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特開2024-15725支援装置、支援方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024015725
(43)【公開日】2024-02-06
(54)【発明の名称】支援装置、支援方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/09 20060101AFI20240130BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
G08G1/09 H
G08G1/09 F
G08G1/16 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117992
(22)【出願日】2022-07-25
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】大野 秀和
(72)【発明者】
【氏名】小西 高三郎
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB13
5H181FF04
5H181FF12
5H181FF13
5H181FF17
5H181FF27
5H181LL04
5H181LL06
5H181LL09
(57)【要約】
【課題】車車間通信の通信範囲や追随走行の非対象車両の存在に影響されることなく、追随走行の対象車両同士をマッチングさせることができる支援装置を提供する。
【解決手段】支援装置は、車両からバブル登録要求を受け付けた場合に、当該車両をリーダーとするバブルを生成し、バブル情報を登録するバブル生成部と、所定のマッチング条件を満たすバブルを追随走行要求の要求元バブルに対するマッチング候補として選択するマッチング処理部と、前記要求元バブルおよび前記マッチング候補それぞれのリーダーにバブル統合を指示する統合指示部と、前記要求元バブルおよび前記マッチング候補の一方を統合バブルとすることを通知する統合完了通知を受け付けた場合に、前記統合バブルのバブル情報に前記統合バブルに統合される被統合バブルのバブル情報を統合して更新する更新処理部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の追随走行を支援する支援装置であって、
前記車両からバブル登録要求を受け付けた場合に、当該車両をリーダーとする追随走行の車両群であるバブルを生成し、当該車両の車両情報と生成した前記バブルの識別情報とを関連付けたバブル情報を登録するバブル生成部と、
前記バブルに含まれる車両から追随走行要求を受け付けた場合に、複数の前記バブルのうち所定のマッチング条件を満たすバブルを、前記追随走行要求の要求元バブルに対するマッチング候補として選択するマッチング処理部と、
前記要求元バブルおよび前記マッチング候補それぞれのリーダーにバブル統合を指示する統合指示部と、
前記要求元バブルおよび前記マッチング候補の一方を統合バブルとすることを通知する統合完了通知を受け付けた場合に、前記統合バブルのバブル情報に前記統合バブルに統合される被統合バブルのバブル情報を統合して更新する更新処理部と、
を備える支援装置。
【請求項2】
前記車両情報は前記車両の目的地を含み、
前記マッチング処理部は、前記要求元バブルの目的地までの走行経路と少なくとも一部が共通する走行経路を有するバブルであって、共通する走行経路の長さが所定距離以上、または、共通する走行経路の走行時間が所定時間以上であるバブルを前記マッチング候補として選択する、
請求項1に記載の支援装置。
【請求項3】
前記車両情報は前記車両の車両属性を含み、
前記マッチング処理部は、前記要求元バブルの車両属性と一致する車両属性を有するバブルを前記マッチング候補として選択する、
請求項1に記載の支援装置。
【請求項4】
前記マッチング処理部は、前記要求元バブルに含まれる車両の台数との合計台数が上限台数以下となるバブルを前記マッチング候補として選択する、
請求項1に記載の支援装置。
【請求項5】
複数の前記バブルそれぞれの走行位置を含む更新情報を取得する更新情報取得部をさらに備え、
前記マッチング処理部は、前記更新情報に基づいて、前記要求元バブルの走行位置から所定の検索距離内に位置するバブルを前記マッチング候補として選択する、
請求項1に記載の支援装置。
【請求項6】
複数の前記バブルそれぞれの走行位置およびバブル速度を含む更新情報を取得する更新情報取得部をさらに備え、
前記マッチング処理部は、前記更新情報に基づいて、前記要求元バブルが指定した設定時間以内に合流可能なバブルを前記マッチング候補として選択する、
請求項1に記載の支援装置。
【請求項7】
前記統合指示部は、前記要求元バブルおよび前記マッチング候補のうち後方を走行する後続バブルが前方を走行する先行バブルに追いつくように、前記先行バブルの減速および前記後続バブルの加速の少なくとも一方を指示する、
請求項1に記載の支援装置。
【請求項8】
前記バブルから離脱車両を離脱させる分離要求を受け付けた場合に、前記バブルのバブル情報から前記離脱車両の車両情報を削除して更新するとともに、前記離脱車両をリーダーとする離脱バブルを生成して、前記離脱車両の車両情報と生成した前記離脱バブルの識別情報とを関連付けたバブル情報を登録する分離処理部をさらに備える、
請求項1から7の何れか一項に記載の支援装置。
【請求項9】
車両の追随走行を支援する支援方法であって、
前記車両からバブル登録要求を受け付けた場合に、当該車両をリーダーとする追随走行の車両群であるバブルを生成し、当該車両の車両情報と生成した前記バブルの識別情報とを関連付けたバブル情報を登録するステップと、
前記バブルに含まれる車両から追随走行要求を受け付けた場合に、複数の前記バブルのうち所定のマッチング条件を満たすバブルを、前記追随走行要求の要求元バブルに対するマッチング候補として選択するステップと、
前記要求元バブルおよび前記マッチング候補それぞれのリーダーにバブル統合を指示するステップと、
前記要求元バブルおよび前記マッチング候補の一方を統合バブルとすることを通知する統合完了通知を受け付けた場合に、前記統合バブルのバブル情報に前記統合バブルに統合される被統合バブルのバブル情報を統合して更新するステップと、
を有する支援方法。
【請求項10】
車両からバブル登録要求を受け付けた場合に、当該車両をリーダーとする追随走行の車両群であるバブルを生成し、当該車両の車両情報と生成した前記バブルの識別情報とを関連付けたバブル情報を登録するステップと、
前記バブルに含まれる車両から追随走行要求を受け付けた場合に、複数の前記バブルのうち所定のマッチング条件を満たすバブルを、前記追随走行要求の要求元バブルに対するマッチング候補として選択するステップと、
前記要求元バブルおよび前記マッチング候補それぞれのリーダーにバブル統合を指示するステップと、
前記要求元バブルおよび前記マッチング候補の一方を統合バブルとすることを通知する統合完了通知を受け付けた場合に、前記統合バブルのバブル情報に前記統合バブルに統合される被統合バブルのバブル情報を統合して更新するステップと、
を支援装置に実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、支援装置、支援方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
同一方面や同一目的地に向けて複数の車両が隊列を組んで走行する隊列走行(以下、「追随走行」とも記載する。)を行うことにより、運転手の運転負担軽減や、空力性能向上による燃費向上といったメリットがある。追随走行を支援するための技術として、特許文献1には、車車間通信の通信範囲内に存在する車両のうち、目的地までのルートや希望車種が一致する車両同士が追随走行の要求および許可を自動的に行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-32673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、車車間通信の通信範囲内に追随走行の対象車両が存在しない場合や、対象車両間に追随走行の非対象車両が存在する場合に、追随走行のマッチング相手(前走車または追走車)を見つけることが困難となる可能性がある。
【0005】
本開示の目的は、車車間通信の通信範囲や追随走行の非対象車両の存在に影響されることなく、追随走行の対象車両同士をマッチングさせることができる支援装置、支援方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、支援装置は、車両の追随走行を支援する支援装置であって、前記車両からバブル登録要求を受け付けた場合に、当該車両をリーダーとする追随走行の車両群であるバブルを生成し、当該車両の車両情報と生成した前記バブルの識別情報とを関連付けたバブル情報を登録するバブル生成部と、前記バブルに含まれる車両から追随走行要求を受け付けた場合に、複数の前記バブルのうち所定のマッチング条件を満たすバブルを、前記追随走行要求の要求元バブルに対するマッチング候補として選択するマッチング処理部と、前記要求元バブルおよび前記マッチング候補それぞれのリーダーにバブル統合を指示する統合指示部と、前記要求元バブルおよび前記マッチング候補の一方を統合バブルとすることを通知する統合完了通知を受け付けた場合に、前記統合バブルのバブル情報に前記統合バブルに統合される被統合バブルのバブル情報を統合して更新する更新処理部と、を備える。
【0007】
本開示の一態様によれば、支援方法は、車両の追随走行を支援する支援方法であって、前記車両からバブル登録要求を受け付けた場合に、当該車両をリーダーとする追随走行の車両群であるバブルを生成し、当該車両の車両情報と生成した前記バブルの識別情報とを関連付けたバブル情報を登録するステップと、前記バブルに含まれる車両から追随走行要求を受け付けた場合に、複数の前記バブルのうち所定のマッチング条件を満たすバブルを、前記追随走行要求の要求元バブルに対するマッチング候補として選択するステップと、前記要求元バブルおよび前記マッチング候補それぞれのリーダーにバブル統合を指示するステップと、前記要求元バブルおよび前記マッチング候補の一方を統合バブルとすることを通知する統合完了通知を受け付けた場合に、前記統合バブルのバブル情報に前記統合バブルに統合される被統合バブルのバブル情報を統合して更新するステップと、を有する。
【0008】
