(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157313
(43)【公開日】2024-11-07
(54)【発明の名称】熱処理炉
(51)【国際特許分類】
F27B 9/36 20060101AFI20241030BHJP
F27B 9/22 20060101ALI20241030BHJP
F27D 3/12 20060101ALI20241030BHJP
【FI】
F27B9/36
F27B9/22
F27D3/12 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023071607
(22)【出願日】2023-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】000004064
【氏名又は名称】日本碍子株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】591076109
【氏名又は名称】エヌジーケイ・キルンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩田 晃和
(72)【発明者】
【氏名】小牧 毅史
(72)【発明者】
【氏名】山口 実
(72)【発明者】
【氏名】成宮 一哉
【テーマコード(参考)】
4K050
4K055
【Fターム(参考)】
4K050AA02
4K050AA04
4K050BA16
4K050CD06
4K050CD25
4K050CG02
4K050CG04
4K050CG29
4K055AA06
4K055HA02
4K055HA12
4K055HA18
(57)【要約】
【課題】上下方向に積み重ねられた複数の被処理物内で上下方向の加熱ムラが発生することを抑制する。
【解決手段】熱処理炉は、搬入口と、搬出口と、被処理物を熱処理する昇温空間および保持空間を有する熱処理空間と、を備える炉体と、複数の前記被処理物が上下方向に積み重ねられた状態で載置可能である搬送板と、前記炉体の前記搬入口から前記搬出口に向かって、前方向に前記搬送板を押圧するプッシャと、前記上下方向に延びており、前記熱処理空間内に前記前方向に並んで配置されている複数のヒータと、を備えている。前記複数のヒータのそれぞれは、発熱する発熱部を備えている。前記複数のヒータの前記発熱部の前記上下方向における位置は、最も前記搬入口側に位置する前記ヒータから最も前記搬出口側に位置する前記ヒータに向かって変化する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬入口と、搬出口と、被処理物を熱処理する昇温空間および保持空間を有する熱処理空間と、を備える炉体と、
複数の前記被処理物が上下方向に積み重ねられた状態で載置可能である搬送板と、
前記炉体の前記搬入口から前記搬出口に向かって、前方向に前記搬送板を押圧するプッシャと、
前記上下方向に延びており、前記熱処理空間内に前記前方向に並んで配置されている複数のヒータと、を備えており、
前記複数のヒータのそれぞれは、発熱する発熱部を備えており、
前記複数のヒータの前記発熱部の前記上下方向における位置は、最も前記搬入口側に位置する前記ヒータから最も前記搬出口側に位置する前記ヒータに向かって変化する、熱処理炉。
【請求項2】
前記前方向は、前記上下方向に直交しており、
前記搬送板は、前記上下方向と前記前方向に直交する左右方向に並んで配置された状態で、前記プッシャに押圧されることにより前記搬入口から前記搬出口まで搬送され、
前記複数のヒータは、
前記左右方向において、隣接する前記搬送板の間に配置されている複数の第1ヒータと、
前記左右方向において、前記左右方向に並んで配置される複数の前記搬送板の右端と前記炉体との間に配置されているとともに、前記前方向に並んで配置されている複数の第2ヒータと、
前記左右方向において、前記左右方向に並んで配置される複数の前記搬送板の左端と前記炉体との間に配置されているとともに、前記前方向に並んで配置されている複数の第3ヒータと、を備えており、
前記昇温空間において、前記第1ヒータの発熱量は、前記第2ヒータの発熱量と前記第3ヒータの発熱量のそれぞれよりも大きい、請求項1に記載の熱処理炉。
【請求項3】
前記第1ヒータの前記発熱量は、前記第2ヒータの前記発熱量の1.3倍以上、かつ2.7倍以下であり、
前記第2ヒータの前記発熱量は、前記第3ヒータの前記発熱量と略同一である、請求項2に記載の熱処理炉。
【請求項4】
前記前方向は、前記上下方向に直交しており、
前記炉体は、
前記ヒータが前記上下方向に挿入される天井壁と、
前記ヒータの下端を受け入れる振れ止め部と、を備えている、請求項1に記載の熱処理炉。
【請求項5】
前記炉体は、前記搬送板を前記前方向に案内するガイドレール部をさらに備えており、
前記振れ止め部は、前記ガイドレール部の上面に形成されている、請求項4に記載の熱処理炉。
【請求項6】
前記上下方向と前記前方向に直交する左右方向において、前記振れ止め部の内幅は、前記ヒータの幅の1.1倍以上、かつ2倍以下である、請求項4に記載の熱処理炉。
【請求項7】
前記ヒータを覆う保護部材をさらに備えている、請求項1に記載の熱処理炉。
【請求項8】
前記搬送板と前記被処理物との間に配置されるスペーサをさらに備えている、請求項1に記載の熱処理炉。
【請求項9】
前記前方向は、前記上下方向に直交しており、
前記炉体は、前記上下方向と前記前方向に直交する左右方向に互いに対向する左側壁と右側壁とを備えており、
前記熱処理炉は、
前記搬送板よりも下側で前記前方向に並んで配置されており、前記右側壁を貫通して前記炉体内を前記右側壁から前記左側壁に向かって延びる複数の第4ヒータと、
前記搬送板よりも下側で前記前方向に並んで配置されており、前記左側壁を貫通して前記炉体内を前記左側壁から前記右側壁に向かって延びる複数の第5ヒータと、をさらに備えており、
前記第4ヒータの先端と前記第5ヒータの先端は、前記左右方向に対向して離れており、
前記左右方向において、前記第4ヒータの前記先端と前記第5ヒータの前記先端との間には、対向領域が画定されており、
複数の前記対向領域の前記左右方向の位置は、最も前記搬入口側に位置する前記対向領域と最も前記搬出口側に位置する前記対向領域との間で変化する、請求項1に記載の熱処理炉。
【請求項10】
前記第4ヒータは、前記左右方向に延びる発熱部と非発熱部を備えており、
前記第5ヒータは、前記左右方向に延びる発熱部と非発熱部を備えており、
前記前方向に隣接する前記第4ヒータでは、前記第4ヒータの前記非発熱部の前記左右方向における位置が異なり、
前記前方向に隣接する前記第5ヒータでは、前記第5ヒータの前記非発熱部の前記左右方向における位置が異なり、
前記前方向に隣接する前記第4ヒータと前記第5ヒータでは、
前記第4ヒータの前記非発熱部は、前記第4ヒータの前記発熱部または前記第5ヒータの前記発熱部と前記前方向に対向して配置されており、
