IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士電機株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-電力変換装置 図1
  • 特開-電力変換装置 図2
  • 特開-電力変換装置 図3
  • 特開-電力変換装置 図4
  • 特開-電力変換装置 図5
  • 特開-電力変換装置 図6
  • 特開-電力変換装置 図7
  • 特開-電力変換装置 図8
  • 特開-電力変換装置 図9
  • 特開-電力変換装置 図10
  • 特開-電力変換装置 図11
  • 特開-電力変換装置 図12
  • 特開-電力変換装置 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157477
(43)【公開日】2024-11-07
(54)【発明の名称】電力変換装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20241030BHJP
   H05K 7/12 20060101ALI20241030BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
H05K7/12 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023071889
(22)【出願日】2023-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100202728
【弁理士】
【氏名又は名称】三森 智裕
(72)【発明者】
【氏名】石島 菜央
(72)【発明者】
【氏名】松本 竜
【テーマコード(参考)】
4E353
5H770
【Fターム(参考)】
4E353AA06
4E353BB04
4E353CC12
4E353DD05
4E353DR27
4E353DR49
4E353GG35
5H770BA15
5H770CA01
5H770CA02
5H770CA04
5H770DA11
5H770DA22
5H770DA30
5H770JA17W
5H770JA17Y
5H770JA17Z
5H770QA22
5H770QA28
(57)【要約】
【課題】互いに異なる出力容量に対応する複数種類の仕様の電力変換装置に対応するために、部品(導体)の種類が増加することを抑制可能な電力変換装置を提供する。
【解決手段】この無停電電源装置100(電力変換装置)は、コンデンサとコンデンサ導体とを含むコンデンサユニットと、スイッチ部73とスイッチ導体80とを含むスイッチユニット70とを備える。この無停電電源装置100では、スイッチユニット70におけるスイッチ導体80において、互いに異なる出力容量に対応する複数種類の仕様の電力変換装置に対して共通して配置される導体81および82が設けられている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力を出力する電力変換装置であって、
入力された電力を変換して出力する電力変換部と、
前記電力変換部に接続されるコンデンサと、前記コンデンサに接続されるコンデンサ導体とを含むコンデンサユニットと、
前記電力変換部の出力側の導通のオンとオフとを切り替える出力側スイッチ部と、前記出力側スイッチ部に接続されるスイッチ導体とを含むスイッチユニットと、を備え、
前記コンデンサユニットにおける前記コンデンサ導体と、前記スイッチユニットにおける前記スイッチ導体との少なくとも一方において、互いに異なる出力容量に対応する複数種類の仕様の前記電力変換装置に対して共通して配置される共通導体が設けられている、電力変換装置。
【請求項2】
前記電力変換部からの電力が供給される外部装置が接続される外部端子部をさらに備え、
前記出力側スイッチ部は、前記電力変換部と前記外部端子部との間における導通のオンとオフとを切り替え、
前記スイッチ導体は、前記出力側スイッチ部と前記電力変換部との間を接続し、互いに異なる出力容量ごとに異なる形状を有する複数種類の仕様の前記電力変換装置における前記出力側スイッチ部に対して共通して配置される前記共通導体としての変換部側共通導体と、前記出力側スイッチ部と前記外部端子部との間を接続し、互いに異なる出力容量ごとに異なる形状を有する複数種類の仕様の前記電力変換装置における前記出力側スイッチ部に対して共通して配置される前記共通導体としての外部側共通導体との少なくとも一方を含む、請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記スイッチ導体は、前記変換部側共通導体を含み、
絶縁支持部材を介して前記変換部側共通導体が取り付けられる複数の孔部を有するフレーム部材をさらに備え、
前記変換部側共通導体は、互いに異なる出力容量に対応して互いに異なる形状を有する複数種類の仕様の前記電力変換装置における前記出力側スイッチ部に対して、複数種類の仕様ごとに前記複数の孔部のうちの一部が共通した異なる組み合わせの前記孔部に取り付けられる、請求項2に記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記出力側スイッチ部は、水平方向に沿って並ぶ3つの入力端子を有し、
前記出力側スイッチ部の水平方向に沿って並ぶ3つの前記入力端子のうちの中央に配置されている前記入力端子に接続される前記変換部側共通導体は、互いに異なる出力容量に対応して互いに異なる形状を有する複数種類の仕様の前記電力変換装置における前記出力側スイッチ部に対して、複数種類の仕様ごとに共通の前記孔部に取り付けられる、請求項3に記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記スイッチ導体は、前記外部側共通導体を含み、
前記スイッチユニットは、入力された電力を前記電力変換部を介さずに前記外部端子部に出力するバイパス回路に設けられているバイパス側スイッチ部を含み、
前記バイパス側スイッチ部は、前記外部側共通導体に接続されている、請求項2~4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記出力側スイッチ部と前記バイパス側スイッチ部とは、上下方向に並んで配置されており、
前記外部側共通導体は、前記出力側スイッチ部と前記バイパス側スイッチ部との間に配置され、水平方向に沿って延びる水平部分を有する、請求項5に記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記スイッチ導体は、前記外部側共通導体を含み、
前記スイッチユニットは、互いに異なる出力容量に対応して互いに異なる形状を有する複数種類の仕様の前記電力変換装置における前記出力側スイッチ部に対して、複数種類の仕様ごとの前記出力側スイッチ部の前後方向における位置を調整するための板金部材を含む、請求項2~4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項8】
前記スイッチユニットは、前記出力側スイッチ部と前記外部側共通導体とを接続する中継導体を含み、
前記出力側スイッチ部は、水平方向に沿って並ぶ3つの出力端子を有し、
前記外部側共通導体は、3つの前記出力端子の各々に接続され、互いに上下方向における位置が等しい3つの接続部分を有し、
前記外部側共通導体の3つの前記接続部分は、互いに共通の形状を有する前記中継導体を介して、3つの前記出力端子の各々に接続されている、請求項7に記載の電力変換装置。
【請求項9】
前記コンデンサユニットの前記コンデンサは、複数のフィルタコンデンサを含み、
前記コンデンサ導体は、前記複数のフィルタコンデンサに接続され、互いに異なる出力容量に対応する複数種類の仕様の前記電力変換装置における前記複数のフィルタコンデンサに対して共通して配置される前記共通導体としてのコンデンサ共通導体を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項10】
前記コンデンサ共通導体は、並んで配置されている前記複数のフィルタコンデンサ同士を接続する、請求項9に記載の電力変換装置。
【請求項11】
前記複数のフィルタコンデンサは、前記電力変換部の入力側に接続される入力側フィルタコンデンサと、前記電力変換部の出力側に接続される出力側フィルタコンデンサとを含み、
前記コンデンサユニットは、前記入力側フィルタコンデンサと前記出力側フィルタコンデンサとの間に接続される複数のカップリングコンデンサと、前記複数のカップリングコンデンサ同士を接続するカップリング導体とをさらに含み、
前記コンデンサ共通導体は、前記カップリング導体を介して前記複数のカップリングコンデンサに接続されている、請求項10に記載の電力変換装置。
【請求項12】
前記コンデンサ共通導体と前記電力変換部とを接続するケーブル状の配線部材をさらに備える、請求項9に記載の電力変換装置。
【請求項13】
前記共通導体は、導体に絶縁部材が積層されたラミネートバスバーを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項14】
前記電力変換部、前記コンデンサユニット、および、前記スイッチユニットを収容する筐体をさらに備え、
前記筐体は、前記電力変換部、前記コンデンサユニット、および、前記スイッチユニットの種類ごとに区画され、互いに異なる出力容量に対して共通した一定の大きさを有する複数の区画領域を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遮断器を備える電力変換装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1に記載の電力変換装置は、入力された電力の変換を行う電力変換部を備えている。電力変換部の入力側には、電源の開閉および保護を行うブレーカ(遮断器)が設けられている。電力変換部の出力側には、コンタクタ(遮断器)が設けられている。また、電力変換部は、バッテリから直流電力が供給されるように構成されている。電力変換部とバッテリとの間には、コンタクタ(遮断器)が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-163392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記特許文献1には記載されていないが、上記特許文献1に記載のような電力変換装置において出力容量が変更された場合には、出力容量に対応するように電力変換装置に配置される機器の仕様も変更される場合がある。その場合には、機器の変更に併せて、機器の配置および機器の形状が異なることに起因して、機器に接続される導体も変更する必要があるため部品(導体)の種類が増加する。そのため、互いに異なる出力容量に対応する複数種類の仕様の電力変換装置に対応するために、部品(導体)の種類が増加することを抑制することが望まれている。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、互いに異なる出力容量に対応する複数種類の仕様の電力変換装置に対応するために、部品(導体)の種類が増加することを抑制可能な電力変換装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による電力変換装置は、電力を出力する電力変換装置であって、入力された電力を変換して出力する電力変換部と、電力変換部に接続されるコンデンサと、コンデンサに接続されるコンデンサ導体とを含むコンデンサユニットと、電力変換部の出力側の導通のオンとオフとを切り替える出力側スイッチ部と、出力側スイッチ部に接続されるスイッチ導体とを含むスイッチユニットと、を備え、コンデンサユニットにおけるコンデンサ導体と、スイッチユニットにおけるスイッチ導体との少なくとも一方において、互いに異なる出力容量に対応する複数種類の仕様の電力変換装置に対して共通して配置される共通導体が設けられている。
