(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157382
(43)【公開日】2024-11-07
(54)【発明の名称】バランスウェイト圧着装置およびバランスウェイト圧着方法
(51)【国際特許分類】
F16F 15/32 20060101AFI20241030BHJP
【FI】
F16F15/32 X
F16F15/32 U
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023071713
(22)【出願日】2023-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】000150729
【氏名又は名称】株式会社長浜製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】霜倉 宜夫
(72)【発明者】
【氏名】稲田 圭志郎
(72)【発明者】
【氏名】菊池 亮介
(72)【発明者】
【氏名】國本 剛広
(57)【要約】
【課題】バランスウェイトをホイールの内周面に安定的に圧着できるバランスウェイト圧着装置およびバランスウェイト圧着方法を提供する。
【解決手段】バランスウェイト貼付圧着装置1は、押圧面22bを有する押圧部材22と、押圧部材22によるバランスウェイトBWの押圧において、押圧面22bからバランスウェイトBWに付与される荷重を押圧力として検出する力覚センサ24と、押圧部材22を駆動する駆動ユニットとを備えている。力覚センサ24による押圧力の検出に基づいて、押圧面22によって、バランスウェイトBWがタイヤ付きホイールHの内周面H4に押し付けられる。これにより、バランスウェイトトWがタイヤ付きホイールHの内周面H4に貼り付けられ、かつ圧着される。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホイールの内周面に貼り付けられるバランスウェイトを前記ホイールの前記内周面に圧着するバランスウェイト圧着装置であって、
前記バランスウェイトを前記ホイールの前記内周面との間で挟んだ状態で、前記バランスウェイトを前記ホイールの前記内周面に押圧するための押圧面を有する押圧部材と、
前記押圧部材による前記バランスウェイトの押圧において、前記押圧面が前記バランスウェイトを押圧する押圧力を検出する押圧力センサと、
前記押圧部材を駆動する駆動ユニットと、
前記駆動ユニットを制御する制御装置とを含み、
前記制御装置が、前記押圧力センサによる前記押圧力の検出に基づいて、前記駆動ユニットを駆動して、前記押圧面によって、前記バランスウェイトを前記ホイールの前記内周面に押圧して、前記バランスウェイトを前記ホイールの前記内周面に圧着する、バランスウェイト圧着装置。
【請求項2】
前記押圧力センサが、前記バランスウェイトを介して前記ホイールの前記内周面から受ける力を検出する力覚センサを含む、請求項1に記載のバランスウェイト圧着装置。
【請求項3】
前記制御装置が、前記バランスウェイトの一部分を、前記押圧面と前記ホイールの前記内周面との間で挟んだ状態で、前記バランスウェイトの前記一部分を前記ホイールの前記内周面に押圧し、かつ前記押圧面が前記バランスウェイトを押圧する押圧力を検出する押圧工程と、前記押圧工程の後、前記押圧面による前記バランスウェイトへの押圧を保ちながら、前記ホイールの前記内周面における前記バランスウェイトを介した前記押圧面による押圧位置を、前記ホイールの周方向に移動させる押圧位置移動工程とを実行する、請求項1に記載のバランスウェイト圧着装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記押圧工程において前記押圧力センサにより検出された前記押圧力が予め定める範囲にある状態にある場合に、前記押圧位置移動工程における前記押圧位置の移動を開始させる、請求項3に記載のバランスウェイト圧着装置。
【請求項5】
前記押圧面が、前記ホイールの内周の半径よりも小径の曲率半径を有し、断面視で円弧状をなす円弧状面であり、
前記駆動ユニットが、前記押圧部材を所定の回動軸線まわりに回動させる回動ユニットと、前記回動軸線を移動させる回動軸線移動ユニットとを含み、
前記制御装置が、前記押圧位置移動工程において、前記回動ユニットによって前記押圧面を前記回動軸線まわりに回動させながら前記回動軸線を前記ホイールの前記内周面に沿って移動させて、前記押圧面による前記押圧位置を前記ホイールの周方向に移動させる工程を実行する、請求項3または4に記載のバランスウェイト圧着装置。
【請求項6】
前記バランスウェイトを前記押圧面に保持する保持ユニットをさらに含み、
前記制御装置が、前記駆動ユニットを駆動して、前記押圧面に保持されている前記バランスウェイトを前記内周面に押し付けることにより、前記バランスウェイトを前記内周面に貼り付け、かつ貼り付けた前記バランスウェイトを前記内周面に圧着する、請求項1または2に記載のバランスウェイト圧着装置。
【請求項7】
ホイールの内周面に貼り付けられるバランスウェイトを前記ホイールの前記内周面との間で挟んだ状態で、前記バランスウェイトを前記ホイールの前記内周面に押圧するための押圧面を有する押圧部材と、前記押圧部材による前記バランスウェイトの押圧において、前記押圧面が前記バランスウェイトを押圧する押圧力を検出する押圧力センサと、前記押圧部材を駆動する駆動ユニットとを含む、バランスウェイト圧着装置を用いて、前記バランスウェイトを前記ホイールの前記内周面に圧着するバランスウェイト圧着方法であって、
前記押圧力センサによる前記押圧力の検出に基づいて、前記駆動ユニットを駆動して、前記押圧面によって、前記バランスウェイトを前記ホイールの前記内周面に押圧して、前記バランスウェイトを前記ホイールの前記内周面に圧着する、バランスウェイト圧着方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、バランスウェイト圧着装置およびバランスウェイト圧着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤが組み付けられたホイールの内周面には、タイヤ付きホイールの回転バランスを調整するための接着式のバランスウェイトが取り付けられることがある。
【0003】
接着後においてホイールからのバランスウェイトの離脱を防止するために、貼り付け後において、バランスウェイトが、リム部の内周面に圧着される。バランスウェイトを圧着するバランスウェイト圧着装置として、ローラを備えるバランスウェイト圧着装置が提案されている(特許文献1)。ローラをホイールのリム部に近づけてバランスウェイトの一部をリム部の内周面に押圧した後に、ローラをホイールのリム部の内周面に沿って回動させる。これにより、バランスウェイトの全てがリム部の内周面に圧着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載のバランスウェイト圧着装置では、押圧部材(ローラ)による押圧の際に、押圧部材の押圧力を管理していない。そのため、バランスウェイトのホイールの内周面への圧着時において、押圧部材の押圧力がホイール毎にばらつくおそれがある。すなわち、バランスウェイトをホイールの内周面に安定的に圧着できないおそれがある。
【0006】
この発明は、このような背景の下になされたものであり、バランスウェイトをホイールの内周面に安定的に圧着できる、バランスウェイト圧着装置およびバランスウェイト圧着方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の一実施形態は、次のような特徴を有するバランスウェイト圧着装置を提供する。
【0008】
1. ホイール(H)の内周面(H4)に貼り付けられるバランスウェイト(BW)を前記ホイールの前記内周面に圧着するバランスウェイト圧着装置(1)であって、
