(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157675
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】船外機および船舶
(51)【国際特許分類】
B63H 21/38 20060101AFI20241031BHJP
B63H 20/00 20060101ALI20241031BHJP
B63H 20/14 20060101ALI20241031BHJP
B63H 23/04 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
B63H21/38
B63H20/00 610
B63H20/14 100
B63H23/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072162
(22)【出願日】2023-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001911
【氏名又は名称】弁理士法人アルファ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】江渕 潤
(57)【要約】
【課題】伝動機構の温度上昇を抑制する。
【解決手段】船外機は、上下方向に沿って配置される出力軸を有する電動モータと、上下方向に沿った第1のギヤ軸を有し、第1のギヤ軸が電動モータの出力軸に連結される第1のギヤと、上下方向に沿った第2のギヤ軸を有し、第1のギヤと噛み合う第2のギヤとを含み、かつ、ロワーケースよりも高い位置に配置されるギヤ機構と、ギヤ機構とオイルとを収容する収容室を有するケースと、を備える。ケースには、冷媒が流れる冷媒流路が形成されている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船外機であって、
上下方向に沿って配置される出力軸を有する電動モータと、
プロペラと、
前記プロペラが配置されるロワーケースと、
前記上下方向に沿った第1のギヤ軸を有し、前記第1のギヤ軸が前記電動モータの前記出力軸に連結される第1のギヤと、前記上下方向に沿った第2のギヤ軸を有し、前記第1のギヤと噛み合う第2のギヤとを含み、かつ、前記ロワーケースよりも高い位置に配置されるギヤ機構と、
前記ギヤ機構とオイルとを収容する収容室を有するケースと、を備え、
前記ケースには、冷媒が流れる冷媒流路が形成されている、船外機。
【請求項2】
請求項1に記載の船外機であって、
前記ギヤ機構は、前記電動モータの下側に配置されており、
前記冷媒流路は、前記収容室の床面の下を通過するように形成されている、船外機。
【請求項3】
請求項2に記載の船外機であって、
前記収容室の前記床面は、前記第1のギヤが配置される第1の領域の面積と前記第2のギヤが配置される第2の領域の面積とが異なっており、
前記冷媒流路は、前記第1の領域と前記第2の領域とのうち、面積が狭い領域よりも面積が広い領域の下を長く通過するように形成されている、船外機。
【請求項4】
請求項1に記載の船外機であって、
前記冷媒流路は、前記ケースの側壁に沿って形成されている、船外機。
【請求項5】
請求項4に記載の船外機であって、
前記冷媒流路は、前記第2のギヤ軸よりも前記第1のギヤ軸寄りの位置に形成されている、船外機。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の船外機であって、
さらに、外部の水を汲み上げるウォーターポンプと、
前記ウォーターポンプで汲み上げられた水を前記冷媒流路に送る伝達流路と、を備える、船外機。
【請求項7】
請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の船外機であって、
さらに、熱交換器と、
外部の水を汲み上げるウォーターポンプと、
前記ウォーターポンプで汲み上げられた水を前記熱交換器に送る水流経路と、
前記熱交換器と前記冷媒流路とを繋ぎ、前記熱交換器で熱交換された冷却水が流れる連結流路と、を備える、船外機。
【請求項8】
請求項7に記載の船外機であって、
前記連結流路は、前記電動モータの周囲を経由するように配置されている、船外機。
【請求項9】
請求項8に記載の船外機であって、
さらに、前記電動モータを制御するモータコントロールユニットを備え、
前記連結流路は、前記モータコントロールユニットの周囲と前記電動モータの周囲とを、この順番で経由するように配置されている、船外機。
【請求項10】
船体と、
前記船体の後部に取り付けられた請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載の船外機と、
を備える、船舶。
【請求項11】
船外機であって、
駆動源と、
プロペラと、
前記プロペラが配置されるロワーケースと、
前記駆動源と連結され、かつ、前記ロワーケースよりも高い位置に配置される伝動機構と、