【0008】
この発明の一の局面による電力変換装置は、上記のように、コンデンサユニットにおけるコンデンサ導体と、スイッチユニットにおけるスイッチ導体との少なくとも一方において、互いに異なる出力容量に対応する複数種類の仕様の電力変換装置に対して共通して配置される共通導体が設けられている。これにより、コンデンサに接続されるコンデンサ導体と、出力側スイッチ部に接続されるスイッチ導体との各々において、電力変換装置の複数種類の仕様ごとに互いに異なる導体が設けられている場合に比べて、共通導体が設けられている分、導体の種類を削減することができる。その結果、互いに異なる出力容量に対応する複数種類の仕様の電力変換装置に対応するために、部品(導体)の種類が増加することを抑制することができる。
【0009】
上記一の局面による電力変換装置において、好ましくは、電力変換部からの電力が供給される外部装置が接続される外部端子部をさらに備え、出力側スイッチ部は、電力変換部と外部端子部との間における導通のオンとオフとを切り替え、スイッチ導体は、出力側スイッチ部と電力変換部との間を接続し、互いに異なる出力容量ごとに異なる形状を有する複数種類の仕様の電力変換装置における出力側スイッチ部に対して共通して配置される共通導体としての変換部側共通導体と、出力側スイッチ部と外部端子部との間を接続し、互いに異なる出力容量ごとに異なる形状を有する複数種類の仕様の電力変換装置における出力側スイッチ部に対して共通して配置される共通導体としての外部側共通導体との少なくとも一方を含む。このように構成すれば、スイッチ導体において、共通導体として変換部側共通導体と外部側共通導体との少なくとも一方が設けられているため、出力側スイッチ部を含むスイッチユニットにおいて、導体の種類が増加することを抑制することができる。また、スイッチユニットにおいて、出力容量に応じて大きさが変化する電磁接触器などのスイッチが出力側スイッチ部として配置される場合には、出力側スイッチ部自体が大型化することに起因して、ケーブルなどの導体を出力側スイッチ部に接続する場合には、作業性が悪くなる。これに対して、本発明では、スイッチ導体において、共通導体として変換部側共通導体と外部側共通導体との少なくとも一方が設けられているため、部品(導体)の種類の増加を効果的に抑制することができるとともに、スイッチユニットにおける組立作業に要する負担を軽減することができる。
【0010】
この場合、好ましくは、スイッチ導体は、変換部側共通導体を含み、絶縁支持部材を介して変換部側共通導体が取り付けられる複数の孔部を有するフレーム部材をさらに備え、変換部側共通導体は、互いに異なる出力容量に対応して互いに異なる形状を有する複数種類の仕様の電力変換装置における出力側スイッチ部に対して、複数種類の仕様ごとに複数の孔部のうちの一部が共通した異なる組み合わせの孔部に取り付けられる。このように構成すれば、複数種類の仕様ごとに変換部側共通導体が取り付けられる複数の孔部のうちの一部を共通化することによって、フレーム部材に設けられる孔部の個数を少なくすることができる。そのため、フレーム部材に対する穴あけ作業に要する作業負担を軽減することができる。
【0011】
上記変換部側共通導体が取り付けられる複数の孔部を有するフレーム部材を備える電力変換装置において、好ましくは、出力側スイッチ部は、水平方向に沿って並ぶ3つの入力端子を有し、出力側スイッチ部の水平方向に沿って並ぶ3つの入力端子のうちの中央に配置されている入力端子に接続される変換部側共通導体は、互いに異なる出力容量に対応して互いに異なる形状を有する複数種類の仕様の電力変換装置における出力側スイッチ部に対して、複数種類の仕様ごとに共通の孔部に取り付けられる。このように構成すれば、3つの入力端子のうちの両端に配置されている入力端子に接続されている変換部側共通導体を、複数種類の仕様ごとに共通の孔部に取り付ける場合に比べて、出力側スイッチ部に対して接続される導体を短くすることができる。そのため、出力側スイッチ部に接続される導体における電気的な損失(電気抵抗による損失)を小さくすることができるとともに、電力変換装置全体の重量が大きくなることを抑制することができる。
【0012】
上記スイッチ導体が変換部側共通導体と外部側共通導体との少なくとも一方を含む電力変換装置において、好ましくは、スイッチ導体は、外部側共通導体を含み、スイッチユニットは、入力された電力を電力変換部を介さずに外部端子部に出力するバイパス回路に設けられているバイパス側スイッチ部を含み、バイパス側スイッチ部は、外部側共通導体に接続されている。このように構成すれば、出力側スイッチ部とバイパス側スイッチ部との両方を外部側共通導体に接続することによって、バイパス側スイッチ部を複数種類の仕様ごとに共通の外部側共通導体とは別個の導体に接続する場合に比べて、複数の仕様の電力変換装置に対応する部品(導体)の種類の増加をより効果的に抑制することができる。
【0013】
この場合、好ましくは、出力側スイッチ部とバイパス側スイッチ部とは、上下方向に並んで配置されており、外部側共通導体は、出力側スイッチ部とバイパス側スイッチ部との間に配置され、水平方向に沿って延びる水平部分を有する。このように構成すれば、出力側スイッチ部とバイパス側スイッチ部との間に共通導体を配置することによって、共通導体に対して、出力側スイッチ部とバイパス側スイッチ部との両方を容易に接続することができる。
【0014】
上記スイッチ導体が変換部側共通導体と外部側共通導体との少なくとも一方を含む電力変換装置において、好ましくは、スイッチ導体は、外部側共通導体を含み、スイッチユニットは、互いに異なる出力容量に対応して互いに異なる形状を有する複数種類の仕様の電力変換装置における出力側スイッチ部に対して、複数種類の仕様ごとの出力側スイッチ部の前後方向における位置を調整するための板金部材を含む。このように構成すれば、複数種類の仕様ごとに出力側スイッチ部の前後方向における位置が異なる場合にも、板金部材を用いることによって出力側スイッチ部の前後方向における位置を調整することができるので、複数種類の仕様ごとに共通する共通導体である外部側共通導体を、複数種類の仕様ごとの出力側スイッチ部により容易に接続することができる。
【0015】
この場合、好ましくは、スイッチユニットは、出力側スイッチ部と外部側共通導体とを接続する中継導体を含み、出力側スイッチ部は、水平方向に沿って並ぶ3つの出力端子を有し、外部側共通導体は、3つの出力端子の各々に接続され、互いに上下方向における位置が等しい3つの接続部分を有し、外部側共通導体の3つの接続部分は、互いに共通の形状を有する中継導体を介して、3つの出力端子の各々に接続されている。このように構成すれば、3つの出力端子の各々に接続される中継導体が互いに共通の形状を有しているため、3つの出力端子の各々ごとに中継導体の形状が異なる場合に比べて、中継導体の種類を削減することができる。その結果、複数種類の仕様の電力変換装置に対応する部品(導体)の種類の増加をより抑制することができる。
【0016】
上記一の局面による電力変換装置において、好ましくは、コンデンサユニットのコンデンサは、複数のフィルタコンデンサを含み、コンデンサ導体は、複数のフィルタコンデンサに接続され、互いに異なる出力容量に対応する複数種類の仕様の電力変換装置における複数のフィルタコンデンサに対して共通して配置される共通導体としてのコンデンサ共通導体を含む。このように構成すれば、コンデンサユニットにおいて、コンデンサの大きさが容量に応じて変化する場合にも、複数種類の仕様の電力変換装置における複数のフィルタコンデンサに対する共通導体としてコンデンサ共通導体が設けられているため、複数のフィルタコンデンサを含むコンデンサユニットにおいて、導体の種類が増加することを抑制することができる。そのため、複数の仕様の電力変換装置に対応する部品(導体)の種類の増加をより抑制することができる。
【0017】
この場合、好ましくは、コンデンサ共通導体は、並んで配置されている複数のフィルタコンデンサ同士を接続する。このように構成すれば、並んで配置されている複数のフィルタコンデンサ同士を共通のコンデンサ共通導体で接続することによって、複数のフィルタコンデンサを並べて配置する場合において、部品(導体)の種類の増加を効果的に抑制することができる。
【0018】
上記コンデンサ共通導体が複数のフィルタコンデンサ同士を接続する電力変換装置において、好ましくは、複数のフィルタコンデンサは、電力変換部の入力側に接続される入力側フィルタコンデンサと、電力変換部の出力側に接続される出力側フィルタコンデンサとを含み、コンデンサユニットは、入力側フィルタコンデンサと出力側フィルタコンデンサとの間に接続される複数のカップリングコンデンサと、複数のカップリングコンデンサ同士を接続するカップリング導体とをさらに含み、コンデンサ共通導体は、カップリング導体を介して複数のカップリングコンデンサに接続されている。このように構成すれば、フィルタコンデンサ同士を接続するコンデンサ共通導体に、カップリング導体を介して複数のカップリングコンデンサを接続することによって、複数の仕様の電力変換装置に対応する部品(導体)の種類の増加を抑制しながら、入力側フィルタコンデンサと出力側フィルタコンデンサとの間にカップリングコンデンサを容易に接続することができる。
【0019】
上記複数種類の仕様の電力変換装置における複数のフィルタコンデンサに対して共通して配置される共通導体としてのコンデンサ共通導体を含む電力変換装置において、好ましくは、コンデンサ共通導体と電力変換部とを接続するケーブル状の配線部材をさらに備える。このように構成すれば、電力変換装置の複数種類の仕様ごとに、複数のフィルタコンデンサの大きさが異なることに起因して、コンデンサ共通導体の位置が異なる場合にも、ケーブル状の配線部材によって、コンデンサ共通導体と電力変換部とを容易に接続することができる。
【0020】
上記一の局面による電力変換装置において、好ましくは、共通導体は、導体に絶縁部材が積層されたラミネートバスバーを含む。このように構成すれば、共通導体の占める領域を小さくすることができるので、複数種類の仕様の電力変換装置に対応する部品(導体)の種類の増加を抑制することができるとともに、電力変換装置の大型化を抑制することができる。
