(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157309
(43)【公開日】2024-11-07
(54)【発明の名称】教師データ生成装置、教師データ生成方法、モデル生成装置、推定装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 50/30 20180101AFI20241030BHJP
G16H 50/70 20180101ALI20241030BHJP
【FI】
G16H50/30
G16H50/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023071603
(22)【出願日】2023-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】000191009
【氏名又は名称】新東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 誉久
(72)【発明者】
【氏名】白木 正孝
(72)【発明者】
【氏名】魚返 沙紀
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 裕也
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
5L099AA22
(57)【要約】
【課題】教師データを効率的に生成する。
【解決手段】主装置(1)は、プロセッサ(11)を備えている。プロセッサ(11)は、サービス利用者(Ua)に対応付けられた匂いセンサに近設されたサブセンサの出力信号に基づいて、匂いセンサがサービス利用者に装着されているか否かを判定する装着判定処理(M11)と、匂いセンサの出力信号を取得する第1取得処理(M12)と、サービス利用者の排泄の種別であって、サービス提供者(Ub)が判定した排泄の種別を表す種別情報を取得する第2取得処理(M15)と、装着判定処理にてサービス利用者に装着されていると判定された匂いセンサから第1取得処理にて取得した出力信号を表すセンサ情報と第2取得処理にて取得した種別情報とを含む教師データを生成する教師データ生成処理(M16)と、を実行する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサを備えており、
前記プロセッサは、
サービス利用者に対応付けられた匂いセンサに近設されたサブセンサの出力信号に基づいて、前記匂いセンサが前記サービス利用者に装着されているか否かを判定する装着判定処理と、
前記匂いセンサの出力信号を取得する第1取得処理と、
前記サービス利用者の排泄の種別であって、サービス提供者が判定した排泄の種別を表す種別情報を取得する第2取得処理と、
前記装着判定処理にて前記サービス利用者に装着されていると判定された前記匂いセンサから前記第1取得処理にて取得した出力信号を表すセンサ情報と前記第2取得処理にて取得した種別情報とを含む教師データを生成する教師データ生成処理と、を実行する、
ことを特徴とする教師データ生成装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記サービス利用者の排泄が検知されたことを、前記サービス提供者が利用する通知端末に通知する通知処理を更に実行し、
前記種別情報は、前記通知端末を用いて前記サービス提供者が入力した種別情報である、
ことを特徴とする請求項1に記載の教師データ生成装置。
【請求項3】
前記センサ情報は、前記匂いセンサの出力信号のグラフを含む画像データである、
ことを特徴とする請求項1に記載の教師データ生成装置。
【請求項4】
少なくとも1つのプロセッサが、サービス利用者に対応付けられた匂いセンサに近設されたサブセンサの出力信号に基づいて、前記匂いセンサが前記サービス利用者に装着されているか否かを判定する装着判定処理と、
前記プロセッサが、前記匂いセンサの出力信号を取得する第1取得処理と、
前記プロセッサが、前記サービス利用者の排泄の種別であって、サービス提供者が判定した排泄の種別を表す種別情報を取得する第2取得処理と、
前記プロセッサが、前記装着判定処理にて前記サービス利用者に装着されていると判定された前記匂いセンサから前記第1取得処理にて取得した出力信号を表すセンサ情報と前記第2取得処理にて取得した種別情報とを含む教師データを生成する教師データ生成処理と、を含んでいる、
ことを特徴とする教師データ生成方法。
【請求項5】
少なくとも1つのプロセッサを備えており、
前記プロセッサは、
匂いセンサの出力信号を表すセンサ情報を入力とし、排泄の種別を表す種別情報を出力とするモデルを、請求項1~3の何れか一項に記載の教師データ生成装置によって生成された教師データを用いた機械学習により生成するモデル生成処理を実行する、
ことを特徴とするモデル生成装置。
【請求項6】
少なくとも1つのプロセッサを備えており、
前記プロセッサは、
サービス利用者の排泄の種別を、請求項5に記載のモデル生成装置によって生成されたモデルを用いて、当該サービス利用者に対応付けられた匂いセンサの出力信号から推定する推定処理を実行する、
ことを特徴とする推定装置。
【請求項7】
請求項1~3の何れか一項に記載の教師データ生成装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サービス利用者の排泄の種別を推定する推定装置及び推定方法に関する。また、本発明は、そのような推定に用いるモデルを機械学習により生成するモデル生成装置及びモデル生成方法に関する。また、本発明は、そのような機械学習に用いる教師データを生成する教師データ生成装置及び教師データ生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
