(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157659
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】生産管理システム及び生産管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/04 20120101AFI20241031BHJP
G05B 19/418 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
G06Q50/04
G05B19/418 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072134
(22)【出願日】2023-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】522204441
【氏名又は名称】平塚 信介
(74)【代理人】
【識別番号】100117503
【弁理士】
【氏名又は名称】間瀬 ▲けい▼一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100165489
【弁理士】
【氏名又は名称】榊原 靖
(72)【発明者】
【氏名】平塚 信介
【テーマコード(参考)】
3C100
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
3C100AA03
3C100AA16
3C100BB03
3C100BB14
3C100BB39
5L049CC04
5L050CC04
(57)【要約】
【課題】工場における各種の加工や検査等を行う複数の加工職場や検査職場において生じがちな仕掛り品の滞留に対する対処や加工や検査の段取り等には加工や検査の時間に比べて長時間を必要とすることから、当該時間を加工や検査に先立つ待ち時間として設け、複数の加工職場や検査職場における仕掛り品の各種加工や検査の時間を確保しつつ、当該加工や検査に先立つ待ち時間を調整し、生産管理を容易にかつ簡単行うようにした複数の加工職場や検査職場を有する工場或いは当該工場同士を組み合わせて製品や部品を製造する組み合わせ工場のための生産管理システム及び生産管理方法を提供する。
【解決手段】目標リードタイムの各リードタイム部は、待ち時間及び加工或いは検査の時間により構成されている。各職場における加工或いは検査は、待ち時間以内だけ経過した後に行われる。
【選択図】
図21
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の職場を複数の自社加工職場及び自社検査職場として有する自社工場と少なくとも1つの外注加工職場として有する外注工場との双方に適用される生産管理システムにおいて、
先行リードタイム部及び当該先行リードタイム部に後続する後続リードタイム部からなる仮リードタイムを備えて、当該仮リードタイムが、前記先行リードタイム部にて、前記複数の自社加工職場のいずれか1つの自社加工職場或いは前記外注加工職場に配設してなる加工手段により受注部品群の各受注部品に対する対応素材群の各対応素材を加工するに要する加工待ち時間及び加工時間でもって構成され、かつ、前記後続リードタイム部にて、前記自社検査職場に配設してなる検査手段により前記加工後の前記対応素材群の前記各対応素材を検査するに要する検査待ち時間及び検査時間でもって構成されるように、設定してなる仮リードタイム設定手段と、
先行目標リードタイム部及び当該先行目標リードタイム部に後続する後続目標リードタイム部からなる目標リードタイムを備えて、当該目標リードタイムが、前記先行目標リードタイム部にて、前記仮リードタイム設定手段の前記設定に係る前記仮リードタイムの前記先行リードタイム部を構成する前記加工待ち時間及び前記加工時間を目標加工待ち時間及び目標加工時間として構成され、かつ、前記後続目標リードタイム部にて、前記仮リードタイムの前記後続リードタイム部を構成する前記検査待ち時間及び前記検査時間を目標検査待ち時間及び目標検査時間として構成されるように、設定してなる目標リードタイム設定手段と、
前記目標加工待ち時間、前記目標加工時間、前記目標検査待ち時間及び前記目標検査時間を入力してなる仮製造指図書を表す仮製造指図書データを、前記仮製造指図書への各入力内容を表示してなる正製造指図書を表す正製造指図書データに変換設定する変換設定手段とを備えていることを特徴とする生産管理システム。
【請求項2】
前記対応素材の未来の仕掛り数を、当該対応素材の仕掛り実績データに基づき前記受注部品の数に応じて算出し未来の算出仕掛り数として設定する仕掛り数設定手段と、
前記対応素材の前記未来の算出仕掛り数が過大か否かを判定する仕掛り数判定手段と、
前記対応素材の前記未来の算出仕掛り数が過大であると前記仕掛り数判定手段により判定されたとき、前記いずれか1つの自社加工職場或いは前記外注加工職場における加工能力及び前記対応素材の仕掛り目標数或いは前記検査職場における検査能力及び前記仕掛り目標数に基づいて、前記対応素材の目標加工時間或いは目標検査時間を目標時間と表すものとして、当該目標時間を、次式(1)
目標時間=仕掛り目標数÷処理能力・・・(1)
に基づき、算出する目標時間算出手段と、
前記対応素材の前記設定に係る前記仮リードタイムの前記先行リードタイム部が前記目標時間に減るまで前記加工待ち時間を減算し減算加工待ち時間として調整し、かつ、前記設定に係る前記仮リードタイムの前記後続リードタイム部が前記目標検査時間に減るまで前記検査待ち時間を減算し減算検査待ち時間として調整する算出仕掛り数過大時待ち時間調整手段と、
前記設定に係る前記仮リードタイムの前記先行リードタイム部における前記加工待ち時間を、前記減算加工待ち時間でもって更新し、かつ、前記設定に係る前記仮リードタイムの前記後続リードタイム部における前記検査待ち時間を、前記減算検査待ち時間でもって更新し、当該両更新結果を前記加工時間及び前記検査時間とともに更新仮リードタイムとして設定する仮リードタイム更新設定手段とを備えており、
前記目標リードタイムを第1目標リードタイムとし、かつ、前記目標加工待ち時間、前記目標加工時間、前記目標検査待ち時間及び前記目標検査時間を、それぞれ、第1目標加工待ち時間、第1目標加工時間、第1目標検査待ち時間及び第1目標検査時間として、前記目標リードタイム設定手段は、前記第1目標リードタイムに加えて、第2目標リードタイムを備えて、当該第2目標リードタイムにて、前記更新仮リードタイムの前記先行リードタイム部の前記減算加工待ち時間を第2目標加工待ち時間として前記加工時間と共に有する先行リードタイム部、及び前記更新仮リードタイムの前記後続リードタイム部の前記減算検査待ち時間を第2目標検査待ち時間として前記検査時間と共にする後続リードタイム部でもって構成されるように、設定してなり、
前記仮製造指図書及び前記正製造指図書を、それぞれ、第1仮製造指図書及び第1正製造指図書として、前記変換設定手段は、さらに、前記第2目標加工待ち時間、前記第2目標加工時間、前記第2目標検査待ち時間及び前記第2目標検査時間を入力してなる第2仮製造指図書を表す仮製造指図書データを、当該第2仮製造指図書への各入力内容を表示してなる第2正製造指図書を表す正製造指図書データに変換設定するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の生産管理システム。
【請求項3】
前記仕掛り数判定手段は、前記対応素材の前記未来の算出仕掛り数が、少なくとも所定の仕掛り増加数だけ、前記対応素材の前記抽出仕掛り目標データの前記仕掛り目標数を超えて増加すると、前記過大と判定することを特徴とする請求項2に記載の生産管理システム。
【請求項4】
受注部品の受注数の急減か否かを判定する急減判定手段と、
対応素材の未来の算出仕掛り数が急減したとき、前記受注部品の受注数が急減したと前記急減判定手段により判定されると、前記設定に係る前記仮リードタイムの前記先行リードタイム部における前記加工待ち時間に所定緩和時間を加算して加算加工待ち時間として設定し、かつ、前記設定に係る前記仮リードタイムの前記後続リードタイム部における前記検査待ち時間に前記所定の緩和時間を加算して加算検査待ち時間として設定するするように調整する受注数急減時待ち時間調整手段と、
前記設定に係る前記仮リードタイムの前記先行リードタイム部における前記加工待ち時間を、前記加算加工待ち時間でもって更新し、かつ、前記設定に係る前記仮リードタイムの前記後続リードタイム部における前記検査待ち時間を、前記加算検査待ち時間でもって更新し、当該両更新結果を前記加工時間と共に更新仮リードタイムとして設定する仮リードタイム更新設定手段とを備えており、
前記目標リードタイムを第1目標リードタイムとし、かつ前記目標加工待ち時間、前記目標加工時間、前記目標検査待ち時間及び前記目標検査時間を、それぞれ、第1目標加工待ち時間、第1目標加工時間、第1目標検査待ち時間及び第1目標検査時間として、前記目標リードタイム設定手段は、当該第1目標リードタイムに加えて、第2目標リードタイムを備えて、当該第2目標リードタイムにて、前記更新仮リードタイムの前記先行リードタイム部における前記加算加工待ち時間を第2目標加工待ち時間として前記加工時間と共に有する先行リードタイム部及び前記更新仮リードタイムの前記後続リードタイム部における前記加算検査待ち時間を第2目標検査待ち時間として前記検査時間と共にする有する後続リードタイム部でもって構成されるように、設定してなり、
前記仮製造指図書及び前記正製造指図書を、それぞれ、第1仮製造指図書及び第1正製造指図書として、前記変換設定手段は、さらに、前記第2目標加工待ち時間、前記第2目標加工時間、前記第2目標検査待ち時間及び前記第2目標検査時間を入力してなる第2仮製造指図書を表す仮製造指図書データを、前記第2仮製造指図書への各入力内容を表示してなる第2正製造指図書を表す正製造指図書データに変換設定するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の生産管理システム。
【請求項5】
前記急減手段において、前記急減は所定の急減速度範囲以内の急減速度及び所定の急減率範囲以内の急減率でもって特定されていることを特徴とする請求項4に記載の生産管理システム。
【請求項6】
受注部品の受注数の急減か否かを判定する急減判定手段と、
前記対応素材の前記未来の算出仕掛り数が過大であると前記仕掛り数判定手段により判定されるとともに、対応素材の未来の算出仕掛り数が急減したとき前記受注部品の受注数が急減したと前記急減判定手段により判定されたとき、前記過大及び前記急減の双方が解消されたか否かを判定する過大・急減双方解消判定手段と、
前記過大及び前記急減の双方が解消されないと前記過大・急減双方解消判定手段により判定されたとき、前記過大の維持のまま前記急減が解消されたか否かを判定する過大維持・急減解消判定手段と、
前記過大の維持のまま前記急減が解消されていないと前記過大維持・急減解消判定手段により判定されたとき、前記急減の維持のまま前記過大が解消されたか否かを判定する急減維持・過大解消判定手段とを備えて、
前記過大・急減双方解消判定手段が、前記過大及び前記急減の双方が解消されたと判定したとき、前記仕掛り数判定手段による前記過大との判定及び前記急減判定手段による前記急減との判定を解消して、前記未来の算出仕掛り数の非過大及び前記受注数の非急減に基づく前記仮リードタイム設定手段による前記仮リードタイムの設定、前記目標リードタイム設定手段による前記目標リードタイムの設定及び前記変換設定手段による前記正製造指図書データへの変換設定を行うようになっており、
前記過大維持・急減解消判定手段が、前記過大の維持のまま前記急減が解消されたと判定したとき、前記急減判定手段による前記受注数の急減との判定を解消して、前記未来の算出仕掛り数の過大及び前記受注数の非急減に基づくに基づく前記仮リードタイム設定手段による前記仮リードタイムの設定、前記目標リードタイム設定手段による前記目標リードタイムの設定及び前記変換設定手段による前記正製造指図書データへの変換設定を行うようになっており、
また、前記急減維持・過大解消判定手段が、前記仕掛り数判定手段による前記過大との判定を解消し、かつ、前記受注数の急減を維持して、前記未来の算出仕掛り数の非過大及び前記受注数の急減に基づくに基づく前記仮リードタイム設定手段による前記仮リードタイムの設定、前記目標リードタイム設定手段による前記目標リードタイムの設定及び前記変換設定手段による前記正製造指図書データへの変換設定を行うようになっていることを特徴とする請求項2に記載の生産管理システム。
【請求項7】
前記いずれか1つの自社加工職場、前記自社検査職場及び前記外注加工職場に配設されている複数の端末手段と、
当該複数の受信手段に対応する複数の受信手段、処理手段及び登録装置と、
前記正製造指図書の貼り付け済みの前記対応素材群の前記いずれか1つの自社加工職場或いは前記外注加工職場への投入に伴い、前記複数の端末手段のうちの前記いずれか1つの自社加工職場或いは前記外注加工職場に配設してなる加工職場端末手段から前記対応素材群の受領情報を表す加工職場受領データを前記複数の受信手段のうちの前記加工職場端末手段に対する対応受信手段に対しネットワークを介し送信されたとき、当該対応受信手段からの前記加工職場受領データを前記登録装置に出力する加工職場受領データ出力手段と、
前記いずれか1つの自社加工職場或いは前記外注加工職場における前記対応素材群の受領に伴い、当該対応素材群の前記加工手段による加工を、前記目標加工待ち時間以内の経過を待って、前記加工時間の間行うことにより、前記加工後の前記対応素材群が前記自社検査職場に送出された後、前記加工職場端末手段から前記加工後の前記対応素材群の送出情報を表す加工職場送出データを前記対応受信手段に対し前記ネットワークを介し送信されたとき、当該対応受信手段からの前記加工職場送出データを前記登録装置に出力する加工職場送出データ出力手段と、
前記自社検査職場における前記加工後の前記対応素材群の受領に伴い、当該対応素材群の受領情報を表す検査職場受領データを、前記複数の端末手段のうち、前記自社検査職場に配設してなる検査職場端末手段により前記ネットワークを介し前記複数の受信手段のうち前記検査職場端末手段に対応する他の受信手段に対し送信されたとき、当該他の受信手段からの前記検査職場受領データを前記登録装置に出力する検査職場受領データ出力手段と、
前記自社検査職場における前記加工後の前記対応素材群の受領に伴い、当該自社検査職場における前記加工後の前記対応素材群の前記検査手段による検査を、前記目標検査待ち時間以内の経過を待って、前記検査時間の間、前記加工後の前記対応素材群の検査を前記検査手段により行うことにより、前記検査後の前記対応素材群を完成品たる素材部品からなる素材部品群として送出されたとき、前記検査後の前記対応素材群の送出情報を表す検査職場送出データを、前記検査職場端末手段により前記ネットワークを介し前記他の受信手段に送信するに伴い、当該他の受信手段からの前記検査職場送出データを前記登録装置に出力する検査職場送出データ出力手段とを備えており、
前記登録装置は、その内部に登録済みの仕掛り実績データを、前記加工職場受領データ出力手段からの前記加工職場受領データ、前記加工職場送出データ出力手段からの前記加工職場送出データ、前記検査職場受領データ出力手段からの前記検査職場受領データ及び前記検査職場送出データ出力手段からの前記検査職場送出データに基づき更新するようにしたことを特徴とする請求項1、2、4または6に記載の生産管理システム。
【請求項8】
前記少なくとも1つの外注工場は、前記複数の自社加工職場に少なくとも1つの加工職場として含まれていることを特徴とする請求項1、2、4または6に記載の生産管理システム。
【請求項9】
前記加工職場受領データ出力手段、前記加工職場送出データ出力手段、前記検査職場受領データ出力手段及び前記検査職場送出データ出力手段からなるコンピュータプログラム手段を主プログラム手段として、当該主プログラム手段に対し割り込み処理を行う割り込みプログラム手段を備えており、
当該割り込みプログラム手段は、前記加工職場端末手段から送信された前記加工職場送出データを前記対応受信手段にて受領したとき、前記対応素材群に後続する他の対応素材群であって前記仮製造指図書の入力内容を入力済みの正製造指図書を貼り付けてなる他の対応素材群の前記いずれか1つの自社加工職場或いは前記外注加工職場への投入に伴い、前記主プログラム手段に従い前記加工職場受領データ出力手段による処理及び前記加工職場送出データ出力手段、前記検査職場受領データ出力手段及び前記検査職場送出データ出力手段による処理と同様の処理を行うことを特徴とする請求項7に記載の生産管理システム。
【請求項10】
複数の職場)を複数の自社加工職場及び自社検査職場として有する自社工場と少なくとも1つの外注加工職場として有する外注工場との双方に適用される生産管理方法において、
先行リードタイム部及び当該先行リードタイム部に後続する後続リードタイム部からなる仮リードタイムを備えて、当該仮リードタイムが、前記先行リードタイム部にて、前記複数の自社加工職場のいずれか1つの自社加工職場或いは前記外注加工職場に配設してなる加工手段により受注部品群の各受注部品に対する対応素材群の各対応素材を加工するに要する加工待ち時間及び加工時間でもって構成され、かつ、前記後続リードタイム部にて、前記自社検査職場に配設してなる検査手段により前記加工後の前記対応素材群の前記各対応素材を検査するに要する検査待ち時間及び検査時間でもって構成されるように、設定してなる仮リードタイム設定ステップと、
先行目標リードタイム部及び当該先行目標リードタイム部に後続する後続目標リードタイム部からなる目標リードタイムを備えて、当該目標リードタイムが、前記先行目標リードタイム部にて、前記仮リードタイム設定ステップにおけるの前記設定に係る前記仮リードタイムの前記先行リードタイム部を構成する前記加工待ち時間及び前記加工時間を目標加工待ち時間及び目標加工時間として構成され、かつ、前記後続目標リードタイム部にて、前記仮リードタイムの前記後続リードタイム部を構成する前記検査待ち時間及び前記検査時間を目標検査待ち時間及び目標検査時間として構成されるように、設定する目標リードタイム設定ステップと、
前記目標加工待ち時間、前記目標加工時間、前記目標検査待ち時間及び前記目標検査時間を入力してなる仮製造指図書を表す仮製造指図書データを、前記仮製造指図書への各入力内容を表示してなる正製造指図書を表す正製造指図書データに変換設定する変換設定ステップとを備えることを特徴とする生産管理方法。
【請求項11】
前記対応素材の未来の仕掛り数を、当該対応素材の仕掛り実績データに基づき前記受注部品の数に応じて算出し未来の算出仕掛り数として設定する仕掛り数設定ステップと、
前記対応素材の前記未来の算出仕掛り数が過大か否かを判定する仕掛り数判定ステップと、
前記対応素材の前記未来の算出仕掛り数が過大であると前記仕掛り数判定ステップにおいて判定されたとき、前記いずれか1つの自社加工職場或いは前記外注加工職場における加工能力及び前記対応素材の仕掛り目標数或いは前記検査職場における検査能力及び前記仕掛り目標数に基づいて前記対応素材の目標加工時間或いは目標検査時間を目標時間と表すものとして、当該目標時間を、次式(1)
目標時間=仕掛り目標数÷処理能力・・・(1)
に基づき、算出する目標時間算出ステップと、
前記対応素材の前記設定に係る前記仮リードタイムの前記先行リードタイム部が前記目標時間に減るまで前記加工待ち時間を減算し減算加工待ち時間として調整し、かつ、前記設定に係る前記仮リードタイムの前記後続リードタイム部が前記目標時間に減るまで前記検査待ち時間を減算し減算検査待ち時間として調整する算出仕掛り数過大時待ち時間調整ステップと、
前記設定に係る前記仮リードタイムの前記先行リードタイム部における前記加工待ち時間を、前記減算加工待ち時間でもって更新し、かつ、前記設定に係る前記仮リードタイムの前記後続リードタイム部における前記検査待ち時間を、前記減算検査待ち時間でもって更新し、当該両更新結果を前記加工時間及び前記検査時間とともに更新仮リードタイムとして設定する仮リードタイム更新設定ステップとを備えており、
前記目標リードタイムを第1目標リードタイムとし、かつ、前記目標加工待ち時間、前記目標加工時間、前記目標検査待ち時間及び前記目標検査時間を、それぞれ、第1目標加工待ち時間、第1目標加工時間、第1目標検査待ち時間及び第1目標検査時間として、前記目標リードタイム設定ステップにおいて、前記第1目標リードタイムに加えて、第2目標リードタイムを備えて、当該第2目標リードタイムにて、前記更新仮リードタイムの前記先行リードタイム部の前記減算加工待ち時間を第2目標加工待ち時間として前記加工時間と共に有する先行リードタイム部、及び前記更新仮リードタイムの前記後続リードタイム部の前記減算検査待ち時間を第2目標検査待ち時間として前記検査時間と共にする後続リードタイム部でもって構成されるように、設定し、
前記仮製造指図書及び前記正製造指図書を、それぞれ、第1仮製造指図書及び第1正製造指図書として、前記変換設定ステップにおいて、さらに、前記第2目標加工待ち時間、前記第2目標加工時間、前記第2目標検査待ち時間及び前記第2目標検査時間を入力してなる第2仮製造指図書を表す仮製造指図書データを、当該第2仮製造指図書への各入力内容を表示してなる第2正製造指図書を表す正製造指図書データに変換設定するようになっていることを特徴とする請求項10に記載の生産管理方法。
【請求項12】
受注部品の受注数の急減か否かを判定する急減判定ステップと、
対応素材の未来の算出仕掛り数が急減したとき、前記受注部品の受注数が急減したと前記急減判定ステップにて判定されると、前記設定に係る前記仮リードタイムの前記先行リードタイム部における前記加工待ち時間に所定緩和時間を加算して加算加工待ち時間として設定し、かつ、前記設定に係る前記仮リードタイムの前記後続リードタイム部における前記検査待ち時間に前記所定の緩和時間を加算して加算検査待ち時間として設定するように調整する受注数急減時待ち時間調整ステップと、
前記設定に係る前記仮リードタイムの前記先行リードタイム部における前記加工待ち時間を、前記加算加工待ち時間でもって更新し、かつ、前記設定に係る前記仮リードタイムの前記後続リードタイム部における前記検査待ち時間を、前記加算検査待ち時間でもって更新し、当該両更新結果を前記加工時間と共に更新仮リードタイムとして設定する仮リードタイム更新設定ステップとを備えており、
前記目標リードタイムを第1目標リードタイムとし、かつ前記目標加工待ち時間、前記目標加工時間、前記目標検査待ち時間及び前記目標検査時間を、それぞれ、第1目標加工待ち時間、第1目標加工時間、第1目標検査待ち時間及び第1目標検査時間として、前記目標リードタイム設定ステップにおいて、当該第1目標リードタイムに加えて、第2目標リードタイムを備えて、当該第2目標リードタイムにて、前記更新仮リードタイムの前記先行リードタイム部における前記加算加工待ち時間を第2目標加工待ち時間として前記加工時間と共に有する先行リードタイム部及び前記更新仮リードタイムの前記後続リードタイム部における前記加算検査待ち時間を第2目標検査待ち時間として前記検査時間と共にする有する後続リードタイム部でもって構成されるように、設定し、
前記仮製造指図書及び前記正製造指図書を、それぞれ、第1仮製造指図書及び第1正製造指図書として、前記変換設定ステップにおいて、さらに、前記第2目標加工待ち時間、前記第2目標加工時間、前記第2目標検査待ち時間及び前記第2目標検査時間を入力してなる第2仮製造指図書を表す仮製造指図書データを、前記第2仮製造指図書への各入力内容を表示してなる第2正製造指図書を表す正製造指図書データに変換設定するようになっていることを特徴とする請求項10に記載の生産管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、複数の加工職場や検査職場等の職場を有する工場或いは当該工場同士を組み合わせて製品や部品を製造する組み合わせ工場のための生産管理システム及び生産管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の生産管理システムにおいては、例えば、下記特許文献1に記載の生産管理システムが提案されている。当該生産管理システムは、オーダー即ち注文の対象である複数種の製造対象部品を、サプライチェーンを構成する素材倉庫、製造工場、複数の完成品倉庫を介して、組立工場に供給するために、製造工場においてなされる複数種の製造対象部品の生産を管理する。なお、組立工場は、複数の完成品倉庫から供給される各完成部品たる製造対象部品を相互に組み付ける工場である。
【0003】
サプライチェーンにおいて、素材倉庫は、製造工場で生産される互いに異なった製造対象部品の材料である各素材ワークを保管する倉庫である。製造工場は、複数の加工職場を有しており、当該製造工場は、素材倉庫からの互いに異なる素材ワークごとに、それぞれ、当該素材ワークをワークである仕掛り部品として投入されて、当該仕掛り部品を複数の加工職場にて順次加工して、互いに異なる製造対象部品として完成する工場である。複数の完成品倉庫は、それぞれ、製造工場にて完成部品として完成された互いに異なる各製造対処部品を保管する倉庫である。
【0004】
このように構成してなる生産管理システムにおいて、製造工場に対し製造対象部品の注文がなされると、当該製造対象部品に対し納入LTが設定される。当該納入LTは、投入待ち時間と、工場通過LTと、在庫余裕時間との総和で特定される。
【0005】
当該納入LTにおいて、投入待ち時間は、予め定めた計画投入日から実際に製造工場に投入されるまでの時間をいう。ここで、予め定めた計画投入日は、注文で要求される納入日から納入LTだけ遡ることで決定される素材ワークの製造工場への投入タイミングをいう。
【0006】
工場通過LTは、素材ワークが素材倉庫から製造工場に投入された後完成品である製造対象部品として完成されるまでの時間をいう。ここで、当該工場通過LTは、ワークが通過する各加工職場の職場LTの総和をいう。また、職場LTは、ワークの加工職場への投入後当該ワークの加工完了となるまでの時間をいう。なお、在庫余裕時間は、製造工場で完成品となってから組立工場へ納入するまでの在庫時間をいう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上述した生産管理システムにおいては、生産管理の観点からすれば、素材倉庫から製造工場への素材ワークの投入は、生産計画に従い上述のごとく予め設定された計画投入日になされることが望ましい。このようなことから、上述した納入LTにおいて、投入待ち時間は、ゼロに設定される。
【0009】
また、納入LTのうちの工場通過LTは、仕掛り部品ごとに通る各加工職場の職場LTの総和であることから、工場通過LTを決定するには、仕掛り部品ごとに通る各加工職場の職場LTを求めることが必要である。
【0010】
しかしながら、職場LTは、仕掛り部品ごとに異なり、また、多品種少数生産の場合、注文の対象である製造対象部品ごとに、製造工場での生産数が異なる。
【0011】
このため、職場LTは、次のように、製造対象部品の生産数が所定数以上の場合と当該所定数未満の場合に分けて、特定される。
【0012】
まず、製造対象部品の生産数が所定数以上の場合には、仕掛り部品が通過する各加工職場の実績職場LTでもって特定される。なお、実績職場LTは、データベース内に保存されている。
【0013】
一方、製造対象部品の生産数が上記所定数未満の場合は、実績が乏しいことから、職場LTは、職場LT推定モデルに製造対象部品のカテゴリ及び材質を入力することによって推定される。
【0014】
ここで、当該職場LT推定モデルは、製造対象部品の材質を入力とし、当該製造対象部品に対して作業を行った加工職場の実績職場LTを出力とした加工職場ごとの学習データを用いて、機械学習モデルに入力と出力との関係を学習させて加工職場ごとに構築してなる学習済みモデルをいう。
【0015】
以上のように、納入LTの設定にあたり、投入待ち時間をゼロとするにあたり、各加工職場の職場LTの特定は、製造対象部品の生産数が所定数以上か否かの場合に分けて行う必要があり、また、製造対象部品の生産数が所定数未満の場合には、上述のような複雑な職場LT推定モデルに依存して行う必要があるという不具合が生ずる。
【0016】
この点についてさらに敷衍すれば、製造工場における製造過程においては、通常、一加工職場に対しては、他の複数の加工職場から仕掛り部品が輻輳して投入される。このため、一定数の加工待ちの仕掛り部品が各加工職場において必ず滞留する。このような滞留を前提として、各職場LTを、上述のように場合分けして、特定しても、各加工職場における仕掛り部品の加工を円滑に行い得るかは不明であり、また、円滑に行い得るとしても、上述した不具合が生ずることには変わりはない。従って、上述のような職場LT推定モデルを用いた生産計画は現実の生産実態とは整合せず、計画が当たらないという重大な不具合を生ずる。よって、上述のように、納入LTにおいて投入待ち時間をゼロと設定することは現実的ではない。
【0017】
また、上述のようにゼロと設定するにあたっては、素材倉庫から製造工場に素材ワークを投入する際に、当該素材ワークが仕掛り部品として属するカテゴリにおいて当該仕掛品と共に属する他の仕掛り部品の数がWIP上限数以下に維持されることが必要である。
【0018】
しかしながら、WIP上限数(工場に存在しているワークの上限数)が適正な数になっていないと、素材ワークが仕掛り部品として属するカテゴリにおいて当該仕掛品と共に属する他の仕掛り部品の数がWIP上限数以下になっていても、投入待ち時間をゼロと設定するに要する条件が満たされないという不具合が生ずる。
【0019】
ここで、WIP上限数が、加工職場における加工能力や当該加工職場への仕掛部品の投入数等を考慮して、当該加工職場における必要な加工出来高を確保するように適正化され得るとしても、このような適正化は、WIP上限数を繰り返し更新しなければならないという面倒な作業が必要となるという不具合を招く。
【0020】
また、当該生産管理システムにおいては、工場通過LT及び職場LTのいずれにおいても、加工時間は、考慮されているものの、加工職場における加工にあたり、加工職場への仕掛り部品の加工待ち時間は、何ら考慮されていない。
【0021】
この点につき詳細に検討してみると、上述したごとく、通常、一定数の加工待ちの仕掛り部品が各加工職場において必ず滞留する。
【0022】
ここで、滞留している各仕掛り部品の中から最先に加工すべき仕掛り部品を選択することは、滞留仕掛り部品の数が多い程、面倒な作業である。また、最先に加工すべき仕掛り部品を選択し得たとしても、仕掛り部品ごとにその材料、形状等の仕様が異なることから、加工には、仕掛り部品ごとに異なる段取り作業が必要となる。
【0023】