前記第5ヒータの前記非発熱部は、前記第4ヒータの前記発熱部または前記第5ヒータの前記発熱部と前記前方向に対向して配置されている、請求項9に記載の熱処理炉。
【請求項11】
前記前方向は、前記上下方向に直交しており、
前記左右方向において、前記左右方向に並んで配置される複数の前記搬送板の間に配置されており、前記搬送板を前記前方向に案内する複数のガイドレール部をさらに備えており、
前記複数のガイドレール部のそれぞれは、前記前方向に延びており、
前記複数のガイドレール部は、前記複数の第4ヒータと前記複数の第5ヒータよりも上側で前記左右方向に離れて配置されており、
前記複数の対向領域のそれぞれは、前記ガイドレール部と前記上下方向に重なり合う位置に配置されている、請求項9に記載の熱処理炉。
【請求項12】
前記前方向に隣り合う2個の前記対向領域の前記左右方向の位置は異なる、請求項11に記載の熱処理炉。
【請求項13】
前記第4ヒータの前記先端と前記第5ヒータの前記先端を下側から支持する支持体をさらに備えている、請求項9に記載の熱処理炉。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する技術は、熱処理炉に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、被処理物を熱処理する熱処理炉が開示されている。熱処理炉は、搬入口および搬出口を備える炉体と、炉体内で搬入口から搬出口に向かって前方向に並んで配置されている複数のヒータと、を備えている。複数のヒータのそれぞれは、上下方向に延びている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような熱処理炉では、複数の被処理物は、上下方向に積み重ねられた状態で複数のヒータにより熱処理される。このため、上下方向に積み重ねられた複数の被処理物で、上下方向の加熱ムラが発生することがある。
【0005】
本明細書は、上下方向に積み重ねられた複数の被処理物内で上下方向の加熱ムラが発生することを抑制することができる技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示する技術の第1の態様では、熱処理炉は、搬入口と、搬出口と、被処理物を熱処理する昇温空間および保持空間を有する熱処理空間と、を備える炉体と、複数の前記被処理物が上下方向に積み重ねられた状態で載置可能である搬送板と、前記炉体の前記搬入口から前記搬出口に向かって、前方向に前記搬送板を押圧するプッシャと、前記上下方向に延びており、前記熱処理空間内に前記前方向に並んで配置されている複数のヒータと、を備えている。前記複数のヒータのそれぞれは、発熱する発熱部を備えている。前記複数のヒータの前記発熱部の前記上下方向における位置は、最も前記搬入口側に位置する前記ヒータから最も前記搬出口側に位置する前記ヒータに向かって変化する。
【0007】
上記の構成によれば、複数のヒータの発熱部の上下方向における位置が炉体の内部で変化する。これにより、上下方向に積み重ねられた複数の被処理物の特定の被処理物が加熱され過ぎることを抑制することができる。このため、上下方向に積み重ねられた複数の被処理物で上下方向の加熱ムラが発生することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】
図1のII-II線における熱処理炉の概略断面図である。
【
図3】第1実施例の搬送板上に載置される複数の被処理物の側面図である。
【
図4】第1実施例の縦型ヒータとガイドレール部の断面図である。
【
図5】第1実施例において、熱処理空間近傍の熱処理炉の概略断面図である。
【
図6】第1実施例の複数の下部ヒータの上面図である。
【
図7】第1実施例において、下部ヒータ近傍の熱処理炉の概略断面図である。
【
図8】第2実施例において、熱処理空間近傍の熱処理炉の概略断面図である。
【
図9】第3実施例において、熱処理空間近傍の熱処理炉の概略断面図である。
【
図10】第4実施例において、熱処理空間近傍の熱処理炉の概略断面図である。
【
図11】第5実施例の複数の下部ヒータの上面図である。
【0009】
以下に説明する実施例の主要な特徴を列記しておく。なお、以下に記載する技術要素は、それぞれ独立した技術要素であって、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。
【0010】
本明細書に開示する技術の第2の態様では、上記の第1の態様において、前記前方向は、前記上下方向に直交している。前記搬送板は、前記上下方向と前記前方向に直交する左右方向に並んで配置された状態で、前記プッシャに押圧されることにより前記搬入口から前記搬出口まで搬送される。前記複数のヒータは、前記左右方向において、隣接する前記搬送板の間に配置されている複数の第1ヒータと、前記左右方向において、前記左右方向に並んで配置される複数の前記搬送板の右端と前記炉体との間に配置されているとともに、前記前方向に並んで配置されている複数の第2ヒータと、前記左右方向において、前記左右方向に並んで配置される複数の前記搬送板の左端と前記炉体との間に配置されているとともに、前記前方向に並んで配置されている複数の第3ヒータと、を備えている。前記昇温空間において、前記第1ヒータの発熱量は、前記第2ヒータの発熱量と前記第3ヒータの発熱量のそれぞれよりも大きい。上記の構成によれば、第1ヒータは、左右方向に隣接する被処理物の間に配置される。このため、第1ヒータは、第1ヒータの右側の被処理物と第1ヒータの左側の被処理物の両方を加熱する。また、第2ヒータは、最も右側に位置する被処理物のみと隣接している。このため、第2ヒータは、最も右側に位置する被処理物のみを加熱する。さらに、第3ヒータは、最も左側に位置する被処理物のみと隣接している。このため、第3ヒータは、最も左側に位置する被処理物のみを加熱する。例えば、第1ヒータの発熱量が第2ヒータの発熱量と第3ヒータの発熱量のそれぞれよりも小さいとき、第1ヒータの右側と左側の被処理物が、最も左側と最も右側に位置する被処理物よりも加熱され難い。これにより、左右方向に並ぶ複数の被処理物内で左右方向の加熱ムラが発生する。上記の構成によれば、第1ヒータの発熱量が第2ヒータの発熱量と第3ヒータの発熱量のそれぞれよりも大きいため、左右方向に並ぶ複数の被処理物内で左右方向の加熱ムラが発生することを抑制することができる。
【0011】
本明細書に開示する技術の第3の態様では、上記の第2の態様において、前記第1ヒータの前記発熱量は、前記第2ヒータの前記発熱量の1.3倍以上、かつ2.7倍以下である。前記第2ヒータの前記発熱量は、前記第3ヒータの前記発熱量と略同一である。上記の構成によれば、左右方向に並ぶ複数の被処理物内で左右方向の加熱ムラが発生することをより抑制することができる。
【0012】