介護サービス及び/又は医療サービスの提供を目的とする施設においては、サービス利用者の排泄をサービス提供者が適時に知得する必要がある。しかしながら、このような施設には、排泄をサービス提供者に知らせることが不可能又は困難なサービス利用者(夜間、眠っているサービス利用者を含む)も少なからず居る。このようなサービス利用者の排泄をサービス提供者が知得するには、サービス利用者の下着を脱がせて排泄の有無を確認する必要があり、このことがサービス提供者にとって大きな負担になっていた。
【0003】
このような負担を軽減するために、介護医療現場における情報処理技術の活用が求められている。介護医療現場での活用可能な情報処理技術を開示した文献としては、例えば、特許文献1が挙げられる。特許文献1には、T字帯に装着したガスセンサから出力信号に基づき、患者の健康状態をモニタする生体モニタ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
介護サービス及び/又は医療サービスの提供を目的とする施設においては、サービス利用者の排泄の有無に加えて、サービス利用者の排泄の種別をサービス提供者に通知する技術が求められている。例えば、排泄の種別が放屁である場合にはサービス提供者が措置を行う必要がないが、排泄の種別が大便である場合にはサービス提供者が措置を行う必要があるなど、排泄の種別に応じてサービス提供者はその行動を変える必要があるからである。この際、サービス利用者の排泄の種別を、機械学習により生成されたモデル(学習済モデル)により行うことが考えられる。しかしながら、機械学習、特に教師あり学習によりモデルを生成するために必要な教師データを、効率的に生成する技術は確立されていなかった。
【0006】
本発明の一態様は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、教師データを効率的に生成することが可能な技術を実現することにある。また、本発明の目的は、そのようにして生成された教師データを用いてモデルを生成する技術、及び、そのようなモデルを用いて排泄の種別を推定する技術を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る教師データ生成装置は、少なくとも1つのプロセッサを備えており、前記プロセッサは、サービス利用者に対応付けられた匂いセンサに近設されたサブセンサの出力信号に基づいて、前記匂いセンサが前記サービス利用者に装着されているか否かを判定する装着判定処理と、前記匂いセンサの出力信号を取得する第1取得処理と、前記サービス利用者の排泄の種別であって、サービス提供者が判定した排泄の種別を表す種別情報を取得する第2取得処理と、前記装着判定処理にて前記サービス利用者に装着されていると判定された前記匂いセンサから前記第1取得処理にて取得した出力信号を表すセンサ情報と前記第2取得処理にて取得した種別情報とを含む教師データを生成する教師データ生成処理と、を実行する。
【0008】
本発明の一態様に係る教師データ生成方法は、少なくとも1つのプロセッサが、サービス利用者に対応付けられた匂いセンサに近設されたサブセンサの出力信号に基づいて、前記匂いセンサが前記サービス利用者に装着されているか否かを判定する装着判定処理と、前記プロセッサが、前記匂いセンサの出力信号を取得する第1取得処理と、前記プロセッサが、前記サービス利用者の排泄の種別であって、サービス提供者が判定した排泄の種別を表す種別情報を取得する第2取得処理と、前記プロセッサが、前記装着判定処理にて前記サービス利用者に装着されていると判定された前記匂いセンサから前記第1取得処理にて取得した出力信号を表すセンサ情報と前記第2取得処理にて取得した種別情報とを含む教師データを生成する教師データ生成処理と、を含んでいる。
【0009】
本発明の一態様に係るモデル生成装置は、少なくとも1つのプロセッサを備えており、前記プロセッサは、匂いセンサの出力信号を表すセンサ情報を入力とし、排泄の種別を表す種別情報を出力とするモデルを、本発明の一態様に係る教師データ生成装置によって生成された教師データを用いた機械学習により生成するモデル生成処理を実行する。
【0010】
本発明の一態様に係る推定装置は、少なくとも1つのプロセッサを備えており、前記プロセッサは、サービス利用者の排泄の種別を、本発明の一態様に係るモデル生成装置によって生成されたモデルを用いて、当該サービス利用者に対応付けられた匂いセンサの出力信号から推定する推定処理を実行する。
【0011】
本発明の各態様に係る教師データ生成装置、モデル生成装置及び推定装置それぞれは、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記装置をコンピュータにて実現させる、装置の制御プログラム、及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様によれば、教師データを効率的に生成することができる。また、本発明の一態様によれば、そのようにして生成された教師データを用いてモデルを生成することができる。また、本発明の一態様によれば、そのようなモデルを用いて排泄の種別を推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係る通知システムの構成を示す模式図である。
【
図2】
図1に示す通知システムに含まれる主装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の一態様に係る教師データ生成方法、モデル生成方法、推定方法の概要を示す図である。
【
図4】
図1に示す通知システムの仮運用期間における動作(
図3に示す教師データ生成方法を含む)を示すフロー図である。
【
図5】仮運用期間において通知端末に表示される通知画面及び入力画面の一例を示す図である。
【
図6】
図3に示すモデル生成方法の流れを示すフロー図である。
【
図7】
図1に示す通知システムの本運用期間における動作(
