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特開2024-15745報告書作成支援システム及び報告書作成支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024015745
(43)【公開日】2024-02-06
(54)【発明の名称】報告書作成支援システム及び報告書作成支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/26 20240101AFI20240130BHJP
   G08B 21/10 20060101ALI20240130BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20240130BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
G06Q50/26
G08B21/10
G08B25/00 510M
G06T1/00 200D
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022118021
(22)【出願日】2022-07-25
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】本田 沙織
(72)【発明者】
【氏名】山崎 謙一
【テーマコード(参考)】
5B050
5C086
5C087
5L049
【Fターム(参考)】
5B050BA10
5B050BA15
5B050EA07
5B050GA08
5C086AA11
5C086AA52
5C086CA25
5C086CA28
5C086CB36
5C086DA33
5C086FA17
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA08
5C087AA19
5C087BB11
5C087DD02
5C087DD21
5C087DD22
5C087DD23
5C087DD31
5C087EE11
5C087FF01
5C087FF02
5C087GG02
5C087GG08
5C087GG12
5C087GG14
5C087GG22
5C087GG31
5C087GG36
5C087GG66
5C087GG70
5C087GG82
5L049CC35
(57)【要約】
【課題】報告書等の作成を支援する報告書作成支援システムを提供することである。
【解決手段】実施形態に係る報告書作成支援システムは、観測データ受信部、画像データ受信部、データ関連付け処理部、データ蓄積部、及びデータ出力部を備える。前記観測データ受信部は、観測局の環境観測により得られる観測データを受信する。前記画像データ受信部は、撮影装置の撮影により得られる画像データを受信する。前記データ関連付け処理部は、観測データと画像データの日時情報から得られる日時の差分、及び観測データと画像データの位置情報から得られる距離の差分に基づき、条件を満たす観測データと画像データの関連付けデータを生成する。前記データ蓄積部は、前記関連付けデータを蓄積する。前記データ出力部は、データ関連付け処理部で関連付けられた前記関連付けデータを出力する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
観測局の観測により得られる観測データを受信する観測データ受信部と、
撮影装置の撮影により得られる画像データを受信する画像データ受信部と、
観測データと画像データの日時情報から得られる日時の差分、及び観測データと画像データの位置情報から得られる距離の差分に基づき、条件を満たす観測データと画像データの関連付けデータを生成するデータ関連付け処理部と、
前記関連付けデータを蓄積するデータ蓄積部と、
データ関連付け処理部で関連付けられた前記関連付けデータを出力するデータ出力部と、
を備える報告書作成支援システム。
【請求項2】
前記データ関連付け処理部は、観測データと画像データの日時の差分が閾値未満の条件を満たす観測データと画像データの関連付けデータを生成する、
請求項1の報告書作成支援システム。
【請求項3】
前記データ関連付け処理部は、観測データと画像データの日時の差分が最も小さい条件を満たす観測データと画像データの関連付けデータを生成する、
請求項2の報告書作成支援システム。
【請求項4】
前記データ関連付け処理部は、観測データと画像データの距離の差分が閾値未満の条件を満たす観測データと画像データの関連付けデータを生成する、
