IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社小糸製作所の特許一覧

特開2024-15755ターゲット装置、調整方法、調整システム及び調整プログラム
<>
  • 特開-ターゲット装置、調整方法、調整システム及び調整プログラム 図1
  • 特開-ターゲット装置、調整方法、調整システム及び調整プログラム 図2
  • 特開-ターゲット装置、調整方法、調整システム及び調整プログラム 図3
  • 特開-ターゲット装置、調整方法、調整システム及び調整プログラム 図4
  • 特開-ターゲット装置、調整方法、調整システム及び調整プログラム 図5
  • 特開-ターゲット装置、調整方法、調整システム及び調整プログラム 図6
  • 特開-ターゲット装置、調整方法、調整システム及び調整プログラム 図7
  • 特開-ターゲット装置、調整方法、調整システム及び調整プログラム 図8
  • 特開-ターゲット装置、調整方法、調整システム及び調整プログラム 図9
  • 特開-ターゲット装置、調整方法、調整システム及び調整プログラム 図10
  • 特開-ターゲット装置、調整方法、調整システム及び調整プログラム 図11
  • 特開-ターゲット装置、調整方法、調整システム及び調整プログラム 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024015755
(43)【公開日】2024-02-06
(54)【発明の名称】ターゲット装置、調整方法、調整システム及び調整プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/497 20060101AFI20240130BHJP
【FI】
G01S7/497
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022118041
(22)【出願日】2022-07-25
(71)【出願人】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 晃典
【テーマコード(参考)】
5J084
【Fターム(参考)】
5J084AA04
5J084AA05
5J084AA13
5J084AB01
5J084AB07
5J084AB20
5J084AD01
5J084BA55
5J084CA32
5J084CA34
(57)【要約】
【課題】ライダー装置の調整に用いられるターゲット装置の配置の制約を軽減すること。
【解決手段】本開示に係るターゲット装置は、ライダー装置の調整に用いられる。本開示に係るターゲット装置は、前記ライダー装置が照射する測定光を反射する球体を備えることを特徴とする。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライダー装置の調整に用いられるターゲット装置であって、
前記ライダー装置が照射する測定光を反射する球体を備える、
ターゲット装置。
【請求項2】
請求項1に記載のターゲット装置であって、
前記球体を3つ備えており、
3つの前記球体のうちの或る球体の中心は、別の2つの前記球体の中心を結ぶ線と異なる位置に配置されている、
ターゲット装置。
【請求項3】
請求項2に記載のターゲット装置であって、
3つの前記球体のうちの2つの前記球体は、梁部材によって所定の高さに支持されており、
3つの前記球体のうちの1つの前記球体は、前記梁部材に支持された2つの前記球体と異なる高さに配置されている、
ターゲット装置。
【請求項4】
請求項3に記載のターゲット装置であって、
前記梁部材の方位を示す方位磁針を備える、
ターゲット装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載のターゲット装置であって、
支持部材と、
前記支持部材から前記球体を吊り下げる吊下部材と、
を備え、
前記球体が振り子運動する、
ターゲット装置。
【請求項6】
球体を備えるターゲット装置を設置すること、
ライダー装置から前記球体に向けて測定光を照射し、前記球体からの反射光を前記ライダー装置で受光することによって、前記球体の表面における複数点の座標を測定すること、
前記球体の表面の複数点の座標に基づいて、前記球体の位置を測定すること、及び、
前記球体の位置に基づいて、前記ライダー装置を調整すること
を行う調整方法。
【請求項7】
測定光を照射するとともに反射光を受光することによって、前記反射光の反射点の座標を示す座標データを出力するライダー装置と、
前記ライダー装置の前記座標データを処理するコンピューターと、
前記測定光を反射する球体を有するターゲット装置と、
を備え、
前記コンピューターは、
前記ライダー装置の測定範囲に前記球体を配置した状態で、前記球体の表面における複数点の前記座標データを前記ライダー装置から取得し、
前記球体の表面の複数点の前記座標データに基づいて、前記球体の位置を測定し、
前記球体の位置に基づいて、前記ライダー装置の調整に関する調整データを生成する、
調整システム。
【請求項8】
コンピューターに、
ライダー装置の測定範囲に球体を配置した状態で、前記球体の表面における複数点の座標データを前記ライダー装置から取得すること、
