(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157439
(43)【公開日】2024-11-07
(54)【発明の名称】庇構造
(51)【国際特許分類】
E04B 7/02 20060101AFI20241030BHJP
E04B 1/348 20060101ALI20241030BHJP
E04B 1/343 20060101ALI20241030BHJP
E04D 13/18 20180101ALI20241030BHJP
【FI】
E04B7/02 501F
E04B1/348 V ETD
E04B1/343 Y
E04D13/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023071809
(22)【出願日】2023-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福田 将之
【テーマコード(参考)】
2E108
【Fターム(参考)】
2E108KK01
2E108LL01
2E108MM05
2E108NN07
(57)【要約】
【課題】建物ユニットの上梁に過度な荷重が生じることを抑制することができる庇構造を提供する。
【解決手段】庇構造1は、それぞれが一端から他端に向けて水平方向に突出するとともに建物ユニット100の幅方向に間隔を隔てて配置される一対の第1梁材10と、第1梁材10の他端同士の間に架け渡される第2梁材20と、を備え、一対の第1梁材10のそれぞれは、一端側において柱材100に架設されるとともに上梁102の外側面102aに固定されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
四隅の柱材と、前記柱材の下端部同士を連結する下梁と、前記柱材の上端部同士を連結する上梁とによって骨組みが形成された庇構造であって、
前記庇構造は、
それぞれが一端から他端に向けて水平方向に突出するとともに前記建物ユニットの幅方向に間隔を隔てて配置される一対の第1梁材と、
前記第1梁材の他端同士の間に架け渡される第2梁材と、を備え、
前記一対の第1梁材のそれぞれは、前記一端側において前記柱材に架設されるとともに前記上梁の外側面に固定されていることを特徴とする庇構造。
【請求項2】
請求項1に記載の庇構造であって、
前記一対の第1梁材のそれぞれは、前記一端側において前記柱材のうち前記第2梁材に対向する対向面にボルトにより固定されていることを特徴とする庇構造。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の庇構造であって、
太陽電池パネルが支持される支持部が設けられていることを特徴とする庇構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、庇構造に関し、特に柱材、床梁及び天井梁によって骨組みが形成された建物ユニットに設けられる庇構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、再生可能エネルギーを用いた発電設備、とりわけ太陽光発電設備(太陽電池パネル)の利用が推奨されており、この状況下で建物の屋根に太陽電池パネルを設置することが行われている。建物の屋根に太陽電池パネルを設置する場合には、屋根の傾斜角度を調整するなどして効率的に太陽光発電することも行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、太陽電池パネルが設置された建物が開示されている。特許文献1では、建物本体に対して屋根を一部張り出すように取付けることによって庇部分(軒)が形成され、太陽電池パネルは、庇部分の先端(軒先側)へ向かって下り勾配となるように斜めに設置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、太陽電池パネルが設置される庇部分は、支持される天井梁(上梁)から水平方向に張り出す片持ち梁構造となっている。このため、太陽電池パネルの荷重は庇部分を介して天井梁に伝達されることになる。しかしながら、太陽電池パネルの寸法の増加に伴い、庇部分奥行寸法を増加させた場合には、天井梁に生じる荷重が増大することにより、天井梁が荷重に耐えられない虞があった。
【0006】