前記伝動機構を収容する収容室を有するケースと、を備え、
前記ケースには、冷媒が流れる冷媒流路が形成されている、船外機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される技術は、船外機および船舶に関する。
【背景技術】
【0002】
船舶は、船体と、船体の後部に取り付けられた船外機とを備える。船外機は、船舶を推進させる推力を生み出す装置である。船外機は、駆動源と、プロペラと、プロペラ軸を有し、駆動源の駆動力をプロペラに伝達する伝動機構とを備える。
【0003】
従来、上下方向に沿って配置される出力軸を有する電動モータと、電動モータの出力軸に連結されるギヤ機構と、ギヤ機構とオイルとを収容する収容室を有するケースとを備える船外機が開示されている。ギヤ機構は、上下方向に沿った回転軸を中心に回転し、互いに噛み合う2つのギヤ(以下、「縦軸回転ギヤ」という)を有し、一方の縦軸回転ギヤのギヤ軸は、電動モータの出力軸に連結されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術の船外機では、ギヤ同士の噛み合いによる発熱や電動モータからの放射熱によって、ギヤ機構やオイルの温度が上昇しやすい。しかも、ギヤ機構は、海水面よりも高い位置に配置されるため、冷却されにくい。ギヤ機構が高温になると、例えばオイルによる潤滑効果が低下し、ギヤの耐久性が低下するおそれがある。
【0006】
なお、このような課題は、電動モータに限らず、エンジン等の駆動源の出力軸に連結される伝動機構がケースの収容室に収容された船外機に共通する課題である。
【0007】
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書に開示される技術は、例えば以下の形態として実現することが可能である。
【0009】
(1)本明細書に開示される船外機は、上下方向に沿って配置される出力軸を有する電動モータと、プロペラと、前記プロペラが配置されるロワーケースと、前記上下方向に沿った第1のギヤ軸を有し、前記第1のギヤ軸が前記電動モータの前記出力軸に連結される第1のギヤと、前記上下方向に沿った第2のギヤ軸を有し、前記第1のギヤと噛み合う第2のギヤとを含み、かつ、前記ロワーケースよりも高い位置に配置されるギヤ機構と、前記ギヤ機構とオイルとを収容する収容室を有するケースと、を備える。前記ケースには、冷媒が流れる冷媒流路が形成されている。本船外機によれば、ギヤ機構とオイルとを収容するケースに、冷媒流路が形成されている。このため、例えば冷媒流路が形成されていない構成に比べて、ギヤ機構(オイルを含む)の温度上昇を抑制することができる。
【0010】
(2)上記船外機において、前記ギヤ機構は、前記電動モータの下側に配置されており、前記冷媒流路は、前記収容室の床面の下を通過するように形成されている構成としてもよい。本船外機によれば、冷媒流路が、電動モータとは反対側であって、収容室の床面の下を通過するように形成されている。このため、電動モータからの放射熱に起因して冷媒流路の冷却効果が低下することを抑制しつつ、ギヤ機構の温度上昇を抑制することができる。
【0011】
(3)上記船外機において、前記収容室の前記床面は、前記第1のギヤが配置される第1の領域の面積と前記第2のギヤが配置される第2の領域の面積とが異なっており、前記冷媒流路は、前記第1の領域と前記第2の領域とのうち、面積が狭い領域よりも面積が広い領域の下を長く通過するように形成されている構成としてもよい。本船外機によれば、冷媒流路が、面積が狭い領域の下を長く通過するように形成された構成に比べて、ギヤ機構の温度上昇を効果的に抑制することができる。
【0012】
(4)上記船外機において、前記冷媒流路は、前記ケースの側壁に沿って形成されている構成としてもよい。本船外機によれば、冷媒流路がケースの側壁に沿って形成されており、ギヤ機構を側方から冷却することにより、ギヤ機構の温度上昇を抑制することができる。
【0013】
(5)上記船外機において、前記冷媒流路は、前記第2のギヤ軸よりも前記第1のギヤ軸寄りの位置に形成されている構成としてもよい。本船外機によれば、冷媒流路が電動モータに連結された第2のギヤ軸寄りの位置に形成された構成に比べて、電動モータに連結される第1のギヤを優先的に冷却し、ギヤ機構の温度上昇を抑制することができる。
【0014】
(6)上記船外機において、さらに、外部の水を汲み上げるウォーターポンプと、前記ウォーターポンプで汲み上げられた水を前記冷媒流路に送る伝達流路と、を備える構成としてもよい。本船外機によれば、例えば海水等の外部の水を利用して、ギヤ機構の温度上昇を抑制することができる。
【0015】
(7)上記船外機において、さらに、熱交換器と、外部の水を汲み上げるウォーターポンプと、前記ウォーターポンプで汲み上げられた水を前記熱交換器に送る水流経路と、前記熱交換器と前記冷媒流路とを繋ぎ、前記熱交換器で熱交換された冷却水が流れる連結流路と、を備える構成としてもよい。本船外機によれば、例えば冷却装置を利用して、ギヤ機構の温度上昇を抑制することができる。
