(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157480
(43)【公開日】2024-11-07
(54)【発明の名称】熱転写記録媒体
(51)【国際特許分類】
B41M 5/44 20060101AFI20241030BHJP
B41M 5/395 20060101ALI20241030BHJP
【FI】
B41M5/44 320
B41M5/395 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023071892
(22)【出願日】2023-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】000237237
【氏名又は名称】フジコピアン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】林 友理
【テーマコード(参考)】
2H111
【Fターム(参考)】
2H111AA26
2H111BA02
2H111BA03
2H111BA53
2H111BA61
2H111BA62
2H111BA78
(57)【要約】
【課題】熱溶融転写方式のチューブ印刷用の熱転写記録媒体において、塩化ビニル製チューブ及び非塩化ビニル製チューブ等の各種チューブに良好な印刷が可能であり、かつ熱転写印刷時に圧接汚れの発生しない熱転写記録媒体を提供すること。
【解決手段】基材の一方の面に着色層、接着層をこの順で積層した熱転写記録媒体であって、着色層中に少なくともポリエステル樹脂と着色剤を含有し、接着層中に少なくとも互いに相溶する酸変性ポリオレフィン樹脂及びポリエステル樹脂を含有するチューブ印刷用の熱転写記録媒体を用いる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の一方の面に着色層、接着層をこの順で積層した熱転写記録媒体であって、前記着色層中に少なくともポリエステル樹脂と着色剤を含有し、前記接着層中に少なくとも互いに相溶する酸変性ポリオレフィン樹脂及びポリエステル樹脂を含有することを特徴とするチューブ印刷用の熱転写記録媒体。
【請求項2】
前記接着層中の酸変性ポリオレフィン樹脂が、オレフィン成分としてエチレン又は/及びプロピレンを含み、かつ不飽和カルボン酸成分として無水マレイン酸又は/及びアクリル酸を含む共重合体であることを特徴とする請求項1に記載のチューブ印刷用の熱転写記録媒体。
【請求項3】
前記接着層中の酸変性ポリオレフィン樹脂が、オレフィン成分としてエチレン又は/及びプロピレンを含み、かつ不飽和カルボン酸成分として無水マレイン酸又は/及びアクリル酸を含み、かつエステル成分としてアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルのいずれか又は2種以上を含む共重合体であることを特徴とする請求項1に記載のチューブ印刷用の熱転写記録媒体。
【請求項4】
前記接着層中の酸変性ポリオレフィン樹脂/ポリエステル樹脂の質量比率が20/80~90/10の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のチューブ印刷用の熱転写記録媒体。
【請求項5】
前記接着層中の酸変性ポリオレフィン樹脂の酸価が12~30mgKOH/gの範囲であることを特徴とする請求項1に記載のチューブ印刷用の熱転写記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱溶融転写方式で各種チューブに印刷するために用いるチューブ印刷用の熱転写記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電気工事や工場設備のメンテナンス等の作業現場で、制御盤や配電盤及びコントロールボックス等の端子台に接続される電線を識別表示するために、熱転写記録媒体を用いたチューブ印刷用のプリンターで、線番や記号等の印刷画像を形成した各種チューブを電線に取り付けて使用することが行われている。
【0003】
チューブ印刷用のプリンターで熱転写印刷されるチューブとしては、塩化ビニル製チューブ及び非塩化ビニル製チューブ等の各種チューブが使用されている。
【0004】
これまで、チューブ印刷用の熱転写記録媒体では、塩化ビニル製チューブには良好に印刷できるが非塩化ビニル製チューブには良好な印刷が出来ない、若しくは各種チューブに印刷は可能であっても、伸縮性を有しかつ内部が空洞である各種チューブに印刷する際、サーマルヘッドで押しつぶされたチューブの端面部分に圧接汚れ(熱転写記録媒体とチューブがサーマルヘッドにより圧接された状態となり、圧力が強くかかっているチューブの端面部分に、熱転写記録媒体の加熱されていない部分の熱転写層の一部が圧力のみでチューブに感圧転写し汚れが発生する現象)(
