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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157593
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】ロッカー
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20241031BHJP
   A47G 29/122 20060101ALI20241031BHJP
   A47G 29/30 20060101ALI20241031BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20241031BHJP
   G06Q 10/08 20240101ALI20241031BHJP
【FI】
B65G1/137 A
A47G29/122 B
A47G29/30
B65G61/00 550
G06Q10/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072004
(22)【出願日】2023-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 宏
(72)【発明者】
【氏名】品川 靖幸
(72)【発明者】
【氏名】山口 英亮
(72)【発明者】
【氏名】細田 雄司
【テーマコード(参考)】
3F522
3K100
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
3F522BB01
3F522BB23
3F522CC09
3F522DD04
3F522DD05
3F522DD22
3F522DD38
3F522EE13
3F522GG22
3F522GG45
3F522GG47
3F522HH02
3F522HH22
3F522HH33
3F522KK02
3F522LL42
3F522LL57
3K100CA43
3K100CA45
3K100CA48
5L010AA16
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】利用者の利便性を向上できるロッカーを提供する。
【解決手段】ロッカー12は、複数の収納部14と、各収納部14の前面に設けられた扉16と、各扉16に設けられた電子錠と、各電子錠の施解錠を管理する制御機器とを含む。制御機器は、配送者情報受付処理と、配送される荷物の写真を撮影し、撮影画像を保存する処理と、選択された収納部14の識別情報を記憶する処理と、選択された受取人の識別情報を記憶する処理と、選択された収納部14についての電子錠を解錠する処理と、荷物が収納部14に収納されたたことを確認し、電子錠を施錠する処理と、電子錠の解錠コードを設定する処理と、撮影画像、荷物を収納した収納部14の識別情報、及び解錠コードを電子メールで送信する処理とを実行する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の収納部と、前記複数の収納部のそれぞれの前面に設けられた扉と、複数の前記扉のそれぞれに設けられた電子錠と、複数の前記電子錠の施解錠を管理する制御機器と、を備えるロッカーであって、
前記制御機器は、
配送者情報を受け付ける配送者情報受付処理と、
配送される荷物の写真を撮影し、撮影画像を保存する処理と、
前記荷物を収納するための収納部が選択されたときに、選択された前記収納部の識別情報を記憶する処理と、
前記荷物を受け取る受取人が選択されたときに、選択された前記受取人の識別情報を記憶する処理と、
選択された前記収納部についての前記電子錠を解錠する処理と、
前記荷物が前記収納部に収納されたたことを確認し、前記電子錠を施錠する処理と、
前記電子錠を解錠する解錠コードを設定する処理と、
前記撮影画像と、前記荷物を収納した前記収納部の識別情報と、前記解錠コードと、を電子メールで配送完了情報として送信する処理と、を実行する、
ロッカー。
【請求項2】
請求項1に記載のロッカーにおいて、
前記制御機器は、
前記荷物を収納するための前記収納部が選択されたときに、選択された前記収納部の識別情報を記憶する処理において、ロッカー外の所定配置場所の選択を受け付ける、
ロッカー。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のロッカーにおいて、
前記制御機器は、
