(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157534
(43)【公開日】2024-11-07
(54)【発明の名称】極低温流体を供給するための装置及びタンクを充填するための設備
(51)【国際特許分類】
F17C 7/00 20060101AFI20241030BHJP
【FI】
F17C7/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024068121
(22)【出願日】2024-04-19
(31)【優先権主張番号】2304147
(32)【優先日】2023-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード-ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤン・ぺネック
(72)【発明者】
【氏名】シリル・ベニスタン-エクトル
(72)【発明者】
【氏名】ロイック・ブルネット・マンコート
(72)【発明者】
【氏名】ワシム・オークリム
【テーマコード(参考)】
3E172
【Fターム(参考)】
3E172AA03
3E172AA06
3E172AB01
3E172BA04
3E172BB02
3E172BB12
3E172BB17
3E172EA03
3E172EA12
3E172EA13
3E172EA20
3E172EA22
3E172EA23
3E172EA30
3E172EB03
3E172EB20
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本発明は、加圧極低温流体を供給するための供給装置に関する。
【解決手段】圧送される極低温液体のための内側タンク(2)と、内側タンク(2)の周りの外側タンク(3)とからなる断熱容器を備え、本供給装置(1)は圧送システム(9、10)を備え、圧送システムは、内側タンク(2)内に設置されてその中の極低温液体を圧送するための下端部を備え、本供給装置(1)は、内側タンク(2)を満たすための極低温液体送込み回路(4)と、圧送システム(9、10)によって圧送された極低温液体を内側タンク(2)から移送するための送出回路(7)とを更に備え、圧送システムは、アクチュエータ(19)、好ましくはリニアアクチュエータによって作動される少なくとも1つのピストンポンプ(9、10)を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧極低温流体を供給するための供給装置であって、前記供給装置は、圧送される極低温液体、例えば液体水素を貯蔵するように設計された容積を画定する内側タンク(2)と、前記内側タンク(2)の周りに配置され、前記内側タンク(2)の周りに密閉容積を画定する外側タンク(3)とからなる断熱容器を備え、前記供給装置(1)が使用状態にあるとき、前記内側タンク(2)及び前記外側タンク(3)は、垂直に延在し、その上端においてカバー(11、12、13)のセットによって閉鎖されており、前記供給装置(1)は、前記カバー(11、12、13)のセットに取り付けられた圧送システム(9、10)を備え、前記圧送システムは、前記内側タンク(2)によって画定された前記容積内に設置され、かつその中の前記極低温液体を圧送するように設計された下端部を備え、前記供給装置(1)は、前記内側タンク(2)に極低温流体を供給するように設計された極低温液体送込み回路(4)と、前記圧送システム(9、10)によって圧送された前記極低温液体を前記内側タンク(2)から移送するように設計された送出回路(7)とを更に備える、供給装置において、
前記圧送システムが、アクチュエータ(19)、好ましくはリニアアクチュエータによって作動される2つのピストンポンプ(9、10)を備え、2つの前記ピストンポンプが、前記送出回路(7)に並列に接続され、前記送出回路(7)を通って圧送される極低温液体の連続流を確実にするためにオフセット式で作動されるように設計されており、すなわち、交互する2つの前記ピストンポンプ(9、10)が、並列に使用され、一定の圧力で連続流を送出する単一の圧縮段階を形成することを特徴とする、供給装置。
【請求項2】
前記カバー(11、12、13)のセットが、第1のカバー(12)及び第2のカバー(13)を備え、前記第2のカバー(13)が前記第1のカバー(12)の開口部を閉鎖し、前記第2のカバー(13)が、前記圧送システム(9、10)のための支持体を形成し、前記第1のカバー(12)に密閉して及び取り外し可能に取り付けられており、前記第2のカバー(13)が取り付け又は取り外しされたときに、前記圧送システムが、前記断熱容器に対して垂直に取り付け又は取り外しされるように設計されていることを特徴とする、請求項1に記載の供給装置。
【請求項3】
前記送出回路(7)が、前記圧送システム(9、10)の前記下端部に接続された下端部と、前記第1、第2のカバー(12、13)のセットに接続された上端部とを有する送出ラインを備え、前記供給装置(1)が使用状態にあるとき、前記送出ラインの一部が、圧送される前記極低温液体に浸漬されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の供給装置。
【請求項4】
前記送出ライン(7)の前記上端部が、前記第2のカバー(13)に接続されており、前記第2のカバーにおいて開口していることを特徴とする、請求項2に従属する請求項3に記載の供給装置。
【請求項5】
前記極低温液体送込み回路(4)は、弁のセットを備え、前記外側タンク(3)によって前記内側タンク(2)の周りに画定された前記密閉容積を通ることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の供給装置。
【請求項6】
前記カバー(11、12、13)のセットが、前記外側タンク(3)によって前記内側タンク(2)の周りに画定された前記密閉容積を通る脱気ライン(8、120、140、15)のセットに接続された少なくとも1つの脱気出口通路(6)を備えることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の供給装置。