このため、各加工職場においては、仕掛り部品ごとに、その加工に先立ち、待ち時間が必要である。ここで、加工職場によっては、加工に限ることなく、例えば、塗装や検査等の処理を行うこともあることから、上述した待ち時間は、加工、塗装や検査等を含む処理待ち時間ともいえる。
【0024】
従って、上述した生産管理システムでは、工場通過LT及び職場LTにおいて、各加工職場における処理待ち時間を考慮していないことから、導出された生産計画は生産実態に合わず計画の逸脱が生じて混乱を発生させ、各加工職場における円滑な加工は、実現し得ないという不具合が生ずる。
【0025】
以上説明したように、WIP上限数の適正化や、この適正化のもとに、素材倉庫から製造工場に素材ワークを投入する際に、当該素材ワークが仕掛り部品として属するカテゴリにおいて当該仕掛品と共に属する他の仕掛り部品の数がWIP上限数以下に維持されることで、納入LTのうちの投入待ち時間をゼロと設定し得たとしても、上述した不具合を招くことは勿論のこと、加工職場における加工における仕掛り部品の加工待ち時間は、何ら考慮されていないことから、加工職場における仕掛り部品の加工が効率良く行われ得ないという不具合を招く。このような不具合は、加工職場における仕掛り部品の滞留数が多い程、より一層著しく生ずる。
【0026】
そこで、本発明は、以上のようなことに対処するため、工場における各種の加工や検査等を行う複数の加工職場や検査職場において生じがちな仕掛り品の滞留に対する対処や加工や検査の段取り等には加工や検査の時間に比べて長時間を必要とすることから、当該時間を加工や検査に先立つ待ち時間として設け、複数の加工職場や検査職場における仕掛り品の各種加工や検査の時間を確保しつつ、当該加工や検査に先立つ待ち時間を調整し、生産管理を容易にかつ簡単行うようにした複数の加工職場や検査職場を有する工場或いは当該工場同士を組み合わせて製品や部品を製造する組み合わせ工場のための生産管理システム及び生産管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0027】
上記課題の解決にあたり、本発明に係る生産管理システムは、請求項1の記載によれば、
複数の職場(20a~20d)を複数の自社加工職場(20a~20c)及び自社検査職場(20d)として有する自社工場(20)と少なくとも1つの外注加工職場として有する外注工場(SF1、SF2)との双方に適用される。
【0028】
当該生産管理システムにおいて、
先行リードタイム部(LT1A~LT1D)及び当該先行リードタイム部に後続する後続リードタイム部(LT1E)からなる仮リードタイム(LT1)を備えて、当該仮リードタイムが、上記先行リードタイム部にて、複数の自社加工職場のいずれか1つの自社加工職場或いは外注加工職場に配設してなる加工手段により受注部品群の各受注部品に対する対応素材群の各対応素材を加工するに要する加工待ち時間(T1A~T1D)及び加工時間(H1A~H1D)でもって構成され、かつ、上記後続リードタイム部にて、自社検査職場に配設してなる検査手段により上記加工後の対応素材群の各対応素材を検査するに要する検査待ち時間(T1E)及び検査時間(H1E)でもって構成されるように、設定してなる仮リードタイム設定手段(113)と、
先行目標リードタイム部及び当該先行目標リードタイム部に後続する後続目標リードタイム部からなる目標リードタイム(LT13)を備えて、当該目標リードタイムが、上記先行目標リードタイム部にて、仮リードタイム設定手段の上記設定に係る仮リードタイムの上記先行リードタイム部を構成する加工待ち時間及び加工時間を目標加工待ち時間及び目標加工時間として構成され、かつ、上記後続目標リードタイム部にて、仮リードタイムの上記後続リードタイム部を構成する検査待ち時間及び検査時間を目標検査待ち時間及び目標検査時間として構成されるように、設定してなる目標リードタイム設定手段(131)と、
目標加工待ち時間、目標加工時間、目標検査待ち時間及び目標検査時間を入力してなる仮製造指図書(PBFa)を表す仮製造指図書データを、仮製造指図書への各入力内容を表示してなる正製造指図書(Q)を表す正製造指図書データに変換設定する変換設定手段(131b、132)とを備えていることを特徴とする。
【0029】
このような構成によれば、設定仮リードタイムが、先行リードタイム部及び後続リードタイム部でもって構成されている。ここで、先行リードタイム部は、複数の自社加工職場のいずれか1つの自社加工職場或いは外注加工職場に配設してなる加工手段による加工に要する受注部品の対応素材の各加工時間及びその加工待ち時間からなる。また、後続リードタイム部は、自社検査職場に配設してなる検査手段による検査に要する上記加工後の対応素材の検査時間及びその検査待ち時間からなる。
【0030】
このような設定仮リードタイムを活用して、目標リードタイムが、設定仮リードタイムの先行リードタイム部の加工待ち時間及び加工時間を目標加工待ち時間及び目標加工時間として有する先行リードタイム部及び設定仮リードタイムの検査待ち時間及び検査時間を目標検査待ち時間及び目標検査時間として有する後続リードタイム部でもって構成されている。
【0031】
さらに、目標加工待ち時間、目標加工時間、目標検査待ち時間及び目標検査時間を入力してなる仮製造指図書を表す仮製造指図書データが、仮製造指図書への各入力内容を表示してなる正製造指図書を表す正製造指図書データに変換設定される。
【0032】
以上のような構成のもと、正製造指図書データに基づき印刷してなる正製造指図書を貼り付けた対応素材からなる対応素材群がいずれか1つの自社加工職場或いは外注加工職場に投入されたとき、いずれか1つの自社加工職場或いは外注加工職場において、正製造指図書の目標加工待ち時間以内だけ対応素材群の加工手段による加工を待ち、当該目標加工待ち時間の経過に伴い正製造指図書の目標加工時間にて加工手段による対応素材群の加工を行い、
然る後、自社検査場において、正製造指図書の目標検査待ち時間以内だけ検査手段による加工後の対応素材群の検査を待ち、当該目標検査待ち時間以内の経過に伴い正製造指図書の目標検査時間にて加工後の前記対応素材群の検査を検査手段により行う。
【0033】
換言すれば、工場における各種の加工や検査等を行ういずれか1つの自社加工職場或いは前記外注加工職場や自社検査職場においては、複数の滞留仕掛り品が輻輳して存在するという実態からすれば、加工や検査に要する時間に加えて、加工や検査の待ち時間が必要となる。このことは、上述した先行リードタイム部或いは後続リードタイム部は、加工或いは検査の待ち時間と加工或いは検査の時間により構成されることを意味する。
【0034】
ここで、当該加工や検査の待ち時間は加工や検査に要する時間に比べて長いことから、加工や検査に要する時間は、加工や検査の待ち時間を活用すれば、本明細書の冒頭にて述べた従来技術の複雑な構成や処理に依存することなく、容易に調整し得る。
【0035】
よって、目標リードタイムは、目標加工待ち時間及び目標加工時間を有する先行リードタイム部及び目標検査待ち時間及び目標検査時間を有する後続リードタイム部の総和からなるものの、従来技術とは異なり、全体としての目標リードタイムに依存することなく、上述のように構成してなる先行リードタイム部及び後続リードタイム部に基づき、いずれか1つの自社加工職場或いは外注加工職場における目標加工待ち時間及び目標加工時間及び自社検査職場における目標検査待ち時間及び目標検査時間のもとに、必要な段取りを適正に行うとともに加工や検査を適正にかつ容易に行うことができる。
【0036】
本発明は、請求項2の記載によれば、請求項1に記載の生産管理システムにおいて、
対応素材の未来の仕掛り数を、当該対応素材の仕掛り実績データ(IPD1~IPD4、IPDSF1、IPDSF2)に基づき受注部品の数に応じて算出し未来の算出仕掛り数として設定する仕掛り数設定手段(115)と、
対応素材の上記未来の算出仕掛り数が過大か否かを判定する仕掛り数判定手段(120)と、
対応素材の上記未来の算出仕掛り数が過大であると仕掛り数判定手段により判定されたとき、上記いずれか1つの自社加工職場或いは外注加工職場における加工能力及び対応素材の仕掛り目標数或いは検査職場における検査能力及び上記仕掛り目標数に基づいて、対応素材の目標加工時間或いは目標検査時間を目標時間と表すものとして、当該目標時間を、次式(1)
目標時間=仕掛り目標数÷処理能力・・・(1)
に基づき、算出する目標時間算出手段(121)と、
対応素材の上記設定に係る仮リードタイムの上記先行リードタイム部が目標時間に減るまで加工待ち時間を減算し減算加工待ち時間(T1Aβa~T1Dβa)として調整し、かつ、上記設定に係る仮リードタイム(LT1)の上記後続リードタイム部が目標時間に減るまで検査待ち時間を減算し減算検査待ち時間(T1Eβa)として調整する算出仕掛り数過大時待ち時間調整手段(123)と、
上記設定に係る仮リードタイムの上記先行リードタイム部における加工待ち時間を、上記減算加工待ち時間でもって更新し、かつ、上記設定に係る仮リードタイムの上記後続リードタイム部における検査待ち時間を、上記減算検査待ち時間でもって更新し、当該両更新結果を加工時間及び検査時間とともに更新仮リードタイム(LT11)として設定する仮リードタイム更新設定手段(124)とを備えており、
目標リードタイムを第1目標リードタイムとし、かつ、目標加工待ち時間、目標加工時間、目標検査待ち時間及び目標検査時間を、それぞれ、第1目標加工待ち時間、第1目標加工時間、第1目標検査待ち時間及び第1目標検査時間として、目標リードタイム設定手段(131)は、上記第1目標リードタイムに加えて、第2目標リードタイム(LT11)を備えて、当該第2目標リードタイムにて、上記更新仮リードタイムの上記先行リードタイム部の上記減算加工待ち時間を第2目標加工待ち時間として加工時間と共に有する先行リードタイム部、及び上記更新仮リードタイムの上記後続リードタイム部の上記減算検査待ち時間を第2目標検査待ち時間として検査時間と共にする後続リードタイム部でもって構成されるように、設定してなり、
仮製造指図書及び正製造指図書を、それぞれ、第1仮製造指図書及び第1正製造指図書として、変換設定手段(131b、132)は、さらに、第2目標加工待ち時間、第2目標加工時間、第2目標検査待ち時間及び第2目標検査時間を入力してなる第2仮製造指図書を表す仮製造指図書データを、当該第2仮製造指図書への各入力内容を表示してなる第2正製造指図書を表す正製造指図書データに変換設定するようになっていることを特徴とする。
【0037】
このような構成によれば、対応素材の未来の算出仕掛り数が過大であることから、いずれか1つの自社加工職場或いは外注加工職場における加工待ち時間が式(1)により算出した目標時間にリードタイム部全体が減じるまで短縮される。
【0038】
これに伴い、正製造指図書データに基づき印刷してなる第2正製造指図書を貼り付けた対応素材からなる対応素材群がいずれか1つの自社加工職場或いは外注加工職場に投入されたとき、いずれか1つの自社加工職場或いは外注加工職場において、第2正製造指図書の第2目標加工待ち時間に短縮された状態で当該第2目標加工待ち時間以内だけ対応素材群の加工を待ち、当該第2目標加工待ち時間の経過に伴い第2正製造指図書の加工時間にて前記対応素材群の加工を行い、また、自社検査場において、第2正製造指図書の第2目標検査待ち時間に短縮された状態で当該第2目標検査待ち時間以内だけ、加工後の対応素材群の検査を待ち、当該第2目標検査待ち時間の経過に伴い第2正製造指図書の検査時間にて加工後の対応素材群の検査を行うこととなる。
【0039】
従って、対応素材の未来の算出仕掛り数が過大である場合、いずれか1つの自社加工職場或いは外注加工職場における加工時間をそのまま維持しつつ、上述のように加工待ち時間を短縮することで、当該いずれか1つの自社加工職場或いは外注加工職場への対応素材群の投入日を加工日に近づけ、該いずれか1つの自社加工職場或いは外注加工職場における対応素材の滞留時間を抑制しつつ、対応素材の加工を適正に行うことができる。
【0040】
換言すれば、対応素材の未来の算出仕掛り数が過大であっても、上述のように加工待ち時間を短縮することで、いずれか1つの自社加工職場或いは外注加工職場における対応素材群の加工を適正に行いつつ、次の対応素材群の加工を早めることができる。
【0041】
また、本発明は、請求項3の記載によれば、請求項2に記載の生産管理システムにおいて、
仕掛り数判定手段は、対応素材の上記未来の算出仕掛り数が、少なくとも所定の仕掛り増加数(θ)だけ、対応素材の上記抽出仕掛り目標データの上記仕掛り目標数を超えて増加すると、上記過大と判定することを特徴とする。これによれば、請求項2の発明の作用効果をより一層適正に確保し得る。
【0042】
また、本発明は、請求項4の記載によれば、請求項1に記載の生産管理システムの記載において、
受注部品の受注数の急減か否かを判定する急減判定手段(130)と、
対応素材の未来の算出仕掛り数が急減したとき、受注部品の受注数が急減したと急減判定手段により判定されると、上記設定に係る仮リードタイムの上記先行リードタイム部における加工待ち時間に所定緩和時間(α)を加算して加算加工待ち時間として設定し、かつ、上記設定に係る仮リードタイムの上記後続リードタイム部における検査待ち時間に上記所定の緩和時間を加算して加算検査待ち時間として設定するするように調整する受注数急減時待ち時間調整手段(134a)と、
上記設定に係る仮リードタイムの上記先行リードタイム部における加工待ち時間を、加算加工待ち時間でもって更新し、かつ、上記設定に係る仮リードタイムの上記後続リードタイム部における検査待ち時間を、加算検査待ち時間でもって更新し、当該両更新結果を加工時間と共に更新仮リードタイム(LT12)として設定する仮リードタイム更新設定手段(134)とを備えており、
目標リードタイム(LT13)を第1目標リードタイムとし、かつ目標加工待ち時間、目標加工時間、目標検査待ち時間及び目標検査時間を、それぞれ、第1目標加工待ち時間、第1目標加工時間、第1目標検査待ち時間及び第1目標検査時間として、目標リードタイム設定手段(131)は、当該第1目標リードタイムに加えて、第2目標リードタイム(LT12)を備えて、当該第2目標リードタイムにて、更新仮リードタイムの上記先行リードタイム部における加算加工待ち時間を第2目標加工待ち時間として加工時間と共に有する先行リードタイム部及び更新仮リードタイムの上記後続リードタイム部における加算検査待ち時間を第2目標検査待ち時間として検査時間と共にする有する後続リードタイム部でもって構成されるように、設定してなり、
仮製造指図書及び正製造指図書を、それぞれ、第1仮製造指図書及び第1正製造指図書として、変換設定手段(131b、132)は、さらに、第2目標加工待ち時間、第2目標加工時間、第2目標検査待ち時間及び第2目標検査時間を入力してなる第2仮製造指図書を表す仮製造指図書データを、第2仮製造指図書への各入力内容を表示してなる第2正製造指図書を表す正製造指図書データに変換設定するようになっていることを特徴とする。
【0043】
このような構成によれば、受注数が急減である場合には、いずれか1つの自社加工職場或いは外注加工職場における加工待ち時間が、仮リードタイムの先行リードタイム部の目標加工待ち時間に所定緩和時間を加算して設定される。また、検査職場における検査待ち時間が、仮リードタイムの後続リードタイム部の検査待ち時間に所定の緩和時間を加算して設定される。
【0044】
換言すれば、受注数が急減である場合には、いずれか1つの自社加工職場或いは外注加工職場においては、加工待ち時間が所定緩和時間だけ延伸され、また、自社検査職場においては、加算検査待ち時間が所定緩和時間だけ延伸される。
【0045】
従って、受注数が急減である場合には、いずれか1つの自社加工職場或いは外注加工職場における加工待ち時間が所定緩和時間以内だけ延伸調整されるので、いずれか1つの自社加工職場或いは外注加工職場における対応素材群の加工を行う対応素材の数を適正に確保し、かつ、稼働率の低下を抑制しつつ、当該加工を適正に行い得る。
【0046】
また、受注数が急減であっても、自社検査職場における検査待ち時間が、上述のように所定緩和時間だけ延伸されるので、自社検査職場における対応素材群の検査を行う対応素材の数を確保し、かつ、稼働率の低下を抑制しつつ、当該検査を適正に行い得る。その他の作用効果は請求項1の発明と同様である。
【0047】
また、本発明は、請求項5の記載によれば、請求項4に記載の生産管理システムにおいて、
急減手段において、上記急減は所定の急減速度範囲以内の急減速度及び所定の急減率範囲以内の急減率でもって特定されていることを特徴とする。これによれば、請求項4に記載の発明の作用効果がより一層具体的に達成され得る。
【0048】
また、本発明は、請求項6の記載によれば、請求項2に記載の生産管理システムにおいて、
受注部品の受注数の急減か否かを判定する急減判定手段(130)と、
対応素材の上記未来の算出仕掛り数が過大であると仕掛り数判定手段により判定されるとともに、対応素材の未来の算出仕掛り数が急減したとき受注部品の受注数が急減したと急減判定手段により判定されたとき、上記過大及び上記急減の双方が解消されたか否かを判定する過大・急減双方解消判定手段(133)と、
上記過大及び上記急減の双方が解消されないと過大・急減双方解消判定手段により判定されたとき、上記過大の維持のまま上記急減が解消されたか否かを判定する過大維持・急減解消判定手段(133a)と、
上記過大の維持のまま上記急減が解消されていないと過大維持・急減解消判定手段により判定されたとき、上記急減の維持のまま上記過大が解消されたか否かを判定する急減維持・過大解消判定手段(134)とを備えて、
過大・急減双方解消判定手段が、上記過大及び上記急減の双方が解消されたと判定したとき、仕掛り数判定手段による上記過大との判定及び急減判定手段による上記急減との判定を解消して、上記未来の算出仕掛り数の非過大及び上記受注数の非急減に基づく仮リードタイム設定手段による上記仮リードタイムの設定、目標リードタイム設定手段による上記目標リードタイムの設定及び変換設定手段による上記正製造指図書データへの変換設定を行うようになっており、
過大維持・急減解消判定手段が、上記過大の維持のまま上記急減が解消されたと判定したとき、急減判定手段による上記受注数の急減との判定を解消して、上記未来の算出仕掛り数の過大及び上記受注数の非急減に基づくに基づく仮リードタイム設定手段による仮リードタイムの設定、目標リードタイム設定手段による目標リードタイムの設定及び変換設定手段による正製造指図書データへの変換設定を行うようになっており、
また、急減維持・過大解消判定手段が、仕掛り数判定手段による上記過大との判定を解消し、かつ、上記受注数の急減を維持して、上記未来の算出仕掛り数の非過大及び上記受注数の急減に基づくに基づく仮リードタイム設定手段による仮リードタイムの設定、目標リードタイム設定手段による目標リードタイムの設定及び変換設定手段による正製造指図書データへの変換設定を行うようになっていることを特徴とする。
【0049】
このような構成によれば、上述した未来仕掛り数の過大との判定があった後に、受注数の急減と判定されても、上記過大が上記急減により解消されるとともに上記急減が解消される場合には、未来仕掛り数の非過大及び受注数の非急減のもとに、請求項1に記載の発明の構成に基づく処理と同様の処理がなされ、上記過大の維持のもとに上記急減が解消される場合には、請求項2に記載の発明の構成に基づく処理と同様の処理がなされ、また、上記非過大のもとに上記急減が維持される場合には、請求項4に記載の発明の構成に基づく処理と同様の処理がなされ得る。
【0050】
また、本発明は、請求項7の記載によれば、請求項1、2、4または6に記載の生産管理システムにおいて、
上記いずれか1つの自社加工職場、自社検査職場及び外注加工職場に配設されている複数の端末手段(P0~P13)と、
当該複数の受信手段に対応する複数の受信手段(R0~R13)、処理手段(CPU)及び登録装置(Sb)と、
正製造指図書の貼り付け済みの対応素材群の上記いずれか1つの自社加工職場或いは外注加工職場への投入に伴い、複数の端末手段のうちの上記いずれか1つの自社加工職場或いは外注加工職場に配設してなる加工職場端末手段から対応素材群の受領情報を表す加工職場受領データを複数の受信手段のうちの加工職場端末手段に対する対応受信手段に対しネットワーク(N)を介し送信されたとき、当該対応受信手段からの上記加工職場受領データを登録装置に出力する加工職場受領データ出力手段(151)と、
上記いずれか1つの自社加工職場或いは外注加工職場における対応素材群の受領に伴い、当該対応素材群の加工手段による加工を、上記目標加工待ち時間以内の経過を待って、加工時間の間行うことにより、上記加工後の対応素材群が自社検査職場に送出された後、加工職場端末手段から上記加工後の対応素材群の送出情報を表す加工職場送出データを上記対応受信手段に対しネットワーク(N)を介し送信されたとき、当該対応受信手段からの上記加工職場送出データを登録装置に出力する加工職場送出データ出力手段(151b)と、
自社検査職場における上記加工後の対応素材群の受領に伴い、当該対応素材群の受領情報を表す検査職場受領データを、複数の端末手段のうち、自社検査職場に配設してなる検査職場端末手段によりネットワークを介し複数の受信手段のうち検査職場端末手段に対応する他の受信手段に対し送信されたとき、当該他の受信手段からの上記検査職場受領データを登録装置に出力する検査職場受領データ出力手段(152f)と、
自社検査職場における上記加工後の対応素材群の受領に伴い、当該自社検査職場における上記加工後の対応素材群の検査手段による検査を、目標検査待ち時間以内の経過を待って、検査時間の間、上記加工後の対応素材群の検査を検査手段により行うことにより、上記検査後の対応素材群を完成品たる素材部品からなる素材部品群として送出されたとき、上記検査後の対応素材群の送出情報を表す検査職場送出データを、検査職場端末手段によりネットワークを介し他の受信手段に送信するに伴い、当該他の受信手段からの上記検査職場送出データを登録装置に出力する検査職場送出データ出力手段(152g)とを備えており、
登録装置は、その内部に登録済みの仕掛り実績データを、加工職場受領データ出力手段からの上記加工職場受領データ、加工職場送出データ出力手段からの上記加工職場送出データ、検査職場受領データ出力手段からの上記検査職場受領データ及び検査職場送出データ出力手段からの上記検査職場送出データに基づき更新するようにしたことを特徴とする。
【0051】
これによれば、加工職場受領データ出力手段からの加工職場受領データ、加工職場送出データ出力手段からの加工職場送出データ、検査職場受領データ出力手段からの検査職場受領データ及び検査職場送出データ出力手段からの検査職場送出データに基づき、登録装置内の仕掛り実績データを更新するので、生産管理に要する仕掛り実績データが常に最新の情報でもって確保され得る。その結果、請求項1、2、4または6に記載の発明の作用効果がより一層向上され得る。
【0052】
また、本発明は、請求項8の記載によれば、請求項1、2、4または6に記載の生産管理システムにおいて、
少なくとも1つの外注工場は、複数の自社加工職場に少なくとも1つの加工職場として含まれていることを特徴とする。
【0053】
これによれば、外注工場の加工職場を活用する場合でも、自社工場内での対応素材群の加工および検査のリードタイム設定の仕組みを統合できることで、請求項1、2、4または6の発明の作用効果を達成しつつ、自社工場における生産管理がより一層容易に行われ得る。
【0054】
また、本発明は、請求項9の記載によれば、請求項7に記載の生産管理システムにおいて、
加工職場受領データ出力手段、加工職場送出データ出力手段、検査職場受領データ出力手段及び検査職場送出データ出力手段からなるコンピュータプログラム手段を主プログラム手段として、当該主プログラム手段に対し割り込み処理を行う割り込みプログラム手段を備えており、
当該割り込みプログラム手段は、加工職場端末手段から送信された加工職場送出データを対応受信手段にて受領したとき、対応素材群に後続する他の対応素材群であって仮製造指図書の入力内容を入力済みの正製造指図書を貼り付けてなる他の対応素材群のいずれか1つの自社加工職場或いは外注加工職場への投入に伴い、主プログラム手段に従い加工職場受領データ出力手段による処理及び加工職場送出データ出力手段、検査職場受領データ出力手段及び検査職場送出データ出力手段による処理と同様の処理を行うことを特徴とする。
【0055】
これによれば、主プログラム手段に対し割り込み処理を行う割り込みプログラム手段を設けることにより、主プログラム手段において対応受信手段が加工職場端末手段から送信された加工職場送出データを受領するに伴い、対応素材群に後続する他の対応素材群に対し、主プログラム手段に従い加工職場受領データ出力手段による処理及び加工職場送出データ出力手段、検査職場受領データ出力手段及び検査職場送出データ出力手段による処理と同様の処理を行う。
【0056】
従って、他の対応素材群に対するいずれか1つの自社加工場或いは外注工場における加工が、対応素材群に対するいずれか1つの自社加工場或いは外注工場における加工の終了に伴い行われる。これに伴い、他の対応素材群に対するいずれか1つの自社検査場における検査が、対応素材群に対する自社検査場或における検査の終了に伴い行われる。
【0057】
このことは、いずれか1つの自社加工場或いは外注工場における加工が、対応素材群から他の対応素材群にかけて連続的に行われるとともに、自社検査場における検査が、対応素材群から他の対応素材群にかけて連続的に行われることを意味する。その結果、請求項6の発明の作用効果を達成しつつ、いずれか1つの自社加工場或いは外注工場及び検査職場における作業員の各稼働率が良好に確保され得る。
【0058】
また、本発明に係る生産管理方法は、請求項10の記載によれば、
複数の職場(20a~20d)を複数の自社加工職場(20a~20c)及び自社検査職場(20d)として有する自社工場(20)と少なくとも1つの外注加工職場として有する外注工場(SF1、SF2)との双方に適用される。
【0059】
当該生産管理方法において、
先行リードタイム部(LT1A~LT1D)及び当該先行リードタイム部に後続する後続リードタイム部(LT1E)からなる仮リードタイム(LT1)を備えて、当該仮リードタイムが、上記先行リードタイム部にて、複数の自社加工職場のいずれか1つの自社加工職場或いは外注加工職場に配設してなる加工手段により受注部品群の各受注部品に対する対応素材群の各対応素材を加工するに要する加工待ち時間(T1A~T1D)及び加工時間(H1A~H1D)でもって構成され、かつ、上記後続リードタイム部にて、自社検査職場に配設してなる検査手段により上記加工後の対応素材群の各対応素材を検査するに要する検査待ち時間(T1E)及び検査時間(H1E)でもって構成されるように、設定してなる仮リードタイム設定ステップ(113)と、
先行目標リードタイム部及び当該先行目標リードタイム部に後続する後続目標リードタイム部からなる目標リードタイム(LT13)を備えて、当該目標リードタイムが、上記先行目標リードタイム部にて、仮リードタイム設定ステップにおける上記設定に係る仮リードタイムの上記先行リードタイム部を構成する加工待ち時間及び加工時間を目標加工待ち時間及び目標加工時間として構成され、かつ、上記後続目標リードタイム部にて、仮リードタイムの上記後続リードタイム部を構成する検査待ち時間及び検査時間を目標検査待ち時間及び目標検査時間として構成されるように、設定する目標リードタイム設定ステップ(131)と、
目標加工待ち時間、目標加工時間、目標検査待ち時間及び目標検査時間を入力してなる仮製造指図書(PBFa)を表す仮製造指図書データを、仮製造指図書への各入力内容を表示してなる正製造指図書(Q)を表す正製造指図書データに変換設定する変換設定ステップ(131b、132)とを備えることを特徴とする。
【0060】
これによれば、請求項1の発明の作用効果を達成し得る生産管理方法の提供が可能となる。
【0061】
また、本発明は、請求項11の記載によれば、請求項10に記載の生産管理方法において、
対応素材の未来の仕掛り数を、当該対応素材の仕掛り実績データ(IPD1~IPD4、IPDSF1、IPDSF2)に基づき受注部品の数に応じて算出し未来の算出仕掛り数として設定する仕掛り数設定ステップ(115)と、
対応素材の上記未来の算出仕掛り数が過大か否かを判定する仕掛り数判定ステップ(120)と、
対応素材の上記未来の算出仕掛り数が過大であると前記仕掛り数判定ステップおいて判定されたとき、上記いずれか1つの自社加工職場或いは外注加工職場における加工能力及び対応素材の仕掛り目標数或いは検査職場における検査能力及び上記仕掛り目標数に基づいて対応素材の目標加工時間或いは目標検査時間を目標時間と表すものとして、当該目標時間を、次式(1)
目標時間=仕掛り目標数÷処理能力・・・(1)
に基づき、算出する目標時間算出ステップ(121)と、
対応素材の上記設定に係る仮リードタイムの上記先行リードタイム部が目標時間に減るまで加工待ち時間を減算し減算加工待ち時間(T1Aβa~T1Dβa)として調整し、かつ、上記設定に係る仮リードタイム(LT1)の上記後続リードタイム部が目標時間に減るまで検査待ち時間を減算し減算検査待ち時間(T1Eβa)として調整する算出仕掛り数過大時待ち時間調整ステップ(123)と、
上記設定に係る仮リードタイムの上記先行リードタイム部における加工待ち時間を、上記減算加工待ち時間でもって更新し、かつ、上記設定に係る仮リードタイムの上記後続リードタイム部における検査待ち時間を、上記減算検査待ち時間でもって更新し、当該両更新結果を加工時間及び検査時間とともに更新仮リードタイム(LT11)として設定する仮リードタイム更新設定ステップ(124)とを備えており、
目標リードタイムを第1目標リードタイムとし、かつ、目標加工待ち時間、目標加工時間、目標検査待ち時間及び目標検査時間を、それぞれ、第1目標加工待ち時間、第1目標加工時間、第1目標検査待ち時間及び第1目標検査時間として、目標リードタイム設定ステップ(131)において、第1目標リードタイムに加えて、第2目標リードタイム(LT11)を備えて、当該第2目標リードタイムにて、上記更新仮リードタイムの上記先行リードタイム部の上記減算加工待ち時間を第2目標加工待ち時間として加工時間と共に有する先行リードタイム部、及び上記更新仮リードタイムの上記後続リードタイム部の上記減算検査待ち時間を第2目標検査待ち時間として検査時間と共にする後続リードタイム部でもって構成されるように、設定し、
仮製造指図書及び正製造指図書を、それぞれ、第1仮製造指図書及び第1正製造指図書として、変換設定ステップ(131b、132)において、さらに、第2目標加工待ち時間、第2目標加工時間、第2目標検査待ち時間及び第2目標検査時間を入力してなる第2仮製造指図書を表す仮製造指図書データを、当該第2仮製造指図書への各入力内容を表示してなる第2正製造指図書を表す正製造指図書データに変換設定するようになっていることを特徴とする。
