(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157275
(43)【公開日】2024-11-07
(54)【発明の名称】情報処理方法、プログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06F 16/90 20190101AFI20241030BHJP
G06Q 30/0601 20230101ALI20241030BHJP
【FI】
G06F16/90 100
G06Q30/0601
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023071537
(22)【出願日】2023-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】518018920
【氏名又は名称】SocialGood株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼岡 壮一郎
【テーマコード(参考)】
5B175
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5B175EA01
5L030BB22
5L049BB22
(57)【要約】
【課題】ユーザを商品購入ページ又は商品の販売者のWebページへ好適に誘導することができる情報処理方法等を提供する。
【解決手段】情報処理方法は、入力文を取得し、入力文を入力した場合に応答文を生成するよう学習済みのモデルに、取得した前記入力文を入力することで生成された応答文を取得し、前記応答文に応じて、商品購入ページ又は商品の販売者のWebページへのリンク51を含む商品情報を前記応答文と共に出力する処理をコンピュータが実行する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力文を取得し、
入力文を入力した場合に応答文を生成するよう学習済みのモデルに、取得した前記入力文を入力することで生成された応答文を取得し、
前記応答文に応じて、商品購入ページ又は商品の販売者のWebページへのリンクを含む商品情報を前記応答文と共に出力する
処理をコンピュータが実行する情報処理方法。
【請求項2】
前記応答文から商品に関連するキーワードを検出し、
前記キーワードを検出した場合、該キーワードに対応する商品に関する前記商品情報を、前記キーワードに対応する位置に挿入した前記応答文を出力する
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記リンクに基づき前記商品購入ページ又は前記Webページに遷移して商品の購入申込を受け付けた場合、商品の購入額に応じた数量の仮想通貨をユーザに付与する
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記仮想通貨の付与によりユーザに還元されるキャッシュバック情報を前記応答文と共に出力する
請求項3に記載の情報処理方法。
【請求項5】
ユーザによる商品の購入履歴、商品の閲覧履歴、対話履歴、ユーザの属性、商品の属性、又は商品の販売者の属性を含む情報を取得し、
前記入力文と、前記情報とを前記モデルに入力することで生成された前記応答文を取得する
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記応答文の焦点を指示するための指示文を取得し、
前記入力文、前記情報及び前記指示文を前記モデルに入力することで生成された前記応答文を取得する
請求項5に記載の情報処理方法。
【請求項7】
入力文を取得し、
入力文を入力した場合に応答文を生成するよう学習済みのモデルに、取得した前記入力文を入力することで生成された応答文を取得し、
前記応答文に応じて、商品購入ページ又は商品の販売者のWebページへのリンクを含む商品情報を前記応答文と共に出力する
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項8】
制御部を備える情報処理装置であって、
前記制御部が、
入力文を取得し、
入力文を入力した場合に応答文を生成するよう学習済みのモデルに、取得した前記入力文を入力することで生成された応答文を取得し、
前記応答文に応じて、商品購入ページ又は商品の販売者のWebページへのリンクを含む商品情報を前記応答文と共に出力する
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、プログラム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