そこで、本発明は、建物ユニットの上梁に過度な荷重が生じることを抑制することができる庇構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題に対して、本発明は、四隅の柱材と、前記柱材の下端部同士を連結する下梁と、前記柱材の上端部同士を連結する上梁とによって骨組みが形成された庇構造であって、前記庇構造は、それぞれが一端から他端に向けて水平方向に突出するとともに前記建物ユニットの幅方向に間隔を隔てて配置される一対の第1梁材と、前記第1梁材の他端同士の間に架け渡される第2梁材と、を備え、前記一対の第1梁材のそれぞれは、前記一端側において前記柱材に架設されるとともに前記上梁の外側面に固定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、上記構成によって、建物ユニットの上梁に過度な荷重が生じることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る庇構造が設けられるユニット建物全体の概略構成を示した斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る庇構造及び建物ユニットの斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る庇構造と建物ユニットとの接合部分の要部を拡大して示す斜視図である。
【
図5】第1梁材と天井梁との接合部分を示す部分拡大図である。
【
図6】第1梁材と柱材との接合部分を示す部分拡大図である。
【
図7】庇構造及び建物ユニットに作用する荷重が伝達される様子を説明するための図である。
【
図8】庇構造を備えた建物の要部を示す断面図である。
【
図9】屋根に太陽光パネルが設置された状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態に係る建物ユニットに設けられる庇構造(以下単に「庇構造」と称する。)について、図面を参照して説明する。
図1は、庇構造が設けられるユニット建物全体の概略構成を示した斜視図である。
【0011】
図1に示すように、ユニット建物である建物200は、複数の建物ユニット100を組合せて構成された建物本体200aと、建物本体200aの上部に屋根201を有して構成されている。
【0012】
建物200は、予め工場で製造した建物ユニット100を建築現場へ搬送して、建築現場で組み立てることにより、短期間のうちに構築できるようにした建物である。建物ユニット100は、ほぼ直方体状のものとされる。建物ユニット100は、例えば鉄骨系のものである。
【0013】
屋根201は、少なくとも建物本体200aの上面全体を覆うようにほぼ水平に設置される。屋根201は、所要の排水勾配を有して設置されてもよい。屋根201には、太陽電池パネル300が取り付けられている。屋根201は、例えば折版屋根であり、複数の太陽電池パネル300が固定金具(不図示)等により屋根201に固定されている。
【0014】
太陽電池パネル300は、太陽光によって発電を行わせるようにしたパネル状の発電装置である。太陽電池パネル300には、各種のものが存在しているが、例えば、CISモジュールなどとすることができる。CISモジュールは、銅(Cu)、インジウム(In)、セレン(Se)の3つの元素を主原料とする化合物半導体系太陽電池などのことである。太陽電池パネル300は、平面視ほぼ矩形状とされ、屋根201の上面に設置される。
【0015】
図2は、本発明の実施形態に係る庇構造1及び建物ユニット100の斜視図である。
図2に示すように、建物ユニット100は、ほぼ直方体状の構造物とされている。建物ユニット100は、四隅に配置される柱材101と、その柱材101の上端間に差し渡される梁材としての天井梁(上梁)102と、その柱材101の下端間に差し渡される梁材としての床梁(下梁)103とによってボックス形の骨組みが構造体として形成される。
【0016】
例えば、柱材101は角形鋼管であり、天井梁102及び床梁103は断面視略コ字形の溝形鋼材によって形成されている。また、柱材101と天井梁102及び床梁103は、溶接接合される。要するに建物ユニット100は、すべての隅角部が溶接接合されたボックスラーメン構造体となっている。
【0017】