前記球体の表面の複数点の前記座標データに基づいて、前記球体の位置を測定すること、及び
前記球体の位置に基づいて、前記ライダー装置の調整に関する調整データを生成すること、
を実行させる調整プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ターゲット装置、調整方法、調整システム及び調整プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両に搭載されるカメラ装置及びライダー装置のそれぞれの軸調整に用いられるターゲット装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-85679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のターゲット部は平板状に構成されているため、ターゲット装置を横から測定することができない。このため、特許文献1記載のターゲット装置を用いる場合、ターゲット装置の配置に制約が生じてしまう。
【0005】
本発明は、ターゲット装置の配置の制約を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明の一形態は、ライダー装置の調整に用いられるターゲット装置であって、前記ライダー装置が照射する測定光を反射する球体を備えるターゲット装置である。
【0007】
その他、本願が開示する課題、及びその解決方法は、発明を実施するための形態の欄、及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ターゲット装置の配置の制約を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態の調整システム1の説明図である。
図2図2は、第1実施形態に用いられるターゲット装置30の説明図である。
図3図3は、第1実施形態の調整方法のフロー図である。
図4図4は、直交座標系(x,y,z)と極座標系(θ,φ,d)の関係を示す説明図である。
図5図5Aは、球体31の点群データを構成するN個の点データの説明図である。図5Bは、角度差分δと距離差分rの説明図である。
図6図6Aは、球体31の表面を示す曲線D(r)の説明図である。図6Bは、曲線D(r)とN個の座標(r,d)との関係の説明図である。
図7図7は、第2実施形態の調整システム1の説明図である。
図8図8は、第2実施形態に用いられるターゲット装置30の説明図である。
図9図9は、第2実施形態の調整方法のフロー図である。
図10図10A及び図10Bは、第2実施形態のターゲット装置30の設置状況の説明図である。
図11図11は、時刻調整のフロー図である。
図12図12は、時刻調整値Δtの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において、同一の又は類似する構成について共通の符号を付して重複した説明を省略することがある。
【0011】
===第1実施形態===
<構成>
図1は、第1実施形態の調整システム1の説明図である。
【0012】
調整システム1は、ライダー装置10にターゲット装置30を測定させることによって、ライダー装置10の調整を行うためのシステムである。なお、ライダー装置10の調整には、例えば、ライダー装置10の配置の調整や、ライダー装置10の出力結果の調整などが含まれる。調整システム1は、ライダー装置10と、制御装置20と、ターゲット装置30とを有する。
【0013】
ライダー装置10は、測定エリアに向かって測定光を照射するとともに、反射光(測定光が測定エリア内の対象物に反射した反射光)を受光することによって、測定エリア内の3次元形状を検出する装置である(LiDAR;Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)。例えば、ライダー装置10は、測定光を照射してから反射光を受光するまでの時間を検出することによって、反射点(測定光を反射して反射光を生じさせたポイント;対象物の表面)までの距離を測定する。また、ライダー装置10は、測定エリアに向かって所定の解像度で測定光を照射するとともに、測定エリアの複数点からの反射光を受光することによって、点群データを生成する。点群データは、点データの集合である。点データは、座標(ここでは3次元座標)を示すデータ(座標データ)である。測定エリアの点群データには、対象物の表面上の点(反射点)の座標を示す点データが含まれている。
【0014】
制御装置20は、調整システム1の制御を司る装置である。制御装置20は、1台又は複数台のコンピューターで構成される。制御装置20は、ライダー装置10から点群データを取得し、後述する調整処理を行う。すなわち、制御装置20は、ライダー装置10の点群データ(座標データ)を処理するコンピューターに相当する。制御装置20は、不図示の演算装置及び記憶装置を有する。演算装置は、例えばCPU、GPUなどの演算処理装置である。演算装置の一部がアナログ演算回路で構成されても良い。記憶装置は、主記憶装置と補助記憶装置とにより構成され、プログラムやデータを記憶する装置である。記憶装置に記憶されているプログラムを演算装置が実行することにより、各種処理が実行される。図中には、制御装置20が行う各種処理の機能ブロックが示されている。制御装置20は、測定部21と、調整部22とを有する。測定部21は、ライダー装置10の点群データに基づいて、測定エリア内の対象物を検出する。例えば、測定部21は、点群データに基づいて、測定エリア内の人や車などの対象物を抽出し、対象物(人や車など)の位置を検出する。調整部22は、ライダー装置10の調整処理を行う。調整処理については後述する。
