(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157542
(43)【公開日】2024-11-07
(54)【発明の名称】航空機の内部キャビンのための乗組員休憩システム
(51)【国際特許分類】
B64D 11/00 20060101AFI20241030BHJP
【FI】
B64D11/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024070331
(22)【出願日】2024-04-24
(31)【優先権主張番号】63/498,056
(32)【優先日】2023-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/401,847
(32)【優先日】2024-01-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】シャルマ, ロハン シュリニヴァーサ
(72)【発明者】
【氏名】アディス, ポール
(72)【発明者】
【氏名】デイビス-デラノ, サッチェル シー.
(72)【発明者】
【氏名】タボラ, ジャスティン エル.
(57)【要約】 (修正有)
【課題】航空機の内部キャビンのための乗組員休憩システムを提供する。
【解決手段】民間航空機などの輸送体の内部キャビンのための乗組員休憩システム200が、3つ以上のギャレーカート206を保持するように構成されたカートコンパートメント204を有するモニュメントを含む。入口234を有するアクセスエリア210が、モニュメントの側方にある。入口234は、階段242を有する内部通路240内に通じる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸送体の内部キャビン(130)のための乗組員休憩システム(200)であって、前記乗組員休憩システム(200)が、
モニュメントであって、
3つ以上のギャレーカート(206)を保持するように構成されたカートコンパートメント(204)、及び
前記モニュメントの側方に入口(234)を有するアクセスエリア(210)を含む、モニュメントを備え、前記入口(234)が階段(242)を有する内部通路(240)内に通じる、乗組員休憩システム(200)。
【請求項2】
前記モニュメントが、前方モニュメント(202)であり、前記カートコンパートメント(204)が、前方を向く前部コンパートメントである、請求項1に記載の乗組員休憩システム(200)。
【請求項3】
前記カートコンパートメント(204)が、4つのフルサイズのギャレーカート(206)を保持するように構成されている、請求項1に記載の乗組員休憩システム(200)。
【請求項4】
前記輸送体が航空機(100)である、請求項1に記載の乗組員休憩システム(200)。
【請求項5】
前記アクセスエリア(210)が、前記カートコンパートメント(204)の一部分の後方にある、請求項1に記載の乗組員休憩システム(200)。
【請求項6】
前記アクセスエリア(210)の側方に保管エリア(212)を更に含む、請求項1に記載の乗組員休憩システム(200)。
【請求項7】
前記モニュメントの幅が53インチであり、前記モニュメントの長さが61インチである、請求項1に記載の乗組員休憩システム(200)。
【請求項8】
寝台を含む頭上寝台モジュール(230)を更に含み、前記アクセスエリア(210)が前記頭上寝台モジュール(230)に通じる、請求項1に記載の乗組員休憩システム(200)。
【請求項9】
前記頭上寝台モジュール(230)が、前記内部キャビン(130)内の座席(140)又は頭上収納庫アセンブリのうちの一方又は両方の一部の上方に延在するように構成されている、請求項8に記載の乗組員休憩システム(200)。
【請求項10】
前記カートコンパートメント(204)が、前記頭上寝台モジュール(230)の前方及び下方にある、請求項8に記載の乗組員休憩システム(200)。
【請求項11】
前記入口(234)を選択的に開閉するために、開位置と閉位置との間で移動可能なドアを更に備える、請求項1に記載の乗組員休憩システム(200)。
【請求項12】
座席を含む前方休憩エリア(250)を更に含み、前記前方休憩エリア(250)が、前記カートコンパートメント(204)の少なくとも一部分の上方に配置され、前記アクセスエリア(210)が前記前方休憩エリア(250)に通じる、請求項1に記載の乗組員休憩システム(200)。
【請求項13】
寝台を含む頭上寝台モジュール(230)と、
座席を含む前方休憩エリア(250)と
