(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157494
(43)【公開日】2024-11-07
(54)【発明の名称】ダメージコントロール蘇生のための補助策定方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
G16H 10/00 20180101AFI20241030BHJP
【FI】
G16H10/00
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023102101
(22)【出願日】2023-06-21
(31)【優先権主張番号】2023104545139
(32)【優先日】2023-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521006266
【氏名又は名称】中国人民解放軍陸軍軍医大学
(71)【出願人】
【識別番号】516148461
【氏名又は名称】重慶理工大学
(74)【代理人】
【識別番号】100174090
【弁理士】
【氏名又は名称】和気 光
(74)【代理人】
【識別番号】100205383
【弁理士】
【氏名又は名称】寺本 諭史
(74)【代理人】
【識別番号】100100251
【弁理士】
【氏名又は名称】和気 操
(72)【発明者】
【氏名】宗兆文
(72)【発明者】
【氏名】ドゥー ウェチィォン
(72)【発明者】
【氏名】楊昊洋
(72)【発明者】
【氏名】南海
(72)【発明者】
【氏名】陳琳
(72)【発明者】
【氏名】馬雲飛
(72)【発明者】
【氏名】ヂォン シィン
(72)【発明者】
【氏名】賈益君
(72)【発明者】
【氏名】ヂィァン レェンチィン
(72)【発明者】
【氏名】陳燦
(72)【発明者】
【氏名】康娜
(72)【発明者】
【氏名】薛志健
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA01
(57)【要約】
【課題】本発明は策定技術分野に関し、特にダメージコントロール蘇生の補助策定方法及びシステムに関する。
【解決手段】前記方法は、テキスト補助策定モデル、画像補助策定モデル及び指標補助策定モデルを含む補助策定モデルを構築すること、テキストデータ、画像データ及び指標データを含む負傷データを取得すること、前記テキストデータと前記テキスト補助策定モデルに基づいて、テキスト補助策定結果を得ること、前記画像データと前記画像補助策定モデルに基づいて、画像補助策定結果を得ること、前記指標データと前記指標補助策定モデルに基づいて、指標補助策定結果を得ること及び、前記テキスト補助策定結果、前記画像補助策定結果及び前記指標補助策定結果に基づいて、補助策定スキームを構築することを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダメージコントロール蘇生のための補助策定方法であって、
テキスト補助策定モデル、画像補助策定モデル及び指標補助策定モデルを含む補助策定モデルを構築すること、
テキストデータ、画像データ及び指標データを含む負傷データを取得すること、
前記テキストデータと前記テキスト補助策定モデルに基づいて、テキスト補助策定結果を得ること、
前記画像データと前記画像補助策定モデルに基づいて、画像補助策定結果を得ること、
前記指標データと前記指標補助策定モデルに基づいて、指標補助策定結果を得ること及び、
前記テキスト補助策定結果、前記画像補助策定結果及び前記指標補助策定結果に基づいて、補助策定スキームを構築することを含むことを特徴とするダメージコントロール蘇生のための補助策定方法。
【請求項2】
前記テキストデータと前記テキスト補助策定モデルに基づいて、テキスト補助策定結果を得ることは、
前記テキストデータに形態素解析を行い、形態素解析データセットを得ること、
前記形態素解析データセットに対してキーワード抽出を行い、キーワードデータセットを得ること及び、
前記キーワードデータセットと前記テキスト補助策定モデルに基づいて、前記テキスト補助策定結果を得ることを含むことを特徴とする請求項1に記載のダメージコントロール蘇生のための補助策定方法。
【請求項3】
前記指標データは、生理指標データと検査指標データを含むことを特徴とする請求項1に記載のダメージコントロール蘇生のための補助策定方法。
【請求項4】
前記画像データ及び前記画像補助策定モデルに基づいて、画像補助策定結果を得ることは、
前記画像データに基づいて、画像認識アルゴリズムを用いて、肢体欠損部位を得ること及び、
