(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157271
(43)【公開日】2024-11-07
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20241030BHJP
【FI】
A63F7/02 334
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023071529
(22)【出願日】2023-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100160691
【弁理士】
【氏名又は名称】田邊 淳也
(72)【発明者】
【氏名】平 勇輝
(72)【発明者】
【氏名】加藤 哲平
(72)【発明者】
【氏名】大秋 善幸
(72)【発明者】
【氏名】山本 健弘
(72)【発明者】
【氏名】山田 輝彦
(72)【発明者】
【氏名】吉川 真史
(72)【発明者】
【氏名】大内 章史
(72)【発明者】
【氏名】竹市 秀之助
(72)【発明者】
【氏名】盛 准一
(72)【発明者】
【氏名】林 敬祐
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088AA42
2C088BA20
2C088BC34
2C088CA28
(57)【要約】
【課題】不正行為の早期発見を向上させることを目的とする。
【解決手段】 遊技機は、遊技球が入球口に入球したことに基づいて実行する図柄の当否判定による当選で作動開始する電動役物と、電動役物が作動開始されることで遊技球を受け入れ可能な受入口と、受入口で受け入れた遊技球を検出する球検出手段と、予め設定されたタイミングにおいて、球検出手段が遊技球を検出した場合、異常入賞として報知する報知手段と、を有している。
【選択図】
図45
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機であって、
遊技球が入球口に入球したことに基づいて実行する図柄の当否判定による当選で作動開始する電動役物と、
前記電動役物が作動開始されることで遊技球を受け入れ可能な受入口と、
前記受入口で受け入れた遊技球を検出する球検出手段と、
予め設定されたタイミングにおいて前記球検出手段が遊技球を検出した場合、異常入賞として報知する報知手段と、を有する、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項1の記載の遊技機であって、
前記予め設定されたタイミングとは、有効時間外であって前記電動役物が作動開始されていないタイミングであり、
前記報知手段は、前記球検出手段が所定数の遊技球を検出した場合に前記報知をおこなう、
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機などの遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、不正に賞球を受ける不正行為を防止する各種センサが設けられた遊技機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような遊技機では、不正行為を各種センサにより検知したことに基づいて報知をおこなっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の遊技機によっても、不正行為の早期発見を向上させるための技術については、なお改善の余地があった。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、不正行為の早期発見の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]
遊技機であって、
遊技球が入球口に入球したことに基づいて実行する図柄の当否判定による当選で作動開始する電動役物と、
前記電動役物が作動開始されることで遊技球を受け入れ可能な受入口と、
前記受入口で受け入れた遊技球を検出する球検出手段と、
予め設定されたタイミングにおいて前記球検出手段が遊技球を検出した場合、異常入賞として報知する報知手段と、を有する、
ことを特徴とする遊技機。
[適用例2]
適用例1の記載の遊技機であって、
前記予め設定されたタイミングとは、有効時間外であって前記電動役物が作動開始されていないタイミングであり、
前記報知手段は、前記球検出手段が所定数の遊技球を検出した場合に前記報知をおこなう、
ことを特徴とする遊技機。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、不正行為の早期発見を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図3】遊技機の主制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図4】遊技機のサブ制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図5】メインROMおよびメインRAMを説明するための図である。
【
図6】サブROMおよびサブRAMを説明するための図である。
【
図7】遊技機において使用される各種の乱数を説明するための図である。
【
図8】判定テーブルT1~T4を説明するための図である。
【
図9】大当たり種別判定テーブルT5の説明図である。
【
図10】非時短状態時の変動パターン判定テーブルT6の説明図である。
【
図11】時短状態時の変動パターン判定テーブルT6の説明図である。
【
図12】電チュー開放パターン判定テーブルT7の説明図である。
【
図13】大入賞口開放パターン判定テーブルT8の説明図である。
【
図14】V開閉部材開放パターン判定テーブルT9の説明図である。
【
図15】主制御メイン処理のフローチャートである。
【
図16】メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図17】始動口センサ検出処理のフローチャートである。
【
図18】特
図2事前判定処理のフローチャートである。
【
図19】特
図1事前判定処理のフローチャートである。
【
図22】特別図柄待機処理のフローチャートである。
【
図23】大当たり判定処理のフローチャートである。
【
図24】変動パターン選択処理の第1のフローチャートである。
【
図25】変動パターン選択処理の第2のフローチャートである。
【
図26】特別図柄変動中処理のフローチャートである。
【
図27】特別図柄確定処理のフローチャートである。
【
図28】遊技状態管理処理のフローチャートである。
【
図29】遊技状態リセット処理のフローチャートである。
【
図30】特別電動役物処理のフローチャートである。
【
図31】V開閉部材動作処理のフローチャートである。
【
図32】遊技状態設定処理のフローチャートである。
【
図33】V領域センサ検出処理のフローチャートである。
【
図35】入賞有効時間判定処理のフローチャートである。
【
図36】各種エラー検出報知処理のフローチャートである。
【
図37】遊技機の各種エラーを説明するための図である。
【
図38】
図37の遊技機の各種エラーのつづきを説明するための図である。
【
図39】サブ制御メイン処理を示すフローチャートである。
【
図40】サブ側タイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図41】受信コマンド解析処理のフローチャートである。
【
図42】異常入賞報知処理のフローチャートである。
【
図43】異常入賞報知態様テーブルT55の説明図である。
【
図45】普通電動役物の開放開始から開放終了しインターバル時間経過までの間に第2始動口21に所定の球数を超える入球があった場合における報知の演出例を説明するための説明図である。
【
図46】非時短において普通電動役物の開放開始から入賞有効時間が経過したあと第2始動口21への入球があった場合における報知の演出例を説明するための説明図である。
【
図47】時短において普通電動役物の開放開始から入賞有効時間が経過したあと第2始動口21への入球があった場合における報知の演出例を説明するための説明図である。
【
図48】普通電動役物未作動時に第2始動口21への入球があった場合における報知の演出例を説明するための説明図である。
【
図49】入賞エラーが発生してから第2始動口21への入球が1球以上あった場合における報知の演出例を説明するための説明図である。
【
図50】普通電動役物入賞エラーの変形例を説明するための図である。
【
図51】段階的に警告が厳しくなる異常入賞報知処理(変形例)を示すフローチャートである。
【
図52】段階的に警告が厳しくなる異常入賞報知態様テーブルT55(変形例)の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1実施形態>
1.遊技機の構造
図1は、本発明の一実施形態としての遊技機1の正面図である。以下では、遊技機1の左右方向を、遊技機1に対面する遊技者から見た左右方向に一致させて説明する。また、遊技機1の前方向は、遊技機1から遊技者に向かう方向として説明し、遊技機1の後方向は、遊技者から遊技機1に向かう方向として説明する。
【0012】
遊技機1は、遊技者の発射操作に基づいて遊技球を発射させ、特定の入賞装置に遊技球が入賞すると、その入賞に基づいて所定数の遊技球を遊技者に払い出すパチンコ遊技機である。遊技機1は、遊技機枠50と、遊技盤2とを備え、遊技機枠50の内側に遊技盤2が取り付けられている。遊技機枠50は、前枠(前枠部)53のほか、遊技機の外郭部を形成する外枠(基枠部)と、外枠の内側において遊技盤2が取り付けられる内枠と、を備えている。前枠(前枠部)53は、外枠および内枠の前方側に配置される縦長方形状のユニットであり、ハンドル60と、打球供給皿(上皿)61と、余剰球受皿(下皿)62と、演出ボタン63と、サブ表示画面64(右サブ表示画面64R、左サブ表示画面64L、および、上サブ表示画面64U)と、剣部材65と、枠ランプ66と、スピーカ67と、枠可動体69と、を備えている。前枠53の中央には開口部が形成されており、開口部を介して、遊技盤2の遊技領域3を視認することができる。
【0013】
ハンドル60は、前枠53の右側の下端に配置され、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させる。ハンドル60の右側と左側には、可動式のいわゆるギミックである枠可動体69(枠可動役物69とも呼ぶ)が設けられている。枠可動体69は、ハンドル60の左右のそれぞれに配置された2つの部材が左右方向に移動可能に構成されている。2つの部材のそれぞれは、柔軟性のある平板状の部材で形成されており、主面がハンドル60に近づいたり遠ざかったりするように構成されている。枠可動体69は、通常時はハンドル60の左側と右側においてそれぞれハンドル60から遠ざかった退避位置(
図1)で静止しており、退避位置からハンドル60に向かって互いに近接するように移動(進出)してハンドル60に触れる位置で静止することができる。枠可動体69は、進出位置のとき、ハンドル60またはハンドル60を操作中の遊技者の右手に触れる。
【0014】
打球供給皿(上皿)61は、前枠53の下方に設けられ、遊技球を貯留する。余剰球受皿(下皿)62は、打球供給皿(上皿)61の下方に配置され、打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する。演出ボタン63は、打球供給皿(上皿)61の近傍に配置された操作部であり、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者によって操作(押圧)される。演出ボタン63の内側には振動モータが配置されており、演出等に応じてボタン自体が上下左右に振動するように構成されている。剣部材65は、剣の形を模した操作部であり、遊技の進行に伴って実行される演出時等に遊技者が下方向に押し込むことができる。剣部材65は、剣部材65全体を下方に押し込む第1の操作と、剣部材65全体を上方に押し上げる第2の操作を実行可能に構成されている。サブ表示画面64は、液晶表示装置の画面であり、右サブ表示画面64Rと、左サブ表示画面64Lと、上サブ表示画面64Uとを含んでいる。右サブ表示画面64Rは、前枠53の右側に設けられ、左サブ表示画面64Lは、前枠53の左側に設けられ、上サブ表示画面64Uは、前枠53の上側に設けられている。右サブ表示画面64Rと、左サブ表示画面64Lは、遊技盤2を介して対となる位置に配置されている。上サブ表示画面64Uは、遊技盤2の上方に配置されている。右サブ表示画面64Rと、左サブ表示画面64Lと、上サブ表示画面64Uは、前枠53の開口部を囲むように配置されている。サブ表示画面64は、液晶表示装置であってもよいし、有機EL表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクター、ドットマトリクスなどの他の画像表示装置であってもよい。枠ランプ66は、右枠ランプと、左枠ランプとを含んでおり、前枠53の上方に配置され、遊技中などに発光演出をおこなう。右枠ランプは、上サブ表示画面64Uと右サブ表示画面64Rとの間に配置された斜め線状の発光部である。左枠ランプは、上サブ表示画面64Uと左サブ表示画面64Lとの間に配置された斜め線状の発光部である。スピーカ67は、前枠53の左上方と右上方に配置され、遊技中などに音演出をおこなう。
【0015】
遊技盤2は、遊技領域3と、レール部材4と、盤ランプ5と、画像表示装置7と、第1盤可動体14と、第2盤可動体15と、固定入賞装置(ヘソ)19と、普通可変入賞装置(電チュー)22と、ゲート(スルーチャッカー)28と、第1大入賞装置(第1アタッカー)31と、第2大入賞装置(第2アタッカー)36と、大入賞口開放始動口17と、一般入賞口27(普通入賞口27)と、アウト口16と、表示器類40と、を備えている。
【0016】
遊技領域3は、ハンドル60の操作によって発射された遊技球が流下する領域であり、遊技球を誘導する複数の遊技釘が突設されている。レール部材4は、遊技領域3の左側端部に配置され、ハンドル60の操作によって発射された遊技球を遊技領域3の上方に向けて誘導する。盤ランプ5は、遊技領域3の背面側に配置され、遊技領域3の背面側から光を照射する。ここでは、盤ランプ5のうちの一部は、右枠ランプ、および、左枠ランプと接続され、形態や発光が連続するように構成されている。
【0017】
画像表示装置7は、遊技領域3の中央付近に設けられ、表示画面7aを備えている。画像表示装置7は、液晶表示装置であってもよいし、有機EL表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクター、ドットマトリクスなどの他の画像表示装置であってもよい。画像表示装置7の表示画面7aは、演出図柄(装飾図柄)8L、8C、8Rが可変表示(変動表示ともいう)される演出図柄表示領域と、保留画像9A、9Bが表示される保留画像表示領域と、保留消化画像9Cが表示される保留消化画像表示領域(当該保留表示領域)と、を有している。保留画像9A、9Bは、保留を表す画像であり、保留アイコン9A,9Bとも呼ぶ。保留消化画像9Cは、当該保留を表す画像であり、当該保留画像9C、当該保留アイコン9C、当該変動アイコン9C、変動アイコン9Cとも呼ぶ。当該保留アイコン9Cも単に保留アイコンと呼ぶ場合がある。
【0018】
演出図柄表示領域は、「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアを含んでいる。左の図柄表示エリアには左演出図柄(左装飾図柄)8Lが表示される。中の図柄表示エリアには中演出図柄(中装飾図柄)8Cが表示される。右の図柄表示エリアには右演出図柄(右装飾図柄)8Rが表示される。演出図柄8L、8C、8Rは、例えば「1」~「9」までの数字を表した複数の図柄によって構成されている。演出図柄8L、8C、8Rの変動表示は、後述する第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示と同期している。画像表示装置7は、左、中、右の図柄表示エリアに表示する演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bによって表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(大当たり抽選結果)を、遊技者にわかりやすく表示することができる。
【0019】
例えば、大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。遊技者は、大当たり抽選結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bのほか、画像表示装置7によって把握することができる。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、上下方向にスクロールする態様であってもよいしそれ以外の態様であってもよい。各抽選結果に応じてどのような演出図柄の組み合わせを停止表示するかは上記に限定されず任意に設定することができる。以後、演出図柄8L、8C、8Rを表示する演出を「演出図柄の変動演出」、「装飾図柄の変動演出」または、単に「変動演出」「変動表示」とも呼ぶ。なお、この装飾図柄の変動演出は、特別図柄が変動開始してから停止するまでの期間(特別図柄変動期間とも呼ぶ)における演出を1回の変動演出(1サイクルの変動演出)としてカウントする。従って、特別図柄が変動開始してから停止するまでの期間に、装飾図柄を仮停止させる場合があったとしても、当該仮停止の演出は、装飾図柄の変動演出に含まれる。
【0020】
画像表示装置7は、演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技(特別遊技の一例)に並行しておこなわれる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示することができる。演出図柄変動演出では、演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出画像も表示されてもよい。また、画像表示装置7は、演出図柄に加え、特別図柄が変動中であることを示唆したり、特別図柄の抽選結果を示唆したりすることが可能な識別表示(第四図柄、図示省略)を、表示画面7aに表示してもよい。なお、識別表示(第四図柄)は、遊技領域3に設けられたLEDなどの発光器によって表示させてもよい。
【0021】
保留画像表示領域は、後述の第1特図保留の記憶数に応じて保留画像9Aを表示する第1保留表示エリアと、後述の第2特図保留の記憶数に応じて保留画像9Bを表示する第2保留表示エリアとを含んでいる。保留画像9A、9Bの表示によって、後述の第1特図保留表示器43aに表示される第1特図保留の記憶数と、第2特図保留表示器43bに表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく表示することができる。保留消化画像表示領域は、保留消化画像9Cを表示する保留消化表示エリアを含んでいる。保留消化画像9Cは、表示画面7aまたは表示画面7bで現在変動中の演出図柄(演出図柄8L、8C、8R)に対応しており、保留消化画像9Cの表示によって、第1特図保留または第2特図保留が消化(後述の「特図保留の消化」)されることを、遊技者にわかりやすく表示することができる。
【0022】
画像表示装置7の左側には、可動式のいわゆるギミックである第1盤可動体14(第1可動役物14とも呼ぶ)が設けられている。第1可動役物14は、縦長の棒状の部材が画像表示装置7の前方(前面)において左右方向に移動可能に構成されている。第1可動役物14は、通常時は画像表示装置7の左側の退避位置(
図1)で静止しており、退避位置から表示画面7aの右端に向かって移動(進出)して表示画面7aの前方の任意の進出位置で静止することができる。第1可動役物14は、画像表示装置7の縦方向とほぼ同じ長さに形成されており、進出位置で画像表示装置7の一部を上方から下方まで覆う。
【0023】
画像表示装置7の上方側には、可動式のいわゆるギミックである第2盤可動体15(第2可動役物15とも呼ぶ)が設けられている。第2可動役物15は、「OARO」と記載された矩形形状の部材(装飾部)が上下方向に移動可能に構成されている。第2可動役物15は、通常時は画像表示装置7の上方の退避位置(
図1)で静止しており、退避位置から表示画面7aの中央に向かって下方に移動(進出)して表示画面7aの前方の進出位置で静止することができる。第2可動役物15は、進出位置で停止したとき画像表示装置7の一部を覆う。
【0024】
画像表示装置7の下部には、ステージ部11が形成されている。ステージ部11は、ステージ部11の上面を転動する遊技球を後述の第1始動口20へと誘導可能な形状を有している。画像表示装置7の左下方には、ワープ部12が設けられている。ワープ部12は、遊技球が流入する入口部と遊技球が流出する出口部とを備え、入口部から流入した遊技球を出口部からステージ部11に流出させる。
【0025】
固定入賞装置(ヘソ)19は、遊技領域3における画像表示装置7の下方に配置され、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(第1始動入賞口、第1入球口、固定始動口)20を備えている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。言い換えれば、第1始動口20への遊技球の入賞は、大当たり乱数等の取得および大当たり判定等の契機となっている。
【0026】
普通可変入賞装置(電チュー)22は、普通電動役物22とも呼ぶ。普通可変入賞装置(電チュー、普通電動役物)22は、遊技領域3における第1始動口20の下方に配置され、第2始動口(第2始動入賞口、第2入球口、可変始動口)21を備えている。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。電チュー(普通電動役物)22は、第2始動口21の前方に一対の開閉翼部材である可動部材23を備えており、可動部材23の作動によって受入口である第2始動口21を開閉する。可動部材23は、電気的駆動源である電チューソレノイド24(
図3)によって駆動される。第2始動口21は、可動部材23が開状態のとき遊技球が入球可能であるのに対して、可動部材23が閉状態のとき遊技球が入球困難となる。電チューソレノイド24の通電時(ON)には、電チューソレノイド24のバネの復元力に抗してプランジャを移動させて一対の開閉翼部材である可動部材23が閉状態から開状態となり、第2始動口21への遊技球を受け入れる受入口の大きさが拡大されるのに対して、電チューソレノイド24の非通電時(OFF)には、電チューソレノイド24のバネの復元力によりプランジャが元の位置へ移動して一対の開閉翼部材である可動部材23が閉状態となり、第2始動口21への遊技球を受け入れる受入口の大きさが縮小される。なお、電チュー(普通電動役物)22は、可動部材23が開状態のときの方が閉状態のときよりも第2始動口21への入球が容易であればよく、閉状態のときに第2始動口21への入球が可能であってもよい。また、電チュー(普通電動役物)22の可動部材23として、一対の開閉翼部材に代えてスライド移動する板状の開閉板部材としてもよい。このスライド移動する方式では、電チューソレノイド24の通電時(ON)には、電チューソレノイド24のバネの復元力に抗してプランジャを移動させて板状の開閉板部材である可動部材23がスライド移動して閉状態から開状態となるのに対して、電チューソレノイド24の非通電時(OFF)には、電チューソレノイド24のバネの復元力によりプランジャが元の位置へ移動して板状の開閉板部材である可動部材23が閉状態となる。
【0027】
ゲート(スルーチャッカー)28は、遊技領域3における第1大入賞装置(第1アタッカー)31の上方に配置されており、遊技球が通過可能に構成されている。ゲート28への遊技球の通過(入球)は、電チュー(普通電動役物)22を開放するか否かを決定する普通図柄抽選の契機となっている。言い換えれば、ゲート28への遊技球の通過は、普通図柄乱数(当たり乱数)の取得および当たり判定等の契機となっている。
【0028】
ここで、「特別図柄の抽選」とは、第1始動口20または第2始動口21に遊技球が入賞したときに、特別図柄判定用の乱数を取得し、この取得した乱数を予め定められた「大当たり」に対応する値と比較することにより、大当たりか否かを判定する処理をいう。この「大当たり」の抽選結果は即座に遊技者に報知されるわけではなく、後述の第1特別図柄表示器41aまたは第2特別図柄表示器41bにおいて特別図柄の変動表示がおこなわれ、所定の変動時間を経過したところで、抽選結果に対応する特別図柄が停止表示(確定表示)され、遊技者に抽選結果が報知される。画像表示装置7では、特別図柄の変動表示と同期して演出図柄を変動表示する図柄合わせゲームが行われ、この図柄合わせゲームによって、より効果的に大当りの抽選結果が遊技者に報知される。
【0029】
また、「普通図柄の抽選」とは、ゲート28を遊技球が通過したときに、普通図柄判定用の乱数を取得し、この取得した乱数を予め定められた「当り」に対応する値と比較することにより、当りか否かを判定する処理をいう。この普通図柄の抽選結果についても、ゲート28を遊技球が通過して即座に抽選結果が報知されるわけではなく、後述の普通図柄表示器42において普通図柄の変動表示がおこなわれ、所定の変動時間を経過したところで、抽選結果に対応する普通図柄が確定表示(点灯または消灯)され、遊技者に抽選結果が報知される。
【0030】
第1大入賞装置(第1アタッカー、第1特別可変入賞装置)31は、第1特別電動役物31とも呼ぶ。第1大入賞装置(第1アタッカー、第1特別可変入賞装置、第1特別電動役物)31は、遊技領域3における第1始動口20の右上方に配置され、第1大入賞口(第1特別入賞口)30と、V領域39と、非V領域70と、V開閉部材71とを備えている。第1大入賞口30は、スイング式の開閉動作により遊技球の受け入れを許容または阻害する開閉部材(第1特別入賞口開閉部材)32を備えている。開閉部材32は、電気的駆動源である第1大入賞口ソレノイド33(
図3)によって駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態のとき遊技球が入球可能となる。
【0031】
第1大入賞装置31は内部に、V領域(特定領域)39と、V領域センサ39a(
図3)と、非V領域(非特定領域)70と、非V領域センサ70a(
図3)と、第1大入賞口センサ30a(
図3)と、V開閉部材71と、電気的駆動源であるV開閉部材ソレノイド73(
図3)と、を備えている。V領域(特定領域)39および非V領域(非特定領域)70は、第1大入賞装置31の内部において、第1大入賞口30を通過した遊技球が通過可能な領域として構成されている。第1大入賞口センサ30aは、V領域39および非V領域70の上流に配置され、第1大入賞口30への遊技球の入賞を検知する。V領域センサ39aは、V領域39に配置され、V領域39への遊技球の通過を検知する。非V領域センサ70aは、非V領域70に配置され、非V領域70への遊技球の通過を検知する。V開閉部材71は、第1大入賞口30を通過した遊技球をV領域39または非V領域70のいずれかに振り分ける。V開閉部材ソレノイド73は、V開閉部材71を駆動する。V開閉部材71は、回転移動(遊技盤2に対して時計回りおよび反時計回り)するように構成され、V開閉部材ソレノイド73の通電時には、原点位置から反時計回りに回転して遊技球をV領域39に振り分ける第1の状態(回動状態)となり、V開閉部材ソレノイド73の非通電時には、原点に位置して遊技球を非V領域70に振り分ける第2の状態(停止状態)となる。なお、V開閉部材71は、回転移動に限らず、第1大入賞口30を通過した遊技球をV領域39または非V領域70のいずれかに振り分ける機能を有しておればよく、例えば、遊技盤2に対して左右方向に移動するように構成してもよい。すなわち、V開閉部材ソレノイド73の通電時には、遊技球をV領域39に振り分ける退避状態(第1の状態)となり、V開閉部材ソレノイド73の非通電時には、遊技球を非V領域70に振り分ける進出状態(第2の状態)となるように構成してもよい。なお、遊技機1では、V領域39への遊技球の通過が後述の高確率状態への移行の契機となっている。つまり、V領域39は、確変作動口となっている。一方、非V領域70は、確変作動口となっていない。本実施形態の第1大入賞装置31は、さらに、第1大入賞装置31から排出される遊技球数を計数する第1大入賞装置排出センサ(図示しない)を備えている。第1大入賞装置排出センサは、V領域39と非V領域70が下流で合流した地点に設けられており、V領域センサ39aまたは非V領域センサ70aを通過した遊技球数を計数する。
【0032】
第2大入賞装置(第2アタッカー、第2特別可変入賞装置)36は、第2特別電動役物36とも呼ぶ。第2大入賞装置(第2アタッカー、第2特別可変入賞装置、第2特別電動役物)36は、遊技領域3における第1大入賞口30の右上方に配置され、第2大入賞口(第2特別入賞口)35を備えている。第2大入賞口35は、スイング式の開閉動作により遊技球の受け入れを阻害または許容する開閉部材(第2特別入賞口開閉部材、可動部材)37を備えている。開閉部材37は、電気的駆動源である第2大入賞口ソレノイド38(
図3)によって駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開状態のとき遊技球が入球可能となる。
【0033】
大入賞口開放始動口17は、遊技領域3における第1大入賞口30の上方に配置され、遊技球の通過時に、第1大入賞口30が開放される。ただし、遊技機1は、大入賞口開放始動口17を備えていなくてもよい。
【0034】
一般入賞口27は、遊技領域3の下部に設けられている。アウト口16は、遊技領域3の下部に設けられており、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3の外へ排出する。表示器類40は、遊技盤2の右側中央付近に配置されている。表示器類40の詳細については後述する。一般入賞口29は、遊技領域3の右下部であって、第1大入賞口30の右側に隣接して配置されている。
【0035】
遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域3Aと、右側の右遊技領域3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打ち方を「左打ち」と呼ぶ。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打ち方を「右打ち」と呼ぶ。遊技機1では、左打ちにて第1始動口20への入賞を狙うことができる。一方、右打ちにてゲート28への通過、第2始動口21、第1大入賞口30、および、第2大入賞口35への入賞が狙うことができるように構成されている。
【0036】
図2は、表示器類40の拡大図である。表示器類40は、第1特別図柄表示器41aと、第2特別図柄表示器41bと、普通図柄表示器42と、第1特図保留表示器43aと、第2特図保留表示器43bと、普図保留表示器44と、を含んでいる。第1特別図柄表示器41aは、第1特別図柄を可変表示する。第2特別図柄表示器41bは、第2特別図柄を可変表示する。普通図柄表示器42は、普通図柄を可変表示する。第1特図保留表示器43aは、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する。第2特図保留表示器43bは、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する。普図保留表示器44は、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する。第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機としておこなわれる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機としておこなわれる。以下では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して「特別図柄」とも呼ぶ。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して「特別図柄表示器41」とも呼ぶ。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して「特図保留表示器43」とも呼ぶ。
【0037】
特別図柄表示器41は、特別図柄(識別情報)を可変表示(変動表示)した後、停止表示することによって第1始動口20または第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄当たり抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当たり停止態様の特別図柄(大当たり図柄)である場合には、停止表示された大当たり図柄の種類(当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30または第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当たり遊技)がおこなわれる。なお、特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
【0038】
特別図柄表示器41は、横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって特別図柄当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示する。例えば、大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。特別図柄が停止表示される前には、所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示(可変表示)がなされる。変動表示の態様は、例えば、左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯してもよい。変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、上記態様に限定されず、任意の点灯態様とすることができる。例えば、変動表示の態様は、全LEDが一斉に点滅してもよい。
【0039】
遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報)は、特図保留記憶領域85(
図5)に一旦記憶される。具体的には、第1始動口20への入賞であれば、第1特図保留として第1特図保留記憶領域85a(
図5)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば、第2特図保留として第2特図保留記憶領域85b(
図5)に記憶される。各々の特図保留記憶領域85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本実施形態における上限値は、第1特図保留記憶領域85a、第2特図保留記憶領域85bともにそれぞれ4個となっている。特図保留記憶領域85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。「特図保留の消化」とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って、遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐにおこなえない場合、すなわち、特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができる。特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。第1特図保留表示器43aと第2特図保留表示器43bは、例えばそれぞれ4個のLEDで構成されている。各特図保留表示器43は、特図保留の数だけLEDを点灯させることによって特図保留の数を表示する。
【0040】
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機としておこなわれる。普通図柄表示器42は、普通図柄を可変表示(変動表示)した後、停止表示することによってゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。普図停止図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンに第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
【0041】
普通図柄表示器42は、2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば、抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。普通図柄が停止表示される前には、所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされる。変動表示の態様は、例えば、両LEDが交互に点灯してもよい。変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、上記態様に限定されず、任意の点灯態様とすることができる。例えば、変動表示の態様は、全LEDが一斉に点滅してもよい。
【0042】
遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶領域86(
図5)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶領域86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。普図保留記憶領域86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って、遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐにおこなえない場合、すなわち、普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができる。普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。普図保留表示器44は、例えば、4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることによって普図保留の数を表示する。
【0043】
2.遊技機の電気的構成
図3、