を更に含み、前記アクセスエリア(210)が前記頭上寝台モジュール(230)及び前記前方休憩エリア(250)に通じる、請求項1に記載の乗組員休憩システム(200)。
【請求項14】
航空機(100)であって、
内部キャビン(130)と、
前記内部キャビン(130)内の乗組員休憩システム(200)であって、前記乗組員休憩システム(200)が、
モニュメントであって、
4つのフルサイズのギャレーカート(206)を保持するように構成されたカートコンパートメント(204)、及び
前記モニュメントの側方に入口(234)を有するアクセスエリア(210)を含む、モニュメントを備える、乗組員休憩システム(200)と
を備え、前記入口(234)が階段(242)を有する内部通路(240)内に通じる、航空機(100)。
【請求項15】
前記モニュメントが、前方モニュメント(202)であり、前記カートコンパートメント(204)が、前方を向く前部コンパートメントである、請求項14に記載の航空機(100)。
【請求項16】
前記アクセスエリア(210)が、前記カートコンパートメント(204)の一部分の後方にある、請求項14に記載の航空機(100)。
【請求項17】
前記モニュメントの幅が53インチで、前記モニュメントの長さが61インチである、請求項14に記載の航空機(100)。
【請求項18】
寝台を含む頭上寝台モジュール(230)を更に含み、前記アクセスエリア(210)が前記頭上寝台モジュール(230)に通じ、前記頭上寝台モジュール(230)が、前記内部キャビン(130)内の座席(140)又は頭上収納庫アセンブリのうちの一方又は両方の一部の上方に延在し、前記カートコンパートメント(204)が、前記頭上寝台モジュール(230)の前方及び下方にある、請求項14に記載の航空機(100)。
【請求項19】
座席を含む前方休憩エリア(250)を更に含み、前記前方休憩エリア(250)が、前記カートコンパートメント(204)の少なくとも一部分の上方に配置され、前記アクセスエリア(210)が前記前方休憩エリア(250)に通じる、請求項14に記載の航空機(100)。
【請求項20】
航空機(100)であって、
内部キャビン(130)と、
前記内部キャビン(130)内の乗組員休憩システム(200)であって、前記乗組員休憩システム(200)が、
モニュメントの幅が53インチであり、前記モニュメントの長さが61インチである前方モニュメント(202)であって、前記前方モニュメント(202)が、
前方を向く前部カートコンパートメント(204)であって、前記前部カートコンパートメント(204)が4つのフルサイズのギャレーカート(206)を保持するように構成された、前部カートコンパートメント(204)、
前記前部カートコンパートメント(204)の一部分の後方のアクセスエリア(210)であって、前記アクセスエリア(210)が前記モニュメントの側方に入口(234)を有し、前記入口(234)が階段(242)を有する内部通路(240)内に通じる、アクセスエリア(210)、
前記入口(234)を選択的に開閉するために、開位置と閉位置との間で移動可能なドア、
前記アクセスエリア(210)の側方にある保管エリア(212)、及び
座席を含む前方休憩エリア(250)であって、前記前方休憩エリア(250)が前記前部カートコンパートメント(204)の少なくとも一部分の上方に配置され、前記アクセスエリア(210)が前記前方休憩エリア(250)に通じる、前方休憩エリア(250)を含む、前方モニュメント、並びに
寝台を含む頭上寝台モジュール(230)であって、前記アクセスエリア(210)が前記頭上寝台モジュール(230)に通じ、前記頭上寝台モジュール(230)が、前記内部キャビン(130)内の座席(140)又は頭上収納庫アセンブリのうちの一方又は両方の一部の上方に延在し、前記前部カートコンパートメント(204)が、前記頭上寝台モジュール(230)の前方及び下方にある、頭上寝台モジュール(230)
を含む、乗組員休憩システム(200)と
を備える、航空機(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本願は、2023年4月25日に出願された米国仮特許出願第63/498,056号の非仮変更であり、またこの優先権を主張し、同特許は、その全体が参照により本願に援用される。
【0002】
[0002]本開示の実施例は、広くは、民間航空機などの輸送体の内部キャビンのための乗組員休憩システムに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]様々な場所の間で旅客を搬送するために、民間航空機などの輸送体が使用される。典型的な民間航空機は、旅客のための座席を有する内部キャビンを含む。
