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特開2024-157196部品吸着ユニットおよび部品搭載ヘッド
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  • 特開-部品吸着ユニットおよび部品搭載ヘッド 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157196
(43)【公開日】2024-11-07
(54)【発明の名称】部品吸着ユニットおよび部品搭載ヘッド
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20241030BHJP
【FI】
H05K13/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023071389
(22)【出願日】2023-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183276
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 裕三
(72)【発明者】
【氏名】佐川 光康
(72)【発明者】
【氏名】ワタリ,エイリ
(72)【発明者】
【氏名】田原 充
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353GG01
5E353HH11
5E353JJ25
5E353JJ44
5E353JJ48
5E353KK01
5E353QQ11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】位置ずれを抑制することができる部品吸着ユニットおよびそれを備える部品搭載ヘッドを提供する。
【解決手段】部品吸着ユニットは、ノズルと、第1ベアリング(22)と、第2ベアリング(23)と、ベアリングをそれぞれ回転可能に保持するブロック(20)と、ノズル及びブロックを一体的に昇降させる昇降手段と、昇降方向(Z)に直交する第1方向において、第1ベアリングの第1外周面(22b)を受ける第1ガイド面(15)、第2ベアリングの第2外周面(23b)を受ける第2ガイド面(16)を有し、第1方向に直交する第2方向に間隔を空けてベアリングが配置された、ガイド部材(13)と、第1ベアリングを第1ガイド面に向けて付勢する付勢部材(26)と、を備え、第1ガイド面と第2ガイド面のうちの少なくとも一方は、第1方向に対して、ブロックから離れる方向に向かって外側に広がるように傾斜している。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を吸着して基板に搭載するノズルと、
第1ベアリングと、
第2ベアリングと、
前記第1ベアリングおよび前記第2ベアリングをそれぞれ回転可能に保持するブロックと、
前記ノズルおよび前記ブロックを一体的に昇降させる昇降手段と、
前記ノズルの昇降方向に直交する第1方向において前記ブロック、前記第1ベアリングおよび前記第2ベアリングに対向し、前記第1ベアリングの第1外周面を受ける第1ガイド面および前記第2ベアリングの第2外周面を受ける第2ガイド面を有し、前記第1方向に直交する第2方向に間隔を空けて前記第1ベアリングおよび前記第2ベアリングが配置された、ガイド部材と、
前記第1ベアリングを前記第1ガイド面に向けて付勢する付勢部材と、を備え、
前記昇降方向に直交する断面で見たときに、前記第1ガイド面と前記第2ガイド面のうちの少なくとも一方は、前記第1方向に対して、前記ブロックから離れる方向に向かって外側に広がるように傾斜している、
部品吸着ユニット。
【請求項2】
前記第1ガイド面は、前記第1方向に対して、前記ブロックから離れる方向に向かって外側に広がるように傾斜している、請求項1に記載の部品吸着ユニット。
【請求項3】
前記昇降方向に直交する断面で見たときに、前記第1ベアリングの前記第1外周面は、前記第1ガイド面に対向する位置において、前記第1方向に対して、前記ブロックから離れる方向に向かって外側に広がるように傾斜している、請求項2に記載の部品吸着ユニット。
【請求項4】
前記昇降方向に直交する断面で見たときに、前記第1ガイド面と、前記第1ガイド面に対向する位置での前記第1外周面は、互いに平行である、請求項3に記載の部品吸着ユニット。
【請求項5】
前記第1ベアリングは、第1回転軸を中心として回転可能であり、
前記昇降方向に直交する断面で見たときに、前記第1回転軸は、前記第1方向に対して、前記ブロックから離れる方向に向かって外側に広がるように傾斜している、請求項3に記載の部品吸着ユニット。
【請求項6】
前記昇降方向に直交する断面で見たときに、前記第2ガイド面と、前記第2ガイド面に対向する位置での前記第2外周面は、前記第1方向に対して、前記第1ガイド面とは逆向きに傾斜している、請求項2に記載の部品吸着ユニット。
【請求項7】
前記昇降方向に直交する断面で見たときに、前記第1ガイド面と前記第2方向が成す角度は、70度以上80度以下である、請求項2に記載の部品吸着ユニット。
【請求項8】
前記昇降方向に直交する断面で見たときに、前記第1ベアリングは、前記昇降手段の中心軸に対して前記第2方向の一方側に配置され、前記第2ベアリングは、前記中心軸に対して前記第2方向の他方側に配置される、請求項1に記載の部品吸着ユニット。
【請求項9】
前記ブロックに対して可動に設けられたレバーをさらに備え、
前記第1ベアリングは、前記レバーを介して前記ブロックに取り付けられる、請求項1に記載の部品吸着ユニット。
【請求項10】
前記レバーを前記ブロックに回動可能に取り付けるピンをさらに備える、請求項9に記載の部品吸着ユニット。
【請求項11】
前記付勢部材は、前記レバーを付勢することで、前記レバーに取り付けられた前記第1ベアリングを前記第1ガイド面に向けて付勢する、請求項9に記載の部品吸着ユニット。
【請求項12】
前記第1ベアリングは、前記ブロックに対して可動的な第1回転軸を中心として回転可能であり、前記第2ベアリングは、前記ブロックに対して固定的な第2回転軸を中心として回転可能である、請求項1に記載の部品吸着ユニット。
【請求項13】
前記付勢部材は、前記第1ベアリングを前記第2方向に沿って付勢する、請求項1に記載の部品吸着ユニット。
【請求項14】