請求項1の報告書作成支援システム。
【請求項5】
前記データ関連付け処理部は、観測データと画像データの距離の差分が最も小さい条件を満たす観測データと画像データの関連付けデータを生成する、
請求項4の報告書作成支援システム。
【請求項6】
前記データ出力部は、日時又は位置を指定する検索要求に基づき、前記検索要求を満たす関連付けデータを出力する、
請求項1の報告書作成支援システム。
【請求項7】
前記データ関連付け処理部は、画像データに含まれる建造物から画像データの位置を推定する、
請求項1の報告書作成支援システム。
【請求項8】
前記データ関連付け処理部は、受信した観測データの位置をAIで解析して推定して、対応付ける、
請求項1の報告書作成支援システム。
【請求項9】
前記データ関連付け処理部は、建造物データベースに基づき第1の画像データに含まれる建造物から前記第1の画像データの位置を推定し、河川データベースに基づき前記第1の画像データの位置から河川を特定し、特定河川に関する第1の観測データを選択し、条件を満たす前記第1の観測データと前記第1の画像データの第1の関連付けデータを生成する、
請求項1の報告書作成支援システム。
【請求項10】
前記データ関連付け処理部は、閾値を超える観測値を含む第2の観測データを検出し、条件を満たす前記第2の観測データと第2の画像データの関連付けデータを生成し、
前記データ蓄積部は、前記データ関連付け処理部で関連付けられた関連付けデータを用いて報告書を作成する、
請求項1の報告書作成支援システム。
【請求項11】
前記データ関連付け処理部は、閾値を超える観測値を含む第2の観測データを検出し、条件を満たす前記第2の観測データと第2の画像データの関連付けデータを生成し、
前記データ蓄積部は、異常値との比較を行う異常判定部を備え、
前記データ出力部は、異常値の場合に、通知を行う、
請求項1の報告書作成支援システム。
【請求項12】
前記観測データは、観測場所で観測された雨量又は水位を示すデータであり、
前記画像データは、上下水道、河川、ダム、ビル、又は空港の施設の観測場所を撮影したデータである、
請求項1乃至9の何れか一つの報告書作成支援システム。
【請求項13】
観測局の環境観測により得られる観測データ、及び撮影装置の撮影により得られる画像データを受信し、
観測データと画像データの日時情報から得られる日時の差分、及び観測データと画像データの位置情報から得られる距離の差分に基づき、条件を満たす観測データと画像データの関連付けデータを生成し、
前記関連付けデータを出力する、報告書作成支援方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、報告書作成支援システム及び報告書作成支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
社会インフラを維持管理するための防災システムでは、管理者は、自然災害やこれに伴う施設又は設備への障害について監視し、住民等への情報提供の他、災害状況をまとめた報告書を作成し、関係部門等へ報告を行うことが求められる。例えば、管理者は、監視対象となる防災システム(河川、ダムなど)に設置したテレメータの観測局に設けられたセンサーから得られる観測データ(以下、観測データと略す)や、デジタルカメラ、ビデオカメラ、又はスマートフォンなどを使って撮影した静止画や動画などのデータ(以下、画像データと略す)を利用して、関係部門等への報告書をまとめる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-110983号公報
【特許文献2】特許5601255号公報
【特許文献3】特開2020-008984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