【0004】
[0004]長距離飛行などの特定のタイプの飛行中、航空機の乗務員は休憩を必要とする場合がある。したがって、特定の航空機は乗組員休憩エリアを含む。例えば、頭上乗務員休憩(OFCR)エリアの形態の乗組員休憩エリアは、特定の航空機の内部キャビン内に配置される。ある既知のOFCRエリアは、長さ58インチであり、別の既知のOFCRエリアは、長さ80インチである。既知の58インチOFCRエリアは、前方を向くコンパートメントに2つのギャレーカートのみを収容する。これとは対照的に、既知の80インチ型は、4つのギャレーカートを収容するが、大幅により大きな設置面積となる。
【0005】
[0005]80インチ型のカート保管能力が望ましい場合があるが、かかる型の大きな設置面積は、内部キャビン内の座席の空間を余儀なく低減してしまう。
【発明の概要】
【0006】
[0006]航空機の内部キャビンのための改良された乗組員休憩システムが必要とされている。更に、増大されたカート保管能力を有する、航空機の内部キャビンのためのコンパクトな乗組員休憩システムが必要とされている。
【0007】
[0007]これらの必要性を考慮し、本開示の特定の実施例は、輸送体の内部キャビンのための乗組員休憩システムを提供する。乗組員休憩システムは、3つ以上のギャレーカートを保持するように構成されたカートコンパートメントを有するモニュメントを含む。入口を有するアクセスエリアが、モニュメントの側方にある。入口は、階段を有する内部通路内に通じる。
【0008】
[0008]少なくとも1つの実施例では、モニュメントは、前方モニュメントで、カートコンパートメントは、前方を向く前部コンパートメントである。
【0009】
[0009]少なくとも1つの実施例では、カートコンパートメントは、4つのフルサイズのギャレーカートを保持するように構成される。
【0010】
[0010]少なくとも1つの実施例では、輸送体は航空機である。
【0011】
[0011]アクセスエリアは、カートコンパートメントの一部分の後方にあり得る。アクセスエリアの側方に保管エリアがあり得る。
【0012】
[0012]少なくとも1つの実施例では、モニュメントの幅は53インチで、モニュメントの長さは61インチである。
【0013】
[0013]少なくとも1つの実施例では、乗組員休憩システムは、寝台を含む頭上寝台モジュールも含んでいた。アクセスエリアは、頭上寝台モジュールに通じる。頭上寝台モジュールは、内部キャビン内の座席又は頭上収納庫アセンブリのうちの一方又は両方の一部の上方に延在するように構成される。カートコンパートメントは、頭上寝台モジュールの前方及び下方にあり得る。
【0014】
[0014]開位置と閉位置との間で移動可能なドアが、入口を選択的に開閉できるようにする。
【0015】
[0015]少なくとも1つの実施例では、乗組員休憩システムは、座席を有する前方休憩エリアも含む。前方休憩エリアは、カートコンパートメントの少なくとも一部分の上方に配置される。アクセスエリアは、前方休憩エリアに通じる。
【0016】
[0016]少なくとも1つの実施例では、乗組員休憩システムは、寝台を含む頭上寝台モジュール、及び座席を含む前方休憩エリアを含む。アクセスエリアは、頭上寝台モジュール及び前方休憩エリアに通じる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】[0017]本開示の一実施例に係る、航空機の正面斜視図である。
【
図2】[0018]本開示の一実施例に係る、航空機の内部キャビンの内部斜視図である。
【
図3】[0019]本開示の一実施例に係る、輸送体の内部キャビンのための乗組員休憩システムの概略平面図である。
【
図4】[0020]本開示の一実施例に係る、乗組員休憩システムの等角正面側面図である。
【
図5】[0021]
図4の乗組員休憩システムの正面図である。
【
図6】[0022]
図4の乗組員休憩システムの側面図である。
【
図7】[0023]
図4の乗組員休憩システムの上面図である。
【
図8】[0024]本開示の一実施形態に係る、航空機の内部キャビン内の乗組員休憩システムの上面図である。
【
図9】[0025]本開示の一実施例に係る、乗組員休憩システムの等角正面側面図である。
【