前記肢体欠損部位と前記画像補助策定モデルに基づいて、前記画像補助策定結果を得ることを特徴とする請求項1に記載のダメージコントロール蘇生のための補助策定方法。
【請求項5】
前記テキストデータは、基礎負傷テキストデータ、負傷状況変化テキストデータ、及び負傷部位テキストデータを含むことを特徴とする請求項1に記載のダメージコントロール蘇生のための補助策定方法。
【請求項6】
ダメージコントロール蘇生のための補助策定システムであって、
テキスト補助策定モデル、画像補助策定モデル及び指標補助策定モデルを含む補助策定モデルを構築するためのモデル構築モジュール、
テキストデータ、画像データ及び指標データを含む負傷データを取得するためのデータ取得モジュール、
前記テキストデータと前記テキスト補助策定モデルに基づいてテキスト補助策定結果を得るためのテキスト補助策定モジュール、
前記画像データと前記画像補助策定モデルに基づいて、画像補助策定結果を得るための画像補助策定モジュール、
前記指標データと前記指標補助策定モデルに基づいて、指標補助策定結果を得るための指標補助策定モジュール及び、
前記テキスト補助策定結果、前記画像補助策定結果及び指標補助策定結果に基づいて、補助策定スキームを構築するための補助策定スキームモジュールを含むことを特徴とするダメージコントロール蘇生のための補助策定システム。
【請求項7】
前記テキスト補助策定モジュールは、
前記テキストデータに形態素解析を行い、形態素解析データセットを得るための形態素解析ユニット、
前記形態素解析データセットに対してキーワード抽出を行い、キーワードデータセットを得るためのキーワードユニット及び、
前記キーワードデータセットと前記テキスト補助策定モデルに基づいて、前記テキスト補助策定結果を得るためのテキスト補助策定ユニットを含むことを特徴とする請求項6に記載のダメージコントロール蘇生のための補助策定システム。
【請求項8】
前記指標データは、生理指標データと検査指標データを含むことを特徴とする請求項6に記載のダメージコントロール蘇生のための補助策定システム。
【請求項9】
前記画像補助策定モジュールは、
前記画像データに基づいて、画像認識アルゴリズムを用いて、肢体欠損部を得るための画像認識ユニット及び、
前記肢体欠損部と前記画像補助策定モデルに基づいて、前記画像補助策定結果を得るための画像補助策定ユニットを含むことを特徴とする請求項6に記載のダメージコントロール蘇生のための補助策定システム。
【請求項10】
前記テキストデータは、基礎負傷テキストデータ、負傷状況変化テキストデータ、及び負傷部位テキストデータを含むことを特徴とする請求項6に記載のダメージコントロール蘇生のための補助策定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は策定技術分野に関し、特にダメージコントロール蘇生の補助策定方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
救急医療システムには、病院前救急医療システムと病院内救急医療システムが含まれており、両者は密接不可分であり、負傷者の治療の成功にとって非常に重要である。現在、各国の救急医療システムは、インターネット遠隔医療システムを通じて緊急の医療サービスを提供するなど病院前救急グループ内に麻酔科医師を配置して気道管理を行い、高忠実なシミュレーション訓練を通じて、病院前/病院内受け渡しのコミュニケーションを強化し、病院前救急における外傷患者の疼痛管理など、病院前救急を非常に重視している。これらの措置は重症負傷者の治療効果を効果的に高めることができる。
【0003】
負傷が深刻な患者に対して、その病状の変化は速く、負傷は複雑で、病死率と障害率は高く、一部の負傷者に病院前救急段階で医療関係者に正確な判断と処置をして、タイムリーで正確なダメージコントロール蘇生を行う必要がある。ダメージコントロール蘇生は危険な状態下の創傷患者を救急する措置であり、液体蘇生(制限性液体回復、止血蘇生などを含む)、酸中毒の防止、低い低温、凝血機能障害と低カルシウム血症などの総合蘇生技術を含む。
【0004】
しかし、深刻な創傷処理の専門性の要求が高いため、病院前医療スタッフに必ずしも常に専門的な創傷医師がいるとは限らず、患者に現場で必要な蘇生と初歩的で効果的な処理に不足しており、上述の各種方法はこのような負傷者に迅速かつ効果的に時間的な診療援助を提供することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的はダメージコントロール蘇生の補助策定方法及びシステムを提供し、医療関係者が創傷現場及び医療搬送過程において診療を完了させ、蘇生を指導し、患者の全身状況を改善し、患者のバイタルサインを安定させ、入院後の治療のために良好な身体条件を創造することを補助することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は以下の態様を提供する。
