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特開2024-15756障害物検出システム、障害物検出方法、障害物検出装置及び障害物検出プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024015756
(43)【公開日】2024-02-06
(54)【発明の名称】障害物検出システム、障害物検出方法、障害物検出装置及び障害物検出プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20240130BHJP
   G01S 17/931 20200101ALI20240130BHJP
   G01S 17/66 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
G08G1/16 C
G01S17/931
G01S17/66
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022118042
(22)【出願日】2022-07-25
(71)【出願人】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】海野 晃人
【テーマコード(参考)】
5H181
5J084
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181CC03
5H181CC14
5H181LL04
5H181LL07
5H181LL08
5J084AA04
5J084AA05
5J084AB01
5J084AB07
5J084AB20
5J084AD01
5J084CA31
5J084DA07
5J084EA22
5J084EA23
5J084EA29
(57)【要約】
【課題】他の装置から軌跡情報を受信せずに、アクティブに障害物を検出すること。
【解決手段】本開示に係る障害物検出システムは、測定光を測定エリアに照射し前記測定エリアからの反射光を受光することによって、前記測定エリアにおいて前記反射光を反射した反射点を検出するライダー装置と、前記反射点に基づいて、前記測定エリアにおいて移動する移動体を検出する制御装置と、を備える。前記制御装置は、前記移動体を検出することを繰り返すことによって、前記移動体の移動ルートを取得し、前記移動ルートに基づいて障害物を検出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定光を測定エリアに照射し前記測定エリアからの反射光を受光することによって、前記測定エリアにおいて前記反射光を反射した反射点を検出するライダー装置と、
前記反射点に基づいて、前記測定エリアにおいて移動する移動体を検出する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記移動体を検出することを繰り返すことによって、前記移動体の移動ルートを取得し、
前記移動ルートに基づいて障害物を検出する、
障害物検出システム。
【請求項2】
請求項1に記載の障害物検出システムであって、
前記制御装置は、前記移動ルートにおける前記移動体の移動方向の変化に基づいて、前記障害物を検出する、
障害物検出システム。
【請求項3】
請求項2に記載の障害物検出システムであって、
前記制御装置は、予め設定された許容エリアにおいて前記移動体の前記移動方向が変化する場合には、前記障害物を検出しない、
障害物検出システム。
【請求項4】
請求項1に記載の障害物検出システムであって、
前記制御装置は、
基準ルートと、前記移動ルートとを比較し、
前記基準ルートと前記移動ルートとの比較結果に基づいて、前記障害物を検出する、
障害物検出システム。
【請求項5】
請求項4に記載の障害物検出システムであって、
前記制御装置は、複数の前記移動体のそれぞれの前記移動ルートに基づいて、前記基準ルートを取得する、
障害物検出システム。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の障害物検出システムであって、
前記制御装置は、前記障害物を検出したとき、前記障害物が前記基準ルートにあることを示す障害物位置情報を出力する、
障害物検出システム。
【請求項7】
請求項1に記載の障害物検出システムであって、
前記制御装置は、
前記移動体が特定の属性の場合に、前記移動体の前記移動ルートに基づいて、前記障害物を検出する、
障害物検出システム。
【請求項8】
測定エリアの情報を出力するライダー装置と、
前記ライダー装置から前記情報を受信するとともに、前記測定エリアにおいて移動する移動体を検出する制御装置と、
を備え、
前記移動体が前記測定エリア内の第1ルートに沿って移動する場合には、障害物を検出せず、
前記移動体が前記第1ルートから外れた第2ルートに沿って移動する場合には、障害物を検出する、
障害物検出システム。
【請求項9】
測定光を測定エリアに照射し前記測定エリアからの反射光を受光することによって、前記測定エリアにおいて前記反射光を反射した反射点を検出すること、