【請求項7】
前記脱気ライン(8、120、140、15)のセットが、前記内側タンク(2)の上端部に接続された第1の端部と、前記断熱容器の外側の継手(17)に通じる第2の端部とを有する第1の脱気ライン(8)を備えることを特徴とする、請求項6に記載の供給装置。
【請求項8】
前記第1の脱気ライン(8)が弁(14)を備えることを特徴とする、請求項6に記載の供給装置。
【請求項9】
前記脱気ライン(8、120、140、15)のセットが、前記第1の脱気ライン(8)に接続された第1の端部と、前記断熱容器の外側の継手又は通路に通じる第2の端部とを有する少なくとも1つの第2の脱気ライン(120、140)を備えることを特徴とする、請求項6又は7に記載の供給装置。
【請求項10】
前記供給装置が、弁(18)が設けられた及び/又は前記断熱容器の外側に位置する感圧性安全弁(16)に接続された少なくとも1つの第2の脱気ライン(15)を含むことを特徴とする、請求項9に記載の供給装置。
【請求項11】
前記圧送システム(9、10)が、前記内側タンク(2)内で垂直に延在するピストンロッドを備え、前記供給装置(1)が、前記内側タンク(2)の内側の前記ピストンロッドの周りに取り付けられた、前記圧送システム(9、10)のための支持及びガイド構造(21)を備え、前記供給装置(1)が、前記支持及びガイド構造(21)の周りに介在された断熱構造(22、23)を更に備えることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の供給装置。
【請求項12】
前記断熱構造(22、23)が、前記第2のカバー(13)と前記支持及びガイド構造(21)の下端部との間で前記第2のカバー(13)に堅固に接続されていることを特徴とする、請求項3又は5に従属する請求項11に記載の供給装置。
【請求項13】
前記断熱構造(22、23)が、断熱発泡体層のセット及び/又は熱遮蔽体のセットの垂直スタックを備えることを特徴とする、請求項11又は12に記載の供給装置。
【請求項14】
前記供給装置が、前記断熱容器の外側の継手又は通路に通じる第1の端部と、前記極低温液体送込み回路(4)に接続された第2の端部とを有する少なくとも1つのラインを備えるパージ回路(24)を備えることを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載の供給装置。
【請求項15】
加圧極低温流体、特に液化水素をタンクに充填するための設備であって、前記設備は、請求項1~14のいずれか一項に記載の供給装置(1)を少なくとも1つ備え、前記極低温液体送込み回路(4)は、液化極低温流体の少なくとも1つの供給源(25)に接続されるように設計されており、前記設備(100)は、充填されるタンク(28)に接続されるように設計された一端を有する移送ライン(27)が設けられた少なくとも1つの加圧極低温流体分配器(26)を備え、前記設備(100)は、少なくとも1つの流体供給装置(1)の前記送出回路(7)を少なくとも1つの流体分配器(26)に接続する分配回路(29)を備える、設備。
【請求項16】
前記設備が、前記分配回路(29)を介して1つ又は複数の流体分配器(26)に並列に接続されたいくつかの流体供給装置(1)を備え、前記分配回路(29)が、共通分配ラインと、1つ又は複数の流体供給装置(1)から1つ又は複数の前記流体分配器(26)への流体の選択的移送を可能にするように設計された分配弁(30、31)のセットとを備えることを特徴とする、請求項15に記載の設備。
【請求項17】
前記設備が、少なくとも1つの流体供給装置(1)の前記極低温液体送込み回路(4)に接続された極低温液体の少なくとも1つの供給源(25)を備えることを特徴とする、請求項15又は16に記載の設備。
【請求項18】
請求項7又は8に記載の供給装置(1)を少なくとも1つ備え、前記設備が、前記供給装置(1)の前記脱気ライン(8、120、140、15)のセットに接続されたガス排出煙道(32)を備えることを特徴とする、請求項15~17のいずれか一項に記載の設備。
【請求項19】
前記流体分配器(26)が、前記移送ライン(27)と、ガス回収部材、例えば極低温液体の前記供給源(25)と、に接続された加圧ガス回収回路(33)を備えることを特徴とする、請求項17又は18に記載の設備。
【請求項20】
前記流体分配器(26)が、前記移送ライン(27)に接続された一端と、ガス回収部材、例えば極低温液体の前記供給源(25)に接続された、及び/又は前記ガス排出煙道(32)に接続された一端と、を有するガス回収回路(33、34)を備えることを特徴とする、請求項18又は19に記載の設備。
【請求項21】
前記設備が、フラッシングガス、例えば窒素の貯留物(35)と、フラッシングガスの前記貯留物(35)を前記流体分配器(26)の前記移送ライン(27)に、及び1つ又は複数の前記供給装置(1)に接続するパージネットワーク(36)と、を備えることを特徴とする、請求項15~20のいずれか一項に記載の設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、極低温流体を供給するための装置及びタンクを充填するための設備に関する。
【0002】
本発明は、より具体的には、加圧極低温流体を供給するための装置に関し、本装置は、圧送される極低温液体、例えば液体水素を貯蔵するように設計された容積を画定する内側タンクと、内側タンクの周りに配置され、内側タンクの周りに密閉容積を画定する外側タンクとからなる断熱容器を備え、装置が使用状態にあるとき、内側タンク及び外側タンクは、垂直に延在し、その上端においてカバーのセットによって閉鎖されており、本装置は、カバーのセットに取り付けられた圧送システムを備え、圧送システムは、内側タンクによって画定された容積内に設置され、かつその中の極低温液体を圧送するように設計された下端部を備え、本装置は、内側タンクに極低温流体を供給するように設計された極低温液体送込み回路と、圧送システムによって圧送された極低温液体を内側タンクから移送するように設計された送出回路とを更に備える。
【背景技術】
【0003】
