手段HM1と、
前記本体2の内部にある加熱室6で加熱調理を行う第2の加熱手段HM2と、を更に備え、
前記制御装置22は、1つの調理メニューに関して、前記第1の加熱手段と前記第2の加熱手段の何れか一方を使用する調理工程1と、他方を使用する調理工程2とを、有した連携調理モードKM1の実行機能を有し、
前記制御装置22は、前記連携調理モードKM1の1つの調理メニューに関する予告情報201を、前記通信部25から取得した場合、当該調理メニューの調理工程1を実行可能な前記加熱口(左加熱口4L、右加熱口4R)又は前記第2の加熱手段HM2の何れか1つに対応している(前記第1エリア15L、前記第3エリア15R又は前記第2エリア15Mの前方に配置された)前記左選択キー42L、前記右選択キー42R又は前記中央選択キー42Mを操作することによって、前記通信部25から外部に対しレシピデータCDの提供を求めるための選択情報202を発信できること、
を特徴とする構成である。
【0391】
この構成であるから、加熱室6と前記加熱口4L、4C、4Rとを使用する連携調理モードKM1のレシピデータCDを、確実に取得でき、ユーザーによる調理メニュー毎の入力操作の効率化とその負荷軽減に貢献する加熱調理器1を提供することができる。
【0392】
更に、実施の形態1の構成の加熱調理器1によれば、1つの統合表示部15を中心として、少なくとも左右の加熱口4L、4Rの選択と、連携調理モードKM1の選択が、前記統合表示部15の左エリア(第1エリア)15Lと、右エリア(第3エリア)15R、中央エリア(第2エリア)15Mの、それぞれの前方において集中して行える。
このため、ユーザーは、選択すべき対象である、
(1)(左右)加熱口4L、4Rと加熱室6、
(2)連携調理モードKM1とその調理メニュー
(3)制御条件(火力や設定温度等)を入力する各種入力スイッチ類(左共用スイッチ41L、右共用スイッチ41R、左切入スイッチ42L、右切入スイッチ42R)、
の対応関係について、前後方向の配置を基準にして、正しく、かつ、容易に認識でき、誤操作を防止することが期待できる。そのため、ユーザーにとって使い勝手の良い加熱調理器1を提供することができる。
【0393】
更に、実施の形態1の加熱調理器1では、
前記入力操作部36には、前記連携調理モード選択スイッチ(キー)70を有し、
前記連携調理モード選択キー70によって前記連携調理モードKM1を選択した場合、前記第1エリア15L、前記第2エリア15M及び前記第3エリア15Rの中で統一された1つの表示エリア(実施の形態1では、第2エリア15M)には、1つの連携調理メニューを選択するための識別情報72が表示され(図30参照)、
前記識別情報72が表示された表示エリア(実施の形態1では、前記中央エリア15M)とは関係なく、調理工程1で使用する加熱口や加熱手段の何れか1つに対応した前記左切入りキー41L、中央切入りキー41M及び右切入りキー41Rの何れか1つの操作によって、連携調理メニューの調理の実施を確定できること、を特徴とする構成であった。
【0394】
この構成であるから、選択スイッチ70で連携調理モードを選択した場合、常に識別情報72が表示される表示エリアは同じ(実施の形態1では、第2エリア15M)であり、識別情報72の確認に戸惑うことがない。そして、その表示エリア(実施の形態1では、第2エリア15M)に対応した選択キー(実施の形態1では、中央選択キー42M)を操作することにより、別の(連携)調理メニューも選択することができるから、調理メニューの選択動作も単純化できる。
【0395】
更に、実施の形態1の加熱調理器1では、
前記選択スイッチ70で連携調理モードを選択した場合、1つの連携調理メニューの識別情報72と、次の候補となる連携調理メニューの識別情報72Aとを、同時に統合表示部15の同じ表示エリア(実施の形態1では、第2エリア15M)に表示し、
前記左選択キー(左共用キー)42Lや右選択キー(右共用キー)42R等は、何れも1回操作する都度、表示されている前記連携調理メニューを順次更新する構成であった。
【0396】
この構成であるから、目的とする連携調理メニューを簡単に表示させ、選択することができる。
【0397】
更に、実施の形態1の加熱調理器1では、
前記制御装置22に対して電源の供給を制御する主電源スイッチ20を、更に有し、
前記主電源スイッチ20を閉じた後、前記連携調理モード選択キー70によって前記連携調理モードKM1を選択していない状態で、前記左選択キー42L、前記中央選択キー又は前記右選択キー42Rを操作した場合、当該操作に応じて、1つの調理モードの識別情報46と、次の選択候補となる別の調理モードの識別情報46Aとを、前記第1エリア15L、前記第2エリア15M又は前記第3エリア15Rにおいて、同時に表示させることができる構成である。
【0398】
この構成であるから、選択スイッチ70を使用しないで調理する場合、表示された識別情報46の前方方向に位置している前記左選択キー(左共用キー)42Lや右選択キー(右共用キー)42R等を操作して、所望の連携調理メニューを選択することができる。
【0399】
更に、実施の形態1の加熱調理器1では、
前記左選択キー42L、前記中央選択キー42M及び前記右選択キー42Rは、それぞれが1対のキーを有し、それらキーは、規定の順序で前記識別情報46と連携調理メニューの識別情報72とを表示させるアップキーと、前記規定の順序と反対の順序で表示させるダウンキー、の組み合わせで構成していること、を特徴とする構成であった。
【0400】
この構成であるから、左選択キー(左共用キー)42L又は右選択キー(右共用キー)42Rを操作して識別情報46と、連携調理モードの調理メニューとを選択する際に、目的とする調理モード又は連携調理メニューを順次表示させ、簡単に選択することができる。
【0401】
更に、実施の形態1の加熱調理器1では、
前記左加熱口4Lと前記右加熱口4Rとの間に(上部加熱部の1つである)中央加熱口4Cを、更に設け、
前記統合表示部15は、前記中央加熱口4Cにおける調理の情報と、前記加熱室6における調理の情報を、択一的に前記中央エリア15Mにおいて表示する機能を有していること、を特徴とする構成であった。
【0402】
この構成であるから、3つの加熱口4L、4C、4Rを備えた加熱調理器1となるので、同時に使用できる被加熱物(鍋など)が増え、使い勝手が向上する。
【0403】
更に、実施の形態1の加熱調理器1では、
前記中央選択キー42Mと前記中央切入りキー41Mは、前記中央加熱口4Cと前記第2の加熱手段HM2の両方に共用されること、を特徴とする構成であった。
【0404】
この構成であるから、切入りキーの数を増やさずに、複数の加熱口と加熱室を備えた加熱調理器1を構成できるので、同時に使用できる被加熱物(鍋など)が増え、使い勝手が向上し、また、製造コスト上も有利になる。更に、切入りキーを増やさないため、限られた設置スペースの中で個々のキーを、間隔を保って配置でき、隣のキーを誤操作するような事態を避ける効果がある。
【0405】
更に、実施の形態1の加熱調理器1では、
前記制御装置22は、前記レシピデータCDを通信端末200から取得する場合、前記調理工程1に係る部分の設定情報Aと前記調理工程2に係る設定情報Bとを、別々に前記通信端末200から取得するものであり、
前記制御装置22は、前記設定情報Aと、前記設定情報Bとを、順次取得するものであり、
前記制御装置22は、前記入力操作部36の1つの前記入力キー(例:左選択キー42L)を操作したときに、前記設定情報Aを取得できる工程に進み(図47のステップSG5参照)、
前記設定情報Aの取得時に使用した前記入力キーと別の入力キーを(前記調理工程1が
終了した後の、加熱休止期間において)操作したときに、前記設定情報Bを取得できる工程に進むこと、を特徴とする構成である。
【0406】
この構成であるから、外部にあるレシピデータCDを、加熱調理器1に確実に取得させて実際の調理に使用することができる。
すなわち、加熱調理器1の側において、ユーザーが操作すべき特定入力キー(例えば、左選択キー42L)を事前に入力操作した場合、そのようなユーザーによる確認動作(中央操作部17における特定の操作有無)を経てから、レシピデータCDの取得動作に進むので、ユーザーの操作間違いを防止し、また、使い勝手を向上させることができる。
更に、連携調理モードKM1のように、複数の調理工程がある調理メニューの場合は、前記予告情報1、予告情報2等のように、調理工程毎の設定情報の受信と、前記特定入力キー(左選択キー42L等)による確認動作(図46のステップSG4、SG5参照)の段階を通じて、確実にレシピデータCD全体を取得できるため、複数の調理工程を利用して幅広い調理に対応できる加熱調理器1において、そのレシピデータの取得の確実性や操作性を向上させることが期待できる。
【0407】
更に、実施の形態1の加熱調理器1では、
前記左選択キー(左共用キー)42Lと右選択キー(右共用キー)42Rは、複数のサブ調理モードの識別情報46と、サブ調理モードの設定を取り消す場合に選択する取消表示部46Cとを、規定の順序で表示させるアップキー42Mと、前記規定の順序と反対の順序で表示させるダウンキー42M、の組み合わせで構成していることを特徴とする構成であった。
【0408】
この構成であるから、簡単に目的とするサブ調理モードを表示させ、選択することができる。また、サブ調理モードの取消しも同じキーを操作して行うことができ、操作性が良い。
【0409】
更に、実施の形態1の加熱調理器1では、
前記中央選択キー(中央共用キー)42Mは、第1の加熱手段HM1と第2の加熱手段HM2のそれぞれを排他的に選択できる加熱源表示部47と、「姿焼き」や「切り身」等のサブ調理モードの識別情報46とを、規定の順序で表示させるアップキー42Mと、前記規定の順序と反対の順序で表示させるダウンキー42M、の組み合わせで構成していることを特徴とする構成であった。
【0410】
この構成であるから、中央加熱口4Cや加熱室6を使用した調理に関するサブ調理モードを簡単に表示させ、選択することができる。また、第1の加熱手段HM1と第2の加熱手段HM2のそれぞれを排他的に選択することも容易にできるので、操作性が良い。
【0411】
更に、この実施の形態1では、以下の通り第2の開示に関する加熱調理器1を開示していた。
すなわち、第2の開示に関する加熱調理器1の1つの形態は、
本体2の上面に配置された複数の加熱口4L、4C、4Rと、
ユーザーが操作して前記加熱口4L、4C、4Rを個々に選択できる選択部41L、41M、41Rと、
前記加熱口4L、4C、4Rの加熱動作時間を制限する切タイマー機能を選択できるタイマー操作部43と、
前記加熱口4L、4C、4Rに関する調理情報を表示する統合表示部15と、
前記統合表示部15と前記加熱口4L、4C、4Rとを制御する制御装置22と、
を備え、
前記統合表示部15は、前記加熱口4L、4C、4R毎に割り当てられた個別表示エリア15L、15M、15Rが、当該加熱口4L、4C、4Rの配置と同じ配置で並んでおり、
前記制御装置22は、前記加熱口4L、4C、4Rの少なくとも2つが加熱動作しているときに前記タイマー操作部43が操作されると、当該加熱動作中の前記加熱口4L、4C、4Rに対応した前記個別表示エリア15L、15M、15Rの範囲内で、前記タイマー操作部43が操作される度に、前記切タイマー機能の設定時間情報66を当該個別表示エリア15L、15M、15R毎に順次表示すること、
を特徴とする構成である。
【0412】
この構成であるから、複数の加熱口4L、4C、4Rを使用して各種の加熱調理に幅広く対応でき、タイマー機能を活用するための、ユーザーによる入力操作の効率化と、その負荷軽減に貢献する加熱調理器1を提供することができる。
【0413】
更に、第2の開示に係る加熱調理器1では、前記個別表示エリア15L、15M、15Rのそれぞれの前方位置には、当該個別表示エリアの横幅W1~W3の範囲内(図6参照)に、前記加熱口の1つずつに対応した選択部(切入りキー)41L、41M、41Rを、それぞれ配置している構成である。
【0414】
この構成であるから、選択部(左切入りキー41L、右切入りキー41R)と複数の加熱口4L、4C、4Rとの対応関係について、前後方向の配置を基準にして、正しく、かつ、容易に認識でき、誤操作を防止することが期待できる。そのため、ユーザーにとって使い勝手の良い加熱調理器1を提供することができる。
【0415】
更に、第2の開示に係る加熱調理器1では、前記個別表示エリア15L、15M、15Rのそれぞれの前方位置には、図6で説明したように個別表示エリアの横幅W1、W2、W3の範囲内に、前記上面加熱部の1つずつに対応して、調理メニュー、調理モード、又は火力等の制御条件の内、少なくとも2つを選択できる共用キー42L、42M、42Rを、それぞれ配置している構成である。