【0015】
図2は、第1実施形態に用いられるターゲット装置30の説明図である。
ターゲット装置30は、ライダー装置10の調整に用いられる装置であり、基準位置を示す装置である。ターゲット装置30は、球体31と、支持部材32とを有する。
【0016】
球体31は、基準位置を示すための部材(ターゲット部)である。後述するように、球体31の中心(重心)が基準位置となる。球体31は、ライダー装置10が照射する測定光を反射するように構成されている。球体31の表面に、反射膜などが施されていても良い。球体31は、例えば直径30cm程度の大きさであるが、この大きさに限られるものではない。球体31の大きさは、ライダー装置10が球体31の表面を複数の点で測定できる程度である必要がある。
【0017】
球体31がライダー装置10の測定エリアの範囲に配置されていれば、ライダー装置10は、どの位置やどの角度からでも、球体31の半球分の点群データを測定することが可能である。このため、球体31の半球分の点群データに基づいて球体31の中心座標(基準位置)を算出することによって、どの位置やどの角度からでも、ターゲット部の基準位置を算出することが可能である。このような理由から、本実施形態では、基準位置を示すターゲット部を球体31で構成している。なお、半球分の点群データに基づいて球体31の中心座標(基準位置)を算出する方法については、後述する。
【0018】
支持部材32は、球体31を支持するための部材である。ここでは、支持部材32は、球体31の中心が所定の高さになるように、球体31を支持する。支持部材32は、台部33と、支柱34とを有する。台座は、ターゲット装置30を設置するための台となる部位である。支柱34は、球体31を所定の高さで保持する部位である。但し、支持部材32は、このような構成に限られるものではない。
【0019】
支持部材32は、球体31よりも測定光の反射率が低い。これにより、測定エリア全体の点群データから球体31の点群データを抽出し易くなる。支持部材32の表面に測定光を吸収する吸収膜が施されていても良い。
【0020】
次述するように、ターゲット装置30は、測定エリアに設置されたり、撤去されたりすることになる。したがって、ターゲット装置30は、搬送し易い構造であることが望ましい。このため、支持部材32は、折り畳み可能であることが望ましい。また、球体31は、例えば空気袋のようにインフレータブルな構造体であることが望ましい。
【0021】
<調整方法>
図3は、第1実施形態の調整方法のフロー図である。図中のS102~S105の処理は、制御装置20を構成する演算装置が調整プログラムを実行することにより、実現されることになる。
【0022】
まず、作業者は、ターゲット装置30を所定の位置に設置する(S101)。ターゲット装置30は、ライダー装置10の測定エリアの範囲内に設置されることになる。なお、ターゲット装置30の全ての部位がライダー装置10の測定エリアの範囲内に設置されていなくても良く、少なくとも球体31がライダー装置10の測定エリアの範囲内に設置されていれば良い。作業者は、ターゲット装置30を設置した位置(座標)を制御装置20に入力する。これにより、制御装置20は、ターゲット装置30の球体31の中心座標を取得することができる。
【0023】
次に、制御装置20の調整部22は、ライダー装置10に測定エリアを測定させる(S102)。測定エリアにターゲット装置30が設置されているため、ライダー装置10から球体31に向けて測定光が照射されるとともに、球体31からの反射光をライダー装置10で受光することによって、球体31の表面における複数点の座標が測定されることになる。ライダー装置10は、球体31の半球分の点群データを含む測定エリアの点群データを制御装置20に出力する。
【0024】
次に、調整部22は、測定エリアの点群データから、球体31の点群データ(半球分の点群データ)を抽出する(S103)。なお、周知の物体認識処理によって、測定エリアの点群データから球体31の点群データを抽出することが可能である。なお、球体31の点群データを構成する点データは、球体31の表面上の点の座標を示している。
【0025】
次に、調整部22は、球体31の点群データに基づいて、球体31の中心座標(基準位置)を算出する(S104)。なお、球体31の点群データに基づいて球体31の中心座標(基準位置)を算出する方法については、後述する。
【0026】
次に、調整部22は、球体31の中心座標(基準位置)に基づいて、ライダー装置10を調整するための処理を行う(S105)。例えば、S105において、調整部22は、S101で設置されたターゲット装置30の球体31の中心座標と、S104で算出された球体31の中心座標との差に基づいて、調整値(オフセット値;ライダー装置の調整に関する調整データに相当)を算出し、調整値を記憶部(不図示)に記憶する。