図2に示す)が発生する等の不具合があり、各種チューブに良好な印刷ができる熱転写記録媒体は無かった。
【0005】
特許文献1には、基材と、着色層と、接着層とをこの順に備えてなる熱転写記録媒体であって、前記着色層が、着色剤及び特定のポリエステル系樹脂を含んでなり、前記接着層が、ポリエステル系樹脂を含んでなることを特徴とする熱転写記録媒体が開示されている。しかしながら、前記熱転写記録媒体をチューブ印刷用のプリンターで使用した場合、非塩化ビニル製チューブに対しては良好な文字印刷が得られず、塩化ビニル製チューブに対する文字印刷時にはチューブの端面部分に圧接汚れが発生した。
【0006】
特許文献2には、基材と、着色層と、接着層とをこの順に備えてなる熱転写記録媒体であって、前記着色層が、着色剤及びポリエステル樹脂を含んでなり、前記接着層が、プロピレン系ポリオレフィン樹脂を含んでなることを特徴とする熱転写記録媒体が開示されている。しかしながら、前記熱転写記録媒体をチューブ印刷用のプリンターで使用した場合、塩化ビニル製チューブに対しては良好な文字印刷が得られなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2017-121734
【特許文献2】特開2017-154393
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、熱溶融転写方式で各種チューブに印刷するために用いるチューブ印刷用の熱転写記録媒体において、塩化ビニル製チューブ及び非塩化ビニル製チューブ等の各種チューブに良好な熱転写印刷が可能であり、かつ熱転写印刷時にチューブの端面部分に圧接汚れの発生しない熱転写記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1発明は、基材の一方の面に着色層、接着層をこの順で積層した熱転写記録媒体であって、前記着色層中に少なくともポリエステル樹脂と着色剤を含有し、前記接着層中に少なくとも互いに相溶する酸変性ポリオレフィン樹脂及びポリエステル樹脂を含有することを特徴とするチューブ印刷用の熱転写記録媒体である。
【0010】
第2発明は、前記接着層中の酸変性ポリオレフィン樹脂が、オレフィン成分としてエチレン又は/及びプロピレンを含み、かつ不飽和カルボン酸成分として無水マレイン酸又は/及びアクリル酸を含む共重合体であることを特徴とする第1発明に記載のチューブ印刷用の熱転写記録媒体である。
【0011】
第3発明は、前記接着層中の酸変性ポリオレフィン樹脂が、オレフィン成分としてエチレン又は/及びプロピレンを含み、かつ不飽和カルボン酸成分として無水マレイン酸又は/及びアクリル酸を含み、かつエステル成分としてアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルのいずれか又は2種以上を含む共重合体であることを特徴とする第1発明に記載のチューブ印刷用の熱転写記録媒体である。
【0012】
第4発明は、前記接着層中の酸変性ポリオレフィン樹脂/ポリエステル樹脂の質量比率が20/80~90/10の範囲であることを特徴とする第1発明に記載のチューブ印刷用の熱転写記録媒体である。
【0013】
第5発明は、前記接着層中の酸変性ポリオレフィン樹脂の酸価が12~30mgKOH/gの範囲であることを特徴とする第1発明に記載のチューブ印刷用の熱転写記録媒体である。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、チューブ印刷用の熱転写記録媒体において、基材の一方の面に着色層、接着層をこの順で積層し、着色層中に少なくともポリエステル樹脂と着色剤を含有し、接着層中に少なくとも互いに相溶する酸変性ポリオレフィン樹脂及びポリエステル樹脂を含有することにより、塩化ビニル製チューブ及び非塩化ビニル製チューブ等の各種チューブに良好な熱転写印刷が可能であり、かつ熱転写印刷時にチューブの端面部分に圧接汚れの発生しないチューブ印刷用の熱転写記録媒体を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の熱転写記録媒体の一態様を示す断面概略図である。
【
図2】チューブ印刷用のプリンターで熱転写印刷時に発生する圧接汚れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の熱転写記録媒体の実施形態について、詳しく説明する。
【0017】
本発明の熱転写記録媒体は、
