(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157348
(43)【公開日】2024-11-07
(54)【発明の名称】電力変換ユニットおよび車両
(51)【国際特許分類】
H02M 7/48 20070101AFI20241030BHJP
H01L 25/07 20060101ALI20241030BHJP
H01L 23/00 20060101ALI20241030BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
H01L25/04 C
H01L23/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023071662
(22)【出願日】2023-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(72)【発明者】
【氏名】高橋 聡一郎
【テーマコード(参考)】
5H770
【Fターム(参考)】
5H770AA04
5H770AA21
5H770BA02
5H770CA06
5H770QA01
5H770QA04
5H770QA05
5H770QA06
5H770QA08
5H770QA33
5H770QA35
(57)【要約】
【課題】制御基板への電磁ノイズの影響を低減することが可能な電力変換ユニットを提供する。
【解決手段】電力変換ユニットA10は、半導体素子21と半導体素子21を覆う封止部50とを各々が備える少なくとも1つの半導体モジュールB1と、少なくとも1つの半導体モジュールB1の各々の半導体素子21の駆動を制御する制御回路を含む制御基板E1と、磁気シールド部材F1と、を備える。磁気シールド部材F1は、少なくとも1つの半導体モジュールB1から制御基板E1を見て、制御基板E1に重なり、且つ、少なくとも1つの半導体モジュールB1と制御基板E1との間に配置されている。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体素子と当該半導体素子を覆う封止部とを各々が備える少なくとも1つの半導体モジュールと、
前記少なくとも1つの半導体モジュールの各々の前記半導体素子の駆動を制御する制御回路を含む制御基板と、
磁気シールド部材と、
を備え、
前記磁気シールド部材は、前記少なくとも1つの半導体モジュールから前記制御基板を見て、前記制御基板に重なり、且つ、前記少なくとも1つの半導体モジュールと前記制御基板との間に配置されている、電力変換ユニット。
【請求項2】
前記少なくとも1つの半導体モジュールを取り付ける取付対象物をさらに備える、請求項1に記載の電力変換ユニット。
【請求項3】
前記磁気シールド部材は、前記少なくとも1つの半導体モジュールを前記取付対象物に押し付け、且つ、前記少なくとも1つの半導体モジュールを前記取付対象物に固定する、請求項2に記載の電力変換ユニット。
【請求項4】
前記少なくとも1つの半導体モジュールを前記取付対象物に押し付け、且つ、前記少なくとも1つの半導体モジュールを前記取付対象物に固定する取付部材をさらに備える、請求項2に記載の電力変換ユニット。
【請求項5】
前記磁気シールド部材は、前記取付部材と前記制御基板との間に配置されている、請求項4に記載の電力変換ユニット。
【請求項6】
前記磁気シールド部材は、前記制御基板、前記少なくとも1つの半導体モジュール、前記取付対象物および前記取付部材のいずれからも、電気的に絶縁されている、請求項4に記載の電力変換ユニット。
【請求項7】
前記磁気シールド部材の厚さは、前記取付部材の厚さよりも大きい、請求項4に記載の電力変換ユニット。
【請求項8】
前記磁気シールド部材は、パーマロイ、鉄、あるいはケイ素銅のいずれかを含む、請求項1に記載の電力変換ユニット。
【請求項9】
前記少なくとも1つの半導体モジュールは、複数の半導体モジュールを含む、請求項1に記載の電力変換ユニット。
【請求項10】
前記制御基板は、前記複数の半導体モジュールの各々の前記半導体素子に導通する、請求項9に記載の電力変換ユニット。
【請求項11】
前記制御基板は、複数の個別基板に分離されており、
前記複数の個別基板の各々は、前記複数の半導体モジュールに対してそれぞれ個別に設けられ、且つ、前記複数の半導体モジュールのうちの対応する1つが備える前記半導体素子に導通する、請求項9に記載の電力変換ユニット。
【請求項12】
前記制御基板から前記磁気シールド部材を見た時、前記磁気シールド部材は、前記複数の半導体モジュールの全てに重なる、請求項9に記載の電力変換ユニット。
【請求項13】
前記磁気シールド部材は、複数の個別シールド部材に分離されており、
前記複数の個別シールド部材の各々は、前記複数の半導体モジュールに対してそれぞれ個別に設けられており、
前記制御基板から前記複数の個別シールド部材の各々を見た時、前記複数の個別シールド部材の各々は、前記複数の半導体モジュールのうちの対応する1つにそれぞれ重なる、請求項9に記載の電力変換ユニット。
【請求項14】
前記少なくとも1つの半導体モジュールは、前記封止部から突き出た信号端子を備え、
前記信号端子は、前記制御回路に導通する、請求項1に記載の電力変換ユニット。
【請求項15】
前記信号端子は、前記封止部から離れた端部である先端部を含み、
前記制御基板は、前記先端部に取り付けられており、
前記制御回路は、前記信号端子を介して前記半導体素子に導通する、請求項14に記載の電力変換ユニット。
【請求項16】
前記磁気シールド部材には、前記信号端子が挿通される貫通孔を有する、請求項14に記載の電力変換ユニット。
【請求項17】
前記信号端子は、前記貫通孔の内面から離れており、
前記信号端子と前記貫通孔の内面との間には、絶縁材が充填されている、請求項16に記載の電力変換ユニット。
【請求項18】
前記少なくとも1つの半導体モジュールの前記半導体素子は、ケイ素よりもバンドギャップが大きい半導体材料を含む、請求項1に記載の電力変換ユニット。
【請求項19】
請求項1ないし請求項18のいずれかに記載の電力変換ユニットと、
駆動源と、
を備え、
前記電力変換ユニットは、前記駆動源に導通する、車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力変換ユニットおよび車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パワーモジュールなどの半導体モジュールを備える電力変換ユニットが知られている。たとえば、電気モータによって駆動する電気自動車またはハイブリッド自動車には、電源電力から先述の電気モータを駆動するための駆動用電力に変換するための電力変換ユニットが搭載されている。特許文献1には、従来の電力変換ユニット(電力変換装置)の一例が開示されている。特許文献1に記載の電力変換装置は、複数の半導体モジュールと、複数の半導体モジュールの駆動を制御する制御基板と、を備える。複数の半導体モジュールの各々は、半導体素子が樹脂封止されると共に樹脂成型された半導体モジュール本体と、半導体モジュール本体から突出し、制御基板と電気的に接続される信号端子と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電力変換ユニットの用途は、電気自動車またはハイブリッド自動車に限らず、産業機器および家電機器など、様々であり、その用途に応じて、半導体モジュールには、高出力化あるいは高周波化が求められることがある。しかしながら、半導体モジュールの高出力化あるいは高周波化を行うと、半導体モジュールから発する電磁ノイズが大きくなり、制御基板に誤作動などの悪影響を及ぼすことがある。
【0005】
本開示は、上記事情に鑑みて考え出されたものであり、その目的は、制御基板への電磁ノイズの影響を低減することが可能な電力変換ユニットを提供することにある。また、他の目的は、制御基板への電磁ノイズの影響が低減された電力変換ユニットを備える車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の側面によって提供される電力変換ユニットは、半導体素子と当該半導体素子を覆う封止部とを各々が備える少なくとも1つの半導体モジュールと、前記少なくとも1つの半導体モジュールの各々の前記半導体素子の駆動を制御する制御回路を含む制御基板と、磁気シールド部材と、を備え、前記磁気シールド部材は、前記少なくとも1つの半導体モジュールから前記制御基板を見て、前記制御基板に重なり、且つ、前記少なくとも1つの半導体モジュールと前記制御基板との間に配置されている。
【0007】
本開示の第2の側面によって提供される車両は、第1の側面によって提供される電力変換ユニットと、駆動源と、を備え、前記電力変換ユニットは、前記駆動源に導通する。
【発明の効果】
【0008】
本開示の電力変換ユニットによれば、制御基板への電磁ノイズの影響を低減することが可能となる。また、本開示の車両は、制御基板への電磁ノイズの影響が低減された電力変換ユニットを備えるので、車両の動作不具合を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1実施形態にかかる電力変換ユニットを示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1の斜視図において、制御基板を省略した図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態にかかる電力変換ユニットを示す平面図である。
【
図4】
図4は、
図3の平面図において、制御基板を省略した図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態にかかる電力変換ユニットを示す正面図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態にかかる電力変換ユニットを示す底面図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態にかかる電力変換ユニットを示す左側面図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態にかかる電力変換ユニットを示す右側面図である。
【
図14】
図14は、第1実施形態にかかる電力変換ユニットの部分拡大断面図である。
【
図15】
図15は、第1実施形態にかかる電力変換ユニットの半導体モジュールを示す斜視図である。
【
図16】
図16は、第1実施形態にかかる電力変換ユニットの半導体モジュールを示す平面図である。
【
図19】
図19は、第1実施形態にかかる電力変換ユニットの半導体モジュールを示す正面図である。
【
図20】
図20は、第1実施形態にかかる電力変換ユニットの半導体モジュールを示す底面図である。
【
図27】
図27は、第1実施形態にかかる電力変換ユニットを備える車両を示す概要図である。
【
図28】
図28は、第1実施形態の第1変形例にかかる電力変換ユニットを示す平面図であって、制御基板を省略した図である。
【
図31】
図31は、第1実施形態の第2変形例にかかる電力変換ユニットを示す断面図であって、
図10の断面に対応する。
【
図32】
図32は、第2実施形態にかかる電力変換ユニットを示す平面図であって、制御基板を省略した図である。
【
図34】
図34は、第2実施形態の変形例にかかる電力変換ユニットを示す断面図であって、
図10の断面に対応する。
【
図35】
図35は、第3実施形態にかかる電力変換ユニットを示す平面図である。
【
図37】
図37は、第4実施形態にかかる電力変換ユニットを示す平面図であって、制御基板を省略した図である。
【
図39】
図39は、第5実施形態にかかる電力変換ユニットを示す断面図であって、
図10の断面に対応する。
【
図40】
図40は、第6実施形態にかかる電力変換ユニットを示す平面図である。
【
図41】
図41は、第6実施形態にかかる電力変換ユニットを示す左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の電力変換ユニットおよび車両の好ましい実施の形態について、図面を参照して、以下に説明する。以下では、同一あるいは類似の構成要素に、同じ符号を付して、重複する説明を省略する。本開示における「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、単にラベルとして用いたものであり、必ずしもそれらの対象物に順列を付することを意図していない。
