(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157338
(43)【公開日】2024-11-07
(54)【発明の名称】エンジン制御方法、エンジン制御装置、及びエンジン制御プログラム
(51)【国際特許分類】
F02D 45/00 20060101AFI20241030BHJP
F02P 5/15 20060101ALI20241030BHJP
【FI】
F02D45/00 368Z
F02D45/00 ZHV
F02P5/15 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023071640
(22)【出願日】2023-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】原 悠輔
(72)【発明者】
【氏名】多比良 慎也
【テーマコード(参考)】
3G022
3G384
【Fターム(参考)】
3G022AA03
3G022FA03
3G384AA28
3G384BA13
3G384BA24
3G384CA03
3G384DA56
3G384EB01
3G384EB03
3G384EB04
3G384EE16
3G384EE17
3G384FA27Z
3G384FA32Z
3G384FA36Z
3G384FA46Z
3G384FA58Z
(57)【要約】
【課題】触媒暖機運転中にタッピングノイズが発生することをエンジンの制御によって防止することができるエンジン制御方法を提供すること。
【解決手段】エンジン制御方法は、複数の気筒を有するエンジンにおいて、前記気筒の点火時期を最適点火時期から遅角させて燃焼を緩慢にすることにより、前記エンジンからの排気ガスを浄化する触媒を早期に暖機して活性化する触媒暖機運転中に、それぞれの前記気筒において燃焼悪化又は失火が生じたか否かを判定し、燃焼悪化又は失火が生じたと判定された失火気筒の燃焼を増大させる制御を行うことを含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の気筒を有するエンジンにおいて、前記気筒の点火時期を最適点火時期から遅角させて燃焼を緩慢にすることにより、前記エンジンからの排気ガスを浄化する触媒を早期に暖機して活性化する触媒暖機運転中に、それぞれの前記気筒において燃焼悪化又は失火が生じたか否かを判定し、
燃焼悪化又は失火が生じたと判定された失火気筒の燃焼を増大させる制御を行う
ことを含むエンジン制御方法。
【請求項2】
前記失火気筒の点火時期を進角することにより、前記失火気筒の燃焼を増大させる請求項1に記載のエンジン制御方法。
【請求項3】
前記失火気筒内に噴射する燃料の噴射量を増大させることにより、前記失火気筒の燃焼を増大させる請求項1に記載のエンジン制御方法。
【請求項4】
前記エンジンのクランク角度が所定の角度回転するまでに要する時間を用いて、それぞれの前記気筒において燃焼悪化又は失火が生じたか否かを判定する請求項1に記載のエンジン制御方法。
【請求項5】
複数の気筒を有するエンジンにおいて、前記気筒の点火時期を最適点火時期から遅角させて燃焼を緩慢にすることにより、前記エンジンからの排気ガスを浄化する触媒を早期に暖機して活性化する触媒暖機運転中に、それぞれの前記気筒において燃焼悪化又は失火が生じたか否かを判定し、
燃焼悪化又は失火が生じたと判定された失火気筒の燃焼を増大させる制御を行うように構成されるプロセッサを備えるエンジン制御装置。
【請求項6】
プロセッサに、
複数の気筒を有するエンジンにおいて、前記気筒の点火時期を最適点火時期から遅角させて燃焼を緩慢にすることにより、前記エンジンからの排気ガスを浄化する触媒を早期に暖機して活性化する触媒暖機運転中に、それぞれの前記気筒において燃焼悪化又は失火が生じたか否かを判定し、
燃焼悪化又は失火が生じたと判定された失火気筒の燃焼を増大させる制御を行う
ことを実行させるエンジン制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジン制御方法、エンジン制御装置、及びエンジン制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド自動車のエンジン制御において、エンジンの点火時期を最適点火時期から遅角させて燃焼を緩慢にすることにより、エンジンからの排気ガスを浄化する触媒を早期に暖機して活性化する触媒暖機運転を実行する場合がある。
【0003】
図4は、従来のエンジン制御方法を示すタイミングチャートである。
図4の例では、時間T11において、エンジンの点火時期を最適点火時期として燃焼を開始し、その後、点火時期を破線に示す最適点火時期から遅角させて時間T12まで触媒暖機運転を実行する。すると、排気ガス温度が破線から実線へと上昇し、触媒を早期に暖機して活性化することができる。ハイブリッド自動車では、モータによる走行が可能であるため、走行中においてエンジンの回転数とトルクとを略一定に制御して触媒暖機運転を実行することができる。
図4において、実エンジントルクL12は、目標トルクL11を跨いで振動する。この振動のばらつきは、エンジンの部品の製造誤差や経年劣化等に影響される。