【0021】
上記一の局面による電力変換装置において、好ましくは、電力変換部、コンデンサユニット、および、スイッチユニットを収容する筐体をさらに備え、筐体は、電力変換部、コンデンサユニット、および、スイッチユニットの種類ごとに区画され、互いに異なる出力容量に対して共通した一定の大きさを有する複数の区画領域を含む。このように構成すれば、互いに異なる出力容量を有する複数種類の仕様の電力変換装置に対して、電力変換部、コンデンサユニット、および、スイッチユニットの配置を共通化することができる。そのため、電力変換装置の仕様を変更した場合において、電力変換部、コンデンサユニット、および、スイッチユニットのうちの一部の仕様が共通している場合には、共通しているユニットの評価試験を省略することができる。そのため、部品(導体)の種類の増加を抑制しながら、複数の仕様の電力変換装置に対して行われる評価試験の回数の合計を削減することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、上記のように、互いに異なる出力容量に対応する複数種類の仕様の電力変換装置に対応するために、部品(導体)の種類が増加することを抑制可能な電力変換装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態による無停電電源装置の構成を示したブロック図である。
図2】本発明の一実施形態による無停電電源装置の回路図である。
図3】本発明の一実施形態による無停電電源装置の筐体内部を示す斜視図である。
図4】本発明の一実施形態による無停電電源装置の筐体における区画を説明するための側面図である。
図5】パターンAにおける無停電電源装置のスイッチユニットを模式的に示した正面図である。
図6】パターンBにおける無停電電源装置のスイッチユニットを模式的に示した正面図である。
図7】電力変換部側の共通導体における3つの導体を説明するための図である。
図8】外部側の共通導体における3つの導体を説明するための図である。
図9】板金部材を説明するための模式図である。
図10】外部側の共通導体の水平部分および垂直部分を模式的に示した正面図である。
図11】外部側の共通導体の湾曲部分を模式的に示した側面図である。
図12】コンデンサユニットにおける共通導体を説明するための斜視図である。
図13】非絶縁型の無停電電源装置におけるカップリングコンデンサの接続を説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
図1図13を参照して、本発明の一実施形態による無停電電源装置100の構成について説明する。なお、無停電電源装置100は、特許請求の範囲における「電力変換装置」の一例である。
【0026】
(無停電電源装置の構成)
図1に示すように、本実施形態による無停電電源装置100は、筐体10、電力変換ユニット20、電力変換ユニット30、トランス41、リアクトル42、リアクトル43、コンデンサユニット50を備える。また、無停電電源装置100は、制御部60、外部端子部65、および、スイッチユニット70を備えている。
【0027】
図2に示すように、無停電電源装置100は、装置外部の負荷103に電力を出力する。無停電電源装置100は、装置外部の交流電源101(商用電源)からの交流電力が正常に供給されている正常動作時において、装置外部の交流電源101からの交流電力を変換して装置外部の負荷103に出力するように構成されている。そして、無停電電源装置100は、停電などの交流電源101の異常時(バックアップ時)には、外部のバックアップ用のバッテリ102からの直流電力を電力変換によって交流電力に変換して負荷103に出力するように構成されている。すなわち、無停電電源装置100は、インバータ給電方式の無停電電源装置である。なお、無停電電源装置100を、正常動作時において交流電源101からの交流電力を変換せずに装置外部の負荷103に出力する常時商用給電方式としてもよい。なお、負荷103は、特許請求の範囲における「外部装置」の一例である。
【0028】
図1に示すように、筐体10の内部には、電力変換ユニット20、電力変換ユニット30、トランス41、リアクトル42、リアクトル43、コンデンサユニット50、制御部60、外部端子部65、および、スイッチユニット70が収容されている。筐体10は、略直方体状(図3参照)の形状を有する。
【0029】
図1および図2に示すように、電力変換ユニット20は、電力変換部21、リアクトル22、および、リアクトル23を含む。また、電力変換ユニット30は、電力変換部31、リアクトル32、および、リアクトル33を含む。
【0030】
電力変換部21は、入力された電力を変換して出力する。具体的には、電力変換部21は、交流電源101から供給される交流電力を変換するとともに、変換された交流電力を負荷103に対して供給する。また、電力変換部21は、バッテリ102から供給される直流電力を交流電力に変換するとともに、変換された交流電力を負荷103に対して供給する。電力変換部21は、交流電源101から入力された交流電力を直流電力に変換する整流器回路を有するコンバータ部21aと、コンバータ部21aにより変換された直流電力を交流電力に変換するインバータ部21bと、バッテリ102から入力された直流電力を昇圧してインバータ部21bに対して供給するチョッパ部21cとを含む。電力変換部21のコンバータ部21a、インバータ部21b、および、チョッパ部21cは、電力変換動作を行うIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などのスイッチング素子を有する。電力変換部21は、後述する制御部60による制御処理によって電力変換動作を行う。
【0031】
リアクトル22およびリアクトル23は、電力変換部21に電気的に接続されている。リアクトル22は、電力変換部21の入力側に接続されている。リアクトル23は、電力変換部21の出力側に接続されている。リアクトル22およびリアクトル23は、交流電力における高調波を抑制する交流リアクトルである。
【0032】
電力変換ユニット30の各部の構成は、電力変換ユニット20の各部の構成と同様である。すなわち、電力変換部31、リアクトル32、および、リアクトル33は、それぞれ、電力変換部21、リアクトル22、および、リアクトル23と同様である。詳細には、電力変換部31は、コンバータ部31a、インバータ部31b、および、チョッパ部31cを有する。そして、コンバータ部31a、インバータ部31b、および、チョッパ部31cは、それぞれ、コンバータ部21a、インバータ部21b、および、チョッパ部21cと同様である。無停電電源装置100では、構成が共通している電力変換ユニット20と電力変換ユニット30との2つが互いに並列に接続されている。たとえば、電力変換ユニット20および電力変換ユニット30の各々が50kVAの出力容量を有する場合には、無停電電源装置100は、100kVAの出力容量となる。
【0033】
トランス41は、電力変換部21および電力変換部31の各々の出力側に接続されている。具体的には、トランス41は、電力変換ユニット20のリアクトル23および電力変換ユニット30のリアクトル33の各々の出力側に接続されている。トランス41は、入力された交流電力を変圧して出力する。また、トランス41では、入力側と出力側とが電気的に絶縁されている。
【0034】
リアクトル42は、電力変換ユニット20および電力変換ユニット30の交流電力の入力側に接続される。リアクトル42は、交流電源101と、電力変換ユニット20および電力変換ユニット30との間に接続されている。リアクトル43は、電力変換ユニット20および30の直流電力の入力側に接続される。すなわち、リアクトル43は、電力変換部21および31に直流電力を供給するバッテリ102と、電力変換部21および31との間に接続される。
【0035】
コンデンサユニット50は、電力変換部21および電力変換部31に接続される複数のフィルタコンデンサ51および複数のフィルタコンデンサ52を有する。フィルタコンデンサ51は、電力変換部21および電力変換部31の入力側に接続される。フィルタコンデンサ52は、電力変換部21および電力変換部31の出力側に接続される。たとえば、複数のフィルタコンデンサ51の一方の端子は、電力変換部21および電力変換部31の各々の入力側に接続されている。複数のフィルタコンデンサ52の一方の端子は、電力変換部21および電力変換部31の各々の出力側に接続されている。そして、複数のフィルタコンデンサ51の他方の端子と、複数のフィルタコンデンサ52の他方の端子とが、互いに短絡されている。複数のフィルタコンデンサ51および52は、高調波を抑制する。なお、図2では、複数のフィルタコンデンサ51および複数のフィルタコンデンサ52を1つのコンデンサとして記載している。複数のフィルタコンデンサ51および52は、たとえば、6つずつ設けられており、三相の交流電力の各相ごとに2つずつ並列に接続されている。また、フィルタコンデンサ51およびフィルタコンデンサ52は、それぞれ、特許請求の範囲における「入力側フィルタコンデンサ」および「出力側フィルタコンデンサ」の一例である。
【0036】
制御部60は、PCB基板を含む。制御部60は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などを含む。制御部60は、たとえば、パーソナルコンピュータ、プロセッサ、または、回路(circuitry)である。また、制御部60は、不揮発性のメモリ、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)、または、SSD(Solid State Drive)などを含む。また、制御部60は、無停電電源装置100の各部の制御を行う。たとえば、制御部60は、電力変換部21および電力変換部31の電力変換動作の制御などを実行する。
【0037】
スイッチユニット70は、スイッチ部71、スイッチ部72、スイッチ部73、スイッチ部74、および、スイッチ部75を含む。スイッチ部71、スイッチ部72、スイッチ部73、スイッチ部74、および、スイッチ部75の各々は、接続されている電路の開閉(導通)を切り替える。スイッチ部71は、電力変換ユニット20および電力変換ユニット30と交流電源101との間に配置されている。具体的には、スイッチ部71は、リアクトル42の交流電源101側(入力側)に接続されている。スイッチ部72は、電力変換ユニット20および電力変換ユニット30と、バッテリ102との間に配置されている。具体的には、スイッチ部72は、リアクトル43のバッテリ102側(入力側)に接続されている。また、スイッチ部73は、電力変換ユニット20および電力変換ユニット30と、負荷103との間に配置されている。すなわち、本実施形態では、スイッチ部73は、電力変換部21および電力変換部31の出力側の導通のオンオフを切り替える。言い換えれば、スイッチ部73は、電力変換部21および電力変換部31と、外部端子部65との間の導通のオンとオフとを切り替える。また、スイッチ部74は、交流電源101から入力された交流電力を、電力変換部21および電力変換部31(電力変換ユニット20および電力変換ユニット30)を介さずに外部端子部65に出力するバイパス回路に設けられている。また、スイッチ部75は、スイッチ部74と並列に接続されている。なお、スイッチ部73およびスイッチ部74は、それぞれ、特許請求の範囲における「出力側スイッチ部」および「バイパス側スイッチ部」の一例である。
