(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157252
(43)【公開日】2024-11-07
(54)【発明の名称】センサカバー及び車両
(51)【国際特許分類】
G01S 17/931 20200101AFI20241030BHJP
B60P 1/02 20060101ALI20241030BHJP
G01S 7/481 20060101ALI20241030BHJP
【FI】
G01S17/931
B60P1/02 Z
G01S7/481 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023071506
(22)【出願日】2023-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】000004617
【氏名又は名称】日本車輌製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000534
【氏名又は名称】弁理士法人真明センチュリー
(72)【発明者】
【氏名】松村 秀正
【テーマコード(参考)】
5J084
【Fターム(参考)】
5J084AA05
5J084AA10
5J084AC02
5J084DA05
5J084EA01
(57)【要約】
【課題】車両の周囲の物体を精度良く検出できるセンサカバー及び車両を提供すること。
【解決手段】搬送車1にセンサカバー6が取り付けられた取付状態において、上板61の上面がセンサ5の後方側に下降傾斜する。よって、上板61に降った雨水を上板61の上面に沿ってセンサ5の後方側に流下させることができる。これにより、上板61の前縁部分からセンサ5の前方側の検出領域に雨水が滴下することを抑制できるので、センサ5が雨水を誤検出することを抑制できる。よって、搬送車1の周囲の物体をセンサ5によって精度良く検出できる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体と、その車体に取り付けられ、前記車体の周囲の物体を検出するためのセンサと、を備えた車両に取り付けられるセンサカバーであって、
前記センサを上方側から覆うと共に前記センサよりも前方側に延びる上カバーを備え、
前記車体に前記センサカバーが取り付けられた取付状態において、前記上カバーの上面が前記センサの後方側に下降傾斜していることを特徴とするセンサカバー。
【請求項2】
前記上カバーは、前記上カバーの上面の前縁から上方に立ち上がり、左右に延びる壁状の第1壁部を備えることを特徴とする請求項1記載のセンサカバー。
【請求項3】
前記上カバーは、前記上カバーの下面から下方に突出し、前記センサの前方側から左右両方の側方側にかけて連続する壁状の第2壁部を備えることを特徴とする請求項1記載のセンサカバー。
【請求項4】
前記センサを下方側から覆うと共に前記センサよりも前方側に延びる下カバーを備え、
前記下カバーは、前記下カバーの上面から上方に立ち上がり、前記センサの前方側から左右両方の側方側にかけて連続する壁状の第3壁部を備えることを特徴とする請求項1記載のセンサカバー。
【請求項5】
前記下カバーは、前記第3壁部の内周側に形成される排水孔を備えることを特徴とする請求項4記載のセンサカバー。
【請求項6】
前記取付状態において、前記下カバーの上面が前記排水孔に向けて下降傾斜していることを特徴とする請求項5記載のセンサカバー。
【請求項7】
前記センサを下方側から覆う下カバーと、その下カバー及び前記上カバーが取り付けられ、前記車体に対する取り付け角度が可変に構成される取付部材を備え、
前記取付部材に前記センサが取り付けられることを特徴とする請求項1記載のセンサカバー。
【請求項8】
前記センサの検出領域が最も下向きになるように前記取付部材の取り付け角を調整した状態において、前記上カバーの上面が前記センサの後方側に下降傾斜していることを特徴とする請求項7記載のセンサカバー。
【請求項9】
前記車体と、前記センサと、を備え、
請求項1から8のいずれかに記載のセンサカバーが取り付けられることを特徴とする車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサカバー及び車両に関し、特に、車両の周囲の物体を精度良く検出できるセンサカバー及び車両に関する。
【背景技術】
【0002】
車体に取り付けられたセンサによって周囲の物体(走行路上の目標物や障害物など)を検出し、その検出結果に基づいて走行する車両が知られている。例えば、特許文献1には、車体2の周囲にレーザ光を照射する進入センサ4aによってパレット50の脚51までの距離や方向を測定し、その測定結果に基づいて走行する無人搬送車1(車両)が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-028432号公報(例えば、段落0019~0023、
図1,2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の技術では、センサの検出領域内で雨水が落下すると、その雨水をセンサが誤検出することがある。よって、車両の周囲の物体を精度良く検出できないという問題点があった。