【0004】
また、特許文献1には、発電トルクを低く抑えた発電運転時、エンジンと発電機とを直結するギヤトレーンの伝達トルクがゼロトルクを挟んで連続的に変動し、このとき連続的な歯打ち音(いわゆるタッピングノイズ)が発生することが記載されている。特許文献1では、発電機に対し所定のトルクを付与し続けることにより、タッピングノイズを防止する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
エンジンの回転の0.5次成分とパワートレーンの固有振動数とが共振すると、回転変動が増幅され、顕著なタッピングノイズが発生する。
【0007】
特許文献1の技術では、発電運転時のタッピングノイズを防止することができるものの、発電機を駆動する必要があるため電費が悪化する。そのため、エンジン側の制御でタッピングノイズを防止することが好ましい。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、触媒暖機運転中にタッピングノイズが発生することをエンジンの制御によって防止することができるエンジン制御方法、エンジン制御装置、及びエンジン制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決するために、本発明のエンジン制御方法は、複数の気筒を有するエンジンにおいて、前記気筒の点火時期を最適点火時期から遅角させて燃焼を緩慢にすることにより、前記エンジンからの排気ガスを浄化する触媒を早期に暖機して活性化する触媒暖機運転中に、それぞれの前記気筒において燃焼悪化又は失火が生じたか否かを判定し、燃焼悪化又は失火が生じたと判定された失火気筒の燃焼を増大させる制御を行うことを含む。
【0010】
上記方法によれば、燃焼悪化又は失火が生じたと判定された失火気筒の燃焼を増大させるため、触媒暖機運転中にタッピングノイズが発生することをエンジンの制御によって防止することができる。
【0011】
また、前記エンジン制御方法において、前記失火気筒の点火時期を進角することにより、前記失火気筒の燃焼を増大させる。
【0012】
上記方法によれば、失火気筒の点火時期を進角することにより、失火気筒の燃焼を増大させ、タッピングノイズが発生することを防止することができる。触媒暖機運転中にタッピングノイズが発生することをエンジンの制御によって防止することができる。
【0013】
また、前記エンジン制御方法において、前記失火気筒内に噴射する燃料の噴射量を増大させることにより、前記失火気筒の燃焼を増大させる。
【0014】
上記方法によれば、失火気筒内に噴射する燃料の噴射量を増大させることにより、失火気筒の燃焼を増大させ、タッピングノイズが発生することを防止することができる。
【0015】
また、前記エンジン制御方法において、前記エンジンのクランク角度が所定の角度回転するまでに要する時間を用いて、それぞれの前記気筒において燃焼悪化又は失火が生じたか否かを判定する。
【0016】
上記方法によれば、エンジンのクランク角度が所定の角度回転するまでに要する時間を用いて、それぞれの気筒において燃焼悪化又は失火が生じたか否かを判定し、この失火気筒の燃焼を増大させ、タッピングノイズが発生することを防止することができる。
【0017】
また、本発明の一態様に係るエンジン制御装置は、複数の気筒を有するエンジンにおいて、前記気筒の点火時期を最適点火時期から遅角させて燃焼を緩慢にすることにより、前記エンジンからの排気ガスを浄化する触媒を早期に暖機して活性化する触媒暖機運転中に、それぞれの前記気筒において燃焼悪化又は失火が生じたか否かを判定し、燃焼悪化又は失火が生じたと判定された失火気筒の燃焼を増大させる制御を行うように構成されるプロセッサを備える。
【0018】
上記構成によれば、燃焼悪化又は失火が生じたと判定された失火気筒の燃焼を増大させるため、触媒暖機運転中にタッピングノイズが発生することをエンジンの制御によって防止することができる。
【0019】
また、本発明の一態様に係るエンジン制御プログラムは、プロセッサに、複数の気筒を有するエンジンにおいて、前記気筒の点火時期を最適点火時期から遅角させて燃焼を緩慢にすることにより、前記エンジンからの排気ガスを浄化する触媒を早期に暖機して活性化する触媒暖機運転中に、それぞれの前記気筒において燃焼悪化又は失火が生じたか否かを判定し、燃焼悪化又は失火が生じたと判定された失火気筒の燃焼を増大させる制御を行うことを実行させる。
【0020】
上記プログラムによれば、燃焼悪化又は失火が生じたと判定された失火気筒の燃焼を増大させるため、触媒暖機運転中にタッピングノイズが発生することをエンジンの制御によって防止することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、触媒暖機運転中にタッピングノイズが発生することをエンジンの制御によって防止することができるエンジン制御方法、エンジン制御装置、及びエンジン制御プログラムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、実施の形態に係るエンジン制御装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係るエンジン制御方法を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、実施の形態に係るエンジン制御方法を示すタイミングチャートを示す図である。