図3に示す推定方法を含む)を示すフロー図である。
【
図8】本運用期間において通知端末に表示される通知画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(通知システムの構成)
本発明の一実施形態に係る通知システムSについて、
図1を参照して説明する。
図1は、通知システムSの構成を示す模式図である。
【0015】
通知システムSは、介護サービス及び/又は医療サービスの提供を目的とする施設において、サービス利用者Uaの排泄をサービス提供者Ubに通知するためのシステムである。
【0016】
通知システムSは、
図1に示すように、主装置1と、複数の通知端末2と、複数の中継端末3と、複数のセンサ装置4と、を含んでいる。主装置1と各通知端末2とは、ネットワークを介して一対多の通信を行い、主装置1と各中継端末3とは、ネットワークを介して一対多の通信を行い、中継端末3とセンサ装置4とは、ネットワークを介さずに一対一の通信(例えば近距離無線通信)を行う。
【0017】
センサ装置4は、サービス利用者Uaに装着される。一例として、センサ装置4は、サービス利用者Uaの下着(おむつやパンツなど)の内部に装着される。センサ装置4は、サービス利用者Uaに対応付けられた匂いセンサ(メインセンサ)、及び当該匂いセンサに近設されたサブセンサを有しており、その匂いセンサ及びサブセンサの出力信号を、サービス利用者UaのID(識別情報)と共に中継端末3に送信する。本実施形態において、サブセンサとして温度センサが用いられる。
【0018】
中継端末3は、センサ装置4の周辺に配置される。一例として、中継端末3は、サービス利用者Uaが利用する居室に配置される。中継端末3は、匂いセンサ及び温度センサの出力信号を、サービス利用者UaのIDと共にセンサ装置4から受信する。また、中継端末3は、センサ装置4から受信した匂いセンサ及び温度センサの出力信号を、サービス利用者UaのIDと共に主装置1に送信する。本実施形態においては、スマートフォンを中継端末3として利用する。据え置き型の無線中継器を、中継端末3として用いてもよい。
【0019】
主装置1は、上述した施設外に配置される。一例として、主装置1は、データセンターに配置されたワークステーションである。主装置1は、匂いセンサ及び温度センサの出力信号を、サービス利用者UaのIDと共に中継端末3から受信する。また、主装置1は、中継端末3から受信した匂いセンサの出力信号を参照し、サービス利用者Uaの排泄を検知する。そして、主装置1は、(1)後述する教師データ生成方法M1において、通知画面σ1a及び入力画面σ1bを表すデータを送信し、(2)後述する推定方法M3において、通知画面σ2を表すデータを送信する。なお、施設内に配置されたパーソナルコンピュータなどを、主装置1として利用してもよい。
【0020】
通知端末2は、サービス提供者Ubに携帯される。通知端末2は、(1)後述する教師データ生成方法M1において、通知画面σ1a及び入力画面σ1bを表すデータを主装置1から受信し、(2)後述する推定方法M3において、通知画面σ2を表すデータを主装置1から受信する。また、通知端末2は、タッチパネル式のディスプレイを備えており、(1)後述する教師データ生成方法M1において、主装置1から取得したデータに基づいて通知画面σ1a及び入力画面σ1bをそのディスプレイに表示し、(2)後述する推定方法M3において、主装置1から取得したデータに基づいて通知画面σ2をそのディスプレイに表示する。本実施形態においては、スマートフォンを通知端末2として利用する。なお、以下の説明においては、各種画面を表すデータを送信することを、その画面を送信するとも記載し、各種画面を表すデータを受信することを、その画面を受信するとも記載する。
【0021】
(主装置の構成)
通知システムSに含まれる主装置1の構成について、
図2を参照して説明する。
図2は、主装置1の構成を示すブロック図である。
【0022】
主装置1は、
図2に示すように、プロセッサ11と、一次メモリ12と、二次メモリ13と、通信インタフェース14と、バス15と、を備えている。プロセッサ11、一次メモリ12、二次メモリ13、及び通信インタフェース14は、バス15を介して相互に接続されている。主装置1として利用可能なデバイスとしては、例えば、クラウドサーバを構成するワークステーションを挙げることができる。
【0023】
二次メモリ13には、教師データ生成プログラムP1、モデル生成プログラムP2、及び推定プログラムP3が格納されている。プロセッサ11は、二次メモリ13に格納されている教師データ生成プログラムP1を一次メモリ12上に展開する。そして、プロセッサ11は、一次メモリ12上に展開された教師データ生成プログラムP1に含まれる命令に従って、後述する教師データ生成方法M1に含まれる各処理を実行する。教師データ生成方法M1により生成された教師データDも、二次メモリ13に格納される。また、プロセッサ11は、二次メモリ13に格納されているモデル生成プログラムP2を一次メモリ12上に展開する。そして、プロセッサ11は、一次メモリ12上に展開されたモデル生成プログラムP2に含まれる命令に従って、後述するモデル生成方法M2に含まれる各処理を実行する。モデル生成方法M2により生成されたモデルMも、二次メモリ13に格納される。また、プロセッサ11は、二次メモリ13に格納されている推定プログラムP3を一次メモリ12上に展開する。そして、プロセッサ11は、一次メモリ12上に展開された推定プログラムP3に含まれる命令に従って、後述する推定方法M3に含まれる各処理を実行する。
【0024】
プロセッサ11として利用可能なデバイスとしては、例えば、CPU(Central Processing Unit)を挙げることができる。また、一次メモリ12として利用可能なデバイスとしては、例えば、半導体RAM(Random Access Memory)を挙げることができる。また、二次メモリ13として利用可能なデバイスとしては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)を挙げることができる。