前記バランスウェイトを前記ホイールの前記内周面との間で挟んだ状態で、前記バランスウェイトを前記ホイールの前記内周面に押圧するための押圧面(22b)を有する押圧部材(22)と、
前記押圧部材による前記バランスウェイトの押圧において、前記押圧面が前記バランスウェイトを押圧する押圧力を検出する押圧力センサ(24)と、
前記押圧部材を駆動する駆動ユニット(60,64)と、
前記駆動ユニットを制御する制御装置(65)とを含み、
前記制御装置が、前記押圧力センサによる前記押圧力の検出に基づいて、前記駆動ユニットを駆動して、前記押圧面によって、前記バランスウェイトを前記ホイールの前記内周面に押圧して、前記バランスウェイトを前記ホイールの前記内周面に圧着する、バランスウェイト圧着装置。
【0009】
この構成によれば、押圧力センサが、バランスウェイトの押圧において押圧面がバランスウェイトを押圧する押圧力として検出する。そのため、バランスウェイトを予め定める押圧力で内周面に圧着することが可能である。ゆえに、バランスウェイトをホイールに安定的に圧着できる。
【0010】
2. 前記押圧力センサが、前記バランスウェイトを介して前記ホイールの前記内周面から受ける力を検出する力覚センサ(24)を含む、項1に記載のバランスウェイト圧着装置。
【0011】
この構成によれば、押圧力センサとして力覚センサを用いる。検出したい押圧力は、ホイール径方向成分の力(垂直抗力)である。押圧力センサとして力覚センサを用いるので、ホイール径方向成分の力を良好に検出できる。これにより、バランスウェイトをホイールに安定的に圧着できる。
【0012】
3. 前記制御装置が、前記バランスウェイトの一部分(BWa)を、前記押圧面と前記ホイールの前記内周面との間で挟んだ状態で、前記バランスウェイトの前記一部分を前記ホイールの前記内周面に押圧し、かつ前記押圧面が前記バランスウェイトを押圧する押圧力を検出する押圧工程と、前記押圧工程の後、前記押圧面による前記バランスウェイトへの押圧を保ちながら、前記ホイールの前記内周面における前記バランスウェイトを介した前記押圧面による押圧位置を、前記ホイールの周方向に移動させる押圧位置移動工程とを実行する、項1または項2に記載のバランスウェイト圧着装置。
【0013】
この構成によれば、押圧工程においてバランスウェイトの一部分をホイールの内周面に押圧したときの押圧力が検出される。そして、押圧位置移動工程において、押圧面によるバランスウェイトへの押圧を保ちながら、押圧面による押圧位置がホイールの周方向に移動する。これにより、バランスウェイト全体を、ホイールの内周面に予め定める押圧力で圧着することが可能である。ゆえに、バランスウェイト全体をホイールに安定的に圧着できる。
【0014】
4. 前記制御装置は、前記押圧工程において前記押圧力センサにより検出された前記押圧力が予め定める範囲にある状態にある場合に、前記押圧位置移動工程における前記押圧位置の移動を開始させる、項3に記載のバランスウェイト圧着装置。
【0015】
この構成によれば、押圧力センサにより検出された押圧力が予め定める範囲にある状態にある場合に、押圧位置の移動が開始される。そのため、押圧位置がホイールの周方向に移動する押圧位置移動工程において、押圧面によりバランスウェイトを介して押圧位置を一定の押圧力で押圧することができる。これにより、バランスウェイト全体をホイールの内周面に一定の押圧力で圧着することが可能である。ゆえに、バランスウェイト全体をホイールに安定的に圧着できる。
【0016】
5. 前記押圧面が、前記ホイールの内周の半径よりも小径の曲率半径を有し、断面視で円弧状をなす円弧状面であり、
前記駆動ユニットが、前記押圧部材を所定の回動軸線(A)まわりに回動させる回動ユニット(64)と、前記回動軸線を移動させる回動軸線移動ユニット(60)とを含み、
前記制御装置が、前記押圧位置移動工程において、前記回動ユニットによって前記押圧面を前記回動軸線まわりに回動させながら前記回動軸線を前記ホイールの内周面に沿って移動させて、前記押圧面による前記押圧位置を前記ホイールの周方向に移動させる工程を実行する、項3または項4に記載のバランスウェイト圧着装置。
【0017】
この構成によれば、押圧面が、ホイールの内周の半径よりも小径の曲率半径を有する断面視で円弧状をなす円弧状面である。そして、押圧部材を所定の回動軸線まわりに回動させながら、その回動軸線をホイールの内周面に沿って移動させることにより、押圧面によるバランスウェイトへの押圧を保ちながら、押圧面による押圧位置をホイールの周方向に移動させることができる。
【0018】
押圧面が断面円弧状面を有する場合、押圧部材がローラである場合(特許文献1参照)とは異なり、押圧面の各位置とホイールの内周面における押圧位置とが一対一対応する。そのため、押圧面において寸法精度が低い部分があっても、その部分が、押圧面による圧着に与える影響が少ない。これにより、バランスウェイト全体をホイールの内周面に一定の押圧力で圧着することが可能である。ゆえに、バランスウェイト全体をホイールに安定的に圧着できる。
【0019】
6. 前記バランスウェイトを前記押圧面に保持するバランスウェイト保持ユニット(42)をさらに含み、
前記制御装置が、前記駆動ユニットを駆動して、前記押圧面に保持されている前記バランスウェイトを前記内周面に押し付けることにより、前記バランスウェイトを前記内周面に貼り付け、かつ貼り付けた前記バランスウェイトを前記内周面に圧着する、項1~項5のいずれか一項に記載のバランスウェイト圧着装置。
【0020】
前記バランスウェイト圧着装置が、前記押圧部材および前記押圧力センサを有するハンド(14)と、前記ハンドを支持するアーム(13)とをさらに含んでいてもよい。そして、前記回動ユニットが、前記回動軸線まわりに前記ハンドを回動させるハンド回動ユニット(64)を含み、前記回動軸線移動ユニットが、前記ハンドを前記ホイールの前記内周面に沿って移動させるハンド移動ユニット(60)を含んでいてもよい。
【0021】
この発明の一実施形態は、次のような特徴を有するバランスウェイト圧着方法を提供する。
【0022】
7. ホイール(H)の内周面(H4)に貼り付けられるバランスウェイト(BW)を前記ホイール(H)の前記内周面(H4)との間で挟んだ状態で、前記バランスウェイトを前記ホイールの前記内周面に押圧するための押圧面(22b)を有する押圧部材(22)と、前記押圧部材による前記バランスウェイトの押圧において、前記押圧面が前記バランスウェイトを押圧する押圧力を検出する押圧力センサ(24)と、前記押圧部材を駆動する駆動ユニット(60,64)とを含む、バランスウェイト圧着装置(1)を用いて、前記バランスウェイトを前記ホイールの前記内周面に圧着するバランスウェイト圧着方法であって、
前記押圧力センサによる前記押圧力の検出に基づいて、前記駆動ユニットを駆動して、前記押圧面によって、前記バランスウェイトを前記ホイールの前記内周面に押圧して、前記バランスウェイトを前記ホイールの前記内周面に圧着する、バランスウェイト圧着方法。
【0023】
また、前記において、括弧内の数字等は、後述する実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、この発明の一実施形態に係るバランスウェイト圧着装置の待機時の斜視図である。
【
図2A】
図2Aは、前記バランスウェイト圧着装置の貼付圧着作業の実行時の斜視図である。
【
図2B】
図2Bは、前記バランスウェイト圧着装置の貼付圧着作業の実行時の斜視図である。
【
図3】
図3は、前記バランスウェイト圧着装置のハンドの斜視図である。
【
図6】
図6は、
図5を切断面線VI-VIに沿って切断した要部の断面図である。
【
図7】
図7は、
図6を切断面線VII-VIIに沿って切断した要部の断面図である。
【
図8】
