(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157403
(43)【公開日】2024-11-07
(54)【発明の名称】鳥害防止具及びその取り付け方法
(51)【国際特許分類】
A01M 29/32 20110101AFI20241030BHJP
A01M 29/22 20110101ALI20241030BHJP
【FI】
A01M29/32
A01M29/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023071753
(22)【出願日】2023-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】000115382
【氏名又は名称】ヨツギ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】池側 勝己
(72)【発明者】
【氏名】粟井 幹人
【テーマコード(参考)】
2B121
【Fターム(参考)】
2B121AA07
2B121DA49
2B121EA21
2B121FA12
2B121FA13
(57)【要約】
【課題】より確実に鳥害を防止できる鳥害防止具及びその取り付け方法を提供する。
【解決手段】本発明による鳥害防止具1は、少なくとも1つの連結部材10と、それぞれの厚み方向Tに係る寸法が高さ方向H及び幅方向Wに係る寸法よりも小さな偏平な複数の鳥害防止部材11であって、幅方向Wに互いに隣り合うように配置されるとともに、連結部材10を介して互いに連結され、連結部材10を中心にそれぞれ揺動可能に構成された複数の鳥害防止部材11と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの連結部材と、
それぞれの厚み方向に係る寸法が高さ方向及び幅方向に係る寸法よりも小さな偏平な複数の鳥害防止部材であって、前記幅方向に互いに隣り合うように配置されるとともに、前記連結部材を介して互いに連結され、前記連結部材を中心にそれぞれ揺動可能に構成された複数の鳥害防止部材と、
を備える、鳥害防止具。
【請求項2】
前記複数の鳥害防止部材のそれぞれの揺動軸は、前記高さ方向に関して前記鳥害防止部材のそれぞれの重心位置からずれた位置に配置されている、
請求項1に記載の鳥害防止具。
【請求項3】
前記複数の鳥害防止部材のそれぞれは、前記複数の鳥害防止部材のそれぞれの前記幅方向に係る両端の位置に配置されるとともに前記連結部材が挿通された挿通部を有している、
請求項1に記載の鳥害防止具。
【請求項4】
前記複数の鳥害防止部材のそれぞれは、前記鳥害防止部材のそれぞれの揺動軸よりも前記高さ方向に突出された円弧状又は直線状の突起部を有しており、
前記突起部は、前記幅方向に関して前記両端の前記挿通部の間で延在されている、
請求項3に記載の鳥害防止具。
【請求項5】
前記複数の鳥害防止部材のそれぞれは、前記高さ方向及び前記幅方向に延びる面において線状体が全体としてリング状に配置されたリング体である、
請求項1から4までのいずれか1項に記載の鳥害防止具。
【請求項6】
前記リング体は、前記幅方向に互いに離間した位置で前記高さ方向に延在された円弧状の第1側部及び第2側部と、前記幅方向に延在されて前記第1側部及び第2側部を接続する接続部と、を有している、
請求項5に記載の鳥害防止具。
【請求項7】
前記少なくとも1つの連結部材は、前記複数の鳥害防止部材を揺動可能に数珠繋ぎにするラインロープを含む、
請求項1から4までのいずれか1項に記載の鳥害防止具。
【請求項8】
前記複数の鳥害防止部材のそれぞれは、前記ラインロープが挿通された挿通部を有しており、
前記ラインロープには、前記挿通部の内形よりも大きな外形を有する脱落防止部が設けられている、
請求項7に記載の鳥害防止具。
【請求項9】
少なくとも1つの連結部材と、それぞれの厚み方向に係る寸法が高さ方向及び幅方向に係る寸法よりも小さな偏平な複数の鳥害防止部材であって、前記幅方向に互いに隣り合うように配置されるとともに、前記連結部材を介して互いに連結され、前記連結部材を中心にそれぞれ揺動可能に構成された複数の鳥害防止部材と、を備える鳥害防止具を架線又は支持体に取り付けるための鳥害防止具の取り付け方法であって、
前記鳥害防止部材のそれぞれの揺動軸は、前記高さ方向に関して前記鳥害防止部材のそれぞれの重心位置からずれた位置に配置されており、
前記鳥害防止部材のそれぞれを揺動可能な状態とした上で前記鳥害防止具を揺らすことにより、前記鳥害防止部材の向きを整える工程と、
前記鳥害防止部材の向きを整えた後に、前記鳥害防止具を前記架線又は支持体に取り付ける工程と、