【0027】
S105の調整処理後(測定エリアからターゲット装置30が撤去された後)、制御装置20の測定部21は、ライダー装置10から取得した点群データの座標を調整値によって補正することによって、ライダー装置10の原点に対する座標で示された点群データを、地図上の原点に対する座標の点群データに調整することができる。
【0028】
<球体31の中心座標の算出方法について1>
球体31の点群データに基づいて球体31の中心座標(基準位置)を算出する方法について説明する。以下の説明では、球体31の半球分の点群データを構成するN個の点データの示す座標を(x,y,z)とする(i=1,2,3,・・・N)。N個の点データの座標は、それぞれ球体31の表面上の点の座標を示している。
【0029】
まず、調整部22は、N個の点データの示す座標の平均値を算出する。ここでは、N個の点データを平均した座標を(xave,yave,zave)とする。
【0030】
次に、調整部22は、次式に基づいて、球体31の中心座標(x、y、z)を算出する。なお、次式のRは、球体31の半径であり、既知の値である。
【0031】
【数1】
【0032】
<球体31の中心座標の算出方法について2>
前述の算出方法では、球体31の中心座標がライダー装置10側に寄るように算出されるおそれがある。また、前述の算出方法では、球体31の半径が既知である必要がある。そこで、次に説明する算出方法によって、球体31の中心座標を算出しても良い。
【0033】
図4は、直交座標系(x,y,z)と極座標系(θ,φ,d)の関係を示す説明図である。なお、図中の原点は、ライダー装置10の位置に相当する。
まず、調整部22は、直交座標系(x,y,z)で座標を示している点データを、図中に示す極座標系(θ,φ,d)で座標を示す点データに変換する。なお、θは水平角の座標に相当し、φは垂直角の座標に相当し、dは距離(ライダー装置10との距離)の座標に相当する。以下の説明では、球体31の半球分の点群データを構成するN個の点データの示す座標を(θ,φ,d)とする(i=1,2,3,・・・N)。
【0034】
次に、調整部22は、N個の点データの示す座標の平均値を算出する。ここでは、N個の点データを平均した座標を(θave,φave,dave)とする。
【0035】
図5Aは、球体31の点群データを構成するN個の点データの説明図である。図中の各点は、所定解像度(例えば0.1度の解像度)でライダー装置10に測定される測定点を示している。また、図中の黒丸は、球体31の表面上の位置(座標)を示しており、球体31の点群データを構成するN個の点データの示す位置(座標)を示している。図に示すように、ライダー装置10の解像度が均質な場合には、ライダー装置10から見てほぼ対称的に半球上の点の座標が測定される。このため、座標θave及び座標φaveは、球体31の中心(重心)の座標を示すことになる。つまり、球体31の中心座標(θ、φ、d)としたとき、座標θは、θ=θaveとして算出でき、垂直角の座標φは、φ=φaveとして算出できる。なお、ライダー装置10は、球体31のライダー装置10寄りの半球の表面を測定するので、座標daveは、球体31の中心座標よりもライダー装置10側に寄った座標を示すため、球体31の中心座標dにはならない。そこで、次に、球体31の中心(重心)の距離の座標dの算出方法について説明する。
【0036】
図5Bは、角度差分δと距離差分rの説明図である。
【0037】
次に、調整部22は、N個の点データ(θ,φ,d)について、次式に基づいて、球体31の中心(重心)からの角度差分δと、距離差分rとをそれぞれ算出する。これにより、調整部22は、N個の座標(r,d)を取得することができる。
【0038】
【数2】
【0039】
図6Aは、球体31の表面を示す曲線D(r)の説明図である。球体31の中心(重心)の距離の座標をdとし、球体31の中心(重心)からの距離差分をrとし、球体31の半径をRとした場合、図6Aに示すように、球体31の表面を示す曲線D(r)は、次式のように示すことができる。
【0040】
【数3】
【0041】
図6Bは、曲線D(r)とN個の座標(r,d)との関係の説明図である。図中の実線は、球体31の表面の方程式となる曲線D(r)を示している。また、図中の点は、N個の点データから得られた座標(r,d)を示している。
調整部22は、N個の座標(r,d)に基づいて、このN個の座標(r,d)が曲線D(r)に尤もらしく適合するような距離d及び半径Rを求める。言い換えると、調整部22は、N個の座標(r,d)に基づいて、曲線D(r)における距離d及び半径Rの最尤推定値を求める(N個の座標(r,d)に尤もフィットする曲線D(r)を求める)。距離d及び半径Rの最尤推定値は、非線形の単回帰分析により求めることができる。なお、半径Rが既知の場合には、調整部22は、曲線D(r)を示す式中のRに既知の値を代入した上で、N個の座標(r,d)に基づいて、このN個の座標(r,d)に曲線D(r)が尤もらしく適合する距離dを求めても良い。
【0042】