【0016】
(8)上記船外機において、前記連結流路は、前記電動モータの周囲を経由するように配置されている構成としてもよい。本船外機によれば、例えば冷却装置を利用して、優先的に電動モータを冷却しつつ、ギヤ機構の温度上昇を抑制することができる。
【0017】
(9)上記船外機において、さらに、前記電動モータを制御するモータコントロールユニットを備え、前記連結流路は、前記モータコントロールユニットの周囲と前記電動モータの周囲とを、この順番で経由するように配置されている構成としてもよい。本船外機によれば、例えば冷却装置を利用して、モータコントロールユニットと電動モータとをこの順番で優先的に冷却しつつ、ギヤ機構の温度上昇を抑制することができる。
【0018】
(10)本明細書に開示される船外機は、駆動源と、プロペラと、前記プロペラが配置されるロワーケースと、前記駆動源と連結され、かつ、前記ロワーケースよりも高い位置に配置される伝動機構と、前記伝動機構を収容する収容室を有するケースと、を備える。前記ケースには、冷媒が流れる冷媒流路が形成されている。本船外機によれば、伝動機構の温度上昇を抑制することができる。
【0019】
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、船外機、船外機と船体とを備える船舶等の形態で実現することができる。
【発明の効果】
【0020】
本明細書に開示される船外機によれば、伝動機構の温度上昇を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】第1実施形態の船舶10の構成を概略的に示す斜視図
【
図2】第1実施形態における船外機100の構成を概略的に示す側面図
【
図3】モータアセンブリ120とギヤボックスアセンブリ300との内部構成を概略的に示す説明図
【
図4】船外機100の冷却機構を概略的に示すブロック図
【
図5】ギヤボックスアセンブリ300における冷媒流路L2の構成を示す上面図
【
図6】第2実施形態における船外機100の冷却機構を概略的に示すブロック図
【
図7】第2実施形態におけるギヤボックスアセンブリ300Aにおける冷媒流路L2の構成を示す上面図
【発明を実施するための形態】
【0022】
A.第1実施形態:
A-1.船舶10の構成:
図1は、本第1実施形態の船舶10の構成を概略的に示す斜視図である。
図1および後述する他の図面には、船舶10の位置を基準とした各方向を表す矢印を示している。各図には、前方(FRONT)、後方(REAR)、左方(LEFT)、右方(RIGHT)、上方(UPPER)および下方(LOWER)のそれぞれを表す矢印を示している。前後方向、左右方向、上下方向(鉛直方向)は、それぞれ互いに直交する方向である。
【0023】
船舶10は、船体200と、船外機100とを備える。本実施形態では、船舶10は、1つの船外機100を有するが、船舶10が複数の船外機100を有していてもよい。
【0024】
(船体200の構成)
船体200は、船舶10において乗員が搭乗する部分である。船体200は、居住空間204を有する船体本体部202と、居住空間204に設置された操縦席240と、操縦席240付近に設置された操縦装置250とを有する。操縦装置250は、操船のための装置であり、例えば、ステアリングホイール252と、シフト・スロットルレバー254と、ジョイスティック255と、モニタ256と、入力装置258とを有する。また、船体200は、居住空間204の後端を区画する仕切壁220と、船体200の後端に位置するトランサム210とを有する。前後方向において、トランサム210と仕切壁220との間には空間206が存在している。
【0025】
(船外機100の構成)
図2は、本実施形態における船外機100の構成を概略的に示す側面図である。以下では、特に断りがない限り、基準姿勢の船外機100について説明する。基準姿勢は、後述する電動モータ122の出力軸123の回転軸Acが上下方向に延伸し、かつ、後述するプロペラ軸137の回転軸線Apが前後方向に延伸する姿勢である。前後方向、左右方向および上下方向のそれぞれは、基準姿勢の船外機100に基づいて定められる。
【0026】
船外機100は、船舶10を推進させる推力を発生する装置である。船外機100は、船体200の後部のトランサム210に取り付けられている。船外機100は、船外機本体110と、懸架装置150とを有する。
【0027】
(船外機本体110の構成)
船外機本体110は、モータアセンブリ120と、伝達機構130と、プロペラ112と、カウル114と、ケーシング116と、ウォーターポンプ140と、ポンプシャフト134とを有する。
【0028】
カウル114は、船外機本体110の上部に配置された収容体である。カウル114は、カウル114の下部を構成する下部カウル114bと、カウル114の上部を構成する上部カウル114aとを有する。上部カウル114aは、下部カウル114bに対して、取り外し可能に取り付けられている。