【0416】
この構成であるから、共用キー42L、42M、42Rと複数の加熱口4L、4C、4Rとの対応関係について、前後方向の配置を基準にして、正しく、かつ、容易に認識できる。このため、制御条件の設定入力も正しい加熱口に行うことができる。
【0417】
更に、第2の開示に係る加熱調理器1では、
前記タイマー操作部43を操作しない状態で、前記加熱口4L、4C、4Rを前記選択部41L、41M、41Rによって選択した場合、選択された前記加熱口に対応する前記個別表示エリア15L、15M、15Rには、前記調理メニューの識別情報72又は前記調理モードの識別情報46が表示され、
前記調理メニューの識別情報72又は当該調理モードの識別情報46は、前記共用キー42L、42M、42Rを、更に操作することによって、別の識別情報の表示に変更できること、を特徴とする構成であった。
【0418】
この構成であるから、前記個別表示エリア15L、15M、15Rのそれぞれの前方位置にある、前記共用キー42L、42M、42Rを操作すれば、各個別表示エリア毎に調理メニューの次の候補と調理モードの次の候補とを、容易に表示させて調理工程に進むことができる。
【0419】
更に、第2の開示に係る加熱調理器1では、
前記タイマー操作部43を操作しない状態で、前記加熱口4L、4C、4Rを前記選択部41L、41M、41Rによって選択した場合、選択された前記加熱口4L、4C、4Rに対応する前記個別表示エリア15L、15M、15Rには、前記調理メニューの識別情報72又は前記調理モードの識別情報46と、火力や加熱時間、加熱温度等の制御条件とが表示され、
前記制御条件は、前記共用キー42L、42M、42Rを、更に操作することによって、別の制御条件に変更できること、を特徴とする構成であった。
【0420】
この構成であるから、前記個別表示エリア15L、15M、15Rのそれぞれの前方位置にある、前記共用キー42L、42M、42Rを操作すれば、各個別表示エリア毎に、制御条件を表示させて調理工程に進むことができる。
【0421】
更に、この実施の形態1では、以下の通り第3の開示に関する加熱調理器1を開示していた。
すなわち、第3の開示に関する加熱調理器1の1つの形態は、
本体2の上面に配置された複数の加熱口4L、4C、4Rと、
ユーザーが操作して前記加熱口を個々に選択できる選択部41L、41M、41Rと、
前記加熱口に共通の入力を行う共用操作部18と、
前記加熱口に関する調理情報を表示する統合表示部15と、
前記統合表示部15と前記加熱口4L、4C、4Rとを制御する制御装置22と、
を備え、
前記共用操作部18には、前記加熱口4L、4C、4Rの加熱動作時間を制限する切タイマー機能を選択できるタイマー操作部43と、前記切タイマー機能の設定時間を入力できる時間入力部(入力キー)44と、計時動作の開始を決定するスタートキー45と、を有し、
前記統合表示部15には、前記加熱口4L、4C、4R毎に割り当てられた個別表示エリア15L、15M、15Rが、当該加熱口4L、4C、4Rの配置と同じ配置で並んでおり、
前記制御装置22は、前記タイマー操作部43が操作されると、加熱動作中の前記加熱口4L、4C、4Rに対応した前記個別表示エリア15L、15M、15Rの何れか1つにおいて、前記切タイマー機能の候補時間情報TXを表示し(図50参照)、
前記時間入力部44の入力を受けて前記候補時間情報TXの表示を設定時間情報66の表示に変更し、前記スタートキー45の操作によって、前記切タイマー機能を開始できることを特徴とする構成である。
【0422】
この構成であるから、複数の加熱口4L、4C、4Rを使用して各種の加熱調理に幅広く対応でき、切タイマー機能を活用するための、ユーザーによる設定時間の入力操作及び切タイマー機能の開始指令等の、作業負荷軽減に貢献する加熱調理器1を提供することができる。
【0423】
更に、この実施の形態1では、以下の通り第4の開示に関する加熱調理システムを開示していた。
すなわち、第4の開示に関する加熱調理システムの1つの形態は、
入力操作部36と、統合表示部15と、通信機能と、タイマー操作部43と、を有した加熱調理器1と、
前記加熱調理器1と無線通信で接続される通信端末200と、を含み、
前記統合表示部15は、1つの表示エリアの中が、第1の加熱手段HM1で加熱調理を行う左加熱口用の左エリア15Lと、前記第1の加熱手段で加熱調理を行う右加熱口用の右エリア15Rと、加熱室6で加熱調理を行う第2の加熱手段HM2用の中央エリア15Mと、に分割されて表示する機能を有し、
前記通信端末200は、
(1)端末側表示部216において、ユーザーに選択された被調理物に関するレシピデータCDを表示し、
(2)前記端末側表示部216に表示された前記レシピデータを選択した場合、当該レシピデータの予告情報A(201)を表示した形態に、当該端末側表示部216の表示内容を変更し、
(3)前記予告情報A(201)を表示した前記端末側表示部216には、選択された前記レシピデータCDを送信できる入力キー240を表示し、
(4)前記入力キー240が操作されると、前記レシピデータCDを前記加熱調理器1に送信し、
前記加熱調理器1は、
加熱動作を実行中に、前記タイマー操作部43を操作した場合、当該加熱動作を実行中の前記左加熱口4L、前記右加熱口4R又は前記加熱室6に対応している前記左エリア15L、前記右エリア15R又は前記中央エリア15Mに設定時間情報66を表示し、計時動作の開始指令を受け付けた場合、前記計時動作を開始し、かつ、前記設定時間情報66を前記通信端末200に対して送信できること、
を特徴とする構成である。
【0424】
この構成であるから、複数の加熱口4L、4C、4Rを使用して各種の加熱調理に幅広く対応でき、ユーザーによる切タイマー機能の設定時間の入力操作の効率化に貢献する加熱調理器1を提供することができる。
また、外部にあるレシピデータCDを、加熱調理器1に確実に取得させて実際の調理に使用することができる。
すなわち、通信端末200側において、端末側表示部216において、ユーザーに選択された被調理物に関するレシピデータCDを表示し、特定のレシピデータCDを選択した場合、当該レシピデータの予告情報A(201)を表示するから、ユーザーがレシピデータCDの送信前の確認作業を容易に行える。
更に、加熱調理器1の側において、前記予告情報A(201)の受信に対応して、ユーザーが操作すべき特定入力キー(例えば、左選択キー42L)を入力操作した場合、そのようなユーザーによる確認動作(中央操作部17における特定の操作有無)を経てから、レシピデータCDの取得動作に進むので、ユーザーの操作間違いを防止し、また、使い勝手を向上させることができる。
【0425】
更に、第4の開示に係る加熱調理システムでは、
前記左エリア15L、前記中央エリア15M又は前記右エリア15Rには、前記レシピデータCDを受信するために待機中であることを示す受信動作表示部80、80Aを表示すること(図49参照)、を特徴とする構成であった。
【0426】
この構成であるから、外部の通信端末200に保有しているレシピデータCDを受信する工程をユーザーが正しく理解でき、ユーザーのレシピデータCDの取得時の操作間違いや誤解を防止することができる。
【0427】
更に、第4の開示に係る加熱調理システムでは、
前記通信端末200は、加熱調理器1から前記選択情報202を受けると、前記第1画面216Aにおいて表示していた前記レシピデータCDが前記加熱調理器1に送信可能となること、を特徴とする構成である。
【0428】
この構成であるから、外部の通信端末200に保有しているレシピデータCDを受信する工程をユーザーが正しく理解でき、ユーザーのレシピデータCDの取得時の操作間違いや誤解を防止することができる。
【0429】
更に、第4の開示に係る加熱調理システムでは、
前記通信端末200は、前記前記レシピデータCDが、前記加熱調理器1に届いたと判定した場合(図46図47のステップSG11参照)、当該レシピデータCDの送信結果情報を前記第2画面216Bの後に表示される第3画面216Cにおいて表示する(図46図47のステップSG12参照)こと、を特徴とする構成であった。
このため、ユーザーは通信端末200に表示された送信結果情報を確認できるので、ユーザーのレシピデータCD送信操作に関して、安心感を向上させ、使い勝手を向上させることができる。つまり、レシピデータCDの送信結果が、第3画面216Cにおいて、その都度、個別に確認でき、ユーザーが通信状況を正確に、かつ、容易に確認できる。
【0430】
更に、第4の開示に関する加熱調理システムでは、
前記通信端末200は、タッチ式入力画面を構成している第1画面216において、前記第1表示部分251に対応した位置に、前記レシピデータCDを特定する予告情報201の送信用の入力キー237Aを表示したこと、を特徴とする構成であった(特に、図45参照)。
この構成であるため、ユーザーが調理工程1の前記第1表示部分251の記載内容を確認した際に、そこに表示されている入力キー237Aを操作して、予告情報201(201A)を加熱調理器1に送信できるから、ユーザーの操作間違いを招くこともなく、操作性を向上させることができる。
【0431】
更に、この実施の形態1では、以下の通り第5の開示に関する加熱調理器1を開示していた。
すなわち、第5の開示に関する加熱調理器1の1つの形態は、
本体2の上面に配置された複数の加熱口4L、4M、4Rと、
ユーザーが操作して前記加熱口4L、4M、4Rを個々に選択できる選択部41L、41M、41Rと、
前記加熱口4L、4M、4Rの加熱動作時間を制限する切タイマー機能を選択できるタイマー操作部43と、
前記加熱口4L、4M、4Rに関する調理情報を表示する統合表示部15と、
前記統合表示部15と前記加熱口4L、4M、4Rとを制御する制御装置22と、
を備え、
前記制御装置22には、複数の調理メニュー又は複数の調理モードの実行機能を有し、
前記統合表示部15には、前記加熱口4L、4M、4R毎に割り当てられた個別表示エリア15L、15M、15Rが、当該加熱口4L、4M、4Rの配置と同じ配置で並んでおり、
前記制御装置22は、前記加熱口4L、4M、4Rの少なくとも1つが、前記調理メニューの1つのために加熱動作しているときに前記タイマー操作部43が操作されると、当該調理メニューに前記切タイマー機能を適用するかどうか判定し、適用する場合は、前記調理メニューを実行中の前記加熱口4L、4M、4Rに対応した、前記個別表示エリア15L、15M、15Rの何れか1つにおいて、前記切タイマー機能の設定時間情報66を表示すること、
を特徴とする構成である。
【0432】
この構成であるから、複数の加熱口4L、4C、4Rを使用して各種の加熱調理に幅広く対応でき、切タイマー機能を活用するための、ユーザーによる設定時間の入力操作の作業負荷を軽減することができる。
しかも、この構成であるから、前記選択部41L、41Rと複数の加熱口4L、4Rとの対応関係について、前後方向の配置を基準にして、正しく、かつ、容易に認識でき、誤操作を防止することが期待できる。そのため、ユーザーにとって使い勝手の良い加熱調理器1を提供することができる。
また、切タイマー機能を適用する加熱調理メニューであるかどうかを自動的に判定し、適用する加熱調理メニューの場合には、所定の個別表示エリア15L、15M、15Rの何れか1つにおいて、前記切タイマー機能の設定時間情報66を表示するから、不適当な調理メニューに誤って調理時間条件を設定することがない。
【0433】
更に、実施の形態1の加熱調理器1では、以下述べるように、特有の効果を期待できる。
すなわち、実施の形態1の加熱調理器1では、
図6で説明したように、統合表示部15の直ぐ右側方向の位置には、右火力表示部16Rが配置されている。また、前方操作部17Fの前方端縁を真横に横切るような左右方向の基準線BLに沿って、その前方操作部17Fの右側に少し離れて右操作部18が配置されている。
前記右操作部18には、タイマースイッチ43、このタイマースイッチ43の設定時間の変更を行うための、設定キー44及び音声入力モードの設定用入力キー29が、一直線上に配置されている。
【0434】
この構成であるから、左加熱口4L、中央加熱口4C、右加熱口4R及び加熱室6の、何れの調理の場合も、中央操作部17の横にある右操作部18によって、タイマー機能の加熱時間管理や、音声入力モードへの切替等の各種操作を、ユーザーが効率的に行うことができる。つまり、中央操作部17と右操作部18によって、左加熱口4L、中央加熱口4C、右加熱口4R及び加熱室6の、計4個所における加熱調理の条件設定を「集中的」に行うことができる。なお、ここでいう「集中的」とは、ユーザーが左右に腕を伸ばして入力操作する必要がなく、図6から分かるように、比較的狭い範囲で入力操作を的確にできることをいう。
【0435】
実施の形態2.