報告書では、災害が時系列でどのように発生したかを表現することが必要である。現状、管理者は、観測データと画像データとは別々にそれぞれを時系列に整列し、これらのデータを組み合わせて報告書を作成している。しかしながら、独立して得られる観測データと映像データを時系列に整理する作業は、負担のかかる作業であり、このような作業負担の軽減が求められている。即ち、報告書等の作成を支援する技術が要望されている。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、報告書等の作成を支援する報告書作成支援システム及び報告書作成支援方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る報告書作成支援システムは、観測データ受信部、画像データ受信部、データ関連付け処理部、データ蓄積部、及びデータ出力部を備える。前記観測データ受信部は、観測局の環境観測により得られる観測データを受信する。前記画像データ受信部は、撮影装置の撮影により得られる画像データを受信する。前記データ関連付け処理部は、観測データと画像データの日時情報から得られる日時の差分、及び観測データと画像データの位置情報から得られる距離の差分に基づき、条件を満たす観測データと画像データの関連付けデータを生成する。前記データ蓄積部は、前記関連付けデータを蓄積する。前記データ出力部は、データ関連付け処理部で関連付けられた前記関連付けデータを出力する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係る報告書作成支援システムを含む全体のシステム構成の一例示す図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る報告書作成支援システムの構成を示すブロック図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る報告書作成支援システムによるデータの関連付け処理の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、第2の実施形態に係る報告書作成支援システムの構成を示すブロック図である。
図5図5は、第3の実施形態に係る報告書作成支援システムの構成を示すブロック図である。
図6図6は、第4の実施形態に係る報告書作成支援システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照し実施形態に係る報告書作成支援システムについて説明する。ここで、報告書作成支援システムに接続される防災情報システムは、河川情報システム、ダム管理制御装置(ダムコン)や、農業用水等用水路の流量を管理する水管理システム、地域住民へ避難指示等を行う総合防災情報システム等があるが、以下の説明では、河川情報システムを一例として説明する。
【0009】
<第1の実施形態>
図1は、実施形態に係る報告書作成支援システムを含む全体のシステム構成の一例示す図である。
図1に示すように、本実施形態のシステム構成は、網防災情報システム2、撮影装置3、及び上位報告先となる関係部門4とが、通信網(インターネットまたは専用線のどちらでもよい)6を介して接続されたシステムに、報告書作成支援システム1を設けるところが特徴である。ここで、報告書作成支援システム1は、物理サーバ(オンプレミス)で実現してもよいし、仮想サーバ(クラウド)で実現してもよい。
【0010】
まず、防災情報システム2について、説明する。
防災情報システム2は、テレメータ監視装置21、データ蓄積装置22、通信処理サーバ23、表示盤装置24、操作部25、公開用Webサーバ27、及びメールサーバ26を備える。
【0011】
テレメータ観測局5は、定期的に雨量又は河川の水位等の観測値を観測し、リアルタイム又は定期的に観測値を送信する。
テレメータ監視装置21は、対象地区に設置されたテレメータ観測局5で定期的に観測される雨量又は河川の水位等の観測値をリアルタイム又は定期的に受信し、受信した観測値を通信処理サーバ23に配信する。
【0012】
データ蓄積装置22は、データ蓄積部であり、各種データを記憶する。例えば、データ蓄積装置22は、テレメータ監視装置21で受信した観測値を観測データとして蓄積する。また、データ蓄積装置22は、関連付けデータを蓄積する。関連付けデータについては後に詳しく説明する。
【0013】
通信処理サーバ23は、テレメータ監視装置21から配信された観測データと閾値とを比較して、観測データが閾値を超えると異常を検出し、警報等を出力する。例えば、通信処理サーバ23は、観測データの更新に応じてリアルタイムに観測データを報告書作成支援システム1へ送信してもよいし、定期的に観測データを報告書作成支援システム1へ送信してもよい。
また、通信処理サーバ23は、通信網6等を介して、データ蓄積装置22に蓄積される観測データを報告書作成支援システム1へ送信する。
【0014】
表示盤装置24は、テレメータ監視装置21による観測データ等を表示する。また、表示盤装置24は、通信装置23から出力される警報の表示も行う。
【0015】