を含む、鳥害防止具の取り付け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鳥類による害を防止するための鳥害防止具及びその取り付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来用いられていたこの種の鳥害防止具としては、例えば下記の特許文献1等に示されている構成を挙げることができる。特許文献1には、所要線径で所要長の巻き線と、該巻き線に所要間隔で配設される接合部と、該接合部に配設されるリング体とから成る鳥害防止具が記載されている。接合部は、その中心に巻き線が位置するように配設されている。リング体は、その軸心が巻き線に対して直交する向きに配置されている。リング体の一円弧部が接合部の上部及び/又は下部に添設され、接合部及びリング体が樹脂で接合成形されている。巻き線が送電線に巻き付けられることで、送電線の外周域にリング体がランダムに配設される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような従来の鳥害防止具では、送電線の外周域にリング体がランダムに配設されるので、リング体が水平に延在されることがある。このため、水平に延在されたリング体に鳥が止まることができ、鳥害防止に改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的の一つは、より確実に鳥害を防止できる鳥害防止具及びその取り付け方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る鳥害防止具は、一実施形態において、少なくとも1つの連結部材と、それぞれの厚み方向に係る寸法が高さ方向及び幅方向に係る寸法よりも小さな偏平な複数の鳥害防止部材であって、幅方向に互いに隣り合うように配置されるとともに、連結部材を介して互いに連結され、連結部材を中心にそれぞれ揺動可能に構成された複数の鳥害防止部材と、を備える。
【0007】
本発明に係る鳥害防止具の取り付け方法は、一実施形態において、少なくとも1つの連結部材と、それぞれの厚み方向に係る寸法が高さ方向及び幅方向に係る寸法よりも小さな偏平な複数の鳥害防止部材であって、幅方向に互いに隣り合うように配置されるとともに、連結部材を介して互いに連結され、連結部材を中心にそれぞれ揺動可能に構成された複数の鳥害防止部材と、を備える鳥害防止具を架線又は支持体に取り付けるための鳥害防止具の取り付け方法であって、鳥害防止部材のそれぞれの揺動軸は、高さ方向に関して鳥害防止部材のそれぞれの重心位置からずれた位置に配置されており、鳥害防止部材のそれぞれを揺動可能な状態とした上で鳥害防止具を揺らすことにより、鳥害防止部材の向きを整える工程と、鳥害防止部材の向きを整えた後に、鳥害防止具を架線又は支持体に取り付ける工程と、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明の鳥害防止具及びその取り付け方法の一実施形態によれば、幅方向に互いに隣り合うように配置された複数の鳥害防止部材が、連結部材を介して互いに連結されるとともに、連結部材を中心にそれぞれ揺動可能に構成されているので、仮に鳥害防止具を架線又は支持体に取り付けた後に鳥害防止部材が水平に延在されるようなことがあったとしても、鳥害防止部材の揺動により鳥害防止部材の向きを変えることができ、より確実に鳥害を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施の形態1による鳥害防止具を示す正面図である。
【
図4】
図1の鳥害防止具を右斜め上方から見たときの斜視図である。
【
図5】
図4の1つの鳥害防止部材及び連結部材を拡大して示す斜視図である。
【
図6】
図5の領域VIを拡大して示す斜視図である。
【
図10】
図7の鳥害防止部材を右斜め上方から見たときの斜視図である。
【
図11】
図1の鳥害防止具の使用形態の一例を示す正面図である。
【
図13】
図11の使用形態の一例を右斜め上方から見たときの斜視図である。
【
図14】
図1の鳥害防止具の使用形態の別の例を示す正面図である。
【
図16】
図14の使用形態の別の例を右斜め上方から見たときの斜視図である。
【
図17】本発明の実施の形態2による鳥害防止具を示す正面図である。
【
図18】本発明の実施の形態3による鳥害防止具を示す正面図である。
【
図19】本発明の実施の形態4による鳥害防止具を示す正面図である。
【
図20】本発明の実施の形態5による鳥害防止具を示す正面図である。
【