図60は、実施の形態2を示す加熱調理器1の、統合表示部15と中央操作部(後方操作部・前方操作部)17の、表示状態と入力操作とを示す説明図1である。図61は、実施の形態2を示す加熱調理器1の、統合表示部15と中央操作部(後方操作部・前方操作部)17の、表示状態と入力操作とを示す説明図2である。図62は、図60に示した加熱調理器1において、外部からレシピデータCDを取得する動作を示すフローチャートである。図63は、図60に示した加熱調理器において、調理を行っている状態を示す統合表示部と中央操作部の説明図である。なお、図1図59に説明した実施の形態1の構成と、同一又は相当部分は、同じ符号を付けている。
【0436】
この実施の形態2では、加熱調理器1の統合表示部15及び中央操作部17の構成が、実施の形態1と異なる。
すなわち、この実施の形態2では、統合表示部15の表示画面を、タッチ入力パネルで構成し、その統合表示部15の中に、タッチ入力式の(3対の)共用キー42L、42M、42Rを設けた点で、実施の形態1と大きく異なる。
【0437】
図60について説明する。
この図60は、連携調理モードKM1以外の場合で、1つのサブ調理モードの複数の調理を、同時に行っている状態を示している。
統合表示部15は、その表示画面の少なくとも前半領域が、タッチパネル入力手段の一部であるタッチパネルによって構成されている。つまり、前半領域には指先FGのタッチを検知する検知電極等(図示せず)が配置されている。
実施の形態1と同様に、統合表示部15の表示画面は、左右方向において隣接するように並んでいる左表示エリア(左エリア)15Lと、中央表示エリア(中央エリア)15Mと、右表示エリア(右エリア)15Rと、を有している。つまり、1つの表示画面は、横に3分割されて表示動作が制御される。
【0438】
前記左エリア15Lは、後方エリア63Bと、この後方エリア63Bに隣接した前方エリア63Fとの、2つの部分から構成されている。但し、この後方エリア63と前方エリア63Fは、ハードウエア上で別個に形成されている訳ではない。前方エリア63Fだけは、ユーザーが行うタッチ操作を受け付ける付帯構成があり、タッチ検知とそれによる入力機能がある。実施の形態1の左共用キー42Lは、この実施の形態2では、ユーザーの指先FGのタッチを検知するアイコン形式で構成されている。つまり、左右1対の左共用キー42Lの、それぞれに対して、ユーザーの指先が触れた場合、そのタッチ操作が検知され、情報の入力が可能である。
【0439】
前方エリア63Fにおける(有効な)タッチ入力は、前記左共用キー42Lの部分に触れる操作だけに限定されており、左共用キー42Lの部分を外れた位置にタッチしたり、後方エリア63Bをタッチしたりしても、何ら有効な入力信号は発生しない。なお、左共用キー42以外の前方エリア63Fの表面を指先で軽く叩く操作である「タップ」はもちろん、同じく表面を指ではじく操作である「フリック」、表面を指でなぞる操作(指を滑らす操作)である「スワイプ」等の各種タッチジェスチャー操作は、何れも有効な操作ではなく、そのような指先操作での入力は不可能である。
【0440】
中央加熱口4Cと加熱室6の調理に使用するための、中央エリア15Mにおいても、後方エリア64Bと、この後方エリア64Bに隣接した前方エリア64Fとの、2つの部分から構成されている。そして、左エリア16Lと同様に、1対の中央共用キー42Mは、ユーザーの指先FGのタッチを検知するアイコン形式で構成されている。更に、右エリア15Rにおいても、後方エリア65Bと、この後方エリア65Bに隣接した前方エリア65Fとの、2つの部分から構成されている。そして、左エリア16Lと同様に、1対の右共用キー42Rは、ユーザーの指先FGのタッチを検知するアイコン形式で構成されている。
【0441】
図60に示すように、左加熱口4Lでは「火力レベル7」で誘導加熱調理を開始する前の状態である。67は、設定時間表示部であり、タイマースイッチ43を使用して調理時間を設定した場合には、設定した時間が1秒単位で表示される。つまり、この図60に示す例では、20分間の誘導加熱が設定されている。
中央エリア15Mに示されるように、中央加熱口4Cを使用する調理と、加熱室6を使用した調理(サブ調理メニューは「姿焼き」)の何れかが選択できる状態である。なお、左側の中央共用キー42Mを押せば、サブ調理モードの設定を取り消す場合に選択する取消表示部46Cが中央エリア15Mの中央部に表示されるので、それ以前に設定したサブ調理メニュー(例えば「姿焼き」)を取り消すことができるし、また中央加熱口4Cの選択も取り消すことができる。
【0442】
図60に示すように、右加熱口4Rではサブ調理モードで「揚げ物」が選択されて、目標加熱温度は180℃に設定されて加熱動作開始している状態である。
この図60から明らかなように、左加熱口4Lで制御条件(例えば、加熱時間)を設定途中である場合には、左共用キー41Lは、下方からLED等の発光素子(図示せず)で照らされて、動作中であることを表示している。例えば、黄色い光で照らされて左共用キー42Lの存在感を増すようにしている。なお、この場合、前記発光素子は、発光制御部37(図5参照)により発光動作が制御される。
【0443】
この図60から明らかなように、中央加熱口4C又は加熱室6でサブ調理モードや加熱手段(中央IHコイル9M)の何れかを選択できる途中である場合には、中央共用キー42Mは、下方からLED等の発光素子(図示せず)で照らされて、入力可能であることを表示している。例えば、黄色い光で照らされて中央共用キー42Mの存在感を増すようにしている。同時に、この状態で加熱動作の開始も決定できるので、中央切入りキー41Mも、LED等の発光素子(図示せず)で照らされて入力可能であることを表示している。この場合、前記発光素子は、発光制御部37(図5参照)により発光動作が制御される。
【0444】
更に、右加熱口4Rでは、図60から明らかなように、既にサブ調理モード「揚げ物」が選択されて加熱動作が開始されているので、右切入りキー41Rは、下方からLED等の発光素子(図示せず)で照らされて、入力可能であることを表示している。つまり、右切入りキー41Rは、例えば、黄色い光で照らされており、加熱動作を即時停止するための入力が可能であることを表示している。この場合、前記発光素子は、発光制御部37(図5参照)により発光動作が制御される。なお、加熱動作開始後においても、サブ調理モードの「揚げ物」のために、食用油の目標加熱温度を、図60に示した「180℃」から上げること又は下げることは、右共用キー42Rによって、任意のタイミングで可能である。
【0445】
75は、レシピデータ取得キー(スイッチ)である。これは、通信部25(図5参照)を介して外部からレシピデータCD(CD1、CD2)を取得することを許可する機能を有している。つまり、実施の形態1では、調理メニューの種類に応じて、その都度、レシピデータCDを取得する前に入力操作が必要なスイッチ(キー)は、3つの共用キー42L、42M、42Rであった。これに対して、この実施の形態2では、レシピデータ取得キー75に統一している。
【0446】
前記レシピデータ取得キー75は、前方操作部17Fの右端部に近い位置で、右操作部18の左端部に配置されている。なお、外部から制御装置22がレシピデータCDを受信した場合、このレシピデータ取得キー(スイッチ)自体の表面が(LED等の発光素子によって)下方から照らされて、操作が可能な状態であることを表示するように構成してある。その発光素子は、発光制御部37により制御される。
【0447】
51は、発光制御部37により点灯が制御される機能表示部であり、前記レシピデータ取得キー75の入力機能が有効である場合に発光素子(図示)を点滅又は点灯させて入力できることを表示する。つまり、レシピデータCDを受信できる状態である場合には、前記発光制御部37は、機能表示部51を点滅させる。
図60に示すように、左加熱口4Lと右加熱口4Rの両方において、別のサブ調理メニューを既に実行中である場合には、機能表示部51は点滅していない。しかし、仮にこのレシピデータ取得キー75を操作しても、制御装置22はレシピデータCDの取得動作を許可しないので、前記レシピデータ取得キー75は実質的に機能を発揮できない。
【0448】
次に、図61について説明する。
図61は、図60に示した加熱調理器1において、実際に調理を行っている場合の、統合表示部15と中央操作部(後方操作部・前方操作部)17の、表示状態と入力操作とを示した説明図である。
【0449】
図61に示した例は、左加熱口4Lと右加熱口4Rで、それぞれ加熱調理を行っている途中段階を示したものである。この図61の例は、外部から連携調理モードKM1のレシピデータCDを取得して行った調理ではない。また、連携調理モードKM1以外の調理において、1つのサブ調理モードのレシピデータCDを取得して調理を行っている状態でもない。
【0450】
66は、残り時間表示部であり、タイマースイッチ43を使用して調理時間を設定した場合には、この残り時間表示部66に表示される設定時間66Tを基準にして、以後は調理の経過に伴ってその残り時間表示部66には、残り時間が1秒単位で表示される。この残り時間表示部66の表示内容から、この図61の例では、あと7分間で調理が終わることが分かる。
この図61から明らかなように、左加熱口4Lで加熱動作中である場合には、左切入キー41Lは、下方からLED等の発光素子(図示せず)で照らされて、動作中であることを表示している。なお、この場合、前記発光素子は、発光制御部37(図5参照)により発光動作が制御される。
【0451】
同様に、右加熱口4Rで加熱動作中であるから、右切入キー41Rは、下方からLED等の発光素子(図示せず)で照らされて、動作中であることを表示している。例えば、黄色い光で照らされて右切入キー41Rの存在感を増すようにしている。この場合も、前記発光素子は、発光制御部37(図5参照)により発光動作が制御されている。
【0452】
更に、左共用キー42Lと、右共用キー42Rについても、火力や温度等の制御条件の入力が可能である期間中は、図60から分かるように、タッチ操作するアイコンの部分を、(入力操作できない)中央共用キー42Mの色とは、明瞭に異ならせる。これらにより、入力可能時期と不可能時期が明瞭に分かるように表示する。このような表示デザインの変更は、制御装置22からの加熱動作の状態信号を受けて、統合表示部15自体の制御プログラムによって実行される。
中央加熱口4Cと加熱室6が使用できない理由は、加熱調理器1で使用できる最大使用電力の上限値を規定している「ピークカット値」が、4000Wに設定されているからです。つまり、右加熱口4Rと左加熱口4Lを同時に使用するため、電力不足になることを制御装置22が判定し、使用できないことを使用禁止表示情報72Nで示している。
【0453】
次に、図62について説明する。
この図62において、ステップSS1~SS8は、制御装置22の統合制御プログラムの中に規定された、連携調理モードKM1の「レシピデータCDの取得用」の動作ステップである。
【0454】
最初に、前記主電源スイッチ20の操作ボタン20Aが押された場合、次のステップSS1では、入力操作部36の入力機能を有効にする。
次に、統合表示部15が起動されるので、第1エリア15L~第3エリア15Rに、それぞれ待機時初期画面を表示する(ステップSS2)。
【0455】
加熱調理器1は、事前に登録設定した前記通信端末200又はクラウドサーバー300に対して、調理のレシピデータCDの提供を要求する信号を発信するかどうか、ユーザーに事前の確認求める場合があるが、このような外部接続を自動的に実行することを、入力操作部36の機能設定キー45によって事前に行っておけば、規定のタイミングで自動的に接続動作が行われる。つまり、スマートフォン200と加熱調理器1のペアリングを自動的に行って、そのスマートフォン200と加熱調理器1との間の無線通信330を確立することができる(ステップSS3)。音声報知部49では、外部からレシピデータCDの取得動作を行っても良い、との音声報知を実施しても良い( ステップSS3)。
【0456】
前記ステップSS3の外部接続は、加熱調理器1と外部通信機器(通信端末200やクラウドサーバー300等をいう)との間で、交互に何回か送信・受信を繰り返し行う。
例えば、最初に通信端末200から特定の調理メニュー(例えば「ハンバーグ」)のレシピデータCDを送信する前の段階で、当該調理メニューを特定するための予告情報201を加熱調理器1に送信する。すると、この予告情報201を加熱調理器1が解析し、ハンバーグのレシピデータCDであることを確認できた場合、統合表示部15において、レシピ取得操作を促す表示を行う。
例えば、前記ハンバーグの調理は、最初に右加熱口4R又は左加熱口4Lにおいて調理工程1を行う必要があるため、左エリア(第1エリア)15Lと右エリア(第3エリア)15Rの両方において、レシピデータ取得キー(スイッチ)75の操作をするように表示する。
【0457】
加熱調理器1において、レシピデータ取得キー(スイッチ)75を操作すると(ステップSS4)、特定の調理メニュー(この場合、「ハンバーグ」)を選択したことを示すための「選択情報202」を、加熱調理器1が通信部25経由で発信する(ステップSS5)。すると、この選択情報202が通信端末200又はクラウドサーバー300で認識される。
前記通信端末200からは、前記選択情報202を受けて、レシピデータCDを送信する。この送信データを受けて加熱調理器1は、内部の状態状態(例えば、総電力消費量の設定値等)を確認し、問題なければ、次の段階に進めるというデータ取得プロセスを実行する(ステップSS6)。
【0458】
そして、最終的には前記外部通信機器(通信端末200等)側から必要な「設定情報」(この中には、レシピデータCDを含む)の受信が完了する。つまり、加熱調理器1側では、1回信号を受信すると、その直後に別の確認信号を返信する等の何回かの交互通信を行って、最終的に必要な前記「設定情報」の受信が完了する(ステップSS7)。
【0459】
次のステップSS8では、前記通信端末200等の外部機器から取得した前記レシピデータCDの内容、特に(連携調理モードKM1の)調理メニューの固有情報72を統合表示部15において表示する。また、音声報知部49では、例えば「ハンバーグのレシピを受信しました」のように、受信事実を報知する。
【0460】
以上の説明から明らかなように、前記制御装置22は、連携調理モードKM1のレシピデータCDを取得して調理する場合、
(1)特定の通信端末200と通信状態を確立する通信確立ステップ(SS3)と、
(2)前記通信確立ステップ(SS3)の後に、前記通信部25から取得した予告情報201に応じて、前記レシピデータ取得キー(スイッチ)75の操作が必要であることを示す情報を、前記報知手段40において報知する報知ステップ(SS4)と、
(3)前記報知手段40で報知されたレシピデータ取得キー(スイッチ)75が操作された場合、選択情報202を発信する確認ステップ(SS5)と、
(4)前記選択情報202を送信後に、前記レシピデータCDの受信に備える受信待機ステップ(SS6)と、
を順次実行する構成になっている。
【0461】
なお、前記受信待機ステップ(SS6)では、実施の形態1の図26で説明した「許可条件1」と「許可条件2」のチェックが行われる。例えば、右加熱口4Rと加熱室6が、それぞれ別の調理で使用されている「占用状態」である場合、取得するレシピデータCDによっては、加熱室6を使用する調理工程が必須である場合があり、その場合は、許可条件2が満たされないため、レシピデータCDの取得は許可されない。
【0462】
次に、図63について説明する。
この図63は、外部から取得した連携調理モードKM1における、1つの調理メニュー(ローストビーフ)を行っている状態を示す統合表示部15と中央操作部17の説明図である。
この図63から明らかなように、連携調理モードKM1の1つの調理メニュー(例えば、「ローストビーフ)に関して、外部からレシピデータCDを取得した場合、当該調理メニューは、右加熱口4Rで最初に予熱動作を開始し、その後、右加熱口4Rにおいて調理工程1を実行する必要がある。調理工程2は加熱室6を使用する調理メニューである。
【0463】
この図63から明らかなように、連携調理モードKM1の1つの調理メニュー(例えば、「ローストビーフ」)に関して、外部から予告情報201を取得した時点で、当該調理メニューの調理工程1は、右加熱口4Rと左加熱口4Lの何れでも実行できる。
ところが、ユーザーが設定キー45を事前に操作し、「右加熱口4R優先モード」で行うという「デフォルト設定」をしておくと、最初には右エリア15Rに識別情報72が表示される。
つまり、図63に示しているように、右エリア(第3エリア)15Rには、識別情報72と、連携調理モードKM1の総括表示情報72Pが文字で表示される。
【0464】
そこで、この調理メニュー(ローストビーフ)の調理を行う場合には、当該第1エリア15Rに対応している左右1対の切入りキー41Rの何れか1つをタッチ操作すれば良い。
なお、この図63に示す実施の形態2では、左右1対の切入りキー41Rは、他の切入りキー41L、41Mとは明瞭に識別できるように、前記発光制御部37によって、タッチキー部分の全体が発光形態で表示されているか、又は点滅表示された状態で表示されており、ユーザーが操作すべきキーは、右切キー41Rであることを強調している。
【0465】
また、外部から取得したレシピデータCDで(調理工程1を右加熱口4Rにおいて)調理の開始を決定する場面では、図63に示すように右切入りキー41Rのタッチキー部分が、前記発光制御部37によって、発光形態又は点滅表示された状態で表示される。
【0466】
また、この調理メニュー(ローストビーフ)の調理は、実施の形態1(図27)で説明したように、加熱室6で調理工程2を行うため、この調理メニューの実行を確定する段階では、実施の形態1で説明した「許可情報2」の判定が行われ、加熱室6において他の調理が予約されておらず、また実行もされていないことが条件となる。
そのため、許可条件2を満たした場合には、図63に示すように中央エリア15Mに、使用禁止表示情報72Nが表示される。図63では、「グリル庫(加熱室)使用不可」という文字情報で、前記使用禁止表示情報72Nが表示される。つまり、加熱室6を占用することを表示する。
【0467】
実施の形態2の総括.