【0025】
通信インタフェース14は、ネットワークを介して通知端末2及び中継端末3と通信を行うためのインタフェースである。通信インタフェース14として利用可能なインタフェースとしては、例えば、イーサネット(登録商標)インタフェースが挙げられる。また、利用可能なネットワークとしては、PAN(Personal Area Network)、LAN(Local Area Network)、CAN(Campus Area Network)、MAN(Metropolitan Area Network)、WAN(Wide Area Network)、GAN(Global Area Network)、又は、これらのネットワークを含むインターネットワークが挙げられる。インターネットワークは、イントラネットであってもよいし、エクストラネットであってもよいし、インターネットであってもよい。
【0026】
なお、プロセッサ11に教師データ生成方法M1を実施させるための教師データ生成プログラムP1は、コンピュータ読み取り可能な一時的でない有形の記録媒体に記録され得る。この記録媒体は、二次メモリ13であってもよいし、その他の記録媒体であってもよい。例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブル論理回路などが、その他の記録媒体として利用可能である。モデル生成プログラムP2及び推定プログラムP3についても同様である。
【0027】
また、本実施形態においては、単一のプロセッサ(プロセッサ11)を用いて教師データ生成方法M1を実施する構成を採用しているが、本発明は、これに限定されない。すなわち、複数のプロセッサを用いて教師データ生成方法M1を実施する構成を採用してもよい。この場合、教師データ生成方法M1を実施する複数のプロセッサは、単一のコンピュータに設けられ、バスを介して相互に通信可能に構成されていてもよいし、複数のコンピュータに分散して設けられ、ネットワークを介して相互に通信可能に構成されていてもよい。例えば、クラウドサーバを構成する複数のコンピュータの各々が備えるプロセッサが連携して教師データ生成方法M1を実施する態様や、主装置1のプロセッサ11と通知端末2のプロセッサとが連携して教師データ生成方法M1を実施する態様なども、考えられる。モデル生成方法M2及び推定方法M3についても同様である。
【0028】
また、本実施形態においては、教師データ生成方法M1、モデル生成方法M2、及び推定方法M3を主装置1により実施する構成を採用しているが、本発明はこれに限定されない。少なくとも教師データ生成方法M1を実施する教師データ生成装置、少なくともモデル生成方法M2を実施するモデル生成装置、少なくとも推定方法M3を実施する推定装置も、それぞれ、本発明の範疇に含まれる。ここで、教師データ生成装置は、教師データ生成方法M1を実施すればよく、モデル生成方法M2及び推定方法M3ついては、実施してもよいし、実施しなくてもよい。また、モデル生成装置は、モデル生成方法M2を実施すればよく、教師データ生成方法M1及び推定方法M3ついては、実施してもよいし、実施しなくてもよい。また、推定装置は、推定方法M3を実施すればよく、教師データ生成方法M1及びモデル生成方法M2については、実施してもよいし、実施しなくてもよい。
【0029】
(教師データ生成方法、モデル生成方法、及び推定方法の概要)
教師データ生成方法M1、モデル生成方法M2、及び推定方法M3の概要について、
図3を参照して説明する。
図3は、教師データ生成方法M1、モデル生成方法M2、及び推定方法M3の概要を示す模式図である。
【0030】
教師データ生成方法M1は、サービス利用者Uaに対応付けられ、当該サービス利用者Uaに装着されていると判定された匂いセンサの出力信号を表すセンサ情報と、そのサービス利用者Uaの排泄の種別を表す種別情報とを含む教師データDを生成するための方法である。種別情報は、センサ情報に付されるラベルと見做すことができる。
【0031】
ここで、センサ情報は、例えば、匂いセンサの出力信号を表す数値データであり得る。或いは、センサ情報は、匂いセンサの出力信号を表すグラフを含む画像データであり得る。本実施形態においては、センサ情報として、匂いセンサの出力信号を表すグラフを含む画像データを用いる。また、種別情報は、排泄の種別を表す文字列(“大便”、“小便”、“放屁”など)であり得る。或いは、種別情報は、排泄の種別を表す符号(C1、C2、C3など)であり得る。本実施形態においては、種別情報として、大便、小便及び放屁のうち少なくとも1つの排泄の種別を表す符号を用いる。種別情報は、複数の種別を表してもよく、例えば大便及び小便の両方を表してもよい。
【0032】
モデル生成方法M2は、教師あり学習によって、匂いセンサの出力信号を表すセンサ情報を入力とし、排泄の種別を表す種別情報を出力とするモデルMを生成するための方法である。本実施形態においては、教師あり学習として、教師データ生成方法M1により生成された教師データDを用いた機械学習を採用する。
【0033】
ここで、モデルMは、分類問題に適用可能、且つ、教師あり学習により生成可能な任意のモデルであり得る。モデルMは、例えば、k近傍法、決定木(分類木)、ランダムフォレスト、サポートベクトルマシン、又はニューラルネットワークであり得る。本実施形態においては、モデルMとして、ニューラルネットワークを用いる。
【0034】
推定方法M3は、教師あり学習により生成されたモデルを用いて、サービス利用者Uaに対応付けられた匂いセンサの出力信号から、そのサービス利用者Uaの排泄の種別を推定するための方法である。本実施形態においては、教師あり学習により生成されたモデルとして、モデル生成方法M2により生成されたモデルMを採用する。
