(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157636
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 29/78 20060101AFI20241031BHJP
H01L 29/06 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
H01L29/78 652M
H01L29/78 652P
H01L29/78 652K
H01L29/78 653C
H01L29/78 652F
H01L29/78 652S
H01L29/06 301V
H01L29/06 301F
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072094
(22)【出願日】2023-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 建太
(57)【要約】
【課題】オン抵抗の低減を図ること。
【解決手段】半導体装置10は、X軸方向に配列された第1ゲートトレンチ41および第2ゲートトレンチ42と、第1ゲートトレンチ41から第2ゲートトレンチ42に向けてX軸方向に延び、第2ゲートトレンチ42との間に第1ギャップ51を形成する第3ゲートトレンチ43と、第2ゲートトレンチ42から第1ゲートトレンチ41に向けてX軸方向に延び、第1ゲートトレンチ41との間に第2ギャップ52を形成する第4ゲートトレンチ44と、第1~第4ゲートトレンチ41~44によって囲まれたセル領域CAに配置されたフィールドプレートトレンチ14と、第1~第4ゲートトレンチ41~44内に配置されたゲート電極61,62と、フィールドプレートトレンチ14内に配置され、ソース電極に電気的に接続されているフィールドプレート電極65と、を含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面を含む半導体層と、
前記半導体層に設けられ、前記上面に垂直な方向から視た平面視において第1方向に配列され、前記第1方向と交差する第2方向に延びる第1ゲートトレンチおよび第2ゲートトレンチと、
前記第1ゲートトレンチから前記第2ゲートトレンチに向けて前記第1方向に延び、前記第2ゲートトレンチとの間に第1ギャップを形成する第3ゲートトレンチと、
前記第3ゲートトレンチから前記第2方向に離隔して配置され、前記第2ゲートトレンチから前記第1ゲートトレンチに向けて前記第1方向に延び、前記第1ゲートトレンチとの間に第2ギャップを形成する第4ゲートトレンチと、
前記第1~第4ゲートトレンチによって囲まれたセル領域に配置されたフィールドプレートトレンチと、
前記第1~第4ゲートトレンチ内に配置されたゲート電極と、
前記半導体層上に形成された絶縁層と、
前記絶縁層上に形成されたソース電極と、
前記フィールドプレートトレンチ内に配置され、前記ソース電極に電気的に接続されているフィールドプレート電極と、
を含む、半導体装置。
【請求項2】
前記第1方向における前記第1ゲートトレンチ、前記フィールドプレートトレンチ、前記第2ゲートトレンチの配置ピッチは等しい、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1方向における前記第2ギャップの第2長さは、前記第1方向における前記第1ギャップの第1長さと等しい、
請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1方向において、前記第3ゲートトレンチと前記第2ゲートトレンチとの間の前記第1ギャップの第1長さは、前記第1ゲートトレンチと前記第2ゲートトレンチとの配置ピッチと前記第1および第2ゲートトレンチのトレンチ幅の差よりも小さい、
請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1ギャップの第1長さは、前記第1ゲートトレンチと前記フィールドプレートトレンチとの配置ピッチと前記トレンチ幅との差の2/3よりも大きい、
請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第2方向において、前記フィールドプレートトレンチと前記第3ゲートトレンチとの間の第3ギャップの第3長さは、前記フィールドプレートトレンチと前記第4ゲートトレンチとの間の第4ギャップの第4長さと等しい、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第3ギャップの第3長さは、前記第1ギャップの第1長さと等しい、
請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1方向における前記第1および第2ゲートトレンチのトレンチ幅と、前記第2方向における前記第3および第4ゲートトレンチのトレンチ幅は等しい、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第1方向における前記フィールドプレートトレンチのトレンチ幅は、前記第1方向における前記第1および第2ゲートトレンチのトレンチ幅、前記第2方向における前記第3および第4ゲートトレンチのトレンチ幅と等しい、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第2方向における前記第3および第4ゲートトレンチの配置ピッチは、前記第1方向における前記第1および第2ゲートトレンチの配置ピッチと等しい、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記ソース電極と前記フィールドプレート電極とを電気的に接続するソースコンタクトプラグを含む、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記ソースコンタクトプラグは、平面視において前記フィールドプレートトレンチと交差するように延びる第1コンタクト部と、前記フィールドプレートトレンチを囲むように形成されて前記第1コンタクト部の両端と接続された第2コンタクト部と、を含み、
前記フィールドプレート電極は、前記第1コンタクト部と電気的に接続されている、
請求項11に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記第1方向において前記フィールドプレート電極を挟むように前記フィールドプレートトレンチ内に、配置された第2フィールドプレート電極を含む、
請求項11または請求項12に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記第2フィールドプレート電極は、前記ソースコンタクトプラグと電気的に接続されている、請求項13に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、トレンチゲート構造を有するMISFETを開示している。当該トレンチゲート構造は、ゲートトレンチと、絶縁層と、底側電極と、開口側電極とを含んでいる。特許文献1には、底側電極に基準電圧を印加するとともに、開口側電極にゲート電圧を印加することによって、MISFETの耐圧の低下を抑制しつつスイッチング速度を向上できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、スプリットゲート構造の半導体装置において、オン抵抗を低減することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様である半導体装置は、上面を含む半導体層と、前記半導体層に設けられ、前記上面に垂直な方向から視た平面視において第1方向に配列され、前記第1方向と交差する第2方向に延びる第1ゲートトレンチおよび第2ゲートトレンチと、前記第1ゲートトレンチから前記第2ゲートトレンチに向けて前記第1方向に延び、前記第2ゲートトレンチとの間に第1ギャップを形成する第3ゲートトレンチと、前記第3ゲートトレンチから前記第2方向に離隔して配置され、前記第2ゲートトレンチから前記第1ゲートトレンチに向けて前記第1方向に延び、前記第1ゲートトレンチとの間に第2ギャップを形成する第4ゲートトレンチと、前記第1~第4ゲートトレンチによって囲まれたセル領域に配置されたフィールドプレートトレンチと、前記第1~第4ゲートトレンチ内に配置されたゲート電極と、前記半導体層上に形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成されたソース電極と、前記フィールドプレートトレンチ内に配置され、前記ソース電極に電気的に接続されているフィールドプレート電極と、を含む。
【発明の効果】
【0006】
本開示の一態様である半導体装置によれば、オン抵抗の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、例示的な半導体装置の概略平面図である。
【
図2】
図2は、
図1の半導体装置のゲートトレンチおよびフィールドプレートトレンチを説明する概略平面図である。
【
図3】
図3は、
図1の半導体装置の一部を拡大して示す概略平面図である。
【
図6】
図6は、
図1の半導体装置の単位セルにおける電流経路数と電流経路断面を説明するための概略平面図である。
【
図7】
図7は、比較例の半導体装置の単位セルにおける電流経路数と電流経路断面を説明するための概略平面図である。
【
図9】
図9は、変更例の半導体装置の単位セルを示す概略平面図である。
【
図12】