以上の説明から明らかなように、この実施の形態2では、第1の開示に関する加熱調理器1を、以下の形態で開示していた。
すなわち、第1の開示に関する加熱調理器1の1つの形態は、
本体2の上面にそれぞれ配置された左加熱口4L及び右加熱口4Rにおいて加熱動作を行う第1の加熱手段HM1と、
前記本体2の内部にある加熱室6で加熱動作を行う第2の加熱手段HM2と、
前記左加熱口4L、前記右加熱口4R及び前記加熱室6における、それぞれの調理に関する情報を表示する統合表示部15と、
入力操作部36の入力を受ける制御装置22と、
外部の情報処理手段(通信端末200等)との間で無線通信を行う通信部25と、
を備え、
前記統合表示部15は、1つの表示エリアの中を、前記左加熱口4L用の左後方エリア63Bと、前記第2の加熱手段用の中央後方エリア64Bと、前記右加熱口4R用の右後方エリア65Bと、前記左後方エリア63Bの手前にある左前方エリア63Fと、前記中央後方エリア64Bの前方にある中央前方エリア64Fと、前記右後方エリア65Bの手前にある右前方エリア65Fと、に分割(区画)して表示する機能を有し、
前記左後方エリア63Bの中にはタッチ式で入力が可能な左選択キー(左共用キー)42Lを配置し、
前記中央後方エリア64Bの中にはタッチ式で入力が可能な中央選択キー(中央共用キー)42Mを配置し、
前記右後方エリアの65Bの中にはタッチ式で入力が可能な右選択キー(右共用キー)42Rを配置し、
前記入力操作部36が、前記統合表示部15の手前に配置され、
前記入力操作部36には、前記左選択キー41Lよりも更に手前に位置し、前記左加熱口4Lを選択する左切入キー42Lと、前記中央選択キー41Mよりも更に手前に位置し、前記第2の加熱手段を選択する中央切入キー42Mと、前記右選択キー41Rよりも更に手前に位置し、前記右加熱口4Rを選択する右切入キー42Rと、を配置し、
前記制御装置22は、前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2とを使用して、1つの調理メニューに関して、調理工程1及び調理工程2を実行させる連携調理モードKM1の実行機能を有し、
前記制御装置22は、前記左加熱口4L又は右加熱口4Rの少なくとも1つが加熱動作しているときに前記タイマー操作部43が操作されると、当該加熱動作中の前記左加熱口4L又は右加熱口4Rに対応した前記個別表示エリア15L、15Rの何れか1つにおいて、前記切タイマー機能の設定時間情報66を表示すること、
を特徴とする構成である。
【0468】
この構成であるから、複数の加熱口4L、4Rを使用して各種の加熱調理に幅広く対応でき、タイマー機能を活用するための、ユーザーによる入力操作の効率化や負荷軽減に貢献する加熱調理器1を提供することができる。
【0469】
更に、実施の形態2の構成の加熱調理器1によれば、1つの統合表示部15を中心として、少なくとも左右の加熱口4L、4Rの選択と、連携調理モードKM1の選択が、前記統合表示部15の左エリア(第1エリア)15Lと、右エリア(第3エリア)15R、中央エリア(第2エリア)15Mの、それぞれの前方において集中して行える。
このため、ユーザーは、選択すべき対象である、
(1)(左右)加熱口4L、4Rと加熱室6、
(2)連携調理モードKM1とその調理メニュー
(3)制御条件(火力や設定温度等)を入力する各種入力スイッチ類(左選択キー41L、右選択キー41R、左切入スイッチ42L、右切入スイッチ42R)、
の対応関係について、前後方向の配置を基準にして、正しく、かつ、容易に認識でき、誤操作を防止することが期待できる。そのため、ユーザーにとって使い勝手の良い加熱調理器1を提供することができる。
【0470】
更に、実施の形態2の加熱調理器1では、前記統合表示部15にタッチ入力式の左切入キー42L、中央切入キー42M及び右切入キー42R、を全て配置しており、それら切入りキーの入力操作が必要となった場合には、発光制御部37によって、タッチキー部分が連続発光や点滅表示等で強調されるので、ユーザーの操作を視覚的手段で誘導でき、的確な操作に導くことができる。
【0471】
更に、実施の形態2の加熱調理器1では、
前記入力操作部36にあるレシピデータ取得キー(スイッチ)75により、前記連携調理モードKM1を選択した場合、つまり、外部からのレシピデータCDを利用して1つの調理メニューを実行する場合、その1つの連携調理メニューの識別情報72を、調理工程1に関係するエリアに表示し、
前記連携調理モードKM1の加熱動作を開始させるための入力操作は、前記識別情報72が表示された、前記左エリア15L、前記右エリア15R又は前記中央エリア15Mの前方に配置された、前記左切入キー42L、右切入キー42R又は中央切入キー42Mの何れか1つで行うこと、を特徴とする構成である。
【0472】
この構成であるから、連携調理モードKM1の各調理メニューは、調理工程1を担当する加熱手段や加熱口の位置(左右)に応じて定まる。つまり、調理工程1に対応した1つの切入りキー(41L、41M、41R)によって調理メニューの実行を確定させることができるから、入力負荷の軽減に貢献する加熱調理器1を提供することができる。
【0473】
更に、上記した実施の形態2の構成の加熱調理器1によれば、1つの統合表示部15を中心として、少なくとも左右の加熱口4L、4Rの選択と、加熱室6における調理と、サブ調理モードの選択とが、前記統合表示部15の左エリア(第1エリア)15Lと、中央エリア(第2エリア)15Mと、右エリア(第3エリア)15Rとの、それぞれの前方において集中して行える。
このため、ユーザーは選択すべき2つの(左右)加熱口4L、4R及び加熱室6と、サブ調理モードや制御条件(火力や設定温度等)を入力する各種入力スイッチ類(左選択キー42L、右選択キー42R、中央選択キー42M、左切入キー41L、中央切入りキー41M、右切入スイッチ41R)の対応関係について、正しく認識でき、誤操作を防止することが期待できる。そのため、ユーザーにとって使い勝手の良い加熱調理器1を提供することができる。
【0474】
また、左選択キー(左共用キー)42L、右選択キー(右共用キー)42R及び中央選択キー(中央共用キー)42Mを、前記統合表示部15の中に、タッチ式で入力が可能なように配置した構成であるので、これら選択キー42L、42R、42Mを、機械的なキーで構成することに比較してスイッチ(キー)部等の部品点数を減らすことが可能となり、製造原価の低減効果も期待できる。
【0475】
更に、実施の形態2の加熱調理器1では、
前記左共用スイッチ42L又は前記右共用キースイッチ42Rを操作する動作に応じて、1つのサブ調理モードの前記識別情報(調理モード表示部)46と、次の選択候補となる別の調理モードの前記識別情報(調理モード表示部)46Aとを、前記左エリア15L又は前記右エリア15Rにおいて、同時に表示させることができる構成であった。
【0476】
この構成であるから、左共用スイッチ42L又は前記右共用スイッチ42Rを操作してサブ調理モードを選択する際に、目的とする調理モードを簡単に選択することができる。
【0477】
更に、実施の形態2の加熱調理器1では、
前記前記連携調理モードKM1の1つの調理メニューに対応する調理メニュー表示部72と、次の選択候補となる調理メニュー候補表示部72Aとを、前記中央エリア15Mにおいて、同時並行的に表示させることができる構成であった。
この構成であるから、目的とする1つの(連携)調理メニューを簡単に選択することができる。
【0478】
更に、実施の形態2の加熱調理器1では、
前記左選択キー42L、前記右選択キー42R及び中央選択キー42Mは、それぞれが1対のキーを有し、それらキーの何れか一方は、複数の前記識別情報46や前記調理メニュー表示部72を、規定の順序(正方向R1)で表示させるアップキーであり、他方の前記キーは、前記規定の順序と反対の順序(逆方向R2)で表示させるダウンキーであること、を特徴とする構成であった。
【0479】
この構成であるから、左選択キー42Lや右選択キー42R等を操作してサブ調理モードを選択する際に、目的とする調理メニューや調理モードを簡単に選択することができる。
【0480】
更に、実施の形態2の加熱調理器1では、
前記左加熱口4Lと前記右加熱口4Rとの間に位置している中央加熱口4Cを、更に有し、
前記統合表示部15は、前記左エリア15Lと、前記右エリア15Rとの間に、前記中央加熱口4C用の中央エリア15Mを表示する機能を有していること、を特徴とする構成であった。
【0481】
この構成であるから、3つの加熱口4L、4C、4Rを備えた加熱調理器1となるので、同時に使用できる被加熱物(鍋など)が増え、使い勝手が向上する。
【0482】
更に、実施の形態2の加熱調理器1では、
前記後方操作部17Bには、前記中央エリア15Mの手前に中央共用スイッチ(キー)42M、更に配置しており、
前記前方操作部17Fには、前記中央共用スイッチ(キー)42Mよりも更に手前に、前記中央加熱口4C(中央IHコイル9C)を選択するための、中央左切入キー41Mを配置していること、を特徴とする構成であった。
【0483】
この構成であるから、3つの加熱口4L、4C、4Rを備えた加熱調理器1となるので、同時に使用できる被加熱物(鍋など)が増え、使い勝手が向上するとともに、ユーザーは選択すべき3つの(左、中央、右)加熱口4L、4C、4Rと、サブ調理モードや制御条件(火力や設定温度等)を入力する各種入力スイッチ類(左選択キー41L、中央選択キー41M、右選択キー41R、左切入スイッチ42L、中央切入スイッチ42M、右切入スイッチ42R)の対応関係について、正しく認識でき、誤操作を防止することが期待できる。そのため、この面でも使い勝手の良い加熱調理器1を実現することができる。
【0484】
更に、実施の形態2では、通信端末200からレシピデータCDを取得するための許可は、調理工程1が左加熱口4Lや右加熱口4R、又は加熱室6の何れであっても、レシピデータ取得キー(スイッチ)75を操作することによって行われるので、レシピデータCDの操作が簡単になる。
【0485】
実施の形態3.
図64は、実施の形態3を示す加熱調理器1の、統合表示部15と中央操作部(後方操作部・前方操作部)17、右操作部18及び右火力表示部16Rの、表示状態と入力操作とを示す説明図である。図65は、連携調理モードの調理を行う場合の、統合表示部15の表示とダイヤル式の入力部170の動作とを示す模式図である。図66は、図65に示した構成の変形例を示す動作ステップ図である。なお、図1図63に説明した実施の形態1及び2の構成と、同一又は相当部分は、同じ符号を付けている。
【0486】
この実施の形態3では、加熱調理器1の右操作部18の構成が、実施の形態1及び2と異なる。
すなわち、この実施の形態3では、実施の形態1における選択キー70に相当する構成として、ダイヤル(回動)式入力部170を設けた点で、実施の形態1及び2と大きく異なる。
【0487】
図64(A)は、連携調理モードKM1の調理開始前の状態を示し、図64(B)は、連携調理モードKM1の調理開始の直前の状態を示すものである。
図64(A)(B)において、170は、右操作部18の左端部に配置したダイヤル式入力部である。
前記右操作部18には、ダイヤル回転検知部180(図示せず)を有している。
前記ダイヤル検知部180は、前記したダイヤル式入力部170の回動に応じて発生するパルス信号を検知し、回動した角度に応じた指令信号に変換して、当該指令信号を入力信号解析部34(図5参照)に入力する。そのため、ダイヤル式入力部170の回動した量と方向(正方向R2と反対方向R1)に応じた信号を入力信号解析部34で取得し、統合表示部15の表示指令情報に反映させることができる。
【0488】
前記ダイヤル式入力部170は、ユーザーが時計回り方向(正方向R2)に回すこと、またはこれと逆の方向(逆方向R1)に回すと、連携調理モードKM1の調理メニューを、前記左エリア(第1エリア)15L~右エリア(第3エリア)15Rに、順次表示させることができる。
この表示ルールについては、次の図65で詳しく説明する。なお、ダイヤル式入力部170は、1回転(360度)を超えるような回転は出来ず、例えば120度又は180度等の、一定の角度だけしか回動しない構成であっても良いが、前記した正方向R2と逆方向R2に回動できるようにする。
【0489】
前記ダイヤル式入力部170は、ユーザーが摘まんで回動させるダイヤル部分の中心部に回動軸(図示せず)を有し、当該回動軸によって本体2に対し、回動自在に固定されている。そのため、前記ダイヤル部分は、その中心点CPを中心にして、図64に矢印で示すように時計回り(正方向R2)と逆方向R1の双方に自由に回すことができる。
【0490】
図64(A)は、主電源スイッチ20をONにする前の状態を示しており、統合表示部15には何も表示されていない。
その後、主電源スイッチ20の操作ボタン20Aを押すと、統合表示部15の表示エリア全体には、実施の形態1(特に、図48)に示したように、待機時初期画面に切り替わる。
【0491】
そこで、前記ダイヤル式入力部170を、ユーザーが正方向R2又は逆方向R1に回動させると、統合表示部15は、待機時初期画面の状態から、連携調理モードKM1のための調理メニューの識別情報72A等を表示した状態に切り替わる。
例えば、図64(B)は、デフォルト設定されている調理メニューとして「パエリア」の識別情報72が、左エリア15Lに表示された状態を示している。
つまり、この図63(B)の状態では、まだ、1つの調理メニュー(パエリア)の選択は確定していない。しかし、左エリア15Lに「パエリア」が表示されているので、この左エリア15Lで表示されている「パエリア」、「ハンバーグ」及び「グラタン」の3種類は、左加熱口4Lで調理工程1を開始できることが分かる。