前記ブロックは、前記ノズルの吸着孔に連通するエア経路と、前記エア経路を封止するキャップ部材とを備え、
前記付勢部材は、前記キャップ部材に取り付けられる、請求項1に記載の部品吸着ユニット。
【請求項15】
前記第2ガイド面は、前記第1方向に対して、前記ブロックから離れる方向に向かって外側に広がるように傾斜している、請求項1に記載の部品吸着ユニット。
【請求項16】
前記第1ガイド面および前記第2ガイド面は、前記第1方向に対して、前記ブロックから離れる方向に向かって外側に広がるように傾斜している、請求項1に記載の部品吸着ユニット。
【請求項17】
請求項1~16のいずれかに記載の複数の前記部品吸着ユニットを備え、
前記ガイド部材を共用した、部品搭載ヘッド。
【請求項18】
前記複数の部品吸着ユニットは、第1部品吸着ユニットと、第2部品吸着ユニットを備え、
前記ガイド部材は、前記第1方向の一方側に面する第1面と、前記第1方向の他方側に面する第2面とを有し、
前記ガイド部材の前記第1面に前記第1部品吸着ユニットの前記ブロックが対向し、
前記ガイド部材の前記第2面に前記第2部品吸着ユニットの前記ブロックが対向し、
前記第1部品吸着ユニットと前記第2部品吸着ユニットのそれぞれにおいて、前記第1ベアリングおよび前記第1ガイド面は、前記第2ベアリングおよび前記第2ガイド面に対して、前記第2方向の一方側に配置される、請求項17に記載の部品搭載ヘッド。
【請求項19】
前記複数の部品吸着ユニットは、第1部品吸着ユニットと、第3部品吸着ユニットを備え、
前記ガイド部材は、前記第1方向の一方側に面する第1面を有し、
前記ガイド部材の前記第1面に前記第1部品吸着ユニットおよび前記第3部品吸着ユニットのそれぞれの前記ブロックが対向し、
前記第1部品吸着ユニットおよび前記第3部品吸着ユニットは、前記第2方向に並べて配置されており、
前記第1部品吸着ユニットと前記第3部品吸着ユニットのそれぞれにおいて、前記第1ベアリングおよび前記第1ガイド面は、前記第2ベアリングおよび前記第2ガイド面に対して、前記第2方向の一方側に配置される、請求項17に記載の部品搭載ヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、部品吸着ユニットおよび部品搭載ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ノズルで部品を吸着して基板に搭載する部品吸着ユニットおよびそれを備えた部品搭載ヘッドが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3928409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、部品吸着ユニットを昇降させる際に、昇降方向に直交する平面内の方向に沿って位置ずれが生じて振動等が問題となる場合がある。
【0005】
従って、本開示の目的は、前記課題を解決することにあって、部品吸着ユニットの位置ずれを抑制することができる部品吸着ユニットおよびそれを備える部品搭載ヘッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本開示の部品吸着ユニットは、部品を吸着して基板に搭載するノズルと、第1ベアリングと、第2ベアリングと、前記第1ベアリングおよび前記第2ベアリングをそれぞれ回転可能に保持するブロックと、前記ノズルおよび前記ブロックを一体的に昇降させる昇降手段と、前記ノズルの昇降方向に直交する第1方向において前記ブロック、前記第1ベアリングおよび前記第2ベアリングに対向し、前記第1ベアリングの第1外周面を受ける第1ガイド面および前記第2ベアリングの第2外周面を受ける第2ガイド面を有し、前記第1方向に直交する第2方向に間隔を空けて前記第1ベアリングおよび前記第2ベアリングが配置されたガイド部材と、前記第1ベアリングを前記第1ガイド面に向けて付勢する付勢部材と、を備え、前記昇降方向に直交する断面で見たときに、前記第1ガイド面と前記第2ガイド面のうちの少なくとも一方は、前記第1方向に対して、前記ブロックから離れる方向に向かって外側に広がるように傾斜している。
【0007】
また、本開示の部品装着ヘッドは、前記複数の部品吸着ユニットを備え、前記ガイド部材を共用する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、部品吸着ユニットの位置ずれを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態の部品装着装置の主要な構成を概略的に示す平面図
図2A】実施形態の部品搭載ヘッドを概略的に示す平面図
図2B】実施形態の部品搭載ヘッドを概略的に示す側面図
図3A】実施形態の部品搭載ヘッドのXY断面を概略的に示す図
図3B】実施形態の部品搭載ヘッドを概略的に示す側面図
図4A】実施形態の部品吸着ユニットとガイド部材が接触する箇所のXY断面を概略的に示す図
図4B】実施形態の部品吸着ユニットとガイド部材が接触する箇所を概略的に示す側面図
図5A】実施形態のガイド部材を概略的に示す斜視図
図5B】実施形態のガイド部材を概略的に示す平面図
図5C】実施形態のガイド部材を概略的に示す正面図
図6】実施形態の部品吸着ユニットを概略的に示す斜視図
図7図6に示す部品吸着ユニットの一部の構成要素を分解して示す一部分解斜視図
図8】実施形態の部品吸着ユニットのXY断面を概略的に示す図
図9】実施形態の部品搭載ヘッドにおける一部の部品吸着ユニットのXY断面を概略的に示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の第1態様によれば、部品を吸着して基板に搭載するノズルと、第1ベアリングと、第2ベアリングと、前記第1ベアリングおよび前記第2ベアリングをそれぞれ回転可能に保持するブロックと、前記ノズルおよび前記ブロックを一体的に昇降させる昇降手段と、前記ノズルの昇降方向に直交する第1方向において前記ブロック、前記第1ベアリングおよび前記第2ベアリングに対向し、前記第1ベアリングの第1外周面を受ける第1ガイド面および前記第2ベアリングの第2外周面を受ける第2ガイド面を有し、前記第1方向に直交する第2方向に間隔を空けて前記第1ベアリングおよび前記第2ベアリングが配置された、ガイド部材と、前記第1ベアリングを前記第1ガイド面に向けて付勢する付勢部材と、を備え、前記昇降方向に直交する断面で見たときに、前記第1ガイド面と前記第2ガイド面のうちの少なくとも一方は、前記第1方向に対して、前記ブロックから離れる方向に向かって外側に広がるように傾斜している、部品吸着ユニットを提供する。