【0011】
本開示において、「ある物Aがある物Bに形成されている」および「ある物Aがある物B(の)上に形成されている」とは、特段の断りのない限り、「ある物Aがある物Bに直接形成されていること」、および、「ある物Aとある物Bとの間に他の物を介在させつつ、ある物Aがある物Bに形成されていること」を含む。同様に、「ある物Aがある物Bに配置されている」および「ある物Aがある物B(の)上に配置されている」とは、特段の断りのない限り、「ある物Aがある物Bに直接配置されていること」、および、「ある物Aとある物Bとの間に他の物を介在させつつ、ある物Aがある物Bに配置されていること」を含む。同様に、「ある物Aがある物B(の)上に位置している」とは、特段の断りのない限り、「ある物Aがある物Bに接して、ある物Aがある物B(の)上に位置していること」、および、「ある物Aとある物Bとの間に他の物が介在しつつ、ある物Aがある物B(の)上に位置していること」を含む。また、「ある方向に見てある物Aがある物Bに重なる」とは、特段の断りのない限り、「ある物Aがある物Bのすべてに重なること」、および、「ある物Aがある物Bの一部に重なること」を含む。また、「ある物A(の材料)がある材料Cを含む」とは、「ある物A(の材料)がある材料Cからなる場合」、および、「ある物A(の材料)の主成分がある材料Cである場合」を含む。
【0012】
図1~
図14は、第1実施形態にかかる電力変換ユニットA10を示している。電力変換ユニットA10は、複数の半導体モジュールB1、1つの取付対象物C1、1つの取付部材D1、1つの制御基板E1および複数の磁気シールド部材F1を備える。
【0013】
以下の説明では、互いに直交する厚さ方向z、第1方向xおよび第2方向yを参照する。厚さ方向zは、電力変換ユニットA10の厚さ方向に相当する。また、「平面視」とは、厚さ方向zに見たときをいう。第1方向xは、厚さ方向zに直交する。第2方向yは、厚さ方向zおよび第1方向xに直交する。なお、第1方向xの一方側を第1方向xのx1側、第1方向xの他方側を第1方向xのx2側と称する。また、第2方向yの一方側を第2方向yのy1側、第2方向yの他方側を第2方向yのy2側と称する。また、厚さ方向zの一方側を厚さ方向zのz1側、厚さ方向zの他方側を厚さ方向zのz2側と称する。また、厚さ方向zのz1側を上方といい、厚さ方向zのz2側を下方ということがある。なお、「上」、「下」、「上方」、「下方」、「上面」および「下面」などの記載は、厚さ方向zにおける各部品等の相対的位置関係を示すものであり、必ずしも重力方向との関係を規定する用語ではない。
【0014】
複数の半導体モジュールB1は、
図2、
図4、
図7および
図8に示すように、第2方向yに沿って配置される。複数の半導体モジュールB1はそれぞれ、複数の半導体素子21を備える。後に詳述される構成から理解されるように、複数の半導体素子21は、たとえばMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)およびIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などのスイッチング素子であり、複数の半導体モジュールB1はそれぞれ、たとえばハーフブリッジ型のスイッチング回路を構成する。複数の半導体素子21はそれぞれ、半導体材料を含む。当該半導体材料は、何ら限定されないが、好ましくは、Si(ケイ素)よりもバンドギャップが大きい半導体であり、例えば、ワイドバンドギャップ半導体であるSiC(炭化ケイ素)およびGaN(窒化ガリウム)など、あるいは、ウルトラワイドバンドギャップ半導体であるGa
2O
3(参加ガリウム)、ダイヤモンドおよびAlN(窒化アルミニウム)などである。
【0015】
また、複数の半導体モジュールB1はそれぞれ、
図1~
図9に示すように、複数の電力端子13と、複数の信号端子17と、封止部50とを備える。複数の半導体モジュールB1の各々において、複数の半導体素子21は、封止部50に覆われている。複数の電力端子13は、封止部50の側面(後述の第2側面532)から第1方向xに突出する。複数の信号端子17は、封止部50の上面(後述の頂面51)から厚さ方向zに突出する。複数の信号端子17は、複数の半導体素子21のいずれかに導通する。なお、複数の信号端子17には、ダミー端子として、複数の半導体素子21のいずれにも導通しないものがあってもよい。
【0016】
図示された例では、電力変換ユニットA10は、3つの半導体モジュールB1を備えているが、2つまたは4つ以上の半導体モジュールB1を備える構成であってもよい。以下の説明において、3つの半導体モジュールB1を区別する場合、第1モジュールB11、第2モジュールB12および第3モジュールB13という。第1モジュールB11は、複数の半導体モジュールB1のうち最も第2方向yのy1側に位置する。第3モジュールB13は、複数の半導体モジュールB1のうち最も第2方向yのy2側に位置する。第2モジュールB12は、第2方向yにおいて、第1モジュールB11と第3モジュールB13との間に位置する。
【0017】
取付対象物C1は、複数の半導体モジュールB1を支持する。取付対象物C1は、たとえばヒートシンクである。取付対象物C1は、ヒートシンクではなく、電子機器および電気自動車などの筐体(フレーム等)であってもよい。取付対象物C1の大半は、複数の半導体モジュールB1に対して、厚さ方向zの下方(z2側)に位置する。取付対象物C1は、複数の半導体モジュールB1の封止部50の下面(後述の底面52)に対向する。取付対象物C1の材料は、たとえばアルミニウムを含む。当該材料は、アルミニウムに限定されず、他の金属材料、または樹脂材料(好ましくは熱伝導率の良いもの)などでもよい。取付対象物C1は、本体部71、複数の台座部72および複数の位置決め部73を含む。
【0018】
本体部71は、板材である。複数の半導体モジュールB1は、本体部71に搭載される。よって、
図2、
図4、
図7および
図8に示すように、複数の半導体モジュールB1は、本体部71上に第2方向yに沿って配列されている。本体部71は、複数の半導体モジュールB1の各封止部50の下面(後述の底面52)に対向する。本体部71は、各半導体モジュールB1に接する。本体部71は、たとえば平面視矩形状である。
【0019】
複数の台座部72はそれぞれ、
図2、
図5および
図7~
図13に示すように、本体部71から厚さ方向z上方に突き出る。図示された例では、複数の台座部72は、本体部71と一体的に形成されているが、本体部71に対して、別体として取り付けられていてもよい。
【0020】
複数の台座部72の各々は、
図9~
図13に示すように、第1部721および第2部722を含む。第1部721は、厚さ方向zにおいて、制御基板E1と本体部71との間に介在する。第1部721の厚さ方向zの寸法は、各半導体モジュールB1の封止部50の厚さ方向zの寸法よりも大きい。第2部722は、第1部721上に配置される。制御基板E1は、第1部721と第2部722とに挟持される。このような構成により、制御基板E1は、本体部71の上面に対して、一定の間隔を空けて配置される。
【0021】
図示された例では、第1部721には、雌ネジ加工された凹部があり、第2部722には、雄ネジ加工された凸部がある。第1部721の雌ネジ部分(凹部)に、第2部722の雄ネジ部分(凸部)が挿入されることで、第1部721に第2部722が締結される。なお、各台座部72は、第1部721と第2部722とが嵌合される構造のものであればよい。たとえば、第1部721に第2部722が圧入される構造のものでもよい。また、第1部721に凸部があり、第2部722に凹部があってもよい。
【0022】
複数の位置決め部73はそれぞれ、
図2および
図13に示すように、本体部71から厚さ方向z上方に突き出る。図示された例(たとえば
図13)では、複数の位置決め部73はそれぞれ、本体部71に対して、別体として取り付けられている。この例と異なり、各位置決め部73は、本体部71と一体的に形成されていてもよい。
図13に示す例では、各位置決め部73は、本体部71に形成された貫通孔に圧入されている。各位置決め部73は、円柱状であり、厚さ方向zのz1側の先端が先細りした形状である。図示された例において、平面視における各位置決め部73の径は、平面視における各台座部72の径よりも小さい。
図3および
図4に示すように、複数の位置決め部73には、第1モジュールB11よりも第2方向yのy1側に配置されたものと、第3モジュールB13よりも第2方向yのy2側に配置されたものとがある。
【0023】
取付部材D1は、複数の半導体モジュールB1を取付対象物C1に固定する。取付部材D1は、たとえば板バネである。取付部材D1の弾性力により、複数の半導体モジュールB1が取付対象物C1に押さえ付けられる。取付部材D1の材料は、何ら限定されないが、たとえば銅、鉄、チタン、あるいは、これらのいずれかを含む合金(たとえばステンレスを含む)などである。
図4、
図7~
図13に示すように、取付部材D1は、複数の押圧部81および複数の固定部82を含む。
【0024】
複数の押圧部81はそれぞれ、複数の半導体モジュールB1に対してそれぞれ個別に設けられる。複数の押圧部81はそれぞれ、対応する半導体モジュールB1の封止部50(頂面51)に接する。各押圧部81は、接する半導体モジュールB1を取付対象物C1の本体部71に押し付ける。
【0025】
複数の固定部82はそれぞれ、取付対象物C1に固定され、本実施形態では、本体部71に固定されている。複数の固定部82はそれぞれ、たとえばx-y平面に平行な平板状である。複数の固定部82の各々には、貫通孔が形成されている。当該貫通孔には、締結具89(図示された例では六角ボルト)が挿通される。当該締結具89によって、固定部82は、本体部71に固定される。
【0026】
複数の固定部82は、複数の両端配置部821および複数の中間配置部822を含む。電力変換ユニットA10では、複数の固定部82は、一対の両端配置部821および2つの中間配置部822を含む。
図4および
図10に示すように、一対の両端配置部821の一方は、第1モジュールB11よりも第2方向yのy1側に位置し、一対の両端配置部821の他方は、第3モジュールB13よりも第2方向yのy2側に位置する。2つの中間配置部822の一方は、第1モジュールB11と第2モジュールB12との間に位置し、2つの中間配置部822の他方は、第2モジュールB12と第3モジュールB13との間に位置する。
【0027】
図4に示す例では、各両端配置部821の幅(第1方向xの寸法)は、各押圧部81の幅(第1方向xの寸法)および各中間配置部822の幅(第1方向xの寸法)よりも小さい。これにより、取付部材D1(各両端配置部821)と各位置決め部73との干渉を回避している。この例とは異なり、押圧部81の幅および各中間配置部822の幅は、各両端配置部821の幅と同じであってもよい。この場合、取付部材D1を、平面視において矩形状(帯状)に形成できる。あるいは、各中間配置部822の幅は、各両端配置部821の幅と同じであってもよい。
【0028】
制御基板E1は、
図1、
図3、
図7および
図8に示すように、複数の半導体モジュールB1に対して共通に設けられる。この構成とは異なり、複数の制御基板E1が、複数の半導体モジュールB1に対してそれぞれ個別に設けられていてもよい。
図9および
図11から理解されるように、制御基板E1には、複数の半導体モジュールB1の各信号端子17がそれぞれ挿通される。制御基板E1は、各信号端子17に導通する。制御基板E1は、たとえば複数の半導体モジュールB1の各半導体素子21の駆動を制御する制御回路を含む。各半導体素子21がMOSFETまたはIGBTである例において、制御基板E1は、ゲートドライバである。制御基板E1は、複数の半導体モジュールB1の各封止部50の上面(頂面51)に対向する。制御基板E1は、複数の半導体モジュールB1に対して、取付対象物C1の本体部71と反対側に位置する。制御基板E1は、平面視において、複数の半導体モジュールB1の各封止部50に重なる。制御基板E1は、複数の台座部72により、厚さ方向zに一定の距離を空けて保持される。
【0029】