【0492】
そこで、1つの調理メニューの「パエリア」の識別情報72が左エリア15Lの中央に表示されている状態で、図64(B)に示すように左共用キー42Lを押せば、「パエリア」の調理メニューが「グラタン」に変更となる。
また、「パエリア」の識別情報72が左エリア15Lの中央に表示されている状態で、図64(B)に示すように、左切入りキー41Lを押せば、このままパエリアの調理開始が確定する。
【0493】
この実施の形態3においても、この図64(A)(B)に示すように、右操作部(共用操作部)18には、切タイマー機能を選択するためのタイマー操作部43を配置している。そのため、前記制御装置22は、前記複数の上面加熱部の少なくとも1つが加熱動作しているときに前記タイマー操作部43が操作されると、当該加熱動作中の前記左加熱口4L、中央加熱口4C又は右加熱口4Rの何れか1つに対応した、前記個別表示エリア15L、15M、15Rの何れか1つにおいて、前記切タイマー機能の設定時間情報66を表示する構成である。
【0494】
次に、図65(A)(B)について説明する。
図65(A)は、連携調理モードKM1の調理を行う場合の、統合表示部15の表示とダイヤル式入力部170の動作とを示す模式図である。
図65(A)に示すように、連携調理モードKM1の調理を行う場合の、デフォルト設定は、統合表示部15の左エリア15Lに最初に識別情報72を表示する。しかも、左エリア15Lに表示される調理メニューは、合計3つある。図64(B)に示したように、それらの3つの調理メニューの内、最初に表示される識別情報72は、「パエリア」である。
【0495】
次に、ダイヤル式入力部170を、黒く太い矢印で示すように、正方向R2に回すと、中央エリア15Mだけに(連携)調理メニューの識別情報72が表示される。中央エリア15Mにおいても、最初に表示されるメニューは、図64(A)に示しているように「からあげ」である。この「からあげ」を別の調理メニューに変更するには、中央共用キー42Mを押す必要がある。中央共用キー42Mを1回押す都度、別の調理メニュー(例えば、野菜炒め)の識別情報72に変化する。
【0496】
中央切入りキー41Mを押さない状態で、更に前記ダイヤル式入力部170を、ユーザーが正方向R2に少し回動させると、統合表示部15の右エリア15Rに、調理メニューの識別情報72Aを表示した状態に切り替わる。
また、図65(A)から分かるように、右エリア15Rに「ローストビーフ」の識別情報72が表示されたのは、右エリア15Rでは、「ローストビーフ」がデフォルト設定で最優先に表示されるように、機能設定キー45を使用してユーザーが事前に設定しているためである。但し、右加熱口4Rと左加熱口4LにおけるIHコイル9R、9Lの加熱能力に差がある場合があり、その能力差によって実行できる調理メニューが変化する場合もあるので、その場合は、ユーザーが個々に設定する必要はなく、制御装置22の側で適合する調理メニューを、左右の加熱口4L、4Rで自動的に振り分けて表示する。
【0497】
図65(A)に示しているように、右エリア15Rに識別情報72が表示された状態から、更にダイヤル式入力部170を、ユーザーが正方向R2に少し回動させると、統合表示部15の右エリア15Rから中央エリア15Mにおける表示に戻る。
以上の説明から分かるように、前記ダイヤル式入力部170を、ユーザー正方向R2に回動する度に、左エリア15L、中央エリア15M、右エリア15Rと、識別情報72の表示エリアは順次1つずつ変化するが、更に逆方向R1に回すと、今度は右エリア15Rから中央エリア15M、左エリア15Lのように、表示されるエリアされるは、左側へ1つずつ戻ることになる。
【0498】
次に、図65(B)について説明する。
図65(B)は、連携調理モードKM1の調理を行う場合の、ダイヤル式入力部170の動作と、中央操作部17の入力及び統合表示部15の表示内容を示す模式図である。
最初に、ダイヤル式入力部170を回動させると、その回動範囲に対応して、左エリア15Lから右エリア15Rに、調理メニューの識別情報72が順次表示される(ステップSW1)。つまり、このステップSW1では、3つの表示エリア15L、15M、15Rの何れか1つを選択することに対応して、調理工程1で使用される加熱口4L、4R又は加熱室6や中央加熱口4Cの選択動作となる。
【0499】
次に、1つの表示エリア(例えば、左エリア15L)に識別情報72が表示された状態で、他の調理メニューを選択するには、対応する共用キー(選択キー)41L、41M、41Rの操作が必要となる。左エリア15Lに「パエリア」の識別情報72が表示されていたのを、「グラタン」に変更するには、左右1対の左共用キー42Lの内、左側のキー42Lを1回押せば良い。こうして所望の調理メニューが選択できる(ステップSW2)。
【0500】
次に、左エリア15Lに対応した左切入りキー41Lを押せば、「パエリア」の連携調理メニューの調理工程1を、左加熱口4Lで行うことが確定する(ステップSW3)。
この後、加熱制御部23は左加熱口4LのIHコイル9Lへ高周波電力を印加し、加熱動作を開始できる(ステップSW4)。なお、この後、誘導加熱の火力は、左共用キー42Lによって増減(アップダウン)できる。
【0501】
次に、図66について説明する。
図66は、図65に示した構成の変形例を示す動作ステップ図である。
この図66の変形例では、前記ダイヤル式入力部170の構成を変更している。
すなわち、この図66に示したダイヤル式入力部170は、回動動作に応じて位置信号を出すことに加え、円形のダイヤルの中心部CPにある回動中心軸を兼ねた回動軸(図示せず)が、その軸線方向に押し込まれることにより、「表示エリア確定指令信号」を制御装置22(入力信号解析部34)に対して発する構成である。
【0502】
次に、図66に示した動作ステップについて説明する。
最初に、ダイヤル式入力部170を回動させると、その回動範囲に対応して、左エリア15Lから右エリア15Rに、1つの表示エリア毎に調理メニューの識別情報72が順次表示されていく(ステップSW1)。つまり、図65の(B)で示したステップSW1と同じ動作を行う。そのため、3つの表示エリア15L、15M、15Rの何れか1つを選択することとなるが、これを言い換えれば、調理工程1で使用される加熱口4L、4R又は加熱室6や中央加熱口4Cを選択する動作でもある。
【0503】
次に、ステップSW2Aは、図65と異なる処理である。
すなわち、ステップSW2Aでは、1つの表示エリア(例えば、左エリア15L)を選択することを確定する処理が行われる。図65の構成では、対応する共用キー(例えば、42L)の操作を行った。
これに対し、この図66の構成では、ダイヤル式入力部170を前記中心部CPにある前記回動軸(図示せず)の軸線に沿った方向(鉛直方向)に押し込むと、「表示エリア確定指令信号」が制御装置22に入力されるので、統合表示部15では、識別情報72を表示すべき表示エリアが固定されることになる。なお、ダイヤル式入力部170は、押し込まれても、押し込む動作を止めれば、圧縮バネ等の力によって自動的に元の位置に復帰する。
【0504】
前記ステップSW2Aで、表示すべきエリアが1つ(例えば、左エリア15L)に確定した状態で、更にダイヤル式入力部170を回動すると、その左エリア15Lで表示できる複数の識別情報72の中から、1つずつ別の識別情報72が表示される。つまり、図64(B)で説明したように「パエリア」の識別情報であったものを、「グラタン」の識別情報に変更することができる。又は、反対方向に回動すれば、「ハンバーグ」に変更できる。
このように、このステップSW2Bは、左右1対の左共用キー42Lを使用せずに、ダイヤル式入力部170の回動操作に応じて、1つずつ調理メニューの識別情報72を左エリア15Lに表示することができる(ステップSW2B)。
【0505】
次に、左エリア15Lに対応した左切入りキー41Lを押せば、ステップSW2Bで左エリア15Lに識別情報72を表示していた1つの連携調理メニューを選択できる(ステップSW3)。
この後、加熱制御部23は左加熱口4LのIHコイル9Lへ高周波電力を印加し、加熱動作を開始できる(ステップSW4)。なお、この後、誘導加熱の火力は、左共用キー42Lによって増減(アップダウン)できる。
【0506】
このように、ダイヤル式入力部170を握ったまま、時計回り方向(正方向R2)又は反対方向R1に軽く回すだけで、3つの表示エリアの中から1つを選択し、しかも、そのまま軸方向にダイヤル式入力部170を押し込む動作をすると、その選択していた表示エリアが(識別情報72を表示する表示エリアとして)確定できる。従って、左選択キー42L、42M、42Rを、押したり、タッチ操作したりする操作を行わずに、識別情報72の表示に使用する表示エリアを1つに固定することができる。
更に、そのような表示エリアの固定に続いて、そのままダイヤル式入力部170を握ったまま、更に左右に回動すれば、別の調理メニューに変更することができるので、ダイヤル式入力部170を主体にして、異なる種類の複数の入力操作を円滑に行うことができる。
【0507】
実施の形態3の総括.
以上の説明から明らかなように、この実施の形態3では、第1の開示に関する加熱調理器1を、以下の形態で開示していた。
すなわち、第1の開示に関する加熱調理器1の1つの形態は、
本体2の上面にそれぞれ配置された左加熱口4L及び右加熱口4Rにおいて加熱動作を行う第1の加熱手段HM1と、
前記本体2の内部にある加熱室6で加熱動作を行う第2の加熱手段HM2と、
前記左加熱口4L、前記右加熱口4R及び前記加熱室6における、それぞれの調理に関する情報を表示する統合表示部15と、
入力操作部36の入力を受ける制御装置22と、
を備え、
前記統合表示部15は、1つの表示エリアの中が、前記左加熱口用の第1エリア(左エリア)15Lと、前記第2の加熱手段HM2用の第2エリア(中央エリア)15Mと、前記右加熱口4R用の第3エリア(右エリア)15Rと、に区画されて表示する機能を有し、
前記統合表示部の外側で、かつ、それに隣接した前方の位置には、
(1)前記左エリア15L、前記中央エリア15M及び前記右エリア33別に存在している、左共用キー(左選択キー)42L、中央共用キー(中央選択キー)42M及び右共用キー(右選択キー)42Rと、
(2)第1の加熱手段HM1と第2の加熱手段HM2の、それぞれの加熱動作の開始と終了を決定できる切入キー41L、41M、41Rと、
をそれぞれ(前後2列に)配置してあり、
前記制御装置22は、1つの調理メニューに関して、前記第1の加熱手段HM1と前記第2の加熱手段HM2の何れか一方を使用する調理工程1と、他方を使用する調理工程2と、を有した連携調理モードKM1の実行機能を有し、
前記入力操作部36には、前記連携調理モードKM1を選択する場合に操作するダイヤル式選択部170を有し、
前記ダイヤル式入力部170は、所定方向(正方向R2)及びそれと反対方向R1に回動することに伴って、前記左エリア15L、前記中央エリア15M及び前記右エリア15Rに、前記連携調理モードKM1で実行できる調理メニューの識別情報72を、所定の順番及びこれとは逆の順番で順次表示し、
前記制御装置22は、前記左加熱口4L、中央加熱口4C又は右加熱口4Rの何れか1つにおいて加熱調理を実行しているときに前記タイマー操作部43が操作されると、当該加熱動作中の前記左加熱口4L、中央加熱口4C又は右加熱口4Rの何れか1つに対応した、前記個別表示エリア15L、15M、15Rの何れか1つにおいて、前記切タイマー機能の設定時間情報66を表示すること、
を特徴とする構成である。
【0508】
この構成であるから、複数の加熱口(左加熱口4L、右加熱口4R等)を使用して各種の加熱調理に幅広く対応でき、タイマー機能を活用するための、ユーザーによる入力操作の効率化や負荷軽減に貢献する加熱調理器1を提供することができる。
【0509】
更に、実施の形態3の構成の加熱調理器1によれば、1つの統合表示部15を中心として、少なくとも左右の加熱口4L、4Rの選択と、連携調理モードKM1の選択が、前記統合表示部15の左エリア(第1エリア)15Lと、右エリア(第3エリア)15R、中央エリア(第2エリア)15Mの、それぞれの前方において集中して行える。
このため、ユーザーは、選択すべき対象である、
(1)(左右)加熱口4L、4Rと加熱室6、
(2)連携調理モードKM1とその調理メニュー
(3)加熱動作の開始を指令する各種入力スイッチ類(左切入キー41L、中央切入りキー41M、右切入スイッチ41R)、
の対応関係について、前後方向の配置を基準にして、正しく、かつ、容易に認識でき、誤操作を防止することが期待できる。そのため、ユーザーにとって使い勝手の良い加熱調理器1を提供することができる。
【0510】
更に、図66で説明した変形例によれば、ダイヤル式選択部170は、1つの表示エリア(例えば、左エリア15L)に連携調理メニューの識別情報72を表示させた後で、軸方向に押し込む動作をすると、その選択していた表示エリア(例では、左エリア15L)、識別情報72を表示する表示エリアとして確定できる。従って、この後、左選択キー42L、42M、42Rを、押したり、タッチ操作したりする操作を行わずに、識別情報72の表示に使用する表示エリアを1つに固定して、別の識別情報72を表示させ、その上で所定の切入りキー(41L等)を押せば、加熱動作を開始することができる。
このため、ダイヤル式選択部170の回動と軸方向移動という2つの操作を連続させて行うことで、更にユーザーにとって使い勝手の良い加熱調理器1を提供することができる。
【0511】
実施の形態4.