【0062】
これによれば、請求項10の発明の作用効果を達成し得る生産管理方法の提供が可能となる。
【0063】
また、本発明は、請求項12の記載によれば、請求項10に記載の生産管理方法において、
受注部品の受注数の急減か否かを判定する急減判定ステップ(130)と、
対応素材の未来の算出仕掛り数が急減したとき、受注部品の受注数が急減したと急減判定ステップにて判定されると、上記設定に係る仮リードタイムの上記先行リードタイム部における加工待ち時間に所定緩和時間(α)を加算して加算加工待ち時間として設定し、かつ、上記設定に係る仮リードタイムの上記後続リードタイム部における検査待ち時間に上記所定の緩和時間を加算して加算検査待ち時間として設定するように調整する受注数急減時待ち時間調整ステップ(134a)と、
上記設定に係る仮リードタイムの上記先行リードタイム部における加工待ち時間を、加算加工待ち時間でもって更新し、かつ、上記設定に係る仮リードタイムの上記後続リードタイム部における検査待ち時間を、加算検査待ち時間でもって更新し、当該両更新結果を加工時間と共に更新仮リードタイム(LT12)として設定する仮リードタイム更新設定ステップ(134)とを備えており、
目標リードタイム(LT13)を第1目標リードタイムとし、かつ目標加工待ち時間、目標加工時間、目標検査待ち時間及び目標検査時間を、それぞれ、第1目標加工待ち時間、第1目標加工時間、第1目標検査待ち時間及び第1目標検査時間として、目標リードタイム設定ステップにおいて、当該第1目標リードタイムに加えて、第2目標リードタイム(LT12)を備えて、当該第2目標リードタイムにて、上記更新仮リードタイムの上記先行リードタイム部における加算加工待ち時間を第2目標加工待ち時間として加工時間と共に有する先行リードタイム部及び上記更新仮リードタイムの上記後続リードタイム部における加算検査待ち時間を第2目標検査待ち時間として検査時間と共にする有する後続リードタイム部でもって構成されるように、設定し、
仮製造指図書及び正製造指図書を、それぞれ、第1仮製造指図書及び第1正製造指図書として、変換設定ステップ(131b、132)において、さらに、第2目標加工待ち時間、第2目標加工時間、第2目標検査待ち時間及び第2目標検査時間を入力してなる第2仮製造指図書を表す仮製造指図書データを、第2仮製造指図書への各入力内容を表示してなる第2正製造指図書を表す正製造指図書データに変換設定するようになっていることを特徴とする。
【0064】
これによれば、請求項4に記載の発明の作用効果を達成し得る生産方法の提供が可能である。
【0065】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【
図1】自社及び両外注工場に適用される本発明に係る生産管理システムの第1実施形態を示すブロック図である。
【
図2】
図1の生産管理システムを示すブロック回路図である。
【
図3】
図2のホームサーバー装置と端末群との関係を示すブロック回路図である。
【
図4】
図3の受信回路群と端末群との関係を示す詳細ブロック回路図である。
【
図5】上記第1実施形態においてCPUにより実行されるコンピュータプログラムを示すフローチャートの一部である。
【
図6】上記第1実施形態においてCPUにより実行されるコンピュータプログラムを示すフローチャートの一部である。
【
図7】上記第1実施形態においてCPUにより実行されるコンピュータプログラムを示すフローチャートの一部である。
【
図8】上記第1実施形態においてCPUにより実行されるコンピュータプログラムを示すフローチャートの一部である。
【
図9】上記第1実施形態においてCPUにより実行されるコンピュータプログラムを示すフローチャートの一部である。
【
図10】上記第1実施形態においてCPUにより実行されるコンピュータプログラムを示すフローチャートの一部である。
【
図11】上記第1実施形態においてCPUにより実行されるコンピュータプログラムを示すフローチャートの一部である。
【
図12】上記第1実施形態においてCPUにより実行されるコンピュータプログラムを示すフローチャートの一部である。
【
図13】(a)は、上記第1実施形態における受注データテーブルを示す図表であり、(b)は、上記第1実施形態における仮リードタイムデータテーブルを示す図表である。
【
図14】(a)は、上記第1実施形態における丸棒素材の仮リードタイムの各職場や各外注工場における各リードタイム部及を示す図であり、(b)は、上記第1実施形態における板金素材の仮リードタイムの各職場における各リードタイム部を示す図である。
【
図15】上記第1実施形態における仕掛り実績データテーブルを示す図表である。
【
図16】(a)は、上記第1実施形態における仮製造指図書のブランクフォームを示す図であり、(b)は、当該ブランクフォームに対する入力状態を示す図である。
【
図17】上記第1実施形態における仕掛り目標データテーブルを示す図表である。
【
図18】上記第1実施形態における目標リードタイムデータテーブルを示す図表である。
【
図19】(a)は、仕掛り数過大・受注数非急減の場合の目標リードタイムを示す詳細図であり、(b)は、仕掛り数過大・受注数非急減の場合の正製造指図書を示す図である。
【
図20】(a)は、仕掛り数非過大・受注数急減の場合の目標リードタイムを示す詳細図であり、(b)は、仕掛り数非過大・受注数急減の場合の正製造指図書を示す図である。
【
図21】(a)は、仕掛り数非過大・受注数非急減の場合の目標リードタイムを示す詳細図であり、(b)は、仕掛り数非過大・受注数非急減の場合の正製造指図書を示す図である。
【
図22】自社のみに適用される本発明に係る生産管理システムの第2実施形態を示すブロック図である。
【
図23】本発明に係る生産管理システムの第3実施形態の要部を示す図表である。
【
図24】上記第3実施形態におけるコンピュータプログラムのフローチャートの一部である。
【
図25】上記第3実施形態におけるコンピュータプログラムのフローチャートの一部である。
【
図26】上記第3実施形態におけるコンピュータプログラムのフローチャートの一部である。
【
図27】上記第3実施形態においてCPUにより実行される第1割込みプログムのフローチャートである。
【
図28】上記第3実施形態においてCPUにより実行される第2割込みプログムのフローチャートである。
【
図29】上記第3実施形態においてCPUにより実行される第3割込みプログムのフローチャートである。
【
図30】上記第3実施形態においてCPUにより実行される第4割込みプログムのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0067】
以下、本発明の各実施形態について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、自社並びに第1及び第2の外注工場に適用してなる本発明に係る生産管理システムの第1実施形態を示している。ここで、自社は符号OCにより示し、第1外注工場は符号SF1により示し、第2外注工場は符号SF2により示し、生産管理システムは符号Sにより示すものとする(
図1参照)。
【0068】
自社OCは、倉庫10(以下、自社倉庫10という)及び工場20(以下、自社工場20という)を備えている。自社倉庫10は、自社工場20の近傍に配設されており、当該自社倉庫10は、各種の素材を収容する倉庫である。本第1実施形態においては、自社OCにおいて受注可能な受注部品としては、例えば、丸棒部品、四角棒部品、三角棒部品及び板金部品が挙げられる。これに伴い、自社倉庫10内には、各種の素材のうち、丸棒素材、角棒素材、三角棒素材及び板金素材が収容されている。
【0069】
自社工場20内には、第1~第4の職場20a~20dが、それぞれ、
図1にて示す各位置に分散して配置されている。
【0070】
第1職場20aは、自社倉庫10から投入される素材を切断機(図示しない)により切断加工するための加工職場である。上記切断機は、第1職場20a内に設置されている。第2職場20bは、送り込まれた素材をプレス加工機(図示しない)によりプレス加工するための加工職場である。上記プレス加工機は、第2職場20b内に配設されている。
【0071】
第3職場20cは、送り込まれた素材を塗装装置(図示しない)により塗装加工するための加工職場である。上記塗装装置は、第3職場20c内に配設されている。第4職場20dは、送り込まれた素材を検査装置(図示しない)により検査するための検査職場である。上記検査装置は、第4職場20d内に配設されている。
【0072】
第1外注工場SF1は、送り込まれた素材を切削機(図示しない)により切削するための加工工場である。上記切削機は、第1外注工場SF1内に配設されている。第2外注工場SF2は、送り込まれた素材を熱処理加工装置(図示しない)により熱処理加工するための加工工場である。上記熱処理加工装置は、第2外注工場SF2内に配設されている。なお、
図1において、符号DWは、納入先倉庫を示す。また、符号Eは、第1外注工場SF1に外注する他社を示す。
【0073】
生産管理システムSは、自社OCにて受けた受注部品を生産管理する役割を果たすもので、当該生産管理システムSは、
図2にて示すごとく、ホームサーバー装置Sa、登録装置Sb及び印刷装置Scを備えている。
【0074】
ホームサーバー装置Saは、
図2にて示すごとく、サーバーであるコンピュータ30、操作器40及び表示装置50を備えており、コンピュータ30は、操作器40、表示装置50、登録装置Sb及び印刷装置Scの間に接続されている。
【0075】
コンピュータ30は、
図3にて示すごとく、CPU31、ROM32、RAM33及び受信回路群Rを備えている。CPU31は、コンピュータプログラムを、
図5~
図12にて示すフローチャートに従い、実行するものである。当該CPU31は、その実行中において、操作器40の操作出力及び受信回路群Rの出力等に基づき、RAM33や登録装置Sbとともに、仕掛り実績データ等の各種データの作成及び更新に要する演算処理を行うとともに、表示装置40の表示や印刷装置Bbの印刷に要する演算処理を行う。本第1実施形態において、上述のコンピュータプログラムは、ROM32に予め読み出し可能に記憶されている。なお、ROM32は、読み出し専用記憶素子であり、RAM33は一時記憶素子である。
【0076】
操作器40は、キーボードやマウス等からなるもので、当該操作器40は、その操作に伴い、操作出力をコンピュータ30に入力する。表示装置50は、コンピュータ30からの出力に基づき表示処理を行う。
【0077】
受信回路群Rは、
図3にて示すごとく、端末群Pからの送信出力を、ネットワークNを介し、受信するもので、当該受信回路群Rは、複数の受信回路R0~R13(
図4参照)でもって構成されている。
【0078】
一方、端末群Pは、複数のタブレット型端末P0~P13でもって構成されている。当該複数のタブレット型端末P01~P13は、それぞれ、その表示面に対するタップ操作により、操作出力をネットワークNに送信するようになっており、当該送信は、複数のタブレット型端末P0~P13の各々に内蔵されている送信回路Paによりなされる。本第1実施形態において、以下、タブレット型端末は、単に端末と称するものとする。
【0079】
本実施形態では、端末群Pの複数の端末P0~P13の配設位置を、
図1を参照して説明する。端末P0は、自社倉庫10に配設されている。当該端末P0は、ホームサーバーシステムSから正製造指図書Q(後述する)をデータとして受領したとき、タップ操作される。このタップ操作に伴い、当該端末P0は、その送信回路Paにて、正製造指図書Qを表すデータを操作出力としてネットワークNに送信する。ここで、正製造指図書Qを表すデータに対する受領情報は、自社倉庫10における正製造指図書Qの内容及び受領日でもって構成されている。
【0080】
両端末P1、P2は、第1職場20aに配設されている。端末P1は、自社倉庫10からの素材を第1職場20aにて受領したとき、タップ操作される。このタップ操作に伴い、端末P1は、その送信回路Paにて、素材の受領を表す情報(以下、素材受領データともいう)を、操作出力として、ネットワークNに送信する。上述した素材受領データは、受領素材の種類、受領日時及び受領加工職場(第1職場20a)でもって構成されている。
【0081】
一方、端末P2は、第1職場20aにおける受領素材の切断加工の終了に伴い当該切断加工後の素材を送出する際に、タップ操作される。このタップ操作に伴い、端末P2は、その送信回路Paにて、切断加工済みの素材の送出データを、操作出力として、ネットワークNに送信する。当該切断加工済みの素材の送出データは、素材の種類、送出日時及び送出加工職場(第1職場20a)でもって構成されている。
【0082】
両端末P3、P4は、第2職場20bに配設されている。端末P3は、第1職場20aにて切断加工された素材を第2職場20bにて受領したとき、タップ操作される。このタップ操作に伴い、端末P3は、その送信回路Paにて、第1職場20aからの素材の受領データを、操作出力として、ネットワークNに送信する。上述した素材の受領データは、受領素材の種類、受領日時及び受領加工職場(第2職場20b)でもって構成されている。
【0083】
一方、端末P4は、第2職場20bにおける受領素材に対するプレス加工の終了に伴い当該プレス加工後の素材の送出の際に、タップ操作される。このタップ操作に伴い、端末P2は、その送信回路Paにて、第2職場20bにてプレス加工済みの素材の送出データを、操作出力として、ネットワークNに送信する。上述した端末P2による素材の送出データは、第2職場20bでの受領素材の種類、送出日時及び送出加工職場(第2職場20b)でもって構成されている。
【0084】
両端末P5、P6は、第3職場20cに配設されている。端末P5は、第2職場20bにてプレス加工された素材或いは第2外注工場SF2にて切削加工された素材を第3職場20cにて受領したとき、タップ操作される。このタップ操作に伴い、端末P5は、その送信回路Paにて、第2職場20b或いは第2外注工場SF2からの素材の受領データを操作出力としてネットワークNに送信する。第2職場20b或いは第2外注工場SF2からの素材の受領データは、受領素材の種類、受領日時及び受領加工職場(第3職場20c)でもって構成されている。
【0085】
一方、端末P6は、第3職場20cにおける受領素材の塗装加工の終了に伴い当該塗装加工後の素材の送出の際に、タップ操作される。このタップ操作に伴い、端末P6は、その送信回路Paにて、第3職場20cにて塗装加工済みの素材の送出データを、操作出力として、ネットワークNに送信する。上述した第3職場20cにて塗装加工済みの素材の送出データは、第2職場20b或いは第2外注工場Bからの素材の種類、送出日時及び送出加工職場(第3職場20c)でもって構成されている。
【0086】
両端末P7、P8は、第4職場20dに配設されている。端末P7は、第3職場20bで塗装加工された素材を第4職場20dにて受領したとき、タップ操作される。このタップ操作に伴い、端末P7は、その送信回路Paにて、第3職場20bからの素材の受領データを、操作出力として、ネットワークNに送信する。上述した第3職場20bからの素材の受領データは、第3職場20cからの受領素材の種類、受領日時及び受領加工職場(第4職場20d)でもって構成されている。
【0087】
一方、端末P8は、第4職場20bにおける受領素材の検査の終了に伴い当該検査後の素材の送出の際に、タップ操作される。このタップ操作に伴い、端末P8は、その送信回路Paにて、第4職場20bからの素材の送出データを、操作出力として、ネットワークNに送信する。上述した第4職場20bからの素材の送出データは、第4職場20cにおける受領素材の種類、送出日時及び送出加工職場(第4職場20d)でもって構成されている。
【0088】
両端末P9、P10は、第1外注工場SF1に配設されている。端末P9は、第1職場20bにて切断加工された素材を第1外注工場SF1にて受領したとき、タップ操作される。このタップ操作に伴い、端末P9は、その送信回路Paにて、第1職場20aからの素材の受領データを、操作出力として、ネットワークNに送信する。上述した第1職場20aからの素材の受領データは、第1職場20aからの受領素材の種類、受領日時及び受領場(第1外注工場SF1)でもって構成されている。
【0089】
一方、端末P10は、第1外注工場SF1における受領素材の切削加工の終了に伴い当該切削加工後の素材の送出の際に、タップ操作される。このタップ操作に伴い、端末P10は、その送信回路Paにて、第1外注工場SF1における切削加工後の素材の送出データを、操作出力として、ネットワークNに送信する。上述した第1外注工場SF1における切削加工後の素材の送出データは、第1外注工場Bにおける受領素材の種類、送出日時及び送出場(第1外注工場SF1)でもって構成されている。
【0090】
両端末P11、P12は、第2外注工場SF2に配設されている。端末P11は、第1外注工場SF1にて切削加工された素材を第2外注工場SF2にて受領したとき、ップ操作される。このタップ操作に伴い、端末P11は、その送信回路Paにて、第1外注工場SF1からの素材の受領データを、操作出力として、ネットワークNに送信する。上述した第1外注工場SF1からの素材の受領データは、第1外注工場SF1からの受領素材の種類、受領日時及び受領場(第2外注工場SF2)でもって構成されている。
【0091】
一方、端末P12は、第2外注工場SF2における受領素材の熱処理加工の終了に伴い当該熱加工処理後の素材の送出の際に、タップ操作される。このタップ操作に伴い、端末P12は、その送信回路Paにて、素材の送出データを操作出力としてネットワークNに送信する。上述した第2外注工場SF2からの素材の送出データは、第2外注工場SF2における受領素材の種類、送出日時及び送出場(第2外注工場SF2)でもって構成されている。
【0092】
端末P13は、納入先倉庫DWに配設されている。端末P13は、自社工場20の第4職場20dからの検査後の素材を完成品として納入先倉庫DWにて受領したとき、タップ操作される。このタップ操作に伴い、端末P13は、その送信回路Paにて、第4職場20dからの完成品の受領データを操作出力としてネットワークNに送信する。上述した完成品の受領データは、第2職場20dからの受領完成品の種類、受領日時及び受領場(納入先倉庫DW)でもって構成されている。
【0093】
次に、端末群Pの複数の端末P0~P13と受信回路群Rの複数の受信回路R0~R13との関係について、
図4を参照して説明する。受信回路R0は、ネットワークNを介し、自社倉庫10の端末P0からの操作出力を受信する。
【0094】
受信回路R1は、ネットワークNを介し、第1職場20aの端末P1からの操作出力を受信し、受信回路R2は、ネットワークNを介し、第1職場20aの端末P2からの操作出力を受信する。
【0095】
受信回路R3は、ネットワークNを介し、第2職場20bの端末P3からの操作出力を受信し、受信回路R4は、ネットワークNを介し、第2職場20bの端末P4からの操作出力を受信する。受信回路R5は、ネットワークNを介し、第3職場20cの端末P5からの操作出力を受信し、受信回路R6は、ネットワークNを介し、第3職場20cの端末P6からの操作出力を受信する。また、受信回路R7は、ネットワークNを介し、第4職場20dの端末P7からの操作出力を受信し、受信回路R8は、ネットワークNを介し、第4職場20dの端末P8からの操作出力を受信する。
【0096】
受信回路R9は、ネットワークNを介し、第1外注工場SF1の端末P9からの操作出力を受信し、受信回路R10は、ネットワークNを介し、第1外注工場SF1の端末P10からの操作出力を受信する。受信回路R11は、ネットワークNを介し、第2外注工場SF2の端末P11からの操作出力を受信し、受信回路R12は、ネットワークNを介し、第2外注工場SF2の端末P12からの操作出力を受信する。また、受信回路R13は、ネットワークNを介し、納入倉庫Dの端末P13からの操作出力を受信する。なお、各受信回路R0~R13は、それぞれ、その受信操作出力をCPU31に出力する。
【0097】
登録装置Sbは、ハードディスクからなるもので、当該登録装置Sbは、CPU31による制御のもと、仕掛り実績データ等の各種データを各テーブルとして登録し、また、当該各テーブルの更新を行う。印刷装置Scは、CPU31による制御のもと、製造指図書の印刷処理及びその出力処理を行う。
【0098】
以上のように構成した本第1実施形態において、生産管理システムSを作動状態におくと、ホームサーバー装置Saのコンピュ-タ30は、CPU31にて、
図5~
図12にて示すフロ-チャ-トに従いコンピュータプログラムの実行を開始する。以下、新規受注部品に基づく正製造指図書の形成モード及び新規受注部品の製造モードに分けて説明する。なお、正製造指図書とは、新規受注部品をその1ロットごとに製造するに要する製造指図書をいう。
1.新規受注部品に基づく正製造指図書の形成モード
当該正製造指図書の形成モードにおいて、正製造指図書は、新規受注部品の全ロット数のうち、1ロットごとに形成される。また、当該1ロットごとの正製造指図書のうち、最初の正製造指図書は、後述する仮製造指図書に基づき形成され、かつ、後続の正製造指図書は、先行する正製造指図書に基づき形成される。
(1).選択素材の未来の仕掛り数が過大である場合
上述のように、コンピュータプログラムの実行が開始されると、CPU31は、
図5のステップ100において、新規の受注有りか否かにつき判定する。ここで、新規の受注データが登録装置Sb内の受注データテーブル1(
図13(a)参照)に存在すれば、新規の受注有りとして、当該ステップ100における判定はYESとなる。
【0099】
本第1実施形態において、受注データテーブル1は、登録装置Sbに登録されている。当該受注データテーブル1は、
図13(a)にて示すごとく、受注先、受注部品、受注日、受注ロット数及び納期からなる受注データでもって、受注ごとに構成されている。
【0100】
現段階では、当該受注データテーブル1には、両受注データOD1、OD2が新規に登録されているものとする。受注データOD1は、受注先:K1、受注部品:G1、受注日:M1、受注ロット数:L1及び納期:M11でもって構成されている。また、受注データOD2は、受注先:K1、受注部品:G2、受注日:M2、受注ロット数:L2及び納期M:22でもって構成されている。
【0101】
ここで、受注データOD1において、受注部品G1は、丸棒部品を表すものとする。一方、受注データOD2において、受注部品G2は、板金部品を表すものとする。なお、受注データテーブル1は、さらなる新規の受注ごとに、登録装置Sbに登録更新される。
【0102】
ステップ100の処理後、ステップ110において、新規の受注部品は所定の部品範囲内か否かが判定される。本第1実施形態においては、上記所定の部品範囲は、丸棒部品、四角棒部品、三角棒部品及び板金部品とする。ここで、受注部品G1及びG2は、それぞれ、丸棒部品及び板金部品であって、上記所定の部品範囲内の部品であることから、ステップ110における判定はYESとなる。
【0103】
然る後、次のステップ110aにおいて、新規の受注部品は丸棒部品か否かが判定される。ここで、新規の受注部品が丸棒部品であれば、当該ステップ110aにおける判定はYESとなる。ついで、ステップ111において、製造対象部品の設定処理がなされる。ここでは、丸棒部品が製造対象部品として設定される。なお、当該製造対象部品は、単一ロットの丸棒部品群のうちのいずれかの丸棒部品に対応する。
【0104】
これに伴い、ステップ112において、設定製造対象部品の素材選択処理がなされる。当該素材選択処理では、設定製造対象部品が丸棒部品であることから、その素材として、丸棒素材が選択される。なお、当該丸棒素材は、単一ロットの丸棒部品群に対応する単一ロットの丸棒素材群のうちのいずれかの丸棒素材に対応する。
【0105】
然る後、ステップ113において、選択素材の仮リードタイムデータ読み出し処理がなされる。ここで、選択素材が丸棒素材であることから、当該丸棒素材の仮リードタイムは、単一ロットの丸棒部品群の各丸棒部品(各設定製造対象部品)を単一ロットの丸棒素材群の各丸棒素材から製造するに要するリードタイムを表す。なお、当該丸棒素材の仮リードタイムデータは、登録装置Sb内の仮リードタイムデータテーブル2から読み出される(
図13(b)参照)。
【0106】
本第1実施形態において、仮リードタイムデータテーブル2は、登録装置Sbに登録されているもので、当該仮リードタイムデータテーブル2は、
図13(b)にて示すごとく、選択素材及びその仮リードタイムからなる仮リードタイムデータでもって、仮リードタイムデータごとに構成されている。
【0107】
当該仮リードタイムデータテーブル2において、仮リードタイムデータTD1は、選択素材である丸棒素材及びその仮リードタイムLT1でもって構成されている。仮リードタイムデータTD2は、選択素材である四角棒素材及びその仮リードタイムLT2でもって構成されている。仮リードタイムデータTD3は、選択素材である三角棒素材及びその仮リードタイムLT3でもって構成されている。また、仮リードタイムデータTD4は、選択素材である板金素材及びその仮リードタイムLT4でもって構成されている。なお、受注部品が新たな部品であるときは、このように新たな部品に対応する対応素材の仮リードタイムを設定するが、過去に生産実績がある受注部の新たなリピート受注の場合は現設定に係るリードタイムテーブルから呼び出して仮リードタイムとする。
【0108】
本第1実施形態において、仮リードタイムとは、素材が自社倉庫10から自社工場20に投入された後製造されて完成品となるまでの生産計画上の時間をいう。当該仮リードタイムは、生産管理上、設定製造対象部品(受注部品)の納期を前提として、できる限り短いことが望ましい。
【0109】
しかしながら、素材が、自社倉庫10から自社工場20に投入された後製造されて完成品となるまでの過程においては、当該素材は、設定製造対象部品となるまで、必要な各加工・検査を施される。
【0110】
例えば、設定製造対象部品が丸棒部品である場合、丸棒部品の素材である丸棒素材は、自社倉庫10から自社工場20に投入された後、第1職場20a、第1外注工場SF1、第2外注工場SF2、自社工場20の第3職場20c及び第4職場20dを順次通るルート(以下、丸棒部品製造ルートという)を通る過程において、第1職場20a、第1外注工場SF1、第2外注工場SF2、第3職場20c及び第4職場20dの各々にて、順次、加工され或いは検査されて完成品(丸棒部品)となる(
図1参照)。
【0111】
ここで、第1職場20aにおいては、丸棒素材を切断加工するにあたり、丸棒素材の切断加工時間に加えて、丸棒素材を切断加工するに適した段取り作業を考慮する必要がある。しかも、第1職場20aに送られる丸棒素材が過剰になると、先行の丸棒素材に後続する丸棒素材は、先行の丸棒素材の切断加工完了まで、切断加工の時間待ちを必要とされて、第1職場20aに滞留せざるを得ない。当該後続の丸棒素材の切断加工を待つ時間は、第1職場20aに送られる丸棒素材が多い程、長い。なお、本第1実施形態では、上述した切断加工を待つ時間は、切断加工待ち時間という。
【0112】
従って、第1職場20aにおいては、切断加工待ち時間(以下、切断加工待ち時間Τ1Aという)とこれに後続する切断加工時間(以下、切断加工時間Η1Aという)との総和からなるリードタイム部(以下、リードタイム部LT1Aという)が必要となる(
図14(a)参照)。
【0113】
また、第1外注工場SF1においては、第1職場20aからの切断加工後の丸棒素材を切削加工するにあたっても、切断加工後の丸棒素材の切削加工時間に加えて、切断加工後の丸棒素材を切削加工するに適した段取り作業を考慮する必要がある。しかも、第1職場20aから第1外注工場SF1に送られる切断加工後丸棒素材が過剰になると、先行の切断加工後丸棒素材に後続する切断加工後丸棒素材は、先行の切断加工後丸棒素材の切削加工完了まで、切削加工の時間待ちを必要とされて、第1外注工場SF1に滞留せざるを得ない。
【0114】
また、上述のような第1外注工場SF1における切断加工後丸棒素材の滞留状態において、当該第1外注工場SF1は、自社OC以外の他社E(
図1参照)から受注することもある。当該他社Eから受注部品の素材(以下、外注工場受注素材という)が、切断加工後丸棒素材であると否とにかかわらず、当該外注工場受注素材は、上記滞留に起因して、切削加工を待つ時間の間、第1外注工場SF1に滞留することとなる。当該切削加工を待つ時間は、第1職場20aから第1外注工場SF1に送られる切断加工後丸棒素材や他社Eからの第1外注工場SF1への受注部品が多い程、長くなる。本第1実施形態では、上述した切削加工を待つ時間は、切削加工待ち時間という。
【0115】
従って、第1外注工場SF1においては、切削加工待ち時間(以下、切削加工待ち時間Τ1Bという)とこれに後続する切削加工時間(以下、切削加工時間Η1Bという)との総和からなるリードタイム部(以下、リードタイム部LT1Bという)が必要となる(
図14(a)参照)。
【0116】
また、第2外注工場SF2においては、第1外注工場SF1からの切削加工丸棒素材や切削加工外注工場受注素材を熱処理加工するにあたっても、切削加工丸棒素材や切削加工外注工場受注素材の熱処理加工時間に加えて、切削加工丸棒素材や切削加工外注工場受注素材を熱処理加工するに適した段取り作業を考慮する必要がある。
【0117】
しかも、第2外注工場SF2において第1外注工場SF1からの切削加工後丸棒素材が過剰になると、先行の切削加工後丸棒素材に後続する切削加工後丸棒素材は、先行の切削加工後丸棒素材の熱処理加工完了まで、熱処理加工の待ち時間を必要とされ、第2外注工場SF2に滞留せざるを得ない。当該熱処理加工を待つ時間は、第1外注工場SF1から第2外注工場SF2に送られる切削加工後丸棒素材が多い程、長くなる。本第1実施形態では、上述した熱処理加工を待つ時間は、熱処理加工待ち時間という。
【0118】
従って、第2外注工場SF2においては、熱処理加工待ち時間(以下、熱処理加工待ち時間Τ1Cという)とこれに後続する熱処理加工時間(以下、熱処理加工時間Η1Cという)との総和からなるリードタイム部(以下、リードタイム部LT1Cという)が必要となる(
図14(a)参照)。
【0119】
また、自社工場20の第3職場20cにおいて、第2外注工場SF2からの熱処理加工後丸棒素材を塗装加工するにあたっても、熱処理加工後丸棒素材の塗装加工時間に加えて、熱処理加工後丸棒素材を塗装加工するに適した段取り作業を考慮する必要がある。
【0120】
しかも、第3職場20cにおいて第2外注工場SF2からの熱処理加工後丸棒素材が過剰になると、先行の熱処理加工後丸棒素材に後続する熱処理加工後丸棒素材は、先行の熱処理加工後丸棒素材の塗装加工完了まで、塗装加工の時間待ちを必要とされて、第3職場20cに滞留せざるを得ない。