前記配送完了情報を送信後、所定時間扉が解錠されない場合に、前記受取人と前記ロッカーを管理する管理者に前記配送完了情報を送信する処理を実行する、
ロッカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数の収納部を備えるロッカーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、特許文献1に記載されているように、複数の収納部を備えるロッカーが記載されている。配送業者は、ロッカーに荷物を収容する際に、入力パネルに伝票番号や、ID等の必要な情報を入力し、その後にロッカーボックスに荷物を収容する。これにより、制御ユニットがパスワードを発行し、パスワードを含む荷物の受け取りに必要な情報が受取人へと通知される。受取人は、荷物を受け取る際、入力パネルにパスワード等の情報を入力する。これにより、制御ユニットが、受取人が受け取る予定の荷物が収容されたロッカーが解錠され、受取人が荷物を受け取り可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-107402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された従来のロッカーでは、受取人は、荷物の受け取り前に荷物を外から見た状態を確認することができないので、荷物の外形や大きさを受け取り前に認識できない。しかしながら、受取人によっては、荷物についての情報を受け取り前に予め知りたい場合がある。このため、利用者の利便性向上の面から改良の余地がある。
【0005】
本開示の目的は、利用者の利便性を向上できるロッカーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のロッカーは、複数の収納部と、前記複数の収納部のそれぞれの前面に設けられた扉と、複数の前記扉のそれぞれに設けられた電子錠と、複数の前記電子錠の施解錠を管理する制御機器と、を備えるロッカーであって、前記制御機器は、配送者情報を受け付ける配送者情報受付処理と、配送される荷物の写真を撮影し、撮影画像を保存する処理と、前記荷物を収納するための収納部が選択されたときに、選択された前記収納部の識別情報を記憶する処理と、前記荷物を受け取る受取人が選択されたときに、選択された前記受取人の識別情報を記憶する処理と、選択された前記収納部についての前記電子錠を解錠する処理と、前記荷物が前記収納部に収納されたたことを確認し、前記電子錠を施錠する処理と、前記電子錠を解錠する解錠コードを設定する処理と、前記撮影画像と、前記荷物を収納した前記収納部の識別情報と、前記解錠コードと、を電子メールで配送情報として送信する処理と、を実行する、ロッカーである。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係るロッカーによれば、受取人が、荷物の受け取り前に荷物の外形や大きさを受け取り前に予測し易い。このため、利用者の利便性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態のロッカーを示す斜視図である。
図2図1に示すロッカーの構成を示すブロック図である。
図3図1に示すロッカーにおいて、荷物の納品処理と、納品処理後の納品完了情報の送信処理とを示すフローチャートである。
図4図1に示すロッカーの操作パネルのトップ画面を示す図である。
図5】操作パネルの配送者情報としての納品者情報受付画面を示す図である。
図6】操作パネルの写真撮影時における撮影操作画面を示す図である。
図7】操作パネルの撮影確認画面を示す図である。
図8】操作パネルの収納部選択画面を示す図である。
図9】操作パネルの受取人選択画面を示す図である。
図10】操作パネルの荷物収納確認画面を示す図である。
図11図10の画面において、収納部に荷物を入れたことを選択した場合に表示される画面を示す図である。
図12】操作パネルにおいて、配送完了である納品完了画面を示す図である。
図13】ロッカーへの配送である納品が完了したときに、電子メールで受取人に送信される納品完了情報の画面の一例を示す図である。
図14図10の画面において、収納部に荷物を入れていないことを選択した場合に表示される画面を示す図である。
図15図8の画面において、収納部であるボックスを使用しないことを選択した場合の画面を示す図である。
図16図15の画面の後のロッカー外への納品の完了画面を示す図である。
図17図4の画面において、荷物の受取人が荷物の受け取りを選択したときの状態を示す図である。
図18図17の画面の後の二次元コード確認画面を示す図である。