図67は、実施の形態4を示す加熱調理器1における2種類のタイマー機能(切タイマー機能と簡単タイマー機能)を実行する制御装置22の主要な動作を示すフローチャート1である。図68は、図67に示した動作の続きを示す制御装置22のフローチャート2である。図69は、更に図68に示した制御装置の動作の続きを示すフローチャート3である。なお、図1図66に説明した実施の形態1~3の構成と、同一又は相当部分は、同じ符号を付けている。
【0512】
この実施の形態4では、2種類のタイマー機能(切タイマー機能と簡単タイマー機能)を制御装置22で実現するために、制御プログラムの一部を変更した変形例を示すものである。なお、この実施の形態4において、統合表示部15と、右操作部18の基本的構成は実施の形態1と同じである。
【0513】
図67について説明する。
図67は、2種類のタイマー機能(切タイマー機能と簡単タイマー機能)を実行する制御装置22の主要な動作を示すフローチャート1である。ステップSU1~SU17を実行する制御プログラムは、制御装置22の記憶装置21の中に格納されている。
【0514】
第1の加熱口4L~第3の加熱口4R及び加熱室6の、少なくとも何れか1つで加熱動作が行われている期間中、ユーザーがタイマー操作部(タイマースイッチ)43を押すと、その入力信号を制御装置22が右操作部18経由で受け付ける(ステップSU1)。
この図67において、四角の枠の中に白抜き数字(43と44)で示した数字は、右操作部18の各種入力キー(操作部)を示している。例えば、ステップSU1の段階にある「43」は、タイマー操作部43を操作することを意味している。
【0515】
次のステップSU2では、左加熱口4Lに対応した左エリア(第1表示エリア)15Lにおいて、切タイマー機能の候補時間情報TXを表示する。
実施の形態1では、図50で説明したように、タイマー操作部43をユーザーが1回操作した場合、制御装置22は、加熱動作に使用中の上部加熱部UHがあるかどうかを判定する。また、加熱室6についても加熱動作中であるかどうかを判定する。
そして、制御装置22が上部加熱部UHの内、左加熱口4L又は右加熱口4Rが加熱動作中であると判定すると、表示する順番を定めた「ルール」に従って候補時間情報TXを関係する表示エリアに表示する。当該「ルール」が、第1表示エリア15L~第3表示エリア15Rの順であれば、最初に第1表示エリア15Lに候補時間情報TXを表示する。加熱室6は、第2表示エリア15Mを使用するので、上記順番で表示動作が行われる。
【0516】
これに対し、この実施の形態4では、表示の順番は第1表示エリア15L~第3表示エリア15Rの順であるが、加熱動作の有無を表示エリア選定(ステップSU2)の次のステップ(SU3)で行っている点で、実施の形態1と異なっている。
次のステップSU3では、第1表示エリア15Lに対応する左加熱口4Lの加熱動作有無が判定される。加熱動作中でない場合には、ステップSU10に進む。つまり、加熱動作中であるかどうかの判定により、判定結果が「No」であった場合には、前記した「ルール」の通り、第1表示エリア15Lから、第2表示エリア15M、その次は第3表示エリア15Rと、順次変動する。
【0517】
左加熱口4Lが加熱動作中であった場合、ステップSU4に進む。ステップSU4では、切タイマー機能の候補時間情報TXを第1表示エリア15Lに表示する。
前記候補時間情報TXが第1表示エリア15Lに表示された時点から、「切替(猶予)時間」(例:5秒間)のカウントを開始する。この一定の長さの「切替(猶予)時間」(例:5秒間)内において、タイマー操作部43を、ユーザーが更に1回操作した場合は、ステップSU5の判定結果は「No」となり、ステップSU10に進む。つまり、切タイマー機能の候補時間情報TXを表示すべき表示エリアが、第1表示エリア15Lから第2表示エリア15Mに強制的に切り替わる。
【0518】
前記ステップSU5の「切替(猶予)時間」(5秒間)を経過した時点で、自動的に表示エリアが第1表示エリア15Lに確定するが、「切替(猶予)時間」(5秒間)の経過を待たずに、ステップSU4の直後に、設定キー(時間入力部)44を押しても良い。
1対の設定キー(時間入力部)44を押すと、ステップSU6において設定時間の変更入力の有無が判定される。1対の設定キー(時間入力部)44は、アップダウンキーであるので、押した回数に応じて、表示されていた候補時間は、別の候補時間に変更される。
こうして、表示されていた候補時間の変更が行われると、第1表示エリア15Lに表示されていた候補時間情報TXは、別の候補時間情報TXに変更されて表示される(ステップSU7)。なお、このステップSU6において、四角の枠の中に白抜き数字(44)で示した数字は、設定キー(時間設定部)44の操作が必要であることを示している。
【0519】
ステップSU6において、ユーザーが設定キー44によって、設定時間の変更入力を行うと、それまで第1表示エリア15Lに継続的に表示されていた候補時間情報TX(例えば、「10分間」という表示)は、別の候補時間情報TX(例えば、「15分間」)に変更されて表示される(ステップSU7)、
【0520】
ステップSU7の時点から「待機期間TY1」の計測が開始される。当該待機期間TY1は、例えば5秒間である。但し、設定時間の入力をステップSU6で行わなかった場合、つまり、ステップSU4で表示されたデフォルト時間をそのまま使用する場合には、ステップSU6の判定時点からの経過時間が「待機期間TY2」となる。
設定時間の入力をステップSU6で行った場合、ステップSU7の時点からの経過時間の計測を開始し、当該経過時間が所定の閾値、すなわち、前記待機期間TY1を超えると、ステップSU8は「Yes」判定となる。
【0521】
設定時間の入力が(ステップSU6の通り)無かった場合、ステップSU6の判定時点からの経過時間(待機期間TY2)が所定の閾値(例えば、5秒間)を超えるかどうかの判定が、ステップSU8で行われる。
【0522】
これらの待機期間TY1,TY2は、計時回路37でカウントダウンされるが、その経過時間の結果情報は表示されない。この後、「待機期間TY1」が経過すると、ステップSU6時点で入力した設定時間(この例では、15分間)が、正式に設定時間PTとして確定する(ステップSU8)。そして、ステップSU9では、計時回路37によって経過時間のカウントダウンが15分間から始まり、残存時間情報が第1表示エリア15Lには表示される(例えば、1秒置きの時間表示)。そして、設定時間PT(15分間)が経過した時点で左加熱口4Lの左IHコイル9Lの駆動が自動的に停止するが、これはこの図67には示していない。なお、「待機期間TY2」が経過した場合は、ステップSU4時点で表示されていた候補時間(この例では、10分間)が、正式に設定時間PTとして確定する(ステップSU8)。そして、ステップSU9に進む。
【0523】
この図67から分かるように、切タイマー機能の候補時間情報TXが第1表示エリア15Lに最初に表示された際には、その候補時間(例えば、10分間)は、点滅状態で表示される。ステップSU7の段階でも、点滅状態で表示される。しかし、ステップSU9の段階では、点滅表示ではなく、連続的な表示に変わる。なお、候補時間情報TXは、青文字で表示し、設定時間PTとなった段階から赤文字で表示しても良い。このように、仮の時間と確定した設定時間の段階で、表示形態を数字や文字の色彩や点滅等によって変化させて、ユーザーに時間の入力段階の違い、変化が容易に分かるようにしても良い。
【0524】
次に、ステップSU10以降について説明する。
ステップSU10では、中央加熱口4Cに対応した中央エリア(第2表示エリア)15Mを表示対象として選定する。
次のステップSU11では、第2表示エリア15Mに対応する中央加熱口4C又は加熱室6が加熱動作中であるかどうかの判定が実行される。加熱動作中でない場合には、ルートAの通り、ステップSU18に移る(図68参照)。つまり、加熱動作中であるかどうかの判定により、判定結果が「No」であった場合には、前記した「ルール」の通り、第2表示エリア15Mから、第3表示エリア15Rに表示対象エリアが自動的に切り替わる。
【0525】
前記候補時間情報TXが第2表示エリア15Lに(点滅状態で)表示された時点から、「切替(猶予)時間」(例:5秒間)のカウントを開始する。この一定の長さの「切替(猶予)時間」(例:5秒間)内において、タイマー操作部43を、ユーザーが更に1回操作した場合は、ステップSU13の判定結果は「No」となり、ステップSU18(図68参照)に進む。つまり、切タイマー機能の候補時間情報TXを表示すべき表示エリアが、第2表示エリア15Mから第3表示エリア15Rに強制的に切り替わる。
【0526】
前記ステップSU13では、「切替(猶予)時間」(5秒間)を経過した時点で、自動的に表示エリアが第2表示エリア15Mに確定するが、「切替(猶予)時間」(5秒間)の経過を待たずに、ステップSU12の直後に、設定キー(時間入力部)44を押しても良い。
1対の設定キー(時間入力部)44を押すと、ステップSU14において設定時間の変更入力の有無が判定される。1対の設定キー(時間入力部)44は、アップダウンキーであるので、押した回数に応じて、表示されていた候補時間は、別の候補時間に変更される。
こうして、表示されていた候補時間の変更が行われると、第2表示エリア15Mに表示されていた候補時間情報TXは、別の候補時間情報TXに変更されて(点滅状態で)表示される(ステップSU15)。なお、このステップSU6において、四角の枠の中に白抜き数字(44)で示した数字は、設定キー(時間設定部)44の操作が必要であることを示している。
【0527】
1対の設定キー(時間入力部)44によって設定時間の変更の有無が判定される(ステップSU14)。例えば、設定時間として「20分間」の変更入力が行われると、第2表示エリア15Mに表示されていた候補時間情報TXは、別の候補時間情報に変更されて表示される(ステップSU15)。
【0528】
ステップSU15の時点から「待機期間TY」の計測が開始される。当該待機期間TYは、図67で説明したように、例えば5秒間である。この待機期間TYは、計時回路37でカウントダウンされるが、このカウントダウンの経過の時間はリアルタイムでは表示されない。この後、「待機期間TY」が経過すると、ステップSU14時点で入力した設定時間(この例では、20分間)が、正式に設定時間として確定する(ステップSU16)。
【0529】
そして、ステップSU17では、切タイマー動作のスタート時の「20分間(20分00秒)」から計時回路37によって経過時間のカウントダウンが始まり、残存時間情報が第2表示エリア15Mには(連続的形態で)表示される(例えば、1秒置きの時間表示)。そして、設定時間(20分間)が経過した時点で中央加熱口4Cの中央IHコイル9Mの駆動が自動的に停止するが、これはこの図67には示していない。
【0530】
図68について説明する。
図68は、2種類のタイマー機能(切タイマー機能と簡単タイマー機能)を実行する制御装置22の主要な動作を示すフローチャート1であり、図67に示した動作ステップの続きを示している。
次に、ステップSU18~SU32について説明する。
ステップSU18では、右加熱口4Rに対応した右エリア(第3表示エリア)15Rを表示対象として選定する。
次のステップSU19では、第3表示エリア15Rに対応する右加熱口4Rが加熱動作中であるかどうかの判定が実行される。加熱動作中でない場合には、前記した表示ルールの順番に従って、第1表示エリア15Lの表示動作に進む。つまり、加熱動作中であるかどうかの判定により、判定結果が「No」であった場合には、前記した「ルール」の通り、第3表示エリア15Rから、第1表示エリア15Lに表示対象エリアが自動的に切り替わる。
【0531】
次に、右加熱口4Rが加熱動作中であった場合、ステップSU20に進む。ステップSU20では、切タイマー機能の候補時間情報TXを第3表示エリア15Rに(点滅状態で)表示する。
【0532】
前記候補時間情報TXが第3表示エリア15Rに(点滅状態で)表示された時点から、「切替(猶予)時間」(例:5秒間)のカウントを開始する。この一定の長さの「切替(猶予)時間」(例:5秒間)内において、タイマー操作部43を、ユーザーが更に1回操作した場合は、ステップSU21の判定結果は「No」となり、ステップSU26に進む。つまり、切タイマー機能の候補時間情報TXを表示すべき表示エリアが、第3表示エリア15Mから第1表示エリア15Lに強制的に切り替わる。
【0533】
前記ステップSU21では、「切替(猶予)時間」(5秒間)を経過した時点で、自動的に表示エリアが第3表示エリア15Rに確定するが、「切替(猶予)時間」(5秒間)の経過を待たずに、ステップSU20の直後に、設定キー(時間入力部)44を押しても良い。
1対の設定キー(時間入力部)44を押すと、ステップSU22において設定時間の変更入力の有無が判定される。1対の設定キー(時間入力部)44は、アップダウンキーであるので、押した回数に応じて、表示されていた候補時間は、別の候補時間に変更される。
こうして、表示されていた候補時間の変更が行われると、第3表示エリア15Rに表示されていた候補時間情報TXは、別の候補時間情報TXに変更されて(点滅状態で)表示される(ステップSU23)。なお、ステップSU22において、四角の枠の中に白抜き数字(44)で示した数字は、設定キー(時間設定部)44の操作が必要であることを示している。
【0534】
ステップSU23の時点から「待機期間TY」の計測が開始される。当該待機期間TYは、図67で説明したように、例えば5秒間である。この待機期間TYは、計時回路37でカウントダウンされるが、このカウントダウンの経過の時間はリアルタイムでは表示されない。この後、「待機期間TY」が経過すると、ステップSU22時点で入力した設定時間(この例では、20分間)が、正式に設定時間として確定する(ステップSU24)。
【0535】
そして、ステップSU25では、切タイマー動作のスタート時の「20分間(20分00秒)」から計時回路37によって経過時間のカウントダウンが始まり、残存時間情報が第3表示エリア15Rには(連続的形態で)表示される(例えば、1秒置きの時間表示)。そして、設定時間(20分間)が経過した時点で右加熱口4Rの右IHコイル9Rの駆動が自動的に停止するが、これはこの図67には示していない。
【0536】
次に、ステップSU26以降について説明する。
ステップSU26では、左加熱口4Lに対応した左エリア(第1表示エリア)15Lを表示対象として選定する。
次のステップSU27では、第1表示エリア15Mに対応する左加熱口4Lが加熱動作していない「加熱非動作中」であるかどうかの判定が実行される。加熱動作中でない場合には、「Yes」判定となり、ステップSU28に進む。「No」判定の場合には、ルートBの通り、ステップSU33に移る(図69参照)。つまり、加熱動作中でないかどうかの判定により、判定結果が「No」であった場合には、前記した「ルール」の通り、第3表示エリア15Rから、第1表示エリア15Lに表示対象エリアが自動的に切り替わる。
【0537】
ステップSU27から前記した「簡単タイマー機能」の制御ステップが開始される。
ステップSU28では、第1表示エリア16Lの中に、経過時間表示部69が表示される。この表示部には初期時間69T(例えば、0秒)が最初に表示される。
前記初期時間69Tが第1表示エリア15Lに(点滅形態で)表示された時点(ステップSU28)から、「切替(猶予)時間」(例:5秒間)のカウントを開始する。この一定の長さの「切替(猶予)時間」(例:5秒間)内において、タイマー操作部43を、ユーザーが更に1回操作した場合は、ステップSU29の判定結果は「No」となり、ステップSU33(図69参照)に進む。つまり、簡単タイマー機能の初期時間69Tを表示すべき表示エリアが、第1表示エリア15Lから第2表示エリア15Mに強制的に切り替わる。
【0538】
前記「切替(猶予)時間」(例:5秒間)を超過すると、第1エリア15Lが簡単タイマーの初期時間69Tの情報を表示すべき表示エリアに確定する(ステップSU29)。この後、ユーザーが任意のタイミングで機能設定キー(スタートキー)45を押した場合には、簡単タイマー機能のカウントアップ動作を開始する指令の入力を(右操作部18から)制御装置22が受け付ける(ステップSU30)。なお、前記機能設定キー(スタートキー)45を押すタイミング(ステップSU31)は、ステップSU29から一定の時間(例えば、5秒間)内には制限されていない。