【0011】
本開示の第2態様によれば、前記第1ガイド面は、前記第1方向に対して、前記ブロックから離れる方向に向かって外側に広がるように傾斜している、第1態様に記載の部品吸着ユニットを提供する。
【0012】
本開示の第3態様によれば、前記昇降方向に直交する断面で見たときに、前記第1ベアリングの前記第1外周面は、前記第1ガイド面に対向する位置において、前記第1方向に対して、前記ブロックから離れる方向に向かって外側に広がるように傾斜している、第2態様に記載の部品吸着ユニットを提供する。
【0013】
本開示の第4態様によれば、前記昇降方向に直交する断面で見たときに、前記第1ガイド面と、前記第1ガイド面に対向する位置での前記第1外周面は、互いに平行である、第3態様に記載の部品吸着ユニットを提供する。
【0014】
本開示の第5態様によれば、前記第1ベアリングは、第1回転軸を中心として回転可能であり、前記昇降方向に直交する断面で見たときに、前記第1回転軸は、前記第1方向に対して、前記ブロックから離れる方向に向かって外側に広がるように傾斜している、第3態様又は第4態様に記載の部品吸着ユニットを提供する。
【0015】
本開示の第6態様によれば、前記昇降方向に直交する断面で見たときに、前記第2ガイド面と、前記第2ガイド面に対向する位置での前記第2外周面は、前記第1方向に対して、前記第1ガイド面とは逆向きに傾斜している、第2態様から第5態様のいずれか1つに記載の部品吸着ユニットを提供する。
【0016】
本開示の第7態様によれば、前記昇降方向に直交する断面で見たときに、前記第1ガイド面と前記第2方向が成す角度は、70度以上80度以下である、第2態様から第6態様のいずれか1つに記載の部品吸着ユニットを提供する。
【0017】
本開示の第8態様によれば、前記昇降方向に直交する断面で見たときに、前記第1ベアリングは、前記昇降手段の中心軸に対して前記第2方向の一方側に配置され、前記第2ベアリングは、前記中心軸に対して前記第2方向の他方側に配置される、第1態様から第7態様のいずれか1つに記載の部品吸着ユニットを提供する。
【0018】
本開示の第9態様によれば、前記ブロックに対して可動に設けられたレバーをさらに備え、前記第1ベアリングは、前記レバーを介して前記ブロックに取り付けられる、第1態様から第8態様のいずれか1つに記載の部品吸着ユニットを提供する。
【0019】
本開示の第10態様によれば、前記レバーを前記ブロックに回動可能に取り付けるピンをさらに備える、第9態様に記載の部品吸着ユニットを提供する。
【0020】
本開示の第11態様によれば、前記付勢部材は、前記レバーを付勢することで、前記レバーに取り付けられた前記第1ベアリングを前記第1ガイド面に向けて付勢する、第9態様又は第10態様に記載の部品吸着ユニットを提供する。
【0021】
本開示の第12態様によれば、前記第1ベアリングは、前記ブロックに対して可動的な第1回転軸を中心として回転可能であり、前記第2ベアリングは、前記ブロックに対して固定的な第2回転軸を中心として回転可能である、第1態様から第11態様のいずれか1つに記載の部品吸着ユニットを提供する。
【0022】
本開示の第13態様によれば、前記付勢部材は、前記第1ベアリングを前記第2方向に沿って付勢する、第1態様から第12態様のいずれか1つに記載の部品吸着ユニットを提供する。
【0023】
本開示の第14態様によれば、前記ブロックは、前記ノズルの吸着孔に連通するエア経路と、前記エア経路を封止するキャップ部材とを備え、前記付勢部材は、前記キャップ部材に取り付けられる、第1態様から第13態様のいずれか1つに記載の部品吸着ユニットを提供する。
【0024】
本開示の第15態様によれば、前記第2ガイド面は、前記第1方向に対して、前記ブロックから離れる方向に向かって外側に広がるように傾斜している、第1態様から第14態様のいずれか1つに記載の部品吸着ユニットを提供する。
【0025】
本開示の第16態様によれば、前記第1ガイド面および前記第2ガイド面は、前記第1方向に対して、前記ブロックから離れる方向に向かって外側に広がるように傾斜している、第1態様から第15態様のいずれか1つに記載の部品吸着ユニットを提供する。
【0026】
本開示の第17態様によれば、第1態様から第16態様のいずれか1つに記載の前記複数の部品吸着ユニットを備え、前記ガイド部材を共用した、部品搭載ヘッドを提供する。
【0027】
本開示の第18態様によれば、前記複数の部品吸着ユニットは、第1部品吸着ユニットと、第2部品吸着ユニットを備え、前記ガイド部材は、前記第1方向の一方側に面する第1面と、前記第1方向の他方側に面する第2面とを有し、前記ガイド部材の前記第1面に前記第1部品吸着ユニットの前記ブロックが対向し、前記ガイド部材の前記第2面に前記第2部品吸着ユニットの前記ブロックが対向し、前記第1部品吸着ユニットと前記第2部品吸着ユニットのそれぞれにおいて、前記第1ベアリングおよび前記第1ガイド面は、前記第2ベアリングおよび前記第2ガイド面に対して、前記第2方向の一方側に配置される、第17態様に記載の部品搭載ヘッドを提供する。
【0028】
本開示の第19態様によれば、前記複数の部品吸着ユニットは、第1部品吸着ユニットと、第3部品吸着ユニットを備え、前記ガイド部材は、前記第1方向の一方側に面する第1面を有し、前記ガイド部材の前記第1面に前記第1部品吸着ユニットおよび前記第3部品吸着ユニットのそれぞれの前記ブロックが対向し、前記第1部品吸着ユニットおよび前記第3部品吸着ユニットは、前記第2方向に並べて配置されており、前記第1部品吸着ユニットと前記第3部品吸着ユニットのそれぞれにおいて、前記第1ベアリングおよび前記第1ガイド面は、前記第2ベアリングおよび前記第2ガイド面に対して、前記第2方向の一方側に配置される、第17態様又は第18態様に記載の部品搭載ヘッドを提供する。
【0029】
以下、本開示に係る部品吸着ユニットおよび部品搭載ヘッドの例示的な実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。本開示は、以下の実施形態の具体的な構成に限定されるものではなく、同様の技術的思想に基づく構成が本開示に含まれる。
【0030】
(実施形態)
以下に図面を用いて、本発明の一実施の形態を詳細に説明する。以下で述べる構成、形状等は説明のための例示であって、部品搭載装置、部品搭載ヘッド、部品吸着ユニットの仕様に応じて、適宜変更が可能である。