前記反射点に基づいて、前記測定エリアにおいて移動する移動体を検出すること、
前記移動体を検出することを繰り返すことによって、前記移動体の移動ルートを取得すること、及び、
前記移動ルートに基づいて障害物を検出すること
を行う障害物検出方法。
【請求項10】
測定光を測定エリアに照射し前記測定エリアからの反射光を受光することによって前記測定エリアにおいて前記反射光を反射した反射点を検出するライダー装置から、前記反射点に関するデータを取得するデータ取得部と、
前記反射点に基づいて、前記測定エリアにおいて移動する移動体を検出する移動体検出部と、
前記移動体を検出することを繰り返すことによって、前記移動体の移動ルートを取得するルート取得部と、
前記移動ルートに基づいて障害物を検出する障害物検出部と、
を備える障害物検出装置。
【請求項11】
コンピューターに、
測定光を測定エリアに照射し前記測定エリアからの反射光を受光することによって前記測定エリアにおいて前記反射光を反射した反射点を検出するライダー装置から、前記反射点に関するデータを取得すること、
前記反射点に基づいて、前記測定エリアにおいて移動する移動体を検出すること、
前記移動体を検出することを繰り返すことによって、前記移動体の移動ルートを取得すること、及び、
前記移動ルートに基づいて障害物を検出すること
を実行させる障害物検出プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、障害物検出システム、障害物検出方法、障害物検出装置及び障害物検出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、障害物を回避するように走行した車両のカーナビゲーション装置が、自車の走行軌跡の情報を後続車両のカーナビゲーション装置に送信する障害物検知システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-242552号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の後続車両は、障害物を回避した先行車両が送信した走行軌跡情報を受信することによって、障害物を検知することになる。このため、走行軌跡情報を送信する装置を先行車両が搭載していない場合、後続車両は、障害物を検知することができない。
【0005】
本発明は、アクティブに障害物を検出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明の一形態は、測定光を測定エリアに照射し前記測定エリアからの反射光を受光することによって、前記測定エリアにおいて前記反射光を反射した反射点を検出するライダー装置と、前記反射点に基づいて、前記測定エリアにおいて移動する移動体を検出する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記移動体を検出することを繰り返すことによって、前記移動体の移動ルートを取得し、前記移動ルートに基づいて障害物を検出する、障害物検出システムである。
【0007】
その他、本願が開示する課題、及びその解決方法は、発明を実施するための形態の欄、及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、アクティブに障害物を検出することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態の障害物検出システム1の説明図である。
図2図2A及び図2Bは、移動体Mの移動ルートRの説明図である。
図3図3は、第1実施形態の障害物検出処理のフロー図である。
図4図4は、障害物の位置の検出方法の説明図である。
図5図5は、変形例の障害物検出処理のフロー図である。
図6図6は、許容エリア41の説明図である。
図7図7は、第2実施形態の障害物検出システム1の説明図である。
図8図8は、第2実施形態の障害物検出処理のフロー図である。
図9図9は、参照テーブルの説明図である。
図10図10A及び図10Bは、移動ルートR及び基準ルートRrの説明図である。
図11図11Aは、障害物の推定位置の説明図である。図11Bは、障害物の推定位置の別の説明図である。
図12図12A及び図12Bは、基準ルートRrの取得方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において、同一の又は類似する構成について共通の符号を付して重複した説明を省略することがある。
【0011】
===第1実施形態===
<構成>
図1は、第1実施形態の障害物検出システム1の説明図である。
【0012】
障害物検出システム1は、ライダー装置10を用いて障害物を検出するためのシステムである。障害物検出システム1は、ライダー装置10と、制御装置20とを有する。
【0013】