図10】[0026]本開示の一実施例に係る、前方休憩エリアからの頭上寝台モジュールの後方図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[0027]上記の概要、及び特定の実施形態の以下の発明を実施するための形態は、添付の図面と併せて読むことでより良く理解されるであろう。本明細書において、単数形で、及び、「1つの(「a」又は「an」)」という語の後に記載される要素又はステップは、複数のかかる要素又はステップを必ずしも除外しないと理解すべきである。更に、「一実施形態/1つの実施形態(one embodiment)」への言及は、追加の実施形態の存在を除外すると解釈されることを意図しておらず、かかる追加の実施形態も、記載されている特徴を組み入れる。更に、明示的に反対のことが述べられていない限り、特定の条件を有する一又は複数の要素を「備える(comprising)」又は「有する(having)」実施形態は、かかる条件を有しない追加の要素を含み得る。
【0019】
[0028]本開示の実施例は、よりコンパクトな設置面積に既知の80インチの頭上乗務員休憩(OFCR)エリアのカート保管能力を提供する乗組員休憩システムを提供する。少なくとも1つの実施例では、乗組員休憩システムは、前方モニュメントが前方を向くコンパートメント内に4つのギャレーカートを収容することができる状態で、既知の56インチOFCR領域よりも3インチ長い。
【0020】
[0029]本開示の実施例は、内部キャビンを含む、航空機などの輸送体を提供する。乗組員休憩システムは、内部キャビン内にある。乗組員休憩システムは、前部カートコンパートメント及び入口を含む、前方モニュメントを含む。少なくとも1つの実施例では、前部コンパートメントは、前方を向き(すなわち、航空機の後端とは対照的に前端の方へ)、複数のギャレーカート(例えば、3つ以上のギャレーカート)を保持するように構成される。例えば、前部コンパートメントは、4つのギャレーカートを保持するように構成される。入口は、前方モニュメントの側方にある。入口は、階段を有する内部通路内に通じる。少なくとも1つの実施例では、乗組員休憩システムは、前方モニュメントに連結された頭上寝台モジュールも含む。頭上寝台モジュールは、座席及び/又は頭上収納庫アセンブリの一部の上方に延在し得る。少なくとも1つの実施例では、前方モニュメントは、座席を有する前方休憩エリアも含む。
【0021】
[0030]
図1は、本開示の実施例による、航空機100の正面斜視図を示す。航空機100は、例えばエンジン114を含む推進システム112を含む。任意選択的に、推進システム112は、図示したものよりも多くのエンジン114を含み得る。エンジン114は、航空機100の翼116によって担持される。他の実施例では、エンジン114は、胴体118及び/又は尾部120によって担持され得る。尾部120は、水平安定板122及び垂直安定板124を更に支持し得る。
【0022】
[0031]航空機100の胴体118が内部キャビン130を画定し、内部キャビンは、フライトデッキ又はコックピット、一又は複数の作業区域(例えば、ギャレー、乗務員の手荷物エリアなど)、一又は複数の旅客区域(例えば、ファーストクラス、ビジネスクラス、及びエコノミー区域)、一又は複数の化粧室などを含む。
【0023】
[0032]あるいは、本開示の実施例は、航空機の代わりに、自動車、バス、機関車及び列車、船舶などの様々な他の輸送体に使用され得る。
【0024】
[0033]
図2は、本開示の実施例による、航空機の内部キャビン130の内部斜視図を示す。内部キャビン130は、翼端方向壁132及び天井134を含む。翼端方向壁132内に、窓136が形成され得る。フロア138が、座席140の列を支持する。
図2に示されるように、列142は、通路143のどちら側にも3つの座席140を含み得る。しかし、列142は、図示したものよりも多数又は少数の座席140を含み得る。更に、内部キャビン130は、図示したものよりも多数の通路を含み得る。
【0025】
[0034]本明細書で使用される場合、「翼端側(outboard)」という用語は、別の構成要素と比較して、内部キャビン130の中央縦断面150から離れた位置を意味する。「機内側(inboard)」という用語は、別の構成要素と比較して、内部キャビン130の中央縦断面150に近い位置を意味する。
【0026】
[0035]
図3は、本開示の実施例による、(