図1に示すように、基材の一方の面に着色層、接着層をこの順で積層した熱転写層構成からなる。基材のもう一方の面には耐熱滑性層を設けることが好ましい。
【0018】
(基材)
本発明の熱転写記録媒体に使用する基材としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルムなどのポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、アラミドフィルム、その他この種の熱転写記録媒体の基材用フィルムとして一般に使用されている各種プラスチックフィルムを使用することができる。これらの中でも、物性面、加工性、コストなどの観点からポリエチレンテレフタレートフィルムを用いるのが好ましい。基材の厚さは通常は2~12μm程度であり、熱伝達を良好にするためには、2~6μmの範囲が好ましい。
【0019】
また、基材の表面には、必要に応じて隣接する層との密着性を上げるため表面処理を施してもよい。表面処理としては、コロナ放電処理、紫外線照射処理、プラズマ処理、プライマー処理等従来公知の表面処理技術が挙げられる。
【0020】
(着色層)
着色層は、少なくともポリエステル樹脂と着色剤からなる層であり、ポリエステル樹脂を含むことにより、各種チューブに対して良好な印刷画像が形成できるとともに形成された印刷画像の耐擦過性及び耐溶剤性が良好なものとなる。
【0021】
ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸と多価アルコールとを重縮合することにより得られるエステル基を含むポリマーを意味する。
【0022】
多価カルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸類、シュウ酸、コハク酸、無水コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、アイコサン二酸、水添ダイマー酸等の飽和ジカルボン酸類、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、ダイマー酸等の不飽和の脂肪族ジカルボン酸類、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、2,5-ノルボルネンジカルボン酸及びその無水物、テトラヒドロフタル酸及びその無水物等の脂環族ジカルボン酸類等が挙げられる。
【0023】
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,9-ノナンジオール、2-エチル-2-ブチルプロパンジオール等の脂肪族グリコール類、1,4-シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール類、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、さらにはビスフェノール類の2つのフェノール性水酸基にエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドをそれぞれ1~数モル付加して得られるグリコール類、例えば2,2-ビス(4-ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等のエーテル結合含有グリコール類等が挙げられる。
【0024】
これらのポリエステル樹脂の、1種又は2種以上を用いることができる。ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50~90℃の範囲が好ましく、より好ましくは、60~80℃の範囲である。Tgが、前記範囲内であると、熱転写記録媒体をロール状で保存したときの耐ブロッキング性が良好であり、熱転写感度が低下することなく、各種チューブに精細な熱転写印刷画像を形成することが出来る。なお、本明細書に記載のTgは、JIS K 7121に準拠して、示査走査熱量測定(DSC)により求めた値である。ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、1500~30000の範囲とするのが好ましい。Mnが、前記範囲内であると、形成された熱転写印刷画像の耐擦過性及び耐溶剤性が良好であり、熱転写感度が低下することなく、各種チューブに精細な熱転写印刷画像を形成することが出来る。なお、本明細書に記載のMnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によるポリスチレン換算値である。
【0025】