【0035】
主装置1は、仮運用期間と本運用期間とで異なる動作を行う。すなわち、主装置1は、仮運用期間において、サービス利用者Uaの排泄を、その種別を特定せずにサービス提供者Ubに通知する。一方、主装置1は、本運用期間において、サービス利用者Uaの排泄を、その種別を特定してサービス提供者Ubに通知する。
【0036】
本実施形態において、教師データ生成方法M1は、仮運用期間における主装置1の動作に組み込まれている。すなわち、教師データDは、仮運用期間において生成される。また、モデル生成方法M2は、仮運用期間終了後、且つ、本運用期間開始前に主装置1により実施される。すなわち、モデルMは、仮運用期間終了後、且つ、本運用期間開始前に生成される。推定方法M3は、本運用期間における主装置1の動作に組み込まれている。すなわち、モデルMは、本運用期間において利用される。
【0037】
以下、(1)仮運用期間における主装置1の動作(教師データ生成方法M1を含む)、(2)モデル生成方法M2、(3)本運用期間における主装置1の動作(推定方法M3を含む)について、それぞれ説明する。
【0038】
(仮運用期間における主装置の動作)
仮運用期間における主装置1の動作について、
図4及び
図5を参照して説明する。
図4は、仮運用期間における主装置1の動作の流れを示すフロー図である。
図5は、仮運用期間において通知端末2に表示される通知画面σ1a及び入力画面σ1bの一例を示す図である。
【0039】
仮運用期間において、主装置1は、
図4に示す装着判定処理M11、第1取得処理M12、排泄判定処理M13、通知処理M14、第2取得処理M15、及び教師データ生成処理M16を実行する。教師データ生成方法M1は、装着判定処理M11、第1取得処理M12、排泄判定処理M13、通知処理M14、第2取得処理M15、及び教師データ生成処理M16により構成される。
【0040】
装着判定処理M11は、サービス利用者Uaに対応付けられた匂いセンサが当該サービス利用者Uaに装着されているか否かを判定するための処理である。本実施形態においては、プロセッサ11が、匂いセンサに近設された温度センサの出力信号を、通信インタフェース14を用いて中継端末3から取得する。プロセッサ11は、温度センサの出力信号が表す温度が、予め規定された閾値以上である場合に「装着されている」と判定し、予め規定された閾値未満である場合に「装着されていない」と判定する。本実施形態においては、予め規定された閾値は、教師データ生成プログラムP1によって規定されており、36.0℃である。
【0041】
装着判定処理M11にて「装着されている」と判定された場合、第1取得処理M12が実行される。「装着されていない」と判定された場合、装着判定処理M11が繰り返し実行される。これにより、プロセッサ11は、サービス利用者Uaがセンサ装置4を装着していない期間の匂いセンサの出力信号を取得しないため、推定精度の高いモデルを生成するための、ノイズが低減された教師データが教師データ生成方法M1において生成される。
【0042】
第1取得処理M12は、サービス利用者Uaに対応付けられた匂いセンサの出力信号を、そのサービス利用者UaのIDと共に取得するための処理である。本実施形態においては、プロセッサ11が、サービス利用者Uaに対応付けられた匂いセンサの出力信号を、そのサービス利用者UaのIDと共に、通信インタフェース14を用いて中継端末3から取得する。
【0043】
本実施形態において、プロセッサ11は、装着判定処理M11にて匂いセンサがサービス利用者Uaに装着されていると判定されたか否かによらずに、第1取得処理M12にて当該匂いセンサの出力信号を取得する。しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば、プロセッサ11は、装着判定処理M11にてサービス利用者Uaに装着されていると判定された匂いセンサの出力信号のみを、第1取得処理M12にて、取得してもよい。
【0044】
排泄判定処理M13は、サービス利用者Uaに対応付けられた匂いセンサの出力信号に基づいて、そのサービス利用者Uaの排泄の有無を判定するための処理である。本実施形態においては、プロセッサ11が、サービス利用者Uaに対応付けられた匂いセンサの出力信号であって、第1取得処理M12にて取得した出力信号に基づいて、そのサービス利用者Uaの排泄の有無を判定する。排泄判定処理M13にて「排泄あり」と判定された場合、通知処理M14が実行される。
【0045】
通知処理M14は、サービス利用者Uaの排泄が検知されたことを、排泄の種類を特定せずにサービス提供者Ubが利用する通知端末2に通知するための処理である。本実施形態においては、プロセッサ11が、サービス利用者Uaの排泄が検知されたことを示す通知画面σ1aを、通信インタフェース14を用いて通知端末2に送信する。
【0046】
通知端末2は、サービス利用者Uaの排泄が検知されたことを示す通知画面σ1a(
図5参照)をディスプレイに表示する。サービス提供者Ubは、通知画面σ1aの確認ボタンをタップした後、サービス利用者Uaの排泄を処理する。通知端末2は、通知画面σ1aの確認ボタンがタップされると、サービス利用者Uaの排泄の種別を入力するための入力画面σ1b(
図5参照)をディスプレイに表示する。サービス提供者Ubは、サービス利用者Uaの排泄を処理した後、入力画面σ1bを用いてサービス利用者Uaの排泄の種別を入力する。本実施形態において、サービス提供者Ubは、サービス利用者Uaの下着内の排泄物が大便又は小便である場合には、それぞれ「大便」又は「小便」を選択し、下着内に排泄物が無い場合には、「便尿なし」を選択する。本実施形態においては、「便尿なし」が選択された場合、プロセッサ11は排泄の種別が放屁であったとして処理する。通知端末2は、入力画面σ1bを用いてサービス利用者Uaの排泄の種別が入力されると、入力された種別を示す種別情報を主装置1に送信する。