図14に示すように、制御基板E1は、基材91、主部配線92、裏部配線93および内部配線94を有する。基材91には、厚さ方向zに貫通する複数のスルーホール911が設けられている。主部配線92は、基材91の上面(厚さ方向zのz1側を向く面)に形成されている。裏部配線93は、基材91の下面(厚さ方向zのz2側を向く面)に形成されている。内部配線94は、複数のスルーホール911の内面に配置されている。内部配線94は、主部配線92および裏部配線93に繋がる。主部配線92は、裏部配線93および内部配線94と、制御基板E1に設けられた回路とが相互に導通するための経路をなしている。
【0030】
複数の半導体モジュールB1の各信号端子17は、制御基板E1の複数のスルーホール911のうち対応する1つにそれぞれ挿通される。
図14には、複数の半導体モジュールB1のいずれかの信号端子17が、基材91のスルーホール911に挿通された状態を示している。なお、複数の半導体モジュールB1の各信号端子17はすべて、
図14に示すように、基材91のスルーホール911に挿通される。各信号端子17は、対応する半導体モジュールB1の封止部50の内方において、(後述の)複数のスリーブ64のいずれかに圧入されている。
【0031】
図14に示すように、各信号端子17は、先端部170を含む。先端部170は、各信号端子17において、封止部50から離れた端部である。先端部170は、膨出部170Aを有する。
図14に示すように、膨出部170Aは、信号端子17において、厚さ方向zに直交する方向に膨らんでいる。
【0032】
図14に示すように、各信号端子17の膨出部170Aは、制御基板E1の複数のスルーホール911のいずれかに圧入されている。これにより、複数のスルーホール911のいずれかに配置された内部配線94は、当該スルーホール911に挿通される信号端子17の膨出部170Aに圧接される。したがって、各信号端子17は、スルーホール911に厚さ方向zに圧入されることにより、制御基板E1(の制御回路)に導通している。各信号端子17が複数のスルーホール911の対応する1つに圧入されることで、制御基板E1は、各信号端子17により支持される。この構成から理解されるように、制御基板E1は、各信号端子17の先端部170に取り付けられている。この構成とは異なり、各信号端子17は、膨出部170Aを含んでいなくてもよい。つまり、各信号端子17は、太さに変化がないストレートピンであってもよい。この場合、各信号端子17は、スルーホール911に挿通した上で、制御基板E1にはんだで接合される。
【0033】
図3、
図9および
図11~
図13に示すように、制御基板E1には、複数の取付孔951および複数の位置決め孔952が形成されている。
【0034】
複数の取付孔951には、
図3、
図9および
図11~
図13に示すように、複数の台座部72(たとえば第2部722)がそれぞれ個別に挿通される。各取付孔951は、たとえば平面視において真円に形成される。平面視における各取付孔951の径は、平面視における各台座部72(特に第1部721)の径よりも小さい。このため、制御基板E1は、第1部721の厚さ方向zの上方(z1側)で保持される。
【0035】
複数の位置決め孔952には、
図3および
図13に示すように、複数の位置決め部73がそれぞれ個別に挿通される。図示された例では、制御基板E1には、2つの位置決め孔952が形成されている。2つの位置決め孔952の一方(第2方向yのy1側に配置された位置決め孔952)は、真円に形成され、2つの位置決め孔952の他方(第2方向yのy2側に配置された位置決め孔952)は、長孔に形成されている。これにより、取付対象物C1に対する制御基板E1の位置決めが容易となる。このとき、2つの位置決め孔952の一方が長孔に形成されることで、製造誤差による取付対象物C1および制御基板E1の微妙なずれを抑制することができる。
【0036】
磁気シールド部材F1は、
図2、
図4および
図10から理解されるように、複数の半導体モジュールB1から制御基板E1を見て、制御基板E1に重なる。磁気シールド部材F1は、複数の半導体モジュールB1と制御基板E1との間に配置されている。磁気シールド部材F1は、導電性材料を含む。当該導電性材料は、何ら限定されないが、パーマロイ、鉄、あるいはケイ素銅のいずれかを含む。好ましくは、磁気シールド部材F1の導電性材料は、比透磁率が高いほうがよい。パーマロイの比透磁率は、約100,000、鉄の比透磁率は、約5,000、ケイ素銅の比透磁率は、約4,000であるので、これらの例においては、磁気シールド部材F1の材料は、パーマロイが好ましい。
【0037】
磁気シールド部材F1は、
図4および
図10に示すように、複数の個別シールド部材F11,F12,F13を含む。複数の個別シールド部材F11,F12,F13は、互いに離間する。複数の個別シールド部材F11,F12,F13はそれぞれ、複数の半導体モジュールB1に対してそれぞれ個別に設けられている。複数の個別シールド部材F11,F12,F13はそれぞれ、制御基板E1から複数の個別シールド部材F11,F12,F13を見た時、複数の半導体モジュールB1のうちの対応する1つにそれぞれ重なる。本実施形態では、電力変換ユニットA10は、複数の絶縁体990を備え、複数の個別シールド部材F11,F12,F13はそれぞれ、複数の絶縁体990のいずれかを介して、取付部材D1に貼り付けられている。
【0038】
図10に示すように、個別シールド部材F11は、第1モジュールB11の封止部50に接する押圧部81上に、絶縁体990を介して、貼り付けられている。個別シールド部材F12は、第2モジュールB12の封止部50に接する押圧部81上に、絶縁体990を介して、貼り付けられている。個別シールド部材F13は、第3モジュールB13の封止部50に接する押圧部81上に、絶縁体990を介して、貼り付けられている。この構成により、磁気シールド部材F1(各個別シールド部材F11,F12,F13)は、各半導体モジュールB1および取付部材D1に対して、電気的に絶縁される。各個別シールド部材F11,F12,F13と対応する絶縁体990とは、および、各絶縁体990と対応する押圧部81(取付部材D1)とはそれぞれ、ゲル状あるいはシート状の接着剤などにより貼り付けられる。この例とは異なり、各絶縁体990が、磁気シールド部材F1を取付部材D1に貼り付ける接着剤であってもよい。なお、磁気シールド部材F1と取付部材D1とを意図的に同電位にする場合には、各絶縁体990を設けず、導電性の接着剤により磁気シールド部材F1を取付部材D1に直接接着させてもよい。
【0039】
図9などに示すように、磁気シールド部材F1(各個別シールド部材F11,F12,F13)は、制御基板E1から離間する。したがって、磁気シールド部材F1は、制御基板E1に対して、電気的に絶縁される。本実施形態では、磁気シールド部材F1は、電力変換ユニットA10の構成要素の全てに対して、電気的に絶縁されている。
【0040】
また、図示された例では、各個別シールド部材F11,F12,F13は、対応する押圧部81よりも小さいが、対応する押圧部81よりも大きくてもよい。磁気シールド部材F1(各個別シールド部材F11,F12,F13)の厚さは、たとえば、取付部材D1の厚さよりも大きい。この例とは異なり、磁気シールド部材F1(各個別シールド部材F11,F12,F13)の厚さは、取付部材D1の厚さと同じであってもよいし、取付部材D1よりも小さくてもよい。なお、磁気シールド部材F1(各個別シールド部材F11,F12,F13)の厚さとは、厚さ方向zに直交する平面(x-y平面)に平行な平坦部においては、厚さ方向zの寸法である。また、取付部材D1の厚さとは、厚さ方向zに直交する平面(x-y平面)に平行な平坦部においては、厚さ方向zの寸法であり、第2方向yに直交する平面(x-z平面)に平行な平坦部においては、第2方向yの寸法である。
【0041】
次に、複数の半導体モジュールB1の構成例について、
図15~
図26を参照して説明する。
図15~
図26は、複数の半導体モジュールB1のいずれか1つを拡大したものである。複数の半導体モジュールB1はいずれも、同じ構造である。以下で説明する半導体モジュールB1は、特段の断りがない限り、第1モジュールB11、第2モジュールB12および第3モジュールB13で共通する。なお、
図16においては、取付部材D1の一部および磁気シールド部材F1の一部(複数の個別シールド部材F11,F12,F13のいずれか)を想像線で示している。
【0042】
図15~
図26に示すように、各半導体モジュールB1(第1モジュールB11、第2モジュールB12および第3モジュールB13の各々)は、上述した複数の電力端子13、複数の信号端子17、複数の半導体素子21および封止部50の他、支持基板11、一対のサーミスタ22、第1導通部材31、第2導通部材32、複数のワイヤ、および一対の制御配線60を備える。複数の電力端子13は、第1電力端子14、2つの第2電力端子15および2つの第3電力端子16を含み、複数の信号端子17は、第1信号端子171、第2信号端子172、第3信号端子173、第4信号端子174、一対の第5信号端子181および一対の第6信号端子182を含む。複数のワイヤは、複数の第1ワイヤ41、複数の第2ワイヤ42、複数の第3ワイヤ43および第4ワイヤ44を含む。
【0043】
各半導体モジュールB1は、第1電力端子14と、2つの第2電力端子15とに印加された直流の電源電圧を、複数の半導体素子21により交流電力に変換する。変換された交流電力は、2つの第3電力端子16からモータなどの電力供給対象に入力される。
【0044】
支持基板11は、
図18および
図21に示すように、厚さ方向zにおいて複数の半導体素子21を支持する。支持基板11は、たとえばDBC(Direct Bonded Copper)基板から構成される。
図21~
図26に示すように、支持基板11は、絶縁層111、第1配線層112および第2配線層113を含む。支持基板11は、第2配線層113の一部を除き封止部50に覆われている。
【0045】
図21~
図26に示すように、絶縁層111は、厚さ方向zにおいて、第1配線層112と第2配線層113との間に介在する部分を含む。絶縁層111は、熱伝導性が比較的高い材料からなる。絶縁層111は、たとえば窒化アルミニウム(AlN)を含むセラミックスからなる。絶縁層111は、セラミックスの他、絶縁樹脂シートからなる構成でもよい。
【0046】
図18、
図21~
図26に示すように、第1配線層112は、厚さ方向zにおいて、絶縁層111の上方(z1側)に位置する。第1配線層112の組成は、銅(Cu)を含む。
図18に示すように、第1配線層112は、平面視において、絶縁層111の周縁に囲まれている。
図18、
図21~
図26に示すように、第1配線層112は、第1搭載部1121および第2搭載部1122を含む。第1搭載部1121および第2搭載部1122はそれぞれ、平面視において、矩形状である。第1搭載部1121と第2搭載部1122は、第1方向xにおいて互いに離れている。複数の半導体素子21はそれぞれ、第1搭載部1121または第2搭載部1122のいずれかに接合される。
【0047】
図21~
図26に示すように、第2配線層113は、厚さ方向zにおいて、絶縁層111の下方(z2側)に位置する。
図20に示すように、第2配線層113は、封止部50から露出している。第2配線層113は、取付対象物C1の本体部71の上面(厚さ方向zのz1側を向く面)に接する。第2配線層113の組成は、銅を含む。第2配線層113は、平面視において矩形状である。第2配線層113は、平面視において、絶縁層111の周縁に囲まれてる。
【0048】
複数の半導体素子21の各々は、
図18および
図21に示すように、第1搭載部1121および第2搭載部1122のいずれかに搭載されている。各半導体素子21は、たとえばMOSFETである。この他、各半導体素子21は、IGBTなどのスイッチング素子あるいはダイオードでもよい。半導体モジュールB1の説明においては、半導体素子21は、nチャンネル型であり、かつ縦型構造のMOSFETを対象とする。
【0049】
図18および
図21に示すように、各半導体モジュールB1においては、複数の半導体素子21は、複数の第1素子21Aおよび複数の第2素子21Bを含む。複数の第2素子21Bの各々の構造は、複数の第1素子21Aの各々の構造と同一である。
図18、
図21および