【0038】
無停電電源装置100は、スイッチ部74およびスイッチ部75の導通を切り替えることによって、商用給電方式と、インバータ給電方式とを切り替えるように構成されている。スイッチ部71~74は、たとえば、電磁接触器を含む。スイッチ部75は、たとえば、サイリスタを含むスイッチング素子により構成された交流スイッチを含む。スイッチユニット70の各部のスイッチング動作は、制御部60からの制御信号に基づいて制御される。
【0039】
外部端子部65は、無停電電源装置100の外部と接続される複数の接続端子を含む。具体的には、外部端子部65は、無停電電源装置100に対して電力を供給する外部の交流電源101およびバッテリ102が電気的に接続される。また、外部端子部65は、電力変換ユニット20および30の電力変換部21および31からの電力が供給される外部装置である負荷103が電気的に接続される。
【0040】
(筐体内における各部の配置)
図1および図3に示すように、筐体10は、内部の空間を第1区画10a、第2区画10b、第3区画10c、および、第4区画10dの4つの領域に区画されている。なお、以下の説明では、筐体10の前後方向、左右方向、および、上下方向を、それぞれ、X方向、Y方向、および、Z方向とする。また、筐体10の前面側および背面側を、それぞれ、X1方向側およびX2方向側とする。また筐体10の上方側(天面側)および下方側(底面側)を、それぞれ、Z1方向側およびZ2方向側とする。また、左右方向は、筐体10の側面側である。
【0041】
第1区画10a、第2区画10b、第3区画10c、および、第4区画10dの各々は、複数の電気機器ユニットの種類ごとに区画されている。ここで言う電気機器ユニットは、たとえば、電力変換ユニット20、電力変換ユニット30、コンデンサユニット50、および、スイッチユニット70を含む。第1区画10aには、電力変換ユニット20が配置されている。第2区画10bには、電力変換ユニット30が配置されている。第3区画10cには、トランス41、リアクトル42、および、リアクトル43が配置されている。また、第3区画10cには、コンデンサユニット50が配置されている。第4区画10dには、制御部60、外部端子部65、および、スイッチユニット70が配置されている。なお、第1区画10a、第2区画10b、第3区画10c、および、第4区画10dは、特許請求の範囲における「区画領域」の一例である。
【0042】
図3および図4に示すように、電力変換ユニット20の配置される第1区画10aと、電力変換ユニット30の配置される第2区画10bは、筐体10内の上方側(Z1方向側)の領域において、左右方向の一方側(Y1方向側)に寄せて配置されている。第1区画10aでは、電力変換ユニット20は、前面側(X1方向側)に配置されている。また、電力変換部21は、電力変換ユニット20において、リアクトル22および23の上方側(Z1方向側)に配置されている。同様に、第2区画10bでは、電力変換ユニット30は、前面側(X1方向側)に配置されている。そして、電力変換部31は、電力変換ユニット30において、リアクトル32および33の上方側(Z1方向側)に配置されている。
【0043】
第3区画10cは、筐体10内の上方側(Z1方向側)の領域において、第1区画10aおよび第2区画10bに対して、左右方向のY2方向側に隣り合うように設けられている。また、第3区画10cは、筐体10内の下方側(Z2方向側)において、筐体10の背面側(X2方向側)に寄せて配置されている。第4区画10dは、筐体10内の下方側(Z2方向側)において、前面側(X1方向側)に寄せて配置されている。第4区画10dにおいて、制御部60、外部端子部65、および、スイッチユニット70は、鉛直方向(上下方向)の上方側(Z1方向側)からこの順に並んで配置されている。すなわち、第1区画10a、第2区画10b、および、第4区画10dが、筐体10の前面側(X1方向側)において、上下方向(Z方向)に並んで配置されており、上方側(Z1方向側)から順に、電力変換部21、リアクトル22およびリアクトル23、電力変換部31、リアクトル32およびリアクトル33、制御部60、スイッチユニット70、外部端子部65、が上下方向(Z方向)に沿って順に並んで配置されている。そして、第3区画10cにおいて、第1区画10aおよび第2区画10bの側面側(Y2方向側)にコンデンサユニット50が配置されている。また、第3区画10cにおいて、第4区画10dの背面側(X2方向側)に、トランス41、リアクトル42、および、リアクトル43が配置されている。リアクトル42および43は、トランス41の上方に配置されている。
【0044】
(出力容量の変更)
本実施形態では、筐体10の第1区画10a、第2区画10b、第3区画10c、および、第4区画10dの各々は、複数の電気機器ユニットの種類ごとに区画され、互いに異なる出力容量に対して共通した一定の大きさを有する。そして、第1区画10a、第2区画10b、第3区画10c、および、第4区画10dの各々には、互いに異なる出力容量を有する複数種類の仕様の無停電電源装置100のいずれかに対応する性能を有する電気機器ユニットが収容されている。すなわち、筐体10は、複数種類の仕様の無停電電源装置100に対して共通化されている。第1区画10a、第2区画10b、第3区画10c、および、第4区画10dの各々は、複数種類の仕様の無停電電源装置100に対して共通の大きさを有する。無停電電源装置100の仕様の種類には、たとえば、出力容量が3相75kVA、単相30kVA、および、3相100kVA等がある。また、無停電電源装置100の複数種類の仕様として、出力容量が異なる場合のみならず、装置構成が異なる場合がある。たとえば、無停電電源装置100の複数種類の仕様として、トランス41が設けられない非絶縁型とする場合がある。
【0045】
無停電電源装置100は、たとえば、締結用の取付け孔の配置を共通とすることにより、第1区画10a、第2区画10b、第3区画10c、および、第4区画10dの各々において、出力容量を変更した場合にも共通して部品を配置可能に構成されている。また、複数の仕様の無停電電源装置100の各々に対して互いに異なる大きさを有する部品(電気機器ユニット)が収容される場合には、筐体10に対して部品を取り付けるための取付け孔が、互いに異なる大きさを有する電気機器ユニットに対応するように複数パターン形成されている。
【0046】
具体的には、第1区画10aは、出力容量が互いに異なる複数種類の電力変換ユニット20を配置可能に構成されている。第2区画10bは、出力容量が互いに異なる複数種類の電力変換ユニット30を配置可能に構成されている。また、第3区画10cは、出力容量が互いに異なる複数種類のトランス41、リアクトル42、リアクトル43、および、コンデンサユニット50を配置可能に構成されている。そして、第4区画10dは、出力容量が互いに異なる複数種類のスイッチユニット70を配置可能に構成されている。なお、制御部60は、全ての仕様の無停電電源装置100に対して共通である。また、第1区画10aに配置される電力変換ユニット20と第2区画10bに配置される電力変換ユニット30とは、互いに共通の種類であるため、第1区画10aに配置されている電力変換ユニット20は、第2区画10bに配置可能に構成されており、第2区画10bに配置されている電力変換ユニット30は、第1区画10aに配置可能に構成されている。
【0047】
〈スイッチユニットの構成〉
図5および図6に示すように、互いに異なる仕様の無停電電源装置100同士に対して、仕様ごとに異なる性能を有するスイッチユニット70が用いられる。たとえば、図5には、無停電電源装置100の出力容量が三相75kVAの場合におけるスイッチユニット70を図示しており、図6には、無停電電源装置100の出力容量が三相100kVAの場合におけるスイッチユニット70を図示している。以下の説明では、図5に示した出力容量が三相75kVAの無停電電源装置100を、パターンAとし、図6に示した出力容量が三相100kVAの無停電電源装置100を、パターンBとして説明する。パターンAおよびパターンBともに、スイッチユニット70のスイッチ部71~75の各々は、YZ平面に沿って第3区画10cと第4区画10dとを区画する板状の区画部材に取り付けられている。パターンAの区画部材とパターンBの区画部材とは、互いに異なる形状を有している。一方で、パターンAの区画部材とパターンBの区画部材とは、無停電電源装置100の筐体10を構成するフレーム部材に設けられた共通の取り付け孔部に対して取り付けられている。なお、無停電電源装置100の出力容量が単相30kVAである場合には、スイッチユニット70は、三相100kVAの無停電電源装置100と同様のパターンBの構成となる。
【0048】
無停電電源装置100の出力容量が異なる場合には、スイッチユニット70におけるスイッチ部71~74の形状が異なる。たとえば、スイッチユニット70において、スイッチ部73およびスイッチ部74は、出力容量に応じて、サイズが大きくなる。一例として、図5に示したパターンAの無停電電源装置100におけるスイッチ部73およびスイッチ部74に比べて、図6に示したパターンBの無停電電源装置100におけるスイッチ部73およびスイッチ部74の方が、上下方向(Z方向)における長さが35mm大きく、前後方向(X方向)における長さが14mm大きい。なお、スイッチ部73およびスイッチ部74は、Y方向における大きさ同士、および、Z方向における大きさ同士が互いに共通である。また、パターンAとパターンBとにおいて、スイッチ部75の形状は共通である。また、無停電電源装置100において、複数種類の仕様ごとに、スイッチユニット70における全てのスイッチ部71~75の形状が異なるようにしてもよい。
【0049】