図19図18の画面の後の荷物取り出し確認画面を示す図である。
図20図19の画面の後の荷物受け取り完了画面を示す図である。
図21】ロッカーからの荷物受け取りが完了したときに、電子メールで受取人及び管理者に送信される受け取り完了情報の画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本開示の実施形態を説明する。以下で説明する形状、材料及び個数は、説明のための例示であって、ロッカーの仕様に応じて適宜変更することができる。以下ではすべての図面において同等の要素には同一の符号を付して説明する。また、本文中の説明においては、必要に応じてそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0010】
以下の説明及び図面で、Rは、ロッカーに向かって見た場合の右側であり、Lは、同じく左側であり、Fは、ロッカーの前面側であり、Bは、ロッカーの裏側である。R及びLを結ぶ方向と、F及びBを結ぶ方向とは互いに直交する。
【0011】
図1は、実施形態のロッカー12の斜視図である。図2は、ロッカー12の構成を示すブロック図である。ロッカー12は、例えば、建物のオフィスや店舗等に置かれて、配送者1(図2)が配送した荷物60(図2)を無人で受け取り可能である。ロッカー12は、配送者1が荷物60を入れた後、扉を施錠することで荷物60の配送の一種としての納品を行うと共に、荷物60の納品を通知された荷物60の受取人2(図2)が扉を解錠してロッカー12から荷物60を取り出すために用いられる。
【0012】
ロッカー12は、略直方体状の外装体であるボックス本体13と、ボックス本体13の内側に設けられた複数の収納部14a、14b、14c、14dと、複数の収納部14a、14b、14c、14dの前面に設けられ、前端の開口を開閉する扉16a、16b、16c、16dと、各扉16a、16b、16c、16dに設けられ各扉の施解錠を行う電子錠20(図2)とを備える。複数の収納部14a、14b、14c、14dは、荷物60を出し入れ可能に収容する略直方体の箱状の荷物室であり、異なる大きさの複数の収納部14a、14b、14c、14dを有する。これに応じて、複数の扉16a、16b、16c、16dも、異なる大きさの複数の扉16a、16b、16c、16dを有する。以下では、扉16a、16b、16c、16d及び収納部14a、14b、14c、14dをそれぞれ総称して、扉16、収納部14と記載する。
【0013】
扉16は、収納部14の前面側Fの開口を塞いでいる。扉16は、ロッカー12に取り付けられる片開き型であり、右側R端部の上下方向の軸(図示せず)を中心として揺動することで、収納部14の開口を開閉可能である。扉16は、電子錠20の解錠状態で、扉16に設けられたハンドルを掴んで引く等により開放可能である。
【0014】
図2に示すように、ロッカー12は、前面に設けられた操作パネル21と、複数の収納部14の扉16に設けられ、扉16を施解錠する電子錠20と、各電子錠20の施解錠を管理及び制御する制御機器30と、通信部40と、操作パネル21及び制御機器30に電力を供給する電源部42とを含んで構成される。通信部40は、制御機器30により制御されて、ロッカー12の外側に設けられたメールサーバ50と有線、または無線で通信を行う。通信部40は、ネットワークを介してメールサーバ50と通信を行う構成としてもよい。これにより通信部40は、制御機器30に制御されて、電子メールを予め設定された送信先に送信可能である。通信部40が直接に電子メールを送信先に送信可能な構成としてもよい。
【0015】
操作パネル21は、制御機器30に接続されて、各種の情報を表示する液晶表示部である操作表示部22と、カメラ23とを有する。操作表示部22はタッチパネルを有し、利用者のタッチ操作による入力を受け付ける。操作表示部22で受け付けられた入力が表す情報は、制御機器30に送信される。
【0016】
電子錠20は、各扉16に取り付けられた電池ボックス(図示せず)に装着された図示しない乾電池を含む電子錠電源部から電力が供給されて駆動される。この電子錠電源部の電池残量は、充電検出部により検出され、制御機器30に送信される。制御機器30は、各電子錠電源部の電池残量を監視し、ロッカー12の管理者3が、操作表示部22を使って、パスワードを入力して管理モードにログインする等の所定条件が満たされた場合に、各電子錠電源部の電池残量を操作表示部22に表示させることができる。これにより、管理者3は、電池残量の少ない電子錠電源部を容易に確認でき、電池残量の不足で電子錠が解錠不可となる前に乾電池を容易に交換することができる。このとき、電池残量が所定値以下となる電子錠電源部があるときに、管理モードへのログイン時に操作表示部22に電池残量が少ない収納部14があることをメッセージで表示させたり、点灯部を点灯させる等の警告を行う構成としてもよい。