【
図4】
図4は、従来のエンジン制御方法を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、図面を参照して本発明に係るエンジン制御方法、エンジン制御装置、及びエンジン制御プログラムの実施の形態を説明する。なお、これらの実施の形態により本発明が限定されるものではない。本発明は、エンジン制御方法、エンジン制御装置、及びエンジン制御プログラム一般に適用することができる。
【0024】
また、図面の記載において、同一又は対応する要素には適宜同一の符号を付している。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0025】
(実施の形態)
〔エンジン制御装置の構成〕
図1は、実施の形態に係るエンジン制御装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施の形態に係るエンジン制御装置1は、取得部2と、判定部3と、制御部4と、記憶部5と、を備える。
【0026】
エンジン制御装置1は、例えば複数の気筒を有するエンジンを有するハイブリッド自動車のECU(Electronic Control Unit)であり、CPU(Central Processing Unit)、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリ及びDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性メモリを含んで構成されている。エンジン制御装置1は、エンジンの点火時期を最適点火時期から遅角させて燃焼を緩慢にすることにより、エンジンからの排気ガスを浄化する触媒を早期に暖機して活性化する触媒暖機運転を実行する。
【0027】
取得部2は、エンジンのクランク角度、又はエンジンの回転変動等のエンジンの制御に用いられる各種計測値を取得する。
【0028】
判定部3は、それぞれの気筒において燃焼悪化又は失火が生じたか否かを判定する。判定部3は、例えばエンジンのクランク角度が所定の角度回転するまでに要する時間を用いて、それぞれの気筒において燃焼悪化又は失火が生じたか否かを判定する。具体的には、判定部3は、エンジンのクランク角度が30°回転するまでに要する時間(以下において、「30°CA(Crank Angle)所要時間」という)を、その気筒が点火するクランク角度と、その角度から所定の角度進んだクランク角度とにおいて算出し、後者から前者を引いた差分が正の値である場合、その気筒において燃焼悪化又は失火が生じたと判定する。
【0029】
制御部4は、判定部3に燃焼悪化又は失火が生じたと判定された失火気筒の燃焼を増大させる制御を行う。具体的には、制御部4は、失火気筒の点火時期を進角することにより、失火気筒の燃焼を増大させる。
【0030】
記憶部5は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の不揮発性の記憶媒体を備えた記憶装置で構成される。記憶部5は、制御部4が実行する制御プログラムを記憶する。なお、制御プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、CD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disc)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されてもよい。また、制御プログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納しておき、ネットワーク経由で取得部2が取得してもよい。また、記憶部5は、30°CA所要時間等のエンジンの制御に用いられる各種パラメータ等を記憶する。
【0031】
〔エンジン制御装置の処理〕
次に、エンジン制御装置1の動作について説明する。
図2は、実施の形態に係るエンジン制御方法を示すフローチャートである。
図3は、実施の形態に係るエンジン制御方法を示すタイミングチャートを示す図である。
図3の横軸は時間である。
【0032】
まず、エンジンが始動すると、エンジン制御装置1は、触媒暖機運転を開始する(ステップS1)。具体的には、制御部4は、エンジンの点火時期を遅角させて燃焼を緩慢にする処理を実行する。
【0033】
触媒暖機運転が開始されると、判定部3は、それぞれの気筒において燃焼悪化又は失火が生じたか否かを判定する(ステップS2)。具体的には、判定部3は、30°CA所要時間を、その気筒が点火するクランク角度と、その角度から所定の角度進んだクランク角度とにおいて算出し、後者から前者を引いた差分が正の値であるか否かを判定する。