本明細書に開示する技術の第4の態様では、上記の第1から第3の態様のいずれか1つにおいて、前記前方向は、前記上下方向に直交している。前記炉体は、前記ヒータが前記上下方向に挿入される天井壁と、前記ヒータの下端を受け入れる振れ止め部と、を備えている。上記の構成によれば、ヒータの下端が振れ止め部に受け入れられているため、ヒータが長期使用により左右方向に反るように変形することを抑制することができる。これにより、ヒータが被処理物と接触することを抑制することができる。
【0013】
本明細書に開示する技術の第5の態様では、上記の第4の態様において、前記炉体は、前記搬送板を前記前方向に案内するガイドレール部をさらに備えている。前記振れ止め部は、前記ガイドレール部の上面に形成されている。上記の構成によれば、ヒータと搬送板が確実に離隔されるとともに、部品の点数が増加することを抑制することができる。
【0014】
本明細書に開示する技術の第6の態様では、上記の第4または第5の態様において、前記上下方向と前記前方向に直交する左右方向において、前記振れ止め部の内幅は、前記ヒータの幅の1.1倍以上、かつ2倍以下である。振れ止め部の内幅がヒータの幅の1.1倍よりも小さい構成では、ヒータが熱膨張したとき、ヒータが振れ止め部に押し付けられることにより、ヒータが破損することがある。また、振れ止め部の内幅がヒータの幅の2倍よりも大きい構成では、ヒータが左右方向に反るように変形したとき、ヒータの下端が振れ止め部から外れてしまうことがある。上記の構成によれば、ヒータが熱膨張したときに破損することを抑制することができるとともに、ヒータが左右方向に反るように変形したとき、ヒータの下端が振れ止め部から外れることを抑制することができる。
【0015】
本明細書に開示する技術の第7の態様では、上記の第1から第6の態様のいずれか1つにおいて、熱処理炉は、前記ヒータを覆う保護部材をさらに備えている。上記の構成によれば、被処理物の熱処理により発生する物質がヒータに触れることを抑制することができる。これにより、ヒータの寿命を長くすることができる。
【0016】
本明細書に開示する技術の第8の態様では、上記の第1から第7の態様のいずれか1つにおいて、熱処理炉は、前記搬送板と前記被処理物との間に配置されるスペーサをさらに備えている。被処理物が搬送板上に直接載置される構成では、搬送板と接触する被処理物の下面が加熱され難い。上記の構成によれば、搬送板上の被処理物の下面を加熱することができる。
【0017】
本明細書に開示する技術の第9の態様では、上記の第1から第8の態様のいずれか1つにおいて、前記前方向は、前記上下方向に直交している。前記炉体は、前記上下方向と前記前方向に直交する左右方向に互いに対向する左側壁と右側壁とを備えている。前記熱処理炉は、前記搬送板よりも下側で前記前方向に並んで配置されており、前記右側壁を貫通して前記炉体内を前記右側壁から前記左側壁に向かって延びる複数の第4ヒータと、前記搬送板よりも下側で前記前方向に並んで配置されており、前記左側壁を貫通して前記炉体内を前記左側壁から前記右側壁に向かって延びる複数の第5ヒータと、をさらに備えている。前記第4ヒータの先端と前記第5ヒータの先端は、前記左右方向に対向して離れている。前記左右方向において、前記第4ヒータの前記先端と前記第5ヒータの前記先端との間には、対向領域が画定されている。複数の前記対向領域の前記左右方向の位置は、最も前記搬入口側に位置する前記対向領域と最も前記搬出口側に位置する前記対向領域との間で変化する。複数の対向領域の左右方向の位置が最も搬入口側に位置する対向領域と最も搬出口側に位置する対向領域との間で一定である構成では、対向領域の直上の空間の左右方向における位置が常に一定となる。これにより、被処理物の加熱ムラが発生し易い。上記の構成では、対向領域の直上の空間の左右方向における位置が、最も搬入口側に位置する対向領域と最も搬出口側に位置する対向領域との間で変化する。これにより、被処理物の加熱ムラが発生することを抑制することができる。
【0018】
本明細書に開示する技術の第10の態様では、上記の第9の態様において、前記第4ヒータは、前記左右方向に延びる発熱部と非発熱部を備えている。前記第5ヒータは、前記左右方向に延びる発熱部と非発熱部を備えている。前記前方向に隣接する前記第4ヒータでは、前記第4ヒータの前記非発熱部の前記左右方向における位置が異なる。前記前方向に隣接する前記第5ヒータでは、前記第5ヒータの前記非発熱部の前記左右方向における位置が異なる。前記前方向に隣接する前記第4ヒータと前記第5ヒータでは、前記第4ヒータの前記非発熱部は、前記第4ヒータの前記発熱部または前記第5ヒータの前記発熱部と前記前方向に対向して配置されており、前記第5ヒータの前記非発熱部は、前記第4ヒータの前記発熱部または前記第5ヒータの前記発熱部と前記前方向に対向して配置されている。上記の構成によれば、左右方向に並ぶ複数の被処理物内で左右方向の加熱ムラが発生することを抑制することができる。
【0019】
本明細書に開示する技術の第11の態様では、上記の第9または第10の態様において、前記前方向は、前記上下方向に直交している。前記左右方向において、前記左右方向に並んで配置される複数の前記搬送板の間に配置されており、前記搬送板を前記前方向に案内する複数のガイドレール部をさらに備えている。前記複数のガイドレール部のそれぞれは、前記前方向に延びている。前記複数のガイドレール部は、前記複数の第4ヒータと前記複数の第5ヒータよりも上側で前記左右方向に離れて配置されている。前記複数の対向領域のそれぞれは、前記ガイドレール部と前記上下方向に重なり合う位置に配置されている。上記の構成によれば、対向領域(第4ヒータの先端と第5ヒータの先端との間に画定される領域)の直上にガイドレール部が配置され、対向領域の直上には被処理物が配置されない。これにより、被処理物の加熱ムラが発生することを抑制することができる。
【0020】
本明細書に開示する技術の第12の態様では、上記の第11の態様において、前記前方向に隣り合う2個の前記対向領域の前記左右方向の位置は異なる。上記の構成によれば、被処理物の加熱ムラが発生することをより抑制することができる。
【0021】
本明細書に開示する技術の第13の態様では、上記の第9から第12の態様のいずれか1つにおいて、熱処理炉は、前記第4ヒータの前記先端と前記第5ヒータの前記先端を下側から支持する支持体をさらに備えている。上記の構成によれば、第4ヒータの先端の位置と第5ヒータの先端の位置が垂れ下がるように、第4ヒータと第5ヒータが変形することを抑制することができる。
【0022】
(第1実施例)
図1に示す第1実施例の熱処理炉10は、被処理物2を熱処理する。被処理物2は、匣鉢4と被処理物本体(図示省略)とを含む。匣鉢4は、略直方体形状の箱形状を有する。被処理物本体は、匣鉢4に収容されている。被処理物本体は、例えば、セラミックコンデンサの原料、および、リチウムイオン電池の正極材と負極材である。以下では、熱処理炉10の長手方向を前後方向と呼び、前後方向に直交する方向を左右方向と呼び、前後方向と左右方向に直交する方向を上下方向と呼ぶ。
【0023】
