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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157621
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】除湿器及び除湿器用容器
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/26 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
B01D53/26 210
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072065
(22)【出願日】2023-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000000550
【氏名又は名称】オカモト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】内山 仁志
【テーマコード(参考)】
4D052
【Fターム(参考)】
4D052AA09
4D052CA04
4D052CA06
4D052FA01
4D052FA03
4D052HA11
4D052HA12
4D052HA13
(57)【要約】
【課題】
環境に配慮し、プラスチック等の使用量を大幅に削減し、輸送や保管コストを抑えることが可能な除湿器およびその容器を提供することを目的とするものである。
【解決手段】
錠剤と専用容器とを組み合わせて用いる除湿器であって、前記錠剤は、潮解性物質が加圧され圧縮された状態の潮解性吸湿剤であり、前記専用容器は、潮解液貯留容器と蓋と錠剤載置用棚とを備えるものであり、前記潮解液貯留容器は、内部底面から所定高さ位置に前記錠剤載置用棚を配設するための係合部を有し、かつ、前記錠剤の潮解液を貯留可能であり、前記蓋は、前記錠剤載置用棚を介在させた状態で前記潮解液貯留容器との堅牢な接続を確保するものであり、上面に開口部を有し、かつ、当該開口部は透湿フィルムで密封されており、前記錠剤載置用棚は、少なくとも下方に、前記錠剤の潮解液を前記潮解液貯留容器へ流下させるための孔を有していることを特徴とする除湿器により、課題を解決した。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
錠剤と専用容器とを組み合わせて用いる除湿器であって、
前記錠剤は、潮解性物質が加圧され圧縮された状態の潮解性吸湿剤であり、
前記専用容器は、潮解液貯留容器と蓋と錠剤載置用棚とを備えるものであり、
前記潮解液貯留容器は、内部底面から所定高さ位置に前記錠剤載置用棚を配設するための係合部を有し、かつ、前記錠剤の潮解液を貯留可能であり、
前記蓋は、前記錠剤載置用棚を介在させた状態で前記潮解液貯留容器との堅牢な接続を確保するものであり、上面に開口部を有し、かつ、当該開口部は透湿フィルムで密封されており、
前記錠剤載置用棚は、少なくとも下方に、前記錠剤の潮解液を前記潮解液貯留容器へ流下させるための孔を有している
ことを特徴とする除湿器。
【請求項2】
前記錠剤載置用棚は、全体の形状が凹状であり、前記錠剤を収納するに十分な深さを有しつつも、規定数個の前記錠剤を載置させた際に、前記透湿フィルムの下面と前記錠剤の上面とが近接された間隔となるように、底面の棚部が設定されている
ことを特徴とする請求項1に記載の除湿器。
【請求項3】
前記係合部は、前記潮解液貯留容器の上面の縁であり、前記錠剤載置用棚の被係合部は、前記錠剤載置用棚に設けられているフランジである
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の除湿器。
【請求項4】
潮解性物質が加圧され圧縮された状態の潮解性吸湿剤としての錠剤を収納して除湿器として用いることが可能な除湿器用容器であって、
潮解液貯留容器と蓋と錠剤載置用棚とを備え、
前記潮解液貯留容器は、内部底面から所定高さ位置に前記錠剤載置用棚を配設するための係合部を有し、かつ、前記錠剤の潮解液を貯留可能であり、
前記蓋は、前記錠剤載置用棚を介在させた状態で前記潮解液貯留容器との堅牢な接続を確保するものであり、上面に開口部を有し、かつ、当該開口部は透湿フィルムで密封されており、
前記錠剤載置用棚は、少なくとも下方に、前記錠剤の潮解液を前記潮解液貯留容器へ流下させるための孔を有している