最後に、調整部22は、極座標系で示された球体31の中心(重心)の座標(θ,φ,d)を直交座標系に変換することによって、球体31の中心座標(x,y,z)を算出する。
【0043】
なお、極座標系を利用せずに、球体31の中心座標(x,y,z)を算出しても良い。例えば、球体31の中心座標を(x,y,z)とし、球体31の半径をR(既知)としたとき、球体31の表面の座標(x,y,z)では、球面の方程式となる(x-x+(y-y+(z-z=Rが成立することを利用することが可能である。この場合、調整部22は、球体31の半球分の点群データを構成するN個の点データの示す座標(x,y,z)に基づいて、このN個の座標(x,y,z)が球面の方程式となる(x-x+(y-y+(z-z=Rに尤もらしく適合するようなx、y及びzの最尤推定値を求めることによって、球体31の中心座標(x,y,z)を算出する。
【0044】
===第2実施形態===
<構成>
図7は、第2実施形態の調整システム1の説明図である。
第2実施形態においても、調整システム1は、ライダー装置10と、制御装置20と、ターゲット装置30とを有する。図中には2台のライダー装置10が示されているが、ライダー装置10は1台でも良いし、2台以上でも良い。図中には、2台のライダー装置10が別の角度からT字路を測定することが示されている。但し、ライダー装置10が設置される場所は、T字路や交差点に限られるものではない。
【0045】
図8は、第2実施形態に用いられるターゲット装置30の説明図である。
第2実施形態においても、ターゲット装置30は、球体31と、支持部材32とを有する。第2実施形態では、ターゲット装置30は、3個の球体31を有する。以下の説明では、3個の球体31のことをそれぞれ「第1球体31A」、「第2球体31B」及び「第3球体31P」と区別して呼ぶことがある。
【0046】
3個の球体31は、一直線上に配置されないように配置される。すなわち、或る球体31(例えば第3球体31P)の中心は、別の2つの球体31(例えば第1球体31Aと第2球体31B)の中心を結ぶ線と異なる位置に配置されている。これにより、3個の球体31の中心位置を求めることによって、ライダー装置10の角度(θx、θy、θz;θxはx軸回りの角度、θyはy軸回りの角度、θzはz軸回りの角度)を求めることができ、ライダー装置10の角度を調整することが可能になる(後述)。
【0047】
支持部材32は、台部33と、支柱34とを有するとともに、梁部材35を有する。梁部材35は、2個の球体31を所定の高さに支持する部材である。言い換えると、梁部材35は、2個の球体31を水平に支持する部材である。ここでは、梁部材35は、第1球体31Aと第2球体31Bをそれぞれ支持している。梁部材35の中心が支柱34に支持されることによって、2個の球体31が所定の高さに支持されている。なお、第3球体31Pは、梁部材35が保持する第1球体31A及び第2球体31Bとは異なる高さに配置されている。これにより、第3球体31Pの中心は、第1球体31Aと第2球体31Bの中心を結ぶ線とは異なる位置に配置されることになる。
【0048】
梁部材35には、方位磁針36が設けられている。方位磁針36は、梁部材35の中央部に配置されている。方位磁針36が梁部材35に設けられることによって、所望の方角に沿って第1球体31A及び第2球体31Bを配置し易くなる。例えば、作業者は、方位磁針36を参照し、梁部材35が東西方向に沿うようにターゲット装置30を配置し、第1球体31Aが西側になり第2球体31Bが東側になるように2個の球体31が東西に並ぶようにターゲット装置30を配置することができる。
【0049】
第2実施形態のターゲット装置30は、吊下部材37を有する。吊下部材37は、支持部材32から球体31(ここでは第3球体31P)を吊り下げる部材である。吊下部材37は、糸状、紐状の部材によって構成されている。第3球体31Pは、吊下部材37によって吊り下げられることによって、振り子運動することが可能である。なお、第3球体31Pは、移動しないように支持部材32に固定されていても良い。このように第3球体31Pが固定されていても、3個の球体31の中心位置を求めることによって、ライダー装置10の角度を調整することが可能になる(後述)。但し、第3球体31Pが運動することによって、2台のライダー装置10の時刻を調整することが可能になる(後述)。
【0050】
第2実施形態においても、支持部材32(台部33、支柱34及び梁部材35)は、球体31よりも測定光の反射率が低いことが望ましい。これにより、測定エリア全体の点群データから球体31の点群データを抽出し易くなる。また、第2実施形態においても、支持部材32(台部33、支柱34及び梁部材35)は、折り畳み可能であることが望ましく、また、球体31は、空気袋のようなインフレータブルな構造体であることが望ましい。これにより、ターゲット装置30が搬送し易い構造になり、ターゲット装置30の設置や撤去が容易になる。
【0051】
<調整方法:6軸調整>
図9は、第2実施形態の調整方法のフロー図である。図中のS202~S205の処理は、制御装置20を構成する演算装置が調整プログラムを実行することにより、実現されることになる。
【0052】