熱処理炉10は、炉体12と、炉床部14と、搬送板16と、複数のスペーサ18と、プッシャ20と、搬送ローラ22と、複数の縦型ヒータ24と、複数の上部ヒータ26と、複数の下部ヒータ28と、を備えている。
【0024】
炉体12は、前後方向に延びる略直方体形状の断熱構造体である。炉体12は、天井壁30と、底壁32と、炉入口壁34と、炉出口壁36と、右側壁38と、左側壁40と、を備えている。天井壁30と、底壁32と、炉入口壁34と、炉出口壁36と、右側壁38と、左側壁40は、炉体12の内部空間42を画定している。天井壁30と底壁32は、前後方向に延びている。天井壁30は、底壁32よりも上側に配置されている。炉入口壁34は、天井壁30の後端と底壁32の後端に接続されている。炉入口壁34は、炉入口壁34を前後方向に貫通する搬入口34aを有する。内部空間42は、搬入口34aを介して炉体12の外部と連通している。炉出口壁36は、天井壁30の前端と底壁32の前端に接続されている。炉出口壁36は、炉出口壁36を前後方向に貫通する搬出口36aを有する。内部空間42は、搬出口36aを介して炉体12の外部と連通している。搬出口36aは、搬入口34aと前後方向に対向している。
図2に示すように、右側壁38と左側壁40は、左右方向に離れて配置されている。右側壁38は、左側壁40と左右方向に対向している。右側壁38と左側壁40は、天井壁30と、底壁32と、炉入口壁34(
図1参照)と、炉出口壁36(
図1参照)に接続されている。
【0025】
図1に示すように、炉体12は、複数の隔壁44をさらに備えている。複数の隔壁44は、前後方向に並んでいる。複数の隔壁44は、天井壁30から下方向に延びている。複数の隔壁44は、内部空間42を複数の空間に分割している。
【0026】
内部空間42は、熱処理空間48と、冷却空間50と、を備えている。熱処理空間48は、天井壁30と、底壁32と、炉入口壁34と、右側壁38(
図2参照)と、左側壁40(
図2参照)と、冷却空間50との境界に配置される隔壁44により画定されている。熱処理空間48は、炉体12の後部に配置されている。また、熱処理空間48は、隔壁44により複数の空間52に分けられている。熱処理空間48には、複数の縦型ヒータ24と、複数の上部ヒータ26と、複数の下部ヒータ28が配置されている。複数の縦型ヒータ24と、複数の上部ヒータ26と、複数の下部ヒータ28が発熱すると、熱処理空間48が加熱される。これにより、熱処理空間48内の被処理物2が加熱される。
【0027】
冷却空間50は、炉体12の前部に配置されている。冷却空間50は、天井壁30と、底壁32と、炉出口壁36と、右側壁38と、左側壁40と、熱処理空間48との境界に配置される隔壁44により画定されている。冷却空間50は、隔壁44により複数の空間に分けられている。冷却空間50には、冷却パイプ(図示省略)が配置されている。水または空気が冷却パイプ内を通過することにより、冷却空間50が冷却される。これにより、冷却空間50内の被処理物2が冷却される。
【0028】
炉床部14は、熱処理空間48に配置されている。炉床部14は、セラミックスならなる。炉床部14は、複数の載置部54と、複数のガイドレール部56と、を備えている。
【0029】
載置部54は、略直方体形状を有する。載置部54は、前後方向に延びている。
図2に示すように、複数の載置部54は、左右方向に並んで配置されている。載置部54の上面54aは、上下方向に直交するように、即ち、左右方向と前後方向に沿う平面上に位置するように配置されている。複数の載置部54の上面54aは、同一平面上に位置している。
【0030】
ガイドレール部56は、略直方体形状を有する。ガイドレール部56は、前後方向に延びている。複数のガイドレール部56は、左右方向に離れて配置されている。ガイドレール部56の上面56aは、上下方向に直交するように、即ち、左右方向と前後方向に沿う平面上に位置するように配置されている。複数のガイドレール部56の上面56aは、同一平面上に位置している。ガイドレール部56の上面56aは、載置部54の上面54aよりもわずかに上側に配置されている。ガイドレール部56の側面は、左右方向に直交するように、即ち、前後方向と上下方向に沿う平面上に位置するように配置されている。
【0031】
搬送板16は、平板形状を有する。搬送板16は、セラミックスからなる。搬送板16は、上面16aに複数の被処理物2を載置可能である。複数の(本実施例では6個の)被処理物2が上下方向に積み重ねられている。また、複数の被処理物2は、1個の搬送板16上に左右方向に複数列に(本実施例では2列に)並んでいる。変形例では、複数の被処理物2は、1個の搬送板16の上面16aに前後方向に複数列に並んでいてもよい。
【0032】
搬送板16は、載置部54の上面54a上に配置されている。搬送板16は、載置部54により支持されている。複数の(本実施例では2個の)搬送板16が、左右方向に隣接するガイドレール部56の間に配置されている。また、ガイドレール部56は、左右方向に並んで配置される2個の搬送板16の間に配置されている。2個の搬送板16の左右方向の幅の合計は、左右方向に隣接するガイドレール部56の間隔よりも僅かに小さい。搬送板16は、プッシャ20(
図1参照)に押圧されることにより、炉体12の内部空間42を前方向に移動する。搬送板16が熱処理空間48内を移動するときに、被処理物2は熱処理される。また、搬送板16が冷却空間50内を移動するときに、被処理物2は冷却される。搬送板16は、ガイドレール部56により前方向に案内されながら、載置部54の上面54a上を摺動する。
【0033】
図3に示すように、スペーサ18は、略直方体形状を有する。複数の(本実施例では2個の)スペーサ18が、搬送板16と被処理物2との間に配置されている。スペーサ18は、セラミックスからなる。スペーサ18は、上下方向に積み重ねられている6個の被処理物2のうちの最も下側に位置する被処理物2の下面を搬送板16から離反させる。これにより、最も下側に位置する被処理物2が、他の被処理物2よりも昇温または冷却が遅れることを抑制することができる。
【0034】
図1に示すように、プッシャ20は、搬入口34aの近傍において、炉体12の外部に配置されている。プッシャ20は、搬送板16を前方向に押圧するように構成されている。本実施例では、プッシャ20は、左右方向に並ぶ6個の搬送板16を同時に前方向に押圧する。これにより、6個の搬送板16は、搬入口34aから内部空間42内に移動し、内部空間42内の複数の搬送板16は、6個の搬送板16の移動により前方向に押し出される。プッシャ20による搬送板16の押圧が繰り返されることにより、搬送板16は、搬入口34aから内部空間42に搬入され、熱処理空間48と冷却空間50を順番に通過した後、搬出口36aから炉体12の外部に搬出される。変形例では、複数のプッシャ20が、搬入口34aの近傍において、炉体12の外部に配置されていてもよい。各プッシャ20が押圧する搬送板16の個数は、1個であってもよく複数個(例えば2個)であってもよい。なお、プッシャ20の構成はよく知られているため、その詳細な構成の説明を省略する。