この加圧液体水素を車両に供給するためのプロジェクトは、温度、圧力、及び流量に関する期待される性能レベルの達成に関して課題を呈する。
【0004】
現在の解決手段は、工業製品供給用途で液体水素を圧送すること(液体移送)、又はその次に非常に高圧で気化される液体水素を圧送することを伴う。
【発明の概要】
【0005】
本発明の1つの目的は、先行技術の上記欠点の全部又は一部を克服することである。
【0006】
このために、本発明に係る装置は、上記プリアンブルに与えられたその包括的規定にしたがう他の点において、圧送システムが、アクチュエータ、好ましくはリニアアクチュエータによって作動される少なくとも1つのピストンポンプを備えることを本質的に特徴とする。
【0007】
更に、本発明の実施形態は、
- 圧送システムが、送出回路に並列に接続され、かつ送出回路を通って圧送される極低温液体の連続流を確実にするためにオフセット式で作動されるように設計された2つのピストンポンプを備え、
- カバーのセットが、第1のカバー及び第2のカバーを備え、第2のカバーが第1のカバーの開口部を閉鎖し、第2のカバーが、圧送システムのための支持体を形成し、第2のカバーに密閉して及び取り外し可能に取り付けられており、第2のカバーが取り付け又は取り外しされたときに、圧送システムが、容器に対して垂直に取り付け又は取り外しされるように設計されており、
- 送出回路が、圧送システムの下端部に接続された下端部と、カバーのセットに接続された上端部とを有する送出ラインを備え、装置が使用状態にあるとき、送出ラインの一部が、圧送される極低温液体に浸漬され、
- 送出ラインの上端部が、第2のカバーに接続され、第2のカバーにおいて開口しており、
- 極低温液体送込み回路が、弁のセットを備え、外側タンクによって内側タンクの周りに画定された密閉容積を通り、
- カバーのセットが、外側タンクによって内側タンクの周りに画定された密閉容積を通る脱気ラインのセットに接続された少なくとも1つの脱気出口通路を備え、
- 脱気ラインのセットが、内側タンクの上端部に接続された第1の端部と、容器の外側の継手に通じる第2の端部とを有する第1の脱気ラインを備え、
- 第1の脱気ラインが弁を備え、
- 脱気ラインのセットが、第1の脱気ラインに接続された第1の端部と、容器の外側の継手又は通路に通じる第2の端部とを有する少なくとも1つの第2の脱気ラインを備え、
- 本装置が、弁が設けられた及び/又は容器の外側に位置する感圧性安全弁に接続された少なくとも1つの第2の脱気ラインを含み、
- 圧送システムが、内側タンク内で垂直に延在するピストンロッドを備え、本装置が、内側タンクの内側のピストンロッドの周りに取り付けられた、圧送システムのための支持及びガイド構造を備え、本装置が、支持及びガイド構造の周りに介在された断熱構造を更に備え、
- 断熱構造が、第2のカバーと支持及びガイド構造の下端部との間で第2のカバーに堅固に接続されており、
- 断熱構造が、断熱発泡体層のセット及び/又は熱遮蔽体のセットの垂直スタックを備え、
- 本装置が、容器の外側の継手又は通路に通じる第1の端部と、送込み回路に接続された第2の端部とを有する少なくとも1つのラインを備えるパージ回路を備え、
- 内側タンクが、内側タンク内の圧力を測定する圧力センサ、内側タンク内の温度を測定する温度センサ、及び内側タンク内の液面を測定する液面センサ、のうちの少なくとも1つを備える液面を監視及び調節するためのシステムを有し、
- 圧送された流体流れを測定及び処理するための弁及び部材のセットが、外側タンクによって内側タンクの周りに画定された密閉容積内に設置される、という特徴のうちの1つ又は複数を含み得る。
【0008】
また本発明は、加圧極低温流体、特に液化水素をタンクに充填するための設備に関し、本設備は、上記又は下記の特徴のいずれか1つに係る少なくとも1つの流体供給装置を備え、極低温液体送込み回路は、液化極低温流体の少なくとも1つの供給源に接続されるように設計されており、本設備は、充填されるタンクに接続されるように設計された一端を有する移送ラインが設けられた少なくとも1つの加圧極低温流体分配器を備え、本設備は、少なくとも1つの流体供給装置の送出回路を少なくとも1つの流体分配器に接続する分配回路を備える。
【0009】
他の可能な顕著な特徴によれば、
- 本設備は、分配回路を介して1つ又は複数の流体分配器に並列に接続されたいくつかの流体供給装置を備え、分配回路は、共通分配ラインと、1つ又は複数の流体供給装置から1つ又は複数の流体分配器への流体の選択的移送を可能にするように設計された分配弁のセットとを備え、
- 本設備は、少なくとも1つの流体供給装置の極低温液体送込み回路に接続された極低温液体の少なくとも1つの供給源を備え、
- 流体分配器は、移送ラインと、ガス回収部材、例えば極低温液体の供給源とに接続された加圧ガス回収回路を備え、
- 流体分配器は、移送ラインに接続された一端と、ガス回収部材、例えば極低温液体の供給源に接続された、及び/又は煙道に接続された一端とを有するガス回収回路を備え、
- 本設備は、フラッシングガス、例えば窒素の貯留物(reserve)と、フラッシングガスの貯留物を流体分配器の移送ラインに及び1つ又は複数の供給装置に接続するパージネットワークとを備える。
【0010】
本発明はまた、特許請求の範囲内の上記又は下記の特徴の任意の組合せを備える任意の代替の装置又は方法に関することもできる。
【0011】
更なる顕著な特徴及び利点が、図を参照して提供される以下の説明を読むと明らかになる。
【0012】
本発明は、添付図面を参照して単に例として与えられる以下の説明を読むと、より理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の例示的な実施形態に係る例示的な極低温流体供給装置の概略的な部分縦断面図である。
【
図2】本発明の例示的な実施形態に係る極低温流体供給装置の圧送システムの詳細の概略的な部分縦断面図である。
【
図3】そのような極低温流体供給装置を使用してタンクを充填するための例示的な設備の概略的な部分図である。
【