【0047】
第2取得処理M15は、サービス利用者Uaの排泄の種別を示す種別情報を取得するための処理である。本実施形態においては、プロセッサ11が、サービス利用者Uaの排泄の種別を示す種別情報であって、入力画面σ1bを用いてサービス提供者Ubが入力した種別情報を、通信インタフェース14を用いて通知端末2から取得する。
【0048】
教師データ生成処理M16は、サービス利用者Uaに対応付けられた匂いセンサの出力信号と、サービス利用者Uaの排泄の種別であって、サービス提供者Ubが判定した排泄の種別を表す種別情報を含む教師データを生成するための処理である。本実施形態においては、プロセッサ11が、装着判定処理M11にてサービス利用者Uaに装着されていると判定された匂いセンサから第1取得処理M12にて取得した匂いセンサの出力信号と、第2取得処理M15にて取得した種別情報とを含む教師データDを生成する。本実施形態において生成される教師データDにおいて、排泄判定処理M13において「排泄あり」と判定された時点を基準とする所定期間の間に取得された匂いセンサの出力信号と、第2取得処理M15において取得された種別情報とが対応付けられている。
【0049】
生成された教師データDは、第1取得処理M12にて取得したサービス提供者UbのIDと関連付けて二次メモリ13に格納される。
【0050】
(モデル生成方法の実施)
仮運用期間が終了すると、主装置1は、モデル生成方法M2を実施する。
図6は、モデル生成方法M2の流れを示すフロー図である。
【0051】
モデル生成方法M2は、
図6に示すように、モデル生成処理M21を含んでいる。モデル生成処理M21は、匂いセンサの出力信号を表すセンサ情報を入力とし、排泄の種別を表す種別情報を出力とするモデルMを、仮運用期間において生成された教師データDを用いた機械学習により生成するための処理である。本実施形態においては、プロセッサ11が、匂いセンサの出力信号を表すセンサ情報を入力とし、排泄の種別を表す種別情報を出力とするモデルMを、仮運用期間において生成された教師データDを用いた機械学習により生成する。
【0052】
なお、モデル生成処理M21において、プロセッサ11は、モデルMとして、適用対象となるサービス利用者Uaを特定しない汎用モデルを生成してもよいし、適用対象となるサービス利用者を特定した専用モデルを生成してもよい。前者の場合、プロセッサ11は、モデルMを、仮運用期間において生成されたすべての教師データDを用いた機械学習によって生成する。後者の場合、プロセッサ11は、各サービス利用者Uaに対応するモデルMを、仮運用期間において生成された教師データDのうち、そのサービス利用者Uaに関連付けられた教師データDを用いた機械学習によって生成する。後者の場合、各サービス利用者Uaの排泄の種類を推定する際に、そのサービス利用者Uaに対応するモデルMを用いることで、精度の高い推定結果を得ることができる。
【0053】
(本運用期間における主装置の動作)
本運用期間における主装置1の動作について、
図7及び
図8を参照して説明する。
図7は、本運用期間における主装置1の動作の流れを示すフロー図である。
図8は、仮運用期間において通知端末2に表示される通知画面σ2の一例を示す図である。
【0054】
本運用期間において、主装置1は、
図7に示す取得処理M31、判定処理M32、推定処理M33、及び通知処理M34を実行する。推定方法M3は、推定処理M33により構成される。
【0055】
取得処理M31は、サービス利用者Uaに対応付けられた匂いセンサの出力信号を、そのサービス利用者UaのIDと共に取得するための処理である。本実施形態においては、プロセッサ11が、サービス利用者Uaに対応付けられた匂いセンサの出力信号を、そのサービス利用者UaのIDと共に、通信インタフェース14を用いて中継端末3から取得する。
【0056】
判定処理M32は、サービス利用者Uaに対応付けられた匂いセンサの出力信号に基づいて、そのサービス利用者Uaの排泄の有無を判定するための処理である。本実施形態においては、プロセッサ11が、サービス利用者Uaに対応付けられた匂いセンサの出力信号であって、取得処理M31にて取得した出力信号に基づいて、そのサービス利用者Uaの排泄の有無を判定する。判定処理M32にて「排泄あり」と判定された場合、推定処理M33が実行される。
【0057】
推定処理M33は、仮運用期間終了後、且つ、本運用期間開始前に生成されたモデルMを用いて、サービス利用者Uaに対応付けられた匂いセンサの出力信号から、そのサービス利用者Uaの排泄の種類を推定するための処理である。本実施形態においては、プロセッサ11が、仮運用期間終了後、且つ、本運用期間開始前に生成されたモデルMを用いて、サービス利用者Uaに対応付けられた匂いセンサの出力信号から、そのサービス利用者Uaの排泄の種類を推定する。
【0058】
なお、推定処理M33において、プロセッサ11は、サービス利用者Uaの排泄の種類を、適用対象となるサービス利用者Uaを特定しない汎用のモデルMを用いて推定してもよいし、適用対象とするサービス利用者Uaを特定した専用のモデルMを用いて推定してもよい。後者の場合、精度の高い推定結果を得ることができる。
【0059】
通知処理M34は、サービス利用者Uaによる排泄が検知されたことを、排泄の種類を特定してサービス提供者Ubが利用する通知端末2に通知するための処理である。本実施形態においては、プロセッサ11が、サービス利用者Uaによる排泄が検知されたことを示す通知画面σ2であって、推定処理M33にて得られた推定結果を含む通知画面σ2を、通信インタフェース14を用いて通知端末2に送信する。
【0060】
通知端末2は、サービス利用者Uaによる特定の種類の排泄が検知されたことを示す通知画面σ2であって、推定処理M33にて得られた推定結果を含む通知画面σ2(