ことを特徴とする除湿器用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気中の湿気を潮解性吸湿剤で吸湿して空間の湿度を下げ、湿度を低く保って、押入れ、タンス、下駄箱、その他の収納空間などにおいて使用される除湿器およびその容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、除湿器は、上面開口部を有する容器内の中高部位に受け皿を介在させて、上部空間と下部空間に区画し、上部空間に顆粒状の潮解性吸湿剤を収容し、下部空間に潮解性吸湿剤の潮解液が受け皿の滴下孔から滴下して貯溜されるように形成された所謂タンク式と呼ばれるものが主流となっている。タンク式除湿器は、誤って転倒させた際に、潮解液が零れ落ちることがないように、液体は通過しないが気体が通過する透湿フィルムを上面開口部に接着ないし溶着して開口を密封するように構成されている。また、除湿器の吸湿性能を高めるため、潮解性吸湿剤と空気との接触面積を大きく確保することが重要であるところ、受け皿を多段階の突起部が配設された形状とし、このように形成された上部空間に顆粒状の潮解性吸湿剤が収納されるという形態が一般的である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-78865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のタンク式除湿器は、図9に示すように、上面開口部を有する容器本体4と、この容器本体4内の中高部位に内在されて容器本体4内を上部空間Nと下部空間Mに区画する簀の子状の受け皿5と、上面開口部を塞ぐ透湿性かつ非透水性の透湿フィルム6および密封シート7とを備えて構成されている。このタンク式除湿器は、透湿フィルム6および密封シート7を保護する蓋体8を容器本体4の上面開口部に着脱自在に備えている。このように構成されているタンク式除湿器は、容器本体4内の上部空間Nに顆粒状の潮解性吸湿剤Cが収容され、消費者(使用者)が使用するときに、密封シート7を透湿フィルム6の上から剥がすことで、空気中の湿気が透湿フィルム6を通過して容器本体4内に流入し、潮解性吸湿剤に吸湿されるようになっている。潮解性吸湿剤の潮解が進み、全て無くなった際には、上面開口部に接着された透湿フィルム6を剥がす等して溜まった潮解液を流して、容器は廃棄されることになる。
このため、使用済みのタンク式除湿器は、容器ごと新たなものと交換する必要があるため、コスト高であり、資源の浪費にも繋がる。また、このことは、単に、コストや資源浪費の問題だけに止まるものではなく、消費者にとって、大きく嵩張る商品を購入し、運搬しなければならない労苦であるとか、ストック品の保管場所にスペースを必要とするという問題にも繋がる。先述したように、潮解性吸湿剤と空気との接触面積の確保という要求仕様から、容器は当然大きなものとなる。上部空間及び下部空間の容積に加え、多段階の突起部が配設された空間分の空気を搬送や保管するようなものである。さらに、このことは、消費者だけでなく、製造業者、卸売業者、小売業者にとっては、より深刻な問題となる。商品の運搬や倉庫等に、大きな輸送力やスペース確保を余儀なくさせ、大幅な輸送・保管コストを企業に強いることになるからである。
一方、企業によるサステナビリティへの取り組みという声が聴かれるようになって久しいところ、サステナブル素材の開発や、如何にして資源の無駄使いをさせない仕組みを構築するかという点に関して、企業は、その動向が常に注目されている。
【0005】
本発明は、このような問題に対処することを課題とするものであり、環境に配慮し、プラスチック等の使用量を大幅に削減し、輸送や保管コストを抑えることが可能な除湿器およびその容器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、錠剤と専用容器とを組み合わせて用いる除湿器であって、前記錠剤は、潮解性物質が加圧され圧縮された状態の潮解性吸湿剤であり、前記専用容器は、潮解液貯留容器と蓋と錠剤載置用棚とを備えるものであり、前記潮解液貯留容器は、内部底面から所定高さ位置に前記錠剤載置用棚を配設するための係合部を有し、かつ、前記錠剤の潮解液を貯留可能であり、前記蓋は、前記錠剤載置用棚を介在させた状態で前記潮解液貯留容器との堅牢な接続を確保するものであり、上面に開口部を有し、かつ、当該開口部は透湿フィルムで密封されており、前記錠剤載置用棚は、少なくとも下方に、前記錠剤の潮解液を前記潮解液貯留容器へ流下させるための孔を有していることを特徴とする除湿器により、前述の課題を解決した。
【発明の効果】
【0007】
前述した特徴を有する本発明によれば、容器を再利用することが可能であるため、プラスチック等の使用量を大幅に削減し、輸送や保管コストを抑えることが可能な除湿器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第一実施形態に係る除湿器の全体構成を示す説明図であり、図1(a)が潮解液貯留容器に錠剤載置用棚を介在させて蓋を取り付けた状態での正面図、図1(b)が同状態での上面図、図1(c)が蓋のみを取り外した状態での上面図、図1(d)が気密性のある袋に収容された詰替え用錠剤の写真であり、図1(e)が蓋を取り外した容器に錠剤を載置させた状態の写真である。
図2】本発明の第一実施形態に係る除湿器における潮解液貯留容器を示す説明図であり、図2(a)が上面図、図2(b)が正面図、図2(c)が図2(a)を45度回転させた状態で上から観た図、図2(d)が図2(c)を正面から観た図である。
図3】本発明の第一実施形態に係る除湿器における蓋を示す説明図であり、図3(a)が上面図、図3(b)が図3(a)のAA線断面図である。