図21】本発明の実施の形態6による鳥害防止具を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。本発明は各実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態の構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0011】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1による鳥害防止具1を示す正面図であり、
図2は
図1の鳥害防止具1を示す平面図であり、
図3は
図1の鳥害防止具1を示す右側面図であり、
図4は
図1の鳥害防止具1を右斜め上方から見たときの斜視図である。また、
図5は
図4の1つの鳥害防止部材11及び連結部材10を拡大して示す斜視図であり、
図6は
図5の領域VIを拡大して示す斜視図である。なお、背面図は正面図と対称であり、底面図は平面図と対称であり、右側面図は左側面図と対称である。
【0012】
本実施の形態の鳥害防止具1は、例えばカラス又は鳩等の鳥類による害を防止するための器具である。後に図を用いて説明するように、鳥害防止具1は、架線2(
図11~
図16等参照)等に取り付けることができる。架線2は、電柱等の構造物により空中に張り渡された線状部材である。一般に、架線2の上に鳥類が飛来したり営巣したりすることで、例えば架線2の下等の架線2の近傍に糞の落下等の害が及ぶことがある。架線2に鳥害防止具1を取り付けることで、鳥類の飛来及び営巣等を防止して、鳥類による害を防止することができる。
【0013】
図1~
図4に示すように、鳥害防止具1は、少なくとも1つの連結部材10と、複数の鳥害防止部材11とを有している。複数の鳥害防止部材11は、それぞれの厚み方向Tに係る寸法が高さ方向H及び幅方向Wに係る寸法よりも小さな偏平な部材であり、幅方向Wに互いに隣り合うように配置されるとともに、連結部材10を介して互いに連結されている。また、複数の鳥害防止部材11は、連結部材10を中心にそれぞれ揺動可能に構成されている。
【0014】
図1~
図4では、3つの鳥害防止部材11を示しているが、実際にはより多くの鳥害防止部材11が幅方向Wに互いに隣り合うように配置されている。鳥害防止具1に含まれる鳥害防止部材11の数は、鳥害防止具1の長さに応じて任意に変更され得る。
【0015】
厚み方向T、高さ方向H及び幅方向Wは互いに直交した方向である。厚み方向T、高さ方向H及び幅方向Wとの用語は、鳥害防止具1のそれぞれの三次元形状の説明するための用語に過ぎず、より一般的な表現としての第1方向、第2方向及び第3方向と同義であると理解してよい。高さ方向H及び幅方向Wは、鳥害防止部材11が広く延在する面に含まれる方向と理解してよい。幅方向Wは、鳥害防止部材11の両側に連結部材10が接続又は挿通されているとき、連結部材10が接続又は挿通されている位置を結ぶ方向と理解してよい。幅方向Wは、後述の両側の挿通部111を結ぶ方向と理解してよい。幅方向Wは、連結部材10が延びる方向と平行又は同義であり得る。また、幅方向Wは、鳥害防止具1が延びる方向(鳥害防止具1の長さ方向)と平行又は同義であり得る。必ずしも限定されなくてよいが、厚み方向Tに係る寸法が高さ方向H又は幅方向Wに係る寸法の10%以下のものを偏平な部材と理解してよい。
【0016】
複数の鳥害防止部材11は、それぞれの幅方向Wに係る端部110が互いに向き合うか又は接触するように配置されてよい。複数の鳥害防止部材11は、それぞれの幅方向Wが直線状に並ぶように一列に配置されてよい。複数の鳥害防止部材11は、連結部材10が延びる方向に厚み方向Tが直交するように配置されていてよい。
【0017】
複数の鳥害防止部材11は、連結部材10の周方向に360°回転可能であってもよいし、連結部材10の周方向に360°未満の限られた角度だけ回転可能であってもよい。
【0018】
図1において破線で示す複数の鳥害防止部材11のそれぞれの揺動軸SAは、高さ方向Hに関して鳥害防止部材11のそれぞれの重心位置BP(
図1参照)からずれた位置に配置されていてよい。この高さ方向Hに関する揺動軸SAと重心位置BPとの位置ずれにより、鳥害防止部材11は、重心位置BPが揺動軸SAの下方に位置する状態で安定され得る。揺動軸SAは、鳥害防止部材11の両側に連結部材10が接続又は挿通されているとき、連結部材10が接続又は挿通されている位置を結ぶ直線と理解してよい。揺動軸SAは、後述の両側の挿通部111を結ぶ直線と理解してよい。
【0019】
複数の鳥害防止部材11のそれぞれは、複数の鳥害防止部材11のそれぞれの幅方向Wに係る両端の位置に配置されるとともに連結部材10が挿通された挿通部111を有していてよい。
【0020】
連結部材10が挿通部111に挿通されることで、鳥害防止部材11が連結部材10に揺動可能に支持され得る。
図6に特に表れているように、挿通部111は、連結部材10の外形よりも大きな内形を有する挿通孔111aが設けられた環状部分であり得る。挿通部111の外形は環状に限定されず、例えばC字状等の他の形状とされていてもよい。