【0031】
以下では、各図面において対応する要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また以下では、水平面内で互いに直交する2軸を、基板搬送方向のX軸(図1における左右方向)、基板搬送方向に直交するY軸(図1における上下方向)とし、水平面と直交する高さ方向をZ軸(図2Bにおける上下方向)とする。
【0032】
まず図1を参照して、部品搭載装置1の構成を説明する。
【0033】
図1に示す部品搭載装置1は、部品供給部4から供給された部品を基板Pに搭載する部品搭載作業を実行する機能を有する。基台2の中央には、基板搬送機構3がX軸に沿って配置されている。基板搬送機構3は、上流から搬送された基板Pを、搭載作業位置に搬入して位置決めして保持する。また、基板搬送機構3は、部品搭載作業が完了した基板Pを下流に搬出する。
【0034】
基板搬送機構3の両側(Y軸の前後方向)には、部品供給部4が配置されている。それぞれの部品供給部4には、複数のテープフィーダ5がX軸に沿って配列されている。テープフィーダ5は、部品を格納するポケットが形成された部品テープを部品供給部4の外側から基板搬送機構3に向かう方向(テープ送り方向)にピッチ送りすることにより、以下に説明する部品搭載ヘッド8によって部品が取り出される部品供給位置に部品を供給する。
【0035】
図1において、基台2の上面においてX軸における両端部には、リニア駆動機構を備えたY軸テーブル6がY軸に沿って配置されている。Y軸テーブル6には、同様にリニア駆動機構を備えたビーム7が、Y軸に沿って移動自在に結合されている。ビーム7はX軸に沿って配置されている。ビーム7には、プレート7aを介して部品搭載ヘッド8がX軸に沿って移動自在に装着されている。部品搭載ヘッド8は、プレート7aに着脱可能である。
【0036】
図2A図2Bにおいて、部品搭載ヘッド8は、複数の部品吸着ユニット9を備えている。部品吸着ユニット9のそれぞれの下端部には、部品を吸着保持するノズル10が装着されている。各部品吸着ユニット9は、ノズル10をZ軸に沿って昇降させる昇降モータ30を備えている。
【0037】
図1において、Y軸テーブル6およびビーム7は、部品搭載ヘッド8をX軸およびY軸に沿って移動させるヘッド移動機構を構成する。ヘッド移動機構および部品搭載ヘッド8は、部品供給部4に配置されたテープフィーダ5から部品吸着ユニット9に装着されたノズル10によって部品を吸着して取り出して、基板搬送機構3に位置決めされた基板Pの搭載位置に搭載する搭載ターンを実行する。このように、ノズル10は、部品供給部4からピックアップした部品を基板Pに搭載する。
【0038】
次に図2A図2Bを参照して、部品搭載ヘッド8の構成を説明する。プレート7aに着脱可能な部品搭載ヘッド8は、複数の部品吸着ユニット9A~9Hを備えている。この例では、部品搭載ヘッド8は、X軸に沿った4つの部品吸着ユニット9をY軸に沿って2列備えている。すなわち、部品搭載ヘッド8は、1列目に4つの部品吸着ユニット9A~9Dを備えており、2列目に4つの部品吸着ユニット9E~9Hを備えている。以下では、部品吸着ユニット9A~9Hを総称して、部品吸着ユニット9と称する場合がある。
【0039】
図2Bにおいて、各部品吸着ユニット9A~9Hは、Z軸に沿って下方に延びるシャフト11をそれぞれ備えている。シャフト11は、ブロック20を上下に貫通する貫通孔20a(図4A)を通過してブロック20の下方に突出する。ブロック20の下方に突出するシャフト11の下端には、ノズルホルダ12が配置されている。ノズルホルダ12には、ノズル10が着脱可能に装着されている。
【0040】
ブロック20は、部品吸着ユニット9A~9Hの下方に配置されたガイド部材13に形成された上下に延びる溝13a(図5A図5C参照)に沿って上下に移動する。昇降モータ30を駆動することにより、各部品吸着ユニット9A~9Hは下端部に装着されたノズル10を昇降方向Z1に昇降させる。昇降方向Z1はZ軸に平行である。このように、昇降モータ30、シャフト11、ノズルホルダ12は、ノズル10を昇降させる昇降手段14を構成する。また、部品搭載ヘッド8は、シャフト11をZ軸回りに回転させ、ノズル10を回転させるノズル回転機構(図示省略)を備えている。本実施形態のシャフト11の一例は、ボールスプラインである。
【0041】
次に、図3A図5Cを参照して、ガイド部材13とブロック20の概略構成について説明する。図4Aは、図3Aにおいて円Aで示す部品吸着ユニット9Hに接続されたブロック20付近を概略的に示す拡大図である。図4Bは、部品吸着ユニット9Hに接続されたブロック20付近をガイド部材13側から見た状態を概略的に示す図である。
【0042】
図5Aにおいて、ガイド部材13には、複数の部品吸着ユニット9A~9Hのブロック20の位置に対応して、上下に延びる複数の溝13aが側面40に形成されている。この例では、ガイド部材13の一方の側面40(第1面)にそれぞれ4本の溝13aが形成され、他方の側面40(第2面)にそれぞれ4本の溝13aが形成されている。それぞれの溝13aは、溝13aの底面13bからガイド部材13の側面40に延出する一対のガイド面15、16を備えている。
【0043】
以下、一方のガイド面15を第1ガイド面15、他方のガイド面16を第2ガイド面16と称する。第1ガイド面15と第2ガイド面16はそれぞれ、ノズル10が昇降する昇降方向Z1に沿って設けられたガイド部材13の壁面であって、X軸方向に沿って互いに間隔を空けて設けられる。
【0044】
図4Aに示すように、ブロック20には、貫通孔20aを貫通してシャフト11が配置されている。ブロック20には、Z軸回りに回転するシャフト11を軸受けする回転軸受け21が配置されている。ブロック20においてガイド部材13に対向する背面20bには、第1ベアリング22と第2ベアリング23がガイド部材13の溝13aが並ぶ方向(X軸方向)に沿って配置されている。すなわち、ガイド部材13は、Y軸方向(第1方向)において、ブロック20、第1ベアリング22、および、第2ベアリング23に対向している。
【0045】
第1ベアリング22と第2ベアリング23は、第1ガイド面15と第2ガイド面16の間に配置されている。第1ベアリング22は第1ガイド面15側に配置され、第2ベアリング23は第2ガイド面16側に配置されている。