建物ユニット100の柱材101と、天井梁102や床梁103との間は、金属製のジョイントピース104(連結部材)を介してそれぞれ連結される。この場合、柱材101の側面にジョイントピース104が溶接固定される。天井梁102及び床梁103は、例えば断面視略コ字形の溝形鋼材によって形成され、ジョイントピース104に対し、天井梁102の端部や床梁103の端部がそれぞれ溶接固定又はボルト固定によって連結される(剛接合又は半剛接合)。柱材101は角筒状のものとされる。
【0018】
なお、以下の説明において、X方向は庇構造1が建物ユニット100から張り出す方向に沿う方向、Y方向は水平方向におけるX方向と直交する方向、Z方向はX方向及びY方向いずれの方向にも直交する鉛直方向を意味する。
【0019】
図2に示すように、建物ユニット100には一方側に張り出すように庇構造1が設けられている。庇構造1は、平面視コ字状に形成され、建物ユニット100の上部から水平方向(
図2中X方向)に突出するように取り付けられている。
【0020】
庇構造1は、一対の第1梁材10と、第1梁材10の他端同士の間に架け渡される第2梁材20とを有して構成されている。庇構造1は、幅方向(
図2中Y方向)において天井梁102を外側から挟むような状態で固定されている。
【0021】
一対の第1梁材10は、それぞれ天井梁102から水平方向(
図2中X方向)に突出するとともに、建物ユニット100の幅方向(
図2中Y方向)に間隔を隔てて配置されている。一対の第1梁材10のそれぞれは、一端側から他端側にかけて天井梁102の延伸方向に沿って天井梁102から同じ長さだけ突出する。
【0022】
図3は、庇構造1と建物ユニット100との接合部分の要部を拡大して示す斜視図である。
図3に示すように、第1梁材10は一端側において柱材101及び天井梁102と接合されている。
【0023】
図4は、第1梁材10の側面図である。第1梁材10は、ウェブ11と、ウェブ11の上下端に設けられる上フランジ12及び下フランジ13とを有して構成されている。ウェブ11と上フランジ12は、いずれも第1梁材10の長手方向の全長に亘って設けられている。ウェブ11の上下方向における寸法は、天井梁102の高さと同じかわずかに大きい程度であればよい。
【0024】
下フランジ13は、第1梁材10の下方側において、長手方向の一部のみに設けられている。即ち、長手方向において、一端側から距離Dを除いた範囲において下フランジ13が設けられている。なお、距離Dの範囲は特に限定されるものではなく、庇構造1の建物ユニット100からの突出寸法を考慮して適宜決定されればよい。即ち、第1梁材10の全長から距離Dを引いた長さが、庇構造1が建物ユニット100から突出する突出寸法に相当する。下フランジ13の一端側の端部は、端部13aとされている。
【0025】
第1梁材10は、下フランジ13が設けられていない干渉回避領域10aと、下フランジ13が設けられている突出領域10bとを有している。干渉回避領域10aは断面視L字状に形成され、突出領域10bは断面視コ字状に形成されている。
【0026】
図3に示すように、庇構造1が建物ユニット100に取り付けられた場合、干渉回避領域10aは柱材101を一部覆った状態で、第1梁材10と同じ方向に延びる天井梁102に固定される。干渉回避領域10aには、下フランジ13が設けられていないため、第1梁材10と柱材101、及び第1梁材10と天井梁102とが干渉し合うことなく、ウェブ11と柱材101及びウェブ11と天井梁102との間に隙間を無くすことができる。
【0027】
また、突出領域10bには下フランジ13が設けられているため、例えば庇構造1を建物ユニット100側に移動させる場合には、端部13aが柱材101に当接することにより突出領域10bと天井梁102が干渉し合い、第1梁材10の建物ユニット100側への移動が抑制される。その結果、庇構造1が建物ユニット100に取り付けられた場合、突出領域10bは天井梁102から張り出すように設けられている。
【0028】
図2に示すように。第2梁材20は、一対の第1梁材10の他端同士の間に架け渡されるように配置される、直線状に延びる部材である。第2梁材20は、一対の第1梁材10の先端同士を連結するように、水平方向(Y方向)に延びている。第2梁材20は、第1梁材10と同一の素材により形成されている。第1梁材10と第2梁材20とは、例えば溶接により固定されているが、これに限定されるものではない。第2梁材20の上側には、複数のタイトフレーム14が設けられている。