図12は、変更例の半導体装置の一部を示す概略平面図である。
【
図13】
図13は、変更例の半導体装置の一部を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して本開示の半導体装置のいくつかの実施形態を説明する。なお、説明を簡単かつ明確にするために、図面に示される構成要素は必ずしも一定の縮尺で描かれていない。また、理解を容易にするために、断面図では、ハッチング線が省略されている場合がある。添付の図面は、本開示の実施形態を例示するに過ぎず、本開示を制限するものとみなされるべきではない。
【0009】
本開示における「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、単に対象物を区別するために用いられており、対象物を順位づけするものではない。また、本明細書における「平行」、「垂直」、「直交」、「一定」は、厳密に平行、垂直、直交、一定の場合のみでなく、本実施形態における作用効果を奏する範囲内で概ね平行、垂直、直交、一定の場合も含まれる。本明細書において「等しい」とは、正確に等しい場合の他、寸法公差等の影響により比較対象同士に多少の相違がある場合も含む。
【0010】
以下の詳細な記載は、本開示の例示的な実施形態を具体化する装置、システム、および方法を含む。この詳細な記載は本来説明のためのものに過ぎず、本開示の実施形態またはこのような実施形態の適用および使用を限定することを意図しない。
【0011】
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【0012】
(半導体装置の概略構成)
図1は、第1実施形態による例示的な半導体装置10の概略平面図である。なお、本開示において使用される「平面視」という用語は、
図1に示される互いに直交するXYZ軸のZ軸方向に半導体装置10を視ることをいう。明示的に別段の記載がない限り、「平面視」とは、半導体装置10をZ軸に沿って上方から視ることを指す。
【0013】
半導体装置10は、例えばスプリットゲート構造を有するMISFETである。半導体装置10は、半導体層11を含む。
半導体層11は、一例ではシリコン(Si)から形成することができる。半導体層11は、上面11A、および上面11Aとは反対側の下面11Bを含む。半導体層11は、上面11Aに垂直な方向(Z軸方向)の厚さを有している。
【0014】
半導体装置10は、複数のゲートトレンチ12を含む。一例では、複数のゲートトレンチ12は、平面視でY軸方向に延びている。複数のゲートトレンチ12は、X軸方向に幅を有している。複数のゲートトレンチ12は、平面視においてX軸方向に配列されている。複数のゲートトレンチ12は、平面視でX軸方向に等間隔に配置されていてよい。
【0015】
また、半導体装置10は、複数のゲートトレンチ13を含む。複数のゲートトレンチ13は、平面視で、X軸方向に延びている。複数のゲートトレンチ13は、Y軸方向に幅を有している。複数のゲートトレンチ13は、X軸方向に隣り合う2つのゲートトレンチ12のそれぞれに対して配置されている。また、複数のゲートトレンチ13は、Y軸方向に配列されている。複数のゲートトレンチ13は、平面視でY軸方向に等間隔で配置されていてよい。
【0016】
なお、
図1は、半導体装置10におけるゲートトレンチ12,13の配置の一例を示すものである。ゲートトレンチ12,13の配置は、変更されてよい。たとえば、半導体装置10は、Y軸方向に配列された複数のゲートトレンチ12を含んでいてよい。また、半導体装置10は、複数列のゲートトレンチ12を含んでいてよい。ゲートトレンチ13は、ゲートトレンチ12の配置に応じて配置される。
【0017】
ゲートトレンチ12,13内には、後述するゲート電極61,62およびフィールドプレート電極63,64(
図4、
図5参照)を配置することができる。
ゲートトレンチ12,13は、半導体層11の上面11Aに開口を有しており、Z軸方向に深さを有している。本明細書においては、Z軸方向を「ゲートトレンチ12,13の深さ方向」、X軸方向を「第1方向」、Y軸方向を「第2方向」ともいう。したがって、ゲートトレンチ12,13の深さ方向は、第1方向および第2方向の双方と直交しており、第2方向は、平面視で第1方向と直交している。
【0018】
半導体装置10は、半導体層11に形成されたフィールドプレートトレンチ14をさらに含む。フィールドプレートトレンチ14は、ゲートトレンチ12,13の間に配置されている。また、フィールドプレートトレンチ14は、ゲートトレンチ12,13から離隔されている。すなわち、フィールドプレートトレンチ14は、ゲートトレンチ12,13とは連通していない。一例では、フィールドプレートトレンチ14は、平面視でY軸方向に延びている。フィールドプレートトレンチ14は、X軸方向に幅を有する矩形状に形成されている。
【0019】
半導体装置10は、半導体層11上に形成された絶縁層21を含む。絶縁層21は、半導体層11の上面11Aに接している。絶縁層21は、一例では、シリコン酸化膜(SiO2)から形成することができる。絶縁層21は、追加的または代替的に、SiO2と異なる絶縁材料、たとえば窒化シリコン(SiN)などから形成された層を含んでいてもよい。
【0020】
半導体装置10は、半導体層11に形成された周縁トレンチ22をさらに含んでいてもよい。周縁トレンチ22は、ゲートトレンチ12,13から離隔されつつ、平面視でゲートトレンチ12,13を取り囲むように配置することができる。周縁トレンチ22内には、図示しない周縁電極を配置することができる。
【0021】
図1に示すように、半導体層11の上面11Aは、n型不純物を含むn
-型領域23と、p型不純物を含むp
-型領域24と、n型不純物を含むn
+型領域25とを含むことができる。n
-型領域23は、周縁トレンチ22を取り囲んでいてよい。また、p
-型領域24およびn
+型領域25は、周縁トレンチ22によって取り囲まれていてよい。周縁トレンチ22の存在によりp
-型領域24とn
+型領域25との間のpn接合界面が露出しないため、半導体装置10の耐圧を向上させることができる。
【0022】
ゲートトレンチ12,13は、p
-型領域24およびn
+型領域25の両方と隣接するように配置することができる。
図1の例では、n
+型領域25は、Y軸方向において2つのp
-型領域24の間に位置することができる。ゲートトレンチ12のY軸方向における各端は、2つのp
-型領域24のうちの1つに隣接することができ、一方、ゲートトレンチ12の中間部分は、n
+型領域25に隣接することができる。ゲートトレンチ13は、n
+型領域25に隣接することができる。
【0023】
半導体装置10は、絶縁層21上に形成されたゲート電極31およびソース電極32をさらに含むことができる。ゲート電極31およびソース電極32の各々は、ゲートトレンチ12,13の一部と、周縁トレンチ22の一部とを覆うように配置することができる。ゲート電極31は、2つのp-型領域24のうちの一方と少なくとも部分的に重なるように配置することができる。ソース電極32は、2つのp-型領域24のうちの他方と少なくとも部分的に重なるように配置することができる。ソース電極32は、ゲート電極31から離隔されつつ、少なくともn+型領域25の全体を覆っていてよい。
【0024】
ゲート電極31およびソース電極32は、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、Cu合金、およびAl合金のうちの少なくとも1つから形成することができる。
【0025】
半導体装置10は、複数のゲートコンタクト15をさらに含むことができる。各ゲートコンタクト15は、各ゲートトレンチ12,13内に配置されたゲート電極61,62(
図3参照)をゲート電極31に接続することができる。ゲートコンタクト15は、ゲートトレンチ12,13内のゲート電極61,62とゲート電極31との間に位置する絶縁層21を貫通するようにZ軸方向に延びることができる。一例では、ゲートコンタクト15は、平面視でゲートトレンチ12とゲート電極31とが重なる領域に配置することができる。
【0026】
半導体装置10は、複数のソースコンタクト16をさらに含むことができる。各ソースコンタクト16は、各ゲートトレンチ12,13内に配置されたフィールドプレート電極63,64(
図4、
図5参照)をソース電極32に接続することができる。ソースコンタクト16は、フィールドプレート電極63,64とソース電極32との間に位置する絶縁層21を貫通するようにZ軸方向に延びることができる。一例では、ソースコンタクト16は、平面視でゲートトレンチ12とソース電極32とが重なる領域に配置することができる。
【0027】
半導体装置10は、複数のソースコンタクトプラグ17を含むことができる。
ソースコンタクトプラグ17は、ゲートトレンチ12,13により囲まれた領域内に配置することができる。ソースコンタクトプラグ17は、半導体層11内に形成されたコンタクト領域76をソース電極32に接続することができる。ソースコンタクトプラグ17は、コンタクト領域76とソース電極32との間に位置する半導体層11および絶縁層21を貫通するようにZ軸方向に延びることができる。
【0028】
ソースコンタクトプラグ17は、X軸方向に隣り合う2つのゲートトレンチ12の間に配置されたフィールドプレートトレンチ14を囲むように形成されていてよい。さらに、ソースコンタクトプラグ17は、フィールドプレートトレンチ14内に配置されたフィールドプレート電極65(
図3~
図5参照)をソース電極32と接続する。
【0029】