図1に示された航空機100などの)輸送体の内部キャビンのための乗組員休憩システム200の概略平面図を示す。乗組員休憩システム200は、前方を向く前部カートコンパートメント204を含む前方モニュメント202を含む。すなわち、前部カートコンパートメント204は、輸送体の前端の方を向く。例えば、前部カートコンパートメント204は、航空機のフライトデッキ又はコックピットの方へ向くように方向付けられる。少なくとも1つの実施例では、前部カートコンパートメント204は、前方を向く一又は複数のカート通路を有する。少なくとも1つの実施例では、前部カートコンパートメント204は、フルサイズのギャレーカートなどの4つのギャレーカート206を保持するように構成される。例えば、前部カートコンパートメント204は、ギャレーカートを保持するように構成された一又は複数のベイ208を含む。各ベイ208は、ギャレーカート206が保持される内部室を画定するように構成された一又は複数の壁を含み得る。任意選択的に、前部カートコンパートメント204は、4つのギャレーカート206を保持する単一のベイを含み得る。別の実施例では、前部カートコンパートメント204は、この前部カートコンパートメント204を2つのベイに分割し、それぞれが2つのギャレーカート206を保持するように構成された単一の中央分割壁を含み得る。
【0027】
[0036]乗組員休憩システム200はまた、前部カートコンパートメント204の一部分の後方にアクセスエリア210を含む。アクセスエリア210は、前方休憩エリア及び/又は頭上寝台モジュールの一方又は両方に通じる一又は複数の階段を有する入口ホールであり得る。
【0028】
[0037]乗組員休憩システム200はまた、アクセスエリア210の側方に、及び前部カートコンパートメント204の一部分の後方に保管エリア212を含み得る。保管エリア212は、更なる構成要素(例えば、ハーフサイズのギャレーカート214、非常設備216など)を格納するように構成され得る。
【0029】
[0038]示されるように、乗組員休憩システム200は、内部キャビン内に幅Wを有する(前方モニュメントなどの)モニュメントを提供する。少なくとも1つの実施例では、幅Wは53インチである。前部カートコンパートメント204の前端218からアクセスエリア210の後端220にわたるモニュメントの長さLは、61インチであり得る。53インチの幅W及び61インチの長さLを有する前方モニュメントは、4つのフルサイズのギャレーカートを保持することができる望ましいコンパクト構造を可能にし、乗組員のための望ましい休憩エリアを提供し、一方、同時に、航空機の内部キャビンの座席の空間に突き出さない設置面積を有することが分かった。
【0030】
[0039]任意選択的に、長さLは、61インチ未満(例えば55~60インチ)又は61インチを超える(例えば、62~63インチ)であり得る。アクセスエリア210の長さL’は、22.5インチであり得る。任意選択的に、長さL’は、22.5インチ未満(例えば20~22インチ)又は22.5インチを超える(例えば、23~24インチ)であり得る。任意選択的に、幅Wは、53インチ未満(例えば50~52インチ)又は53インチを超える(例えば、54~55インチ)であり得る。アクセスエリア210の幅W’は、14.9インチであり得る。任意選択的に、幅W’は、14.9インチ未満(例えば13~14インチ)又は14.9インチを超える(例えば、15~16インチ)であり得る。
【0031】
[0040]
図4は、本開示の実施例による、乗組員休憩システム200の等角正面側面図を示す。
図5は、
図4の乗組員休憩システム200の正面図を示す。
図6は、
図4の乗組員休憩システム200の側面図を示す。
図7は、
図4の乗組員休憩システム200の上面図を示す。
図4~7を参照すると、乗組員休憩システム200は、頭上寝台モジュール230に接続された前方モニュメント202を含み、この頭上寝台モジュール230は、内部キャビン内の座席及び/又は頭上収納庫アセンブリの一部の上方に延在し得る。頭上寝台モジュール230は、前部カートコンパートメント204の上方に配置された少なくとも一部分を有し得る。任意選択的に、頭上寝台モジュール230は、前部カートコンパートメント204の上方に配置された一部分を有しない。アクセスエリア210は、人が頭上寝台モジュール230内に上ることができるようにする階段を含む。
【0032】
[0041]示されるように、前部カートコンパートメント204は、前方を向く一又は複数のカート通路232を有する。示されるように、前部カートコンパートメント204は、フルサイズのギャレーカートなどの4つのギャレーカート206を保持するように構成される。
【0033】