【0121】
また、上述のような第3職場20cにおける熱処理加工後丸棒素材の滞留状態において、当該第3職場20cには、例えば、第2職場20bその他の職場から素材を送られることもある。当該素材が、熱処理加工後丸棒素材であると否とにかかわらず、当該素材は、上記滞留に起因して、塗装加工を待つ時間の間、第3職場20cに滞留することとなる。当該塗装加工を待つ時間は、第2外注工場SF2から第3職場20cに送られる熱処理加工後丸棒素材や第職場20bその他の職場から送られる素材が多い程、長くなる。本第1実施形態では、上述した塗装加工を待つ時間は、塗装加工待ち時間という。
【0122】
従って、第3職場20cにおいては、塗装加工待ち時間(以下、塗装加工待ち時間Τ1Dという)とこれに後続する塗装加工時間(以下、塗装加工時間Η1Dという)との総和からなリードタイム部(以下、リードタイム部LT1Dという)が必要となる(
図14(a)参照)。
【0123】
また、自社工場20の第4職場20dにおいては、第3職場20cからの塗装丸棒素材を検査するにあたっても、塗装加工後丸棒素材の検査時間に加えて、塗装加工後丸棒素材を検査するに適した段取り作業を考慮する必要がある。
【0124】
しかも、第4職場20dにおいて第3職場20cからの塗装加工後丸棒素材や第3職場20c以外の職場からの素材が過剰になると、先行の塗装加工後丸棒素材に後続する塗装加工後丸棒素材は、先行の塗装加工後丸棒素材の検査完了まで、検査を待つ時間の間、第4職場20dに滞留せざるを得ない。当該検査を待つ時間は、第3職場20cから第4職場20dに投入される塗装加工後丸棒素材が多い程、長くなる。本第1実施形態では、上述した検査を待つ時間は、検査待ち時間という。
【0125】
従って、第4職場20dにおいては、検査待ち時間(以下、検査待ち時間Τ1Eという)とこれに後続する検査時間(以下、検査時間Η1Eという)との総和からなるリードタイム部(以下、リードタイム部LT1Eという)が必要となる(
図14(a)参照)。
【0126】
以上によれば、丸棒素材の仮リードタイム(以下、仮リードタイムLT1という)は、各リードタイム部LT1A、LT1B、LT1C、LT1D及びLT1Eをこの順で順次加算することで構成されている(
図14(a)参照)。このことは、仮リードタイムデータTD1は、丸棒素材及び仮リードタイムLT1からなることを意味する(
図13(b)参照)。
【0127】
ここで、当該仮リードタイムLT1において、リードタイム部LT1Aは、切断加工待ち時間T1A及び切断加工時間H1Aでもって構成され、リードタイム部LT1Bは、切削加工待ち時間T1B及び切削加工時間H1Bでもって構成されている(
図14(a)参照)。また、リードタイム部LT1Cは、熱処理加工待ち時間T1C及び熱処理加工時間H1Cでもって構成され、リードタイム部LT1Dは、塗装加工待ち時間T1D及び塗装加工時間H1Dでもって構成され、かつ、リードタイム部LT1Eは、検査待ち時間T1E及び検査時間H1Eでもって構成されている(
図14(a)参照)。
【0128】
また、設定製造対象部品が四角棒部品である場合、仮リードタイムデータTD2は、上述したごとく、四角棒部品及びその仮リードタイムLT2でもって構成されている(
図13(b)参照)。また、設定製造対象部品が三角棒部品である場合、仮リードタイムデータTD3は、上述したごとく、三角棒部品及びその仮リードタイムLT3でもって構成されている(
図13(b)参照)。
【0129】
ここで、四角棒部品或いは三角棒部品は、形状的に丸棒部品と共通する。従って、四角棒部品或いは三角棒部品の場合、当該四角棒部品或いは三角棒部品の素材(四角棒素材或いは三角棒素材)は、丸棒部品と同様の製造ルートを通り完成品(四角棒部品或いは三角棒部品)となるものとする。
【0130】
これに伴い、四角棒素材及び三角棒素材の仮リードタイムLT2及びLT3は、上述した丸棒素材の仮リードタイムLT1と同様の構成を有する。このことは、仮リードタイムLT2及び仮リードタイムLT3は、仮リードタイムLT1と実質的に同様であることを意味する。
【0131】
なお、四角棒部品或いは三角棒部品の丸棒部品との相違(例えば、形成材料の相違等)に起因して、四角棒素材或いは三角棒素材の仮リードタイムLT2或いはLT3は、丸棒素材の仮リードタイムLT1と相違する部分があってもよい。例えば、仮リードタイムLT2或いはLT3において、切削加工時間Η1Bは、その長さにおいて、仮リードタイムLT1における切削加工時間Η1Bと異なっていてもよい。
【0132】
また、仮リードタイムデータTD4は、上述したごとく、設定製造対象部品である板金部品及びその仮リードタイムLT4でもって構成されている(
図13(b)参照)。しかして、このように設定製造対象部品が板金部品である場合、当該板金部品の素材である板金素材は、自社倉庫10から自社工場20に投入された後、第1職場20a、自社工場20の第2職場20b、第3職場20c及び第4職場20dを順次通るルート(以下、板金部品製造ルートという)にて順次切断加工等されて完成品(板金部品)となる。
【0133】
ここで、第1職場20aにおいては、板金素材を切断加工するにあたり、丸棒素材を切断加工する場合と同様の根拠に基づき、切断加工待ち時間(以下、切断加工待ち時間Τ4Aという)とこれに後続する切断加工時間(以下、切断加工時間Η4Aという)との総和からなるリードタイム部(以下、リードタイム部LT4Aという)が必要となる(
図14(b)参照)。
【0134】
また、第2職場20bにおいて、第1職場20aからの切断加工後板金素材をプレス加工するにあたり、他の職場における場合と同様に、切断加工後板金素材のプレス加工時間だけでなく、第2職場20bにおける段取り作業や切断加工後板金部材の滞留に起因して、プレス加工を待つ時間(以下、プレス加工待ち時間という)が必要となる。
【0135】
要するに、第2職場20bにおいては、プレス加工待ち時間(以下、プレス加工待ち時間Τ4Bという)とこれに後続するプレス加工時間(以下、プレス加工時間Η4Bという)との総和からなるリードタイム部(以下、リードタイム部LT4Bという)が必要となる(
図14(b)参照)。
【0136】
また、第3職場20cにおいては、第2職場20bからのプレス加工後板金素材を塗装加工するにあたり、上述した熱処理加工後丸棒素材に対する第3職場20cにおける塗装加工の場合と同様の根拠に起因して、塗装加工時間だけでなく、塗装加工を待つ時間が必要となる。
【0137】
要するに、第3職場20cにおいては、塗装加工待ち時間(以下、塗装加工待ち時間Τ4Cという)とこれに後続する塗装加工時間(以下、塗装加工時間Η4Cという)との総和からなるリードタイム部(以下、リードタイム部LT4Cという)が必要となる(
図14(b)参照)。
【0138】
また、第4職場20dにおいては、第3職場20cからの塗装加工後板金素材を検査するにあたり、上述した塗装加工後丸棒素材に対する第4職場20dにおける検査の場合と同様の根拠に起因して、検査時間だけでなく、検査を待つ時間が必要となる。
【0139】
要するに、第4職場20cにおいては、検査待ち時間(以下、検査待ち時間Τ4Dという)とこれに後続する検査時間(以下、検査時間Η4Dという)との総和からなるリードタイム部(以下、リードタイム部LT4Dという)が必要となる(
図14(b)参照)。なお、本実施形態では、上述した切断加工時間、プレス加工時間、切削加工時間、熱処理加工時間及び塗装加工時間は、単に、加工時間という場合もある。また、切断加工待ち時間、プレス加工待ち時間、切削加工待ち時間、熱処理加工待ち時間、塗装加工待ち時間及び検査待ち時間は、単に、待ち時間という場合もある。
【0140】
以上によれば、板金素材の仮リードタイムLT4は、各リードタイム部LT4A、LT4B、LT4C及びLT4Dをこの順で順次加算することで構成されている(
図14(b)参照)。
【0141】
ここで、当該仮リードタイムLT4において、リードタイム部LT4Aは、切断加工待ち時間T4A及び切断加工時間H4Aでもって構成され、リードタイム部LT4Bは、プレス加工待ち時間T4B及び切断加工時間H4Bでもって構成され、塗装加工待ち時間T4C及び塗装加工時間H4Cでもって構成され、かつ、リードタイム部LT4Dは、検査待ち時間T4D及び検査時間H4Dでもって構成されている(
図14(b)参照)。
【0142】
ステップ112の処理後、ステップ113においては、選択素材の仮リードタイムデータ読み出し処理がなされる。現段階では、ステップ112にて丸棒素材が素材として選択されていることから、丸棒素材の仮リードタイムデータD1が、登録装置Sbの仮リードタイムデータテーブル2から読み出される(
図13(b)、
図14(a)参照)。当該仮リードタイムデータD1における仮リードタイムLT1は、上述したごとく、各リードタイム部LT1A~LT1Eでもって構成されている(
図14(a)参照)。なお、受注部品が新たな部品のときは、当該部品に対応する対応素材の仮リードタイムを設定するが、過去に生産実績がある対応部品の新たなリピート受注の場合は現設定におけるリードタイムテーブルから呼び出して仮リードタイムとする。また、現段階における仮リードタイムLT1及び各リードタイム部LT1A(T1A、H1A)~LT1E(T1E、H1E)は、それぞれ、所定の初期値となっている。
【0143】
本実施形態において、仮リードタイムLT1は、単一ロットの丸棒素材群の全丸棒素材に対応するもので、当該仮リードタイムLT1は、各リードタイム部LT1A~LT1Eの総和である。このことから、当該仮リードタイムLT1の所定の初期値は、各リードタイム部LT1A~LT1Eの所定の初期値に基づき決定される。
【0144】
ここで、各リードタイム部LT1A~LT1Eの所定の初期値は、自社OCの生産管理部門において、設定製造対象部品である丸棒部品に関する受注先からの図面(以下、丸棒部品図面ともいう)を参照して、次のように決定される。
【0145】
各リードタイム部LT1A~LT1Eのうち、リードタイム部LT1Aは、第1職場20aに対応する。従って、当該リードタイム部LT1Aの切断加工時間T1Aを決定するにあたり、上記丸棒部品図面に基づき丸棒素材の切断方法を決定する。
【0146】
これに伴い、当該リードタイム部LT1Aの切断加工時間T1Aが、当該決定切断方法を前提に決定される。然る後、当該リードタイム部LT1Aの切断加工待ち時間H1Aは、所定の待ち時間の倍数の範囲(以下、所定の待ち時間倍数範囲という)以内の待ち時間倍数(例えば、切断加工時間T1Aの6倍)と設定される。本実施形態において、上述の所定の待ち時間倍数範囲は、例えば、5倍~10倍の範囲をいう。なお、当該所定の待ち時間倍数範囲は、必要に応じて、適宜変更してもよい。
【0147】
また、両リードタイム部LT1B及びLT1Cは、それぞれ、第1及び第2の外注工場SF1及びSF2に対応する。従って、当該リードタイム部LT1Bの切削加工時間T1B及びLT1Cの熱処理加工時間T1Cを決定するにあたり、上記丸棒部品図面に基づき、切断加工後の丸棒素材の切削方法及び切削加工後の熱処理加工方法を決定する。
【0148】
これに伴い、当該リードタイム部LT1B及びLT1Cの切削加工時間T1B及び熱処理加工時間T1Cが、当該決定切削加工方法及び熱処理加工方法を前提に決定される。然る後、当該リードタイム部LT1Bの切削加工待ち時間H1B及びリードタイム部LT1Cの熱処理加工待ち時間H1Cは、それぞれ、上記所定の待ち時間倍数範囲以内の待ち時間倍数(例えば、切削加工時間T1B及び熱処理加工時間T1Cの各6倍)と設定される。
【0149】
また、両リードタイム部LT1D及びLT1Eは、それぞれ、第3及び第4の職場20c及び20dに対応する。従って、当該リードタイム部LT1Dの塗装加工時間T1D及びリードタイム部LT1Eの熱処理加工時間T1Eを決定するにあたり、上記丸棒部品図面に基づき、熱処理加工後の丸棒素材の塗装加工方法及び塗装加工後の検査方法を決定する。
【0150】
これに伴い、当該リードタイム部LT1Dの塗装加工時間T1D及びリードタイム部LT1Eの検査時間T1Eが、当該決定塗装加工方法及び検査方法を前提に決定される。然る後、当該リードタイム部LT1Dの塗装加工待ち時間H1D及びリードタイム部LT1Eの検査待ち時間H1Eは、それぞれ、上記所定の待ち時間倍数範囲以内の待ち時間倍数(例えば、塗装加工時間T1D及び検査時間T1Eの各6倍)と設定される。
【0151】
然る後、ステップ114において、選択素材の仕掛り実績データ読み出し処理がなされる。ここでは、選択素材である丸棒素材の仕掛り実績データが、登録装置Sbの仕掛り実績テーブルデータ3(
図15参照)から読み出される。
【0152】
仕掛り実績データテーブル3は、登録装置Sbに登録されているもので、当該仕掛り実績データテーブル3は、
図15にて示すごとく、複数の仕掛り実績データIPD1、IPD2、IPD3、IPD4、IPDSF1及びIPDSF2でもって構成されている。
【0153】
ここで、仕掛り実績データIPD1は、第1職場20aにおける仕掛り実績を表すもので、当該仕掛り実績データIPD1において、丸棒素材、四角棒素材、三角棒素材及び板金部材のうち、丸棒素材及び板金素材については、それぞれ、本日(y年m月d日)より過去に遡る期間(例えば、1ヵ月)に亘る受領日(u
、u2、・・)、受領数(m1、m2、・・)、送出日(U1、U2、・・)及び送出数(M1、M2、・・)が登録されている。なお、四角棒素材及び三角棒素材については、それぞれの期間、受領日、受領数、送出日及び送出数が登録されている。
【0154】
仕掛り実績データIPD2は、第2職場20bにおける仕掛り実績を表すもので、当該仕掛り実績データIPD2においては、板金素材について、本日(y年m月d日)より過去に遡る期間(例えば、1ヵ月)に亘る受領日(v1、v2、・・)、受領数(n1、n2、・・)、送出日(V1、V2、・・)及び送出数(N1、N2、・・)が登録されている。
【0155】
仕掛り実績データIPD3は、第3職場20cにおける仕掛り実績を表すもので、当該仕掛り実績データIPD3において、丸棒素材、四角棒素材、三角棒及び板金素材のうち、丸棒素材及び板金素材については、それぞれ、本日(y年m月d日)より過去に遡る期間(例えば、1ヵ月)に亘る受領日(w1、w2、・・)、受領数(o1、o2、・・)、送出日(W1、W2、・・)及び送出数(O1、O2、・・)が登録されている。なお、四角棒素材及び三角棒素材については、それぞれの期間、受領日、受領数、送出日及び送出数が登録されている。
【0156】
また、仕掛り実績データIPD4は、第4職場20dにおける仕掛り実績を表すもので、当該仕掛り実績データIPD4において、丸棒素材、四角棒素材、三角棒及び板金素材のうち、丸棒素材及び板金素材については、それぞれ、本日(y年m月d日)より過去に遡る期間(例えば、1ヵ月)に亘る受領日(x1、x2、・・)、受領数(r1、r2、・・)、送出日(X1、X2、・・)及び送出数(R1、R2、・・)が登録されている。なお、なお、四角棒素材及び三角棒素材については、それぞれの期間、受領日、受領数、送出日及び送出数が登録されている。
【0157】
また、仕掛り実績データIPDSF1は、第1外注工場SF1における仕掛り実績を表すもので、当該仕掛り実績データIPDSF1においては、丸棒素材、四角棒素材及び三角棒のうち、丸棒素材については、本日(y年m月d日)より過去に遡る期間(例えば、1ヵ月)に亘る受領日(y1、y2、・・)、受領数(q1、q2、・・)、送出日(Y1、Y2、・・)及び送出数(Q1、Q2、・・)が登録されている。なお、四角棒素材及び三角棒素材については、それぞれの期間、受領日、受領数、送出日及び送出数が登録されている。
【0158】
また、仕掛り実績データIPDSF2は、第2外注工場SF1における仕掛り実績を表すもので、当該仕掛り実績データIPDSF2においては、丸棒素材、四角棒素材及び三角棒のうち、丸棒素材については、本日(y年m月d日)より過去に遡る期間(例えば、1ヵ月)に亘る受領日(z1、z2、・・)、受領数(r1、r2、・・)、送出日(Z1、Z2、・・)及び送出数(R1、R2、・・)が登録されている。なお、四角棒素材及び三角棒素材については、それぞれの期間、受領日、受領数、送出日及び送出数が登録されている。
【0159】
しかして、ステップ114においては、選択素材である丸棒素材の仕掛り実績データIPD1、I PD3、IPD4、IPDSF1及びIPDSF2が、登録装置Sbの仕掛り実績データテーブル3から読み出される。
【0160】
ついで、ステップ115(
図6参照)において、選択素材の未来の仕掛り数の算出処理がなされる。
【0161】
ここで、選択素材とは、全受注ロット数の受注部品群に対応する全ロット数の選択素材群の全選択素材の各々をいう。また、未来の仕掛り数とは、全ロット数の選択素材群の全選択素材の未来の仕掛り数(例えば、本日後の1カ月間の仕掛り数)をいう。
【0162】
現段階では、選択素材が丸棒素材であることから、全受注ロット数の丸棒部品群に対応する全ロット数の丸棒素材群の全丸棒素材の未来の仕掛り数が、新規の受注データOD1(
図13(a)参照)の受注ロット数L1に基づき算出される。
【0163】
ここで、現段階においては、受注データOD1の受注ロット数L1は、上述のごとく、L1である。従って、丸棒素材の未来の仕掛り数の算出は、受注ロット数L1に基づきなされる。
【0164】
然る後、次のステップ116において、選択素材である丸棒素材の仮製造指図書の入力処理がなされる。当該入力処理では、仮製造指図書のブランクフォームPBF(
図16(a)参照)を表すデータ(以下、仮製造指図書ブランクフォームデータという)が登録装置Sbから読み出されて、表示装置50の表示面に表示される。
【0165】
これに伴い、コンピュータ30の操作器40の操作のもと、丸棒素材の丸棒素材群としての部品番号、ロット番号、投入日、完成日、仮リードタイム、手順が、ブランクフォームPBFに入力される(
図16(b)参照)。なお、投入日は、完成日から仮リードタイムLT1だけ遡る日をいう。
【0166】
具体的には、丸棒素材群の部品番号:F962、ロット番号:#LOT1、投入日:xx日、完成日:yy日、仮リードタイム:LT1と、それぞれ、入力される(
図16(b)参照)。
【0167】
また、手順は次のように入力される(
図16(b)参照)。切断加工については、切断加工の欄において、待ち時間:T1A、加工時間:H1Aと入力される。切削加工については、切断加工の欄において、待ち時間:T1B、加工時間:H1Bと入力される。熱処理加工については、熱処理加工の欄において、待ち時間:T1C、加工時間:H1Cと入力される。塗装加工については、塗装加工の欄において、待ち時間:T1D、加工時間:H1Dと入力される。また、検査については、検査の欄において、待ち時間:T1E、検査時間:H1Eと入力される。なお、各待ち時間及び各加工時間は、
図14(a)における各リードタイム部LT1A~LT1Eから導出されている。これにより、仮製造指図書ブランクフォームPBFは、仮製造指図書PBFaとして作成される(
図16(b)参照)。然る後、当該仮製造指図書PBFaは、RAM33に記憶される。
【0168】
次のステップ117において、選択素材の仕掛り目標データの読み出し処理がなされる。選択素材の仕掛り目標データは、選択素材の生産計画上における未来の仕掛り日程及び仕掛り目標数を表す。なお、未来の仕掛り日程とは、翌日以降の例えば、1カ月に亘る仕掛り日程をいう。
【0169】
当該仕掛り目標データの読み出し処理において、現段階では、選択素材が丸棒素材であることから、仕掛り目標データTND1が、登録装置Sb内の仕掛り目標データテーブル4(
図17参照)から読み出される。
【0170】
仕掛り目標データテーブル4は、登録装置Sb内に登録されているもので、当該仕掛り目標データテーブル4は、
図17にて示すごとく、複数の仕掛り目標データTND1~TND4でもって構成されている。
【0171】
これら仕掛リ目標データTND1~TND4のうち、仕掛リ目標データTND1は、丸棒素材の仕掛り日付及び仕掛り目標数でもって構成されている。ここで、仕掛り日付は、未来の仕掛り日付a1、a2、・・・となっている。仕掛り日付a1は、本日(x年m月d日)の翌日をいい、仕掛り日付a2は、仕掛り日付a1の翌日をいう。また、当該仕掛り日付a1、a2、・・・の仕掛り目標数は、A1、A11、・・・である。
【0172】
仕掛リ目標データTND2は、四角棒素材の仕掛り日付及び仕掛り目標数でもって構成されている。ここで、四角棒素材の仕掛り日付は、未来の仕掛り日付b1、b2(b1の翌日)、・・・である。また、当該各仕掛り日付b1、b2、・・・の仕掛り目標数は、B1、B11、・・・である。
【0173】
仕掛リ目標データTND3は、三角棒素材の仕掛り日付及び仕掛り目標数でもって構成されている。ここで、三角棒素材の仕掛り日付は、未来の仕掛り日付c1、c2(c1の翌日)、・・・である。また、当該各仕掛り日付c1、c2、・・・の仕掛り目標数は、C1、C11、・・・である。
【0174】
また、仕掛リ目標データTND4は、板金素材の仕掛り日付及び仕掛り目標数でもって構成されている。ここで、板金素材の仕掛り日付は、未来の仕掛り日付d1、d2(d1の翌日)、・・・である。また、当該各仕掛り日付d1、d2、・・・の仕掛り目標数は、D1、D11、・・・である。
【0175】
しかして、上述のように読み出された仕掛り目標データTND1においては、仕掛り日付a1における仕掛り目標数は、A1であり、また、仕掛り日付a2(a1の翌日)における仕掛り目標数は、A2であり、これより未来の仕掛り目標数も、仕掛り日付a2より未来の日付ごとに定められている。
【0176】
然る後、ステップ120において、選択素材の未来の仕掛り数は過大か否かが判定される。以下、選択素材の未来の仕掛り数が過大であること(過大でないこと)を、単に、未来仕掛り数過大(未来仕掛り数非過大)ともいう。
【0177】
当該ステップ120にて、選択素材とは、全受注ロット数の受注部品群に対応する全ロット数の選択素材群の全選択素材の各々をいう。また、未来の仕掛り数とは、全ロット数の選択素材群の全選択素材の未来の仕掛り数(例えば、本日後の1カ月間の仕掛り数)をいう。
【0178】
現段階では、選択素材が丸棒素材であることから、当該丸棒素材の未来の仕掛り数、換言すれば、上述した全ロット数の丸棒素材群の全丸棒素材の未来の仕掛り数は過大か否かが判定される。当該判定にあたり、「過大」、即ち、「未来仕掛り数過大」とは、丸棒部品群の受注ロット数L1が多いことから、当該受注ロット数L1に対応する全ロット数の丸棒素材群の未来の仕掛り数が多過ぎることを前提に、ステップ115における算出仕掛り数が、ステップ117における読み出し仕掛り目標データTND1の総仕掛り目標数(丸棒素材の各日付における仕掛り目標数の総和)よりも、所定の仕掛り増加数以上の増加数に、増加していることをいう。
【0179】
本実施形態において、当該所定の仕掛り増加数を導入する根拠は次の通りである。選択素材が丸棒部材である場合、全受注ロット数の丸棒素材群の全丸棒素材の未来の仕掛り数は、上述したごとく、受注ロット数L1に基づき算出される。
【0180】
ここで、仮リードタイムLT1において、リードタイム部LT1Aの切断加工時間H1A、リードタイム部LT1Bの切削加工時間H1B、リードタイム部LT1Cの熱処理加工時間H1C、リードタイム部LT1Dの塗装加工時間H1D及びリードタイム部LT1Eの検査時間H1Eは、共に、単一ロットの丸棒部品群に対応する単一ロットの丸棒素材群の全丸棒素材の各々の各種加工及び検査に必要な時間であって、上述した全丸棒素材の未来の仕掛り数の多さ或いは少なさとは関係なく、変動しない時間である。
【0181】
これに対し、仮リードタイムLT1における切断加工待ち時間T1A、切削加工待ち時間T1B、熱処理加工待ち時間T1C、塗装加工待ち時間T1D及び検査待ち時間T1Eは、それぞれ、全丸棒素材の各種加工や検査を行うにあたり設けられる待ち時間にすぎないことから、変動可能な時間ともいえる、
然るに、上記算出仕掛り数は、上述した全受注ロット数の丸棒素材群の全丸棒素材の未来の仕掛り数の増加或いは減少に比例して増加或いは減少する概念である。
【0182】
そこで、本発明者は、仮リードタイムLT1の構成について詳細に検討してみた。本発明者の経験上、各職場においては、作業員による丸棒素材の加工や検査を達成するために、丸棒素材の滞留度合いを考慮して加工待ち時間や検査待ち時間をできる限り長く確保したいという傾向にある。この傾向に従うと、加工待ち時間や検査時間が不必要に延伸されてしまうおそれがある。これでは、作業員にとって全く無駄となるような時間の増大を招くおそれがあり、生産管理上望ましくない。
【0183】
一方、上記算出仕掛り数の増加、換言すれば、上述した全受注ロット数の丸棒素材群の全丸棒素材の未来の仕掛り数の増加が生ずる場合には、全受注ロット数の丸棒素材群の加工時間や検査時間を上記算出仕掛り数に応じて確保する必要があるものの、全受注ロット数の丸棒素材群をそのロットごとに完成品群として製造するにあたり付与される加工待ち時間や検査待ち時間は、減少或いは短縮するように調整することにより、全受注ロット数の丸棒素材群の各丸棒素材を完成日までに完成品として製造完了するべく、当該全受注ロット数の丸棒素材群のロットごとの仮リードタイムLT1を短縮することが望ましい。
【0184】
そこで、上記算出仕掛り数の増加に起因して、上述した全ロット数の丸棒素材群の総加工・検査時間が増加する場合には、丸棒素材群の単位ロットごとの仮リードタイムLT1の上記短縮を必要する旨の判定基準として、所定の仕掛り増加数を設定することとした。
【0185】
従って、上記算出仕掛り数が、上述した総仕掛り目標数よりも上述の所定の仕掛り増加数以上に増加している場合には、上述した選択素材の未来の仕掛り数の過大、即ち、未来仕掛り数過大に相当することとした。
【0186】
換言すれば、上記算出仕掛り数をδとし、上記総仕掛り目標数をηとし、上記所定の仕掛り増加数をθとすると、上述した選択素材の未来の仕掛り数の過大とは、δ≧η+θが成立することをいう。
【0187】
本第1実施形態では、当該所定の仕掛り増加数θは、例えば、上記総仕掛り目標数の5%と設定されている。なお、当該所定の仕掛り増加数θは、5%とは限らず、必要に応じて変更してもよい。また、上記所定の仕掛り増加数θは、丸棒素材以外の選択素材であっても、同様に適用可能である。
【0188】
しかして、上述したステップ120においては、ステップ115における丸棒素材の算出仕掛り数が、ステップ117における丸棒素材の仕掛り目標データの仕掛り目標数よりも、上記所定の仕掛り増加数θ以上、増加していれば、過大、即ち、未来仕掛り数過大であるとしてYESと判定される。これに伴い、コンピュータプログラムは、
図6のステップ121に進む。
【0189】
当該ステップ121において、選択素材の仕掛り目標の達成に必要な各目標時間(リードタイム部ごとの目標時間)の算出処理がなされる。ここで、選択素材の仕掛り目標とは、上述の全ロット数の選択素材群の全選択素材の仕掛り目標をいう。従って、上述した各目標時間は、当該全選択素材の仕掛り目標を達成するに要する時間をいう。
【0190】
当該各目標時間は、上述の全ロット数の選択素材群の各単一ロットにおけるリードタイム部ごとの目標時間をいう。当該算出処理において、目標時間は、職場や外注工場ごとに、次式(1)に基づき算出される。
目標時間=仕掛り目標数÷処理能力・・・(1)
当該式(1)において、仕掛り目標数は、仕掛り目標データテーブル4(
図17参照)における仕掛り目標データTND1の仕掛り目標数A1、A1、・・・を加算したものである。処理能力とは、丸棒素材について、第1職場20aでは、その切断機の性能に基づく作業員の切断加工能力をいい、第1外注工場SF1では、切削機の性能に基づく作業員の切削加工能力をいい、第2外注工場SF2では、その熱処理加工装置の性能に基づく作業員の熱処理加工能力をいい、第3塗装場20cでは、その塗装装置の性能に基づく作業員の塗装加工能力をいい、第4職場20dでは、その検査装置の性能に基づく作業員の検査能力をいう。なお、本実施形態においては、処理能力は、例えば、第1~第4の職場20a~20d、第1及び第2の外注工場FS1、FS2の各々をいつ通過したかという実績をとることができるので、当該実績から1日当たりの処理個数を算出することにより、当該算出結果に基づき把握可能である。
【0191】
上記ステップ121においては、現段階では、選択素材が丸棒素材であることから、第1職場20a、第1外注工場SF1、第2外注工場SF2、第3職場20c及び第4職場20dの各々における目標時間が、式(1)に基づき算出される。
【0192】
ステップ121における処理が終了すると、次のステップ123において、選択素材の各リードタイム部からの各対応目標時間までの減算処理がなされる。
【0193】
現段階では、選択素材が丸棒素材であることから、現時点における仮リードタイムLT1のリードタイム部ごとに、当該リードタイム部から式(1)に基づく対応目標時間まで減算する。
【0194】
具体的には、仮リードタイムLT1において、職場20a、第1外注工場SF1、第2外注工場SF2、第3職場20c或いは第4職場20dにおける対応目標時間までの差分(以下、対応目標時間差分ともいう)をβi(i=a、b、c、d、e、・・・)で表すものとすれば、当該対応目標時間差分βi、即ち、βa、βb、βc、βd及びβeが、各対応リードタイム部から減算される。なお、対応目標時間差分βiは、第1職場20a、第1外注工場SF1、第2外注工場SF2、第3職場20c及び第4職場20dの各々において相互に相違する。これは、第1職場20a、第1外注工場SF1、第2外注工場SF2、第3職場20c及び第4職場20dの各々において、上述した処理能力が相互に相違するためである。
【0195】
しかして、
図14(a)及び
図19(a)から分かるように、仮リードタイムLT1において、リードタイム部LT1Aが対応目標時間差分βaだけ減算されて目標切断待ち時間T1Aβa(=T1A-βa)として短縮調整され、リードタイム部LT1Bが対応目標時間差分βbだけ減算されて目標切削加工待ち時間T1Bβb(=T1B-βb)として短縮調整され、リードタイム部LTcが対応目標時間差分βcだけ減算されて目標熱処理加工待ち時間T1Cβc(=T1C-βc)として短縮調整され、リードタイム部LTdが対応目標時間差分βdだけ減算されて目標塗装加工待ち時間T1Dβd(=T1D-βd)に短縮調整され、かつ、リードタイム部LTeが対応目標時間差分βeだけ減算されて目標検査待ち時間T1Eβe(=T1E-βe)として短縮調整される。
【0196】