【0005】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、車両の周囲の物体を精度良く検出できるセンサカバー及び車両を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために本発明のセンサカバーは、車体と、その車体に取り付けられ、前記車体の周囲の物体を検出するためのセンサと、を備えた車両に取り付けられるものであり、前記センサを上方側から覆うと共に前記センサよりも前方側に延びる上カバーを備え、前記車両に前記センサカバーが取り付けられた取付状態において、前記上カバーの上面が前記センサの後方側に下降傾斜している。
【0007】
本発明の車両は、車体と、その車体に取り付けられ、前記車体の周囲の物体を検出するためのセンサと、を備え、センサカバーが取り付けられるものであり、前記センサカバーは、前記センサを上方側から覆うと共に前記センサよりも前方側に延びる上カバーを備え、前記車両に前記センサカバーが取り付けられた取付状態において、前記上カバーの上面が前記センサの後方側に下降傾斜している。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載のセンサカバー及び請求項9記載の車両によれば、次の効果を奏する。センサを上方側から覆うと共に前記センサよりも前方側に延びる上カバーを備える。車両にセンサカバーが取り付けられた取付状態(以下「センサカバーの取付状態」という。)において、上カバーの上面がセンサの後方側に下降傾斜しているので、上カバーの上面に付着した雨水をセンサの後方側に流下させることができる。これにより、センサの前方側の検出領域に雨水が滴下することを抑制できるので、センサが雨水を誤検出することを抑制できる。よって、センサによって車両の周囲の物体を精度良く検出できるという効果がある。
【0009】
請求項2記載のセンサカバーによれば、請求項1記載のセンサカバーの奏する効果に加え、次の効果を奏する。上カバーは、その上面の前縁から上方に立ち上がり、左右に延びる壁状の第1壁部を備えるので、上カバーの上面の前縁からセンサの前方側の検出領域に滴下する雨水を第1壁部で遮ることができる。これにより、センサが雨水を誤検出することを抑制できるという効果がある。
【0010】
請求項3記載のセンサカバーによれば、請求項1記載のセンサカバーの奏する効果に加え、次の効果を奏する。上カバーは、上カバーの下面から下方に突出し、センサの前方側から左右両方の側方側にかけて連続する壁状の第2壁部を備える。これにより、センサの検出領域が前方から側方にかけての広範囲に設定される場合であっても、センサが雨水を誤検出することを抑制できるという効果がある。
【0011】
請求項4記載のセンサカバーによれば、請求項1記載のセンサカバーの奏する効果に加え、次の効果を奏する。センサを下方側から覆うと共に前記センサよりも前方側に延びる下カバーを備えるので、日光などの光が路面から照り返されても、その照り返しの光をセンサが誤検出することを抑制できる。下カバーは、下カバーの上面から上方に立ち上がり、センサの前方側から左右両方の側方側にかけて連続する壁状の第3壁部を備えるので、センサの検出領域が前方から側方にかけての広範囲に設定される場合であっても、路面からの照り返しが第3壁部で遮られ易くなるという効果がある。
【0012】
請求項5記載のセンサカバーによれば、請求項4記載のセンサカバーの奏する効果に加え、下カバーは、第3壁部の内周側に形成される排水孔を備えるので、下カバーの上面に降った雨水などを排水孔から排水できるという効果がある。
【0013】
請求項6記載のセンサカバーによれば、請求項5記載のセンサカバーの奏する効果に加え、センサカバーの取付状態において、下カバーの上面が排水孔に向けて下降傾斜しているので、下カバーの上面に降った雨水などが排水孔から排水され易くなるという効果がある。
【0014】
請求項7記載のセンサカバーによれば、請求項1記載のセンサカバーの奏する効果に加え、次の効果を奏する。センサを下方側から覆う下カバーと、その下カバー及び上カバーが取り付けられ、車体に対する取り付け角度が可変に構成される取付部材を備える。取付部材にセンサが取り付けられるので、車体に対する取付部材の取り付け角を調整することにより、センサの検出領域の角度を変更できると共に、その角度の変更に上カバー及び下カバーを連動させることができる。よって、上カバー及び下カバーがセンサの検出領域を遮ることを抑制できるという効果がある。
【0015】
請求項8記載のセンサカバーによれば、請求項7記載のセンサカバーの奏する効果に加え、次の効果を奏する。センサの検出領域が最も下向きになるように取付部材の取り付け角を調整した状態において、上カバーの上面がセンサの後方側に下降傾斜しているので、センサの検出領域をどのような角度にした場合であっても、上カバーの上面に滴下した雨水をセンサの後方側に流下させることができる。これにより、センサの検出領域の角度を可変に構成しつつ、センサが雨水を誤検出することを抑制できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態における搬送車の側面図である。