【0029】
ケーシング116は、カウル114の下方に位置し、船外機本体110の下部に配置された収容体である。ケーシング116は、ロワーケース116bと、アッパーケース116aとを有する。ロワーケース116bは、後述のドライブシャフト133の少なくとも一部およびプロペラ軸137を収容している。ロワーケース116bは、ドライブシャフト133を中心として回動自在となるように、アッパーケース116aと接続されている。アッパーケース116aは、ロワーケース116bの上部に配置され、後述のギヤボックスアセンブリ300を収容している。
【0030】
モータアセンブリ120は、カウル114内に収容されている。モータアセンブリ120は、電動モータ122を有する。電動モータ122は、特許請求の範囲における駆動源の一例である。電動モータ122は、電動モータ122で発生した駆動力を出力する出力軸123を有する。
【0031】
伝達機構130は、電動モータ122の駆動力をプロペラ112に伝達する機構である。伝達機構130の少なくとも一部は、ケーシング116に収容されている。伝達機構130は、ギヤボックスアセンブリ300と、ドライブシャフト133と、プロペラ軸137とを有する。
【0032】
プロペラ軸137は、棒状の部材であり、船外機本体110の比較的下方において、前後方向に延伸する姿勢で配置されている。プロペラ軸137は、プロペラ112とともに回転する。プロペラ軸137の前端部は、ロワーケース116bに収容されており、プロペラ軸137の後端部は、ロワーケース116bから後方に突出している。プロペラ軸137の前端部は、ギヤ138を有している。
【0033】
ギヤボックスアセンブリ300は、電動モータ122の出力軸123とドライブシャフト133とに連結されている。ギヤボックスアセンブリ300は、電動モータ122の駆動力を減速させてプロペラ軸137に伝達する。これにより、電動モータ122を所望のトルクで回転させることができる。ギヤボックスアセンブリ300の構成については後に詳述する。
【0034】
プロペラ112は、複数枚の羽根を有する回転体であり、プロペラ軸137の後端部に取り付けられている。プロペラ112は、回転軸線Apまわりのプロペラ軸137の回転に伴って回転する。プロペラ112は、回転することによって推力を発生する。前述のように、ロワーケース116bが回動自在であるため、プロペラ112は、ロワーケース116bの回動に伴って、ドライブシャフト133を中心として回動する。そのため、船舶10は、ロワーケース116bを回動させることによって操船が行われる。
【0035】
ウォーターポンプ140は、例えば電動モータ122を冷却するための水を船外機100の外部から汲み上げる。ポンプシャフト134は、上下方向に延伸している。ポンプシャフト134は、電動モータ122の駆動力によって駆動し、ウォーターポンプ140に動力を伝達する。ウォーターポンプ140は、ポンプシャフト134によって伝達される電動モータ122の駆動力によって駆動する。
【0036】
(懸架装置150の構成)
懸架装置150は、船外機本体110を船体200に懸架する装置である。懸架装置150は、左右一対のクランプブラケット152と、チルト軸160と、スイベルブラケット156とを含む。
【0037】
左右一対のクランプブラケット152は、船体200の後方に、互いに左右方向に離隔した状態で配置されており、例えばボルトによって船体200のトランサム210に固定されている。各クランプブラケット152は、左右方向に延伸する貫通孔が形成された筒状の支持部152aを有する。
【0038】
チルト軸160は、棒状の部材であり、クランプブラケット152の支持部152aの貫通孔内に回転可能に支持されている。チルト軸160の中心線であるチルト軸線Atは、船外機100のチルト動作における水平方向(左右方向)の軸線を構成する。
【0039】
スイベルブラケット156は、一対のクランプブラケット152に挟まれるように配置されており、チルト軸線Atまわりに回転可能に、チルト軸160を介してクランプブラケット152の支持部152aに支持されている。スイベルブラケット156は、例えば油圧シリンダ等のアクチュエータを含むチルト装置(図示せず)により、クランプブラケット152に対してチルト軸線Atまわりに回転駆動される。
【0040】
スイベルブラケット156がクランプブラケット152に対してチルト軸線Atまわりに回転すると、スイベルブラケット156に支持された船外機本体110もチルト軸線Atまわりに回転する。これにより、船体200に対して船外機本体110を上下方向に回転させるチルト動作が実現される。船外機100のチルト動作により、プロペラ112が水中に位置するチルトダウン状態(船外機100が基準姿勢にある状態)からプロペラ112が水面より上側に位置するチルトアップ状態までの範囲で、船外機本体110のチルト軸線Atまわりの角度を変更することができる。なお、船外機本体110のチルト軸線Atまわりの角度を調整して船舶10の走行時の姿勢を調整するトリム動作も実行することができる。