着色層におけるポリエステル樹脂の含有量は、着色層固形分中の45~85質量%の範囲であることが好ましい。ポリエステル樹脂の含有量が前記範囲内であると、形成された熱転写印刷画像の耐擦過性及び耐溶剤性が良好である。
【0026】
着色層のバインダーとしては、本発明の効果が低下しない範囲で、ポリエステル樹脂以外に、熱可塑性樹脂、ワックス等を加えることができる。熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂、石油樹脂、ケトン樹脂、アセトフェノンホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。ワックスとしては、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、カルナバワックス、モンタンワックス等が挙げられる。なお、前記熱可塑性樹脂及びワックスは必ずしもこれらに限定されるものではなく、また、単独でも、2種以上を混合して使用することもできる。
【0027】
着色剤としては、例えば、有機系又は無機系の顔料、金属粉末などの適宜なものが用いられる。その具体例としてはアゾ系顔料やフタロシアニン系顔料、トリフェニルメタン系顔料や金属錯塩顔料、バット染料系顔料やキナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料などの有機系顔料が挙げられる。また、無機系顔料の例としては、カーボンブラック、チタンブラック、酸化クロム・酸化コバルト・酸化鉄・酸化マンガンやクロム酸塩、過マンガン酸塩の如き黒色物、酸化マンガン・アルミナ、酸化クロム・酸化錫、酸化鉄、硫化カドミウム・硫化セレンの如き赤色物、酸化コバルト、ジルコニア・酸化バナジウム、酸化クロム・五酸化二バナジウムの如き青色物、ジルコニウム・珪素・プラセオジム、バナジウム・錫、クロム・チタン・アンチモンの如き黄色物、酸化クロム、コバルト・クロム、アルミナ・クロムの如き緑色物、アルミニウム・マンガン、鉄・珪素・ジルコニウムの如き桃色物等が挙げられる。
【0028】
また、着色層には、必要に応じて、分散剤、レベリング剤、充填剤などの公知の各種添加剤を適宜配合することができる。
【0029】
着色層における着色剤の含有量は、着色層固形分中の15~55質量%の範囲であることが好ましい。特に着色剤としてカーボンブラックを使用する場合は、30~50質量%の範囲であることがより好ましい。着色剤の含有量が前記範囲内であると、各種チューブの熱転写印刷画像の濃度が十分であり、熱転写印刷時にチューブの端面部分に圧接汚れが発生することがなく、形成された熱転写印刷画像の耐擦過性及び耐溶剤性も良好である。
【0030】
着色層の厚み(乾燥後厚み、以下同様)は、熱転写印刷画像の濃度や熱転写感度の観点から0.5~3.0μmの範囲であることが望ましい。
【0031】
着色層は、前記材料をメチルエチルケトン、トルエン、キシレン、水等の適当な溶媒へ分散又は溶解して、着色層用塗工液とし、ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、バーコート法及びロッドコート法等の公知の手段により、基材上に塗工して塗膜を形成させ、これを乾燥させることにより形成できる。
【0032】
(接着層)
接着層は、着色層上に設置される層であり、互いに相溶する酸変性ポリオレフィン樹脂とポリエステル樹脂からなる層である。接着層が、互いに相溶する酸変性ポリオレフィン樹脂及びポリエステル樹脂から構成されることにより、接着層の塗工乾燥後の塗膜表面が均一な面となる。これにより、塩化ビニル製チューブ及び非塩化ビニル製チューブ等の各種チューブに対しても、1ドットの細線(幅0.085mm、印字解像度300dpiのドットで描く最小の線幅)のような微細な画像の印刷時にも欠けの無い精細な熱転写印刷画像を形成することが可能となるとともに、熱転写印刷時のチューブの端面部分の圧接汚れを解消することが出来る。接着層における酸変性ポリオレフィン樹脂とポリエステル樹脂の合計の含有量は、接着層固形分中の70質量%以上であることが好ましい。酸変性ポリオレフィン樹脂とポリエステル樹脂の合計の含有量が前記範囲内であると、各種チューブに精細な熱転写印刷画像を形成しやすい。なお、酸変性ポリオレフィン樹脂とポリエステル樹脂が互いに非相溶な組合せの場合には、接着層の塗工乾燥後の塗膜表面が海島構造等の相分離した不均一で凹凸のある面となるため、酸変性ポリオレフィン樹脂部分とポリエステル樹脂部分が点在し、1ドットの細線のような微細な画像の印刷時に転写不良が発生する。
【0033】
酸変性ポリオレフィン樹脂は、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂をカルボン酸等の酸成分で重合することにより変性した樹脂であり1種又は2種以上を使用することができる。