【0034】
図3は、実施の形態に係るエンジン制御方法を示すタイミングチャートを示す図である。
図3の横軸は、クランクアングル(°CA)であり、縦軸は各クランクアングルにおける30°CA所要時間である。また、
図3の上方には、#1~4の各気筒が点火するタイミングを示す点火モニターの信号値を示した。さらに、
図3の下方には、エンジンの目標回転数(破線)と実際のエンジン回転数(実線)とを示した。
【0035】
判定部3は、例えば30°CA所要時間を、#3気筒が点火するクランク角度180°CAと、その角度から90°CA進んだクランク角度270°CAとにおいて算出し、後者から前者を引いた差分ΔT1を算出する。#3気筒が適切に燃焼した場合には、点火後にクランクアングルの回転速度が上昇するため、差分ΔT1は負の値になる。
【0036】
同様に、#4気筒が適切に燃焼した場合には、点火後にクランクアングルの回転速度が上昇するため、線A1に示す挙動となる。これに対して、#4気筒において燃焼悪化又は失火が生じた場合には、点火後にクランクアングルの回転速度が上昇しないため、線A2に示す挙動となる。そして、判定部3は、30°CA所要時間を、#4気筒が点火するクランク角度360°CAと、その角度から90°CA進んだクランク角度450°CAとにおいて算出し、後者から前者を引いた差分ΔT2を算出する。#4気筒において燃焼悪化又は失火が生じた場合(線A2)には、点火後にクランクアングルの回転速度が上昇しないため、差分ΔT2は正の値になる。従って、判定部3は、差分ΔT2が正の値であることにより、#4気筒において燃焼悪化又は失火が生じていることを検知することができる。
【0037】
図2に戻り、判定部3が、それぞれの気筒において燃焼悪化又は失火が生じたと判定した場合(ステップS2:Yes)、制御部4は、失火気筒の点火時期を進角することにより、失火気筒の燃焼を増大させる(ステップS3)。制御部4が、触媒暖機運転により最適点火時期から遅角させていたエンジンの点火時期を進角することにより、燃焼が改善しタッピングノイズが発生することを防止することができる。
【0038】
その後、判定部3は、触媒暖機運転を終了するか否かを判定する(ステップS4)。具体的には、判定部3は、排気量を測定した触媒運転カウンタ値や触媒の温度等を取得し、これらの値が閾値以上である場合に、触媒が十分暖機されたと判断できるため、触媒暖機運転を終了すると判定する。
【0039】
判定部3が、触媒暖機運転を終了すると判定した場合(ステップS4:Yes)、触媒暖機運転を終了する。
【0040】
ステップS2において、判定部3が、それぞれの気筒において燃焼悪化又は失火が生じていないと判定した場合(ステップS2:No)、ステップS4の処理に移行する。
【0041】
ステップS4において、判定部3が、触媒暖機運転を終了しないと判定した場合(ステップS4:No)、触媒が十分に暖機されていないと判断できるため、ステップS2に戻り、触媒暖機運転を継続する。
【0042】
以上説明したエンジン制御装置1によれば、それぞれの気筒において燃焼悪化又は失火が生じたと判定した場合、失火気筒の燃焼を増大させるため、触媒暖機運転中にタッピングノイズが発生することをエンジンの制御によって防止することができる。
【0043】
また、制御部4は、失火気筒内に噴射する燃料の噴射量を増大させることにより、失火気筒の燃焼を増大させてもよい。失火気筒内に噴射する燃料の噴射量を増大させることにより燃焼悪化が改善し、タッピングノイズを防止することができる。
【0044】
また、判定部3は、回転変動を用いてそれぞれの気筒において燃焼悪化又は失火が生じたか否かを判定してもよい。
図3に示すように、#4気筒が適切に燃焼した場合には、線B1に示すように、エンジン回転数が所定の周期で振動する挙動となる。これに対して、#4気筒において燃焼悪化又は失火が生じた場合には、線B2に示すようにエンジン回転数が減少する挙動となる。従って、回転変動によりこの挙動の変化を検知し、それぞれの気筒において燃焼悪化又は失火が生じたか否かを判定してもよい。
【0045】
また、判定部3は、イオン電流の発生角度を用いて、それぞれの気筒において燃焼悪化又は失火が生じたか否かを判定してもよい(例えば、特開2006-57554号公報参照)。
【0046】
また、判定部3は、30°CA所要時間を、その気筒が点火するクランク角度と、その角度から90°進んだクランク角度とにおいて比較する例を示したが、この所定の角度は90°に限られない。例えば30°、又は60°等であってもよい。
【0047】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、以上のように表し、かつ記述した特定の詳細及び代表的な実施の形態に限定されるものではない。従って、添付のクレーム及びその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神又は範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 エンジン制御装置
2 取得部
3 判定部
4 制御部
5 記憶部