【0017】
また、各扉16には、電子錠20及び電子錠電源部を含む錠ユニット18が設けられる。このとき、錠ユニット18に、扉16の外側から利用者が操作可能なテンキー操作部が設けられてもよい。テンキー操作部は、後述のようにパスワードの入力によって電子錠20を解錠可能とするためのものである。
【0018】
カメラ23は、操作パネル21において、レンズが正面側、または正面側に向かって斜め下に向いて撮影可能に取り付けられている。カメラ23は、制御機器30により制御されて撮影する。カメラ23の撮影画像は、制御機器30の後述の記憶部31に保存される。
【0019】
制御機器30は、例えばMCU(Micro Controller Unit)で構成される演算処理部32と、記憶部31とを含んで構成される。記憶部31は、RAM、ROM等であってもよい。演算処理部32は、記憶部31に予め記憶されたプログラム等を読み出して実行する機能を有する。記憶部31は、読み出したプログラムや処理データを一時的に記憶する機能と、制御プログラム等を予め記憶する機能を有する。
【0020】
制御機器30が、プログラムを実行することによって、本開示における装置、システム、または方法の主体の機能が実現される。演算処理部32は、プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。例えば、演算処理部32は、CPUであってもよい。演算処理部32は、半導体集積回路(IC)、またはLSI(large scale integration)を含む1つまたは複数の電子回路で構成されてもよい。複数の電子回路は、1つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。複数のチップは1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に備えられていてもよい。記憶部31として、光ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体が用いられてもよい。制御機器30には、記憶部として外部記憶装置が接続されてもよい。
【0021】
記憶部31には、上記のカメラ23で撮影された画像が保存される。記憶部31には、予め操作表示部22で入力された管理者3及び利用者の情報も保存される。管理者情報及び利用者情報には、それぞれの識別番号及びメールアドレスも含まれる。利用者は、荷物の納品者である配送者1または受取人2となる可能性があるものが含まれる。記憶部31には、予め操作表示部22で入力された納品者情報も保存される。例えば、納品者情報として、利用者の携帯電話番号、名前等の利用者情報が記憶部31に保存される。記憶部31には、各収納部14の識別番号、設定された後述の解錠コードとしての二次元コード、パスワード等も保存される。
【0022】
制御機器30は、納品者情報を受け付ける配送者情報受付処理である納品者情報受付処理と、納品される荷物60の写真を撮影し、撮影画像を保存する処理と、荷物60を収納するための収納部14が選択されたときに、選択された収納部14の識別情報を記憶する処理と、荷物60を受け取る受取人2が選択されたときに、選択された受取人2の識別情報を記憶する処理とを実行する。制御機器30は、さらに、選択された収納部14についての電子錠20を解錠する処理と、荷物60が収納部14に収納されたことを確認し、電子錠20を施錠する処理と、電子錠20を開錠する解錠コードとしての二次元コードを設定する処理とも実行する。二次元コードは予め記憶部31に保存された複数の二次元コードから抽出された1の二次元コードを電子錠20の解錠コードとして設定してもよい。さらに、制御機器30は、記憶部31に保存された撮影画像と、荷物60を収納した収納部14の識別情報と、二次元コードとを電子メールで配送完了情報である納品完了情報として送信する処理も実行する。
【0023】
二次元コードは、QRコード(登録商標)またはバーコード等である。解錠コードは、二次元コードと共に、または二次元コードの代わりに、生成等により設定された数字、英語、記号等の組み合わせによるパスワードであってもよい。
【0024】