図4】そのような充填設備の例示的な流体分配器の概略的な部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図全体を通して、同じ参照符号は同じ要素に関する。
【0015】
この詳細な説明において、以下の実施形態は例である。説明では1つ又は複数の実施形態について言及するが、これは、特徴が単一の実施形態にのみ適用されることを意味するわけではない。異なる実施形態の個々の特徴を、他の実施形態を提供するために組み合わせ及び/又は置き換えてもよい。
【0016】
加圧極低温流体供給装置1は、圧送される極低温液体、例えば液体水素を貯蔵するように設計された容積を画定する極低温内側タンク2からなる断熱容器を備える。容器は更に、内側タンク2の周りに配置された、内側タンク2の周りに密閉容積(好ましくは真空下の容積)を画定する外側タンク3を備える。内側タンク2は、例えば、外側タンク3の容積内に設置される。
【0017】
装置1が使用状態にあるとき、内側タンク2及び外側タンク3は、それぞれの下部ベースから垂直に延在し、その上端において共通カバー11、12、13のセットによって閉鎖されている。
【0018】
外側タンク3は、例えば、主カバー11によって(例えば、溶接によって)閉鎖されている。この主カバー11は、内側タンク2の通過を可能にするための開口部を有し、この開口部は、内側タンク2を閉鎖する別の中間カバー12によって密閉して閉鎖される。中間カバー12は、例えば、溶接によって主カバー11に固定される。最後に、装置1は、中間カバー12の通過を密閉して閉鎖するために中間カバー12に取り付けられた第3の支持カバー13を有し得る。この支持カバー13は、中間カバー12に密閉して及び取り外し可能に取り付けられてよく、以下でより詳細に説明するように、装置1の圧送システムのための支持体として作用し得る。
【0019】
カバーのセットに取り付けられた圧送システム9、10は、内側タンク2によって画定された容積内に設置された、その中の極低温液体を圧送するように設計された下端部と、高温作動システム(1つ又は複数のモータ)を備える、カバーのセットの上方(容器の外側)に位置する上端部とを有する。
【0020】
装置1は、内側タンク2に(供給源によって供給された)極低温流体を供給するように設計された極低温液体送込み回路4を備える。装置1は更に、圧送システム9、10によって圧送された極低温液体を内側タンク2から移送するように設計された送出回路7を備える。
【0021】
圧送システムは、少なくとも1つのアクチュエータ19、好ましくはリニアアクチュエータによって作動される少なくとも1つのピストンポンプ9、10を備える。例示されるように、圧送システムは、好ましくは、送出回路7に並列に接続された2つのピストンポンプを備え、これらは、オフセット式で作動され、送出回路7を通って圧送される極低温液体の連続流を交互に確実にするように設計されている。これは、2つの交互するポンプ9、10が並列に交互に使用され、一定の圧力で連続流を送出する単一の圧縮段階を形成することを意味する。これにより、制御された質量流量プロファイルを提供することが可能になる。
【0022】
この2つのポンプの交互するオフセット使用により、一定又はほぼ一定の流量を供給することが可能になる。
【0023】
各ピストンは、それぞれのリニアモータ19、20又はそれぞれのアクチュエータによって駆動され得る。これにより、ピストンの位置及び方向の正確な制御を提供する。これは、例えば、5cm~50cmの平均運動距離、0.1Hz~5Hzのオーダの適度な周波数、及び2kN~20kNの適度な力を可能にする。リニアモータ駆動は、一定の質量流量又は吸入フェーズ中の低速動作及び圧縮フェーズ中の高速動作のための矩形プロファイルなどの非正弦曲線サイクルを可能にする。
【0024】
装置は、180°の位相シフトで動作する2つの別個のヘッドを有する。
【0025】
各ピストンポンプは、例えば、シャフトの端部に取り付けられたピストンを備え、ピストンは、シリンダ内を往復運動で摺動して、圧縮チャンバ内で圧縮フェーズ及び吸入フェーズを実行する。各ピストンは、好ましくは、単体シリンダ内で並進移動可能である。これは、部品及びアセンブリのコストを抑える。ピストンヘッドは、好ましくは、容易に交換可能となるようにロッドにねじ込まれている。
【0026】
各圧送下端部は、それぞれの吸入弁119、110と、それぞれの送出弁219、210とを含み得る。
【0027】
吸入弁119、110及び送出弁219、210は、圧縮チャンバへの注入時の圧力低下を最適化し、注入時のフラッシュガスの発生を抑え、それによって、ポンプの容積効率を最適化するように相対的に配置され得る。例えば、各ポンプは、ピストンが移動しているときにガスを排出するように設計されたスロットのセットをシャフト及び/又はピストンに備える。
【0028】
送出回路7は、圧送システム9、10の下端部に接続された下端部と、支持カバー13に接続された上端部とを有する送出ラインを備える。送出弁219、210は、例えば、送出ラインの下端部に並列に接続されている。
【0029】
送出ラインは上方に延在し、装置1が使用状態にあるとき、この送出ラインの一部が、圧送される極低温液体に浸漬される。このレイアウトにより、圧送される低温液体の貯留物との熱交換が確実になり、圧送流体を、それが容器から排出される前に低温に保つ。これにより、排出温度が極低温条件下に保たれる。
【0030】
図2に例示されるように、各ポンプ9、10は、内側タンク2内で垂直に延在するピストンロッド42と、ロッド42及びピストン43のアセンブリのための支持及びガイド構造21とを備え得る。この支持及びガイド構造21は、内側タンク2の内側のピストンロッド42の周りに取り付けられている。支持及びガイド構造21は、例えば、その端部に肩部が設けられた管状ガイドを備える。
【0031】
更に、装置1は、好ましくは、支持及びガイド構造21の周りに介在された断熱構造22、23を備える。
【0032】
この断熱構造22、23は、例えば、支持カバー13と支持及びガイド構造21の下端部との間で、このカバー13に堅固に接続されている。断熱構造は、例えば、断熱発泡体層22のセット及び/又は熱化された熱遮蔽体23のセット(例えば、内側タンク2からの極低温流体によって冷却される)の垂直スタックを備える。変形例において又は組合せにおいて、断熱構造は、真空下の追加の分離空間を含んでもよい。