図4】本発明の第一実施形態に係る除湿器における錠剤載置用棚を示す説明図であり、図4(a)が上面図、図4(b)が正面図である。
図5】透湿フィルムで密封された容器内で使用する場合の第一実施形態と顆粒状タイプの吸湿剤の吸湿性能を比較するグラフである。
図6】本発明の第二実施形態に係る除湿器における潮解液貯留容器を示す説明図であり、図6(a)が上面図、図6(b)が正面図、図6(c)が図6(a)を45度回転させた状態で上から観た図、図6(d)が図6(c)を正面から観た図である。
図7】本発明の第二実施形態に係る除湿器における錠剤載置用棚を示す説明図であり、図7(a)が上面図、図7(b)が正面図である。
図8】透湿フィルムで密封された容器内で使用する場合の第二実施形態と顆粒状タイプの吸湿剤の吸湿性能を比較するグラフである。
図9】従来のタンク式除湿器を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明するが、以下の図面は説明を目的に作成されたもので、分かりやすくするため、説明に不要な部材を意図的に図示していない場合がある。また、説明のため部材を意図的に大きくまたは小さく図示している場合があり、正確な縮尺を示す図面ではない。
【0010】
<第一実施形態>
(除湿器の全体構成)
図1は、本発明の第一実施形態に係る除湿器の全体構成を示す説明図であり、図1(a)が潮解液貯留容器に錠剤載置用棚を介在させて蓋を取り付けた状態での正面図、図1(b)が同状態での上面図、図1(c)が蓋のみを取り外した状態での上面図、図1(d)が詰替え用錠剤の写真であり、図1(e)が蓋を取り外した容器に錠剤を載置させた状態の写真である。
【0011】
本発明の第一実施形態に係る除湿器は、詰替え用錠剤と専用容器とを組み合わせて用いる除湿器である。詰替え用錠剤Tは、潮解性物質が加圧され圧縮された状態の潮解性吸湿剤であり、具体的には、タブレット形状の塩化カルシウムである。50tのプレス機(打錠機)の筒内側に粉末の塩化カルシウムを充填し、プレスにより成形物を押し出すことによって、製造される。タブレット化された塩化カルシウムは、圧力を調整することのみによって、密度1.63g/mlを達成でき、実用上、十分な強度が確保されている。なお、塩化カルシウムの代替品として、塩化マグネシウムのタブレットを用いることも可能である。詰替え用錠剤Tは、保管時、図1(d)に示すように、気密性のある透明な袋内に収納されている。この袋は、吸湿剤の潮解が進まないように、水蒸気バリア性のある、例えば、延伸ポリプロピレン製やポリ塩化ビニリデン製の透明な袋であるが、透明でなくともよい。また、ナイロンフィルム、アルミ箔、アルミ蒸着を用いて、ポリエチレン等と貼り合わせる等、ラミネート加工されたものであっても良い。貼り合わせ手法については、4方シール、3方シール(合掌貼)、スタンディングパウチ、ブリスター包装等を適宜採用し得る。さらに、袋でなく、箱や缶でも水蒸気バリア性を有していれば、保管容器として採用し得る。
【0012】
専用容器は、図1(a)ないし図1(c)に示されるように、潮解液貯留容器1と蓋2と錠剤載置用棚3と、を備える。潮解液貯留容器1は、詰替え用錠剤Tの潮解液を貯留可能な構成とされている。蓋2は、錠剤載置用棚3を介在させた状態で、潮解液貯留容器1との堅牢な接続を確保するものである。具体的には、スクリューキャップやツイストキャップとして構成される。
【0013】
図1(a)の正面図からは、本体下部11の側面と蓋側面部22とを見て取ることができる。また、図1(b)の上面図からは、蓋2の上面に設けられた開口部212(不図示)が、透湿フィルムFの溶着により、密封されている様子を見て取ることができる。一方、蓋2を取り外した状態を示す図1(c)からは、潮解液貯留容器1の開口部の縁13(不図示)に、フランジ部33が支えられることによって、錠剤載置用棚3が配設されている様子を見て取ることができる。縁13(不図示)がフランジ部33を支承することによって、錠剤載置用棚3は、潮解液貯留容器1の内部底面から所定高さ位置に配設される。
【0014】
図1(c)に示されるように、錠剤載置用棚3には、その棚底面31に、錠剤Tの潮解液を潮解液貯留容器1へ流下させるための底面孔311が設けられている。そして、詰替え用錠剤Tは固有の厚さを有するため、詰替え用錠剤Tの上面も、図1(e)に示されるように、潮解液貯留容器1の内部底面から所定高さに位置することになる。
【0015】
(潮解液貯留容器の構成)
図2は、本発明の第一実施形態に係る除湿器における潮解液貯留容器を示す説明図であり、図2(a)が上面図、図2(b)が正面図、図2(c)が図2(a)を45度回転させた状態で上から観た図、図2(d)が図2(c)を正面から観た図である。
【0016】