ライダー装置10は、測定エリアに向かって測定光を照射するとともに、反射光(測定光が測定エリア内の対象物に反射した反射光)を受光することによって、測定エリア内の3次元形状を検出する装置である(LiDAR;Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)。例えば、ライダー装置10は、測定光を照射してから反射光を受光するまでの時間を検出することによって、反射点(測定光を反射して反射光を生じさせたポイント;対象物の表面)までの距離を測定する。また、ライダー装置10は、測定エリアに向かって所定の解像度で測定光を照射するとともに、測定エリアの複数点からの反射光を受光することによって、点群データを生成する。点群データは、点データの集合である。点データは、座標(ここでは3次元座標)を示すデータ(座標データ)である。点データは、測定光を反射して反射光を生じさせた反射点の座標を示している。以下の説明では、1回の測定で得られる測定エリアの点群データのことを「フレーム」と呼ぶことがある。1フレームを構成する点群データは、或るタイミングにおける測定エリア内の3次元形状を示している。1フレームは、所定の解像度の多数の点データを含んでいる。
【0014】
ここでは、ライダー装置10は、測定エリアに道路31(歩道や車道)が含まれるように、設置されている。静止したライダー装置10によって、道路31を移動する移動体M(人や車など)が測定されることになる。但し、ライダー装置10の設置場所は、これに限られるものではない。
【0015】
制御装置20は、障害物検出システム1の制御を司る装置である。制御装置20は、1台又は複数台のコンピューターで構成される。制御装置20は、ライダー装置10から点群データ(フレーム)を取得し、障害物検出処理を含む各種処理を行う。制御装置20は、ライダー装置10から取得したデータに基づいて障害物を検出するコンピューターに相当する。制御装置20は、不図示の演算装置及び記憶装置を有する。演算装置は、例えばCPU、GPUなどの演算処理装置である。演算装置の一部がアナログ演算回路で構成されても良い。記憶装置は、主記憶装置と補助記憶装置とにより構成され、プログラムやデータを記憶する装置である。記憶装置に記憶されているプログラムを演算装置が実行することにより、各種処理が実行される。図中には、制御装置20が行う各種処理の機能ブロックが示されている。制御装置20は、データ取得部21と、移動体検出部22と、ルート取得部23と、障害物検出部24と、出力部25とを有する。なお、これらの機能ブロックは、演算装置が障害物検出プログラムを実行することによって実現されることになる。
【0016】
データ取得部21は、ライダー装置10から点群データ(フレーム)を取得する。データ取得部21は、所定時間ごとにライダー装置10から点群データ(フレーム)を繰り返し取得することになる。
【0017】
移動体検出部22は、測定エリアにおいて移動する移動体Mを検出する。例えば、移動体検出部22は、或るフレーム(第1フレーム)と、その前に取得したフレーム(第2フレーム)との差分を計算することによって差分フレームを算出し、差分フレームから移動体Mの領域を抽出することによって、移動体Mを検出する。移動体検出部22は、第1フレームの直前に取得したフレームを第2フレームとして、差分フレームを算出しても良い(連続するフレームを用いて差分フレームを算出しても良い)。若しくは、移動体検出部22は、予め取得した背景フレームを第2フレームとして、差分フレームを算出しても良い。この場合、背景フレームは、例えば早朝にライダー装置10が測定エリアを測定することによって取得されることになる。ここでは、移動体検出部22は、移動体Mの検出結果として、移動体Mの位置(例えば移動体Mの中心の座標)を算出するものとする。なお、後述するように、移動体検出部22は、移動体Mの属性(人、自動車など)や、移動体Mの向きなどを検出しても良い。
【0018】
ところで、移動体検出部22は、移動する移動体Mを検出するように構成されているため(移動体Mを補足することを目的として構成されているため)、停止し続けている障害物を直接的には検出することができない。そこで、本実施形態では、移動体Mの検出結果から移動ルート(軌跡)を求め、この移動ルートに基づいて障害物を検出している。以下、この点について、説明する。
【0019】
図2A及び図2Bは、移動体Mの移動ルートRの説明図である。図2Aは、障害物が無い場合の移動ルートRの説明図である。図2Bは、障害物がある場合の移動ルートRの説明図である。図中の×印は、移動体検出部22によって検出された移動体Mの位置(座標)を示している。図中には、複数の×印が示されており、移動体検出部22が移動体Mの検出を繰り返すことによって求められた移動体Mの複数の位置が示されている。なお、図中には、路端を示す線(道路31の幅を示す線)が描かれているが、この線は移動ルートRを説明するためのものであり、移動体検出部22の実際の検出結果には、この線は含まれていない。
【0020】