【0034】
前記酸変性ポリオレフィン樹脂のオレフィン成分としては、各種チューブとの接着性の観点から、エチレン、プロピレン、イソブチレン、2-ブテン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン等の炭素数2~6のアルケンが好ましく、これらを1種又は2種以上を使用することができる。なかでも、エチレン、プロピレンがさらに好ましい。
【0035】
前記酸変性ポリオレフィン樹脂は、不飽和カルボン酸成分を含有することが好ましい。不飽和カルボン酸成分としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸又は無水マレイン酸、イタコン酸又は無水イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等が挙げられる。なかでも、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸又は無水マレイン酸が、各種チューブとの接着性の観点から好ましく、特にアクリル酸、無水マレイン酸が好ましい。また、不飽和カルボン酸成分は、酸変性ポリオレフィン樹脂中に共重合されていればよく、その形態は限定されない。共重合の状態としては、例えば、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合等が挙げられる。
【0036】
前記酸変性ポリオレフィン樹脂には、(メタ)アクリル酸エステル又はマレイン酸エステル等のエステル成分が含有されていても良い。前記エステル成分を含有することで、塩化ビニル製チューブとの接着性が良好になり、ポリエステル樹脂との相溶性も良好になる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸と炭素数1~20のアルコールとのエステル化物が好ましい。なお、「(メタ)アクリル酸~」とは、「アクリル酸~又はメタクリル酸~」を意味する。(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられ、マレイン酸エステルとしては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を使用することができる。なかでも、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルが好ましく、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルが特に好ましい。前記エステル成分は、酸変性ポリオレフィン樹脂中に共重合されていればよく、その形態は限定されない。共重合の状態としては、例えば、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合等が挙げられる。
【0037】
本発明の接着層を構成する酸変性ポリオレフィン樹脂とポリエステル樹脂の配合は、酸変性ポリオレフィン樹脂/ポリエステル樹脂の質量比率が20/80~90/10の範囲であることが好ましく、50/50~70/30の範囲がより好ましい。前記質量比率が20/80未満であると、非塩化ビニル製チューブに対する熱転写印刷適性が低下したり、塩化ビニル製チューブの熱転写印刷時にチューブの端面部分に圧接汚れが発生したりするおそれがある。一方、前記質量比率が90/10を超えると、塩化ビニル製チューブに対する熱転写印刷適性が低下しやすくなる。
【0038】
本発明の酸変性ポリオレフィン樹脂は、酸価が12~30mgKOH/gの範囲の酸変性ポリオレフィン樹脂を用いると良い。酸価が前記範囲未満になると、ポリエステル樹脂との相溶性が低下したり、塩化ビニル製チューブと十分な接着性が得られず、精細な熱転写印刷画像を形成しにくくなる。一方、前記範囲を超えると、非塩化ビニル製チューブにおいて精細な熱転写印刷画像を形成しにくくなったり、耐溶剤性が低下しやすくなる。なお、本明細書に記載の酸価は、JIS K0070に準拠した方法により測定した値である。また、本発明の酸変性ポリオレフィン樹脂の融点又はTgは、50~100℃の範囲が好ましく、より好ましくは、70~90℃の範囲である。融点又はTgが、前記範囲内であると、熱転写記録媒体をロール状で保存したときの耐ブロッキング性が良好であり、熱転写感度が低下することなく、各種チューブで精細な熱転写印刷画像を形成することが出来る。
【0039】
本発明の接着層に含まれるポリエステル樹脂は、着色層に含まれるポリエステル樹脂と同様のものを1種又は2種以上を用いることができる。
【0040】