ダメージコントロール蘇生のための補助策定方法であって、
テキスト補助策定モデル、画像補助策定モデル及び指標補助策定モデルを含む補助策定モデルを構築すること、
テキストデータ、画像データ及び指標データを含む負傷データを取得すること、
前記テキストデータと前記テキスト補助策定モデルに基づいて、テキスト補助策定結果を得ること、
前記画像データと前記画像補助策定モデルに基づいて、画像補助策定結果を得ること、
前記指標データと前記指標補助策定モデルに基づいて、指標補助策定結果を得ること及び、
前記テキスト補助策定結果、前記画像補助策定結果及び前記指標補助策定結果に基づいて、補助策定スキームを構築することを含む。
オプションとして、前記テキストデータと前記テキスト補助策定モデルに基づいて、テキスト補助策定結果を得ることは、
前記テキストデータに形態素解析を行い、形態素解析データセットを得ること、
前記形態素解析データセットに対してキーワード抽出を行い、キーワードデータセットを得ること及び、
前記キーワードデータセットと前記テキスト補助策定モデルに基づいて、前記テキスト補助策定結果を得ることとを含む。
【0007】
オプションとして、前記指標データは、生理指標データと検査指標データを含む。
【0008】
オプションとして、前記画像データ及び前記画像補助策定モデルに基づいて、画像補助策定結果を得ることは、
前記画像データに基づいて、画像認識アルゴリズムを用いて、肢体欠損部位を得ること及び、
前記肢体欠損部位と前記画像補助策定モデルに基づいて、前記画像補助策定結果を得る。
【0009】
オプションとして、前記テキストデータは、基礎負傷テキストデータ、負傷状況変化テキストデータ、及び負傷部位テキストデータを含む。
【0010】
本発明は、テキスト補助策定モデル、画像補助策定モデル及び指標補助策定モデルを含む補助策定モデルを構築するためのモデル構築モジュール、
テキストデータ、画像データ及び指標データを含む負傷データを取得するためのデータ取得モジュール、
前記テキストデータと前記テキスト補助策定モデルに基づいてテキスト補助策定結果を得るためのテキスト補助策定モジュール、
前記画像データと前記画像補助策定モデルに基づいて、画像補助策定結果を得るための画像補助策定モジュール、
前記指標データと前記指標補助策定モデルに基づいて、指標補助策定結果を得るための指標補助策定モジュール及び、
前記テキスト補助策定結果、前記画像補助策定結果及び指標補助策定結果に基づいて、補助策定スキームを構築するための補助策定スキームモジュールを含むダメージコントロール蘇生のための補助策定システムを提供する。
【0011】
オプションとして、前記テキスト補助策定モジュールは、
前記テキストデータに形態素解析を行い、形態素解析データセットを得るための形態素解析ユニット、
前記形態素解析データセットに対してキーワード抽出を行い、キーワードデータセットを得るためのキーワードユニット及び、
前記キーワードデータセットと前記テキスト補助策定モデルに基づいて、前記テキスト補助策定結果を得るためのテキスト補助策定ユニットを含む。
【0012】
オプションとして、前記指標データは、生理指標データと検査指標データを含む。
【0013】
オプションとして、前記画像補助策定モジュールは、
前記画像データに基づいて、画像認識アルゴリズムを用いて、肢体欠損部を得るための画像認識ユニット及び、
前記肢体欠損部と前記画像補助策定モデルに基づいて、前記画像補助策定結果を得るための画像補助策定ユニットを含む。
【0014】
オプションとして、前記テキストデータは、基礎負傷テキストデータ、負傷状況変化テキストデータ、及び負傷部位テキストデータを含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明が提供する具体的な実施形態によれば、本発明は以下の技術的効果を開示する。
【0016】