操作部25は、データ蓄積装置22に蓄積された計測データと画像データとを任意の日時又は位置を検索して関連付け、報告書作為のための操作を行う入出力装置である。報告書作成の詳細方法は、後述する。操作部25は、産業用パーソナルコンピュータ又は一般的なパーソナルコンピュータ、またはスマートフォン等で構成される。
【0016】
メールサーバ26は、登録されたメールアドレスに対してメールを送信する。例えば、メールサーバ26は、通信処理サーバ23から出力される警報をメールで送信する。
【0017】
公開用Webサーバ27は、データ蓄積装置22に保存された監視結果を公開するWebサーバである。公開用Webサーバ27は、各種通信端末からのアクセスに応答し、監視結果を出力する。
【0018】
撮影装置3は、河川、ダム等の観測場所を撮影した画像データを送信する、撮影装置である。撮影装置3は、固定された撮影装置であってもよいし、持ち運び可能な撮影装置であってもよく、デジタルカメラ、ビデオカメラ、又はスマートフォン等である。
【0019】
報告書作成支援システム1は、観測データ収集装置11、画像データ収集装置12、データ関連付け装置13、データ蓄積装置14、及びデータ出力装置15を備える。
【0020】
観測データ収集装置11は、通信網6等を介して、防災情報システム2の環境観測により得られる観測データを受信する通信装置である。また、観測データ収集装置11は、受信した観測データを解析するデータ解析装置でもある。観測データは、日時情報、位置情報、及び観測値等を含む。
さらに、観測データは、観測局名、水系名、河川名、管轄事務所、住所、及び基準値(閾値)を含む。観測値は、河川、ダム等で観測された値である。
ここで、日時情報は、観測値の観測日時を示す。位置情報は、観測位置の緯度及び経度を示す。観測値は、雨量又は河川等の水位を示す。
【0021】
画像データ収集装置12は、通信網6等を介して、撮影装置3の撮影により得られる画像データを受信する通信装置である。また、画像データ収集装置12は、画像処理により、受信した画像データから建造物等を検出する画像解析装置でもある。画像データは、河川、ダムなどを撮影したデータである。例えば、画像データは、日時情報を含む。また、画像データは、日時情報に加えて位置情報を含んでもよい。日時情報は、画像データの撮影日時を示す。位置情報は、画像データの撮影場所の緯度及び経度を示す。
【0022】
データ関連付け装置13は、関連付け条件を満たす観測データと画像データを対応付けて同期させる。例えば、データ関連付け装置13は、観測データと画像データの日時情報から得られる日時の差分、及び観測データと画像データの位置情報から得られる距離の差分に基づき、関連付け条件を満たす観測データと画像データのデータ関連付けを生成する。
【0023】
データ蓄積装置14は、データ記憶装置であり、各種データを記憶する。例えば、データ蓄積装置14は、データ関連付け装置13により生成されるデータ関連付けを蓄積する。
【0024】
データ出力装置15は、防災システム2の操作部25からの要求に応じて検索画面を提示し、検索画面を介して検索を受け付け、検索結果としてデータ関連付けを指定フォーマットで出力する。例えば、データ出力装置15は、日時又は位置を指定する検索要求に基づき、検索要求を満たすデータ関連付けを指定フォーマットで出力する。
【0025】
各種の報告書を作成する作成者は、防災システム2の操作部25により、指定フォーマットで、関連付けデータを受け取ることができる。作成者は、関連付けデータから、同期した観測データと画像データを得ることができ、同期した観測データと画像データにより報告書を容易に作成することができる。
【0026】
関係部門4は、作成された報告書を受領する関係部門である。
例えば、河川情報システムの場合、防災システム2が河川事務所に設置され、関係部門は上位の機関である、地方整備局や、国土交通書等になる。また、関係部門としては、都道府県、市町村、消防、警察等、報告書を必要とする関係部門である。
【0027】
図2は、第1の実施形態に係る報告書作成支援システムの構成を示すブロック図である。
図2に示すように、報告書作成支援システム1は、観測データ収集装置11、画像データ収集装置12、データ関連付け装置13、データ蓄積装置14、及びデータ出力装置15を備える。
【0028】
観測データ収集装置11は、観測データ受信部111及び観測データ配信部112を備える。