図4に基づいて、遊技機1の電気的構成について説明する。
図3は、遊技機1の主制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
図4は、遊技機1のサブ制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。遊技機1は、主制御基板80(
図3)と、サブ制御基板90(
図4)と、画像制御基板100(
図4)と、ランプ制御基板107(
図4)と、音声制御基板106(
図4)と、払出制御基板110(
図3)と、を備えている。主制御基板80は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御をおこなう遊技制御基板であり、メイン制御部を構成する。サブ制御基板90は、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御をおこなう演出制御基板であり、画像制御基板100、ランプ制御基板107、音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備えていれば構成可能である。
【0044】
主制御基板80は、遊技制御用マイコン81と、入出力回路87と、を備えている。遊技制御用マイコン81は、主制御基板80に実装されているワンチップマイコンであり、プログラムに従って遊技機1の遊技の進行を制御する。遊技制御用マイコン81は、遊技の進行を制御するためのプログラムなどを記憶するメインROM83と、ワークメモリとして使用されるメインRAM84と、メインROM83に記憶されているプログラムを実行するメインCPU82と、を含んでいる。メインROM83に記憶されているデータの詳細、および、メインRAM84に設けられている記憶領域の詳細については後述する。メインROM83は外付けROMとして構成されていてもよい。遊技制御用マイコン81は、入出力回路(I/Oポート部)87を介して他の基板等とデータの送受信をおこなう。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。
【0045】
主制御基板80には、入出力回路87および中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。主制御基板80は、各センサから出力された信号が入力するとともに、各ソレノイドに対して信号を出力する。中継基板88を介して接続されるセンサ類としては、大入賞口開放始動口センサ17a、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、V領域センサ39a、非V領域センサ70a、および、普通入賞口センサ27a、29aが例示される。中継基板88を介して接続されるソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、および、V開閉部材ソレノイド73が例示される。大入賞口開放始動口センサ17aは、大入賞口開放始動口17の内部に設けられ、大入賞口開放始動口17に入球した遊技球を検出する。第1始動口センサ20aは、第1始動口20の内部に設けられ、第1始動口20に入賞した遊技球を検出する。第2始動口センサ21aは、第2始動口21の内部に設けられ、第2始動口21に入賞した遊技球を検出する。ゲートセンサ28aは、ゲート28の内部に設けられ、ゲート28を通過した遊技球を検出する。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30の内部に設けられ、第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出する。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35の内部に設けられ、第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出する。V領域センサ39aは、第1大入賞口30の内部のV領域39に設けられ、V領域39を通過した遊技球を検出する。非V領域センサ70aは、第1大入賞口30の内部の非V領域70に設けられ、非V領域70を通過した遊技球を検出する。普通入賞口センサ27aは、普通入賞口27の内部に設けられ、普通入賞口27に入賞した遊技球を検出する。普通入賞口センサ29aは、普通入賞口29の内部に通過した遊技球を検出する。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動する。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動する。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動する。V開閉部材ソレノイド73は、第1大入賞装置31のV開閉部材71を駆動する。
【0046】
主制御基板80には、入出力回路87を介して表示器類40が接続されている。遊技制御用マイコン81は、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44についての表示制御おこなう。
【0047】
主制御基板80には、入出力回路87を介して払出制御基板110が接続されている。主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120と、貸球払出装置130と、カードユニット135と、が接続され、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。賞球払出装置120は、賞球の払い出しをおこなう。払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しをおこなう。払い出される賞球は、計数のために賞球センサ122(「計数スイッチ」ともいう)によって検知される。貸球払出装置130は、貸球の払い出しをおこなう。払出制御基板110は、遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、貸球払出装置130の貸球モータ131を駆動して貸球の払い出しをおこなう。払い出される貸球は、計数のために貸球センサ132によって検知される。カードユニット135は、遊技機1に隣接して配置され、挿入されたプリペイドカードなどの情報に基づいて球貸に関する情報を出力する。また、払出制御基板110は、遊技機1の状態を表示する状態表示器110a(状態表示器110aは、7つのセグメントから構成された表示器であり、いわゆる7セグメントディスプレイ(表示器)である。)が設けられている。なお、払出制御基板110にエラー解除スイッチを設けて、ホールの店員等の係員がエラー解除スイッチを押圧操作することで、状態表示器110aに表示されているエラーを解除するようにしてもよい。発射装置112は、ハンドル60(
図1)と、発射モータ113と、タッチスイッチ114と、発射ボリューム115と、を備えている。発射装置112は、遊技者によるハンドル60の操作があった場合に、タッチスイッチ114によってハンドル60の接触を検知し、発射ボリューム115によってハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるように発射モータ113を駆動する。
【0048】
主制御基板80には、入出力回路87を介してサブ制御基板90(
図4)が接続されている。主制御基板80は、サブ制御基板90に対して各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
【0049】
サブ制御基板90は、演出制御用マイコン91と、入出力回路95と、を備えている。演出制御用マイコン91は、サブ制御基板90に実装されているワンチップマイコンであり、プログラムに従って遊技機1の遊技の演出を制御する。演出制御用マイコン91は、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶するサブROM93と、ワークメモリとして使用されるサブRAM94と、サブROM93に記憶されているプログラムを実行するサブCPU92と、を含んでいる。サブROM93に記憶されているデータの詳細、および、サブRAM94に設けられている記憶領域の詳細については後述する。サブROM93は外付けROMとして構成されていてもよい。演出制御用マイコン91は、入出力回路(I/Oポート部)95を介して他の基板等とデータの送受信をおこなう。入出力回路95は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。サブ制御基板90には、入出力回路95を介して、画像制御基板100と、音声制御基板106と、ランプ制御基板107と、中継基板108と、が接続されている。
【0050】
画像制御基板100は、画像制御用マイコン101と、入力回路105aと、出力回路105bとを備えている。画像制御用マイコン101は、画像制御基板100に実装されているワンチップマイコンであり、プログラムに従って画像表示装置7やサブ表示画面64の表示制御をおこなう。画像制御用マイコン101は、CPU102と、ROM103と、RAM104とを含んでいる。ROM103には、表示制御をおこなうためのプログラムのほか、画像表示装置7やサブ表示画面64に表示される静止画データや動画データ、具体的には、キャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。RAM104は、画像データを展開するためのメモリとして使用される。CPU102は、ROM103に記憶されているプログラムを実行する。演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御用マイコン101に画像表示装置7やサブ表示画面64の表示制御をおこなわせる。画像制御用マイコン101は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出し、読み出した画像データに基づいて表示制御をおこなう。
【0051】
音声制御基板106には、スピーカ67が接続されており、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力させる。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のサブROM93に格納されている。なお、音声制御基板106は、CPUを実装していてもよく、そのCPUにコマンドに基づく音声制御を実行させてもよい。さらに、音声制御基板106は、ROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらに、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
【0052】
ランプ制御基板107には、枠ランプ66と、盤ランプ5と、第1可動役物14と、第2可動役物15と、枠可動役物69と、が接続されており、これらを制御する。演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御をおこなう。つまり、演出制御用マイコン91は、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66や盤ランプ5などのランプの発光を制御する。発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のサブROM93に格納されているデータが用いられる。演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、第1可動役物14、第2可動役物15、および、枠可動役物69を動作させる。演出制御用マイコン91は、第1可動役物14、第2可動役物15、および、枠可動役物69のそれぞれの動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データ)を作成し、動作パターンデータに従って第1可動役物14、第2可動役物15、および、枠可動役物69の動作を制御する。動作パターンデータの作成にはサブROM93に格納されているデータを用いる。なお、ランプ制御基板107は、CPUを実装していてもよく、そのCPUにコマンドに基づくランプの点灯制御や可動役物14、15の動作制御を実行させてもよい。この場合、ランプ制御基板107はROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
【0053】
中継基板108には、演出ボタン検出スイッチ63aと、セレクトボタン検出スイッチ68aと、が接続されている。演出ボタン検出スイッチ63aは、演出ボタン63(
図1)が押下操作されたことを検出する。演出ボタン63が押下されると、演出ボタン検出スイッチ63aから、中継基板108を介してサブ制御基板90にスイッチ信号が出力される。また、演出ボタン検出スイッチ63aには振動モータが取り付けられており、中継基板108からの信号に応じて駆動し、演出ボタン63を振動させることができる。セレクトボタン検出スイッチ68aは、セレクトボタン68が押下操作されたことを検出する。なお、中継基板108には、ほかに、剣部材65が捜査されたことを検出する剣部材検出スイッチも接続されている。
【0054】
3.遊技機のデータ構成
図5、
図6に基づいて、遊技機1のデータ構成について説明する。
図5(A)は、メインROM83に記憶されているテーブルを説明するための図である。
図5(B)は、メインRAM84に設けられている記憶領域を説明するための図である。
図6(A)は、サブROM93に記憶されているテーブルを説明するための図である。
図6(B)は、サブRAM94に設けられている記憶領域を説明するための図である。
【0055】
メインROM83(
図5(A))には、大当たり判定テーブルT1と、リーチ判定テーブルT2と、普通図柄当たり判定テーブルT3と、普通図柄変動パターン判定テーブルT4と、大当たり種別判定テーブルT5と、変動パターン判定テーブルT6と、電チュー開放パターン判定テーブルT7と、大入賞口開放パターン判定テーブルT8と、V開閉部材開放パターン判定テーブルT9と、が格納されている。これらの判定テーブルは、遊技制御用マイコン81が実行する主制御メイン処理(後述)において、遊技制御用マイコン81によって参照される。各判定テーブルの具体的な内容については後述する。
【0056】
メインRAM84(
図5(B))には、コマンドセット領域84aと、フラグセット領域84bと、カウンタセット領域84cと、特別動作ステータスセット領域84dと、特図保留記憶領域85と、普図保留記憶領域86とが設けられている。コマンドセット領域84aは、主制御メイン処理(後述)において、メイン制御部側からサブ制御部側に出力されるコマンドがセットされる領域(出力バッファ)であり、事前判定コマンド、保留球数コマンド、変動開始コマンド、変動停止コマンド、オープニングコマンド、ラウンド指定コマンド、エンディングコマンド、遊技状態指定コマンド、V通過コマンド、異常入賞コマンド、客待ち待機コマンドなどがセットされる。フラグセット領域84bは、主制御メイン処理(後述)において、遊技機の状態や遊技状態を示すフラグがセットされる領域であり、大当たりフラグ、大当たり終了フラグ、第1入賞フラグ、第2入賞フラグ、インターバルフラグ、異常入賞監視フラグ、天井フラグ、Vフラグ、確変フラグ、時短フラグ、入賞エラーフラグ、各種エラー報知フラグ(例えば、主-払出異常エラー報知フラグ、球切れエラー報知フラグ、球詰まりエラー報知フラグ、計数スイッチエラー報知フラグ(賞球センサエラー報知フラグ)、満タンエラー報知フラグ、ヒューズ切れエラー報知フラグ、前枠及び内枠開放エラー報知フラグ、スイッチ未接続等エラー報知フラグ、磁気センサエラー報知フラグ、普通電動役物入賞エラー報知フラグ、大入賞口入賞エラー報知フラグ)などがセットされる。カウンタセット領域84cは、主制御メイン処理(後述)において使用されるカウンタがセットされる領域であり、乱数カウンタ、ラウンドカウンタ、天井カウンタ、確変カウンタ、時短カウンタ、第2始動口入球カウンタなどがセットされる。特別動作ステータスセット領域84dは、後述する特別動作処理におけるステータスがセットされる領域である。特図保留記憶領域85は、第1特図保留が記憶される第1特図保留記憶領域85aと、第2特図保留が記憶される第2特図保留記憶領域85bとを含んでいる。第1特図保留記憶領域85aには、第1特図保留の1個目、2個目、3個目、4個目にそれぞれ対応する特別図柄当たり乱数等の乱数値群(保留情報)を記憶するための第1記憶領域、第2記憶領域、第3記憶領域、第4記憶領域が設けられている。第2特図保留記憶領域85bには、第2特図保留の1個目、2個目、3個目、4個目にそれぞれ対応する乱数値群(保留情報)を記憶するための第1記憶領域、第2記憶領域、第3記憶領域、第4記憶領域が設けられている。普図保留記憶領域86は、普図保留の1個目、2個目、3個目、4個目にそれぞれ対応する普通図柄乱数(あたり乱数)等の乱数値群(保留情報)を記憶するための第1記憶領域、第2記憶領域、第3記憶領域、第4記憶領域が設けられている。なお、メインRAM84には、上記の領域の他に、特図停止図柄データがセットされる当たり種別セットバッファや、可動役物14、15や枠可動体600を駆動させるための駆動データがセットされる駆動データバッファ等が設けられている。メインRAM84に記憶されている情報は、遊技機1の電源のOFF、ONによってもクリアされずそのまま維持される。すなわち、上記のコマンド、フラグ、カウンタ、ステータス情報、保留情報については、電源のOFF、ONによっても状態が変わらず、情報が維持される。なお、異常入賞監視フラグは、遊技機1の電源のONによって、初期化されて初期状態として、初期値である「ON」がセットされ、インターバルフラグ、入賞エラーフラグ、各種エラー報知フラグは、遊技機1の電源のONによって、初期化されて初期状態として、初期値である「OFF」がセットされ、第2始動口入球カウンタは、遊技機1の電源のONによって、初期化されて初期状態として、初期値である「0」がセットされるようになっている。一方、メインRAM84に記憶されている情報は、遊技機1のラムクリアによってリセットされる。リセットされると、初期化されてフラグの初期状態として、異常入賞監視フラグは初期値である「ON」にセットされ、天井フラグは「ON」にセットされ、インターバルフラグ、入賞エラーフラグ、各種エラー報知フラグやその他のフラグは初期値である「OFF」にセットされる。また、リセットされると、初期化されてカウンタの初期状態として、天井カウンタには初期値である「500」がセットされ、第2始動口入球カウンタやその他のカウンタには初期値である「0」がセットされる。
【0057】
サブROM93(
図6(A))には、先読み演出パターン決定テーブルT51と、基幹演出パターン決定テーブルT52と、チャンスアップ演出パターン決定テーブルT53と、停止図柄パターン決定テーブルT54と、異常入賞報知態様テーブルT55と、が格納されている。これらの決定テーブルは、演出制御用マイコン91が実行するサブ制御メイン処理(後述)において、演出制御用マイコン91によって参照される。各決定テーブルの具体的な内容については後述する。
【0058】
サブRAM94(
図6(B))には、コマンド記憶領域94aと、演出コマンドセット領域94bと、事前判定情報記憶領域94cと、カウンタセット領域94dと、が設けられている。コマンド記憶領域94aは、サブ制御メイン処理(後述)において、メイン制御部側から入力されたコマンドが記憶される領域(入力バッファ)であり、事前判定コマンド、保留球数コマンド、変動開始コマンド、変動停止コマンド、オープニングコマンド、ラウンド指定コマンド、エンディングコマンド、遊技状態指定コマンド、V通過コマンド、異常入賞コマンド、客待ち待機コマンドなどが格納される。演出コマンドセット領域94bは、サブ制御メイン処理(後述)において、サブ制御基板90から画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107、中継基板108に出力されるコマンドがセットされる領域(出力バッファ)であり、変動演出開始コマンド、変動終了前コマンド、変動演出終了コマンド、オープニング演出開始コマンド、ラウンド演出開始コマンド、エンディング演出開始コマンド、異常入賞報知演出開始コマンドなどがセットされる。事前判定情報記憶領域94cは、サブ制御メイン処理(後述)において、事前判定情報が記憶される。カウンタセット領域94dは、サブ制御メイン処理(後述)において使用されるカウンタがセットされる領域であり、乱数カウンタ、第1特図保留演出カウンタ、第2特図保留演出カウンタ、普図保留演出カウンタ、天井演出カウンタ、確変演出カウンタ、時短演出カウンタなどがセットされる。サブRAM94に記憶されている情報は、遊技機1の電源のOFF、ONによってもクリアされずそのまま維持される。すなわち、上記のコマンド、カウンタ、事前判定情報については、電源のOFF、ONによっても状態が変わらず、情報が維持される。サブRAM94に記憶されている情報は、遊技機1のラムクリアによってリセットされる。リセットされると、カウンタの初期状態として、天井演出カウンタには500がセットされ、その他のカウンタには0がセットされる。
【0059】
図7は、遊技機1において使用される各種の乱数を説明するための図である。
図7(A)は、メイン制御部側の遊技制御用マイコン81が取得する乱数を示しており、
図7(B)は、サブ制御部側の演出制御用マイコン91が取得する乱数を示している。遊技制御用マイコン81は、「大当たり乱数」と、「大当たり種別乱数」と、「リーチ乱数」と、「変動パターン乱数」と、「普通図柄乱数(当たり乱数)」とを後述するタイミングにおいて取得するように構成されている。「大当たり乱数」は、大当たりか否かの抽選(大当たり判定)に用いられる乱数であり、0~65535までの範囲の値をとる。「大当たり種別乱数」は、当選した大当たりの種別の抽選(大当たり種別判定)に用いられる乱数であり、0~127までの範囲の値をとる。「リーチ乱数」は、大当たり判定がハズレである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決定するために用いられる乱数であり、0~127までの範囲の値をとる。リーチとは、複数の演出図柄(装飾図柄)のうち変動表示されている演出図柄が残り1つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば、「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で揺れているように表示されてもよい。「変動パターン乱数」は、変動時間を含む変動パターンを決定するために用いられる乱数であり、0~127までの範囲の値をとる。「普通図柄乱数(当たり乱数)」は、電チュー22を開放させる補助遊技をおこなうか否かの抽選(普通図柄抽選)に用いられる。普通図柄乱数は、0~255までの範囲の値をとる。「大当たり乱数」、「大当たり種別乱数」、「リーチ乱数」、「変動パターン乱数」は、始動口(第1始動口20または第2始動口21)への入球に基づいて取得される。第1始動口20への入球に基づいて取得された乱数値群は第1特図保留記憶領域85aに記憶され、第2始動口21への入球に基づいて取得された乱数値群は第2特図保留記憶領域85bに記憶される。「普通図柄乱数(当たり乱数)」は、ゲート28の通過に基づいて取得される。取得された普通図柄乱数値は、普図保留記憶領域86に記憶される。
【0060】
演出制御用マイコン91は、「先読み演出乱数」と、「チャンスアップ乱数」と、を後述するタイミングにおいて取得するように構成されている。「先読み演出乱数」は、変動演出時の先読み演出を決定するために用いられる乱数であり、0~127までの範囲の値をとる。「チャンスアップ乱数」は、変動演出時のチャンスアップ演出を決定するために用いられる乱数であり、0~127までの範囲の値をとる。「先読み演出乱数」は、メイン制御部側からサブ制御部側に事前判定コマンドが出力されたことに基づいて取得される。取得された乱数値群はサブRAM94に記憶される。「チャンスアップ乱数」は、メイン制御部側からサブ制御部側に変動開始コマンドが出力されたことに基づいて取得される。取得された乱数値はサブRAM94に記憶される。
【0061】
図8は、判定テーブルT1~T4を説明するための図である。
図8(A)には、大当たり判定テーブルT1を説明するための図が示され、
図8(B)には、リーチ判定テーブルT2を説明するための図が示され、
図8(C)には、普通図柄当たり判定テーブルT3を説明するための図が示され、
図8(D)には、普通図柄変動パターン判定テーブルT4を説明するための図が示されている。
【0062】
大当たり判定テーブルT1は、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、取得した大当たり乱数値(0~65535のいずれか)が「大当たり」に該当するか「ハズレ」に該当するかを判定するために参照されるテーブルである。
図8(A)では、「通常確率状態」において、大当たり乱数値が「0~164」の場合には、「大当たり」と判定され、大当たり乱数値が「0~164以外の数値(165~65535)」の場合には、「ハズレ」と判定されることが示されている。また、「高確率状態」において、大当たり乱数値が「0~649」の場合には、「大当たり」と判定され、大当たり乱数値が「0~649以外の数値(650~65535)」の場合には、「ハズレ」と判定されることが示されている。「通常確率状態」および「高確率状態」の内容については後述する。
【0063】
リーチ判定テーブルT2は、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、取得したリーチ乱数値(0~127のいずれか)が「リーチ有り」に該当するか「リーチ無し」に該当するかを判定するために参照されるテーブルである。
図8(B)では、「非時短状態」において、リーチ乱数値が「0~13」の場合には、「リーチ有り」と判定され、リーチ乱数値が「0~13以外の数値(14~127)」の場合には、「リーチ無し」と判定されることが示されている。また、「時短状態」において、リーチ乱数値が「0~5」の場合には、「リーチ有り」と判定され、リーチ乱数値が「0~5以外の数値(6~127)」の場合には、「リーチ無し」と判定されることが示されている。「時短状態」および「非時短状態」の内容については後述する。リーチ判定テーブルT2では、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されることで、特図保留の消化スピードを速めるためである。
【0064】
普通図柄当たり判定テーブルT3は、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、取得した普通図柄乱数値(0~255のいずれか)が「当たり」に該当するか「ハズレ」に該当するかを判定するために参照されるテーブルである。
図8(C)では、「非時短状態」において、普通図柄乱数値が「0~2」の場合には、「当たり」と判定され、普通図柄乱数値が「0~2以外の数値(3~255)」の場合には、「ハズレ」と判定されることが示されている。また、「時短状態」において、普通図柄乱数値が「0~254」の場合には、「当たり」と判定され、普通図柄乱数値が「0~254以外の数値(255)」の場合には、「ハズレ」と判定されることが示されている。
【0065】
普通図柄変動パターン判定テーブルT4は、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、遊技状態(非時短状態か時短状態か)に応じて、普通図柄の変動時間が何秒かを判定するために参照されるテーブルである。
図8(D)では、「非時短状態」のとき、普通図柄の変動時間は「30秒」と判定され、「時短状態」のとき、普通図柄の変動時間が「1秒」と判定されることが示されている。
【0066】
図9は、大当たり種別判定テーブルT5を説明するための図である。大当たり種別判定テーブルT5は、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、取得した大当たり種別乱数値(0~127のいずれか)に応じて、「大当たりの種別」と「特別図柄の種類」を判定するために参照されるテーブルである。
図9では、第1特別図柄(特
図1)の抽選において当選したとき、大当たり種別乱数値が「0~24」の場合には、大当たり種別が「16RV通過予定大当たり」と判定され、特
図1の停止図柄(特図停止図柄)が「大当たり図柄1」と判定される。大当たり種別乱数値が「25~49」の場合には、大当たり種別が「16RV通過予定大当たり」と判定され、特図停止図柄が「大当たり図柄2」と判定される。大当たり種別乱数値が「50~55」の場合には、大当たり種別が「16R(実質15R)V通過予定大当たり」と判定され、特図停止図柄が「大当たり図柄3」と判定される。大当たり種別乱数値が「56~67」の場合には、大当たり種別が「16R(実質13R)V通過予定大当たり」と判定され、特図停止図柄が「大当たり図柄4」と判定される。大当たり種別乱数値が「68~127」の場合には、大当たり種別が「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」と判定され、特図停止図柄が「大当たり図柄5」と判定される。一方、第2特別図柄(特
図2)の抽選において当選したとき、大当たり種別乱数値が「0~82」の場合には、大当たり種別が「16RV通過予定大当たり」と判定され、特
図2の停止図柄(特図停止図柄)が「大当たり図柄1」と判定される。大当たり種別乱数値が「83~127」の場合には、大当たり種別が「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」と判定され、特図停止図柄が「大当たり図柄5」と判定される。なお、大当たり種別判定テーブルT5を参照することによって、特図停止図柄に対応する「特図停止図柄データ」、特別遊技の「オープニング(OP)コマンド」、「ラウンド指定コマンド」、「エンディング(ED)コマンド」も特定することができる。「16RV通過予定大当たり」、「16R(実質15R)V通過予定大当たり」、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」および「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」の具体的な内容については後述する。
【0067】
図10は、非時短状態時の変動パターン判定テーブルT6を説明するための図である。
図11は、時短状態時の変動パターン判定テーブルT6を説明するための図である。変動パターン判定テーブルT6は、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、取得した変動パターン乱数値(0~127)に応じて、変動パターンを判定するために参照されるテーブルである。
図10では、例えば、非時短状態において第1始動口20に入賞し、大当たり判定テーブルT1において「ハズレ」と判定され、リーチ判定テーブルT2において「リーチ有り」と判定され、保留球数が「1~2」であり、変動パターン乱数値が「0~60」の場合には、変動パターンが「P7」と判定されることが示されている。
図11では、例えば、時短状態において第2始動口21に入賞し、大当たり判定テーブルT1において「大当たり」と判定され、大当たり種別判定テーブルT5において「16RV通過予定大当たり」と判定され、変動パターン乱数値が「0~10」の場合には、変動パターンが「P61」と判定されることが示されている。
図10,11に示されるように、変動パターンが決定されれば、変動時間も決定される。また、リーチになる場合に、そのリーチがノーマルリーチとなるのかスーパーリーチ(SPリーチ)となるのかも決定される。スーパーリーチとは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチ演出である。ここでは、変動時間の異なる5種類のスーパーリーチ(SP1、SP2、SP3,SP4,SP5)が設定されている。SP1~3では、ノーマルリーチを経て発展的に実行される。SP1~5の違いは、例えば、疑似連の有無であってもよい。
【0068】
図12は、電チュー開放パターン判定テーブルT7を説明するための図である。電チュー開放パターン判定テーブルT7は、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、遊技状態(非時短状態か時短状態か)に応じて、電チュー22の開放パターンを判定するために参照されるテーブルである。
図12(A)では、「非時短状態」のとき、電チュー22の開放パターンは「開放パターン11」と判定され、「時短状態」のとき、開放パターンは「開放パターン12」と判定されることが示されている。
図12(B)には、開放パターン11と開放パターン12の内容が示されている。開放パターン11では、開放回数1回、(ア)開放時間0.2秒、(イ)球ハケ時間1.0秒の電チュー22の開放をおこなう。開放パターン12では、開放回数が3回、(ア)1回あたりの開放時間2.0秒、(イ)球ハケ時間1.0秒、インターバル(開放間隔)1.0秒の電チュー22の開放をおこなう。開放パターン11と開放パターン12における(ア)開放時間は、電チューソレノイド24の通電時(ON)から電チューソレノイド24の非通電時(OFF)までの時間、つまり電チューソレノイド24が駆動開始されてから電チューソレノイド24が駆動終了されるまでの時間である「球受入可能時間」である。ただし、この電チュー22の開放は、予め定められた数の遊技球の入賞(規定入賞数、最大6個)があった場合、開放時間が残っていても閉鎖される。この場合、インターバル時間および球ハケ時間は、電チュー22が閉鎖されたタイミングから計時される。
【0069】
ここで、電チュー22の開放(つまり第2始動口21の前方に備える一対の開閉翼部材である可動部材23の開状態)による受入口である第2始動口21と第2始動口センサ21aとの間には物理的な距離がある。そこで、本実施形態では、電チュー22の閉鎖直前(第2始動口21の前方に備える一対の開閉翼部材である可動部材23の閉状態となる直前)に受入口である第2始動口21で受け入れた(受入口である第2始動口21に入球した)遊技球が第2始動口センサ21aによって検知されるまでの時間を考慮した「球ハケ時間」が設けられている。
【0070】
これにより、開放パターン11では、電チュー22の開放時から球ハケ時間が経過するまでに亘る入賞有効時間1.2秒(上記(ア)の開放時間0.2秒+上記(イ)の球ハケ時間1.0秒)以内に第2始動口センサ21aによって検知された第2始動口21で受け入れた(第2始動口21に入球した)遊技球を正常(有効)なものとして正常入賞とするのに対して、入賞有効時間1.2秒以外に(入賞有効時間1.2秒が終了してからあり得ない時間経過後に)第2始動口センサ21aによって検知された第2始動口21で受け入れた(第2始動口21に入球した)遊技球を異常なものとして異常入賞とする。
【0071】
また、開放パターン12では、電チュー22の開放時から球ハケ時間が経過するまでに亘る入賞有効時間3.0秒(上記(ア)の開放時間2.0秒+上記(イ)の球ハケ時間1.0秒)以内に第2始動口センサ21aによって検知された第2始動口21で受け入れた(第2始動口21に入球した)遊技球を正常(有効)なものとして正常入賞とするのに対して、入賞有効時間3.0秒以外に(入賞有効時間3.0秒が終了してからあり得ない時間経過後に)第2始動口センサ21aによって検知された第2始動口21で受け入れた(第2始動口21に入球した)遊技球を異常なものとして異常入賞とする。
【0072】
なお、本実施形態では、球ハケ時間として1.0秒としたが、第2始動口21と第2始動口センサ21aとの間には物理的な距離があるため、電チュー22の閉鎖直前(第2始動口21の前方に備える一対の開閉翼部材である可動部材23の閉状態となる直前)に受入口である第2始動口21で受け入れた(受入口である第2始動口21に入球した)遊技球が第2始動口センサ21aによって検知されるまでの時間が考慮されていればよく、2.0秒としてもよいし、3.0秒としてもよして、4.0秒としてもよし、5.0秒としてもよい。例えば、球ハケ時間として5.0秒とする場合には、開放パターン11では、電チュー22の開放時から球ハケ時間が経過するまでに亘る入賞有効時間5.2秒(上記(ア)の開放時間0.2秒+球ハケ時間5.0秒)となり、開放パターン12では、電チュー22の開放時から球ハケ時間が経過するまでに亘る入賞有効時間7.0秒(上記(ア)の開放時間2.0秒+球ハケ時間5.0秒)となるものの、インターバル時間1.0秒、開放回数3回であるため、1回目および2回目の開放における球ハケ時間は、実質的にインターバル時間1.0秒と同一の時間となり、3回目の球ハケ時間のみ5.0秒となる。
【0073】
また、本実施形態では、開放パターン12において、インターバル時間1.0秒であり、球ハケ時間1.0秒であり、インターバル時間と球ハケ時間とが同一の時間に設定されていた。しかし、インターバル時間以内に球ハケ時間が経過するように、インターバル時間を球ハケ時間と比べて長い時間に設定するようにしてもよい。例えば球ハケ時間1.0秒が設定されているときには、インターバル時間として、例えば、1.5秒、2.0秒、2.5秒、3.0秒のように設定することができる。
【0074】
ところで、遊技ホールに入店した遊技者には、不正な工具(例えば、針金やピアノ線)を、前枠53から遊技盤2が取り付けられる内枠へ押し込んで、(1)第2始動口21の前方に備える一対の開閉翼部材である可動部材23が開状態となったときに、可動部材23に不正な工具を引っ掛けて開状態を維持する不正行為、(2)第2始動口21の前方に備える一対の開閉翼部材である可動部材23に不正な工具を引っ掛けて無理やり開状態として維持する不正行為、を行う不正行為者(不正な行為を行う遊技者)がいる。このような不正行為により、不正に賞球を受けたり、当否判定の機会を不正に獲得したりしている。
【0075】
そこで、本実施形態では、上記(1),(2)のような不正行為の対策として、上述した「球ハケ時間」を利用して、入賞有効時間(「開放時間(球受入可能時間)」+「球ハケ時間」)が設定されているため、入賞有効時間以内に第2始動口21で受け入れた(第2始動口21に入球した)遊技球を正常(有効)なものとして正常入賞とするのに対して、入賞有効時間以外に第2始動口センサ21aによって検知された第2始動口21で受け入れた(第2始動口21に入球した)遊技球を異常なものとして異常入賞とすることで対応することにより、異常入賞の場合には、遊技機1を後述する異常入賞報知態様へ移行して不正行為の存在を周囲に報知することができるようになっている。これにより、コンコースの左右に複数の遊技島が列設されている遊技ホールにおいて、異常入賞報知態様へ移行している遊技機1を、遊技機1の前面の通路やコンコースから見ても目立ち易くし、遊技ホールの店員等の係員に対して、不正行為の早期発見に寄与することができるようになっている。