【
図2】(a)は、センサカバーを取り外した状態を示す搬送車の部分拡大側面図であり、(b)は、
図2(a)のIIb-IIb線における搬送車の端面図である。
【
図3】(a)は、センサカバーの後面図であり、(b)は、
図3(a)のIIIb-IIIb線におけるセンサカバーの断面図である。
【
図4】(a)は、
図3(b)の矢印IVa方向視におけるセンサカバーの上面図であり、(b)は、
図3(b)のIVb-IVb線におけるセンサカバーの断面図である。
【
図5】(a)は、第1の変形例を示すセンサカバーの側面図であり、(b)は、第2の変形例を示すセンサカバーの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態における搬送車1の側面図である。なお、
図1の矢印U-D方向、F-B方向、L-R方向は、それぞれ搬送車1に取り付けられるセンサ5を基準にした上下方向、前後方向、左右方向を示しており、以降の図においても同様とする。
【0018】
また、本実施形態では、センサ5の検出領域(センサ5の取り付け方向)が搬送車1の前方側に向けられており、搬送車1及びセンサ5の前後左右並びに上下方向が一致しているが、例えば搬送車1の側面や後面などにセンサ5が取り付けられる場合には、センサ5の前後方向および左右方向は、搬送車1の前後方向および左右方向と必ずしも一致しない。
【0019】
図1に示すように、搬送車1は、図示しない積載物(パレットなど)を車体2に積載して自動走行する無人搬送車である。車体2は、搬送車1の走行および操舵を行うための複数(本実施形態では、4つ)の走行装置3に支持される。
【0020】
複数の走行装置3は、図示しない回転駆動装置(電動モータ)からの動力によってそれぞれの車輪が独立して回転すると共に、操舵駆動装置からの動力によってそれぞれが独立して旋回するように構成される。なお、車体2及び走行装置3の構造や制御は、公知の構成が採用可能であるので詳細な説明を省略する。また、本実施形態では、走行装置3の動力源を電動モータとしているが、油圧モータなどの他の公知の駆動源を用いても良い。
【0021】
車体2の前端(矢印F側の端部)からは、支持フレーム20が前方側に突出しており、この支持フレーム20の上面には支柱21が固定される。支柱21は、支持フレーム20から上方に立ち上がっており、支柱21の上端部分には取付部材4を介してセンサ5が取り付けられる。
【0022】
センサ5は、搬送車1の走行路上の目標物(例えば、パレット)や、障害物(例えば、作業者)などを検出する。本実施形態の搬送車1の走行中には、センサ5の検出結果に基づいて、走行装置3を旋回させる制御や、走行装置3の車輪を回転させる制御が行われる。
【0023】
センサ5は、その周囲にレーザ光を照射し、物体に反射されて返ってくるまでの時間から対象物の距離や方向を測定するセンサ(レーザレンジファインダ)である。よって、センサ5の検出領域内に雨水が落下したり、日光や照明などの光がセンサ5に照射されたりすると、それらの雨水や光をセンサ5が誤検出することがある。
【0024】
よって、本実施形態では、そのような誤検出を抑制するためのセンサカバー6がセンサ5と共に取付部材4に取り付けられる。この取り付け構造およびセンサカバー6の詳細構成について、
図2~
図4を参照して説明する。
【0025】
まず、
図2を参照して、取付部材4によるセンサ5の取り付け構造について説明する。
図2(a)は、センサカバー6(
図1参照)を取り外した状態を示す搬送車1の部分拡大側面図であり、
図2(b)は、
図2(a)のIIb-IIb線における搬送車1の端面図である。
【0026】
図2に示すように、搬送車1の支柱21は、ウェブ及びフランジを備える上面視で略コ字状(溝形鋼状)に形成され、そのフランジ部分には後述するブラケット40を取り付ける(ボルトB1を挿入する)ためのボルト孔21aが設けられる。支柱21に取り付けられる取付部材4は、支柱21に揺動可能に取り付けられるブラケット40と、そのブラケット40の角度を調整するための調整ロッド41と、その調整ロッド41を介してブラケット40に固定される固定板42と、を備える。
【0027】
ブラケット40は、支柱21の側面(矢印L-R方向外側を向く面)に取り付けられる平板状の取付部40aと、その取付部40aの前縁(矢印F側の端部)から左右方向外側に屈曲する平板状の屈曲部40bと、から構成されるL字状の金具である。
【0028】
取付部40aの上端側には貫通孔40cが形成され、この貫通孔40cと支柱21に設けられたボルト孔21aとにボルトB1の軸部が挿入され、支柱21のフランジの内面にてナットN1に締結されることで取付部40aがボルトB1の軸部(左右方向に沿う回転軸)回りに回転可能に支持される。
【0029】
貫通孔40cよりも下方側には、取付部40aの回転軸を中心にした略円弧状の長孔40dが形成される。図示は省略するが、この長孔40dに挿入されるボルトB2は、上述したボルトB1と同様の構造でナットに締結されているため、ボルトB1回りに取付部40aを回転させることによって支柱21に対するブラケット40の取り付け角を調整した後、ボルトB2によって取付部40aを支柱21に締め付けることにより、ブラケット40を所望の取り付け角で固定できる。