潮解液貯留容器1は、直方体の四辺が面取りされた本体下部11と、本体下部11から連接された円柱部である本体上部12とから構成された複合形状の容器である。本体下部11は、錠剤載置用棚3(不図示)が配設された際に、当該錠剤載置用棚3(不図示)の下面で仕切られる領域が、一個の詰替え用錠剤Tが全て潮解された際に発生する潮解液を収容するに十分な容積を有しており、第一実施形態においては、550ccとされている。本体下部11の上には、本体下部11の中心軸と同芯となるように、円柱部としての本体上部12が連接されており、このため、本体上部12の周囲には、図2(a)に示されるように、本体下部11上面が四隅に配置されることになる。
【0017】
本体上部12の外周には、蓋2の雌ネジ部221(不図示)に螺合される雄ネジ部121が形成されている。ネジは、少ない回転数で開閉できるように多条ネジが好ましく、第一実施形態では、2条ネジとされているが、4条ネジであってもよい。
【0018】
本体上部12の頂部の縁13は、錠剤載置用棚3のフランジ部33(いずれも不図示)を支承する機能を果たし、もって、錠剤載置用棚3(不図示)は、潮解液貯留容器1の内部底面から所定高さ位置に配設されることになる。
【0019】
本体下部11の上面と本体上部12が連接される境界近辺の90度ごとの位置には、三角突起122と膨出部123が2つずつ配置されている。三角突起122と膨出部123により、蓋2の締付け作業終了間際において、操作者は、トルク抵抗が大きくなることを感じつつ、最後にクリック感を感じ取るため、確実な閉蓋が完了したことを確認することができる。
【0020】
(蓋の構成)
図3は、本発明の第一実施形態に係る除湿器における蓋を示す説明図であり、図3(a)が上面図であり、図3(b)が図3(a)のAA線断面図である。蓋2は、概略、蓋上面21と蓋側面22から成り、蓋上面21の中央には、円状の開口部212が設けられている。一方、蓋上面21の周縁211は、図3(b)に示されるように、蓋上面21よりも、一段高い位置となるように設定されており、この周縁211に透湿フィルムF(図1参照)が熱溶着されることになる。また、開口部212の外周から下方に向けて垂下辺222が垂下されており、蓋2が潮解液貯留容器1(不図示)に取り付けられた際に、錠剤載置用棚3のフランジ部33(いずれも不図示)の上面に当接するサイズに設定されている。すなわち、蓋上面21とフランジ部33(不図示)との間には一定の間隔が存在することになる。
【0021】
第一実施形態に係る除湿器における専用容器は、蓋2が閉じられた際に、透湿フィルムFを通じて、液体は通過しないが気体が通過する構成とされている。蓋上面21と周縁211の高さの違いにより、透湿フィルムFは蓋上面21から、やや離間した状態で配設されることになるため、開口部212の領域に加えて、開口部212の外周と周縁211の内側辺との間の領域(すなわち、図3(a)において、蓋上面21として示された領域)も、気体の通過に寄与することになり、吸湿性能として有利に働く。透湿フィルムは、繰り返し使用に耐える強度が必要で、無機充填剤を配合したポリエチレンやポリプロピレンを延伸した多孔質フィルムに不織布をラミネートした2層構造の透湿フィルムが好適に使用できる。またより強度を持たせるため不織布、多孔質フィルム、不織布をラミネートした3層構造の透湿フィルムでも良い。
【0022】
一般的な除湿剤は、透湿フィルムの上に防湿フィルムを重ねて貼るため、防湿フィルムと、容器と接着する必要がある。また防湿フィルムは除湿剤を使用する際に剥がす必要があるため、その際に多孔質フィルム層を傷つけずに容易に剥がせることが求められる。
無機充填剤を配合したポリエチレンやポリプロピレンを延伸した多孔質フィルムに直接、防湿フィルムを重ねて貼ると多孔質フィルム層を傷つけずに容易に剥がすことが困難である。これらを解決するために、多孔質フィルムに不織布をラミネートしたものが主に用いられる。その不織布は、多孔質フィルムの透湿性を極力阻害せず、強度を補完できるためである。また、容器との接着や、防湿フィルムとの接着の加工を容易にするために、その不織布は熱溶着性も求められる。
そのため不織布の繊維はPEとPETの鞘芯構造を用いられる。第一実施形態では、防湿フィルムを必要としないため、不織布(3層構造の場合は少なくとも片面側の不織布)は、熱溶着する必要がないため高価な鞘芯構造の不織布でなく、これよりも安価なPPやPETの不織布を用いることができる。
蓋側面22の内周には、潮解液貯留容器1の本体上部12の外周に形成された雄ネジ部121(不図示)に螺合される雌ネジ部221が形成されている。ネジは、少ない回転数で開閉できるように多条ネジが好ましく、第一実施形態では、2条ネジとされているが、4条ネジであってもよい。また、雌ネジ部221に代えて、蓋側面22の内周にラグ(爪)を設けて、雄ネジ部121に巻き締めするキャップ、いわゆるツイストキャップとして構成しても良い。先述したように、蓋2の締付け作業終了間際において、操作者は、トルク抵抗が大きくなることを感じつつ、最後にクリック感を感じ取るため、確実な閉蓋が完了したことを確認することができる。このことに加え、蓋3の上面形状は、潮解液貯留容器1の本体下部11(何れも不図示)と同一形状(面取りされた矩形状)であるため、視覚的な観点でも、閉蓋の完了を確認することができる。つまり、操作者は、形状が揃っているかどうかを確認すれば良いことになる。
