(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157543
(43)【公開日】2024-11-07
(54)【発明の名称】調整可能アダプタ及び検査室システム
(51)【国際特許分類】
G01N 35/00 20060101AFI20241030BHJP
【FI】
G01N35/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024070364
(22)【出願日】2024-04-24
(31)【優先権主張番号】23169881.2
(32)【優先日】2023-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】501205108
【氏名又は名称】エフ ホフマン-ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ティモ ガットマン
(72)【発明者】
【氏名】サシャ マイヤー
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058CB11
2G058CB16
(57)【要約】 (修正有)
【課題】検査室システムの2つのモジュール間の間隙を防止するための両モジュールの互いに対する精密かつ徹底した位置決めの方法を提供する。
【解決手段】本発明は、検査室システムの2つのモジュール間のコの字形間隙を閉じるための調整可能アダプタ(1)に関する。調整可能アダプタ(1)は、調整可能アダプタ(1)の幅方向(W)に延在する基部(2)と、基部(2)から調整可能アダプタ(1)の長さ方向(L)にそれぞれ突出する一対の脚部(3)であって、基部(2)および脚部(3)が調整可能アダプタ(1)のコの字形状に配置される、一対の脚部(3)と、を備える。基部(2)は、長さ方向(L)に沿った基部(2)の寸法(D、D2)を設定するために、調整可能である。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査室システム(20)の2つのモジュール(23)の間のコの字形間隙(21)を閉じるための調整可能アダプタ(1)であって、前記調整可能アダプタ(1)が、
前記調整可能アダプタ(1)の幅方向(W)に延在する基部(2)と、
一対の脚部(3)であって、前記基部(2)および前記脚部(3)が前記調整可能アダプタ(1)のコの字形状に配置されるように、各脚部(3)が前記基部(2)から前記調整可能アダプタ(1)の長さ方向(L)に突出する、一対の脚部(3)と
を備え、
前記基部(2)が、前記長さ方向(L)に沿った前記基部(2)の寸法(D、D1、D2)を設定するために調整可能である、調整可能アダプタ(1)。
【請求項2】
前記基部(2)が、前記幅方向(W)に沿って互いに反対側に配置された2つの端部(4)を有し、
各脚部(3)が、各端部(4)において前記基部(2)から突出する
ことを特徴とする、請求項1に記載の調整可能アダプタ(1)。
【請求項3】
前記基部(2)が第1のユニット(5)及び第2のユニット(6)を備え、前記第1のユニット(5)が前記長さ方向(L)で前記第2のユニット(6)に重なり、
前記第1のユニット(5)が、前記端部(4)の両方を有し、前記脚部(3)が両方の端部(4)にそれぞれ固定され、
前記長さ方向(L)に沿った前記基部(2)の前記寸法(D、D1、D2)を設定するために、前記長さ方向(L)に沿って、前記第1のユニット(5)に対して前記第2のユニット(6)の位置を調整可能である
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の調整可能アダプタ(1)。
【請求項4】
前記第2のユニット(6)が、前記長さ方向(L)に沿って前記脚部(3)及び/又は前記第1のユニット(5)において案内され、
特に、前記第2のユニット(6)が引き出し式に案内される
ことを特徴とする、請求項3に記載の調整可能アダプタ(1)。
【請求項5】
前記調整可能アダプタ(1)が、前記第2のユニット(6)を前記第1のユニット(5)に対して前記長さ方向(L)に案内するための少なくとも1つの線状のガイド(7)を有し、及び/又は
前記第2のユニット(6)が、前記第1のユニット(5)に対して前記第2のユニット(6)の第1の端位置(P1)と前記第2のユニット(6)の第2の端位置(P2)との間で、特に無段階に案内される
ことを特徴とする、請求項3又は4に記載の調整可能アダプタ(1)。
【請求項6】