半導体装置10は、周縁トレンチ22内に配置された周縁電極(図示略)をソース電極32に接続する1つまたは複数のコンタクト18をさらに含んでいてもよい。
ゲートコンタクト15、ソースコンタクト16,ソースコンタクトプラグ17、およびコンタクト18は、任意の金属材料から形成することができる。一例では、ゲートコンタクト15、ソースコンタクト16,ソースコンタクトプラグ17、およびコンタクト18は、タングステン(W)、Ti、および窒化チタン(TiN)のうちの少なくとも1つから形成することができる。
【0030】
半導体装置10は、ゲート電極31およびソース電極32を覆うパッシベーション膜を含んでいてよい。パッシベーション膜は、ゲート電極31とソース電極32とをそれぞれ露出する開口を有していてよい。ゲート電極31において、パッシベーション膜の開口により露出された領域は、外部接続のためのゲートパッドということもできる。ソース電極32において、パッシベーション膜の開口により露出された領域は、外部接続のためのソースパッドということもできる。
【0031】
(ゲートトレンチ、フィールドプレートトレンチの配置)
ゲートトレンチ12,13およびフィールドプレートトレンチ14の配置の一例を説明する。
【0032】
図2は、
図1の半導体装置10の一部を示す概略平面図であり、ゲートトレンチ12,13、フィールドプレートトレンチ14を示す。
図2には、3つのゲートトレンチ12が示されている。複数のゲートトレンチ12のうちの1つを第1ゲートトレンチ41とし、その第1ゲートトレンチ41にX軸方向に隣り合うゲートトレンチ12を第2ゲートトレンチ42とする。なお、
図2において、X軸方向の中央のゲートトレンチ12を第1ゲートトレンチ41としてもよく、第1ゲートトレンチ41の図面右側のゲートトレンチ12を第1ゲートトレンチ41としてもよい。以下の説明において、第1ゲートトレンチ41と第2ゲートトレンチ42とを区別しない場合には、ゲートトレンチ12を用いて説明する。
【0033】
第1ゲートトレンチ41および第2ゲートトレンチ42は、X軸方向に並んで配置されている。第1ゲートトレンチ41および第2ゲートトレンチ42は、X軸方向と交差するY軸方向に延びている。第1ゲートトレンチ41および第2ゲートトレンチ42は、X軸方向に幅を有している。一例では、第1ゲートトレンチ41のトレンチ幅は、第2ゲートトレンチ42のトレンチ幅と等しい。ここで、第1ゲートトレンチ41および第2ゲートトレンチ42のトレンチ幅を第1トレンチ幅T1とする。なお、第1ゲートトレンチ41のトレンチ幅と第2ゲートトレンチのトレンチ幅とが相違していてもよい。
【0034】
複数のゲートトレンチ13は、第1ゲートトレンチ41と第2ゲートトレンチ42との間に配置されている。複数のゲートトレンチ13は、第1ゲートトレンチ41から第2ゲートトレンチ42に向けてX軸方向に延びる第3ゲートトレンチ43と、第2ゲートトレンチ42から第1ゲートトレンチ41に向けてX軸方向に延びる第4ゲートトレンチ44と、を含む。
【0035】
第3ゲートトレンチ43は、第1ゲートトレンチ41と連通している。X軸方向において、第3ゲートトレンチ43は、第2ゲートトレンチ42から離隔している。第3ゲートトレンチ43は、第3ゲートトレンチ43の先端43Cと第2ゲートトレンチ42との間に第1ギャップ51を形成する。
【0036】
第3ゲートトレンチ43および第4ゲートトレンチ44は、Y軸方向に幅を有している。一例では、第3ゲートトレンチ43のトレンチ幅は、第4ゲートトレンチ44のトレンチ幅と等しい、ここで、第3ゲートトレンチ43および第4ゲートトレンチ44のトレンチ幅を第2トレンチ幅T2とする。なお、第3ゲートトレンチ43のトレンチ幅と第4ゲートトレンチ44のトレンチ幅が相違していてもよい。
【0037】
一例では、第2トレンチ幅T2は、第1トレンチ幅T1と等しい。つまり、Y軸方向における第3ゲートトレンチ43および第4ゲートトレンチ44のトレンチ幅は、X軸方向における第1ゲートトレンチ41および第2ゲートトレンチ42のトレンチ幅と等しい。
【0038】
第4ゲートトレンチ44は、第3ゲートトレンチ43からY軸方向に離隔して配置されている。第4ゲートトレンチ44は、第2ゲートトレンチ42と連通している。X軸方向において、第4ゲートトレンチ44は、第1ゲートトレンチ41から離隔している。第4ゲートトレンチ44は、第4ゲートトレンチ44の先端44Cと第1ゲートトレンチ41との間に第2ギャップ52を形成する。
【0039】
第1ギャップ51の第1長さM1は、X軸方向において、第3ゲートトレンチ43の先端43Cから第2ゲートトレンチ42までの長さである。第2ギャップ52の第2長さM2は、X軸方向において、第4ゲートトレンチ44の先端44Cから第1ゲートトレンチ41までの長さである。一例では、第1ギャップ51の第1長さM1は、第2ギャップ52の第2長さM2と等しい。なお、第1ギャップ51の第1長さM1と、第2ギャップ52の第2長さM2は、相違していてもよい。
【0040】
複数の第3ゲートトレンチ43および第4ゲートトレンチ44は、Y軸方向において、交互に配置されている。一例では、第3ゲートトレンチ43および第4ゲートトレンチ44は、Y軸方向において等間隔にて配置されている。Y軸方向において、第3ゲートトレンチ43と第4ゲートトレンチ44との配置ピッチを「L」とする。
【0041】
第1ゲートトレンチ41と第2ゲートトレンチ42との間には、複数のフィールドプレートトレンチ14が配置されている。複数のフィールドプレートトレンチ14は、Y軸方向に配列されている。一例では、複数のフィールドプレートトレンチ14は、Y軸方向において等間隔で配置されている。複数のフィールドプレートトレンチ14は、平面視において、Y軸方向に延びている。複数のフィールドプレートトレンチ14は、X軸方向に幅を有する矩形状に形成されている。フィールドプレートトレンチ14のX軸方向における幅をトレンチ幅T3とする。一例では、フィールドプレートトレンチ14のトレンチ幅T3は、第1ゲートトレンチ41および第2ゲートトレンチ42のトレンチ幅T3と等しい。この例では、フィールドプレートトレンチ14のトレンチ幅T3は、第3ゲートトレンチ43および第4ゲートトレンチ44のトレンチ幅T2と等しい。
【0042】
フィールドプレートトレンチ14は、X軸方向において、第1ゲートトレンチ41と第2ゲートトレンチ42との間に配置されている。フィールドプレートトレンチ14は、Y軸方向において、第3ゲートトレンチ43と第4ゲートトレンチ44との間に配置されている。したがって、フィールドプレートトレンチ14は、第1ゲートトレンチ41、第2ゲートトレンチ42、第3ゲートトレンチ43、および第4ゲートトレンチ44によって囲まれたセル領域CAに配置されているといえる。セル領域CAは、第1ゲートトレンチ41、第2ゲートトレンチ42、第3ゲートトレンチ43、および第4ゲートトレンチ44によって囲まれた半導体層11である。
【0043】
このセル領域CAは、X軸方向において隣り合う第1ゲートトレンチ41および第2ゲートトレンチ42と、Y軸方向において隣り合う第3ゲートトレンチ43および第4ゲートトレンチ44によって規定される単位セルUCに含まれていてよい。単位セルUCは、X軸方向に配列されたゲートトレンチ12の配置ピッチと、Y軸方向に配列されたゲートトレンチ13の配置ピッチとによって規定される。半導体装置10は、複数の単位セルUCを含むといえる。フィールドプレートトレンチ14は、各単位セルUCに配置されているといえる。
【0044】
一例では、フィールドプレートトレンチ14は、X軸方向において、第1ゲートトレンチ41と第2ゲートトレンチ42との間の中央に配置されている。したがって、第1ゲートトレンチ41、フィールドプレートトレンチ14、および第2ゲートトレンチ42は、X軸方向において等ピッチにて配置されている。X軸方向において、第1ゲートトレンチ41とフィールドプレートトレンチ14との配置ピッチを「P」とする。フィールドプレートトレンチ14と第2ゲートトレンチ42は、配置ピッチPにて配置されている。そして、第1ゲートトレンチ41と第2ゲートトレンチ42は、配置ピッチ2Pにて配置されている。一例では、第3ゲートトレンチ43と第4ゲートトレンチ44との配置ピッチLは、第1ゲートトレンチ41と第2ゲートトレンチ42の配置ピッチ2Pと等しい。
【0045】
X軸方向において、第1ギャップ51の第1長さM1は、第1ゲートトレンチ41と第2ゲートトレンチ42との間の距離L2よりも小さい。第1ゲートトレンチ41と第2ゲートトレンチ42との間の距離L2は、第1ゲートトレンチ41と第2ゲートトレンチ42との配置ピッチ2Pから、第1ゲートトレンチ41の第1トレンチ幅T1の1/2と、第2ゲートトレンチ42の第2トレンチ幅T2の1/2とを減算した値として求められる。一例では、第1トレンチ幅T1と第2トレンチ幅T2は、互いに等しい。したがって、X軸方向において、第1ギャップ51の第1長さM1は、第1ゲートトレンチ41と第2ゲートトレンチ42との配置ピッチ2Pと第1トレンチ幅T1(第2トレンチ幅T2)との差よりも小さいといえる。また、一例では、第2ギャップ52の第2長さM2は、第1ギャップ51の第1長さM1と等しい。したがって、第2ギャップ52の第2長さM2は、第1ゲートトレンチ41と第2ゲートトレンチ42との配置ピッチ2Pと第1トレンチ幅T1(第2トレンチ幅T2)との差よりも小さいといえる。
【0046】