ルート取得部23は、移動体Mを検出することを繰り返すことによって、移動体Mの移動ルートR(移動体Mの軌跡)を取得する。ここでは、ルート取得部23は、フレームが更新されるごとに移動体検出部22が算出した移動体Mの位置(座標)のデータを蓄積することによって、移動体Mの移動ルートR(移動体Mの位置の履歴;移動体Mの軌跡)を示すデータを取得する。
【0021】
図2Aに示すように、道路31に障害物が無い場合、移動方向(移動体Mの進行方向)の変化の小さい移動ルートRになる。これに対し、図2Bに示すように、道路31に障害物がある場合には移動方向の変化の大きい場所が移動ルートRに現れる。本実施形態では、この現象を利用して障害物を検出する。
【0022】
障害物検出部24は、移動体Mの移動ルートRに基づいて、障害物を検出する。ここでは、障害物検出部24は、障害物の有無を検出する。図3は、第1実施形態の障害物検出処理のフロー図である。図中の各処理は、制御装置20を構成する演算装置が障害物検出プログラムを実行することにより実現される。第1実施形態の障害物検出部24は、次に説明するように、移動ルートRにおける移動体Mの移動方向の変化に基づいて、障害物を検出する。
【0023】
まず、障害物検出部24は、移動体Mの移動ルートRの情報を取得する(S101)。障害物検出部24は、ルート取得部23から移動ルートRの情報を取得することになる。
【0024】
次に、障害物検出部24は、移動ルートRにおける移動体Mの移動方向の変化が所定範囲内か否かを判定する(S102)。そして、障害物検出部24は、移動ルートRにおける移動体Mの移動方向の変化が所定範囲内の場合(S102でYES)、障害物が無いと判定する(S103)。また、障害物検出部24は、移動ルートRにおける移動体Mの移動方向の変化が所定範囲を超える場合(S102でNO)、障害物があると判定する(S104)。言い換えると、障害物検出部24は、移動ルートRにおける移動体Mの移動方向の変化が所定範囲を超える場合(S102でNO)、障害物を検出する(S104)。例えば、障害物検出部24は、或る位置における移動体Mの移動方向と、その位置に至る前の移動体Mの移動方向との角度差(移動方向の変化量に相当)を算出し、その角度差が閾値以内か否かを判定し(S102)、その角度差が閾値以内の場合には障害物が無いと判定し(S103)、その角度差が閾値を超える場合には障害物があると判定する(S104)。図2Bに示すケースでは、位置P5から位置P6までの間の移動方向と、それ以前の移動方向(位置P1~位置P5までの間の移動方向)との角度差が閾値よりも大きくなることから、障害物検出部24は、障害物を検出することができる。
【0025】
障害物検出部24は、移動体Mが特定の属性の場合に障害物を検出するように構成されても良い。例えば、移動体検出部22が移動体Mの属性(人、自動車など)を検出し、障害物検出部24は、移動体Mの属性が人の場合には障害物の検出処理を行わず、移動体Mの属性が自動車の場合にその移動体M(自動車)の移動ルートRに基づいて障害物の有無を検出しても良い。これにより、例えば路上駐車の検出のように、特定の障害物の検出が可能になる。また、これにより、障害物の検出のための演算負荷を抑制できる。
【0026】
障害物検出部24は、障害物の有無だけでなく、障害物の位置を検出しても良い。例えば、障害物検出部24は、或る位置における移動体Mの移動方向と、その位置に至る前の移動体Mの移動方向との差(角度差)が閾値を超える場合には、その位置の近傍(詳しくは、その位置から見て、それ以前の移動方向の側)に障害物があると判定する。図2Bに示すケースでは、障害物検出部24は、位置P5の近傍(詳しくは、位置P5の図中右側)に障害物があると判定することになる。
【0027】
障害物検出部24は、次に説明するように、障害物の位置を特定しても良い。図4は、障害物の位置の検出方法の説明図である。障害物検出部24は、移動体Mが移動方向を変更する前の移動体Mの位置の履歴に基づいて、移動量A(ベクトルA)を算出する。例えば、移動量Aは、位置P5の座標と、その直前の位置P4の座標との差によって算出される。若しくは、移動量Aは、位置P5に至る前の移動量の平均によって算出されても良い。次に、障害物検出部24は、移動体Mが移動方向を変更した位置(ここでは位置P5の座標)に移動量A(ベクトルA)を加算することによって、障害物の推定位置Pxの座標を算出する。障害物の推定位置Pxは、移動方向を変更する前の移動体Mの移動方向の延長上の位置することになる。
【0028】
図5は、変形例の障害物検出処理のフロー図である。図6は、許容エリア41の説明図である。変形例では、障害物検出部24に許容エリア41が予め設定されている。変形例では、障害物検出部24は、移動体Mの移動方向の変化が所定範囲を超える場合であっても(S102でNO)、移動方向を変更した位置が許容エリア41内であれば(S111でYES)、障害物が無いと判定する(障害物を検出しない)。これにより、障害物とは別の理由(例えばT字路など)によって移動体Mの移動方向が大きく変化する状況下において、障害物の誤検出を抑制できる。
【0029】