さらに、制御機器30は、荷物60を収納するための収納部14が選択されたときに、選択された収納部14の識別情報を記憶する処理において、ロッカー12外の所定配置場所の選択を受け付ける機能も有する。また、制御機器30は、納品完了情報を送信後、所定時間扉が解錠されない場合に、受取人2と管理者3に納品完了情報を送信する処理を実行する機能も有する。
【0025】
図3は、図1に示すロッカー12において、荷物60の納品処理と、納品処理後の納品完了情報の送信処理とを示すフローチャートである。図3のS10-S17は、荷物60の納品処理を示し、S18-S19は納品処理後の納品完了情報の送信処理を示す。以下では、電子錠20の解錠コードとして、二次元コードとパスワードを設定する場合を説明するが、解錠コードとして二次元コードとパスワードの一方のみを設定する構成としてもよい。図4に示すように、予め操作パネル21の操作表示部22には、初期画面であるトップ画面が表示される。荷物60を持った配送者1は、ロッカー12の前に立って、このトップ画面において、「荷物を入れる」の表示部をタップし、すなわち軽く指でたたいて選択する。これにより、制御機器30が、納品者情報を受け付ける納品者情報受付処理を実行する(図3のS10)。このとき、制御機器30は、操作表示部22を、図5に示す納品者情報受付画面に切り換える。
【0026】
なお、図4において、表示言語切換部22a、22bを用いて操作表示部22の言語を日本語と英語のいずれかに切り換えることもできる。また、管理モードの表示がタップされることにより、操作表示部22を、管理モードのログイン画面に切り換えることもできる。
【0027】
次に、図5において、操作表示部22において、納品者情報として携帯電話の番号を入力することが要求されるので、配送者1は自分の携帯電話番号を、テンキーの操作表示部22cを用いて入力し、OKをタップする。これにより、制御機器30は、入力された納品者情報を、納品完了後に送信する納品完了情報の一部として記憶部31に保存する。
【0028】
また、制御機器30は、納品される荷物60の写真を撮影し、撮影画像を記憶部31に保存する処理を実行する(図3のS11)。このとき、制御機器30は、操作表示部22を図6に示す写真撮影時における撮影操作画面に切り換える。この画面では、荷物60の写真を撮影することを要求する表示がされ、また、荷物60に貼られた送り状61が映るように荷物60を撮影することが要求する表示がされる。この場合、画面の下に撮影ボタンが表示される。配送者1が荷物60の送り状61を上にした状態で操作表示部22の前に荷物60を差し出した状態で、撮影ボタンをタップする。すると、カメラ23は制御機器30により制御されて、そのタップから所定時間後、例えば3秒後に、荷物60を上から撮影する。
【0029】
撮影が完了すると、制御機器30は、操作表示部22を図7に示す撮影確認画面に切り換える。この撮影確認画面では、撮影画像が左右反転された状態で表示される。また、この画面では撮影した写真を確認することを要求する表示がされる。配送者1は、表示された写真に問題がない場合は、操作表示部22に表示されたOKボタンをタップする。これにより、制御機器30は、撮影画像を、納品完了後に送信する納品完了情報の一部として記憶部31に保存し、操作表示部22を図8に示す画面に切り換える。
【0030】
一方、配送者1が撮影画像に問題がある、例えば、撮影された荷物60の向き及び大きさが適切でないと判断した場合には、図7の画面に表示された再撮影ボタンをタップする。これにより、カメラ23は制御機器30により制御されて、そのタップから所定時間後、例えば3秒後に、荷物60を上から再撮影する。
【0031】
次に、制御機器30は、図8に示すように、配送者1が持つ荷物60を収納する収納部14の選択画面を、操作表示部22に表示させる。図8では、他の荷物60が入っておらず、納品可能である、すなわち空である複数の収納部14の一覧表22dが表示される。一覧表22dでは、収納部14の識別番号ごとに、大きさと、選択ボタンとが表示される。配送者1は、その一覧表の中から希望する収納部14の選択ボタンをタップする。これにより、制御機器30は、選択された収納部14の識別情報を記憶部31に記憶させる処理を実行する(図3のS12)。図7図8の画面では、図4のトップ画面に戻ることを選択可能なリターン選択ボタン22eが表示される。図8の画面では、収納部14であるボックスを使用しないことを選択可能な選択部であるロッカー外配置選択表示22fも表示される。ロッカー外配置選択表示22fが選択されたときの処理は後で説明する。
【0032】