【0035】
複数の搬送ローラ22は、冷却空間50に配置されている。搬送ローラ22は、例えば、金属材料またはセラミックスからなる。複数の搬送ローラ22は、前後方向に間隔を空けて配置されている。搬送ローラ22の両端は、回転可能に右側壁38と左側壁40に支持されている。複数の搬送ローラ22は、プッシャ20により搬送板16が前方向に押圧されると、搬送板16との間に作用する摩擦により回転する。搬送板16は、冷却空間50内で、複数の搬送ローラ22の上を前方向に移動する。
【0036】
複数の縦型ヒータ24は、熱処理空間48に配置されている。
図1および
図2に示すように、複数の縦型ヒータ24は、複数の第1縦型ヒータ60と、複数の第2縦型ヒータ62と、複数の第3縦型ヒータ64と、を備えている。
【0037】
図1に示すように、第1縦型ヒータ60は、上下方向に延びている。複数の第1縦型ヒータ60は、前後方向に離れて配置されている。また、
図2に示すように、複数の第1縦型ヒータ60は、左右方向に離れて配置されている。本実施例では、2個の第1縦型ヒータ60が、左右方向に沿って配置されている。第1縦型ヒータ60は、左右方向に隣接する被処理物2の間に配置されている。第1縦型ヒータ60の右側と左側の両側に、被処理物2が配置されている。また、2個の第1縦型ヒータ60の間には、左右方向に並ぶ2列の被処理物2が配置されている。変形例では、2個の第1縦型ヒータ60の間には、1列の被処理物2のみが配置されていてもよい。左右方向において、第1縦型ヒータ60は、左右方向に隣接する2個の搬送板16の間に配置されている。第1縦型ヒータ60は、ガイドレール部56の上側に配置されている。第1縦型ヒータ60は、天井壁30に上下方向に挿入されている。
【0038】
図4に示すように、ガイドレール部56の上面56aには、振れ止め部68が形成されている。振れ止め部68は、上面56aから下方向に凹んでいる。振れ止め部68は、上面56aを前後方向に延びている。第1縦型ヒータ60の下端は、振れ止め部68に受け入れられる。左右方向において、第1縦型ヒータ60の幅W1は、振れ止め部68の内幅W2よりも小さい。内幅W2は、例えば、幅W1の1.1倍以上、好ましくは幅W1の1.2倍以上、より好ましくは1.3倍以上である。また、W1は、例えば、内幅W2の2.0倍以下、好ましくは1.9倍以下、より好ましくは1.8倍以下である。これらの構成により、第1縦型ヒータ60が熱膨張したときに、第1縦型ヒータ60が振れ止め部68内でガイドレール部56に押し付けられることを抑制することができるとともに、第1縦型ヒータ60が左右方向に反るように変形したときに振れ止め部68から外れることを抑制することができる。内幅W2は、例えば、幅W1の1.1倍以上かつ2.0倍以下であり、好ましくは幅W1の1.2倍以上かつ1.9倍以下であり、より好ましくは幅W1の1.3倍以上かつ1.8倍以下である。
【0039】
熱処理炉10は、保護部材70をさらに備えており、第1縦型ヒータ60の外面は、保護部材70により覆われている。保護部材70は、第1縦型ヒータ60の外面にコーティングされている。保護部材70は、例えば、アルミナまたはムライトからなる。保護部材70は、熱処理により被処理物2から発生する物質が第1縦型ヒータ60に触れることを抑制する。これにより、第1縦型ヒータ60が劣化することを抑制することができるため、第1縦型ヒータ60の寿命を長くすることができる。左右方向において、保護部材70の幅は、第1縦型ヒータ60の幅W1と略同一である。なお、
図4では、保護部材70の厚みが誇張して図示されている。変形例では、保護部材70は、第1縦型ヒータ60の外面から離れた状態で第1縦型ヒータ60の外面を覆う保護管であってもよい。この構成では、保護部材70の幅が幅W1と略同一であり、第1縦型ヒータ60の幅が幅W1よりも小さい。
【0040】
図5に示すように、第1縦型ヒータ60は、第1発熱部60aと、第1非発熱部60bと、を備えている。
図5では、第1発熱部60aがドットハッチで図示されており、第1非発熱部60bが白色で図示されている。第1縦型ヒータ60に電力が供給されるとき、第1発熱部60aが発熱する。第1非発熱部60bの単位長さ当たりの抵抗値は、第1発熱部60aの単位長さ当たりの抵抗値よりもはるかに小さく、ゼロよりも僅かに大きい。このため、第1非発熱部60bの単位長さ当たりの発熱量は、第1発熱部60aの単位長さ当たりの発熱量よりもはるかに小さい。よって、第1縦型ヒータ60は、第1発熱部60aで発熱するように構成されている。
【0041】
第1発熱部60aと第1非発熱部60bは、上下方向に延びている。第1縦型ヒータ60において、第1発熱部60aは、第1縦型ヒータ60の下端から所定位置まで上方向に延びており、第1非発熱部60bは、第1縦型ヒータ60の所定位置から上端まで上方向に延びている。第1非発熱部60bは、第1発熱部60aの上側に配置されている。
【0042】
第1発熱部60aの上下方向の長さは、最も搬入口34a側に位置する第1縦型ヒータ60から最も搬出口36aに位置する第1縦型ヒータ60に向かって長くなる。このため、第1発熱部60aの上端の位置(第1発熱部60aの上下方向における中心位置)は、最も搬入口34a側に位置する第1縦型ヒータ60から最も搬出口36aに位置する第1縦型ヒータ60に向かって高くなる。また、同一の空間52に配置される複数の第1縦型ヒータ60では、第1発熱部60aの上下方向の長さは略同一である。熱処理空間48の温度は、搬入口34aから前方向に向かうにつれて増加し、その後一定となる。以下では、熱処理空間48の内、熱処理空間48の温度が増加する空間を昇温空間72と呼び、熱処理空間48の温度が一定である空間を保持空間74と呼ぶ。本実施例では、前後方向において、9個の第1縦型ヒータ60が昇温空間72に配置されており、他の第1縦型ヒータ60が保持空間74に配置されている。
【0043】
図2に示すように、第2縦型ヒータ62は、上下方向に延びている。複数の第2縦型ヒータ62は、前後方向に離れて配置されている。複数の第2縦型ヒータ62の個数は、前後方向に並ぶ複数の第1縦型ヒータ60の個数と同一である。左右方向において、第2縦型ヒータ62は、右側壁38と、右側壁38に隣接する搬送板16の右端と、の間に配置されている。第2縦型ヒータ62の左側にのみ、被処理物2が配置されている。また、第2縦型ヒータ62は、2個の第1縦型ヒータ60と左右方向に一列に並んでいる。第2縦型ヒータ62と第1縦型ヒータ60との間には、左右方向に並ぶ2列の被処理物2が配置されている。変形例では、第2縦型ヒータ62と第1縦型ヒータ60との間には、1列の被処理物2のみが配置されていてもよい。第2縦型ヒータ62は、ガイドレール部56の上側に配置されている。第2縦型ヒータ62は、天井壁30に上下方向に挿入されている。
【0044】