本開示の一態様によれば、プログラムは、車両からバブル登録要求を受け付けた場合に、当該車両をリーダーとする追随走行の車両群であるバブルを生成し、当該車両の車両情報と生成した前記バブルの識別情報とを関連付けたバブル情報を登録するステップと、前記バブルに含まれる車両から追随走行要求を受け付けた場合に、複数の前記バブルのうち所定のマッチング条件を満たすバブルを、前記追随走行要求の要求元バブルのマッチング候補として選択するステップと、前記要求元バブルおよび前記マッチング候補それぞれのリーダーにバブル統合を指示するステップと、前記要求元バブルおよび前記マッチング候補の一方を統合バブルとすることを通知する統合完了通知を受け付けた場合に、前記統合バブルのバブル情報に前記統合バブルに統合される被統合バブルのバブル情報を統合して更新するステップと、を支援装置に実行させる。
【発明の効果】
【0009】
上記態様によれば、車車間通信の通信範囲や追随走行の非対象車両の存在に影響されることなく、追随走行の対象車両同士をマッチングさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施形態に係る支援システムの全体構成を示す概略図である。
図2】第1の実施形態に係る支援装置の機能構成を示すブロック図である。
図3】第1の実施形態に係るバブルを説明するための図である。
図4】第1の実施形態に係る支援システムにおけるバブル生成処理の一例を示すシーケンス図である。
図5】第1の実施形態に係る車両情報の一例を示す図である。
図6】第1の実施形態に係るバブル情報の一例を示す図である。
図7】第1の実施形態に係る更新情報の一例を示す図である。
図8】第1の実施形態に係る支援システムにおけるバブル統合処理の一例を示すシーケンス図である。
図9】第1の実施形態に係る支援装置におけるマッチング処理の一例を示すフローチャートである。
図10】第1の実施形態に係る支援装置における速度指示処理の一例を示すフローチャートである。
図11】第1の実施形態に係るバブル情報の更新処理の一例を示す第1の図である。
図12】第1の実施形態に係る支援システムにおける情報通知処理の一例を示すシーケンス図である。
図13】第1の実施形態に係る支援システムにおけるバブル分離処理の一例を示すシーケンス図である。
図14】第1の実施形態に係るバブル情報の更新処理の一例を示す第2の図である。
図15】第1の実施形態に係る支援システムにおける異なるエリア間でのバブル情報の管理の一例を示すシーケンス図である。
図16】第1の実施形態に係る対象車両の状態遷移の一例を示す図である。
図17】第1の実施形態に係る支援装置の状態遷移の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1の実施形態>
(支援システムの全体構成)
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
図1は、第1の実施形態に係る支援システムの全体構成を示す概略図である。
図1に示すように、支援システム1は、支援装置10と、対象車両20と、交通情報DB41と、気象情報DB42とを備える。
【0012】
支援装置10は、対象道路Rの監視を行う道路管制センターなどに設けられ、対象道路Rにおける対象車両20の追随走行を支援する追随走行支援サービスを提供する。
【0013】
対象道路Rは例えば高速道路であり、対象車両20および非対象車両30が混在して走行する。
【0014】
対象車両20は追随走行支援サービスを利用するコネクテッド車であり、支援装置10とモバイル通信事業者が提供する通信サービスによる無線通信を行って追随走行に関する各種情報、信号などを送受信する。また、対象車両20は、他の対象車両20と無線通信(車車間通信)を行って追随走行に関する各種情報、信号などを送受信する。対象車両20は、ユーザ(運転者などの搭乗者や自動運転車両の場合は車両の利用者や管理者)が希望する場合に、対象道路Rを走行する際に他の対象車両20と車群をなして走行(追随走行)する。対象車両20は、運転者が運転する車両であってもよいし、自動運転車両であってもよい。また、追随走行時、後続の対象車両20は、先行する対象車両20に電子牽引されてもよい。
【0015】
非対象車両30は、追随走行支援サービスを利用しない非コネクテッド車である。
【0016】
交通情報DB41には、対象道路Rの交通情報が記録される。交通情報は、例えば、渋滞、事故、通行止めなどの事象、事象の発生位置(地点または区間)、事象の開始時刻および終了時刻(予想時刻)が含まれる。
【0017】
気象情報DB42には、対象道路Rの気象情報が記録される。気象情報は、例えば、対象道路Rのエリア(1つ以上の区間からなる領域)ごとの天気に関する情報や、天気に起因する事象(路面の凍結など)の情報が含まれる。
【0018】
また、支援システム1は、対象道路Rの路側に設けられた路側機器50をさらに備えていてもよい。路側機器50は、支援装置10と対象車両20との間の通信を中継する。路側機器50は、対象車両20と無線通信(路車間通信)を行って各種情報、信号などを送受信する。路側機器50は、支援装置10とモバイル通信事業者が提供する通信サービスによる無線通信または有線通信を行って各種情報、信号などを送受信する。
【0019】
なお、本実施形態では、路側機器50を用いずに、支援装置10と対象車両20とが直接通信する態様を例として説明する。
【0020】
(支援装置の機能構成)
図2は、第1の実施形態に係る支援装置の機能構成を示すブロック図である。
図2に示すように、支援装置10は、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、通信インタフェース14とを備える。
【0021】
メモリ12は、プロセッサ11の動作に必要なメモリ領域を有する。
【0022】
ストレージ13は、いわゆる補助記憶装置であって、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等である。
【0023】
通信インタフェース14は、外部機器(対象車両20、交通情報DB41、気象情報DB42、路側機器50など)との間で各種情報の送受信を行うためのインタフェースである。
【0024】
プロセッサ11は、所定のプログラムに従って動作することにより、バブル生成部110、マッチング処理部111、更新情報取得部112、統合指示部113、更新処理部114、分離処理部115、通知部116としての機能を発揮する。
【0025】
バブル生成部110は、対象車両20からバブル登録要求を受け付けた場合に、対象車両20をリーダーとする追随走行の車両群であるバブルを生成し、対象車両20の車両情報と生成したバブルの識別情報とを関連付けたバブル情報を登録する。
【0026】
マッチング処理部111は、一のバブルから追随走行要求を受け付けた場合に、複数のバブルのうち所定のマッチング条件を満たすバブルを、追随走行要求の要求元バブルのマッチング候補として選択する。
【0027】
更新情報取得部112は、複数のバブルそれぞれの走行位置を含む更新情報を取得する。
【0028】
統合指示部113は、要求元バブルおよびマッチング候補それぞれのリーダーにバブル統合を指示する。
【0029】
更新処理部114は、要求元バブルおよびマッチング候補の一方を統合バブルとし、他方を統合バブルに統合される被統合バブルとすることを通知する統合完了通知を受け付けた場合に、統合バブルのバブル情報に被統合バブルのバブル情報を統合して更新する。また、更新処理部114は、被統合バブルのバブル情報を削除する。
【0030】
分離処理部115は、バブルから離脱車両を離脱させる分離要求を受け付けた場合に、バブルのバブル情報から離脱車両の車両情報を削除して更新するとともに、離脱車両をリーダーとする離脱バブルを生成して、離脱車両の車両情報と生成した離脱バブルの識別情報とを関連付けたバブル情報を登録する。
【0031】
通知部116は、要求元バブルの更新情報をマッチング候補に通知するとともに、マッチング候補の更新情報を要求元バブルに通知する。また、通知部116は、交通情報DB41の交通情報または気象情報DB42の気象情報から、バブルの進行方向前方に異常事象があることを検出した場合に、この異常事象に関する異常情報をバブルに通知する。異常事象は、例えば、事故や路面の凍結など、追随走行に影響する可能性のある事象である。
【0032】
なお、支援装置10は、単独のコンピュータによって構成されるものであってもよいし、支援装置10の構成を複数のコンピュータに分けて配置し、複数のコンピュータが互いに協働することで支援装置10として機能するものであってもよい。
【0033】
また、支援装置10のプロセッサ11が実行する所定のプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶される。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。さらに、このプログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。更に、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0034】
(バブルについて)
図3は、第1の実施形態に係るバブルを説明するための図である。
本実施形態に係る支援装置10は、対象道路Rにおいて追随走行する車群を「バブル」という単位で管理する。以下、バブルの概念について図3を参照しながら説明する。
【0035】
図3に示すように、バブルは、少なくとも1台の対象車両20を含む。また、各バブルに含まれる対象車両20のうち1台がリーダーとなる。リーダーは、支援装置10とバブルとの間の通信を代表して行う車両である。リーダー車両が、支援装置10とリーダー以外の対象車両20への情報の展開や情報の中継をする機能を有するため、リーダー以外の車両は、支援装置10とは個別に通信を行わなくても良い。リーダーは、同一バブル内の他の対象車両20と車車間通信を行って、追随走行に関する各種情報、信号や、支援装置10から通知された情報の伝達などを行う。
【0036】
図3の(a)には、1つのバブルに1台の対象車両20(20A,20B)のみが含まれる単独バブルB1,B2の例が示されている。単独バブルB1,B2のリーダーは、それぞれ対象車両20A,20Bである。
【0037】