図22に示すように、複数の第1素子21Aは、第1搭載部1121に搭載されている。複数の第1素子21Aは、第2方向yに沿って配列されている。
図18、
図21および
図23に示すように、複数の第2素子21Bは、第2搭載部1122に搭載されている。複数の第2素子21Bは、第2方向yに沿って配列されている。
【0050】
図18、
図22および
図23に示すように、複数の半導体素子21は、第1電極211、第2電極212、第3電極213および2つの第4電極214を有する。
【0051】
図22および
図23に示すように、第1電極211は、第1搭載部1121および第2搭載部1122のいずれかに対向している。第1電極211には、半導体素子21により変換される前の電力に対応する電流が流れる。すなわち、第1電極211は、半導体素子21のドレイン電極に相当する。
【0052】
図22および
図23に示すように、第2電極212は、厚さ方向zにおいて第1電極211とは反対側に位置する。第2電極212には、半導体素子21により変換された後の電力に対応する電流が流れる。すなわち、第2電極212は、半導体素子21のソース電極に相当する。
【0053】
図18に示すように、第3電極213は、厚さ方向zにおいて第2電極212と同じ側に位置する。第3電極213には、半導体素子21を駆動するための駆動信号(ゲート電圧)が入力される。すなわち、第3電極213は、半導体素子21のゲート電極に相当する。
図18に示すように、平面視において、第3電極213の面積は、第2電極212の面積よりも小さい。
【0054】
図18、
図22および
図23に示すように、2つの第4電極214はそれぞれ、厚さ方向zにおいて第2電極212と同じ側に位置し、かつ第1方向xにおいて第3電極213の隣に位置する。図示された例では、2つの第4電極214は、第1方向xにおいて、第3電極213を挟んで、第3電極213の両隣に配置される。各第4電極214の電位は、第2電極212の電位と等しい。図示された例と異なり、各半導体素子21は、2つの第4電極214のうちの一方のみを含んでいてもよいし、2つの第4電極214のいずれも含んでいなくてもよい。
【0055】
本実施形態では、
図16に示すように、複数の個別シールド部材F11,F12,F13の各々(磁気シールド部材F1)は、平面視において、対応する半導体モジュールB1の複数の半導体素子21に重なる。
【0056】
導電接合層23は、
図22および
図23に示すように、第1搭載部1121および第2搭載部1122のいずれかと、複数の半導体素子21のいずれかの第1電極211との間に介在している。導電接合層23は、たとえばはんだである。この他、導電接合層23は、金属粒子の焼結体を含むものでもよい。複数の第1素子21Aの第1電極211は、導電接合層23を介して、第1搭載部1121に導電接合されている。これにより、複数の第1素子21Aの各第1電極211は、第1搭載部1121に導通している。複数の第2素子21Bの第1電極211は、導電接合層23を介して第2搭載部1122に導電接合されている。これにより、複数の第2素子21Bの各第1電極211は、第2搭載部1122に導通している。
【0057】
複数の電力端子13はそれぞれ、複数の半導体素子21に導通する。複数の電力端子13には、複数の半導体素子21によって変換される前の電力に対応する電流あるいは複数の半導体素子21によって変換された後の電力に対応する電流が流れる。複数の電力端子13は、第1電力端子14、2つの第2電力端子15および2つの第3電力端子16を含む。
【0058】
第1電力端子14は、
図18および
図24に示すように、第1搭載部1121に接合される。この接合は、何ら限定されず、図示しない導電性接合材(たとえばはんだ)による接合でもよいし、レーザ溶接による接合でもよいし、かしめ接合でもよい。第1電力端子14は、第1搭載部1121を介して、複数の第1素子21Aの第1電極211に導通する。第1電力端子14は、電力変換対象となる直流の電源電圧が印加されるP端子(正極)である。第1電力端子14は、
図18に示すように、第1方向xにおいて第1搭載部1121を間に挟んで第2搭載部1122とは反対側に位置する。第1電力端子14は、第1搭載部1121から第1方向xの一方側(x1側)に延びており、封止部50から第1方向xの一方側(x1側)に突き出る。
図17および
図24に示すように、第1電力端子14は、封止部50に覆われた部分と封止部50から露出する部分とを含む。第1電力端子14において、封止部50に覆われた部分が、第1搭載部1121に接合される。また、第1電力端子14において、封止部50から露出する部分が、各半導体モジュールB1の先述のP端子として用いられる。
【0059】
2つの第2電力端子15には、第2導通部材32が接合される。2つの第2電力端子15は、第2導通部材32を介して、複数の第2素子21Bの第2電極212に導通する。2つの第2電力端子15は、電力変換対象となる直流の電源電圧が印加されるN端子(負極)である。2つの第2電力端子15は、第2方向yにおいて互いに離れている。2つの第2電力端子15の間には、第1電力端子14が位置する。2つの第2電力端子15はそれぞれ、
図18に示すように、第1方向xにおいて、第1搭載部1121および第2搭載部1122に対して第1電力端子14と同じ側に位置する。2つの第2電力端子15はそれぞれ、第1搭載部1121および第2搭載部1122から離れている。2つの第2電力端子15はそれぞれ、第1方向xに延びており、封止部50から第1方向xの一方側(x1側)に突き出る。
図17および
図21に示すように、2つの第2電力端子15はそれぞれ、封止部50に覆われた部分と封止部50から露出する部分とを含む。各第2電力端子15において、封止部50に覆われた部分に、第2導通部材32が接合される。また、各第2電力端子15において、封止部50から露出する部分が、各半導体モジュールB1の先述のN端子として用いられる。
【0060】
2つの第3電力端子16はそれぞれ、
図18および
図21に示すように、第2搭載部1122に接合される。この接合は、何ら限定されず、図示しない導電性接合材(たとえばはんだ)による接合でもよいし、レーザ溶接による接合でもよいし、かしめ接合でもよい。2つの第3電力端子16はそれぞれ、第2搭載部1122を介して、複数の第2素子21Bの第1電極211に導通する。また、2つの第3電力端子16はそれぞれ、第2搭載部1122および第1導通部材31を介して、複数の第1素子21Aの第2電極212に導通する。2つの第3電力端子16から、複数の半導体素子21(複数の第1素子21Aおよび複数の第2素子21B)により変換された交流電力が出力される。つまり、2つの第3電力端子16はそれぞれ、当該交流電力の出力端子である。2つの第3電力端子16は、第2方向yにおいて互いに離れている。2つの第3電力端子16はそれぞれ、
図18に示すように、第1方向xにおいて第2搭載部1122を間に挟んで第1搭載部1121とは反対側に位置する。2つの第3電力端子16はそれぞれ、第2搭載部1122から第1方向xの他方側(x2側)に延びており、封止部50から第1方向xの他方側(x2側)に突き出る。
図17および
図21に示すように、2つの第3電力端子16はそれぞれ、封止部50に覆われた部分と封止部50から露出する部分とを含む。各第3電力端子16において、封止部50に覆われた部分が、第2搭載部1122に接合される。また、各第3電力端子16において、封止部50から露出する部分が、各半導体モジュールB1の先述の出力端子として用いられる。
【0061】
一対の制御配線60は、複数の信号端子17と、複数の半導体素子21との導電経路の一部を構成している。
図17、
図18および
図24に示すように、一対の制御配線60は、第1配線601および第2配線602を含む。第1配線601は、第1方向xにおいて、複数の第1素子21Aと、第1電力端子14および2つの第2電力端子15との間に位置する。第1配線601は、
図18および
図24に示すように、第1搭載部1121に接合されている。第2配線602は、第1方向xにおいて、複数の第2素子21Bと、2つの第3電力端子16との間に位置する。第2配線602は、
図18および
図24に示すように、第2搭載部1122に接合されている。一対の制御配線60は、絶縁層61、複数の配線層62、金属層63および複数のスリーブ64を有する。一対の制御配線60は、複数のスリーブ64の各々の一部を除き封止部50に覆われている。以下で説明する絶縁層61、複数の配線層62、金属層63および複数のスリーブ64は、特段の断りがない限り、一対の制御配線60(第1配線601および第2配線602)で共通する。
【0062】
図24に示すように、絶縁層61は、厚さ方向zにおいて複数の配線層62と、金属層63との間に介在する部分を含む。絶縁層61は、たとえばセラミックスからなる。絶縁層61は、セラミックスの他、絶縁樹脂シートからなる構成でもよい。
【0063】
図24に示すように、複数の配線層62は、絶縁層61の厚さ方向zの上方(z1側)に位置する。複数の配線層62の組成は、銅を含む。
図18に示すように、複数の配線層62は、第1配線層621、第2配線層622、第3配線層623、第4配線層624および第5配線層625を含む。
【0064】
図24に示すように、金属層63は、厚さ方向zにおいて絶縁層61を間に挟んで複数の配線層62とは反対側に位置する。金属層63の組成は、銅を含む。第1配線601の金属層63は、図示しない接着層により第1搭載部1121に接合されている。第2配線602の金属層63は、図示しない接着層により第2搭載部1122に接合されている。これらの接着層は、導電性の有無を問わない材料からなる。たとえば、これらの接着層は、はんだである。
【0065】
図24に示すように、複数のスリーブ64の各々は、図示しない導電性接合層(たとえばはんだ)により複数の配線層62のいずれかに接合されている。複数のスリーブ64は、金属などの導電性材料からなる。複数のスリーブ64の各々は、厚さ方向zに沿って延びる筒状である。複数のスリーブ64の一端(厚さ方向zのz2側の端縁)は、複数の配線層62のいずれかに導電接合されている。
図24に示すように、複数のスリーブ64の他端(厚さ方向zのz1側の端縁)は、封止部50から露出している。
【0066】
一対のサーミスタ22の一方は、
図18に示すように、第1配線601の一対の第3配線層623に跨って、これらに導通接合されている。一対のサーミスタ22の他方は、
図18に示すように、第2配線602の一対の第3配線層623に跨って、これらに導通接合されている。一対のサーミスタ22はそれぞれ、たとえばNTC(Negative Temperature Coefficient)サーミスタである。NTCサーミスタは、温度上昇に対して緩やかに抵抗が低下する特性を有する。一対のサーミスタ22はそれぞれ、半導体モジュールB1の温度検出用センサとして用いられる。
【0067】
複数の信号端子17はそれぞれ、
図15および
図24に示すように、厚さ方向zに延びる金属ピンからなる。複数の信号端子17は、封止部50の後述する頂面51から突出している。複数の信号端子17は、一対の制御配線60の複数のスリーブ64に個別に圧入されている。これにより、複数の信号端子17の各々は、複数のスリーブ64のいずれかに支持され、且つ、複数の配線層62のいずれに導通する。複数の信号端子17は、第1信号端子171、第2信号端子172、第3信号端子173、第4信号端子174、一対の第5信号端子181、一対の第6信号端子182および第7信号端子19を含む。これらの第1信号端子171、第2信号端子172、第3信号端子173、第4信号端子174、一対の第5信号端子181、一対の第6信号端子182および第7信号端子19は、制御基板E1に挿通され、当該制御基板E1に各信号を入力または出力する。
【0068】
第1信号端子171は、複数のスリーブ64のうち、第1配線601の第1配線層621に接合されたスリーブ64に圧入されている。これにより、第1信号端子171は、当該スリーブ64に支持されるとともに、第1配線601の第1配線層621に導通している。さらに、第1信号端子171は、複数の第1素子21Aの第3電極213に導通している。第1信号端子171には、複数の第1素子21Aが駆動するためのゲート電圧が印加される。
【0069】