X軸方向において、第1ギャップ51の第1長さM1は、第1ゲートトレンチ41とフィールドプレートトレンチ14との間の距離L1の2/3よりも大きくてよい。第1ゲートトレンチ41とフィールドプレートトレンチ14との間の距離L1は、第1ゲートトレンチ41とフィールドプレートトレンチ14との配置ピッチPから、第1トレンチ幅T1の1/2と、フィールドプレートトレンチ14の第3トレンチ幅T3の1/2とを減算した値として求められる。一例では、第1トレンチ幅T1と第3トレンチ幅T3は、互いに等しい。したがって、X軸方向において、第1ギャップ51の第1長さM1は、第1ゲートトレンチ41とフィールドプレートトレンチ14との配置ピッチPと第1トレンチ幅T1(=T2=T3)との差の2/3よりも大きくてよいといえる。同様に、X軸方向において、第2ギャップ52の第2長さM2は、配置ピッチPと第1トレンチ幅T1(=T2=T3)との差の2/3よりも大きくてよいといえる。
【0047】
一例では、フィールドプレートトレンチ14は、Y軸方向において、第3ゲートトレンチ43と第4ゲートトレンチ44との間の中央に配置されている。したがって、第3ゲートトレンチ43、フィールドプレートトレンチ14、および第4ゲートトレンチ44は、Y軸方向において等ピッチにて配置されている。Y軸方向において、第3ゲートトレンチ43の中心とフィールドプレートトレンチ14の中心との間の距離は、フィールドプレートトレンチ14の中心と第4ゲートトレンチ44の中心との間の距離と等しい。これらの距離は、第3ゲートトレンチ43と第4ゲートトレンチ44の配置ピッチLの1/2(=L/2)である。
【0048】
フィールドプレートトレンチ14は、Y軸方向において、第3ゲートトレンチ43から離隔している。フィールドプレートトレンチ14は、第3ゲートトレンチ43との間に第3ギャップ53を形成する。また、フィールドプレートトレンチ14は、Y軸方向において、第4ゲートトレンチ44から離隔している。フィールドプレートトレンチ14は、第4ゲートトレンチ44との間に第4ギャップ54を形成する。
【0049】
フィールドプレートトレンチ14は、Y軸方向において、第3ゲートトレンチ43に向かう第1端141と、第4ゲートトレンチ44に向かう第2端142とを含む。第3ギャップ53の第3長さM3は、X軸方向において、フィールドプレートトレンチ14の第1端141から第3ゲートトレンチ43までの長さである。第4ギャップ54の第4長さM4は、Y軸方向において、フィールドプレートトレンチ14の第2端142から第4ゲートトレンチ44までの長さである。一例では、第3ギャップ53の長さM3は、第4ギャップ54の第4長さM4と等しい。なお、第3ギャップ53の長さM3と、第4ギャップ54の第4長さM4は、相違していてもよい。一例では、第3ギャップ53の第3長さM3(第4ギャップ54の第4長さM4)は、第1ギャップ51の第1長さM1(第2ギャップ52の第2長さM2)と等しい。
【0050】
(ゲート電極、フィールドプレート電極、ソースコンタクト)
図3は、半導体装置10の一部を拡大して示す概略平面図であり、1つの単位セルUCを含む領域が示されている。
【0051】
半導体装置10は、ゲートトレンチ12に埋め込まれたゲート電極61をさらに含む。ゲート電極61は、Y軸方向に延びている。
半導体装置10は、ゲートトレンチ13に埋め込まれたゲート電極62をさらに含む。ゲート電極62は、X軸方向に延びている。第3ゲートトレンチ43に埋め込まれたゲート電極62は、第1ゲートトレンチ41に埋め込まれたゲート電極61と電気的に接続されている。第4ゲートトレンチ44に埋め込まれたゲート電極62は、第2ゲートトレンチ42に埋め込まれたゲート電極61と電気的に接続されている。
【0052】
半導体装置10は、フィールドプレートトレンチ14内に埋め込まれたフィールドプレート電極65を含む。フィールドプレート電極65は、Y軸方向に延びている。
ソースコンタクトプラグ17は、ゲートトレンチ12,13により囲まれた領域内に配置されている。ソースコンタクトプラグ17は、X軸方向に延びる枠状に形成された第1コンタクト17Aと、枠状に形成され第1コンタクト17Aの両端に接続された第2コンタクト17Bとを含む。第1コンタクト17Aは、平面視において、フィールドプレートトレンチ14およびフィールドプレート電極65と交差するように形成されている。第2コンタクト17Bは、フィールドプレートトレンチ14を囲むように形成されている。一例では、第2コンタクト17Bは、X軸方向の長さに対してY軸方向の長さが大きい矩形枠状に形成されている。
【0053】
(半導体装置の断面構造)
図4は、
図3の4-4線に沿った概略断面図であり、
図5は、
図3の5-5線に沿った概略断面図である。
【0054】
半導体層11は、半導体層11の下面11Bを含む半導体基板71と、半導体基板71上に形成され、半導体層11の上面11Aを含むエピタキシャル層72とを含むことができる。半導体基板71は、Si基板であってよい。半導体基板71は、MISFETのドレイン領域に対応する。エピタキシャル層72は、Si基板上にエピタキシャル成長されたSi層であってよい。エピタキシャル層72は、ドリフト領域73と、ドリフト領域73上に形成されたボディ領域74と、ボディ領域74上に形成されたソース領域75とを含むことができる。ソース領域75は、半導体層11の上面11Aを含むことができる。ソース領域75の上面は、
図1に示すn
+型領域25に対応している。エピタキシャル層72は、ソースコンタクトプラグ17の下に位置するコンタクト領域76をさらに含むことができる。
【0055】
ドレイン領域71(半導体基板71)は、n型不純物を含むn+型の領域であってよい。ドレイン領域71のn型不純物濃度は、1×1018cm-3以上1×1020cm-3以下とすることができる。ドレイン領域71は、50μm以上450μm以下の厚さを有していてよい。
【0056】
ドリフト領域73は、ドレイン領域71よりも低い濃度のn型不純物を含むn-型の領域であってよい。ドリフト領域73のn型不純物濃度は、1×1015cm-3以上1×1018cm-3以下とすることができる。ドリフト領域73は、1μm以上25μm以下の厚さを有していてよい。
【0057】
ボディ領域74は、p型不純物を含むp-型の領域であってよい。ボディ領域74のp型不純物濃度は、1×1016cm-3以上1×1018cm-3以下とすることができる。ボディ領域74は、0.5μm以上1.5μm以下の厚さを有していてよい。
【0058】
ソース領域75は、ドリフト領域73よりも高い濃度のn型不純物を含むn+型の領域であってよい。ソース領域75のn型不純物濃度は、1×1019cm-3以上1×1021cm-3以下とすることができる。ソース領域75は、0.1μm以上1μm以下の厚さを有していてよい。
【0059】
コンタクト領域76は、p型不純物を含むp+型の領域であってよい。コンタクト領域76のp型不純物濃度は、ボディ領域74よりも高く、1×1019cm-3以上1×1021cm-3以下とすることができる。
【0060】
なお、本開示において、n型を第1導電型、およびp型を第2導電型ともいう。n型不純物は、例えば、リン(P)、ヒ素(As)などであってよい。また、p型不純物は、例えば、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)などであってよい。
【0061】
(第1、第2ゲートトレンチ)
図4に示すように、ゲートトレンチ12(第1ゲートトレンチ41、第2ゲートトレンチ42)は、半導体層11の上面11Aに開口を有している。ゲートトレンチ12は、Z軸方向に深さD1を有している。ゲートトレンチ12は、半導体層11のソース領域75およびボディ領域74を貫通してドリフト領域73まで延びている。ゲートトレンチ12は、側壁12Aおよび底壁12Bを有している。底壁12Bは、ドリフト領域73に隣接している。ゲートトレンチ12の深さD1は、1μm以上10μm以下であってよい。
【0062】
図3に示すように、ゲートトレンチ12は、X軸方向に幅を有している。ゲートトレンチ12は、Y軸方向に延びている。したがって、ゲートトレンチ12の側壁12Aは、X軸方向に対向している。ゲートトレンチ12の側壁12Aは、X軸方向を向くといえる。
【0063】
図4に示すように、ゲートトレンチ12の側壁12Aは、半導体層11の上面11Aに対して垂直な方向(Z軸方向)に延びていてもよいし、延びていなくてもよい。一例では、側壁12Aは、ゲートトレンチ12のトレンチ幅が底壁12Bに向かうにつれて小さくなるようにZ軸方向に対して傾斜していてもよい。
【0064】
半導体装置10は、ゲートトレンチ12内に配置されたゲート電極61およびフィールドプレート電極63を含むことができる。
ゲート電極61は、絶縁層21に覆われた上面61A、および上面61Aと反対側の底面61Bを含む。フィールドプレート電極63は、ゲートトレンチ12内において、ゲート電極61の底面61Bの下方(ゲート電極61の底面61Bとゲートトレンチ12の底壁12Bとの間)に配置されている。ゲート電極61の底面61Bの少なくとも一部は、絶縁層21を挟んでフィールドプレート電極63と対向している。
【0065】
ゲート電極61の上面61Aは、半導体層11の上面11Aよりも下方に位置することができる。ゲート電極61の上面61Aおよび底面61Bは、平坦であってもよいし、湾曲していてもよい。ゲート電極61は、Z軸方向の位置に依らず一様な幅を有していてもよいし、有していなくてもよい。例えば、ゲート電極61の底面61Bを含む底部が、他の部分よりも幅狭に形成されていてもよい。
【0066】