スイッチ部73は、三相の交流電力の各々の相に対応するように、水平方向である左右方向(Y方向)に沿って並ぶ3つの入力端子73a、入力端子73b、および、入力端子73cを有している。また、スイッチ部73は、3つの入力端子73a、入力端子73b、および、入力端子73cの各々に対応して、水平方向に沿って並ぶ3つの出力端子73d、出力端子73e、および、出力端子73fを有している。スイッチ部74も同様に、三相の交流電力の各々の相に対応するように、水平方向である左右方向(Y方向)に沿って並ぶ3つの入力端子74a、入力端子74b、および、入力端子74cを有している。そして、3つの入力端子74a、入力端子74b、および、入力端子74cの各々に対応して、スイッチ部74は、水平方向に沿って並ぶ3つの出力端子74d、出力端子74e、および、出力端子74fを有している。スイッチ部73において、入力端子73a~73cは、上方側(Z1方向側)に配置されている。スイッチ部73において、出力端子73d~73fは、下方側(Z2方向側)に配置されている。スイッチ部74において、入力端子74a~74cは、下方側(Z2方向側)に配置されている。スイッチ部74において、出力端子74d~74fは、上方側(Z1方向側)に配置されている。また、スイッチ部73の3つの入力端子73a~73cの各々と3つの出力端子73d~73fの各々とは、互いに上下方向における位置が揃えられた状態で配置されている。スイッチ部74の入力端子74a~74cの各々および出力端子74d~74fの各々も同様である。本実施形態では、パターンAのスイッチ部73およびスイッチ部74に比べて、パターンBのスイッチ部73およびスイッチ部74の方が、入力端子73a~73c同士の幅が大きい。たとえば、パターンAよりもパターンBの方が、入力端子73a~73c同士のY方向における中心間の距離が9mm大きい。
【0050】
ここで、スイッチユニット70は、スイッチ部73に接続されるスイッチ導体80を含む。スイッチ導体80は、複数の金属板の導体(バスバー)が組み合わされることによって、1つの電路を形成している。スイッチユニット70において、スイッチ導体80は、ネジなどの締結部材により締結されることによって電気的に接続される。そして、本実施形態では、スイッチ導体80は、互いに異なる出力容量に対応する複数種類の仕様の無停電電源装置100に対して共通して配置される共通導体である導体81および導体82を含む。すなわち、導体81および導体82は、互いに異なる出力容量ごとに異なる形状(大きさ)を有する複数種類の仕様の無停電電源装置100におけるスイッチ部73に対して、共通して配置される共通導体である。導体81は、スイッチ部73と、電力変換部21および電力変換部31(電力変換ユニット20および電力変換ユニット30)との間を接続する。具体的には、導体81は、トランス41の負荷103側(出力側)とスイッチ部73とを接続する。すなわち、スイッチ部73は、導体81によってトランス41に接続され、トランス41からフィルタコンデンサ52を経て電力変換部21および電力変換部31(電力変換ユニット20および電力変換ユニット30)に電気的に接続されている。なお、無停電電源装置100がトランス41を有さない非絶縁型である場合には、スイッチ部73はフィルタコンデンサ52に接続される。導体82は、スイッチ部73と外部端子部65との間を接続する。また、スイッチ導体80は、中継導体83、中継導体84、中継導体85、および、中継導体86を含む。なお、導体81は、特許請求の範囲における「変換部側共通導体」の一例である。また、導体82は、特許請求の範囲における「外部側共通導体」の一例である。
【0051】
図7に示すように、導体81は、三相の交流電力の各々の相に対応する3つの導体81a、導体81b、および、導体81cを有する。3つの導体81a、導体81b、および、導体81cは、それぞれ、スイッチ部73の3つの入力端子73a、入力端子73b、および、入力端子73cに接続される。パターンBの無停電電源装置100では、3つの導体81a~81cは、入力端子73a~73cに直接的に接続される(図6参照)のに対して、パターンAの無停電電源装置100では、3つの導体81a~81cは、中継導体83(図5参照)を介して、入力端子73a~73cに接続される。そして、本実施形態では、導体81(導体81a~81c)は、絶縁支持部材11aを介して、フレーム部材11に取り付けられている。フレーム部材11は、スイッチユニット70が配置される第4区画10dにおける筐体10の一部を構成する部材である。フレーム部材11は、たとえば、XY平面(水平面)に沿う板状の部材である。フレーム部材11には、導体81が取り付けられる複数の取り付け孔である孔部12が形成されている。導体81は、スイッチ部73側に接続される上下方向(Z方向)に延びる部分から、電力変換部21および31側に接続される背面側(X2方向側)に向かって延びるように折れ曲がった板状の形状を有する。導体81は、背面側に向かって延びる部分において、Z1方向側の孔部12に対して取り付けられている。たとえば、導体81は、絶縁支持部材11aと共に、図示しないネジなどの締結部材によって孔部12に取り付けられている。
【0052】
本実施形態では、導体81は、互いに異なる出力容量に対応して互いに異なる形状を有する複数種類の仕様の無停電電源装置100におけるスイッチ部73に対して、複数種類の仕様ごとに複数の孔部12のうちの一部が共通した異なる組み合わせの孔部12に取り付けられる。具体的には、フレーム部材11には、複数の孔部12として、孔部12a、孔部12b、孔部12c、孔部12d、および、孔部12eの5か所の孔部が形成されている。孔部12a、孔部12b、孔部12c、孔部12d、および、孔部12eの各々は、前後方向(X方向)に並んで2つずつ設けられている。5か所の孔部12a、12b、12c、12d、12d、および、12eは、この順にY2方向に沿って並んで配置されている。このうち、パターンAの無停電電源装置100では、孔部12b、孔部12c、および、孔部12dの組み合わせに対して、それぞれ、導体81a、導体81b、および、導体81cが取り付けられる。一方で、パターンBの無停電電源装置100では、孔部12a、孔部12c、および、孔部12eの組み合わせに対して、それぞれ、導体81a、導体81b、および、導体81cが取り付けられる。すなわち、本実施形態では、スイッチ部73の水平方向に沿って並ぶ3つの入力端子73a~73cのうちの中央に配置されている入力端子73bに接続される導体81bは、互いに異なる出力容量に対応して互いに異なる形状を有する複数種類の仕様の無停電電源装置100におけるスイッチ部73に対して、複数種類の仕様ごとに共通の孔部12cに取り付けられる。なお、図7では、パターンAの無停電電源装置100を示しており、孔部12b、12c、および12dに対して導体81が取り付けられている。
【0053】
図8に示すように、導体82は、三相の交流電力の各々の相に対応する3つの導体82a、導体82b、および、導体82cを有する。3つの導体82a、導体82b、および、導体82cは、それぞれ、スイッチ部73の3つの出力端子73d、出力端子73e、および、出力端子73fに接続される。スイッチユニット70において、スイッチ部73と導体82とは、中継導体84(図5および図6参照)を介して互いに接続されている。パターンAおよびパターンBともに、3つの導体82a~82cは、中継導体84(図5および図6参照)を介して、出力端子73d~73fに接続される。
【0054】
ここで、図5および図6に示すように、本実施形態では、スイッチ部73とスイッチ部74とは、上下方向(Z方向)に並んで配置されている。そして、導体82は、スイッチ部73とスイッチ部74との間に配置されている。そして、バイパス回路に設けられたスイッチ部74は、スイッチ部73と同様に、導体82に接続されている。スイッチユニット70において、スイッチ部74と導体82とは、中継導体85を介して互いに接続されている。スイッチ部74の出力端子74d、出力端子74e、および、出力端子74fは、それぞれ、中継導体85を介して、導体82a、導体82b、および、導体82cに接続されている。なお、スイッチ部73およびスイッチ部74において、出力端子73dおよび出力端子74d同士、出力端子73eおよび出力端子74e同士、出力端子73fおよび出力端子74f同士の各々は、左右方向(Y方向)における位置を揃えて配置されている。また、第4区画10dのスイッチユニット70において、スイッチ部74の入力端子74a~74cは、中継導体86を介して外部端子部65に接続されている。
【0055】
また、図9に示すように、本実施形態では、スイッチユニット70は、互いに異なる出力容量に対応して互いに異なる形状を有する複数種類の仕様の無停電電源装置100におけるスイッチ部73に対して、複数種類の仕様ごとのスイッチ部73の前後方向(X方向)における位置を調整するための板金部材13を含む。なお、図9では、スイッチ部73が取り付けられた板金部材13のみを図示しているが、スイッチ部74に対しても同様の板金部材13が配置されている。具体的には、パターンAの無停電電源装置100に配置されているスイッチ部73およびスイッチ部74は、パターンBの無停電電源装置100に配置されているスイッチ部73およびスイッチ部74に比べて前後方向(X方向)における大きさが小さい。そこで、パターンAとパターンBとにおいて、スイッチ部73同士およびスイッチ部74同士の前後方向における位置の差を小さくするように、パターンAの無停電電源装置100では、スイッチ部73およびスイッチ部74の各々に対して、前後方向の位置を調整する板金部材13が設けられている。パターンAにおけるスイッチ部73の出力端子73d~73fの前後方向における位置と、パターンBにおけるスイッチ部73の出力端子73d~73fの前後方向における位置との差を小さくするように調整するために、パターンAのスイッチ部73に対して板金部材13が配置されている。同様に、パターンAにおけるスイッチ部74の出力端子74d~74fの前後方向における位置とパターンBにおけるスイッチ部74の出力端子74d~74fの前後方向における位置との差を小さくするように調整するために、パターンAのスイッチ部74に対して板金部材13が配置されている。板金部材13は、スイッチ部73およびスイッチ部74の背面側(X2方向側)において、第3区画10cと第4区画10dとを区画する板状の区画部材に取り付けられている。なお、パターンBでは、板金部材13は設けられておらず、スイッチ部73およびスイッチ部74は、第3区画10cと第4区画10dとを区画する板状の区画部材に直接的に取り付けられている。また、パターンAとパターンBとの各々において、スイッチ部73とスイッチ部74との前後方向における位置は、略同じ位置に揃えられて配置されている。
【0056】
図10に示すように、導体82は、スイッチ部73とスイッチ部74との間において水平方向である左右方向(Y方向)に沿って延びる水平部分91と、上下方向(Z方向)に沿って延びる垂直部分92とを有する。スイッチ部73およびスイッチ部74は、導体82の水平部分91に接続されている。本実施形態では、導体82は、水平部分91において、3つの接続部分93a、接続部分93b、および、接続部分93c(図8参照)を有する。3つの接続部分93a、接続部分93b、および、接続部分93cは、それぞれ、3つの出力端子73d、出力端子73e、および、出力端子73fに接続される。また、3つの接続部分93a、接続部分93b、および、接続部分93cは、それぞれ、3つの出力端子74d、出力端子74e、および、出力端子74fに接続される。接続部分93a、接続部分93b、および、接続部分93cは、水平方向である左右方向(Y方向)に沿って延びる水平部分91から、水平面(XY平面)に沿って、前面側(X1方向側)に向かって突出している。詳細には、接続部分93aは、導体82aの一部であって、Z1方向側において中継導体84を介してスイッチ部73の出力端子73dに接続され、Z2方向側において中継導体85を介してスイッチ部74の出力端子74dに接続されている。接続部分93bは、導体82bの一部であって、Z1方向側において中継導体84を介してスイッチ部73の出力端子73eに接続され、Z2方向側において中継導体85を介してスイッチ部74の出力端子74eに接続されている。接続部分93cは、導体82cの一部であって、Z1方向側において中継導体84を介してスイッチ部73の出力端子73fに接続され、Z2方向側において中継導体85を介してスイッチ部74の出力端子74fに接続されている。