前記第1のユニット(5)が、前記第1のユニット(5)の本体(14)と前記第2のユニット(6)との間に配置された薄板(13)を有し、
前記薄板(13)が、前記長さ方向(L)に沿って、前記本体(14)及び/又は前記第2のユニット(6)において案内される
ことを特徴とする、請求項3~5のいずれか一項に記載の調整可能アダプタ(1)。
【請求項7】
前記調整可能アダプタ(1)が、前記基部(2)の現行の調整の解除可能な固定のための少なくとも1つの留め具(8)を有し、
特に、前記留め具(8)が締めねじ(9)を備えている
ことを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の調整可能アダプタ(1)。
【請求項8】
前記基部(2)及び/又は前記脚部(3)の少なくとも1つが、前記幅方向(W)に沿って延在する貫通スロット(10)を有し、
前記貫通スロット(10)が、前記調整可能アダプタ(1)を前記モジュール(23)の少なくとも一方に締結するために、締結要素(11)、特にねじボルト(12)を受け入れるように構成されている
ことを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の調整可能アダプタ(1)。
【請求項9】
2つのモジュール(23)と、
請求項1から8のいずれか一項に記載の調整可能アダプタ(1)と
を備えた、検査室システム(20)であって、
前記モジュール(23)間のコの字形間隙(21)が前記調整可能アダプタ(1)によって閉じられ、
前記調整可能アダプタ(1)の前記基部(2)は、前記長さ方向(L)に沿った前記基部(2)の前記寸法(D、D1、D2)が前記コの字形間隙(21)に対応して設定されるように、調整される、検査室システム(20)。
【請求項10】
前記モジュール(23)の1つめが、前記検査室システム(20)の搬送モジュール(24)であり、
前記モジュール(23)の2つめが、前記検査室システム(20)の分別モジュール(25)であり、
前記搬送モジュール(24)が、前記分別モジュール(25)へ試料容器を送達するように構成されており、
前記分別モジュール(25)が、特に、送達された試料容器を前記検査室システム(20)のさらなるモジュールへ選択的に渡すことによって、送達された試料容器を分別するように構成されている
ことを特徴とする、請求項9に記載の検査室システム(20)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査室システムの2つのモジュール間のコの字形の間隙を閉じるための調整可能アダプタに関する。本発明はさらに、そのような検査室システムに関する。
【背景技術】
【0002】
典型的に、通常の検査室システムの2つのモジュール間の間隙を防止するには、特に両モジュールの互いに対する精密かつ徹底した位置決めが求められる。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的は、検査室システムの2つのモジュール間のコの字形の間隙を閉じるための調整可能アダプタを提供すること、及びそのような検査室システムを提供して、2つのモジュールの互いに対する位置決めの簡便化を可能にすることである。
【0004】
この目的はそれぞれ、独立請求項の主題によって解決される。好ましい実施形態は、従属請求項の主題である。
【0005】
本発明に係る調整可能アダプタは、検査室システムの2つのモジュール間のコの字形の間隙を閉じるように構成されている。検査室システムは、検査室試料分配システムであり得る。調整可能アダプタは、基部を含む。基部は調整可能アダプタの幅方向に延在する。調整可能アダプタは、一対の脚部を有する。基部と脚部が調整可能アダプタのコの字形状に配置されるよう、脚部の各々は調整可能アダプタの長さ方向に基部から突出する。基部と脚部は一緒になって、調整可能アダプタのコの字形状を形成することができる。ここで、基部は、長さ方向に沿ってその寸法を設定するために調整可能である。このように、基部を適宜調整することで、2つのモジュールの互いに対する位置決めの不正確さが、長さ方向について少なくとも部分的に補正できる。これにより、2つのモジュールの長さ方向に沿った相対的な位置決めが特に高い公差を有している場合でも、コの字形間隙が確実に閉じられる。当該調整可能アダプタは、特に高い位置決め公差においてもコの字形間隙を高い信頼性で閉じることができるため、モジュールを互いに対して位置決めすることが簡便になる。
【0006】