フィールドプレート電極63は、周囲を絶縁層21によって囲まれている。フィールドプレート電極63は、ゲート電極61よりも小さい幅を有していてよい。フィールドプレート電極63が比較的小さい幅を有することにより、フィールドプレート電極63を囲む絶縁層21の厚さは比較的大きくなる。これにより、ゲートトレンチ12内の電界集中を緩和できる。
【0067】
ゲート電極61は、ドリフト領域73とボディ領域74との界面が、ゲート電極61の底面61BよりもZ軸方向において下方とならないような位置にあってよい。ドリフト領域73とボディ領域74との界面は、Z軸方向においてゲート電極61の底面61Bの位置と揃っていてもよいし、底面61Bの位置よりも上方にあってもよい。
【0068】
ゲート電極61およびフィールドプレート電極63は、一例では、導電性のポリシリコンから形成することができる。
絶縁層21は、ゲート電極61と半導体層11との間に介在してゲートトレンチ12の側壁12Aを覆うゲート絶縁部21Aを含むことができる。ゲート電極61と半導体層11とは、ゲート絶縁部21Aによって離隔されている。ゲート電極61に所定のゲート電圧が印加されると、ゲート絶縁部21Aと隣接するp型のボディ領域74内にチャネルが形成される。半導体装置10は、このチャネルを介したn+型のソース領域75とn-型のドリフト領域73との間のZ軸方向の電子の流れの制御を可能とすることができる。
【0069】
絶縁層21は、フィールドプレート電極63と半導体層11との間でゲートトレンチ12の側壁12Aおよび底壁12Bを覆う下側絶縁部21Bをさらに含むことができる。下側絶縁部21Bは、ゲートトレンチ12の側壁12A上において、ゲート絶縁部21Aよりも厚く形成することができる。また、絶縁層21は、フィールドプレート電極63の上面63Aとゲート電極61の底面61Bとの間に位置する中間絶縁部21Cをさらに含むことができる。
【0070】
(第3、第4ゲートトレンチ)
図5に示すように、ゲートトレンチ13(第3ゲートトレンチ43、第4ゲートトレンチ44)は、半導体層11の上面11Aに開口を有している。ゲートトレンチ13は、Z軸方向に深さを有している。ゲートトレンチ13は、半導体層11のソース領域75およびボディ領域74を貫通してドリフト領域73まで延びている。ゲートトレンチ13は、側壁13Aおよび底壁13Bを有している。底壁13Bは、ドリフト領域73に隣接している。ゲートトレンチ13の深さD2は、1μm以上10μm以下であってよい。一例では、ゲートトレンチ13の深さD2は、
図4に示すゲートトレンチ12の深さD1と等しくてよい。なお、ゲートトレンチ13の深さD2は、ゲートトレンチ12の深さD1と異なっていてもよい。
【0071】
図3に示すように、ゲートトレンチ13は、Y軸方向に幅を有している。ゲートトレンチ13は、X軸方向に延びている。したがって、ゲートトレンチ13の側壁13Aは、Y軸方向に対向している。ゲートトレンチ13の側壁13Aは、Y軸方向を向くといえる。
【0072】
図5に示すように、ゲートトレンチ13の側壁13Aは、半導体層11の上面11Aに対して垂直な方向(Z軸方向)に延びていてもよいし、延びていなくてもよい。一例では、側壁13Aは、ゲートトレンチ13のトレンチ幅が底壁13Bに向かうにつれて小さくなるようにZ軸方向に対して傾斜していてもよい。
【0073】
図3に示すように、第3ゲートトレンチ43は、第1ゲートトレンチ41から第2ゲートトレンチ42に向かって延びている。第3ゲートトレンチ43は、第2ゲートトレンチ42との間に第1ギャップ51を形成する。第3ゲートトレンチ43は、第2ゲートトレンチ42から離隔した先端43Cに端部側壁13Cを有している。端部側壁13Cは、X軸方向を向く。第1ギャップ51は、第3ゲートトレンチ43の端部側壁13Cと、第2ゲートトレンチ42の側壁12Aとの間の領域であるといえる。端部側壁13Cは、半導体層11の上面11Aに対して垂直な方向(Z軸方向)に延びていてもよいし、延びていなくてもよい。一例では、端部側壁13Cは、底壁13Bに向かうにつれてX軸方向における第3ゲートトレンチ43の長さが短くなるようにZ軸方向に対して傾斜していてもよい。
【0074】
第4ゲートトレンチ44は、第2ゲートトレンチ42から第1ゲートトレンチ41に向かって延びている。第4ゲートトレンチ44は、第1ゲートトレンチ41との間に第2ギャップ52を形成する。第4ゲートトレンチ44は、第1ゲートトレンチ41から離隔した先端44Cに端部側壁13Cを有している。端部側壁13Cは、X軸方向を向く。第2ギャップ52は、第3ゲートトレンチ43の端部側壁13Cと、第2ゲートトレンチ42の側壁12Aとの間の領域であるといえる。端部側壁13Cは、半導体層11の上面11Aに対して垂直な方向(Z軸方向)に延びていてもよいし、延びていなくてもよい。一例では、端部側壁13Cは、底壁13Bに向かうにつれてX軸方向における第4ゲートトレンチ44の長さが短くなるようにZ軸方向に対して傾斜していてもよい。
【0075】
半導体装置10は、ゲートトレンチ13内に配置されたゲート電極62およびフィールドプレート電極64を含むことができる。
ゲート電極62は、絶縁層21に覆われた上面62A、および上面62Aと反対側の底面62Bを含む。フィールドプレート電極64は、ゲートトレンチ13内において、ゲート電極62の底面62Bの下方(ゲート電極62の底面62Bとゲートトレンチ13の底壁13Bとの間)に配置されている。ゲート電極62の底面62Bの少なくとも一部は、絶縁層21を挟んでフィールドプレート電極64と対向している。
【0076】
ゲート電極62の上面62Aは、半導体層11の上面11Aよりも下方に位置することができる。ゲート電極62の底面62Bおよび上面62Aは、平坦であってもよいし、湾曲していてもよい。ゲート電極62は、Z軸方向の位置に依らず一様な幅を有していてもよいし、有していなくてもよい。例えば、ゲート電極62の底面62Bを含む底部が、他の部分よりも幅狭に形成されていてもよい。
【0077】
フィールドプレート電極64は、周囲を絶縁層21によって囲まれている。フィールドプレート電極64は、ゲート電極62よりも小さい幅を有していてよい。フィールドプレート電極64が比較的小さい幅を有することにより、フィールドプレート電極64を囲む絶縁層21の厚さは比較的大きくなる。これにより、ゲートトレンチ13内の電界集中を緩和できる。
【0078】
ゲート電極62は、ドリフト領域73とボディ領域74との界面が、ゲート電極62の底面62BよりもZ軸方向において下方とならないような位置にあってよい。ドリフト領域73とボディ領域74との界面は、Z軸方向においてゲート電極62の底面62Bの位置と揃っていてもよいし、底面62Bの位置よりも上方にあってもよい。
【0079】
ゲート電極62およびフィールドプレート電極64は、一例では、導電性のポリシリコンから形成することができる。
絶縁層21は、ゲート電極62と半導体層11との間に介在してゲートトレンチ13の側壁13Aを覆うゲート絶縁部21Aを含むことができる。ゲート電極62と半導体層11とは、ゲート絶縁部21Aによって離隔されている。ゲート電極62に所定のゲート電圧が印加されると、ゲート絶縁部21Aと隣接するp型のボディ領域74内にチャネルが形成される。半導体装置10は、このチャネルを介したn+型のソース領域75とn-型のドリフト領域73との間のZ軸方向の電子の流れの制御を可能とすることができる。
【0080】
絶縁層21は、フィールドプレート電極64と半導体層11との間でゲートトレンチ13の側壁13Aおよび底壁13Bを覆う下側絶縁部21Bをさらに含むことができる。下側絶縁部21Bは、ゲートトレンチ13の側壁13A上において、ゲート絶縁部21Aよりも厚く形成することができる。また、絶縁層21は、フィールドプレート電極64の上面64Aとゲート電極62の底面62Bとの間に位置する中間絶縁部21Cをさらに含むことができる。
【0081】
(フィールドプレートトレンチ)
図4、
図5に示すように、フィールドプレートトレンチ14は、半導体層11の上面11Aに開口を有している。フィールドプレートトレンチ14は、Z軸方向に深さを有している。
【0082】
フィールドプレートトレンチ14は、半導体層11のソース領域75およびボディ領域74を貫通してドリフト領域73まで延びている。フィールドプレートトレンチ14は、側壁14Aおよび底壁14Bを有している。側壁14Aは、ドリフト領域73に隣接している。フィールドプレートトレンチ14の深さD3は、1μm以上10μm以下であってよい。一例では、フィールドプレートトレンチ14の深さD3は、ゲートトレンチ12,13の深さD1,D2と等しくてよい。なお、フィールドプレートトレンチ14の深さD3は、ゲートトレンチ12,13の深さD1,D2と異なっていてもよい。
【0083】
フィールドプレートトレンチ14の側壁14Aは、半導体層11の上面11Aに対して垂直な方向(Z軸方向)に延びていてもよいし、延びていなくてもよい。一例では、側壁14Aは、フィールドプレートトレンチ14のトレンチ幅が底壁14Bに向かって小さくなるようにZ軸方向に対して傾斜していてもよい。
【0084】
フィールドプレート電極65は、フィールドプレートトレンチ14内に配置されている。フィールドプレート電極65は、ソース電圧が印加されるように構成された電極であってよい。
【0085】
フィールドプレート電極65は、絶縁層21に覆われた上面65Aおよび上面65Aと反対側の底面65Bを含む。フィールドプレート電極65の上面65Aは、半導体層11の上面11Aよりも下方に位置することができる。フィールドプレート電極65は、周囲を絶縁層21によって囲まれている。