第2実施形態においても、まず、作業者は、ターゲット装置30を所定の位置に設置することになる(S201)。なお、ターゲット装置30を用いて2台のライダー装置10の時刻調整(後述)を行うため、ターゲット装置30は、2台のライダー装置10の共通の測定エリアの範囲内に設置されることが望ましい。
【0053】
図10A及び図10Bは、第2実施形態のターゲット装置30の設置状況の説明図である。
【0054】
図10Aには、地図上の座標系が示されている。以下の説明では、地図上の座標系のことを「第1座標系」と呼ぶことがある。第1座標系では、x軸が東西方向に沿っており、東側をプラスx方向とし、西側をマイナスx方向とする。また、y軸が南北方向に沿っており、北側をプラスy方向とし、南側をマイナスy方向とする。また、z軸方向が鉛直方向に沿っており、上側をプラスz方向とする。図10A及び図10Bに示すように、地図上の原点(0,0,0)に対して、ターゲット装置30は、座標(X,Y,Z)に設置されるものとする。また、梁部材35がx軸方向(東西方向)に沿うように、ターゲット装置30が設置されるものとする。本実施形態では、梁部材35に方位磁針36が設けられているため、梁部材35が東西方向に沿うようにターゲット装置30を設置する作業は容易になる。
【0055】
図10Bに示すように、第1球体31A及び第2球体31Bは、梁部材35によって、所定の間隔をあけて支持されている。ここでは、第1球体31Aの中心と第2球体31Bの中心との間隔を2Lとする。また、第1球体31A及び第2球体31Bは、支柱34(及び梁部材35)によって、所定の高さに支持されている。ここでは、第1球体31Aの中心A及び第2球体31Bの中心Bの高さをHとする。また、第1球体31Aの中心Aと第2球体31Bの中心Bとの中間位置をMとし、吊下部材37の上端の位置もMとする。また、第3球体31Pの中心をPとし、中間位置Mから第3球体31Pの中心Pまでの長さ(吊下部材37の長さ)をlとする。なお、この時点では、第3球体31Pを静止させた状態でターゲット装置30が設置される。
【0056】
第1座標系において、第1球体31Aの中心Aの座標は(X-L,Y,Z+H)になり、第2球体31Bの中心Bの座標は(X+L,Y,Z+H)になり、第3球体31Pの中心Pの座標は(X,Y,Z+H-l)になる。また、第1球体31Aの中心をA、第2球体31Bの中心をBとしたとき、第1座標系におけるベクトルABは、[2L 0 0]となる。また、第3球体31Pが静止している状態では、第1座標系におけるベクトルMPは、[0 0 H-l]となる。作業者がターゲット装置30を設置した位置(座標)を制御装置20に入力することによって、制御装置20は、第1座標系における3個の球体の位置(座標)、ベクトルAB及びベクトルMPの情報を取得することができる。
【0057】
次に、制御装置20の調整部22は、ライダー装置10に測定エリアを測定させる(S202)。測定エリアの点群データには、3個の球体31の点群データ(半球分の点群データ)が含まれている。点群データを構成する点データは、ライダー装置10の座標軸に沿った座標を示している。以下の説明では、点群データ上の座標系(ライダー装置10上の座標系)のことを「第2座標系」と呼ぶことがある。
【0058】
次に、調整部22は、測定エリアの点群データから3個の球体31の点群データをそれぞれ抽出し(S203)、それぞれの球体31の点群データに基づいて、球体31の中心座標(基準位置)をそれぞれ算出する(S204)。なお、S203及びS204の処理は、前述のS103及びS104の処理とほぼ同様であるため、ここでは説明を省略する。S204において、第2座標系上の球体31の中心座標が算出されることになる。
【0059】
次に、調整部22は、3個の球体31の中心座標に基づいて、ライダー装置10の6軸(x、y、z、θx、θy及びθz)を調整するための処理を行う(S205)。
例えば、調整部22は、S204で算出した3個の球体31の中心座標に基づいて、第2座標系におけるベクトルAB及びベクトルMPを算出する。そして、調整部22は、第1座標系におけるベクトルAB及びベクトルMPと、第2座標系におけるベクトルAB及びベクトルMPとに基づいて、第1座標系のx軸、y軸及びz軸に対するライダー装置10の角度(x軸回りの角度θx、y軸回りの角度θy、z軸回りの角度θz)を求めることができ、回転座標変換行列を求めることができる。回転座標変換行列は、第1座標系に対する第2座標系の角度(ライダー装置10の角度)を調整するための角度調整値(ライダー装置の調整に関する調整データ)に相当する。また、調整部22は、回転座標変換行列に基づいて第2座標系における球体31の中心座標を変換し、変換後の座標と、第1座標系における球体31の中心座標との差に基づいて、x軸、y軸及びz軸に対するオフセット値を算出する。オフセット値は、第1座標系の原点に対する第2座標系の原点のシフト量を調整するためのシフト量調整値(ライダー装置の調整に関する調整データ)に相当する。調整部22は、角度調整値及びシフト量調整値を記憶部(不図示)に記憶する。なお、調整処理後(測定エリアからターゲット装置30が撤去された後)、制御装置20の測定部21は、ライダー装置10から取得した点群データの座標を調整値(角度調整値及びシフト量調整値)によって補正することによって、第2座標系で示された点群データを、第1座標系で示された点群データに調整することができる。