【0033】
これにより、メンテナンスのために圧送システムをその支持カバー13と共に垂直に簡単に持ち上げることが可能になり、修理可能な部品への直接的かつ迅速なアクセスを提供する。具体的には、送出弁219、210、吸入弁119、110、送出ライン、支持及びガイド構造21、及び断熱構造22、23のうちの少なくとも1つが、支持カバー13に堅固に接続され得る。支持カバー13を持ち上げることにより、圧送部分の修理可能な部品への直接アクセスを提供する。
【0034】
圧送端部を浸漬する液体の体積は、回路類(特に弁及び流体継手)を組み込んだ外側タンク3の容積によって真空下で断熱される。したがって、極低温液体送込み回路4は、弁14のセットを備えてよく、外側タンク3によって内側タンク2の周りに画定された密閉容積を通り得る。
【0035】
カバーのセットは、外側タンク3によって内側タンク2の周りに画定された密閉容積を通る脱気ライン8、120、140、15のセットに接続された少なくとも1つの脱気出口通路6を備える。例えば、第1の脱気ライン8は、内側タンク2の上端部に接続された第1の端部と、容器の外側の継手17に通じる第2の端部との間に延在し得る。第1の脱気ライン8は、例えば脱気弁14を備える。例示されるように、脱気ラインのセットは、第1の脱気ライン8に接続された第1の端部と、容器の外側の継手又は通路に通じる第2の端部とを有する少なくとも1つの第2の脱気ライン120、140、15を備え得る。好ましくは、少なくとも1つの脱気ライン15は、弁18が設けられており、及び/又は容器の外側に位置する感圧性安全弁16に接続されている(排出されたガスはカバー11を通過する)。好ましくは、内側タンク2に対して、冗長化された安全過圧弁16が設けられる。更に、熱膨張保護弁もまた、好ましくは、各回路ノードに対して設けられる。
【0036】
例示された有利な実施形態では、極低温液体送込み回路4は、外側タンク3内に弁を有していないが、外側タンク3の外壁の継手開口部に1つのみの自動閉鎖弁40を有し得る。
【0037】
例示されるように、装置1は、好ましくは、容器の外側の継手又は通路に通じる第1の端部と、送込み回路4に接続された第2の端部とを有する少なくとも1つのラインを備えるパージ回路24を備える。
【0038】
したがって、この単純化された構造では、2つの弁14、18のみを使用することができ、脱気ライン8上にある一方の弁14を、内側タンク2内の圧力レベルを制御するために使用し、別の脱気ライン15上にある一方の弁18を、ベント16を介した強制排出のため、及び/又は回路類の不活性化及び調整手順のために使用することができる。
【0039】
したがって、外側タンク3の容積は、弁箱を形成する。
【0040】
例示されるように、内側タンク2は、好ましくは、内側タンク2内の液面を監視及び調節するためのシステム38を有する。この監視及び調節システム38は、例えば、内側タンク2内の圧力を測定する圧力センサ、内側タンク2内の温度を測定する温度センサ37、及び内側タンク2内の液面を測定する液面センサ39、のうちの少なくとも1つを備え得る。1つ又は複数のセンサによって得られた測定値は、マイクロプロセッサを備える電子部材38によって、例えば内側タンク2の自動充填を可能にするように処理され得る。
【0041】
1つ又は複数の加圧極低温流体供給装置1がタンク充填ステーションで使用され得る。
【0042】
図3は、加圧極低温流体、特に液化水素をタンクに充填するための設備100を例示し、3つの流体供給装置1を備える。
【0043】
流体供給装置1の回路4は、液化極低温流体の少なくとも1つの供給源25(この場合、極低温液体貯蔵施設)に接続されている。静止タンクによって形成された供給源により、圧送システム又は設備100の他の任意の部分によって発生した著しい量のボイルオフガスの回収が可能になる。当然ながら、変形例では、この供給源25は、移動式の送出タンクを備えてもよいし、又は含んでもよい。
【0044】
設備100は、3つの加圧極低温流体分配器26を備え、各々には、充填されるタンク28に接続されるように設計された一端(クイックカップリング)を有する移送ライン27が設けられている。設備100は、流体供給装置1の送出回路7を分配器26に接続する分配回路29を備える。
【0045】
この例では、流体供給装置1は、極低温分配回路29を介して流体分配器26に並列に接続されている。この分配回路29は、単一の共通分配ラインと、1つ又は複数の流体供給装置1から1つ又は複数の流体分配器26への流体の選択的移送を可能にするように設計された分配弁30、31のセットとを備え得る。分配弁30、31のセットは、供給装置のいずれか1つが流体を分配器26のいずれか1つに分配することを可能にするように配置された1つ又は複数の三方弁及び/又はいくつかの二方弁を含み得る。
【0046】
設備100は、流体供給装置1の脱気ライン8、120、140、15のセットに接続されたガス排出煙道32を含み得る。
【0047】
各分配器26は、液体移送ライン27を備え、その下流端部は、充填されるタンクに接続されるように設計されたクイックカップリングが設けられたホースを含み得る。必要な場合に、可撓性極低温ライン及び接続パイプのための知覚された質量及び並進力を低減するために、ホースのための支持アームが設けられ得る。使用前/使用後にノズルから除氷して塵埃を除去するために、分配器26のパイプシステムの基部にヒータが取り付けられ得る。
【0048】
例示されるように、移送ライン27は、断熱弁127と、任意選択で流量計227とを含み得る。
【0049】
同様に、各流体分配器26は、移送ライン27と、ガス回収部材、例えば極低温液体の供給源25とに接続された加圧ガス回収回路33を備え得る。
【0050】
分配器26は、ホースに位置する上流端部を有し、かつ充填されるタンクに接続される(タンクを減圧する)ことを意図された第1のガス回収ライン34を含み得る。この第1のガス回収ライン34の第2の下流端部は、例えば、供給源又は他の任意のガス収集システム(フラッシュガス)に接続されることが意図される。これらの上流端部と下流端部との間に、ガス回収ライン34は、弁134及び/又は膨張デバイス234を含み得る。