これは、丸棒素材の算出未来仕掛り数が、丸棒素材の仕掛り目標データの仕掛り目標数よりも、上記所定の仕掛り増加数θ以上に増加していること、即ち、選択素材の未来の仕掛り数が過大であることに基づき、当該過大に伴う各加工時間や検査時間の各増加分を確保するよう、上述した各リードタイム部の短縮調整でもって対応することとしたためである。
【0197】
このようなことから、仮リードタイムLT1においては、丸棒素材の算出未来仕掛り数が丸棒素材の仕掛り目標データの仕掛り目標数を超えて増加していることで、過大となっているという観点から、リードタイム部LT1Aの切断加工時間H1A)、リードタイム部LT1Bの切削加工時間H1B、リードタイム部LT1Cの熱処理加工時間H1C、リードタイム部LT1Dの塗装加工時間H1D及びリードタイム部LT1Eの検査時間H1Eをそのまま維持しつつ、仮リードタイムLT1を、その各リードタイム部から各対応目標時間(式(1)に基づく)までの減算でもって、短縮することとした。
【0198】
ここで、このように各リードタイム部から各対応目標時間差分の減算を行うこととした理由について具体的に説明する。上述のように丸棒素材の未来の仕掛数が過大である場合には、第1職場20a、第1外注工場SF1、第2外注工場SF2及び第3職場20cにおいて加工対象である丸棒素材群の全体としての各加工時間並びに第4職場20dにおいて検査対象である丸棒素材群の全体としての検査時間が、当該丸棒素材の未来の仕掛数の増加に起因して増加することが予想される。
【0199】
従って、上述のように過大となっても、完成日に間に合わせるため、第1職場20a、第1外注工場SF1、第2外注工場SF2及び第3職場20cにおける各加工待ち時間並びに第4職場20dにおける検査待ち時間、換言すれば、丸棒素材群の単一ロットごとの仮リードタイムLT1における各リードタイム部を、第1職場20a、第1外注工場SF1、第2外注工場SF2及び第3職場20cにおける各加工時間並びに第4職場20dにおける検査時間をそのまま維持しつつ、各対応目標時間(式(1)に基づく)まで短縮することとした。これにより、不要な仕掛り素材が加工機や検査機の前に溢れかえって、加工や検査作業を妨げないようにすることができる。
【0200】
然る後、ステップ124において、選択素材の仮リードタイムデータの更新処理がなされる。当該更新処理において、現段階では、選択素材は丸棒素材であることから、登録装置Sb内の仮リードタイムデータテーブルにおける仮リードタイムデータTD1の仮リードタイムLT1が、仮リードタイムLT11として、その各加工待ち時間及び検査待ち時間にて、ステップ123における各減算処理済みの目標加工待ち時間(T1Aβa、T1Bβb、T1Cβc、T1Dβd)及び目標検査待ち時間(T1Eβe)でもって、各加工時間(H1A、H1B、H1C、H1D)及び検査時間(H1E)の維持のもとに、更新される(
図19(a)参照)。なお、仮リードタイムLT11は、各リードタイム部LT11A(=T1Aβa+H1A)、LT11B(=T1Bβb+H1B)、LT11C(=T1Cβc+H1C)、LT11D(=T1Dβd+H1D)及びLT11E(=T1Eβe+H1E)の総和でもって特定される(
図19(a)参照)。
【0201】
上述した更新に伴い、コンピュータプログラムは、
図7のステップ122に進む。当該ステップ122において、選択素材の対応受注部品としての完成日からの仮リードタイムの減算処理がなされる。現段階では、選択素材は丸棒素材であることから、上述したステップ124にて更新済みの当該丸棒素材の仮リードタイムLT11を丸棒素材群の丸棒部品群としての完成日から減算する処理がなされる。
【0202】
ついで、ステップ125において、素材投入日の設定処理がなされる。当該設定処理において、素材投入日は、次の式(2)により算出される。
素材投入日=完成日―仮リードタイム・・・(2)
然るに、先のステップ122において、ステップ124にて更新済みの仮リードタイムLT11の丸棒素材の丸棒部品としての完成日からの減算処理がなされていることから、当該減算処理の結果が、丸棒素材の素材投入日として設定される。
【0203】
このような設定がなされると、次のステップ126において、仮製造指図書データの更新処理がなされる。ここでは、ステップ122における減算結果が、丸棒素材の素材投入日として、コンピュータ30の操作器により仮製造指図書データ(
図16(b)参照)に入力される。当該入力のもと、登録装置Sb内の仮製造指図書データが更新される。当該仮製造指図書においては、
図16(b)にて示す仮製造指図書において、仮リードタイムLT1がLT11に更新され、切断加工の待ち時間T1Aが、T1Aβaに更新され、切削加工の待ち時間T1Bが、T1Bβbに更新され、熱処理加工の待ち時間T1CがT1Cβcに更新され、塗装加工の待ち時間T1DがT1Dβdに更新され、かつ、検査の待ち時間T1EがT1Eβeに更新される。従って、リードタイムLT11は、各リードタイム部LT11A(=TAβa+H1A)、LT11B(=T1Bβb+H1B)、LT11C(=T1Cβc+H1C)、LT11D(=T1Dβd+H1D)及びLT11E(=T1Eβe+H1E)の総和である。
【0204】
然る後、ステップ130において、受注数の急減か否かが判定される。以下、受注数の急減であること(急減でないこと)を、受注数急減(受注数非急減)ともいう。
【0205】
当該判定ステップ130を設けた理由は、次の通りである。受注部品(現段階では、丸棒部品)の受注数が未来の或る日において急減するという事態が生じた場合、当該未来の或る日において丸棒素材が通る各職場20a、20c、20d、各外注工場SF1、SF2において加工或いは検査の対象の丸棒素材が減少し、加工や検査の設備及び作業員の稼働率の不必要な低下を招くおそれが生ずる。
【0206】
そこで、上述のような稼働率の不必要な低下の防止対策として、上述した急減を緩和するために、
図7にて示すステップ126a以降の処理及び
図8にて示すステップ130a以降の処理を行う各ステップを設けることとした。
【0207】
本第1実施形態において、上述の急減、即ち、受注数急減とは、所定の短期間(例えば、数週間)以内において受注数が所定の受注減少数(以下、所定の短期間受注減少数という)だけ減少することをいう。ここで、当該所定の短期間受注減少数とは、上述した稼働率の不必要な低下を上記所定の短期間において招くような受注数の減少数をいう。
(1a).受注数非急減の場合
現段階において、当該受注数非急減の場合とは、未来仕掛り数過大(ステップ120におけるYESとの判定)を前提とする。上述したステップ130(
図7参照)において、受注数の急減でない場合、即ち、未来仕掛り数過大を前提とする受注数非急減の場合、NOと判定される。ついで、次のステップ131において、目標リードタイムデータの設定処理がなされる。現段階では、選択素材が丸棒素材であることから、丸棒素材の目標リードタイムデータの設定処理がなされる。
【0208】
上述のごとく、未来仕掛り数過大を前提にステップ120にてYESと判定されていることから、仮リードタイムLT11において、各リードタイム部が、上述のごとく、式(1)に基づき算出済みの対応目標時間まで短縮調整されている。なお、各加工時間及び検査時間の変更はなく、また、受注数の急減でないため、上述した稼働率の不必要な低下の防止対策は必要としない。従って、上述のごとく、仮リードタイムLT1(
図13(b)参照)が、目標リードタイムデータテーブル5における目標リードタイムLT11(
図19(a)参照)として設定されたままとなっている。
【0209】
本実施形態において、上記目標リードタイムデータテーブル5は、上述した目標リードタイムデータTD11に加えて、各目標リードタイムデータTD21、TD31及びTD41をも有するように構成されている(
図18参照)。
【0210】
ここで、目標リードタイムデータTD11は、未来仕掛り数過大かつ受注数非急減である場合の目標リードタイム(
図19(a)参照)をいうもので、当該目標リードタイムデータTD11は、丸棒素材及びこれに対応する各目標リードタイムLT11、LT12及びLT13でもって構成されている(
図18参照)。
【0211】
残りの目標リードタイムLT12及びLT13のうち、目標リードタイムLT12は、未来仕掛り数非過大かつ受注数急減である場合の目標リードタイム(
図20(a)参照)をいい、また、目標リードタイムLT13は、未来仕掛り数非過大かつ受注数非急減である場合の目標リードタイム(
図21(a)参照)をいう。
【0212】
目標リードタイムデータTD21は、四角棒素材及びこれに対応する各目標リードタイムLT21、LT22及びLT23でもって構成されている(
図18参照)。各目標リードタイムLT21、LT22及びLT23は、各目標リードタイムLT11、LT12及びLT13と同様に、仕掛り数過大かつ受注数非急減、仕掛り数非過大かつ受注数急減及び仕掛り数非過大かつ受注数非急減の場合の目標リードタイムをいう。
【0213】
目標リードタイムデータTD31は、三角棒素材及びこれに対応する各目標リードタイムLT31、LT32及びLT33でもって構成されている(
図18参照)。各目標リードタイムLT31、LT32及びLT33は、各目標リードタイムLT11、LT12及びLT13と同様に、仕掛り数過大かつ受注数非急減、仕掛り数非過大かつ受注数急減及び仕掛り数非過大かつ受注数非急減の場合の目標リードタイムをいう。
【0214】
また、目標リードタイムデータTD41は、板金素材及びこれに対応する各目標リードタイムLT41、LT42及びLT43でもって構成されている(
図18参照)。各目標リードタイムLT41、LT42及びLT43は、各目標リードタイムLT11、LT12及びLT13と同様に、仕掛り数過大かつ受注数非急減、仕掛り数非過大かつ受注数急減及び仕掛り数非過大かつ受注数非急減の場合の目標リードタイムをいう。なお、上述した目標リードタイムデータテーブル5は、登録装置Sb内に登録されている。
【0215】
然る後、ステップ131aにおいて、仮製造指図書データにおける名称変更は操作済みか否かについて判定される。現段階では、名称変更は未操作であるため、当該ステップ131aにおける判定はNOとなる。なお、上記名称変更とは、仮製造指図書の正製造指図書への変更をいう。
【0216】
しかして、ホームサーバー装置Saの操作器40の操作により、仮製造指図書PBFaを表す仮製造指図書データにおける名称「仮製造指図書」を「正製造指図書」に変更する。当該変更に基づき、ステップ131aにおける判定がYESになると、次のステップ131bにおいて、正製造指図書データへの変換処理がなされる。当該変換処理においては、上述のように名称変更した仮製造指図書PBFa(
図16(b)参照)を表す仮指図書データ(ロット番号は未変更)が正製造指図書データに変換される。
【0217】
ついで、ステップ132において、正製造指図書データの設定処理がなされる。当該設定処理では、ステップ131bにて変換処理済みの正製造指図書データ(
図16(b)参照)が正製造指図書データとして設定される。当該正製造指図書データは、
図19(b)に示す正製造指図書Qを表す。このことは、当該ステップ132において、正製造指図書Qが形成されることを意味する。
(1b).受注数の急減の場合
一方、受注数の急減のため、ステップ120におけるYESとの判定に伴う未来仕掛り数過大を前提として、上述したステップ130においてYESと判定される場合、次のステップ133において、過大(未来仕掛り数過大)及び急減の双方解消か否かが判定される。
【0218】
現段階では、次の3態様が生ずる。
a.未来仕掛り数過大が受注数急減でもって未来仕掛り数非過大となるとともに受注数非急減となる場合
b.未来仕掛り数過大が受注数急減でもって解消されず、受注数非急減となるものの、未来仕掛り数過大がそのまま維持される場合
c.未来仕掛り数過大が受注数急減でもって未来仕掛り数非過大となるが、受注数急減がそのまま維持される場合
まず、上述した未来仕掛り数過大が受注数急減でもって解消して未来仕掛り数非過大となり、これに伴い受注数急減が受注数非急減となる場合には、上述したステップ133においてYESと判定される。このことは、各ステップ120、126a、130におけるYESとの判定を解消することを意味する。ここで、未来仕掛り数過大が受注数急減でもって解消し、これに伴い、受注数急減が受注数非急減となるとは、上述した丸棒素材の未来の算出仕掛り数が、受注数急減によって、ステップ117における読み出し仕掛り目標データTND1の総仕掛り目標数よりも減少せずに、受注数非急減となることをいう。
【0219】
従って、現段階における仮リードタイムは、
図14(a)にて示す仮リードタイムLT1の各リードタイム部と同様の各リードタイム部を有する仮リードタイムLT13(
図21(a)参照)でもって特定される。なお、当該仮リードタイムLT13は、各リードタイムLT13A(=T1A+H1A)、LT13B(=T1B+H1B)、LT13C(=T1C+H1C)、LT13D(=T1D+H1D)及びLT13E(=T1E+H1E)の総和により特定される。
【0220】
これに伴い、コンピュータプログラムは、ステップ133からステップ135(
図8参照)に進み、未来仕掛り数非過大及び受注数非急減のもとにステップ135以後の処理が上述と同様になされる。従って、現段階における正製造指図書は、
図16(b)にて示す仮製造指図書から変換したものと同様である。
【0221】
一方、上述したステップ133において、過大及び急減の双方解消ではないために、NOと判定されると、次のステップ133aにおいて、過大維持で急減解消か否かが判定される。
【0222】
ここで、上述した未来仕掛り数過大が受注数急減でもって解消されず、かつ、受注数急減が受注数非急減となるものの、未来仕掛り数過大がそのまま維持される場合、上述したステップ133aにおいてYESと判定される。このことは、上述した各ステップ120、126aにおけるYESとの判定及びステップ130におけるNOとの判定の場合と同様であることを意味する。換言すれば、現段階における仮リードタイムは、
図19(a)にて示す仮リードタイムLT11である。ここで、未来仕掛り数過大が受注数急減でもって解消されず、受注数非急減となるものの、未来仕掛り数過大がそのまま維持されるとは、ステップ115における算出仕掛り数が、受注数急減によって、ステップ117における読み出し仕掛り目標データTND1の総仕掛り目標数と上記所定の仕掛り増加数との和未満には減少せず、受注数非急減となることをいう。
【0223】
一方、ステップ133aにおいて、上述した過大の維持及び急減解消が成立しない場合には、次のステップ134において、過大解消で急減の維持か否かが葉判定される。
【0224】
これに伴い、未来仕掛り数過大が受注数急減でもって未来仕掛り数非過大となるが、受注数急減がそのまま維持される場合には、ステップ134にてYESと判定される。
【0225】
ついで、次のステップ134aにおいて、加工・検査の待ち時間の加算処理がなされる。当該加算処理においては、上述したステップ120におけるYESとの判定後のステップ124にて更新済みの仮リードタイムLT11における切断加工待ちT1Aβa、切削加工待ち時間T1Bβb、熱処理加工待ち時間T1Cβc、塗装加工待ち時間T1Dβd及び検査待ち時間T1Eβeが、未来仕掛り数非過大に戻ることに起因して、それぞれ、T1A、T1B、T1C、T1D及びT1Eに戻った上で、当該切断加工待ちT1A、切削加工待ち時間T1、熱処理加工待ち時間T1C、塗装加工待ち時間T1D及び検査待ち時間T1Eに対し、それぞれ、所定緩和時間αが加算調整される。当該所定緩和時間αは、上述のように丸棒部品の受注数急減の場合に、当該受注数急減の影響を緩和するに適した時間である。
【0226】
ついで、次のステップ134bにおいて、選択素材の仮リードタイムデータ更新処理がなされる。ここでは、目標仮リードタイムLT11が、上述のように、目標時間βa~βeを減算された上で、その各加工・検査の待ち時間にて、所定緩和時間αだけ加算調整されて、目標仮リードタイムLT12として更新される。ここで、各加工・検査時間はそのまま維持される。従って、当該目標仮リードタイムLT12は、
図20(a)にて示すごとく、各リードタイム部LT12A(=T1Aα+H1A)、LT12B(=T1Bα+H1B)、LT12C(=T1Cα+H1C)、LT12D(=T1Dα+H1D)、LT12E(=T1Eα+H1E)の総和である。
【0227】
然る後、ステップ134cにおいて、選択素材の完成日からの仮リードタイムの減算処理がなされる。当該減算処理では、現段階では、選択素材は丸棒素材であることから、ステップ134bにて更新済みの仮リードタイムLT12の丸棒素材の完成日からの減算処理がなされる。ついで、ステップ134dにおける素材投入日の設定処理において、ステップ134cにおける減算結果が、素材投入日と設定される。
【0228】
ステップ134dの処理後、ステップ134eにおいて仮製造指図書データの更新処理がなされる。当該更新処理では、仮製造指図書PBFa(
図16(b)参照)に入力済みの投入日が、ステップ134dにおける設定素材投入日に更新される。
【0229】
然る後、ステップ131において、目標リードタイムデータの設定処理がなされる。現段階では、仕掛り数非過大及び受注数急減であることから、仮リードタイムLT12(
図20(a)参照)が、式(1)に基づき算出済みの対応目標時間に基づく調整でもって、目標リードタイム(以下、目標リードタイムLT12)として設定される。
【0230】
ついで、上述と同様に、ホームサーバー装置Saの操作器40の操作により、仮製造指図書PBFaを表す仮製造指図書データにおける名称「仮製造指図書」を「正製造指図書」に変更するに伴い、ステップ131aにおけるYESとなると、次のステップ131bにおける上述と同様の正製造指図書への変換処理後、ステップ132における正製造指図書データの設定処理において、ステップ131bにて変換処理済みの正製造指図書データ(
図20(b)参照)が正製造指図書データとして設定される。当該正製造指図書データは、
図20(b)に示す正製造指図書Qを表す。
(2).選択素材の未来の仕掛り数が過大でない場合
一方、受注数が多くないために、ステップ115における丸棒素材の算出未来仕掛り数が、ステップ117における丸棒素材の仕掛り目標データの仕掛り目標数よりも過大でない場合には、ステップ120においてNOと判定される。これに伴い、コンピュータプログラムは、
図7のステップ122に進む。
【0231】
当該ステップ122における選択素材の対応受注部品としての完成日からの仮リードタイムの減算処理において、上述したステップ113における丸棒素材の仮リードタイムLT1(
図13(b)参照)が丸棒素材の完成品としての完成日から減算される。ついで、ステップ125における素材投入日の設定処理において、素材投入日は、上述したステップ122における減算処理の結果が、丸棒素材の丸防素材群としての素材投入日として設定される。
【0232】
このような設定がなされると、次のステップ126において、仮製造指図書の更新処理がなされる。ここでは、ステップ125における設定結果が、丸棒素材の未来の仕掛数が過大でない場合の仮リードタイムLT1(
図13(b)参照)に基づくものであることを前提に、丸棒素材の丸棒素材群としての素材投入日として、コンピュータ30の操作器により仮製造指図書に入力される。当該入力のもと、登録装置Sb内の仮製造指図書データが更新される。
(2a)受注数が急減でない場合
上述のようにステップ126における処理をした後、ステップ126aにおいて選択素材の未来の仕掛り数は過大か否かが判定される。現段階では、選択素材である丸棒素材の未来の仕掛り数は過大でないことから、先のステップ120における判定と同様にNOと判定される。
【0233】
当該NOとの判定に伴い、
図8のステップ130aにおいて、受注数の急減か否かが判定される。受注数が急減でないために、当該ステップ130aにおける判定がNOとなる場合には、次のステップ135において、上述したステップ131における設定処理と同様に、選択素材である丸棒素材の目標リードタイムデータの設定処理がなされる。現段階では、選択素材の未来の仕掛り数が過大ではなく、かつ、受注数が急減ではないことから、仮リードタイムLT1が、そのまま、目標リードタイムLT13(
図21(a)参照)として設定される。当該目標リードタイムLT13は、各リードタイム部LT13A(=T1A+H1A)、LT13B(=T1B+H1B)、LT13C(=T1C+H1C)、LT13D(=T1D+H1D)及びLT13E(=T1E+H1E)の総和でもって特定される(
図21(a)参照)。なお、仮リードタイムLT1の目標リードタイムLT13として、登録装置Sb内の目標リードタイムデータテーブル5(
図18参照)に更新登録される。
【0234】
然る後、上述と同様に、仮製造指図書データにおける名称変更の操作することで、ステップ135aにおける判定がYESになると、次のステップ135bにおける正製造指図書データへの変換処理において、現段階における仮製造指図書データの正製造指図書データへの変換処理がなされる。これに伴い、ステップ135cにおける正製造指図書データの設定処理において、ステップ135bにて変換処理済みの正製造指図書データ(
図21(b)参照)が正製造指図書データとして設定される。なお、当該正製造指図書データは、
図21(b)にて示す正製造指図書(符号Qにより示す)を表す。
(2b).受注数の急減の場合
一方、現段階において、未来仕掛り数非過大を前提として、受注数が急減であることから、上述したステップ130aにおける判定がYESとなる場合には、次のステップ136(
図8参照)における加工・検査の待ち時間の加算処理において、仮リードタイムLT1(ステップ113における仮リードタイムデータ参照)のリードタイム部LT1A~LT1Eにおける切断待ち時間T1A、切削待ち時間T1B、熱処理加工待ち時間T1C、塗装待ち時間T1D及び検査待ち時間T1Eに対し、それぞれ、上述した所定緩和時間αが加算処理される。
【0235】
このことは、リードタイム部LT1Aは、その切断加工待ち時間にて、T1Aα(=T1A+α)でもって構成され、リードタイム部LT1Bは、その切削加工待ち時間にて、T1Bα(=T1B+α)でもって構成され、リードタイム部LT1Cは、その熱処理加工待ち時間にて、T1Cα(=T1C+α)でもって構成され、リードタイム部LT1Dは、その塗装加工待ち時間にて、T1Dα(=T1D+α)でもって構成され、かつ、リードタイム部LT1Eは、その検査待ち時間にて、T1Eα(=T1E+α)でもって構成されることを意味する(
図20(a)参照)。
【0236】
ついで、次のステップ136aにおける選択素材の仮リードタイムデータ更新処理において、選択素材が丸棒素材であることから、登録装置Sb内の仮リードタイムデータテーブル2における仮リードタイムLT1が、その各加工・検査の待ち時間にて、上述のように所定緩和時間αを加算され上で、仮リードタイムLT12(
図20(a)参照)として更新される。当該仮リードタイムLT12は、各リードタイム部LT12A(T1Aα+H1A)、LT12B(T1Bα+H1B)、LT12C(T1Cα+H1C)、LT12D(T1Dα+H1D)及びLT12E(T1Eα+H1E)の総和でもって特定される(
図20(a)参照)。
【0237】
然る後、ステップ136bにおける選択素材の完成日からの仮リードタイムの減算処理において、選択素材である丸棒素材、換言すれば、丸棒素材群の丸棒部品群としての完成日から上述した仮リードタイムLT12を減算する処理がなされる。これに伴い、次のステップ136cにおける素材投入日の設定処理において、ステップ136bにおける減算結果が、丸棒素材、換言すれば、丸棒素材群としての素材投入日として設定される。
【0238】
当該設定後、ステップ136dにおける仮製造指図書データの更新処理において、素材投入日がステップ136cにおける設定素材投入日でもって更新される。
【0239】
然る後、ステップ135における目標リードタイムの設定処理において、ステップ136aにて更新済みの仮リードタイムLT12が、丸棒素材の目標リードタイム(以下、目標リードタイムLT12という)として設定されて、登録装置Sb内の目標リードタイムデータテーブル5(
図18参照)に登録される。
【0240】
ついで、上述と同様に仮製造指図書データにおける名称変更操作のもと、ステップ135aにてYESと判定された後、ステップ135bにおける正製造指図書データへの変換処理において、上述のように名称変更した仮製造指図書データが正製造指図書データに変換処理される。
【0241】
然る後、ステップ135cにおける正製造指図書データの設定処理において、ステップ135bにて変換処理済みの正製造指図書データ(
図20(b)参照)が正製造指図書データとして設定される。当該正製造指図書データは、
図20(b)に示す正製造指図書Qを表す。
2.新規受注部品の製造モード
しかして、コンピュータプログラムが、
図7のステップ132或いは
図8のステップ135cから
図9のステップ140に進むと、当該ステップ140において、ロット番号、投入日及び完成日は入力操作済みか否かが判定される。現段階では、ロット番号、投入日及び完成日は正製造指図書データに対し未入力の状態にあれば、当該ステップ140における判定はNOとなる。ここで、ロット番号、投入日及び完成日が、正製造指図書データのロット番号、投入日及び完成日の各欄に♯LOT1、xx日及びyy日と入力されると、ステップ140における判定は、YESとなる。
【0242】
すると、次のステップ141において、正製造指図書データにおけるロット番号、投入日及び完成日のセット処理がなされる。当該セット処理においては、先に入力済みの#LOT1、xx日及びyy日が、ロット番号、投入日及び完成日としてセットされる。なお、セット処理とは、コンピュータ30のRAM33による記憶処理をいう。
【0243】
然る後、ステップ142において、正製造指図書の印刷処理がなされる。当該印刷処理においては、正製造指図書Qが、ステップ141にてロット番号、投入日及び完成日を入力済みの正製造指図書データに基づき印刷装置Scにより印刷される。
【0244】
現段階において、仕掛り数過大・受注数非急減である場合には、当該正製造指図書Qとしては、
図19(b)に示す正製造指図書Qが、上述のようにロット番号、投入日及び完成日の入力済みの状態で印刷される。
【0245】
ここで、切断加工の欄の待ち時間及び加工時間は、それぞれ、T1Aβa及びH1Aであり、切削加工の欄の待ち時間及び加工時間は、それぞれ、T1Bβb及びH1Bであり、熱処理加工時間の欄の待ち時間及び加工時間は、それぞれ、T1Cβc及びH1Cであり、塗装加工の欄の待ち時間及び加工時間は、それぞれ、T1Dβd及びH1Dであり、さらに、検査の欄の待ち時間及び加工時間は、それぞれ、T1Eβe及びH1Eである。
【0246】
また、現段階において、仕掛り数非過大・受注数非急減の場合には、当該正製造指図書Qとしては、
図21(b)に示す正製造指図書Qが、ロット番号、投入日及び完成日の入力済みの状態で印刷される。
【0247】
ここで、切断加工の欄の待ち時間及び加工時間は、それぞれ、T1A及びH1Aであり、切削加工の欄の待ち時間及び加工時間は、それぞれ、T1B及びH1Bであり、熱処理加工時間の欄の待ち時間及び加工時間は、それぞれ、T1C及びH1Cであり、塗装加工の欄の待ち時間及び加工時間は、それぞれ、T1D及びH1Dであり、さらに、検査の欄の待ち時間及び加工時間は、それぞれ、T1E及びH1Eである。
【0248】
さらに、現段階において、仕掛り数非過大・受注数急減の場合には、当該正製造指図書Qとしては、
図20(b)に示す正製造指図書Qが、ロット番号、投入日及び完成日の入力済みの状態で印刷される。
【0249】
ここで、切断加工の欄の待ち時間及び加工時間は、それぞれ、T1Aα及びH1Aであり、切削加工の欄の待ち時間及び加工時間は、それぞれ、T1Bα及びH1Bであり、熱処理加工時間の欄の待ち時間及び加工時間は、それぞれ、T1Cα及びH1Cであり、塗装加工の欄の待ち時間及び加工時間は、それぞれ、T1Dα及びH1Dであり、さらに、検査の欄の待ち時間及び加工時間は、それぞれ、T1Eα及びH1Eである(
図20(b)参照)。
【0250】
然る後、次のステップ143において、正製造指図書の選択素材への貼り付け済みか否かが判定される。上述のようにして印刷されたいずれか1つの正製造指図書Q(以下、正製造指図書Qともいう)が、自社倉庫10において選択素材である丸棒素材に貼り付けられると、自社倉庫10の端末P0がタップ操作される。当該タップ操作に基づき、端末P0は、正製造指図書Qの丸棒素材に対する貼り付け情報(正製造指図書Qの内容及び丸棒素材への貼り付け日を表す正製造指図書貼り付け情報)を表す正製造指図書貼り付けデータを、操作出力として、ネットワークNを介しコンピュータ30の受信回路群Rの受信回路R0に送信する。
【0251】
このような送信に伴い、CPU31は、当該受信回路R0からの正製造指図書貼り付けデータの受領に基づき、ステップ143においてYESと判定する。
【0252】
ついで、ステップ150において、選択素材としての素材投入日の到来か否かが判定される。ここでは、丸棒素材としての素材投入日の到来か否かが上述の正製造指図書貼り付けデータに基づき判定される。現段階において、投入日の到来であれば、ステップ150において、YESと判定される。
【0253】
このような判定に伴い、ロット番号#LOT1の丸棒素材群(6つの丸棒素材からなる)が自社倉庫10から自社工場20内の第1職場20aに適宜な手段により送出される。
【0254】
これに伴い、投入丸棒素材群の内容及びその素材投入日を表すデータ(素材投入データ)が、端末P0により、その送信回路Pa及びネットワークNを介しコンピュータ30の受信回路R0に送信される。すると、ステップ151における素材投入日データの出力処理において、CPU31が、受信回路P0からの素材投入データを登録装置Sbに出力する。これに伴い、登録装置Sb内の仕掛り実績データテーブル3は、その仕掛かり実績データIPD1において、上記素材投入日データに基づき更新される。
【0255】
然る後、
図9のステップ150aにおいて、選択素材の第1職場における受領か否かが判定される。現段階では、選択素材は丸棒素材であることから、上述したロット番号#LOT1の丸棒素材群が第1職場20aにて受領されたか否かが判定される。ここでは、CPU31が、上述した正製造指図書貼り付けデータの受領に基づき、ステップ150aにおいてYESと判定する。なお、受領した丸棒素材群に基づき正製造指図書Qの素材確認欄にチェック印を記入しておく。
【0256】
上述したステップ150aにおけるYESとの判定に伴い、ステップ151aにおける第1職場受領データの出力処理において、ロット番号#LOT1の丸棒素材群の受領及びその受領日を表す第1職場受領情報が、第1職場受領データとして、CPU31により、登録装置Sbに出力される。これに伴い、登録装置Sb内の仕掛り実績データテーブル3は、その仕掛かり実績データIPD1において、第1職場受領データに基づき更新される。