図8(a)は、バランスウェイトを説明するための図である。
図8(b)は、
図8(a)を矢視VIIIBから見た図である。
【
図9】
図9は、前記バランスウェイト圧着装置の電気的構成を説明するためのブロック図である。
【
図10】
図10は、押圧動作前のハンドの状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、この発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0026】
図1は、この発明の一実施形態に係るバランスウェイト圧着貼付装置(バランスウェイト圧着装置)1の待機時の斜視図である。
図2Aおよび
図2Bは、バランスウェイト貼付圧着装置1の貼付圧着作業の実行時の斜視図である。
【0027】
以下では、この発明の実施形態について詳細に説明する。バランスウェイト貼付圧着装置1は、ホイールの一例であるタイヤ付きホイールHの内周面H4(
図2B参照)にバランスウェイトBW(
図8参照)を貼り付け、かつ貼り付けたバランスウェイトBWを内周面H4に圧着する装置である。
【0028】
バランスウェイト貼付圧着装置1は、ベース板2と、タイヤ付きホイールHをベース板2から上方に離れた位置に保持する保持ユニット3と、ベース板2上において保持ユニット3を下方から支持する支持ユニット4と、保持ユニット3に保持されているタイヤ付きホイールHの内周面H4に、バランスウェイトBWを貼り付け、かつ貼り付けたバランスウェイトBWを圧着する貼付圧着ロボット5と、保持ユニット3および貼付圧着ロボット5を含むバランスウェイト貼付圧着装置1の全体の動作を司る制御装置6(
図9参照)とを備えている。
【0029】
床面上において固定されたベース板2は、平面視で長方形状であり、複数の脚部2aを有している。ベース板2の長手方向を前後方向とし、ベース板2の幅方向を左右方向とする。
【0030】
保持ユニット3は、四角枠状の上フレーム9と、上フレーム9に下方から取り付けられた前後一対のクランプ片7とを備えている。ベース板2は、平面視で長方形状である。ベース板2の長手方向が前後方向であり、ベース板2の幅方向が左右方向である。一対のクランプ片7は、それぞれ前後方向にスライド可能に上フレーム9に取り付けられている。一対のクランプ片7は、互いに接近し、タイヤ付きホイールHを挟持する挟持位置と、挟持位置に対し、一対のクランプ片7が互いに離反する挟持解除位置との間で姿勢変更可能である。各クランプ片7は、先端にたとえば2つの接触ローラ7a(
図2B参照)を備えている。各接触ローラ7aは、上下方向に中心軸を有する円柱状をなしている。接触ローラ7aは、その中心軸まわりに回転自在であってもよいし、回転不能であってもよい。
【0031】
保持ユニット3の挟持状態において、タイヤ付きホイールHは、ハブ穴H1が形成されたディスク部H2が、上方を向いた水平姿勢である。この水平姿勢では、円筒状のリム部H3によって囲まれたタイヤ付きホイールHの内側空間H5(
図10等を併せて参照)が下側に開放されている。タイヤ付きホイールHの内周面H4は、リム部H3(
図2B参照)の内周面である。
【0032】
支持ユニット4は、ベース板2上に立設された複数(たとえば4つ)の支持ロッド8を備えている。各支持ロッド8の一端および他端が、それぞれベース板2と上フレーム9とに結合されている。
【0033】
貼付圧着ロボット5は、ベース板2の前辺に配置されている。貼付圧着ロボット5は、保持ユニット3に保持されているタイヤ付きホイールHに対し、バランスウェイトBW(
図8参照)の貼り付け作業および圧着作業を行う。
【0034】
図1~
図2Bに示すように、貼付圧着ロボット5は、ベース板2の上面に配置されたロボット基台11と、ロボット基台11に保持されたロボットアーム(アーム)13と、ロボットアーム13の先端に保持されたハンド14とを備えている。ロボットアーム13は、鉛直軸線まわりの回動が可能に、ロボット基台11に結合されている。
【0035】
図1~
図2Bに示すように、ロボットアーム13は、多関節アームである。ロボットアーム13は、複数のリンクを有している。ロボットアーム13は、多関節アームの先端部に結合されたハンド回動台部18(
図10を併せて参照)を備えている。ハンド14は、ハンド回動台部18に、ロボットアーム13の先端部に沿って延びる回動軸線A(
図3参照)まわりに回動可能に結合されている。
【0036】
図1に示すように、貼付圧着ロボット5は、ハンド移動ユニット(回動軸線移動ユニット、駆動ユニット)60(
図9参照)と、ハンド回動ユニット(回動ユニット、駆動ユニット)64(
図9参照)とをさらに備えている。ハンド移動ユニット60は、ロボットアーム13に結合されている。ハンド移動ユニット60は、複数のモータ等によって構成されている。
【0037】
ハンド回動ユニット64は、ハンド14に結合されている。ハンド回動ユニット64は、モータ等によって構成されている。ハンド回動ユニット64は、ハンド14を、ハンド回動台部18に対し、回動軸線Aまわりに回動させる。
【0038】
次に、ハンド14について説明する。
図3は、バランスウェイト貼付圧着装置1のハンド14の斜視図である。
図4は、ハンド14の分解斜視図である。
図5は、
図3を矢視Vから見た図である。
図6は、
図5を切断面線VI-VIに沿って切断した要部の断面図である。
図7は、
図6を切断面線VII-VIIに沿って切断した要部の断面図である。
【0039】
ハンド14は、バランスウェイトBWをタイヤ付きホイールHの内周面H4に接着させ、かつ接着したバランスウェイトBWを圧着するためのハンドである。この実施形態では、ハンド14は、ハンド回動台部18を介してロボットアーム13に取り付けられている。
【0040】
図3~
図5に示すように、ハンド14は、平面視で扇形の板状のハンド本体21を備えている。ハンド本体21は、いずれも平坦な第1主面21aおよび第2主面21bを有している。第1主面21aは第1方向Z1側の主面であり、第2主面21bは第2方向Z2側の主面である。第1方向Z1および第2方向Z2は、いずれも回動軸線Aの軸方向であるZ方向に含まれる方向であり、互いに反対向きの方向である。
【0041】
図4に示すように、ハンド本体21は、平面視で扇形の内周部31と、平面視円環状の外周部32とを備えている。ハンド本体21の第1主面21aは、外周部32において内周部31よりも第1方向Z1側に突出している。外周部32の厚みは内周部31の厚みよりも大きい。内周部31の各所の厚みは均一である。外周部32の各所の厚みは均一である。
【0042】
図4に示すように、外周部32には、厚み方向に貫通する複数(たとえば5つ)のねじ挿通穴33が、周方向に並んで形成されている。ハンド本体21の内周部31の内周縁31aは、外周部32の外周縁(すなわち、ハンド本体21の外周縁)および内周部31の外周縁に同心の円弧状である。内周部31には、厚み方向に貫通する複数(たとえば4つ)のねじ穴34が、内周縁31aに沿って並んで形成されている。
【0043】
図3および
図4に示すように、ハンド14は、ハンド本体21の外周部32に対し、第1方向Z1側に重ねられた、平面視で円弧状の押圧部材22をさらに備えている。押圧部材22は、断面視で略L字状である。押圧部材22は、平面視で円弧状の内周部35と、平面視で円弧状の外周部36とを備えている。内周部35および外周部36は、径方向に一定の幅を有している。押圧部材22の第1方向Z1側の主面22aは、外周部36において内周部35よりも第1方向Z1側に突出している。外周部36の厚みは内周部35の厚みよりも大きい。内周部35の各所の厚みは均一である。外周部36の各所の厚みは均一である。なお、ハンド本体21と押圧部材22とが、一体に形成されていてもよい。
【0044】
図5~