【0021】
挿通部111は、鳥害防止部材11の端部110を構成していてよい。幅方向Wに互いに隣り合うように配置された一対の鳥害防止部材11は、挿通部111で互いに接触し、その他の部分で互いに干渉する虞を低減できるように構成されていてよい。
【0022】
複数の鳥害防止部材11のそれぞれは、鳥害防止部材11のそれぞれの揺動軸SAよりも高さ方向Hに突出された円弧状又は直線状の突起部112を有していてよく、突起部112は、幅方向Wに関して両端の挿通部111の間で延在されていてよい。幅方向Wに関して両端の挿通部111の間で突起部112が延在されることで、幅方向Wに互いに隣り合う一対の鳥害防止部材11において突起部112が互いに干渉する虞を低減できる。
【0023】
本実施の形態の鳥害防止部材11には、円弧状の突起部112が設けられている。突起部112は、挿通部111から上方(高さ方向Hに係る一方の方向)及び下方(高さ方向Hに係る他方の方向)に向けて突出されている。突起部112は、挿通部111から高さ方向Hに離れるにつれて幅方向Wに係る内方に向かうように延在されている。突起部112のそれぞれは1/4の円を成す円弧状とされており、突起部112の先端112a間には切欠112bが形成されている。切欠112bが省略されて、幅方向Wに係る両側の突起部112が互いに接続されていてもよい。
【0024】
次に、
図7~
図10を参照しながら、鳥害防止部材11について更に説明する。
図7は
図1の鳥害防止部材11を示す正面図であり、
図8は
図7の鳥害防止部材11を示す平面図であり、
図9は
図7の鳥害防止部材11を示す右側面図であり、
図10は
図7の鳥害防止部材11を右斜め上方から見たときの斜視図である。なお、背面図は正面図と対称であり、底面図は平面図と対称であり、右側面図は左側面図と対称である。
【0025】
図7~
図10に特に表れているように、複数の鳥害防止部材11のそれぞれは、高さ方向H及び幅方向Wに延びる面において線状体12aが全体としてリング状に配置されたリング体12であってよい。
【0026】
図7~
図10に示すリング体12は、全体として高さ方向H及び幅方向Wに係る寸法が等しい円形状(真円形状)の外形を有している。例えば、リング体12は、厚み方向Tに2mm、高さ方向Hに120mm、及び幅方向Wに120mmの寸法を有することができる。しかしながら、リング体12の寸法は、これに限定されず、実施条件によって任意に変更してよい。
【0027】
リング体12を形成する線状体12aは、樹脂又は金属によって構成することができる。樹脂としては、例えばポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレン又はACS(アクリル系、塩素系及びスチレン系ポリマーを主成分とした樹脂)等を用いることができる。金属としては、例えばステンレス鋼又はアルミニウム等を用いることができる。
【0028】
リング体12は、幅方向Wに互いに離間した位置で高さ方向Hに延在された円弧状の第1側部121及び第2側部122と、幅方向Wに延在されて第1側部121及び第2側部122を接続する接続部123と、を有していてよい。
【0029】
第1側部121及び第2側部122のそれぞれは、半円状であってよく、全体として円形を成すように互いに向かい合うように配置されていてよい。第1側部121及び第2側部122は、高さ方向Hに係る第1側部121及び第2側部122のそれぞれの中心位置を通るとともに幅方向Wに延びる直線L1(
図7参照)を中心に線対称な構成とされていてよい。また、第1側部121は、リング体12の幅方向Wに係る中心位置を通るとともに高さ方向Hに延びる直線L2(
図7参照)を中心に第2側部122と線対称な形状を有していてよい。
【0030】
第1側部121及び第2側部122のそれぞれは、連結部材10が挿通される挿通部111を有していてよい。挿通部111は、幅方向Wに係るリング体12の両端の位置に配置されていてよい。挿通部111は、高さ方向Hに係る第1側部121及び第2側部122の中心位置に配置されていてよい。
【0031】
第1側部121及び第2側部122のそれぞれは、挿通部111から高さ方向Hに係る上方及び下方に突出された円弧状の突起部112を有していてよい。第1側部121の突起部112の先端112aと第2側部122の突起部112の先端112aと間に切欠112bが形成されていてよい。
【0032】