商品情報をユーザに提示するシステムとして、チャット形式でユーザと対話を行い、対話内容に応じて商品情報を提示するシステムが提案されている。例えば特許文献1では、複数種類の対話テンプレートをシナリオに沿って順次読み出して対話文を生成し、対話文に対してユーザが肯定の応答をした場合、当該対話文に関連して検索キーワードを生成し、生成した検索キーワードにより商品を検索してユーザに提示する商品情報提供システム等が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一つの側面では、ユーザを商品購入ページ又は商品の販売者のWebページへ好適に誘導することができる情報処理方法等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一つの側面では、情報処理方法は、入力文を取得し、入力文を入力した場合に応答文を生成するよう学習済みのモデルに、取得した前記入力文を入力することで生成された応答文を取得し、前記応答文に応じて、商品購入ページ又は商品の販売者のWebページへのリンクを含む商品情報を前記応答文と共に出力する処理をコンピュータが実行する。
【発明の効果】
【0006】
一つの側面では、ユーザを商品購入ページ又は商品の販売者のWebページへ好適に誘導することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】情報処理システムの構成例を示す説明図である。
【
図3】商品DB、ユーザDB、加盟店DBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
【
図6】サーバが実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図8】指示文の有無に応じた応答文を示す説明図である。
【
図9】実施の形態2に係るサーバが実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施の形態1)
図1は、情報処理システムの構成例を示す説明図である。本実施の形態では、機械学習により構築された生成モデル30を用いてユーザとの間で対話を行うシステムであって、ユーザの入力文に対し生成モデル30が生成した応答文に、商品購入ページ又は商品の販売者のWebページへのリンクを含む商品情報を挿入して出力する情報処理システムについて説明する。情報処理システムは、情報処理装置1、端末2、2、2…、生成サーバ3を含む。各装置は、インターネット等のネットワークNに通信接続されている。
【0009】
情報処理装置1は、種々の情報処理、情報の送受信が可能な情報処理装置であり、例えばサーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ等である。本実施の形態では情報処理装置1がサーバコンピュータであるものとし、以下では簡潔のためサーバ1と読み替える。後述のように、サーバ1は、ユーザが加盟店(例えばEC(Electronic Commerce)サイト)で商品を購入したことに対応して、商品の購入額に応じた数量の仮想通貨(Cryptocurrency)をユーザに付与するキャッシュバックサービスを提供する。本実施の形態でサーバ1は、そのキャッシュバックサービスの一機能として、ユーザがチャットボットと対話可能なチャット機能を提供する。そしてサーバ1は、チャットボットからの応答文の内容に応じて、例えば応答文に加盟店で購入可能な商品名が含まれる場合、当該商品の購入ページ又は当該商品を販売する販売者(加盟店)のWebページ(例えばECサイトのトップページ)へのリンク、商品の購入額、仮想通貨の付与によるキャッシュバック率等を含む商品情報を応答文に挿入して、ユーザに対し出力する。
【0010】
端末2は、ユーザが使用する端末装置であり、例えばスマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。端末2は後述するチャット画面(
図5参照)を表示し、ユーザから入力文の入力を受け付けると共に、当該入力文に対する応答文を表示する。
【0011】
生成サーバ3は、機械学習により構築された生成モデル30を用いて、ユーザの入力文に対する応答文を生成するサーバコンピュータである。生成サーバ3は、自装置が提供するAPI(Application Programming Interface)を通じてサーバ1から入力文を受け付け、当該入力文を生成モデル30に入力することで応答文を生成し、生成した応答文をサーバ1に出力する。
【0012】
生成モデル30は、所定の訓練データを学習済みの機械学習モデルであり、例えばTransformerの一種であるGPT(Generative Pre-trained Transformer)である。本実施の形態では、OpenAI社が提供するChatGPTを生成モデル30として用いる。
【0013】
なお、本実施の形態ではChatGPTを用いるものとして説明するが、生成モデル30はGPT以外のモデルであってもよい。また、サーバ1が外部のシステム(生成サーバ3)を通じて応答文を取得する構成は必須ではなく、サーバ1は自装置で応答文を生成するようにしてもよい。
【0014】