観測データ受信部111は、防災情報システム2の環境観測により得られる観測データを受信する。観測データ配信部112は、受信した観測データをデータ関連付け装置13等へ配信する。
【0029】
画像データ収集装置12は、画像データ受信部121及び画像データ配信部122を備える。
画像データ受信部121は、撮影装置3の観測場所の撮影により得られる画像データを受信する。画像データ配信部122は、受信した画像データをデータ関連付け装置13等へ配信する。
【0030】
データ関連付け装置13は、データ受信部131、データ関連付け処理部132、及びデータ配信部133を備える。
データ受信部131は、観測データ収集装置11から配信される観測データを受信し、また、画像データ収集装置12から配信される画像データを受信する。
データ関連付け処理部132は、観測データと画像データの日時情報から得られる日時の差分、及び観測データと画像データの位置情報から得られる距離の差分に基づき、関連付け条件を満たす観測データと画像データの関連付けデータを生成する。
データ配信部133は、関連付けデータをデータ蓄積装置14等へ配信する。
【0031】
データ関連付け処理部132は、観測データに含まれる日時情報に基づき観測データを時系列に整理し、時系列に整理された観測データに含まれる位置情報に基づき観測データをグループ分けする。
同様に、データ関連付け処理部132は、画像データに含まれる日時情報に基づき画像データを時系列に整理し、時系列に整理された画像データに含まれる位置情報に基づきグループ分けする。
さらに、データ関連付け処理部132は、所定距離未満のグループの観測データと画像データを時系列に関連付ける。
【0032】
データ蓄積装置14は、データ保存部141を備える。
データ保存部141は、データ関連付け装置13から配信される関連付けデータを記憶する。関連付けデータは、関連付けられた観測データと画像データを含んでもよいし、関連付けられた観測データと画像データを含まずに関連付けられた観測データと画像データへのリンクデータを含んでもよい。
【0033】
関連付けデータの日時情報として、関連付けられた観測データの日時情報を採用してもよいし、関連付けられた画像データの日時情報を採用してもよいし、両方の日時情報を採用してもよい。同様に、関連付けデータの位置情報として、関連付けられた観測データの位置情報を採用してもよいし、関連付けられた画像データの位置情報を採用してもよいし、両方の位置情報を採用してもよい。
【0034】
データ出力装置15は、データ検索部151及びデータ出力部152を備える。
データ検索部151は、操作部25から送信される、日時又は位置を指定する検索要求に基づき、検索要求を満たす関連付けデータを検索する。例えば、データ検索部151は、検索要求に含まれる観測データ又は画像データの日時を基準として、基準日時から前後に所定時間未満の観測データ又は画像データを関連付けたデータを検索する。所定時間として1時間が設定されると、データ検索部151は、基準日時から前後に1時間未満の観測データ又は画像データを関連付けたデータを検索する。
【0035】
また、データ検索部151は、検索要求に含まれる観測データ又は画像データの位置を基準として、基準位置から所定距離未満の観測データ又は画像データを関連付けたデータを検索する。所定距離として1kmが設定されると、データ検索部151は、基準位置から1km未満の観測データ又は画像データを関連付けたデータを検索する。
データ出力部152は、検索された関連付けデータを操作部25へ出力する。例えば、データ出力部152は、指定された報告書のフォーマットに適合した関連付けデータを操作部25へ出力する。
【0036】
ここで、データ関連付け処理部132による観測データと画像データの関連付けについていくつかを例示して説明する。
(1-1)データ関連付け処理部132は、観測データと画像データの日時情報から得られる日時の差分が第1の閾値未満の関連付け条件を満たす観測データと画像データの関連付けデータを生成する。
ここで第1の閾値は任意の値であり、第1の閾値を1時間に設定することにより、データ関連付け処理部132は、日時の差分が1時間未満の観測データと画像データの関連付けデータを生成する。例えば、各種の報告書を作成する作成者により操作される操作部25が、関連付け条件を指定する。
即ち、作成者が、操作部25を介して、任意の値である第1の閾値を指定する。
【0037】
(1-2)第1の閾値未満の関連付け条件を満たす観測データが無い場合、データ関連付け処理部132が、暫定的に、日時の差分が第1の閾値以上で最小値になる観測データと画像データの関連付けデータを生成し、暫定情報を含む関連付けデータを出力してもよい。