【0086】
フィールドプレート電極65の上面65Aおよび底面65Bは、平坦であってもよいし、湾曲していてもよい。また、フィールドプレート電極65は、Z軸方向の位置に依らず一様な幅を有していてもよいし、有していなくてもよい。例えば、フィールドプレート電極65は、フィールドプレートトレンチ14の底壁14Bに近いほど小さい幅を有していてもよい。また、フィールドプレート電極65は、ゲート電極61よりも小さい幅を有していてよい。フィールドプレート電極65は、一例では、導電性のポリシリコンから形成することができる。
【0087】
図4、
図5に示すように、ソースコンタクトプラグ17の第1コンタクト17Aは、フィールドプレート電極65をソース電極32に結合するように構成されている。
図5に示すように、第1コンタクト17Aは、フィールドプレート電極65の上面65Aとソース電極32との間の絶縁層21を貫通して延びている。したがって、フィールドプレート電極65は、ソース電極32に電気的に接続されている。
【0088】
図3に示すように、第1コンタクト17Aは、X軸方向に延びている。
図4に示すように、第1コンタクト17Aは、フィールドプレート電極65から半導体層11まで延びている。第1コンタクト17Aは、半導体層11をソース電極32に結合するように構成されている。第1コンタクト17Aは、半導体層11内に形成されたコンタクト領域76と接している。
【0089】
図5に示すように、ソースコンタクトプラグ17の第2コンタクト17Bは、半導体層11をソース電極32に結合するように構成されている。第2コンタクト17Bは、半導体層11内に形成されたコンタクト領域76と接している。第2コンタクト17Bは、コンタクト領域76をソース電極32に電気的に接続することができる。第2コンタクト17Bは、半導体層11とソース電極32との間の絶縁層21を貫通して延びている。第2コンタクト17Bは、半導体層11においてソース領域25を貫通してボディ領域24まで延びている。
【0090】
ソース電極32は、絶縁層21上に形成されている。半導体装置10では、ソース電極32を半導体層11のソース領域75上に直接形成せず、絶縁層21上に形成している。このため、半導体装置10では、ソース領域75の電圧変動の影響が生じにくいという利点がある。
【0091】
半導体装置10は、半導体層11の下面11Bに形成されたドレイン電極33をさらに含むことができる。ドレイン電極33は、ドレイン領域71と電気的に接続されている。ドレイン電極33は、Ti、Ni、Au、Ag、Cu、Al、Cu合金、およびAl合金のうちの少なくとも1つから形成することができる。
【0092】
(作用)
次に、半導体装置10の作用について説明する。
図6は、半導体装置10の一部を示す概略平面図であり、1つの単位セルUCを示している。
図6では、単位セルUCに含まれる半導体層11(セル領域CA)にハッチングを付して判りやすくしている。
【0093】
半導体装置10は、第1ゲートトレンチ41から第2ゲートトレンチ42に向けて延びる第3ゲートトレンチ43と、第2ゲートトレンチ42から第1ゲートトレンチ41に向けて延びる第4ゲートトレンチ44とを含む。第3ゲートトレンチ43は、第2ゲートトレンチ42との間に第1ギャップ51を形成し、第4ゲートトレンチ44は第1ゲートトレンチ41との間に第2ギャップ52を形成する。
【0094】
図3~
図5に示すように、半導体装置10は、第1ゲートトレンチ41および第2ゲートトレンチ42内に配置されたゲート電極61と、第3ゲートトレンチ43および第4ゲートトレンチ44内に配置されたゲート電極62と、を含む。
図4に示すように、ゲート電極61は、第1,第2ゲートトレンチ41、42内の絶縁層21(ゲート絶縁部21A)を挟んで半導体層11と対向している。
図5に示すように、ゲート電極62は、第3,第4ゲートトレンチ43,44内の絶縁層21(ゲート絶縁部21A)を挟んで半導体層11と対向している。
【0095】
ゲート電極61,62に所定のゲート電圧が印加されると、ゲート絶縁部21Aと隣接するボディ領域74内にチャネルが形成される。チャネルは、第1ゲートトレンチ41および第2ゲートトレンチ42の側壁12Aに沿って、側壁12Aを形成する半導体層11に形成される。さらに、チャネルは、第3ゲートトレンチ43および第4ゲートトレンチ44の側壁13Aおよび端部側壁13Cに沿って、側壁13Aおよび端部側壁13Cを形成する半導体層11に形成される。
【0096】
(比較例)
ここで、比較例を参照して、半導体装置10における電流経路数、電流経路断面積について説明する。
【0097】
図7は、比較例の半導体装置10Xの一部を示している。
図8は、
図7の8-8線に沿った断面図を示している。
図7、
図8において、半導体装置10と同様の構成要素には同じ符号が付されている。また、半導体装置10と同様な構成要素については詳細な説明を省略する。
【0098】
図7では、ソースコンタクトプラグ17が省略されている。
図7では、
図6に示す半導体装置10の単位セルUCに対応して、同じ大きさの単位セルUCXについて示している。また、
図7では、比較例の半導体装置10Xの単位セルUCXについて、セル領域CAX(半導体層11)にハッチングを付している。
【0099】
比較例の半導体装置10Xは、
図6に示す第3ゲートトレンチ43および第4ゲートトレンチ44を含んでいない。また、比較例の半導体装置10Xにおいて、フィールドプレートトレンチ14Xは、ゲートトレンチ12(第1ゲートトレンチ41、第2ゲートトレンチ42)と同様に、Y軸方向に連続的に延びている。したがって、比較例の半導体装置10Xは、X軸方向にゲートトレンチ12とフィールドプレートトレンチ14Xとが交互に配置されている。ゲートトレンチ12には絶縁層21によって埋め込まれたゲート電極61が配置されている。フィールドプレートトレンチ14Xには、絶縁層21によって埋め込まれた埋込電極66が配置されている。
【0100】
ここで、理解を容易にするために、本実施形態の半導体装置10および比較例の半導体装置10Xにおいて、各ゲートトレンチ12,13(第1~第4ゲートトレンチ41~43)およびフィールドプレートトレンチ14のトレンチ幅を「T」とする。また、本実施形態の半導体装置10における第1~第4ギャップ51~54の長さを「M」とする。また、比較例の半導体装置10Xにおけるゲートトレンチ12(41,42)およびフィールドプレートトレンチ14Xのトレンチ幅を「T」とする。
【0101】
比較例の半導体装置10Xにおいて、チャネルは、ゲートトレンチ12の側壁12Aに沿って半導体層11に形成される。1つの単位セルに含まれる平面視におけるチャネルの長さは、2つのゲートトレンチ12が延びるY軸方向における単位セルUCXの長さLによって得られる。平面視において、チャネルが形成される部分の長さ、つまりゲート電極が配置されたゲートトレンチの側壁の長さを、電流経路数CPnという。比較例の半導体装置10Xにおける電流経路数CPnXは、CPnX=2Lとなる。
【0102】
これに対し、本実施形態の半導体装置10における電流経路数CPnは、単位セルUCに含まれる第1~第4ゲートトレンチ41~44の側壁12A,13Aの長さと、第3ゲートトレンチ43および第4ゲートトレンチ44の端部側壁13Cの長さによって得られる。Y軸方向において、第1ゲートトレンチ41の側壁12Aの長さと第3ゲートトレンチ43の端部側壁13Cの長さとの和は「2L」となる。X軸方向において、第3ゲートトレンチ43の側壁12Aの長さは、第1および第2ゲートトレンチ41,42の配置ピッチ「2P」から、単位セルUCに含まれる第1および第2ゲートトレンチ41,42のトレンチ幅「2T/2」と、第1ギャップ51の長さ「M」を減算した値「2P-T-M」となる。したがって、本実施形態の半導体装置10における電流経路数CPnは、CPn=2L+2(2P-T-M)となる。
【0103】
本実施形態の半導体装置10は、電流経路数CPnと比較例の半導体装置10Xの電流経路数CPnXとの差である2(2P-T-M)が正の値(>0)であるように、第1~第4ゲートトレンチ41~44のトレンチ幅および第1および第2ギャップ51,52の長さが設定されている。つまり、第1ギャップ51および第2ギャップ52の長さMは、第1ゲートトレンチ41および第2ゲートトレンチ42の配置ピッチ2Pと第1ゲートトレンチ41および第2ゲートトレンチ42のトレンチ幅Tとの差(=2P-T)よりも小さく(M<2P-T)設定される。これにより、本実施形態の半導体装置10における電流経路数CPn、つまり半導体層11において、ゲートトレンチ12(第1,第2ゲートトレンチ41,42)の配置ピッチ2Pを狭くすることなく、チャネルが形成される領域を増加できる。これにより、半導体装置10のオン抵抗の低減を図ることができる。
【0104】
半導体装置10において、ソース領域75とドレイン領域71との間にZ軸方向に電流が流れる。Z軸方向から視た平面視において、単位セルUCに含まれる半導体層11は、半導体装置10において電流が流れる領域となる。したがって、半導体層11の面積は、半導体装置10においてZ軸方向に流れる電流の断面積となる。この電流の断面積を電流経路断面積CPaとする。この電流経路断面積CPaが大きいほど多くの電流が流れることになる。
【0105】
比較例の半導体装置10Xにおいて、電流経路断面積CPaは、ゲートトレンチ12とフィールドプレートトレンチ14Xとの間の距離とY軸方向における単位セルUCの長さとの積によって得られる。したがって、比較例の半導体装置10Xにおける電流経路断面積CPaXは、CPaX=2L(P-T)となる。