[0042]少なくとも1つの実施例では、前方モニュメント202は、頭上寝台モジュール230の前方及び下方にある。前方モニュメント202は、頭上寝台モジュール230よりも内部キャビンの前端に近い。これとは対照的に、頭上寝台モジュール230は、前方モニュメント202の後方にある。頭上寝台モジュール230は、前方モニュメント202よりも後端に近い。あるいは、前方モニュメント202は、頭上寝台モジュール230の後方にある後方モニュメントであり得る。
【0034】
[0043]少なくとも1つの実施例では、前方モニュメント202は、アクセスエリア210を含み、アクセスエリア210は、前方モニュメント202の(前の代わりに)側方236に位置する入口234を含む。前方モニュメント202はまた、前方休憩エリア250を含む。入口234を選択的に開閉するために、ドア238は、開位置と閉位置との間で移動可能である。入口234は、人が、座席252を含み得る前方休憩エリア250内に踏み入ることができるようにする階段242を有する内部通路240内に通じる。前方休憩エリア250は、前部カートコンパートメント204の上方及び頭上寝台モジュール230の前方に配置され得る。内部通路240及び前方休憩エリア250はまた、頭上寝台モジュール230の寝台室内に通じる。
【0035】
[0044]少なくとも1つの実施例では、乗組員休憩システム200は、頭上寝台モジュール230を含まない。代わりに、入口234が前部カートコンパートメント204の少なくとも一部分の上方の前方休憩エリア250に通じ得るが、頭上寝台モジュール230には通じない。
【0036】
[0045]少なくとも1つの他の実施例では、乗組員休憩システム200は、前方休憩エリア250を含まない。例えば、前方モニュメント202は前方休憩エリアを含まない場合がある。代わりに、入口234は、頭上寝台モジュール230に通じ得、頭上寝台モジュール230は前部カートコンパートメント204の上方の一又は複数の部分を含み得る。
【0037】
[0046]
図8は、本開示の実施例による、航空機302の内部キャビン300内の乗組員休憩システム200の上面図を示す。
図3~8を参照すると、乗組員休憩システム200は最適化されたOFCR構成を提供する。少なくとも1つの実施例では、構成要素を再構成かつ空間的に最適化することにより、乗組員休憩システム200は、基準の(長さ58インチの)OFCR設計よりも3インチ長いだけで、(合計で4つのフルサイズのギャレーカートについて)更なる2つのギャレーカートを収容し、更なる保管能力及び更なるカウンタトップ空間を提供することができる。乗組員休憩システム200は、前方ギャレーカートの収容能力を増強し、内部キャビン内に更なる旅客席を設けることを可能にする。
【0038】
[0047]
図9は、本開示の実施例による、乗組員休憩システム200の等角正面側面図を示す。乗組員休憩システム200は、(例えば、天井内の構造に接続するように構成された上方取付フィッティング400を介して)既存の内部キャビンに追加導入するように構成され得る。フロア取付品402は、乗組員休憩システム200の下方部分に固定され得る。フロア取付品402は、内部キャビンのフロア上又はフロア内のレシプロ構造に固定するように構成される。
【0039】
[0048]
図10は、本開示の実施例による、前方休憩エリアからの頭上寝台モジュール230の後方図を示す。アクセスエリア210は、人が頭上寝台モジュール230内に上ることができるようにする階段242を含み得る。頭上寝台モジュール230は、寝台233(例えば、パッド入りのサポートシーツ、ベッド、簡易ベッドなど)を有する寝台室231を画定する。
【0040】
[0049]更に、本開示は以下の条項による例を含む。
【0041】
[0050]条項1.
輸送体の内部キャビンのための乗組員休憩システムであって、前記乗組員休憩システムが、
モニュメントであって、
3つ以上のギャレーカートを保持するように構成されたカートコンパートメント、及び
前記モニュメントの側方に入口を有するアクセスエリアを含む、モニュメントを備え、前記入口が階段を有する内部通路内に通じる、乗組員休憩システム。
【0042】
[0051]条項2.
前記モニュメントが、前方モニュメントであり、前記カートコンパートメントが、前方を向く前部コンパートメントである、条項1に記載の乗組員休憩システム。
【0043】
[0052]条項3.
前記カートコンパートメントが、4つのフルサイズのギャレーカートを保持するように構成されている、条項1又は2に記載の乗組員休憩システム。
【0044】
[0053]条項4.
前記輸送体が航空機である、条項1から3のいずれか一項に記載の乗組員休憩システム。
【0045】
[0054]条項5.