【0038】
(2)また、最も相応しいデータを関連付けるため、第1の閾値未満の関連付け条件満たす観測データと画像データの関連付けデータの生成に替えて、データ関連付け処理部132は、観測データと画像データの日時情報から得られる日時の差分が最も小さい関連付け条件を満たす観測データと画像データの関連付けデータを生成してもよい。
これにより、第1の閾値未満の関連付け条件満たす観測データと画像データの組み合わせが複数存在する場合に、最も相応しいデータを関連付けることができる。例えば、各種の報告書を作成する作成者により操作される操作部25が、上記した関連付け条件を指定する。
【0039】
(3-1)データ関連付け処理部132は、観測データと画像データの位置情報から得られる距離の差分が第2の閾値未満の関連付け条件を満たす観測データと画像データの関連付けデータを生成する。
ここで、第2の閾値は任意の値であり、第2の閾値を1kmに設定することにより、データ関連付け処理部132は、距離の差分が1km未満の観測データと画像データの関連付けデータを生成する。例えば、各種の報告書を作成する作成者により操作される操作部25が、任意の値である第2の閾値を指定する。
【0040】
(3-2)第2の閾値未満の関連付け条件を満たす観測データが無い場合、データ関連付け処理部132が、暫定的に、距離の差分が第2の閾値以上で最小値になる観測データと画像データの関連付けデータを生成し、暫定情報を含む関連付けデータを出力してもよい。
【0041】
(4)また、最も相応しいデータを関連付けるため、第2の閾値未満の関連付け条件満たす観測データと画像データの関連付けデータの生成に替えて、データ関連付け処理部132は、観測データと画像データの位置情報から得られる距離の差分が最も小さい関連付け条件を満たす観測データと画像データの関連付けデータを生成してもよい。
これにより、第2の閾値未満の関連付け条件満たす観測データと画像データの組み合わせが複数存在する場合に、最も相応しいデータを関連付けることができる。各種の報告書を作成する作成者は、操作部25に表示したい、上記した関連付け条件を指定する。
【0042】
データ関連付け処理部132は、上記(1-1)又は(1-2)と(3-1)、(3-2)、又は(4)を組み合わせて実行する。或いは、上記(2)と(3-1)、(3-2)、又は(4)を組み合わせて実行する。
(2)を実行する場合は、日時に重点を置いた関連付けデータを得ることができる。(4)を実行する場合は距離に重点を置いた関連付けデータを得ることができる。また、(2)と(4)を実行する場合は、日時と距離の両方に重点を置いた関連付けデータを得ることができる。
【0043】
図3は、第1の実施形態に係る報告書作成支援システムによるデータの関連付け処理の一例を示すフローチャートである。
図3に示すように、ST101において、観測データ収集装置11は、観測データ受信部111により、防災情報システム2の環境観測により得られる観測データを受信する。また、画像データ収集装置12は、画像データ受信部121により、撮影装置3の観測場所の撮影により得られる画像データを受信する。
【0044】
次に、ST102において、データ関連付け装置13は、データ関連付け処理部132により、観測データと画像データの日時情報から得られる日時の差分、及び位置情報から得られる距離の差分に基づき、関連付け条件を満たす観測データと画像データを関連付けて、関連付けデータを生成する。
【0045】
次に、ST103において、データ蓄積装置14は、データ保存部141により、生成された関連付けデータを蓄積する。
【0046】
次に、ST104において、データ出力装置15は、データ検索部151により、操作部25から送信される、日時又は位置を指定する検索要求に基づき、検索要求を満たす関連付けデータを検索する。
そして、ST105において、データ出力部152により、検索された関連付けデータを操作部25へ出力する。
【0047】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態について、説明する。本実施の形態は、データ関連付け処理部にもAI解析を用いたデータ解析部を備えた実施形態である。なお、報告書作成支援システムを含む全体のシステム構成の一例は、図1と同様のため説明を省略する。
【0048】
図4は、第2の実施形態に係る報告書作成支援システムの構成を示すブロック図である。ここでは、第1例と相違点を中心に説明する。