図7に示すように、押圧部材22は、バランスウェイトBWを押圧するための押圧面22bを備えている。押圧面22bは、この実施形態では、押圧部材22の外周面37である。別の言い方では、押圧面22bは、外周部36の外周面である。外周面37は、回動軸線Aを中心とする円弧状面である。別の言い方では、押圧面22bは、回動軸線Aを中心とする円筒面の周方向の一部である。押圧面22bの曲率半径は、タイヤ付きホイールHのリム部H3の内周(内周面H4)の半径の1/πよりも大きくてもよい。この場合、押圧面22bの各位置とタイヤ付きホイールHの内周面H4における押圧位置HP(
図12~
図15参照)とを、確実に一対一対応させることができる。また、押圧面22bの曲率半径は、タイヤ付きホイールHのリム部H3の内周(内周面H4)の半径の半分よりも大きくてもよい。
【0045】
図5および
図7に示すように、外周部36の内周面39は、回動軸線Aを中心とする円弧状面である。外周部36の内周面39には、周方向に沿って並ぶ多数の内側開口40が形成されている。内側開口40は、丸形開口である。外周部36の内部には、複数の収容溝41が放射状(回動軸線Aを中心とする放射状)に形成されている。複数の収容溝41は、外周部36の内周面39の近傍まで延びている。収容溝41の底溝41aは、薄肉の壁面である。各収容溝41は、断面円形の丸溝である。各収容溝41には、永久磁石42が収容されている。すなわち、複数の収容溝41には、複数の永久磁石42が収容されている。永久磁石42は、たとえばネオジム磁石である。永久磁石42は、円柱状であり、長手方向の両端面42a,42bに、互いに異なる極性の磁極を有している。複数の収容溝41の内周面は、ねじ加工されている。永久磁石42を収容溝41に収容した状態で、止めねじ38を内周面39側から収容溝41に挿し込み、かつ止めねじ38を収容溝41にねじ固定することにより、永久磁石42の抜け止めおよび位置決めが達成されている。止めねじ38は、たとえば六角穴付きの止めねじである。
【0046】
図4に示すように、押圧部材22の内周部35には、厚み方向に貫通する複数(たとえば4つ)のねじ穴43が、周方向に並んで形成されている。ねじN1(
図5参照)が第2方向Z2側から、ハンド本体21のねじ挿通穴33を介して対応するねじ穴43に締結されることにより、ハンド本体21と押圧部材22との結合が達成される。
【0047】
ハンド14は、ハンド本体21の内周部31に対し、第2方向Z2側に重ねられた円板部材23と、円板部材23に対し第2方向Z2側に重ねられた力覚センサ(押圧力センサ)24とをさらに備えている。
【0048】
円板部材23は、平面視円形の中央部44と、平面視円環状の外周部45とを一体に備えている。円板部材23の第1方向Z1側の主面23aは、中央部44において外周部45よりも第1方向Z1側に突出している。中央部44の厚みは外周部45の厚みよりも大きい。すなわち、厚肉の中央部44の外周を、薄肉の外周部45が取り囲んでいる。中央部44の外周縁は、回動軸線Aを中心とする円状である。
【0049】
中央部44には、厚み方向に貫通する複数のねじ挿通穴46が、周方向に並んで形成されている。外周部45には、厚み方向に貫通する複数のねじ挿通穴47が、周方向に並んで形成されている。内周部31の内周縁31aを中央部44の外周面に対向させた状態で、ねじN2(
図5参照)を第2方向Z2側からねじ挿通穴47を介して対応するねじ穴34に締結することにより、ハンド本体21と円板部材23との結合が達成される。
【0050】
力覚センサ24は、すべりスラスト軸受等のスラスト軸受を含む接続部材を介して、ハンド回動台部18に回動軸線Aまわりに回動可能に結合されている。力覚センサ24は、6軸力覚センサである。力覚センサ24は、力覚センサ24に作用するX軸、Y軸およびZ軸方向の荷重を検出し、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向のモーメントを検出する。X軸およびY軸は、互いに垂直をなす。Z軸は、回動軸線Aに沿う軸であり、X軸およびY軸の双方に垂直をなす。力覚センサ24は、この実施形態では、静電容量式の力覚センサであるが、これに代えて、ひずみゲージ式、圧電式、光学式の力覚センサを採用してもよい。力覚センサ24は、コネクタ部48を含む。コネクタ部48には、貼付圧着ロボット5に設けられた電気ケーブル(図示しない)が接続される。
【0051】
つまり、力覚センサ24は、ロボットアーム13とハンド主要部(ハンド本体21、押圧部材22および円板部材23)との間に配置され、ロボットアーム13とハンド主要部との間に作用する部材間荷重を検出して、ハンド14(とくに押圧部材22)に生じる力、とくにタイヤ付きホイールHの内周面H4に直交する方向の荷重を検出する。具体的には、力覚センサ24は、バランスウェイトBWを介してタイヤ付きホイールHから受ける力である垂直抗力を検出する。垂直抗力は、タイヤ付きホイールHの内周面H4に対して直交する方向に働く力である。この垂直抗力は、押圧部材22の押圧面22bがバランスウェイトBWを押圧する押圧力と同一視できる。
【0052】
力覚センサ24の主面24aには、厚み方向に貫通する複数のねじ穴49が、周方向に並んで形成されている。ねじ(図示しない)を第1方向Z1側から円板部材23のねじ挿通穴46を介して対応するねじ穴49に締結することにより、力覚センサ24と円板部材23との結合が達成される。
【0053】
図8(a)は、バランスウェイトBWを説明するための図である。
図8(b)は、
図8(a)を矢視VIIIBから見た図である。
図8(a)および
図8(b)に示すように、バランスウェイトBWは、複数の同一形状のウェイト部51と、長尺の連結テープ52とを有する。各ウェイト部51は鉄材料によって、細長い略直方体状に形成されている。連結テープ52は、第1面52aと、第1面52aの反対側の第2面52bとを含む。バランスウェイトBWは、連結テープ52の第1面52aに、複数のウェイト部51が、連結テープ52の長手方向に並べられて結合されることにより構成されている。連結テープ52の第2面52bには、接着剤が塗布されている。連結テープ52の第2面52bが、タイヤ付きホイールHの内周面H4(
図2B参照)に貼り付けられ、かつ圧着される圧着面である。
【0054】
図9は、バランスウェイト貼付圧着装置1の電気的構成を説明するためのブロック図である。制御装置6は、たとえばマイクロコンピュータ等を含む。制御装置6は、CPU等の演算ユニット、固定メモリデバイス、ハードディスクドライブ等の記憶ユニット、および入出力ユニットを有している。記憶ユニットには、演算ユニットが実行するプログラムが記憶されている。
【0055】
制御装置6には、保持ユニット3および貼付圧着ロボット5が制御対象として接続されている。制御装置6には、バランスウェイト貼付圧着装置1に搬入されてくるワーク(タイヤ付きホイールH)についての情報が与えられる。この情報は、搬入ワーク情報および不釣り合い情報を含む。搬入ワーク情報は、ワーク(タイヤ付きホイールH)の内径等のサイズ情報を含む。不釣り合い情報は、ワーク(タイヤ付きホイールH)の不釣り合い位置および不釣り合い量の双方を含む情報である。
【0056】
貼付圧着ロボット5は、ロボット制御装置65を備えている。ロボット制御装置65は、たとえばマイクロコンピュータ等を含む。ロボット制御装置65は、ハンド移動ユニット60およびハンド回動ユニット64を制御対象として備えている。ロボット制御装置65は、ハンド14が一連の押圧動作を実行するようにプログラムされている。貼付圧着ロボット5には、バランスウェイトBWの貼り付けおよび圧着の対象になるワーク(タイヤ付きホイールH)についての情報が、制御装置6から与えられる。
【0057】