【0076】
このように、遊技状態が非時短状態、時短状態においては、個別に入賞有効時間(「開放時間(球受入可能時間)」+「球ハケ時間」)を設定することができるようになっている(つまり遊技状態別に入賞有効時間を設定することができるようになっている)。また、遊技状態が非時短状態、時短状態においては、相互に異なる時間的な長さである入賞有効時間を設定することができるようになっている(つまり遊技状態別に相互に異なる時間的な長さである入賞有効時間を設定することができるようになっている)。これにより、遊技状態別に入賞有効時間を設定することで、入賞有効時間外となるタイミングを、不正行為を行う者に対して、分かり難くすることができる。
【0077】
図13は、大入賞口開放パターン判定テーブルT8を説明するための図である。大入賞口開放パターン判定テーブルT8は、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、特図停止図柄データ(
図9)に応じて、第1大入賞口30および第2大入賞口35の開放パターンを判定するために参照されるテーブルである。
図13(A)では、特図停止図柄データが「11H」、「12H」、または、「21H」のとき、第1大入賞口30および第2大入賞口35の開放パターンは「開放パターン21」と判定され、特図停止図柄データが「14H」、「15H」、「22H」のとき、開放パターンは「開放パターン22」と判定され、特図停止図柄データが「13H」のとき、開放パターンは「開放パターン23」と判定されることが示されている。
図13(B)には、開放パターン21、開放パターン22および開放パターン23の内容が示されている。開放パターン21では1~13、15R目において、開放回数1回、開放時間29.5秒の第1大入賞口30の開放(ロング開放)をおこない、14、16R目において、開放回数1回、開放時間29.5秒の第2大入賞口35の開放(ロング開放)をおこなう。開放パターン22では1~13R目において、開放回数1回、開放時間29.5秒の第1大入賞口30の開放(ロング開放)をおこない、14、16R目において、開放回数1回、開放時間0.1秒の第2大入賞口35の開放(ショート開放)をおこない、15R目において、開放回数1回、開放時間0.1秒の第1大入賞口30の開放(ショート開放)をおこなう。開放パターン23では1~13、15R目において、開放回数1回、開放時間29.5秒の第1大入賞口30の開放(ロング開放)をおこない、14R目において、開放回数1回、開放時間0.1秒の第2大入賞口35の開放(ショート開放)をおこない、16R目において、開放回数1回、開放時間29.5秒の第2大入賞口35の開放(ロング開放)をおこなう。ただし、第1大入賞口30および第2大入賞口35の開放は、予め定められた数の遊技球の入賞(規定入賞数、最大9個)があった場合、開放時間が残っていても閉鎖される。
【0078】
第1大入賞口30の開放時間は、第1大入賞口ソレノイド33の通電時(ON)から第1大入賞口ソレノイド33の非通電時(OFF)までの時間、つまり第1大入賞口ソレノイド33が駆動開始されてから第1大入賞口ソレノイド33が駆動停止されるまでの時間である「球受入可能時間」である。
【0079】
第2大入賞口35の開放時間は、第2大入賞口ソレノイド38の通電時(ON)から第2大入賞口ソレノイド38の非通電時(OFF)までの時間、つまり第2大入賞口ソレノイド38が駆動開始されてから第2大入賞口ソレノイド38が駆動停止されるまでの時間である「球受入可能時間」である。
【0080】
図14は、V開閉部材開放パターン判定テーブルT9を説明するための図である。V開閉部材開放パターン判定テーブルT9は、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、特図停止図柄データ(
図9)に応じて、V開閉部材71の開放パターンを判定するために参照されるテーブルである。
図14(A)では、特図停止図柄データが「11H」、「12H」、または、「21H」のとき、V開閉部材71の開放パターンは「開放パターン31」と判定され、特図停止図柄データが「13H」のとき、開放パターンは「開放パターン32」と判定され、特図停止図柄データが「14H」のとき、開放パターンは「開放パターン33」と判定され、特図停止図柄データが「15H」または「22H」のとき、開放パターンは「開放パターン34」と判定されることが示されている。
図14(B)には、開放パターン31、開放パターン32、開放パターン33、および、開放パターン34の内容が示されている。開放パターン31では2、4、6、8R目において、第1大入賞口30に1個目の入賞があったとき開放時間0.1秒のV開閉部材71のショート開放をおこなう。10、12R目において、第1大入賞口30に1個目の入賞があったとき開放時間0.1秒のV開閉部材71のショート開放をおこない、2個目の入賞があったとき開放時間最大31.5秒のV開閉部材71のロング開放をおこなう。開放パターン32では2、4、6、12R目において、第1大入賞口30に1個目の入賞があったとき開放時間0.1秒のV開閉部材71のショート開放をおこなう。8、10R目において、第1大入賞口30に1個目の入賞があったとき開放時間0.1秒のV開閉部材71のショート開放をおこない、2個目の入賞があったとき開放時間最大31.5秒のV開閉部材71のロング開放をおこなう。開放パターン33では2、6R目において、第1大入賞口30に1個目の入賞があったとき開放時間0.1秒のV開閉部材71のショート開放をおこない、2個目の入賞があったとき開放時間最大31.5秒のV開閉部材71のロング開放をおこなう。4、8、10、12R目において、第1大入賞口30に1個目の入賞があったとき開放時間0.1秒のV開閉部材71のショート開放をおこなう。開放パターン34では2、4、6、8、10、12R目において、第1大入賞口30に1個目の入賞があったとき開放時間0.1秒のV開閉部材71のショート開放をおこなう。
【0081】
4.大当たり等の説明
遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果としての「大当たり」と「ハズレ」がある。「大当たり」の場合には、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「ハズレ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技は、特別遊技の一例である。大当たり遊技は、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OP)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(ED)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、オープニングの終了、または、前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放ラウンド遊技に含まれる。
【0082】
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別については、
図9に示すとおりである。ここでは、大当たりの種別としては、大きく分けて「V通過予定大当たり」と「V非通過予定大当たり」の2つある。「V通過予定大当たり」は、その大当たり遊技中にV領域39への遊技球の通過が可能な開放パターン(V通過予定開放パターン)で開閉部材32、開閉部材37およびV開閉部材71を作動させる大当たりである。ここでは、特図停止図柄データが11H~14H,21Hの大当たりが「V通過予定大当たり(確変大当たり)」に該当する。
図13に示す開閉部材32および開閉部材37の開放パターンと、
図14に示すV開閉部材71の開放パターンとの組み合わせが、(開放パターン21:開放パターン31)、(開放パターン22:開放パターン33)、または(開放パターン23:開放パターン32)のとき、その大当たり遊技中にV領域39への遊技球の通過が可能となる。「V非通過予定大当たり(通常大当たり)」は、その大当たり遊技中にV領域39への遊技球の通過が不可能な開放パターン(V非通過予定開放パターン)で開閉部材32、開閉部材37およびV開閉部材71を作動させる大当たりである。ここでは、特図停止図柄データが15H、22Hの大当たりが「V非通過予定大当たり」に該当する。
図13に示す開閉部材32および開閉部材37の開放パターンと、
図14に示すV開閉部材71の開放パターンとの組み合わせが(開放パターン22:開放パターン34)のとき、その大当たり遊技中にV領域39への遊技球の通過が不可能となる。上記のように、開閉部材32および開閉部材37の開放パターン22は、V通過予定開放パターンとV非通過予定開放パターンとを兼ねている。
【0083】
「V通過予定大当たり」は、「16RV通過予定大当たり」と、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」と、「16R(実質15R)V通過予定大当たり」と、を含んでいる。「16RV通過予定大当たり」は、実質的な総ラウンド数が16Rである。1Rから13Rまでと15Rは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する。14Rと16Rは第2大入賞口35を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する(
図13:開放パターン21)。10Rおよび12Rでは、V開閉部材71がロング開放され(
図14:開放パターン31)、第1大入賞口30内のV領域39への通過が容易に可能である。
【0084】
「16R(実質13R)V通過予定大当たり」は、総ラウンド数は16Rであるものの、実質的な総ラウンド数は13Rである。つまり、1Rから13Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放するが、15Rでは第1大入賞口30を1R当たり0.1秒しか開放せず、また、14Rと16Rでも第2大入賞口35を1R当たり0.1秒しか開放しない(
図13:開放パターン22)。従って、この「16R(実質13R)V通過予定大当たり」では14Rから16Rまでは、大入賞口の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。つまり、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」は、実質13Rの大当たりとなっている。2Rおよび6Rでは、V開閉部材71がロング開放され(
図14:開放パターン33)、第1大入賞口30内のV領域39への通過が容易に可能である。
【0085】
「16R(実質15R)V通過予定大当たり」は、総ラウンド数は16Rであるものの、実質的な総ラウンド数は15Rである。つまり、1Rから13Rまでと15Rは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放し、16Rでは第2大入賞口35を1R当たり最大29.5秒にわたって開放するが、14Rでは第2大入賞口35を1R当たり0.1秒しか開放しない(
図13:開放パターン23)。従って、この「16R(実質15R)V通過予定大当たり」では14Rは、大入賞口の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。つまり、「16R(実質15R)V通過予定大当たり」は、実質15Rの大当たりとなっている。8Rおよび10Rでは、V開閉部材71がロング開放され(
図14:開放パターン32)、第1大入賞口30内のV領域39への通過が容易に可能である。
【0086】
「V非通過予定大当たり」は、総ラウンド数は16Rであるものの、実質的な総ラウンド数は13となる開放パターン22の「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」である。つまり、1Rから13Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放するが、15Rでは第1大入賞口30を1R当たり0.1秒しか開放せず、また、14Rと16Rでも第2大入賞口35を1R当たり0.1秒しか開放しない(
図13:開放パターン22)。従って、この「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」では14Rから16Rまでは、大入賞口の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。つまり、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」は実質13Rの大当たりとなっている。2R,4R,6R,8R,10Rおよび12Rでは、V開閉部材71は開放されるもののその開放はショート開放であり(
図14:開放パターン34)、第1大入賞口30内のV領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。
【0087】
上記の説明から明らかなように、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」と「16R(実質13R)V通過予定大当たり」とは、第1大入賞口30と第2大入賞口35(開閉部材32と開閉部材37)との開放パターンが同一(開放パターン22)であり、V開閉部材71の開放パターンのみが異なっている(開放パターン34と開放パターン33)。なお、後述するが、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」と「16R(実質13R)V通過予定大当たり」は、大当たり遊技終了後に時短遊技(本例では100回)がおこなわれるようになっている。すなわち、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」は、第1大入賞口30内のV領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能になっており、当該大当たり後の遊技状態は低確時短状態(低確高ベース状態)となる。一方、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」は、第1大入賞口30内のV領域39への遊技球の通過が容易に可能になっており、当該大当たり後の遊技状態は高確時短状態(高確高ベース状態)となる。このことから、遊技者は、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」と「16R(実質13R)V通過予定大当たり」とを見分けることが困難になり、当該大当たり後の遊技状態が低確時短状態(低確高ベース状態)になるか高確時短状態(高確高ベース状態)になるかが判別し難くなる。また、時短遊技終了後は、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」では遊技状態が低確低ベース状態(通常状態)になり、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」では遊技状態が見かけ上は通常状態の高確低ベース状態になる。すなわち、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」では、第1大入賞口30内のV領域39に遊技球が通過した場合には、大当たり遊技後の時短状態が終了すると、遊技状態は、高確低ベース状態でありながら高確率になっていることが潜伏した状態(潜伏確変状態)となり、この潜伏確変状態は、遊技者が判別し難くなっている。すなわち「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」と「16R(実質13R)V通過予定大当たり」、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」の大当たり遊技後の低確時短状態(低確高ベース状態)と「16R(実質13R)V通過予定大当たり」の大当たり遊技後の高確時短状態(高確高ベース状態)、および、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」の時短終了後の低確低ベース状態と「16R(実質13R)V通過予定大当たり」の時短終了後の高確低ベース状態は、遊技者が判別し難い態様でおこなわれる。
【0088】
また、
図9に示すように、第1特別図柄(特
図1)の抽選における大当たりの振分率は、V通過予定大当たりが68/128(約53%)、V非通過予定大当たりが60/128(約47%)となっている。これに対して、第2特別図柄(特
図2)の抽選における大当たりの振り分け率は、V通過予定大当たりが83/128(約64.8%)、V非通過予定大当たりが45/128(約35.2%)となっている。このように遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第1特別図柄の抽選)よりも、第2始動口21に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第2特別図柄の抽選)の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
【0089】
5.遊技状態の説明
遊技機1の遊技状態について説明する。遊技制御用マイコン81は、特別図柄表示器41に表示する特別図柄および普通図柄表示器42に表示する普通図柄に対して、それぞれ、「確率変動制御」と「変動時間短縮制御」とを実行可能である。ここでは、遊技制御用マイコン81が特別図柄表示器41の特別図柄に対して確率変動制御している状態を「高確率状態(高確状態、確率変動状態、確変状態)」と呼び、確率変動制御していない状態を単に「通常確率状態(非高確率状態、低確率状態、通常状態)」と呼ぶ。遊技制御用マイコン81は、特別図柄の確率変動制御として、大当たりと判定される大当たり乱数値の数が通常確率状態よりも高確率状態の方が多い大当たり判定テーブル(
図8(A))を用いた大当たり判定をおこなうことにより、高確率状態を実現する。従って、高確率状態は、通常確率状態よりも大当たりの確率が高くなる。つまり、遊技制御用マイコン81が特別図柄表示器41の特別図柄に対して確率変動制御を実行している場合には、確率変動制御を実行していない場合と比べて、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
【0090】
また、遊技制御用マイコン81が特別図柄表示器41の特別図柄に対して変動時間短縮制御している状態を「時短状態」といい、変動時間短縮制御していない状態を単に「非時短状態」という。時短状態は、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。遊技制御用マイコン81は、時短状態のときに、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターン判定テーブルT6(
図10、
図11)を用いた変動パターンの判定をおこなう。つまり、遊技制御用マイコン81が特別図柄表示器41の特別図柄に対して変動時間短縮制御を実行している場合には、変動時間短縮制御を実行していない場合と比べて、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。これにより、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。なお、遊技制御用マイコン81は、特別図柄表示器41の特別図柄に対して、確率変動制御と変動時間短縮制御とを同時に実行することもあるし、片方のみ実行することもある。
【0091】
遊技制御用マイコン81は、普通図柄表示器42の普通図柄に対する確率変動制御および変動時間短縮制御を、特別図柄表示器41の特別図柄に対する変動時間短縮制御に同期して実行する。すなわち、遊技制御用マイコン81は、普通図柄に対する確率変動制御および変動時間短縮制御を、時短状態の場合は実行し、非時短状態の場合には実行しない。遊技制御用マイコン81は、普通図柄の確率変動制御として、当たりと判定される普通図柄乱数値(当たり乱数値)の数が非時短状態よりも時短状態の方が多い普通図柄当たり判定テーブルT3(
図8(C))を用いて、当たり判定(普通図柄の判定)をおこなう。従って、時短状態では、普通図柄通常確率状態よりも当たり確率が高くなる。つまり、遊技制御用マイコン81が普通図柄表示器42の普通図柄に対して確率変動制御を実行している場合には、確率変動制御を実行していない場合と比べて、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果(停止図柄)が当たり図柄となる確率が高くなる。時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。ここでは、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(
図8(D))。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(
図12)。すなわち、遊技制御用マイコン81は、電チュー22に対して開放時間延長制御を実行している。加えて、時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放回数が非時短状態よりも多くなっている(
図12)。すなわち、遊技制御用マイコン81は、電チュー22に対して開放回数増加制御を実行している。遊技制御用マイコン81が、普通図柄表示器42の普通図柄に対する確率変動制御と変動時間短縮制御、および、電チュー22に対する開放時間延長制御と開放回数増加制御とを実行している状況下では、これらの制御を実行していない場合と比べて、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの制御が実行されている状態を「高ベース状態」といい、実行されていない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。高ベース状態(電サポ制御状態)は、上記の全ての制御を実行するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の普通図柄に対する確率変動制御、普通図柄表示器42の普通図柄に対する変動時間短縮制御、電チュー22に対する開放時間延長制御、および、電チュー22に対する開放回数増加制御のうち一つ以上の制御を実行することによって、その制御が実行されていないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態(電サポ制御状態)は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
【0092】
遊技機1では、V通過予定大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中にV領域39への通過がなされていれば、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」、または、「高確時短状態」という。具体的に、大当たり遊技後の遊技状態が高確高ベース状態になる大当たりは、
図9に示す大当たり種別のうち、「16RV通過予定大当たり」、「16R(実質15R)V通過予定大当たり」、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」である。「16RV通過予定大当たり」と「16R(実質15R)V通過予定大当たり」は、高確高ベース状態は、大当たり遊技後、次の大当たり(次回大当たり)に当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。「16R(実質13R)V通過予定大当たり」は、高確高ベース状態は、大当たり遊技後、所定回数(ここでは100回)の特別図柄の可変表示が実行されて高確低ベース状態(潜伏確変状態)になるか、あるいは、次の大当たり(次回大当たり)に当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。また、V非通過予定大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中にV領域39の通過がなされていなければ(なされることはほぼない)、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」、「低確時短状態」という。具体的に、大当たり遊技後の遊技状態が低確高ベース状態になる大当たりは、
図9に示す大当たり種別のうち、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」である。この大当たりでは、低確高ベース状態は、大当たり遊技後、所定回数(ここでは100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、または、次の大当たり(次回大当たり)に当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態(非電サポ制御状態)である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」、または、「低確非時短状態(単に、非時短状態とも呼ぶ)」、と称することもある。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することもある。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特定遊技状態」と称することもある。
【0093】
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちによって右遊技領域3B(
図1)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行させることができる。電サポ制御によって、低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているためである。このことから、高ベース状態では、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちをおこなう。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお、遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技をおこなう。一方、低ベース状態では、左打ちによって左遊技領域3A(
図1)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行させることができる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているためである。このことから、低ベース状態では、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちをおこなう。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
【0094】
6.遊技制御用マイコン81の動作
図15~
図34に基づいて主制御基板80(
図3)に設けられた遊技制御用マイコン81の動作について説明する。遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等はメインRAM84に設けられている。遊技制御用マイコン81は、当否判定手段(
図23)、当否事前判定手段(
図18、
図19)に該当する。
【0095】
[主制御メイン処理]
図15は、主制御メイン処理のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、遊技機1の電源がオンされると、メインROM83から主制御メイン処理を実行するためのプログラムを読み出す。主制御メイン処理では、遊技制御用マイコン81は、まず、初期設定をおこなう(ステップS001)。初期設定では、例えば、メインCPU82の設定、各種のフラグ、ステータスおよびカウンタなどのリセット等をおこなう。フラグの初期値は天井フラグが「1」つまり「ON」であり、それ以外のフラグの初期値は「0」つまり「OFF」である。ステータスの初期値は「1」である。カウンタの初期値は天井カウンタが「500」であり、その他のカウンタは「0」である。なお、初期設定は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
【0096】
初期設定の後、遊技制御用マイコン81は、割り込み処理の割り込みを禁止し(ステップS002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(ステップS003)をおこなう。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理では、遊技制御用マイコン81は、
図7(A)で示した種々の乱数カウンタ値(大当たり乱数値、大当たり種別乱数値、リーチ乱数値、変動パターン乱数値、普通図柄乱数値)を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は設定された上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また、各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成されるいわゆるハードウェア乱数であってもよい。
【0097】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理の後、遊技制御用マイコン81は、割り込み処理の割り込みを許可する(ステップS004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(ステップS005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理は、所定の周期(例えば、4msec周期)でメインCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、メイン側タイマ割り込み処理は、所定周期(例えば4msec周期)ごとに実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに、メインCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理はすぐには開始されず、割り込み許可がされてから開始される。
【0098】
[メイン側タイマ割り込み処理]
図16は、メイン側タイマ割り込み処理(
図15:ステップS005)のフローチャートである。メイン側タイマ割り込み処理では、遊技制御用マイコン81は、まず、乱数更新処理をおこなう(ステップS101)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、
図7(A)で示した種々の乱数カウンタ値を更新する。この乱数更新処理は、上述した主制御メイン処理(
図15)でおこなう普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理と同じである。すなわち、各種乱数カウンタ値の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理が開始されるまでの期間)との両方でおこなわれる。
【0099】
乱数更新処理の後、遊技制御用マイコン81は、入力処理をおこなう(ステップS102)。入力処理では、遊技制御用マイコン81は、遊技機1に取り付けられている各種センサが検出した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払い出しデータをメインRAM84の出力バッファにセットする。各種センサとは、例えば、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a、普通入賞口センサ29a(
図3)である。
【0100】
入力処理の後、遊技制御用マイコン81は、タイマ更新処理をおこなう(ステップS102a)。タイマ更新処理では、遊技制御用マイコン81は、必要に応じて設定された各種時間の減算をおこない更新する。例えば、遊技制御用マイコン81は、各種図柄の変動時間を更新する。各種図柄の変動時間は、メイン側タイマ割り込み処理がおこなわれるごとに、設定された開放時間からメイン側タイマ割り込み処理がおこなわれるメイン側割り込みタイマの時間だけ減算開始され、値0(ゼロ)秒となると、減算を終了し、時間がマイナスとならないようになっている。また、例えば、遊技制御用マイコン81は、電チュー22の開放時間の更新、インターバル時間の更新、球ハケ時間の更新、入賞有効時間終了後所定時間の更新が必要となる場合、つまり、電チュー22が開放されると、メイン側タイマ割り込み処理がおこなわれるごとに、設定された開放時間からメイン側タイマ割り込み処理がおこなわれるメイン側割り込みタイマの時間だけ減算開始し、開放時間が値0(ゼロ)秒となると、設定された球ハケ時間やインターバル時間からメイン側タイマ割り込み処理がおこなわれるメイン側割り込みタイマの時間だけ減算開始し、その後、メイン側タイマ割り込み処理が繰り返しおこなわれることで、最終的に値0(ゼロ)秒となる。球ハケ時間が値0(ゼロ)秒となると、入賞有効時間終了後所定時間からメイン側タイマ割り込み処理がおこなわれるメイン側割り込みタイマの時間だけ減算開始し、その後、メイン側タイマ割り込み処理が繰り返しおこなわれることで、最終的に値0(ゼロ)秒となる。タイマ更新処理では、遊技制御用マイコン81は、各種時間の減算をおこなって値0(ゼロ)秒となると、減算を終了し、時間がマイナスとならないようになっている。
【0101】
タイマ更新処理の後、遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検出処理(ステップS103)、普通動作処理(ステップS104)、特別動作処理(ステップS105)、V領域センサ検出処理(ステップS106)、保留球数処理(ステップS107)、入賞有効時間判定処理(ステップS107a)、各種エラー検出報知処理(ステップS107b)を順に実行する。これらの処理の詳細については後述する。保留球数処理の後、遊技制御用マイコン81は、出力処理をおこなう(ステップS108)。出力処理では、遊技制御用マイコン81は、上述の各処理においてメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットしたコマンド等をサブ制御基板90に出力する。出力処理の後、遊技制御用マイコン81は、その他の処理をおこなう(ステップS109)。その他の処理では、例えば、後述の特
図2保留球数に基づいて第2特図保留表示器43bをその数を示す表示態様に制御し、特
図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器43aをその数を示す表示態様に制御する。
【0102】
[始動口センサ検出処理]
図17は、始動口センサ検出処理(
図16:ステップS103)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、ゲート28に遊技球が通過したか否かの判定をおこなう(ステップS201)。この判定は、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否かによっておこなわれる。ゲート28に遊技球が通過していない場合(ステップS201:NO)、処理はステップS205にスキップする。ゲート28に遊技球が通過した場合(ステップS201:YES)、遊技制御用マイコン81は、普通図柄保留球数が「4(上限値)」であるか否かの判定をおこなう(ステップS202)。普通図柄保留球数とは、普図保留の数であり、より具体的には、メインRAM84に設けられた普図保留の数をカウントするカウンタの値である。普通図柄保留球数が「4」であれば(ステップS202:YES)、処理はステップS205にスキップする。普通図柄保留球数が「3」以下の場合(ステップS202:NO)、普通図柄保留球数に「1」を加算した後(ステップS203)、普通図柄乱数取得処理をおこなう(ステップS204)。ここでは、遊技制御用マイコン81は、普通図柄乱数カウンタの値(
図7:ラベル-TRND-Hの値)を取得し、取得した乱数値をメインRAM84の普図保留記憶領域86の第1~第4記憶領域うち、現在の普通図柄保留球数に応じた記憶領域に格納する。
【0103】
ステップS205では、遊技制御用マイコン81は、第2始動口21に遊技球が入賞したか否かの判定をおこなう。この判定は、第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否かによっておこなわれる。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合(ステップS205:NO)、処理はステップS210にスキップする。遊技球が入賞した場合(ステップS205:YES)、遊技制御用マイコン81は、入賞エラーフラグがONまたは異常入賞監視フラグがONであるか否かの判定をおこなう(ステップS205a)。入賞エラーフラグは、入賞エラーに関するエラーが発生しているときにONがセットされるのに対して、入賞エラーに関するエラーが発生していないときにOFFがセットされるフラグである。異常入賞監視フラグは、電チュー22の開放時から球ハケ時間が経過するまでに亘る入賞有効時間以内に第2始動口センサ21aによって検知された第2始動口21で受け入れた(第2始動口21に入球した)遊技球を正常(有効)なものとして正常入賞としOFFがセットされるのに対して、入賞有効時間以外に第2始動口センサ21aによって検知された第2始動口21で受け入れた(第2始動口21に入球した)遊技球を異常なものとして異常入賞としONがセットされるフラグである。
【0104】
なお、遊技制御用マイコン81は、入賞有効時間(「開放時間(球受入可能時間)」+「球ハケ時間」)以外に、詳しくは入賞有効時間が終了してから入賞有効時間終了後所定時間(本実施形態では5分)が経過するまでに、第2始動口21で受け入れた(第2始動口21に入球した)遊技球が第2始動口センサ21aによって検知されると、入賞有効時間が終了してからあり得ない時間経過後の遊技球であるとして、この遊技球を異常なものとして異常入賞とする。また、遊技制御用マイコン81は、入賞有効時間(「開放時間(球受入可能時間)」+「球ハケ時間」)以外に、詳しくは入賞有効時間が終了してから入賞有効時間終了後所定時間(本実施形態では5分)が経過したあと、遊技球が第2始動口センサ21aによって検知されると、普通電動役物未作動時に第2始動口への入球があったものとして、この遊技球を異常なものとして異常入賞とする。