図4に示すように、報告書作成支援システム1のデータ関連付け処理部132は、データ解析部1321を備える。データ解析部1321は、AI(Artificial Intelligence)により、画像データの位置を推定する。なお、データ解析部1321は、AIにより、観測データの位置を解析して推定してもよい。
ここで、データ解析部1321は、マップデータ(位置と画像を含む)を学習し、位置と画像のモデルを生成し、生成されるモデルに基づき、撮影により得られた画像データの位置を推定する。
【0049】
或いは、データ解析部1321は、建造物の輪郭及び位置情報を登録した建造物データベースに基づき、画像処理により画像データから所定の画像を検出してもよい。
この場合、データ解析部1321は、建造物データベースに基づき、データ受信部131により受信された第1の画像データから建造物を検出する。さらに、データ解析部1321は、建造物データベースに基づき、検出された建造物から第1の画像データの位置を推定する。
【0050】
なお、推定される位置は、第1の画像データの撮影者の位置ではなく、第1の画像データに含まれる建造物の位置である。これにより、撮影者の位置ではなく、第1の画像データに含まれる建造物の位置に基づく関連付けデータの生成が可能となる。
また、データ受信部131により受信された第1の画像データが位置情報(撮影者の位置情報)を含まない場合であっても、第1の画像データの位置を推定することができる。
データ関連付け処理部132は、推定された第1の画像データの位置に基づき、関連付けデータを生成する。
【0051】
或いは、データ関連付け処理部132は、河川データベースに基づき第1の画像データの位置から第1の画像データに関係する河川を特定し、特定河川に関する第1の観測データを選択し、関連付け条件を満たす第1の観測データと第1の画像データの関連付けデータを生成する。
【0052】
画像データには、並行して流れる複数の河川、又は支流を含む複数の河川が含まれることがある。
データ関連付け処理部132は、河川データベースを用いて、画像データに含まれる建造物の位置を基準にして河川を特定し、特定河川に関する観測データと画像データを適切に関連付けることができる。
【0053】
或いは、操作部25の表示に基づき、各種の報告書を作成する作成者は、河川名を含む関連付け条件を指定し、データ関連付け処理部132は、指定される関連付け条件に基づき、関連付けの対象となる河川の観測データと画像データを抽出し、抽出された観測データと画像データについて、時系列に対応させた観測データと画像データのデータを生成してもよい。
【0054】
<第3の実施形態>
次に、第3の実施形態について、説明する。本実施の形態は、受信データから、閾値を超過判定した受信データを集めて自動的に報告書を作成する実施形態である。なお、報告書作成支援システムを含む全体のシステム構成の一例は、図1と同様のため説明を省略する。
【0055】
図5は、実施形態に係る報告書作成支援システムの第3例を示すブロック図である。ここでは、第1例と相違点を中心に説明する。
図5に示すように、報告書作成支援システム1のデータ関連付け処理部132は、超過判定部1322を備える。また、報告書作成支援システム1のデータ保存部141は、報告書作成部1411を備える。
【0056】
超過判定部1322は、観測データに含まれる閾値に基づき、閾値を超える観測値を含む観測データ(閾値超えの観測データ)を検出し、データ関連付け処理部132は、関連付け条件を満たす観測データ(閾値超えの観測データ)と画像データの関連付けデータを生成する。
【0057】
報告書作成部1411は、関連付け条件を満たす観測データ(閾値超えの観測データ)と画像データの関連付けデータに基づき報告書を作成する。データ保存部141は、作成された報告書を保存する。
【0058】
この場合、操作部25は、関連付け条件を満たす観測データ(閾値超えの観測データ)と画像データの関連付けデータから生成される報告書を受信し、表示することができる。
【0059】
<第4の実施形態>
次に、第4の実施形態について、説明する。本実施の形態は、受信した観測データから超過データを抽出して、異常値か否かを判定し、異常値の場合は、異常通知を行う実施形態である。なお、報告書作成支援システムを含む全体のシステム構成の一例は、図1と同様のため説明を省略する。
【0060】