図2は、サーバ1の構成例を示すブロック図である。サーバ1は、制御部11、主記憶部12、通信部13、及び補助記憶部14を備える。
制御部11は、一又は複数のCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の演算処理装置を有し、補助記憶部14に記憶されたプログラムP1を読み出して実行することにより、種々の情報処理、制御処理等を行う。主記憶部12は、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の一時記憶領域であり、制御部11が演算処理を実行するために必要なデータを一時的に記憶する。通信部13は、通信に関する処理を行うための通信モジュールであり、外部と情報の送受信を行う。
【0015】
補助記憶部14は、大容量メモリ、ハードディスク等の不揮発性記憶領域であり、制御部11が処理を実行するために必要なプログラムP1(プログラム製品)、その他のデータを記憶している。また、補助記憶部14は、商品DB141、ユーザDB142、加盟店DB143を記憶している。商品DB141は、加盟店で提供される商品の情報を格納するデータベースである。ユーザDB142は、本システムのユーザの情報を格納するデータベースである。加盟店DB143は、加盟店の情報を格納するデータベースである。
【0016】
なお、補助記憶部14はサーバ1に接続された外部記憶装置であってもよい。また、サーバ1は複数のコンピュータからなるマルチコンピュータであっても良く、ソフトウェアによって仮想的に構築された仮想マシンであってもよい。
【0017】
また、本実施の形態においてサーバ1は上記の構成に限られず、例えば操作入力を受け付ける入力部、画像を表示する表示部等を含んでもよい。また、サーバ1は、CD(Compact Disk)-ROM、DVD(Digital Versatile Disc)-ROM等の可搬型記憶媒体1aを読み取る読取部を備え、可搬型記憶媒体1aからプログラムP1を読み取って実行するようにしても良い。
【0018】
図3は、商品DB141、ユーザDB142、加盟店DB143のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
商品DB141は、商品ID列、商品名列、カテゴリ列、提供加盟店列、金額列、購入ページ列、キーワード列を含む。商品ID列は、各商品を識別するための商品IDを記憶している。商品名列、カテゴリ列、提供加盟店列、金額列、購入ページ列、及びキーワード列はそれぞれ、商品IDと対応付けて、商品名、商品のカテゴリ、商品を提供する加盟店のID、商品の購入金額、加盟店(ECサイト等)における商品購入ページのリンク情報(アドレス)、及びキーワードを記憶している。キーワードについては後述する。
【0019】
ユーザDB142は、ユーザID列、氏名列、属性列、購入履歴列、保有コイン列、ウォレットアドレス列を含む。ユーザID列は、各ユーザを識別するためのユーザIDを記憶している。氏名列、属性列、購入履歴列、保有コイン列、及びウォレットアドレス列はそれぞれ、ユーザIDと対応付けて、ユーザの氏名、属性(年齢、性別等)、加盟店における商品の購入履歴、ユーザが現在保有している仮想通貨(コイン)の数量、及びユーザのウォレットアドレスを記憶している。
【0020】
加盟店DB143は、加盟店ID列、加盟店名列、加盟店ページ列、キャッシュバック率列を含む。加盟店ID列は、各加盟店を識別するための加盟店IDを記憶している。加盟店名列、加盟店ページ列、及びキャッシュバック率列はそれぞれ、加盟店IDと対応付けて、加盟店の名称、加盟店(商品の販売者)のWebページのアドレス、及び加盟店で商品を購入した場合に仮想通貨の付与によってユーザに還元されるキャッシュバック率を記憶している。
【0021】
なお、本実施の形態では加盟店毎にキャッシュバック率が定められているものとして説明するが、例えばキャッシュバック率は商品毎に定められてもよい。
【0022】
図4は、端末2の構成例を示すブロック図である。端末2は、制御部21、主記憶部22、通信部23、表示部24、入力部25、及び補助記憶部26を備える。
制御部21は、一又は複数のCPU等のプロセッサを有し、補助記憶部26に記憶されたプログラムP2を読み出して実行することにより、種々の情報処理を行う。主記憶部22は、RAM等の一時記憶領域であり、制御部21が演算処理を実行するために必要なデータを一時的に記憶する。通信部23は、通信に関する処理を行うための通信モジュールであり、外部と情報の送受信を行う。表示部24は、液晶ディスプレイ等の表示画面であり、画像を表示する。入力部25は、タッチパネル等の操作インターフェイスであり、ユーザから操作入力を受け付ける。補助記憶部26は、ハードディスク等の不揮発性記憶領域であり、制御部21が処理を実行するために必要なプログラムP2(プログラム製品)、その他のデータを記憶している。
【0023】
なお、端末2は、CD-ROM等の可搬型記憶媒体2aを読み取る読取部を備え、可搬型記憶媒体2aからプログラムP2を読み取って実行するようにしても良い。