【0257】
然る後、ステップ150bにおいて、選択素材の第1職場からの送出か否かが判定される。現段階では、選択素材である丸棒素材は、第1職場20aから送出されていないことから、当該ステップ150bにおける判定はNOとなる。
【0258】
上述した第1職場20aにおける丸棒素材群の受領に伴い、第1職場20aにおいて、ロット番号#LOT1の丸棒素材群の各丸棒素材の切断加工が順次行われる。当該切断加工は、正製造指図書Qの切断加工の欄における待ち時間及び加工時間に従い行われる。
【0259】
具体的には、未来仕掛り数過大(ステップ120における判定がYES)、かつ、受注数非急減(ステップ130における判定がNO)の場合には、正製造指図書Qの待ち時間(切断加工待ち時間)及び加工時間(切断加工時間)は、目標リードタイムLT11におけるリードタイム部LT11Aの切断加工待ち時間T1Aβ(=T1A-β)及び切断加工時間H1Aである(
図19参照)。
【0260】
従って、リードタイム部LT11Aに対応する第1職場20aにおいては、未来仕掛り数過大に起因して、丸棒素材の切断に要する段取り等に消費可能な作業員の時間は、未来仕掛り数非過大の場合に比べて、式(1)に基づき算出済みの対応目標時間にリードタイム部が少なくなるまで短縮される。この。このことは、丸棒素材群の第1職場20aにおける切断加工にあたり、当該丸棒素材群の第1職場20aへの投入日を当該丸棒素材群の切断加工日により一層近づけて、丸棒素材の第1職場20aにおける滞留時間を抑制し得ることを意味する。一方、丸棒素材群の切断加工に消費可能な作業員の時間は、H1Aのままであるから、適正に確保され得る。なお、現段階では、受注数非急減であることから、当該受注数急減に伴う作業員の稼働率の低下抑制のための対策は不要である。
【0261】
また、未来仕掛り数非過大(ステップ120における判定がNO)、かつ、受注数非急減(ステップ130aにおける判定がNO)の場合には、正製造指図書Qの待ち時間(切断加工待ち時間)は、目標リードタイムLT13(
図21(a)参照)におけるリードタイム部LT13Aの切断加工待ち時間T1Aである(
図21(a)参照)。なお、加工時間(切断加工時間)は、H1Aのままである。
【0262】
従って、リードタイム部LT13Aに対応する第1職場20aにおいては、未来仕掛り数非過大及び受注数非急減に起因して、丸棒素材の切断に要する段取り等に消費可能な作業員の時間は、延伸されたりや短縮されたりすることはない。なお、丸棒素材の切断加工に消費可能な作業員の時間は、H1Aのままである。
【0263】
また、仕掛り数非過大(ステップ120における判定がNO)、かつ、受注数急減(ステップ130aにおける判定がYES)の場合には、正製造指図書Qの待ち時間(切断加工待ち時間)は、目標リードタイムLT12(
図20(a)参照)におけるリードタイム部LT12Aの切断加工待ち時間T1Aα(=T1A+α)である。なお、切断加工時間H1Aのままである。
【0264】
従って、リードタイム部LT12Aに対応する第1職場20aにおいては、仕掛り数非過大及び受注数急減に起因して、丸棒素材の切断加工に消費可能な作業員の時間を、仕掛り数非過大かつ受注数非急減の場合と同様に適正に確保しつつ、丸棒素材の切断に要する段取り等に消費可能な作業員の時間を仕掛り数非過大かつ受注数非急減の場合に比べて所定緩和時間αだけ延伸し得る。これにより、第1職場20aにおける稼働率の低下を抑制しつつ、丸棒素材群の切断加工を適正に行うことができる。
【0265】
上述のようにして、第1職場20aにおける丸棒素材群の切断加工が完了すると、当該切断完了後の丸棒素材群が第1外注工場SF1に送出される。当該送出にあたっては、第1外注工場SF1への送出を示すチェックが、当該切断完了後の丸棒素材群に貼り付け済みの正製造指図書Qの切断加工の欄に記入される。
【0266】
さらに、第1職場20aにおける切断加工後の丸棒素材群の内容及びその送出日を表す第1職場送出データが、端末P2により、その操作のもと、ネットワークN及び受信回路R2を介しCPU31に送信される。
【0267】
すると、CPU31は、上述の第1職場送出データの受領に基づき、上述したステップ150bにおいてYESと判定する。これに伴い、ステップ151bにおける第1職場送出データの出力処理において、CPU31が、当該第1職場送出データを登録装置Sbに出力して登録装置Sb内の仕掛り実績データテーブル3の仕掛かり実績データIPD1を更新する。
【0268】
上述したステップ151bの処理の終了に伴い、次のステップ150cにおいて、新規の受注部品は、板金部品か否かが判定される。現段階では、新規の受注部品は、丸棒部品であることから、当該ステップ150cにおける判定は、NOとなる。
【0269】
然る後、次のステップ150d(
図10参照)において、選択素材の第1外注工場における受領か否かが判定される。現段階において、選択素材は丸棒素材であることから、CPU31は、上述した第1職場送出データの受領に基づき、上述のように送出された切断加工後の丸棒素材群に対する第1外注工場Bにおける受領として、当該ステップ150dにおいてYESと判定する。
【0270】
これに伴い、切断加工後丸棒素材群の受領及びその受領日を表す第1外注工場受領データが、端末P9により、その送信回路Pa、ネットワークN及び受信回路R9を介しCPU31に送信される。すると、ステップ152における第1外注工場受領データの出力処理において、CPU31が、受信回路R9からの第1外注工場受領データを登録装置Sbに出力する。これに伴い、登録装置Sb内の仕掛り実績データテーブル3は、その仕掛かり実績データIPDSF1において、第1外注工場受領データに基づき更新される。
【0271】
然る後、ステップ150eにおいて、第1外注工場からの選択素材の送出か否かが判定される。現段階では、選択素材である丸棒素材が、第1外注工場SF1から送出されていないことから、当該ステップ150eにおける判定はNOとなる。
【0272】
しかして、上述した第1外注工場SF1における切断加工後丸棒素材群の受領に伴い、第1外注工場SF1において、当該丸棒素材群の切削加工が行われる。当該切削加工は、正製造指図書Qの切削加工の欄における待ち時間及び加工時間に従い行われる。
【0273】
具体的には、未来仕掛り数過大及び受注数非急減の場合には、正製造指図書Qにおける目標リードタイムLT11のリードタイム部LT11Bでは、切削加工待ち時間がT1Bβb(=T1B-βb)である(
図19参照)。なお、切削加工時間はH1Bのままである。
【0274】
従って、第1外注工場SF1においては、未来仕掛り数過大及び受注数非急減に起因して、丸棒素材群の切削に要する段取り等に消費可能な作業員の時間は、仕掛り数非過大かつ受注数非急減の場合に比べて式(1)に基づき算出済みの対応目標時間にリードタイム部が少なくなるまで短縮される。なお、丸棒素材の切削加工に消費可能な作業員の時間は、仕掛り数非過大かつ受注数非急減と同様である。
【0275】
これにより、仕掛り数過大及び受注数非急減の場合には、切削加工待ち時間を式(1)に基づき算出済みの対応目標時間にリードタイム部が少なくなるまで短縮することで、第1外注工場SF1における切削にあたり、切断加工後の丸棒素材群の第1外注工場SF1への投入日を当該丸棒素材群の切削加工日により一層近づけつつ、仕掛り数過大に伴い作業員の切削加工に要する時間を適正に確保し得る。なお、現段階では、受注数非急減であるから、作業員の稼働率の低下対策を講じる必要はない。
【0276】
また、仕掛り数非過大及び受注数非急減の場合には、正製造指図書Qの目標リードタイムLT13の切削加工に要するリードタイム部LT13Bにおいては、切削加工待ち時間はT1Bである(
図21参照)。なお、切断加工時間はH1Bである。
【0277】
従って、第1外注工場SF1においては、仕掛り数非過大及び受注数非急減に起因して、丸棒素材群の切削加工に要する段取り等に消費可能な作業員の時間は、延伸や短縮されることはなく、上述した仮製造指図書(
図14参照)に入力してなる内容と同様である。丸棒素材群の切削加工に消費可能な作業員の時間も、同様である。
【0278】
また、仕掛り数非過大及び受注数急減の場合には、正製造指図書Qにおける目標リードタイムLT12(
図20参照)における切削加工に要するリードタイム部LT12Bは、切削加工待ち時間T1Bα(=T1B+α)である。なお、切断加工時間は、H1Bのままである。
【0279】
従って、第1外注工場SF1においては、未来仕掛り数非過大及び受注数急減に起因して、丸棒素材群の切削に要する段取り等に消費可能な作業員の時間は、仕掛り数非過大かつ受注数非急減の場合に比べて、所定緩和時間αだけ延伸される。なお、丸棒素材群の切削加工に消費可能な作業員の時間は、仕掛り数非過大及び受注数非急減の場合と同様である。
【0280】
これにより、仕掛り数非過大及び受注数急減の場合には、切削加工待ち時間を所定緩和時間αだけ延伸することで、受注数急減に起因して生じがちな作業員の稼働率の低下を抑制しつつ、切削加工時間H1Bのもと、作業員の切削加工に要する時間を適正に確保し得る。
【0281】
上述のようにして、第1外注工場SF1における丸棒素材群の切削加工が完了すると、当該切削加工完了後丸棒素材群が第2外注工場SF2に送出される。当該送出にあたっては、第2外注工場SF2への送出を示すチェックが、正製造指図書Qの切削加工の欄に記入される。
【0282】
また、上述した切削加工後丸棒素材群の第2外注工場SF2への送出に伴い、第1外注工場SF1においては、切削加工後丸棒素材群の送出及び送出日を表す第1外注工場送出データが、端末P10により、その操作のもと、ネットワークN及び受信回路R10を介しCPU31に送信される。
【0283】
上述したステップ152における処理の後、ステップ150eにおいて、選択素材の第1外注工場からの送出か否かが判定される。ここで、選択素材は丸棒素材であることから、CPU31は、受信回路R10からの第1外注工場送出データに基づき、ステップ150eにおいてYESと判定する。
【0284】
これに伴い、ステップ152aにおける第1外注工場送出データの出力処理において、CPU31が、受信回路R10からの第1外注工場送出データを登録装置Sbに出力する。これに伴い、登録装置Sb内の仕掛り実績データテーブル3は、その仕掛かり実績データIPDSF1において、第1外注工場送出データに基づき更新される。
【0285】
然る後、次のステップ150f(
図10参照)において、選択素材の第2外注工場における受領か否かが判定される。現段階において、選択素材は丸棒素材であることから、CPU31は、受信回路R10からの第1外注工場送出データに基づき、切削加工後丸棒素材群の第2外注工場SF2における受領として、当該ステップ150fにおいてYESと判定する。
【0286】
当該ステップ150fにおけるYESとの判定に伴い、切削加工後丸棒素材群の受領及びその受領日を表す第2外注工場受領データが、端末P11により、ネットワークN及び受信回路R11を介しCPU31に送信される。すると、ステップ152bにおける第2外注工場受領データの出力処理において、CPU31が、受信回路R11からの第2外注工場受領データを登録装置Sbに出力する。これに伴い、登録装置Sb内の仕掛り実績データテーブル3は、その仕掛かり実績データIPDSF2において、第2外注工場受領データに基づき更新される。
【0287】
然る後、ステップ150gにおいて、第2外注工場からの選択素材の送出か否かが判定される。現段階では、選択素材である丸棒素材が丸棒素材群として第2外注工場SF2から送出されていないことから、当該ステップ150gにおける判定はNOとなる。
【0288】
上述した第2外注工場SF2からの切削加工後丸棒素材群の受領に伴い、第2外注工場SF2において、当該丸棒素材群の熱処理加工が行われる。当該熱処理加工は、正製造指図書Qの熱処理加工の欄における待ち時間及び加工時間に従い行われる。
【0289】
具体的には、未来仕掛り数過大及び受注数非急減の場合には、正製造指図書Qにおける目標リードタイムLT11のリードタイム部LT11Cでは、熱処理加工待ち時間はT1Cβ(=T1C-β)である(
図19参照)。なお、熱処理加工時間はH1Cのままである。
【0290】
従って、第2外注工場SF2においては、未来仕掛り数過大及び受注数非急減に起因して、丸棒素材群の熱処理加工に要する段取り等に消費可能な作業員の時間は、仕掛り数非過大かつ受注数非急減の場合に比べて、式(1)に基づき算出済みの対応目標時間にリードタイム部が少なくなるまで短縮される。なお、丸棒素材群の熱処理加工に消費可能な作業員の時間は、仕掛り数非過大かつ受注数非急減の場合と同様である。
【0291】
これにより、仕掛り数過大及び受注数非急減の場合には、熱処理加工待ち時間を上記対応目標時間だけ短縮することで、熱処理加工にあたり、第2外注工場SF2への丸棒素材群の投入を熱処理加工日により一層近づけて当該第2外注工場SF2における丸棒素材の滞留を抑制しつつ、熱処理加工時間H1Cのもと、仕掛り数過大に伴い作業員の熱処理加工に要する時間を適正に確保し得る。なお、受注数非急減の場合故、作業員の稼働率の低下対策を講じる必要はない。
【0292】
また、未来仕掛り数非過大及び受注数非急減の場合には、正製造指図書Qにおける目標リードタイムLT13(
図21参照)の熱処理加工に要するリードタイム部LT13Cでは、切削加工待ち時間はT1Cである。なお、切断加工時間はH1Cのままである。
【0293】
従って、第2外注工場SF2においては、未来仕掛り数非過大及び受注数非急減に起因して、丸棒素材群の熱処理加工に要する段取り等に消費可能な作業員の時間は、延伸や短縮を伴うことはなく、上述した仮製造指図書(
図14参照)に入力してなる内容と同様である。なお、丸棒素材群の熱処理加工に消費可能な作業員の時間は、H1Cである。
【0294】
また、未来仕掛り数非過大及び受注数急減の場合には、正製造指図書Qの目標リードタイムLT12における熱処理加工に要するリードタイム部LT12Cは、熱処理加工待ち時間T1Cα(=T1C+α)である(
図20参照)。なお、切断加工時間は、H1Cのままである。
【0295】
従って、第2外注工場SF2においては、未来仕掛り数非過大及び受注数急減に起因して、丸棒素材群の熱処理加工に要する段取り等に消費可能な作業員の時間は、仕掛り数非過大かつ受注数非急減の場合に比べて所定緩和時間αだけ延伸される。なお、丸棒素材群の熱処理加工に消費可能な作業員の時間は、仕掛り数非過大かつ受注数非急減の場合と同様である。
【0296】
これにより、仕掛り数非過大及び受注数急減の場合には、熱処理加工待ち時間を所定緩和時間αだけ延伸することで、受注数急減に起因して生じがちな作業員の稼働率の低下を抑制しつつ、かつ、仕掛り数非過大に伴い作業員の熱処理加工に要する丸棒素材の数を確保しつつ、当該熱処理加工を適正に確保し得る。
【0297】
上述のようにして、第2外注工場SF2における丸棒素材群の熱処理加工が完了すると、当該熱処理加工完了後丸棒素材群が第3職場20cに送出される。当該送出にあたっては、第3職場20cへの送出を示すチェックが、正製造指図書Qの熱処理加工の欄に記入される。
【0298】
また、上述した熱処理加工完了後丸棒素材群の第3職場20cへの送出に伴い、第2外注工場SF2においては、熱処理加工完了後丸棒素材群の送出及び送出日を表す第2外注工場送出データが、端末P12により、その操作のもと、ネットワークN及び受信回路R12を介しCPU31に送信される。
【0299】
すると、ステップ150gにおいて、CPU31は、受信回路R12からの第2外注工場送出データに基づき、YESと判定する。これに伴い、ステップ152cにおける第2外注工場送出データの出力処理において、CPU31は、受信回路R12からの第2外注工場送出データを登録装置Sbに出力する。その結果、登録装置Sb内の仕掛り実績データテーブル3は、その仕掛かり実績データIPDSF2において、第2外注工場送出データに基づき更新される。
【0300】
また、上述した熱処理加工完了後丸棒素材群の第3職場20cへの送出に伴い、当該熱処理加工完了後丸棒素材群が第3職場20cにて受領されると、当該第3職場20cにおいて、熱処理加工完了後丸棒素材群の受領及び受領日を表す第3職場受領データが、端末P5により、ネットワークN及び受信回廊R5を介しCPU31に送信される。
【0301】
しかして、次のステップ150h(
図11参照)において、選択素材の第3職場における受領か否かが判定される。現段階において、選択素材は丸棒素材であることから、CPU31は、受信回路R5からの第3職場受領データに基づき、熱処理加工後丸棒素材群の第3職場20cにおける受領として、ステップ150hにおいてYESと判定する。
【0302】
当該ステップ150hにおけるYESとの判定に伴い、ステップ152dにおける第3職場受領データの出力処理において、CPU31が、受信回路R5からの第3職場受領データを登録装置Sbに出力する。これに伴い、登録装置Sb内の仕掛り実績データテーブル3は、その仕掛かり実績データIPD3において、第3職場受領データに基づき更新される。
【0303】
然る後、ステップ150iにおいて、第3職場からの選択素材の送出か否かが判定される。現段階では、選択素材である丸棒素材からなる丸棒素材群(塗装加工後の丸棒素材群)は、いまだ、第3職場20cから送出されていないことから、ステップ150iにおける判定はNOとなる。
【0304】
上述のように熱処理加工後丸棒素材群が第3職場20cにて受領されるに伴い、当該第3職場20cにおいて、当該丸棒素材群の塗装加工が行われる。当該塗装加工は、正製造指図書Qの塗装加工の欄における待ち時間及び加工時間に従い行われる。
【0305】
具体的には、未来仕掛り数過大及び受注数非急減の場合には、正製造指図書QのリードタイムLT11のリードタイム部LT11Dでは、塗装加工待ち時間がT1Dβ(=T1D-β)である(
図19参照)。なお、塗装加工時間は、H1Dのままである。
【0306】
従って、第3職場20cにおいては、未来仕掛り数過大及び受注数非急減に起因して、丸棒素材群の塗装加工に要する段取り等に消費可能な作業員の時間は、仕掛り数非過大かつ受注数非急減の場合に比べて、式(1)に基づき算出済みの対応目標時間にリードタイム部が少なくなるまで短縮される。なお、丸棒素材の塗装加工に消費可能な作業員の時間は、仕掛り数非過大かつ受注数非急減の場合と同様である。
【0307】
これにより、仕掛り数過大及び受注数非急減の場合には、塗装加工待ち時間を上記対応目標時間にリードタイム部が少なくなるまで短縮することで、塗装加工にあたり、丸棒素材群が第3職場20cに投入される日を、丸棒素材群の塗装加工日により一側近づけて、丸棒素材群の第3職場20cにおける滞留を抑制しつつ、塗装加工時間H1Dのもと、未来仕掛り数過大に伴い作業員の塗装加工に要する時間を適正に確保し得る。なお、受注数非急減の場合故、作業員の稼働率の低下対策を講じる必要はない。
【0308】
また、未来仕掛り数非過大及び受注数非急減の場合には、正製造指図書Qにおける目標リードタイムLT13の塗装加工に要するリードタイム部LT11Dは、塗装加工待ち時間T1Dである(
図21参照)。なお、塗装加工時間はH1Dである。
【0309】
従って、第3職場20cにおいては、未来仕掛り数非過大及び受注数非急減に起因して、丸棒素材の塗装加工に要する段取り等に消費可能な作業員の時間は、延伸や短縮されることはなく、上述した仮製造指図書(
図16参照)に入力してなる内容と同様である。なお、丸棒素材の塗装加工に消費可能な作業員の時間はH1Dである。
【0310】
また、未来仕掛り数非過大及び受注数急減の場合には、正製造指図書Qにおける目標リードタイムLT12の塗装加工に要するリードタイム部LT12D(
図20参照)では、塗装加工待ち時間は、T1Dα(=T1D+α)である。なお、塗装加工時間はH1Dのままである。
【0311】
従って、第3職場20cにおいては、未来仕掛り数非過大及び受注数急減に起因して、丸棒素材群の塗装加工に要する段取り等に消費可能な作業員の時間は、仕掛り数非過大かつ受注数非急減の場合に比べて所定緩和時間αだけ延伸される。このことは、丸棒素材群の塗装加工にあたり、受注数急減に起因して生じがちな作業員の稼働率の低下を抑制しつつ、塗装加工時間はH1Dのもと、作業員の塗装加工に要する時間を適正に確保し得ることを意味する。
【0312】
上述のようにして、第3職場20cにおける丸棒素材群の塗装加工が完了すると、当該塗装加工完了後丸棒素材群が第4職場20dに送出される。当該送出にあたっては、第4職場20dへの送出を示すチェックが、正製造指図書Qの塗装加工の欄に記入される。
【0313】
また、上述した塗装加工完了後丸棒素材群の第4職場20dへの送出に伴い、第3職場20cにおいては、塗装加工完了後丸棒素材群の送出及び送出日を表す第3職場送出データが、端末P6により、その操作のもと、ネットワークN及び受信回路R6を介しCPU31に送信される。
【0314】
ステップ152dの処理後、ステップ150iにおいて、選択素材の第3職場からの送出か否かが判定される。ここで、選択素材は丸棒素材であることから、CPU31は、第3職場送出データの受領に基づき、塗装加工後丸棒素材群の第4職場20dへの送出として、ステップ150iにてYESと判定する。
【0315】
このようなステップ150iにおけるYESとの判定に伴い、ステップ152eにおける第3職場送出データの出力処理において、CPU31が、受信回路R6からの第3職場送出データを登録装置Sbに出力する。これに伴い、登録装置Sb内の仕掛り実績データテーブル3は、その仕掛かり実績データIPD3において、第3職場送出データに基づき更新される。
【0316】
また、上述した塗装加工完了後丸棒素材群の第4職場20cへの送出に伴い、当該塗装加工完了後丸棒素材群が第4職場20cにて受領されると、当該第4職場20cにおいて、塗装加工完了後丸棒素材群の受領及び受領日を表す第4職場受領データが、端末P7により、ネットワークN及び受信回廊R7を介しCPU31に送信される。
【0317】
しかして、ステップ150j(
図11参照)において、選択素材の第4職場における受領か否かが判定される。段階において、選択素材は丸棒素材であることから、CPU31は、受信回路R7からの第4職場受領データに基づき、塗装加工後丸棒素材群の第4職場20cにおける受領として、ステップ150jにおいてYESと判定する。
【0318】
当該ステップ150jにおけるYESとの判定に伴い、ステップ152fにおける第4職場受領データの出力処理において、CPU31が、受信回路R7からの第4職場受領データを登録装置Sbに出力する。これに伴い、登録装置Sb内の仕掛り実績データテーブル3は、その仕掛かり実績データIPD4において、第3職場受領データに基づき更新される。
【0319】
然る後、ステップ150kにおいて、第4職場からの選択素材の送出か否かが判定される。現段階では、選択素材である丸棒素材からなる丸棒素材群(検査後の丸棒素材群)は、いまだ、第4職場20cから送出されていないことから、ステップ150kにおける判定はNOとなる。
【0320】
上述のように塗装加工後丸棒素材群が第4職場20dにて受領されるに伴い、当該第4職場20dにおいて、当該丸棒素材群の検査が行われる。当該検査は、正製造指図書Qの検査の欄における待ち時間及び加工時間に従い行われる。
【0321】
具体的には、未来仕掛り数過大及び受注数非急減の場合には、正製造指図書Qにおける目標リードタイムLT11のリードタイム部LT11Eでは、検査待ち時間はT1Eβ(=T1E-β)である(
図19参照)。なお、検査時間はH1Eのままである。
【0322】
従って、第4職場20dにおいては、未来仕掛り数過大及び受注数非急減に起因して、丸棒素材の検査に要する段取り等に消費可能な作業員の時間は、仕掛り数非過大かつ受注数非急減の場合に比べて、式(1)に基づき算出済みの対応目標時間にリードタイム部が少なくなるまで短縮される。なお、丸棒素材の検査に消費可能な作業員の時間は、仕掛り数非過大かつ受注数非急減の場合と同様である。
【0323】
このように、仕掛り数過大及び受注数非急減の場合には、検査待ち時間を上記対応目標時間だけ短縮する。このことは、検査にあたり、第4職場20dへの丸棒素材群の投入日を検査日により一層近づけて、第4職場20dにおける丸棒素材の滞留時間を抑制しつつ、検査時間H1Eのもと、作業員の検査に要する時間を適正に確保し得ることを意味する。
【0324】
また、未来仕掛り数非過大及び受注数非急減の場合には、正製造指図書Qにおける目標リードタイムLT13の検査に要するリードタイム部LT13Eでは、検査待ち時間はT1Eである(
図21参照)。なお、検査時間はH1Eである。
【0325】
従って、第4職場20dにおいては、仕掛り数非過大及び受注数非急減に起因して、丸棒素材群の検査に要する段取り等に消費可能な作業員の時間は、延伸や短縮されることはなく、上述した仮製造指図書(
図16参照)に入力してなる内容と同様である。
【0326】
また、未来仕掛り数非過大及び受注数急減の場合には、正製造指図書Qにおける目標リードタイムLT12の検査に要するリードタイム部LT12Eでは、検査待ち時間T1Eα(=T1E+α)である(
図20参照)。なお、検査時間はH1Eのままである。
【0327】
従って、第4職場20dにおいては、未来仕掛り数非過大及び受注数急減に起因して、丸棒素材群の検査に要する段取り等に消費可能な作業員の時間は、仕掛り数非過大かつ受注数非急減の場合に比べて所定緩和時間αだけ延伸される。このことは、受注数急減に起因して生じがちな作業員の稼働率の低下を抑制しつつ、検査時間H1Eのもと、作業員の検査に要する時間を適正に確保し得ることを意味する。
【0328】
上述のようにして、第4職場20cにおける丸棒素材群の検査が完了すると、当該検査完了後丸棒素材群が納入先倉庫DWに送出される。当該送出にあたっては、納入先倉庫DWへの送出を示すチェックが、正製造指図書Qの検査の欄に記入される。
【0329】
また、上述した検査完了後丸棒素材群の納入先倉庫DWへの送出に伴い、第4職場20dにおいては、検査完了後丸棒素材群の送出及び送出日を表す第4職場送出データが、端末P8により、その操作のもと、ネットワークN及び受信回路R8を介しCPU31に送信される。
【0330】
ステップ152fの処理後、ステップ150kにおいて、選択素材の第4職場からの送出か否かが判定される。ここで、CPU31は、受信回路R8からの第4職場送出データに基づき、検査後丸棒素材群の納入先倉庫DWへの送出として、ステップ150kにおいてYESと判定する。
【0331】
このようなステップ150kにおけるYESとの判定に伴い、ステップ152gにおける第4職場送出データの出力処理において、CPU31が、受信回路R8からの第4職場送出データを登録装置Sbに出力する。これに伴い、登録装置Sb内の仕掛り実績データテーブル3は、その仕掛かり実績データIPD4において、第4職場送出データに基づき更新される。
【0332】
また、上述した検査完了後丸棒素材群の納入先倉庫DWへの送出に伴い、当該検査完了後丸棒素材群が納入先倉庫DWにて受領されると、当該納入先倉庫DWにおいて、検査完了後丸棒素材群の受領及び受領日を表す納入先倉庫受領データが、端末P13により、ネットワークN及び受信回廊R13を介しCPU31に送信される。
【0333】
しかして、ステップ150mにおいて、納入先倉庫による受領か否かが判定される。段階において、選択素材は丸棒素材であることから、CPU31は、受信回路R13からの納入先倉庫受領データに基づき、検査後丸棒素材群の納入先倉庫DWにおける受領として、ステップ150mにおいてYESと判定する。
【0334】
ついで、ステップ152hにおける納入先倉庫受領データの出力処理において、CPU31が、受信回路R13からの納入先倉庫受領データを登録装置Sbに出力する。これに伴い、登録装置Sb内の仕掛り実績データテーブル3は、その仕掛かり実績データにおいて、納入先倉庫受領データに基づき更新される。なお、当該仕掛り実績データは、上述した仕掛り実績データIPD1~IPDSF2とともに実績データテーブル3を構成する。
【0335】
然る後、ステップ150nにおいて、#LOTn>#LOTmaxか否かが判定される。ここで、#LOTnは、そのn(=1、2、3、・・・)にて、選択素材群のロット番号を特定する。また、#LOTmaxは、選択素材群のロット番号の最大値を表す。
【0336】
現段階において、#LOTn=#LOT1であることから、ステップ150nにおける判定はNOとなる。然る後、コンピュータプログラムは、ステップ140(
図9参照)に戻る。ここで、次のロット番号の入力は、未操作であるから、当該ステップ140における判定はNOとなる。
【0337】
現段階では、ステップ141においてロット番号は#LOT1とセット済みであるから、次のロット番号は#LOT2である。これに伴い、ホームサーバーSaの操作器40により、その操作のもと、ロット番号を#LOT2と入力するとともに、当該ロット番号の丸棒素材群の投入日及び完成日を入力する。
【0338】
これに伴い、ステップ141において、正製造指図書データにおけるロット番号、投入日及び完成日のセット処理を行う。これにより、当該正製造指図書データの正製造指図書Qのロット番号の欄は#LOT2と更新されるとともに、投入日及び完成日の各欄が更新される。然る後は、ステップ142以後の処理に従い、ロット番号#LOT2の丸棒素材群の各加工及び検査並びに納入先倉庫DWへの送出が、上述と同様になされる。以後、このような処理が、ステップ150nにおける判定がYESとなるまで繰り返される。しかして、ステップ150nにおける判定がYESになると、受注部品である丸棒部品の丸棒素材群としての納入先倉庫DWへの納入が完了され得る。なお、当該ステップ150nにおけるYESになると、コンピュータプログラムはエンドステップに進む。
【0339】
また、上述したステップ110a(
図5参照)における判定がNOとなる場合には、ステップ110bにおいて、新規の受注部品は四角棒部品か否かが判定される。また、当該ステップ110bにおける判定がNOとなる場合には、ステップ110cにおいて、新規の受注部品は三角棒部品か否かが判定される。さらに、当該ステップ110cにおける判定がNOとなる場合には、次のステップ110dにおいて、新規の受注部品は板金部品か否かが判定される。
【0340】
しかして、ステップ110b或いはステップ110cにおいて、YESと判定される場合には、製造対象部品を四角棒部品或いは三角棒部品として、ステップ111以後の処理が、製造対象部品が丸棒部品である場合と同様になされる。
【0341】
また、ステップ110dにおける判定がYESとなる場合には、製造対象部品を板金部品としてステップ111(