【0105】
入賞エラーに関するエラーが発生していない場合であり、かつ、正常入賞である場合(ステップS205a:NO)、処理はステップS205cに移行する。入賞エラーに関するエラーが発生している場合、または、正常入賞でない場合(つまり異常入賞である場合)(ステップS205a:YES)、遊技制御用マイコン81は、普通電動役物入賞エラー報知フラグをONにセットし(ステップS205b)、ステップS205cに移行する。普通電動役物入賞エラー報知フラグは、「普通電動役物入賞エラー」の報知をおこなうときにONがセットされるのに対して、「普通電動役物入賞エラー」の報知をおこなわないときにOFFがセットされるフラグである。
【0106】
ステップS205cでは、遊技制御用マイコン81は、第2始動口入球カウンタに「1」を加算し、ステップS206に移行する。第2始動口入球カウンタは、電チュー(普通電動役物)22が開放されてから入賞有効時間が経過するまでに入球した遊技球の球数を示すカウンタである。電チュー(普通電動役物)22が閉鎖され、その後、電チュー(普通電動役物)22が再び開放されるまでに初期化されゼロがセットされる。
【0107】
ステップS206では、遊技制御用マイコン81は、特
図2保留球数が「4(上限値)」であるか否かの判定をおこなう(ステップS206)。特
図2保留球数とは、第2特図保留の数であり、より具体的には、メインRAM84に設けられた第2特図保留の数をカウントするカウンタの値である。特
図2保留球数が「4」であれば(ステップS206:YES)、処理はステップS210にスキップする。特
図2保留球数が「3」以下の場合(ステップS206:NO)、特
図2保留球数に「1」を加算した後(ステップS207)、特
図2関係乱数取得処理をおこなう(ステップS208)。ここでは、大当たり乱数カウンタの値(
図7:ラベル-TRND-Aの値)、大当たり種別乱数カウンタの値(
図7:ラベル-TRND-ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(
図7:ラベル-TRND-RCの値)、変動パターン乱数カウンタの値(
図7:ラベル-TRND-T1の値)を取得する。遊技制御用マイコン81は、取得した乱数値群を第2特図保留記憶領域85bの第1~第4記憶領域うち、現在の特
図2保留球数に応じた記憶領域に格納する。遊技制御用マイコン81は、後述の特
図2事前判定処理(
図18)のために、取得した乱数値群を第2特図保留記憶領域85bとは異なるバッファ(事前判定用バッファ)にも一時的に記憶(保持)させる。特
図2関係乱数取得処理の後、遊技制御用マイコン81は、特
図2事前判定処理をおこなう(ステップS209)。特
図2事前判定処理の詳細については後述する。
【0108】
ステップS210では、遊技制御用マイコン81は、第1始動口20に遊技球が入賞したか否かの判定をおこなう。この判定は、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否かによっておこなわれる。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(ステップS210:NO)、本処理を終了する。第1始動口20に遊技球が入賞した場合(ステップS210:YES)、遊技制御用マイコン81は、特
図1保留球数が「4(上限値)」であるか否かの判定をおこなう(ステップS211)。特
図1保留球数とは、第1特図保留の数であり、より具体的には、メインRAM84に設けられた第1特図保留の数をカウントするカウンタの値である。特
図1保留球数が「4」であれば(ステップS211:YES)、本処理を終了する。特
図1保留球数が「3」以下の場合(ステップS211:NO)、特
図1保留球数に「1」を加算した後(ステップS212)、特
図1関係乱数取得処理をおこなう(ステップS213)。ここでは、上述の特
図2関係乱数取得処理(ステップS208)と同様に、大当たり乱数カウンタの値、大当たり種別乱数カウンタの値、リーチ乱数カウンタの値、変動パターン乱数カウンタの値を取得する。遊技制御用マイコン81は、取得した乱数値群を第1特図保留記憶領域85aの第1~第4記憶領域うち、現在の特
図1保留球数に応じた記憶領域に格納する。遊技制御用マイコン81は、後述の特
図1事前判定処理(
図19)のために、取得した乱数値群を第1特図保留記憶領域85aとは異なるバッファ(事前判定用バッファ)にも一時的に記憶(保持)させる。特
図1関係乱数取得処理の後、遊技制御用マイコン81は、特
図1事前判定処理をおこなう(ステップS214)。特
図1事前判定処理の詳細については後述する。
【0109】
[特
図2事前判定処理]
図18は、特
図2事前判定処理(
図17:ステップS209)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、確変フラグがONであるか否かの判定をおこなう(ステップS301)。確変フラグがOFFの場合(ステップS301:NO)、本処理を終える。すなわち、確変フラグがOFFの場合には、事前判定はおこなわれない。一方、確変フラグがONの場合、遊技制御用マイコン81は、大当たり判定テーブルT1(
図8)のうちの高確率状態用テーブルを参照して大当たり事前判定をおこなう(ステップS302)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、まず、特
図2関係乱数取得処理(
図17:ステップS208)によって事前判定用バッファに一時的に記憶されている判定値としての大当たり乱数値を取得する。次に、遊技制御用マイコン81は、参照する大当たり判定テーブルT1(
図8)と大当たり乱数値とを用いて大当たりか否かの事前判定をおこなう。ここでは、高確率状態(確変フラグがON)であるため、遊技制御用マイコン81は、大当たり判定テーブルT1のうち、高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「0」~「649」)を参照して大当たりか否かを事前判定する。すなわち、大当たり乱数値が「0」~「649」のとき「大当たり」と事前判定し、それ以外の値のとき「ハズレ」と事前判定する。なお、本実施形態では、後述する大当たり判定処理(
図23)で用いられる大当たり判定テーブルT1を用いて事前判定をおこなっているが、他の実施形態として、大当たり判定テーブルT1とは異なる事前判定用の大当たり判定テーブルを用いて事前判定をおこなってもよい。
【0110】
大当たり事前判定の結果が「ハズレ」の場合(ステップS304:NO)、処理はステップS306にスキップする。一方、大当たり事前判定の結果が「大当たり」の場合(ステップS304:YES)、遊技制御用マイコン81は、大当たり種別事前判定をおこなう(ステップS305)。大当たり種別事前判定では、遊技制御用マイコン81は、まず、特
図2関係乱数取得処理(
図17:ステップS208)によって事前判定用バッファに一時的に記憶されている判定値としての大当たり種別乱数値を取得する。次に、遊技制御用マイコン81は、取得した大当たり種別乱数値と大当たり種別判定テーブルT5(
図9)に基づいて、大当たり種別の事前判定をおこなう。ここでは、大当たり種別乱数値が「0」~「127」のいずれであっても「16RV通過予定大当たり」と事前判定する。なお、本実施形態では、後述する大当たり判定処理(
図23)で用いられる大当たり種別判定テーブルT5を用いて事前判定をおこなっているが、他の実施形態として、大当たり種別判定テーブルT5とは異なる事前判定用の大当たり種別判定テーブルを用いて事前判定をおこなってもよい。
【0111】
ステップS306では、遊技制御用マイコン81は、変動パターン事前判定をおこなう。具体的には、遊技制御用マイコン81は、まず、特
図2関係乱数取得処理(
図17:ステップS208)によって事前判定用バッファに一時的に記憶されている判定値としての変動パターン乱数値、および、リーチ乱数値を取得する。次に、ここでは、時短状態(時短フラグがON)であるため、遊技制御用マイコン81は、時短状態用の変動パターン判定テーブルT6(
図11)を参照し、ステップS304の大当たり事前判定結果、リーチ乱数値から得られるリーチの有無事前判定結果、および、変動パターン乱数値から変動パターンを特定する。なお、
図11の変動パターン判定テーブルT6では、保留球数の違いによって選択される変動パターンが異なる場合がある。ここでは、保留球数の違いによって選択される可能性のあるすべての変動パターンが選択されるものとする。例えば、大当たり事前判定結果、および、リーチ有無事前判定結果から、リーチ有りハズレが事前判定され、変動パターン乱数値が「60」の場合、遊技制御用マイコン81は、保留球数が「1~2」であれば選択される変動パターン「P64」と、保留球数が「3~4」であれば選択される変動パターン「P68」の2つを選択する。なお、本実施形態では、後述する変動パターン選択処理(
図24、
図25)で用いられる変動パターン判定テーブルT6を用いて事前判定をおこなっているが、他の実施形態として、変動パターン判定テーブルT6とは異なる事前判定用の変動パターン判定テーブルを用いて事前判定をおこなってもよい。
【0112】
ステップS307では、遊技制御用マイコン81は、事前判定コマンドの作成をおこなう。事前判定コマンドには、大当たり事前判定結果、(当たりの場合には大当たり種別事前判定結果)、および、変動パターン事前判定結果が含まれる。遊技制御用マイコン81は、作成した事前判定コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットして(ステップS308)、本処理を終える。
【0113】
[特
図1事前判定処理]
図19は、特
図1事前判定処理(
図17:ステップS214)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、確変フラグがONであるか否かの判定をおこなう(ステップS401)。上述の特
図2事前判定処理とは反対に、確変フラグがONの場合(ステップS401:YES)、本処理を終える。すなわち、確変フラグがONの場合には、事前判定はおこなわれない。一方、確変フラグがOFFの場合(ステップS401:NO)、遊技制御用マイコン81は、大当たり判定テーブルT1(
図8)のうちの通常確率状態用のテーブルを参照して大当たり事前判定をおこなう(ステップS402)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、まず、特
図1関係乱数取得処理(
図17:ステップS213)によって事前判定用バッファに一時的に記憶されている判定値としての大当たり乱数値を取得する。次に、ここでは、通常確率状態(確変フラグがOFF)であるため、遊技制御用マイコン81は、大当たり判定テーブルT1のうち、通常確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「0」~「164」)に基づいて大当たりか否かを事前判定する。すなわち、大当たり乱数値が「0」~「164」のとき「大当たり」と事前判定し、それ以外の値のとき「ハズレ」と事前判定する。なお、大当たり事前判定は、大当たり判定テーブルT1とは異なる事前判定用の大当たり判定テーブルを用いてもよい。以降、ステップS404~S408の処理は、上述の特
図2事前判定処理(
図18)のステップS304~S308と同様であるため説明を省略する。
【0114】
[普通動作処理]
図20は、普通動作処理(
図16:ステップS104)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、電チュー22が作動中か否かの判定をおこなう(ステップS501)。電チュー22が作動中の場合(ステップS501:YES)、処理はステップS520に移行する。電チュー22が作動中ではない場合(ステップS501:NO)、遊技制御用マイコン81は、インターバルフラグがONであるか否かの判定をおこなう(ステップS501a)。電チュー22の開放パターンとして開放パターン12がセットされている場合に、上述したように、電チュー22が3回の開放をおこなうようになっているため、1回目の開放終了後、インターバル時間経過後に2回目の開放をおこない、2回目の開放終了後、インターバル時間経過後に3回目の開放をおこなう。インターバルフラグは、インターバル時間がセットされて経過していないときにはONとなっているのに対して、インターバル時間がセットされて経過したときにはOFFとなっているフラグである。
【0115】
インターバルフラグがONでない場合、つまりインターバルフラグがOFFである場合(ステップS501a:NO)、処理はステップS502に移行する。一方、インターバルフラグがONである場合(ステップS501a:YES)、遊技制御用マイコン81は、インターバル時間が経過したか否かの判定をおこなう(ステップS501b)。インターバル時間は、電チュー22の開放パターンとしてセットされた開放パターン12に対応するインターバル時間である。
【0116】
インターバル時間が経過していない場合(ステップS501b:NO)、遊技制御用マイコン81は、本処理を終える。一方、インターバル時間が経過した場合(ステップS501b:YES)、遊技制御用マイコン81は、インターバルフラグをOFFにセットし、電チュー22の2回目の開放または3回目の開放をおこなうため、ステップS512に移行する。
【0117】
ステップS502では、遊技制御用マイコン81は、普通図柄の変動中か否かの判定をおこなう。普通図柄の変動中の場合(ステップS502:YES)、処理はステップS508にスキップする。普通図柄の変動中ではない場合(ステップS502:NO)、遊技制御用マイコン81は、普通図柄の保留球数が「0」か否かの判定をおこなう(ステップS503)。保留球数が「0」の場合(ステップS503:YES)、本処理を終了する。保留球数が1以上ある場合(ステップS503:NO)、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(ステップS504)。従って、普通図柄の保留球数が「0」の状態でゲート28を遊技球が通過した場合、始動口センサ検出処理(
図17)のステップS203において、一旦、普通図柄の保留球数が「1」になり、その後、本ステップS504において保留が消化され即座に普通図柄の保留球数が「0」になる。これは、特別図柄の保留球数についても同様である。すなわち、始動口センサ検出処理(
図17)のステップS207およびステップS212において、一旦、特別図柄の保留数が「1」になり、その後、後述の特別図柄待機処理(
図22)におけるステップS1404およびステップS1410において保留が消化され特別図柄の保留球数が「0」になる。次に、遊技制御用マイコン81は、普通図柄当たり判定テーブルT3(
図8(C))を参照して当たり判定をおこなう(ステップS505)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、まず、普図保留記憶領域86の第1記憶領域(普図保留の1個目に対応)に記憶されている判定値としての普通図柄乱数値(当たり乱数値)を読み出す。そして、普通図柄乱数値と、時短フラグに基づく遊技状態(時短状態か否か)と、普通図柄当たり判定テーブルT3とを用いて当たりか否かを判定する。例えば、非時短状態において、普通図柄乱数値が「0」~「2」の場合には、「当たり」と判定され、普通図柄乱数値がそれ以外の場合には、「ハズレ」と判定される(
図8(C)参照)。
【0118】
次に、遊技制御用マイコン81は、普通図柄変動パターン判定テーブルT4(
図8(D))を参照して変動パターンの選択をおこなう(ステップS506)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、まず、遊技状態(時短状態か否か)の判定をおこない、遊技状態の判定結果と、普通図柄変動パターン判定テーブルT4とを用いて、普通図柄変動パターンとしての普通図柄の変動時間を選択する。ここでは、非時短状態のとき、普通図柄の変動時間は「30秒」と判定され、時短状態のとき、普通図柄の変動時間が「1秒」と判定される(
図8(D)参照)。遊技制御用マイコン81は、選択した普通図柄変動パターンをセットすることで、普通図柄の変動表示を開始させる(ステップS507)。
【0119】
ステップS508では、遊技制御用マイコン81は、普通図柄の変動時間が経過して終了したか否かの判定をおこなう。普通図柄の変動時間とは、ステップS506で選択された変動時間である(
図8(D)参照)。
【0120】
図16のメイン側タイマ割り込み処理におけるステップS102aのタイマ更新処理では、上述したように、各種図柄の変動時間を更新する。普通図柄の変動時間は、メイン側タイマ割り込み処理がおこなわれるごとに、設定された開放時間からメイン側タイマ割り込み処理がおこなわれるメイン側割り込みタイマの時間だけ減算開始され、値0(ゼロ)秒となると、減算を終了し、普通図柄の変動時間が終了することとなる。
【0121】
変動時間が終了していない場合(ステップS508:NO)、遊技制御用マイコン81は、本処理を終える。すなわち、普通図柄の変動表示が継続される。一方、変動時間が終了している場合(ステップS508:YES)、遊技制御用マイコン81は、変動表示を停止させ(ステップS509)、上述の当たり判定(ステップS505)において「ハズレ」の場合には(ステップS510:NO)、本処理を終える。一方、上述の当たり判定(ステップS505)で「当たり」の場合には(ステップS510:YES)、遊技制御用マイコン81は、非時短中であるか否かの判定をおこなう(ステップS511)。遊技状態が時短状態であるときには時短フラグがONにセットされ、遊技状態が非時短状態であるときには時短フラグがOFFにセットされているため、ステップS511の判定では、時短フラグがOFFであるか否かの判定をおこなう。
【0122】
非時短中である場合、つまり時短フラグがOFFである場合(ステップS511:YES)、遊技制御用マイコン81は、電チュー開放パターン判定テーブルT7(
図12(A))を参照して電チュー開放パターンとして開放パターン11をセットし(ステップS511a)、ステップS512に移行する。一方、非時短中ではない場合(時短中である場合)、つまり時短フラグがONである場合(ステップS511:NO)、遊技制御用マイコン81は、電チュー開放パターン判定テーブルT7(
図12(A))を参照して電チュー開放パターンとして開放パターン12をセットし(ステップS511b)、ステップS512に移行する。
【0123】
ステップS512では、遊技制御用マイコン81は、電チューソレノイド24を通電(ON)とし、つまり電チューソレノイド24を駆動開始し、セットした開放パターンに従うように電チュー作動を開始させ、入賞有効時間の開始として異常入賞監視フラグをOFFにセットし(ステップS513)、本処理を終える。異常入賞監視フラグは、電チュー22の開放時から球ハケ時間が経過するまでに亘る入賞有効時間以内に第2始動口センサ21aによって検知された第2始動口21で受け入れた(第2始動口21に入球した)遊技球を正常(有効)なものとして正常入賞とする場合にOFFがセットされるのに対して、入賞有効時間以外に(入賞有効時間が終了してからあり得ない時間経過後に)第2始動口センサ21aによって検知された第2始動口21で受け入れた(第2始動口21に入球した)遊技球を異常なものとして異常入賞とする場合にONがセットされるフラグである。
【0124】
図16のメイン側タイマ割り込み処理におけるステップS102aのタイマ更新処理では、上述したように、電チュー22が開放されると、メイン側タイマ割り込み処理がおこなわれるごとに、設定された開放時間からメイン側タイマ割り込み処理がおこなわれるメイン側割り込みタイマの時間だけ減算開始し、開放時間が値0(ゼロ)秒となると、設定された球ハケ時間やインターバル時間からメイン側タイマ割り込み処理がおこなわれるメイン側割り込みタイマの時間だけ減算開始し、その後、メイン側タイマ割り込み処理が繰り返しおこなわれることで、最終的に値0(ゼロ)秒となる。異常入賞監視フラグは、
図16のメイン側タイマ割り込み処理におけるステップS102aのタイマ更新処理において、球ハケ時間が更新されて値0(ゼロ)秒となると、
図16のメイン側タイマ割り込み処理におけるステップS107aの入賞有効時間判定処理において、入賞有効時間の終了としてONがセットされる。つまり、異常入賞監視フラグは、電チュー22の1回目の開放が終了して球ハケ時間が経過すると、入賞有効時間の終了としてONにセットされるし、電チュー22の2回目の開放が終了して球ハケ時間が経過すると、入賞有効時間の終了としてONにセットされるし、電チュー22の3回目の開放が終了して球ハケ時間が経過すると、入賞有効時間の終了としてONにセットされる。このため、ステップS513では、電チュー22の1回目の開放開始、電チュー22の2回目の開放開始、電チュー22の3回目の開放開始である場合には、電チュー22の作動開始となることで、入賞有効時間以内に第2始動口センサ21aによって検知された第2始動口21で受け入れた(第2始動口21に入球した)遊技球を正常(有効)なものとして正常入賞とする必要があるため、入賞有効時間の開始として異常入賞監視フラグをOFFにセットしている。
【0125】
上述のステップS501において、電チュー22が作動中の場合(ステップS501:YES)、遊技制御用マイコン81は、電チュー22の閉鎖条件が成立しているか否かの判定をおこなう(ステップS520)。ここでの閉鎖条件は、電チュー22への入賞個数が規定の最大入賞個数(例えば6個)に達したこと、または、電チュー22の開放時間(作動時間)が経過して電チュー22を閉鎖させる時間に至ったことのいずれかが満たされていることである。電チュー22の開放時間(作動時間)とは、ステップS511aまたはステップS511bでセットした開放パターンに対応する開放時間(作動時間)である。電チュー22の閉鎖条件が成立していない場合(ステップS520:NO)、遊技制御用マイコン81は、本処理を終える。一方、電チュー22の閉鎖条件が成立している場合(ステップS520:YES)、遊技制御用マイコン81は、電チューソレノイド24を非通電(OFF)とし、つまり電チューソレノイド24を駆動終了し、電チュー22を閉鎖(閉塞)してその作動を停止し(ステップS521)、球ハケ時間のセットをおこなう(ステップS522)。この球ハケ時間は、上述したステップS511aまたはステップS511bでセットした開放パターンに対応する球ハケ時間である。
【0126】
続いて、遊技制御用マイコン81は、電チュー22の開放パターンとして開放パターン12がセットされているか否かの判定をおこなう(ステップS523)。ここでは、電チュー22の作動回数が複数回あるか否かの判定をおこなっている。開放パターン11では電チュー22の作動回数が1回となっているのに対して、開放パターン12では電チュー22の作動回数が3回となっている。電チュー22の開放パターンとして開放パターン12がセットされていない場合、つまり電チュー22の開放パターンとして開放パターン11がセットされている場合(ステップS523:NO)、遊技制御用マイコン81は、本処理を終える。一方、電チュー22の開放パターンとして開放パターン12がセットされている場合(ステップS523:YES)、遊技制御用マイコン81は、電チュー22の1回目の開放終了後であるか否かの判定、または、電チュー22の2回目の開放終了後であるか否かの判定をおこなう(ステップS524)。電チュー22の開放パターンとして開放パターン12がセットされている場合に、上述したように、電チュー22が3回の開放をおこなうようになっているため、1回目の開放終了後、インターバル時間経過後に2回目の開放をおこない、2回目の開放終了後、インターバル時間経過後に3回目の開放をおこなう。
【0127】
電チュー22の1回目の開放終了後ではなく、かつ、電チュー22の2回目の開放終了後でもない場合、つまり電チュー22の3回目の開放終了後である場合(ステップS524:NO)、遊技制御用マイコン81は、本処理を終える。一方、電チュー22の1回目の開放終了後、または、電チュー22の2回目の開放終了後である場合(ステップS524:YES)、遊技制御用マイコン81は、インターバル時間をセットする(ステップS525)。インターバル時間は、電チュー22の開放パターンとしてセットされた開放パターン12に対応するインターバル時間である。続いて、遊技制御用マイコン81は、インターバルフラグをONにセットし(ステップS526)、本処理を終了する。インターバルフラグは、インターバル時間がセットされて経過していないときにはONとなっているのに対して、インターバル時間がセットされて経過したときにはOFFとなっているフラグである。ステップS526では、インターバル時間がセットされたことでインターバルフラグがONにセットされる。
【0128】
[特別動作処理]
図21は、特別動作処理(
図16:ステップS105)のフローチャートである。ここでは、特別図柄表示器41および大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を4つの段階に分け、各段階をそれぞれ「特別動作ステータス」の「1」、「2」、「3」、「4」と呼ぶ。遊技制御用マイコン81は、「特別動作ステータス」が「1」のとき(ステップS1301:YES)、特別図柄待機処理をおこなう(ステップS1302)。特別図柄待機処理では、大当たり判定や変動パターン選択等が実行される。「特別動作ステータス」が「2」のときには(ステップS1301:NO、ステップS1303:YES)、特別図柄変動中処理をおこなう(ステップS1304)。特別図柄変動中処理では、変動時間経過後に変動停止コマンドの出力等が実行される。「特別動作ステータス」が「3」のときには(ステップS1301、S1303:NO、ステップS1305:YES)、特別図柄確定処理をおこなう(ステップS1306)。特別図柄確定処理では、大当たり時にオープニングコマンドの出力等が実行される。「特別動作ステータス」が「4」のときには(ステップS1301、S1303、S1305:NO)、特別電動役物処理をおこなう(ステップS1308)。特別電動役物処理では、大当たり遊技が実行される。上記の各処理の詳細については後述する。なお、特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
【0129】
[特別図柄待機処理]
図22は、特別図柄待機処理(
図21:ステップS1302)のフローチャートである。特別図柄待機処理では、遊技制御用マイコン81は、まず、特
図2保留球数が「0」であるか否かの判定をおこなう(ステップS1401)。特
図2保留球数が「0」である場合(ステップS1401:YES)、すなわち、第2特図保留記憶領域85bに、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数値群の記憶がない場合には、処理はステップS1407に移行する。特
図2保留球数が「1」以上である場合(ステップS1401:NO)、遊技制御用マイコン81は、大当たり判定処理(ステップS1402)、および、変動パターン選択処理(ステップS1403)を実行する。これらの処理の詳細については後述する。変動パターン選択処理の後、特
図2保留球数を1つディクリメントする(ステップS1404)。次に、遊技制御用マイコン81は、第2特図保留記憶領域85bの第1~第4記憶領域に格納されている保留情報(各種乱数値)の格納場所を現在の位置から読み出される側に1つシフトするとともに、第2特図保留記憶領域85bにおいて読み出される側から最も遠い場所に格納されている保留情報をクリアする(ステップS1405)。例えば、第1~第3記憶領域に保留情報が格納されている場合には、第3記憶領域に格納されている保留情報をクリアし、第1~第4記憶領域に保留情報が格納されている場合には、第4記憶領域に格納されている保留情報をクリアする。上記ステップによって、第2特図保留が保留された順に消化される。この場合、画像表示装置7の表示画面7aでは、第2特図保留記憶領域85bの第1記憶領域に対応する保留画像9B(4つの保留画像9Bのうち、一番左端の保留画像9B)が保留消化画像表示領域側にシフトし、保留消化画像9Cとして表示される。また、第2特図保留記憶領域85bの第2~第4記憶領域に対応する保留画像9B(4つの保留画像9Bのうち、左から2、3、4番目の保留画像9B)がそれぞれ左側に1つシフトする(
図1)。これにより、遊技者は、第2特図保留が1つ消化されたことを認識することができる。次に、遊技制御用マイコン81は、特
図2変動開始処理をおこなう(ステップS1406)。特
図2変動開始処理では、変動開始コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットし、第2特別図柄の変動表示を開始させるとともに、変動時間タイマのセットをおこなう。変動時間タイマには、変動パターン選択処理で選択された変動パターンに応じて決定される変動時間がセットされる。また、遊技制御用マイコン81は、特別動作ステータスを「2」にセットする。なお、特
図2変動開始処理でセットされる変動開始コマンド(特
図2変動開始コマンド)には、大当たり判定処理(ステップS1402)でセットされた特図停止図柄データに関する情報や変動パターン選択処理(ステップS1403)でセットされた変動パターンに関する情報(変動時間に関する情報を含む)が含まれている。
【0130】
ステップS1401において、特
図2保留球数が「0」の場合(ステップS1401:YES)、遊技制御用マイコン81は、特
図1保留球数が「0」であるか否かの判定をおこなう(ステップS1407)。特
図1保留球数が「0」である場合(ステップS1407:YES)、すなわち、第1特図保留記憶領域85aに、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数値群の記憶がない場合には、処理はステップS1413に移行する。特
図1保留球数が「1」以上である場合(ステップS1407:NO)、遊技制御用マイコン81は、大当たり判定処理(ステップS1408)、および、変動パターン選択処理(ステップS1409)を実行する。これらの処理の詳細については後述する。変動パターン選択処理の後、特
図1保留球数を1つディクリメントする(ステップS1410)。次に、遊技制御用マイコン81は、第1特図保留記憶領域85aの第1~第4記憶領域に格納されている各種乱数値の格納場所を現在の位置から読み出される側に1つシフトするとともに、第1特図保留記憶領域85aにおいて読み出される側から最も遠い場所に格納されている保留情報をクリアする(ステップS1411)。上記ステップによって、第1特図保留が保留された順に消化される。この場合、画像表示装置7の表示画面7aでは、第1特図保留記憶領域85aの第1記憶領域に対応する保留画像9A(4つの保留画像9Aのうち、一番右端の保留画像9A)が保留消化画像表示領域側にシフトし、保留消化画像9Cとして表示される。また、第1特図保留記憶領域85aの第2~第4記憶領域に対応する保留画像9A(4つの保留画像9Aのうち、左から2、3、4番目の保留画像9A)がそれぞれ右側に1つシフトする(
図1)。これにより、遊技者は、第1特図保留が1つ消化されたことを認識することができる。次に、遊技制御用マイコン81は、特
図1変動開始処理をおこなう(ステップS1412)。特
図1変動開始処理では、変動開始コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットし、第1特別図柄の変動表示を開始させるとともに、変動時間タイマのセットをおこなう。変動時間タイマには、変動パターン選択処理で選択された変動パターンに応じて決定される変動時間がセットされる。また、遊技制御用マイコン81は、特別動作ステータスを「2」にセットする(ステップS1406)。なお、特
図1変動開始処理でセットされる変動開始コマンド(特
図1変動開始コマンド)には、大当たり判定処理(ステップS1408)でセットされた特図停止図柄データに関する情報や変動パターン選択処理(ステップS1409)でセットされた変動パターンに関する情報(変動時間に関する情報を含む)が含まれている。
【0131】
ステップS1407において、特
図1保留球数が「0」の場合(ステップS1407:YES)、遊技制御用マイコン81は、画像表示装置7の表示画面7aが待機画面か否かの判定をおこなう(ステップS1413)。待機画面とは、客待ち用のデモ画面のことである。遊技制御用マイコン81は、例えば、客待ち用のデモ画面表示フラグのON/OFFによって判定してもよい。待機画面である場合(ステップS1413:YES)、本処理を終了する。待機画面でない場合(ステップS1413:NO)、遊技制御用マイコン81は、所定の待機時間の経過をまって、待機場面を表示させるための客待ち待機コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットし(ステップS1414)、本処理を終える。上記のように、本実施形態の特別図柄待機処理によれば、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合に限って実行される。すなわち、第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。また、本実施形態の大当たり種別判定テーブルT5によれば、第2特図保留に基づく抽選の方が、第1特図保留に基づく抽選よりも遊技者にとって利益の大きい大当たり(V通過予定大当たり)に当選しやすくなっている。
【0132】
[大当たり判定処理]
図23は、大当たり判定処理(
図22:ステップS1402、S1408)のフローチャートである。特
図2の大当たり判定処理(ステップS1402)と特
図1の大当たり判定処理(ステップS1408)は処理の流れが同様であるため、まとめて説明する。大当たり判定処理では、まず、遊技制御用マイコン81は、確変フラグがONであるか否かの判定をおこなう(ステップS1501)。確変フラグがONの場合(ステップS1501:YES)、大当たり判定テーブルT1(
図8)のうちの高確率状態用テーブルを参照して大当たり判定をおこなう(ステップS1502)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、まず、判定値としての大当たり乱数値の読み出しをおこなう。例えば、特
図2の大当たり判定処理では、第2特図保留記憶領域85bの第1記憶領域(第2特図保留の1個目に対応)に記憶されている大当たり乱数値を読み出す。特
図1の大当たり判定処理では、第1特図保留記憶領域85aの第1記憶領域(第1特図保留の1個目に対応)に記憶されている大当たり乱数値を読み出す。次に、遊技制御用マイコン81は、参照する大当たり判定テーブルT1と大当たり乱数値とを用いて大当たりか否かを判定する。ここでは、高確率状態(確変フラグがON)であるため、大当たり判定テーブルT1のうち、高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「0」~「649」)に基づいて大当たりか否かを判定する。
【0133】
ステップS1501において、確変フラグがOFFの場合(ステップS1501:NO)、遊技制御用マイコン81は、大当たり判定テーブルT1(
図8)のうちの通常確率状態用のテーブルを参照して大当たり判定をおこなう(ステップS1504)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、まず、ステップS1502と同様の方法によって大当たり乱数値の読み出しをおこなう。次に、ここでは、通常確率状態(確変フラグがOFF)であるため、大当たり判定テーブルT1のうち、通常確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「0」~「164」)に基づいて大当たりか否かを判定する。
【0134】
大当たり判定の結果が「大当たり」の場合(ステップS1503、S1505:YES)、遊技制御用マイコン81は、大当たりフラグをONにするとともに(ステップS1506)、大当たり種別の判定をおこなう(ステップS1507)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、まず、判定値としての大当たり種別乱数値の読み出しをおこなう。例えば、特
図2の大当たり判定処理では、第2特図保留記憶領域85bの第1記憶領域に記憶されている大当たり種別乱数値を読み出す。特
図1の大当たり判定処理では、第1特図保留記憶領域85aの第1記憶領域に記憶されている大当たり種別乱数値を読み出す。次に、遊技制御用マイコン81は、読み出した大当たり種別乱数値と大当たり種別判定テーブルT5(
図9)に基づいて、大当たり種別の判定をおこなう。大当たり種別の判定後、特定された大当たり種別に応じた特図停止図柄データ(
図9)をメインRAM84に設けた大当たり種別バッファにセットして(ステップS1520)、本処理を終了する。一方、ステップS1503またはステップS1505において、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をメインRAM84に設けた大当たり種別バッファにセットして(ステップS1520)、本処理を終了する。
【0135】
[変動パターン選択処理]
図24および
図25は、変動パターン選択処理(
図22:ステップS1403、S1409)のフローチャートである。特
図2の変動パターン選択処理(ステップS1403)と特
図1の変動パターン選択処理(ステップS1409)は処理の流れが同様であるため、まとめて説明する。変動パターン選択処理では、まず、遊技制御用マイコン81は、遊技状態が時短状態であるか否かの判定をおこなう(ステップS1600)。時短状態であるか否かの判定は、時短フラグがONか否かによっておこなわれる。時短状態である場合(ステップS1600:YES)、処理はステップS1612に移行する。時短状態でない場合(ステップS1600:NO)、遊技制御用マイコン81は、大当たりフラグがONか否かの判定をおこなう(ステップS1602)。大当たりフラグがOFFの場合(ステップS1602:NO)、処理はステップS1607に移行する。大当たりフラグがONの場合(ステップS1602:YES)、遊技制御用マイコン81は、大当たりが特
図2か否かの判定をおこなう(ステップS1603)。大当たりが特
図2の場合(ステップS1603:YES)、大当たり種別が必ずV通過予定大当たりとなるため、処理はステップS1605にスキップする。大当たりが特
図1の場合(ステップS1603:NO)、遊技制御用マイコン81は、大当たり種別がV通過予定大当たりか否かの判定をおこなう(ステップS1604)、大当たり種別の判定は、メインRAM84にセットされている特図停止図柄データに基づいておこなわれる。
【0136】