【0106】
これに対し、本実施形態の半導体装置10における電流経路断面積CPaは、平面視において、第1及び第2ゲートトレンチ41,42からフィールドプレートトレンチ14までの領域の面積と、第1~第4ギャップ51~54の面積との和によって得られる。したがって、本実施形態の半導体装置10における電流経路断面積CPaは、CPa=3MT+2(P-T)(L-T)となる。
【0107】
本実施形態の半導体装置10は、電流経路断面積CPaと比較例の半導体装置10Xの電流経路断面積CPaXとの差であるT(3M-2(P-T))が正の値(>0)であるように、第1~第4ゲートトレンチ41~44のトレンチ幅および第1~第4ギャップ51~54の長さが設定されている。つまり、第1~第4ギャップ51~54の長さMは、第1,第2ゲートトレンチ41,42およびフィールドプレートトレンチ14の配置ピッチPと第1,第2ゲートトレンチ41,42およびフィールドプレートトレンチ14のトレンチ幅Tとの差(=P-T)の2/3よりも大きく(M>2(P-T)/3)設定される。これにより、本実施形態の半導体装置10における電流経路断面積CPa、つまり電流が流れる半導体層11の領域を増加できる。
【0108】
比較例の半導体装置10Xでは、オン抵抗の低減にはゲートトレンチ12のトレンチ幅を低減することによるゲートトレンチ12のピッチの縮小することが考えられる。この場合、電流経路数CPnの増加によって、オン抵抗の低減が図られる。この方法では、同一チップサイズでは、ゲートトレンチ12の数が多くなるため、電流経路断面積CPaが低減してしまい、ソース-ドレイン間の電流量が少なくなる。これに対し、本実施形態の半導体装置10は、比較例の半導体装置10Xと同じ配置ピッチにおける電流経路数CPnを増加できる。さらに、本実施形態の半導体装置10は、比較例の半導体装置10Xに対して、電流経路断面積CPaを増加させることができる。このため、本実施形態の半導体装置10は、電流量を確保できるとともに、オン抵抗を低減できる。
【0109】
本実施形態の半導体装置10において、フィールドプレートトレンチ14は、Y軸方向において、第3ゲートトレンチ43から離隔している。フィールドプレートトレンチ14は、第3ゲートトレンチ43との間に第3ギャップ53を形成する。また、フィールドプレートトレンチ14は、Y軸方向において、第4ゲートトレンチ44から離隔している。フィールドプレートトレンチ14は、第4ゲートトレンチ44との間に第4ギャップ54を形成する。第3ギャップ53と第4ギャップ54の長さMは、第1ゲートトレンチ41(第2ゲートトレンチ42)とフィールドプレートトレンチ14との間の距離L1(L2)よりも小さいことが好ましい。これにより、電界集中を緩和できる。
【0110】
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)半導体装置10は、上面11Aを含む半導体層11と、半導体層11に設けられ、上面11Aに垂直な方向から視た平面視においてX軸方向に配列され、X軸方向と交差するY軸方向に延びる第1ゲートトレンチ41および第2ゲートトレンチ42と、第1ゲートトレンチ41から第2ゲートトレンチ42に向けてX軸方向に延び、第2ゲートトレンチ42との間に第1ギャップ51を形成する第3ゲートトレンチ43と、第3ゲートトレンチ43からY軸方向に離隔して配置され、第2ゲートトレンチ42から第1ゲートトレンチ41に向けてX軸方向に延び、第1ゲートトレンチ41との間に第2ギャップ52を形成する第4ゲートトレンチ44と、第1~第4ゲートトレンチ41~44によって囲まれたセル領域CAに配置されたフィールドプレートトレンチ14と、第1~第4ゲートトレンチ41~44内に配置されたゲート電極61,62と、半導体層11上に形成された絶縁層21と、絶縁層21上に形成されたソース電極32と、フィールドプレートトレンチ14内に配置され、ソース電極32に電気的に接続されているフィールドプレート電極65と、を含む。
【0111】
この構成によれば、半導体装置10は、半導体層11に形成するチャネルの領域を増加できる。このため、半導体装置10のオン抵抗の低減を計ることができる。
(2)第1ギャップ51および第2ギャップ52の長さMは、第1ゲートトレンチ41および第2ゲートトレンチ42の配置ピッチ2Pと第1ゲートトレンチ41および第2ゲートトレンチ42のトレンチ幅Tとの差(=2P-T)よりも小さく(M<2P-T)設定される。これにより、本実施形態の半導体装置10における電流経路数CPn、つまり半導体層11においてチャネルが形成される領域を増加できる。これにより、半導体装置10のオン抵抗の低減を図ることができる。
【0112】
(3)第1~第4ギャップ51~54の長さMは、第1,第2ゲートトレンチ41,42およびフィールドプレートトレンチ14の配置ピッチPと第1,第2ゲートトレンチ41,42およびフィールドプレートトレンチ14のトレンチ幅Tとの差(=P-T)の2/3よりも大きく(M>2(P-T)/3)設定される。これにより、本実施形態の半導体装置10における電流経路断面積CPa、つまり電流が流れる半導体層11の領域を増加できる。
【0113】
(4)本実施形態の半導体装置10は、比較例の半導体装置10Xと同じ配置ピッチにおける電流経路数CPnを増加できる。さらに、本実施形態の半導体装置10は、比較例の半導体装置10Xに対して、電流経路断面積CPaを増加させることができる。このため、本実施形態の半導体装置10は、電流量を確保できるとともに、オン抵抗を低減できる。
【0114】
(5)フィールドプレートトレンチ14は、Y軸方向において、第3ゲートトレンチ43から離隔している。フィールドプレートトレンチ14は、第3ゲートトレンチ43との間に第3ギャップ53を形成する。また、フィールドプレートトレンチ14は、Y軸方向において、第4ゲートトレンチ44から離隔している。フィールドプレートトレンチ14は、第4ゲートトレンチ44との間に第4ギャップ54を形成する。第3ギャップ53と第4ギャップ54の長さMは、第1ゲートトレンチ41(第2ゲートトレンチ42)とフィールドプレートトレンチ14との間の距離L1(L2)よりも小さいことが好ましい。これにより、電界集中を緩和できる。
【0115】
(変更例)
上記実施形態は例えば以下のように変更できる。上記実施形態と以下の各変更例は、技術的な矛盾が生じない限り、互いに組み合せることができる。なお、以下の変更例において、上記実施形態と共通する部分については、上記実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0116】
・
図9は、変更例の半導体装置100の一部を拡大して示す概略平面図であり、1つの単位セルUCを含む領域が示されている。
図10は、
図9の10-10線に沿った概略断面図であり、
図11は、
図9の11-11線に沿った概略断面図である。
【0117】
変更例の半導体装置100は、フィールドプレートトレンチ14内に配置された第2フィールドプレート電極101を含んでいてよい。第2フィールドプレート電極101は、フィールドプレート電極65に対してX軸方向の両側に配置されている。第2フィールドプレート電極101は、フィールドプレート電極65を挟むように配置されている。第2フィールドプレート電極101は、X軸方向において、フィールドプレート電極65から離隔して配置されている。なお、第2フィールドプレート電極101は、フィールドプレート電極65に接していてもよい。第2フィールドプレート電極101は、一例では、導電性のポリシリコンから形成することができる。第2フィールドプレート電極101は、Z軸方向において、ゲート電極61と同じ位置に配置されていてよい。第2フィールドプレート電極101は、周囲を絶縁層21によって囲まれている。
【0118】
第2フィールドプレート電極101は、ソースコンタクトプラグ17によってソース電極32と電気的に接続されていてよい。ソース電極32に電気的に接続された第2フィールドプレート電極101をフィールドプレートトレンチ14内に配置することにより、フィールドプレートトレンチ14の周囲の半導体層11中の局所的な電界集中をより緩和できる。
【0119】
・上記実施形態の半導体装置10では、各ゲートトレンチ12から延びる第3ゲートトレンチ43は、Y軸方向において揃った位置に配置されている。同様に、各ゲートトレンチ12から延びる第4ゲートトレンチ44は、Y軸方向において揃った位置に配置されている。これに対し、第3ゲートトレンチ43および第4ゲートトレンチ44の配置位置は適宜変更されてよい。
【0120】
図12に示すように、ゲートトレンチ201,202から隣り合うゲートトレンチ202,203に向けて延びる第3ゲートトレンチ43の位置が、Y軸方向において異なっていてもよい。たとえば、ゲートトレンチ201から延びる第3ゲートトレンチ43の位置は、ゲートトレンチ201とゲートトレンチ202との間のフィールドプレートトレンチ14と揃った位置であってもよい。同様に、ゲートトレンチ202,203から隣り合うゲートトレンチ201,202に向けて延びる第4ゲートトレンチ44の位置が、Y軸方向において異なっていてもよい。たとえば、ゲートトレンチ202,203から隣り合うゲートトレンチ201,202に向けて延びる第4ゲートトレンチ44の位置は、ゲートトレンチ202とゲートトレンチ203との間のフィールドプレートトレンチ14と揃った位置であってもよい。
【0121】