【0057】
そして、図8、および、図11に示すように、本実施形態では、3つの接続部分93a、接続部分93b、および、接続部分93cは、互いに上下方向(Z方向)における位置が等しい。導体82は、3つの導体82a、導体82b、および、導体82cに絶縁部材が積層されたラミネートバスバーである。3つの導体82a、導体82b、および、導体82cは、この順にZ1方向に沿って間に絶縁部材を介して積層されている。そして、導体82aおよび導体82cは、接続部分93aおよび接続部分93cの各々が導体82bの接続部分93bと上下方向における位置が等しくなるように、それぞれ、湾曲している湾曲部分94aおよび湾曲部分94cを有する。導体82aでは、接続部分93aの上下方向における位置が接続部分93bと等しくなるように、湾曲部分94aが上方側に向かって湾曲している。導体82cでは、接続部分93cの上下方向における位置が接続部分93bと等しくなるように、湾曲部分94cが下方側に向かって湾曲している。なお、パターンBの無停電電源装置100では、接続部分93a~93cに接続される3つの中継導体84と3つの中継導体85との合計6つの導体が、互いに共通の形状(図5参照)を有している。
【0058】
なお、導体82は、三相の交流電力の各相ごとに、水平部分91における1つの導体部材と、垂直部分92における複数(3つ)の導体部材とを組み合わせることによって1つの電路を形成している。また、導体81および導体82は、パターンAおよびパターンBともに共通の部材である。これに対して、中継導体83は、パターンAにおいて配置されている一方で、パターンBでは配置されていない。そして、中継導体84、中継導体85、および、中継導体86は、パターンAとパターンBとの各々において、互いに異なる形状を有する部材(専用部材)である。
【0059】
〈コンデンサユニットの構成〉
図3に示すように、コンデンサユニット50では、第3区画10cにおいて、6つのフィルタコンデンサ51と6つのフィルタコンデンサ52とが上下方向に沿って配置されている。6つのフィルタコンデンサ51は、第1区画10aの電力変換ユニット20の側方側(Y2方向側)に配置されており、6つのフィルタコンデンサ52は、第2区画10bの電力変換ユニット30の側方側(Y2方向側)に配置されている。なお、6つのフィルタコンデンサ51と6つのフィルタコンデンサ52との配置は上下が入れ替えられていてもよい。
【0060】
図12に示すように、本実施形態では、コンデンサユニット50は、フィルタコンデンサ51およびフィルタコンデンサ52に接続される導体55を含む。導体55は、並んで配置されている複数のフィルタコンデンサ51同士、および、並んで配置されている複数のフィルタコンデンサ52同士を接続する。なお、図12では、複数のフィルタコンデンサ51同士を接続する導体55を図示しているが、複数のフィルタコンデンサ52同士を接続する導体55も同様の構造を有している。導体55は、金属板の導体(バスバー)によって、電路を形成している。導体55は、特許請求の範囲における「コンデンサ導体」および「コンデンサ共通導体」の一例である。
【0061】
導体55は、4つの導体55a、導体55b、導体55c、および、導体55dを含む。導体55は、4つの導体55a、導体55b、導体55c、および、導体55dに絶縁部材が積層されたラミネートバスバーである。導体55d、導体55a、導体55b、および、導体55cが、この順にZ2方向に沿って間に絶縁部材を介して積層されている。導体55a、導体55b、および、導体55cは、三相の交流電力の各相に対応するように設けられており、電力変換部21および電力変換部31側に接続されている。導体55a、導体55b、および、導体55cは、たとえば、前面側(X1方向側)の接続部分から、ケーブル状の配線部材57を介して電力変換ユニット20および電力変換ユニット30に接続されている。配線部材57は、電力変換ユニット20の電力変換部21および電力変換ユニット30の電力変換部31と、導体55とを変形しながら接続する電線(ワイヤ)である。コンデンサユニット50では、2つずつ並列に接続されているフィルタコンデンサ51が、X方向に沿って3組配置されている。たとえば、導体55a、導体55b、および、導体55cは、X2方向側からこの順に、それぞれ1組ずつのフィルタコンデンサ51の一方側の端子に接続されている。そして、導体55dが、6つのフィルタコンデンサ51の全ての他方側の端子に接続されている。導体55dは、たとえば、背面側(X2方向側)の接続部分からケーブル状の配線部材を介して複数のフィルタコンデンサ52同士を接続する導体55の導体55dに接続されている。
【0062】
そして、本実施形態では、互いに異なる仕様の無停電電源装置100同士に対して、仕様ごとに異なる性能を有するコンデンサユニット50が用いられる。具体的には、本実施形態では、導体55は、互いに異なる出力容量に対応する複数種類の仕様の無停電電源装置100に対して共通して配置される共通導体である。すなわち、導体55は、互いに異なる出力容量に対応する複数種類の仕様の無停電電源装置100における複数のフィルタコンデンサ51および52に対して共通して配置される共通導体である。
【0063】
無停電電源装置100の互いに異なる出力容量に対応して、複数のフィルタコンデンサ51および52は、互いに異なる形状を有する。具体的には、複数のフィルタコンデンサ51および52は、無停電電源装置100の仕様ごとにZ方向における大きさ(高さ)が異なる。導体55は、無停電電源装置100の仕様ごとに複数のフィルタコンデンサ51および52の高さが異なる場合にも、共通して用いられる。
【0064】
〈非絶縁型〉
また、図13に示すように、無停電電源装置100の複数種類の仕様として、トランス41が設けられない非絶縁型とする場合には、コンデンサユニット50において、フィルタコンデンサ51とフィルタコンデンサ52との間に接続される複数のカップリングコンデンサ53が配置される。
【0065】
コンデンサユニット50は、4つのカップリングコンデンサ53を含む。4つのカップリングコンデンサ53は、互いに並列に接続されている。そして、非絶縁型の無停電電源装置100では、入力側の複数のフィルタコンデンサ51と出力側の複数のフィルタコンデンサ52は、一方側の端子が、電力変換部21および電力変換部31側に接続されており、他方側の端子が、複数のカップリングコンデンサ53を介して互いに接続されている。4つのカップリングコンデンサ53は、たとえば、入力側のフィルタコンデンサ51のX2方向側に並んで配置されている。なお、コンデンサユニット50において、出力側のフィルタコンデンサ52側にはカップリングコンデンサ53は配置されていない。
【0066】
本実施形態では、非絶縁型の無停電電源装置100では、コンデンサユニット50は、複数のカップリングコンデンサ53同士を接続する導体56を含む。導体56は、金属板の導体(バスバー)によって、電路を形成している。図13に示す非絶縁型の無停電電源装置100では、図12に示すトランス41を有する絶縁型の無停電電源装置100と同様に、導体55が複数のフィルタコンデンサ51同士と、複数のフィルタコンデンサ52同士とを接続している。すなわち、導体55は、トランス41を有していない非絶縁型の無停電電源装置100と、トランス41を有している絶縁型の無停電電源装置100との互いに異なる仕様の無停電電源装置100における複数のフィルタコンデンサ51および52に対して共通して配置される共通導体である。そして、導体55は、導体56を介して複数のカップリングコンデンサ53に接続されている。すなわち、導体55と導体56とは、互いに接続されている。なお、導体56は、特許請求の範囲における「カップリング導体」の一例である。
【0067】
導体56は、導体56aと導体56bとを有する。導体56aは、4つのカップリングコンデンサ53の一方側の端子同士を接続している。導体56bは、4つのカップリングコンデンサ53の他方側の端子同士を接続している。導体56aと導体56bとの各々において、複数の部材が互いに締結されることにより組み合わされて1つの電路を形成している。そして、導体56aは、複数のフィルタコンデンサ51に接続されている導体55の導体55dに接続されている。また、導体56bは、ケーブル状の配線部材を介して、複数のフィルタコンデンサ52に接続されている導体55の導体55dに接続されている。このようにして、本実施形態では、出力容量の異なる複数種類の仕様を有する無停電電源装置100のみならず、装置構成の異なる複数種類の仕様を有する無停電電源装置100に対しても、共通の導体55を用いてフィルタコンデンサ51同士、および、フィルタコンデンサ52同士が接続されるように構成されている。
【0068】
(実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0069】
本実施形態では、上記のように、コンデンサユニット50における導体55(コンデンサ導体)と、スイッチユニット70におけるスイッチ導体80との少なくとも一方において、互いに異なる出力容量に対応する複数種類の仕様の無停電電源装置100(電力変換装置)に対して共通して配置される共通導体が設けられている。これにより、コンデンサ(フィルタコンデンサ51および52)に接続される導体55と、スイッチ部73(出力側スイッチ部)に接続されるスイッチ導体80との各々において、無停電電源装置100の複数種類の仕様ごとに互いに異なる導体が設けられている場合に比べて、共通導体が設けられている分、導体の種類を削減することができる。その結果、互いに異なる出力容量に対応する複数種類の仕様の無停電電源装置100に対応するために、部品(導体)の種類が増加することを抑制することができる。
【0070】