【0046】
図4Aにおいて、第1ベアリング22は、第1回転軸22aを中心として回転可能な状態でブロック20の背面20bに取付けられている。第2ベアリング23は、第2回転軸23aを中心として回転可能な状態でブロック20の背面20bに取付けられている。
【0047】
図4Bにおいて、レバー24は、Y軸方向に延びる支点ピン25によってブロック20の背面20bに取付けられている。レバー24は、支点ピン25を軸として回動する回動部材であり、第1ベアリング22を取り付けている。第1ベアリング22は、レバー24の回動によって、支点ピン25を軸としてX軸方向に位置が可動である。
【0048】
レバー24にはさらに、付勢部材26が接続されている。付勢部材26は、レバー24に係合してレバー24を付勢することで、レバー24に取付けられた第1ベアリング22を第1ガイド面15側に移動(回動)させる。第1ベアリング22が第1ガイド面15に向けて付勢されることで、第1ガイド面15に対して付勢力F1が作用する。これにより、第1ベアリング22は第1ガイド面15に隙間(あそび)なく接触し、第2ベアリング23は第2ガイド面16に隙間なく接触する。
【0049】
このようにして、第1ベアリング22はブロック20に対して位置が可動に設けられ、第2ベアリング23はブロック20に対して位置が固定されている。ノズル10が昇降する際は、第1ベアリング22は第1ガイド面15に隙間なく接触し、第2ベアリング23は第2ガイド面16に隙間なく接触する状態でブロック20が昇降する。
【0050】
第1ベアリング22は第1ガイド面15に隙間なく接触し、第2ベアリング23は第2ガイド面16に隙間なく接触することで、ブロック20の溝13aが並ぶ方向(X軸方向)の位置がガイド部材13に対して規制される。これにより、移動する部品搭載ヘッド8が停止した後に、溝13aが並ぶ方向(X軸方向)にノズル10が回動して振動する振動の幅が規制され、ノズル10の振動が速やかに収束する。
【0051】
すなわち、第1ガイド面15と第2ガイド面16(一対のガイド面)、ブロック20、第1ベアリング22、第2ベアリング23、レバー24、支点ピン25、付勢部材26は、ノズル10の振動を抑制する振動抑制部を構成する。
【0052】
図4A図4Bにおいて、ブロック20は、背面20bからガイド部材13の側面40側に突出する一対の接触面20c1、20c2を有している。第1ベアリング22と第2ベアリング23は、接触面20c1、20c2からガイド部材13側に突出し、ガイド部材13の溝13aの中に配置される。ブロック20は、ガイド部材13の側面40と接触面20c1、20c2が接触する状態で、ガイド部材13に対して昇降する。図4Aでは、ブロック20の接触面20c1、20c2とガイド部材13の側面40の間を空けて図示しているが、実際には接触している。
【0053】
ガイド部材13の側面40の一部には、空圧発生源(図示省略)によって発生した空圧をブロック20の接触面20cに設けられた導入口(図示省略)に導く導出口(図示省略)が設けられている。導入口と導出口は、ブロック20がガイド部材13に対して昇降する範囲において空圧を導くことができるように形成されている。
【0054】
次に、部品吸着ユニット9のより詳細な構成について、図6図9を用いて説明する。
【0055】
図6は、部品吸着ユニット9におけるブロック20の周辺構成を示す斜視図であり、図7は、図6に示す部品吸着ユニット9の一部の構成要素を分解して示す一部分解斜視図である。図8は、部品吸着ユニット9におけるブロック20の周辺構成のXY断面を概略的に示す図である。図9は、複数の部品吸着ユニット9を備える部品搭載ヘッド8において、一部の部品吸着ユニット9A、9B、9E、9Dにおけるブロック20の周辺構成のXY断面を概略的に示す図である。
【0056】
図6図7に示すように、ブロック20に取り付けられたレバー24は、ピン25によって回動可能に支持されており、付勢部材26によって外側に開く方向(第2ベアリング23から離れる方向)に付勢されている。付勢部材26がレバー24および第1ベアリング22を外側に付勢することで、第1ベアリング22に接触する第1ガイド面15が付勢力F1を受ける。
【0057】
図7に示すように、ブロック20の背面20bには、レバー24を配置するための凹部30が形成される。凹部30は、Y軸方向に凹んだ形状であるとともに、レバー24を所定の角度範囲にて回動可能な状態で収容する大きさを有する。凹部30には、ピン25の先端を取り付けるための取付孔32が設けられる。ピン25は、付勢部材26の孔部26aおよびレバー24の孔部24aを介して、ブロック20の背面20bに設けられた取付孔32に挿通される。これにより、レバー24が回動可能な状態で軸支される。
【0058】
図7に示す付勢部材26はねじりコイルばね(トーションばね)であり、一端がレバー24に当接し、他端がキャップ部材34に取り付けられる。キャップ部材34は、前述したエア経路を封止するための部材であって、エア経路に連通する貫通孔を塞いでいる。当該貫通孔は、ブロック20の内部にエア経路を形成するための加工上の都合で生じる孔である。キャップ部材34は、エア経路を封止する機能と、付勢部材26を取り付けて支持する機能を兼ねたものである。
【0059】
図8に示すように、ブロック20に取り付けられた2つのベアリング22、23は、昇降方向Z1に対して直交する断面(XY断面)で見たときに、X軸方向(第2方向)とY軸方向(第1方向)の両方に対して傾斜している。
【0060】
第1ベアリング22の第1回転軸22aは、Y軸方向に対して、ブロック20から離れる方向(矢印Y1)に向かって外側(矢印X1)に広がるように傾斜している。同様に、第1ベアリング22の第1外周面22bは、第1ガイド面15に対向する位置において、Y軸方向に対して、ブロック20から離れる方向(矢印Y1)に向かって外側(矢印X1)に広がるように傾斜している。第1ガイド面15に対向する位置での第1外周面22bおよび第1回転軸22aは、Y軸方向に対して同じ向きに傾斜しており、本実施形態では互いに平行である。
【0061】
第2ベアリング23の第2回転軸23aは、Y軸方向に対して、ブロック20から離れる方向(矢印Y1)に向かって外側(矢印X2)に広がるように傾斜している。同様に、第2ベアリング23の第2外周面23bは、第2ガイド面16に対向する位置において、Y軸方向に対して、ブロック20から離れる方向(矢印Y1)に向かって外側(矢印X2)に広がるように傾斜している。第2ガイド面16に対向する位置での第2外周面23bおよび第2回転軸23aは、Y軸方向に対して同じ向きに傾斜しており、本実施形態では互いに平行である。