また、バブル同士を統合して、複数の対象車両20を含む1つのバブルを形成することができる。図3の(b)には、単独バブルB1,B2を統合し、対象車両20A,20Bの2台を含む統合バブルB1の例が示されている。図3の(b)の例では、単独バブルB1は、単独バブルB2を吸収して統合バブルB1となり、単独バブルB2は統合バブルB1に吸収されて消滅する被統合バブルB2となる。統合バブルB1のリーダーは、対象車両20A,20B間で調整して決められる。図3の(b)の例では、対象車両20Aが統合バブルB1のリーダーとなる。
【0038】
1つのバブルに含まれる対象車両20の上限台数は予めることも可能であり、その場合は、上限台数に達したバブルは、他のバブルと統合することはできない。また、上限台数に満たないバブル同士でも、統合して上限台数を超える場合には統合することができない。また、上限台数に達するまでは、統合バブルはさらに他の単独バブルまたは統合バブルと統合してもよい。
【0039】
なお、統合バブルに含まれる各対象車両20の走行フォーメーション(走行レーンや走行順など)をは任意である。図3の(b)の例のように、統合バブルB1の各対象車両20A,20Bは、同一レーンを前後に並んで走行してもよい。このとき、後続の対象車両20Bは、先行する対象車両20Aに電子牽引されてもよい。また、統合バブルB1の対象車両20A,20Bは、異なるレーンを走行してもよい。また、危険回避などのために、各対象車両20A,20Bの運転者、または自動運転車両の場合は内蔵された自動運転制御装置の判断で一時的にレーン変更を行ってもよい。リーダー車両が必ずしも、先頭を走行しなくても良い。フォーメーションやレーンの変更などは、対象車両20A,20B間で車車間通信による相互の調整を行いながら行う。
【0040】
さらに、複数の対象車両20を含む統合バブルB1は、2つのバブルに分離することができる。例えば、図3の(c)に示すように、分岐や出口などで対象車両20A,20Bの一方が追随走行から離脱する場合に、統合バブルB1は2つのバブルB1,B3に分離する。図3の(c)の例では、統合バブルB1は、対象道路Rの走行を継続する継続バブルB1と、対象道路Rから退出する離脱バブルB3とに分離する。継続バブルB1および離脱バブルB3それぞれにおいて、新たなリーダーが設定される。図3の(c)の例では、継続バブルB1のリーダーは対象車両20Aであり、離脱バブルB3のリーダーは対象車両20Bである。各バブルに複数の対象車両20が含まれる場合は、バブル内の対象車両20間での調整によりリーダーを決定する。
【0041】
(支援装置の処理1:バブル生成処理)
図4は、第1の実施形態に係る支援システムにおけるバブル生成処理の一例を示すシーケンス図である。
以下、図4を参照しながら、バブル生成処理の流れについて詳細に説明する。ここでは、図3の(a)に示す対象車両20Aのバブルを生成する例について説明する。
【0042】
まず、対象車両20Aは、追随走行支援サービスを開始すると判断した場合(ステップS10)、支援装置10にバブル登録要求を送信する(ステップS11)。
【0043】
対象車両20Aは、例えば、ユーザがサービス開始の操作を行った場合に、サービスを開始すると判断する。また、対象車両20Aは、GNSSなどを用いた既知の位置検出技術を使って自身が対象道路Rに進入したことを検出した場合に、サービスを開始すると判断してもよい。あるいは、路側に設置する路車間の通信装置との通信をトリガに開始を判断しても良い。
【0044】
図5は、第1の実施形態に係る車両情報の一例を示す図である。
対象車両20が支援装置10に送信するバブル登録要求には、車両情報D1(図5)が含まれる。図5に示すように、車両情報D1は、対象車両20の識別情報(車両ID)、車両属性、目的地、経由地、目的地到着期限、同伴車両情報、走行位置などの情報を含む。車両属性は、大型車、特大車、バスといった、車両の外形的特徴や用途などに応じた区分を表す情報である。目的地および経由地は、例えば対象道路Rの出口ICである。同伴車両情報は、対象車両20に同伴する同伴車両の台数、および同伴車両の識別情報(車両ID)を含む。同伴車両とは、例えば、対象道路Rに進入する以前から対象車両20と追随走行を行っていた車両や、対象車両20が電子牽引などで牽引する被牽引車両である。図3および図5の例では、対象車両20Bは単独で走行する車両であり、同伴車両台数は0となる。
【0045】
次に、支援装置10のバブル生成部110は、バブル登録要求に含まれる車両情報D1に基づいて、新たなバブルを生成する(ステップS12)。また、バブル生成部110は、新たに生成したバブルのバブル情報D2(図6)を生成して、ストレージ13に記録する。
【0046】
図6は、第1の実施形態に係るバブル情報の一例を示す図である。
図6に示すように、バブル情報D2は、バブルの識別情報(バブルID)、リーダー、包含車両台数、進行方向、共通目的地、個車情報などの情報を含む。リーダーは、バブルのリーダーである対象車両20の車両IDである。包含車両台数は、バブルに含まれる対象車両20の合計台数である。共通目的地は、バブルに含まれる対象車両20が共通して向かう目的地(出口IC)である。個車情報は、バブルに含まれる各対象車両20の車両情報D1(図5)である。また、バブル情報D2は、バブルに含まれる対象車両20の目的地のうち、最も遠い目的地を示す最終目的地の情報を含んでもよい。
【0047】
図3図5、および図6の例では、対象車両20Aは同伴車両なし(同伴車両情報=0)である。この場合、バブル生成部110は、対象車両20Aのみを含む単独バブルB1を生成する。この単独バブルB1のリーダーは対象車両20Aであり、包含車両台数は「1」である。進行方向および共通目的地は、対象車両20Aの進行方向(上り、下り、〇〇方面など)、および目的地(出口IC)である。個車情報には、対象車両20Aの車両情報D1のみが記録される。
【0048】
なお、同伴車両ありの対象車両20からバブル登録要求を受け付けた場合、バブル生成部110は対象車両20および同伴車両の複数の車両を含むバブルを生成する。このとき、対象車両20は、同伴車両との間で車車間通信を行って、同伴車両の車両情報D1を取得する。また、対象車両20は、ステップS11において、バブル登録要求とともに、自身および同伴車両の車両情報D1を支援装置10に送信する。支援装置10のバブル生成部110は、対象車両20およびその同伴車両それぞれの車両情報D1を含むバブル情報D2を生成する。バブル情報D2の包含車両台数には、対象車両20および同伴車両の合計台数が入力される。
【0049】
また、支援装置10のバブル生成部110は、バブル登録要求の送信元である対象車両20Aに、生成したバブルB1のバブル情報D2を送信することにより、バブルIDを通知する(ステップS13)。
【0050】
対象車両20Aは、バブル情報D2(バブルID)を受信すると、ACK通知を送信する(ステップS14)。また、ACK通知には、対象車両20AのバブルB1の更新情報D3(図7)が含まれる。
【0051】
図7は、第1の実施形態に係る更新情報の一例を示す図である。
図7に示すように、更新情報D3は、バブルの識別情報(バブルID)、更新情報の更新時刻、走行位置、バブル速度などを含む。対象車両20AのバブルB1の場合、更新情報D3の走行位置およびバブル速度は、更新時刻における対象車両20Aの位置および走行速度である。
【0052】
次に、対象車両20Aは、ユーザが他の対象車両20との追随走行(他のバブルとのマッチング)を希望する場合、追随走行要求を支援装置10に送信する(ステップS15)。対象車両20Aは、例えばユーザの追随走行のマッチング候補を探す操作を行った場合に、追随走行要求を送信する。また、対象車両20Aは、事前にユーザから追随走行を希望する機能設定を受け付けている場合には、自動的に追随走行要求を送信してもよい。また、追随走行要求には、対象車両20Aの現在の位置や走行速度を通知するために更新情報D3が含まれていてもよい。
【0053】
なお、バブルに複数の対象車両20(または同伴車両)が含まれる場合、リーダーの対象車両20が代表して追随走行要求を送信する。このとき、バブルの包含車両台数が既に上限台数に達している場合には、対象車両20は追随走行要求を送信しない。
【0054】
支援装置10のマッチング処理部111は、バブルB1から追随走行要求を受け付けると、ストレージ13に記録されている他のバブルの中から、要求元バブルB1と統合可能なマッチング候補を検索する(ステップS16)。マッチング候補の検索処理の詳細については後述する。
【0055】
また、図4の例では、要求元バブルB1のマッチング候補が見つからなかったケースについて説明する。マッチング処理部111は、要求元バブルB1とのマッチング候補が見つからない場合、「マッチング候補待ち」指示を要求元バブルB1のリーダーである対象車両20Aに送信する(ステップS17)。
【0056】
バブルB1のリーダーである対象車両20Aは、「マッチング候補待ち」指示を受け付けると、追随走行を保留状態とする。また、対象車両20Aは、以降、所定時間ごとに更新情報D3を支援装置10に送信する(ステップS18)。支援装置10の更新情報取得部112は、バブルB1(対象車両20A)から更新情報D3を受信すると、ストレージ13に記録して蓄積する。これにより、支援装置10は、要求元バブルB1が対象道路Rのどの位置をどの速度で走行しているかを把握することができる。
【0057】
(支援装置の処理2:バブル統合処理)
図8は、第1の実施形態に係る支援システムにおけるバブル統合処理の一例を示すシーケンス図である。
以下、図8を参照しながら、2つのバブルを統合する処理の流れについて詳細に説明する。ここでは、図3の(a)~(b)に示すバブルB1,B2を統合する例について説明する。また、バブルB1は、図4のステップS15において追随走行要求を送信し、マッチング候補待ちの状態であるとする。
【0058】
各バブルB1,B2のリーダー(対象車両20A,20B。以下、リーダー20A,20Bとも記載する。)は、それぞれ所定時間ごとに更新情報D3を支援装置10に送信する(ステップS20)。支援装置10の更新情報取得部112は、バブルB1,B2それぞれから更新情報D3を受信すると、ストレージ13に記録して蓄積する。この処理は、図4のステップS18と同じ処理である。
【0059】
支援装置10のマッチング処理部111は、ストレージ13に記録された各バブルの更新情報D3に基づいて、バブルB1と統合するマッチング候補を検索する(ステップS21)。
【0060】
図9は、第1の実施形態に係る支援装置におけるマッチング処理の一例を示すフローチャートである。