大当たり種別がV通過予定大当たりの場合(ステップS1604:YES)、遊技制御用マイコン81は、変動パターン判定テーブルT6(
図10)のうち、非時短状態V通過予定大当たり用のテーブルを参照して変動パターンの選択をおこなう(ステップS1605)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、まず、判定値としての変動パターン乱数値の読み出しをおこなう。例えば、特
図2の変動パターン選択処理では、第2特図保留記憶領域85bの第1記憶領域(第2特図保留の1個目に対応)に記憶されている変動パターン乱数値を読み出す。特
図1の変動パターン選択処理では、第1特図保留記憶領域85aの第1記憶領域(第1特図保留の1個目に対応)に記憶されている変動パターン乱数値を読み出す。次に、遊技制御用マイコン81は、変動パターン判定テーブルT6と変動パターン乱数値とを用いて変動パターンを選択する。ここでは、非時短状態V通過予定大当たり用のテーブルとして、
図10に示す非時短状態用の変動パターン判定テーブルT6のうち、V通過予定大当たりに該当する部分(特
図1では変動パターンが「P1」~「P3」の部分、特
図2では変動パターンが「P21」~「P23」の部分)が参照される(アドレスがセットされる)。読み出した変動パターン乱数値から、特
図1では変動パターンとして「P1」~「P3」のいずれか、特
図2では「P21」~「P23」のいずれかが選択される。
【0137】
大当たり種別がV非通過予定大当たりの場合(ステップS1604:NO)、遊技制御用マイコン81は、変動パターン判定テーブルT6(
図10)のうち、非時短状態V非通過予定大当たり用のテーブルを参照して変動パターンの選択をおこなう(ステップS1606)。ここでは、非時短状態V非通過予定大当たり用のテーブルとして、
図10に示す非時短状態用の変動パターン判定テーブルT6のうち、V非通過予定大当たりに該当する部分(「P4」~「P6」の部分)が参照される。読み出した変動パターン乱数値から、変動パターンとして「P4」~「P6」のいずれかが選択される。
【0138】
ステップS1602において、大当たりフラグがOFFの場合(ステップS1602:NO)、遊技制御用マイコン81は、リーチ乱数値がリーチ成立乱数値か否かの判定をおこなう(ステップS1607)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、まず、判定値としてのリーチ乱数値の読み出しをおこなう。特
図2の変動パターン選択処理では、第2特図保留記憶領域85bの第1記憶領域(第2特図保留の1個目に対応)に記憶されているリーチ乱数値を読み出す。特
図1の変動パターン選択処理では、第1特図保留記憶領域85aの第1記憶領域(第1特図保留の1個目に対応)に記憶されているリーチ乱数値を読み出す。次に、遊技制御用マイコン81は、リーチ判定テーブルT2(
図8(B))と、リーチ乱数値とを用いてリーチの有無を判定する。ここでは、非時短状態であるため、リーチ判定テーブルT2のうち、非時短状態用のテーブル(リーチ有り判定値(リーチ成立乱数値)が「0」~「13」の部分)に基づいてリーチの有無を判定する。
【0139】
リーチ乱数値がリーチ成立乱数値である場合(ステップS1607:YES)、すなわち、リーチ有りハズレの場合には、遊技制御用マイコン81は、変動パターン判定テーブルT6(
図10)のうち、非時短状態リーチ有りハズレ用のテーブルを参照して変動パターンの選択をおこなう(ステップS1608)。ここでは、非時短状態リーチ有りハズレ用のテーブルとして、
図10に示す非時短状態用の変動パターン判定テーブルT6のうち、リーチ有りハズレに該当する部分(特
図1では変動パターンが「P7」~「P14」の部分、特
図2では変動パターンが「P24」~「P31」の部分)が参照される。特
図1では、読み出した変動パターン乱数値と、現在の特
図1保留球数(1~4)から、変動パターンとして「P7」~「P14」のいずれかが選択される。特
図2では、読み出した変動パターン乱数値と、現在の特
図2保留球数(1~4)から、変動パターンとして「P24」~「P31」のいずれかが選択される。保留球数によって選択される変動パターンが変わるため、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特
図1および特
図2のいずれにおいても、保留球数が「3」~「4」であるときは、保留球数が「1」~「2」であるときに比べて変動時間の短い変動パターンがより多く選択されるようになっている。これにより、保留球数が多いときに特図保留の消化スピードを速めることができる。
【0140】
リーチ乱数値がリーチ成立乱数値ではない場合(ステップS1607:NO)、すなわち、リーチ無しハズレの場合には、遊技制御用マイコン81は、変動パターン判定テーブルT6(
図10)のうち、非時短状態リーチ無しハズレ用のテーブルを参照して変動パターンの選択をおこなう(ステップS1609)。ここでは、非時短状態リーチ無しハズレ用のテーブルとして、
図10に示す非時短状態用の変動パターン判定テーブルT6のうち、リーチ無しハズレに該当する部分(特
図1では変動パターンが「P15」~「P16」の部分、特
図2では変動パターンが「P32」~「P33」の部分)が参照される。特
図1では、読み出した変動パターン乱数値と、現在の特
図1保留球数(1~4)から、変動パターンとして「P15」、「P16」のいずれかが選択される。特
図2では、読み出した変動パターン乱数値と、現在の特
図2保留球数(1~4)から、変動パターンとして「P32」、「P33」のいずれかが選択される。ここでも、保留球数によって選択される変動パターンが変わるため、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。
【0141】
ステップS1600において、遊技状態が時短状態であると判定した場合には、遊技制御用マイコン81は、大当たりフラグがONか否かの判定をおこなう(
図25:ステップS1612)。以後、ステップS1613~S1619の処理は、以下の点を除いては上述のステップS1603~S1609の処理と同様であるため説明を省略する。ステップS1613~S1619の処理とステップS1603~S1609の処理との違いは、ステップS1615、S1616、S1618、S1619において、参照される変動パターン判定テーブルT6の部分が既述のステップS1605、S1606、S1608、S1609と異なる。具体的には、S1605、S1606、S1608、S1609では、非時短状態用の変動パターン判定テーブルT6(
図10)が参照されるのに対して、ステップS1615、S1616、S1618、S1619では、時短状態用の変動パターン判定テーブルT6(
図11)が参照される。例えば、ステップS1615の場合、すなわち、大当たり種別がV通過予定大当たりの場合、
図11に示す時短状態用の変動パターン判定テーブルT6のうち、V通過予定大当たりに該当する部分(特
図1では変動パターンが「P41」~「P43」の部分、特
図2では変動パターンが「P61」~「P63」の部分)が参照される。読み出した変動パターン乱数値から、特
図1では変動パターンとして「P41」~「P43」のいずれか、特
図2では「P61」~「P63」のいずれかが選択される。また、例えば、ステップS1616の場合、すなわち、大当たり種別がV非通過予定大当たりの場合、
図11に示す時短状態用の変動パターン判定テーブルT6のうち、V非通過予定大当たりに該当する部分(「P44」~「P46」の部分)が参照される。読み出した変動パターン乱数値から、変動パターンとして「P44」~「P46」のいずれかが選択される。
【0142】
上記のように変動パターンの選択をおこなった後、遊技制御用マイコン81は、選択した変動パターンをセットして(ステップS1630)本処理を終える。セットされた変動パターンの情報は変動開始コマンドに含められて、出力処理(
図16:ステップS108)においてサブ制御基板90に送信される。これにより特別図柄の変動表示が開始される。
【0143】
[特別図柄変動中処理]
図26は、特別図柄変動中処理(
図21:ステップS1304)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、特別図柄の変動時間が経過して終了したか否かの判定をおこなう(ステップS1701)。特別図柄の変動時間とは、上述の変動パターン選択処理(
図24、
図25)で選択された変動パターンに応じて決定される変動時間である。変動時間が終了していない場合(ステップS1701:NO)、本処理を終える。すなわち、特別図柄待機処理(
図22)のステップS1406またはS1412において開始された特別図柄の変動表示が継続される。一方、変動時間が終了している場合(ステップS1701:YES)、変動停止コマンドをセットし(ステップS1702)、特別動作ステータスを「3」にセットする(ステップS1703)。また、遊技制御用マイコン81は、変動停止にともなうその他の処理をおこなう(ステップS1704)。例えば、遊技制御用マイコン81は、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄で停止させる処理等をおこなう。その後、遊技制御用マイコン81は、本処理を終える。
【0144】
[特別図柄確定処理]
図27は、特別図柄確定処理(
図21:ステップS1306)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、遊技状態管理処理をおこなう(ステップS1801)。遊技状態管理処理とは、ST回数や時短回数を管理するための処理であり内容について後述する。遊技状態管理処理の後、大当たりフラグがONであるか否かの判定をおこなう(ステップS1802)。大当たりフラグがOFFである場合(ステップS1802:NO)、遊技制御用マイコン81は、特別動作ステータスを「1」にセットして(ステップS1808)、本処理を終了する。これにより、大当たり遊技は開始されず、再度、特別図柄待機処理(
図22)に移行し、次の保留に対する大当たり判定等が実行される。
【0145】
大当たりフラグがONの場合(ステップS1802:YES)、遊技制御用マイコン81は、当選した大当たりの種別に応じた大入賞口およびV開閉部材の開放パターンのセットをおこなう(ステップS1803)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、大入賞口開放パターン判定テーブルT8(
図13)を参照して、特図停止図柄データから大入賞口の開放パターンを決定し、決定した開放パターンをセットする。例えば、特図停止図柄データが「11H」の場合には、大入賞口の開放パターンとして「開放パターン21」がセットされる。また、遊技制御用マイコン81は、V開閉部材開放パターン判定テーブルT9(
図14)を参照して、特図停止図柄データからV開閉部材71の開放パターンを決定し、決定した開放パターンをセットする。例えば、特図停止図柄データが「11H」の場合には、V開閉部材71の開放パターンとして「開放パターン31」がセットされる。大入賞口およびV開閉部材の開放パターンのセットとあわせてラウンドカウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じたラウンド数にセットする。ラウンドカウンタとは、大当たり遊技中に実行した単位開放遊技(ラウンド遊技)の回数をカウントするものである。ここでは、ラウンドカウンタには「16」がセットされる(
図13(B))。
【0146】
開放パターンのセット後、遊技制御用マイコン81は、遊技状態リセット処理をおこなう(ステップS1804)。遊技状態リセット処理とは、確変フラグや時短フラグをリセットする(OFFに戻す)ための処理であり内容について後述する。遊技状態リセット処理の後、大当たり遊技を開始するために、大当たりのオープニングコマンドをセットし(ステップS1805)、オープニングを開始する(ステップS1806)。その後、特別動作ステータスを「4」にセットして(ステップS1807)、本処理を終える。
【0147】
[遊技状態管理処理]
図28は、遊技状態管理処理(
図27:ステップS1801)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、確変フラグがONか否かの判定をおこなう(ステップS2001)。確変フラグがOFFの場合(ステップS2001:NO)、処理はステップS2010にスキップする。確変フラグがONの場合(ステップS2001:YES)、確変カウンタの値を1ディクリメントする(ステップS2002)。確変カウンタとは、高確率状態中に実行した特別図柄の変動回数をカウントするものである。ここでは、高確率状態への移行時に確変カウンタに「100」がセットされる。遊技制御用マイコン81は、確変カウンタを1ディクリメントした結果、カウンタの値が「0」になったか否かの判定をおこなう(ステップS2003)。確変カウンタの値が「0」ではない場合(ステップS2003:NO)、処理はステップS2005にスキップする。確変カウンタの値が「0」の場合(ステップS2003:YES)、確変フラグをOFFに切り替える(ステップS2004)。
【0148】
ステップS2005では、遊技制御用マイコン81は、時短フラグがONか否かの判定をおこなう。時短フラグがOFFの場合(ステップS2005:NO)、処理はステップS2009にスキップする。時短フラグがONの場合(ステップS2005:YES)、時短カウンタの値を1ディクリメントする(ステップS2006)。時短カウンタとは、時短状態中に実行した特別図柄の変動回数をカウントするものである。ここでは、時短状態への移行時に、時短カウンタに「100」がセットされる。遊技制御用マイコン81は、時短カウンタを1ディクリメントした結果、カウンタの値が「0」になったか否かの判定をおこなう(ステップS2007)。時短カウンタの値が「0」ではない場合(ステップS2007:NO)、処理はステップS2009にスキップする。時短カウンタの値が「0」の場合(ステップS2007:YES)、時短フラグをOFFに切り替える(ステップS2008)。
【0149】
ステップS2009では、遊技制御用マイコン81は、遊技状態指定コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域(出力バッファ)84aにセットして、本処理を終える。遊技状態指定コマンドには、設定した現在の遊技状態に関する情報(天井フラグがONか否か、天井カウンタ値、確変状態か否か、確変カウンタ値、時短状態か否か、時短カウンタ値など)が含まれている。
【0150】
ステップS2010では、遊技制御用マイコン81は、天井フラグがONか否かの判定をおこなう。天井フラグがOFFの場合(ステップS2010:NO)、処理はステップS2005にスキップする。天井フラグがONの場合(ステップS2010:YES)、天井カウンタの値を1ディクリメントする(ステップS2011)。天井カウンタとは、b時短(遊タイム)に達するまでの規定回転数をカウントするためのものであり、天井フラグがONのとき(低確率状態中)に実行した特別図柄の変動回数をカウントする。ここでは、天井フラグがONにセットされたときに天井カウンタに規定回転数としての「500」がセットされる。遊技制御用マイコン81は、天井カウンタを1ディクリメントした結果、カウンタの値が「0」になったか否かの判定をおこなう(ステップS2012)。すなわち、b時短(遊タイム)に達するまでの規定回転数を経過したか否かの判定をおこなう。天井カウンタの値が「0」ではない場合(ステップS2012:NO)、処理はステップS2005にスキップする。天井カウンタの値が「0」の場合(ステップS2012:YES)、時短フラグをONに切り替え(ステップS2013)、時短カウンタに時短回数(付与回数)として「700」をセットする。そして、天井フラグをOFFに切り替える(ステップS2015)。その後、ステップS2009の処理が実行される。
【0151】
[遊技状態リセット処理]
図29は、遊技状態リセット処理(
図27:ステップS1804)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、確変フラグがONか否かの判定をおこなう(ステップS2101)。確変フラグがOFFの場合(ステップS2101:NO)、処理はステップS2103にスキップする。確変フラグがONの場合(ステップS2101:YES)、確変フラグをOFFに切り替える(ステップS2102)。ステップS2103において、遊技制御用マイコン81は、時短フラグがONか否かの判定をおこなう。時短フラグがOFFの場合(ステップS2103:NO)、処理は2105にスキップする。時短フラグがONの場合(ステップS2103:YES)、時短フラグをOFFに切り替える(ステップS2104)。ステップS2105において、遊技制御用マイコン81は、天井フラグがONか否かの判定をおこなう。天井フラグがOFFの場合(ステップS2105:NO)、本処理を終了する。天井フラグがONの場合(ステップS2105:YES)、天井フラグをOFFに切り替える(ステップS2106)。つまり、大当たり遊技の実行中は、非高確率状態かつ非時短状態で天井フラグはOFFとなる。遊技機1では、非時短状態時は常に低ベース状態となるため、大当たり遊技の実行中は低ベース状態となる。
【0152】
[特別電動役物処理]
図30は、特別電動役物処理(
図21:ステップS1308)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、大当たり終了フラグがONか否かの判定をおこなう(ステップS2200)。「大当たり終了フラグ」とは、実行中の大当たり遊技において、開放パターンに基づく大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)の開放がすべて終了したことを示すフラグである。大当たり終了フラグがONの場合(ステップS2200:YES)、処理はステップS2230に移行する。大当たり終了フラグがOFFの場合(ステップS2200:NO)、V開閉部材71を作動させるためのV開閉部材動作処理をおこなう(ステップS2201)。本実施形態のV開閉部材71は、第1大入賞口30に所定個数の遊技球が入賞した時に作動するように構成されており、V開閉部材動作処理では、V開閉部材開放パターンT9に応じて所定番目の遊技球の入賞時にV開閉部材71を所定期間開放させる。V開閉部材動作処理の詳細については後述する。V開閉部材動作処理の後、遊技制御用マイコン81は、大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)が開放中か否かの判定をおこなう(ステップS2202)。開放中の場合(ステップS2202:YES)、処理はステップS2210に移行する。
【0153】
大入賞口が開放中ではない場合(ステップS2202:NO)、遊技制御用マイコン81は、大入賞口を開放する時間(タイミング)か否かの判定をおこなう(ステップS2203)。大入賞口を開放する時間には、例えば、大当たりのオープニングの時間が経過して初回のラウンド遊技における開放開始の時期に至ったときや、開放後に一時的に閉鎖した大入賞口を再び開放させるまでのインターバル時間(閉鎖時間)が経過して、再度の開放開始の時期に至ったときが含まれる。大入賞口を開放する時間ではない場合(ステップS2203:NO)、処理はステップS2220に移行する。
【0154】
大入賞口を開放する時間(タイミング)である場合(ステップS2203:YES)、遊技制御用マイコン81は、大入賞口開放処理をおこなう(ステップS2207)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、大当たりの種類に応じた開放パターン(
図13)に従って大入賞口(第1大入賞口30または第2大入賞口35)を開放させる。大入賞口開放処理の後、遊技制御用マイコン81は、ラウンド指定コマンドのセットをおこなう(ステップS2208)。ラウンド指定コマンドには、実行中の大当たり遊技のラウンド数に関する情報が含まれており、遊技制御用マイコン81は、ラウンド指定コマンドをメインRAM84の出力バッファにセットする。なお、本実施形態では、1回のラウンド遊技中に複数回の大入賞口の開放がなされることがない。しかし、他の実施形態として、1回のラウンド遊技中に複数回の大入賞口の開放がなされる場合には、遊技制御用マイコン81は、大入賞口の開放が1回のラウンド中での初めての開放か否かを判定し、初めての開放の場合のみ、ラウンド指定コマンドをセットするようにしてもよい。ラウンド指定コマンドをセットした後、本処理を終える。
【0155】
上述のステップS2202において、大入賞口の開放中の場合(ステップS2202:YES)、遊技制御用マイコン81は、大入賞口の閉鎖条件が成立しているか否かの判定をおこなう(ステップS2210)。ここでの閉鎖条件は、そのラウンド遊技における大入賞口への入賞個数が規定の最大入賞個数(例えば、1ラウンドあたり9個)に達したこと、または、大入賞口を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち、大入賞口を開放してから所定の開放時間(
図13)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、大入賞口の閉鎖条件が成立していなければ(ステップS2210:NO)、遊技制御用マイコン81は、本処理を終える。一方、大入賞口の閉鎖条件が成立している場合には(ステップS2210:YES)、遊技制御用マイコン81は、大入賞口を閉鎖(閉塞)する(ステップS2211)。
【0156】
上述のステップS2203において、大入賞口を開放する時間(タイミング)ではない場合、遊技制御用マイコン81は、当該ラウンド遊技が終了しているか否かの判定をおこなう(ステップS2220)。ここでは1回のラウンドは、大入賞口が閉鎖してから所定の時間(ここでは2秒)経過後に終了する。上述のように、ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放ラウンド遊技に含まれるためである。遊技制御用マイコン81は、大入賞口を閉鎖してから所定のインターバル時間が経過したか否かによって、当該ラウンド遊技が終了しているか否かの判定をおこなう。当該ラウンド遊技が終了していない場合(ステップS2220:NO)、遊技制御用マイコン81は本処理を終了する。
【0157】
当該ラウンド遊技が終了している場合(ステップS2220:YES)、遊技制御用マイコン81は、ラウンドカウンタの値を1ディクリメンとし(ステップS2221)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否かの判定をおこなう(ステップS2226)。ラウンドカウンタの値が「0」でなはい場合(ステップS2226:NO)、すなわち、規定のラウンド遊技回数をまだ消化していない場合、次のラウンド遊技を開始するために本処理を終える。一方、ラウンドカウンタの値が「0」の場合、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(ステップS2227)、大当たりのエンディングを開始する(ステップS2228)。本実施形態では、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」でV領域39への遊技球の通過があった場合のエンディング時間(例えば18秒)は、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」でV領域39への遊技球の通過が無かった場合のエンディング時間と同じ長さになっている。これにより、遊技者に対して、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」でV領域39への遊技球の通過があった場合であっても、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」でV領域39への遊技球の通過が無かったと認識させることができる。なお、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」でV領域39への遊技球の通過が無かった場合のエンディング時間もこれらと同じ長さになっている。大当たりのエンディングの開始後、大当たり終了フラグをONにセットして(ステップS2229)、本処理を終える。
【0158】
上述のステップS2200において、大当たり終了フラグがONの場合(ステップS2200:YES)、最終ラウンドが終了しているので、遊技制御用マイコン81は、大当たりのエンディングの時間が経過したか否かを判定する(ステップS2230)。エンディング時間が経過していない場合(ステップS2230:NO)、遊技制御用マイコン81は、本処理を終える。一方、エンディング時間が経過している場合(ステップS2230:YES)、遊技制御用マイコン81は、大当たり終了フラグをOFFにするとともに(ステップS2231)、大当たりフラグをOFFにし(ステップS2232)、特別動作ステータスを「1」にセットする(ステップS2233)。これにより、次回の特別動作処理において、再び特別図柄待機処理(ステップS1302)が実行される。その後、後述の遊技状態設定処理(ステップS2234)を実行し本処理を終える。
【0159】
[V開閉部材動作処理]
図31は、V開閉部材動作処理(
図30:ステップS2201)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、現在のラウンド遊技(当該ラウンド)がV開閉部材71の開放ラウンドであるか否かの判定をおこなう(ステップS2501)。ここでは、第2ラウンド,第4ラウンド,第6ラウンド,第8ラウンド,第10ラウンド,第12ラウンドがV開閉部材71の開放ラウンドに該当する。遊技制御用マイコン81は、ラウンドカウンタの値が「15」,「13」,「11」,「9」,「7」,「5」のとき、開放ラウンドであると判定することができる。V開閉部材71の開放ラウンドではない場合(ステップS2501:NO)、本処理を終える。当該ラウンドにおいてV開閉部材71を作動させる必要がないためである。
【0160】
V開閉部材71の開放ラウンドである場合(ステップS2501:YES)、遊技制御用マイコン81は、第1入賞フラグがONか否かの判定をおこなう(ステップS2502)。「第1入賞フラグ」とは、当該ラウンドにおいて、第1大入賞口30に1球目の入賞があったことを示すフラグである。第1入賞フラグがONの場合(ステップS2502:YES)、処理はステップS2520に移行する。第1入賞フラグがOFFの場合(ステップS2502:NO)、1球目の入賞を検出したか否かの判定をおこなう(ステップS2503)。1球目の入賞を検出していない場合(ステップS2503:NO)、本処理を終える。当該ラウンドにおいて第1大入賞口30への入賞がまだなく、V開閉部材71を作動させる必要がないためである。
【0161】
1球目の入賞を検出した場合(ステップS2503:YES)、遊技制御用マイコン81は、V開閉部材71をショート開放させるとともに、V有効期間設定処理をおこなう(ステップS2504)。V開閉部材71をショート開放させるのは、V開閉部材71の開放パターン(
図14(B))では、「ショート開放」、「ロング開放」のいずれの場合であっても、1球目の入賞時にショート開放(ここでは0.1秒)を実行させるためである。なお、V開閉部材71のショート開放では、V開閉部材71の開放時間が非常に短いため、第1大入賞口30に入賞した1球目の遊技球は、V領域39を通過せずに非V領域70を通過するように構成されている。V有効期間設定処理では、V開閉部材71の開放中、および、V開閉部材71の閉鎖後の数秒間を、V領域センサ39aによる遊技球の検知を有効とするV有効期間に設定する。ここでは、遊技制御用マイコン81は、V開閉部材71の開放パターン(
図14(B))に従って、V開閉部材71をショート開放(ここでは0.1秒)させ、V開閉部材71の開放中および閉鎖後1秒間をV有効期間に設定する。遊技制御用マイコン81は、V有効期間以外の期間(大当たり遊技を実行していないときも含む)を、V領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するV無効期間に設定している。ここで「V領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定する」とは、V領域センサ39aによる遊技球の検知に基づいてVフラグをONにすることを意味する(後述のV領域センサ検出処理(
図33)参照)。また、「V領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定する」とは、V領域センサ39aによる遊技球の検知があってもVフラグをONにしないことを意味する。なお、V有効期間にV開閉部材71の閉鎖後の数秒間(球ハケ時間)を含めているのは、V開閉部材71とV領域センサ39aとの間には物理的な距離があるため、V開閉部材71の閉鎖直前にV領域39側に入球した遊技球がV領域センサ39aによって検知されるまでの時間(期間)を考慮したものである。すなわち、ここでは、V有効期間中のV通過(V領域39への遊技球の通過)の検知時のみVフラグをONし、V有効期間外(V無効期間)のV通過検知時にはVフラグをONしないこととしている。なお、VフラグがONである場合には、確変フラグがONされる、すなわち、大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に設定される(後述の遊技状態設定処理(
図32)参照)。このようにすることで、不正行為によるV通過に基づいてVフラグがONされ、高確率状態に設定されることのないようにしている。V開閉部材71のショート開放およびV有効期間設定処理の後、遊技制御用マイコン81は、第1入賞フラグをONに切り替え(ステップS2505)、ステップS2540に移行する。
【0162】
ステップS2502において、第1入賞フラグがONの場合、すなわち、既に1球目の入賞があった場合(ステップS2502:YES)、遊技制御用マイコン81は、第2入賞フラグがONか否かの判定をおこなう(ステップS2520)。「第2入賞フラグ」とは、当該ラウンドのV開閉部材71の開放パターンがロング開放の場合には、第1大入賞口30に2球目の入賞があったことを示すフラグである。第2入賞フラグがONの場合(ステップS2520:YES)、処理はステップS2540に移行する。第2入賞フラグがOFFの場合(ステップS2520:NO)、遊技制御用マイコン81は、当該ラウンドにおけるV開閉部材71の開放パターンがロング開放か否かの判定をおこなう(ステップS2521)。ロング開放ではない場合(ステップS2521:NO)、すなわち、ショート開放である場合、処理はステップS2540に移行する。一方、ロング開放である場合(ステップS2521:YES)、遊技制御用マイコン81は、2球目の入賞を検出したか否かの判定をおこなう(ステップS2522)。2球目の入賞を検出していない場合(ステップS2522:NO)、処理はステップS2540に移行する。
【0163】
2球目の入賞を検出した場合(ステップS2522:YES)、遊技制御用マイコン81は、V開閉部材71をロング開放させるとともに、V有効期間設定処理をおこなう(ステップS2523)。V開閉部材71をロング開放させるのは、V開閉部材71の開放パターン(
図14(B))では、「ロング開放」の場合、2球目の入賞時にロング開放(ここでは最大31.5秒)を実行させるためである。なお、ここでは、1回のラウンド遊技時間は最長で31.5秒(大入賞口最大開放時間29.5秒+インターバル閉鎖時間2秒)となるため、一般的には、2球目の入賞時からラウンドの終了時までの時間は31.5秒よりも短くなる。後述のように、V開閉部材71は、当該ラウンドの終了時に強制的に閉鎖されるため、V開閉部材71のロング開放の開放時間は、31.5秒よりも短くなる。しかし、V開閉部材71のロング開放は、V開閉部材71の開放時間が比較的長いため、第1大入賞口30に入賞した2球目以降の遊技球の少なくとも一部は、V領域39を通過するように構成されている。V有効期間設定処理では、遊技制御用マイコン81は、V開閉部材71の開放中をV有効期間に設定し、当該ラウンドの終了時にV開閉部材71の閉鎖とともにV無効期間を設定する。V開閉部材71のロング開放およびV有効期間設定処理の後、遊技制御用マイコン81は、第2入賞フラグをONに切り替え(ステップS2524)、ステップS2540に移行する。
【0164】
ステップS2540では、遊技制御用マイコン81は、V開閉部材71が開放中か否かの判定をおこなう。V開閉部材71が開放中の場合(ステップS2540:YES)、遊技制御用マイコン81は、当該ラウンド遊技が終了しているか否かの判定をおこなう(ステップS2550)。既述のように、遊技制御用マイコン81は、大入賞口を閉鎖してから所定のインターバル時間(ここでは2秒)が経過したか否かによって、当該ラウンド遊技が終了しているか否かの判定をおこなう。
【0165】
当該ラウンド遊技が終了している場合(ステップS2550:YES)、遊技制御用マイコン81は、第1入賞フラグおよび第2入賞フラグをOFFに切り替え(ステップS2551)、V開閉部材閉鎖処理およびV無効期間設定処理をおこなう(ステップS2552)。ここでは、当該ラウンド遊技の終了時に遊技制御用マイコン81は、V開閉部材71を強制的に閉鎖させ、V開閉部材71の閉鎖後数秒間(ここでは1秒間)経過後から、V無効期間に設定し、本処理を終える。
【0166】
当該ラウンド遊技が終了していない場合(ステップS2550:NO)、遊技制御用マイコン81は、V開閉部材71の閉鎖条件が成立しているか否かの判定をおこなう(ステップS2560)。V開閉部材71の閉鎖条件とは、例えば、ショート開放であれば、V開閉部材71の開放後に所定期間(例えば0.1秒)が経過していること等が例示できる。閉鎖条件が成立している場合(ステップS2560:YES)、V開閉部材閉鎖処理およびV無効期間設定処理をおこない(ステップS2552)、本処理を終える。閉鎖条件が成立していない場合(ステップS2560:NO)、V開閉部材71を開放状態、V有効期間を継続したまま本処理を終える。
【0167】
ステップS2540において、遊技制御用マイコン81は、V開閉部材71が閉鎖中と判定した場合(ステップS2540:NO)、当該ラウンド遊技が終了しているか否かの判定をおこなう(ステップS2571)。当該ラウンドが終了している場合(ステップS2571:YES)、遊技制御用マイコン81は、第1入賞フラグおよび第2入賞フラグをOFFに切り替えて(ステップS2572)、本処理を終える。ラウンドが終了していない場合には(ステップS2571:NO)、そのまま本処理を終える。
【0168】
[遊技状態設定処理]
図32は、遊技状態設定処理(
図30:ステップS2234)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、VフラグがONか否かの判定をおこなう(ステップS2301)。VフラグがOFFの場合(ステップS2301:NO)、時短フラグをONにし(ステップS2302)、時短カウンタに「100」をセットする(ステップS2303)。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が「非高確率状態」かつ「時短状態」かつ「高ベース状態」(すなわち、低確高ベース)になる。この低確高ベース状態は、特別図柄の可変表示が100回おこなわれること、または、次の大当たりに当選すること、のいずれかの条件の成立によって終了する。
【0169】
一方、ステップS2301において、VフラグがONの場合(ステップS2301:YES)、遊技制御用マイコン81は、確変フラグをONにし(ステップS2304)、確変カウンタに「100」をセットし(ステップS2305)、VフラグをOFFにする(ステップS2306)。また、遊技制御用マイコン81は、時短フラグをONにし(ステップS2307)、時短カウンタに「100」をセットする(ステップS2308)。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が「高確率状態」かつ「時短状態」かつ「高ベース状態」(すなわち、高確高ベース)になる。この高確高ベース状態は、特別図柄の可変表示が100回おこなわれること、または、次の大当たりに当選すること、のいずれかの条件の成立によって終了する。
【0170】
ステップS2310では、遊技制御用マイコン81は、天井フラグをONにし、天井カウンタに、b時短(遊タイム)に達するまでの規定回転数としての「500」がセットされる(ステップS2311)。これにより、大当たり遊技後、確変フラグがOFFとなっているとき、500回はまるとb時短(遊タイム)に突入する。ステップS2309では、遊技制御用マイコン81は、遊技状態指定コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域(出力バッファ)84aにセットして、本処理を終える。遊技状態指定コマンドには、設定した遊技状態(時短フラグ、時短カウンタ、確変フラグ、確変カウンタ、天井フラグ、天井カウンタ)に関する情報が含まれている。
【0171】
[V領域センサ検出処理]
図33は、V領域センサ検出処理(
図16:ステップS106)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、V領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かの判定をおこなう(ステップS2601)。V領域センサ39aによる遊技球の検知がない場合には(ステップS2601:NO)、本処理を終える。一方、検知がある場合には(ステップS2601:YES)、遊技制御用マイコン81は、V有効期間中か否かの判定をおこなう(ステップS2602)。V有効期間は、V開閉部材動作処理(
図31)のV有効期間設定処理(ステップS2504,S2523)によって設定される期間である。V有効期間は、第2ラウンド,第4ラウンド,第6ラウンド,第8ラウンド,第10ラウンド,第12ラウンド中のV開閉部材71の開放時や閉鎖後の数秒間(球ハケ時間)に設定される。V有効期間中ではない場合には(ステップS2602:NO)、本処理を終える。一方、V有効期間中である場合(ステップS2602:YES)、遊技制御用マイコン81は、VフラグをONするとともに(ステップS2603)、V通過コマンドをセットして(ステップS2604)、本処理を終える。
【0172】
[保留球数処理]
図34は、保留球数処理(
図16:ステップS107)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、メインRAM84に記憶されている特
図1保留球数、特