このため、ステップSU31では、即時にカウントアップ動作が開始され、経過時間の情報が連続的に(例えば、1秒単位でカウントアップされて)表示される(ステップSU32)。なお、ステップSU30において、四角の枠の中に白抜き数字(45)で示した数字は、前記スタートキー45の操作が必要であることを示している。
【0539】
カウントアップ動作開始後、「簡単タイマー機能」は任意のタイミングでユーザーにより停止できる。例えば、実施の形態1の図56で説明したように、タイマー操作部43を更に1回操作することによって、停止(一時停止)できる。また、その操作に続いて更にもう1回タイマー操作部43を1回押せば、カウントアップ動作を再開できる。これら一時停止とカウントアップ再開は、この図68には示していない。なお、ステップSU32では、初期時間69Tは、0秒が最初に連続的に表示されるが、その後、1秒、2秒と1秒単位(又は数秒や10秒単位)でカウントアップされた経過時間の情報が、連続的に表示される。
【0540】
次に、図69について説明する。
次に、ステップSU33以降について説明する。
ステップSU33では、中央加熱口4L又は加熱室6に対応した中央エリア(第2表示エリア)15Mを、簡単タイマー機能の初期時間69Tとその後の経過時間の情報の表示対象として選定する。
【0541】
次のステップSU34では、第2表示エリア15Mに対応する中央加熱口4Cと、加熱室6のための第2の加熱手段HM2又は第3の加熱手段HM3が加熱動作していない「加熱非動作中」であるかどうかの判定が実行される。
加熱動作中でない場合には、「Yes」判定となり、ステップSU35に進む。「No」判定の場合には、ステップSU40に進む。つまり、加熱動作中でないかどうかの判定により、判定結果が「No」であった場合には、前記した「ルール」の通り、第3表示エリア15Rから、第1表示エリア15Lに表示対象エリアが自動的に切り替わる。
【0542】
ステップSU34から前記した「簡単タイマー機能」の制御ステップが開始される。
ステップSU35では、第2表示エリア16Mの中に、経過時間表示部69が表示される。この表示部には初期時間69T(例:0秒)の情報が最初に表示される。
この初期時間69Tの情報が第2表示エリア15Mに表示されてから、所定の長さの「切替(猶予)時間」(例:5秒間)を経過した場合、自動的に表示エリアが「第2表示エリア15M」に確定する(ステップSU36)。
【0543】
前記切替(猶予)時間(例:5秒間)内において、タイマー操作部43を、ユーザーが更に1回操作した場合は、ステップSU36の判定結果は「No」となり、ステップSU40(図69参照)に進む。つまり、簡単タイマー機能の初期時間69Tを表示すべき表示エリアが、第2表示エリア15Mから第3表示エリア15Rに強制的に切り替わる。
【0544】
この後、ユーザーが任意のタイミングで、機能設定キー(スタートキー)45を押した場合には、簡単タイマー機能のカウントアップ動作を開始する指令が、右操作部18から発信され、この指令(入力信号)を制御装置22で受け付ける(ステップSU37)。このため、即時にカウントアップ動作が開始される(ステップSU38)。なお、この機能設定キー(スタートキー)45を押すタイミングは、ステップSU37から一定の時間内には制限されていない。
そしてカウントアップ動作開始(ステップSU38)後は、初期時間69Tの表示は、0秒に連続し、例えば1秒置き又は数秒置きの累積時間(カウントアップ時間)情報が、第2表示エリア15Mに表示される。なお、ステップSU37において、四角の枠の中に白抜き数字(45)で示した数字は、前記スタートキー45の操作が必要であることを示している。
【0545】
なお、カウントアップ動作開始後、「簡単タイマー機能」は任意のタイミングでユーザーにより停止できる。例えば、実施の形態1の図56で説明したように、タイマー操作部43を更に1回操作することによって、停止(一時停止)できる。また、その操作に続いて更にもう1回タイマー操作部43を1回押せば、カウントアップ動作を再開できる。これら一時停止とカウントアップ再開は、この図69には示していない。
【0546】
次に、ステップSU40以降について説明する。
ステップSU40では、右加熱口4Rに対応した右エリア(第3表示エリア)15Rを表示対象として選定する。
次のステップSU41では、第3表示エリア15Mに対応する右加熱口4Rが加熱動作していない「加熱非動作中」であるかどうかの判定が実行される。加熱動作中でない場合には、「Yes」判定となり、ステップSU42に進む。「No」判定の場合には、ルートCの通り、ステップSU1に戻る(図67参照)。つまり、加熱動作中でないかどうかの判定により、判定結果が「No」であった場合には、前記した「ルール」の通り、第3表示エリア15Rから、第1表示エリア15Lに表示対象エリアが自動的に切り替わる。
【0547】
ステップSU41から前記した「簡単タイマー機能」の制御ステップが開始される。
ステップSU42では、第3表示エリア16Rの中に、経過時間表示部69が表示される。この表示部には初期時間69Tの情報(例:0秒)が最初に表示される。
この初期時間69Tの情報が第2表示エリア15Mに表示されてから、所定の長さの「切替(猶予)時間」(例:5秒間)を経過した場合、自動的に表示エリアが「第3表示エリア15R」に確定する(ステップSU43)。
【0548】
仮に、前記切替(猶予)時間(例:5秒間)内において、タイマー操作部43を、ユーザーが更に1回操作した場合は、ステップSU44の判定結果は「No」となり、ステップSU2(図67参照)に進む。つまり、簡単タイマー機能の初期時間69Tを表示すべき表示エリアが、第3表示エリア15Mから第1表示エリア15Lに強制的に切り替わる。
【0549】
この後、ユーザーが任意のタイミングで、機能設定キー(スタートキー)45を押した場合には、簡単タイマー機能のカウントアップ動作を開始する指令が、右操作部18から発信され、この指令(入力信号)を制御装置22で受け付ける(ステップSU45)。このため、即時にカウントアップ動作が開始される(ステップSU46)。なお、この機能設定キー(スタートキー)45を押すタイミングは、ステップSU42又はステップSU43から一定の時間内には制限されていない。
そしてカウントアップ動作開始(ステップSU45)後は、初期時間69Tの表示は、0秒に連続して、例えば1秒置き又は数秒置きの累積時間(カウントアップ時間)の情報として、第3表示エリア15Rに表示される。なお、ステップSU44において、四角の枠の中に白抜き数字(45)で示した数字は、前記スタートキー45の操作が必要であることを示している。
【0550】
なお、カウントアップ動作開始後、「簡単タイマー機能」は任意のタイミングでユーザーにより停止できる。例えば、実施の形態1の図56で説明したように、タイマー操作部43を更に1回操作することによって、停止(一時停止)できる。また、その操作に続いて更にもう1回タイマー操作部43を1回押せば、カウントアップ動作を再開できる。これら一時停止とカウントアップ再開は、この図69には示していない。
【0551】
実施の形態4の総括.
以上の説明から明らかなように、この実施の形態4では、以下の通り第3の開示に関する加熱調理器1を開示していた。
すなわち、第3の開示に関する加熱調理器1の1つの形態は、
本体2の上面に配置された複数の加熱部(3つの加熱口4L、4C、4Rと加熱室6)と、
ユーザーが操作して前記加熱部を個々に選択できる選択部41L、41M、41Rと、
前記加熱口に共通の入力を行う共用操作部18と、
前記加熱口に関する調理情報を表示する統合表示部15と、
前記統合表示部15の表示動作と前記加熱部の加熱動作とを個々に制御する制御装置22と、
を備え、
前記共用操作部18には、前記複数の加熱部(3つの加熱口4L、4C、4Rと加熱室6)と、それら加熱部の加熱動作時間を制限する切タイマー機能を選択できるタイマー操作部43と、前記切タイマー機能の設定時間を入力できる時間入力部(入力キー)44と、を有し、
前記統合表示部15には、前記加熱部(3つの加熱口4L、4C、4Rと加熱室6)毎に割り当てられた個別表示エリア15L、15M、15Rが、前記加熱部の左右方向における配置と同じ配置で並んでおり、
前記制御装置22は、
(1)前記タイマー操作部43が操作されると、加熱動作中の前記加熱部の個々に対応した前記個別表示エリア15L、15M、15Rの何れか1つにおいて、前記切タイマー機能の候補時間情報TXを表示し(図67のステップSU4と、SU12及び図68のステップSU20参照)、
(2)前記候補時間情報の表示又は前記設定時間情報の表示から、所定の時間経過した段階で前記切タイマー機能を自動的に開始できること、
を特徴とする構成である。
【0552】
この構成であるから、複数の加熱口4L、4C、4Rを使用して各種の加熱調理に幅広く対応でき、切タイマー機能を活用するための、ユーザーによる設定時間の入力操作及び切タイマー機能の開始指令等の、作業負荷軽減に貢献する加熱調理器1を提供することができる。しかも、切タイマー機能では、候補時間情報TXを表示してから、所定の時間(例:5秒間)経過した段階で前記切タイマー機能を自動的に開始できるから、タイマー機能の起動の手間も省けて使い勝手が良い。
【0553】
更に前記制御装置22は、前記タイマー操作部43が操作されると、加熱動作ではない前記加熱部の個々に対応した前記個別表示エリア15L、15M、15Rの何れか1つにおいて、前記簡単タイマー機能の経過時間(累積時間)情報を表示し(図68のステップSU28と、図69のステップSU35、SU42参照)、
前記スタートキー45の操作によって、前記簡単タイマー機能を開始できることを特徴とする構成である。
【0554】
この構成であるから、同じタイマー操作部43を操作するだけで、加熱動作中の表示エリアでは切タイマー機能を使用した、デフォルト設定時間(候補時間)情報TX(例:10分間)を表示させることができる。
また、加熱動作中ではない表示エリアでは、簡単タイマー機能を使用した、初期時間情報(例:0秒間)を表示させることができる。そして、他の入力キー45を押せば、カウントアップ動作の結果である累積時間の情報も、当該表示エリアの中の経過時間表示部69において、表示させることができる。
このため、複数の加熱部を使用して各種の加熱調理に幅広く対応でき、しかも、切タイマー機能と簡単タイマー機能とを活用するために、ユーザーによる設定時間の入力操作及び切タイマー機能の開始指令等の、作業負荷軽減に貢献する加熱調理器1を提供することができる。
【0555】
他の実施の形態.
加熱調理器1と通信端末200を構成する各回路、部品、装置の各構成要素を説明するために、レシピデータCD1とレシピデータCD2、予告情報1,予告情報2、選択情報A、選択情報B、設定情報A等のようにデータや情報に符号(1、2やA、B)を付けて説明したが、この両者は実質的に同じデータであっても良い。例えば、加熱調理器1で最初から保有している1つのレシピデータ(例:ハンバーグのレシピデータCD)と、通信部25を介して外部から取得するレシピデータ(例:ハンバーグのレシピデータCD)が、同一の内容であっても良い。
【0556】
以上の説明では、説明を簡単にする都合上で構成部品や信号に対応して符号を付していたが、その符号によって構成部品や信号が互いに異なったものであると解釈すべきではない。異なる符号を付して説明している場合もあるが、説明の都合上で異なる符号を付したものであり、符号の相違だけでデータや構成部品、機能の内容が相互に異なっているという意味ではない。
【0557】
以上の実施の形態1~4では、統合表示部15の表示画面が、左右方向に個別表示エリア(第1エリア15L、第2エリア15M、第3エリア15R)が並んだ形態であったが、常にこのように3つの表示エリアが(1つの平面上で、隣接して)表示されることは必須ではない。
主電源スイッチ20を投入後に異常検知した場合や加熱動作中に異常検知した場合、隣接関係にある2つの表示エリア(例えば、第1エリア15Lと第2エリア15M)を結合して、ユーザーが視覚的には1つの表示画面のように見える形にし、広い表示エリアの中で必要な情報を表示するようにしても良い。
また、例えば、主電源スイッチ20をONにした後で、加熱動作を実行していない期間中に、前記機能設定キー45を押した場合、上記と同様に隣接関係にある2つの表示エリア(例えば、第1エリア15Lと第2エリア15M)又は3つの表示エリアを結合して、ユーザーが視覚的には1つの表示画面のように見える形にし、広い表示エリアの中で各種機能設定に必要な情報を表示して、機能設定を実行できるようにしても良い。
【0558】
また、以上の実施の形態1~4では、3つの個別表示エリア(第1エリア15L、第2エリア15M、第3エリア15R)は、境界線15Sによって視覚的に1つの平面的な表示画面が3つに分割されているように見える構成であったが、この構成に限定されるものではない。例えば、1つずつ制御装置22によって個別に駆動される表示画面(液晶表示基板等)を2つ又は3つ以上設け、それら表示画面の中を個々の表示エリアとして利用する形態であっても良い。また、各個別表示エリアの実質的な表示面積や平面的形状は、全ての個別表示エリアで同一でなくとも良い。各個別表示エリアを備えた表示部を、互いに隣接したり、近接したりするように配置して使用する形態でも良い。
【0559】
また、実施の形態1~4における統合表示部15は、3つの加熱口4L、4C、4Rと、加熱室6の合計4つの加熱部HPの情報を集中して表示するものであったが、このような構成に限定されず、3つの加熱口4L、4C、4Rの個々に専用の表示部を設けても良い。但し、加熱室6を有する場合には、中央加熱口4Cと加熱室6の両方に対応するものを統合表示部と呼び、左加熱口4Lに対応する表示部を左表示部(左表示エリア)、右加熱口4Rに対応する表示部を右表示部(右表示エリア)と呼び、これら合計で3つの表示部を左右方向に点在させるように構成しても良い。このような構成は、例えば特開2022-59736号公報(特に、図132)に開示されている。3つの加熱口4L、4C、4Rの個々に専用の表示部を設ける、各表示部では、面積が大きい1つの表示エリアを確保できる。
【0560】
以上の実施の形態1~4で図示した各回路、部品、装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていなくとも良い。さらに、特に制御装置22、加熱制御部23、第1の加熱手段HM1、第2の加熱手段HM2、第3の加熱手段HM3、記憶装置21等は、これら各装置・回路の機能の分散・統合が可能であり、具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、機能や動作状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0561】
制御装置22、加熱制御部23の各機能は、処理回路によって実現される。各機能を実現する処理回路は、専用のハードウエアであっても良いし、メモリーに格納されるプログラムを実行するプロセッサであっても良い。
【0562】
処理回路がプロセッサである場合、制御装置22、加熱制御部23の各機能は、ソフトウエア、ファームウエア又はソフトウエアとファームウエアの組合せによって実現される。ソフトウエアとファームウエアは、プログラムとして記述され、メモリーである記憶装置21に格納される。プロセッサは、記憶装置21に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、制御装置22、加熱制御部23の各機能を実現する。
【0563】
これらプログラムは、制御装置22、加熱制御部23の制御手順を、マイクロコンピュータに実行させるものである。なお、記憶装置21とは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROM、EEPROM等の、不揮発性又は揮発性の半導体メモリーが代表的なものである。
【0564】
更に、図5に示したレシピデータ記憶部21のデータやプログラムの一部は、加熱調理器1が保持せずに、外部の記録媒体(ストレージサーバー等)に保持されてもよい。この場合、加熱調理器1は、外部の記録媒体(ストレージサーバー)にアクセスすることで、必要なデータやプログラムの情報を取得する。
【0565】