【0030】
ブラケット40は、支柱21の左右方向両側の側面に取り付けられており、この左右一対のブラケット40の各々の屈曲部40bには調整ロッド41が固定される。調整ロッド41は、ブラケット40の屈曲部40bよりも下方に突出しており、調整ロッド41の下端側には図示しないボルト孔が設けられると共に、該ボルト孔の前面にはナットが設けられている。ボルトB3は、その先端部が調整ロッド41から後方に突出するようにして上記のナットの前面側からねじ込まれている。
【0031】
なお、これらの取付部材4のボルトB1~B3を締結またはねじ込むためのナット(ナットN1等)は、取付作業の効率を考慮すると支柱21のフランジ部分や調整ロッド41に溶接されているのが好ましいが、溶接されていなくても良い。よって、例えばボルトB3をねじ込むためのナットのみを調整ロッド41に溶接する等、適宜選択できる。
【0032】
支柱21の側面には、ボルトB3と前後方向で対面する位置にL字状の金具22が固定され、この金具22にボルトB3の軸部の先端が接触している。よって、調整ロッド41に対するボルトB3のねじ込み量を調整することにより、支柱21に対するブラケット40の取り付け角を微調整できる。
【0033】
左右一対の調整ロッド41の前面には、平板状の固定板42が固定される。なお、ブラケット40に対する調整ロッド41の固定や、調整ロッド41に対する固定板42の固定は、ボルト(ナット)やリベットによる締結構造でも良いし、溶接でも良い。
【0034】
固定板42の前面にはセンサ5が取り付けられているので、支柱21に対するブラケット40(取付部材4)の取り付け角を変化させることにより、センサ5の検出領域をボルトB1(左右方向に沿う軸)回りに上下に調整できる。また、固定板42(取付部材4)には、センサ5と共にセンサカバー6(
図3参照)も固定されるので、センサ5の検出領域の変更に応じてセンサカバー6も連動するように構成されている。
【0035】
このセンサカバー6の詳細構成について、
図3及び
図4を参照して説明する。
図3(a)は、センサカバー6の後面図であり、
図3(b)は、
図3(a)のIIIb-IIIb線におけるセンサカバー6の断面図である。
図4(a)は、
図3(b)の矢印IVa方向視におけるセンサカバー6の上面図であり、
図4(b)は、
図3(b)のIVb-IVb線におけるセンサカバー6の断面図である。なお、
図3及び
図4では、取付部材4の固定板42(
図2参照)とセンサ5とを2点鎖線で図示している。
【0036】
図3に示すように、センサカバー6は、取付部材4の固定板42に固定される背面板60を備える。背面板60は、左右方向(矢印L-R方向)に延びる長方形状の板であり、背面板60の左右方向中央を含む領域には、センサ5を収納するための矩形の切欠き60aが形成される。
【0037】
切欠き60aの4隅の近傍には、背面板60を貫く複数(本実施形態では、4つ)の貫通孔60b(
図3(a)参照)が形成され、固定板42には、貫通孔60bと対応する位置に複数の貫通孔(図示せず)が形成される。また、背面板60の前面(矢印F側を向く面)には、各貫通孔60bと対応する位置にナットN2(
図3(b)参照)が溶接される。よって、切欠き60aにセンサ5を挿入しつつ、固定板42の前面に背面板60を当接させた状態で、貫通孔60bに挿入したボルト(図示せず)をナットN2に締結することにより、固定板42に背面板60(センサカバー6)を固定できる。なお、ナットN2は、必ずしも背面板60に溶接して取り付ける必要はないが、予め背面板60に溶接で取り付けておくことによってボルトの締結作業を容易にできる。
【0038】
背面板60の上端からは、上板61が前方側に突出している。上板61は、センサ5の前面よりも前方側に延びており、この上板61によってセンサ5が上方側から覆われる。これにより、日光や照明などの光を上板61で遮ることができると共に、詳細は後述するがセンサ5の前面および上面に雨水が付着することを抑制できる。よって、それらの光や雨水をセンサ5が誤検出することを抑制できる。
【0039】
搬送車1(
図1参照)が水平な路面で停止している状態であって、搬送車1(取付部材4)にセンサカバー6が取り付けられた取付状態(
図1に示す状態。以下「センサカバー6の取付状態」などという。)では、上板61の上面がセンサ5の後方側に下降傾斜している。よって、上板61に降った雨水を上板61に沿ってセンサ5の後方側に流下させることができる。これにより、センサ5の前方側の検出領域に雨水が滴下することを抑制できるので、センサ5が雨水を誤検出することを抑制できる。よって、搬送車1の周囲の物体をセンサ5によって精度良く検出できる。
【0040】
なお、本実施形態では、1枚の金属板を曲げ加工することによって背面板60及び上板61が形成されているが、別部材からなる背面板60及び上板61を連結(締結部材による締結や溶接)する構成でも良い。
【0041】
上板61を伝って後方に流れた雨水は、背面板60に沿って下方に流下する。センサ5が収納される背面板60の切欠き60aは、取付部材4の固定板42によって塞がれているので、雨水が切欠き60aを通してセンサ5側に浸入することを抑制できる。