前記アクセスエリアが、前記カートコンパートメントの一部分の後方にある、条項1から4のいずれか一項に記載の乗組員休憩システム。
【0046】
[0055]条項6.
前記アクセスエリアの側方に保管エリアを更に含む、条項1から5のいずれか一項に記載の乗組員休憩システム。
【0047】
[0056]条項7.
前記モニュメントの幅が53インチであり、前記モニュメントの長さが61インチである、条項1から6のいずれか一項に記載の乗組員休憩システム。
【0048】
[0057]条項8.
寝台を含む頭上寝台モジュールを更に含み、前記アクセスエリアが前記頭上寝台モジュールに通じる、条項1から7のいずれか一項に記載の乗組員休憩システム。
【0049】
[0058]条項9.
前記頭上寝台モジュールが、前記内部キャビン内の座席又は頭上収納庫アセンブリのうちの一方又は両方の一部の上方に延在するように構成されている、条項8に記載の乗組員休憩システム。
【0050】
[0059]条項10.
前記カートコンパートメントが、前記頭上寝台モジュールの前方及び下方にある、条項8又は9に記載の乗組員休憩システム。
【0051】
[0060]条項11.
前記入口を選択的に開閉するために、開位置と閉位置との間で移動可能なドアを更に備える、条項1から10のいずれか一項に記載の乗組員休憩システム。
【0052】
[0061]条項12.
座席を含む前方休憩エリアを更に含み、前記前方休憩エリアが、前記カートコンパートメントの少なくとも一部分の上方に配置され、前記アクセスエリアが前記前方休憩エリアに通じる、条項1から11のいずれか一項に記載の乗組員休憩システム。
【0053】
[0062]条項13.
寝台を含む頭上寝台モジュールと、
座席を含む前方休憩エリアと
を更に含み、前記アクセスエリアが前記頭上寝台モジュール及び前記前方休憩エリアに通じる、条項1から7のいずれか一項に記載の乗組員休憩システム。
【0054】
[0063]条項14.
航空機であって、
内部キャビンと、
前記内部キャビン内の乗組員休憩システムであって、前記乗組員休憩システムが、
モニュメントであって、
4つのフルサイズのギャレーカートを保持するように構成されたカートコンパートメント、及び
前記モニュメントの側方に入口を有するアクセスエリアを含む、モニュメントを備える、乗組員休憩システムと
を備え、前記入口が階段を有する内部通路内に通じる、航空機。
【0055】
[0064]条項15.
前記モニュメントが、前方モニュメントであり、前記カートコンパートメントが、前方を向く前部コンパートメントである、条項14に記載の航空機。
【0056】
[0065]条項16.
前記アクセスエリアが、前記カートコンパートメントの一部分の後方にある、条項14又は15に記載の航空機。
【0057】
[0066]条項17.
前記モニュメントの幅が53インチで、前記モニュメントの長さが61インチである、条項14から16のいずれか一項に記載の航空機。
【0058】
[0067]条項18.
寝台を含む頭上寝台モジュールを更に含み、前記アクセスエリアが前記頭上寝台モジュールに通じ、前記頭上寝台モジュールが、前記内部キャビン内の座席又は頭上収納庫アセンブリのうちの一方又は両方の一部の上方に延在し、前記カートコンパートメントが、前記頭上寝台モジュールの前方及び下方にある、条項14から17のいずれか一項に記載の航空機。
【0059】
[0068]条項19.
座席を含む前方休憩エリアを更に含み、前記前方休憩エリアが、前記カートコンパートメントの少なくとも一部分の上方に配置され、前記アクセスエリアが前記前方休憩エリアに通じる、条項14から18のいずれか一項に記載の航空機。
【0060】
[0069]条項20.