【0062】
第1回転軸22aおよび第1外周面22bがY軸方向に対して傾斜する向き(矢印X1)と、第2回転軸23aおよび第2外周面23bがY軸方向に対して傾斜する向き(矢印X2))は、互いに逆向きである。
【0063】
同様に、ベアリング22、23を受けるガイド面15、16も同じ方向に傾斜している。第1ガイド面15は、Y軸方向に対して、ブロック20から離れる方向(矢印Y1)に向かって外側(矢印X1)に広がるように傾斜し、第2ガイド面16は、Y軸方向に対して、ブロック20から離れる方向(矢印Y1)に向かって外側(矢印X2)に広がるように傾斜している。第1ガイド面15が傾斜する向き(矢印X1)と、第2ガイド面16が傾斜する向き(矢印X2)は、互いに逆向きである。
【0064】
ガイド面15、16およびベアリング22、23をY軸方向に対して傾斜させることで、ブロック20をガイド部材13に対してX軸方向に位置決めするだけでなく、Y軸方向にも位置決めすることができる。具体的には、第1ベアリング22が第1ガイド面15に向けて押圧されることで、第1ガイド面15から第1ベアリング22に対して反力が作用する。当該反力は、X軸方向の成分(矢印X2)とY軸方向(矢印Y1)の成分を含む。特に、Y軸方向の成分が、ブロック20をガイド部材13に近付ける方向の分力となる。第2ベアリング23においても同様に、第2ベアリング23が第2ガイド面16に接触すると、第2ガイド面16から第2ベアリング23に対して反力が生じ、当該反力は、X軸方向の成分(矢印X1)とY軸方向(矢印Y1)の成分を含む。特に、Y軸方向の成分が、ブロック20をガイド部材13に近付ける方向の分力となる。
【0065】
このような分力が生じることで、ブロック20をガイド部材13に対して押し付けて、接触面20c1、20c2がガイド部材13の側面40に接触する状態を維持することができる。これにより、ガイド部材13に対するブロック20のY軸方向の相対的な位置を一定に保つことができ、ブロック20をY軸方向にも位置決めすることができる。このようにして、ブロック20およびノズル10をX軸方向とY軸方向の両方に位置決めすることで、部品吸着ユニット9における昇降方向Z1に直交する平面内の方向の位置決め精度を向上させることができる。
【0066】
図8に示す例では、第1ガイド面15は、第1ベアリング22の第1回転軸22aおよび第1外周面22bと平行であり、第2ガイド面16は、第2ベアリング23の第2回転軸23aおよび第2外周面23bと略平行である。このような平行配置によって、ガイド面15、16とベアリング22、23の外周面22b、23bの接触面積を広く確保することができ、位置決め精度をさらに向上させることができる。
【0067】
また、接触面積を広く確保することができるので、付勢部材26の付勢力を効率よくガイド面15、16に伝えることができる。そのため、ブロック20を効率よくガイド部材13に押し付けることができるので、位置決め精度をさらに向上させることができる。また、ベアリング15、16の外周面22b、23bがガイド面15、16に対して点ではなく面で接触するので、ベアリング15、16の外周面22b、23bの変形を抑えることができる。
【0068】
また本実施形態では、第1ベアリング22の第1回転軸22aがブロック20に対して可動的であるのに対して、第2ベアリング23の第2回転軸23aはブロック20に対して固定的である。より詳細には、第1ベアリング22の内輪は、ブロック20に対して可動であるレバー24に固定されている。第2ベアリング23の内輪は、ブロック20に直接固定されている。これにより、2つの回転軸22a、23aがともに可動な構成に対して、位置再現性を向上させることができる。
【0069】
図8に示すように、シャフト11は、中心軸11aを有する。2つのベアリング22、23は、中心軸11aを含むYZ平面に対して対称に配置されている。第1ベアリング22は、中心軸11aを含むYZ平面に対して一方側(矢印X1)に配置され、第2ベアリング23は、中心軸11aを含むYZ平面に対して他方側(矢印X2)に配置されている。
【0070】
2つのベアリング22、23をシャフト11に対して対称に配置することで、ベアリング22、23がガイド面15、16から受ける反力によって、ブロック20をバランス良く位置決めすることができる。
【0071】
図8の拡大図に示すように、昇降方向Z1に直交するXY断面で見たときに、第1ガイド面15と側面40が成す角度はα1であり、第2ガイド面16と側面40が成す角度はα2である。本実施形態では、70度≦α1、α2≦80度に設定される。このような角度設定によれば、部品吸着ユニット9のX軸方向の寸法が過剰に大きくなることを抑制しながら、ブロック20をガイド部材13に向けてY軸方向に近付ける分力を適度に作用させることができる。
【0072】
図8に示す付勢部材26は、レバー24および第1ベアリング22をX軸方向に平行な方向(矢印X1)に付勢する。Y軸方向に直交する方向の付勢力F1を、Y軸方向に対して鋭角に傾斜した第1ガイド面15に対して作用させることで、簡単な構成を用いてブロック20をガイド部材13に向けてY軸方向に近付ける分力を作用させやすくなり、位置決め精度を向上できる。付勢部材26はまた、レバー24を介して第1ベアリング22を第1ガイド面15に向けて付勢することで、付勢力F1を伝える方向(本実施形態ではX軸方向)を一定に保ちやすく、位置決め精度を向上できる。
【0073】
図6に戻ると、ブロック20はさらに、突出部36を有する。突出部36は、ガイド部材13に向かう方向(Y軸方向)に突出する部分であり、ベアリング22、23とはZ軸方向に異なる位置(下方)に設けられる。突出部36は、ノズル10が保持する部品を実装機1が備える部品カメラ(図示せず)で下方から撮像する際に照明用の光が反射することを防止するためのカバーである。突出部36は、ブロック20と同様に表面が黒色で着色されており、着色処理できない金属製のベアリング22、23からの光の反射を防止する機能を有する。
【0074】
図9に示すように、部品搭載ヘッド8においては、ガイド部材13の側面40のうちの第1面40Aに係合する部品吸着ユニット9A、9Bが、X軸方向に沿って間隔を空けて配置されており、ガイド部材13の側面40のうちの第2面40Bに係合する別の部品吸着ユニット9E、9Fが、X軸方向に沿って間隔を空けて配置されている。