【0041】
A-2.モータアセンブリ120とギヤボックスアセンブリ300との詳細構成:
図3は、モータアセンブリ120とギヤボックスアセンブリ300との内部構成を概略的に示す説明図である。
図3に示すように、モータアセンブリ120とギヤボックスアセンブリ300とは、互いに別体であり、それぞれ個別のケースに収容された構成である。
【0042】
モータアセンブリ120は、上述した電動モータ122と、電動モータ122を支持するモータケース121とを有している。電動モータ122は、モータケース121内において縦置きで配置されている。縦置きとは、電動モータ122の出力軸123(回転軸Ac)が上下方向に延伸する姿勢で配置された状態である。出力軸123の上端部と下端部とは、それぞれ、モータケース121に固定されたモータベアリング125により回転可能に支持されている。
【0043】
ギヤボックスアセンブリ300は、一次減速ギヤ機構310と、ギヤケース302とを有している。一次減速ギヤ機構310は、特許請求の範囲におけるギヤ機構の一例であり、ギヤケース302は、特許請求の範囲におけるケースの一例である。
【0044】
ギヤケース302は、一次減速ギヤ機構310とオイルSとを収容する収容室R1を有している。ギヤケース302は、アッパーギヤケース302aとロワーギヤケース302bとが上下方向で組み合わされて収容室R1が形成されている。収容室R1は、入力側領域R11と出力側領域R12とを含んでいる。入力側領域R11は、収容室R1のうち、電動モータ122の直下に位置する領域である。出力側領域R12は、収容室R1のうち、入力側領域R11の前方に位置する領域である。また、ギヤケース302は、入力側領域R11から上方に開口する入力貫通孔H1と、入力側領域R11から下方に開口する貫通孔H2と、出力側領域R12から下方に開口する出力貫通孔H3とが形成されている。
【0045】
一次減速ギヤ機構310は、入力ギヤ320と、上側入力ベアリング326と、下側入力ベアリング350と、出力ギヤ330と、上側出力ベアリング336と、下側出力ベアリング337とを有している。入力ギヤ320と上側入力ベアリング326と下側入力ベアリング350とは、ギヤケース302の入力側領域R11に収容されている。出力ギヤ330と上側出力ベアリング336と下側出力ベアリング337とは、ギヤケース302の出力側領域R12に収容されている。
【0046】
入力ギヤ320は、上下方向に沿った入力ギヤ軸324を有し、入力ギヤ軸324の上端部が電動モータ122の出力軸123に連結されている。本実施形態では、入力ギヤ320は、ヘリカルギヤである。入力ギヤ320は、特許請求の範囲における第1のギヤの一例であり、入力ギヤ軸324は、特許請求の範囲における第1のギヤ軸の一例である。具体的には、入力ギヤ320は、入力ギヤ軸324と、その入力ギヤ軸324に固定された入力ギヤ本体322とを有している。入力ギヤ本体322と入力ギヤ軸324とは、互いに別体でもよいし、一体でもよい。入力ギヤ軸324は、上下方向に沿って延伸する姿勢で配置されている。入力ギヤ軸324の上端部には、挿入孔325が形成されている。電動モータ122の出力軸123は、ギヤケース302の上記入力貫通孔H1を介して入力側領域R11内に進出しており、入力ギヤ軸324の挿入孔325に挿入されて固定されている。このため、入力ギヤ320は、上記回転軸Acを中心に出力軸123と一体的に回転する。
【0047】
上側入力ベアリング326は、入力ギヤ本体322の上側に位置し、ギヤケース302(アッパーギヤケース302a)に固定されており、入力ギヤ軸324の上端部を回転可能に支持している。下側入力ベアリング350は、入力ギヤ本体322の下側に位置し、ギヤケース302(ロワーギヤケース302b)に固定されており、入力ギヤ軸324の下端部を回転可能に支持している。なお、ギヤケース302の貫通孔H2は、キャップ303で封止されている。
【0048】
出力ギヤ330は、上下方向に沿った出力ギヤ軸334を有し、入力ギヤ320と噛み合っている。本実施形態では、出力ギヤ330は、ヘリカルギヤである。出力ギヤ330は、特許請求の範囲における第2のギヤの一例であり、出力ギヤ軸334は、特許請求の範囲における第2のギヤ軸の一例である。具体的には、出力ギヤ330は、出力ギヤ軸334と、その出力ギヤ軸334に固定された出力ギヤ本体332とを有している。出力ギヤ本体332と出力ギヤ軸334とは、互いに別体でもよいし、一体でもよい。出力ギヤ軸334は、上下方向に沿って延伸する姿勢で配置されている。出力ギヤ軸334の下端部には、挿入孔345が形成されている。ドライブシャフト133は、ギヤケース302の上記出力貫通孔H3を介して出力側領域R12内に進出しており、出力ギヤ軸334の挿入孔345に挿入されて固定されている。このため、出力ギヤ330は、ドライブシャフト133と一体的に回転する。