図8参照)をディスプレイに表示する。これにより、サービス提供者Ubは、サービス利用者Uaによる排泄が行われたことを、排泄の種類と共に知得することができる。
【0061】
(変形例)
本発明における本運用期間における主装置1の動作は、上述した実施形態の動作に限定されない。例えば、本運用期間において、プロセッサ11は、通知処理M34においても通知処理M14と同様に、排泄の種別を入力するための入力画面をディスプレイに表示してもよい。また、プロセッサ11は、通知処理M34の後、サービス提供者Ubが入力した排泄の種別を取得して、センサ情報及び種別情報を含む教師データの生成、及び生成された教師データを用いたモデルの再学習を行ってもよい。このような変形例において、プロセッサ11は、適用対象となるサービス利用者Uaを特定しない汎用モデルを、サービス利用者Uaを特定した教師データを用いた再学習に供してもよい。このような変形例によれば、仮運用期間を経ていない特定のサービス利用者Uaに対しても、本運用期間における推定処理M33を適用しながら、当該サービス利用者Uaに対する推定精度の高いモデルを再学習により生成することができる。
【0062】
また、本運用期間において、プロセッサ11は、匂いセンサが、当該匂いセンサに対応付けられたサービス利用者Ua以外のサービス利用者Uaに装着されているか否かを判定してもよい。このような変形例において、プロセッサ11は、推定処理M33の推定結果と、サービス提供者Ubが入力した排泄種別との一致率(正答率)が予め規定された閾値未満である場合には、匂いセンサが、当該匂いセンサに対応付けられたサービス利用者Ua以外のサービス利用者Uaに装着されていると判定してもよい。
【0063】
本発明において、サブセンサは温度センサに限定されない。サブセンサとしては、センサ装置4がサービス利用者Uaに装着されているか否かに応じて出力信号が変化する任意のセンサを用いることができる。サブセンサとしては、例えば、温度センサ、及び近接センサなどが挙げられる。近接センサとしては、例えば静電容量方式近接センサが挙げられる。
【0064】
(まとめ)
本発明の態様1に係る教師データ生成装置は、少なくとも1つのプロセッサを備えており、前記プロセッサは、サービス利用者に対応付けられた匂いセンサに近設されたサブセンサの出力信号に基づいて、前記匂いセンサが前記サービス利用者に装着されているか否かを判定する装着判定処理と、前記匂いセンサの出力信号を取得する第1取得処理と、前記サービス利用者の排泄の種別であって、サービス提供者が判定した排泄の種別を表す種別情報を取得する第2取得処理と、前記装着判定処理にて前記サービス利用者に装着されていると判定された前記匂いセンサから前記第1取得処理にて取得した出力信号を表すセンサ情報と前記第2取得処理にて取得した種別情報とを含む教師データを生成する教師データ生成処理と、を実行する。
【0065】
本発明の態様2に係る教師データ生成装置は、上記の態様1において、前記プロセッサは、前記サービス利用者の排泄が検知されたことを、前記サービス提供者が利用する通知端末に通知する通知処理を更に実行し、前記種別情報は、前記通知端末を用いて前記サービス提供者が入力した種別情報である、ことを特徴とする。
【0066】
本発明の態様3に係る教師データ生成装置は、上記の態様1又は2において、前記センサ情報は、前記匂いセンサの出力信号のグラフを含む画像データである、ことを特徴とする。
【0067】
本発明の態様4に係る教師データ生成方法は、少なくとも1つのプロセッサが、サービス利用者に対応付けられた匂いセンサに近設されたサブセンサの出力信号に基づいて、前記匂いセンサが前記サービス利用者に装着されているか否かを判定する装着判定処理と、前記プロセッサが、前記匂いセンサの出力信号を取得する第1取得処理と、前記プロセッサが、前記サービス利用者の排泄の種別であって、サービス提供者が判定した排泄の種別を表す種別情報を取得する第2取得処理と、前記プロセッサが、前記装着判定処理にて前記サービス利用者に装着されていると判定された前記匂いセンサから前記第1取得処理にて取得した出力信号を表すセンサ情報と前記第2取得処理にて取得した種別情報とを含む教師データを生成する教師データ生成処理と、を含んでいる。
【0068】
本発明の態様5に係るモデル生成装置は、少なくとも1つのプロセッサを備えており、前記プロセッサは、匂いセンサの出力信号を表すセンサ情報を入力とし、排泄の種別を表す種別情報を出力とするモデルを、上記の態様1~3の何れか一態様に係る教師データ生成装置によって生成された教師データを用いた機械学習により生成するモデル生成処理を実行する。
【0069】
本発明の態様6に係る推定装置は、少なくとも1つのプロセッサを備えており、前記プロセッサは、サービス利用者の排泄の種別を、上記の態様5に係るモデル生成装置によって生成されたモデルを用いて、当該サービス利用者に対応付けられた匂いセンサの出力信号から推定する推定処理を実行する。
【0070】
本発明の態様7に係るプログラムは、上記の態様1~3の何れか一態様に係る教師データ生成装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0071】
本発明の態様8に係るモデル生成装置は、少なくとも1つのプロセッサを備えており、前記プロセッサは、匂いセンサの出力信号を表すセンサ情報を入力とし、排泄の種別を表す種別情報を出力とするモデルを、サービス利用者に対応付けられ、前記サービス利用者に装着されていると判定された匂いセンサの出力信号を表すセンサ情報と、当該サービス利用者の排泄の種別であって、サービス提供者が判定した排泄の種別を示す種別情報とを含む教師データを用いた機械学習により生成するモデル生成処理を実行する。
【0072】