ロボット制御装置65には、力覚センサ24から検出出力が入力されるようになっている。ロボット制御装置65は、力覚センサ24からの検出出力を監視している。ロボット制御装置65は、力覚センサ24の検出出力に基づいて、ワーク(タイヤ付きホイールH)に対するバランスウェイトBWの貼り付け作業および圧着作業を制御する。また、バランスウェイトBWの圧着時における押圧力(押圧時の圧力)が、ロボット制御装置65から制御装置6に与えられる。
【0058】
図10は、押圧動作前のハンド14の状態を示す断面図である。
図11は、
図10を、切断面線XI-XIに沿って切断した断面図である。
図10および
図11は、
図2Aおよび
図2Bと、同じ状態を示している。
図12は、押圧動作開始時を示す断面図であり、
図10に対応する図である。
図13は、押圧動作開始時を示す断面図であり、
図11に対応する図である。
図14は、押圧動作中を示す断面図であり、
図11に対応する図である。
図15は、押圧動作終了時を示す断面図であり、
図11に対応する図である。
【0059】
図1~
図2Bおよび
図9~
図15を参照して、バランスウェイト貼付圧着装置1を用いた、バランスウェイトBWの貼り付けおよび圧着について説明する。これらの貼り付けおよび圧着は、ハンド14(押圧部材22)を用いてバランスウェイトBWを、タイヤ付きホイールHのリム部H3の内周面H4に押し付け、その押し付け状態を維持しながら、ハンド14を回動させ、かつハンド14の回動軸線Aを内周面H4に沿って移動させることにより行う。この明細書において、これらハンド14の押し付けの開始から回動の終了に至る一連の動作を押圧動作という。
【0060】
図1~
図2Bに示すように、製造ラインの前工程のバランサー66(
図9参照)において回転バランスが測定されたタイヤ付きホイールHは、搬送装置(図示しない)によって、バランスウェイト貼付圧着装置1内に搬入される。そして、タイヤ付きホイールHは、ハブ穴H1が形成されたディスク部H2が上側に位置するように略水平に倒れた状態で、保持ユニット3に受け渡され、保持ユニット3にタイヤ付きホイールHが保持される。具体的には、制御装置6が、前後一対のクランプ片7を、挟持解除位置から挟持位置に移動させることにより、タイヤ付きホイールHが保持ユニット3に挟持され、タイヤ付きホイールHが位置決めされる。この状態において、タイヤ付きホイールHの内側空間H5が下側に開放されている。
【0061】
この実施形態では、バランスウェイト貼付圧着装置1内へのタイヤ付きホイールHの搬入前において、貼り付けおよび圧着の対象になるバランスウェイトBWが、貼付圧着ロボット5のハンド14の押圧部材22の押圧面22bに、磁力吸着により保持されている。永久磁石42によって、バランスウェイトBWを押圧面22bに保持する保持ユニットが構成されている。押圧面22bに保持されている状態のバランスウェイトBWを、
図6~
図8において一点鎖線で示す。押圧面22bへのバランスウェイトBWの装着は、バランスウェイト供給装置(図示しない)を用いて自動的に行ってもよいし、手作業で行ってもよい。
【0062】
図9~
図11に示すように、制御装置6は、バランスウェイト貼付圧着装置1内に搬入されてきたバランスウェイトBW(ワーク)についての搬入ワーク情報および不釣り合い情報を、前工程のバランサー66から受け取る。制御装置6は、受け取った搬入ワーク情報および不釣り合い情報を、ロボット制御装置65に与える。
【0063】
ロボット制御装置65は、ハンド移動ユニット60を制御して、ハンド14を、タイヤ付きホイールHの内側空間H5に対して下側から進入させ、かつハンド14を内周面H4に対して平行な姿勢にする(
図10の例では、回動軸線Aを鉛直方向に合致させる)。そして、ロボット制御装置65は、ハンド回動ユニット64を制御して、押圧面22bを、タイヤ付きホイールHの内周面H4に対向させる。具体的には、ロボット制御装置65は、ハンド14を回動軸線Aまわりに回動させることにより、押圧面22bの一端部22ba(
図5および
図13参照。すなわち、押圧面22bに保持されているバランスウェイトBWの一端部BWa)を、内周面H4における開始位置HP1に対向させる。ロボット制御装置65は、内周面H4におけるバランスウェイトBWの貼り付け領域を、前工程において測定された不釣り合い情報(不釣り合い位置および不釣り合い量)に基づいて、決定する。この実施形態では、開始位置HP1は、内周面H4における貼り付け領域の周方向Sの一端であり、終了位置HP2は、内周面H4における貼り付け領域の周方向Sの他端である。
【0064】
その後、ロボット制御装置65は、ハンド移動ユニット60を制御して、ハンド14を、開始位置HP1に接近するように移動させる。やがて、
図12および
図13に示すように、バランスウェイトBWの一端部BWaが、内周面H4における押圧位置HPの開始位置HP1に当接する。この当接により、バランスウェイトBWの一端部BWaが内周面H4に貼り付けられる。
【0065】
図12および
図13に示すように、バランスウェイトBWの当接後も、ハンド14の押し込みが継続される。ハンド14の押し込み量の増大に伴い、バランスウェイトBWの一端部BWaに押圧面22bから付与される荷重が増大する。そのため、バランスウェイトBWの一端部BWaを、押圧面22bとタイヤ付きホイールHの内周面H4との間で挟んだ状態で、バランスウェイトBWの一端部BWaが、タイヤ付きホイールHの内周面H4に押圧される(押圧工程)。
【0066】
押圧工程において、バランスウェイトBWの一端部BWaに付与される荷重は、力覚センサ24によって検出される。ロボット制御装置65は、力覚センサ24の検出出力を常時監視している。力覚センサ24の検出出力に基づいて、ロボット制御装置65は、バランスウェイトBWに付与される荷重について、X軸、Y軸およびZ軸方向の荷重を検出できる。ロボット制御装置65は、これら三軸方向の荷重に基づいて、内周面H4の径方向Rの成分の荷重(垂直抗力)を検出する。前述のように、この垂直抗力は、押圧部材22の押圧面22bがバランスウェイトBWを押圧する押圧力と同一視できる。
【0067】
力覚センサ24に基づく検出荷重が予め定める閾値(たとえば約80N)を超えるまで、押圧工程が続行される。検出荷重の閾値に達する程度の押圧力で押圧面22bが一端部BWaを押圧することにより、バランスウェイトBWの一端部BWaが、内周面H4に圧着される。内周面H4への圧着力が高いので、内周面H4へのバランスウェイトBWの接着力を高くできる。この状態において、バランスウェイトBWの接着力が、バランスウェイトBWの押圧面22bへの磁力吸着力を上回る。そのため、バランスウェイトBWは、吸着保持されていた押圧面22bから離脱可能な状態になる。
【0068】
力覚センサ24に基づく検出荷重が予め定める閾値を超えると、
図14に示すように、押圧位置HPが、開始位置HP1から、開始位置HP1に対し周方向Sに所定間隔隔てた終了位置HP2に向けて移動を開始する(押圧位置移動工程の開始)。具体的には、ロボット制御装置65は、ハンド移動ユニット60を制御してハンド14(すなわち、押圧面22b)を回動軸線Aまわりに回動させることにより、回動軸線Aを内周面H4に沿って移動させる。これにより、内周面H4における押圧位置HPが、終了位置HP2に向けて、バランスウェイトBWの内周側の面を、タイヤ付きホイールHの周方向Sに沿って移動する(押圧位置移動工程)。
【0069】
押圧位置HPの移動は、押圧面22bによる押込量が維持された状態で行われる。すなわち、押圧位置HPへの押圧力が一定に維持されたまま、押圧位置HPが移動される。バランスウェイトBWのうち押圧位置HPが通過した部分は、押圧面22bから離脱する。押圧位置HPが開始位置HP1から終了位置HP2まで移動することにより、内周面H4において、開始位置HP1から終了位置HP2に至る領域に、バランスウェイトBWを圧着させることができる。
図15は、押圧位置HPが終了位置HP2にある状態を示している。