次に、制御機器30は、図9に示すように、荷物60を受け取る受取人2の選択画面を、操作表示部22に表示させる。図9では、記憶部31に保存された利用者情報に含まれる利用者の識別番号等の識別情報の一覧表22g1が、操作表示部22に表示される。一覧表22g1が上下に長い場合には一部だけが操作表示部22に表示されるので、配送者1は一覧表22g1を上下方向にスクロールして、希望の受取人2の識別情報を表示させることもできる。一覧表22g1の上の検索バー22g2に識別情報を入力することにより、その入力された識別情報を一覧表22g1に表示させることもできる。
【0033】
そして、配送者1は、一覧表22g1で希望の識別情報をタップした状態で、OKボタンをタップする。これにより、制御機器30は、選択された受取人2の識別情報を記憶部31に記憶させる処理を実行する(図3のS13)。
【0034】
次に、制御機器30は、図8の画面で選択された収納部14についての電子錠20を解錠する処理を実行する(図3のS14)。これと共に、制御機器30は、図10に示すように、荷物収納確認画面を操作表示部22に表示させる。図10の画面では、荷物60を入れたことを表す選択ボタン22hと、荷物60を入れなかっことを表す選択ボタン22iとが表示される。図10の画面では、荷物60を収納部14であるボックスに入れ、扉を閉める事を要求する表示がされる。このとき、選択された収納部14の扉16の電子錠20が解錠されるので、配送者1は、解錠された扉16に設けられたハンドルを掴んで引く等により、扉16を開けることが可能である。電子錠20の解錠によって扉16をポップアップで閉鎖位置から前側に若干開くように移動させる構成としてもよい。このため、配送者1は、収納部14の扉16を開けて、荷物60を収納部14に入れた後、扉16を閉じる。そして、配送者1は、荷物60を入れたことを表す選択ボタン22hをタップする。
【0035】
選択ボタン22hがタップされることにより、制御機器30は、荷物60が収納部14に収納されたことを確認し、荷物60が収納された収納部14の扉の電子錠20を施錠する処理を実行する(図3のS15)。これと共に、制御機器30は、図11に示す画面を操作表示部22に表示させる。図11の画面では、図3のS11で撮影された荷物60の撮影画像と、配送者1の電話番号と、受取人2の識別情報と、荷物60が収納された収納部14の識別情報とが表示される。図11の画面では、「OK_受領証を表示」の選択ボタン22jと「NG_再度ボックスを開く」の選択ボタン22kも表示される。
【0036】
そこで、配送者1は、図11の画面の内容が問題ないと確認できた場合には、「OK_受領証を表示」の選択ボタン22jをタップする。これにより、制御機器30は、図12に示す納品完了画面を操作表示部22に表示させる。図12の画面では、「お荷物をお預かりしました」のメッセージと、受領証としての内容、すなわち、カメラ23で撮影した荷物60の撮影画像と、配送者1の電話番号と、受取人2の識別情報と、荷物60が収納された収納部14の識別情報とが表示される。図12の画面では、完了ボタンも表示される。このとき、完了ボタンがタップされると、制御機器30は、操作表示部22を図4に示すトップ画面に切り換える。図11の画面で「NG_再度ボックスを開く」の選択ボタン22kがタップされた場合には、制御機器30は、施錠した扉16の電子錠20を再度解錠する。
【0037】
制御機器30は、図11の画面で「OK_受領証を表示」を表す選択ボタン22j、または図12の画面で完了ボタンがタップされたときに、電子錠20を開錠する解錠コードとしての二次元コードとパスワードを設定する処理を実行する。選択ボタン22j及び完了ボタンのいずれのタップにより解錠コードを設定するかは、予め制御機器30に設定される。
【0038】
次に、制御機器30は、記憶部31に保存された荷物60の撮影画像と、荷物60を収納した収納部14の識別情報と、二次元コード及びパスワードを、通信部40及びメールサーバ50を介して、電子メールで納品完了情報として、受取人2に送信する処理を実行し、納品処理を終了する。
【0039】
図13は、ロッカー12への納品が完了したときに、電子メールで受取人2に送信される納品完了情報の画面の一例を示す図である。図13では、納品完了情報として、ロッカー12に荷物60が届いたことと、ロッカー名、納品日時、保管期限の日時である保管日時、納品者名、受取人名、収納部14の識別情報に対応するボックス番号、パスワード(PW)等とが表示される。
【0040】
このとき、受取人2に送信される電子メールには、二次元コードと、カメラ23で撮影された荷物60の撮影画像とが添付される。
【0041】