【0024】
図5は、チャット画面の一例を示す説明図である。
図5では、ユーザが入力した入力文「運動会で使えるカメラが欲しい」に対し、生成モデル30が生成した応答文が表示される様子を図示している。
【0025】
図5に沿って説明する前に、サーバ1が提供するキャッシュバックサービスについて説明する。上述の如く、サーバ1は、ユーザが加盟店で商品を購入した場合に、商品の購入額に応じた数量の仮想通貨をユーザに付与するキャッシュバックサービスを提供する。すなわち、サーバ1は、ユーザが加盟店で商品を購入した場合、加盟店DB143で定められているキャッシュバック率を商品の購入額に乗算したキャッシュバック額に相当する数量の仮想通貨を、ユーザのウォレットアドレス宛に送金する。なお、ユーザに付与する仮想通貨は、加盟店から徴収される手数料を原資として賄われる。
【0026】
なお、本実施の形態では仮想通貨によりキャッシュバックを行うものとして説明するが、他の電子媒体(例えばポイント)でキャッシュバックを行ってもよい。
【0027】
本サービスを実現すべく、ユーザの端末2には専用のアプリケーション(以下では「アプリ」と記載)がインストールされている。ユーザは当該アプリ上で表示される各加盟店や個々の商品のリンクを元に加盟店の商品購入ページへ遷移し、ショッピングを行うことができる。そのほか、本アプリ上で現在の仮想通貨の保有残高等を確認することもできる。
【0028】
本実施の形態では当該アプリの一機能として、チャットボットと対話が可能なチャットサービスを提供する。
図5では、チャット時の画面例を図示している。サーバ1は
図5のチャット画面上で入力文の入力を受け付け、当該入力文を生成サーバ3に送信する。そしてサーバ1は、入力文を生成モデル30に入力することで生成された応答文を生成サーバ3から取得し、チャット画面に出力する。
【0029】
ここでサーバ1は、加盟店で提供する商品と関連する単語やフレーズが応答文に含まれる場合、商品購入ページ、又は商品の販売者(加盟店)のWebページ(例えばECサイトのトップページ)へのリンク51を含む商品情報を応答文と共に出力する。
図5では、商品情報として、リンク51のほか、商品の購入額、及び仮想通貨付与によってユーザに還元されるキャッシュバック率が表示される様子を図示している。
【0030】
例えば商品DB141には、商品IDと対応付けて、商品に関連するキーワードが格納されている。キーワードは、例えば商品名であるが、商品の種類を表す単語(商品が一眼レフカメラであれば「一眼レフカメラ」)、メーカ名などであってもよい。サーバ1は商品DB141を参照して、商品に関連するキーワードを応答文から検出する。
図5では、キーワードとして検出された商品名「カメラA」、「カメラB」、及び「カメラB」を太字で示す。
【0031】
キーワードを検出した場合、サーバ1は、検出したキーワードに対応する商品情報を各データベースから読み出す。具体的には、サーバ1は、商品購入ページ又は商品の販売者(加盟店)のWebページへのリンク51(アドレス)、商品の購入額、加盟店毎に定められているキャッシュバック率を読み出す。
【0032】
サーバ1は、応答文から検出したキーワードに対応する位置に商品情報を挿入する。例えばサーバ1は、
図5に示すように、キーワード(商品名)が出現した直後の位置にリンク51を挿入すると共に、商品の購入額及びキャッシュバック率(キャッシュバック情報)を示すテキストを挿入する。サーバ1は、商品情報が挿入された応答文を端末2に出力し、表示させる。
【0033】
なお、本実施の形態では、リンク51、商品の購入額等と合わせてキャッシュバック率を表示するものとするが、本実施の形態はこれに限定されるものではない。例えばサーバ1は、商品の購入額にキャッシュバック率を乗算することでキャッシュバック額を算出し、当該キャッシュバック額をチャット画面に出力するようにしてもよい。すなわち、サーバ1は、仮想通貨の付与によりユーザに還元されるキャッシュバック情報をチャット画面に表示可能であればよく、そのキャッシュバック情報はキャッシュバック率に限定されない。
【0034】
リンク51への操作入力に応じて商品購入ページ又はWebページ(不図示)に遷移し、商品の購入申込を受け付けた場合、サーバ1は、商品の購入額に応じた数量の仮想通貨をユーザに付与する。すなわち、サーバ1は、キャッシュバック額に相当する数量の仮想通貨をユーザのウォレットアドレス宛に送金するトランザクションを生成し、ブロックチェーンネットワークに出力(ブロードキャスト)する。
【0035】
以上より、本実施の形態によれば、生成モデル30が生成する応答文に商品購入ページへのリンク51を挿入することで、ユーザを好適に商品購入ページへ誘導することができる。
【0036】
なお、応答文から複数の商品それぞれのキーワードを検出した場合、すなわち応答文に複数の商品の記載が含まれる場合、サーバ1は、各商品の購入額又はキャッシュバック額に応じて、各商品の記載の順序を入れ替えてもよい。