図9を参照しながら、支援装置10がバブルB1のマッチング候補を検索する処理の流れについて説明する。なお、図9に示す各処理(ステップS211~S216)は、図4のステップS16および図8のステップS21で共通の処理である。
【0061】
まず、マッチング処理部111は、各バブルの更新情報D3に基づいて、追随走行に関するODD(Operational Design Domain)の範囲内のバブルを抽出する(ステップS211)。例えば、マッチング処理部111は、ストレージ13に登録されている複数のバブルのうち、バブル速度が所定の追随走行上限速度(例えば、80km/h)以下であるバブルを抽出する。マッチング処理部111は、バブル速度が追随走行上限速度を超えているバブルについては、マッチング対象外として除外する。なお、追随走行上限速度は、対象道路Rに規定される最低速度以上、最高速度以下の範囲内となるように設定される。また、車両属性ごとに異なる追随走行上限速度が設定されてもよい。
【0062】
次に、マッチング処理部111は、要求元バブルB1の走行位置の前後の所定の追随走行制限区間(例えば、1km)内に、統合不可のバブル、すなわち、包含車両台数が上限台数に達したバブルが存在するか判断する(ステップS212)。
【0063】
マッチング処理部111は、要求元バブルB1の設定区間内に包含車両台数が上限台数に達したバブルが存在する場合(ステップS212;NO)、要求元バブルB1が統合可能なマッチング候補なしと判断する(ステップS216)。この場合、マッチング処理部111は、マッチング候補の検索処理を一旦終了して、図4のステップS17に進む。これにより、マッチング処理部111は、バブル同士の間隔を確保し、バブル同士が接近して追随走行に支障が生じることを抑制する。
【0064】
次に、マッチング処理部111は、ステップS211で抽出したバブルのうち、要求元バブルB1の走行位置から進行方向前方の検索距離(例えば、1km)内に、所定のマッチング条件を満たすバブルがあるか判断する(ステップS213)。例えば、マッチング条件は以下の(1)~(4)などの条件である。
【0065】
(1)要求元バブルB1と進行方向が一致する。
【0066】
(2)要求元バブルB1と車両属性が一致する。なお、車両属性は必ずしも同一でなくてもよい。例えば、統合可能な車両属性の組み合わせ予めテーブルなどで設定しておき、要求元バブルB1の車両属性(例えば、大型車)と統合可能な車両属性(例えば、大型車またはバス)であれば、車両属性が一致すると判断してもよい。
【0067】
(3)要求元バブルB1の包含車両台数と、抽出したバブルの包含車両台数との合計台数が上限台数以下(つまり、要求元バブルB1に含まれる対象車両を追加可能)である。
【0068】
(4)要求元バブルB1の共通目的地までの走行経路と、抽出したバブルの共通目的地までの走行経路とで少なくとも一部の走行経路が共通し、この共通する走行経路の長さが所定距離(例えば、40km)以上である。または、バブル速度を追随走行上限速度としたときに、共通する走行経路の走行時間が所定時間(例えば、30分)以上である。
【0069】
マッチング処理部111は、要求元バブルB1の進行方向前方に、上記のマッチング条件(1)~(4)を満たすバブルがある場合(ステップS213;YES)、このバブルをマッチング候補として選択する(ステップS215)。
【0070】
また、マッチング処理部111は、要求元バブルB1の進行方向前方にマッチング条件を満たすバブルが存在しない場合(ステップS213;NO)、要求元バブルB1の進行方向後方でマッチング候補を検索する。具体的には、マッチング処理部111は、要求元バブルB1の走行位置から進行方向後方の検索距離(例えば、1km)内に、上記のマッチング条件(1)~(4)を満たすバブルがあるか判断する(ステップS214)。
【0071】
マッチング処理部111は、要求元バブルB1の進行方向後方に、上記のマッチング条件を満たすバブルがある場合(ステップS214;YES)、このバブルをマッチング候補として選択する(ステップS215)。図3の例では、マッチング処理部111は要求元バブルB1の進行方向後方に存在するバブルB2をマッチング候補として選択する。
【0072】
一方、マッチング処理部111は、要求元バブルB1の進行方向後方にマッチング条件を満たすバブルが存在しない場合(ステップS214;NO)、要求元バブルB1のマッチング候補なしと判断する(ステップS216)。この場合、マッチング処理部111は、マッチング候補の検索処理を一旦終了して、図4のステップS17に進む。
【0073】
マッチング処理部111は、上記のようにマッチング候補の検索距離を限定することにより、合流(統合)するまでに時間がかかるバブルをマッチング候補から除外することができる。
【0074】
また、マッチング処理部111は、マッチング候補なし(ステップS216)であった場合も、要求元バブルB1から更新情報D3を受信する度に、または、所定の検索待機時間が経過するごとに、図9のマッチング候補を検索する一連の処理を再度実施する。これにより、検索距離内にマッチング候補が見つからなかった場合でも、例えば後に対象道路Rに進入した新たなバブルが生成され、且つこのバブルがマッチング条件を満たすときに、この新たなバブルを要求元バブルB1のマッチング候補として選択することができる。
【0075】
なお、マッチング処理部111は、上記した各処理において、更新情報D3の更新時刻と現在時刻とに時間差がある場合には、各バブルの現在時刻における走行位置をこの時間差およびバブル速度に基づいて推定してもよい。
【0076】
次に、図8に戻り、ステップS21において支援装置10のマッチング処理部111が要求元バブルB1のマッチング候補としてバブルB2を選択した後の処理について説明する。支援装置10の統合指示部113は、要求元バブルB1およびマッチング候補バブルB2それぞれのリーダー20A,20Bに統合待機指示を送信する(ステップS22)。統合待機指示には、それぞれのマッチング相手となるバブルのバブルIDが含まれる。例えば、要求元バブルB1には、統合待機指示とともに、マッチング候補バブルB2のバブルIDが送信される。また、マッチング候補バブルB2には、統合待機指示とともに、要求元バブルB1のバブルIDが送信される。
【0077】
また、統合予定のバブルB1,B2のリーダー20A,20Bは、それぞれ、統合待機指示を受信すると、ACK通知を送信する(ステップS23)。また、ACK通知には、各バブルB1,B2の更新情報D3が含まれる。
【0078】
支援装置10の統合指示部113は、ACK通知に含まれる各バブルB1,B2の更新情報D3に基づいて、統合予定のバブルB1,B2それぞれの統合指示を生成して送信する(ステップS24)。
【0079】
統合指示は、例えば、バブル速度の変更指示である。統合指示部113は、統合予定のバブルB1,B2のうち、進行方向後方を走行する後続バブル(図3の例では、バブルB2)が、進行方向前方を走行する先行バブル(図3の例では、バブルB1)に追いつくように、または、先行バブルB1が後続バブルB2に追いつかれるように、各バブルのバブル速度を指示する。
【0080】
図10は、第1の実施形態に係る支援装置における速度指示処理の一例を示すフローチャートである。
図10を参照しながら、支援装置10が後続バブルB2および先行バブルB1の速度指示を行う処理の詳細について説明する。
【0081】
まず、統合指示部113は、後続バブルB2の現在のバブル速度が上限速度未満である場合(ステップS241;YES)、後続バブルB2の速度指示を「上限速度に加速」とする(ステップS242)。
【0082】
上限速度は、追随走行上限速度である。例えば、後続バブルB2の現在のバブル速度が70km/h、追随走行上限速度が80km/hである場合、統合指示部113は、後続バブルB2の速度指示を「追随走行上限速度80km/hに加速」とする。
【0083】
また、統合指示部113は、交通情報DB41の交通情報や、気象情報DB42の気象情報を参照して、上限速度を変更してもよい。例えば、雨などにより対象道路Rに臨時速度規制があり、かつ、臨時速度規制における制限速度が追随走行上限速度よりも低い場合、臨時速度規制における制限速度を上限速度として考える。後続バブルB2の現在のバブル速度が70km/h、追随走行上限速度が80km/h、臨時速度規制における制限速度が75km/hである場合、統合指示部113は、臨時速度規制における制限速度75km/hを上限速度とする。また、このとき、統合指示部113は、後続バブルB2の速度指示を「臨時速度規制における制限速度75km/hに加速」とする。
【0084】
一方、後続バブルB2の現在のバブル速度が上限速度(追随走行上限速度または臨時速度規制における制限速度)と同じである場合(ステップS241;NO)、統合指示部113は、後続バブルB2の速度指示を「現在のバブル速度を維持」とする(ステップS243)。
【0085】
次に、統合指示部113は、先行バブルB1の現在のバブル速度に基づき、先行バブルB1の速度指示を設定する。
【0086】
統合指示部113は、先行バブルB1の現在のバブル速度が所定速度を超える場合(ステップS244;YES)、先行バブルB1の速度指示を「指定速度に減速」とする(ステップS245)。所定速度は上限速度から所定マージンαを減じた値であり、例えば上限速度=80km/h、所定マージンα=5km/hのとき、75km/hである。所定マージンαの値は任意に変更してもよい。また、指定速度は、例えば、上限速度から所定マージンαを減じた値である。例えば、先行バブルB1の現在のバブル速度が80km/hである場合、統合指示部113は、先行バブルB1の速度指示を「75km/hに減速」とする。そうすると、先行バブルB1と後続バブルB2との間の距離が1kmであり、指示後の各バブルB1,B2の速度差が5km/hであるとすると、後続バブルB2は先行バブルB1に約12分後(約16km走行後)に追いつく(合流する)ことができる。
【0087】
また、統合指示部113は、先行バブルB1の現在のバブル速度が所定速度以下である場合(ステップS244;YES)、先行バブルB1の速度指示を「現在のバブル速度を維持」とする(ステップS245)。例えば、先行バブルB1の現在のバブル速度が75km/hである場合、この速度を維持するように指示する。
【0088】