本実施形態では、障害物検出部24が移動体Mの移動ルートR(軌跡)に基づいて障害物を検出するため、たとえ障害物が停止し続けていても、障害物を検出することが可能である。また、例えば「水たまり」のように3次元形状として現れない障害物の場合、ライダー装置10は障害物を直接的に測定することはできないことがある。但し、本実施形態では、障害物検出部24が移動体Mの移動ルートR(軌跡)に基づいて障害物を検出するため、「水たまり」のように3次元形状として現れない障害物を検出することが可能である。
【0030】
出力部25は、検出結果を出力する。例えば、出力部25は、障害物検出部24が障害物を検出した場合に、障害物がある旨の情報を外部に出力する。障害物がある旨の情報(障害物情報)の出力方法として、障害物情報を外部に送信すること、障害物情報をディスプレイに表示すること、障害物があることを報知する音響データ(障害物情報に相当)をスピーカーに出力すること等が含まれる。なお、障害物検出部24が障害物の位置を検出する場合には、出力部25は、障害物の位置を示す情報(障害物位置情報)を外部に出力しても良い。また、出力部25は、移動体Mの有無や位置、移動ルートRなどの情報を外部に出力しても良い。
【0031】
===第2実施形態===
図7は、第2実施形態の障害物検出システム1の説明図である。
【0032】
第2実施形態においても、障害物検出システム1は、ライダー装置10と、制御装置20とを有する。第2実施形態では、ライダー装置10の測定エリアには、自動車が走行する道路31(車道31B)、人が歩行する道路31(歩道31A)、及び、車道31Bを横切るように設けられた横断歩道などが含まれている。第2実施形態においても、制御装置20は、データ取得部21と、移動体検出部22と、ルート取得部23と、障害物検出部24と、出力部25とを有する。
【0033】
図8は、第2実施形態の障害物検出処理のフロー図である。第2実施形態においても、障害物検出部24は、移動体Mの移動ルートRに基づいて、障害物を検出する。図中の各処理は、制御装置20を構成する演算装置が障害物検出プログラムを実行することにより実現される。なお、第2実施形態の障害物検出部24は、基準ルートRrと移動ルートRとを比較することによって、障害物の有無を検出する。
【0034】
まず、障害物検出部24は、移動体Mの移動ルートRの情報を取得する(S201)。既に説明した通り、移動体検出部22が移動体Mを検出し、この移動体Mの検出を繰り返すことによってルート取得部23が移動体Mの移動ルートRを検出し、障害物検出部24は、移動取得部から移動ルートRの情報を取得することになる。また、第2実施形態では、移動体検出部22は、移動体Mの属性(人又は自動車)と、移動体Mの向き(図中の右向き又は左向きなど)を検出しており、障害物検出部24は、移動体Mの移動ルートRの情報を取得するときに、その移動体Mの属性情報(人又は自動車)や向き情報を取得する。
【0035】
次に、障害物検出部24は、基準ルートRrの情報を取得する(S202)。基準ルートRrは、障害物が無い場合における移動体Mの移動ルートRを示している。障害物検出部24は、複数の基準ルートRrの情報を予め備えており(基準ルートRrを取得する方法については、後述する)、障害物検出部24は、S201で移動ルートRとともに取得した移動体Mの属性情報や向き情報に基づいて、その移動体Mの属性や向きに対応する基準ルートRrの情報を取得する。
【0036】
図9は、参照テーブルの説明図である。参照テーブルには、移動体Mの属性及び向きと、基準ルートRrの種別とが対応付けられている。参照テーブルには、「歩道用」、「第1レーン用」及び「第2レーン用」のそれぞれの基準ルートRr(Rr0~Rr2)に対する属性及び向きの条件が対応付けられている。例えば、障害物検出部24は、参照テーブルを参照し、移動体Mの属性が「人」の場合には、「歩道用」の基準ルートRr0の情報を取得する。また、障害物検出部24は、参照テーブルを参照し、移動体Mの属性が「自動車」であり移動体Mの向きが「右」の場合には、「第1レーン用」の基準ルートRr1の情報を取得し、移動体Mの属性が「自動車」であり向きが「左」の場合には、「第2レーン用」の基準ルートRr2の情報を取得する。
【0037】
図10A及び図10Bは、移動ルートR及び基準ルートRrの説明図である。図中の実線矢印は移動体Mの移動ルートRを示しており、図中の点線は基準ルートRrを示している。図10Aには、障害物が無い場合の移動ルートRが示されている。図10Bには、障害物がある場合の移動ルートRが示されている。
【0038】
図10Aに示すように、障害物が無い場合には、移動体Mは、基準ルートRrに沿って移動することになる。これに対し、図10Bに示すように、基準ルートRrに障害物がある場合には、移動体Mは、障害物を避けて移動する結果、移動ルートRが基準ルートRrから大きく外れる様子が現れる。本実施形態では、この現象を利用して障害物を検出することになる。
【0039】