図5参照)からステップ126(
図7参照)にかけての処理が、丸棒部品の場合と同様にしてなされる。
【0342】
また、両ステップ126a、130におけるYESとの判定に伴うステップ133からステップ132までの処理、或いはステップ130におけるNOとの判定に伴うステップ131からステップ132までの処理が、丸棒部品の場合と同様にしてなされる。
【0343】
ここで、ステップ126(
図7参照)において更新された仮製造指図書データの仮製造指図書において、リードタイムは、丸棒素材の仮リードタイムLT1(
図14(a)参照)とは異なり、板金素材の仮リードタイムLT4(
図14(b)参照)である。
【0344】
ステップ131における目標リードタイムデータの設定処理に伴う丸棒素材の各目標リードタイムは、過大・非急減、非過大・急減及び非過大・非急減に対応するように、LT11、LT12及びLT13となっている(
図19(a)、
図20(a)、
図21(a)参照)。これに対し、板金素材の各目標リードタイムは、各目標リードタイムLT11、LT12及びLT13にそれぞれ対応するLT41、LT42及びLT43(図示しない)からなる。
【0345】
従って、これら目標リードタイムLT41、LT42及びLT43は、各目標リードタイムLT11、LT12及びLT13と同様に、過大・非急減、非過大・急減及び非過大・非急減に対応する。
【0346】
ここで、丸棒素材の製造ルートは、第1職場20a、第1外旧工場SF1、第2外注工場SF2、第3職場20c及び第4職場20dを通るように構成されているのに対し、板金素材の製造ルートは、第1職場20a、第2職場20b、第3職場20c及び第4職場20dを通るように構成されている(
図1参照)。 従って、板金素材の製造ルートは、第2職場20bを異にするものの、第1職場20a、第3職場20c及び第4職場20dを通る点で、丸棒素材の製造ルートと共通する。
【0347】
よって、板金素材の目標リードタイムが第1~第4のリードタイム部(第1~第4の職場20a~20dに対応)により構成されるものとすると、第1リードタイム部は、板金素材の切断加工待ち時間及び切断加工時間により構成され、第2リードタイム部は、板金素材のプレス加工待ち時間及びプレス加工時間により構成され、第3リードタイム部は、板金素材の塗装加工待ち時間及び塗装加工時間により構成され、かつ、第4リードタイム部は、板金素材の検査待ち時間及び検査時間により構成されている。
【0348】
これに伴い、未来仕掛り数過大・受注数非急減の場合、目標リードタイムLT41の第1、第3及び第4のリードタイム部は、目標リードタイムLT11のリードタイム部LT11A、LT11D及びLT11Eと同様に構成されている。未来仕掛り数非過大・受注数急減の場合、目標リードタイムLT42の第1、第3及び第4のリードタイム部は、目標リードタイムLT12のリードタイム部LT12A、LT12D及びLT12Eと同様に構成されている。また、未来仕掛り数非過大・受注数非急減の場合、目標リードタイムLT43の第1、第3及び第4のリードタイム部は、目標リードタイムLT13のリードタイム部LT13A、LT13D及びLT13Eと同様に構成されている。
【0349】
なお、目標リードタイムLT41~43のいずれの場合においても、第2リードタイム部は、丸棒素材の切断加工とは加工方法を異にするものの、βi或いはαを考慮した上で、切断加工待ち時間及び切断加工時間と実質的に同様にして設定されている。
【0350】
なお、ステップ132においては、正製造指図書データが、丸棒素材群に代えて、板金部品に対応する板金素材の板金素材群の正製造指図書データとして設定処理される。
【0351】
ここで、当該正製造指図書データにより表される正製造指図書Qは、上述した丸棒素材群の正製造指図書Qとは、次の点で相違する。部品番号は、板金素材群として、正製造指図書Qにおける丸棒素材群の部品番号F962とは異なる部品番号となっている。
【0352】
リードタイムは、上述した丸棒素材群の正製造指図書Qにおけるリードタイムとは異なる。即ち、板金素材群の正製造指図書においては、リードタイムは、過大・非急減、非過大・急減及び非過大・非急減に対して、上述した目標リードタイムLT41、LT42及びLT43である。
【0353】
さらに、ステップ140(
図9参照)からステップ151bまでの処理が丸棒素材群に代わる板金素材群について、丸棒素材群の場合と同様になされる。
【0354】
然る後、次のステップ150cにおいて、新規の受注部品が板金部品であることから、YESと判定されると、コンピュータプログラムは、ステップ160(
図12参照)に進む。
【0355】
すると、当該ステップ160においては、選択素材の第1職場における受領か否かが判定される。現段階では、選択素材は板金素材であることから、板金素材からなる板金素材群の第1職場20aにおける受領はなされていないことから、ステップ160における判定はNOとなる。
【0356】
しかして、板金素材がロット番号#LOT1の板金素材群(板金素材群の正製造指図書Qを貼り付け済み)として自社倉庫10から第1職場20aに投入されて受領されると、当該板金素材群の受領及び受領日を表す第1職場受領データが、端末P1により、その操作のもとに、ネットワークN及び受信回路R1を介しCPU31に送信される。すると、CPU31が、受信回路R1からの上記第1職場受領データに基づき、ステップ160において、YESと判定する。
【0357】
また、次のステップ161における第1職場受領データの出力処理において、上記第1職場受領データが、CPU31により、登録装置Sbに出力される。これに伴い、登録装置Sbにおける仕掛り実績データテーブル3がその仕掛り実績データIPD1にて上記第1職場受領データでもって更新される。
【0358】
上述した板金素材群の第1職場20aにおける受領に伴い、当該第1職場20aにおいて、板金素材群の切断加工が行われる。当該切断加工にあたり、正製造指図書Qに入力済みの切断加工待ち時間T4Aβa(過大・非急減の場合)、T4Aα(非過大・急減の場合)或いはT4A(非過大・非急減の場合)の間、板金素材群の切断加工に要する段取り等を行いながら、時間待ちをし、切断加工待ち時間の経過後、正製造指図書Qに入力済みの切断加工時間H4Aの間、板金素材群の各板金素材の切断加工をする。
【0359】
このようにして板金素材群の切断加工が完了すると、板金素材群に貼り付けた正製造指図書Qの切断加工の欄にチェックを記入した上で、当該切断加工後の板金素材群は第2職場20bに送出される。
【0360】
これに伴い、切断加工後の板金素材群の送出及び送出日を表す第1職場送出データが、端末P2によりその送信回路Po及びネットワークNを介しコンピュータ30の受信回路R2に送信される。すると、CPU31は受信回路R2からの第1職場送出データに基づきステップ160aにおいてYESと判定する。なお、上述のように送出される切断加工後の板金素材群に貼り付け済の正製造指図書Qの切断加工の欄にはチェックが記入されている。
【0361】
また、次のステップ162における第1職場送出データの出力処理において、CPU31が、上記第1職場送出データを、登録装置Sbに出力して、当該登録装置Sb内の仕掛り実績データテーブル3をその仕掛り実績データIPD2にて更新する。
【0362】
次に、ステップ160bにおいて、選択素材の第2職場における受領か否かが判定される。上述のように第2職場20bに送出された切断加工後の板金素材群が、当該第2職場20bにおいて受領されると、切断加工後の板金素材群の受領及び受領日を表す第2職場受領データが、端末P3によりその操作のもとにネットワークN及び受信回路R3を介しCPU31に送信される。これに伴い、CPU31は、ステップ160bにおいてYESと判定する。
【0363】
すると、次のステップ163における第2職場受領データの出力処理において、CPU31が、上記第2職場受領データを登録装置Sbに出力して当該登録装置Sb内の仕掛り実績データテーブル3をその仕掛り実績データIPD2にて更新する。
【0364】
然る後、ステップ160cにおいて、第2職場からの選択素材の送出か否かが判定される。ここでは、選択素材である板金素材の板金素材群としての送出がなされていないことから、ステップ160cにおける判定はNOとなる。
【0365】
しかして、切断加工後の板金素材群を、第2職場20bに配設のプレス加工機によりプレス加工するにあたり、正製造指図書Qに入力済みのプレス加工待ち時間T4Bβ(過大・非急減の場合)、T4Bα(非過大・急減の場合)或いはT4B(非過大・非急減の場合)の間、板金素材群のプレス加工に要する段取り等を行いながら、時間待ちをし、当該プレス加工待ち時間の経過後、正製造指図書Qに入力済みのプレス加工時間H4Bの間、板金素材群のプレス加工をする。
【0366】
このようにして板金素材群のプレス加工が完了すると、板金素材群に貼り付けた正製造指図書Qのプレス加工の欄にチェックを記入した上で、当該プレス加工後の板金素材群が第3職場20cに送出される。
【0367】
これに伴い、プレス加工後の板金素材群の送出及び送出日を表す第2職場送出データが、端末P4によりその操作のもとネットワークN及び受信回路R4を介しCPU31に送信される。
【0368】
すると、CPU31は、上記第2職場送出データに基づき、第2職場20bからのプレス加工後の板金素材群の送出として、ステップ160cにおいてYESと判定する。また、ステップ164における第2職場送出データの出力処理において、CPU31は、受信回路R4からの当該第2職場送出データを、登録装置Sbに出力して、当該登録装置Sb内の仕掛り実績データテーブル3をその仕掛り実績データIPD2にて当該第2職場送出データでもって更新する。
【0369】
次のステップ160dにおいて、選択素材の第3職場における受領か否かが判定される。上述のように第3職場20cに送出されたプレス加工後板金素材群が当該第3職場20cにて受領されると、当該第3職場20cにおいて、プレス加工後板金素材群の受領及び受領日を表す第3職場受領データが、端末P5により、ネットワークN及び受信回路R5を介しCPU31に送信される。 これに伴い、CPU31は、受信回路R5からの第3職場受領データに基づき、ステップ160dにおいて、YESと判定する。
【0370】
これに伴い、ステップ165における第3職場受領データの出力処理において、CPU31は、当該第3職場受領データを登録装置Sbに出力して、当該登録装置Sb内の仕掛り実績データテーブル3をその仕掛り実績データIPD3にて当該第3職場受領データに基づき更新する。
【0371】
上述した第3職場20cにおけるプレス加工後板金素材群の受領に伴い、当該第3職場20cにおいて塗装加工される。当該塗装加工にあたり、正製造指図書Qに入力済みの塗装加工待ち時間T4Cβ(過大・非急減の場合)、T4Cα(非過大・急減の場合)或いはT4C(非過大・非急減の場合)の間、板金素材群の塗装加工に要する段取り等を行いながら、時間待ちをし、塗装加工待ち時間の経過後、正製造指図書Qに入力済みの塗装加工時間H4Cの間、板金素材群の各板金素材の塗装加工をする。
【0372】
このようにして板金素材群の塗装加工が完了すると、板金素材群に貼り付けた正製造指図書Qの塗装加工の欄にチェックを記入した上で、当該塗装後の板金素材群は第4職場20dに送出される。これに伴い、塗装後の板金素材群の送出及び送出日を表す第3職場送出データが、端末P6によりその操作のもとネットワークN及び受信回路R6を介しCPU31に送信される。これにより、CPU31は、受信回路R6からの第3職場送出データに基づき、ステップ160eにおいてYESと判定する。
【0373】
すると、ステップ166における第3職場送出データの出力処理において、CPU31が、上記第3職場送出データを登録装置Sbに出力して当該登録装置Sb内の仕掛り実績データテーブル3を仕掛り実績データIPD3にて当該第3職場送出データでもって更新する。
【0374】
ステップ166の処理後、ステップ150j(
図11参照)において、選択素材の第4宿場における受領か否かが判定される。然るに、上述のように第4職場20dに送出された塗装後板金素材群が、当該第4職場20dにおいて受領されると、当該塗装後板金素材群の受領及び受領日を表す第4職場受領データが、端末P7によりネットワークN及び受信回路R7を介しCPU31に送信される。これに伴い、ステップ150jにおいて、CPU31が、受信回路R7からの第4職場受領データに基づき、YESと判定する。
【0375】
これに伴い、ステップ152fにおける第4職場受領データの出力処理において、CPU31は、受信回路R7からの第4職場受領データを登録装置Sbに出力して、当該登録装置Sbの仕掛り実績データテーブル3の仕掛り実績データIPD4を第4職場受領データでもって更新する。
【0376】
ついで、ステップ150kにおいて第4職場からの選択素材の送出か否かが判定される。現段階では、選択素材である板金素材は第4職場20dから送出されていないことから、当該ステップ150kにおける判定はNOとなる。
【0377】
しかして、上述のように塗装後板金素材群が第4職場20dに送出されるのに伴い、第4職場20dにおいて、塗装済みの板金素材群が検査される。当該検査にあたり、正製造指図書Qに入力済みの検査待ち時間T4Dβd(過大・非急減の場合)、T4dα(非過大・急減の場合)或いはT4D(非過大・非急減の場合)の間、板金素材群の検査に要する段取り等を行いながら、時間待ちをし、検査待ち時間の経過後、正製造指図書Qに入力済みの検査時間H4Dの間、検査装置により板金素材群の各板金素材の検査をする。
【0378】
このようにして板金素材群の検査が完了すると、検査後板金素材群に貼り付けた正製造指図書Qの検査の欄にチェックを記入した上で、ロット番号#LOT1の板金素材群の完成品である板金部品群としての製造が完了する。これに伴い、板金部品群が納入倉庫DWに送出される。
【0379】
すると、板金部品群の送出及び送出日を表す第4職場送出データが、端末P8によりその操作のもとにネットワークN及び受信回路R8を介しCPU31に送信される。すると、当該CPU31は、第4職場送出データの受領に基づき、ステップ150kにおいてYESと判定する。
【0380】
これに伴い、ステップ152gにおける第4職場送出データの出力処理において、CPU31が、受信回路R8からの第4職場送出データを登録装置Sbに出力し、当該登録装置Sbの仕掛り実績データテーブル3の仕掛り実績データIPD4を第4職場送出データでもって更新する。
【0381】
上述のように検査後板金素材群が納入先倉庫DWに送出されるに伴い、当該検査後板金素材群が納入先倉庫DWにて受領されると、当該検査後板金素材群の受領及び受領日を表す納入先倉庫データが、端末P13によりその操作のもとにネットワークN及び受信回路R13を介しCPU31に送信される。従って、CPU31は、納入先倉庫受領データの受領に基づき、ステップ150mにおいてYESと判定する。
【0382】
然る後、ステップ152hにおける納入先倉庫受領データの出力処理において、CPU31が、当該納入先倉庫受領データを、登録装置Sbに出力して当該灯篭装置Bb内の仕掛り実績データテーブルを更新する。
【0383】
このようにしてステップ152hの処理が終了すると、次のステップ150nにおいて、#LOTm>#LOTmaxか否かが判定される。現段階では、#LOTm=#LOT1であることから、ステップ150nにおける判定はNOとなる。なお、#LOTm及び#LOTmaxは、板金素材(板金部品)及び丸棒素材(丸棒部品)の双方に共通であるものとする。なお、#LOTmaxは、ロット番号の最大値をいう。
【0384】
なお、ステップ150nにおけるNOとの判定後は、コンピュータプログラムは
図9のステップ140に進む。これに伴い、当該ステップ140以後の処理が上述と同様に繰り返される。然る後、ロット番号#LOTm=#LOTmaxになると、ステップ150hにおける判定がYESとなる。これにより、板金素材群の納入先倉庫DWへの納入が完了する。
【0385】
以上説明したように、本第1実施形態においては、新規の受注部品、例えば、丸棒部品をこれに対応する丸棒素材から製造するにあたり、生産管理上必要とされる当該丸棒素材のためのリードタイムを、複数のリードタイム部LT1A~LT1Eからなる仮リードタイムLT1(
図14(a)参照)として設定した。当該複数のリードタイム部LT1A、LT1B、LT1C、LT1D及びLT1Eは、第1職場20a、第1外注工場SF1、第2外注工場SF2、第3職場20c及び第4職場20dに対応する。
【0386】
ここで、リードタイム部LT1Aは、第1職場20aにおける切断加工のための切断加工待ち時間T1A及び切断加工時間H1Aからなり、リードタイム部LT1Bは、第1外注工場SF1における切削のための切削加工待ち時間T1B及び切削加工時間H1Bからなる。
【0387】
また、リードタイムLTCは、第2外注工場SF2における熱処理加工のための熱処理加工待ち時間T1C及び熱処理加工時間H1Cからなり、リードタイムLTDは、第3職場20cにおける塗装加工のための塗装加工待ち時間T1D及び塗装加工時間H1Dからなり、リードタイムLTEは、第4職場20dにおける検査のための検査待ち時間T1E及び検査時間H1Eからなる。
【0388】
ただし、各リードタイム部における切断加工待ち時間、切削加工待ち時間、熱処理加工待ち時間、塗装加工待ち時間及び検査待ち時間は、その各対応職場において、通常、必要とされる待ち時間に設定されている。また、各リードタイム部における切断加工時間、切削加工時間、熱処理加工時間、塗装加工時間及び検査時間は、その各対応職場において、通常の場合(例えば、未来仕掛り数非過大・受注数非急減の場合)に、必要とされる加工や検査の時間に設定されている。
【0389】
このように複数のリードタイムLT1A~LT1Eを構成することで、本明細書にて説明した従来技術の複雑な構成や処理に依存することなく、容易にかつ円滑に丸棒素材から丸棒部品を製造に要する仮リードタイムを設定することができる。
【0390】
従って、未来仕掛り数非過大・受注数非急減の場合には、上述のように設定してなる仮リードタイムLT1を目標リードタイムLT13として活用することにより、当該目標リードタイムLT13のリードタイム部LT13A~LT13Eの構成に基づき、受注部品である丸棒部品の丸棒素材からの製造が、本明細書にて説明した従来技術の複雑な構成や処理に依存することなく、容易にかつ円滑になされ得る。
【0391】
また、未来仕掛り数過大・受注数非急減の場合(ステップ120にてYESとの判定及びステップ130におけるNOとの判定の場合)には、丸棒素材の未来の仕掛り数が多過ぎることから、式(1)により目標時間(目標加工時間或いは目標検査時間)を算出し、当該算出目標時間と仮リードタイム部との差分だけ、上述した仮リードタイムLT1(
図14(a)参照)の各リードタイム部LT1A~LT1Eの各待ち時間から減算することとした(
図19(a)参照)。これにより、当該減算結果に基づき、未来仕掛り数過大・受注数非急減の場合の目標リードタイムLT11を設定することとした。
【0392】
このように目標リードタイムLT11を設定することにより、当該目標リードタイムLT11の各リードタイム部LT11A~LT11Eの待ち時間T1Aβa~T1Eβeに基づき、切断加工、切削加工、熱処理加工、塗装加工及び検査の各待ち時間が、それぞれ、リードタイム部T1A+H1Aと対応目標時間との差分βa、リードタイム部T1B+H1Bと対応目標時間との差分βb、リードタイム部T1C+H1Cと対応目標時間との差分βc、リードタイム部T1D+H1Dと対応目標時間との差分βd及びリードタイム部T1E+H1Eと対応目標時間との差分βeだけ短縮される。
【0393】
これに伴い、切断加工、切削加工、熱処理加工、塗装加工及び検査にあたり、第1職場20a、第1外注工場SF1、第2外注工場SF2、第3職場20c及び第4職場20dへの丸棒素材の各投入日を、それぞれ、切断加工日、切削加工日、熱処理加工日、塗装加工日及び検査日に近づけ得る。これにより、丸棒素材の第1職場20a、第1外注工場SF1、第2外注工場SF2、第3職場20c及び第4職場20dにおける滞留時間を抑制しつつ、丸棒素材の切断加工、切削加工、熱処理加工、塗装加工及び検査を行うことができる。
【0394】
また、仕掛り数非過大・受注数急減の場合(ステップ120にてNOとの判定及びステップ130におけるYESとの判定の場合)には、丸棒素材の未来の仕掛り数が過大ではないものの、受注数急減であることから、上述のように仮リードタイムLT1から目標リードタイムLT11を設定しただけでは、受注数急減の場合に生じがちな各職場における作業員等の稼働率の低下を抑制できない。
【0395】
このため、上述した仮リードタイムLT1の各リードタイム部の待ち時間に所定緩和時間αを加算することとした(
図20(a)参照)。
【0396】
これにより、仕掛り数非過大・受注数急減の場合の目標リードタイムLT12を仮リードタイムLT1から設定することとした。その結果、目標リードタイムLT12の各リードタイム部LT12A~LT12Eの待ち時間T1Aα、T1Bα、T1Cα、T1Dα及びT1Eαによる待ち時間の延伸でもって、作業員等の稼働率の抑制を確保しつつ、各加工時間H1A、H1B、H1C、H1D、H1Eのもと、切断加工等の加工及び検査を適切に行うことができる。
【0397】
なお、以上説明したように、各リードタイム部が伸びたり縮んだりすることで仕掛りを適正に制御する。適正に制御できるリードタイムを算出して、それを納期から引き算して素材投入日付を決めるため、素材投入日が遅れることはない。
(第2実施形態)
図22は、本発明に係る生産管理システムの第2実施形態の要部を示している。当該第2実施形態においては、上記第1実施形態にて述べた第1外注工場SF1及び第2外注工場SF2に代えて、自社工場20内に配設してなる第5職場20e及び第6職場20fが採用されている。なお、本第2実施形態では、上記第1実施形態にて述べた第1及び第2の外注工場SF1及びSF2並びに他社工場Eは廃止されている。
【0398】
本第2実施形態において、第5職場20eは、第1外注工場SF1と同様に選択素材の切削加工を行う職場である。また、第6職場20fは、第2外注工場SF2と同様に選択素材の熱処理加工を行う職場である。
【0399】
これに伴い、上記第1実施形態にて述べた両端末P9、P10は、
図22にて示すごとく、第5職場20eに配設されるとともに、上記第1実施形態にて述べた両端末P11、P12は、
図22にて示すごとく、第6職場20fに配設されている。
【0400】
また、上記第1実施形態にて述べたフローチャート(
図10参照)において、「第1外注工場」という文言は、「第5職場」という文言に変更されるとともに、「第外注工場」という文言は、「第6職場」という文言に変更されている。その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0401】
このように構成した本第2実施形態においては、上記第1実施形態にて述べた第1外注工場SF1における選択素材、例えば、丸棒素材の切削加工が、第5職場20eにおいて行われるとともに、上記第1実施形態にて述べた第2外注工場SF2における選択素材、例えば、丸棒素材の熱処理加工が、第6職場20eにおいて行われる。
【0402】
このため、本第2実施形態では、上記第1実施形態とは異なり、丸棒素材の切断加工、切削加工、熱処理加工、塗装加工及び検査が、全て、自社工場20内にて行われ得る。従って、本第2実施形態では、生産管理システムが、上記第1実施形態のように外注工場を利用する場合に比べて、生産管理に要する情報を収集し易い。このことは、受注部品の生産管理が、上記第1実施形態に比べて、より行い易いことを意味する。その他の作用効果は、上記第1実施形態と実質的に同様である。
(第3実施形態)
図23は、本発明に係る生産管理システムの第3実施形態の要部を示している。本第3実施形態では、選択素材が丸棒素材である場合について説明する。
図23は、目標リードタイム群LTG(n)を示している。ここで、LTG(n)において、n=0、1、2、3、・・・である。当該目標リードタイム群LTG(n)は、
図23にて示すように、5つの目標リードタイムLTM5n+1、LTM5n+2、LTM5n+3、LTM5n+4及びLTM5n+5でもって構成されている。ここで、目標リードタイム群LTG(n)において、例えば、n=0であるとき、5つの目標リードタイムにおいて、LTM5n+1はLTM1であり、LTM5n+2はLTM2であり、LTM5n+3はLTM3であり、LTM5n+4はLTM4であり、かつ、LTM5n+5はLTM5である。従って、目標リードタイム群LTG(0)は、5つの目標リードタイムLTM1、LTM2、LTM3、LTM4及びLTM5でもって構成される。
【0403】
このように目標リードタイム群LTG(n)を複数のリードタイムで構成した根拠は、次の通りである。上記第1実施形態では、例えば、選択素材が丸棒素材であれば、後続の丸棒素材群の仕掛り作業は、先行の丸棒素材群の全丸棒素材が完成品として製造されるまで、開始されない。これでは、仕掛り作業を完了している職場は、稼働停止のままにあるため、稼働率に欠ける。
【0404】
これに対し、本第3実施形態においては、後続の丸棒素材群の仕掛り作業を、先行の丸棒素材群のリードタイム部(例えば、LT11A(
図19参照))における第1職場20aの仕掛り作業の終了に伴い開始するようにした。これによれば、各職場は、仕掛り作業の完了するごとに再度仕掛り作業を開始することなり、稼働率の改善が期待できる。
【0405】
また、目標リードタイム群LTG(n)を5つのリードタイムで構成したのは、丸棒素材の目標リードタイム部の数が5つであることによる。
【0406】
本第3実施形態では、選択素材が丸棒素材であることから、目標リードタイムLTM5n+1~LTM5n+5は、それぞれ、目標リードタイムLT11、LT12或いはLT13(
図18参照)に相当する。
【0407】
ここで、目標リードタイムLT11は、上記第1実施形態にて述べたごとく、仕掛り数過大かつ受注数非急減の場合の各リードタイム部LT11A~LT11E(
図19(a)参照)でもって構成されている。目標リードタイムLT12は、上記第1実施形態にて述べたごとく、仕掛り数非過大かつ受注数急減の場合の各リードタイム部LT12A~LT12E(
図20(a)参照)でもって構成されている。目標リードタイムLT13は、上記第1実施形態にて述べたごとく、仕掛り数非過大かつ受注数非急減の場合の各リードタイム部LT13A~LT13E(
図21(a)参照)でもって構成されている。なお、
図23は、丸棒素材のための過大・非急減の場合における各リードタイム部の例を示している。
【0408】
また、上記第1実施形態においては、受注部品が丸棒部品である場合に、当該丸棒部品に対応する丸棒素材の6つからなる丸棒素材群ごとにロット番号#LOTi(i=1、2、3、・・、j、・・)を付した。また、丸棒素材群のロット番号の最大値を#LOTmaxとした。なお、完成品である丸棒部品の6つからなる丸棒部品群のロット番号は、丸棒素材群のロット番号と同一である。
【0409】
これに対し、本第3実施形態では、丸棒素材群のロット番号を、#LOT5m+1、#LOT5m+2、#LOT5m+3、#LOT5m+4、#LOT5m+5にて示すこととする。ここで、当該各ロット番号において、mは、m=0、1、2、・・・を示すものとする。従って、例えば、m=0であるとき、当該各ロット番号は、#LOT5m+1=#LOT1であり、#LOT5m+2=#LOT2であり、#LOT5m+3=#LOT3であり、#LOT5m+4=#LOT4であり、また、#LOT5m+5=#LOT5である。なお、#LOT1~#LOT5は、上記第1実施形態にいう各丸棒素材群#LOT1~#LOT5をいう。また、本第3実施形態にいうロット番号における「m」は、目標リードタイム群LTG(n)における「n」に対応する。
【0410】
以上に伴い、本第3実施形態においては、上記第1実施形態にて述べた
図5~
図12の各フローチャートのうち、
図9のフローチャートに代えて、
図24及び
図25のフローチャートを採用し、
図11のフローチャートに代えて、
図26のフローチャートを採用することとした。
【0411】
従って、本第3実施形態においては、上記第1実施形態にて述べたコンピュータ30は、そのCPU31により、上記第1実施形態にて述べたコンピュータプログラムを、
図5~
図8の各フローチャート、
図9のフローチャートに代わる
図24及び
図25のフローチャート、
図10のフローチャート、
図11のフローチャートに代わる
図26のフローチャート、及び
図12のフローチャートに従い、本第3実施形態におけるコンピュータプログラムとして実行することとなる。
【0412】
また、本第3実施形態においては、さらに、
図27~
図30に示す各フローチャートに従う第1~第4の割り込みプログラムを採用することとした。これに伴い、CPU31は、第1~第4の割り込みプログラムを上記本第3実施形態におけるコンピュータプログラムとともに実行する。なお、第1~第4の割り込みプログラムの各割り込みは、互いに異なる割り込みタイミングにて実行される。
【0413】
ここで、本第3実施形態にいうコンピュータプログラムは、目標リードタイムLTM5n+1の処理に対応する。これに伴い、第1~第4の割り込みプログラムは、それぞれ、各目標リードタイムLTM5n+2、LTM5n+3、LTM5n+4及びLTM5n+5の処理に対応する。本第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態の構成と同様である。
【0414】
以上のように構成してなる本第3実施形態において、生産管理システムが、上記第1実施形態と同様に作動状態におかれると、CPU31は、
図5~
図8の各フローチャート、
図25のフローチャート、
図10のフローチャート、
図26のフローチャート及び
図12のフローチャートに従いコンピュータプログラムの実行を開始するとともに、
図27~
図30の各フローチャートに従い第1~第4の割り込みプログラムの実行を開始する。
【0415】
現段階にて、第1割り込みプログラムでは、
図27のステップ200において、ロット番号#LOT5m+1の選択素材に対する第1職場送出データの出力済みか否かが判定される。ここで、現段階において、目標リードタイム群LTG(n)においてn=0であるとき、ロット番号#LOT5m+1においてm=0であるとすると、ロット番号#LOT5m+1の選択素材群(丸棒素材群)は、上記第1実施形態におけるロット番号#LOT1の丸棒素材群に相当することから、
図9のステップ151bにおける第1職場送出データの出力処理において第1職場送出データの出力済みか否かが判定される。ここで、当該第1職場送出データが未出力であれば、ステップ200においてNOと判定される。