特に、検査室システムにより保持され及び/又は搬送される物体が、コの字形間隙内に落ちる及び/又はコの字形間隙を通って落下することを避けるため、2つのモジュール間のコの字形間隙は閉じられることになる。そのような物体は、検査室試料容器であり得る。コの字形間隙は、両モジュールの各内面を含む水平面内に延在し得、これら内面は、調整可能アダプタによって少なくとも実質的に面一で又は平坦となるように接続される。幅方向は長さ方向に対して垂直であり得る。幅方向と長さ方向は水平面に広がり得る。幅方向と長さ方向は重力に対して垂直であり得る。
【0007】
本発明の実施形態によれば、基部は2つの端部を有する。端部は、幅方向に沿って互いに反対側に位置するか又は配置される。ここで、各脚部が、各端部において基部から突出する。このように、基部と両脚部が、モジュールの一方の舌状の部分を部分的に囲むことができる。舌状の部分は、検査室システムのもう一方のモジュールの内部へと長さ方向に沿って突出し得る。このもう一方のモジュールは、舌状の突出部をクリアランスを伴って受容するか又は受け入れるための凹部を有し得る。このクリアランスがコの字形間隙をもたらす。
【0008】
本発明の別の実施形態によれば、基部が第1のユニット及び第2のユニットを有する。ここで、第1のユニットは、長さ方向において第2のユニットに重なる。第1のユニットは、重力方向において第2のユニットの上方に位置するか又は配置され得る。第1のユニットは、基部の両端部を含む。ここで、脚部は、各端部において又は各端部に対してそれぞれ固定される。基部の寸法を長さ方向に設定するために、第2のユニットの位置は、第1のユニットに対して長さ方向に調整可能である。第1のユニットと第2のユニットは、基部の入れ子式機構を形成することができる。
【0009】
本発明の別の実施形態によれば、第2のユニットは脚部において長さ方向に案内される。これに代えて又は加えて、第2のユニットは、第1のユニットにおいて長さ方向に案内される。特に、第2のユニットは引き出し式に案内される。これにより基部の調整が特に容易となる。
【0010】
本発明の別の実施形態によれば、調整可能アダプタが、第2のユニットを第1のユニットに対して長さ方向に案内するための少なくとも1つの線状のガイドを有する。これに加えて又は代えて、第2のユニットが、第2のユニットの第1の端位置と第2のユニットの第2の端位置との間で、いずれも第1のユニットに対して案内される。特に、第2のユニットは、2つの端位置の間で無段階に案内される。これら端位置の間の距離は、調整可能アダプタを調整することによって補正される公差に相当し得る。
【0011】
本発明の別の実施形態によれば、第1のユニットが、第1のユニットの本体と第2のユニットとの間に配置された薄板(lamella)を有する。ここで、薄板は、本体において長さ方向に案内される。これに加えて又は代えて、薄板は、第2のユニットにおいて長さ方向に案内される。薄板は、第2のユニットの端位置間の距離における特に大きな変動を可能にするので、特に高い位置決め公差の補正が可能となる。薄板は、調整可能アダプタの入れ子式機構の中間部分を形成し得る。
【0012】
本発明の別の実施形態によれば、調整可能アダプタは、少なくとも1つの留め具を有する。留め具は、基部の現行の調整の解除可能な固定又は設定に適合する。特に、留め具は締めねじを含む。留め具はクイックファスナであり得る。
【0013】
本発明の別の実施形態によれば、基部は、幅方向に延びる少なくとも1つの貫通スロットを有する。これに代えて又は加えて、脚部のうちの少なくとも1つ、特に各脚部が、幅方向に延びる少なくとも1つの貫通スロットを有する。脚部のうちの少なくとも1つ、特に各脚部が、幅方向に外側に、特に水平方向に突出する張り出し部を有することができ、この張り出し部が貫通スロットを含む。このような貫通スロットによって、幅方向の位置決め公差の補正が可能となる。この幅方向の位置決め公差は、許容された横方向の位置ずれに起因するものである。
【0014】