【0049】
上側出力ベアリング336は、出力ギヤ本体332の上側に位置し、ギヤケース302(アッパーギヤケース302a)に固定されており、出力ギヤ軸334の上端部を回転可能に支持している。下側出力ベアリング337は、出力ギヤ本体332の下側に位置し、ギヤケース302(ロワーギヤケース302b)に固定されており、出力ギヤ軸334の下端部を回転可能に支持している。
【0050】
以上の構成により、入力ギヤ320は、電動モータ122の出力軸123からの駆動力を受けて回転する。出力ギヤ330は、その入力ギヤ320に連動して回転し、その出力ギヤ330の回転に伴ってドライブシャフト133が回転する。ここで、本実施形態では、入力ギヤ320の歯数は、出力ギヤ330の歯数よりも多い。このため、ドライブシャフト133は、出力軸123の回転速度に対して、出力ギヤ330の歯数に対する入力ギヤ320の歯数の比(減速比)の回転速度で減速して回転する。このように、一次減速ギヤ機構310は、電動モータ122の回転速度を減速しつつ、電動モータ122の駆動力をドライブシャフト133に伝える。
【0051】
A-3.オイルSの油面管理機構:
船外機100は、さらに、防水ケース600を備えており、その防水ケース600は、オイルSの油面管理機構を有している。油面管理機構は、一次減速ギヤ機構310のギヤケース302の収容室R1におけるオイルSの油面を管理するための機構である。
【0052】
具体的には、
図3に示すように、防水ケース600は、後述のMCU(Motor Control Unit)ケース500(
図3では省略)とモータアセンブリ120とギヤボックスアセンブリ300とを収容している。MCUケース500には、電動モータ122の回転を制御するMCU510が収容されている。防水ケース600は、例えばアルミニウム等により形成されている。防水ケース600には、確認用孔612と、連通孔614と、オイル用孔616と、連絡流路618とが形成されている。
【0053】
確認用孔612は、ギヤケース302の収容室R1(収容室R1における所望の油面の高さ)と同じ高さに位置し、防水ケース600の外周面から外部に開口している。連通孔614は、確認用孔612よりも低い位置(防水ケース600の底面側)に形成され、ギヤケース302の下側部分に開口形成された貫通孔H2に連通している。連絡流路618は、防水ケース600の壁(壁の内部)に沿って延び、確認用孔612と連通孔614とを繋ぐ流路である。連絡流路618の最上部位の高さは、確認用孔612の高さ以下である。オイル用孔616は、防水ケース600の外周面に開口し、連絡流路618の途中部分に連通している。
【0054】
連絡流路618は、第1の連絡流路618aと、第2の連絡流路618bと、第3の連絡流路618cと、第4の連絡流路618dとを有している。第1の連絡流路618aは、連通孔614から下方(防水ケース600の底壁)に向かって延びる流路である。第2の連絡流路618bは、第1の連絡流路618aの下端から水平方向に沿って延び、オイル用孔616に繋がっている。第4の連絡流路618dは、確認用孔612から防水ケース600の内周面側に向かい、かつ、水平方向に沿って延びている。第3の連絡流路618cは、上下方向に延び、第4の連絡流路618dと第2の連絡流路618bとを繋いでいる。
【0055】
以上の構成により、例えばギヤオイルチューブ624を用いて、オイルSをオイル用孔616から注入すると、注入されたオイルSは、ギヤケース302の収容室R1内に供給されるとともに、第3の連絡流路618cにも供給される。ギヤケース302の収容室R1におけるオイルSの油面の高さと、第3の連絡流路618c内におけるオイルSの油面とが略一致する。オイルSが確認用孔612から漏れ出ることは、収容室R1内のオイルSの油面が所望(所定)の高さに達したことを意味する。このため、例えば防水ケース600等を取り外す作業を要することなく、収容室R1におけるオイルSの油面の高さを管理することができる。収容室R1内のオイルSの油面の確認後、確認用孔612とオイル用孔616とに、それぞれ封止キャップ620,622をはめ込むことで、オイルSの漏れが抑制される。
【0056】
オイル用孔616は、連絡流路618の最下位置に連通している。このため、例えばオイルSの交換時には、封止キャップ622を外すことにより、収容室R1のオイルSをオイル用孔616から外部に排出することができる。
【0057】
A-4.一次減速ギヤ機構310等の冷却機構:
図4は、船外機100の冷却機構を概略的に示すブロック図である。
図4に示すように、海水Cは、ロワーケース116bに配置された上記ウォーターポンプ140により汲み上げられ、アッパーケース116aの下側部分のMIDセッション700を経由して、熱交換器710に送られる。熱交換器710にて熱交換された海水Cは、伝達流路L1を介して、ギヤボックスアセンブリ300に形成された後述の冷媒流路L2に供給される。冷媒流路L2に供給された海水Cは、一次減速ギヤ機構310の熱を吸収しつつ、排出流路L3を介して外部(海面)に排出される。なお、MIDセッション700を経由する経路が、特許請求の範囲における水流経路の一例である。伝達流路L1は、特許請求の範囲における連絡流路の一例である。