図2保留球数、および、普通図柄保留球数の読み出しをおこなう(ステップS2701)。次に、遊技制御用マイコン81は、保留球数コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域(出力バッファ)84aにセットする(ステップS2702)。保留球数コマンドは、保留球数をサブ制御基板90に通知するためのコマンドであり、特
図1保留球数、特
図2保留球数、および、普通図柄保留球数に関する情報を含んでいる。保留球数コマンドのセット後、遊技制御用マイコン81は、本処理を終了する。
【0173】
[入賞有効時間判定処理]
図35は、入賞有効時間判定処理(
図16:ステップS107a)のフローチャートである。
図16のメイン側タイマ割り込み処理におけるステップS102aのタイマ更新処理では、上述したように、電チュー22が開放されると、メイン側タイマ割り込み処理がおこなわれるごとに、設定された開放時間からメイン側タイマ割り込み処理がおこなわれるメイン側割り込みタイマの時間だけ減算開始し、開放時間が値0(ゼロ)秒となると、設定された球ハケ時間やインターバル時間からメイン側タイマ割り込み処理がおこなわれるメイン側割り込みタイマの時間だけ減算開始し、その後、メイン側タイマ割り込み処理が繰り返しおこなわれることで、最終的に値0(ゼロ)秒となる。入賞有効時間判定処理では、設定された球ハケ時間がタイマ更新処理で減算されることで、値0(ゼロ)秒となると、これを契機として、球ハケ時間が開始されて終了されたことで、球ハケ時間が経過したとして、異常入賞監視フラグをONにセットする処理である。
【0174】
遊技制御用マイコン81は、まず、異常入賞監視フラグがOFFであるか否かの判定をおこなう(ステップS2801)。異常入賞監視フラグは、上述したように、電チュー22の開放時から球ハケ時間が経過するまでに亘る入賞有効時間以内に第2始動口センサ21aによって検知された第2始動口21で受け入れた(第2始動口21に入球した)遊技球を正常(有効)なものとして正常入賞とする場合にOFFがセットされるのに対して、入賞有効時間以外に(入賞有効時間が終了してからあり得ない時間経過後に)第2始動口センサ21aによって検知された第2始動口21で受け入れた(第2始動口21に入球した)遊技球を異常なものとして異常入賞とする場合にONがセットされるフラグである。これにより、異常入賞監視フラグは、入賞有効時間中である場合にはOFFとなっており、入賞有効時間中ではない場合にはONとなっている。
【0175】
異常入賞監視フラグがOFFでない場合、つまり異常入賞監視フラグがONである場合(ステップS2801:NO)、遊技制御用マイコン81は、入賞有効時間中でないとして本処理を終了する。一方、異常入賞監視フラグがOFFである場合(ステップS2801:YES)、遊技制御用マイコン81は、入賞有効時間中であるとして、球ハケ時間が経過したか否かの判定をおこなう(ステップS2802)。ここでは、
図20の普通動作処理におけるステップS511aまたはステップS511bでセットした開放パターンに対応する球ハケ時間が、
図16のメイン側タイマ割り込み処理におけるステップS102aのタイマ更新処理で減算されて値0(ゼロ)秒となったか否かの判定によりおこなう。球ハケ時間が上述のタイマ更新処理で減算されて値0(ゼロ)秒となることで、設定された球ハケ時間が経過したこととなる。
【0176】
球ハケ時間が経過した場合(ステップS2802:YES)、遊技制御用マイコン81は、入賞有効時間の終了として異常入賞監視フラグをONにセットし(ステップS2803)、本処理を終了する。
【0177】
異常入賞監視フラグがONにセットされた状態で、第2始動口21で受け入れた(第2始動口21に入球した)遊技球が第2始動口センサ21aによって検知されると、異常入賞として、その後、遊技機1を後述する異常入賞報知態様へ移行することとなる。
【0178】
なお、ステップS2803では、
図20の普通動作処理におけるステップS511aでセットした開放パターンが開放パターン11である場合(電チュー22の開放パターンとして開放パターン11がセットされている場合)、球ハケ時間の経過により入賞有効時間終了後所定時間(本実施形態では5分)のタイマがセットされ、
図16のメイン側タイマ割り込み処理におけるステップS102aのタイマ更新処理において、入賞有効時間終了後所定時間が更新され、その後、値0(ゼロ)秒となる。入賞有効時間終了後所定時間(本実施形態では5分)が経過するまでに第2始動口21で受け入れた(第2始動口21に入球した)遊技球が第2始動口センサ21aによって検知されると、入賞有効時間が終了してからあり得ない時間経過後の遊技球であるとして、この遊技球は、異常なものとして異常入賞と判断されることとなる。
【0179】
また、ステップS2803では、
図20の普通動作処理におけるステップS511bでセットした開放パターンが開放パターン12である場合(電チュー22の開放パターンとして開放パターン12がセットされている場合)であって、3回目の電チュー22の作動が終了して球ハケ時間の経過により入賞有効時間終了後所定時間(本実施形態では5分)のタイマがセットされ、
図16のメイン側タイマ割り込み処理におけるステップS102aのタイマ更新処理において、入賞有効時間終了後所定時間が更新され、その後、値0(ゼロ)秒となる。電チュー22の開放パターンとして開放パターン12がセットされている場合、入賞有効時間終了後所定時間(本実施形態では5分)が経過するまでに第2始動口21で受け入れた(第2始動口21に入球した)遊技球が第2始動口センサ21aによって検知されると、入賞有効時間が終了してからあり得ない時間経過後の遊技球であるとして、この遊技球は、異常なものとして異常入賞と判断されることとなる。
【0180】
電チュー22の開放パターンとして開放パターン11または開放パターン12がセットされている場合であって、入賞有効時間終了後所定時間(本実施形態では5分)が経過したあと、遊技球が第2始動口センサ21aによって検知されると、普通電動役物未作動時に第2始動口への入球があったものと判断されることとなる。
【0181】
球ハケ時間が経過していない場合(ステップS2802:NO)、遊技制御用マイコン81は、入賞有効時間が終了せずに入賞有効時間中であるとして、第2始動口入球カウンタが「6」を超えているか否かの判定をおこなう(ステップS2804)。第2始動口入球カウンタは、電チュー(普通電動役物)22が開放されてから入賞有効時間が経過するまでに入球した遊技球の球数を示すカウンタである。ステップS2804では、電チュー(普通電動役物)22が開放されてから入賞有効時間が経過するまでに6球を超える入球(つまり7球以上の入球)があったか否かの判定をおこなっている。
【0182】
電チュー(普通電動役物)22が開放されてから入賞有効時間が経過するまでに6球を超える入球がなかった場合(ステップS2804:NO)、遊技制御用マイコン81は、入賞有効時間が終了せずに入賞有効時間中であるとして、本処理を終了する。一方、電チュー(普通電動役物)22が開放されてから入賞有効時間が経過するまでに6球を超える入球があった場合(ステップS2804:YES)、遊技制御用マイコン81は、「普通電動役物入賞エラー」の報知をおこなうために、普通電動役物入賞エラー報知フラグをONにセットし(ステップS2805)、本処理を終了する。普通電動役物入賞エラー報知フラグは、「普通電動役物入賞エラー」の報知をおこなうときにONがセットされるのに対して、「普通電動役物入賞エラー」の報知をおこなわないときにOFFがセットされるフラグである。
【0183】
[各種エラー検出報知処理]
図36は、各種エラー検出報知処理(
図16:ステップS107b)のフローチャートである。各種エラー検出報知処理では、遊技機1にエラーが発生しているか否かを調べて、エラーが発生している場合には、そのエラーを表示して報知する処理である。
【0184】
遊技制御用マイコン81は、まず、エラーがないか否かの判定をおこなう(ステップS2851)。本実施形態では、遊技機1の各種エラーは、それぞれ対応するエラー報知フラグの状態(ONまたはOFF)により特定することができるようになっている。例えば、上述した普通電動役物入賞エラー報知フラグは、「普通電動役物入賞エラー」と対応するフラグである。普通電動役物入賞エラー報知フラグは、「普通電動役物入賞エラー」の報知をおこなうときにONがセットされるのに対して、「普通電動役物入賞エラー」の報知をおこなわないときにOFFがセットされるフラグである。普通電動役物入賞エラー報知フラグがOFFである場合には、「普通電動役物入賞エラー」が発生してない状態であるのに対し、普通電動役物入賞エラー報知フラグがONである場合には、「普通電動役物入賞エラー」が発生している状態である。
【0185】
エラーがない場合、つまり各種エラー報知フラグがすべてOFFである場合(ステップS2851:YES)、そのまま本処理を終了する。一方、エラーがある場合、つまり各種エラー報知フラグのうちONとなっているものがある場合(ステップS2851:NO)、ステップS2852に移行する。
【0186】
ステップS2852では、遊技制御用マイコン81は、エラーの種類に基づいてエラー(各種エラー報知フラグと対応するエラー)を表示するための各種コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットする。なお、各種コマンドは、
図16のメイン側タイマ割り込み処理におけるステップS108の出力処理において、サブ制御基板90に出力される。例えば、普通電動役物入賞エラー報知フラグがONである場合、遊技制御用マイコン81は、異常入賞コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットする。異常入賞コマンドは、「普通電動役物入賞エラー」を報知するためのコマンドである。ここでは、異常入賞コマンドがセットされるものの、遊技球が第2始動口21で受け入れた(第2始動口21に入球した)ことに基づいて、遊技者に賞球として遊技球が所定の球数だけ払い出されることとなり、遊技球の払い出しが停止されたり、遊技の進行が停止されたりすることないがないようになっている。
【0187】
続いて、遊技制御用マイコン81は、入賞エラーに関する報知であるか否かの判定をおこなう(ステップS2853)。この判定では、ステップS2852において「入賞エラーに関する報知」として、「普通電動役物入賞エラー」の報知または「大入賞口入入賞エラー」の報知をおこなうものであるか否かを判定する。入賞エラーに関する報知でない場合(ステップS2853:NO)、本処理を終了する一方、入賞エラーに関する報知である場合(ステップS2853:YES)、入賞エラーに関するエラーが発生しているとして、入賞エラーフラグにONをセットし(ステップS2854)、本処理を終了する。入賞エラーフラグは、入賞エラーに関するエラーが発生しているときにONがセットされるのに対して、入賞エラーに関するエラーが発生していないときにOFFがセットされるフラグである。
【0188】
ここで、遊技機1の各種エラーについて、
図37および
図38を参照して簡単に説明する。
図37は、遊技機の各種エラーを説明するための図であり、
図38は、
図37の遊技機の各種エラーのつづきを説明するための図である。
【0189】
遊技機の各種エラーは、エラーの種類、エラーの表示、エラーの原因、エラー中の遊技の状態、措置がそれぞれ対応付けられている。エラーの種類として、例えば、「主-払出異常エラー」、「球切れエラー」、「球詰まりエラー」、「計数スイッチエラー(賞球センサエラー)」、「満タンエラー」、「ヒューズ切れ」、「前枠及び内枠開放エラー」、「スイッチ未接続等エラー」、「磁気センサエラー」、「普通電動役物入賞エラー」、「大入賞口入賞エラー」等が少なくともあり、その他複数のエラーがある。
【0190】
「主-払出異常エラー」が発生した状態では、エラーの表示として、装飾ランプ(例えば枠ランプ66、盤ランプ5)が点滅し、画像表示装置7の表示画面7aにエラーを表示(「通信エラー 払出制御基板を確認してください」というエラーの表示)し、状態表示器110aに所定値(値1)を表示し、エラー報知音を出力する。エラー報知音には、「払出制御基板を確認してください」というアナウンス音も出力される。「主-払出異常エラー」が発生したエラーの原因は、主制御基板80と払出制御基板110との基板間の接続不良、基板間の通信不良である。「主-払出異常エラー」が発生した状態では、エラー中の遊技の状態として、払い出し動作が停止する状態となる。「主-払出異常エラー」が発生した状態の措置として、主制御基板80と払出制御基板110との接続を確認したり、または、払出制御基板110を交換したりする。
【0191】
「球切れエラー」が発生した状態では、エラーの表示として、装飾ランプ(例えば枠ランプ66、盤ランプ5)が点滅し、画像表示装置7の表示画面7aにエラーを表示(「払出エラー 球タンクに球がありません 係員をお呼びください」というエラーの表示)し、状態表示器110aに所定値(値2)を表示する。「球切れエラー」が発生したエラーの原因は、賞球払出装置120内に遊技球が補給されていないときである。「球切れエラー」が発生した状態では、エラー中の遊技の状態として、払い出し動作が停止する状態となる。「球切れエラー」が発生した状態の措置として、賞球払出装置120内の遊技球の補給を正常に戻す又は球タンクから賞球払出装置120までの間の球詰まりを解除する。
【0192】
「球詰まりエラー」が発生した状態では、エラーの表示として、装飾ランプ(例えば枠ランプ66、盤ランプ5)が点滅し、画像表示装置7の表示画面7aにエラーを表示(「払出エラー 球を抜いてください」というエラーの表示)し、状態表示器110aに所定値(値3)を表示し、エラー発生してから一定時間経過後にエラー報知音を出力する。エラー報知音には、「球を抜いてください」というアナウンス音も出力される。「球詰まりエラー」が発生したエラーの原因は、賞球払出装置120内に遊技球が詰まっているときである。「球詰まりエラー」が発生した状態では、エラー中の遊技の状態として、払い出し動作が停止する状態となる。「球詰まりエラー」が発生した状態の措置として、賞球払出装置120内の球詰まりを解除する。なお、エラー解除スイッチを設けている場合には、賞球払出装置120内の球詰まりを解除したあと、エラー解除スイッチを押圧操作する。エラー解除スイッチが押圧操作されない場合、60秒後にエラー状態を終了する。
【0193】
「計数スイッチエラー(賞球センサエラー)」が発生した状態では、エラーの表示として、装飾ランプ(例えば枠ランプ66、盤ランプ5)が点滅し、画像表示装置7の表示画面7aにエラーを表示(「払出エラー 球が払い出せません 係員をお呼びください」というエラーの表示)し、状態表示器110aに所定値(値4)を表示する。「計数スイッチエラー(賞球センサエラー)」が発生したエラーの原因は、計数スイッチ(賞球センサ122)が遊技球の過剰な払い出しを所定個分(25個分)検出したためである。「計数スイッチエラー(賞球センサエラー)」が発生した状態では、エラー中の遊技の状態として、払い出し動作が停止する状態となる。「計数スイッチエラー(賞球センサエラー)」が発生した状態の措置として、賞球払出装置120の配線(ハーネス)が接続されているかを確認する。
【0194】
「満タンエラー」が発生した状態では、エラーの表示として、装飾ランプ(例えば枠ランプ66、盤ランプ5)が点滅し、画像表示装置7の表示画面7aにエラーを表示(「払出エラー 球を抜いてください」というエラーの表示)し、状態表示器110aに所定値(値5)を表示し、エラー報知音を出力する。エラー報知音には、「球を抜いてください」というアナウンス音も出力される。「満タンエラー」が発生したエラーの原因は、受け皿(上皿61および下皿62)が満杯となったためである。「満タンエラー」が発生した状態では、エラー中の遊技の状態として、払い出し動作が停止する状態となる。「満タンエラー」が発生した状態の措置として、受け皿上皿61および下皿62)の遊技球を取り除く。
【0195】
「ヒューズ切れ」が発生した状態では、エラーの表示がない。「ヒューズ切れ」が発生したエラーの原因は、遊技機1に備える電源装置のヒューズに定格以上の電流が流れたためである。「ヒューズ切れ」が発生した状態では、エラー中の遊技の状態として、遊技機1への電源供給を停止した状態となっている。「ヒューズ切れ」が発生した状態の措置として、過電流原因を除去してからヒューズを交換する。
【0196】
「前枠及び内枠開放エラー」が発生した状態では、エラーの表示として、装飾ランプ(例えば枠ランプ66、盤ランプ5)が点滅し、画像表示装置7の表示画面7aにエラーを表示(「扉エラー 扉が開いています」というエラーの表示)し、エラー報知音を出力する。エラー報知音には、「扉が開いています」というアナウンス音も出力される。「前枠及び内枠開放エラー」が発生したエラーの原因は、前枠または内枠の開放を検出したためである。「前枠及び内枠開放エラー」が発生した状態では、エラー中の遊技の状態として、前枠または内枠の開放状態となっている。「前枠及び内枠開放エラー」が発生した状態の措置として、前枠および内枠を閉鎖する。
【0197】
「スイッチ未接続等エラー」が発生した状態では、エラーの表示として、装飾ランプ(例えば枠ランプ66、盤ランプ5)が点滅し、画像表示装置7の表示画面7aにエラーを表示(「スイッチ未接続等エラー」というエラーの表示)し、エラー報知音を出力する。「スイッチ未接続等エラー」が発生したエラーの原因は、遊技盤2上の各種スイッチの断線および接続不良を検出したためである。「スイッチ未接続等エラー」が発生した状態では、エラー中の遊技の状態として、変化なし。ただし入賞口と対応するスイッチの場合には入賞口への遊技球の入球を検出できない。「スイッチ未接続等エラー」が発生した状態の措置として、スイッチの断線および接続不良を解消する。エラーが発生してから所定時間(60秒)経過時にエラーの表示を終了する。
【0198】
「磁気センサエラー」が発生した状態では、エラーの表示として、装飾ランプ(例えば枠ランプ66、盤ランプ5)が点滅し、画像表示装置7の表示画面7aにエラーを表示(「磁気センサエラー 係員をお呼びください」というエラーの表示)し、エラー報知音を出力する。エラー報知音には、「ウー」という警報音も出力される。「磁気センサエラー」が発生したエラーの原因は、磁気センサが磁気を検出したためである。「磁気センサエラー」が発生した状態では、エラー中の遊技の状態として、遊技機1の磁気検出状態であり、遊技に関わる機能を停止し、ホールコンピュータに情報を出力する。「磁気センサエラー」が発生した状態の措置として、異常な磁気の原因を除去して電源断して電源を再投入する。
【0199】
「普通電動役物入賞エラー」が発生した状態では、エラーの表示として、装飾ランプ(例えば枠ランプ66、盤ランプ5)が点滅し、画像表示装置7の表示画面7aにエラーを表示(「入賞エラー 異常入賞を検知しました」というエラーの表示)し、エラー報知音を出力する。エラー報知音には、「異常入賞を検知しました」というアナウンス音、「ウー」という警報音も出力される。「普通電動役物入賞エラー」が発生したエラーの原因は、普通電動役物の開放開始から開放終了しインターバル時間経過までの間に第2始動口21に所定の球数(6球)を超える入球があったため、または、普通電動役物の開放開始から入賞有効時間が経過したあと第2始動口21への入球があったため(詳しくは入賞有効時間が終了してから入賞有効時間終了後所定時間(本実施形態では5分)が経過するまでに第2始動口21への入球があったため)、または、普通電動役物未作動時に第2始動口21への入球があったため、または、入賞エラーが発生してから第2始動口21への入球が1球以上あったためである。「普通電動役物入賞エラー」が発生した状態では、エラー中の遊技の状態として、変化なし。「普通電動役物入賞エラー」が発生した状態の措置として、内枠を開放させた状態で電源断して電源を再投入する。なお、「普通電動役物入賞エラー」が発生したエラーの原因の一つとして、普通電動役物の開放開始から開放終了しインターバル時間経過までの間に第2始動口21に所定の球数(6球)を超える入球があった場合があった。これに代えて、普通電動役物の開放開始から開放終了し入賞有効時間経過までの間に第2始動口21に所定の球数(6球)を超える入球があった場合としてもよい。また、「普通電動役物入賞エラー」が発生したエラーの原因の一つとして、普通電動役物の開放開始から入賞有効時間が経過したあと第2始動口21への入球があった場合があった。これに代えて、普通電動役物の開放開始から入賞有効時間が経過したあと第2始動口21に所定の球数(例えば、2球)を超える(3球以上)入球があった場合としてもよい。なお、本実施形態では、入賞有効時間終了後所定時間として5分が設定されているが、5分より短い時間として2分や3分としてもよいし、5分より長い時間として10分や15分としてもよい。
【0200】
「大入賞口入賞エラー」が発生した状態では、エラーの表示として、装飾ランプ(例えば枠ランプ66、盤ランプ5)が点滅し、画像表示装置7の表示画面7aにエラーを表示(「入賞エラー 異常入賞を検知しました」というエラーの表示)し、エラー報知音を出力する。エラー報知音には、「異常入賞を検知しました」というアナウンス音、「ウー」という警報音も出力される。「大入賞口入賞エラー」が発生したエラーの原因は、役物連続作動装置未作動時の特別電動役物の作動開始から作動終了後の終了インターバル時間終了までの間に各大入賞口に所定の球数(9球)を超える入球があったため、または、特別電動役物の作動開始から入賞有効時間が経過したあと大入賞口への入球があったため、または、特別電動役物未作動時に大入賞口への入球があったため、または、入賞エラーが発生してから大入賞口への入球が1球以上あったためである。「大入賞口入賞エラー」が発生した状態では、エラー中の遊技の状態として、変化なし。「大入賞口入賞エラー」が発生した状態の措置として、エラー発生後350秒経過時にエラーの表示およびエラー報知音の出力を終了する。
【0201】
図36に戻り、ステップS2851の処理では、遊技機1の各種エラーは、上述したように、それぞれ対応するエラー報知フラグの状態(ONまたはOFF)により特定することができるようになっていた。主-払出異常エラー報知フラグは、「主-払出異常エラー」と対応するフラグである。球切れエラー報知フラグは、「球切れエラー」と対応するフラグである。球詰まりエラー報知フラグは、「球詰まりエラー」と対応するフラグである。計数スイッチエラー報知フラグ(賞球センサエラー報知フラグ)は、「計数スイッチエラー(賞球センサエラー)」と対応するフラグである。満タンエラー報知フラグは、「満タンエラー」と対応するフラグである。ヒューズ切れエラー報知フラグは、「ヒューズ切れ」と対応するフラグである。前枠及び内枠開放エラー報知フラグは、「前枠及び内枠開放エラー」と対応するフラグである。スイッチ未接続等エラー報知フラグは、「スイッチ未接続等エラー」と対応するフラグである。磁気センサエラー報知フラグは、「磁気センサエラー」と対応するフラグである。普通電動役物入賞エラー報知フラグは、上述したように、「普通電動役物入賞エラー」と対応するフラグである。大入賞口入賞エラー報知フラグは、「大入賞口入賞エラー」と対応するフラグである。
【0202】
各種エラー報知フラグのそれぞれは、対応するエラーの報知をおこなうときにONがセットされるのに対して、対応するエラーの報知をおこなわないときにOFFがセットされるフラグである。各種エラー報知フラグのうち、エラー報知フラグがOFFである場合には、そのエラー報知フラグと対応するエラーが発生してない状態であるのに対し、エラー報知フラグがONである場合には、そのエラー報知フラグと対応するエラーが発生している状態である。
【0203】
7.演出制御用マイコン91の動作
図39~
図43に基づいてサブ制御基板90(
図4)に設けられた演出制御用マイコン91の動作について説明する。演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等はサブRAM94に設けられている。
【0204】
[サブ制御メイン処理]
図39は、サブ制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用マイコン91は、遊技機1の電源がオンされると、サブROM93からサブ制御メイン処理を実行するためのプログラムを読み出す。サブ制御メイン処理では、演出制御用マイコン91は、まず、CPU初期化処理をおこなう(ステップS4000)。CPU初期化処理では、例えば、サブCPU92の設定、各種のフラグ、ステータスおよびカウンタなどのリセット等をおこなう。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお、CPU初期化処理は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
【0205】
CPU初期化処理の後、演出制御用マイコン91は、割り込み処理の割り込みを禁止し(ステップS4015)、乱数更新処理(ステップS4020)をおこなう。この乱数更新処理では、演出制御用マイコン91は、
図7(B)で示した乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は設定された上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また、乱数値は、1ずつ加算する以外に、2以上を加算するようにしてもよい。各乱数はいわゆるハードウェア乱数であってもよい。
【0206】
乱数更新処理の後、演出制御用マイコン91は、割り込み処理の割り込みを許可する(ステップS4025)。割り込み許可中は、サブ側タイマ割り込み処理(ステップS4035)の実行が可能となる。サブ側タイマ割り込み処理は、所定の周期でサブCPU92に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、サブ側タイマ割り込み処理は、所定周期ごとに実行される。そして、サブ側タイマ割り込み処理が終了してから、次にサブ側タイマ割り込み処理が開始されるまでの間に、乱数更新処理が繰り返し実行される。
【0207】
[サブ側タイマ割り込み処理]
図40は、サブ側タイマ割り込み処理(
図39:ステップS4035)のフローチャートである。演出制御用マイコン91は、まず、受信コマンド解析処理をおこなう(ステップS4300)。受信コマンド解析処理の詳細については後述する。受信コマンド解析処理の後、演出制御用マイコン91は、変動演出中処理をおこなう(ステップS4305)。変動演出中処理は、変動演出中に特定のタイミングで変動終了前コマンドをセットして、表示画面7aに特定の表示演出を実行させるための処理であり、詳細については後述する。変動演出中処理の後、演出制御用マイコン91は、スイッチ処理をおこなう(ステップS4310)。スイッチ処理では、演出制御用マイコン91は、演出ボタン検出スイッチ63aからの検知信号に基づいて出力されたスイッチデータ(エッジデータおよびレベルデータ)に基づいて、表示画面7aの表示内容の設定等をおこなう。スイッチ処理の後、演出制御用マイコン91は、コマンド送信処理をおこなう(ステップS4315)。コマンド送信処理では、演出制御用マイコン91は、受信コマンド解析処理等でサブRAM94の演出コマンドセット領域94b(出力バッファ)にセットした各種コマンドを画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107、中継基板108に送信する。各種コマンドを受信した画像制御基板100は、画像表示装置7を用いて、受信したコマンドに応じた表示演出を実行する。また、各種コマンドを受信した音声制御基板106は、受信したコマンドに応じて、スピーカ67から音声を出力する音声演出を実行する。各種コマンドを受信したランプ制御基板107は、受信したコマンドに応じて盤ランプ5や枠ランプ66の発光制御を行うランプ演出を実行する。コマンド送信処理の後、演出制御用マイコン91は、その他の処理をおこない(ステップS4320)、本処理を終える。その他の処理では、例えば、乱数更新処理等がおこなわれる。
【0208】
[受信コマンド解析処理]
図41は、受信コマンド解析処理(
図40:ステップS4300)のフローチャートである。演出制御用マイコン91は、まず、主制御基板80から事前判定コマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS4415)。受信している場合(ステップS4415:YES)、先読み演出決定処理をおこなう(ステップS4420)。「先読み演出決定処理」では、先読み演出を実行するか否か、および実行する場合の先読み演出パターンを決定する処理である。一方、受信していない場合(ステップS4415:NO)、上述の先読み演出決定処理をスキップする。先読み演出とは、特図保留記憶領域85に新たに記憶された保留情報に大当たりが含まれている可能性が高いことを示唆する演出であり、変動演出中に実行される。
【0209】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から保留球数コマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS4445)。受信している場合(ステップS4445:YES)、保留表示処理をおこなう(ステップS4450)。「保留表示処理」では、保留球数コマンドに含まれている特
図1保留球数、特
図2保留球数、および、普通図柄保留球数に関する情報に基づいて、サブRAM94のカウンタセット領域94dに設けられた、第1特図保留演出カウンタ、第2特図保留演出カウンタ、および、普図保留演出カウンタの値を更新する。これにより、主制御基板80側だけでなく、サブ制御基板90側でも各保留球数の情報を保持することができる。また、演出制御用マイコン91は、第1特図保留演出カウンタ、第2特図保留演出カウンタ、および、普図保留演出カウンタの値に基づいて、表示画面7aに表示されている保留画像9A、9Bの更新をおこなう。一方、保留球数コマンドを受信していない場合(ステップS4445:NO)、上述の保留表示処理をスキップする。
【0210】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS4455)。受信している場合(ステップS4455:YES)、変動演出開始処理をおこなう(ステップS4460)。「変動演出開始処理」では、特別図柄変動中に実行する変動演出パターン(内容)を選択する処理である。一方、受信していない場合(ステップS4455:NO)、上述の変動演出開始処理をスキップする。
【0211】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS4465)。受信している場合(ステップS4465:YES)、変動演出終了処理をおこなう(ステップS4470)。「変動演出終了処理」では、特別図柄変動中に実行される変動演出を停止させるための処理である。変動演出終了処理では、演出制御用マイコン91は、変動停止コマンドの解析結果に基づいてカウンタのセット等をおこなうとともに、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをセットする。これにより変動中の特
図1または特
図2に対応する装飾図柄が停止表示される。なお、変動停止コマンドを受信していない場合(ステップS4465:NO)、上述の変動演出終了処理をスキップする。
【0212】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS4475)。受信している場合(ステップS4475:YES)、オープニング演出パターン決定処理をおこなう(ステップS4480)。「オープニング演出パターン決定処理」では、特別遊技(大当たり遊技)開始時に実行するオープニング演出パターン(内容)を選択する処理である。オープニング演出パターン決定処理では、演出制御用マイコン91は、まず、オープニングコマンドの解析をおこない、オープニングコマンドに含まれる、大当たり当選判定時にセットされた特図停止図柄データに関する情報をサブRAM94にセットする。そして、特図停止図柄データが示す当たり種別に対応して予め設定されているオープニング演出の演出パターンを選択し、選択したオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをサブRAM94の演出コマンドセット領域94bにセットする。演出コマンドセット領域94bにセットされたオープニング演出開始コマンドがコマンド送信処理(
図40:ステップS4315)において画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定のオープニング演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示させる。なお、ステップS4475において、オープニングコマンドを受信していない場合(ステップS4475:NO)、上述のオープニング演出パターン決定処理をスキップする。
【0213】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からラウンド指定コマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS4485)。受信している場合(ステップS4485:YES)、ラウンド演出パターン決定処理をおこなう(ステップS4490)。「ラウンド演出パターン決定処理」では、特別遊技(大当たり遊技)において、大入賞口の開放中や開放間のインターバル中に実行する開放遊技演出パターン(内容)を選択する処理である。ラウンド演出パターン決定処理では、演出制御用マイコン91は、まず、ラウンド指定コマンドの解析をおこない、ラウンド指定コマンドに含まれる、特図停止図柄データに関する情報、および、ラウンド数に関する情報をサブRAM94にセットする。そして、特図停止図柄データが示す当たり種別およびラウンド数に対応して予め設定されているラウンド演出の演出パターンを選択し、選択したラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドをサブRAM94の演出コマンドセット領域94bにセットする。演出コマンドセット領域94bにセットされたラウンド演出開始コマンドが画像制御基板100に送信されると、CPU102は、所定のラウンド演出画像をROM103から読み出して、表示画面7aに表示させる。なお、ステップS4485において、ラウンド指定コマンドを受信していない場合(ステップS4485:NO)、上述のラウンド演出パターン決定処理をスキップする。
【0214】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS4495)。受信している場合(ステップS4495:YES)、エンディング演出パターン決定処理をおこなう(ステップS4500)。「エンディング演出パターン決定処理」では、特別遊技(大当たり遊技または小当たり遊技)のエンディング中に実行するエンディング演出パターン(内容)を選択する処理である。エンディング演出パターン決定処理では、演出制御用マイコン91は、まず、エンディングコマンドの解析をおこない、エンディングコマンドに含まれる特図停止図柄データに関する情報をサブRAM94にセットする。そして、特図停止図柄データが示す当たり種別に応じたエンディング演出パターンを選択し、選択したエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをサブRAM94の出力バッファにセットする。演出コマンドセット領域94bにセットされたエンディング演出開始コマンドが画像制御基板100に送信されると、CPU102は、所定のエンディング演出画像をROM103から読み出して、表示画面7aに表示させる。なお、エンディングコマンドを受信していない場合(ステップS4495:NO)、上述のエンディング演出パターン決定処理をスキップする。
【0215】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から異常入賞コマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS4505)。受信している場合(ステップS4505:YES)、異常入賞報知処理をおこなう(ステップS4510)。「異常入賞報知処理」では、遊技機1に「普通電動役物入賞エラー」が発生していることを報知する処理であり、異常入賞として、遊技機1を異常入賞報知態様へ移行する処理である。異常入賞報知処理の詳細については後述する。一方、受信していない場合(ステップS4510:NO)、上述の異常入賞報知処理をスキップする。
【0216】
続いて、演出制御用マイコン91は、その他の処理をおこなう(ステップS4535)。その他の処理では、例えば、演出制御用マイコン91は、遊技状態指定コマンドを受信したときに、遊技状態指定コマンドに含まれる遊技状態に関する情報(時短フラグ、時短カウンタ、確変フラグ、確変カウンタ、天井フラグ、天井カウンタなど)をサブRAM94に保持させる。具体的には、遊技状態指定コマンドに含まれる情報に基づいて、サブRAM94のカウンタセット領域94dに設けられた、時短演出カウンタ、確変演出カウンタ、天井演出カウンタの値が更新される。例えば、時短時の残り変動回数(ゲーム回数)が時短演出カウンタにセットされ、確変時の残り変動回数が確変演出カウンタにセットされ、天井到達までの残り変動回数が天井演出カウンタにセットされる。これにより、主制御基板80側だけでなく、サブ制御基板90側でも時短回数、確変回数、天井回数の情報を保持することができる。また、演出制御用マイコン91は、V通過コマンドを受信したときに、V通過した情報をサブRAM94に保持させる。また、演出制御用マイコン91は、上記以外のコマンド(客待ち待機コマンド、RAMクリア報知コマンドなど)に基づく処理をおこなって、本処理を終了する。
【0217】
[異常入賞報知処理]
図42は、異常入賞報知処理(
図41:ステップS4510)のフローチャートである。演出制御用マイコン91は、まず、異常入賞報知態様テーブルT55を参照して、枠ランプ66、盤ランプ5、スピーカ67、画像表示装置7の表示画面7aを異常入賞報知態様とする異常入賞報知演出開始コマンドをサブRAM94の演出コマンドセット領域94bにセットし(ステップS4551)、本処理を終了する。演出コマンドセット領域94bにセットされた異常入賞報知演出開始コマンドがコマンド送信処理(
図40:ステップS4315)において画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107に送信される。
【0218】
ここで、「普通電動役物入賞エラー」のエラー表示の内容を規定する異常入賞報知態様テーブルT55について
図43を参照して説明する。