上記で示唆したように、本発明に係る検査室システムは2つのモジュールを含む。検査室システムはさらに、本発明に係る上述の調整可能アダプタを有する。よって、先に記載した本発明に係る調整可能アダプタの利点は、本発明に係る検査室システムに転用される。検査室システムのモジュール間に、コの字形間隙が存在する。コの字形間隙は、調整可能アダプタによって、特に少なくとも部分的に閉じられる。ここで、調整可能アダプタの基部は、基部の長さ方向の寸法がコの字形間隙に対応して設定されるように、調整される。特に、調整可能アダプタの基部は、コの字形間隙の長さ方向の対応部分を完全に埋める又は覆うように、調整される。検査室システムの調整可能アダプタは、物体がコの字形間隙内に又は間隙を通って落下するのを防止することを可能にする。そのような物体は、検査室システムによりハンドリング及び/又は搬送される試料容器であり得る。特に、検査室システムは検査室試料分配システムである。検査室システムの2つのモジュールは、それぞれ内面を有し得る。ここで、複数のモジュールの内面は、調整可能アダプタによって、特に実質的に平坦又は面一に接続されることができる。特に、内面は実質的に水平方向であり得る。
【0015】
本発明の実施形態によれば、検査室システムのモジュールのうち第1のモジュールが、搬送モジュールである。搬送モジュールの内面は、搬送面であり得、この面上で検査室システムの試料容器キャリアが、特に電磁的な相互作用により動かされる。試料容器キャリアは試料容器を運ぶように構成され得る。検査室システムのモジュールのうち第2のモジュールは、検査室システムの分別モジュールである。分別モジュールはハンドリング装置を有してよく、例えば、試料容器を把持するための制御可能な把持器を含み得る。搬送モジュールは試料容器を分別モジュールに送達するように構成されている。ハンドリング装置は、搬送モジュールによって提供された試料容器キャリアからの試料容器を分けて、試料容器へと渡すように構成され得る。分別モジュールは、送達された試料を分別するように構成されている。特に、分別モジュールは、送達された試料容器を検査室システムのさらなるモジュールへと選択的に渡すことで、送達された試料容器を分別するように構成されている。
【0016】
特に、本発明に係る調整可能アダプタは、検査室システムのモジュール間のコの字形間隙を覆うために、検査室試料システムにおいて使用される。
【0017】
本発明のさらなる利点及び特徴が、特許請求の範囲とともに、図面により図示される本発明の好ましい実施形態の下記の記載から明らかとなる。ここで、等しい参照符号は、等しいもしくは類似の又は機能的に等しい構成要素に関する。
【0018】
上述した特徴および以下に説明する特徴は、それぞれ記載された組み合わせにおいて使用可能であるのみならず、本発明の範囲を逸脱することなく他の組み合わせ又は単独でも使用可能であることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本発明に係る検査室システムの実施形態を斜視図で概略的に示す。検査室システムは、本発明に係る調整可能アダプタの実施形態を有する。
【
図2】
図2は、
図1による検査室システムの細部を上面図で示す。
【
図3】
図3は、
図1及び2による検査室システムの細部を上面図で示す。調整可能アダプタは消去してある。
【
図4】
図4は、
図1~3による検査室システムの細部を斜視図で示す。
【
図5】
図5は、
図1~4による検査室システムの調整可能アダプタを斜視図で別個に示す。ここで、調整可能アダプタの基部が長さ方向に最大の寸法に設定されるよう、基部が調整されている。
【
図6】
図6は、
図5の調整可能アダプタを同様の図で示す。長さ方向に最小の寸法に設定されるよう、基部が調整されている。
【
図7】
図7は、
図5及び6による調整可能アダプタを示す別の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
検査室システム20は、2つのモジュール23を有する。両モジュール23は並んで配置され得る。モジュール23は、検査室試料容器の分配に適合され得る。よって、検査室システム20は検査室試料分配システムであり得る。検査室試料容器は、円形の断面を有する検査室試料管として具現化され得る。検査室試料容器は、各試料を保存することができる。試料は、液体試料、例えば血液試料であり得る。
【0021】
図1~4の例では、モジュール23のうち第1のモジュールが、検査室システム20の搬送モジュール24である。例えば、搬送モジュール24は内面22を有し、内面22は搬送面を含む。搬送モジュール24の搬送面は、検査室システム20の試料容器キャリアを搬送面の上で電磁的に動かすための電磁デバイスを含み得る。そのような試料容器キャリアは、検査室試料容器を運ぶように構成され得る。モジュール23のうち第2のモジュールは、検査室システム20の分別モジュール25である。分別モジュール25は内面22を有し得る。搬送モジュール24は、試料容器を分別モジュール25に送達するように構成されている。分別モジュール25は、送達された試料容器を分別するように構成されている。例えば、分別モジュール25は、試料容器を検査室システム20のさらなるモジュールへと選択的に渡すことで、送達された試料容器を分別し得る。さらなるモジュールは、渡された試料容器に保存されている各試料を処理及び/又は分析するように構成され得る。