【0042】
背面板60の下端側からは、下板62が前方側に突出している。下板62は、センサ5の前面よりも前方側に延びており、この下板62によってセンサ5が下方から覆われる。これにより、日光や照明などの光の路面からの照り返しを下板62で遮ることができるので、それらの光をセンサ5が誤検出することを抑制できる。
【0043】
図4に示すように、上板61及び下板62は、上面視において略半円形に形成される。より具体的には、上板61の縁は、上板61の後端(矢印B側の端部)の縁を構成し左右(矢印L-R方向)に直線状に延びる後縁61a(
図4(a)参照)と、その後縁61aの左右の両端部から前方側(矢印F側)に略直線状(本実施形態では、互いに略平行)に延びる左縁61b及び右縁61cと、それらの左縁61b及び右縁61cを略円弧状に接続する前縁61dと、から構成されている。
【0044】
下板62の縁も同様の形状の後縁62a(
図4(b)参照)、左縁62b、右縁62c及び前縁62dから構成される。上板61及び下板62の左縁61b,62b、右縁61c,62c及び前縁61d,62d(以下、これらを併せて「上板61及び下板62の各縁」などという。)は、センサ5よりも前方および側方側に離隔しており、センサ5は、その全体が上板61及び下板62によって上下から覆われる。上板61及び下板62には、その半円状の各縁に沿って湾曲する側板63が固定される。
【0045】
側板63は、1枚の金属板を曲げ加工することによって形成され、側板63の内面(センサ5側を向く面)には、上板61及び下板62の各縁が溶接されている。また、背面板60の左右の両端も側板63の内面に溶接されている。
【0046】
図3に示すように、側板63には、センサ5から出力されるレーザ光(物体から反射する光)を通すための開口部63aが形成される。センサ5によるレーザ光の照射範囲(センサ5の検出領域)は、センサ5の前方側から左右両側にわたる190°の範囲に設定可能となっており、同様の範囲に側板63の開口部63aが形成される。
【0047】
側板63のうち、開口部63aの上下方向中央よりも上側の部位は、上板61と共にセンサ5の上方側を覆う「上カバー」を構成し、開口部63aの上下方向中央よりも下側の部位は、下板62と共にセンサ5の下方側を覆う「下カバー」を構成している。
【0048】
板状の上板61及び下板62の縁が側板63の内面に突き合わされているので、側板63は、上板61及び下板62を取り囲む壁状に形成される。以下の説明においては、側板63のうち、上板61よりも上方に突出する部位を第1壁部63b、上板61よりも下方に突出する(開口部63aの上下方向中央よりも上方に位置する)部位を第2壁部63c、下板62よりも上方に突出する(開口部63aの上下方向中央よりも下方に位置する)部位を第3壁部63dと記載して説明する。
【0049】
側板63の第1壁部63bは、上板61の前縁61dから雨水が滴下することを防止するための部位である。即ち、上板61は、上述した通り後方側に向けて下降傾斜しているものの、搬送車1(
図1参照)の減速時や凹凸のある路面の走行時、又はセンサカバー6に風が吹き付けた時などには、上板61に付着した雨水が上板61の前縁61d側に流れたり跳ね上がったりすることがある。
【0050】
これに対して本実施形態のセンサカバー6は、上板61の前縁61dから上方に立ち上がり、左右方向(矢印L-R方向)に延びる壁状の第1壁部63bを備えるので、雨水が上板61の前縁61dからセンサ5の前方側の検出領域に滴下することを抑制できる。これにより、センサ5が雨水を誤検出することを抑制できる。
【0051】
また、第1壁部63bは、上板61の前縁61dから左縁61b及び右縁61cに沿って連続して形成されるので、上板61に降った雨水が上板61の左縁61b及び右縁61cから滴下することを抑制できる。これにより、本実施形態のように、センサ5の検出領域が前方から側方にかけての広範囲(190°)に設定される場合であっても、センサ5が雨水を誤検出することを抑制できる。
【0052】
側板63の第2壁部63cは、上板61よりも下方に突出し、センサ5の前方側から左右の側方側にかけて連続する壁状に形成される。これにより、上板61の下方に第2壁部63cが形成されていない場合に比べ、センサ5側に照射される日光や照明などの光が第2壁部63cで遮られ易くなる。
【0053】
側板63の第3壁部63dは、下板62よりも上方に突出しているので、路面からの照り返しの光が第3壁部63dで遮られ易くなる。また、第3壁部63dがセンサ5の前方側から左右の側方側にかけて連続する壁状に形成されるので、本実施形態のように、センサ5の検出領域が前方から側方にかけての広範囲(190°)に設定される場合であっても、路面からの照り返しの光をセンサ5が誤検出することを抑制できる。
【0054】
このように、下板62の縁から立ち上がる第3壁部63dを形成することで路面からの照り返しが遮られ易くなる一方で、側板63の開口部63aを通して下板62に降る雨水や、側板63の第2壁部63cから下板62に滴下する雨水が、下板62の上面に留まり易くなってしまう。下板62の上面に雨水が留まると、側板63の開口部63aを通して照射された日光や照明などの光が雨水に反射し、その反射光をセンサ5が誤検出するおそれがある。