【0416】
また、第2割り込みプログラムでは、
図28のステップ300において、ロット番号#LOT5m+2(m=0)の選択素材に対する第1職場送出データの出力済みか否かが判定される。ここで、
図27のステップ241における第1職場済出データの出力処理が未だなされていないことから、
図28のステップ300においてNOと判定される。
【0417】
また、第3割り込みプログラムでは、
図29のステップ400において、ロット番号#LOT5m+3(m=0)の選択素材に対する第1職場送出データの出力済みか否かが判定される。ここで、
図28のステップ341における第1職場済出データの出力処理が未だなされていないことから、
図29のステップ400においてNOと判定される。
【0418】
また、第4割り込みプログラムでは、
図30のステップ500において、ロット番号#LOT5m+4(m=0)の選択素材に対する第1職場送出データの出力済みか否かが判定される。ここで、
図29のステップ441における第1職場済出データの出力処理が未だなされていないことから、
図30のステップ500においてNOと判定される。
【0419】
このような状態において、
図7のステップ132或いは
図8のステップ135cにおいて、上記第1実施形態にて述べたように、正製造指図書データの設定処理がなされると、
図24のステップ144において、ロット番号#LOT5m+5の選択素材に対応する第1職場送出データの出力済みか否かが判定される。現段階では、第4割り込みプログラムの
図30のステップ541における第1職場送出データの出力処理において、第1職場送出データが未出力であることから、ステップ144においてNOと判定される。
【0420】
すると、次のステップ144aにおいて、現段階では、n=0であることから、リードタイム群LTG(n)(
図23参照)がLTG(0)と設定される。これに伴い、ステップ144bにおいて、n=0に基づき、目標リードタイムLTM5n+1は、目標リードタイムLTM1と設定される。ここで、残りの各目標リードタイムLTM5n+2、LTM5n+3、LTM5n+4、LTM5n+5が、それぞれ、LTM2、LTM3、LTM4、LTM5と設定される(
図23参照)。
【0421】
すると、次のステップ144cにおいて、ロット番号#LOT5m+1が、m=0のもと、#LOT1と設定される。
【0422】
然る後、
図25のステップ140において、上記第1実施形態にて述べたと同様に、ロット番号は入力操作済みか否かが判定される。現段階では、ロット番号の入力は未操作であるから、当該ステップ140における判定は、NOとなる。これに伴い、ホームサーバーSaの操作器40によりロット番号を#LOT1と入力操作すると、ステップ140における判定はYESとなる。
【0423】
ついで、ステップ141において、上記第1実施形態にて述べたと同様に、操作器40の操作のもと、正製造指図書データのロット番号、投入日及び完成日の各欄に丸棒素材群にロット番号(#LOT1)、投入日及び完成日が入力される。これに伴い、ステップ142における正製造指図書の印刷処理において、上記第1実施形態にて述べたと同様に、正製造指図書Qが印刷される。
【0424】
然る後、ステップ143において正製造指図書の選択素材への貼り付け済みか否かが判定される。現段階において、当該貼り付け済みでなければ、ステップ143における判定はNOとなる。ここで、印刷済みの正製造指図書Qが、選択素材である丸棒部材に貼り付けられると、当該貼り付けに伴いなされる自社倉庫10における端末P0からの送信のもと、CPU31は、当該送信に対する受信回路R0からの受信出力に基づき、ステップ143においてYESと判定する。
【0425】
ついで、上記第1実施形態にて述べた
図9に基づく処理と同様に、
図25におけるステップ151からステップ150aまでの処理が終了すると、次の
図25のステップ150bにおいて、選択素材の第1職場からの送出か否かが判定される。現段階において、切断加工後のロット番号#LOT1の丸棒素材群の送出が完了していれば、ステップ150bにおける判定はYESとなる。
【0426】
これに伴い、第1職場20aにおける端末P2が、その操作により、切断加工後のロット番号#LOT1の丸棒素材群の送出及びその送出日を表す情報を、第1職場送出データとして、送信回路Pa、ネットワークNを介しコンピュータ30の受信回路R2に送信すると、次のステップ151bにおける第1職場送出データの出力処理において、当該受信回路R2からの第1職場送出データが、CPU31により出力される。このことは、目標リードタイムLT11のリードタイム部LT11Aにおいて、第1職場20aにおけるロット番号#LOT5m+1=#LOT1の丸棒素材群の各丸棒素材の切断加工が完了し、当該完了後丸棒素材群の送出が第1職場送出データとしてなされることを意味する。なお、当該第1職場送出データは、CPU31により、登録装置Sbに出力されて、当該登録装置Sb内の仕掛り実績データテーブル3に登録更新される。
【0427】
然る後は、上記第1実施形態と同様にステップ150cにおけるNOとの判定に伴い、
図10のステップ150d~ステップ152c、
図26のステップ150h~ステップ152hの処理が、上記第1実施形態と同様になされる。これにより、本第3実施形態における目標リードタイムLT11におけるロット番号#LOT1の丸棒素材群の各丸棒素材の完成品(丸棒部品)としての製造及びその納入が完了する。
(第1割り込み処理)
また、上述のように、
図25のステップ151bにおいて第1職場送出データの出力処理がなされると、第1割り込みプログラムにおいて、
図27のステップ200における判定がYESとなる。
【0428】
これに伴い、次のステップ201において、目標リードタイムLTM5n+1→LTM5n+2及びロット番号#LOT5m+1→#LOT5m+2の各処理がなされる。現段階では、n=0に基づき、目標リードタイム群LTG(n)=LTG(0)であることから、目標リードタイムLTM5n+1=LTM1である。従って、目標リードタイムLTM5n+2は、目標リードタイムLTM2と設定される。また、現段階では、m=0に基づき、ロット番号#LOT5m+1=#LOT1であることから、ロット番号#LOT5m+2は、ロット番号#LOT2と設定される。
【0429】
このことは、第1割り込みプログラムにおいては、目標リードタイムLTM2のもとで、ロット番号#LOT2の丸棒素材群の加工及び検査がなされることを意味する。
【0430】
然る後、ステップ210において、ロット番号の入力操作済みか否かが判定される。現段階では、ロット番号#LOT2の入力はなされていないことから、ステップ210における判定はNOとなる。ここで、ホームサーバーSaの操作器40の操作のもと、正製造指図書データのロット番号の欄に#LOT2と入力すると、ステップ210における判定がYESとなる。
【0431】
これに伴い、ステップ211における正製造指図書データにおけるロット番号のセット処理において、当該正製造指図書データのロット番号欄に#LOT2と入力更新される。
【0432】
ついで、ステップ212における正製造指図書の印刷処理において、ロット番号#LOT2と入力済みの正製造指図書の印刷が、上述と同様になされる。然る後、ステップ220において正製造指図書の選択素材への貼り付け済みか否かが判定される。現段階では、ロット番号#LOT2と更新された正製造指図書Qは、ロット番号#LOT2の選択素材群(丸棒素材群)に貼り付けられていない。このため、ステップ220における判定はNOとなる。
【0433】
これに対し、自社倉庫10において、ロット番号#LOT2と更新された正製造指図書Qをロット番号#LOT2の丸棒素材群に貼り付けた後、ロット番号#LOT2と更新済みの正製造指図書Qのロット番号#LOT2の丸棒素材群への貼り付け済み及び貼り付け日を表す貼り付け情報が、貼り付け済みデータとして、端末P0により、その操作のもとに、ネットワークN及び受信回路R0を介しCPU31に送信されると、当該CPU31は、ステップ220において、YESと判定する。
【0434】
ついで、正製造指図書の貼り付け済みのロット番号#LOT2の丸棒素材群が、自社倉庫10から第1職場20aに投入された後、当該第1職場20aにおいて、当該ロット番号#LOT2の丸棒素材群の受領及び受領日を表す受領情報が、第1職場受領データとして、端末P1によりそのタップ操作のもとにネットワークN及び受信回路R1を介しCPU31に送信される。これに伴い、ステップ230において第1職場受領データの受領に伴いYESと判定される。
【0435】
然る後、次のステップ231における第1職場受領データの出力処理において、第1職場受領データが、上述と同様に登録装置Sbに出力されて、仕掛り実績データテーブル3に登録更新される。
【0436】
しかして、第1職場20aにおいて、ロット番号#LOT2の丸棒素材群の各丸棒素材の切断加工の完了に伴い、当該切断加工後丸棒素材群が第1外注工場SF1に送出される。これに伴い、端末P2により、その操作のもとに、切断加工済みのロット番号#LOT2の丸棒素材群の送出及びその送出日を表す送出情報が、第1職場送出データとして、ネットワークN及び受信回路R2を介しCPU31に送信されると、当該CPU31は、ステップ240において、YESと判定する。
【0437】
これに伴い、次のステップ241における第1職場送出データの出力処理において、第1職場送出データが、CPU31により、登録装置Sbに出力されて仕掛り実績データテーブル3に登録更新される。
【0438】
然る後は、ルーチン(或いはステップ)250において、
図25のステップ150、
図10のステップ150d~ステップ152c、
図26のステップ150h~エンドステップ及び
図12のステップ160~ステップ166の処理が上述と同様になされる。
【0439】
このように、目標リードタイムLTM1のリードタイム部LT11Aの経過(ロット番号#LOT2の丸棒素材群の各丸棒素材の切断加工の終了)に伴い、目標リードタイムLTM2のリードタイム部LT11Aの経過(ロット番号#LOT2の丸棒素材群の各丸棒素材の切断加工)が開始されて、目標リードタイムLTM2の経過時にロット番号#LOT2の丸棒素材群の各丸棒素材の完成品(丸棒部品)としての製造が完了する。
【0440】
従って、目標リードタイムLTM1のリードタイム部LT11Aにおけるロット番号#LOT1の丸棒素材群の各丸棒素材の切断加工の完了に継続して、目標リードタイムLTM2のリードタイム部LT11Aにおけるロット番号#LOT2の丸棒素材群の各丸棒素材の切断加工が行われるので、第1職場20aにおける稼働率が向上され得る。また、リードタイム部LT11Aに後続するリードタイム部LT11B以後も同様にして作業可能な状態となる。
(第2割り込み処理)
また、上述のように、
図27のステップ241において、第1職場送出データの出力処理がなされると、第2割り込みプログラムにおいて、
図28のステップ300における判定がYESとなる。
【0441】
これに伴い、次のステップ301において、目標リードタイムLTM5n+2→LTM5n+3及びロット番号#LOT5m+2→#LOT5m+3の各処理がなされる。現段階では、n=0に基づき、目標リードタイム群LTG(n)=LTG(0)であることから、目標リードタイムLTM5n+2=LTM2である。従って、目標リードタイムLTM5n+3=LTM3と設定される。また、現段階では、m=0に基づき、ロット番号#LOT5m+2=#LOT2であることから、ロット番号#LOT5m+3は、ロット番号#LOT3と設定される。
【0442】
このことは、第2割り込みプログラムにおいては、目標リードタイムLTM3のもとで、ロット番号#LOT3の丸棒素材群の加工及び検査がなされることを意味する。
【0443】
然る後、ステップ310において、ロット番号の入力操作済みか否かが判定される。現段階では、ロット番号#LOT3の入力はなされていないことから、ステップ310における判定はNOとなる。ここで、ホームサーバーSaの操作器40の操作のもと、正製造指図書データのロット番号の欄に#LOT3と入力すると、ステップ310における判定がYESとなる。
【0444】
これに伴い、ステップ311における正製造指図書データにおけるロット番号のセット処理において、当該正製造指図書データのロット番号欄に#LOT3と入力更新される。
【0445】
ついで、ステップ312における正製造指図書の印刷処理において、ロット番号#LOT3と入力済みの正製造指図書の印刷が、上述と同様になされる。然る後、ステップ320において正製造指図書の選択素材への貼り付け済みか否かが判定される。現段階では、ロット番号#LOT3と更新された正製造指図書Qは、ロット番号#LOT3の選択素材群(丸棒素材群)に貼り付けられていない。このため、ステップ320における判定はNOとなる。
【0446】
これに対し、自社倉庫10において、ロット番号#LOT3と更新された正製造指図書Qをロット番号#LOT3の丸棒素材群に貼り付けた後、ロット番号#LOT3と更新済みの正製造指図書Qのロット番号#LOT2の丸棒素材群への貼り付け済み及び貼り付け日を表す貼り付け情報が、貼り付け済みデータとして、端末P0により、その操作のもとに、ネットワークN及び受信回路R0を介しCPU31に送信されると、当該CPU31は、ステップ320において、YESと判定する。
【0447】
ついで、正製造指図書の貼り付け済みのロット番号#LOT3の丸棒素材群が、自社倉庫10から第1職場20aに投入された後、当該第1職場20aにおいて、当該ロット番号#LOT3の丸棒素材群の受領及び受領日を表す受領情報が、第1職場受領データとして、端末P1によりそのタップ操作のもとにネットワークN及び受信回路R1を介しCPU31に送信される。これに伴い、ステップ330において第1職場受領データの受領に伴いYESと判定される。
【0448】
これに伴い、次のステップ331における第1職場受領データの出力処理において、第1職場受領データが、上述と同様に登録装置Sbに出力されて、仕掛り実績データテーブル3に登録更新される。
【0449】
然る後、次のステップ340において、選択素材の第1職場からの送出か否かが判定される。現段階では、選択素材である丸棒素材は、第1職場20aから送出されていないことから、当該ステップ340における判定はNOとなる。
【0450】
このようなステップ340におけるNOとの判定後、第1職場20aにおいて、ロット番号#LOT3の丸棒素材群の各丸棒素材の切断加工が完了すると、当該切断加工後丸棒素材群が第1外注工場SF1に送出される。ここで、端末P2により、その操作のもとに、切断加工済みのロット番号#LOT3の丸棒素材群の送出及びその送出日を表す送出情報が、第1職場送出データとして、ネットワークN及び受信回路R2を介しCPU31に送信されると、当該CPU31は、ステップ340において、YESと判定する。
【0451】
これに伴い、次のステップ341における第1職場送出データの出力処理において、第1職場送出データが、登録装置Sbに出力されて仕掛り実績データテーブル3に登録更新される。
【0452】
然る後は、ルーチン(或いはステップ)350において、
図27のルーチン(或いはステップ)250における処理と同様の処理がなされる。
【0453】
このように、目標リードタイムLTM2のリードタイム部LT11Aの経過(ロット番号#LOT2の丸棒素材群の各丸棒素材の切断加工の終了)に伴い、目標リードタイムLTM3のリードタイム部LT11Aの経過(ロット番号#LOT3の丸棒素材群の各丸棒素材の切断加工)が開始されて、目標リードタイムLT3の経過時にロット番号#LOT3の丸棒素材群の各丸棒素材の完成品(丸棒部品)としての製造が完了する。
【0454】
従って、目標リードタイムLTM2のリードタイム部LT11Aにおけるロット番号#LOT2の丸棒素材群の各丸棒素材の切断加工の完了に継続して、目標リードタイムLTM3のリードタイム部LT11Aにおけるロット番号#LOT3の丸棒素材群の各丸棒素材の切断加工が行われるので、第1職場20aにおける稼働率が向上され得る。また、リードタイム部LT11B以後も同様にして作業可能となる。
(第3割り込み処理)
また、上述のように、
図28のステップ341において、第1職場送出データの出力処理がなされると、第3割り込みプログラムにおいて、
図29のステップ400における判定がYESとなる。
【0455】
これに伴い、次のステップ401において、目標リードタイムLTM5n+3→LTM5n+4及びロット番号#LOT5m+3→#LOT5m+4の各処理がなされる。現段階では、n=0に基づき、目標リードタイム群LTG(n)=LTG(0)であることから、目標リードタイムLTM5n+3=LTM3である。従って、目標リードタイムLTM5n+4=LTM4と設定される。また、現段階では、m=0に基づき、ロット番号#LOT5m+3=#LOT3であることから、ロット番号#LOT5m+4は、ロット番号#LOT4と設定される。
【0456】
このことは、第3割り込みプログラムにおいては、目標リードタイムLTM4のもとで、ロット番号#LOT4の丸棒素材群の加工及び検査がなされることを意味する。
【0457】
然る後、ロット番号#LOT4の入力操作に伴い、ステップ410においてYESと判定されると、ステップ411における正製造指図書データにおけるロット番号のセット処理において、当該正製造指図書データのロット番号欄に#LOT4と入力更新される。
【0458】
ついで、ステップ412における正製造指図書の印刷処理において、ロット番号#LOT4と入力済みの正製造指図書の印刷が、上述と同様になされる。然る後、ロット番号#LOT4と更新された正製造指図書Qがロット番号#LOT4の選択素材群(丸棒素材群)に貼り付けられると、ロット番号#LOT4と更新済みの正製造指図書Qのロット番号#LOT4の丸棒素材群への貼り付け済み及び貼り付け日を表す貼り付け情報が、貼り付け済みデータとして、端末P0により、その操作のもとに、ネットワークN及び受信回路R0を介しCPU31に送信される。これに伴い、ステップ420においてYESと判定される。
【0459】
すると、正製造指図書の貼り付け済みのロット番号#LOT4の丸棒素材群が、自社倉庫10から第1職場20aに投入された後、当該第1職場20aにおいて、当該ロット番号#LOT4の丸棒素材群の受領及び受領日を表す受領情報が、第1職場受領データとして、端末P1によりそのタップ操作のもとにネットワークN及び受信回路R1を介しCPU31に送信される。これに伴い、ステップ430において第1職場受領データの受領に伴いYESと判定される。
【0460】
これに伴い、次のステップ431における第1職場受領データの出力処理において、第1職場受領データが、上述と同様に登録装置Sbに出力されて、仕掛り実績データテーブル3に登録更新される。
【0461】
然る後、次のステップ440において、選択素材の第1職場からの送出か否かが判定される。現段階では、選択素材である丸棒素材は、第1職場20aから送出されていないことから、当該ステップ440における判定はNOとなる。
【0462】
このようなステップ440におけるNOとの判定後、第1職場20aにおいて、ロット番号#LOT4の丸棒素材群の各丸棒素材の切断加工が完了すると、当該切断加工後丸棒素材群が第1外注工場SF1に送出される。すると、端末P2により、その操作のもとに、切断加工済みのロット番号#LOT4の丸棒素材群の送出及びその送出日を表す送出情報が、第1職場送出データとして、ネットワークN及び受信回路R2を介しCPU31に送信されると、当該CPU31は、ステップ440において、YESと判定する。
【0463】
これに伴い、次のステップ441における第1職場送出データの出力処理において、第1職場送出データが、CPU31により、登録装置Sbに出力されて、仕掛り実績データテーブル3に登録更新される。
【0464】
然る後は、ルーチン(或いはステップ)450において、
図28のルーチン(或いはステップ)350における処理と同様の処理がなされる。
【0465】
このように、目標リードタイムLTM3のリードタイム部LT11Aの経過(ロット番号#LOT3の丸棒素材群の各丸棒素材の切断加工の終了)に伴い、目標リードタイムLTM4のリードタイム部LT11A(ロット番号#LOT4の丸棒素材群の各丸棒素材の切断加工)が開始されて、目標リードタイムLTM4の経過時にロット番号#LOT4の丸棒素材群の各丸棒素材の完成品(丸棒部品)としての製造が完了する。
【0466】
従って、目標リードタイムLTM3のリードタイム部LT11Aにおけるロット番号#LOT3の丸棒素材群の各丸棒素材の切断加工の完了に継続して、目標リードタイムLTM4のリードタイム部LT11Aにおけるロット番号#LOT4の丸棒素材群の各丸棒素材の切断加工が行われるので、第1職場20aにおける稼働率が向上され得る。なお、リードタイム部LT11B以後も同様にして連続して作業可能な状態になる。
(第4割り込み処理)
また、上述のように、
図29のステップ441において、第1職場送出データの出力処理がなされると、第4割り込みプログラムにおいて、
図30のステップ500における判定がYESとなる。
【0467】
これに伴い、次のステップ501において、目標リードタイムLTM5n+4→LTM5n+5及びロット番号#LOT5m+4→#LOT5m+5の各処理がなされる。現段階では、n=0に基づき、目標リードタイム群LTG(n)=LTG(0)であることから、目標リードタイムLTM5n+4=LTM4である。従って、目標リードタイムLTM5n+5=LTM5と設定される。また、現段階では、m=0に基づき、ロット番号#LOT5m+4=#LOT4であることから、ロット番号#LOT5m+5は、ロット番号#LOT5と設定される。
【0468】
このことは、第4割り込みプログラムにおいては、目標リードタイムLTM5のもとで、ロット番号#LOT5の丸棒素材群の加工及び検査がなされることを意味する。
【0469】
然る後、ロット番号#LOT5の入力操作に伴い、ステップ510においてYESと判定されると、ステップ511における正製造指図書データにおけるロット番号のセット処理において、当該正製造指図書データのロット番号欄に#LOT5と入力更新される。
【0470】
ついで、ステップ512における正製造指図書の印刷処理において、ロット番号#LOT5と入力済みの正製造指図書の印刷が、上述と同様になされる。然る後、ロット番号#LOT5と更新された正製造指図書Qがロット番号#LOT5の選択素材群(丸棒素材群)に貼り付けられると、ロット番号#LOT5と更新済みの正製造指図書Qのロット番号#LOT5の丸棒素材群への貼り付け済み及び貼り付け日を表す貼り付け情報が、貼り付け済みデータとして、端末P0により、その操作のもとに、ネットワークN及び受信回路R0を介しCPU31に送信される。これに伴い、ステップ520においてYESと判定される。
【0471】
すると、正製造指図書の貼り付け済みのロット番号#LOT5の丸棒素材群が、自社倉庫10から第1職場20aに投入された後、当該第1職場20aにおいて、当該ロット番号#LOT5の丸棒素材群の受領及び受領日を表す受領情報が、第1職場受領データとして、端末P1によりそのタップ操作のもとにネットワークN及び受信回路R1を介しCPU31に送信される。これに伴い、ステップ530において第1職場受領データの受領に伴いYESと判定される。
【0472】
これに伴い、次のステップ531における第1職場受領データの出力処理において、第1職場受領データが、上述と同様に登録装置Sbに出力されて、仕掛り実績データテーブル3に登録更新される。
【0473】
然る後、次のステップ540において、選択素材の第1職場からの送出か否かが判定される。現段階では、選択素材である丸棒素材は、第1職場20aから送出されていないことから、当該ステップ540における判定はNOとなる。
【0474】
このようなステップ540におけるNOとの判定後、第1職場20aにおいて、ロット番号#LOT5の丸棒素材群の各丸棒素材の切断加工が完了すると、当該切断加工後丸棒素材群が第1外注工場SF1に送出される。これに伴い、端末P2により、その操作のもとに、切断加工済みのロット番号#LOT5の丸棒素材群の送出及びその送出日を表す送出情報が、第1職場送出データとして、ネットワークN及び受信回路R2を介しCPU31に送信されると、当該CPU31は、ステップ540において、YESと判定する。
【0475】
これに伴い、次のステップ541における第1職場送出データの出力処理において、第1職場送出データが、CPU31により、登録装置Sbに出力されて、仕掛り実績データテーブル3に登録更新される。
【0476】
然る後は、ルーチン(或いはステップ)550において、
図29のルーチン(或いはステップ)450における処理と同様の処理がなされる。
【0477】
このように、目標リードタイムLTM4のリードタイム部LT11Aの経過(ロット番号#LOT4の丸棒素材群の各丸棒素材の切断加工の終了)に伴い、目標リードタイムLT5のリードタイム部LT1A(ロット番号#LOT5の丸棒素材群の各丸棒素材の切断加工)が開始されて、目標リードタイムLTM5の経過時にロット番号#LOT5の丸棒素材群の各丸棒素材の完成品(丸棒部品)としての製造が完了する。
【0478】
従って、目標リードタイムLTM4のリードタイム部LT11Aにおけるロット番号#LOT4の丸棒素材群の各丸棒素材の切断加工の完了に継続して、目標リードタイムLTM5のリードタイム部LT11Aにおけるロット番号#LOT5の丸棒素材群の各丸棒素材の切断加工が行われるので、第1職場20aにおける稼働率が向上され得る。また、リードタイム部LT11B以後も同様にして連続して作業可能な状態になる。
【0479】
以上のようにしてロット番号#LOT1~#LOT5の各丸棒素材群の各丸棒素材が完成品たる丸棒部品として製造された後は、
図30のステップ541において第1職場送出データは上述のごとく出力済みであることから、上述した
図24のステップ144において、YESと判定される。これに伴い、ステップ145において、目標リードタイム群LTG(n)が、n=1のもと、LTG(1)に更新設定される。
【0480】
ついで、ステップ146において、n=1のもとに、目標リードタイムLTM5n+1が、目標リードタイムLTM6と更新設定される。ここで、n=1における残りの各目標リードタイムLTM5n+2、LTM5n+3、LTM5n+4、LTM5n+5が、それぞれ、LTM7、LTM8、LTM9、LTM10に更新設定される。
【0481】
ついで、ステップ147において、m=1のもと、ロット番号#LOT5m+1が、ロット番号#LOT6に更新設定される。なお、残りのロット番号#LOT5m+2~#LOT5m+5が、#LOT7~#LOT10に更新設定される。
【0482】
然る後、
図25のステップ140以後の処理が上述と同様になされる。これに伴い、ロット番号#LOT6~ロット番号#LOT10に亘る各丸棒素材群の各丸棒素材の完成品としての製造がなされる。
【0483】
以上説明したように、本第3実施形態においては、コンピュータプログラムに加えて、当該コンピュータプログラムに対し割り込み処理を行う第1~第4の割り込みプログラムを設けることにより、第1職場20aの端末P4から送出された第1職場送出データを受信回路R4にて受領するごとに、第1~第4の割り込みプログラムによる割り込み処理(
図27~
図30参照)が開始される。これに伴い、ロット番号#LOT1の丸棒素材群に順次後続するロット番号#LOT2以降の各丸棒素材群に対し、上述した#ロット番号1の丸棒素材群に対する処理と同様の処理が行われる。
【0484】
従って、順次後続する各丸棒素材群に対する第1職場20aにおける切断加工が、第1職場20aにおける先行の切断加工の終了ごとに開始される。このことは、後続する丸棒素材群に対する第1職場20aにおける切断加工は、先行する丸棒素材群の第1職場20aにおける切断加工の終了ごとに開始されることを意味する。
【0485】
これに伴い、第1職場20aにおける切断加工は、順次後続する丸棒素材群ごとに、連続的に行われる。このことは、後続する第1外注工場SF1、第2外注工場SF2、第3職場20c及び第4職場20dにおいても同様であることを意味する。その結果、第1職場20a、第1外注工場SF1、第2外注工場SF2、第3職場20c及び第4職場20dにおける作業員の各稼働率が良好に確保され得る。
【0486】
本第3実施形態においては、
図23の目標リードタイム文群LTG(n)の各目標リードタイムが、上述したごとく、丸棒素材のための過大・非急減の場合について説明したが、これに限らず、丸棒素材のための非過大・急減或いは非過大・非急減の場合においても、実質的に同様に処理される。また、丸棒素材に限らず、例えば、板金素材であっても、丸棒素材の場合と実質的に同様の処理がなされる。
【0487】
なお、本発明の実施にあたり、上記各実施形態に限ることなく、次のような種々の変形例が挙げられる。
(1).本発明の実施にあたり、各職場や各外注工場に配設される各一対の端末は、各職場や各外注工場に単一の端末を配設するようにしてもよい。これに伴い、各受信回路も、各単一の端末に対応するように、単一としてもよい。なお、過去に生産した実績がある種類の部品であれば仮リードタイムに既設の仮リードタイムを使用してもよい。また、1つのロットの中に同種部品が複数個生産を指示してもよい。
(2).また、本発明の実施にあたっては、上記第3実施形態において、先行目標リードタイム(例えば、目標リードタイムLTM5n+1)の最初のリードタイム部の処理(第1職場20aに対応)が終了しっとき、後続目標リードタイム(例えば、対応するリードタイム部における処理の終了に伴い後続目標リードタイム(例えば、目標リードタイムLTM5n+2)の最初のリードタイム部の処理(第1職場20aに対応)を開始するようにしたが、これに代えて、先行目標リードタイム(例えば、目標リードタイムLTM5n+1)の最初のリードタイム部以外のリードタイム部の処理の終了に伴い、後続リードタイム(例えば、目標リードタイムLTM5n+2)の最初のリードタイム部の処理(第1職場20aに対応)を開始するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0488】
20…自社工場、20a~20d…第1~第4の職場、
113、115、120、121、123、131b、132…ステップ、
SF1…第1外注工場、SF2…第2外注工場、H1A~H1D…加工時間、
H1E…検査時間、
IPD1~IPD4、IPDSF1、IPDSF2…仕掛り実績データ、
LT1…仮リードタイム、LT1A~LT1E…リードタイム部、
LT11~LT13…目標リードタイム、PBFa…仮製造指図書、
Q…正製造指図書、T1A~T1D…加工待ち時間、T1E…検査待ち時間、
α…所定緩和時間、θ…所定の仕掛り増加数。