【0022】
検査室システム20は、
図5~7に別途示す調整可能アダプタ1を含む。ここで、
図3で最もよく見られるように、モジュール23間にはコの字形の間隙21が存在している。このモジュール23間のコの字形間隙21は、調整可能アダプタ1によって少なくとも部分的に閉じられる。例えば、試料容器がコの字形間隙21を通って落下するのを防止できるよう、コの字形間隙21が調整可能アダプタ1によって閉じられる。図面によれば、調整可能アダプタ1は、モジュール23間のコの字形間隙21を覆うか又は閉じるために検査室システム20において使用される。
【0023】
調整可能アダプタ1は基部2を有する。基部2は、調整可能アダプタ1の幅方向Wに延在する。調整可能アダプタ1は一対の脚部3を有する。基部2と脚部3が調整可能アダプタ1のコの字形状に配置されるよう、各脚部3が、基部2から調整可能アダプタ1の長さ方向Lに突出する。基部2は、その寸法Dを設定するために長さ方向Lに調整可能である。
図1~4による検査室システム20において、調整可能アダプタ1の長さ方向Lでの基部2の寸法Dがコの字形間隙21のベース部分に対応して設定されるように、基部2が調整される。このように、両モジュール23間の距離の公差が補正されるよう、調整可能アダプタ1の基部2が調整される。
【0024】
例えば、基部2は、幅方向Wで互いに反対側に配置された2つの端部4を有する。ここで、各脚部3は、各端部4において基部2から突出する。脚部3は略平行であり得る。脚部3は鏡面対称であり得る。長さ方向Lは、幅方向Wに対して垂直であり得る。幅方向Wと長さ方向Lは水平面に広がり得る。水平面は重力に対して垂直であり得る。水平面は、コの字形間隙21及び/又は内面22及び/又は調整可能アダプタ1のコの字形状を含むか、又はこれらに対して平行であり得る。複数のモジュール23の内面22は、調整可能アダプタ1によって、少なくとも実質的に面一又は平坦となるように互いに接続され得る。
【0025】
例えば、
図5~7で最もよく見えるように、基部2は第1のユニット5と第2のユニット4を含む。ここで、第1のユニット5は、長さ方向Lで第2のユニット6に重なる。第1のユニット5は両端部4を有する。ここで、脚部3は、各端部4において第1のユニット5に固定される。第2のユニット6の位置は、第1のユニット5に対して長さ方向Lに調整可能である。第2のユニット6の位置を第1のユニット5に対して調整することにより、基部2の寸法Dが、長さ方向Lにおいて設定され得る。
図5では、基部2が長さ方向Lで最大の寸法D2を有するように、基部2が調整されている。
図5とは対照的に、
図6によれば、基部2は、長さ方向Lで最小の寸法D1を有するように調整されている。
【0026】
図示の実施形態では、第2のユニット6は、脚部3において長さ方向Lに案内される。これに代えて又は加えて、第2のユニット6が、第1のユニット5において長さ方向Lに案内され得る。例えば、第2のユニット6が引き出し式に案内される。例えば、調整可能アダプタ1が、第2のユニット6を第1のユニット5に対して長さ方向Lに案内するための少なくとも1つの線状ガイド7を有する。線状ガイド7は、長さ方向Lに延在するスロットと、スロット内に可動に受容されるか又は受け入れられる摺動要素とを含み得る。例えば、第2のユニット6は、第2のユニット6の第1の端位置P1と第2のユニット6第2の端位置P2との間を、第1のユニット5に対して案内される。
図5で、第2のユニット6は第2の端位置P2にある。
図6では対照的に、第2のユニット6は第1の端位置P1にある。第2のユニット6が第1の端位置P1にあるとき、基部2は長さ方向Lで最小寸法D1を有し得る。第2のユニット6が第2の端位置P2にあるとき、基部2は長さ方向Lで最大寸法D2を有し得る。
【0027】
図示の実施形態によれば、第1のユニット5は薄板13を含む。薄板13は、第1のユニット5の本体14と第2のユニット6との間に配置されている。例えば、薄板13は、重力方向で本体14と第2のユニット6との間に配置されている。薄板13は、本体14において及び/又は第2のユニット6において長さ方向Lに案内される。薄板13は、第2のユニット6の第1の端位置P1と第2の端位置P2との間の距離を拡大することを可能にし得る。