【0055】
これに対して本実施形態では、
図4に示すように、第3壁部63dの内周側に下板62を貫く排水孔62eが形成されるので、下板62に降った雨水などを排水孔62eから排水できる。これにより、下板62の上面に雨水が留まることを抑制できるので、上記のような日光や照明などの反射光をセンサ5が誤検出することを抑制できる。
【0056】
図3及び
図4に示すように、下板62は、排水孔62eが形成される水平部(センサカバー6の取付状態において水平方向に延びる部位)と、その水平部の前縁から屈曲して前方側に上昇傾斜する傾斜部と、から構成される。これらの水平部および傾斜部からなる下板62は、1枚の金属板を曲げ加工することによって形成される。
【0057】
即ち、下板62(傾斜部)の上面は、センサカバー6の取付状態において排水孔62eに向けて下降傾斜しているので、下板62に降った雨水などが排水孔62eから排水され易くなる。これにより、下板62の上面に雨水が留まることをより効果的に抑制できるので、上記のような日光や照明などの反射光をセンサ5が誤検出することを抑制できる。
【0058】
排水孔62eは、センサ5を挟んで左右一対に形成され、この一対の排水孔62eの間には、センサ5の配線を通すための切欠き62fが形成される。切欠き62fは、下板62の後縁部分を矩形に切欠いて形成され、この切欠き62fからも雨水を排水できる。
【0059】
ここで、上述した通り、センサ5は、搬送車1の車体2(
図1又は
図2参照)に対する取り付け角が可変に構成されている。センサ5の取り付け角が可変となっている場合、車体2に対するセンサカバー6の取り付け角が変更不能(例えば、支柱21にセンサカバー6を取り付ける構成)であると、例えばセンサ5の取り付け角を最も上向きに変更した場合に、センサ5の検出領域に側板63の第2壁部63cが干渉し易くなる。また、センサ5の取り付け角を最も下向きに変更した場合には、センサ5の検出領域に第3壁部63dが干渉し易くなる。このような干渉を抑制するためには、開口部63aの開口幅を上下に広く形成する必要があり、開口部63aの開口幅を広げると、不要な光がセンサ5側に照射され易くなる。
【0060】
これに対して本実施形態では、上述した通り、搬送車1(車体2の支柱21)に対する取り付け角度が可変に構成される固定板42(取付部材4)にセンサ5及びセンサカバー6の各々が取り付けられるので、センサ5の検出領域の角度の変更にセンサカバー6(上カバーを構成する第2壁部63cや下カバーを構成する第3壁部63d)を連動させることができる。これにより、側板63の第2壁部63cや第3壁部63dがセンサ5の検出領域を遮ることを抑制できるので、その分、開口部63aの上下の開口幅を狭く形成できる。よって、不要な光がセンサ5側に照射され難くなる。
【0061】
また、センサ5の検出領域が最も下向きになるように固定板42(取付部材4)の取り付け角を調整した状態においても、上板61の上面がセンサ5の後方側に下降傾斜するように構成されている。これにより、センサ5の検出領域の角度を可変に構成しつつ、上板61の上面に滴下した雨水をセンサ5の後方側に流下させることができる。これにより、センサ5の前面に雨水が付着することや、センサ5の前方側の検出領域に雨水が滴下することを抑制できる。よって、センサ5が雨水を誤検出することを抑制できる。
【0062】
次いで、
図5を参照してセンサカバー6の変形例について説明する。なお、上記実施形態で説明したセンサカバー6と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図5(a)は、第1の変形例を示すセンサカバー206の側面図であり、
図5(b)は、第2の変形例を示すセンサカバー306の断面図である。なお、
図5(b)は、
図3(b)と同様の位置で切断したセンサカバー306の断面を図示している。
【0063】
図5(a)に示すように、第1の変形例のセンサカバー206は、側板63の第2壁部63cに張出板264が溶接される点を除き、上記実施形態で説明したセンサカバー6と同一の構成である。張出板264は、第2壁部63c(上カバーを構成する部位)から張り出してセンサ5の前方側から左右両方の側方側にかけて連続する略U字状(鍔状)に形成される。
【0064】
このような張出板264を形成することにより、側板63の外面を伝って第2壁部63cの下縁側に流下する雨水を張出板264で遮ることができる。センサカバー206の取付状態において、張出板264が後方側に下降傾斜しているので、雨水を張出板264に沿って後方側に流下させることができる。よって、センサ5の検出領域が前方から側方にかけての広範囲(190°)に設定される場合であっても、センサ5が雨水を誤検出することを抑制できる。
【0065】
また、張出板264は、開口部63aの後縁(センサ5の検出領域)よりも後方側(矢印B側)に延びているので、張出板264に沿って後方側に流れた雨水が第2壁部63cの下縁(開口部63aの上縁)からセンサ5の検出領域に滴下することを効果的に抑制できる。よって、センサ5が雨水を誤検出することを抑制できる。