第2信号端子172は、複数のスリーブ64のうち、第2配線602の第1配線層621に接合されたスリーブ64に圧入されている。これにより、第2信号端子172は、当該スリーブ64に支持されるとともに、第2配線602の第1配線層621に導通している。さらに、第2信号端子172は、複数の第2素子21Bの第3電極213に導通している。第2信号端子172には、複数の第2素子21Bが駆動するためのゲート電圧が印加される。
【0070】
第3信号端子173は、
図18に示すように、第2方向yにおいて第1信号端子171の隣に位置する。第3信号端子173は、複数のスリーブ64のうち、第1配線601の第2配線層622に接合されたスリーブ64に圧入されている。これにより、第3信号端子173は、当該スリーブ64に支持されるとともに、第1配線601の第2配線層622に導通している。さらに、第3信号端子173は、複数の第1素子21Aの第4電極214に導通している。第3信号端子173には、複数の第1素子21Aの各々の第4電極214に流れる電流のうち最大となる電流に対応した電圧が印加される。
【0071】
第4信号端子174は、
図8に示すように、第2方向yにおいて第2信号端子172の隣に位置する。第4信号端子174は、複数のスリーブ64のうち、第2配線602の第2配線層622に接合されたスリーブ64に圧入されている。これにより、第4信号端子174は、当該スリーブ64に支持されるとともに、第2配線602の第2配線層622に導通している。さらに第4信号端子174は、複数の第2素子21Bの第4電極214に導通している。第4信号端子174には、複数の第2素子21Bの各々の第4電極214に流れる電流のうち最大となる電流に対応した電圧が印加される。
【0072】
一対の第5信号端子181は、
図18に示すように、第2方向yにおいて、第1信号端子171を挟んで第3信号端子173とは反対側に位置する。一対の第5信号端子181は、第2方向yにおいて互いに隣り合っている。一対の第5信号端子181は、第1配線601の一対の第3配線層623にそれぞれ接合された一対のスリーブ64に個別に圧入されている。これにより、一対の第5信号端子181は、当該一対のスリーブ64に個別に支持されるとともに、第1配線601の一対の第3配線層623に個別に導通している。さらに、一対の第5信号端子181は、第1配線601上のサーミスタ22に導通している。
【0073】
一対の第6信号端子182は、
図18に示すように、第2方向yにおいて、第2信号端子172を挟んで第4信号端子174とは反対側に位置する。一対の第6信号端子182は、第2方向yにおいて互いに隣り合っている。一対の第6信号端子182は、第2配線602の一対の第3配線層623にそれぞれ接合された一対のスリーブ64に個別に圧入されている。これにより、一対の第6信号端子182は、当該一対のスリーブ64に個別に支持されるとともに、第2配線602の一対の第3配線層623に個別に導通している。さらに、一対の第6信号端子182は、第2配線602上のサーミスタ22に導通している。
【0074】
第7信号端子19は、
図18に示すように、第2方向yにおいて、第3信号端子173を間に挟んで第1信号端子171とは反対側に位置する。第7信号端子19は、第1配線601の第5配線層625に接合されたスリーブ64に圧入されている。これにより、第7信号端子19は、当該スリーブ64に支持されるとともに、第1配線601の第5配線層625に導通している。さらに、第7信号端子19は、第1搭載部1121に導通している。第7信号端子19には、第1電力端子14に入力された直流電力に相当する電圧が印加される。
【0075】
複数の第1ワイヤ41、複数の第2ワイヤ42、複数の第3ワイヤ43および第4ワイヤ44はそれぞれ、互いに離間する部位間を電気的に接続する。複数の第1ワイヤ41、複数の第2ワイヤ42、複数の第3ワイヤ43および第4ワイヤ44はそれぞれ、ボンディングワイヤである。なお、
図17および
図21~
図24においては、複数の第1ワイヤ41、複数の第2ワイヤ42、複数の第3ワイヤ43および第4ワイヤ44を省略する。
【0076】
複数の第1ワイヤ41のいくつかは、
図18に示すように、複数の第1素子21Aの第3電極213と、第1配線601の第4配線層624とに導通接合されている。複数の第3ワイヤ43のいくつかは、
図18に示すように、第1配線601の第4配線層624と、第1配線601の第1配線層621とに導通接合されている。これにより、第1信号端子171は、複数の第1素子21Aの第3電極213に導通している。複数の第1ワイヤ41、および複数の第3ワイヤ43の組成は、金(Au)を含む。この他、複数の第1ワイヤ41、および複数の第3ワイヤ43の組成は、銅を含む場合や、アルミニウムを含む場合でもよい。
【0077】
さらに複数の第1ワイヤ41のいくつかは、
図18に示すように、複数の第2素子21Bの第3電極213と、第2配線602の第4配線層624とに導電接合されている。さらに複数の第3ワイヤ43のいくつかは、
図18に示すように第2配線602の第4配線層624と、第2配線602の第1配線層621とに導電接合されている。これにより、第2信号端子172は、複数の第2素子21Bの第3電極213に導通している。
【0078】
複数の第2ワイヤ42のいくつかは、
図18に示すように、複数の第1素子21Aの2つの第4電極214のいずれかと、第1配線601の第2配線層622とに導電接合されている。これにより、第3信号端子173は、複数の第1素子21Aの2つの第4電極214のいずれかに導通している。さらに複数の第2ワイヤ42のいくつかは、
図18に示すように、複数の第2素子21Bの2つの第4電極214のいずれかと、第2配線602の第2配線層622とに導電接合されている。これにより、第4信号端子174は、複数の第2素子21Bの2つの第4電極214のいずれかに導通している。複数の第2ワイヤ42の組成は、金を含む。この他、複数の第2ワイヤ42の組成は、銅を含む場合や、アルミニウムを含む場合でもよい。なお、各半導体素子21(複数の第1素子21Aおよび複数の第2素子21Bの各々)が、2つの第4電極214のいずれも含んでいない場合、複数の第2ワイヤ42は、複数の半導体素子21の第2電極212にそれぞれ1つずつ接合される。
【0079】
第4ワイヤ44は、
図18に示すように、第1配線601の第5配線層625と、第1搭載部1121とに導電接合されている。これにより、第7信号端子19は、第1搭載部1121を介して、複数の第1素子21Aの第1電極211に導通している。第4ワイヤ44の組成は、金を含む。この他、第4ワイヤ44の組成は、銅を含む場合や、アルミニウムを含む場合でもよい。
【0080】
第1導通部材31は、
図18および
図21に示すように、複数の第1素子21Aの第2電極212と、第2搭載部1122とに導電接合されている。これにより、複数の第1素子21Aの第2電極212は、第2搭載部1122に導通している。第1導通部材31の組成は、銅を含む。第1導通部材31は、金属クリップである。
図18および
図21に示すように、第1導通部材31は、本体部311、複数の第1接合部312および複数の第2接合部313を有する。
【0081】
本体部311は、第1導通部材31の主要部をなしている。
図18に示すように、本体部311は、第1方向xに延びている。
図18および
図21に示すように、本体部311は、第1搭載部1121と第2搭載部1122との間を跨いでいる。
図18に示す例では、本体部311には、複数の貫通孔が形成されている。複数の貫通孔はそれぞれ、本体部311を厚さ方向zに貫通する。複数の貫通孔は、平面視において、第1搭載部1121と第2搭載部1122との間に重なる。これにより、封止部50の形成時において、本体部311の厚さ方向z下方(厚さ方向zのz2側)への封止部50の流入が良好となる。
【0082】
図18、
図21および
図22に示すように、複数の第1接合部312は、複数の第1素子21Aの第2電極212に個別に接合されている。複数の第1接合部312の各々は、複数の第1素子21Aのいずれかの第2電極212に対向している。平面視において、各第1接合部312は、本体部311から第1方向xのx1側に延びる。図示された例において、複数の第1接合部312は、本体部311から二股に分かれているが、二股に分かれていなくてもよい。各第1接合部312の基端(本体部311に繋がる側の端部)は、厚さ方向z下方(厚さ方向zのz2側)に屈曲している。よって、各第1接合部312の先端(本体部311に繋がる側と反対側の端部)は、厚さ方向zにおいて、本体部311よりも厚さ方向z下方(厚さ方向zのz2側)に位置する。
【0083】
図18および
図21に示すように、複数の第2接合部313は、第2搭載部1122に接合されている。複数の第2接合部313の各々は、第2搭載部1122に対向している。平面視において、各第2接合部313は、本体部311から第1方向xのx2側に延びる。各第2接合部313の基端(本体部311に繋がる側の端部)は、厚さ方向z下方(厚さ方向zのz2側)に屈曲している。よって、各第2接合部313の先端(本体部311に繋がる側と反対側の端部)は、厚さ方向zにおいて、本体部311よりも厚さ方向z下方(厚さ方向zのz2側)に位置する。
【0084】
半導体モジュールB1は、
図22に示すように、第1導電接合層33をさらに備える。第1導電接合層33は、複数の第1素子21Aの第2電極212と、複数の第1接合部312との間に介在している。第1導電接合層33は、複数の第1素子21Aの第2電極212と、複数の第1接合部312とを導電接合する。第1導電接合層33は、たとえばはんだである。この他、第1導電接合層33は、金属粒子の焼結体を含むものでもよい。
【0085】
半導体モジュールB1は、
図21に示すように、第2導電接合層34をさらに備える。第2導電接合層34は、第2搭載部1122と、第2接合部313との間に介在している。第2導電接合層34は、第2搭載部1122と第2接合部313とを導電接合する。第2導電接合層34は、たとえばはんだである。この他、第2導電接合層34は、金属粒子の焼結体を含むものでもよい。
【0086】
第2導通部材32は、
図17に示すように、複数の第2素子21Bの第2電極212と、2つの第2電力端子15とに導電接合されている。これにより、複数の第2素子21Bの第2電極212は、2つの第2電力端子15に導通している。第2導通部材32の組成は、銅を含む。第2導通部材32は、金属クリップである。
図17および
図21~
図26に示すように、第2導通部材32は、本体部321、複数の第3接合部322および一対の第4接合部323を含む。
【0087】
本体部321は、第2導通部材32の主要部をなしている。
図21および
図25に示すように、本体部321は、第1搭載部1121の上面および第2搭載部1122の上面に対して平行に配置されている。本体部321は、第1導通部材31の本体部311から離れるとともに、第1搭載部1121および第2搭載部1122から離れている。
【0088】
図17、
図21および
図23に示すように、複数の第3接合部322は、複数の第2素子21Bの第2電極212に個別に接合されている。複数の第3接合部322の各々は、複数の第2素子21Bのいずれかの第2電極212に対向している。平面視において、複数の第3接合部322は、本体部321から第1方向xに延びる。各第3接合部322の基端(本体部321に繋がる側の端部)は、厚さ方向z下方(厚さ方向zのz2側)に屈曲している。よって、各第3接合部322の先端(本体部321に繋がる側と反対側の端部)は、厚さ方向zにおいて、本体部321よりも厚さ方向z下方(厚さ方向zのz2側)に位置する。
【0089】
図17および
図21に示すように、一対の第4接合部323は、2つの第2電力端子15に個別に接合される。一対の第4接合部323の各々は、2つの第2電力端子15の対応する1つに対向している。
【0090】
半導体モジュールB1は、
図23に示すように、第3導電接合層35をさらに備える。第3導電接合層35は、複数の第2素子21Bの第2電極212と、複数の第3接合部322との間に介在している。第3導電接合層35は、複数の第2素子21Bの第2電極212と、複数の第3接合部322とを導電接合する。第3導電接合層35は、たとえばはんだである。この他、第3導電接合層35は、金属粒子の焼結体を含むものでもよい。
【0091】
半導体モジュールB1は、