障害物検出部24は、基準ルートRrと移動ルートRとを比較し、基準ルートRrと移動ルートRとの距離(間隔;比較結果に相当)が所定範囲内か否かを判定する(S203)。そして、障害物検出部24は、基準ルートRrと移動ルートRとの距離が所定範囲内の場合(S203でYES)、障害物が無いと判定する(S204)。また、障害物検出部24は、基準ルートRrと移動ルートRとの距離が所定範囲を超える場合(S203でNO)、障害物があると判定する(S205;障害物を検出する)。例えば、図10Bに示すケースでは、基準ルートRrと移動ルートRとの距離L(最大距離)が閾値よりも大きくなることから、障害物検出部24は、障害物を検出することができる。
【0040】
なお、第2実施形態では、障害物検出部24は、基準ルートRrと移動ルートRとの距離に基づいて障害物を検出するが、基準ルートRrと移動ルートRとの比較結果は、基準ルートRrと移動ルートRとの距離に限られるものではない。例えば、障害物検出部24は、基準ルートRrと移動ルートRとの比較結果として、或る位置における移動ルートRの傾き(その位置における移動体の移動方向を示す)と、その位置近傍における基準ルートRrの傾きとの差(比較結果に相当)を算出し、その差に基づいて障害物を検出しても良い。若しくは、基準ルートRrが閾値に相当する幅で設定される場合には、障害物検出部24は、基準ルートRrとして設定された領域から移動ルートRが外れるか否か(比較結果に相当)に基づいて障害物を検出しても良い。
【0041】
上記の第2実施形態では、障害物検出部24は、移動体Mの属性(及び向き)を特定し、移動体Mの属性(及び向き)に対応する基準ルートRrを取得し、基準ルートRrとその移動体Mの移動ルートRとに基づいて障害物を検出している。但し、障害物検出部24は、移動体Mが特定の属性の場合に障害物を検出するように構成されても良い。例えば、障害物検出部24は、移動体Mの属性が人の場合には障害物の検出処理を行わず、移動体Mの属性が自動車の場合に、基準ルートRrとその移動体M(自動車)の移動ルートRとに基づいて障害物を検出しても良い。これにより、例えば路上駐車の検出のように、特定の障害物の検出が可能になる。また、これにより、障害物の検出のための演算負荷を抑制できるとともに、予め準備すべき基準ルートRrの情報量を減らすことができる。
【0042】
第2実施形態においても、障害物検出部24は、障害物の有無だけでなく、障害物の位置を検出しても良い。
図11Aは、障害物の推定位置の説明図である。図中の太線は、基準ルートRrまでの距離が閾値L0を超えている移動ルートRの範囲を示している。障害物検出部24は、基準ルートRrと移動ルートRとの距離が閾値L0を超える範囲を特定し、その範囲における基準ルートRr上の位置(図中の二重矢印の範囲)に障害物があると推定する。このように、障害物検出部24は、基準ルートRrと移動ルートRとの距離が閾値を超えている場合には、障害物が基準ルートRr上にあることを特定する。
図11Bは、障害物の推定位置の別の説明図である。移動体M(例えば人)が障害物を回避した後、回避前の延長上のルートに戻らないことがある。この場合、障害物が無い範囲においても、基準ルートRrと移動ルートRとの距離が閾値L0を超える場合がある。そこで、障害物検出部24は、基準ルートRrと複数の移動ルートRとを比較し、基準ルートRrと移動ルートRとの距離が閾値L0を超える範囲が重複する箇所を特定し、その重複する範囲における基準ルートRr上の位置(図中の二重矢印の範囲)に障害物があると推定する。この場合、図11Bに示すように、障害物検出部24は、異なる方向に移動する移動体Mのそれぞれの移動ルートRに基づいて、基準ルートRrと移動ルートRとの距離が閾値L0を超える範囲が重複する箇所を特定することが望ましい。これにより、障害物の位置の精度を高めることができる。
【0043】
第2実施形態においても、障害物検出部24が移動体Mの移動ルートR(軌跡)に基づいて障害物を検出するため、たとえ障害物が停止し続けていても、障害物を検出することが可能である。また、第2実施形態においても、障害物検出部24が移動体Mの移動ルートR(軌跡)に基づいて障害物を検出するため、「水たまり」のように3次元形状として現れない障害物を検出することが可能である。
【0044】
第2実施形態においても、障害物検出部24が障害物の位置を検出する場合には、出力部25は、障害物の位置を示す情報(障害物位置情報)を外部に出力しても良い。この場合、第2実施形態の出力部25は、障害物が基準ルートRr上にあることを示す障害物位置情報を出力することになる。
【0045】
<基準ルートRrの取得方法について>
図12A及び図12Bは、基準ルートRrの取得方法の説明図である。図12Aは、多数の移動体M(人又は自動車)の移動ルートRの説明図である。図12Bは、歩道用の基準ルートRr0、第1レーン用の基準ルートRr1及び第2レーン用の基準ルートRr2の説明図である。
【0046】
制御装置20(データ取得部21、移動体検出部22及びルート取得部23)は、ライダー装置10から点群データ(フレーム)を取得し、測定エリアにおける移動体Mを検出し、移動体Mの移動ルートR、移動体Mの属性、移動体Mの向きを取得する。また、制御装置20は、複数の移動体Mについて、それぞれの移動体Mの移動ルートR、移動体Mの属性、移動体Mの向きを取得する。