図4に示すように、第2縦型ヒータ62の下端は、振れ止め部68に受け入れられる。第2縦型ヒータ62の左右方向の幅W3は、第1縦型ヒータ60の左右方向の幅W1と略同一である。また、第2縦型ヒータ62の外面は、保護部材70により覆われている。
【0045】
図5に示すように、第2縦型ヒータ62は、第2発熱部62aと、第2非発熱部62bと、を備えている。第2縦型ヒータ62に電力が供給されるとき、第2発熱部62aが発熱する。第2非発熱部62bの単位長さ当たりの抵抗値は、第2発熱部62aの単位長さ当たりの抵抗値よりもはるかに小さく、ゼロよりも僅かに大きい。このため、第2非発熱部62bの単位長さ当たりの発熱量は、第2発熱部62aの単位長さ当たりの発熱量よりもはるかに小さい。よって、第2縦型ヒータ62は、第2発熱部62aで発熱するように構成されている。
【0046】
左右方向に並ぶ第1縦型ヒータ60と第2縦型ヒータ62では、第2発熱部62aの上下方向の長さは、第1発熱部60aの上下方向の長さと略同一であり、第2発熱部62aの下端と上端の位置のそれぞれは、第1発熱部60aの下端と上端の位置のそれぞれと略同一である。また、第1発熱部60aの単位長さ当たりの抵抗値は、第2発熱部62aの単位長さ当たりの抵抗値よりも大きい。このため、第1発熱部60aの単位長さ当たりの発熱量は、第2発熱部62aの単位長さ当たりの発熱量よりも大きい。第1発熱部60aの上下方向の長さが第2発熱部62aの上下方向の長さと略同一であることから、第1縦型ヒータ60の発熱量は、第2縦型ヒータ62の発熱量よりも大きい。例えば、第1縦型ヒータ60の発熱量は、第2縦型ヒータ62の発熱量の1.3倍以上であり、好ましくは1.5倍以上であり、より好ましくは1.7倍以上である。また、例えば、第1縦型ヒータ60の発熱量は、第2縦型ヒータ62の発熱量の2.7倍以下であり、好ましくは2.5倍以下であり、より好ましくは2.1倍以下である。これらの構成により、左右方向に並ぶ複数の被処理物2内で左右方向の加熱ムラが発生することを抑制することができる。第1縦型ヒータ60の発熱量は、例えば、第2縦型ヒータ62の1.3倍以上かつ2.7倍以下であり、好ましくは1.5倍以上かつ2.5倍以下であり、より好ましくは1.7倍以上かつ2.1倍以下である。
【0047】
図2に示すように、第3縦型ヒータ64は、上下方向に延びている。複数の第3縦型ヒータ64は、前後方向に離れて配置されている。複数の第3縦型ヒータ64の個数は、複数の第2縦型ヒータ62の個数と同一である。左右方向において、第3縦型ヒータ64は、左側壁40と、左側壁40に隣接する搬送板16の左端との間に配置されている。また、第3縦型ヒータ64は、2個の第1縦型ヒータ60と左右方向に一列に並んでいる。2個の第1縦型ヒータ60と、第2縦型ヒータ62と、第3縦型ヒータ64は、左右方向に一列に並んでいる。第3縦型ヒータ64と第1縦型ヒータ60との間には、左右方向に並ぶ2列の被処理物2が配置されている。変形例では、第3縦型ヒータ64と第1縦型ヒータ60との間には、1列の被処理物2のみが配置されていてもよい。第3縦型ヒータ64は、ガイドレール部56の上側に配置されている。第3縦型ヒータ64は、炉体12の天井壁30に上下方向に挿入されている。
【0048】
図4に示すように、第3縦型ヒータ64の下端は、振れ止め部68に受け入れられる。第3縦型ヒータ64の左右方向の幅W4は、第1縦型ヒータ60の左右方向の幅W1と略同一である。また、第3縦型ヒータ64の外面は、保護部材70により覆われている。
【0049】
図5に示すように、第3縦型ヒータ64は、第3発熱部64aと、第3非発熱部64bと、を備えている。第3縦型ヒータ64に電力が供給されるとき、第3発熱部64aが発熱する。第3非発熱部64bの単位長さ当たりの抵抗値は、第3発熱部64aの単位長さ当たりの抵抗値よりもはるかに小さく、ゼロよりも僅かに大きい。このため、第3非発熱部64bの単位長さ当たりの発熱量は、第3発熱部64aの単位長さ当たりの発熱量よりもはるかに小さい。よって、第3縦型ヒータ64は、第3発熱部64aで発熱するように構成されている。
【0050】
左右方向に並ぶ第1縦型ヒータ60と第3縦型ヒータ64では、第3発熱部64aの上下方向の長さは、第1発熱部60aの上下方向の長さと略同一であり、第3発熱部64aの下端と上端の位置のそれぞれは、第1発熱部60aの下端と上端の位置のそれぞれと略同一である。また、第3発熱部64aの単位長さ当たりの抵抗値は、第2発熱部62aの単位長さ当たりの抵抗値と略同一である。このため、第3発熱部64aの単位長さ当たりの発熱量は、第2発熱部62aの単位長さ当たりの発熱量と略同一である。第3発熱部64aの上下方向の長さが第2発熱部62aの上下方向の長さと略同一であることから、第3縦型ヒータ64の発熱量は、第2縦型ヒータ62の発熱量と略同一である。また、第1発熱部60aの単位長さ当たりの発熱量は、第3発熱部64aの単位長さ当たりの発熱量よりも大きい。第1発熱部60aの上下方向の長さが第3発熱部64aの上下方向の長さと略同一であることから、第1縦型ヒータ60の発熱量は、第3縦型ヒータ64の発熱量よりも大きい。例えば、第1縦型ヒータ60の発熱量は、第3縦型ヒータ64の発熱量の1.3倍以上であり、好ましくは1.5倍以上であり、より好ましくは1.7倍以上である。また、例えば、第1縦型ヒータ60の発熱量は、第3縦型ヒータ64の発熱量の2.7倍以下であり、好ましくは2.5倍以下であり、より好ましくは2.1倍以下である。これらの構成により、左右方向に並ぶ複数の被処理物2内で左右方向の加熱ムラが発生することを抑制することができる。第1縦型ヒータ60の発熱量は、例えば、第3縦型ヒータ64の1.3倍以上かつ2.7倍以下であり、好ましくは1.5倍以上かつ2.5倍以下であり、より好ましくは1.7倍以上かつ2.1倍以下である。
【0051】
図2に示すように、複数の上部ヒータ26は、熱処理空間48に配置されている。上部ヒータ26は、左右方向に延びている。上部ヒータ26は、天井壁30に左右方向に挿入されている。
図5に示すように、複数の上部ヒータ26は、前後方向に間隔を空けて配置されている。上部ヒータ26は、上下方向に積み重ねられた複数の被処理物2のうちの最も上側に位置する被処理物2よりも上側に配置されている。上部ヒータ26は、発熱することにより、被処理物2を上側から熱処理する。
【0052】
図2に示すように、複数の下部ヒータ28は、熱処理空間48に配置されている。複数の下部ヒータ28は、搬送板16とガイドレール部56よりも下側に配置されている。
図6に示すように、複数の下部ヒータ28は、前後方向に間隔を空けて配置されている。下部ヒータ28は、左右方向に延びている。複数の下部ヒータ28は、複数の第1下部ヒータ78と、複数の第2下部ヒータ80と、を備えている。
【0053】