【0066】
図5(b)に示すように、第2の変形例におけるセンサカバー306は、第2壁部63cの下縁(開口部63aの上縁)が後方側に下降傾斜している点を除き、上記実施形態で説明したセンサカバー6と同一の構成である。
【0067】
この変形例のように、センサカバー306の取付状態において、第2壁部63cの下縁を後方側に下降傾斜させることにより、第2壁部63cの下縁に付着した雨水が後方側に流れ易くなる。よって、第2壁部63cの下縁からセンサ5の検出領域に雨水が滴下することを抑制できるので、センサ5が雨水を誤検出することを抑制できる。
【0068】
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
【0069】
上記実施形態では、センサカバー6,206,306(センサ5)が取り付けられる車両の一例として、自動走行する搬送車1を例示したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、運転者の運転によって走行する搬送車や自動車等、他の公知の車両にセンサカバー6,206,306(センサ5)を取り付けても良い。
【0070】
上記実施形態では、センサ5が周囲にレーザ光を照射して対象物の距離や方向を測定するセンサ(レーザレンジファインダ)である場合を説明したが、必ずしもこれに限られない。雨水や不要な光が検出精度に影響するセンサであれば、上記実施形態のセンサカバー6,206,306を適用できる。
【0071】
上記実施形態では、センサ5の検出領域がセンサ5の前方側から左右両側にわたる190°の範囲である場合を説明したが、センサ5の検出領域は適宜設定できる。また、開口部63aの開口領域(左右方向の長さ)も、センサ5の検出領域に影響しないように変更しても良い。よって、例えば、センサ5の検出領域が190°未満である場合には、それに応じて開口部63aの開口領域を狭めても良いし、センサ5の検出領域が190°以上である場合には、開口部63aの開口領域を広くしても良い。同様に、開口部63aの上下方向の開口幅も、センサ5の検出に影響しない(センサ5から照射されるレーザ光に第2壁部63c及び第3壁部63dが干渉しない)範囲で適宜設定しても良い。
【0072】
上記実施形態では、支持フレーム20から立ち上がる支柱21にセンサ5及びセンサカバー6,206,306が(取付部材4を介して)取り付けられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られない。例えば、車体2の他の部位にセンサ5及びセンサカバー6,206,306を取り付けても良い。
【0073】
上記実施形態では、搬送車1(車体2の支柱21)に対するセンサ5及びセンサカバー6,206,306の取り付け角が可変である場合を説明したが、必ずしもこれに限られない。例えば、センサ5のみの取り付け角を可変にしても良いし、センサ5及びセンサカバー6,206,306の取り付け角が変更不能であっても良い。センサ5のみの取り付け角を可変にする構成としては、センサカバー6,206,306を固定板42(取付部材4)に固定するのではなく、支柱21(車体2)に固定する構成が例示される。
【0074】
上記実施形態では、搬送車1(車体2の支柱21)に対するセンサ5及びセンサカバー6,206,306の取り付け角が上下方向のみで変更可能である場合を説明したが、必ずしもこれに限られない。例えば、かかる取り付け角を左右方向のみで変更可能としても良いし、上下左右の両方向で変更可能としても良い。かかる取り付け角を上下左右の両方向で変更可能とする構成の一例としては、車体2(支柱21)に対し、ボールジョイントを介してセンサ5及びセンサカバー6,206,306(固定板42)を取り付ける構成が例示される。
【0075】
上記実施形態では、取付部材4の固定板42の前面に背面板60が固定される場合を説明したが、例えば、固定板42の後面に背面板60を固定しても良い。また、固定板42と背面板60との接触面をゴム等の弾性体で覆う(接触面の隙間の周囲をシールする)構造にしても良い。このような構造によって固定板42と背面板60との間の隙間を埋めることにより、該隙間から雨水が浸入するのを抑制できる。
【0076】
上記実施形態では、上板61が後方側に下降傾斜する平板である(上カバーの上面が平面である)場合を説明したが、必ずしもこれに限られない。例えば、上板61の左縁61b及び右縁61cから上板61の左右方向中央側に向けて傾斜する傾斜面を上板61に形成する構成でも良い。このような構成の一例としては、前後方向と直交する平面で切断した断面視において、上板61(上カバーの上面)をV字状や台形状に形成する構成が例示される。
【0077】
上記実施形態では、上板61と、側板63の第1壁部63b及び第2壁部63cと、によってセンサ5の上方側を覆う上カバーが構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られない。例えば、第1壁部63b又は第2壁部63cのいずれか一方または両方の一部または全部を省略しても良いし、上板61と第2壁部63cとによって取り囲まれる空間を下方から塞ぐ板などを追加しても良い。