【0047】
次に、制御装置20(ルート取得部23)は、複数の移動ルートRの平均を求めることによって、基準ルートRrを取得する。ここでは、それぞれの移動ルートRまでの距離の差の合計が最小となるルートを、複数の移動ルートRの平均のルート(基準ルートRr)としている。但し、複数の移動ルートRの平均のルートは、これに限られるものではない。
【0048】
例えば、制御装置20(ルート取得部23)は、移動体Mの属性が「人」の複数の移動ルートRの情報を取得し、取得した複数の移動ルートRに基づいて平均のルートを算出し、その平均のルートを「歩道用」の基準ルートRr0とする。ここでは、歩行者が歩道31Aの両方向(図中の右向き及び左向き)に移動することを想定し、制御装置20(ルート取得部23)は、両方向(図中の右向き及び左向き)の移動ルートRを混在させた複数の移動ルートRに基づいて基準ルートRr0を算出している。但し、次述する自動車の場合のように、移動体Mの向きが共通する複数の移動ルートRに基づいて基準ルートRr0が算出され、移動体M(歩行者)の向きごとに基準ルートRr0がそれぞれ算出されても良い。
【0049】
また、制御装置20(ルート取得部23)は、移動体Mの属性が「自動車」であり移動体Mの向きが「右」である複数の移動ルートRの情報を取得し、取得した複数の移動ルートRに基づいて平均のルートを算出し、その平均のルートを「第1レーン用」の基準ルートRr1とする。同様に、制御装置20(ルート取得部23)は、移動体Mの属性が「自動車」であり移動体Mの向きが「左」である複数の移動ルートRの情報を取得し、取得した複数の移動ルートRに基づいて平均のルートを算出し、その平均のルートを「第2レーン用」の基準ルートRr2とする。なお、ここでは、2車線(片側1車線)の車道31Bを想定し、制御装置20(ルート取得部23)は、移動体Mの向きが共通する複数の移動ルートRに基づいて、基準ルートRr(Rr1,Rr2)を算出している。但し、1車線の車道31Bの場合には、前述の歩行者の場合のように、両方向(図中の右向き及び左向き)の移動ルートRを混在させた複数の移動ルートRに基づいて基準ルートRrが算出されても良い。
【0050】
上記の通り、基準ルートRr(Rr0~Rr2)が求められた後、制御装置20(障害物検出部24)は、「歩道用」、「第1レーン用」及び「第2レーン用」のそれぞれの基準ルートRrに、移動体Mの属性及び向きを対応付けることによって、参照テーブル(図9参照)を生成する。なお、基準ルートRr(Rr0~Rr2)は、移動体Mが検出されるごとに(ルート取得部23が新たな移動ルートRを取得するごとに)、更新されても良い。
【0051】
上記の説明では、移動体Mの属性及び向きに応じた複数種類の基準ルートRr(Rr0~Rr2)を取得している。但し、基準ルートRrが1つであり、基準ルートRrが移動体Mの属性や向きにかかわらない場合には、制御装置20は、移動体Mの属性や向きに関する情報を取得せずに、複数の移動体Mのそれぞれの移動ルートRに基づいて基準ルートRrを算出しても良い。また、制御装置20は、移動体Mの属性や向きだけでなく、他の情報(例えばライダー装置10と移動ルートRとの距離情報)にも対応付けた基準ルートRrを取得しても良い。
【0052】
また、上記の説明では、制御装置20は、複数の移動ルートRに基づいて基準ルートRrを生成している。但し、基準ルートRrの取得方法は、これに限られるものではない。
例えば、制御装置20は、外部のサーバーから基準ルートRrの情報をダウンロードすることによって、基準ルートRrを取得しても良い。これにより、制御装置20の計算負荷(基準ルートRrを算出する際の負荷)を軽減させることができる。また、制御装置20は、地図情報や画像情報に基づいて基準ルートRrを生成しても良い。また、作業者が制御装置20に基準ルートRrを設定することによって、制御装置20(障害物検出部24)が基準ルートRrを取得しても良い。
【0053】
===小括===
第1実施形態及び第2実施形態の障害物検出システム1は、ライダー装置10と、制御装置20とを備える。ライダー装置10は、測定光を測定エリアに照射するとともに測定エリアからの反射光を受光することによって、測定エリアにおいて反射光を反射した反射点を検出する(前述の点群データを構成する点データの示す座標は、反射点の座標を示している)。また、制御装置20は、ライダー装置10の検出した反射点に基づいて、測定エリアにおいて移動する移動体Mを検出する。ところで、移動する移動体Mを検出するように制御装置20が構成されている場合、停止し続けている障害物を直接的には検出することができないことがある。これに対し、第1実施形態及び第2実施形態の制御装置20は、移動体Mを検出することを繰り返すことによって移動体Mの移動ルートRを取得し、この移動ルートRに基づいて障害物を検出する。これにより、他の装置から軌跡情報を受信する必要が無く、アクティブに障害物を検出することができる。また、たとえ障害物が停止し続けていても、障害物を検出することが可能である。