【0023】
(錠剤載置用棚の構成)
図4は、本発明の第一実施形態に係る除湿器における錠剤載置用棚を示す説明図であり、図4(a)が上面図、図4(b)が正面図である。錠剤載置用棚3は、棚底面31と棚側面32とフランジ部33を備える。全体の形状としては、図4(b)に示されるように、棚底面31がフランジ部33のある上方側よりも小さくなる円錐台の形状をしている。
【0024】
棚底面31には、底面孔311が設けられている。底面孔311は、詰替え用錠剤Tの潮解液を潮解液貯留容器1へ流下させるための機能を果たす。底面孔311は、異なる半径に配置された複数の同心円に沿って、複数の円弧状の孔が位置するよう所定間隔をおいて配置されている。図4(a)に示されるように、最内周では4個の孔、次いで8個の孔、最外周では12個の孔が配置されている。なお、孔の形状としては、円弧状でなく、長孔状のものとする等、潮解液を流下させるための所期の性能を発揮できる限り、適宜の形状を採用することができる。
【0025】
棚側面32には、側面孔321が設けられている。側面孔321も錠剤Tの潮解液を潮解液貯留容器1へ流下させるために寄与する。側面孔321は、棚側面32の外周に沿って、8個の矩形状(正面視でのことであり、正確にいえば、矩形の上辺及び可変は、棚側面に沿って湾曲された形状である。)の孔が位置するよう所定間隔をおいて配置されている。なお、孔の形状としては、潮解液を流下させるための所期の性能を発揮できる限り、適宜の形状を採用することができる。また、底面孔311のみによって、十分な潮解液流下の性能が発揮されるのであれば、側面孔321を省くことも可能である。潮解液流下については、再結晶化の発生頻度等の要因により、その流下性能が使用環境によって異なるため、例えば、販売地域によって仕様を異ならせることが考えられる。
【0026】
潮解液貯留容器1の開口部の縁13(不図示)は、潮解液貯留容器1の内部底面から所定高さとなるように寸法設定されている。錠剤載置用棚3のフランジ部33も、錠剤載置用棚3の底面から適宜の寸法設定がされている。そして、錠剤Tが固有の厚さを有するため、錠剤Tの上面は、潮解液貯留容器1の内部底面から決められた高さに位置することになる。この結果、錠剤Tの上面と、その上方に対向する透湿フィルムFの下面との間隔は、使用開始時において、近接した略決められた大きさとなる。当該間隔は、先述した蓋2の垂下辺222の寸法設定によって、従来のタンク式除湿器における透湿フィルムと顆粒状吸湿剤との距離よりも、近接された間隔となるように設定されており、吸湿性能に寄与している。このことについては、後記する。
【0027】
(除湿器の使用方法)
本発明の第一実施形態に係る除湿器の使用方法について、説明する。
(1)使用前の専用容器と透明な袋内に収納されている詰替え用錠剤Tを用意する。
(2)潮解液貯留容器1に取り付けられている蓋2を、開蓋方向に回して、蓋2を取り外す。蓋2が取り外された潮解液貯留容器1には、錠剤載置用棚3が予め取り付けられている。そうでない場合には、錠剤載置用棚3のフランジ部33を、潮解液貯留容器1の縁13に載置させて、錠剤載置用棚3を潮解液貯留容器1に取付ける。
(3)詰替え用錠剤Tを開封する。
(4)取り出した詰替え用錠剤Tを、錠剤載置用棚3の内側に載置する。
(5)潮解液貯留容器1に対して、蓋2を閉蓋方向に回し、最後、トルク抵抗が大きくなり、クリック感が得られ、かつ、蓋2の形状と潮解液貯留容器1の本体下部11の形状とが重なり合うことを確認したら、キャップ締めが完了する。
(6)押入れ、タンス、下駄箱など、除湿を行いたい空間に、除湿器をセットして、空間の除湿を行う。
(7)錠剤Tが全て潮解されて、除湿性能が低下したら、蓋2及び錠剤載置用棚3を取り外して、潮解液貯留容器1に溜まった潮解液を流すようにして廃棄する。また、必要に応じて、潮解液貯留容器1内部や錠剤載置用棚3の洗浄を行う。
(8)以降は、上記(2)に戻り、新たな詰替え用錠剤Tを使用して、再利用を行うことが可能となる。
【0028】
(除湿器の吸湿性能)
本発明者らがリサーチしたところ、錠剤としての吸湿剤というものは、海外では一応、使用実績があるようである。ただし、そのための容器などの工夫はなく、錠剤が適当な容器内に簀の子を介して置かれ、使用されるだけという状況である。先述したように、除湿器の吸湿性能を高めるには、潮解性吸湿剤と空気との接触面積を大きく確保する必要があるため、顆粒状の吸湿剤が選好される傾向にある。実際のところ、顆粒状の吸湿剤とタブレット状の吸湿剤につき、同体積のものを用意し、吸湿性能の差を確認するために実験を行ったところ、吸湿性能に明らかな有意差が見られた。タブレットの方が取扱いがし易いことは説明する迄も無いが、海外でも、顆粒状の吸湿剤が圧倒的に使用されている。やはり、吸湿性能を重視してのことと思われる。
【0029】