【0028】
例えば、調整可能アダプタ1は少なくとも1つの留め具8を有する。留め具8は、基部2の現行の調整又は設定を解除可能に固定するように構成されている。図に見て取れるように、留め具8は締めねじ9を含み得る。
【0029】
例えば、基部2は、幅方向Wに延在する貫通スロット10を有する。これに加えて又は代えて、脚部3のうちの少なくとも1つ(図示の例では脚部3の各々)に延在する貫通スロット10を有する。ここで、貫通スロット10は、締結要素11を受け入れるか又は受容するように構成されている。締結要素11はねじボルト12であり得る。締結要素11は、例えば、調整可能アダプタ1をモジュール23のうち少なくとも1つに締結するよう構成されている。ここで、貫通スロット10は、モジュール23の互いに対する位置決めについての公差の幅方向Wにおける補正を可能にする。貫通スロット10は、2つのモジュール23の互いに対する横方向のオフセット又は位置ずれの補正を可能にし得る。調整可能アダプタ1は、モジュール23の少なくともわずかな角度ずれの補正を可能にし得る。
【0030】
第2のユニット6はシートメタル製であり得る。第1のユニット5はシートメタル製であり得る。本体14はシートメタル製であり得る。薄板13はシートメタル製であり得る。薄板13は略平坦であり得る。第2のユニット6はS字形の断面を有し得、ここで断面は幅方向Wに対して垂直に向いている。薄板13は突出部を有し得る。少なくともこの突出部において、薄板13の長さ方向Lの延在は、本体14及び/又は第2のユニット6の長さ方向Lの延在よりも大きいものであり得る。
【0031】
検査室システム20の初期設置は以下のように行われ得る。まず、搬送モジュール24が検査室フロア上に位置決めされ、搬送面が水平に延在するように位置合わせされ得る。次に、分別モジュール25が、分別モジュール25を搬送モジュール24の方へ動かすことで、搬送モジュール24に対して位置決めされ得る。分別モジュール25は検査室フロア上を転がるホイールを有し得る。分別モジュール25は、搬送モジュール24の舌状の突出部が分別モジュール25の内部に達するまで、搬送モジュール24の方へ動かされ得る。分別モジュール25が搬送モジュール24に対して所定の公差以内の位置に来るとすぐに、搬送モジュール24に対する分別モジュール25の位置は固定されるか又は比喩的にいうと凍結され得る。
【0032】
搬送モジュール24に対する分別モジュール25の固定のために、分別モジュール25の滑り止め足部が、特にねじ又はレバー機構等によって、足部が検査室フロアに接触するまで下方に延伸され得る。分別モジュール25は足部を伸長することでジャッキアップされ得る。あるいは、分別モジュール25のホイールが格納され得る。次に足部を個別に伸長させることで、分別モジュール25が水平方向に位置合わせされ得る。検査室フロアの不均一性により、搬送モジュール24と分別モジュール25との間のコの字形間隙21は、幅方向Wと長さ方向Lの両方における公差に起因し得る。調整可能アダプタ1は、それらの公差を補正するように構成され得る。調整可能アダプタ1は、モジュール23の少なくともわずかな角度ずれの補正を可能にし得る。
【0033】
調整可能アダプタ1は、特に、搬送システム20の不具合の際にコの字形間隙21を通って試料容器が落下するのを防ぐことができるよう、長さ方向Lとともに幅方向Wにコの字形間隙21を閉じることを可能にする。幅方向Wにおいて、コの字形間隙21の公差は、貫通スロット10を用いて脚部3により補正され得る。脚部3間の幅方向Lの距離は一定又は調整不可能であり得る。よって、脚部3間の距離は、搬送モジュール24の幅、特に、分別モジュール25の内部へ達する、搬送モジュール24の舌状の突出部の幅に対応し得る。
【0034】
調整可能アダプタ1の脚部3が分別モジュール25に締結された後、第2のユニット6が搬送モジュール24の方へと動かされ得る。次に第2のユニット6が、留め具8によって脚部3に締結され得る。次に、コの字形間隙21、特に分別モジュール25と搬送モジュール24の間のコの字形間隙21のベース部分が閉じられるまで、薄板13が搬送モジュール24から離れるように動かされ得る。ここで、薄板13は間隙21の一部を覆いうる。本体14が脚部3に強固に接続され得る。分別モジュール25のフレームは間隙又はスロットを有し得、これにより調整可能アダプタ1、特に薄板13及び/又は第2のユニット6が水平方向に維持されることが保証される。フレームの間隙は、薄板13の突出部を案内するように構成され得る。
【外国語明細書】