本発明はダメージコントロール蘇生のための補助策定方法及びシステムを開示し、方法はテキスト補助策定モデル、画像補助策定モデル及び指標補助策定モデルを含む補助策定モデルを構築すること、テキストデータ、画像データ及び指標データを含む負傷データを取得すること、前記テキストデータと前記テキスト補助策定モデルに基づいて、テキスト補助策定結果を得ること、前記画像データと前記画像補助策定モデルに基づいて、画像補助策定結果を得ること、前記指標データと前記指標補助策定モデルに基づいて、指標補助策定結果を得ること及び、前記テキスト補助策定結果、前記画像補助策定結果及び前記指標補助策定結果に基づいて、補助策定スキームを構築することを含む。本発明は医療関係者が創傷現場及び医療搬送過程においてダメージコントロール蘇生を完成することに補助して、患者のバイタルサインを安定しかけ或いは安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明の実施形態または先行技術における技術的態様をより明確に説明するために、以下では実施形態において使用する必要がある図面を簡単に説明する。明らかに、以下の説明における図面は本発明のいくつかの実施形態にすぎず、当業者にとっては、創造的な労働を払わずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【0018】
【
図1】本発明のダメージコントロール蘇生のための補助策定方法のフローチャートである。
【
図2】本発明のダメージコントロール蘇生のための補助策定システム構成図である。
【0019】
符号の説明:1、モデル構築モジュール、2、データ取得モジュール、3、テキスト補助策定モジュール、4、画像補助策定モジュール、5、指標補助策定モジュール、6、補助策定スキームモジュール。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態における図面を参考して、本発明の実施例における技術的態様を明確かつ完全に説明する。明らかに、説明された実施例は本発明の一部の実施例にすぎず、すべての実施形態ではない。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行うことなく取得した他のすべての実施例は、本発明の保護の範囲に属する。
【0021】
本発明の目的はダメージコントロール蘇生の補助策定方法及びシステムを提供し、医療関係者が創傷現場及び医療搬送過程において診療を完了させ、蘇生を指導し、患者の全身状況を改善し、患者のバイタルサインを安定させ、入院後の治療のために良好な身体条件を創造することを補助することである。
【0022】
本発明の上記目的、特徴及び利点をより明確にわかりやすくするために、以下に図面及び具体的な実施例を組み合わせて本発明をさらに詳細に説明する。
【0023】
(
図1)本発明のダメージコントロール蘇生のための補助策定方法のフローチャートである。
図1に示すように、本発明はステップS1、ステップS2、ステップS3、ステップS4、ステップS5及びステップS6を含むダメージコントロール蘇生のための補助策定方法を提供する。
【0024】
ステップS1において、テキスト補助策定モデル、画像補助策定モデル及び指標補助策定モデルを含む補助策定モデルを構築する。前記テキスト補助策定モデル、画像補助策定モデル及び指標補助策定モデルは、専門家システムに基づいて構築される。前記テキスト補助策定モデルはテキストに基づく補助策定を行うモデルであり、画像補助策定モデルは画像に基づいて補助策定を行うモデルであり、前記指標補助策定モデルは、検査指標及び/又は生理指標に基づいて補助策定を行うモデルである。
【0025】
ステップS2において、テキストデータ、画像データ及び指標データを含む負傷データを取得する。本実施例では、前記テキストデータは、医療従事者が自身の医療経験と知識に基づいて専門的な医学用語で編集したものである。
【0026】
具体的には、前記指標データは生理指標データと検査指標データを含み、前記検査指標データは残留アルカリ、乳酸濃度(Lac)、ヘモグロビン濃度(HGB)、プロトロンビン時間(PT)、国際標準比(INR)、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)とフィブリノーゲン濃度(Fib)などを含む。
【0027】
ステップS3において、前記テキストデータと前記テキスト補助策定モデルとに基づいて、テキスト補助策定結果を得る。
オプションとして、ステップS3は、ステップS31、ステップS32とステップS33を含む。
【0028】
ステップS31において、前記テキストデータに形態素解析を行い、形態素解析データセットを得る。
【0029】