図21に示すように、第4導電接合層36をさらに備える。第4導電接合層36は、2つの第2電力端子15と一対の第4接合部323との間に介在している。第4導電接合層36は、2つの第2電力端子15と一対の第4接合部323とを導電接合する。第4導電接合層36は、たとえばはんだである。この他、第4導電接合層36は、金属粒子の焼結体を含むものでもよい。
【0092】
封止部50は、
図15~
図26に示すように、複数の半導体素子21、第1導通部材31、第2導通部材32、複数の第1ワイヤ41、複数の第2ワイヤ42、複数の第3ワイヤ43および第4ワイヤ44を覆う。さらに、封止部50は、支持基板11、複数の電力端子13、複数の信号端子17の各々の一部ずつを覆う。封止部50は、電気絶縁性を有する。封止部50は、たとえば黒色のエポキシ樹脂を含む。封止部50は、たとえばモールド成形により形成される。
図15~
図17および
図19~
図26に示すように、封止部50は、頂面51、底面52、複数の樹脂側面53、および一対の凹部55を有する。
【0093】
図21および
図24~
図26に示すように、頂面51は、厚さ方向zにおいて、第1搭載部1121の上面および第2搭載部1122の上面と同じ方向を向く。各半導体モジュールB1の頂面51は、取付部材D1に接する。
図19、
図21および
図24~
図26に示すように、底面52は、厚さ方向zにおいて頂面51とは反対側を向く。
図20、
図21および
図24~
図26に示すように、底面52から支持基板11の第2配線層113が露出している。各半導体モジュールB1の底面52は、取付対象物C1の本体部71に接する。
【0094】
複数の樹脂側面53は、頂面51に繋がる。複数の樹脂側面53は、一対の第1側面531および一対の第2側面532を含む。
【0095】
図16、
図17、
図19~
図21および
図24に示すように、一対の第1側面531は、第1方向xにおいて互いに離れて位置する。一対の第1側面531は、第1方向xにおいて互いに反対側を向き、かつ第2方向yに延びている。一対の第1側面531は、頂面51に繋がっている。一対の第1側面531のうちの第1方向xのx1側の第1側面531から、第1電力端子14および2つの第2電力端子15がそれぞれ突き出る。一対の第1側面531のうちの第1方向xのx2側の第1側面531から、2つの第3電力端子16がそれぞれ突き出る。
【0096】
図16、
図17、
図20、
図25および
図26に示すように、一対の第2側面532は、第2方向yにおいて互いに離れて位置する。一対の第2側面532は、第2方向yにおいて互いに反対側を向き、かつ第1方向xに延びている。一対の第2側面532は、頂面51および底面52に繋がっている。
【0097】
図16、
図17および
図20に示すように、一対の凹部55は、一対の第1側面531のうちの第1方向xのx1側の第1側面531から第1方向xに向けて凹んでいる。一対の凹部55は、厚さ方向zにおいて頂面51から底面52に至っている。一対の凹部55は、第1電力端子14の第2方向yの両側に位置する。
【0098】
以上で説明した半導体モジュールB1の具体的な構成は、一例であって、上記した例に限定されない。たとえば、複数の信号端子17の数、または、各信号端子17が入出力する信号、複数の半導体素子21の数、第1配線601および第2配線602の構成などは、適宜変更されうる。また、支持基板11は、第1配線層112(第1搭載部1121および第2搭載部1122のそれぞれ)上に導電性の板状部材が接合されていてもよい。この場合、当該導電性の板状部材に複数の半導体素子21(複数の第1素子21Aおよび複数の第2素子21Bのそれぞれ)および一対の制御配線60などが搭載される。
【0099】
次に、
図27に基づき、電力変換ユニットA10を備える車両Vについて説明する。車両Vは、たとえば電気自動車(EV:Electric Vehicle)である。
【0100】
図27に示すように、車両Vは、車載充電器v1、蓄電池v2および駆動系統v3を備える。車載充電器v1には、屋外に設置された給電施設(図示略)から無線により電力が供給される。この他、給電施設から車載充電器v1への電力の供給手段は、有線でもよい。車載充電器v1には、昇圧型のDC-DCコンバータが構成されている。車載充電器v1に供給された電力の電圧は、当該コンバータにより昇圧された後、蓄電池v2に給電される。昇圧された電圧は、たとえば600Vである。
【0101】
駆動系統v3は、車両Vを駆動する。駆動系統v3は、インバータv31および駆動源v32を有する。上記電力変換ユニットA10は、インバータv31の一部を構成する。蓄電池v2に蓄えられた電力は、インバータv31に給電される。蓄電池v2からインバータv31に給電される電力は、直流電力である。この他、
図27に示す電力系統とは異なり、蓄電池v2とインバータv31との間に昇圧型のDC-DCコンバータをさらに設けてもよい。インバータv31は、直流電力を交流電力に変換する。インバータv31は、駆動源v32に導通している。蓄電池v2から給電される直流電力は、電力変換ユニットA10で交流電力に変換される。駆動源v32は、交流モータおよび変速機を有する。インバータv31によって変換された交流電力が駆動源v32に供給されると、交流モータが回転するとともに、その回転が変速機に伝達される。変速機は、交流モータから伝達された回転数を適宜減じた上で、車両Vの駆動軸を回転させる。これにより、車両Vが駆動する。車両Vの駆動にあたっては、アクセルペダルの変動量などの情報に基づき交流モータの回転数を自在に操作する必要がある。そこで、インバータv31における電力変換ユニットA10は、要求される交流モータの回転数に対応させるべく、周波数が適宜変化された交流電力を出力するために必要である。
【0102】
電力変換ユニットA10および車両Vの作用および効果は、次の通りである。
【0103】
電力変換ユニットA10では、磁気シールド部材F1は、各半導体モジュールB1から制御基板E1を見て、制御基板E1に重なる。または、磁気シールド部材F1は、各半導体モジュールB1と制御基板E1との間に配置されている。この構成によれば、各半導体モジュールB1の半導体素子21から電磁ノイズが発せられても、当該電磁ノイズは、磁気シールド部材F1によって遮蔽される。したがって、電力変換ユニットA10は、制御基板E1への電磁ノイズの影響を低減できる。また、磁気シールド部材F1により、電磁ノイズを遮蔽できるので、各半導体モジュールB1と制御基板E1との距離を大きくする必要がない。したがって、電力変換ユニットA10は、大型化を抑制できる。
【0104】
電力変換ユニットA10では、複数の個別シールド部材F11,F12,F13の各々(磁気シールド部材F1)は、平面視において、対応する半導体モジュールB1の複数の半導体素子21に重なる。この構成によれば、電磁ノイズの発生源である複数の半導体素子21に対して、制御基板E1との間に、磁気シールド部材F1が介在する。したがって、電力変換ユニットA10は、制御基板E1への電磁の影響を低減する効果を高めることができる。
【0105】
電力変換ユニットA10は、取付対象物C1および取付部材D1を備える。取付部材D1は、各半導体モジュールB1を取付対象物C1に押し付け、且つ、半導体モジュールB1を取付対象物C1に固定する。この構成によれば、取付部材D1によって、取付対象物C1と各半導体モジュールB1との間に隙間が生じることを抑制できる。したがって、電力変換ユニットA10は、放熱性の低下を抑制することが可能である。特に、電力変換ユニットA10では、1つの取付部材D1によって、複数の半導体モジュールB1に押圧力を加える。この構成では、半導体モジュールB1ごとに取付部材を個別に取り付ける場合よりも、第2方向yに隣り合う2つの半導体モジュールB1同士の距離を小さくすることが可能となる。つまり、電力変換ユニットA10は、放熱性の低下を抑制しつつ、平面視面積の縮小化を図ることができる。
【0106】
電力変換ユニットA10では、磁気シールド部材F1の厚さは、取付部材D1の厚さよりも大きい。この構成によれば、磁気シールド部材F1の厚さを適度に確保することができるので、磁気シールド部材F1の電磁ノイズを十分に遮蔽することが可能となる。したがって、電力変換ユニットA10は、制御基板E1への電磁ノイズの影響を抑制する上で好ましい。
【0107】
電力変換ユニットA10では、磁気シールド部材F1(各個別シールド部材F11,F12,F13)は、取付部材D1に貼り付けられている。この構成によれば、磁気シールド部材F1を、取付部材D1に容易に取り付けることができる。
【0108】
電力変換ユニットA10では、磁気シールド部材F1は、各半導体モジュールB1、取付対象物C1および取付部材D1のいずれかからも電気的に絶縁されている。この構成によれば、磁気シールド部材F1が、電磁ノイズを遮蔽する効果を高めることができる。
【0109】
電力変換ユニットA10では、取付部材D1の固定部82は、取付対象物C1の本体部71に取り付けられており、取付部材D1の押圧部81は、半導体モジュールB1の封止部50の上面に接する。この構成では、取付部材D1は、各半導体モジュールB1に対して、当該半導体モジュールB1の第2方向yのy1側の固定部82から封止部50に沿って厚さ方向z上方に屈曲して押圧部81に繋がる。また、押圧部81から封止部50に沿って厚さ方向z下方に屈曲して第2方向yのy2側の固定部82に繋がる。したがって、各半導体モジュールB1の封止部50は、第2方向yの側面が取付部材D1に囲まれた状態となる。つまり、電力変換ユニットA10は、各半導体モジュールB1の第2方向yへの位置ずれを制限することができる。
【0110】
電力変換ユニットA10では、取付対象物C1は、本体部71から厚さ方向z上方に突き出た複数の台座部72を含む。複数の台座部72の各々は、制御基板E1を保持する。この構成によれば、複数の半導体モジュールB1の各封止部50から厚さ方向zに一定の距離を空けて、制御基板E1を配置することができる。したがって、各信号端子17の膨出部170Aと各スルーホール911との厚さ方向zの位置ずれを抑制できるので、電力変換ユニットA10は、各信号端子17と制御基板E1との導通不良を抑制できる。
【0111】
電力変換ユニットA10では、各半導体モジュールB1の封止部50に、当該半導体モジュールB1を取付対象物C1に取り付けるための貫通孔などが形成されていない。当該貫通孔を封止部50に設けるには、封止部50の平面視面積を拡張する必要がある。この場合、半導体モジュールB1の平面視面積を拡大させることになり、電力変換ユニットA10の小型化が困難である。一方で、電力変換ユニットA10では、取付部材D1により各半導体モジュールB1を取付対象物C1に取り付けることが可能であるので、先述の通り、各半導体モジュールB1には取付対象物C1に取り付けるための貫通孔などを形成する必要がない。したがって、各半導体モジュールB1において封止部50の平面視面積を極力小さくすることが可能であるので、電力変換ユニットA10は、平面視面積の縮小化を図ることができる。
【0112】
車両Vは、電力変換ユニットA10を備える。先述の通り、電力変換ユニットA10は、制御基板E1への電磁ノイズの影響を低減できるので、制御基板E1の誤作動などの悪影響を抑制できる。したがって、車両Vは、たとえば制御基板E1の誤作動によってインバータv31および駆動源v32の誤動作を抑制できるので、動作不具合を抑制できる。
【0113】
以下に、本開示の電力変換ユニットの他の実施形態および変形例について、説明する。各実施形態および各変形例における各部の構成は、技術的な矛盾が生じない範囲において相互に組み合わせ可能である。
【0114】
図28~
図30は、第1実施形態の第1変形例にかかる電力変換ユニットA11を示している。電力変換ユニットA11は、電力変換ユニットA10と比較して、各個別シールド部材F11,F12,F13の大きさが異なる。具体的には、各個別シールド部材F11,F12,F13はそれぞれ、対応する押圧部81よりも大きく、平面視において、押圧部81の第1方向xの両端からそれぞれ突き出ている。
【0115】
電力変換ユニットA11では、各個別シールド部材F11,F12,F13は、
図28に示すように、第1方向xにおいて、対応する半導体モジュールB1の複数の信号端子17の両外側までそれぞれ延びる。そのため、各個別シールド部材F11,F12,F13はそれぞれ、