【0029】
図5及び
図6とを参照して、実施形態に係る庇構造1と建物ユニット100との接合態様の一例について説明する。
図5は、第1梁材10と天井梁102との接合部分を示す部分拡大図であり、
図6は、第1梁材10と柱材101との接合部分を示す部分拡大図である。
【0030】
図5は、第1梁材10と天井梁102との接合態様を示す図である。庇構造1が建物ユニット100に取り付けられた状態では、第1梁材10と天井梁102は延伸方向(図中X方向)が一致するとともに、第1梁材10が天井梁102よりも外側に位置している。天井梁102の外側面102aは、ウェブ11に対向している。
【0031】
第1梁材10と天井梁102とは、第1接合構造30により接合されている。第1接合構造30は、ベースプレート31と、ベースプレート31に挿通される第1ボルト32により構成される。ベースプレート31は平板状の鋼板であり、ウェブ11の一端側における外側面に、例えば溶接により固定されている。
【0032】
ベースプレート31、ウェブ11、天井梁102は、建物ユニット100の幅方向においてこの順に配置されている。ベースプレート31、ウェブ11及び天井梁102には、いずれも第1ボルト32が貫通する貫通孔(不図示)が形成され、4本の第1ボルト32の各々は、これらの貫通孔に挿入され、天井梁102の内側に設けられたナット(不図示)と螺合している。これにより、第1梁材10と天井梁102とがボルト接合されて一体化される。
【0033】
なお、第1梁材10と天井梁102との接合は、ボルト接合に限られない。例えば、ベースプレート31及び第1ボルト32のいずれも設けることなしに、直接ウェブ11と外側面102aとを溶接により接合してもよい。
【0034】
図6は、第1梁材10と柱材101との接合態様を示す図である。庇構造1が建物ユニット100に取り付けられた状態では、第1梁材10の延伸方向(紙面奥行方向)と柱材101の延伸方向(図中Z方向)は直交するとともに、第1梁材10は柱材101に下方側から支持された状態(架設状態)で設置されている。
【0035】
柱材101のうち、第2梁材20に対向する面は対向面101aであり、上端側の面は上面101bである。上面101bには、上フランジ12が載置され、第1梁材10は柱材101により下方側から支持(架設)される。
【0036】
第1梁材10と柱材101とは、第2接合構造40により接合されている。第2接合構造40は、取付金具41と、第2ボルト42により構成される。取付金具41は、正面板41aと側面板41bにより構成され、正面板41aと側面板41bとが直角に折れ曲がった上面視L字状に形成されている。正面板41aと側面板41bは、例えば平板状の鋼板である。
【0037】
正面板41aは、対向面101aに対して固定される。具体的には、正面板41aには、4本の第2ボルト42が貫通する貫通孔が形成され、第2ボルト42の各々はこれらの貫通孔に挿入されて柱材101に螺合されて固定される。
【0038】
側面板41bは、ウェブ11に対して固定される。具体的には、側面板41bは、例えばウェブ11に対して溶接により接合され、側面板41bとウェブ11が面同士で固定される。
【0039】
なお、正面板41aと対向面101aとは、ボルト接合ではなく溶接接合により固定されてもよい。また、側面板41bとウェブ11とは、溶接接合ではなくボルト接合により固定されてもよい。
【0040】
以上説明したように、第1梁材10と柱材101、第1梁材10と天井梁102はいずれも剛接合された状態となる。これにより、庇構造1は、建物ユニット100に対して第1梁材10の延伸方向(図中X方向)、及び第1梁材10の延伸方向と直交する方向(図中Y方向)のいずれの方向においても、固定された状態となる。
【0041】
図7は、庇構造1及び建物ユニット100に作用する荷重が伝達される様子を説明するための図である。庇構造1に対して上側から荷重が作用した場合において、第1梁材10に作用した荷重は、第1梁材10に接合されている柱材101に伝達される。即ち、第1梁材10に作用した荷重は、水平方向に沿って伝達された後、柱材101に沿って下方側に落とされる。
【0042】