また、接着層には、本発明の効果が低下しない範囲で、必要に応じて、分散剤、レベリング剤、充填剤などの公知の各種添加剤を適宜配合することができる。
【0041】
接着層の厚み(乾燥後厚み、以下同様)は、0.05~1.0μmの範囲であることが好ましく、0.1~0.3μmの範囲がより好ましい。接着層の厚みが前記範囲内であると、各種チューブとの接着性が良好であり、熱転写感度が低下することなく、各種チューブで精細な熱転写印刷画像を形成することが出来る。
【0042】
接着層は、前記材料をメチルエチルケトン、トルエン、キシレン、水等の適当な溶媒へ分散又は溶解して、接着層用塗工液とし、ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、バーコート法及びロッドコート法等の公知の手段により、基材上に塗工して塗膜を形成させ、これを乾燥させることにより形成できる。
【0043】
(剥離層)
本発明の熱転写記録媒体では、前記基材と前記着色層との間に、剥離層を設けてもよい。剥離層は、熱転写の際に、着色層とともに被転写体上へ転写される層である。
【0044】
剥離層は、例えばワックスや熱可塑性樹脂を含有する層を使用出来る。ワックス類としては、ポリエチレンワックス、カルナバワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、モンタンワックス、酸化ワックス、合成ワックス等が用いることができ、これらは必要に応じて2種以上の混合も可能である。また、熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、ロジン樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、スチレンブタジエンゴム等が挙げられる。また、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、分散剤、レベリング剤、充填剤などの公知の各種添加剤を適宜配合することができる。
【0045】
剥離層の厚み(乾燥後厚み、以下同様)は、0.1~2.0μmの範囲であることが望ましい。剥離層の厚みが前記範囲内であると、離型性能が良好であり、各種チューブに精細な熱転写印刷画像を形成することが出来る。
【0046】
剥離層は、前記材料をメチルエチルケトン、トルエン、キシレン、水等の適当な溶媒へ分散又は溶解して、剥離層用塗工液とし、ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、バーコート法及びロッドコート法等の公知の手段により、基材上に塗工して塗膜を形成させ、これを乾燥させることにより形成できる。
【0047】
(耐熱滑性層)
本発明のチューブ印刷用の熱転写記録媒体では、前記着色層、接着層、必要に応じて剥離層の各層を設けた面とは反対側の基材面に耐熱滑性層を設けることが好ましい。耐熱滑性層を設けることにより、各種チューブへの熱転写印刷時のサーマルヘッドによる熱転写記録媒体の基材の熱ダメージを少なくすることができる。基材が熱ダメージを受けると、熱転写印刷時にサーマルヘッドが基材に貼りついてスムーズに熱転写印刷ができなくなる、所謂スティッキングが発生することがある。耐熱滑性層を設けることにより、このようなスティッキングを防止することができる。
【0048】
耐熱滑性層の構成材料としては、熱転写記録媒体で従来から採用されているものが特に制限なく使用できる。サーマルヘッドに対する耐熱性、高温時での動摩擦係数を小さくする点やコストを考慮すると、なかでも、シリコーン変性ウレタン樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂、シリコーン樹脂の硬化物が、耐熱滑性層の構成材料として特に好ましい。
【0049】
耐熱滑性層には、粒子、滑剤、帯電防止剤など、従来公知の各種添加剤を適宜配合することができる。
【0050】
耐熱滑性層の厚み(乾燥後厚み、以下同様)は、良好なスティッキング防止効果を達成し、かつ熱伝導性の低下を防止する点から、0.05~ 0.8μmの範囲が好ましい。
【0051】
耐熱滑性層は、前記材料をメチルエチルケトン、トルエン、キシレン、水等の適当な溶媒へ分散又は溶解して、耐熱滑性層用塗工液とし、ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、バーコート法及びロッドコート法等の公知の手段により、基材上に塗工して塗膜を形成させ、これを乾燥させることにより形成できる。
【実施例0052】
以下に、実施例と比較例を示して本発明の熱転写記録媒体を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