また、本実施形態では、上記のように、無停電電源装置100(電力変換装置)は、電力変換部21および31からの電力が供給される負荷103(外部装置)が接続される外部端子部65を備える。スイッチ部73(出力側スイッチ部)は、電力変換部21および31と外部端子部65との間における導通のオンとオフとを切り替える。スイッチ導体80は、スイッチ部73と電力変換部21および31との間を接続し、互いに異なる出力容量ごとに異なる形状を有する複数種類の仕様の無停電電源装置100におけるスイッチ部73に対して共通して配置される共通導体としての導体81(変換部側共通導体)と、スイッチ部73と外部端子部65との間を接続し、互いに異なる出力容量ごとに異なる形状を有する複数種類の仕様の無停電電源装置100におけるスイッチ部73に対して共通して配置される共通導体としての導体82(外部側共通導体)との少なくとも一方を含む。これにより、スイッチ導体80において、共通導体として導体81と導体82との少なくとも一方が設けられているため、スイッチ部73を含むスイッチユニット70において、導体の種類が増加することを抑制することができる。また、スイッチユニット70において、出力容量に応じて大きさが変化する電磁接触器などのスイッチがスイッチ部73として配置される場合には、スイッチ部73自体が大型化することに起因して、ケーブルなどの導体をスイッチ部73に接続する場合には、作業性が悪くなる。これに対して、本実施形態では、スイッチ導体80において、共通導体として導体81と導体82との少なくとも一方が設けられているため、部品(導体)の種類の増加を効果的に抑制することができるとともに、スイッチユニット70における組立作業に要する負担を軽減することができる。
【0071】
また、本実施形態では、上記のように、スイッチ導体80は、導体81(変換部側共通導体)を含む。無停電電源装置100(電力変換装置)は、絶縁支持部材11aを介して導体81(変換部側共通導体)が取り付けられる複数の孔部12を有するフレーム部材11を備える。導体81は、互いに異なる出力容量に対応して互いに異なる形状を有する複数種類の仕様の無停電電源装置100におけるスイッチ部73(出力側スイッチ部)に対して、複数種類の仕様ごとに複数の孔部12のうちの一部が共通した異なる組み合わせの孔部に取り付けられる。これにより、複数種類の仕様ごとに導体81が取り付けられる複数の孔部12のうちの一部を共通化することによって、フレーム部材11に設けられる孔部12の個数を少なくすることができる。そのため、フレーム部材11に対する穴あけ作業に要する作業負担を軽減することができる。
【0072】
また、本実施形態では、上記のように、スイッチ部73(出力側スイッチ部)は、水平方向に沿って並ぶ3つの入力端子73a~73cを有する。スイッチ部73の水平方向に沿って並ぶ3つの入力端子73a~73cのうちの中央に配置されている入力端子73bに接続される導体81(変換部側共通導体)は、互いに異なる出力容量に対応して互いに異なる形状を有する複数種類の仕様の無停電電源装置100(電力変換装置)におけるスイッチ部73に対して、複数種類の仕様ごとに共通の孔部12cに取り付けられる。これにより、3つの入力端子73a~73cのうちの両端に配置されている入力端子73aおよび73cに接続されている導体81を、複数種類の仕様ごとに共通の孔部に取り付ける場合に比べて、スイッチ部73に対して接続される導体(導体81および中継導体83)を短くすることができる。そのため、スイッチ部73に接続される導体(導体81および中継導体83)における電気的な損失(電気抵抗による損失)を小さくすることができるとともに、無停電電源装置100全体の重量が大きくなることを抑制することができる。
【0073】
また、本実施形態では、上記のように、スイッチ導体80は、導体82(外部側共通導体)を含む。スイッチユニット70は、入力された電力を電力変換部21および31を介さずに外部端子部65に出力するバイパス回路に設けられているスイッチ部74(バイパス側スイッチ部)を含む。スイッチ部74は、導体82に接続されている。これにより、スイッチ部73(出力側スイッチ部)とスイッチ部74との両方を導体82に接続することによって、スイッチ部74を複数種類の仕様ごとに共通の導体82とは別個の導体に接続する場合に比べて、複数の仕様の無停電電源装置100(電力変換装置)に対応する部品(導体)の種類の増加をより効果的に抑制することができる。
【0074】
また、本実施形態では、上記のように、スイッチ部73(出力側スイッチ部)とスイッチ部74(バイパス側スイッチ部)とは、上下方向に並んで配置されている。導体82(外部側共通導体)は、スイッチ部73とスイッチ部74との間に配置され、水平方向に沿って延びる水平部分91を有する。これにより、スイッチ部73とスイッチ部74との間に共通導体(導体82)を配置することによって、共通導体に対して、スイッチ部73とスイッチ部74との両方を容易に接続することができる。
【0075】
また、本実施形態では、上記のように、スイッチ導体80は、導体82(外部側共通導体)を含む。スイッチユニット70は、互いに異なる出力容量に対応して互いに異なる形状を有する複数種類の仕様の無停電電源装置100(電力変換装置)におけるスイッチ部73(出力側スイッチ部)に対して、複数種類の仕様ごとのスイッチ部73の前後方向における位置を調整するための板金部材13を含む。これにより、複数種類の仕様ごとにスイッチ部73の前後方向における位置が異なる場合にも、板金部材13を用いることによってスイッチ部73の前後方向における位置を調整することができるので、複数種類の仕様ごとに共通する共通導体である導体82を、複数種類の仕様ごとのスイッチ部73により容易に接続することができる。
【0076】
また、本実施形態では、上記のように、スイッチユニット70は、スイッチ部73(出力側スイッチ部)と導体82(外部側共通導体)とを接続する中継導体84を含む。スイッチ部73は、水平方向に沿って並ぶ3つの出力端子73d~73fを有する。導体82は、3つの出力端子73d~73fの各々に接続され、互いに上下方向における位置が等しい3つの接続部分93a~93cを有する。導体82の3つの接続部分93a~93cは、互いに共通の形状を有する中継導体84を介して、3つの出力端子73d~73fの各々に接続されている。これにより、3つの出力端子73d~73fの各々に接続される中継導体84が互いに共通の形状を有しているため、3つの出力端子73d~73fの各々ごとに中継導体84の形状が異なる場合に比べて、中継導体84の種類を削減することができる。その結果、複数種類の仕様の無停電電源装置100(電力変換装置)に対応する部品(導体)の種類の増加をより抑制することができる。
【0077】
また、本実施形態では、上記のように、コンデンサユニット50のコンデンサは、複数のフィルタコンデンサ51および52を含む。導体55(コンデンサ導体)は、複数のフィルタコンデンサ51および52に接続され、互いに異なる出力容量に対応する複数種類の仕様の無停電電源装置100(電力変換装置)における複数のフィルタコンデンサ51および52に対して共通して配置される共通導体である。これにより、コンデンサユニット50において、コンデンサ(フィルタコンデンサ51および52)の大きさが容量に応じて変化する場合にも、複数種類の仕様の無停電電源装置100における複数のフィルタコンデンサ51および52に対する共通導体として導体55が設けられているため、複数のフィルタコンデンサ51および52を含むコンデンサユニット50において、導体の種類が増加することを抑制することができる。そのため、複数の仕様の無停電電源装置100に対応する部品(導体)の種類の増加をより抑制することができる。
【0078】
また、本実施形態では、上記のように、導体55(コンデンサ共通導体)は、並んで配置されている複数のフィルタコンデンサ51同士および複数のフィルタコンデンサ52同士を接続する。これにより、並んで配置されている複数のフィルタコンデンサ51同士および複数のフィルタコンデンサ52同士を共通の導体55で接続することによって、複数のフィルタコンデンサ51および52を並べて配置する場合において、部品(導体)の種類の増加を効果的に抑制することができる。
【0079】
また、本実施形態では、上記のように、無停電電源装置100(電力変換装置)は、電力変換部21および31の入力側に接続されるフィルタコンデンサ51(入力側フィルタコンデンサ)と、電力変換部21および31の出力側に接続されるフィルタコンデンサ52(出力側フィルタコンデンサ)とを含む。コンデンサユニット50は、フィルタコンデンサ51とフィルタコンデンサ52との間に接続される複数のカップリングコンデンサ53と、複数のカップリングコンデンサ53同士を接続する導体56(カップリング導体)とを含む。導体55(コンデンサ共通導体)は、導体56を介して複数のカップリングコンデンサ53に接続されている。これにより、フィルタコンデンサ51同士およびフィルタコンデンサ52同士を接続する導体55に、導体56を介して複数のカップリングコンデンサ53を接続することによって、複数の仕様の無停電電源装置100に対応する部品(導体)の種類の増加を抑制しながら、フィルタコンデンサ51とフィルタコンデンサ52との間にカップリングコンデンサ53を容易に接続することができる。
【0080】
また、本実施形態では、無停電電源装置100(電力変換装置)は、導体55(コンデンサ共通導体)と電力変換部21および31とを接続するケーブル状の配線部材57を備える。このように構成すれば、無停電電源装置100の複数種類の仕様ごとに、複数のフィルタコンデンサ51および52の大きさ(高さ)が異なることに起因して、導体55の位置が異なる場合にも、ケーブル状の配線部材57によって、導体55と電力変換部21および31とを容易に接続することができる。
【0081】
また、本実施形態では、上記のように、導体82および導体55(共通導体)は、導体に絶縁部材が積層されたラミネートバスバーを含む。これにより、共通導体の占める領域を小さくすることができるので、複数種類の仕様の無停電電源装置100(電力変換装置)に対応する部品(導体)の種類の増加を抑制することができるとともに、無停電電源装置100の大型化を抑制することができる。
【0082】
また、本実施形態では、上記のように、無停電電源装置100(電力変換装置)は、電力変換部21および31、コンデンサユニット50、および、スイッチユニット70を収容する筐体10を備える。筐体10は、電力変換部21および31、コンデンサユニット50、および、スイッチユニット70の種類ごとに区画され、互いに異なる出力容量に対して共通した一定の大きさを有する第1区画10a、第2区画10b、第3区画10c、および、第4区画10d(複数の区画領域)を含む。これにより、互いに異なる出力容量を有する複数種類の仕様の無停電電源装置100に対して、電力変換部21および31、コンデンサユニット50、および、スイッチユニット70の配置を共通化することができる。そのため、無停電電源装置100の仕様を変更した場合において、電力変換部21および31、コンデンサユニット50、および、スイッチユニット70のうちの一部の仕様が共通している場合には、共通しているユニットの評価試験を省略することができる。そのため、部品(導体)の種類の増加を抑制しながら、複数の仕様の無停電電源装置100に対して行われる評価試験の回数の合計を削減することができる。
【0083】
[変形例]
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であり制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