【0054】
第1実施形態では、制御装置20は、移動ルートRにおける移動体Mの移動方向の変化に基づいて、障害物を検出する。これにより、第2実施形態のように基準ルートRrを予め備えていなくても、障害物を検出することが可能である。
【0055】
また、第1実施形態の変形例では、制御装置20は、予め設定された許容エリア41において移動体Mの前記移動方向が変化する場合には、障害物を検出しない(図5図6参照)。これにより、障害物の誤検出を抑制できる。
【0056】
第2実施形態では、制御装置20は、基準ルートRrと移動ルートRとを比較し、基準ルートRrと移動ルートRとの比較結果(例えば基準ルートRrと移動ルートRとの距離)に基づいて、障害物を検出する(図8のS203参照)。これにより、移動体Mが障害物を避けて移動する際に、移動ルートRが基準ルートRrから大きく外れる現象を利用して、障害物を検出することができる。
【0057】
また、第2実施形態では、制御装置20は、複数の移動体Mのそれぞれの移動ルートRに基づいて基準ルートRrを取得する(図12A及び図12B参照)。これにより、測定エリアの状況に応じた基準ルートRrを取得することができる。但し、外部から制御装置20に基準ルートRrを設定しても良い。
【0058】
また、第2実施形態では、制御装置20は、障害物を検出したときに、障害物が基準ルートRr上にあることを示す障害物位置情報を出力する。これにより、障害物の位置を特定することができる。但し、障害物の位置を検出せずに、障害物の有無だけが検出されても良い。
【0059】
また、第1実施形態及び第2実施形態では、障害物検出部24は、移動体Mが特定の属性(例えば自動車)の場合に障害物を検出するように構成されても良い。これにより、例えば路上駐車の検出のように特定の障害物の検出が可能になるとともに、障害物の検出のための演算負荷を抑制できる。
【0060】
ところで、上記の障害物検出システム1では、移動体Mが測定エリア内の或るルート(第1ルートに相当)に沿って移動する場合には障害物が検出されず、移動体Mが別のルート(第1ルートから外れた第2ルートに相当)に沿って移動する場合には障害物が検出される、という現象が現れる。例えば、第1実施形態の障害物検出システム1では、移動方向の変化の小さいルート(第1ルートに相当)に沿って移動体Mが移動する場合には、障害物は検出されず、移動方向の変化の大きい別のルート(第2ルートに相当)に沿って移動体Mが移動する場合には、障害物が検出されることになる。また、第2実施形態の障害物検出システム1では、移動体Mが基準ルートRr(第1ルートに相当)に沿って移動する場合には、障害物は検出されず、移動体Mが基準ルートRrから大きく外れる別のルート(第2ルートに相当)に沿って移動する場合には、障害物が検出されることになる。なお、この場合、移動体Mが測定エリア内の或るルート(第1ルートに相当)に沿って移動する場合には、たとえ障害物があっても、障害物が検出されず、逆に、移動体Mが別のルート(第2ルートに相当)に沿って移動する場合には、たとえ障害物が無くても、障害物が検出されることになる。このように、移動体Mが移動するルートに応じて障害物の検出結果が変わることを検証することによって、本実施形態の障害物検出システム1が採用されていることを検証することが可能である。
【0061】
第1実施形態及び第2実施形態の制御装置20は、データ取得部21と、移動体検出部22と、ルート取得部23と、障害物検出部24とを備えている。データ取得部21は、ライダー装置10から反射点に関するデータ(前述の点群データ)を取得する。移動体検出部22は、反射点に基づいて(点群データに基づいて)、測定エリアにおいて移動する移動体Mを検出する。ルート取得部23は、移動体Mを検出することを繰り返すことによって移動体Mの移動ルートRを取得する。障害物検出部24は、移動ルートRに基づいて障害物を検出する。これにより、アクティブに障害物を検出することができる。
【0062】
また、第1実施形態及び第2実施形態の障害物検出プログラムは、制御装置20(コンピューターに相当)に、ライダー装置10から反射点に関するデータ(前述の点群データ)を取得すること、この反射点に基づいて(点群データに基づいて)移動体Mを検出すること、移動体Mを検出することを繰り返すことによって移動ルートRを取得すること、及び、移動ルートRに基づいて障害物を検出すること、を実行させる。これにより、アクティブに障害物を検出することができる。
【符号の説明】
【0063】
1 障害物検出システム、10 ライダー装置、
20 制御装置、21 データ取得部、
22 移動体検出部、23 ルート取得部、
24 障害物検出部、25 出力部、
31 道路、31A 歩道、31B 車道、
41 許容エリア、
M 移動体、R 移動ルート、
Rr、Rr0~Rr2 基準ルート

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図12