【0060】
<調整方法:時刻調整>
図11は、時刻調整のフロー図である。図中のS302~S304の処理は、制御装置20を構成する演算装置が調整プログラムを実行することにより、実現されることになる。
【0061】
図中の時刻調整の処理が行われる前に、2台のライダー装置10のそれぞれに対して、図10に示す調整処理が予め行われている。このため、時刻調整を行う段階では、調整部22は、それぞれのライダー装置10で測定した座標を、共通の第1座標系の座標に変換可能である。また、時刻調整を行う際には、ターゲット装置30は、2台のライダー装置10の共通の測定エリアの範囲内に設置されている。
【0062】
まず、作業者は、ターゲット装置30の第3球体31Pに振り子運動をさせる(S301)。次に、制御装置20の調整部22は、2台のライダー装置10を用いて、運動中の第3球体31Pを同時に測定する(S302)。調整部22は、それぞれのライダー装置10に対して、測定エリアを測定させて測定エリアの点群データを取得し、測定エリアの点群データから第3球体31Pの点群データを抽出し、第3球体31Pの点群データに基づいて第3球体31Pの中心座標を算出することを繰り返すことによって、時刻ごとの第3球体31Pの中心座標を算出する(S303)。なお、既に図10に示す調整処理が予め行われているため、調整部22は、第1座標系での第3球体31Pの中心座標を時刻ごとに算出する。
【0063】
図12は、時刻調整値Δtの説明図である。図中には、一方のライダー装置10で測定された第3球体31Pの中心座標の時間変化P1(t)と、他方のライダー装置10で測定された第3球体31Pの中心座標の時間変化P2(t)が示されている。図中の横軸は時間tである。図中の縦軸は、例えば第3球体31Pのx座標(第1座標系)であるが、他の座標でも良い。
【0064】
2台のライダー装置10の内蔵時計がずれている場合、図中に示すように、2台のライダー装置10がS302において同時に第3球体31Pを測定しても、それぞれのライダー装置10で測定された第3球体31Pの中心座標の時間変化がずれることがある。このため、調整部22は、時刻ごとの第3球体31Pの中心座標に基づいて、2台のライダー装置10の時刻を調整する(S304)。例えば、調整部22は、一方のライダー装置10で測定された第3球体31Pの中心座標と、他方のライダー装置10で測定された第3球体31Pの中心座標との差分が最小となるようなオフセット値(時刻調整値)を算出する。言い換えると、調整部22は、P1(t)-P2(t+Δt)が最小となるような時刻調整値Δtを算出する。
【0065】
なお、調整処理後(測定エリアからターゲット装置30が撤去された後)、制御装置20の測定部21は、ライダー装置10から取得した点群データの時刻情報(タイムスタンプ)を時刻調整値Δtによって補正することによって、複数のライダー装置10の点群データの時刻情報を調整することができ、複数のライダー装置10間で時刻同期を行うことができる。
【0066】
本実施形態では、制御装置20の調整部22は、ライダー装置10の調整として、ライダー装置10の出力結果の調整(点群データの座標の補正)を行っている。但し、ライダー装置10の調整は、これに限られるものではない。例えば、制御装置20の調整部22は、ライダー装置10の配置の調整のため、調整値(ライダー装置の調整に関する調整データに相当)をディスプレイに表示しても良い。これにより、作業者は、ディスプレイ上に表示された調整値に従って、ライダー装置10の位置や角度を調整することができる。
【0067】
===小括===
第1実施形態及び第2実施形態のターゲット装置30は、ライダー装置10が照射する測定光を反射する球体31を備える。これにより、どの位置やどの角度からでもライダー装置10が球体31の半球分の点群データを測定できるため、ターゲット装置30の配置の制約を軽減することができる。
【0068】
また、第2実施形態のターゲット装置30は、球体31を3つ備えており、3つの球体31の或る球体31(例えば第3球体31P)の中心は、別の2つの球体31(例えば第1球体31Aと第2球体31B)の中心を結ぶ線と異なる位置に配置されている。これにより、ライダー装置10の角度を調整することが可能になる。
【0069】
また、第2実施形態のターゲット装置30では、2つの球体31(第1球体31A及び第2球体31B)は梁部材35によって所定の高さに支持されており、1つの球体31(第3球体31P)は、梁部材35によって支持された2つの球体31と異なる高さに配置されている。これにより、3つの球体31が一直線上に位置しないように、3つの球体31を配置できる。
【0070】
また、第2実施形態のターゲット装置30は、梁部材35の方位を示す方位磁針36を備えている。これにより、2つの球体31が所定の方角に沿うようにターゲット装置30を設置することが容易になる。
【0071】
また、第2実施形態のターゲット装置30は、支持部材32と、支持部材32から球体31を吊り下げる吊下部材37を備えており、球体31に振り子運動をさせることが可能である。これにより、ライダー装置10の時刻調整が可能になる。