第1下部ヒータ78は、略U字形状を有する。複数の第1下部ヒータ78は、前後方向に並んで配置されている。第1下部ヒータ78は、右側壁38に左右方向に挿入されている。第1下部ヒータ78は、熱処理空間48内を右側壁38から左側壁40に向かって左方向に延びている。第1下部ヒータ78は、1個以上の第1下部発熱部78aと、1個以上の第1下部非発熱部78bと、を備えている。なお、
図6では、第1下部発熱部78aがドットハッチで図示されており、第1下部非発熱部78bが白色で図示されている。本実施例では、1個の第1下部ヒータ78での第1下部発熱部78aの個数と第1下部非発熱部78bの個数の合計は、5個または7個である。
【0054】
第1下部ヒータ78に電力が供給されるとき、第1下部発熱部78aが発熱する。また、第1下部非発熱部78bbの単位長さ当たりの抵抗値は、第1下部発熱部78aの単位長さ当たりの抵抗値よりもはるかに小さく、ゼロよりも僅かに大きい。このため、第1下部非発熱部78bの単位長さ当たりの発熱量は、第1下部発熱部78aの単位長さ当たりの発熱量よりもはるかに小さい。よって、第1下部ヒータ78は、第1下部発熱部78aで発熱するように構成されている。
【0055】
1個の第1下部ヒータ78では、第1下部発熱部78aと第1下部非発熱部78bは、第1下部ヒータ78の長手方向に交互に並んでいる。前後方向に隣接する第1下部ヒータ78では、第1下部発熱部78aと第1下部非発熱部78bは、前後方向に対向して配置されている。前後方向に隣接する2個の第1下部ヒータ78では、第1下部発熱部78aの左右方向の位置が異なり、第1下部非発熱部78bの左右方向の位置が異なる。
【0056】
第2下部ヒータ80は、略U字形状を有する。複数の第2下部ヒータ80は、前後方向に並んで配置されている。第2下部ヒータ80は、左側壁40に左右方向に挿入されている。第2下部ヒータ80は、熱処理空間48内を左側壁40から右側壁38に向かって右方向に延びている。第2下部ヒータ80は、第1下部ヒータ78と左右方向に並んで配置されている。第2下部ヒータ80の右端(自由端)は、第1下部ヒータ78の左端(自由端)と左右方向に対向して離れている。これにより、第2下部ヒータ80の右端と第1下部ヒータ78の左端との間には、対向領域84が画定されている。対向領域84の左右方向の幅は、全ての対向領域84で略同一である。前後方向に隣り合う2個の対向領域84の左右方向に位置は、異なる。
【0057】
第2下部ヒータ80は、1個以上の第2下部発熱部80aと、1個以上の第2下部非発熱部80bと、を備えている。本実施例では、1個の第2下部ヒータ80での第2下部発熱部80aの個数と第2下部非発熱部80bの個数の合計は、5個または7個である。第2下部発熱部80aの個数と第2下部非発熱部80bの個数の合計が5個である第2下部ヒータ80は、第1下部発熱部78aの個数と第1下部非発熱部78bの個数の合計が7個である第1下部ヒータ78と左右方向に並んでいる。また、第2下部発熱部80aの個数と第2下部非発熱部80bの個数の合計が7個である第2下部ヒータ80は、第1下部発熱部78aの個数と第1下部非発熱部78bの個数の合計が5個である第1下部ヒータ78と左右方向に並んでいる。
【0058】
第2下部ヒータ80に電力が供給されるとき、第2下部発熱部80aが発熱する。第2下部非発熱部80bの単位長さ当たりの抵抗値は、第2下部発熱部80aの単位長さ当たりの抵抗値よりもはるかに小さく、ゼロよりも僅かに大きい。このため、第2下部非発熱部80bの単位長さ当たりの発熱量は、第2下部発熱部80aの単位長さ当たりの発熱量よりもはるかに小さい。よって、第2下部ヒータ80は、第2下部発熱部80aで発熱するように構成されている。また、第2下部発熱部80aの単位長さ当たりの抵抗値は、第1下部発熱部78aの単位長さ当たりの抵抗値と略同一である。このため、第2下部発熱部80aの単位長さ当たりの発熱量は、第1下部発熱部78aの単位長さ当たりの発熱量と略同一である。
【0059】
1個の第2下部ヒータ80では、第2下部発熱部80aと第2下部非発熱部80bは、第2下部ヒータ80の長手方向に交互に並んでいる。前後方向に隣接する第2下部ヒータ80では、第2下部発熱部80aと第2下部非発熱部80bは、前後方向に対向して配置されている。前後方向に隣接する2個の第2下部ヒータ80では、第2下部発熱部80aの左右方向の位置が異なり、第2下部非発熱部80bの左右方向の位置が異なる。
【0060】
複数の対向領域84の左右方向の位置は、最も搬入口34a側の対向領域84と最も搬出口36a側の対向領域との間で変化する。搬入口34aから前方向に奇数番目に位置する対向領域84の左右方向の位置は、第1位置にあり、搬入口34aから前方向に偶数番目に位置する対向領域84の左右方向の位置は、第1位置とは異なる第2位置にある。即ち、左右方向の位置が第1位置にある対向領域84と左右方向の位置が第2位置にある対向領域84は、最も搬入口34a側の対向領域84から最も搬出口36a側の対向領域84に向かって前方向に交互に並んでいる。
【0061】
前後方向に隣接する2個の下部ヒータ28(即ち第1下部ヒータ78と第2下部ヒータ80)では、第1下部ヒータ78の第1下部発熱部78aの全体は、他の第1下部ヒータ78の第1下部非発熱部78b、第2下部ヒータ80の第2下部非発熱部80b、または対向領域84と前後方向に対向して配置されている。また、第2下部ヒータ80の第2下部発熱部80aの全体は、他の第2下部ヒータ80の第2下部非発熱部80b、第1下部ヒータ78の第1下部非発熱部78b、または対向領域84と前後方向に対向して配置されている。このため、前後方向に隣接する2個の下部ヒータ28では、第1下部発熱部78aは、第2下部発熱部80aと前後方向に対向して配置されていない。これにより、最も搬入口34a側の下部ヒータ28と最も搬出口36a側の下部ヒータ28との間で、下部ヒータ28による左右方向の加熱ムラが発生することを抑制することができる。
【0062】
前後方向に隣接する2個の下部ヒータ28では、第1下部ヒータ78の第1下部非発熱部78bの全体は、他の第1下部ヒータ78の第1下部発熱部78aまたは第2下部ヒータ80の第2下部発熱部80aと前後方向に対向して配置されている。また、第2下部ヒータ80の第2下部非発熱部80bの全体は、他の第2下部ヒータ80の第2下部発熱部80aまたは第1下部ヒータ78の第1下部発熱部78aと前後方向に対向して配置されている。さらに、対向領域84の全体は、第1下部発熱部78aまたは第2下部発熱部80aと前後方向に対向して配置されている。このため、前後方向に隣接する2個の下部ヒータ28では、第1下部非発熱部78bは、第2下部非発熱部80bと対向領域84のそれぞれと前後方向に対向して配置されておらず、第2下部非発熱部80bは、対向領域84と前後方向に対向して配置されていない。これにより、最も搬入口34a側の下部ヒータ28と最も搬出口36a側の下部ヒータ28との間で、下部ヒータ28による左右方向の加熱ムラが発生することを抑制することができる。
【0063】