【0070】
押圧位置HPが終了位置HP2に達すると、ロボット制御装置65は、ハンド移動ユニット60を制御して、ハンド14(すなわち、押圧面22b)の回動を停止させる。また、ロボット制御装置65は、ハンド移動ユニット60を制御して、ハンド14を内周面H4から退避させる。これにより、内周面H4に対するバランスウェイトBWの貼り付けおよび圧着が終了する。
【0071】
ロボット制御装置65は、押圧工程における押圧力(力覚センサ24に基づく検出荷重)を制御装置6に与える。制御装置6は、この押圧力を記憶ユニットにログとして記憶する。
【0072】
その後、バランスウェイトBW圧着済みのタイヤ付きホイールHが、搬送装置(図示しない)によって、バランスウェイト貼付圧着装置1から搬出される。
【0073】
以上によりこの実施形態によれば、力覚センサ24が、バランスウェイトBWの押圧において、押圧面22bがバランスウェイトBWを押圧する押圧力を検出する。そして、力覚センサ24により検出された検出荷重に基づいて、ロボット制御装置65は、バランスウェイトBWをタイヤ付きホイールHの内周面H4に押し付ける。これにより、バランスウェイトBWがタイヤ付きホイールHの内周面H4に圧着される。そのため、タイヤ付きホイールHの内周面H4にバランスウェイトBWを予め定める押圧力で圧着することが可能である。ゆえに、バランスウェイトBWをタイヤ付きホイールHに安定的に圧着できる。ゆえに、バランスウェイトBWの連結テープ52の接着剤の接着効果を高く保つことができる。
【0074】
また、押圧力センサとして力覚センサ24を用いるので、タイヤ付きホイールHの径方向の成分の力(垂直抗力)を良好に検出できる。これにより、タイヤ付きホイールHの内周面H4の圧着位置やタイヤ付きホイールHの内周面H4の寸法精度に拘わらず、バランスウェイトBWをタイヤ付きホイールHに安定的に圧着できる。
【0075】
また、押圧工程においてバランスウェイトBWの一端部(一部分)BWaをタイヤ付きホイールHの内周面H4に押圧したときの押圧力が力覚センサ24によって検出される。そして、押圧位置移動工程において、押圧面22bによるバランスウェイトBWへの押圧を保ちながら(押し込み量を保ちながら)、押圧面22bによる押圧位置HPが、タイヤ付きホイールHの周方向Sに移動する。
【0076】
また、力覚センサ24により検出された押圧力が予め定める範囲にある状態にある場合に、押圧位置HPの移動が開始される。そのため、押圧面22bによりバランスウェイトBWを介して押圧位置HPを一定の押圧力で押圧しながら、押圧位置HPをタイヤ付きホイールHの周方向Sに移動できる。これにより、バランスウェイトBWの全体をタイヤ付きホイールHの内周面H4に一定の押圧力で圧着できる。ゆえに、バランスウェイトBWの全体をタイヤ付きホイールHに安定的に圧着できる。
【0077】
また、押圧面22bが、バランスウェイトBWを磁力吸着させる磁力保持面を含んでいるので、バランスウェイトBWを押圧面22bに磁力吸着させることができる。バランスウェイトBWを押圧面22bに事前に保持しておくことにより、タイヤ付きホイールHの内周面H4に対するバランスウェイトBWの貼り付けと、タイヤ付きホイールHの内周面H4に対するバランスウェイトBWの圧着とを、ハンド14を用いた1回の押圧動作によって達成できる。
【0078】
通常、バランスウェイトBWの貼り付けは、作業者の手作業により行われる。また、バランスウェイトBWの貼り付け領域は、タイヤ付きホイールHの不釣り合い位置(位相)および不釣り合い量によって異なる。作業者は目視によって貼り付け領域を確認するため、バランスウェイトBWを所期の貼り付け領域に正確に貼り付けできないおそれがある。また、今後、労働力人口の減少による人手不足なども考えられるため、バランスウェイトBWの貼り付けを自動化したいというニーズがある。
【0079】
これに対し、この実施形態では、バランスウェイト貼付圧着装置1が、タイヤ付きホイールHの内周面H4に対するバランスウェイトBWの圧着作業だけでなく、内周面H4に対するバランスウェイトBWの貼り付け作業も行う。ゆえに、バランスウェイトBWを所期の貼り付け領域に正確に貼り付けできる。また、バランスウェイトBWの貼り付けを自動化することで、将来の人手不足に対応することもできる。
【0080】
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、他の形態で実施することもできる。たとえば、上記の実施形態では、ディスク部H2が上側に位置した状態でタイヤ付きホイールHを保持ユニット3によって保持したが、保持ユニット3に保持されているタイヤ付きホイールHの上下の向きが逆であってもよい。つまり、ディスク部H2が下側に位置して内側空間H5が上側に開放されるようにタイヤ付きホイールHが倒れている状態で、バランスウェイトBWをリム部H3に圧着する構成もあり得る。この場合には、ハンド14は、タイヤ付きホイールHの内側空間H5に対して上側から進退可能となるように構成される。
【0081】
また、上記の実施形態では、押圧面22bを磁力吸着面とすることにより、バランスウェイトBWを事前に押圧面22bに保持させていた。しかし、押圧面22bは磁力吸着面によって構成されていなくてもよい。この場合、リム部H3の内周面H4において指定された位置に、バランスウェイトBWを作業者の手作業等によって予め貼り付けておき、そのバランスウェイトBWに対して、ハンド14を用いた上記の押圧動作を行うことにより、バランスウェイトBWがタイヤ付きホイールHに圧着される。この場合、バランスウェイト貼付圧着装置1および貼付圧着ロボット5は、圧着作業のみを行い、貼り付け作業を行わない。このとき、バランスウェイト貼付圧着装置1および貼付圧着ロボット5は、それぞれバランスウェイト圧着装置および圧着ロボットとしての機能のみを有する。
【0082】
また、ホイールとしてタイヤ付きホイールHを例に挙げたが、タイヤに組み付けられる前のホイールに対して、バランスウェイト貼付圧着装置1を用いてバランスウェイトBWが圧着されてもよい。
【0083】
また、押圧力センサが、力覚センサ24であるとして説明したが、押圧面22bからバランスウェイトBWに付与される荷重を、他の圧力センサを用いて検出するようにしてもよい。すなわち、他の圧力センサを押圧力センサとして用いてもよい。
【0084】
また、バランスウェイトBWの一端部BWaが内周面H4に最初に押圧されるとして説明したが、BWの長手方向の中央部が内周面H4に最初に押圧されてもよい。
【0085】
また、力覚センサ24による荷重検出を、押圧工程だけでなく、押圧位置移動工程において行ってもよい。
【0086】
この明細書および図面の記載から以下に付記する特徴が、さらに抽出され得る。
【0087】
[付記]
バランスウェイト(BW)をホイール(H)の内周面(H4)に圧着するバランスウェイト圧着装置(1)であって、
前記ホイールの内周の半径よりも小径の曲率半径を有する断面視で円弧状をなす円弧状面からなる押圧面(22b)であって、前記バランスウェイトの一部分を前記ホイールの前記内周面との間で挟んだ状態で、前記バランスウェイトの前記一部分を前記ホイールの前記内周面に押圧する押圧面を有する押圧部材(22)と、
前記ホイールの前記内周面における、前記バランスウェイトを介した前記押圧面による押圧位置を前記ホイールの周方向に移動させて、前記バランスウェイトを前記ホイールの前記内周面に圧着する押圧位置移動ユニット(60,64)とを含み、
前記押圧位置移動ユニットが、前記押圧部材を所定の回動軸線まわりに回動させる回動ユニット(64)と、前記押圧部材の回動に併せて前記回動軸線を、前記押圧位置への前記押圧力の付与を保ちながら前記ホイールの前記内周面に沿って移動させる回動軸線移動ユニット(60)とを含む、バランスウェイト圧着装置(1)。