【0072】
なお、第1実施形態及び第2実施形態では、支持部材32は、球体31よりも測定光の反射率が低いことが望ましい。これにより、球体31の点群データを抽出し易くなる。また、第1実施形態及び第2実施形態では、支持部材32は、折り畳み可能であることが望ましい。これにより、ターゲット装置30が搬送し易い構造になる。また、第1実施形態及び第2実施形態では、球体31は、インフレータブルな構造体であることが望ましい。これにより、ターゲット装置30が搬送し易い構造になる。
【0073】
第1実施形態及び第2実施形態の調整方法では、球体31を備えるターゲット装置30をライダー装置10の測定エリア(測定範囲)に設置すること(S101、S201)、ライダー装置10を用いて球体31の表面における複数点の座標を測定すること(S102及びS103、S202及びS203)、球体31の表面の複数点の座標に基づいて球体31の位置を測定すること(S104、S204)、及び、球体31の位置に基づいてライダー装置10を調整すること(S105、S205)、が行われる。このような調整方法によれば、ターゲット装置30の配置の制約を軽減することができるため、ライダー装置10の調整作業が容易になる。
【0074】
なお、第1実施形態及び第2実施形態の調整方法では、点群データを構成する複数個の点データの示す座標(x,y,z)に基づいて、この複数個の座標(x,y,z)が球面の方程式に尤もらしく適合するような最尤推定値が求められることによって、球面の中心座標(x,y,z)が算出される。これにより、どの位置やどの角度からでもライダー装置10がターゲット装置30の基準位置(球体31の中心)を測定することができる。
【0075】
また、第1実施形態及び第2実施形態の調整方法では、ターゲット装置30の設置位置と、ライダー装置10によって測定された球体31の中心位置とに基づいて、ライダー装置10の位置を調整する。これにより、基準となる座標系と、ライダー装置10の座標系とのずれを調整できる。また、第2実施形態の調整方法では、ライダー装置10によって測定された3個の球体31の中心位置に基づいて、ライダー装置10の角度を調整する。これにより、基準となる座標系と、ライダー装置10の座標系との角度のずれを調整できる。また、第2実施形態では、球体31に運動をさせるとともに、2台のライダー装置10によって、時刻ごとの球体31の位置を測定し、2つのライダー装置10で測定された時刻ごとの球体31の位置に基づいて、2台のライダー装置10の時刻を調整する。これにより、2台のライダー装置10の時刻のずれを調整できる。
【0076】
第1実施形態及び第2実施形態の調整システム1は、ライダー装置10と、制御装置20(コンピューターに相当)と、ターゲット装置30とを備えている。そして、制御装置20(コンピューターに相当)は、ライダー装置10の測定エリア(測定範囲)にターゲット装置30の球体31を配置した状態で、球体31の表面における複数点の座標をライダー装置10から取得すること(S102及びS103、S202及びS203)、球体31の表面の複数点の座標に基づいて球体31の位置を測定すること(S104、S204)、及び、球体31の位置に基づいてライダー装置10を調整すること(S105、S205)、を行う。このような調整システム1によれば、ターゲット装置30の配置の制約を軽減することができるため、ライダー装置10の調整作業が容易になる。
【0077】
また、第1実施形態及び第2実施形態の調整プログラムは、制御装置20(コンピューターに相当)に、ライダー装置10の測定エリア(測定範囲)にターゲット装置30の球体31を配置した状態で、球体31の表面における複数点の座標をライダー装置10から取得すること(S102及びS103、S202及びS203)、球体31の表面の複数点の座標に基づいて球体31の位置を測定すること(S104、S204)、及び、球体31の位置に基づいてライダー装置10の調整に関する調整データを生成すること(S105、S205)、を行う。このような調整プログラムによれば、ターゲット装置30の配置の制約を軽減することができるため、ライダー装置10の調整作業が容易になる。
【0078】
以上、本発明の実施形態につき詳述したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。また、上記の実施形態は本発明を分かりやすく説明するために構成を詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、上記の実施形態の構成の一部について、他の構成に追加、削除、置換することが可能である。
【符号の説明】
【0079】
1 調整システム、10 ライダー装置、
20 制御装置、21 測定部、22 調整部、
30 ターゲット装置、31 球体、
31A 第1球体、31B 第2球体、31P 第3球体、
32 支持部材、33 台部、34 支柱、
35 梁部材、36 方位磁針、
37 吊下部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12