図30に示すように、複数の貫通孔991を含む。複数の貫通孔991はそれぞれ、各個別シールド部材F11,F12,F13において、厚さ方向zに貫通する。複数の貫通孔991には、対応する半導体モジュールB1の複数の信号端子17のいずれかがそれぞれ個別に挿通される。
図30に示すように、各信号端子17は、対応する貫通孔991の内面に接していない。つまり、各信号端子17は、対応する貫通孔991の内面から離れている。このため、各信号端子17と磁気シールド部材F1(各個別シールド部材F11,F12,F13)とは、電気的に絶縁されている。
【0116】
図30に示すように、各個別シールド部材F11,F12,F13はそれぞれ、複数の絶縁材992を含む。複数の絶縁材992はそれぞれ、各信号端子17と、当該信号端子17が挿通される貫通孔991の内面との間に充填される。この構成により、各信号端子17と磁気シールド部材F1(各個別シールド部材F11,F12,F13)との電気的な絶縁がより強固となる。なお、各信号端子17と、対応する貫通孔991の内面との間隔を、電気的に絶縁する上で、十分に確保できる場合には、各個別シールド部材F11,F12,F13はそれぞれ、複数の絶縁材992を含んでいなくてもよい。
【0117】
電力変換ユニットA11では、電力変換ユニットA10と同様に、磁気シールド部材F1が、各半導体モジュールB1から制御基板E1を見て、制御基板E1に重なり、且つ、各半導体モジュールB1と制御基板E1との間に配置されている。したがって、電力変換ユニットA11は、電力変換ユニットA10と同様に、制御基板E1への電磁ノイズの影響を低減できる。その他、電力変換ユニットA11は、電力変換ユニットA10と共通する構成により、電力変換ユニットA10と同様の効果を奏する。
【0118】
電力変換ユニットA11では、電力変換ユニットA10と比較して、磁気シールド部材F1(各個別シールド部材F11,F12,F13)の面積が大きい。このため、各半導体モジュールB1から制御基板E1を見て、制御基板E1に重なる磁気シールド部材F1の面積が大きくなる。したがって、電力変換ユニットA11は、電力変換ユニットA10よりも、制御基板E1への電磁ノイズの影響をさらに低減できる。
【0119】
図31は、第1実施形態の第2変形例にかかる電力変換ユニットA12を示している。電力変換ユニットA12は、電力変換ユニットA10と比較して、磁気シールド部材F1が取付部材D1の各押圧部81と各半導体モジュールB1の封止部50との間に配置されている点で異なる。
【0120】
電力変換ユニットA12では、
図31に示すように、磁気シールド部材F1(各個別シールド部材F11,F12,F13)は、取付部材D1によって、複数の半導体モジュールB1に押し付けれている。この構成では、磁気シールド部材F1(各個別シールド部材F11,F12,F13)の位置ズレを抑制される。なお、電力変換ユニットA12の各絶縁体990は、取付部材D1と磁気シールド部材F1とを絶縁するため、磁気シールド部材F1よりも厚さ方向zのz2側に配置されている。
【0121】
電力変換ユニットA12では、各電力変換ユニットA10,A11と同様に、磁気シールド部材F1が、各半導体モジュールB1から制御基板E1を見て、制御基板E1に重なり、且つ、各半導体モジュールB1と制御基板E1との間に配置されている。したがって、電力変換ユニットA12は、各電力変換ユニットA10,A11と同様に、制御基板E1への電磁ノイズの影響を低減できる。その他、電力変換ユニットA12は、電力変換ユニットA10,A11と共通する構成により、当該電力変換ユニットA10,A11と同様の効果を奏する。
【0122】
図32および
図33は、第2実施形態にかかる電力変換ユニットA20を示している。電力変換ユニットA20は、電力変換ユニットA10と比較して、磁気シールド部材F1が複数の個別シールド部材F11,F12,F13に分離されていない点で異なる。
【0123】
図32に示すように、電力変換ユニットA20の磁気シールド部材F1は、制御基板E1から磁気シールド部材F1を見た時、複数の半導体モジュールB1の全てに重なっている。また、
図33に示すように、磁気シールド部材F1は、取付部材D1の各押圧部81に貼り付けられているのではなく、互いに隣接する押圧部81と固定部82との間の屈曲した部分に、各絶縁体990を介して、貼り付けられている。
【0124】
電力変換ユニットA20では、電力変換ユニットA10と同様に、磁気シールド部材F1が、各半導体モジュールB1から制御基板E1を見て、制御基板E1に重なり、且つ、各半導体モジュールB1と制御基板E1との間に配置されている。したがって、電力変換ユニットA20は、電力変換ユニットA10と同様に、制御基板E1への電磁ノイズの影響を低減できる。その他、電力変換ユニットA20は、電力変換ユニットA10と共通する構成により、電力変換ユニットA10と同様の効果を奏する。また、電力変換ユニットA20から理解されるように、本開示の電力変換ユニットにおいて、磁気シールド部材F1は、電力変換ユニットA10のように、複数の半導体モジュールB1に対して、互いに分離された複数の部材(複数の個別シールド部材F11,F12,F13)で構成されるものに限定されず、電力変換ユニットA20のように、複数の半導体モジュールB1に対して、1つの部材で構成されたものを含む。
【0125】
図34は、第2実施形態の変形例にかかる電力変換ユニットA21を示している。電力変換ユニットA21は、電力変換ユニットA20と比較して、磁気シールド部材F1が取付部材D1に貼り付けられていない点で異なる。
【0126】
図34に示すように、電力変換ユニットA21は、複数の支柱995を備える。複数の支柱995は、磁気シールド部材F1を支持する。複数の支柱995は、たとえば、取付対象物C1の本体部71に固定され、厚さ方向zに延びる。複数の支柱995はそれぞれ、絶縁材料を含み、電気絶縁性である。なお、取付対象物C1の電位と磁気シールド部材F1の電位とを同じにする場合には、複数の支柱995はそれぞれ、導電性材料であってもよい。電力変換ユニットA21では、
図34に示すように、複数の支柱995によって磁気シールド部材F1が取付部材D1に対して所定の間隔を空けて配置されているので、複数の絶縁体990はなくてもよい。
【0127】
電力変換ユニットA21では、電力変換ユニットA20と同様に、磁気シールド部材F1が、各半導体モジュールB1から制御基板E1を見て、制御基板E1に重なり、且つ、各半導体モジュールB1と制御基板E1との間に配置されている。したがって、電力変換ユニットA21は、電力変換ユニットA20と同様に、制御基板E1への電磁ノイズの影響を低減できる。その他、電力変換ユニットA21は、電力変換ユニットA20と共通する構成により、電力変換ユニットA20と同様の効果を奏する。
【0128】
なお、本変形例(電力変換ユニットA21)のように、磁気シールド部材F1が、複数の支柱995によって支持される構成は、磁気シールド部材F1が、複数の個別シールド部材F11,F12,F13に分離された構成であっても同様に適用可能である。この場合、複数の個別シールド部材F11,F12,F13がそれぞれ、複数の支柱995に支持される。
【0129】
図35および
図36は、第3実施形態にかかる電力変換ユニットA30を示している。電力変換ユニットA30は、電力変換ユニットA10と比較して、次の点で異なる。それは、電力変換ユニットA30の制御基板E1は、複数の個別基板E11,E12,E13に分離されている点である。
【0130】
図35および
図36に示すように、個別基板E11は、第1モジュールB11の厚さ方向zのz2側に配置される。個別基板E11には、第1モジュールB11の複数の信号端子17が挿通される。個別基板E11には、第1モジュールB11の複数の半導体素子21の駆動を制御する制御回路が形成されている。個別基板E11の制御回路は、第1モジュールB11の信号端子17を介して、第1モジュールB11の複数の半導体素子21に導通する。つまり、個別基板E11の制御回路は、第1モジュールB11の複数の半導体素子21の駆動を制御する。
【0131】
図35および
図36に示すように、個別基板E12は、第2モジュールB12の厚さ方向zのz2側に配置される。個別基板E12には、第2モジュールB12の複数の信号端子17が挿通される。個別基板E12には、第2モジュールB12の複数の半導体素子21の駆動を制御する制御回路が形成されている。個別基板E12の制御回路は、第2モジュールB12の信号端子17を介して、第2モジュールB12の複数の半導体素子21に導通する。つまり、個別基板E12の制御回路は、第2モジュールB12の複数の半導体素子21の駆動を制御する。
【0132】
図35および
図36に示すように、個別基板E13は、第3モジュールB13の厚さ方向zのz2側に配置される。個別基板E13には、第3モジュールB13の複数の信号端子17が挿通される。個別基板E13には、第3モジュールB13の複数の半導体素子21を制御する制御回路が形成されている。個別基板E13の制御回路は、第3モジュールB13の信号端子17を介して、第3モジュールB13の複数の半導体素子21に導通する。つまり、個別基板E13の制御回路は、第3モジュールB13の複数の半導体素子21の駆動を制御する。
【0133】
電力変換ユニットA30では、各電力変換ユニットA10,A20と同様に、磁気シールド部材F1が、各半導体モジュールB1から制御基板E1を見て、制御基板E1に重なり、且つ、各半導体モジュールB1と制御基板E1との間に配置されている。したがって、電力変換ユニットA30は、各電力変換ユニットA10,A20と同様に、制御基板E1への電磁ノイズの影響を低減できる。その他、電力変換ユニットA30は、電力変換ユニットA10,A20と共通する構成により、当該電力変換ユニットA10,A20と同様の効果を奏する。また、電力変換ユニットA30から理解されるように、本開示の電力変換ユニットにおいては、電力変換ユニットA10のように、1つの制御基板E1によって各半導体モジュールB1を一括して制御する構成に限定されず、電力変換ユニットA30のように、複数の半導体モジュールB1に対してそれぞれ個別に設けた複数の基板(個別基板E11,E12,E13)で各半導体モジュールB1を制御する構成を含む。
【0134】
図37および
図38は、第4実施形態にかかる電力変換ユニットA40を示している。電力変換ユニットA20は、電力変換ユニットA10と比較して、取付部材D1の構成で異なる。具体的には、電力変換ユニットA40の取付部材D1では、その全体が各半導体モジュールB1の封止部50よりも厚さ方向zのz1側に位置する。
【0135】
取付部材D1は、各固定部82(各両端配置部821および各中間配置部822)は、複数の台座部72のうちの対応する1つに固定される。このとき、各固定部82は、対応する台座部72の第1部721と第2部722とに挟持される。
【0136】
図示された例では、各固定部82は、平面視において、第1方向xを長手方向とする帯状である。各固定部82の第1方向xの寸法は、押圧部81の第1方向xの寸法よりも大きい。各固定部82には、2つの貫通孔851が形成されている。当該2つの貫通孔851はそれぞれ、平面視において、複数の台座部72のうちの対応する1つに重なる。各貫通孔851には、取付孔951とともに、台座部72の第2部722が挿通される。
【0137】
また、電力変換ユニットA40では、複数の固定部82のうちの各両端配置部821には、貫通孔852が形成されてる。各両端配置部821において、貫通孔852には、位置決め孔952とともに、位置決め部73がそれぞれ挿通される。
【0138】
電力変換ユニットA40の取付部材D1は、各半導体モジュールB1に対して、当該半導体モジュールB1の第2方向yのy1側の固定部82から厚さ方向z下方に屈曲して押圧部81に繋がる。また、押圧部81から厚さ方向z上方に屈曲して第2方向yのy2側の固定部82に繋がる。第2方向yに隣接する押圧部81と固定部82とを繋ぐ部分は、x-y平面に対して傾斜する。
【0139】