【符号の説明】
【0088】
1 :バランスウェイト貼付圧着装置(バランスウェイト圧着装置)
13 :ロボットアーム(アーム)
14 :ハンド
22 :押圧部材
22b :押圧面
24 :力覚センサ(押圧力センサ)
42 :永久磁石(保持ユニット)
60 :ハンド移動ユニット(回動軸線移動ユニット、駆動ユニット)
64 :ハンド回動ユニット(回動ユニット、駆動ユニット)
65 :ロボット制御装置(制御装置)
BW :バランスウェイト
BWa :一端部(一部分)
H :タイヤ付きホイール
H4 :内周面
HP :押圧位置
S :周方向
【手続補正書】
【提出日】2024-09-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホイールの内周面に貼り付けられるバランスウェイトを前記ホイールの前記内周面に圧着するバランスウェイト圧着装置であって、
アームと、
前記アームの先端部に、前記アームに対し所定の回動軸線まわりに回動可能に取り付けられた押圧部材であって、前記ホイールの内周の半径よりも小径の曲率半径を有し、断面視で円弧状をなす円弧状面からなる押圧面を有する押圧部材と、
前記アームを移動させるアーム移動ユニットと、
前記アーム移動ユニットとは別のユニットであって、前記押圧部材を、前記アームに対し、前記回動軸線周りに回動させる押圧部材回動ユニットと、
前記押圧部材による前記バランスウェイトの押圧において、前記押圧面が前記バランスウェイトを押圧する押圧力を検出する押圧力センサと、
前記アーム移動ユニットおよび前記押圧部材回動ユニットを制御するための制御装置とを含み、
前記制御装置が、前記アーム移動ユニットを制御して前記押圧面を移動させて、前記押圧面と前記ホイールの前記内周面との間に挟まれている前記バランスウェイトを前記ホイールの前記内周面に向けて押圧し、かつ前記押圧面が前記バランスウェイトを押圧する押圧力を前記押圧力センサによって検出する押圧工程と、前記押圧工程の後、前記押圧面による前記バランスウェイトへの押圧を保ちながら、前記押圧部材回動ユニットを制御して前記押圧面による押圧位置を前記ホイールの周方向に移動させることにより、前記バランスウェイトを前記ホイールの前記内周面に圧着させる押圧位置移動工程とを実行し、
前記制御装置が、前記押圧位置移動工程において、前記押圧部材回動ユニットによって前記押圧部材を前記回動軸線まわりに回動させながら、前記アーム移動ユニットによって前記回動軸線が前記ホイールの前記内周面に沿って移動するように前記アームを移動させて、前記押圧面による前記押圧位置を前記ホイールの周方向に移動させる工程を実行する、バランスウェイト圧着装置。
【請求項2】
前記押圧力センサが、前記押圧部材と前記アームとの間に配置され、前記バランスウェイトを介して前記ホイールの前記内周面から受ける力を検出する力覚センサを含む、請求項1に記載のバランスウェイト圧着装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記押圧工程において前記押圧力センサにより検出された前記押圧力が予め定める範囲よりも低い場合に前記押圧位置移動工程における前記押圧位置の移動を開始せず、検出された前記押圧力が予め定める範囲になると、前記押圧位置移動工程における前記押圧位置の移動を開始させる、請求項1または2に記載のバランスウェイト圧着装置。
【請求項4】
前記バランスウェイトを前記押圧面に保持する保持ユニットであって、前記押圧面の周方向の全域に前記バランスウェイトを保持可能な保持ユニットをさらに含み、
前記制御装置が、前記アーム移動ユニットおよび前記押圧部材回動ユニットを制御して、前記押圧面に保持されている前記バランスウェイトを前記内周面に押し付けることにより、前記バランスウェイトを前記内周面に貼り付け、かつ貼り付けた前記バランスウェイトを前記内周面に圧着する、請求項1または2に記載のバランスウェイト圧着装置。
【請求項5】
アームと、前記アームの先端部に、ホイールの内周の半径よりも小径の曲率半径を有し、断面視で円弧状をなす円弧状面からなる押圧面を備え、前記アームに対し所定の回動軸線まわりに回動可能に取り付けられた押圧部材と、前記アームを移動させるアーム移動ユニットと、前記アーム移動ユニットとは別のユニットであって、前記押圧部材を、前記アームに対し前記回動軸線周りに回動させる押圧部材回動ユニットと、押圧力センサとを含むバランスウェイト圧着装置を用いて、バランスウェイトを前記ホイールの内周面に圧着するバランスウェイト圧着方法であって、
前記押圧面を移動させて、前記押圧面と前記ホイールの前記内周面との間に挟まれている前記バランスウェイトを前記ホイールの前記内周面に向けて押圧し、かつ前記押圧面が前記バランスウェイトを押圧する押圧力を前記押圧力センサによって検出する押圧工程と、
前記押圧工程の後、前記押圧面による前記バランスウェイトへの押圧を保ちながら、前記ホイールの前記内周面における前記バランスウェイトを介した前記押圧面による押圧位置を前記ホイールの周方向に移動させることにより、前記バランスウェイトを前記ホイールの前記内周面に圧着させる押圧位置移動工程とを含み、
前記押圧位置移動工程が、前記押圧部材を前記回動軸線まわりに回動させながら、前記回動軸線が前記ホイールの前記内周面に沿って移動するように前記アームを移動させて、前記押圧面による前記押圧位置を前記ホイールの周方向に移動させる工程を含む、バランスウェイト圧着方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
前記バランスウェイト圧着装置(1)が、アーム(13)をさらに備えていてもよい。前記アームの先端部に、前記アームに対し所定の回動軸線まわりに回動可能に前記押圧部材が取り付けられていてもよい。前記駆動ユニットが、前記アームを移動させるアーム移動ユニット(60)と、前記アーム移動ユニットとは別のユニットであって、前記押圧部材を、前記アームに対し前記回動軸線周りに回動させる押圧部材回動ユニット(64)とを備えていてもよい。前記制御装置が、前記アーム移動ユニットを制御して前記押圧面を移動させて、前記押圧面と前記ホイールの前記内周面との間に挟まれている前記バランスウェイトを前記ホイールの前記内周面に向けて押圧し、かつ前記押圧面が前記バランスウェイトを押圧する押圧力を前記押圧力センサによって検出する押圧工程を実行してもよい。前記制御装置が、前記押圧位置移動工程において、前記押圧部材回動ユニットによって前記押圧部材を前記回動軸線まわりに回動させながら、前記アーム移動ユニットによって前記回動軸線が前記ホイールの前記内周面に沿って移動するように前記アームを移動させて、前記押圧面による前記押圧位置を前記ホイールの周方向に移動させる工程を実行してもよい。
この発明の一実施形態は、次のような特徴を有するバランスウェイト圧着方法を提供する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
また、前記方法が、前記押圧面を移動させて、前記押圧面と前記ホイールの前記内周面との間に挟まれている前記バランスウェイトを前記ホイールの前記内周面に向けて押圧し、かつ前記押圧面が前記バランスウェイトを押圧する押圧力を前記押圧力センサによって検出する押圧工程と、前記押圧工程の後、前記押圧面による前記バランスウェイトへの押圧を保ちながら、前記ホイールの前記内周面における前記バランスウェイトを介した前記押圧面による押圧位置を前記ホイールの周方向に移動させることにより、前記バランスウェイトを前記ホイールの前記内周面に圧着させる押圧位置移動工程とをさらに含んでいてもよい。前記押圧位置移動工程が、前記押圧部材を前記回動軸線まわりに回動させながら、前記回動軸線が前記ホイールの前記内周面に沿って移動するように前記アームを移動させて、前記押圧面による前記押圧位置を前記ホイールの周方向に移動させる工程を含んでいてもよい。