【0058】
一方、冷却水B(クーラント液)は、熱交換器710において海水Cとの熱交換により冷却され、MCUケース500における第1の冷却流路L4に供給される。第1の冷却流路L4に供給された冷却水Bは、MCU510の熱を吸収し、モータアセンブリ120における第2の冷却流路L5に供給される。第2の冷却流路L5に供給された冷却水Bは、電動モータ122の熱を吸収し、熱交換器710に戻される。これにより、MCU510や電動モータ122を冷却することができる。
【0059】
図5は、ギヤボックスアセンブリ300における冷媒流路L2の構成を示す上面図である。
図5では、一次減速ギヤ機構310の一部の構成(入力ギヤ320、出力ギヤ330)が二点鎖線で示されている。冷媒流路L2は、一次減速ギヤ機構310のギヤケース302の収容室R1の床面の下を通過するように形成されている。また、冷媒流路L2は、入力側領域R11よりも出力側領域R12の下を長く通過するように形成されている。出力側領域R12の面積は、入力側領域R11の面積よりも大きい。このため、冷媒流路L2が、入力側領域R11の下を長く通過するように形成された構成に比べて、一次減速ギヤ機構310(オイルS)の温度上昇を効果的に抑制することができる。
【0060】
具体的には、
図5に示すように、ギヤケース302における収容室R1の床壁の下側には、冷媒流路L2が形成されている。冷媒流路L2は、ギヤケース302に穴加工を施して形成されている。ギヤケース302は、例えばアルミニウム等の金属など、比較的に熱伝導率の高い材料により形成されている。冷媒流路L2は、入力側領域R11よりも出力側領域R12の下を長く通過するように形成されている。冷媒流路L2は、導入部分450aと、迂回部分450bと、導出部分450cとを有している。導入部分450aは、上記伝達流路L1に連通する部分であり、ギヤボックスアセンブリ300の外部から入力ギヤ320と出力ギヤ330との間に向かって延びている。導出部分450cは、上記排出流路L3に連通する部分であり、入力ギヤ320および出力ギヤ330に対して、導入部分450aとは反対側に配置されている。導出部分450cもギヤボックスアセンブリ300の外部から入力ギヤ320と出力ギヤ330との間に向かって延びている。迂回部分450bは、導入部分450aと導出部分450cとを繋ぐ部分であり、上下方向視で、出力ギヤ330(出力側領域R12)の外周側を回り込むように配置されている。なお、冷媒流路L2は、例えば金属製等の配管により構成されてもよい。
【0061】
このような構成では、冷媒流路L2が、上下方向において電動モータ122とは反対側であって、収容室R1の床面の下を通過するように形成されている。このため、電動モータ122からの放射熱に起因して冷媒流路L2の冷却効果が低下することを抑制しつつ、一次減速ギヤ機構310の温度上昇を抑制することができる。
【0062】
なお、本明細書において、前後方向に延びる軸線や部材等は、必ずしも前後方向と平行である必要はない。前後方向に延びる軸線や部材とは、前後方向に対して±45°の範囲で傾斜している軸線や部材を含む。同様に、上下方向に延びる軸線や部材とは、上下方向に対して±45°の範囲で傾斜している軸線や部材を含み、左右方向に延びる軸線や部材とは、左右方向に対して±45°の範囲で傾斜している軸線や部材を含む。
【0063】
B.第2実施形態:
図6は、第2実施形態における船外機100の冷却機構を概略的に示すブロック図であり、
図7は、第2実施形態におけるギヤボックスアセンブリ300Aにおける冷媒流路L2の構成を示す上面図である。以下では、第2実施形態の船舶10の構成のうち、上述した第1実施形態の船舶10と同一の構成については、その説明を適宜省略する。
【0064】
上記第1実施形態では、一次減速ギヤ機構310を海水Cによって冷却したが、本第2実施形態では、一次減速ギヤ機構310を冷却水Bによって冷却する。すなわち、
図6に示すように、熱交換器710にて熱交換された海水Cは、ギヤボックスアセンブリ300を経由せずに、排出流路L3Aを介して外部(海面)に排出される。
【0065】
一方、第2の冷却流路L5に供給された冷却水Bは、電動モータ122の熱を吸収し、ギヤボックスアセンブリ300に形成された冷媒流路L2Aに供給される。冷媒流路L2Aに供給された冷却水Bは、一次減速ギヤ機構310の熱を吸収しつつ、熱交換器710に戻される。これにより、MCU510や電動モータ122に加えて、一次減速ギヤ機構310を冷却することができる。
【0066】