【0051】
弁133に接合された第2のガス回収ライン33が移送ライン27に接続され得る。
【0052】
移送ライン27と第1のガス回収ライン34とを接続するために、(弁141が装着された)横断ライン41が設けられ得る。
【0053】
回路のパージ/フラッシング動作中にパージガス流を送り込み、回収するために、1つ又は複数のパージラインが、ガス回収ライン34及び/又は移送ライン27に接続され得る。このフラッシングガス、例えば窒素は、設備100内のフラッシングガスの貯留物35によって提供され得る。このパージガスはまた、好ましくは、パージネットワーク36を介して流体移送装置1の回路を満たし得る。
【0054】
この調整及び不活性化システムは、適切な量のガス(N2、H2、He)を回路内の特定の場所に送出することを可能にする。
【0055】
供給装置1及び分配器26の並列配置により、特に、設備100全体を停止させる必要なく、それらの別個のメンテナンスが可能になる。
【0056】
弁及び/又は部材の一部又は全部が、マイクロプロセッサを備え設備100と通信する電子制御部材によって制御され得る。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧極低温流体を供給するための供給装置であって、前記供給装置は、圧送される極低温液体、例えば液体水素を貯蔵するように設計された容積を画定する内側タンク(2)と、前記内側タンク(2)の周りに配置され、前記内側タンク(2)の周りに密閉容積を画定する外側タンク(3)とからなる断熱容器を備え、前記供給装置(1)が使用状態にあるとき、前記内側タンク(2)及び前記外側タンク(3)は、垂直に延在し、その上端においてカバー(11、12、13)のセットによって閉鎖されており、前記供給装置(1)は、前記カバー(11、12、13)のセットに取り付けられた圧送システム(9、10)を備え、前記圧送システムは、前記内側タンク(2)によって画定された前記容積内に設置され、かつその中の前記極低温液体を圧送するように設計された下端部を備え、前記供給装置(1)は、前記内側タンク(2)に極低温流体を供給するように設計された極低温液体送込み回路(4)と、前記圧送システム(9、10)によって圧送された前記極低温液体を前記内側タンク(2)から移送するように設計された送出回路(7)とを更に備える、供給装置において、
前記圧送システムが、アクチュエータ(19)、好ましくはリニアアクチュエータによって作動される2つのピストンポンプ(9、10)を備え、2つの前記ピストンポンプが、前記送出回路(7)に並列に接続され、前記送出回路(7)を通って圧送される極低温液体の連続流を確実にするためにオフセット式で作動されるように設計されており、すなわち、交互する2つの前記ピストンポンプ(9、10)が、並列に使用され、一定の圧力で連続流を送出する単一の圧縮段階を形成することを特徴とする、供給装置。
【請求項2】
前記カバー(11、12、13)のセットが、第1のカバー(12)及び第2のカバー(13)を備え、前記第2のカバー(13)が前記第1のカバー(12)の開口部を閉鎖し、前記第2のカバー(13)が、前記圧送システム(9、10)のための支持体を形成し、前記第1のカバー(12)に密閉して及び取り外し可能に取り付けられており、前記第2のカバー(13)が取り付け又は取り外しされたときに、前記圧送システムが、前記断熱容器に対して垂直に取り付け又は取り外しされるように設計されていることを特徴とする、請求項1に記載の供給装置。
【請求項3】
前記送出回路(7)が、前記圧送システム(9、10)の前記下端部に接続された下端部と、前記第1、第2のカバー(12、13)のセットに接続された上端部とを有する送出ラインを備え、前記供給装置(1)が使用状態にあるとき、前記送出ラインの一部が、圧送される前記極低温液体に浸漬されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の供給装置。
【請求項4】
前記送出ライン(7)の前記上端部が、前記第2のカバー(13)に接続されており、前記第2のカバーにおいて開口していることを特徴とする、請求項2に従属する請求項3に記載の供給装置。
【請求項5】
前記極低温液体送込み回路(4)は、弁のセットを備え、前記外側タンク(3)によって前記内側タンク(2)の周りに画定された前記密閉容積を通ることを特徴とする、請求項1又は2に記載の供給装置。
【請求項6】
前記カバー(11、12、13)のセットが、前記外側タンク(3)によって前記内側タンク(2)の周りに画定された前記密閉容積を通る脱気ライン(8、120、140、15)のセットに接続された少なくとも1つの脱気出口通路(6)を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の供給装置。
【請求項7】
前記脱気ライン(8、120、140、15)のセットが、前記内側タンク(2)の上端部に接続された第1の端部と、前記断熱容器の外側の継手(17)に通じる第2の端部とを有する第1の脱気ライン(8)を備えることを特徴とする、請求項6に記載の供給装置。
【請求項8】
前記第1の脱気ライン(8)が弁(14)を備えることを特徴とする、請求項6に記載の供給装置。
【請求項9】
前記脱気ライン(8、120、140、15)のセットが、前記第1の脱気ライン(8)に接続された第1の端部と、前記断熱容器の外側の継手又は通路に通じる第2の端部とを有する少なくとも1つの第2の脱気ライン(120、140)を備えることを特徴とする、請求項6に記載の供給装置。
【請求項10】
前記供給装置が、弁(18)が設けられた及び/又は前記断熱容器の外側に位置する感圧性安全弁(16)に接続された少なくとも1つの第2の脱気ライン(15)を含むことを特徴とする、請求項9に記載の供給装置。
【請求項11】