【0037】
例えばサーバ1は、各キーワードを検出した位置に応じて、一のキーワードが出現してから次のキーワードが出現するまでの間の文章群を一の文章群として抽出することにより、各商品に対応する複数の文章群に応答文を分解する。
図5の例では、キーワード「カメラA」から次のキーワード「カメラB」が出現するまでの文章群「カメラA/一眼レフカメラで、スポーツ撮影に向いたAFシステムを搭載しています。」を一つの文章群として抽出する。そしてサーバ1は、分解した各文章群を、各商品の購入額が低い順に、又はキャッシュバック額が高い順に並べ替えた応答文を生成する。例えば購入額が低い順に並べ直す場合、「カメラB」、「カメラA」、「カメラC」の順に並べる。なお、キーワードの直後にリンク51等の商品情報を挿入することは勿論である。これにより、低価な商品、又はキャッシュバック額が高い商品から順に、各商品の情報をユーザに提示することができる。
【0038】
図6は、サーバ1が実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。
図6に基づき、サーバ1が実行する処理内容について説明する。
サーバ1の制御部11は、ユーザが入力した入力文を端末2から取得する(ステップS11)。制御部11は、取得した入力文を生成サーバ3に送信し、当該入力文を生成モデル30に入力することで生成された応答文を生成サーバ3から取得する(ステップS12)。
【0039】
制御部11は、商品DB141を参照して、商品に関連するキーワードを応答文から検出したか否かを判定する(ステップS13)。キーワードを検出していないと判定した場合(S13:NO)、制御部11は、生成サーバ3から取得した応答文をそのまま端末2に出力し(ステップS14)、一連の処理を終了する。
【0040】
キーワードを検出したと判定した場合(S13:YES)、制御部11は、キーワードに対応する商品の購入ページ又は商品の販売者のWebページへのリンク51、商品の購入額、及びキャッシュバック率等の商品情報を各データベースから読み出す(ステップS15)。制御部11は、商品購入ページ又はWebページへのリンク51を含む商品情報を応答文と共に端末2に出力する(ステップS16)。具体的には、制御部11は、応答文から検出したキーワードに対応する位置に商品情報を挿入し、端末2に出力する。
【0041】
制御部11は、商品情報として挿入されたリンク51に基づき商品購入ページ又は商品の販売者のWebページに遷移して商品の購入申込を受け付けたか否かを判定する(ステップS17)。商品の購入申込を受け付けたと判定した場合(S17:YES)、制御部11は、商品の購入額に応じた数量の仮想通貨をユーザに付与する(ステップS18)。ステップS18の処理を実行後、又はステップS17でNOの場合、制御部11は一連の処理を終了する。
【0042】
以上より、本実施の形態1によれば、ユーザを商品購入ページ又は商品の販売者のWebページへ好適に誘導することができる。
【0043】
(実施の形態2)
本実施の形態では、ユーザによる商品の購入履歴や商品の閲覧履歴といった情報を生成モデル30に入力することで、応答文の精度を高める形態について述べる。なお、実施の形態1と重複する内容については同一の符号を付して説明を省略する。
【0044】
図7は、実施の形態2の概要を示す説明図である。
図7に基づき、本実施の形態の概要を説明する。
【0045】
図7では、ユーザが入力した入力文に加えて、ユーザによる商品の購入履歴、閲覧履歴等の情報と、応答文の焦点を指示するための指示文とを生成モデル30に入力することで、応答文を生成する様子を図示している。本実施の形態でサーバ1は、入力文、商品購入履歴等の情報、及び指示文を一連のテキストとして生成サーバ3に送信することで、当該テキストに対する応答文を生成させる。
【0046】
入力文以外に生成モデル30に入力する情報は、ユーザによる商品の購入履歴、加盟店(ECサイト)における商品の閲覧履歴、チャット画面における過去の対話履歴(例えば過去の対話中に出現した商品名等)、ユーザの属性、キーワードとして検出された商品の属性(カテゴリ)、又は商品の販売者の属性(例えばECサイトの種類)を含む。チャット画面において入力文の入力を受け付けた場合、サーバ1は、これらの情報を各データベースから読み出したり、あるいは外部(加盟店)から取得する。そしてサーバ1は、例えばユーザが過去に購入又は閲覧した商品名、過去のチャット中に出現した商品名やユーザの年齢、性別等を羅列したテキストを入力文の後に続けて接続し、一連のテキストとする。当該情報を入力文に加えることで、生成モデル30は、ユーザによる商品の購入傾向や属性を参照しつつ応答文を生成することができる。
【0047】