図43は、異常入賞報知態様テーブルT55の説明図である。枠ランプ66、盤ランプ5、スピーカ67、画像表示装置7の表示画面7aが異常入賞報知態様となると、枠ランプ66は赤色点滅し、盤ランプ5は赤色点滅し、スピーカ67からは「異常入賞を検知しました」というアナウンス音が流れたあとに「ウー」という警報音が所定時間(例えば、3秒)だけ流れ、アナウンス音と警報音とが繰り返し流れ、画像表示装置7の表示画面7aは「入賞エラー 異常入賞を検知しました」という警告文字が赤色表示される。
【0219】
8.画像制御用マイコン101の動作
図44に基づいて画像制御基板100(
図4)に設けられた画像制御用マイコン101の動作について説明する。画像制御用マイコン101の動作説明にて登場するバッファ等はRAM104に設けられている。
図44は、表示制御処理のフローチャートである。画像制御用マイコン101は、遊技機1の電源がオンされると、ROM103からプログラムを読み出し、CPU初期化処理の後、表示制御処理が繰り返し実行される。表示制御処理では、まず、画像制御用マイコン101は、サブ制御基板90から変動演出開始コマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS5001)。受信している場合(ステップS5001:YES)、画像制御用マイコン101は、変動演出表示を開始させる(ステップS5002)。具体的には、画像制御用マイコン101は、受信した変動演出開始コマンドを解析し、変動演出開始コマンドにおいて指示された所定の変動演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7に表示させる。一方、受信していない場合(ステップS5001:NO)、上述の処理をスキップする。
【0220】
続いて、画像制御用マイコン101は、サブ制御基板90から変動終了前コマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS5003)。受信している場合(ステップS5003:YES)、画像制御用マイコン101は、先読み演出表示を開始させる(ステップS5004)。一方、受信していない場合(ステップS5003:NO)、画像制御用マイコン101は、上述の処理をスキップする。
【0221】
続いて、画像制御用マイコン101は、サブ制御基板90から変動演出終了コマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS5005)。受信している場合(ステップS5005:YES)、画像制御用マイコン101は、変動演出を停止表示させた画像をROM103から読み出して、画像表示装置7に表示させる変動演出停止表示をおこなう(ステップS5006)。一方、受信していない場合(ステップS5005:NO)、画像制御用マイコン101は、上述の処理をスキップする。
【0222】
続いて、画像制御用マイコン101は、サブ制御基板90から異常入賞報知演出開始コマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS5007)。受信している場合(ステップS5007:YES)、画像制御用マイコン101は、異常入賞報知演出開始コマンドにおいて指示された所定の変動演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aを、「普通電動役物入賞エラー」のエラー表示として「入賞エラー 異常入賞を検知しました」という警告文字が赤色表示される異常入賞報知態様とする異常入賞報知表示を開始させる(ステップS5008)。一方、受信していない場合(ステップS5007:NO)、画像制御用マイコン101は、上述の処理をスキップする。
【0223】
続いて、画像制御用マイコン101は、その他の処理をおこなう(ステップS5009)。その他の処理では、画像制御用マイコン101は、上記したコマンドの他に、各種コマンドにおいて指示された所定の画像をROM103から読み出して、画像表示装置7に表示させる。例えば、画像制御用マイコン101は、オープニング演出開始コマンドを受信したときに、オープニング演出開始コマンドにおいて指示された所定のオープニング演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7に表示させる。また、ラウンド演出開始コマンドを受信したときに、ラウンド演出開始コマンドにおいて指示された所定のラウンド演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7に表示させる。また、エンディング演出開始コマンドを受信したときに、エンディング演出開始コマンドにおいて指示された所定のエンディング演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7に表示させて、本処理を終了する。
【0224】
9.本実施形態の報知演出例
以下に、本実施形態の各報知演出例を説明する。これから説明する演出は、上述したように、遊技制御用マイコン81から送信される各種コマンドに基づき、演出制御用マイコン91によって実現されるものである。
【0225】
ここでは、異常入賞の報知として、普通電動役物の開放開始から開放終了しインターバル時間経過までの間に第2始動口21に所定の球数(6球)を超える入球があった場合に「普通電動役物入賞エラー」の報知の演出例、普通電動役物の開放開始から入賞有効時間が経過したあと第2始動口21への入球があった場合に「普通電動役物入賞エラー」の報知の演出例、普通電動役物未作動時に第2始動口21への入球があった場合に「普通電動役物入賞エラー」の報知の演出例、入賞エラーが発生してから第2始動口21への入球が1球以上あった場合に「普通電動役物入賞エラー」の報知の演出例について
図45~
図49を参照して順番に説明する。
【0226】
図45は、普通電動役物の開放開始から開放終了しインターバル時間経過までの間に第2始動口21に所定の球数を超える入球があった場合における報知の演出例を説明するための説明図である。
図46は、非時短において普通電動役物の開放開始から入賞有効時間が経過したあと第2始動口21への入球があった場合における報知の演出例を説明するための説明図である。
図47は、時短において普通電動役物の開放開始から入賞有効時間が経過したあと第2始動口21への入球があった場合における報知の演出例を説明するための説明図である。
図48は、普通電動役物未作動時に第2始動口21への入球があった場合における報知の演出例を説明するための説明図である。
図49は、入賞エラーが発生してから第2始動口21への入球が1球以上あった場合における報知の演出例を説明するための説明図である。
【0227】
[普通電動役物の開放開始から開放終了しインターバル時間経過までの間に第2始動口21に所定の球数を超える入球があった場合における報知の演出例]
まず、異常入賞の報知として、普通電動役物の開放開始から開放終了しインターバル時間経過までの間に第2始動口21に所定の球数を超える入球があった場合における報知の演出例について
図45を参照して説明する。ここでは、時短であることを前提として説明する。時短では、電チュー22の開放パターンとして開放パターン12となり、上述したように、開放回数3回、開放時間2.0秒、球ハケ時間1.0秒、インターバル時間1.0秒に設定されている。主制御基板80の遊技制御用マイコン81(
図45において「主制御側」と記載)は、電チュー22の作動(電チューの1回目の開放)を開始すると、可動部材23を閉状態から開状態とする(タイミングG1)。このタイミングG1では、
図20の普通動作処理におけるステップS512の処理で電チューソレノイド24を通電(ON)とし、つまり電チューソレノイド24を駆動開始し、ステップS513の処理で異常入賞監視フラグをOFFにセットする。これにより、電チュー22の開放時から球ハケ時間が経過するまでに亘る入賞有効時間(「開放時間(球受入可能時間)」+「球ハケ時間」)以内に第2始動口センサ21aによって検知された第2始動口21で受け入れた(第2始動口21に入球した)遊技球を正常(有効)なものとして正常入賞とする。その後、
図16のメイン側割り込みタイマ処理におけるステップS102aのタイマ更新処理により開放時間の計時を開始して開放時間2.0秒が経過するまでに、遊技球が第2始動口へ2球入球する(タイミングG2)。このタイミングG2では、第2始動口21で受け入れた(第2始動口21に入球した)遊技球が第2始動口センサ21aによって検知され、遊技球が第2始動口へ2球入球したことにより、
図17の始動口センサ検出処理におけるステップS205cの処理で第2始動口入球カウンタが「2」となる。その後、遊技球が第2始動口へ3球入球する(タイミングG3)。このタイミングG3では、第2始動口21で受け入れた(第2始動口21に入球した)遊技球が第2始動口センサ21aによって検知され、遊技球が第2始動口へ3球入球したことにより
図17の始動口センサ検出処理におけるステップS205cの処理で第2始動口入球カウンタが「5」となる。その後、遊技球が第2始動口へ2球入球する(タイミングG4)。このタイミングG4では、第2始動口21で受け入れた(第2始動口21に入球した)遊技球が第2始動口センサ21aによって検知され、遊技球が第2始動口へ2球入球したことにより
図17の始動口センサ検出処理におけるステップS205cの処理で第2始動口入球カウンタが「7」となる。開放時間の計時を開始して開放時間2.0秒が経過すると、可動部材23を閉状態とする(タイミングG5)。このタイミングG5では、
図20の普通動作処理におけるステップS521の処理で電チューソレノイド24を非通電(OFF)とし、つまり電チューソレノイド24を駆動終了し、ステップS522の処理で球ハケ時間1.0秒をセットし、ステップS525の処理でインターバル時間1.0秒をセットし、
図16のメイン側割り込みタイマ処理におけるステップS102aのタイマ更新処理により球ハケ時間およびインターバル時間の計時を開始し、
図35の入賞有効時間判定処理におけるステップS2802の処理で球ハケ時間の経過有無を判定し、
図20の普通動作処理におけるステップS501bの処理でインターバル時間の経過有無を判定する。その後、球ハケ時間1.0秒およびインターバル時間1.0秒が経過する(タイミングG6)。このタイミングG6では、
図35の入賞有効時間判定処理におけるステップ2803の処理で入賞有効時間終了として異常入賞監視フラグをONにセットするものの、電チュー22の作動(電チューの2回目の開放)を開始することで、
図20の普通動作処理におけるステップS512の処理で電チューソレノイド24を通電(ON)とし、つまり電チューソレノイド24を駆動開始し、ステップS513の処理で異常入賞監視フラグをOFFにセットする。このような電チュー22の開放を3回だけおこなう。
【0228】
タイミングG4では、第2始動口入球カウンタが「7」となることで、普通電動役物の開放開始から開放終了しインターバル時間経過までの間に第2始動口21に所定の球数である6球を超える入球があったため、
図35の入賞有効時間判定処理におけるステップS2805の処理で普通電動役物入賞エラー報知フラグをONにセットする。これにより、遊技制御用マイコン81は、サブ制御基板90の演出制御用マイコン91(
図45において「サブ制御側」と記載)に、異常入賞コマンドを送信する。具体的には、
図16のメイン側割り込みタイマ処理におけるステップS107bの各種エラー検出報知処理(
図36のステップS2852の処理)により異常入賞コマンドをセットし、
図16のメイン側割り込みタイマ処理におけるステップS108の出力処理によりサブ制御基板90の演出制御用マイコン91に送信する。異常入賞コマンドを受信したサブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、遊技機1に「普通電動役物入賞エラー」が発生しているとして、遊技機1を異常入賞報知態様へ移行する。
【0229】
遊技ホールに入店した遊技者には、上述したように、不正な工具(例えば、針金やピアノ線)を、前枠53から遊技盤2が取り付けられる内枠へ押し込んで、(1)第2始動口21の前方に備える一対の開閉翼部材である可動部材23が開状態となったときに、可動部材23に不正な工具を引っ掛けて開状態を維持する不正行為、(2)第2始動口21の前方に備える一対の開閉翼部材である可動部材23に不正な工具を引っ掛けて無理やり開状態として維持する不正行為、を行う不正行為者(不正な行為を行う遊技者)がいる。このような不正行為により、不正に賞球を受けたり、当否判定の機会を不正に獲得したりしている。
【0230】
そこで、本実施形態では、
図45の演出例により、上記(1),(2)のような不正行為の対策として、普通電動役物の開放開始から開放終了しインターバル時間経過までの間に第2始動口21に所定の球数である6球を超える入球があった場合には、遊技機1を異常入賞報知態様(
図43の異常入賞報知態様テーブルT55の異常入賞報知態様)へ移行して不正行為の存在を周囲に報知することができるようになっている。これにより、コンコースの左右に複数の遊技島が列設されている遊技ホールにおいて、異常入賞報知態様へ移行している遊技機1を、遊技機1の前面の通路やコンコースから見ても目立ち易くし、遊技ホールの店員等の係員に対して、不正行為の早期発見に寄与することができるようになっている。
【0231】
[非時短において普通電動役物の開放開始から入賞有効時間が経過したあと第2始動口21への入球があった場合における報知の演出例]
次に、異常入賞の報知として、非時短において普通電動役物の開放開始から入賞有効時間が経過したあと第2始動口21への入球があった場合における報知の演出例について
図46を参照して説明する。非時短では、電チュー22の開放パターンとして開放パターン11となり、上述したように、開放回数1回、開放時間0.2秒、球ハケ時間1.0秒に設定されている。主制御基板80の遊技制御用マイコン81(
図46において「主制御側」と記載)は、電チュー22の作動(電チューの開放)を開始すると、可動部材23を閉状態から開状態とする(タイミングH1)。このタイミングH1では、
図20の普通動作処理におけるステップS512の処理で電チューソレノイド24を通電(ON)とし、つまり電チューソレノイド24を駆動開始し、ステップS513の処理で異常入賞監視フラグをOFFにセットする。これにより、電チュー22の開放時から球ハケ時間が経過するまでに亘る入賞有効時間(「開放時間(球受入可能時間)」+「球ハケ時間」)以内に第2始動口センサ21aによって検知された第2始動口21で受け入れた(第2始動口21に入球した)遊技球を正常(有効)なものとして正常入賞とする。その後、
図16のメイン側割り込みタイマ処理におけるステップS102aのタイマ更新処理により開放時間の計時を開始して開放時間0.2秒が経過すると、可動部材23を閉状態とする(タイミングH2)。このタイミングH2では、
図20の普通動作処理におけるステップS521の処理で電チューソレノイド24を非通電(OFF)とし、つまり電チューソレノイド24を駆動終了し、ステップS522の処理で球ハケ時間1.0秒をセットし、
図16のメイン側割り込みタイマ処理におけるステップS102aのタイマ更新処理により球ハケ時間の計時を開始し、
図35の入賞有効時間判定処理におけるステップS2802の処理で球ハケ時間の経過有無を判定する。その後、球ハケ時間1.0秒が経過する(タイミングH3)。このタイミングH3では、
図35の入賞有効時間判定処理におけるステップ2803の処理で入賞有効時間終了として異常入賞監視フラグをONにセットする。これにより、入賞有効時間(「開放時間(球受入可能時間)」+「球ハケ時間」)以外に、詳しくは入賞有効時間が終了してから入賞有効時間終了後所定時間(本実施形態では5分)が経過するまでに第2始動口21で受け入れた(第2始動口21に入球した)遊技球が第2始動口センサ21aによって検知されると、入賞有効時間が終了してからあり得ない時間経過後の遊技球であるとして、この遊技球を異常なものとして異常入賞とする。
【0232】
遊技制御用マイコン81は、入賞有効時間(「開放時間(球受入可能時間)」+「球ハケ時間」)以外に、詳しくは入賞有効時間が終了してから入賞有効時間終了後所定時間(本実施形態では5分)が経過するまでに(ここでは、入賞有効時間が経過してから2分後)、第2始動口21で受け入れた(第2始動口21に入球した)遊技球が第2始動口センサ21aによって検知されると、入賞有効時間が終了してからあり得ない時間経過後の遊技球であるとして、この遊技球を異常なものとして異常入賞とし、サブ制御基板90の演出制御用マイコン91(
図46において「サブ制御側」と記載)に、異常入賞コマンドを送信する(タイミングH4)。このタイミングH4では、
図16のメイン側割り込みタイマ処理におけるステップS107bの各種エラー検出報知処理(
図36のステップS2852の処理)により異常入賞コマンドをセットし、
図16のメイン側割り込みタイマ処理におけるステップS108の出力処理によりサブ制御基板90の演出制御用マイコン91に送信する。異常入賞コマンドを受信したサブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、遊技機1に「普通電動役物入賞エラー」が発生しているとして、遊技機1を異常入賞報知態様へ移行する。
【0233】
なお、入賞有効時間終了後所定時間(本実施形態では5分)が経過したあと、遊技球が第2始動口センサ21aによって検知されると、普通電動役物未作動時に第2始動口への入球があったものと判断されることとなる。
【0234】
遊技ホールに入店した遊技者には、上述したように、不正な工具(例えば、針金やピアノ線)を、前枠53から遊技盤2が取り付けられる内枠へ押し込んで、(1)第2始動口21の前方に備える一対の開閉翼部材である可動部材23が開状態となったときに、可動部材23に不正な工具を引っ掛けて開状態を維持する不正行為、(2)第2始動口21の前方に備える一対の開閉翼部材である可動部材23に不正な工具を引っ掛けて無理やり開状態として維持する不正行為、を行う不正行為者(不正な行為を行う遊技者)がいる。このような不正行為により、不正に賞球を受けたり、当否判定の機会を不正に獲得したりしている。
【0235】
そこで、本実施形態では、
図46の演出例により、上記(1),(2)のような不正行為の対策として、非時短において普通電動役物の開放開始から入賞有効時間が経過したあと第2始動口21への入球があった場合、つまり入賞有効時間(「開放時間(球受入可能時間)」+「球ハケ時間」)以外に、詳しくは入賞有効時間が終了してから入賞有効時間終了後所定時間(本実施形態では5分)が経過するまでに(ここでは、入賞有効時間が経過してから2分後)、第2始動口21で受け入れた(第2始動口21に入球した)遊技球が第2始動口センサ21aによって検知されると、入賞有効時間が終了してからあり得ない時間経過後の遊技球であるとして、この遊技球を異常なものとして異常入賞とすることで対応し、異常入賞の場合には、遊技機1を異常入賞報知態様(
図43の異常入賞報知態様テーブルT55の異常入賞報知態様)へ移行して不正行為の存在を周囲に報知することができるようになっている。これにより、コンコースの左右に複数の遊技島が列設されている遊技ホールにおいて、異常入賞報知態様へ移行している遊技機1を、遊技機1の前面の通路やコンコースから見ても目立ち易くし、遊技ホールの店員等の係員に対して、不正行為の早期発見に寄与することができるようになっている。
【0236】
[時短において普通電動役物の開放開始から入賞有効時間が経過したあと第2始動口21への入球があった場合における報知の演出例]
次に、異常入賞の報知として、時短において普通電動役物の開放開始から入賞有効時間が経過したあと第2始動口21への入球があった場合における報知の演出例について
図47を参照して説明する。時短では、電チュー22の開放パターンとして開放パターン12となり、上述したように、開放回数3回、開放時間2.0秒、球ハケ時間1.0秒、インターバル時間1.0秒に設定されている。主制御基板80の遊技制御用マイコン81(
図47において「主制御側」と記載)は、電チュー22の作動(電チューの1回目の開放)を開始すると、可動部材23を閉状態から開状態とする(タイミングJ1)。このタイミングJ1では、
図20の普通動作処理におけるステップS512の処理で電チューソレノイド24を通電(ON)とし、つまり電チューソレノイド24を駆動開始し、ステップS513の処理で異常入賞監視フラグをOFFにセットする。これにより、電チュー22の開放時から球ハケ時間が経過するまでに亘る入賞有効時間(「開放時間(球受入可能時間)」+「球ハケ時間」)以内に第2始動口センサ21aによって検知された第2始動口21で受け入れた(第2始動口21に入球した)遊技球を正常(有効)なものとして正常入賞とする。その後、
図16のメイン側割り込みタイマ処理におけるステップS102aのタイマ更新処理により開放時間の計時を開始して開放時間2.0秒が経過すると、可動部材23を閉状態とする(タイミングJ2)。このタイミングJ2では、
図20の普通動作処理におけるステップS521の処理で電チューソレノイド24を非通電(OFF)とし、つまり電チューソレノイド24を駆動終了し、ステップS522の処理で球ハケ時間1.0秒をセットし、ステップS525の処理でインターバル時間1.0秒をセットし、
図16のメイン側割り込みタイマ処理におけるステップS102aのタイマ更新処理により球ハケ時間およびインターバル時間の計時を開始し、
図35の入賞有効時間判定処理におけるステップS2802の処理で球ハケ時間の経過有無を判定し、
図20の普通動作処理におけるステップS501bの処理でインターバル時間の経過有無を判定する。その後、球ハケ時間1.0秒およびインターバル時間1.0秒が経過する(タイミングJ3)。このタイミングJ3では、
図35の入賞有効時間判定処理におけるステップ2803の処理で入賞有効時間終了として異常入賞監視フラグをONにセットする。これにより、入賞有効時間(「開放時間(球受入可能時間)」+「球ハケ時間」)以外に(入賞有効時間が終了してからあり得ない時間経過後に)第2始動口センサ21aによって検知された第2始動口21で受け入れた(第2始動口21に入球した)遊技球を異常なものとして異常入賞とするものの、電チュー22の作動(電チューの2回目の開放)を開始することで、
図20の普通動作処理におけるステップS512の処理で電チューソレノイド24を通電(ON)とし、つまり電チューソレノイド24を駆動開始し、ステップS513の処理で異常入賞監視フラグをOFFにセットする。これにより、電チュー22の開放時から球ハケ時間が経過するまでに亘る入賞有効時間(「開放時間(球受入可能時間)」+「球ハケ時間」)以内に第2始動口センサ21aによって検知された第2始動口21で受け入れた(第2始動口21に入球した)遊技球を正常(有効)なものとして正常入賞とする。
【0237】
その後、
図16のメイン側割り込みタイマ処理におけるステップS102aのタイマ更新処理により開放時間の計時を開始して開放時間2.0秒が経過すると、可動部材23を閉状態とする(タイミングJ4)。このタイミングJ4では、
図20の普通動作処理におけるステップS521の処理で電チューソレノイド24を非通電(OFF)とし、つまり電チューソレノイド24を駆動終了し、ステップS522の処理で球ハケ時間1.0秒をセットし、ステップS525の処理でインターバル時間1.0秒をセットし、
図16のメイン側割り込みタイマ処理におけるステップS102aのタイマ更新処理により球ハケ時間およびインターバル時間の計時を開始し、
図35の入賞有効時間判定処理におけるステップS2802の処理で球ハケ時間の経過有無を判定し、
図20の普通動作処理におけるステップS501bの処理でインターバル時間の経過有無を判定する。その後、球ハケ時間1.0秒およびインターバル時間1.0秒が経過する(タイミングJ5)。このタイミングJ5では、
図35の入賞有効時間判定処理におけるステップ2803の処理で入賞有効時間終了として異常入賞監視フラグをONにセットする。これにより、入賞有効時間(「開放時間(球受入可能時間)」+「球ハケ時間」)以外に(入賞有効時間が終了してからあり得ない時間経過後に)第2始動口センサ21aによって検知された第2始動口21で受け入れた(第2始動口21に入球した)遊技球を異常なものとして異常入賞とするものの、電チュー22の作動(電チューの3回目の開放)を開始することで、
図20の普通動作処理におけるステップS512の処理で電チューソレノイド24を通電(ON)とし、つまり電チューソレノイド24を駆動開始し、ステップS513の処理で異常入賞監視フラグをOFFにセットする。これにより、電チュー22の開放時から球ハケ時間が経過するまでに亘る入賞有効時間(「開放時間(球受入可能時間)」+「球ハケ時間」)以内に第2始動口センサ21aによって検知された第2始動口21で受け入れた(第2始動口21に入球した)遊技球を正常(有効)なものとして正常入賞とする。
【0238】
その後、
図16のメイン側割り込みタイマ処理におけるステップS102aのタイマ更新処理により開放時間の計時を開始して開放時間2.0秒が経過すると、可動部材23を閉状態とする(タイミングJ6)。このタイミングJ6では、
図20の普通動作処理におけるステップS521の処理で電チューソレノイド24を非通電(OFF)とし、つまり電チューソレノイド24を駆動終了し、ステップS522の処理で球ハケ時間1.0秒をセットし、
図16のメイン側割り込みタイマ処理におけるステップS102aのタイマ更新処理により球ハケ時間の計時を開始し、
図35の入賞有効時間判定処理におけるステップS2802の処理で球ハケ時間の経過有無を判定する。その後、球ハケ時間1.0秒が経過する(タイミングJ7)。このタイミングJ7では、
図35の入賞有効時間判定処理におけるステップ2803の処理で入賞有効時間終了として異常入賞監視フラグをONにセットする。これにより、入賞有効時間(「開放時間(球受入可能時間)」+「球ハケ時間」)以外に、詳しくは入賞有効時間が終了してから入賞有効時間終了後所定時間(本実施形態では5分)が経過するまでに第2始動口21で受け入れた(第2始動口21に入球した)遊技球が第2始動口センサ21aによって検知されると、入賞有効時間が終了してからあり得ない時間経過後の遊技球であるとして、この遊技球を異常なものとして異常入賞とする。
【0239】
遊技制御用マイコン81は、入賞有効時間(「開放時間(球受入可能時間)」+「球ハケ時間」)以外に、詳しくは入賞有効時間が終了してから入賞有効時間終了後所定時間(本実施形態では5分)が経過するまでに(ここでは、入賞有効時間が経過してから2分後)、第2始動口21で受け入れた(第2始動口21に入球した)遊技球が第2始動口センサ21aによって検知されると、入賞有効時間が終了してからあり得ない時間経過後の遊技球であるとして、この遊技球を異常なものとして異常入賞とし、サブ制御基板90の演出制御用マイコン91(
図46において「サブ制御側」と記載)に、異常入賞コマンドを送信する(タイミングJ8)。このタイミングJ8では、
図16のメイン側割り込みタイマ処理におけるステップS107bの各種エラー検出報知処理(
図36のステップS2852の処理)により異常入賞コマンドをセットし、
図16のメイン側割り込みタイマ処理におけるステップS108の出力処理によりサブ制御基板90の演出制御用マイコン91に送信する。異常入賞コマンドを受信したサブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、遊技機1に「普通電動役物入賞エラー」が発生しているとして、遊技機1を異常入賞報知態様へ移行する。
【0240】
なお、入賞有効時間終了後所定時間(本実施形態では5分)が経過したあと、遊技球が第2始動口センサ21aによって検知されると、普通電動役物未作動時に第2始動口への入球があったものと判断されることとなる。
【0241】
遊技ホールに入店した遊技者には、上述したように、不正な工具(例えば、針金やピアノ線)を、前枠53から遊技盤2が取り付けられる内枠へ押し込んで、(1)第2始動口21の前方に備える一対の開閉翼部材である可動部材23が開状態となったときに、可動部材23に不正な工具を引っ掛けて開状態を維持する不正行為、(2)第2始動口21の前方に備える一対の開閉翼部材である可動部材23に不正な工具を引っ掛けて無理やり開状態として維持する不正行為、を行う不正行為者(不正な行為を行う遊技者)がいる。このような不正行為により、不正に賞球を受けたり、当否判定の機会を不正に獲得したりしている。
【0242】
そこで、本実施形態では、
図47の演出例により、上記(1),(2)のような不正行為の対策として、時短において普通電動役物の開放開始から入賞有効時間が経過したあと第2始動口21への入球があった場合、つまり入賞有効時間(「開放時間(球受入可能時間)」+「球ハケ時間」)以外に、詳しくは入賞有効時間が終了してから入賞有効時間終了後所定時間(本実施形態では5分)が経過するまでに(ここでは、入賞有効時間が経過してから2分後)、第2始動口21で受け入れた(第2始動口21に入球した)遊技球が第2始動口センサ21aによって検知されると、入賞有効時間が終了してからあり得ない時間経過後の遊技球であるとして、この遊技球を異常なものとして異常入賞とすることで対応し、異常入賞の場合には、遊技機1を異常入賞報知態様(
図43の異常入賞報知態様テーブルT55の異常入賞報知態様)へ移行して不正行為の存在を周囲に報知することができるようになっている。これにより、コンコースの左右に複数の遊技島が列設されている遊技ホールにおいて、異常入賞報知態様へ移行している遊技機1を、遊技機1の前面の通路やコンコースから見ても目立ち易くし、遊技ホールの店員等の係員に対して、不正行為の早期発見に寄与することができるようになっている。
【0243】
[普通電動役物未作動時に第2始動口21への入球があった場合における報知の演出例]
次に、異常入賞の報知として、普通電動役物未作動時に第2始動口21への入球があった場合における報知の演出例について
図48を参照して説明する。ここでは、非時短であることを前提として説明する。遊技機1の電源のONにより(遊技機1への電源が投入されると)、異常入賞監視フラグがONにセットされた状態となる(タイミングK1)。遊技が開始されると、異常入賞監視フラグは、その後、普通電動役物の開放によりOFFにセットされ、普通電動役物の閉鎖によりONにセットされる。電チュー(普通電動役物)22は、可動部材23の作動によって受入口である第2始動口21を開閉する。つまり、異常入賞監視フラグがONにセットされた状態では、電チュー(普通電動役物)22が閉鎖され、未開放に制御されている状態となる。
【0244】
異常入賞監視フラグがONとなったままの状態、つまり電チュー(普通電動役物)22が閉鎖され、未開放に制御されている状態において、遊技球が第2始動口へ1球入球して第2始動口21で受け入れた(第2始動口21に入球した)遊技球が第2始動口センサ21aによって検知されると(タイミングK2)、普通電動役物未作動時に第2始動口21への入球があったため、遊技球が第2始動口へ1球入球したことにより
図17の始動口センサ検出処理におけるステップS205bの処理で普通電動役物入賞エラー報知フラグをONにセットする。
図17の始動口センサ検出処理におけるステップS205cの処理で第2始動口入球カウンタが「1」となる。
【0245】
なお、上述した、
図46の非時短において普通電動役物の開放開始から入賞有効時間が経過したあと第2始動口21への入球があった場合、
図47の時短において普通電動役物の開放開始から入賞有効時間が経過したあと第2始動口21への入球があった場合であっても、つまり入賞有効時間終了後所定時間(本実施形態では5分)が経過したあと、遊技球が第2始動口センサ21aによって検知されると、普通電動役物未作動時に第2始動口への入球があったものと判断されることとなる。
【0246】
これにより、遊技制御用マイコン81は、サブ制御基板90の演出制御用マイコン91(
図48において「サブ制御側」と記載)に、異常入賞コマンドを送信する。具体的には、
図16のメイン側割り込みタイマ処理におけるステップS107bの各種エラー検出報知処理(
図36のステップS2852の処理)により異常入賞コマンドをセットし、
図16のメイン側割り込みタイマ処理におけるステップS108の出力処理によりサブ制御基板90の演出制御用マイコン91に送信する。異常入賞コマンドを受信したサブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、遊技機1に「普通電動役物入賞エラー」が発生しているとして、遊技機1を異常入賞報知態様へ移行する。
【0247】
遊技ホールに入店した遊技者には、上述したように、不正な工具(例えば、針金やピアノ線)を、前枠53から遊技盤2が取り付けられる内枠へ押し込んで、(1)第2始動口21の前方に備える一対の開閉翼部材である可動部材23が開状態となったときに、可動部材23に不正な工具を引っ掛けて開状態を維持する不正行為、(2)第2始動口21の前方に備える一対の開閉翼部材である可動部材23に不正な工具を引っ掛けて無理やり開状態として維持する不正行為、を行う不正行為者(不正な行為を行う遊技者)がいる。このような不正行為により、不正に賞球を受けたり、当否判定の機会を不正に獲得したりしている。
【0248】
そこで、本実施形態では、
図48の演出例により、上記(1),(2)のような不正行為の対策として、普通電動役物未作動時に第2始動口21への入球があった場合には、遊技機1を異常入賞報知態様(
図43の異常入賞報知態様テーブルT55の異常入賞報知態様)へ移行して不正行為の存在を周囲に報知することができるようになっている。これにより、コンコースの左右に複数の遊技島が列設されている遊技ホールにおいて、異常入賞報知態様へ移行している遊技機1を、遊技機1の前面の通路やコンコースから見ても目立ち易くし、遊技ホールの店員等の係員に対して、不正行為の早期発見に寄与することができるようになっている。
【0249】
[入賞エラーが発生してから第2始動口21への入球が1球以上あった場合における報知の演出例]
次に、異常入賞の報知として、入賞エラーが発生してから第2始動口21への入球が1球以上あった場合における報知の演出例について
図49を参照して説明する。ここでは、非時短であることを前提として説明する。また、「大入賞口入賞エラー」が発生している状態であり、
図36の各種エラー検出報知処理におけるステップS2854の処理で入賞エラーフラグがONにセットされた状態となっていることを前提として説明する。なお、「普通電動役物入賞エラー」が発生している状態であるときにも、
図36の各種エラー検出報知処理におけるステップS2854の処理で入賞エラーフラグがONにセットされた状態となる。
【0250】
非時短では、電チュー22の開放パターンとして開放パターン11となり、上述したように、開放回数1回、開放時間0.2秒、球ハケ時間1.0秒に設定されている。主制御基板80の遊技制御用マイコン81(
図46において「主制御側」と記載)は、電チュー22の作動(電チューの開放)を開始すると、可動部材23を閉状態から開状態とする(タイミングL1)。このタイミングL1では、
図20の普通動作処理におけるステップS512の処理で電チューソレノイド24を通電(ON)とし、つまり電チューソレノイド24を駆動開始し、ステップS513の処理で異常入賞監視フラグをOFFにセットする。このとき、入賞エラーフラグがONにセットされた状態となっている。その後、
図16のメイン側割り込みタイマ処理におけるステップS102aのタイマ更新処理により開放時間の計時を開始して開放時間0.2秒が経過するまでに、遊技球が第2始動口へ1球入球して第2始動口21で受け入れた(第2始動口21に入球した)遊技球が第2始動口センサ21aによって検知されると(タイミングL2)、入賞エラーが発生してから第2始動口21への入球が1球以上あったため、遊技球が第2始動口へ1球入球したことにより
図17の始動口センサ検出処理におけるステップS205bの処理で普通電動役物入賞エラー報知フラグをONにセットする。
【0251】
これにより、遊技制御用マイコン81は、サブ制御基板90の演出制御用マイコン91(
図48において「サブ制御側」と記載)に、異常入賞コマンドを送信する。具体的には、
図16のメイン側割り込みタイマ処理におけるステップS107bの各種エラー検出報知処理(
図36のステップS2852の処理)により異常入賞コマンドをセットし、
図16のメイン側割り込みタイマ処理におけるステップS108の出力処理によりサブ制御基板90の演出制御用マイコン91に送信する。異常入賞コマンドを受信したサブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、遊技機1に「普通電動役物入賞エラー」が発生しているとして、遊技機1を異常入賞報知態様へ移行する。
【0252】
遊技制御用マイコン81は、開放時間0.2秒が経過すると、可動部材23を閉状態とする(タイミングL3)。このタイミングL3では、
図20の普通動作処理におけるステップS521の処理で電チューソレノイド24を非通電(OFF)とし、つまり電チューソレノイド24を駆動終了し、ステップS522の処理で球ハケ時間1.0秒をセットし、
図16のメイン側割り込みタイマ処理におけるステップS102aのタイマ更新処理により球ハケ時間の計時を開始し、
図35の入賞有効時間判定処理におけるステップS2802の処理で球ハケ時間の経過有無を判定する。その後、球ハケ時間1.0秒が経過する(タイミングL4)。このタイミングL4では、
図35の入賞有効時間判定処理におけるステップ2803の処理で入賞有効時間終了として異常入賞監視フラグをONにセットする。
【0253】
遊技ホールに入店した遊技者には、上述したように、不正な工具(例えば、針金やピアノ線)を、前枠53から遊技盤2が取り付けられる内枠へ押し込んで、(1)第2始動口21の前方に備える一対の開閉翼部材である可動部材23が開状態となったときに、可動部材23に不正な工具を引っ掛けて開状態を維持する不正行為、(2)第2始動口21の前方に備える一対の開閉翼部材である可動部材23に不正な工具を引っ掛けて無理やり開状態として維持する不正行為、を行う不正行為者(不正な行為を行う遊技者)がいる。このような不正行為により、不正に賞球を受けたり、当否判定の機会を不正に獲得したりしている。
【0254】
そこで、本実施形態では、
図49の演出例により、上記(1),(2)のような不正行為の対策として、入賞エラーが発生してから第2始動口21への入球が1球以上あった場合には、遊技機1を異常入賞報知態様(
図43の異常入賞報知態様テーブルT55の異常入賞報知態様)へ移行して不正行為の存在を周囲に報知することができるようになっている。これにより、コンコースの左右に複数の遊技島が列設されている遊技ホールにおいて、異常入賞報知態様へ移行している遊技機1を、遊技機1の前面の通路やコンコースから見ても目立ち易くし、遊技ホールの店員等の係員に対して、不正行為の早期発見に寄与することができるようになっている。
【0255】
10.本実施形態の効果例、変形例、態様例
[効果例]
以下に、異常入賞の報知の効果例を示す。
[効果1]