図7に示すように、熱処理炉10は、支持体86をさらに備えている。支持体86は、熱処理空間48に配置されている。支持体86は、底壁32に支持されている。支持体86は、第1下部ヒータ78と、第2下部ヒータ80と、対向領域84よりも下側に配置されている。支持体86は、第1下部ヒータ78の左端と第2下部ヒータ80の右端に下側から当接している。支持体86は、第1下部ヒータ78の左端と第2下部ヒータ80の右端を下側から支持している。これにより、第1下部ヒータ78の左端の位置と第2下部ヒータ80の右端の位置が垂れ下がるように、第1下部ヒータ78と第2下部ヒータ80が変形することを抑制することができる。
【0064】
上記の実施例では、第1縦型ヒータ60の第1発熱部60aの上下方向の位置は、最も搬入口34a側に位置する第1縦型ヒータ60から最も搬出口36a側に位置する第1縦型ヒータ60に向かって変化している。上記の構成によれば、複数の第1縦型ヒータ60の第1発熱部60aの上下方向における位置が炉体12の内部で変化する。これにより、上下方向に積み重ねられた複数の被処理物2の特定の被処理物2が加熱され過ぎることを抑制することができる。このため、上下方向に積み重ねられた複数の被処理物2で上下方向の加熱ムラが発生することを抑制することができる。
【0065】
(対応関係)
第1縦型ヒータ60が「第1ヒータ」の一例である。第2縦型ヒータ62が「第2ヒータ」の一例である。第3縦型ヒータ64が「第3ヒータ」の一例である。第1下部ヒータ78が「第4ヒータ」の一例である。第2下部ヒータ80が「第5ヒータ」の一例である。第1下部ヒータ78の左端が「第4ヒータの先端」の一例である。第2下部ヒータ80の右端が「第5ヒータの先端」の一例である。
【0066】
(第2実施例)
第2実施例では、第1実施例と異なる点のみを説明する。
図8に示すように、同一の空間52に配置される複数の第1縦型ヒータ60では、第1発熱部60aの上下方向の長さは、搬入口34aから前方向に向かうにつれて増加する。同一の空間52に配置される複数の第2縦型ヒータ62では、第2発熱部62aの上下方向の長さは、搬入口34aから前方向に向かうにつれて増加する。同一の空間52に配置される複数の第3縦型ヒータ64では、第3発熱部64aの上下方向の長さは、搬入口34aから前方向に向かうにつれて増加する。
【0067】
(第3実施例)
第3実施例では、第1実施例と異なる点のみを説明する。
図9に示すように、複数の第1縦型ヒータ60では、全ての第1発熱部60aの上下方向の長さが略同一である。前方向に並ぶ複数の隔壁44により分けられた同一の空間52に配置される複数の第1縦型ヒータ60では、第1縦型ヒータ60内における第1発熱部60aの上下方向の位置は、略同一である。複数の空間52において、第1縦型ヒータ60内における第1発熱部60aの上下方向の位置は、最も搬入口34a側の空間52から最も搬出口36a側の空間52に向かうにつれて、上側に移動する。
【0068】
第2縦型ヒータ62内における第2発熱部62aの上下方向の構成は、第1縦型ヒータ60内における第1発熱部60aの上下方向の構成と略同一である。また、第3縦型ヒータ64内における第3発熱部64aの上下方向の構成は、第1縦型ヒータ60内における第1発熱部60aの上下方向の構成と略同一である。このため、第2発熱部62aと第3発熱部64aについての詳細な説明を省略する。
【0069】
(第4実施例)
第4実施例では、第3実施例と異なる点のみを説明する。
図10に示すように、複数の空間52において、第1縦型ヒータ60内における第1発熱部60aの上下方向の位置は、最も搬入口34a側の空間52から最も搬出口36a側の空間52に向かうにつれて、下側に移動する。また、複数の空間52において、第2縦型ヒータ62内における第2発熱部62aの上下方向の位置は、最も搬入口34a側の空間52から最も搬出口36a側の空間52に向かうにつれて、下側に移動する。さらに、複数の空間52において、第3縦型ヒータ64内における第3発熱部64aの上下方向の位置は、最も搬入口34a側の空間52から最も搬出口36a側の空間52に向かうにつれて、下側に移動する。
【0070】
(第5実施例)
第5実施例では、第1実施例と異なる点のみを説明する。
図11に示すように、対向領域84は、ガイドレール部56の直下に配置されている。このため、対向領域84は、ガイドレール部56と上下方向に重なり合っている。搬入口34aから前方向に奇数番目に位置する対向領域84は、あるガイドレール部56と上下方向に重なり合っており、搬入口34aから前方向に偶数番目に位置する対向領域84は、別のガイドレール部56と上下方向に重なり合っている。前後方向に隣り合う2個の対向領域84では、一方の対向領域84と上下方向に重なり合うガイドレール部56は、他方の対向領域84と上下方向に重なり合うガイドレール部56と異なる。
【0071】
(第6実施例)
第6実施例では、第1実施例と異なる点のみを説明する。
図12に示すように、第1下部ヒータ78と第2下部ヒータ80は、スパイラル形状を有する。第1下部ヒータ78の第1下部発熱部78aは、螺旋状に延びている。第1下部発熱部78aは、左右方向に延びている。第1下部ヒータ78に電力が供給されるとき、第1下部発熱部78aが発熱する。第1下部ヒータ78の第1下部非発熱部78bは、左右方向に真っ直ぐに延びている。第2下部ヒータ80の構成は、第1下部ヒータ78の構成と略同一であるため、第2下部ヒータ80の詳細な説明を省略する。
【0072】
(変形例)
一実施形態では、下部ヒータ28は、右側壁38から左側壁40まで延びる1本のヒータであってもよい。このとき、下部ヒータ28は、右側壁38と左側壁40の両方に挿入されている。
【0073】
第5実施例では、第1下部ヒータ78は、第1下部発熱部78aのみを備えていてもよく、第2下部ヒータ80は、第2下部発熱部80aのみを備えていてもよい。
【0074】
以上、本明細書に開示の技術の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0075】
2 :被処理物
10 :熱処理炉
12 :炉体
14 :炉床部
16 :搬送板
18 :スペーサ
20 :プッシャ
24 :縦型ヒータ
28 :下部ヒータ
30 :天井壁
34a :搬入口
36a :搬出口
38 :右側壁
40 :左側壁
42 :内部空間
48 :熱処理空間
52 :空間
56 :ガイドレール部
56a :上面
60 :第1縦型ヒータ
60a :第1発熱部
60b :第1非発熱部
62 :第2縦型ヒータ
62a :第2発熱部
62b :第2非発熱部
64 :第3縦型ヒータ
64a :第3発熱部
64b :第3非発熱部
68 :振れ止め部
70 :保護部材
72 :昇温空間
74 :保持空間
78 :第1下部ヒータ
78a :第1下部発熱部
78b :第1下部非発熱部
80 :第2下部ヒータ
80a :第2下部発熱部
80b :第2下部非発熱部
84 :対向領域
86 :支持体
W1、W3、W4:幅
W2 :内幅