なお、商品の購入履歴等はユーザ情報の一例であって、本実施の形態はこれに限定されるものではない。例えばユーザ情報として、ユーザによる仮想通貨の保有又は利用に関する情報を含めてもよい。仮想通貨の保有又は利用に関する情報とは、例えばユーザが保有している仮想通貨の保有量、保有期間、ユーザによる仮想通貨の使用頻度などである。これらの情報をユーザ情報に含めることで、本システムによるキャッシュバックサービスをよく利用しているユーザであるか否かを識別し、例えばキャッシュバック率が高い商品を提示することができる。
【0048】
指示文は、応答文の焦点を指示するためのテキストであり、生成モデル30による応答文の生成をコントロールするための情報である。例えばサーバ1は、入力文、ユーザ情報に続くテキストの末尾に指示文を接続することで、生成モデル30に入力する一連のテキストを生成する。
【0049】
指示文はユーザが指定してもよいが、サーバ1が自動的に指示文を指定してもよい。
図5の例に則して説明すると、例えば入力文が「運動会で使えるカメラが欲しい」である場合、指示文として「商品」、「低額」、「スポーツ」などを指定することが考えられる。本実施の形態では、加盟店で販売されている商品の情報を応答文に含めるべく、例えば「商品」という単語を指示文として指定する。
【0050】
図8は、指示文の有無に応じた応答文を示す説明図である。
図8では、入力文に指示文を加えない場合(
図8A)の応答文と、入力文に指示文を加えた場合(
図8B)の応答文とを例示している。
【0051】
例えば
図8Aに示すように、ユーザが入力した入力文「運動会で使えるカメラが欲しい」のみを生成モデル30に入力した場合、生成モデル30は、商品を紹介するのではなく、運動会で必要なカメラの機能を列記した応答文を生成する場合がある。これに対し、
図8Bに示すように、入力文「運動会で使えるカメラが欲しい」に加えて指示文「商品」を生成モデル30に入力した場合、生成モデル30は、商品に焦点を置いた応答文を生成する。このように、生成モデル30に入力するテキストに指示文を加えることで、適切な応答文を生成させることができる。
【0052】
例えばサーバ1は、事前に大量の訓練データを生成サーバ3にアップロードして生成モデル30に学習させることで、生成モデル30のファインチューニングを行っておく。すなわち、サーバ1は、入力文、商品の購入履歴等の情報、及び指示文から成るテキストに対し、正解の応答文が対応付けられた訓練データを生成モデル30にアップロードし、生成モデル30の学習を行わせておく。
【0053】
実際にユーザから入力文を受け付けて応答文を出力する場合、サーバ1は、入力文と共に商品の購入履歴等の情報及び指示文を生成サーバ3に送信する。そしてサーバ1は、入力文、商品の購入履歴等の情報及び指示文を、ファインチューニングを行った生成モデル30に入力することで生成された応答文を生成サーバ3から取得する。後の処理は実施の形態1と同様であり、サーバ1は、応答文に商品購入ページへのリンク51を含む商品情報を挿入して、チャット画面に出力する。
【0054】
図9は、実施の形態2に係るサーバ1が実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。入力文を端末2から取得した後(ステップS11)、サーバ1は以下の処理を実行する。
サーバ1の制御部11は、ユーザによる商品の購入履歴、商品の閲覧履歴、対話履歴、ユーザの属性、商品の属性、又は商品の販売者の属性を含む情報を取得する(ステップS201)。また、制御部11は、応答文の焦点を指示するための指示文を取得する(ステップS202)。制御部11は、入力文、商品の購入履歴等の情報及び指示文を一連のテキストとして生成サーバ3に送信し、当該テキストを生成モデル30に入力することで生成された応答文を生成サーバ3から取得する(ステップS203)。制御部11は、処理をステップS13に移行する。
【0055】
以上より、本実施の形態2によれば、入力文に加えて商品の購入履歴等の情報及び指示文を生成モデル30に入力することで、より適切な応答文を生成させることができる。
【0056】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0057】
各実施の形態に記載した事項は相互に組み合わせることが可能である。また、特許請求の範囲に記載した独立請求項及び従属請求項は、引用形式に関わらず全てのあらゆる組み合わせにおいて、相互に組み合わせることが可能である。さらに、特許請求の範囲には他の2以上のクレームを引用するクレームを記載する形式(マルチクレーム形式)を用いているが、これに限るものではない。マルチクレームを少なくとも一つ引用するマルチクレーム(マルチマルチクレーム)を記載する形式を用いて記載しても良い。
【符号の説明】
【0058】
1 サーバ(情報処理装置)
11 制御部
12 主記憶部
13 通信部
14 補助記憶部
P1 プログラム
141 商品DB
142 ユーザDB
143 加盟店DB
2 端末
21 制御部
22 主記憶部
23 通信部
24 表示部
25 入力部
26 補助記憶部
P2 プログラム
3 生成サーバ
30 生成モデル