また、統合指示部113は、各バブルの速度指示を決定すると、後続バブルB2および先行バブルB1それぞれに速度指示を送信する(ステップS247)。そうすると、各バブルB1,B2のリーダー20A,20Bは、受信した速度指示に従って走行する。また、各バブルB1,B2が2台以上の対象車両20からなる場合、リーダー20A,20Bは、車車間通信を介して他の対象車両20(非リーダー)に速度指示を伝達する。他の対象車両20(非リーダー)は、リーダー20A,20Bから伝達された速度指示に従って走行する。なお、各対象車両20が有人車両である場合、対象車両20は速度指示を運転者に提示し、運転者が対象車両20に提示された速度指示に従って運転を行う。また、対象車両20がクルーズコントロール装置を有している場合、または、自動運転車両である場合、クルーズコントロール装置または自動運転制御装置が速度指示に従って加速および減速の制御を自動的に行つても良い。
【0089】
次に、図8に戻り、ステップS24において支援装置10の統合指示部113が統合予定のバブルB1,B2に統合指示(速度指示)を送信した後の処理について説明する。各バブルB1,B2は、統合指示を受信してから統合が完了するまでの間、所定時間ごとに更新情報D3を支援装置10に送信する(ステップS25)。
【0090】
支援装置10の通知部116は、バブルB1,B2から更新情報D3を受信すると、それぞれのマッチング相手に更新情報D3を通知(転送)する(ステップS26)。つまり、通知部116は、バブルB1から受信した更新情報D3をバブルB2に通知し、バブルB2から受信した更新情報D3をバブルB1に通知する。バブルB1,B2の対象車両20A,20Bは、マッチング相手の更新情報D3に基づいて、マッチング相手の走行位置や、マッチング相手までの距離などをユーザに提示してもよいし、自動運転制御用の情報として用いてもよい。
【0091】
次に、バブルB1,B2のリーダー20A,20Bは、車車間通信が可能な距離に接近すると、バブルIDを送受信して相互にマッチング相手であることを確認した後、バブルB1,B2の統合処理を行う(ステップS27)。
【0092】
統合処理では、バブルB1,B2間での調整により、どの対象車両20を統合バブルのリーダーとするか決定する。図3の例では、対象車両20Aが統合バブルB1のリーダーとなる。この場合、対象車両20Aの先行バブルB1が後続バブルB2を統合して統合バブルB1となり、後続バブルB2が先行バブルB1に統合される被統合バブルB1となる。また、統合バブルB1の各対象車両20は、車車間通信を介して互いの車両情報D1を取得する。これにより、各対象車両20は、統合バブルB1の最終目的地(対象車両20の目的地のうち、最も遠い目的地)や共通目的地(対象車両20の目的地のうち、最も近いの目的地)などの情報を共有することができる。
【0093】
また、統合処理では、バブルB1,B2の各対象車両20は、車車間通信で直接的に、または他の対象車両20を介して間接的に通信可能となるように、カメラなどのセンサで互いの位置や周辺に存在する非対象車両30の有無などを確認して、必要に応じてフォーメーションの変更を行う。具体的にどのようなフォーメーションとするかは、各対象車両20の運転者または自動運転制御装置の判断に依存する。バブルB1,B2双方の対象車両20が通信しながらの走行、すなわち、追随走行が可能な状態に移行すると、統合処理完了となる。
【0094】
統合処理が完了すると、被統合バブルB1のリーダー20Bおよび統合バブルB1のリーダー20Aは、それぞれ支援装置10に統合完了通知を送信する(ステップS28)。被統合バブルB1のリーダー20Bは、統合完了通知において、自身(被統合バブルB2)のバブルIDと、自身の統合先となる統合バブルB1のバブルIDを合わせて通知する。また、統合バブルB1のリーダー20Aは、統合完了通知において、自身(統合バブルB1)のバブルIDと、統合バブルB1の各対象車両20(リーダー20Aおよび非リーダー20B)の車両情報D1を通知する。以降は、対象車両20Aは統合バブルB1のリーダーとして、対象車両20Bは統合バブルB1の非リーダーとして、互いに車車間通信を行いながら追随走行を行う。
【0095】
また、支援装置10の更新処理部114は、被統合バブルB1および統合バブルB1から受信した統合完了通知に基づいて、バブル情報D2を更新する(ステップS29)。
【0096】
図11は、第1の実施形態に係るバブル情報の更新処理の一例を示す第1の図である。
図11に示すように、更新処理部114は、統合バブルB1および被統合バブルB2の統合完了通知に基づいて、統合バブルB1のバブル情報D2に被統合バブルB2のバブル情報D2を追加して更新する。統合バブルB1のバブルIDは、統合前のバブルB2のバブルIDを引き継ぐため、変更なしである。統合バブルB1のリーダーは、バブルB1,B2間で調整後の新たなリーダーの車両IDとなる。図11の例では、統合バブルB1のリーダーは対象車両20Aである。包含車両台数は、バブルB1,B2に含まれる対象車両20(および同伴車両)の合計台数である。共通目的地は、バブルB1,B2の両方が到達する目的地であり、バブルB1,B2の共通目的地のうち近い方が記録される。個車情報には、統合バブルB1に含まれる全ての対象車両20A,20Bそれぞれの車両情報D1が記録される。
【0097】
また、更新処理部114は、被統合バブルB1のバブル情報D2を削除する。
【0098】
(支援装置の処理3:情報通知処理)
図12は、第1の実施形態に係る支援システムにおける情報通知処理の一例を示すシーケンス図である。
以下、図12を参照しながら、支援装置10が各バブルに各種情報を通知する処理の流れについて説明する。
【0099】
まず、統合バブルB1のリーダー20Aは、所定時間ごとに統合バブルB1の更新情報D3を支援装置10に送信する(ステップS30)。
【0100】
支援装置10の通知部116は、交通情報DB41および気象情報DB42を参照して、統合バブルB1の更新情報D3に含まれる走行位置よりも進行方向前方において、追随走行に影響を与える異常事象や規制情報があるか確認する。追随走行に影響を与える異常事象または規制情報を検出した場合(ステップS31)、通知部116は、検出した内容に応じた異常情報または速度指示を統合バブルB1のリーダー20Aに送信する(ステップS32)。
【0101】
例えば、通知部116は、交通情報DB41の交通情報や気象情報DB42の気象情報から、統合バブルB1の進行方向前方のある区間において、異常事象を検出したとする。異常事象は、例えば、路面凍結、事故などである。この場合、通知部116は、異常事象の内容(路面凍結)、異常事象が発生した(または発生が予想される)区間を含む異常情報を生成して、統合バブルB1のリーダー20Aに送信する(ステップS32)。また、交通情報や気象情報に異常事象の終了予測時刻が含まれている場合、または、異常事象から終了予測時刻を推定可能である場合、異常情報に異常事象の終了予測時刻を含めてもよい。
【0102】
また、例えば、通知部116は、交通情報DB41の交通情報から、統合バブルB1の進行方向前方のある区間において、臨時速度規制が設定されたことを検出したとする。この場合、通知部116は、統合バブルB1のバブル速度を臨時速度規制における制限速度まで減速する速度指示を生成して、統合バブルB1のリーダー20Aに送信する(ステップS32)。
【0103】
通知部は、異常事象および規制情報の両方が検出された場合には、異常情報および速度指示の両方を統合バブルB1のリーダー20Aに送信してもよい。
【0104】
次に、統合バブルB1のリーダー20Aは、支援装置10から異常情報または速度指示を受信した場合、この異常情報または速度指示を、車車間通信により統合バブルB1の他の対象車両20(非リーダー20B)に伝達する(ステップS33)。
【0105】
また、リーダー20Aおよび非リーダー20Bは、それぞれ、異常情報または速度指示に応じた処理を行う。異常情報に応じた処理は、リーダー20Aおよび非リーダー20Bの運転者または自動運転制御装置の判断に依存する。また、リーダー20Aおよび非リーダー20Bは、受信した速度指示に従って走行する。速度のコントロールは、運転者、クルーズコントロール装置、または自動運転制御装置が実施する。
【0106】
このように、支援装置10は、異常事象や規制情報などを検出した場合に、複数の対象車両20A,20Bそれぞれと個別に通信を行う必要はなく、統合バブルB1のリーダー20Aとのみ通信を行えばよいので、支援装置10と対象車両20との間の通信量を低減することができる。また、個々の対象車両20A,20Bの走行位置などを監視することなく、バブル毎に走行位置を監視すればよいので、監視に要する処理負荷やリソースを低減することができる。ここに示した、リーダー車両を介した異常事象や規制情報の通信については、支援装置10と個々の対象車両との通信処理が処理負荷やリソースで許容できる場合は、個別に送信することも、方法としてあり得る。
【0107】
(支援装置の処理3:バブル分離処理)
図13は、第1の実施形態に係る支援システムにおけるバブル分離処理の一例を示すシーケンス図である。
以下、図13を参照しながら、バブルを2つに分離する処理の流れについて詳細に説明する。ここでは、図3の(b)~(c)に示す統合バブルB1をバブルB2,B3に分離する例について説明する。また、図3および図13の例では、非リーダー20Bが統合バブルB1から離脱する例について説明するが、リーダー20Aが統合バブルB1から離脱してもよい。
【0108】
まず、統合バブルB1の対象車両20Bは、分岐や出口などで統合バブルB1から離脱する必要がある場合、車車間通信を介して他の対象車両20Aに離脱通知を送信する(ステップS40)。例えば、対象車両20Bは、自身の目的地(出口IC)が統合バブルB1の最終目的地(他の対象車両20Aの目的地)よりも手前であり、且つ、自身の目的地から所定距離前(例えば、5km前)の位置に到達したとき、他の対象車両20Aに離脱通知を送信する。
【0109】
次に、統合バブルB1の各対象車両20は、車車間通信を行って離脱調停処理を行う(ステップS41)。離脱調停処理では、例えば、リーダー20Aは、離脱通知の送信元の対象車両20B(以下、離脱車両20Bとも記載する。)から、車両IDおよび離脱位置(出口IC)を取得する。また、対象道路Rの走行を継続する継続バブルB1(統合バブルB1)に残留する対象車両20間で調整を行い、継続バブルB1の新たなリーダーとなる対象車両を決定する。図3および図13の例では、継続バブルB1に残留するのは対象車両20Aのみであるため、対象車両20Aが継続してリーダーとなる。なお、継続バブルB1に残留する対象車両20が2台以上ある場合、対象車両20Aが継続してリーダーとなってもよいし、他の対象車両20とリーダーを交代してもよい。また、離脱車両が複数存在する場合は、統合バブルB1から分離するバブルのリーダーを離脱車両の中から決定する。図3および図13の例では、離脱車両は対象車両20Bのみであるため、対象車両20Bが分離するバブルのリーダーとなる。