海外において、錠剤が適当な容器内に簀の子を介して置かれ、使用されると述べたが、この適当な容器というものには、透湿性非透水性の透湿フィルムというものは備えられていない。透湿フィルムを用いる目的の一つには、誤って除湿器をひっくり返してしまった際に、潮解液をタンス内などに零さないようにすることがある。このように、透湿フィルムは、使い易さに拘った日本製品に特有な構成である訳だが、外国では、このような配慮には目が向けられないのである。
【0030】
本発明者は、本発明の第一実施形態に係る除湿器、すなわち、専用容器に詰替え用錠剤Tを載置する態様での除湿器についても、吸湿性能の実験を行った。すなわち、図5に示されるように、使用開始状態の第一実施形態と従来例のタンク式除湿器を、温度25±2℃、湿度(80±5)%の雰囲気中に置いたときの経過日数と吸湿量の関係についての比較試験を行ったのである。本発明の課題は、プラスチック等の使用量を大幅に削減し、輸送や保管コストを抑えることである。多少、吸湿性能が犠牲となっても止むを得ない、と本発明者は考えていたのであるが、結果は驚くべきものとなった。図5に示されるように、第一実施形態は、従来例のタンク式除湿器に比べ、全く見劣りすることのない吸湿性能を確認することができたのである。この理由は、次のように考えられる。透湿フィルムを用いることなく、同じ重量、同じ濃度の潮解性物質について、“複数の顆粒状”と“1つの錠剤”で潮解する速さを比較した場合、表面積が大きくなる顆粒状の方が優位となる。しかし、透湿フィルムを備えた除湿器は、その構造体から“透湿フィルムの性能”および“フタ及び容器上部の開口部分の面積”と“潮解性物質の表面積”および“潮解性物質と透湿フィルムとの距離”によって、「透湿フィルムを介して容器内部に引き込む水蒸気量の流量」が決まると推測されるところ、第一実施形態は、これらのパラメータの調整が容易であり、特に、潮解性物質と透湿フィルムの距離を精度よく近接したものに設定することが可能だからである。
【0031】
従来のタンク式除湿器を説明する図9に示されるように、顆粒状吸湿剤が収納される上部空間において、顆粒状吸湿剤と透湿フィルムの間には、ある程度の余裕をもった空間が生じるようにされている。これは、接触面積を大きく確保するために、顆粒状吸湿剤を過度に充填させない方が好ましいという要請からのものである。元々、本発明は、コスト削減という観点から、コンパクト化を目指したために、透湿フィルムと詰替え用錠剤との距離が近接するように設定されたのであるが、そのことにより、思いがけない効果が発現された訳である。
【0032】
<第二実施形態>
本発明の第二実施形態に係る除湿器は、詰替え用錠剤と専用容器を組み合わせて用いる除湿器である点、水蒸気バリア性のある透明な袋内に収納された詰替え用錠剤Tを用い、専用容器を再利用する点において、第一実施形態と共通するものである。しかし、第二実施形態は、詰替え用錠剤Tを2個用いる点と、そのために、潮解液貯留容器1Aと錠剤載置用棚3Aのサイズが大きくされている点で、第一実施形態と異なるものである。ただし、蓋2については、第一実施形態と同じものが用いられる。
【0033】
(潮解液貯留容器の構成)
図6は、本発明の第二実施形態に係る除湿器における潮解液貯留容器を示す説明図であり、図6(a)が上面図、図6(b)が正面図、図6(c)が図6(a)を45度回転させた状態で上から観た図、図6(d)が図6(c)を正面から観た図である。
【0034】
潮解液貯留容器1Aは、直方体の四辺が面取りされた本体下部11Aと、本体下部11Aから連接された円柱部である本体上部12Aとから構成された複合形状の容器である。本体下部11Aは、錠剤載置用棚3A(不図示)が配設された際に、当該錠剤載置用棚3A(不図示)の下面で仕切られる領域が、二個の錠剤Tが全て潮解された際に発生する潮解液を収容するに十分な容積を有しており、第二実施形態においては、1000ccとされている。本体下部11Aの上には、本体下部11Aの中心軸と同芯となるように、円柱部としての本体上部12Aが連接されており、このため、本体上部12Aの周囲には、図6(a)に示されるように、本体下部11Aの上面が四隅に配置されることになる。
【0035】
本体上部12Aの外周には、蓋2の雌ネジ部221(不図示)に螺合される雄ネジ部121Aが形成されている。ネジは、少ない回転数で開閉できるように多条ネジが好ましく、第二実施形態では、2条ネジとされているが、4条ネジであってもよい。
【0036】
本体上部12Aの頂部の縁13Aは、錠剤載置用棚3Aのフランジ部33A(いずれも不図示)を支承する機能を果たし、もって、錠剤載置用棚3A(不図示)は、潮解液貯留容器1Aの内部底面から所定高さ位置に配設されることになる。
【0037】
本体下部11Aの上面と本体上部12Aが連接される境界近辺の90度ごとの位置には、三角突起122Aと膨出部123Aが2つずつ配置されている。三角突起122Aと膨出部123Aにより、蓋2の締付け作業終了間際において、操作者は、トルク抵抗が大きくなることを感じつつ、最後にクリック感を感じ取るため、確実な閉蓋が完了したことを確認することができる。
【0038】
(錠剤載置用棚の構成)