図6は、第4の実施形態に係る報告書作成支援システムの構成を示すブロック図である。ここでは、第1例と相違点を中心に説明する。
図6に示すように、第1の実施形態と比較すると、報告書作成支援システム1のデータ関連付け処理部132は、超過判定部1322を備える。また、報告書作成支援システム1のデータ保存部141は、異常判定部1412を備える。また、報告書作成支援システム1のデータ出力部152は、異常通知部1521を備える。
【0061】
超過判定部1322は、観測データに含まれる閾値に基づき、閾値を超える観測値を含む観測データ(閾値超えの観測データ)を検出し、データ関連付け処理部132は、関連付け条件を満たす観測データ(閾値超えの観測データ)と画像データの関連付けデータを生成する。
【0062】
異常判定部1412は、関連付け条件を満たす観測データ(閾値超えの観測データ)と画像データの関連付けデータに基づき、画像処理により画像データを解析して、画像データ中の異常の有無を判定し、判定結果を出力する。
【0063】
例えば、異常判定部1412は、閾値を超えた観測データは、雨量が多いこと又は水位が高いことを示しているが、画像データの解析結果では、雨量が多いこと又は水位が高いことを示さない場合は、解析結果が一致しないため、異常と判定する。
また、異常判定部1412は、閾値を超えた観測データは、雨量が多いこと又は水位が高いことを示していて、画像データの解析結果も、雨量が多いこと又は水位が高いことを示す場合は、解析結果合が一致するため、正常と判定する。
【0064】
異常通知部1521は、異常判定部1412からの判定結果を受けて、操作部25に対して判定結果を送信する。例えば、異常通知部1521は、アラートとして異常を示す判定結果を送信する。
本実施形態では、もし、観測データまたは画像データのいずれかに異常が発生した場合でも、操作部25に異常通知を行うため、誤って状況判断による、誤った報告書を作成してしまうリスクを防ぐことができる。
【0065】
以上、説明した各実施形態により、報告書等の作成を支援する報告書作成支援システム及び報告書作成支援方法を提供することができる。
報告書作成支援システム1は、観測データと画像データの日時情報から得られる日時の差分、及び観測データと画像データの位置情報から得られる距離の差分に基づき、関連付け条件を満たす観測データと画像データの関連付けデータを生成し、操作部25等からの要求に応じた関連付けデータを出力する。
操作部25からの要求は、日時、位置、又は河川名を含む。
各種の報告書を作成する作成者は、操作部25を介して、適切な関連付けデータを受け取ることができる。
【0066】
以上説明した各実施形態では、河川情報システムに接続される報告書作成支援システムについて説明したが、これに限られず、他の防災システムである、ダム管理制御装置(以下、ダムコン)や、農業用水等用水路の流量を管理する水管理システム、地域住民へ避難指示等を行う総合防災情報システム等に適用が可能である。この場合も、センサデータと画像データを組み合わせて上位の関係省庁等への報告書を作成する場合に、適用が可能である。
【0067】
更に、報告書作成支援システムに接続されるシステムは、防災情報システムに限られず、上下水道や、ビル、空港、発電所、化学プラント等のプラント施設へ適用してもよい。この場合、各プラント施設の動作状況やプラントの動作状況を示すために、観測データに替えて、プラントのプロセスデータを、画像データ等を合成して作成することで、報告書作成の支援装置に適用することも適用可能である。
【0068】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0069】
1…報告書作成支援システム
2…防災情報システム
3…撮影装置
4…関係部門
5…テレメータ観測局
6…通信網
11…観測データ収集装置
12…画像データ収集装置
13…データ関連付け装置
14…データ蓄積装置
15…データ出力装置
21…テレメータ監視装置
22…データ蓄積装置
23…通信処理サーバ
24…表示盤装置
25…操作部
26…メールサーバ
27…公開用Webサーバ
111…観測データ受信部
112…観測データ配信部
121…画像データ受信部
122…画像データ配信部
131…データ受信部
132…データ関連付け処理部
133…データ配信部
141…データ保存部
151…データ検索部
152…データ出力部
1321…データ解析部
1322…超過判定部
1411…報告書作成部
1412…異常判定部
1521…異常通知部
図1
図2
図3
図4
図5
図6