航空機であって、
内部キャビンと、
前記内部キャビン内の乗組員休憩システムであって、前記乗組員休憩システムが、
モニュメントの幅が53インチであり、前記モニュメントの長さが61インチである前方モニュメントであって、前記前方モニュメントが、
前方を向く前部カートコンパートメントであって、前記前部カートコンパートメントが4つのフルサイズのギャレーカートを保持するように構成された、前部カートコンパートメント、
前記前部カートコンパートメントの一部分の後方のアクセスエリアであって、前記アクセスエリアが前記モニュメントの側方に入口を有し、前記入口が階段を有する内部通路内に通じる、アクセスエリア、
前記入口を選択的に開閉するために、開位置と閉位置との間で移動可能なドア、
前記アクセスエリアの側方にある保管エリア、及び
座席を含む前方休憩エリアであって、前記前方休憩エリアが前記前部カートコンパートメントの少なくとも一部分の上方に配置され、前記アクセスエリアが前記前方休憩エリアに通じる、前方休憩エリアを含む、前方モニュメント、並びに
寝台を含む頭上寝台モジュールであって、前記アクセスエリアが前記頭上寝台モジュールに通じ、前記頭上寝台モジュールが、前記内部キャビン内の座席又は頭上収納庫アセンブリのうちの一方又は両方の一部の上方に延在し、前記前部カートコンパートメントが、前記頭上寝台モジュールの前方及び下方にある、頭上寝台モジュール
を含む、乗組員休憩システムと
を備える、航空機。
【0061】
[0070]本明細書に記載のように、本開示の実施例は、航空機の内部キャビンのための改良された乗組員休憩システムを提供する。更に、本開示の実施例は、増大されたカート保管能力を有するコンパクトな乗組員休憩システムを提供する。
【0062】
[0071]本開示の実施形態の記載のために、上部、底部、下方、中央、横方向、水平、垂直、前方向などの空間及び方向に関する様々な用語が使用される場合があるが、かかる用語は図面中で示す向きに関するものとして使用されているにすぎないと、理解される。これらの向きは、上部が下部に、又はその逆になることや、水平が垂直になることなどのように、反転し、回転し、あるいはその他の方法で変更され得る。
【0063】
[0072]本明細書において、タスク又は動作を実行する「よう構成/設定され(configured to)」ている構造体、制約、又は要素は、タスク又は動作に対応する様態で、特に構造的に、形成され、構築され、又は適合している。分かりやすくするため、かつ誤解を避けるために、タスク又は動作を実行するために改変されることが可能であるだけの対象物は、本明細書における、タスク又は動作を実行する「よう構成/設定」されているものではない。
【0064】
[0073]上記の記載は、限定ではなく例示を意図するものであると理解されたい。例えば、上述した実施形態(及び/又はそれらの態様)は、互いに組み合わされて使用され得る。加えて、本開示の様々な実施形態の教示には、それらの範囲から逸脱することなく、特定の状況又は材料に適合させるために多数の改変が行われ得る。本明細書に記載の材料の寸法及び種類は、本開示の様々な実施形態のパラメータを規定することを意図しているが、これらの実施形態は決して限定的なものではなく、例示的な実施形態である。上述の記載を精査することにより、当業者には他の多くの実施形態が明らかであろう。したがって、本開示の様々な実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲とともに、かかる特許請求の範囲が権利を有する均等物の全範囲を参照して決定されるべきである。添付の特許請求の範囲及び本明細書の発明を実施するための形態において、「含む(including)」及び「これにおいて(in which)」という用語はそれぞれ、「備える(comprising)」及び「ここで(wherein)」という用語の明白な同義語として使用される。更に、「第1(first)」「第2(second)」及び「第3(third)」等の用語は、単に符号として使用されており、それらの対象物に数的要件を課すことを意図するものではない。更に、以下の特許請求の範囲の限定は、ミーンズプラスファンクション形式で記述されておらず、かかる特許請求の範囲の限定が、更なる構造を欠く機能の記述が後続する、「~のための手段(means for)」という言い回しを明示的に使用しない限り、米国特許法第112条(f)に基づいて解釈されることを意図するものではない。
【0065】
[0074]ここに記載した説明では、実施例を用いて、ベストモードを含む本開示の様々な実施形態を開示するとともに、任意の装置又はシステムの作成及び使用、並びに組込まれた任意の方法の実行を含め、本開示の様々な実施形態を当業者が実施することを可能にしている。本開示の様々な実施形態の特許性の範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者に想起される他の例を含み得る。かかる他の例は、これらの例が、特許請求の範囲の文言と相違しない構造的要素を有する場合、又は特許請求の範囲の文言とのごくわずかな相違しか有しない同等の構造的要素を含む場合には、特許請求の範囲に含まれることが、意図されている。
【外国語明細書】