図7は、本発明の第二実施形態に係る除湿器における錠剤載置用棚を示す説明図であり、図7(a)が上面図、図7(b)が正面図である。錠剤載置用棚3Aは、棚底面31Aと棚側面32Aとフランジ部33Aを備える。全体の形状としては、図7(b)に示されるように、棚底面31Aがフランジ部33Aのある上方側よりも小さくなる円錐台の形状をしている。
【0039】
棚底面31Aには、底面孔311Aが設けられている。底面孔311Aは、錠剤Tの潮解液を潮解液貯留容器1Aへ流下させるための機能を果たす。底面孔311Aは、異なる半径に配置された複数の同心円に沿って、複数の円弧状の孔が位置するよう所定間隔をおいて配置されている。図7(a)に示されるように、最内周では4個の孔、次いで8個の孔、最外周では12個の孔が配置されている。なお、孔の形状としては、円弧状でなく、長孔状のものとする等、潮解液を流下させるための所期の性能を発揮できる限り、適宜の形状を採用することができる。
【0040】
棚側面32Aには、側面孔321Aが設けられている。側面孔321Aも錠剤Tの潮解液を潮解液貯留容器1へ流下させるために寄与する。側面孔321は、棚側面32の外周に沿って、8個の矩形状(正面視でのことであり、正確にいえば、矩形の上辺及び可変は、棚側面に沿って湾曲された形状である。)の孔が位置するよう所定間隔をおいて配置されている。なお、孔の形状としては、潮解液を流下させるための所期の性能を発揮できる限り、適宜の形状を採用することができる。また、底面孔311Aのみによって、十分な潮解液流下の性能が発揮されるのであれば、側面孔321Aを省くことも可能である。
【0041】
潮解液貯留容器1Aの開口部の縁13A(不図示)は、潮解液貯留容器1Aの内部底面から所定高さとなるように寸法設定されている。錠剤載置用棚3Aのフランジ部33Aも、錠剤載置用棚3Aの底面から適宜の寸法設定がされている。そして、詰替え用錠剤Tが固有の厚さを有し、二個分の詰替え用錠剤Tの高さ(厚さ)も決められた固有の値となるため、詰替え用錠剤Tの上面は、潮解液貯留容器1Aの内部底面から決められた高さに位置することになる。この結果、詰替え用錠剤Tの上面と、その上方に対向する透湿フィルムFの下面との間隔は決められた所定の大きさとなる。当該間隔は、第一実施形態と変わるものでなく、このため、吸湿性能は、先に説明した理由のとおり、良好なものとなる。ただし、二個分の詰替え用錠剤Tの潮解が進めば、前記間隔は、第一実施形態において潮解が進んだ場合の間隔よりも、大きくなるため、吸湿性能の経時劣化という点で、やや不利であることは否めない。しかし、第二実施形態は、使用期間を長くできるという点では、第一実施形態よりも有利である。
【0042】
(除湿器の使用方法)
本発明の第二実施形態に係る除湿器の使用方法は、第一実施形態のそれと大きく異なるものではない。異なる点は、透明な袋内に二個分のものが収納されている詰替え用錠剤Tを用意する点だけである。無論、これが用意できないときは、一個分のものが収納されている詰替え用錠剤Tを二袋用意するのであってもよい。二個分の詰替え用錠剤Tを、載置し、錠剤二個分の潮解液を廃棄する等して、二個分を単位として、除湿器を再利用していくのである。
【0043】
(除湿器の吸湿性能)
図8に示されるように、使用開始状態の第二実施形態と従来例のタンク式除湿器を、温度25±2℃、湿度(80±5)%の雰囲気中に置いたときの経過日数と吸湿量の関係についての比較試験を行った。図8に示されるように、第二実施形態は、従来例のタンク式除湿器の吸湿性能を、やや上回る結果を示した。
【0044】
以上、本発明の実施形態に係る除湿器について、図面を参照して詳述し、その構造について説明してきたが、具体的な構成は、これらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、潮解液貯留容器及び蓋の共通形状である矩形状は、円形状であっても良い。視覚上の閉蓋完了確認の機能はなくなるものの、三角突起や膨出部によるトルク抵抗の増加とクリック感による手の感覚だけでも、操作者は操作完了を感じ取ることが可能である。さらに、矩形状か円形状かに関わらず、ツイストキャップ態様とするのであれば、三角突起や膨出部を省くことも可能である。そもそも、ツイストキャップは、蓋部内周に存在するラグ(爪)により、抵抗を感じつつ、キャップ締めを完了させるものだからである。
【0045】
実施形態において、錠剤載置用棚を配設するための係合部は潮解液貯留容器の上面の縁であり、錠剤載置用棚はフランジ部であったが、錠剤載置用棚を所定高さ位置にきちんと設定できるものであれば、例えば、容器内面に設けられた凹部と錠剤載置用棚に設けられた凸部が係り合うようにする構成など、他の係合手段によるものであっても良い。
【0046】
実施形態において、錠剤載置用棚の形状は円錐台形状であったが、円筒状であっても良い。同様に、詰替え用錠剤Tは、中棚に効率よく収めるという点では、円錐台状若しくは円筒状が好ましいが、球体でも構わないし、中棚に収まれば形状は特に限定されない。除湿器の吸湿性能の項で説明した理由からすれば、吸湿性能はやや犠牲になるかもしれないが、本発明の課題は、資源の再利用や、輸送コスト・保管コストの抑制にあるため、吸湿性能の低下をもって、本発明の技術的思想から外れるものではない。