【0110】
また、離脱調停処理が完了すると、継続バブルB1のリーダー20Aは、支援装置10に離脱バブルID要求を送信する(ステップS42)。離脱バブルID要求には、継続バブルB1(統合バブルB1)のバブルID、継続バブルB1から離脱する離脱車両20Bの車両IDなどが含まれる。
【0111】
次に、支援装置10の分離処理部115は、離脱車両20B用の新たな離脱バブルB3を生成する(ステップS43)。
【0112】
図14は、第1の実施形態に係るバブル情報の更新処理の一例を示す第2の図である。
図14に示すように、分離処理部115は、新たに生成した離脱バブルB3のバブル情報D2を生成して、ストレージ13に記録する。離脱バブルB3の離脱車両20Bの車両情報D1は、離脱元となる統合バブルB1のバブル情報D2からコピーしてもよいし、継続バブルB1のリーダー20Aから取得してもよい。また、分離処理部115は、継続バブルB1のバブル情報D2について、離脱車両20Bの車両情報D1の削除や、包含車両台数から離脱車両の台数を減じるなどの更新処理を行う。
【0113】
支援装置10の分離処理部115は、離脱バブルB3を生成すると、離脱バブルB3のバブルIDと、離脱バブルB3に含まれる離脱車両20Bの車両IDとを継続バブルB1のリーダー20Aに通知する(ステップS44)。
【0114】
継続バブルB1のリーダーは、離脱バブルB3のバブルIDを受信すると、支援装置10から受信した離脱バブルB3のバブルIDを離脱車両20Bに通知する(ステップS45)。この通知を受けて、離脱車両20Bは、統合バブルB1の非リーダーから、離脱バブルB3のリーダーに変化する。
【0115】
また、統合バブルB1が継続バブルB1と離脱バブルB3とに分離した後、継続バブルB1のリーダー20Aと、離脱バブルB3のリーダー20Bは、それぞれ所定時間ごとに更新情報D3を支援装置10に送信する(ステップS46)。
【0116】
次に、離脱バブルB3のリーダー20Bは、追随走行サービスを終了すると判断した場合(ステップS47)、支援装置10にサービス離脱通知を送信する(ステップS48)。サービス離脱通知には、離脱バブルB3のバブルIDが含まれる。
【0117】
離脱バブルB3のリーダー20Bは、例えば、ユーザがサービス終了の操作を行った場合に、サービスを終了すると判断する。また、リーダー20Bは、自身が対象道路Rから退出したことを検出した場合に、サービスを終了すると判断してもよい。または、路側に設置した路車間の通信装置(路側機器50)との通信をトリガにして、終了を判断しても良い。
【0118】
また、支援装置10の更新処理部114は、離脱バブルB3からサービス離脱通知を受信した場合、ストレージ13から離脱バブルB3のバブル情報D2を削除する(ステップS49)。これにより、支援装置10は、追随走行支援サービスを終了したバブルの管理、監視などの処理を終了する。
【0119】
(支援装置の処理4:異なるエリア間でのバブル情報の管理について)
図15は、第1の実施形態に係る支援システムにおける異なるエリア間でのバブル情報の管理の一例を示すシーケンス図である。
図1には、支援システム1が1台の支援装置10を備える例が示されているが、これに限られることはない。支援システム1は、対象道路Rが複数のエリアに跨っている場合、複数の支援装置10をエリア毎に設けてもよい。また、エリアごとに異なる道路事業者が対象道路Rを運営しており、各エリアの支援装置10は、各道路事業者が運用してもよい。ここでは、図15に示すように、対象道路Rが2つのエリアA,Bを有し、エリアAの支援装置10Aと、エリアBの支援装置10Bの2つが設けられている例について説明する。
【0120】
まず、エリアAにおいて、支援装置10Aが対象車両20Aのバブル生成処理(図4のステップS10~S17)を実行し、対象車両20AをリーダーとするバブルB1が登録されたとする。また、バブルB1のリーダー20Aは、エリアAを走行中、所定時間ごとに更新情報をエリアAの支援装置10Aに送信する(ステップS50)。
【0121】
支援装置10Aの更新情報取得部112は、バブルB1から更新情報D3を受信すると、このバブルB1のバブルID(バブル情報D2)が登録されているか確認する(ステップS51)。支援装置10AにバブルB1のバブル情報D2が登録済みである場合、支援装置10Aの更新情報取得部112は、バブルB1の走行位置などの管理用の情報として、更新情報D3をストレージ13に記録する(ステップS52)。
【0122】
また、バブルB1がエリアAからエリアBに移動したとする。エリアBに移動後、バブルB1のリーダー20Aは、所定時間ごとに更新情報D3を支援装置10Bに送信する(ステップS50)。
【0123】
支援装置10Bの更新情報取得部112は、バブルB1から更新情報D3を受信すると、このバブルB1のバブルID(バブル情報D2)が登録されているか確認する(ステップS51)。バブルB1のバブル情報D2は、エリアAで登録されたものであるため、エリアBの支援装置10Bには未登録である。このため、支援装置10Aの更新情報取得部112は、バブルB1に対し、バブル情報D2の送信を要求する(ステップS53)。
【0124】
バブルB1のリーダー20Aは、バブル情報D2の送信要求を受け付けると、支援装置10AからバブルIDとともに受信したバブル情報D2(図3のステップS13)を、支援装置10Bに送信する(ステップS54)。
【0125】
支援装置10Bの更新情報取得部112は、バブルB1から受信したバブル情報D2をストレージ13に記録する(ステップS55)。
【0126】
また、バブルB1のリーダー20Aは、エリアBを走行中、所定時間ごとに更新情報D3を支援装置10Bに送信する(ステップS50)。
【0127】
支援装置10Bの更新情報取得部112は、バブルB1から更新情報D3を受信すると、このバブルB1のバブルIDが登録されているか確認する(ステップS51)。ステップS53~S55の処理により、支援装置10BにはバブルB1のバブル情報D2が登録済みとなったので、支援装置10Bの更新情報取得部112は、バブルB1の走行位置などの管理用の情報として、更新情報D3をストレージ13に記録する(ステップS52)。
【0128】
このように、支援装置10Bは、バブルB1を介して支援装置10Aが生成したバブルB1のバブル情報D2を取得することにより、バブルB1の管理をエリアAの支援装置10Aから引き継ぐことができる。ここでは、支援装置10Aと支援装置10Bとが、バブルに関する情報を共有しない場合の処理を示したが、複数の支援装置10同士で、バブル情報を共有して処理しても良い。
【0129】
(対象車両の状態遷移)
図16は、第1の実施形態に係る対象車両の状態遷移の一例を示す図である。
図16を参照しながら、対象車両20の状態および役割(リーダーまたは非リーダー)がどのように変化するかを、図3の対象車両20Aを例として説明する。
【0130】
「V11:開始待ち」は、対象車両20Aがバブルを用いた追随走行支援サービスを開始していない状態である。
【0131】
「V12:バブルID発行待ち」は、対象車両20Aが追随走行支援サービスを開始(C101)した後、支援装置10からのバブルID通知を待っている状態である。
【0132】
「V13:単独バブル(リーダー)」は、対象車両20Aが支援装置10から単独バブルB1のバブルIDが発行された(C102)状態である。対象車両20Aは、この状態に遷移してから、支援装置10に更新情報D3の送信を行う。単独バブルB1には他の対象車両が含まれていないため、対象車両20Aは単独バブルB1のリーダーとなっている。
【0133】
「V14:マッチング候補待ち(リーダー)」は、支援装置10に「追随走行要求を行い(C103)、支援装置10によるマッチング候補の選定通知を待っている状態である。この状態でマッチングをキャンセル(C105)することもできる。そうすると、遷移元の状態(V13)に戻る。
【0134】
「V15:ネゴシエーション状態(リーダー)」は、バブルの統合処理中、または、バブルの分離処理中の状態である。
バブルの統合処理中の状態とは、支援装置10からマッチング候補のバブルIDを通知(C106)されてから、バブル間の統合処理が完了するまでの状態(図8のステップS21~S28)である。リーダーの選定は、対象車両20間での調整による。なお、マッチング中止(キャンセル)となった場合には(C107)、遷移元の状態(V13)に戻る。
バブルの分離処理中の状態とは、統合バブルのリーダーから離脱要求があり、バブルの分離が完了するまでの状態(図13のステップS40~S45)である。対象車両20A自身がリーダーであり離脱要求を行うケース(C114)と、対象車両20Aが非リーダーであり、離脱するリーダーに代えてリーダーに昇格するケース(C115)がある。
【0135】
「V16:統合完了(リーダー)」は、バブル同士の統合処理の結果、対象車両20Aが統合バブルB1のリーダーの立場を維持できた場合(C109)の状態である。
対象車両20Aは、統合バブルB1に空席がない(包含車両台数=上限台数)場合(C112)、この状態を継続しながら走行する。
対象車両20Aは、統合バブルB1に空席がある(包含車両台数<上限台数)場合や他車両(非リーダー)の離脱による空席が発生した場合(C113)、「V13:単独バブル(リーダー)」に遷移する。
また、リーダーである対象車両20A自身が統合バブルB1からの離脱、またはリーダーから非リーダーへの降格を希望する場合(C114)、「V15:ネゴシエーション状態(リーダー)」に遷移する。その際、リーダーである対象車両20Aは、統合バブルB1内の他の対象車両20に対して、新たなリーダー選定などの再調整(離脱調停)を行うよう指示する。
【0136】
「V17:統合完了(非リーダー)」は、バブル同士の統合処理の結果、対象車両20Aが統合バブルのリーダーにならなかった(降格した)場合(C110)の状態である。
非リーダーである対象車両20Aが対象道路Rからの退出や、SA/PAへ進むことを希望する場合、統合バブルのリーダーに離脱要求を行うことで(C116)、この統合バブルから離脱することができる。