また、第2梁材20に作用した荷重は、第2梁材20に接合されている第1梁材10に伝達された後、第1梁材10に接合されている柱材101に伝達される。即ち、第2梁材20に作用した荷重は、第2梁材20の延伸方向に沿って左右方向に分散された後、第1梁材10を介して柱材101に沿って下方側に落とされる。
【0043】
なお、天井梁102のうち庇構造1側に位置する天井梁(軒元梁)102にも上側及び庇構造1からの荷重が一部伝達され、左右方向に分散された後、柱材101に沿って下方側に落とされる(
図7中の破線矢印参照)。なお、
図7中の各種矢印の太さは、各部材に作用する荷重の大きさを反映させている。
【0044】
このように、庇構造1に作用した荷重のうち、大部分が荷重の伝達経路の下流側にある天井梁102と第1梁材10との接合部分よりも荷重の伝達経路の上流側にある柱材101と第1梁材10との接合部分に伝達される。このため、天井梁102のうち庇構造1側に位置する天井梁(軒元梁)102に荷重の大部分が作用するような、いわゆる「片持ち梁」の状態とは異なり、天井梁102に過度な荷重が作用することを回避することができる。従って、庇構造1は、大きな荷重にも耐えることができる。
【0045】
図8は、実施形態に係る庇構造1を備えた建物の要部を示す断面図である。庇構造1は、軒元側から軒先側に向かって、建物200の外壁71から張り出すように設けられている。庇構造1は、第1接合構造30を介して柱材101に接合される第1梁材10と、第1梁材10の先端側に設けられる第2梁材20を有する。第1梁材10は、柱材101から突出するようにX方向(紙面左右方向)に延び、第2梁材20は第1梁材10と直交する方向(紙面奥行き方向)に延びる。
【0046】
第1梁材10の下方側には、軒天井パネル72が取り付けられている。第2梁材20の側面には、固定具73を介して軒先側へ向かってほぼ水平に延びる庇アーム74が取付けられる。庇アーム74の上には、軒樋受金具75を介して軒樋76が設置される。
【0047】
軒樋76は、屋根201の水下側の端部の下方に設置されるとともに、建物本体200aに沿って紙面と垂直な方向に延設される。庇アーム74の先端側には、軒樋76の外側を覆うようにパラペットなどの軒樋カバー77(化粧カバー)が取付部材(不図示)を介して取付けられる。軒樋カバー77の上部と屋根201の水下側の端部近傍との間には、庇カバー78が架設される。
【0048】
図9は、屋根201に太陽電池パネル300が設置された状態を示す図である。
図9に示すように、太陽電池パネル300は、支持部としての屋根201に支持されている。なお、太陽電池パネル300は、屋根201に代えてタイトフレーム14に直接支持されてもよい。
【0049】
このように、実施形態に係る庇構造1によれば、それぞれが一端から他端に向けて水平方向に突出するとともに建物ユニット100の幅方向に間隔を隔てて配置される一対の第1梁材10と、第1梁材10の他端同士の間に架け渡される第2梁材20と、を備え、一対の第1梁材10のそれぞれは、一端側において柱材101に架設されるとともに天井梁(上梁)102の外側面102aに固定されている。これにより第2梁材20に対して作用する荷重の大部分が柱材101に伝達される。従って、建物ユニット100から張り出した庇構造1の張出寸法を増加させた場合であっても、天井梁102に過度な荷重が作用することを回避することができる。
【0050】
また、一対の第1梁材10のそれぞれは、一端側において柱材101のうち第2梁材20に対向する対向面101aにボルトにより固定されている。これにより、第1梁材10が柱材101に対して強固に固定される。従って、第2梁材20に対して作用する荷重を確実に柱材101に伝達することができる。
【0051】
また、太陽電池パネル300が支持される支持部が設けられている。これにより、庇構造1の先端まで太陽電池パネル300を設置することができ、屋根201に設置される太陽電池パネル300の寸法を大きくすることができる。
【0052】
以上、図面を参照して、本発明の各実施形態を詳述してきたが、具体的な構成は、これらの実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0053】
1 庇構造
10 第1梁材
20 第2梁材
100 建物ユニット
101 柱材
101a 対向面
102 天井梁(上梁)
102a 外側面
103 床梁(下梁)
300 太陽電池パネル