【0053】
<着色層の塗工液作製>
下記の配合でチューブ印刷用の熱転写記録媒体に用いる着色層塗工液1を調整した。
(着色層塗工液1)
ポリエステル樹脂A(Tg60℃、Mn8000) 6.0質量部
カーボンブラック 6.0質量部
顔料分散剤 0.6質量部
メチルエチルケトン 70.0質量部
トルエン 17.4質量部
【0054】
<接着層の塗工液作製>
下記の配合でチューブ印刷用の熱転写記録媒体に用いる接着層塗工液を調整した。
(接着層塗工液1)
酸変性ポリオレフィン樹脂A 6.0質量部
(プロピレン-無水マレイン酸共重合樹脂、融点80℃、酸価22mgKOH/g)
ポリエステル樹脂A(Tg60℃、Mn8000) 4.0質量部
メチルエチルケトン 18.0質量部
トルエン 72.0質量部
(接着層塗工液2)
酸変性ポリオレフィン樹脂B 2.0質量部
(プロピレン-無水マレイン酸共重合樹脂、融点95℃、酸価17mgKOH/g)
ポリエステル樹脂A(Tg60℃、Mn8000) 8.0質量部
メチルエチルケトン 18.0質量部
トルエン 72.0質量部
(接着層塗工液3)
酸変性ポリオレフィン樹脂B 9.0質量部
(プロピレン-無水マレイン酸共重合樹脂、融点95℃、酸価17mgKOH/g)
ポリエステル樹脂A(Tg60℃、Mn8000) 1.0質量部
メチルエチルケトン 18.0質量部
トルエン 72.0質量部
(接着層塗工液4)
酸変性ポリオレフィン樹脂C水性分散体 20.0質量部
(エチレン-無水マレイン酸-アクリル酸エステル共重合樹脂、固形分25%、融点
85℃、酸価22mgKOH/g)
ポリエステル樹脂B水性分散体 16.7質量部
(固形分30%、Tg80℃、Mn8000)
レベリング剤 0.1質量部
水 15.8質量部
メタノール 47.4質量部
(接着層塗工液5)
酸変性ポリオレフィン樹脂C水性分散体 28.0質量部
(エチレン-無水マレイン酸-アクリル酸エステル共重合樹脂、固形分25%、融点
85℃、酸価22mgKOH/g)
ポリエステル樹脂B水性分散体 10.0質量部
(固形分30%、Tg80℃、Mn8000)
レベリング剤 0.1質量部
水 15.5質量部
メタノール 46.4質量部
(接着層塗工液6)
酸変性ポリオレフィン樹脂D 6.0質量部
(プロピレン-無水マレイン酸共重合樹脂、融点80℃、酸価12mgKOH/g)
ポリエステル樹脂A(Tg60℃、Mn8000) 4.0質量部
メチルエチルケトン 18.0質量部
トルエン 72.0質量部
(接着層塗工液7)
酸変性ポリオレフィン樹脂E水性分散体 24.0質量部
(プロピレン-無水マレイン酸-アクリル酸エステル共重合樹脂、固形分25%、融点
65℃、酸価30mgKOH/g)
ポリエステル樹脂B水性分散体 13.3質量部
(固形分30%、Tg80℃、Mn8000)
レベリング剤 0.1質量部
水 15.6質量部
メタノール 47.0質量部
(接着層塗工液8)
ポリエステル樹脂B水性分散体 33.3質量部
(固形分30%、Tg80℃、Mn8000)
レベリング剤 0.1質量部
水 16.7質量部
メタノール 49.9質量部
(接着層塗工液9)
酸変性ポリオレフィン樹脂E水性分散体 40.0質量部
(プロピレン-無水マレイン酸-アクリル酸エステル共重合樹脂、固形分25%、融点
65℃、酸価30mgKOH/g)
レベリング剤 0.1質量部
水 15.0質量部
メタノール 44.9質量部
【0055】
<剥離層の塗工液作製>
下記の配合でチューブ印刷用の熱転写記録媒体に用いる剥離層塗工液1を調整した。
(剥離層塗工液1)
エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂(融点73℃) 1.0質量部
ポリエチレンワックス(融点99℃) 5.0質量部
トルエン 94.0質量部
【0056】
<耐熱滑性層の塗工液作製>
下記の配合でチューブ印刷用の熱転写記録媒体に用いる耐熱滑性層塗工液1を調整した。
(耐熱滑性層塗工液1)
シリコーン変性アクリル樹脂(固形分20%) 12.5質量部
イソシアネート(TDI) 1.5質量部
メチルエチルケトン 74.0質量部
トルエン 12.0質量部
【0057】
(実施例1)
<熱転写記録媒体の作製>
[耐熱滑性層の形成]
厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、前記耐熱滑性層塗工液1を乾燥後の塗工厚さが0.1μmになるようにグラビアコーティング法にて塗工し、加熱乾燥して耐熱滑性層を形成した。
[着色層の形成]