また、リーダーの離脱要求、または、リーダーが非リーダーへの降格を希望した場合に、リーダーから再調整指示を受け付ける。再調整中にリーダーとの車車間通信が途絶えた場合、リーダー消失(C117)と判断して、「V18:離脱待ち」状態に遷移する。これにより、対象車両20Aは、一旦状態をリセットして、バブルの生成および統合などの処理をやりなおす。
なお、再調整により自身がリーダーとなった場合は、「V15:ネゴシエーション状態(リーダー)」に遷移する。
【0137】
「V18:離脱待ち」は、対象車両20A(非リーダー)が統合バブルのリーダーに離脱要求を送信後(C116)の状態である。離脱要求に対しリーダーから応答(離脱バブルID通知)が得られた場合、単独バブル(離脱バブル)として走行し、サービス終了の判断後(C118)、「V19:終了」状態に遷移する。対象車両20Aは、例えばユーザによる終了操作、対象道路Rからの退出を検出したとき、または、この状態に遷移してから所定のタイムアウト時間経過後に、サービス終了と判断する。
また、対象車両20Aは、リーダーへの離脱要求が未達(応答なし)であった場合も、この状態に遷移してもよい。
【0138】
「V19:終了」は、対象車両20Aがバブルを用いた追随走行支援サービスを終了した(C104、C118)後の状態である。
【0139】
(支援装置の状態遷移)
図17は、第1の実施形態に係る支援装置の状態遷移の一例を示す図である。
図17を参照しながら、支援装置10が対象車両20AのバブルB1を管理する際の管理状態の変化について説明する。
【0140】
「V21:バブルID要求待ち」は、支援装置10の初期状態であり、対象車両20Aからのバブル登録要求(バブルIDの発行要求)を待ち受ける状態である。
【0141】
「V22:バブルサービス要求待ち」は、対象車両20Aからのバブル登録要求に対しバブルIDを発行した後(C201)、この対象車両20AのバブルB1から追随走行要求(マッチング要求)を待ち受ける状態である。また、支援装置10は、バブルB1の更新情報D3を受信すると(C202)、この状態を継続して、バブルB1の位置および速度の監視などの処理を行う。
【0142】
「V23:マッチング候補確定待ち」は、支援装置10がバブルB1からのマッチング要求を受け付けて(C203)、この要求元バブルB1のマッチング候補を選定している状態である。支援装置10は、要求元バブルB1から更新情報D3を受信すると(C204)、この状態を継続してマッチング候補の再選定を行う。
支援装置10は、要求元バブルB1がマッチング要求をキャンセルした場合(C205)、「V22:バブルサービス要求待ち」に戻る。
支援装置10は、要求元バブルB1がサービス終了(キャンセル)した場合(C206)、この要求元バブルB1について、「V26:バブル管理終了」の状態となる。
【0143】
「V24:バブル統合完了待ち」は、支援装置10が要求元バブルB1のマッチング候補を選定した後(C207)、要求元バブルB1とマッチング候補からの統合完了通知を待ち受ける状態である。支援装置10は、要求元バブルB1から更新情報D3を受信すると(C208)、この状態を継続して、要求元バブルB1の位置および速度の監視や、マッチング候補へ要求元バブルB1の更新情報D3を転送するなどの処理を行う。
【0144】
「V25:バブル統合更新待ち」は、要求元バブルB1が統合バブルB1として存続することを示す統合完了通知を受信した場合(C209)、各対象車両がこの統合バブルB1での追随走行を続けていると想定して、統合バブルB1からの更新情報D3を待ち受ける状態である。支援装置10は、統合バブルB1から更新情報D3を受信すると(C210)、この状態を継続して、統合バブルB1の位置および速度の監視などの処理を行う。
【0145】
「V26:バブル管理終了」は、バブルB1に対する支援サービスが不要となり、このバブルB1の管理を終了した状態である。
支援装置10は、マッチングを希望する要求元バブルB1が非統合バブルB1として消失することを示す統合完了通知を受信した場合(C211)、または、サービス終了(離脱バブルが対象道路Rから退出など)によりバブルが不要となった場合(C212、C213)、この状態に遷移してバブルB1の管理を終了する。
また、支援装置10は、統合バブルB1からバブル分離要求(離脱バブルID要求)を受け付けた場合(C214)、統合バブルB1を継続バブルと離脱バブルの2のバブルに分離する。このとき、支援装置10は、離脱バブルのID発行のため、「V21:バブルID要求待ち」に遷移し、離脱バブルID発行後(「V22:マッチング要求待ち」遷移後)に離脱バブルからサービス終了の通知を受け付けると(C215)、再び「V26:バブル管理終了」に戻って離脱バブルの管理を終了する。
【0146】
(作用、効果)
以上のように、本実施形態に係る支援装置10は、対象車両20からバブル登録要求を受け付けた場合に、当該対象車両20をリーダーとする追随走行の車両群であるバブルを生成し、当該対象車両20の車両情報D1と生成したバブルのバブルID(識別情報)とを関連付けたバブル情報D2を登録するバブル生成部110と、バブルから追随走行要求を受け付けた場合に、所定のマッチング条件を満たすバブルを、追随走行要求の要求元バブルのマッチング候補として選択するマッチング処理部111と、要求元バブルおよびマッチング候補それぞれのリーダーにバブル統合を指示する統合指示部113と、要求元バブルおよびマッチング候補の一方を統合バブルとすることを通知する統合完了通知を受け付けた場合に、統合バブルのバブル情報D2に被統合バブルのバブル情報D2を統合して更新する更新処理部114と、を備える。
【0147】
このようにすることで、支援装置10は、追随走行のマッチング候補を探す処理を、対象車両20同士の車車間通信による相互接続に頼ることなく開始することができるため、車車間通信の通信範囲や他の非対象車両30の存在などにマッチング候補の検索処理が阻害されることを抑制することができる。また、支援装置10は、追随走行を行う車両群(複数の対象車両20)をバブルという単位でまとめて管理し、各バブルのリーダーとバブル統合の指示などの送受信を行うので、対象車両20それぞれを個別に管理するよりも、管理リソースや通信量を低減することができる。
【0148】
また、マッチング処理部111は、要求元バブルの目的地までの走行経路と少なくとも一部が共通する走行経路を有するバブルであって、共通する走行経路の長さが所定距離以上、または、共通する走行経路の走行時間が所定時間以上であるバブルをマッチング候補として選択する。
【0149】
追随走行を行う距離や時間が短いと、追随走行により得られる効果(運転負担軽減、燃費向上などの効果)が小さくなる。しかしながら、本実施形態に係る支援装置10は、所定距離または所定時間以上、追随走行を継続可能なバブル同士をマッチングさせることにより、追随走行を行う距離または時間が短くなってしまうことを抑制し、追随走行の効果を高めることができる。
【0150】
また、マッチング処理部111は、要求元バブルの車両属性と一致する車両属性を有するバブルをマッチング候補として選択する。
【0151】
車両属性(車両のサイズなど)が大きく異なると、例えば空力性能向上による燃費向上のような、追随走行の効果が小さくなる可能性がある。しかしながら、本実施形態に係る支援装置10は、車両属性が一致するバブル同士をマッチングさせることにより、追随走行により得られる効果が低減することを抑制することができる。
【0152】
また、マッチング処理部111は、要求元バブルに含まれる車両の台数との合計台数が上限台数以下となるバブルをマッチング候補として選択する。
【0153】
このようにすることで、支援装置10は、統合後のバブルが大きくなりすぎて追随走行が困難となったり、周囲の他車(非対象車両30)の走行に影響を与えることを抑制することができる。
【0154】
また、支援装置10は、複数のバブルそれぞれの走行位置を含む更新情報D3を取得する更新情報取得部112をさらに備える。マッチング処理部111は、更新情報D3に基づいて、要求元バブルの走行位置から所定の検索距離内に位置するバブルをマッチング候補として選択する。
【0155】
このようにすることで、支援装置10は、統合するまでに時間がかかるバブルをマッチング候補から除外することができる。これにより、統合後に追随走行を実施する距離または時間が短くなってしまい、追随走行により得られる効果が低減することを抑制することができる。
【0156】
また、統合指示部113は、マッチングした2つのバブルについて、後続バブルが先行バブルに追いつくように、先行バブルの減速および後続バブルの加速の少なくとも一方を指示する。
【0157】
このようにすることで、支援装置10は、マッチングした2つのバブルの速度を調整して、これらバブルをより確実に合流させることができる。また、各バブルの運転者が他のバブルの位置や速度を考慮して加減速を自身で判断する必要がないため、運転に伴う負担を軽減することができる。
【0158】
また、支援装置10は、バブルから離脱車両を離脱させる分離要求を受け付けた場合に、バブルのバブル情報D2から離脱車両の車両情報D1を削除して更新するとともに、離脱車両をリーダーとする離脱バブルを生成し、離脱バブルのバブル情報D2を登録する分離処理部115をさらに備える。
【0159】
このようにすることで、支援装置10は、バブルの統合と分離を必要に応じて行うことができるので、目的地が異なる対象車両20同士を組み合わせて1つのバブルとして追随走行させることができる。
【0160】
<その他の実施形態>
上述の実施形態において、支援装置10のマッチング処理部111が、追随走行の要求元バブルB1の進行方向前方または後方の検索距離(例えば、1km)内にマッチング条件を満たすバブルが存在する場合に、このバブルをマッチング候補として選択する態様について説明したこれに限られることはない。他の実施形態では、マッチング処理部111は、バブルのマッチングまでの制限時間を設定し、この制限時間内でマッチング可能なバブルをマッチング候補としてもよい。
【0161】
追随走行の要求元バブルB1は、リーダー20Aのユーザの操作を受け付けて、マッチング候補とのバブル統合をいつまでに完了したいかを示す制限時間を設定する。また、要求元バブルB1は、追随走行要求(図4のステップS15)とともに設定した制限時間、および更新情報D3を支援装置10に送信する(図4のステップS15)。
【0162】