前記圧送システム(9、10)が、前記内側タンク(2)内で垂直に延在するピストンロッドを備え、前記供給装置(1)が、前記内側タンク(2)の内側の前記ピストンロッドの周りに取り付けられた、前記圧送システム(9、10)のための支持及びガイド構造(21)を備え、前記供給装置(1)が、前記支持及びガイド構造(21)の周りに介在された断熱構造(22、23)を更に備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の供給装置。
【請求項12】
前記断熱構造(22、23)が、前記第2のカバー(13)と前記支持及びガイド構造(21)の下端部との間で前記第2のカバー(13)に堅固に接続されていることを特徴とする、請求項3に従属する請求項11に記載の供給装置。
【請求項13】
前記断熱構造(22、23)が、断熱発泡体層のセット及び/又は熱遮蔽体のセットの垂直スタックを備えることを特徴とする、請求項11に記載の供給装置。
【請求項14】
前記供給装置が、前記断熱容器の外側の継手又は通路に通じる第1の端部と、前記極低温液体送込み回路(4)に接続された第2の端部とを有する少なくとも1つのラインを備えるパージ回路(24)を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の供給装置。
【請求項15】
加圧極低温流体、特に液化水素をタンクに充填するための設備であって、前記設備は、請求項1又は2に記載の供給装置(1)を少なくとも1つ備え、前記極低温液体送込み回路(4)は、液化極低温流体の少なくとも1つの供給源(25)に接続されるように設計されており、前記設備(100)は、充填されるタンク(28)に接続されるように設計された一端を有する移送ライン(27)が設けられた少なくとも1つの加圧極低温流体分配器(26)を備え、前記設備(100)は、少なくとも1つの流体供給装置(1)の前記送出回路(7)を少なくとも1つの流体分配器(26)に接続する分配回路(29)を備える、設備。
【請求項16】
前記設備が、前記分配回路(29)を介して1つ又は複数の流体分配器(26)に並列に接続されたいくつかの流体供給装置(1)を備え、前記分配回路(29)が、共通分配ラインと、1つ又は複数の流体供給装置(1)から1つ又は複数の前記流体分配器(26)への流体の選択的移送を可能にするように設計された分配弁(30、31)のセットとを備えることを特徴とする、請求項15に記載の設備。
【請求項17】
前記設備が、少なくとも1つの流体供給装置(1)の前記極低温液体送込み回路(4)に接続された極低温液体の少なくとも1つの供給源(25)を備えることを特徴とする、請求項15に記載の設備。
【請求項18】
請求項7に記載の供給装置(1)を少なくとも1つ備え、前記設備が、前記供給装置(1)の前記脱気ライン(8、120、140、15)のセットに接続されたガス排出煙道(32)を備えることを特徴とする、請求項15に記載の設備。
【請求項19】
前記流体分配器(26)が、前記移送ライン(27)と、ガス回収部材、例えば極低温液体の前記供給源(25)と、に接続された加圧ガス回収回路(33)を備えることを特徴とする、請求項17に記載の設備。
【請求項20】
前記流体分配器(26)が、前記移送ライン(27)に接続された一端と、ガス回収部材、例えば極低温液体の前記供給源(25)に接続された、及び/又は前記ガス排出煙道(32)に接続された一端と、を有するガス回収回路(33、34)を備えることを特徴とする、請求項18に記載の設備。
【請求項21】
前記設備が、フラッシングガス、例えば窒素の貯留物(35)と、フラッシングガスの前記貯留物(35)を前記流体分配器(26)の前記移送ライン(27)に、及び1つ又は複数の前記供給装置(1)に接続するパージネットワーク(36)と、を備えることを特徴とする、請求項15に記載の設備。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0056】
弁及び/又は部材の一部又は全部が、マイクロプロセッサを備え設備100と通信する電子制御部材によって制御され得る。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 加圧極低温流体を供給するための供給装置であって、前記供給装置は、圧送される極低温液体、例えば液体水素を貯蔵するように設計された容積を画定する内側タンク(2)と、前記内側タンク(2)の周りに配置され、前記内側タンク(2)の周りに密閉容積を画定する外側タンク(3)とからなる断熱容器を備え、前記供給装置(1)が使用状態にあるとき、前記内側タンク(2)及び前記外側タンク(3)は、垂直に延在し、その上端においてカバー(11、12、13)のセットによって閉鎖されており、前記供給装置(1)は、前記カバー(11、12、13)のセットに取り付けられた圧送システム(9、10)を備え、前記圧送システムは、前記内側タンク(2)によって画定された前記容積内に設置され、かつその中の前記極低温液体を圧送するように設計された下端部を備え、前記供給装置(1)は、前記内側タンク(2)に極低温流体を供給するように設計された極低温液体送込み回路(4)と、前記圧送システム(9、10)によって圧送された前記極低温液体を前記内側タンク(2)から移送するように設計された送出回路(7)とを更に備える、供給装置において、
前記圧送システムが、アクチュエータ(19)、好ましくはリニアアクチュエータによって作動される2つのピストンポンプ(9、10)を備え、2つの前記ピストンポンプが、前記送出回路(7)に並列に接続され、前記送出回路(7)を通って圧送される極低温液体の連続流を確実にするためにオフセット式で作動されるように設計されており、すなわち、交互する2つの前記ピストンポンプ(9、10)が、並列に使用され、一定の圧力で連続流を送出する単一の圧縮段階を形成することを特徴とする、供給装置。
[2] 前記カバー(11、12、13)のセットが、第1のカバー(12)及び第2のカバー(13)を備え、前記第2のカバー(13)が前記第1のカバー(12)の開口部を閉鎖し、前記第2のカバー(13)が、前記圧送システム(9、10)のための支持体を形成し、前記第1のカバー(12)に密閉して及び取り外し可能に取り付けられており、前記第2のカバー(13)が取り付け又は取り外しされたときに、前記圧送システムが、前記断熱容器に対して垂直に取り付け又は取り外しされるように設計されていることを特徴とする、[1]に記載の供給装置。