上記実施形態の遊技機1では、遊技球がゲート28を通過(入球口に入球)したことに基づいて実行する普通図柄(図柄)の当否判定による当選で作動開始する電チュー22(電動役物)と、普通電動役物である電チュー22(電動役物)が作動開始されることで遊技球を受け入れ可能な第2始動口21(受入口)と、第2始動口21(受入口)で受け入れた遊技球を検出する第2始動口センサ21a(球検出手段)と、
図38の普通電動役物入賞エラーにおける「普通電動役物入賞エラー」の「エラーの原因」(予め設定されたタイミング)において第2始動口センサ21a(球検出手段)が遊技球を検出した場合、異常入賞として報知する前枠53の枠ランプ66等の報知手段と、を有している。この構成によれば、「普通電動役物入賞エラー」の「エラーの原因」(予め設定されたタイミング)において第2始動口21(受入口)で遊技球が受け入れられると、その後、前枠53の枠ランプ66等の報知手段で異常入賞の報知が行われるようになっているため、コンコースの左右に複数の遊技島が列設されている遊技ホールにおいて、異常入賞の報知が行われている遊技機を、遊技機の前面の通路やコンコースから見ても目立ち易くすることができる。したがって、不正行為の早期発見の向上を図ることができる。
【0256】
[効果2]
上記実施形態の遊技機1では、「普通電動役物入賞エラー」の「エラーの原因」(予め設定されたタイミング)とは、入賞有効時間外(有効時間外)であって普通電動役物である電チュー22(電動役物)が作動開始されていないタイミングであり、前枠53の枠ランプ66等の報知手段は、第2始動口センサ21a(球検出手段)が所定数の遊技球(
図38の遊技機の各種エラーにおける「普通電動役物入賞エラー」の「エラーの原因」として挙げられる球数の遊技球)を検出した場合に報知をおこなうことができるようになっている。この構成によれば、入賞有効時間外(有効時間外)であって普通電動役物である電チュー22(電動役物)が作動開始されていないときに第2始動口21(受入口)で所定数の遊技球(
図38の遊技機の各種エラーにおける「普通電動役物入賞エラー」の「エラーの原因」として挙げられる球数の遊技球)が受け入れられると、その後、前枠53の枠ランプ66等の報知手段で異常入賞の報知が行われるようになっているため、コンコースの左右に複数の遊技島が列設されている遊技ホールにおいて、異常入賞の報知が行われている遊技機を、遊技機の前面の通路やコンコースから見ても目立ち易くすることができる。
【0257】
上記実施形態の遊技機1では、「普通電動役物入賞エラー」の「エラーの原因」(予め設定されたタイミング)とは、普通電動役物である電チュー22(電動役物)が作動開始されてから作動終了しインターバル時間経過までのタイミングであり、前枠53の枠ランプ66等の報知手段は、第2始動口センサ21a(球検出手段)が6球を超える遊技球(所定数の遊技球)を検出した場合に報知をおこなうことができるようになっている。この構成によれば、普通電動役物である電チュー22(電動役物)が作動開始されてから作動終了しインターバル時間経過までの間に第2始動口21(受入口)で6球を超える遊技球(所定数の遊技球)が受け入れられると(つまり第2始動口21(受入口)に6球(所定の球数)を超える入球があると)、その後、前枠53の枠ランプ66等の報知手段で異常入賞の報知が行われるようになっているため、コンコースの左右に複数の遊技島が列設されている遊技ホールにおいて、異常入賞の報知が行われている遊技機を、遊技機の前面の通路やコンコースから見ても目立ち易くすることができる。
【0258】
上記実施形態の遊技機1では、「普通電動役物入賞エラー」の「エラーの原因」(予め設定されたタイミング)とは、入賞エラーが発生したタイミングである。入賞エラーは、「普通電動役物入賞エラー」または「大入賞口入入賞エラー」である。この構成によれば、入賞エラーが発生してから第2始動口21(受入口)に遊技球が受け入れられると(つまり第2始動口21(受入口)への入球があると)、その後、前枠53の枠ランプ66等の報知手段で異常入賞の報知が行われるようになっているため、コンコースの左右に複数の遊技島が列設されている遊技ホールにおいて、異常入賞の報知が行われている遊技機を、遊技機の前面の通路やコンコースから見ても目立ち易くすることができる。
【0259】
上記実施形態の遊技機1では、「普通電動役物入賞エラー」の「エラーの原因」(予め設定されたタイミング)とは、普通電動役物である電チュー22(電動役物)が作動開始されてから入賞有効時間(「開放時間(球受入可能時間)」+「球ハケ時間」)が経過したあとのタイミングである。詳しくは入賞有効時間が終了してから入賞有効時間終了後所定時間(本実施形態では5分)が経過するまでの間である。この構成によれば、普通電動役物である電チュー22(電動役物)が作動開始されてから入賞有効時間(「開放時間(球受入可能時間)」+「球ハケ時間」)が経過したあと第2始動口21(受入口)に遊技球が受け入れられると(つまり第2始動口21(受入口)への入球があると)、その後、前枠53の枠ランプ66等の報知手段で異常入賞の報知が行われるようになっているため、コンコースの左右に複数の遊技島が列設されている遊技ホールにおいて、異常入賞の報知が行われている遊技機を、遊技機の前面の通路やコンコースから見ても目立ち易くすることができる。
【0260】
上記実施形態の遊技機1では、普通電動役物である電チュー22(電動役物)は、電チューソレノイド24(ソレノイド)が駆動開始されることで作動開始し、電チューソレノイド24(ソレノイド)が駆動終了されることで作動終了し、入賞有効時間とは、電チューソレノイド24(ソレノイド)が駆動開始されてから駆動終了されるまでの球受入可能時間と、遊技球が第2始動口21(受入口)で受け入れられてから第2始動口センサ21a(球検出手段)で検出されるまでの時間である球ハケ時間として予め設定された時間と、の合計時間である。この構成によれば、球受入可能時間と球ハケ時間とから入賞有効時間を設定することができる。
【0261】
上記実施形態の遊技機1では、非時短状態(第1の遊技状態)と、時短状態(前記第1の遊技状態とは異なる第2の遊技状態)と、を有する複数の遊技状態があり、入賞有効時間は、複数の遊技状態別に設定されるようになっている。この構成によれば、遊技状態別に入賞有効時間を設定することで、入賞有効時間外となるタイミングを、不正行為を行う者に対して、分かり難くすることができる。
また、上記実施形態の遊技機1では、報知手段は、前枠53の枠ランプ66を少なくとも含んで構成され、枠ランプ66を
図43の異常入賞報知態様(赤色点滅:特定態様)で発光させて異常入賞を報知することができるようになっている。この構成によれば、枠ランプ66は前枠53に備えているため、コンコースの左右に複数の遊技島が列設されている遊技ホールにおいて、異常入賞の報知が行われている遊技機を、遊技機の前面の通路やコンコースから見ても目立ち易くすることができる。
【0262】
[変形例]
以下に、異常入賞の報知の変形例を示す。
[変形例1]
上記実施形態の遊技機1における
図37および
図38の遊技機の各種エラーにおいて、エラーの種類の1つに「普通電動役物入賞エラー」があり、「普通電動役物入賞エラー」には、エラーの表示、エラーの原因、エラー中の遊技の状態、措置についてそれぞれ内容が規定(設定)されていた。エラーの表示、エラーの原因、エラー中の遊技の状態、措置のうち、エラーの表示、エラー中の遊技の状態、措置を、他の内容に変更してもよい。
図50は、普通電動役物入賞エラーの変形例を説明するための図である。
【0263】
図50に示すように、「普通電動役物入賞エラー(変形例1)」が発生した状態では、エラーの表示として、装飾ランプ(例えば枠ランプ66、盤ランプ5)が点滅し、エラー報知音を出力する。エラー報知音には、「異常入賞を検知しました」というアナウンス音、「ウー」という警報音も出力される。「普通電動役物入賞エラー(変形例1)」が発生したエラーの原因は、
図37と同一である。「普通電動役物入賞エラー(変形例1)」が発生した状態では、エラー中の遊技の状態として、
図37と同一である。「普通電動役物入賞エラー(変形例1)」が発生した状態の措置として、発生後一定時間(300秒)経過時にエラーの表示およびエラー報知音の出力を終了する。
【0264】
「普通電動役物入賞エラー(変形例2,3)」が発生した状態では、エラーの表示がない。「普通電動役物入賞エラー(変形例2,3)」が発生したエラーの原因は、
図37と同一である。「普通電動役物入賞エラー(変形例2,3)」が発生した状態では、エラー中の遊技の状態として、エラーの原因となる遊技球の入賞を無効とする。「普通電動役物入賞エラー(変形例2)」が発生した状態の措置がない。「普通電動役物入賞エラー(変形例3)」が発生した状態の措置として、内枠を開放させた状態で電源断して電源を再投入し、同様なエラーが発生する場合には普通電動役物の故障であるか否かを確認する。
【0265】
「普通電動役物入賞エラー(変形例4)」が発生した状態では、エラーの表示がない。「普通電動役物入賞エラー(変形例4)」が発生したエラーの原因は、
図37と同一である。「普通電動役物入賞エラー(変形例4)」が発生した状態では、エラー中の遊技の状態として、ホールコンピュータに情報を出力し、エラーの原因となる遊技球の入賞を無効とする。「普通電動役物入賞エラー(変形例4)」が発生した状態の措置がない。
【0266】
[変形例2]
上記実施形態の遊技機1における
図37および
図38の遊技機の各種エラーにおいて、エラーの種類の1つに「普通電動役物入賞エラー」があり、「普通電動役物入賞エラー」のエラーの原因として、さらに、「異常な開放があったため」を含めるようにしてもよい。「異常な開放」とは、電チューソレノイド24の非通電時(OFF)であるにもかかわらず、第2始動口21の前方に一対の開閉翼部材である可動部材23が閉状態とならずに、開状態となっていることである。この場合、可動部材23が電チューソレノイド24の非通電時(OFF)であるにもかかわらず、閉状態とならずに、開状態となっていることを検知する開状態検出センサを設け、開状態検出センサからの信号が主制御基板81の遊技制御用マイコン81に入力される。遊技制御用マイコン81は、電チューソレノイド24の非通電時(OFF)であるにもかかわらず、開状態検出センサからの信号により第2始動口21の前方に一対の開閉翼部材である可動部材23が開状態となっている場合には、「異常な開放があった」として、普通電動役物入賞エラー報知フラグをONにセットする。これにより、遊技制御用マイコン81は、サブ制御基板90の演出制御用マイコン91に、異常入賞コマンドを送信する。具体的には、
図16のメイン側割り込みタイマ処理におけるステップS107bの各種エラー検出報知処理(
図36のステップS2852の処理)により異常入賞コマンドをセットし、
図16のメイン側割り込みタイマ処理におけるステップS108の出力処理によりサブ制御基板90の演出制御用マイコン91に送信する。異常入賞コマンドを受信したサブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、遊技機1に「普通電動役物入賞エラー」が発生しているとして、遊技機1を異常入賞報知態様へ移行することとなる。
【0267】
[変形例3]
上記実施形態の遊技機1における
図46および
図47の演出例では、主制御基板80の遊技制御用マイコン81は、入賞有効時間(「開放時間(球受入可能時間)」+「球ハケ時間」)以外に、詳しくは入賞有効時間が終了してから入賞有効時間終了後所定時間(本実施形態では5分)が経過するまでに、第2始動口21で受け入れた(第2始動口21に入球した)遊技球が第2始動口センサ21aによって検知されると、入賞有効時間が終了してからあり得ない時間経過後の遊技球であるとして、この遊技球を異常なものとして異常入賞とし、サブ制御基板90の演出制御用マイコン91に、異常入賞コマンドを送信し、この異常入賞コマンドを受信したサブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、遊技機1を異常入賞報知態様へ移行していた。また、電チュー22は、第2始動口21の前方に一対の開閉翼部材である可動部材23を備えており、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉する。可動部材23は、電チューソレノイド24の通電時(ON)には一対の開閉翼部材である可動部材23が閉状態から開状態となり遊技球が入球可能となるのに対して、電チューソレノイド24の非通電時(OFF)には一対の開閉翼部材である可動部材23が閉状態となり遊技球が入球困難となる。
【0268】
電チュー22を開放した状態であるときに、たまたま遊技領域3を流下する遊技球が受入口である第2始動口21の近傍で後続の遊技球と相互に押し合うことで、極めて稀であるものの、遊技球同士が重なり合って球詰まり、いわゆる「ブドウ」が形成されると、電チュー22を閉鎖する制御をおこなっているにもかかわらず(電チューソレノイド24の非通電時(OFF)としても、つまり電チューソレノイド24を駆動終了しても)、可動部材23が球詰まりの遊技球により開状態が維持されることとなる。この場合、入賞有効時間(「開放時間(球受入可能時間)」+「球ハケ時間」)以外に、ブドウが崩れると、第2始動口21で受け入れた(第2始動口21に入球した)遊技球が第2始動口センサ21aによって検知され、遊技機1が異常入賞報知態様へ移行されることとなる。このように、たまたまブドウが形成されたことで、入賞有効時間(「開放時間(球受入可能時間)」+「球ハケ時間」)以外に、第2始動口21で受け入れた(第2始動口21に入球した)遊技球が第2始動口センサ21aによって検知されると、不正行為を全く行っていない遊技者に対して、遊技機1を異常入賞報知態様へ移行させて、不正行為の存在を周囲に報知することとなる。
【0269】
そこで、このようなブドウが形成される場合を想定して、入賞有効時間(「開放時間(球受入可能時間)」+「球ハケ時間」)以外に、詳しくは入賞有効時間が終了してから入賞有効時間終了後所定時間(本実施形態では5分)が経過するまでに、第2始動口21で受け入れた(第2始動口21に入球した)遊技球が第2始動口センサ21aによって検知されると、入球した球数に基づいて、段階的に警告が厳しくなるように報知する仕組みを採用するようにしてもよい。
図51は、段階的に警告が厳しくなる異常入賞報知処理(変形例)を示すフローチャートであり、
図52は、段階的に警告が厳しくなる異常入賞報知態様テーブルT55(変形例)の説明図である。異常入賞報知処理(変形例)は、
図42の異常入賞報知処理に代えてサブ制御基板90の演出制御用マイコン91によりおこなわれる処理である。
【0270】
異常入賞報知処理(変形例)が開始されると、演出制御用マイコン91は、
図51に示すように、まず、異常入賞コマンド受信カウンタKCに値1をインクリメントする(ステップS4651)。異常入賞コマンド受信カウンタKCは、サブRAM94のカウンタセット領域94dに記憶され、主制御基板80から受信した異常入賞コマンドの回数をカウントするカウンタである。異常入賞コマンド受信カウンタKCは、遊技機1の電源投入により初期化されて値0(ゼロ)がセットされる。
【0271】
続いて、演出制御用マイコン91は、異常入賞コマンド受信カウンタKCの値を調べ、異常入賞コマンド受信カウンタKCの値が値4から値6までの値(異常入賞コマンド受信カウンタKCの値が値4以上、値6以下の値)であるか否かの判定をおこなう(ステップS4652)。異常入賞コマンド受信カウンタKCの値が値4から値6までの値(異常入賞コマンド受信カウンタKCの値が値4以上、値6以下の値)でない場合(ステップS4652:NO)、処理はステップS4654へ移行する。一方、異常入賞コマンド受信カウンタKCの値が値4から値6までの値(異常入賞コマンド受信カウンタKCの値が値4以上、値6以下の値)である場合(ステップS4652:YES)、異常入賞報知態様テーブルT55(変形例)を参照して、警告1と対応する、枠ランプ66、盤ランプ5、スピーカ67、画像表示装置7の表示画面7aを異常入賞報知態様とする異常入賞報知演出開始コマンドをサブRAM94の演出コマンドセット領域94bにセットし(ステップS4653)、本処理を終了する。演出コマンドセット領域94bにセットされた異常入賞報知演出開始コマンドがコマンド送信処理(
図40:ステップS4315)において画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107に送信される。
【0272】
ステップS4654では、演出制御用マイコン91は、異常入賞コマンド受信カウンタKCの値を調べ、異常入賞コマンド受信カウンタKCの値が値7から値9までの値(異常入賞コマンド受信カウンタKCの値が値7以上、値9以下の値)であるか否かの判定をおこなう。異常入賞コマンド受信カウンタKCの値が値7から値9までの値(異常入賞コマンド受信カウンタKCの値が値7以上、値9以下の値)でない場合(ステップS4654:NO)、処理はステップS4656へ移行する。一方、異常入賞コマンド受信カウンタKCの値が値7から値9までの値(異常入賞コマンド受信カウンタKCの値が値7以上、値9以下の値)である場合(ステップS4654:YES)、異常入賞報知態様テーブルT55(変形例)を参照して、警告2と対応する、枠ランプ66、盤ランプ5、スピーカ67、画像表示装置7の表示画面7aを異常入賞報知態様とする異常入賞報知演出開始コマンドをサブRAM94の演出コマンドセット領域94bにセットし(ステップS4655)、本処理を終了する。演出コマンドセット領域94bにセットされた異常入賞報知演出開始コマンドがコマンド送信処理(
図40:ステップS4315)において画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107に送信される。
【0273】
ステップS4656では、演出制御用マイコン91は、異常入賞コマンド受信カウンタKCの値を調べ、異常入賞コマンド受信カウンタKCの値が値10以上の値であるか否かの判定をおこなう。異常入賞コマンド受信カウンタKCの値が値10以上の値でない場合、つまり異常入賞コマンド受信カウンタKCの値が値0(ゼロ)から値3までのうちいずれかの値である場合(ステップS4656:NO)、本処理を終了する。異常入賞コマンド受信カウンタKCの値が値0(ゼロ)から値3までのうちいずれかの値である場合には、枠ランプ66、盤ランプ5、スピーカ67、画像表示装置7の表示画面7aを異常入賞報知態様とならないようになっており、異常入賞であるものの、遊技機1を異常入賞報知態様へ移行しない。
【0274】
一方、異常入賞コマンド受信カウンタKCの値が値10以上の値である場合(ステップS4656:YES)、異常入賞報知態様テーブルT55(変形例)を参照して、警告3と対応する、枠ランプ66、盤ランプ5、スピーカ67、画像表示装置7の表示画面7aを異常入賞報知態様とする異常入賞報知演出開始コマンドをサブRAM94の演出コマンドセット領域94bにセットし(ステップS4655)、本処理を終了する。演出コマンドセット領域94bにセットされた異常入賞報知演出開始コマンドがコマンド送信処理(
図40:ステップS4315)において画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107に送信される。
【0275】
ここで、異常入賞報知態様テーブルT55(変形例)について
図52を参照して説明する。異常入賞報知態様テーブルT55(変形例)では、警告1→警告2→警告3という順番で段階的に警告が厳しくなるように構成されている。
【0276】
警告1では、枠ランプ66、盤ランプ5、スピーカ67、画像表示装置7の表示画面7aが異常入賞報知態様となると、枠ランプ66は警告1発報時間(例えば、30秒)だけ黄色点滅し、盤ランプ5は警告1発報時間(例えば、30秒)だけ黄色点滅し、スピーカ67からは警告1発報時間(例えば、30秒)だけ「異常入賞のおそれがあります」というアナウンス音が繰り返し流れ、画像表示装置7の表示画面7aは警告1発報時間(例えば、30秒)だけ「入賞エラー 異常入賞のおそれがあります」という警告文字が赤色表示される。なお、警告1発報時間(例えば、30秒)が経過すると、枠ランプ66、盤ランプ5、スピーカ67、画像表示装置7の表示画面7aの異常入賞報知態様が解除される。
【0277】
警告2では、枠ランプ66、盤ランプ5、スピーカ67、画像表示装置7の表示画面7aが異常入賞報知態様となると、枠ランプ66は警告2発報時間(例えば、180秒)だけ紫色点滅し、盤ランプ5は警告2発報時間(例えば、180秒)だけ紫色点滅し、スピーカ67からは警告2発報時間(例えば、180秒)だけ「異常入賞の確認をおこなっています」というアナウンス音が繰り返し流れ、画像表示装置7の表示画面7aは警告2発報時間(例えば、180秒)だけ「入賞エラー 異常入賞の確認をおこなっています」という警告文字が赤色表示される。なお、警告2発報時間(例えば、180秒)が経過すると、枠ランプ66、盤ランプ5、スピーカ67、画像表示装置7の表示画面7aの異常入賞報知態様が解除される。
【0278】
警告3では、枠ランプ66、盤ランプ5、スピーカ67、画像表示装置7の表示画面7aが異常入賞報知態様となると、枠ランプ66は赤色点滅し、盤ランプ5は赤色点滅し、スピーカ67からは「異常入賞を検知しました」というアナウンス音が流れたあとに「ウー」という警報音が所定時間(例えば、3秒)だけ流れ、アナウンス音と警報音とが繰り返し流れ、画像表示装置7の表示画面7aは「入賞エラー 異常入賞を検知しました」という警告文字が赤色表示される。
【0279】
[変形例4]
上記実施形態の遊技機1では、大当たり遊技状態でエンディングを終えると、
図30の特別電動処理のステップS2234の遊技状態設定処理(
図32の遊技状態設定処理)により時短フラグがONにセットされることで、遊技状態が時短状態となるし、ハズレが連続することで天井に到達すると(b時短(遊タイム)に達するまでの規定回転数に到達すると)、
図27の特別図柄確定処理のステップS1801の遊技状態管理処理(
図28の遊技状態管理処理)により時短フラグがONにセットされることで、遊技状態が時短状態となっていた。さらに、ラムクリアをおこなった場合には、遊技機1のシステムが起動完了後、所定のゲーム回数(所定の変動回数)(例えば、30回でもよいし、50回でもよいし、100回でもよい。)だけ遊技状態を通常確率状態かつ特殊時短状態として演出図柄の変動演出(変動表示)をおこなうようにしてもよい。この特殊時短状態において、当たりとならず、ハズレが連続した結果、所定のゲーム回数(所定の変動回数)すべてを消化したあと、遊技状態を通常確率状態かつ特殊時短状態から通常確率状態かつ非時短状態へ移行する。この特殊時短状態では、上述した時短状態と基本的には同一であるものの、電チュー22の開放パターンが時短状態であるときに選択される開放パターンと異なる。
【0280】
ここでは、特殊時短状態における電チュー22の開放パターンとして開放パターン13を設ける。開放パターン13では、開放回数が3回、(ア)1回あたりの開放時間1.5秒、(イ)球ハケ時間1.0秒、インターバル(開放間隔)1.0秒の電チュー22の開放をおこなう。ただし、この電チュー22の開放は、予め定められた数の遊技球の入賞(規定入賞数、最大6個)があった場合、開放時間が残っていても閉鎖される。
【0281】
時短状態における電チュー22の開放パターンとして選択される開放パターン12と、特殊時短状態における電チュー22の開放パターンとして選択される開放パターン13と、の相違点は、開放パターン12における1回あたりの開放時間2.0秒であるのに対して、開放パターン13における(ア)1回あたりの開放時間1.5秒であるという点である。
【0282】
また、開放パターン12では、電チュー22の開放時から球ハケ時間が経過するまでに亘る入賞有効時間3.0秒(
図12(B)における(ア)の開放時間2.0秒+
図12(B)における(イ)の球ハケ時間1.0秒)であるのに対して、開放パターン13では、電チュー22の開放時から球ハケ時間が経過するまでに亘る入賞有効時間2.5秒(上記(ア)の開放時間1.5秒+上記(イ)の球ハケ時間1.0秒)であるという点である。
【0283】
主制御基板80の遊技制御用マイコン81は、特殊時短状態における電チュー22の開放パターンとして選択される開放パターン13においても、入賞有効時間(「開放時間(球受入可能時間)」+「球ハケ時間」)以外に(入賞有効時間が終了してからあり得ない時間経過後に)、第2始動口21で受け入れた(第2始動口21に入球した)遊技球が第2始動口センサ21aによって検知されると、サブ制御基板90の演出制御用マイコン91に、異常入賞コマンドを送信し、異常入賞コマンドを受信したサブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、遊技機1を異常入賞報知態様へ移行することとなる。
【0284】
遊技ホールに入店した遊技者には、上述したように、不正な工具(例えば、針金やピアノ線)を、前枠53から遊技盤2が取り付けられる内枠へ押し込んで、(1)第2始動口21の前方に備える一対の開閉翼部材である可動部材23が開状態となったときに、可動部材23に不正な工具を引っ掛けて開状態を維持する不正行為、(2)第2始動口21の前方に備える一対の開閉翼部材である可動部材23に不正な工具を引っ掛けて無理やり開状態として維持する不正行為、を行う不正行為者(不正な行為を行う遊技者)がいる。このような不正行為により、不正に賞球を受けたり、当否判定の機会を不正に獲得したりしている。
【0285】
そこで、特殊時短状態における電チュー22の開放パターンとして選択される開放パターン13においても、上記(1),(2)のような不正行為の対策として、入賞有効時間(「開放時間(球受入可能時間)」+「球ハケ時間」)以外に、詳しくは入賞有効時間が終了してから入賞有効時間終了後所定時間(本実施形態では5分)が経過するまでに、第2始動口21で受け入れた(第2始動口21に入球した)遊技球が第2始動口センサ21aによって検知されると、入賞有効時間が終了してからあり得ない時間経過後の遊技球であるとして、この遊技球を異常なものとして異常入賞とすることで対応し、異常入賞の場合には、遊技機1を異常入賞報知態様へ移行して不正行為の存在を周囲に報知することができる。これにより、コンコースの左右に複数の遊技島が列設されている遊技ホールにおいて、異常入賞報知態様へ移行している遊技機1を、遊技機1の前面の通路やコンコースから見ても目立ち易くし、遊技ホールの店員等の係員に対して、不正行為の早期発見に寄与することができる。
【0286】
なお、非時短状態における電チュー22の開放パターンとして選択される開放パターン11では、電チュー22の開放時から球ハケ時間が経過するまでに亘る入賞有効時間1.2秒(上記(ア)の開放時間0.2秒+上記(イ)の球ハケ時間1.0秒)となっていた。このように、遊技状態が非時短状態、時短状態、特殊時短状においては、個別に入賞有効時間(「開放時間(球受入可能時間)」+「球ハケ時間」)を設定することができる(つまり遊技状態別に入賞有効時間を設定することができる)。また、遊技状態が非時短状態、時短状態、特殊時短状においては、相互に異なる時間的な長さである入賞有効時間を設定することができる(つまり遊技状態別に相互に異なる時間的な長さである入賞有効時間を設定することができる)。これにより、遊技状態別に入賞有効時間を設定することで、入賞有効時間外となるタイミングを、不正行為を行う者に対して、分かり難くすることができる。
【0287】
[変形例5]
上記実施形態の遊技機1における
図46および
図47の演出例では、普通電動役物22(電チュー22)に対し、入賞有効時間(「開放時間(球受入可能時間)」+「球ハケ時間」)以外に、詳しくは入賞有効時間が終了してから入賞有効時間終了後所定時間(本実施形態では5分)が経過するまでに、第2始動口21で受け入れた(第2始動口21に入球した)遊技球が第2始動口センサ21aによって検知されると、入賞有効時間が終了してからあり得ない時間経過後の遊技球であるとして、この遊技球を異常なものとして異常入賞とし、サブ制御基板90の演出制御用マイコン91に、異常入賞コマンドを送信し、この異常入賞コマンドを受信したサブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、遊技機1を異常入賞報知態様へ移行していた。しかし、特別電動役物である、第1特別電動役物31(第1大入賞装置31)、第2特別電動役物36(第2大入賞装置36)に適用してもよい。第1特別電動役物31(第1大入賞装置31)の開放による受入口である第1大入賞口(第1特別入賞口)30の開閉部材(第1特別入賞口開閉部材)32と第1大入賞口センサ30aとの間には物理的な距離がある。このため、開閉部材(第1特別入賞口開閉部材)32の閉鎖直前に受入口である第1大入賞口(第1特別入賞口)30で受け入れた(第1大入賞口(第1特別入賞口)30に入球した)遊技球が第1大入賞口センサ30aによって検知されるまでの時間である「球ハケ時間(例えば、2.0秒)」が考慮されている。また、第2特別電動役物36(第2大入賞装置36)の開放による受入口である第2大入賞口(第2特別入賞口)35の開閉部材(第2特別入賞口開閉部材、可動部材)37と第2大入賞口センサ35aとの間には物理的な距離がある。このため、開閉部材(第2特別入賞口開閉部材、可動部材)37の閉鎖直前に受入口である第2大入賞口(第2特別入賞口)35で受け入れた(第2大入賞口(第2特別入賞口)35に入球した)遊技球が第2大入賞口センサ35aによって検知されるまでの時間である「球ハケ時間(例えば、2.0秒)」が考慮されている。
【0288】
このように構成しても、主制御基板80の遊技制御用マイコン81は、入賞有効時間(「開放時間(球受入可能時間)」+「球ハケ時間」)以外に、詳しくは入賞有効時間が終了してから入賞有効時間終了後所定時間(本実施形態では5分)が経過するまでに、第1特別電動役物31(第1大入賞装置31)の受入口である第1大入賞口(第1特別入賞口)30で受け入れた(第1大入賞口(第1特別入賞口)30に入球した)遊技球が第1大入賞口センサ30aによって検知されると、入賞有効時間が終了してからあり得ない時間経過後の遊技球であるとして、この遊技球を異常なものとして異常入賞とし、サブ制御基板90の演出制御用マイコン91に、異常入賞コマンドを送信し、この異常入賞コマンドを受信したサブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、遊技機1を異常入賞報知態様へ移行することができるし、また、主制御基板80の遊技制御用マイコン81は、入賞有効時間(「開放時間(球受入可能時間)」+「球ハケ時間」)以外に、詳しくは入賞有効時間が終了してから入賞有効時間終了後所定時間(本実施形態では5分)が経過するまでに、第2特別電動役物36(第2大入賞装置36)の受入口である第2大入賞口(第2特別入賞口)35で受け入れた(第2大入賞口(第2特別入賞口)35に入球した)遊技球が第2大入賞口センサ35aによって検知されると、入賞有効時間が終了してからあり得ない時間経過後の遊技球であるとして、この遊技球を異常なものとして異常入賞とし、サブ制御基板90の演出制御用マイコン91に、異常入賞コマンドを送信し、この異常入賞コマンドを受信したサブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、遊技機1を異常入賞報知態様へ移行することができる。
【0289】
[変形例6]
上記実施形態の遊技機1では、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理において、遊技状態(非時短状態か時短状態か)に応じて、電チュー22の開放パターンを判定するために電チュー開放パターン判定テーブルT7を参照して、「非時短状態」のとき、電チュー22の開放パターンを「開放パターン11」と判定し、「時短状態」のとき、開放パターンを「開放パターン12」と判定していた。このように、「時短状態」のとき、開放パターンが「開放パターン12」という一種類しかなかった。しかし、「時短状態」のとき、開放パターンとして、複数の開放パターンの中からいずれかを選択するように構成してもよい。ここでは、例えば、「時短状態」のとき、複数の開放パターンとして、「開放パターン12」、「開放パターン14」、「開放パターン15」という3種類の開放パターンがある。
【0290】
「開放パターン12」では、
図12(B)の「開放パターン12」と同一であり、開放回数が3回、(ア)1回あたりの開放時間2.0秒、(イ)球ハケ時間1.0秒、インターバル(開放間隔)1.0秒の電チュー22の開放をおこない、入賞有効時間3.0秒(上記(ア)の開放時間2.0秒+上記(イ)の球ハケ時間1.0秒)となる。「開放パターン14」では、開放回数が3回、(ア)1回あたりの開放時間3.0秒、(イ)球ハケ時間1.0秒、インターバル(開放間隔)1.0秒の電チュー22の開放をおこない、入賞有効時間4.0秒(上記(ア)の開放時間3.0秒+上記(イ)の球ハケ時間1.0秒)となる。「開放パターン15」では、開放回数が3回、(ア)1回あたりの開放時間5.0秒、(イ)球ハケ時間1.0秒、インターバル(開放間隔)1.0秒の電チュー22の開放をおこない、入賞有効時間6.0秒(上記(ア)の開放時間5.0秒+上記(イ)の球ハケ時間1.0秒)となる。
【0291】
この場合、例えば、「非時短状態時」における普図の抽選において当選したとき、普通図柄当たり種別乱数値によらず(0~65535のいずれであっても)、当たり種別が「短開放」と判定され、普図停止図柄が「当たり図柄1」と判定され、電チュー22の開放パターンが「開放パターン11」と判定される。一方、「時短状態時」における普図の抽選において当選した場合には、普通図柄当たり種別乱数値が「0~65300」の場合には、当たり種別が「長開放1」と判定され、普通図柄表示器42に停止表示される普図の停止図柄(普図停止図柄)が「当たり図柄2」と判定され、電チュー22の開放パターンが「開放パターン12」と判定される。普通図柄当たり種別乱数値が「65301~65500」の場合には、当たり種別が「長開放2」と判定され、普図停止図柄が「当たり図柄3」と判定され、電チュー22の開放パターンが「開放パターン14」と判定される。普通図柄当たり種別乱数値が「65501~65535」の場合には、当たり種別が「長開放3」と判定され、普図停止図柄が「当たり図柄4」と判定され、電チュー22の開放パターンが「開放パターン15」と判定される。
【0292】
このように、遊技状態が「時短状態」のとき、「開放パターン12」、「開放パターン14」、「開放パターン15」という3種類の開放パターン(複数の開放パターン)に対して個別に入賞有効時間(「開放時間(球受入可能時間)」+「球ハケ時間」)を設定することができる(つまり遊技状態別に入賞有効時間を設定することができる)。また、相互に異なる時間的な長さである入賞有効時間を設定することができる(つまり遊技状態別に相互に異なる時間的な長さである入賞有効時間を設定することができる)。これにより、遊技状態別に入賞有効時間を設定することで、入賞有効時間外となるタイミングを、不正行為を行う者に対して、分かり難くすることができる。
【0293】
[変形例7]
上記実施形態の遊技機1では、電気的駆動源としてソレノイド(電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、V開閉部材ソレノイド73)を使用した。しかし、電気的駆動源としてソレノイドに代えて、DCモータ、ステッピングモータであってもよい。
【0294】
[態様例]
本実施形態の遊技機では、以下の態様を実現可能である。
◇[態様1]
遊技機であって、
遊技球が入球口に入球したことに基づいて実行する図柄の当否判定による当選で作動開始する電動役物と、
前記電動役物が作動開始されることで遊技球を受け入れ可能な受入口と、
前記受入口で受け入れた遊技球を検出する球検出手段と、
予め設定されたタイミングにおいて前記球検出手段が遊技球を検出した場合、異常入賞として報知する報知手段と、を有する、
ことを特徴とする遊技機。
【0295】
◇[態様2]
態様1の記載の遊技機であって、
前記予め設定されたタイミングとは、有効時間外であって前記電動役物が作動開始されていないタイミングであり、
前記報知手段は、前記球検出手段が所定数の遊技球を検出した場合に前記報知をおこなう、
ことを特徴とする遊技機。
【0296】
[その他の変形例]
上述の種々の表示演出において、その一部の演出を含んでいない構成や、上述した以外の演出が含まれていてもよい。
【0297】
上記実施形態の遊技機1は、パチンコ遊技機を例に挙げて説明したが、これに限られるものではない。例えば、パチンコ遊技機に代えて、スロットマシン等の回胴式遊技機、アレンジボール遊技機、または、雀球遊技機に本発明を適用するようにしてもよい。遊技機1をスロットマシンとする場合には、遊技媒体を遊技球から遊技メダルに変更すればよい。
【0298】
上記実施形態の遊技機1では、遊技者に操作させる操作部として演出ボタン63、剣部材65、セレクトボタン68を備えているが、これらに限られず、遊技者に操作させる操作部として、レバーや、トリガーなどを用いてもよい。また、上記実施形態の遊技機1における表示演出において、演出ボタン63を表すボタン画像を用いて表示演出を実行する場合があるが、これに代えて剣部材65を表す画像を用いて表示演出を実行するようにしてもよいし、レバーやトリガーを表す画像を用いて表示演出を実行するようにしてもよい。
【0299】
上記実施形態の遊技機1は、玉を払出すための払出装置を搭載した遊技機であったが、これに限られるものではない。例えば、上記遊技機1に代えて、所謂封入式遊技機のように、払い出し装置を搭載しない遊技機に本発明を適用するようにしてもよい。
【0300】
上記実施形態の遊技機1は、表示装置(メイン表示画面7a、サブ表示画面64など)を用いて、種々の演出を実行するようにしている。本実施形態の遊技機1では、これらの演出を互いに組み合わせて一つの表示演出としてもよい。つまり、上述した複数の演出例および/または変形例のうち、2つ以上の演出例および/または変形例を組み合わせてもよい。
さらに、遊技機1は、画像表示装置7(メイン表示画面7a)の他にサブ表示画面64を備えているが、メイン表示画面7aでおこなう表示演出をサブ表示画面64でおこなってもよいし、サブ表示画面64でおこなう表示演出をメイン表示画面7aでおこなうようにしてもよい。
【0301】
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。
【符号の説明】
【0302】
1…遊技機
3…遊技領域
5…盤ランプ
7…画像表示装置
9A,9B…保留画像(保留アイコン)
9C…当該保留画像(保留アイコン)
14…第1可動役物
15…第2可動役物
17…大入賞口開放始動口
20…第1始動口(第1入球口)
21…第2始動口(第2入球口)
64…サブ表示画面
69…枠可動役物
66…枠ランプ
81…遊技制御用マイコン
91…演出制御用マイコン
101…画像制御用マイコン