これら第1側部121及び第2側部122は、接続部123によって接続されている。接続部123は、幅方向Wに延在された直線状の部分であってよい。接続部123は、高さ方向Hに関して挿通部111からずれた位置に配置されていてよい。挿通部111が接続部123からずらされていることで、鳥害防止部材11の揺動軸SA又は挿通部111をリング体12の重心位置BPからずらすことができる。例えば、挿通部111から上方に突出された突起部112よりも、挿通部111から下方に突出された突起部112を重く形成する等、他の方法により鳥害防止部材11の揺動軸SAをリング体12の重心位置BPからずらすこともできる。
【0033】
図1~
図6に戻り、少なくとも1つの連結部材10は、複数の鳥害防止部材11を揺動可能に数珠繋ぎにするラインロープ100を含む。本実施の形態の鳥害防止具1では、長手状の1本のラインロープ100により複数の鳥害防止部材11が数珠繋ぎにされている。一本のラインロープ100の端部に、そのラインロープ100を延長するように他のラインロープ100が接続されていてもよい。
【0034】
図5において破線で示すように、挿通部111の内形よりも大きな外形を有する脱落防止部101がラインロープ100に設けられていてよい。このような脱落防止部101がラインロープ100に設けられていることで、仮にラインロープ100が切れたとしても、すべての鳥害防止部材11がラインロープ100から抜け落ちることを防止できる。脱落防止部101としては、任意の構成を用いることができるが、例えば周方向の一部に切欠を有する断面C状の管体等の部材を用いることができる。
図5では鳥害防止部材11の内側に脱落防止部101を示しているが、鳥害防止部材11の外側に脱落防止部101が配置されていてもよい。また、
図5では幅方向Wに係る片側に脱落防止部101を示しているが、幅方向Wに係る両側に脱落防止部101が配置されていてもよい。
【0035】
次に、
図11~
図13を参照しながら、本実施の形態の鳥害防止具1の使用態様の一例について説明する。
図11は
図1の鳥害防止具1の使用形態の一例を示す正面図であり、
図12は
図11の使用形態の一例を示す右側面図であり、
図13は
図11の使用形態の一例を右斜め上方から見たときの斜視図である。
【0036】
本実施の形態の鳥害防止具1は、
図11~
図13に示すように架線2に取り付けて使用することができる。
図11~
図13に示す一例では、鳥害防止具1又は連結部材10を架線2の側方に位置させるとともに、鳥害防止具1又は連結部材10を架線2と平行に架線2に沿って直線状に延在させている。この状態で、図示しないクリップ等の治具により連結部材10を架線2に固定することにより、鳥害防止具1を架線2に取り付けることができる。
【0037】
図11~
図13に示す一例では、鳥害防止部材11が架線2の側方に位置される。このとき、偏平な鳥害防止部材11が架線2の上下に突出することにより、架線2への鳥類の飛来及び営巣等を防止して、鳥類による害を防止することができる。また、鳥害防止部材11が揺動可能に構成されているので、仮に鳥害防止具1を架線2に取り付けた後に鳥害防止部材11が水平に延在されるようなことがあったとしても、鳥害防止部材11の揺動により鳥害防止部材11の向きを変えることができ、より確実に鳥害を防止できる。
【0038】
鳥害防止具1を架線2に取り付ける際に、鳥害防止部材11の揺動により鳥害防止部材11の向きを整えることができる。特に本実施の形態の鳥害防止具1のように、鳥害防止部材11のそれぞれの揺動軸SA(
図1等参照)が高さ方向Hに関して鳥害防止部材11のそれぞれの重心位置BP(
図1等参照)からずれた位置に配置されているとき、鳥害防止部材11のそれぞれを揺動可能な状態とした上で鳥害防止具1を揺らすことにより、鳥害防止部材11の向きを整えることができ、その後に鳥害防止具1を架線2に取り付けることができる。すなわち、本実施の形態の鳥害防止具1の取り付け方法は、鳥害防止部材11のそれぞれを揺動可能な状態とした上で鳥害防止具1を揺らすことにより、鳥害防止部材11の向きを整える工程と、鳥害防止部材11の向きを整えた後に、鳥害防止具1を架線2に取り付ける工程と、を含む。
【0039】
また、鳥害防止具1を架線2に取り付けた後に、鳥害防止部材11の向きが変えられてもよい。人為的に鳥害防止部材11の向きを変えてもよいが、例えば風等による揺れによる鳥害防止部材11の揺動により鳥害防止部材11の向きが変えられてもよい。また、鳥害防止部材11に鳥類が飛来した場合に、その鳥類との接触により鳥害防止部材11の向きが変えられてもよい。鳥害防止部材11の向きの変更により鳥類が留まることを防止できる。
【0040】
次に、
図14~
図16を参照しながら、本実施の形態の鳥害防止具1の使用態様の別の例について説明する。
図14は
図1の鳥害防止具1の使用形態の別の例を示す正面図であり、
図15は
図14の使用形態の別の例を示す右側面図であり、
図16は
図14の使用形態の別の例を右斜め上方から見たときの斜視図である。