また、前記において、括弧内の数字等は、後述する実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
図1に示すように、貼付圧着ロボット5は、ハンド移動ユニット(
アーム移動ユニット)60(
図9参照)と、ハンド回動ユニット(
押圧部材回動ユニット)64(
図9参照)とをさらに備えている。ハンド移動ユニット60は、ロボットアーム13に結合されている。ハンド移動ユニット60は、複数のモータ等によって構成されている。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0088
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0088】
1 :バランスウェイト貼付圧着装置(バランスウェイト圧着装置)
13 :ロボットアーム(アーム)
14 :ハンド
22 :押圧部材
22b :押圧面
24 :力覚センサ(押圧力センサ)
42 :永久磁石(保持ユニット)
60 :ハンド移動ユニット(アーム移動ユニット)
64 :ハンド回動ユニット(押圧部材回動ユニット)
65 :ロボット制御装置(制御装置)
BW :バランスウェイト
BWa :一端部(一部分)
H :タイヤ付きホイール
H4 :内周面
HP :押圧位置
【手続補正書】
【提出日】2024-10-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホイールの内周面に貼り付けられるバランスウェイトを前記ホイールの前記内周面に圧着するバランスウェイト圧着装置であって、
アームと、
前記アームの先端部に、前記アームに対し所定の回動軸線まわりに回動可能に取り付けられた押圧部材であって、前記ホイールの内周の半径よりも小径の曲率半径を有し、断面視で円弧状をなす円弧状面からなる押圧面を有する押圧部材と、
前記アームを移動させるアーム移動ユニットと、
前記アーム移動ユニットとは別のユニットであって、前記押圧部材を、前記アームに対し、前記回動軸線周りに回動させる押圧部材回動ユニットと、
前記押圧部材による前記バランスウェイトの押圧において、前記押圧面が前記バランスウェイトを押圧する押圧力を検出するための力覚センサであって、前記ホイールの前記内周面からの垂直抗力を検出する力覚センサと、
前記アーム移動ユニットおよび前記押圧部材回動ユニットを制御するための制御装置とを含み、
前記制御装置が、前記アーム移動ユニットを制御して前記押圧面を移動させて、前記押圧面と前記ホイールの前記内周面との間に挟まれている前記バランスウェイトを前記ホイールの前記内周面に向けて押圧し、かつ前記ホイールの前記内周面からの垂直抗力を前記力覚センサによって検出する押圧工程と、前記押圧工程の後、前記押圧面による前記バランスウェイトへの押圧を保ちながら、前記押圧部材回動ユニットを制御して前記押圧面による押圧位置を前記ホイールの周方向に移動させることにより、前記バランスウェイトを前記ホイールの前記内周面に圧着させる押圧位置移動工程とを実行し、
前記制御装置が、前記押圧位置移動工程において、前記押圧部材回動ユニットによって前記押圧部材を前記回動軸線まわりに回動させながら、前記アーム移動ユニットによって前記回動軸線が前記ホイールの前記内周面に沿って移動するように前記アームを移動させて、前記押圧面による前記押圧位置を前記ホイールの周方向に移動させる工程を実行する、バランスウェイト圧着装置。
【請求項2】
前記力覚センサが、前記押圧部材と前記アームとの間に配置されている、請求項1に記載のバランスウェイト圧着装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記押圧工程において前記力覚センサにより検出された前記押圧力が予め定める範囲よりも低い場合に前記押圧位置移動工程における前記押圧位置の移動を開始せず、検出された前記押圧力が予め定める範囲になると、前記押圧位置移動工程における前記押圧位置の移動を開始させる、請求項1または2に記載のバランスウェイト圧着装置。
【請求項4】
前記バランスウェイトを前記押圧面に保持する保持ユニットであって、前記押圧面の周方向の全域に前記バランスウェイトを保持可能な保持ユニットをさらに含み、
前記制御装置が、前記アーム移動ユニットおよび前記押圧部材回動ユニットを制御して、前記押圧面に保持されている前記バランスウェイトを前記内周面に押し付けることにより、前記バランスウェイトを前記内周面に貼り付け、かつ貼り付けた前記バランスウェイトを前記内周面に圧着する、請求項1または2に記載のバランスウェイト圧着装置。
【請求項5】
アームと、前記アームの先端部に、ホイールの内周の半径よりも小径の曲率半径を有し、断面視で円弧状をなす円弧状面からなる押圧面を備え、前記アームに対し所定の回動軸線まわりに回動可能に取り付けられた押圧部材と、前記アームを移動させるアーム移動ユニットと、前記アーム移動ユニットとは別のユニットであって、前記押圧部材を、前記アームに対し前記回動軸線周りに回動させる押圧部材回動ユニットと、前記押圧面がバランスウェイトを押圧する押圧力を検出するための力覚センサであって前記ホイールの内周面からの垂直抗力を検出する力覚センサとを含むバランスウェイト圧着装置を用いて、前記バランスウェイトを前記ホイールの前記内周面に圧着するバランスウェイト圧着方法であって、
前記押圧面を移動させて、前記押圧面と前記ホイールの前記内周面との間に挟まれている前記バランスウェイトを前記ホイールの前記内周面に向けて押圧し、かつ前記ホイールの前記内周面からの垂直抗力を前記力覚センサによって検出する押圧工程と、
前記押圧工程の後、前記押圧面による前記バランスウェイトへの押圧を保ちながら、前記ホイールの前記内周面における前記バランスウェイトを介した前記押圧面による押圧位置を前記ホイールの周方向に移動させることにより、前記バランスウェイトを前記ホイールの前記内周面に圧着させる押圧位置移動工程とを含み、
前記押圧位置移動工程が、前記押圧部材を前記回動軸線まわりに回動させながら、前記回動軸線が前記ホイールの前記内周面に沿って移動するように前記アームを移動させて、前記押圧面による前記押圧位置を前記ホイールの周方向に移動させる工程を含む、バランスウェイト圧着方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
前記バランスウェイト圧着装置(1)が、アーム(13)をさらに備えていてもよい。前記アームの先端部に、前記アームに対し所定の回動軸線まわりに回動可能に前記押圧部材が取り付けられていてもよい。前記駆動ユニットが、前記アームを移動させるアーム移動ユニット(60)と、前記アーム移動ユニットとは別のユニットであって、前記押圧部材を、前記アームに対し前記回動軸線周りに回動させる押圧部材回動ユニット(64)とを備えていてもよい。前記制御装置が、前記アーム移動ユニットを制御して前記押圧面を移動させて、前記押圧面と前記ホイールの前記内周面との間に挟まれている前記バランスウェイトを前記ホイールの前記内周面に向けて押圧し、かつ前記押圧面が前記バランスウェイトを押圧する押圧力を前記押圧力センサによって検出する押圧工程を実行してもよい。前記制御装置が、前記押圧位置移動工程において、前記押圧部材回動ユニットによって前記押圧部材を前記回動軸線まわりに回動させながら、前記アーム移動ユニットによって前記回動軸線が前記ホイールの前記内周面に沿って移動するように前記アームを移動させて、前記押圧面による前記押圧位置を前記ホイールの周方向に移動させる工程を実行してもよい。
前記押圧力センサが力覚センサであってもよい。前記力覚センサが、前記ホイールの前記内周面からの垂直抗力を検出するセンサであってもよい。
この発明の一実施形態は、次のような特徴を有するバランスウェイト圧着方法を提供する。