【0084】
たとえば、上記実施形態では、電力変換部21を含む電力変換ユニット20と電力変換部31を含む電力変換ユニット30との2つの電力変換ユニットが互いに並列に接続されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、電力変換部を含む電力変換ユニットは、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、スイッチユニット70が共通導体である導体81(変換部側共通導体)および導体82(外部側共通導体)を含み、コンデンサユニット50が共通導体である導体55(コンデンサ共通導体)を含む例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、スイッチユニットとコンデンサユニットとのいずれか一方にのみ共通導体が設けられていてもよい。また、スイッチユニットに共通導体が設けられている場合に、変換部側共通導体と外部側共通導体とのいずれか一方のみが設けられていてもよい。また、スイッチユニットに共通導体を設ける場合に、出力側スイッチ部以外のスイッチ部に接続される導体を共通導体としてもよい。また、コンデンサユニットに共通導体を設ける場合に、フィルタコンデンサ以外のコンデンサに接続される導体を共通導体としてもよい。
【0086】
また、上記実施形態では、導体81(変換部側共通導体)が取り付けられる孔部12のうちの中央の孔部12cが複数種類の仕様の無停電電源装置100(電力変換装置)に対して共通である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、変換部側共通導体が取り付けられる孔部が電力変換装置の仕様ごとに共通ではなくてもよい。また、一部ではなく全ての孔部が、電力変換装置の仕様ごとに共通であってもよい。また、3つの入力端子のうちの中央以外に配置されている入力端子に接続される変換部側共通導体が、複数種類の仕様の無停電電源装置に対して共通の孔部に取り付けられるようにしてもよい。
【0087】
また、上記実施形態では、スイッチ部74(バイパス側スイッチ部)の出力側が導体82(外部側共通導体)に接続されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、バイパス側スイッチ部は、共通導体に接続されていなくともよい。また、バイパス側スイッチ部の入力側の導体を共通導体としてもよい。すなわち、バイパス側スイッチ部と外部端子部とを接続する導体(中継導体)を複数種類の電力変換装置の仕様に対して共通としてもよい。
【0088】
また、上記実施形態では、スイッチ部73(出力側スイッチ部)とスイッチ部74(バイパス側スイッチ部)とが上方側からこの順に上下に並んで配置されており、スイッチ部73とスイッチ部74との間に導体82(外部側共通導体)が配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、出力側スイッチ部とバイパス側スイッチ部との配置が入れ替わっていてもよい。また、出力側スイッチ部とバイパス側スイッチ部が左右方向(水平方向)などの上下方向以外の方向に沿って並んで配置されていてもよい。また、外部側共通導体を、出力側スイッチ部とバイパス側スイッチ部との間に配置しなくともよい。たとえば、出力側スイッチ部とバイパス側スイッチ部との各々の出力端子を、左右方向の一方側に配置するとともに、出力側スイッチ部とバイパス側スイッチ部との左右方向の一方側に共通導体としての外部側共通導体を配置するようにしてもよい。
【0089】
また、上記実施形態では、パターンAの無停電電源装置100(電力変換装置)において、無停電電源装置100の複数種類の仕様ごとにスイッチ部73(出力側スイッチ部)の前後方向における位置を調整するための板金部材13を設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、前後方向の位置を調整する板金部材を配置しなくともよい。また、スペーサ部材などの板金以外の位置変更部材を配置することによって、電力変換装置の複数種類の仕様ごとに出力側スイッチ部の前後方向における位置を調整するようにしてもよい。また、パターンAおよびパターンBの2種類の電力変換装置うちの片方のパターンAの電力変換装置のみならず、両方の仕様の電力変換装置において、出力側スイッチ部の前後方向における位置を調整する部材を配置するようにしてもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、パターンBの無停電電源装置100(電力変換装置)において、スイッチ部73(出力側スイッチ部)の出力端子73d~73fと導体82(外部側共通導体)とを接続する中継導体84と、スイッチ部74(バイパス側スイッチ部)の出力端子74d~74fと導体82(外部側共通導体)とを接続する中継導体85とが、互いに共通の形状を有している例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、出力側スイッチ部の出力端子と外部側共通導体とを接続する中継導体同士を、互いに異なる形状としてもよい。また、バイパス側スイッチ部の出力端子と外部側共通導体とを接続する中継導体同士を、互いに異なる形状としてもよい。また、出力側スイッチ部の出力端子と外部側共通導体とを接続する中継導体と、バイパス側スイッチ部の出力端子と外部側共通導体とを接続する中継導体とを、互いに異なる形状としてもよい。
【0091】
また、上記実施形態では、コンデンサユニット50が、フィルタコンデンサ51同士とフィルタコンデンサ52同士とを接続する共通導体である導体55(コンデンサ共通導体)と、複数のカップリングコンデンサ同士を接続する導体56(カップリング導体)とを含む例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、複数のカップリングコンデンサ同士を接続する導体を、複数種類の電力変換装置の仕様に対して共通の共通導体としてもよい。また、カップリングコンデンサ同士を、ケーブルなどの配線部材によって接続するようにしてもよい。
【0092】
また、上記実施形態では、コンデンサユニット50の共通導体である導体55(コンデンサ共通導体)と、スイッチユニット70の共通導体である導体82(外部側共通導体)との各々を、導体に絶縁部材が積層されたラミネートバスバーによって形成する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、共通導体をラミネートバスバーによって形成しなくともよい。また、コンデンサユニットのカップリングコンデンサ同士を接続するカップリング導体をラミネートバスバーによって形成するようにしてもよい。
【0093】
また、上記実施形態では、コンデンサユニット50の共通導体である導体55(コンデンサ共通導体)と、電力変換部21および31とを、ケーブル状の配線部材57によって接続する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、コンデンサ共通導体に対して、バスバーなどの板状の金属により形成された導体を接続するようにしてもよい。
【0094】
また、上記実施形態では、筐体10が、無停電電源装置100(電力変換装置)の互いに異なる出力容量に対して共通した一定の大きさを有する第1区画10a、第2区画10b、第3区画10c、および、第4区画10d(複数の区画領域)を含む例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、筐体における複数種類の電気機器ユニットが種類ごとに配置される区画領域を、電力変換装置の仕様ごとに異なる大きさとしてもよい。
【0095】
また、上記実施形態では、筐体10において、電力変換部21、リアクトル22およびリアクトル23、電力変換部31、リアクトル32およびリアクトル33、制御部60、スイッチユニット70、外部端子部65、が上下方向(Z方向)に沿ってこの順に並んで配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、筐体は、電力変換部、リアクトル、制御部、スイッチユニット、および、外部端子部の各々が、上下方向に並ばないように区画されていてもよい。また、各部の並び順は上記実施形態の例以外でもよい。また、電力変換部、リアクトル、制御部、スイッチユニット、および、外部端子部の各々における部品の配置も、上記実施形態の例に限られない。コンデンサユニットにおける配置も、上記実施形態の例に限られない。
【0096】
また、上記実施形態では、スイッチユニット70におけるスイッチ部73(出力側スイッチ部)およびスイッチ部74(バイパス側スイッチ部)が、電磁接触器である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、スイッチユニットにおける出力側スイッチ部およびバイパス側スイッチ部は、電磁接触器以外のMCCB(Molded Case Circuit Breaker)などの遮断器、開閉器、または、断路器であってもよい。また、スイッチユニットにおける交流電源側の入力のスイッチ部およびバッテリ側の入力のスイッチ部も同様に、電磁接触器以外の遮断器、開閉器、または、断路器であってもよい。
【0097】
また、上記実施形態では、スイッチ部74(バイパス側スイッチ部)が設けられているバイパス回路に対して、電力変換部21および31に対して交流電力を供給する交流電源101からの交流電力が入力される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、電力変換部に入力される交流電力と、バイパス回路に入力される交流電力とを、互いに異なる交流電源から供給されるように構成してもよい。
【符号の説明】
【0098】
10a 第1区画(区画領域)
10b 第2区画(区画領域)
10c 第3区画(区画領域)
10d 第4区画(区画領域)
11 フレーム部材
12、12a、12b、12c、12d、12e 孔部
13 板金部材
21、31 電力変換部
50 コンデンサユニット
51 フィルタコンデンサ(入力側フィルタコンデンサ)
52 フィルタコンデンサ(出力側フィルタコンデンサ)
53 カップリングコンデンサ
55 導体(コンデンサ導体、コンデンサ共通導体)
56 導体(カップリング導体)
57 配線部材
65 外部端子部
70 スイッチユニット
73 スイッチ部(出力側スイッチ部)
73a、73b、73c 入力端子
73d、73e、73f 出力端子
74 スイッチ部(バイパス側スイッチ部)
80 スイッチ導体
81 導体(共通導体、変換部側共通導体)
82 導体(共通導体、外部側共通導体)
84 中継導体
91 水平部分
93a~93c 接続部分
100 無停電電源装置(電力変換装置)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13