ステップS32において、前記形態素解析データセットに対してキーワード抽出を行い、キーワードデータセットを得る。中国語形態素解析モデルアルゴリズムは、主に辞書(文字列マッチング)に基づく形態素解析、ラベルに基づく機械学習アルゴリズム、理解に基づく深層学習アルゴリズムという3つのカテゴリに分けられる。ここで、辞書(文字列マッチング)に基づく形態素解析は機械形態素解析とも呼ばれ、ラベルに基づく機械学習アルゴリズムと深層学習アルゴリズムを統計形態素解析方法と総称する。本プロジェクトは統計形態素解析方法における「結び目」(jieba)中国語形態素解析コンポーネントを用いて、テキストデータに形態素解析とキーワード抽出を行い、カスタマイズ辞書をサポートする。
【0030】
ステップS33において、前記キーワードデータセットと前記テキスト補助策定モデルとに基づいて、前記テキスト補助策定結果を得る。
【0031】
本実施例において、前記テキストデータは、基礎的な負傷テキストデータ、負傷状況変化テキストデータ及び負傷部位テキストデータを含む。
【0032】
負傷者は、現場の条件や環境の影響によって、救急や輸送の途中で呼吸器系や循環系などが悪化しやすい。
【0033】
負傷者に後続の負傷状況の変化が発生した場合、負傷者の負傷状況を追加編集し、新しいテキストデータを形成し、ステップS3を実行して、新しいテキスト補助策定結果を形成することができる。
【0034】
例えば、1人の患者が怪我をしてから10分後に胸が苦しくなり、呼吸困難と呼吸促迫になった。この病状の記述から、胸部+大欠損+呼吸困難+開放性氣胸創との重要な文字に基づいて、開放性気胸と診断することができる。医療関係者は明確に診断した後、胸腔シールを行い胸腔を閉鎖し、処理後の負傷者は上級医療機関に搬送された。30min後、この患者は後の搬送中に呼吸困難が引き続き加重し、左胸胸郭の動きが消失し、呼吸周波数は30回/分、心拍数は140回/分、血圧は70/52 mmHg、血中酸素飽和度は76%であった。明らかに、この患者の後送中に負傷が加重し、病状が変化し、医療関係者が検査と生理指標によると、この患者の負傷情報を再編集し、新しい病状の詳細を追加し、その中から胸郭動き消失+呼吸困難加重というキーワードを自動的に抽出し、検出された生理指標は相応のダイアログボックスに記入し、張力性気胸+中度失血性ショックという相応の診断をランダムに得た。救急措置は1.胸腔穿刺減圧、2.観察、必要な時に胸腔閉式ドレナージを行う、3.赤血球懸濁液200ml~400mlを注入する、4.ヒドロキシエチルデンプン500mlを注入する、5.乳酸リンゲル液800mlを注入する、6.病状の変化に基づいて次の液体回復の種類と量を決定することである。
【0035】
医療関係者は負傷部位を判断した後、自身の医療経験と知識に基づいて、専門の医学用語で負傷者の病状の詳細を編集し、特に負傷部位用語の使用の正確性に注意し、これはソフトウェア結果の分析の正確性に影響し、ステップS3と結合して、相応の補助策定結果を得る。
【0036】
ステップS4において、前記画像データと前記画像補助策定モデルに基づいて、画像補助策定結果を得る。
【0037】
さらに、ステップS4は、ステップS41とステップS42を含む。
【0038】
ステップS41において、前記画像データに基づいて画像認識アルゴリズムを用いて、肢体欠損部位を得る。本実施例では、従来のアルゴリズムの問題と不足に対して、仮想現実制御モデルに基づく欠損肢体運動解析方法を用いて、差分演算子画像マッチング方法を用いて、従来のアルゴリズムに対して再構成と改善を行い、従来のアルゴリズムが正確な角度と加速度収集領域を形成できないことを克服し、偏差弊害が現れることを対応し、人体の3次元運動認識の正確性を高め、良好な効果を得た。
【0039】
欠損肢体行動画像認識過程において、欠損肢体が表現する行動特徴に基づいて、その行動を認識する必要がある。残胴運動の過程で、最も主要なのは人体の重要なノードの特徴を収集することである。通常、運動解析に使用される残胴をいくつかのサブ領域に分け、これらのサブ領域をツリー構造のサブノードとして設定し、これらのサブノードに基づいて仮想残胴の階層包囲体ツリー構造を構築する必要がある。
【0040】
ステップS42において、肢体欠損部と画像補助策定モデルとに基づいて、画像補助策定結果を得る。
【0041】
ステップS5において、前記指標データと前記指標補助策定モデルとに基づいて、指標補助策定結果を得る。
【0042】
前記生理指標データを取得し、これは患者が病院に到達して血液ガス分析を行った後に補液治療を行うよりも、検査時間が早く、補液も根拠を持って繰り上げることができ、大量の輸液液による多臓器機能不全、感染と肺損傷などの合併症を回避することができ、これは失血負傷者の予後にとって極めて重要である。
【0043】
前記指標補助策定モデルは、専門家システムに基づいて得られた辞書構造であり、前記辞書構造は表1~表11に示される。