図7に示すように、第2実施形態では、冷媒流路L2Aは、ギヤケース302の側面に形成されている。具体的には、ギヤケース302の側壁に沿って冷媒管450Aが設けられている。冷媒管450Aは、例えばアルミニウム等の金属など、比較的に熱伝導率の高い材料により形成されている。冷媒管450Aは、出力ギヤ軸334よりも入力ギヤ軸324寄りの位置に配置されている。このため、電動モータ122に連結され、特に高温になり易い入力ギヤ軸324を、優先的に冷却することができる。
【0067】
冷媒管450Aは、ギヤケース302の側面に沿って延びるように形成されている。冷媒管450Aの導入部分452Aは、ギヤケース302の側面(一次減速ギヤ機構310(入力ギヤ320、出力ギヤ330))に向かって延びている。冷媒管450Aの導出部分452Bは、ギヤケース302の側面に沿って延びている。これにより、冷却水Bを、冷媒管450A内で対流させつつ、一次減速ギヤ機構310の熱を吸収させ、その後、円滑に排出することができる。
【0068】
C.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
【0069】
上記実施形態の船舶10や船外機100の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、ドライブシャフト133が出力軸123よりも前方に配置されているが、ドライブシャフト133が出力軸123よりも後前方に配置されていてもよい。また、上記実施形態では、駆動源として、出力軸123が上下方向に沿って配置された電動モータ122を例示したが、出力軸123が上下方向以外の方向(例えば水平方向)に沿って配置された電動モータでもよいし、エンジン等の内燃機関でもよい。
【0070】
上記実施形態では、伝動機構として、一次減速ギヤ機構310を例示したが、これに限らず、複数次減速ギヤ、他のギヤ機構(変速機構など)、上下方向に沿った回転軸を中心に回転する回転体(プーリやスプロケットなど)を有する巻き掛け伝動機構(ベルト機構やチェーン機構など)や、ドライブシャフトなどの伝動軸でもよい。また、ギヤ機構や伝動機構は、上下方向に沿った回転軸を中心に回転する、少なくとも1つのギヤや回転体を有する構成であればよい。また、入力ギヤ320と出力ギヤ330とは、ヘリカルギヤであったが、これに限らず、スプルーギヤやベベルギヤなどでもよい。
【0071】
上記実施形態では、ケーシング116において、ロワーケース116bが回動自在となるようにアッパーケース116aに接続されているが、必ずしもロワーケース116bが回動自在である必要はない。また、ケーシング116は、アッパーケース116aとロワーケース116bとを有する必要はなく、1つの部材によって構成されていてもよい。
【0072】
上記実施形態では、船外機100は、被駆動機としてウォーターポンプ140を備えているが、ウォーターポンプ140を備えていなくてもよいし、ウォーターポンプ140の替わりに別の被駆動機を備えていてもよい。
【符号の説明】
【0073】
10:船舶 100:船外機 110:船外機本体 112:プロペラ 114:カウル 114a:上部カウル 114b:下部カウル 116:ケーシング 116a:アッパーケース 116b:ロワーケース 120:モータアセンブリ 121:モータケース 122:電動モータ 123:出力軸 125:モータベアリング 130:伝達機構 133:ドライブシャフト 134:ポンプシャフト 137:プロペラ軸 138:ギヤ 140:ウォーターポンプ 150:懸架装置 152:クランプブラケット 152a:支持部 156:スイベルブラケット 160:チルト軸 200:船体 202:船体本体部 204:居住空間 206:空間 210:トランサム 220:仕切壁 240:操縦席 250:操縦装置 252:ステアリングホイール 254:シフト・スロットルレバー 255:ジョイスティック 256:モニタ 258:入力装置 300,300A:ギヤボックスアセンブリ 302:ギヤケース 302a:アッパーギヤケース 302b:ロワーギヤケース 303:キャップ 310:一次減速ギヤ機構 320:入力ギヤ 322:入力ギヤ本体 324:入力ギヤ軸 326:上側入力ベアリング 330:出力ギヤ 332:出力ギヤ本体 334:出力ギヤ軸 336:上側出力ベアリング 337:下側出力ベアリング 350:下側入力ベアリング 450A:冷媒管 500:MCUケース 510:MCU 600:防水ケース 612:確認用孔 614:連通孔 616:オイル用孔 618:連絡流路 618a:第1の連絡流路 618b:第2の連絡流路 618c:第3の連絡流路 618d:第4の連絡流路 620,622:封止キャップ 624:ギヤオイルチューブ 700:MIDセッション 710:熱交換器 B:冷却水 C:海水 H1:入力貫通孔 H2:貫通孔 H3:出力貫通孔 L1:伝達流路 L2,L2A:冷媒流路 L3,L3A:排出流路 L4:第1の冷却流路 L5:第2の冷却流路 R11:入力側領域 R12:出力側領域 R1:収容室 S:オイル