一方、図10の画面が操作表示部22に表示されたときに、荷物60を入れなかったことを表す選択ボタン22iがタップされた場合には、制御機器30は、操作表示部22に図14に示す画面を表示させる。図14の画面では、収納部14を変更することを表す変更選択ボタン22mと、再度同じ収納部14の扉を開くことを表す扉再開選択ボタン22nとが表示される。このとき、扉再開選択ボタン22nがタップされると、制御機器30は、再度同じ収納部14の扉16の電子錠20を解錠し、図10の画面を操作表示部22に表示させる。
【0042】
一方、変更選択ボタン22mがタップされた場合には、制御機器30は、操作表示部22に図8の画面を再度表示させ、図3のS12からS14の処理を繰り返す。
【0043】
また、図8の画面において、ロッカー外配置選択表示22fがタップにより選択されたときには、制御機器30は、操作表示部22に図15に示す画面を表示させる。ロッカー外配置選択表示22fのタップによる選択を受け付けることは、荷物60を、ロッカー12外の所定配置場所に配置する選択を受け付けることである。
【0044】
図15の画面では、収納部14であるボックスを使用しない理由を選ぶことを要求する表示と、複数の理由の選択肢と、各選択肢のチェック入力部とが表示される。いずれかのチェック入力部にタッチ操作によりチェックが入力され、OKボタンがタップされたときには、制御機器30は、操作表示部22に図9の画面を表示させる。その後、受取人2が選択され、OKボタンがタップされたときに、制御機器30は、操作表示部22に図16の画面を表示させる。
【0045】
図16の画面では、荷物60を指定の場所に置くことを要求する表示がされると共に、「OK_受領証を表示」の選択ボタン22pと、「NG_再度ボックスを選択する」の選択ボタン22qとが表示される。「OK_受領証を表示」の選択ボタン22pがタップされたときには、図12と同様の画面が操作表示部22に表示される。このとき、配送者1は、荷物60をロッカー12の収納部14に収納するのではなく、荷物60をロッカー12外の予め指定された所定配置場所に配置する。例えば、所定配置場所は、かごや、上の蓋がない箱、または扉がない棚の所定位置等、予め指定された場所であって、二次元コードの提示や後述のテンキー操作部を用いたパスワードの入力の操作を要することなく、荷物60の受け取りが可能な場所である。これにより、ロッカー12が満室で使えない、または全ての収納部14より荷物60が大きい等の場合でも人との非対面で荷物60を納品することができる。
【0046】
図16の画面で、「NG_再度ボックスを選択する」の選択ボタン22qがタップされたときには、制御機器30は、再度、操作表示部22に図8の画面を表示させ、荷物60を収納する収納部14を選択させる等の処理を繰り返す。
【0047】
次に、荷物60の納品処理後の納品完了情報の送信処理を説明する。図3のS17の処理の後、制御機器30は、図3のS18,S19の処理を実行する。具体的には、制御機器30は、S17で納品完了情報を送信後、納品処理された収納部14の扉16について、所定時間内に電子錠20が解錠されたか否かを判定する(S18)。S18の判定結果が肯定、すなわちYESの場合には、納品処理後の納品完了情報の送信は行われず、納品についての制御処理を終了する。
【0048】
一方、S18の判定結果が否定、すなわちNOの場合には、荷物60の受取人2及び管理者3に納品完了情報が電子メールで送信され、納品についての制御処理が終了する。これにより、受取人2に対し、急いでロッカー12に荷物60を受け取ることを促すことができるので、荷物60の受け取り忘れを解消でき、ロッカー12の利用効率向上に寄与できる。また、管理者3に対し、荷物60の受け取りがないことについて注意を与えることができる。例えば、管理者3は、その電子メールの受け取りにより、該当の収納部14において荷物60の受け取りが長期間行われていない場合には、受取人2に代わって管理者3が荷物60を回収する。例えば、操作表示部22を用いて、管理者3がパスワードを入力して管理モードにログインすることにより、該当の収納部14の電子錠20を解錠可能な構成とすることができる。このとき、受取人2には、後述のように荷物60の受け取りが完了したことを表す電子メールが送信されるので、受取人2は管理者3に荷物60の受け取りについて問い合わせを行うことができる。
【0049】
図17から図21を用いて、荷物60の受け取り処理を説明する。荷物60の受け取り時に、荷物60の受取人2は、ロッカー12の前に立って、操作表示部22における図17のトップ画面において、「荷物の受け取り」の表示部をタップして選択する。これにより、制御機器30は、操作表示部22を、図18に示す二次元コード確認画面に切り換える。