前記ポリエチレンテレフタレートフィルムの耐熱滑性層を形成した面と反対の面に、着色層塗工液1を乾燥後の塗工厚さが0.6μmになるようにグラビアコーティング法により塗工し、加熱乾燥して着色層を形成した。
[接着層の形成]
前記着色層を形成した面の上に、接着層塗工液1を乾燥後の塗工厚さが0.15μmになるようにグラビアコーティング法により積層塗工し、加熱乾燥して実施例1の熱転写記録媒体を得た。
【0058】
(実施例2)
[剥離層の形成]
厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに実施例1と同様に耐熱滑性層を形成した面と反対の面に、前記剥離層塗工液1を乾燥後の塗工厚さが0.3μmになるようにバーコーティング法により塗工し、加熱乾燥して剥離層を形成した。
[着色層の形成]
前記剥離層を形成した面の上に、実施例1と同様に着色層塗工液1を乾燥後の塗工厚さが0.6μmになるようにグラビアコーティング法により積層塗工し、加熱乾燥して着色層を形成した。
[接着層の形成]
前記着色層を形成した面の上に、実施例1と同様に接着層塗工液1を乾燥後の塗工厚さが0.15μmになるようにグラビアコーティング法により積層塗工し、加熱乾燥して実施例2の熱転写記録媒体を得た。
【0059】
(実施例3)
実施例2の接着層塗工液1を接着層塗工液2に変更した以外は、実施例2と同様にして実施例3の熱転写記録媒体を得た。
【0060】
(実施例4)
実施例2の接着層塗工液1を接着層塗工液3に変更した以外は、実施例2と同様にして実施例4の熱転写記録媒体を得た。
【0061】
(実施例5)
実施例2の接着層塗工液1を接着層塗工液4に変更した以外は、実施例2と同様にして実施例5の熱転写記録媒体を得た。
【0062】
(実施例6)
実施例2の接着層塗工液1を接着層塗工液5に変更した以外は、実施例2と同様にして実施例6の熱転写記録媒体を得た。
【0063】
(実施例7)
実施例2の接着層塗工液1を接着層塗工液6に変更した以外は、実施例2と同様にして実施例7の熱転写記録媒体を得た。
【0064】
(実施例8)
実施例2の接着層塗工液1を接着層塗工液7に変更した以外は、実施例2と同様にして実施例8の熱転写記録媒体を得た。
【0065】
(比較例1)
実施例2の接着層塗工液1を接着層塗工液8に変更した以外は、実施例2と同様にして比較例1の熱転写記録媒体を得た。
【0066】
(比較例2)
実施例2の接着層塗工液1を接着層塗工液9に変更した以外は、実施例2と同様にして比較例2の熱転写記録媒体を得た。
【0067】
<印字評価条件>
実施例1~8、比較例1~2の熱転写記録媒体を用いて、下記条件で各チューブへの印刷(印字)を行い、印字物を作製した。
印字条件
プリンター:マックス株式会社製レタツインLM-550W2
印字解像度:300dpi
印字速度:40mm/sec
印字濃度:8
被転写体:塩化ビニル製チューブ(マックス純正ドラム式丸チューブ LM-TU452L:内径5.2mm)
非塩化ビニル製チューブ(パンドウィット HSTT25-48-Q10:内径6.4mm)
【0068】
(印字品質評価)
前記印字物の印字品質について拡大率5倍の拡大レンズを使用して確認し、下記評価基準に従って評価を行った。評価結果を表1に示した。(○以上であれば、実使用上問題ない)
評価基準
◎:幅0.085mmの細線(印字解像度300dpiのドットで描く最小の線幅)、文字高さ1.3mmの小文字も、欠けることなく精細に印刷できている。
○:幅0.085mmの細線、文字高さ1.3mmの小文字では、印刷にわずかな欠けがあるが、判読可能なレベルである。
×:幅0.085mmの細線、文字高さ1.3mmの小文字では、印刷欠けや印刷潰れにより、判読不能なレベルである。
【0069】
(圧接汚れ評価)
前記印字物の圧接汚れについて目視、及び拡大率5倍の拡大レンズを使用して確認し、下記評価基準に従って評価を行った。評価結果を表1に示した。(○以上であれば、実使用上問題ない)
評価基準
◎:圧接汚れが無い。
○:拡大レンズではわずかな圧接汚れが見られるが、目視では判別不可能なレベルである。
×:目視で容易に確認できる圧接汚れがある。
【0070】
(酸変性ポリオレフィン樹脂とポリエステル樹脂の相溶性評価)
接着層の酸変性ポリオレフィン樹脂とポリエステル樹脂の相溶性について、厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、接着層のみを塗工乾燥後、接着層の塗膜表面を、デジタルマイクロスコープを用いて500倍で観察し、下記評価基準に従って評価を行った。評価結果を表1に示した。
評価基準
◎:接着層の表面に相分離構造は見られず均一な面である。
×:接着層の表面に海島構造等の相分離構造が見られる。
【0071】