【0075】
第1面40Aは、Y軸方向の一方側(矢印Y1)に面し、第2面40Bは、Y軸方向の他方側(矢印Y2)に面する。
【0076】
図9に示す部品搭載ヘッド8では、いずれの部品吸着ヘッド9A、9B、9E、9Fにおいても、第1ベアリング22および第1ガイド面15が、第2ベアリング23および第2ガイド面16に対して、X軸方向の一方側(矢印X1)に配置されている。図9では、可動側の第1ベアリング22をハッチング表示し、固定側の第2ベアリング23を白抜き表示する。
【0077】
このような配置によれば、複数の部品吸着ヘッド9のブロック20およびベアリング22、23に対してガイド部材13を位置調整する際に、ガイド部材13をX軸方向に沿って移動させて位置調整することが可能となる。
【0078】
仮に、いずれか1つの部品吸着ヘッド9の第1ベアリング22と第1ガイド面15が、第2ベアリング23および第2ガイド面16に対してX軸方向の他方側(矢印X2)に配置された場合、ガイド部材13をX軸方向の一方側にずらすも他方側にずらす場合も、固定側のいずれかの第2ベアリング23に接触するため、可動位置が規制されてしまう。これに対して、可動側の第1ベアリング22を全てX軸方向の一方側(矢印X1)に寄せて、固定側の第2ベアリング23を全てX軸方向の他方側(矢印X2)に寄せることで、ガイド部材13をX軸方向の一方側(矢印X1)に寄せる場合は固定側の第2ベアリング23によって可動位置が規制されるものの、ガイド部材13をX軸方向の他方側(矢印X2)に寄せる場合は固定側の第2ベアリング23によって可動位置が規制されないため、ガイド部材13をX軸方向に移動させて位置調整することが可能となる。
【0079】
(作用・効果)
上述したように、本実施形態の部品吸着ユニット9は、部品を吸着して基板Pに搭載するノズル10と、第1ベアリング22と、第2ベアリング23と、第1ベアリング22および第2ベアリング23をそれぞれ回転可能に保持するブロック20と、ノズル10およびブロック20を一体的に昇降させる昇降手段14と、ノズル10の昇降方向Z1に直交するY軸方向(第1方向)においてブロック20およびベアリング22、23に対向し、第1ベアリング22の第1外周面22bを受ける第1ガイド面15および第2ベアリング23の第2外周面23bを受ける第2ガイド面16を有し、Y軸方向に直交するX軸方向(第2方向)に間隔を空けてベアリング22、23が配置された、ガイド部材13と、第1ベアリング22を第1ガイド面15に向けて付勢する付勢部材26と、を備え、昇降方向Z1に直交する断面で見たときに、第1ガイド面15は、Y軸方向に対して、ブロック20から離れる方向に向かって外側に広がるように傾斜している。
【0080】
このような構成によれば、一対のベアリング22、23を一対のガイド面15、16で受ける構成において、Y軸方向(第1方向)に対して傾斜した第1ガイド面15に第1ベアリング22を付勢することで、ブロック20およびノズル10をガイド部材13に対してY軸方向とX軸方向(第2方向)の両方に位置決めすることができる。これにより、部品吸着ユニット9の位置決め精度を向上させることができる。
【0081】
また、実施形態の部品吸着ユニット9では、昇降方向Z1に直交する断面で見たときに、第1ベアリング22の第1外周面22bは、第1ガイド面15に対向する位置において、Y軸方向(第1方向)に対して、ブロック20から離れる方向に向かって外側に広がるように傾斜している。このような構成によれば、第1ベアリング22と第1ガイド面15の接触面積を増やして、位置決め精度を向上させることができる。
【0082】
また、実施形態の部品吸着ユニット9では、昇降方向Z1に直交する断面で見たときに、第1ガイド面15と、第1ガイド面15に対向する位置での第1外周面22bは、互いに平行である。このような構成によれば、第1ベアリング22と第1ガイド面15の接触面積を増やして、位置決め精度を向上させることができる。
【0083】
また、実施形態の部品吸着ユニット9では、第1ベアリング22は、第1回転軸22aを中心として回転可能であり、昇降方向Z1に直交する断面で見たときに、第1回転軸22aは、Y軸方向(第1方向)に対して、ブロック20から離れる方向に向かって外側に広がるように傾斜している。このような構成によれば、第1回転軸22aの方向を基準として第1ベアリング22をY軸方向に対して傾斜させることができる。
【0084】
また、実施形態の部品吸着ユニット9では、昇降方向Z1に直交する断面で見たときに、第2ガイド面16と、第2ガイド面16に対向する位置での第2外周面23bは、Y軸方向(第1方向)に対して、第1ガイド面15とは逆向きに傾斜している。このような構成によれば、第1ベアリング22と第2ベアリング23の両方でブロック20をバランス良く位置決めすることができる。
【0085】
また、実施形態の部品吸着ユニット9では、昇降方向Z1に直交する断面で見たときに、第1ガイド面15とX軸方向(第2方向)が成す角度は、70度以上80度以下である。このような構成によれば、X軸方向の寸法が過剰に大きくなることを抑制しながら、ブロック20とガイド部材13をY軸方向(第1方向)に互いに近付ける方向の力を適度に作用させることができる。
【0086】
また、実施形態の部品吸着ユニット9では、昇降方向Z1に直交する断面で見たときに、第1ベアリング22は、昇降手段14の中心軸11aに対してX軸方向(第2方向)の一方側に配置され、第2ベアリング23は、中心軸に対してX軸方向の他方側に配置される。このような構成によれば、ブロック20をバランス良く位置決めすることができる。
【0087】
また、実施形態の部品吸着ユニット9では、ブロック20に対して可動に設けられたレバー24をさらに備え、第1ベアリング22は、レバー24を介してブロック20に取り付けられている。このような構成によれば、レバー24を用いて第1ベアリング22を可動的に設けることができる。
【0088】
また、実施形態の部品吸着ユニット9では、レバー24をブロック20に回動可能に取り付けるピン25をさらに備える。このような構成によれば、簡単な構成でレバー24および第1ベアリング22を可動的に設けることができる。
【0089】