【0047】
先述したように、底面孔や側面孔のサイズや形状は、所期の機能を果たす限り、適宜のものを採用し得るが、夏冬用や春秋用のものとして別タイプのものを用意し、季節に応じたものを交換して用いるようにしても良い。気温差(寒暖差)の大きい季節は、再結晶による孔の目詰まりが生じやすいために、サイズの大きい孔形状のものを用いるのが有利である。逆の発想として、再結晶が生じにくい季節に用いる前提であれば、底面孔を顆粒状の吸湿剤が通過させない位の小さいものとして、顆粒状タイプも詰替え用吸湿剤の対象となるようにして、錠剤タイプと顆粒剤タイプとの兼用の容器としても良い。透湿フィルムを剥がして容器ごと廃棄することが強いられる従来の除湿器と比べれば、容器を廃棄せず、再利用が可能という点だけでも、なお、コスト削減に寄与することになる。このように、除湿器用容器の発明という観点からは、顆粒状の吸湿剤を用いるものであっても、本発明の技術的思想から外れるものではない。
【符号の説明】
【0048】
1 潮解液貯留容器
11 本体下部
12 本体上部
121 雄ネジ部
122 三角突起
123 膨出部
2 蓋
21 蓋上面
211 周縁
212 開口部
22 蓋側面部
221 雌ネジ部
222 垂下辺
3 錠剤載置用棚
31 棚底面
311 底面孔
32 棚側面
321 側面孔
33 フランジ部
1A 潮解液貯留容器
11A 本体下部
12A 本体上部
121A 雄ネジ部
122A 三角突起
123A 膨出部
3A 錠剤載置用棚
31A 棚底面
311A 底面孔
32A 棚側面
321A 側面孔
33A フランジ部
T 錠剤(詰替え用錠剤)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-07-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
錠剤と専用容器とを組み合わせて用いる除湿器であって、
前記錠剤は、潮解性物質が加圧され圧縮された状態の潮解性吸湿剤であり、
前記専用容器は、潮解液貯留容器と蓋と錠剤載置用棚とを備えるものであり、
前記潮解液貯留容器は、内部底面から所定高さ位置に前記錠剤載置用棚を配設するための係合部を有し、かつ、前記錠剤の潮解液を貯留可能であり、
前記蓋は、前記錠剤載置用棚を介在させた状態で前記潮解液貯留容器との堅牢な接続を確保するものであり、上面に開口部を有し、かつ、当該開口部は透湿フィルムで密封されており、
前記錠剤載置用棚は、少なくとも下方に、前記錠剤の潮解液を前記潮解液貯留容器へ流下させるための孔を有し、かつ、全体の形状が凹状であり、前記錠剤を収納するに十分な深さを有しつつも、規定数個の前記錠剤を載置させた際に、前記透湿フィルムの下面と前記錠剤の上面とが近接された間隔となるように、底面の棚部が設定されている
ことを特徴とする除湿器。
【請求項2】
前記係合部は、前記潮解液貯留容器の上面の縁であり、前記錠剤載置用棚の被係合部は、前記錠剤載置用棚に設けられているフランジである
ことを特徴とする請求項1に記載の除湿器。
【請求項3】
潮解性物質が加圧され圧縮された状態の潮解性吸湿剤としての錠剤を収納して除湿器として用いることが可能な除湿器用容器であって、
潮解液貯留容器と蓋と錠剤載置用棚とを備え、
前記潮解液貯留容器は、内部底面から所定高さ位置に前記錠剤載置用棚を配設するための係合部を有し、かつ、前記錠剤の潮解液を貯留可能であり、
前記蓋は、前記錠剤載置用棚を介在させた状態で前記潮解液貯留容器との堅牢な接続を確保するものであり、上面に開口部を有し、かつ、当該開口部は透湿フィルムで密封されており、
前記錠剤載置用棚は、少なくとも下方に、前記錠剤の潮解液を前記潮解液貯留容器へ流下させるための孔を有し、かつ、全体の形状が凹状であり、前記錠剤を収納するに十分な深さを有しつつも、規定数個の前記錠剤を載置させた際に、前記透湿フィルムの下面と前記錠剤の上面とが近接された間隔となるように、底面の棚部が設定されている
ことを特徴とする除湿器用容器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明は、錠剤と専用容器とを組み合わせて用いる除湿器であって、前記錠剤は、潮解性物質が加圧され圧縮された状態の潮解性吸湿剤であり、前記専用容器は、潮解液貯留容器と蓋と錠剤載置用棚とを備えるものであり、前記潮解液貯留容器は、内部底面から所定高さ位置に前記錠剤載置用棚を配設するための係合部を有し、かつ、前記錠剤の潮解液を貯留可能であり、前記蓋は、前記錠剤載置用棚を介在させた状態で前記潮解液貯留容器との堅牢な接続を確保するものであり、上面に開口部を有し、かつ、当該開口部は透湿フィルムで密封されており、前記錠剤載置用棚は、少なくとも下方に、前記錠剤の潮解液を前記潮解液貯留容器へ流下させるための孔を有し、かつ、全体の形状が凹状であり、前記錠剤を収納するに十分な深さを有しつつも、規定数個の前記錠剤を載置させた際に、前記透湿フィルムの下面と前記錠剤の上面とが近接された間隔となるように、底面の棚部が設定されていることを特徴とする除湿器により、前述の課題を解決した。