【0041】
本実施の形態の鳥害防止具1は、
図14~
図16に示すように架線2に取り付けて使用することもできる。
図14~
図16に示す別の例では、鳥害防止具1又は連結部材10を架線2に巻き付けながら、鳥害防止具1又は連結部材10を架線2に沿って延在させている。鳥害防止具1又は連結部材10を架線2に巻き付けることにより、鳥害防止部材11を様々な向きに延在させることができる。架線2との接触により鳥害防止部材11の揺動が少なくとも部分的に制限されて、図に示すような鳥害防止部材11の向きをある程度維持できる。
【0042】
図14~
図16では、鳥害防止具1又は連結部材10を架線2に巻き付けた際の鳥害防止部材11の位置に応じた鳥害防止部材11の向きを示している。換言すると、
図14~
図16では鳥害防止部材11の初期状態のようなものを示している。鳥害防止具1を架線2に取り付けた後に、必要に応じて鳥害防止部材11の向きが変えられてよい。すなわち、このような使用形態においても、鳥害防止部材11が揺動可能に構成されていることで、鳥害防止部材11の揺動により鳥害防止部材11の向きを変えることができ、より確実に鳥害を防止できる。
【0043】
なお、以上の説明では鳥害防止具1を架線2に取り付けるように説明したが、鳥害防止具1の取付対象は架線2に限定されず、他の任意の支持体に鳥害防止具1を取り付けてもよい。支持体としては、例えば水平に延びる梁材、ベランダ等の手すり部分、及び互いに離間して配置された複数の支柱等を挙げることができる。すなわち、本実施の形態の鳥害防止具1の取り付け方法は、鳥害防止具1を支持体に取り付けるための鳥害防止具1の取り付け方法であって、鳥害防止部材11のそれぞれを揺動可能な状態とした上で鳥害防止具1を揺らすことにより、鳥害防止部材11の向きを整える工程と、鳥害防止部材11の向きを整えた後に、鳥害防止具1を支持体に取り付ける工程と、を含むと理解してもよい。
【0044】
実施の形態2.
図17は、本発明の実施の形態2による鳥害防止具1を示す正面図である。実施の形態1では、高さ方向H及び幅方向Wに係る寸法が等しい円形状をリング体12が有するように説明したが、リング体12の外形は任意に変更できる。例えば
図17に示すように、リング体12の外形は横長の円形(トラック形状)であってもよい。また、実施の形態1ではリング体12に切欠112bが形成されていたが、切欠112bが省略されて、リング体12が閉じた外形(すなわちリング体12の周方向に線状体12aが連続的に延在する外形)を有していてもよい。
【0045】
図17に示すリング体12は、枠体124と、複数の柱部125とを有している。
【0046】
枠体124は、高さ方向Hに互いに離間されて幅方向Wに延びる枠体上辺124a及び枠体下辺124bと、幅方向Wに係る一端において枠体上辺124a及び枠体下辺124bを接続する枠体左辺124cと、幅方向Wに係る他端において枠体上辺124a及び枠体下辺124bを接続する枠体右辺124dとを有している。枠体上辺124a及び枠体下辺124bは幅方向Wに直線状に延在されている。枠体左辺124c及び枠体右辺124dは円弧状又は半円状に形成されている。
【0047】
柱部125は、幅方向Wに互いに離間されて高さ方向Hに延び、枠体上辺124aと枠体下辺124bとを接続している。
【0048】
枠体左辺124c、枠体右辺124d及び柱部125には、連結部材10が挿通された挿通部111が設けられている。柱部125に設けられた挿通部111は、幅方向Wに係る中間位置に配置されている。枠体左辺124c及び枠体右辺124dに設けられた挿通部111は、幅方向Wに係るリング体12の両端の位置に配置されていてよい。その他の構成は実施の形態1と同様である。
【0049】
実施の形態3.
図18は、本発明の実施の形態3による鳥害防止具1を示す正面図である。実施の形態1では、鳥害防止部材11のそれぞれが1つのリング体12であるように説明したが、
図18に示すように、鳥害防止部材11のそれぞれは、高さ方向H及び幅方向Wに延びる面において線状体12aが全体としてリング状に配置された少なくとも2つのリング体12が互いに接合された接合リング体13であってもよい。
【0050】
図18に示す形態では、リング体12の間に延在された接合部130によって2つのリング体12が一体に設けられている。接合部130は、リング体12のそれぞれの接続部123を延長するように延在されている。高さ方向Hに係る接合部130の位置は、高さ方向Hに係る接続部123の位置からずらされていてもよい。接合部130が省略されて一方のリング体12の第1側部121と他方のリング体12の第2側部122とが隣接されて接合されていてもよい。その他の構成は実施の形態1,2と同様である。
【0051】
実施の形態4.