【0078】
上記実施形態では、下板62と、側板63の第3壁部63dとによってセンサ5の下方側を覆う下カバーが構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られない。例えば、下板62及び第3壁部63d(センサ5を下方から覆う下カバー自体)を省略しても良いし、第3壁部63dを省略しても良い。また、下板62と第3壁部63dとによって取り囲まれる空間を上方から塞ぐ板などを追加しても良い。
【0079】
上記実施形態では、背面板60、上板61、下板62、及び側板63が金属板から形成される場合を説明したが、それらの各板をプラスチックなどの他の材料を用いて形成しても良い。
【0080】
上記実施形態では、上板61や下板62の各々が上面視において半円形状(上板61及び下板62の前縁61d,62dが略円弧状)である場合を説明したが、必ずしもこれに限られない。例えば、上板61や下板62が上面視において矩形状(上板61及び下板62の前縁61d,62dの全体が左右に延びる直線状)であっても良いし、多角形であっても良い。また、上板61と下板62との形状が異なっていても良い。即ち、センサ5の全体(センサ5の前方側の領域)を上方側や下方側から覆うことができる形状であれば、上板61及び下板62の形状や厚み(上カバー及び下カバーの外形)は適宜設定できる。
【0081】
上記実施形態では、第1壁部63b、第2壁部63c、及び第3壁部63dが一枚の側板63によって形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られない。例えば、第1壁部63b、第2壁部63c、及び第3壁部63dの一部または全部を別体の板から形成する構成でも良い。このような構成の一例として、開口部63aを側板63の後縁まで延長し、第1壁部63b及び第2壁部63cを構成する板と、第2壁部63cを構成する板とを別体にする(側板63を上下に分割する)構成が例示される。
【0082】
上記実施形態では、排水孔62eがセンサ5を挟んで左右一対に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られない。例えば、一対の排水孔62eのいずれか一方または両方を省略しても良い。一対の排水孔62eの両方を省略する場合には、切欠き62fのみから雨水を排水しても良いし、第3壁部63dに別の排水孔を形成しても良い。
【0083】
上記実施形態では、下板62が水平部および傾斜部から構成され、下板62の水平部に排水孔62eが形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られない。例えば、下板62を水平部または傾斜部のみから構成しても良いし、下板62の傾斜部に排水孔62eを形成しても良い。
【0084】
上記実施形態では説明を省略したが、センサカバー6,206,306の後方側に下降傾斜する各部(上板61の上面、下板62の傾斜部、第2壁部63cの下縁、及び張出板264)は、その傾斜の勾配が前縁から後縁にかけて一定であっても良いし、一部または全部の領域で勾配が変化する構成でも良い。
【0085】
上記実施形態において、センサカバー6,206,306の内側に進入した光の反射や乱反射を防ぐための加工を、背面板60、上板61、下板62、及び側板63の各板の一部または全部の内面に施しても良い(内面とは、例えば上板61であればその下面、下板62であればその上面である)。そのような加工の一例として、例えば暗い色合いの(各板よりも光の反射率が低い)艶消し塗装を行うことや、同様の色合いのシートを貼り付けることや、或いは梨地処理等、各板の光沢(光の反射率)を低減させる加工が例示される。
【0086】
上記実施形態では、張出板264が開口部63aの後縁(センサ5の検出領域)よりも後方側に延びる場合を説明したが、張出板264の後縁が開口部63a(センサ5の検出領域)の後縁よりも前方側に位置していても良い。
【0087】
上記実施形態では、張出板264がセンサ5の前方側から左右両方の側方側にかけて連続して形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られない。例えば、張出板264をセンサ5の前方側から左右両方の側方側にかけて断続的に(階段状に)形成しても良い。
【0088】
上記実施形態において、張出板264を第2壁部63cから上昇傾斜させる(例えば、張出板264の上面と第2壁部63cとのなす角度が90°未満になるように張出板264を傾ける)構成や、張出板264を断面L字状に形成する(張出板264の先端を上方に屈曲させる)構成により、張出板264と第2壁部63cとによって後方側に向けた水路を形成しても良い。
【符号の説明】
【0089】
1 搬送車(車両)
2 車体
4 取付部材
5 センサ
6,206,306 センサカバー
61 上板(上カバー)
62 下板(下カバー)
62e 排水孔
63b 第1壁部(上カバーの一部)
63c 第2壁部(上カバーの一部)
63d 第3壁部(下カバーの一部)
264 張出板(張出部)