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
表9辞書構造の国際標準比INR部分の概略
【表9】
【0053】
【0054】
表11辞書構造フィブリノゲン濃度部概略
【表11】
【0055】
例えば、1人の患者は動悸、呼吸促迫であり、呼吸周波数は約24回/分、脈拍は120回/分、血圧は80/60 mmHgで、肝臓挫傷を診断することができ、相応の治療措置は、1.凝固因子複合体を1単位注入し、2.トラネキサム酸1 gを注入し、3.緊急開腹術が必要かどうかである。さらに検査した後、脈拍数120回/分、血圧80/60 mmHgを発見し、指標を相応のダイアログボックスに記入した後、患者の中度失血性ショックを分析し、対応する治療措置は、1.赤血球懸濁液200 ml-400 mlを注入し、2.ヒドロキシエチルデンプン500 mlを注入し、3.乳酸リンゲル液800 mlを注入し、4.病状の変化に基づいて次の液体回復の種類と量を決定することである。
【0056】
ステップS6において、前記テキスト補助策定結果、前記画像補助策定結果及び前記指標補助策定結果に基づいて補助策定スキームを構築する。
【0057】
(
図2)本発明のダメージコントロール蘇生のための補助策定システム構成図である。
図2に示すように、本発明はモデル構築モジュール1、データ取得モジュール2、テキスト補助策定モジュール3、画像補助策定モジュール4、指標補助策定モジュール5及び補助策定スキームモジュール6を含むダメージコントロール蘇生の補助策定システムを提供する。
【0058】
モデル構築モジュール1は、テキスト補助策定モデル、画像補助策定モデル及び指標補助策定モデルを含む補助策定モデルを構築するためのものである。
【0059】
データ取得モジュール2は、テキストデータ、画像データ及び指標データを含む負傷データを取得するためのものである。
【0060】
前記テキスト補助策定モジュール3は、前記テキストデータと前記テキスト補助策定モデルとに基づいて、テキスト補助策定結果を得るためのものである。
【0061】
前記画像補助策定モジュール4は、前記画像データと前記画像補助策定モデルとに基づいて、画像補助策定結果を得るためのものである。
【0062】
前記指標補助策定モジュール5は、前記指標データと前記指標補助策定モデルとに基づいて、指標補助策定結果を得るためのものである。
【0063】
補助策定スキームモジュール6は、テキスト補助策定結果、画像補助策定結果、および指標補助策定結果に基づいて、補助策定スキームを構築するためのものである。
【0064】
オプションとして、テキスト補助策定モジュール3は、形態素解析ユニット、キーワードユニット及びテキスト補助策定ユニットを含む。
【0065】
形態素解析ユニットは、前記テキストデータを形態素解析し、形態素解析データセットを得るためのものである。
【0066】
キーワードユニットは、前記形態素解析データセットをキーワード抽出し、キーワードデータセットを得るためのものである。
【0067】
テキスト補助策定ユニットは、前記キーワードデータセットと前記テキスト補助策定モデルに基づいて、前記テキスト補助策定結果を得るためのものである。
【0068】
オプションとして、指標データは、生理指標データ及び検査指標データを含む。
【0069】
オプションとして、画像補助策定モジュール4は、画像認識ユニット及び、画像補助策定ユニットを含む。
【0070】
画像認識ユニットは前記画像データに基づいて画像認識アルゴリズムを用いて肢体欠損部位を得るためのものである。
【0071】
画像補助策定ユニットは、前記肢体欠損部と前記画像補助策定モデルに基づいて、前記画像補助策定結果を得るためのものである。
【0072】
オプションとして、テキストデータは、基礎負傷テキストデータ、負傷状況変化テキストデータ、及び負傷部位テキストデータを含む。
【0073】
本明細書における各実施例は、漸進的に説明され、各実施形態が他の実施形態と異なる点を重点的に示しており、各実施形態の間の同じ類似部分は互いに参照すればよい。実施形態に開示されたシステムについては、実施形態に開示された方法に対応するため、説明は比較的簡単であり、関連する点は方法の部分的な説明を参照すればよい。
【0074】
本明細書では、本発明の原理及び実施形態について具体的な例を用いて説明したが、以上の実施例の説明は本発明の方法及びその核心思想の理解を補助するために用いられるだけである同時に、当業者には、本発明の思想に基づいて、具体的な実施形態及び応用範囲において変更点がある。以上のように、本明細書の内容は本発明に対する制限と理解すべきではない。