また、実施形態の部品吸着ユニット9では、付勢部材26は、レバー24を付勢することで、レバー24に取り付けられた第1ベアリング22を第1ガイド面15に向けて付勢する。このような構成によれば、付勢力F1を伝える方向を一定に保ちやすくなる。
【0090】
また、実施形態の部品吸着ユニット9では、第1ベアリング22は、ブロック20に対して可動的な第1回転軸22aを中心として回転可能であり、第2ベアリング23は、ブロック20に対して固定的な第2回転軸23aを中心として回転可能である。このような構成によれば、第1回転軸22aと第2回転軸23aの両方が可動に設けられる場合に比べて、位置再現性を向上させることができる。
【0091】
また、実施形態の部品吸着ユニット9では、付勢部材26は、第1ベアリング22をX軸方向(第2方向)に沿って付勢する。このような構成によれば、ブロック20とガイド部材13をY軸方向(第1方向)に互いに近付ける方向の力を作用させやすくなる。
【0092】
また、実施形態の部品吸着ユニット9では、ブロック20は、ノズル10の吸着孔10aに連通するエア経路と、エア経路を封止するキャップ部材34とを備え、付勢部材26は、キャップ部材34に取り付けられる。このような構成によれば、エア経路のキャップ部材34が付勢部材26を支持する支持部の機能を兼ねることで、小型化およびコスト低減を図ることができる。
【0093】
また、実施形態の部品吸着ユニット9では、第2ガイド面16は、Y軸方向(第1方向)に対して、ブロック20から離れる方向に向かって外側に広がるように傾斜している。このような構成によれば、第1ガイド面15と第2ガイド面16を傾斜させることで、位置決め精度を向上させることができる。
【0094】
上述したように、本実施形態の部品搭載ヘッド9は、複数の部品吸着ユニット9を備え、ガイド部材13を共用する。このような構成によれば、複数の部品吸着ユニット9において、ガイド部材13に対するブロック20およびノズル10の位置決め精度を向上させることができる。
【0095】
また、実施形態の部品搭載ヘッド8では、複数の部品吸着ユニット9は、部品吸着ユニット9A(第1部品吸着ユニット)と、部品吸着ユニット9E(第2部品吸着ユニット)を備え、ガイド部材13は、Y軸方向(第1方向)の一方側に面する第1面40Aと、Y軸方向の他方側に面する第2面40Bとを有し、ガイド部材13の第1面40Aに部品吸着ユニット9Aのブロック20が対向し、ガイド部材13の第2面40Bに部品吸着ユニット9Eのブロック20が対向し、部品吸着ユニット9A、9Eのそれぞれにおいて、第1ベアリング22および第1ガイド面15は、第2ベアリング23および第2ガイド面16に対して、X軸方向(第2方向)の一方側(矢印X1)に配置される。このような構成によれば、ブロック20とガイド部材13の相対位置を調整する際に、ガイド部材13をX軸方向に沿って移動させることで位置調整を行うことができる。
【0096】
また、実施形態の部品搭載ヘッド8では、複数の部品吸着ユニット9は、部品吸着ユニット9A(第1部品吸着ユニット)と、部品吸着ユニット9B(第3部品吸着ユニット)を備え、ガイド部材13は、Y軸方向(第1方向)の一方側に面する第1面40Aを有し、ガイド部材13の第1面40Aに部品吸着ユニット9A、9Bのそれぞれのブロック20が対向し、部品吸着ユニット9A、9Bは、X軸方向(第2方向)に並べて配置されており、部品吸着ユニット9A、9Bのそれぞれにおいて、第1ベアリング22および第1ガイド面15は、第2ベアリング23および第2ガイド面16に対して、X軸方向の一方側(矢印X1)に配置される。このような構成によれば、ブロック20とガイド部材13の相対位置を調整する際に、ガイド部材13をX軸方向に沿って移動させることで位置調整を行うことができる。
【0097】
以上、上述の実施形態を挙げて本開示を説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されない。例えば、本実施形態では、2つのガイド面15、16がともにY軸方向に対して傾斜する場合について説明したが、このような場合に限らず、可動側の第1ベアリング22を受ける第1ガイド面15および固定側の第2ベアリング23を受ける第2ガイド面16のうちの少なくとも一方がY軸方向に対して傾斜していればよい。すなわち、昇降方向Z1に直交する断面で見たときに、第1ガイド面15と第2ガイド面16のうちの少なくとも一方が、Y軸方向(第1方向)に対して、ブロック20から離れる方向に向かって外側に広がるように傾斜していればよい。
【0098】
上記実施形態では、第1ガイド面15および第1ガイド面15に接触する第1ベアリング22の両方を同方向に傾斜させて接触面積を大きくする場合について説明したが、このような場合に限らない。例えば、第1ガイド面15はY軸方向に対して傾斜させる一方で、第1ベアリング22(の第1回転軸22aおよび第1外周面22b)はY軸方向に平行に配置してもよい。第2ガイド面16および第2ガイド面16に接触する第2ベアリング23についても同様である。
【0099】
上記実施形態では、「平行」という用語を使用したが、完全な平行状態に限らず、製造上の誤差等を含む略平行な状態を含み、例えば±1度以内の角度ずれを許容してもよい。
【0100】
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した特許請求の範囲による本開示の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。また、各実施形態における要素の組合せや順序の変化は、本開示の範囲および思想を逸脱することなく実現し得るものである。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本開示は、ノズルで部品を吸着して基板に搭載する部品吸着ユニットおよびそれを備える部品搭載ヘッドであれば適用可能である。
【符号の説明】
【0102】
P 基板
8 部品搭載ヘッド
9 部品吸着ユニット
10 ノズル
11 シャフト
12 ノズルホルダ
13 ガイド部材
14 昇降手段
15 第1ガイド面
16 第2ガイド面
20 ブロック
22 第1ベアリング
22a 第1回転軸
22b 第1外周面
23 第2ベアリング
23a 第2回転軸
23b 第2外周面
24 レバー
26 付勢部材
30 昇降モータ
Z1 昇降方向
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9