さらに、制御装置22、第1の加熱手段HM1、第2の加熱手段HM2、第3の加熱手段HM3の動作プログラムは、ユーザーの希望により、又は加熱調理器1の製造業者等の希望によって、適宜修正・改良されたものに更新できるようにしても良い。この場合、例えば、通信部25を通じて修正・改良プログラムを入手するようにしても良い。
【0566】
前記トッププレート3の上で加熱調理する前記第1の加熱手段HM1の1つの加熱部(IHコイル9L、9C、9R)は、ガス燃焼式バーナーに変えても良い。この場合、ガス流量弁が制御装置22によって制御される構成となる。
また、第2の加熱手段HM2又は第3の加熱手段HM3の一部又は全部を、ガス燃焼バーナーや誘導加熱源に変えても良い。
【0567】
実施の形態1~2では、入力操作部36は、何れも入力キーにユーザーが触れて入力指令を行う「接触式入力」と押圧(押しボタン)式の操作部を主体に説明したが、実施の形態3に例示したように、ユーザーが回動させることにより入力するダイヤル式入力部170を併用しても良い。
【0568】
更に、実施の形態1の入力操作部36には、音声信号受信部31を有し、ユーザーからの発声を直接受けて入力できる構成であったが、スマートスピーカやAIスピーカと呼ばれるような音声入力機能を備えた入力端末機器を介して、加熱調理器1に指令を与えても良い。その場合、音声信号受信部31を省略できる。前記入力端末機器からの音声入力結果は、通信部25を介して外部からの電気信号で音声信号解析部32にインプットされるように構成すれば良い。
【0569】
更に、前記スマートスピーカやAIスピーカは、クラウドサーバー300のように、ネットワーク環境の中にある音声翻訳機能や検索機能を備えた支援サーバーとの間で、随時無線通信で情報の授受を行うことができる。
従って、加熱調理器1の傍でユーザーが発した音声(自然言語)を、音声信号として取得し、前記支援サーバーによってユーザーからの指令信号に変換し、最終的には加熱調理器1に対する指令信号を生成することができる。
このため、このような音声入力方式を利用すれば、ユーザーが加熱調理器1の近傍に居ても、調理の準備や食材の処理等で、両手が塞がっていて入力操作部36に直接タッチする頻度が制限されているような場合にも、自然な発声(音声)で加熱調理器1を操作でき、便利である。
【0570】
実施の形態1では、通信端末(情報処理端末器)200や第1サーバー321等からレシピデータCDやその他データを、加熱調理器1が直接受信し、又は無線ルーター201を経由して受信していたが、その他の中継機器を経由して、加熱調理器1が受信しても良い。例えば、キッチンに設置されている他の家電機器類(例えば、給湯装置)のリモコンを中継装置として利用しても良い。そのようなリモコンは、通常は常時電源が接続されており、都合が良い。この場合、当該中継装置は、情報処理端末器200やクラウドサーバー300等から送信された指令を含む各種データを、一時的に格納する記憶装置(フラッシュメモリー等)を内蔵したものにすることが望ましい。そして、加熱調理器1から送信された各種データを、前記記憶装置(フラッシュメモリー等)に一時的に記憶するように構成する。
【0571】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の実質的な範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図されている。
【0572】
以上、好ましい実施の形態等について詳しく説明したが、本開示の諸態様を付記としてまとめて、以下の通り記載する。
【0573】
( 付記1 )
本体の上面において、互いに左右方向に離れた場所にある複数の加熱部と、
ユーザーが操作して前記加熱部を個々に選択できる選択部と、
前記加熱部に共通したタイマー機能を選択できるタイマー操作部と、
前記加熱部毎に割り当てられた個別表示エリアと、
前記加熱部の加熱動作を個々に制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記加熱部の少なくとも何れか1つにおいて加熱動作が実行されている期間中に、前記タイマー操作部からの入力を受け付けると、当該加熱動作中の前記加熱部に対応した前記個別表示エリアの範囲内で、当該個別表示エリア毎に、前記切タイマー機能の設定時間情報を表示し、
前記個別表示エリアは、左右方向において他の個別表示エリアと隣接している位置関係にあり、
前記個別表示エリアのそれぞれの前方位置には、当該個別表示エリアの横幅の範囲内に、前記選択部をそれぞれ配置し、
更に、前記個別表示エリアのそれぞれの前方位置には、当該個別表示エリアの横幅の範囲内に、前記加熱部の1つずつに対応して、調理メニュー、調理モード、又は制御条件の内、少なくとも2つを選択できる入力用スイッチ(入力キー)の操作部を、それぞれ配置していること、
を特徴とする加熱調理器。
( 付記2 )
左右方向の異なる位置にそれぞれ配置された複数の加熱部(加熱口)と、
ユーザーが操作して前記加熱部を個々に選択できる選択部と、
前記加熱部にタイマー機能を適用することを選択できるタイマー操作部と、
前記加熱部毎に割り当てられ、左右方向に並んだ個別表示エリアと、
前記加熱部の加熱動作を個々に制御する制御装置と、
を備え、
前記タイマー操作部を操作した場合、当該操作のたびに、
(1)前記加熱動作が行われている前記加熱部に対応した前記個別表示エリアでは、カウントダウン用の候補時間情報TX(例:10分間)を表示し、
(2)前記加熱動作が行われていない他の前記加熱部に対応した前記個別表示エリアでは、カウントアップ用の初期時間69T(例:0秒)の情報を表示すること、
の何れかを、当該個別表示エリア単位で1つずつ所定の順番(例:第1エリア~第2エリア、第3エリアの順)に行うこと、
を特徴とする加熱調理器。
( 付記3 )
前記加熱動作が行われている前記加熱部に対応した前記個別表示エリアでは、当該加熱動作の制御条件(火力レベル等を含む)を示す情報と、前記候補時間情報TXとを同時に表示すること、
を特徴とする付記2に記載の加熱調理器。
( 付記4 )
複数の加熱部と、
前記加熱部に共通したタイマー機能を選択できるタイマー操作部と、
前記加熱部毎に割り当てられて個別の表示動作を行う複数の個別表示部と、
前記加熱部の加熱動作を個々に制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記タイマー操作部の操作を受け付ける第1ステップと、
前記第1ステップの操作のたびに、前記加熱動作が行われている前記加熱部に対応した前記個別表示部と、前記加熱動作が行われていない残りの前記加熱部に対応した前記個別表示部とにおいて、切タイマー機能の候補時間情報TX(例:10分間)又は通常(簡単)タイマー機能の初期時間69T(例:0秒)の情報の、何れか一方を、当該個別表示エリア単位で順次表示させる第2ステップと、を実行し、
前記候補時間情報TX又は前記初期時間69Tの情報を表示させている段階で、
(1)時間調節指令(時間入力部の設定キーの入力)を受け付けた場合、前記候補時間情報TXを変更して設定時間情報を表示し、当該表示状態で、「切替(猶予)時間」(例えば、5秒間)が経過すると前記切タイマー機能のカウントダウン動作を自動的に開始すること、
を特徴とする加熱調理器。
( 付記5 )
第1の加熱部4Lと第2の加熱部4R毎に割り当てられた個別表示部15L、15Rを有する表示手段と、
前記第1の加熱部と前記第2の加熱部を個々に制御する制御装置22と、
を備え、
前記制御装置22は、前記第1の加熱部と前記第2の加熱部の両方が加熱動作中である場合に、
(1)タイマー操作部43からの入力Aを受け付けた場合、前記第1の加熱部に対応した前記個別表示部において、第1の候補時間情報TX1(例:10分間)を表示し、
(2)前記第1の候補時間情報TX1の表示中、時間入力部44から設定時間A(例:30分)を指定する入力Bを受け付けた場合、前記設定時間A(例:30分)で前記第1の加熱部の操作を停止するための、切タイマー動作を予約し、
(3) 前記第1の候補時間情報TX1の表示中、前記タイマー操作部43から再び入力Aを受け付けた場合、前記第1の候補時間情報TX1(例:10分間)の表示を止めて、前記第2の加熱部に対応した前記個別表示部において、第2の候補時間情報TX2(例:15分間)を表示すること、
を特徴とする加熱調理器。
( 付記6 )
前記制御装置22は、
待機期間TY(前記第1の候補時間情報TX1を表示した時点からの経過時間が閾値を超える前)に、前記入力Bを受け付けなかった場合、前記第1の候補時間情報TX1で示す時間(例:10分間)で、前記第1の加熱部の加熱動作を終了させること、
を特徴とする付記5に記載の加熱調理器。
( 付記7 )
本体2の上面で、左右方向に配置された複数の加熱部4L、4C、4Rと、
前記加熱部毎に割り当てられ、かつ、前記本体2の上面に配置されていて、それぞれが左右方向に接近又は隣接するように並んでいる個別表示部15L、15M、15Rと、
前記加熱部の加熱動作を個々に制御する制御装置22と、
を備え、
前記本体2には、前記個別表示部の前方に位置している第1操作部16と、この第1操作部に隣接している第2操作部18と、を備え、
前記第1操作部には、前記個別表示部のそれぞれに対応して、前記加熱部を個々に選択できる選択キー41L、41M、41Rと、前記加熱部毎の制御条件設定キー42L、42M、42Rと、を配置し、
前記制御装置22は、前記加熱部の少なくとも何れか1つが加熱動作中である場合に、 (1)前記第2操作部18にあるタイマー操作部43の入力Aを受け付けた場合、前記加熱動作が行われている1つの前記加熱部に対応した前記個別表示エリアでは、カウントダウン用の候補時間情報TX(例:10分間)を表示し、
(2)前記候補時間情報TXの表示中(又は当該情報の表示時点から一定の時間である、「待機期間TY」内)に時間を変更する入力Bを受け付けた場合、当該入力Bに応じた設定時間に基づき、自動的に切タイマー動作が開始されること、
を特徴とする加熱調理器。
( 付記8 )
前記制御装置22は、前記加熱部の何れも加熱動作中でない場合には、前記第2操作部18からの前記入力Aを受け付けたあと、加熱動作中でない1つの前記加熱部の個別表示部に、カウントアップ用の初期時間情報を表示すること、
を特徴とする付記7に記載の加熱調理器。
( 付記9 )
本体2の上面で、左右方向に配置された複数の加熱部4L、4C、4Rと、
前記加熱部毎に割り当てられ、かつ、前記本体の上面に配置されていて、それぞれが左右方向において互いに接近又は隣接するように並んでいる複数の個別表示部15L、15M、15Rと、
前記加熱部の加熱動作を個々に制御する制御装置22と、
を備え、
前記本体2には、前記個別表示部の前方に位置している第1操作部16と、この第1操作部に隣接している第2操作部18と、を備え、
前記第1操作部には、前記個別表示部のそれぞれに対応して、前記加熱部を個々に選択できる選択キー41L、41M、41Rと、前記加熱部毎の制御条件設定キー42L、42M、42Rと、を配置し、
前記制御装置22は、前記加熱部の少なくとも何れか1つが加熱動作中である場合に、
(1)ユーザーの入力操作に従って前記第2操作部18からのタイマー設定用の入力Aを受け付けた場合、前記加熱動作が行われている前記加熱部に対応した前記個別表示エリアでは、カウントダウン用の候補時間情報TX(例:10分間)を表示し、
(2)前記入力Aに続いて前記第2操作部18からタイマー設定時間の入力Bを受け付けた場合、別の前記個別表示エリアにおいて、前記候補時間情報TX(例:17分間)を表示すること、を特徴とする加熱調理器。
( 付記10 )
前記制御装置22は、 前記入力Aに続いて、再び前記入力Aを受け付けた場合、前記候補時間情報TX(例:10分間)の表示を消し、当該表示をしていた前記個別表示部とは別の個別表示部において、デフォルト設定時間情報B(例:20分間)の表示を行うこと、
を特徴とする付記9に記載の加熱調理器。
【産業上の利用可能性】
【0574】
本開示に係る加熱調理器及び加熱調理システムは、一般住宅の台所だけではなく、公共施設や店舗等の調理場でも広く利用することができる。
【符号の説明】
【0575】
1 加熱調理器
2 本体
3 トッププレート
4 加熱口
4L 左加熱口
4C 中央加熱口
4R 右加熱口
5 排気口カバー
6 加熱室
7 ドア
8 取手
9 IHコイル
9C 中央IHコイル
9L 左IHコイル
9R 右IHコイル
10 開閉検知部
11 マイクロ波発振部(マグネトロン)
12 輻射熱加熱手段
12a 上側輻射熱加熱手段
12b 下側輻射熱加熱手段
13 赤外線センサー
14 サーミスタセンサー
15 統合表示部
15L 第1エリア
15M 第2エリア
15R 第3エリア
16L 左火力表示部
16M 中央火力表示部
16R 右火力表示部
17 中央操作部
17B 後方操作部
17F 前方操作部
17L 左操作部
17M 中央操作部
17R 右操作部
18 右操作部
19A 設置空間
19B 設置空間
19S 仕切板
20 主電源スイッチ
20A 主電源スイッチの操作用ボタン(キー)
21 記憶装置
21A レシピデータ記憶部
22 制御装置
23 加熱制御部
24 データ取得部
25 通信部
26 許可条件判定部
27 電源回路
28 制限部
29 入力キー
30 温度センサー群
31 音声信号受信部
32 音声信号解析部
33 入力処理部
34 入力信号解析部
35 人感知センサー
36 入力操作部
37 発光制御部
39 計時部
40 報知手段
41L 左切入スイッチ(キー)(選択部)
41M 中央切入スイッチ(キー)(選択部)
41R 右切入スイッチ(キー)(選択部)
42L 左共用スイッチ(キー)
42M 中央共用スイッチ(キー)
42R 右共用スイッチ(キー)
43 タイマー操作部(タイマースイッチ)
44 設定キー(時間入力部)
45 機能設定キー(スタートキー)
46 調理モード表示部(識別情報B)
46A 候補表示部
46C 取消表示部
47 加熱源表示部
48 火力表示部
49 音声報知部
50 設定温度表示部
51 機能表示部
53L 変更マーク
53M 変更マーク
53R 変更マーク
54 高温注意表示情報
60 補助表示部
61 赤色表示部
62 加熱強度情報
63B 後方エリア
63F 前方エリア
64B 後方エリア
64F 前方エリア
65B 後方エリア
65F 前方エリア
66 残り加熱時間表示部
66A 補助情報
66T 設定時間(切タイマー機能用)
67 設定時間表示部(設定時間情報)
68 待機時共通情報
68A 表示文
68B 二次元情報
68C 二次元情報説明文
68D 操作誘導情報
69 経過時間表示部
69T 初期時間
70 連携調理モード選択スイッチ(キー)
71L 加熱部選択指示部
71M 加熱部選択指示部
71R 加熱部選択指示部
72 調理メニュー表示部(識別情報A)
72A 調理メニュー候補表示部
73L 左加熱口選択案内部
73R 右加熱口選択案内部
75 レシピデータ取得キー(スイッチ)
76 文字情報
77A 文字情報
78A 経過時間情報
78B 残り時間情報
79 文字情報
79A 進捗情報
79B 経過時間情報
80 受信待機情報
80A 待機状態表示部
80B 案内情報
90 受信動作表示部
90A 進捗マーク
91 不受信情報(不許可情報)
91A 受信支援情報
170 ダイヤル(回動)式入力部
200 通信端末(情報処理端末器)
201 予告情報
202 選択情報
203 準備情報
216 表示画面
216A 第1画面
216B 第2画面
216C 第3画面
224 メニュー表示部
226 調理工程情報
229 送信画面種類情報
237 確定キー(アイコン)
240 入力キー(アイコン)
250 無線ルーター
260 監視装置
300 クラウドサーバー
301 レシピデータ提供サーバー
302 レシピデータベース(レシピDB)
330 無線通信
400 キッチン家具
CD レシピデータ
CD1~CD2 レシピデータ
HM1 第1の加熱手段
HM2 第2の加熱手段
HM3 第3の加熱手段
HP 加熱部
NW ネットワーク
PT 設定時間
SK 選択部
TA 加熱動作時間
TY(TY1、TY2) 待機期間
TX 候補時間情報
UH 上面加熱部。
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図50
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図55
図56
図57
図58
図59
図60
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