図19は、本発明の実施の形態4による鳥害防止具1を示す正面図である。実施の形態1では、連結部材10が複数の鳥害防止部材11を揺動可能に数珠繋ぎにするラインロープ100であるように説明した。しかしながら、連結部材10は、複数の鳥害防止部材11を連結できるものであればよく、
図19に示すような複数のピン部材14であってもよい。ピン部材14は、幅方向Wに互いに隣り合う一対の鳥害防止部材11を連結している。
【0052】
ピン部材14は、長手状の本体140と、本体140の両端に設けられた頭部141とを有している。本体140の外形は挿通部111の内形よりも小さく、頭部141の外形は挿通部111の内形よりも大きい。頭部141は、塑性変形可能であり、挿通部111に押し込み可能とされていてよい。また、頭部141は、挿通部111に本体140が挿通された後に、本体140の端部に設けられてもよい。その他の構成は実施の形態1~3と同様である。
【0053】
実施の形態5.
図20は、本発明の実施の形態5による鳥害防止具1を示す正面図である。実施の形態1では鳥害防止部材11がリング体12であるように説明した。しかしながら、鳥害防止部材11は他の外形を有していてもよい。
図20に示すように、鳥害防止部材11のそれぞれは、幅方向Wに延びる基部150と、幅方向Wに互いに離間して基部150から高さ方向Hに突出された複数の棘部151とを有する棘状部材であってもよい。
【0054】
基部150は、全体として凹形の形状を有していてよい。より具体的には、基部150は、幅方向Wに延びる基部本体150aと、基部本体150aの両端部から高さ方向Hに延出された側部150bとを有していてよい。挿通部111は側部150bの端部に設けられていてよい。棘部151は、基部150又は基部本体150aから上方に延びる複数の第1棘部151aと、基部150又は基部本体150aから下方に延びる複数の第2棘部151bとを含んでいてよい。その他の構成は実施の形態1~4と同様である。
【0055】
実施の形態6.
図21は、本発明の実施の形態6による鳥害防止具1を示す正面図である。実施の形態5では基部150が凹形の形状を有しているように説明したが、
図21のように基部150が矩形であってもよい。基部150は、高さ方向Hに互いに離間されて幅方向Wに延びる基部上辺160a及び基部下辺160bと、基部上辺160a及び基部下辺160bの両端部から高さ方向Hに延出されて基部上辺160a及び基部下辺160bを接続する側部150bとを有していてよい。挿通部111は、高さ方向Hに係る側部150bの中間又は中心位置に設けられていてよい。棘部151は、基部上辺160aから上方に延びる複数の第1棘部151aと、基部下辺160bから下方に延びる複数の第2棘部151bとを含んでいてよい。複数の第2棘部151bの総重量が複数の第1棘部151aの総重量よりも重くてよい。その他の構成は実施の形態1~5と同様である。
【0056】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0057】
本明細書の発明は、以下のように記載することもできる。
[1]
少なくとも1つの連結部材と、
それぞれの厚み方向に係る寸法が高さ方向及び幅方向に係る寸法よりも小さな偏平な複数の鳥害防止部材であって、前記幅方向に互いに隣り合うように配置されるとともに、前記連結部材を介して互いに連結され、前記連結部材を中心にそれぞれ揺動可能に構成された複数の鳥害防止部材と、
を備える、鳥害防止具。
[2]
前記複数の鳥害防止部材のそれぞれの揺動軸は、前記高さ方向に関して前記鳥害防止部材のそれぞれの重心位置からずれた位置に配置されている、
第1項に記載の鳥害防止具。
[3]
前記複数の鳥害防止部材のそれぞれは、前記複数の鳥害防止部材のそれぞれの前記幅方向に係る両端の位置に配置されるとともに前記連結部材が挿通された挿通部を有している、
第1又は第2項に記載の鳥害防止具。
[4]
前記複数の鳥害防止部材のそれぞれは、前記鳥害防止部材のそれぞれの揺動軸よりも前記高さ方向に突出された円弧状又は直線状の突起部を有しており、
前記突起部は、前記幅方向に関して前記両端の前記挿通部の間で延在されている、
第3項に記載の鳥害防止具。
[5]
前記複数の鳥害防止部材のそれぞれは、前記高さ方向及び前記幅方向に延びる面において線状体が全体としてリング状に配置されたリング体である、