電力変換ユニットA40では、各電力変換ユニットA10,A20,A30と同様に、磁気シールド部材F1が、各半導体モジュールB1から制御基板E1を見て、制御基板E1に重なり、且つ、各半導体モジュールB1と制御基板E1との間に配置されている。したがって、電力変換ユニットA40は、各電力変換ユニットA10,A20,A30と同様に、制御基板E1への電磁ノイズの影響を低減できる。その他、電力変換ユニットA40は、電力変換ユニットA10,A20,A30と共通する構成により、当該電力変換ユニットA10,A20,A30と同様の効果を奏する。また、電力変換ユニットA40から理解されるように、本開示の電力変換ユニットにおいて、取付部材D1は、各半導体モジュールB1を取付対象物C1に固定するものであれば、その構成は、何ら限定されない。たとえば、取付部材D1は、複数の半導体モジュールB1を一括して固定するものに限定されず、複数の取付部材D1が、複数の半導体モジュールB1をそれぞれ個別に固定してもよい。
【0140】
図39は、第5実施形態にかかる電力変換ユニットA50を示している。電力変換ユニットA50は、電力変換ユニットA10と比較して、次の点で異なる。それは、電力変換ユニットA50では、磁気シールド部材F1により、複数の半導体モジュールB1が固定されている。
【0141】
図39に示すように、電力変換ユニットA50の磁気シールド部材F1は、電力変換ユニットA10の取付部材D1と同じ形状である。換言すれば、取付部材D1の材料が、磁気シールド部材F1の材料で構成されている。
【0142】
電力変換ユニットA50では、各電力変換ユニットA10,A20,A30,A40と同様に、磁気シールド部材F1が、各半導体モジュールB1から制御基板E1を見て、制御基板E1に重なり、且つ、各半導体モジュールB1と制御基板E1との間に配置されている。したがって、電力変換ユニットA50は、各電力変換ユニットA10,A20,A30,A40と同様に、制御基板E1への電磁ノイズの影響を低減できる。その他、電力変換ユニットA50は、電力変換ユニットA10,A20,A30,A40と共通する構成により、当該電力変換ユニットA10,A20,A30,A40と同様の効果を奏する。
【0143】
電力変換ユニットA50では、各半導体モジュールB1は、磁気シールド部材F1によって、取付対象物C1に固定されている。この構成によれば、磁気シールド部材F1とは別に取付部材D1を設ける必要がないので、製造効率の向上および製造コストの低減が可能となる。
【0144】
上記第1ないし第5実施形態では、各電力変換ユニットA10,A20,A30,A40,A50は、複数の半導体モジュールB1を備える例を示したが、本開示の電力変換ユニットは、1つの半導体モジュールB1を備える構成であってもよい。
【0145】
図40および
図41は、第6実施形態にかかる電力変換ユニットA60を示している。電力変換ユニットA60は、電力変換ユニットA10と比較して、半導体モジュールB1のパッケージ形状が異なる。なお、第6実施形態では、電力変換ユニットA60が、1つの半導体モジュールB1を備える例を示すが、電力変換ユニットA10などと同様に、複数の半導体モジュールB1を備えていてもよい。
【0146】
電力変換ユニットA60の半導体モジュールB1は、複数の信号端子17が、封止部50の頂面51からではなく、封止部50の複数の樹脂側面53のいずれかから突き出ている。図示された例では、複数の信号端子17はそれぞれ、第1方向xに見て、L字状に屈曲している。この例と異なり、複数の信号端子17はそれぞれ、屈曲していなくてもよい。つまり、複数の信号端子17はそれぞれ、第2方向yに延びる棒状であってもよい。
【0147】
図40および
図41に示す構成では、制御基板E1は、平面視において、半導体モジュールB1に重ならない。つまり、本実施形態では、制御基板E1は、x-y平面において、半導体モジュールB1からずれている。この構成においても、磁気シールド部材F1は、第2方向yにおいて、制御基板E1と半導体モジュールB1との間に配置される。本実施形態では、磁気シールド部材F1は、たとえば、x-z平面に平行な板状であり、取付対象物C1に対して、立設されている。なお、図示された例と異なり、磁気シールド部材F1は、x-z平面に平行ではなく、傾斜していてもよい。
【0148】
電力変換ユニットA60では、各電力変換ユニットA10,A20,A30,A40,A50と同様に、磁気シールド部材F1が、各半導体モジュールB1から制御基板E1を見て、制御基板E1に重なり、且つ、各半導体モジュールB1と制御基板E1との間に配置されている。したがって、電力変換ユニットA60は、各電力変換ユニットA10,A20,A30,A40,A50と同様に、制御基板E1への電磁ノイズの影響を低減できる。その他、電力変換ユニットA60は、電力変換ユニットA10,A20,A30,A40,A50と共通する構成により、当該電力変換ユニットA10,A20,A30,A40,A50と同様の効果を奏する。また、電力変換ユニットA60から理解されるように、本開示の電力変換ユニットにおいて、各半導体モジュールB1のパッケージ形状は、何ら限定されず、各半導体モジュールB1のパッケージ形状と、各半導体モジュールB1と制御基板E1との配置に応じて、磁気シールド部材F1は、適宜変更されうる。つまり、本開示の磁気シールド部材F1は、半導体モジュールB1から制御基板E1を見て、制御基板E1に重なるように配置され、且つ、半導体モジュールB1と制御基板E1との間に配置されていれば、その形状、並びに、各半導体モジュールB1および制御基板E1との相対的な位置関係は、何ら限定されない。
【0149】
本開示にかかる電力変換ユニットおよび車両は、上記した実施形態に限定されるものではない。本開示の電力変換ユニットおよび車両の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。たとえば、本開示の電力変換ユニットおよび車両は、以下の付記に関する実施形態を含む。
付記1.
半導体素子と当該半導体素子を覆う封止部とを各々が備える少なくとも1つの半導体モジュールと、
前記少なくとも1つの半導体モジュールの各々の前記半導体素子の駆動を制御する制御回路を含む制御基板と、
磁気シールド部材と、
を備え、
前記磁気シールド部材は、前記少なくとも1つの半導体モジュールから前記制御基板を見て、前記制御基板に重なり、且つ、前記少なくとも1つの半導体モジュールと前記制御基板との間に配置されている、電力変換ユニット。
付記2.
前記少なくとも1つの半導体モジュールを取り付ける取付対象物をさらに備える、付記1に記載の電力変換ユニット。
付記3.
前記磁気シールド部材は、前記少なくとも1つの半導体モジュールを前記取付対象物に押し付け、且つ、前記少なくとも1つの半導体モジュールを前記取付対象物に固定する、付記2に記載の電力変換ユニット。
付記4.
前記少なくとも1つの半導体モジュールを前記取付対象物に押し付け、且つ、前記少なくとも1つの半導体モジュールを前記取付対象物に固定する取付部材をさらに備える、付記2に記載の電力変換ユニット。
付記5.
前記磁気シールド部材は、前記取付部材と前記制御基板との間に配置されている、付記4に記載の電力変換ユニット。
付記6.
前記磁気シールド部材は、前記制御基板、前記少なくとも1つの半導体モジュール、前記取付対象物および前記取付部材のいずれからも、電気的に絶縁されている、付記4または付記5に記載の電力変換ユニット。
付記7.
前記磁気シールド部材の厚さは、前記取付部材の厚さよりも大きい、付記4ないし付記6のいずれかに記載の電力変換ユニット。
付記8.
前記磁気シールド部材は、パーマロイ、鉄、あるいはケイ素銅のいずれかを含む、付記1ないし付記7のいずれかに記載の電力変換ユニット。
付記9.
前記少なくとも1つの半導体モジュールは、複数の半導体モジュールを含む、付記1ないし付記8のいずれかに記載の電力変換ユニット。
付記10.
前記制御基板は、前記複数の半導体モジュールの各々の前記半導体素子に導通する、付記9に記載の電力変換ユニット。
付記11.
前記制御基板は、複数の個別基板に分離されており、
前記複数の個別基板の各々は、前記複数の半導体モジュールに対してそれぞれ個別に設けられ、且つ、前記複数の半導体モジュールのうちの対応する1つが備える前記半導体素子に導通する、付記9に記載の電力変換ユニット。
付記12.
前記制御基板から前記磁気シールド部材を見た時、前記磁気シールド部材は、前記複数の半導体モジュールの全てに重なる、付記9ないし付記11のいずれかに記載の電力変換ユニット。
付記13.
前記磁気シールド部材は、複数の個別シールド部材に分離されており、
前記複数の個別シールド部材の各々は、前記複数の半導体モジュールに対してそれぞれ個別に設けられており、
前記制御基板から前記複数の個別シールド部材の各々を見た時、前記複数の個別シールド部材の各々は、前記複数の半導体モジュールのうちの対応する1つにそれぞれ重なる、付記9ないし付記11のいずれかに記載の電力変換ユニット。
付記14.
前記少なくとも1つの半導体モジュールは、前記封止部から突き出た信号端子を備え、
前記信号端子は、前記制御回路に導通する、付記1ないし付記13のいずれかに記載の電力変換ユニット。
付記15.
前記信号端子は、前記封止部から離れた端部である先端部を含み、
前記制御基板は、前記先端部に取り付けられており、
前記制御回路は、前記信号端子を介して前記半導体素子に導通する、付記14に記載の電力変換ユニット。
付記16.
前記磁気シールド部材には、前記信号端子が挿通される貫通孔を有する、付記14または付記15に記載の電力変換ユニット。
付記17.
前記信号端子は、前記貫通孔の内面から離れており、
前記信号端子と前記貫通孔の内面との間には、絶縁材が充填されている、付記16に記載の電力変換ユニット。
付記18.
前記少なくとも1つの半導体モジュールの前記半導体素子は、ケイ素よりもバンドギャップが大きい半導体材料を含む、付記1ないし付記17のいずれかに記載の電力変換ユニット。
付記19.
付記1ないし付記18のいずれかに記載の電力変換ユニットと、
駆動源と、
を備え、
前記電力変換ユニットは、前記駆動源に導通する、車両。
【符号の説明】
【0150】
A10,A11,A12,A20,A21,A30,A40,A50,A60:電力変換ユニット
B1 :半導体モジュール
B11 :第1モジュール
B12 :第2モジュール
B13 :第3モジュール
C1 :取付対象物
D1 :取付部材
E1 :制御基板
E11,E12,E13:個別基板
F1 :磁気シールド部材
F11,F12,F13:個別シールド部材
V :車両
v1 :車載充電器
v2 :蓄電池
v3 :駆動系統
v31 :インバータ
v32 :駆動源
11 :支持基板
111 :絶縁層
112 :第1配線層
1121 :第1搭載部
1122 :第2搭載部
113 :第2配線層
13 :電力端子
14 :第1電力端子
15 :第2電力端子
16 :第3電力端子
17 :信号端子
170 :先端部
170A :膨出部
171 :第1信号端子
172 :第2信号端子
173 :第3信号端子
174 :第4信号端子
181 :第5信号端子
182 :第6信号端子
19 :第7信号端子
21 :半導体素子
21A :第1素子
21B :第2素子
211 :第1電極
212 :第2電極
213 :第3電極
214 :第4電極
22 :サーミスタ
23 :導電接合層
31 :第1導通部材
311 :本体部
312 :第1接合部
313 :第2接合部
32 :第2導通部材
321 :本体部
322 :第3接合部
323 :第4接合部
33 :第1導電接合層
34 :第2導電接合層
35 :第3導電接合層
36 :第4導電接合層
41 :第1ワイヤ
42 :第2ワイヤ
43 :第3ワイヤ
44 :第4ワイヤ
50 :封止部
51 :頂面
52 :底面
53 :樹脂側面
531 :第1側面
532 :第2側面
55 :凹部
60 :制御配線
601 :第1配線
602 :第2配線
61 :絶縁層
62 :配線層
621 :第1配線層
622 :第2配線層
623 :第3配線層
624 :第4配線層
625 :第5配線層
63 :金属層
64 :スリーブ
71 :本体部
72 :台座部
721 :第1部
722 :第2部
73 :位置決め部
81 :押圧部
82:固定部
821 :両端配置部
822 :中間配置部
851,852:貫通孔
89 :締結具
91 :基材
911 :スルーホール
92 :主部配線
93 :裏部配線
94 :内部配線
951 :取付孔
952 :位置決め孔
990 :絶縁体
991 :貫通孔
992 :絶縁材
995 :支柱