【0050】
図18の画面では、QRコード(登録商標)等の二次元コードをカメラ23にかざして撮影することを要求する表示がされる。これにより、受取人2は、納品完了情報を受け取ったスマートフォン等の携帯端末に添付された二次元コードをカメラ23にかざす。これにより、カメラ23は二次元コードを撮影する。制御機器30は、撮影した二次元コードと、予め記憶部31に記憶された二次元コードとの比較を行う。その結果、制御機器30が両者の二次元コードが一致したと判定した場合には、操作表示部22を図19の画面に切り換えて、二次元コードに対応して記憶部31に記憶された識別情報に対応する収納部14の電子錠20を解錠する。
【0051】
図19の画面では、荷物60を取り出して扉16を閉めることを要求する表示がされる。そこで、受取人2は収納部14の扉16を開けて、収納部14から荷物60を取り出した後、扉16を閉めて、OKボタンをタップする。これにより、制御機器30は、操作表示部22に図20に示すように、「ご利用ありがとうございました」のメッセージを表示する。このとき、制御機器30は、荷物60の受取人2及び管理者3に荷物60の受け取りが完了したことを表す情報を電子メールで送信し、荷物60の受け取り処理を終了する。
【0052】
図21は、ロッカー12からの荷物受け取りが完了したときに、電子メールで受取人2及び管理者3に送信される受け取り完了情報の画面を示している。図21の受け取り完了情報は、荷物60の受け取りが完了したことと、ロッカー名と、受け取り日時と、納品者名と、受取人名と、ボックス番号とを含んでいる。
【0053】
また、荷物60の受け取りが長期間行われていない場合において、受取人2に代わって管理者3が荷物60を回収した場合、管理者3の荷物60の回収後に受取人2及び管理者3に対し、荷物60の受け取りの完了メールが送信される。これにより、受取人2は、管理者3が荷物60を回収したことを認識できるので、管理者3に荷物60の受け取りについて問い合わせ、管理者3から荷物60を受け取ることができる。
【0054】
本例では、扉16の錠ユニット18のテンキー操作部にパスワードを入力することによっても、電子錠20を解錠することができる。具体的には、荷物60の受け取り時に、受取人2は、携帯端末で受け取った納品完了情報に含まれるパスワードを、同じく納品完了情報に含まれる識別情報に対応する収納部14の錠ユニット18のテンキー操作部に入力し、錠ユニット18に設けられた解錠キーを押す。錠ユニット18は、入力されたパスワードと、予め記憶部31に記憶されたパスワードとが一致した場合には、電子錠20を解錠する。これにより、受取人2は、二次元コードを用いることなく、荷物60を収納部14から取り出すことができる。荷物60の取り出し後、扉16を閉める事により、制御機器30は荷物60が取り出されたと判定し、荷物60の受取人2及び管理者3に荷物60の受け取りが完了したことを表す情報を電子メールで送信する。
【0055】
本例のロッカー12によれば、配送者1による荷物60の配送である納品が行われたときに、カメラ23で撮影した荷物60の撮影画像を含む納品完了情報が電子メールで受取人2に送信される。これにより、受取人2は、荷物60の受け取り前に荷物60の外形や大きさを受け取り前に予測し易い。このため、ロッカー12における利用者の利便性を向上できる。
【0056】
なお、操作パネル21は、操作表示部22とカメラ23と通信部とを持った携帯情報端末をロッカー12に組み込むことにより構成することもできる。このとき、携帯情報端末で専用のアプリケーションプログラムが実行され、携帯情報端末は、制御機器30と各種の処理を行うための無線通信を行う構成とすることができる。
【0057】
また、操作パネル21で必要とされるタッチ操作は、タップに限定せず、所定のタッチ操作であればよい。また、操作パネル21は、タッチスクリーンを用いず、テンキー操作部等の操作部が設けられた構成としてもよい。
【符号の説明】
【0058】
1 配送者、2 受取人、3 管理者、12 ロッカー、13 ボックス本体、14a、14b、14c、14d 収納部、16a、16b、16c、16d 扉、18 錠ユニット、20 電子錠、21 操作パネル、22 操作表示部、23 カメラ30 制御機器、31 記憶部、32 演算処理部、40 通信部、42 電源部、50 メールサーバ、60 荷物。
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