[3] 前記送出回路(7)が、前記圧送システム(9、10)の前記下端部に接続された下端部と、前記第1、第2のカバー(12、13)のセットに接続された上端部とを有する送出ラインを備え、前記供給装置(1)が使用状態にあるとき、前記送出ラインの一部が、圧送される前記極低温液体に浸漬されることを特徴とする、[1]又は[2]に記載の供給装置。
[4] 前記送出ライン(7)の前記上端部が、前記第2のカバー(13)に接続されており、前記第2のカバーにおいて開口していることを特徴とする、[2]に従属する[3]に記載の供給装置。
[5] 前記極低温液体送込み回路(4)は、弁のセットを備え、前記外側タンク(3)によって前記内側タンク(2)の周りに画定された前記密閉容積を通ることを特徴とする、[1]~[4]のいずれか一項に記載の供給装置。
[6] 前記カバー(11、12、13)のセットが、前記外側タンク(3)によって前記内側タンク(2)の周りに画定された前記密閉容積を通る脱気ライン(8、120、140、15)のセットに接続された少なくとも1つの脱気出口通路(6)を備えることを特徴とする、[1]~[5]のいずれか一項に記載の供給装置。
[7] 前記脱気ライン(8、120、140、15)のセットが、前記内側タンク(2)の上端部に接続された第1の端部と、前記断熱容器の外側の継手(17)に通じる第2の端部とを有する第1の脱気ライン(8)を備えることを特徴とする、[6]に記載の供給装置。
[8] 前記第1の脱気ライン(8)が弁(14)を備えることを特徴とする、[6]に記載の供給装置。
[9] 前記脱気ライン(8、120、140、15)のセットが、前記第1の脱気ライン(8)に接続された第1の端部と、前記断熱容器の外側の継手又は通路に通じる第2の端部とを有する少なくとも1つの第2の脱気ライン(120、140)を備えることを特徴とする、[6]又は[7]に記載の供給装置。
[10] 前記供給装置が、弁(18)が設けられた及び/又は前記断熱容器の外側に位置する感圧性安全弁(16)に接続された少なくとも1つの第2の脱気ライン(15)を含むことを特徴とする、[9]に記載の供給装置。
[11] 前記圧送システム(9、10)が、前記内側タンク(2)内で垂直に延在するピストンロッドを備え、前記供給装置(1)が、前記内側タンク(2)の内側の前記ピストンロッドの周りに取り付けられた、前記圧送システム(9、10)のための支持及びガイド構造(21)を備え、前記供給装置(1)が、前記支持及びガイド構造(21)の周りに介在された断熱構造(22、23)を更に備えることを特徴とする、[1]~[10]のいずれか一項に記載の供給装置。
[12] 前記断熱構造(22、23)が、前記第2のカバー(13)と前記支持及びガイド構造(21)の下端部との間で前記第2のカバー(13)に堅固に接続されていることを特徴とする、[3]又は[5]に従属する[11]に記載の供給装置。
[13] 前記断熱構造(22、23)が、断熱発泡体層のセット及び/又は熱遮蔽体のセットの垂直スタックを備えることを特徴とする、[11]又は[12]に記載の供給装置。
[14] 前記供給装置が、前記断熱容器の外側の継手又は通路に通じる第1の端部と、前記極低温液体送込み回路(4)に接続された第2の端部とを有する少なくとも1つのラインを備えるパージ回路(24)を備えることを特徴とする、[1]~[13]のいずれか一項に記載の供給装置。
[15] 加圧極低温流体、特に液化水素をタンクに充填するための設備であって、前記設備は、[1]~[14]のいずれか一項に記載の供給装置(1)を少なくとも1つ備え、前記極低温液体送込み回路(4)は、液化極低温流体の少なくとも1つの供給源(25)に接続されるように設計されており、前記設備(100)は、充填されるタンク(28)に接続されるように設計された一端を有する移送ライン(27)が設けられた少なくとも1つの加圧極低温流体分配器(26)を備え、前記設備(100)は、少なくとも1つの流体供給装置(1)の前記送出回路(7)を少なくとも1つの流体分配器(26)に接続する分配回路(29)を備える、設備。
[16] 前記設備が、前記分配回路(29)を介して1つ又は複数の流体分配器(26)に並列に接続されたいくつかの流体供給装置(1)を備え、前記分配回路(29)が、共通分配ラインと、1つ又は複数の流体供給装置(1)から1つ又は複数の前記流体分配器(26)への流体の選択的移送を可能にするように設計された分配弁(30、31)のセットとを備えることを特徴とする、[15]に記載の設備。
[17] 前記設備が、少なくとも1つの流体供給装置(1)の前記極低温液体送込み回路(4)に接続された極低温液体の少なくとも1つの供給源(25)を備えることを特徴とする、[15]又は[16]に記載の設備。
[18] [7]又は[8]に記載の供給装置(1)を少なくとも1つ備え、前記設備が、前記供給装置(1)の前記脱気ライン(8、120、140、15)のセットに接続されたガス排出煙道(32)を備えることを特徴とする、[15]~[17]のいずれか一項に記載の設備。
[19] 前記流体分配器(26)が、前記移送ライン(27)と、ガス回収部材、例えば極低温液体の前記供給源(25)と、に接続された加圧ガス回収回路(33)を備えることを特徴とする、[17]又は[18]に記載の設備。
[20] 前記流体分配器(26)が、前記移送ライン(27)に接続された一端と、ガス回収部材、例えば極低温液体の前記供給源(25)に接続された、及び/又は前記ガス排出煙道(32)に接続された一端と、を有するガス回収回路(33、34)を備えることを特徴とする、[18]又は[19]に記載の設備。
[21] 前記設備が、フラッシングガス、例えば窒素の貯留物(35)と、フラッシングガスの前記貯留物(35)を前記流体分配器(26)の前記移送ライン(27)に、及び1つ又は複数の前記供給装置(1)に接続するパージネットワーク(36)と、を備えることを特徴とする、[15]~[20]のいずれか一項に記載の設備。
【外国語明細書】