また、支援装置10のマッチング処理部111は、マッチング候補検索処理(図8のステップS21)において、上述のマッチング条件(1)~(4)を満たし、且つ、制限時間以内に要求元バブルB1と合流可能なバブルをマッチング候補として選択する。
【0163】
なお、マッチング処理部111は、
RT:制限時間
DL:最新の更新情報D3における要求元バブルB1の位置と相手バブルとの距離
DV:最新の更新情報D3における要求元バブルB1と相手バブルとのバブル速度差
としたとき、「DL÷DV<RT」を満たすバブルを、要求元バブルB1と合流可能であると判断する。
【0164】
例えば、要求元バブルB1が設定した制限時間が10分であり、マッチング条件を満たすバブルB2,B3があるとする。要求元バブルB1とバブルB2との距離が0.5km、速度差が5km/hの場合、「0.5km÷5km/h=6分」である。そうすると、合流するまでにかかる時間が制限時間未満であるため、マッチング処理部111は、このバブルB2をマッチング候補として選択する。一方、要求元バブルB1とバブルB3との距離が1km、速度差が5km/hの場合、「1km÷5km/h=12分」である。そうすると、合流するまでにかかる時間が制限時間を超えるため、マッチング処理部111は、このバブルB3をマッチング候補から除外する。
【0165】
また、マッチング処理部111は、マッチング情報を満たし、且つ、制限時間までに合流可能なバブルが複数ある場合、要求元バブルB1との距離が最も近いバブルをマッチング候補として選択する。これにより、マッチング処理部111は、最短時間で合流可能なバブルをマッチング候補として選択することができる。
【0166】
このようにすることで、支援装置10は、バブルの統合完了までの時間を短くすることができるので、統合相手のバブルを見つけるまでに対象車両20が単独で走行する距離や時間を短縮することができる。これにより、統合後に追随走行を実施する距離または時間が短くなってしまい、追随走行により得られる効果が低減することを抑制することができる。
【0167】
以上、図面を参照して一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、様々な設計変更等をすることが可能である。すなわち、他の実施形態においては、上述の処理の順序が適宜変更されてもよい。また、一部の処理が並列に実行されてもよい。
【0168】
<付記>
上述の実施形態に記載の支援装置、支援方法、およびプログラムは、例えば以下のように把握される。
【0169】
(1)第1の態様によれば、車両の追随走行を支援する支援装置10は、車両からバブル登録要求を受け付けた場合に、当該車両をリーダーとする追随走行の車両群であるバブルを生成し、当該車両の車両情報D1と生成したバブルの識別情報とを関連付けたバブル情報D2を登録するバブル生成部110と、バブルに含まれる車両から追随走行要求を受け付けた場合に、複数のバブルのうち所定のマッチング条件を満たすバブルを、追随走行要求の要求元バブルに対するマッチング候補として選択するマッチング処理部111と、要求元バブルおよびマッチング候補それぞれのリーダーにバブル統合を指示する統合指示部113と、要求元バブルおよびマッチング候補の一方を統合バブルとすることを通知する統合完了通知を受け付けた場合に、統合バブルのバブル情報D2に前記統合バブルに統合される被統合バブルのバブル情報D2を統合して更新する更新処理部114と、を備える。
【0170】
このようにすることで、支援装置10は、追随走行のマッチング候補を探す処理を、対象車両20同士の車車間通信による相互接続に頼ることなく開始することができるため、車車間通信の通信範囲や他の非対象車両30の存在などにマッチング候補の検索処理が阻害されることを抑制することができる。また、支援装置10は、追随走行を行う車両群(複数の対象車両20)をバブルという単位でまとめて管理し、各バブルのリーダーとバブル統合の指示などの送受信を行うので、対象車両20それぞれを個別に管理するよりも、管理リソースや通信量を低減することができる。
【0171】
(2)第2の態様によれば、第1の態様に係る支援装置10において、車両情報D1は車両の目的地を含み、マッチング処理部111は、要求元バブルの目的地までの走行経路と少なくとも一部が共通する走行経路を有するバブルであって、共通する走行経路の長さが所定距離以上、または、共通する走行経路の走行時間が所定時間以上であるバブルをマッチング候補として選択する。
【0172】
このようにすることで、支援装置10は、追随走行を行う距離または時間が短くなってしまうことを抑制し、追随走行の効果を高めることができる。
【0173】
(3)第3の態様によれば、第1または第2の態様に係る支援装置10において、車両情報D1は車両の車両属性を含み、マッチング処理部111は、要求元バブルの車両属性と一致する車両属性を有するバブルをマッチング候補として選択する。
【0174】
このようにすることで、支援装置10は、車両属性の不一致により追随走行により得られる効果が低減することを抑制することができる。
【0175】
(4)第4の態様によれば、第1から第3の何れか一の態様に係る支援装置10において、マッチング処理部111は、要求元バブルに含まれる車両の台数との合計台数が上限台数以下となるバブルをマッチング候補として選択する。
【0176】
このようにすることで、支援装置10は、統合後のバブルが大きくなりすぎて追随走行が困難となったり、周囲の他車の走行に影響を与えることを抑制することができる。
【0177】
(5)第5の態様によれば、第1から第4の何れか一の態様に係る支援装置10は、複数のバブルそれぞれの走行位置を含む更新情報D3を取得する更新情報取得部112をさらに備え、マッチング処理部111は、更新情報D3に基づいて、要求元バブルの走行位置から所定の検索距離内に位置するバブルをマッチング候補として選択する。
【0178】
このようにすることで、支援装置10は、統合するまでに時間がかかるバブルをマッチング候補から除外することができる。これにより、統合後に追随走行を実施する距離または時間が短くなってしまい、追随走行により得られる効果が低減することを抑制することができる。
【0179】
(6)第6の態様によれば、第1から第4の何れか一の態様に係る支援装置10は、複数のバブルそれぞれの走行位置およびバブル速度を含む更新情報D3を取得する更新情報取得部112をさらに備え、マッチング処理部111は、更新情報D3に基づいて、要求元バブルが指定した設定時間以内に合流可能なバブルをマッチング候補として選択する。
【0180】
このようにすることで、支援装置10は、バブルの統合完了までの時間を短くすることができるので、統合相手のバブルを見つけるまでに対象車両20が単独で走行する距離や時間を短縮することができる。これにより、統合後に追随走行を実施する距離または時間が短くなってしまい、追随走行により得られる効果が低減することを抑制することができる。
【0181】
(7)第7の態様によれば、第1から第6の何れか一の態様に係る支援装置10において、統合指示部113は、要求元バブルおよびマッチング候補のうち後方を走行する後続バブルが前方を走行する先行バブルに追いつくように、先行バブルの減速および後続バブルの加速の少なくとも一方を指示する。
【0182】
このようにすることで、支援装置10は、マッチングした2つのバブルの速度を調整して、これらバブルをより確実に合流させることができる。また、各バブルの運転者が他のバブルの位置や速度を考慮して加減速を自身で判断する必要がないため、運転に伴う負担を軽減することができる。
【0183】
(8)第8の態様によれば、第1から第7の何れ一の態様に係る支援装置10は、バブルから離脱車両を離脱させる分離要求を受け付けた場合に、当該バブルのバブル情報D2から離脱車両の車両情報D1を削除して更新するとともに、離脱車両をリーダーとする離脱バブルを生成して、離脱車両の車両情報D1と生成した離脱バブルの識別情報とを関連付けたバブル情報D2を登録する分離処理部115をさらに備える。
【0184】
このようにすることで、支援装置10は、バブルの統合と分離を必要に応じて行うことができるので、目的地が異なる対象車両20同士を組み合わせて1つのバブルとして追随走行させることができる。
【0185】
(9)第9の態様によれば、支援方法は、車両の追随走行を支援する支援方法であって、車両からバブル登録要求を受け付けた場合に、当該車両をリーダーとする追随走行の車両群であるバブルを生成し、当該車両の車両情報D1と生成したバブルの識別情報とを関連付けたバブル情報D2を登録するステップと、バブルに含まれる車両から追随走行要求を受け付けた場合に、複数のバブルのうち所定のマッチング条件を満たすバブルを、追随走行要求の要求元バブルに対するマッチング候補として選択するステップと、要求元バブルおよびマッチング候補それぞれのリーダーにバブル統合を指示するステップと、要求元バブルおよびマッチング候補の一方を統合バブルとすることを通知する統合完了通知を受け付けた場合に、統合バブルのバブル情報に前記統合バブルに統合される被統合バブルのバブル情報D2を統合して更新するステップと、を有する。
【0186】
(10)第10の態様によれば、プログラムは、車両からバブル登録要求を受け付けた場合に、当該車両をリーダーとする追随走行の車両群であるバブルを生成し、当該車両の車両情報D1と生成したバブルの識別情報とを関連付けたバブル情報D3を登録するステップと、バブルに含まれる車両から追随走行要求を受け付けた場合に、複数のバブルのうち所定のマッチング条件を満たすバブルを、追随走行要求の要求元バブルに対するマッチング候補として選択するステップと、要求元バブルおよびマッチング候補それぞれのリーダーにバブル統合を指示するステップと、要求元バブルおよびマッチング候補の一方を統合バブルとすることを通知する統合完了通知を受け付けた場合に、統合バブルのバブル情報D2に前記統合バブルに統合される被統合バブルのバブル情報D2を統合して更新するステップと、を支援装置に実行させる。
【符号の説明】
【0187】
1 支援システム
10,10A,10B 支援装置
11 プロセッサ
110 バブル生成部
111 マッチング処理部
112 更新情報取得部
113 統合指示部
114 更新処理部
115 分離処理部
116 通知部
12 メモリ
13 ストレージ
14 通信インタフェース
20,20A,20B 対象車両
30 非対象車両
50 路側機器
図1
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