図13に示すように、1つのゲートトレンチ202について、隣り合うゲートトレンチ203に向けて延びる第3ゲートトレンチ43と、隣り合うゲートトレンチ201に向けて延びる第4ゲートトレンチ44とがY軸方向において同じ位置に配置されてもよい。ゲートトレンチ201,203についても同様とすることができる。
【0122】
本開示で使用される「~上に」という用語は、文脈によって明らかにそうでないことが示されない限り、「~上に」と「~の上方に」との双方の意味を含む。したがって、「第1層が第2層上に形成される」という表現は、或る実施形態では第1層が第2層に接触して第2層上に直接配置され得るが、他の実施形態では第1層が第2層に接触することなく第2層の上方に配置され得ることが意図される。すなわち、「~上に」という用語は、第1層と第2層との間に他の層が形成される構造を排除しない。
【0123】
本開示で使用されるZ軸方向は必ずしも鉛直方向である必要はなく、鉛直方向に完全に一致している必要もない。したがって、本開示による種々の構造(たとえば、
図1に示される構造)は、本明細書で説明されるZ軸方向の「上」および「下」が鉛直方向の「上」および「下」であることに限定されない。たとえば、X軸方向が鉛直方向であってもよく、またはY軸方向が鉛直方向であってもよい。
【0124】
(付記)
本開示から把握できる技術的思想を以下に記載する。なお、限定する意図ではなく理解の補助のために、付記に記載される構成要素には、実施形態中の対応する構成要素の参照符号が付されている。参照符号は、理解の補助のために例として示すものであり、各付記に記載された構成要素は、参照符号で示される構成要素に限定されるべきではない。
【0125】
(付記1)
上面(11A)を含む半導体層(11)と、
前記半導体層(11)に設けられ、前記上面(11A)に垂直な方向から視た平面視において第1方向(X)に配列され、前記第1方向(X)と交差する第2方向(Y)に延びる第1ゲートトレンチ(41)および第2ゲートトレンチ(42)と、
前記第1ゲートトレンチ(41)から前記第2ゲートトレンチ(42)に向けて前記第1方向(X)に延び、前記第2ゲートトレンチ(42)との間に第1ギャップ(51)を形成する第3ゲートトレンチ(43)と、
前記第3ゲートトレンチ(43)から前記第2方向(Y)に離隔して配置され、前記第2ゲートトレンチ(42)から前記第1ゲートトレンチ(41)に向けて前記第1方向(X)に延び、前記第1ゲートトレンチ(41)との間に第2ギャップ(52)を形成する第4ゲートトレンチ(44)と、
前記第1~第4ゲートトレンチ(41~44)によって囲まれたセル領域に配置されたフィールドプレートトレンチ(14)と、
前記第1~第4ゲートトレンチ(41~44)内に配置されたゲート電極(61、62)と、
前記半導体層(11)上に形成された絶縁層(21)と、
前記絶縁層(21)上に形成されたソース電極(32)と、
前記フィールドプレートトレンチ(14)内に配置され、前記ソース電極(32)に電気的に接続されているフィールドプレート電極(65)と、
を含む、半導体装置。
【0126】
(付記2)
前記第1方向(X)における前記第1ゲートトレンチ(41)、前記フィールドプレートトレンチ(14)、前記第2ゲートトレンチ(42)の配置ピッチ(P)は等しい、
付記1に記載の半導体装置。
【0127】
(付記3)
前記第1方向(X)における前記第2ギャップ(52)の第2長さ(M,M2)は、前記第1方向(X)における前記第1ギャップ(51)の第1長さ(M,M1)と等しい、
付記1または付記2に記載の半導体装置。
【0128】
(付記4)
前記第1方向(X)において、前記第3ゲートトレンチ(43)と前記第2ゲートトレンチ(42)との間の前記第1ギャップ(51)の第1長さ(M)は、前記第1ゲートトレンチ(41)と前記第2ゲートトレンチ(42)との配置ピッチ(2P)と前記第1および第2ゲートトレンチ(42)のトレンチ幅(T)の差よりも小さい(M<2P-T)、
付記3に記載の半導体装置。
【0129】
(付記5)
前記第1ギャップ(51)の第1長さ(M)は、前記第1ゲートトレンチ(41)と前記フィールドプレートトレンチ(14)との配置ピッチ(P)と前記トレンチ幅(T)との差の2/3よりも大きい(M>2(P-T)/3)、
付記4に記載の半導体装置。
【0130】
(付記6)
前記第2方向(Y)において、前記フィールドプレートトレンチ(14)と前記第3ゲートトレンチ(43)との間の第3ギャップ(53)の第3長さ(M,M3)は、前記フィールドプレートトレンチ(14)と前記第4ゲートトレンチ(44)との間の第4ギャップ(54)の第4長さ(M,M4)と等しい、
付記1から付記5のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0131】
(付記7)
前記第3ギャップ(53)の第3長さ(M3)は、前記第1ギャップ(51)の第1長さ(M1)と等しい、
付記6に記載の半導体装置。
【0132】
(付記8)
前記第1方向(X)における前記第1および第2ゲートトレンチ(41,42)のトレンチ幅(T1)と、前記第2方向(Y)における前記第3および第4ゲートトレンチ(43,44)のトレンチ幅(T2)は等しい、
付記1から付記7のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0133】
(付記9)
前記第1方向(X)における前記フィールドプレートトレンチ(14)のトレンチ幅(T,T3)は、前記第1方向(X)における前記第1および第2ゲートトレンチ(41,42)のトレンチ幅(T,T1)、前記第2方向(Y)における前記第3および第4ゲートトレンチ(43,44)のトレンチ幅(T,T2)と等しい、
付記1から付記8のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0134】
(付記10)
前記第2方向(Y)における前記第3および第4ゲートトレンチ(43,44)の配置ピッチ(L)は、前記第1方向(X)における前記第1および第2ゲートトレンチ(42)の配置ピッチ(2P)と等しい(L=2P)、
付記1から付記9のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0135】
(付記11)
前記ソース電極(32)と前記フィールドプレート電極(65)とを電気的に接続するソースコンタクトプラグ(17)を含む、
付記1から付記10のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0136】
(付記12)
前記ソースコンタクトプラグ(17)は、平面視において前記フィールドプレートトレンチ(14)と交差するように延びる第1コンタクト部(17A)と、前記フィールドプレートトレンチ(14)を囲むように形成されて前記第1コンタクト部(17A)の両端と接続された第2コンタクト部(17B)と、を含み、
前記フィールドプレート電極(65)は、前記第1コンタクト部(17A)と電気的に接続されている、
付記11に記載の半導体装置。
【0137】
(付記13)
前記第1方向(X)において前記フィールドプレート電極(65)を挟むように前記フィールドプレートトレンチ(14)内に、配置された第2フィールドプレート電極(1010)を含む、
付記11または付記12に記載の半導体装置。
【0138】
(付記14)
前記第2フィールドプレート電極(101)は、前記ソースコンタクトプラグ(17)と電気的に接続されている、
付記13に記載の半導体装置。
【0139】
以上の説明は単に例示である。本開示の技術を説明する目的のために列挙された構成要素および方法(製造プロセス)以外に、より多くの考えられる組み合わせおよび置換が可能であることを当業者は認識し得る。本開示は、特許請求の範囲を含む本開示の範囲内に含まれるすべての代替、変形、および変更を包含することが意図される。
【符号の説明】
【0140】
10 半導体装置
11 半導体層
11A 上面
11B 下面
12 ゲートトレンチ
12A 側壁
12B 底壁
13 ゲートトレンチ
13A 側壁
13B 底壁
13C 端部側壁
14 フィールドプレートトレンチ
14A 側壁
14B 底壁
15 ゲートコンタクト
16 ソースコンタクト
17 ソースコンタクトプラグ
17A 第1コンタクト
17B 第2コンタクト
18 コンタクト
21 絶縁層
21A ゲート絶縁部
21B 下側絶縁部
21C 中間絶縁部
22 周縁トレンチ
24 ボディ領域
25 ソース領域
31 ゲート電極
32 ソース電極
33 ドレイン電極
41 第1ゲートトレンチ
42 第2ゲートトレンチ
43 第3ゲートトレンチ
43C 先端
44 第4ゲートトレンチ
44C 先端
51 第1ギャップ
52 第2ギャップ
53 第3ギャップ
54 第4ギャップ
61 ゲート電極
61A 上面
61B 底面
62 ゲート電極
62A 上面
62B 底面
63 フィールドプレート電極
63A 上面
64 フィールドプレート電極
64A 上面
65 フィールドプレート電極
65A 上面
65B 底面
66 埋込電極
71 ドレイン領域
71 半導体基板
72 エピタキシャル層
73 ドリフト領域
74 ボディ領域
75 ソース領域
76 コンタクト領域
100 半導体装置
101 第2フィールドプレート電極
201~203 ゲートトレンチ
CA セル領域
CPa 電流経路断面積
CPn 電流経路数
D1~D3 深さ
L 配置ピッチ(長さ)
L1,L2 距離
M 長さ
M1 第1長さ
M2 第2長さ
P 配置ピッチ
T1 第1トレンチ幅
T2 第2トレンチ幅
T3 第3トレンチ幅
UC 単位セル