本発明の態様9に係るモデル生成装置は、上記の態様8において、前記モデル生成処理において、前記プロセッサは、匂いセンサの出力信号を表すセンサ情報を入力とし、排泄の種別を表す種別情報を出力とするモデルであって、各サービス利用者に対応付けられたモデルを、当該サービス利用者に対応付けられ、当該サービス利用者に装着されていると判定された匂いセンサの出力信号を表すセンサ情報と、当該サービス利用者の排泄の種別であって、サービス提供者が判定した排泄の種別を示す種別情報とを含む教師データを用いた機械学習により生成する、ことを特徴とする。
【0073】
本発明の態様10に係るモデル生成装置は、上記の態様8又は9において、前記センサ情報は、前記匂いセンサの出力信号のグラフを含む画像データである、ことを特徴とする。
【0074】
本発明の態様11に係るモデル生成装置は、上記の態様8~10の何れか一態様において、前記プロセッサは、サービス利用者に対応付けられた匂いセンサに近設されたサブセンサの出力信号に基づいて、前記匂いセンサが前記サービス利用者に装着されているか否かを判定する装着判定処理と、前記匂いセンサの出力信号を取得する第1取得処理と、前記サービス利用者の排泄の種別であって、サービス提供者が判定した排泄の種別を表す種別情報を取得する第2取得処理と、前記装着判定処理にて前記サービス利用者に装着されていると判定された前記匂いセンサから前記第1取得処理にて取得した出力信号を表すセンサ情報と前記第2取得処理にて取得した種別情報とを含む教師データを生成する教師データ生成処理と、を更に実行し、前記モデル生成処理において、前記プロセッサは、匂いセンサの出力信号を表すセンサ情報を入力とし、排泄の種別を表す種別情報を出力とするモデルを、前記教師データ生成処理にて生成された教師データを用いた機械学習により生成する、ことを特徴とする。
【0075】
本発明の態様12に係るモデル生成方法は、少なくとも1つのプロセッサが、匂いセンサの出力信号を表すセンサ情報を入力とし、排泄の種別を表す種別情報を出力とするモデルを、サービス利用者に対応付けられ、前記サービス利用者に装着されていると判定された匂いセンサの出力信号を表すセンサ情報と、当該サービス利用者の排泄の種別であって、サービス提供者が判定した排泄の種別を示す種別情報とを含む教師データを用いた機械学習により生成するモデル生成処理を含んでいる。
【0076】
本発明の態様13に係る推定装置は、少なくとも1つのプロセッサを備えており、前記プロセッサは、サービス利用者の排泄の種別を、匂いセンサの出力信号を表すセンサ情報を入力とし、排泄の種別を表す種別情報を出力とするモデルを用いて、当該サービス利用者に対応付けられた匂いセンサの出力信号から推定する推定処理を実行する。
【0077】
本発明の態様14に係る推定装置は、上記の態様13において、前記推定処理において、前記プロセッサは、サービス利用者の排泄の種別を、匂いセンサの出力信号を表すセンサ情報を入力とし、排泄の種別を表す種別情報を出力とするモデルであって、当該サービス利用者に対応付けられたモデルを用いて、当該サービス利用者に対応付けられた匂いセンサの出力信号から推定する、ことを特徴とする。
【0078】
本発明の態様15に係る推定装置は、上記の態様13又は14において、前記センサ情報は、前記匂いセンサの出力信号のグラフを含む画像データである、ことを特徴とする。
【0079】
本発明の態様16に係る推定装置は、上記の態様13~15の何れか一態様において、前記プロセッサは、匂いセンサの出力信号を表すセンサ情報を入力とし、排泄の種別を表す種別情報を出力とするモデルを、サービス利用者に対応付けられ、前記サービス利用者に装着されていると判定された匂いセンサの出力信号を表すセンサ情報と、当該サービス利用者の排泄の種別であって、サービス提供者が判定した排泄の種別を示す種別情報とを含む教師データを用いた機械学習により生成するモデル生成処理を更に実行し、前記推定処理において、前記プロセッサは、サービス利用者の排泄の種別を、前記モデル生成処理にて生成されたモデルを用いて、当該サービス利用者に対応付けられた匂いセンサの出力信号から推定する、ことを特徴とする。
【0080】
本発明の態様17に係る推定装置は、上記の態様16において、前記プロセッサは、サービス利用者に対応付けられた匂いセンサに近設されたサブセンサの出力信号に基づいて、前記匂いセンサが前記サービス利用者に装着されているか否かを判定する装着判定処理と、前記匂いセンサの出力信号を取得する第1取得処理と、前記サービス利用者の排泄の種別であって、サービス提供者が判定した排泄の種別を表す種別情報を取得する第2取得処理と、前記装着判定処理にて前記サービス利用者に装着されていると判定された前記匂いセンサから前記第1取得処理にて取得した出力信号を表すセンサ情報と前記第2取得処理にて取得した種別情報とを含む教師データを生成する教師データ生成処理と、を更に実行し、前記モデル生成処理において、前記プロセッサは、匂いセンサの出力信号を表すセンサ情報を入力とし、排泄の種別を表す種別情報を出力とするモデルを、前記教師データ生成処理にて生成された教師データを用いた機械学習により生成する、ことを特徴とする。
【0081】
本発明の態様18に係る推定方法は、少なくとも1つのプロセッサが、サービス利用者の排泄の種別を、匂いセンサの出力信号を表すセンサ情報を入力とし、排泄の種別を表す種別情報を出力とするモデルを用いて、当該サービス利用者に対応付けられた匂いセンサの出力信号から推定する推定処理を含んでいる。
【0082】
(付記事項)
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、上述した実施形態に開示された各技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0083】
1 主装置
2 通知端末
3 中継端末
4 センサ装置
S 通知システム
Ua サービス利用者
Ub サービス提供者
11 プロセッサ
12 一次メモリ
13 二次メモリ
14 通信インタフェース
15 バス