第1から4項までのいずれか1項に記載の鳥害防止具。
[6]
前記リング体は、前記幅方向に互いに離間した位置で前記高さ方向に延在された円弧状の第1側部及び第2側部と、前記幅方向に延在されて前記第1側部及び第2側部を接続する接続部と、を有している、
第5項に記載の鳥害防止具。
[7]
前記第1側部及び第2側部は、前記幅方向に係る前記リング体の両端の位置に配置されるとともに前記連結部材が挿通された挿通部を有している、
第6項に記載の鳥害防止具。
[8]
前記挿通部は、前記高さ方向に関して前記リング体の重心位置からずれた位置に配置されている、
第7項に記載の鳥害防止具。
[9]
前記第1側部及び第2側部は、前記高さ方向に係る前記第1側部及び第2側部のそれぞれの中心位置を通るとともに前記幅方向に延びる直線を中心に線対称な構成とされており、
前記挿通部は、前記第1側部及び第2側部の前記中心位置に配置されており、
前記接続部は、前記高さ方向に関して前記挿通部からずれた位置に配置されている、
第7又は8項に記載の鳥害防止具。
[10]
前記複数の鳥害防止部材のそれぞれは、前記高さ方向及び前記幅方向に延びる面において線状体が全体としてリング状に配置された少なくとも2つのリング体が互いに接合された接合リング体である、
第1から4項までのいずれか1項に記載の鳥害防止具。
[11]
前記複数の鳥害防止部材のそれぞれは、前記幅方向に延びる基部と、前記幅方向に互いに離間して前記基部から前記高さ方向に突出された複数の棘部とを有する棘状部材である、
第1から4項までのいずれか1項に記載の鳥害防止具。
[12]
前記基部は、前記幅方向に延びる基部本体と、前記基部本体の両端部から前記高さ方向に延出された側部とを有しており、
前記棘状部材は、前記側部の端部に設けられるとともに前記連結部材が挿通された挿通部を更に有している、
第11項に記載の鳥害防止具。
[13]
前記基部は、前記高さ方向に互いに離間して前記幅方向に延在された基部上辺及び基部下辺と、前記基部上辺及び前記基部下辺の両端部から前記高さ方向に延出されて前記基部上辺及び前記基部下辺を接続する側部とを有しており、
前記棘状部材は、前記側部に設けられるとともに前記連結部材が挿通された挿通部を更に有している、
第11項に記載の鳥害防止具。
[14]
前記複数の棘部は、前記基部上辺から突出された複数の第1棘部と、前記基部下辺から突出された複数の第2棘部と、を含み、
前記複数の第2棘部の総重量が前記複数の第1棘部の総重量よりも重い、
第13項に記載の鳥害防止具。
[15]
前記少なくとも1つの連結部材は、前記複数の鳥害防止部材を揺動可能に数珠繋ぎにするラインロープを含む、
第1から14項までのいずれか1項に記載の鳥害防止具。
[16]
前記複数の鳥害防止部材のそれぞれは、前記ラインロープが挿通された挿通部を有しており、
前記ラインロープには、前記挿通部の内形よりも大きな外形を有する脱落防止部が設けられている、
第15項に記載の鳥害防止具。
[17]
前記少なくとも1つの連結部材は、隣り合う一対の前記鳥害防止部材を連結する複数のピン部材を含む、
第1から14項までのいずれか1項に記載の鳥害防止具。
[18]
少なくとも1つの連結部材と、それぞれの厚み方向に係る寸法が高さ方向及び幅方向に係る寸法よりも小さな偏平な複数の鳥害防止部材であって、前記幅方向に互いに隣り合うように配置されるとともに、前記連結部材を介して互いに連結され、前記連結部材を中心にそれぞれ揺動可能に構成された複数の鳥害防止部材と、を備える鳥害防止具を架線又は支持体に取り付けるための鳥害防止具の取り付け方法であって、
前記鳥害防止部材のそれぞれの揺動軸は、前記高さ方向に関して前記鳥害防止部材のそれぞれの重心位置からずれた位置に配置されており、
前記鳥害防止部材のそれぞれを揺動可能な状態とした上で前記鳥害防止具を揺らすことにより、前記鳥害防止部材の向きを整える工程と、
前記鳥害防止部材の向きを整えた後に、前記鳥害防止具を前記架線又は支持体に取り付ける工程と、
を含む、鳥害防止具の取り付け方法。
【符号の説明】
【0058】
1 :鳥害防止具
10 :連結部材
100 :ラインロープ
101 :脱落防止部
11 :鳥害防止部材
111 :挿通部
112 :突起部
12 :リング体
12a :線状体
121 :第1側部
122 :第2側部
123 :接続部
2 :架線