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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157690
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】送風機および端子台
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/10 20060101AFI20241031BHJP
   F04D 29/00 20060101ALI20241031BHJP
   F24F 7/013 20060101ALI20241031BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
F24F7/10 101F
F04D29/00 B
F04D29/00 C
F24F7/013 101J
H05K7/20 X
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072191
(22)【出願日】2023-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【弁理士】
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(74)【代理人】
【識別番号】100116643
【弁理士】
【氏名又は名称】伊達 研郎
(74)【代理人】
【識別番号】100184022
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 美保
(72)【発明者】
【氏名】宮本 和真
【テーマコード(参考)】
3H130
5E322
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB04
3H130AB26
3H130AB45
3H130AC26
3H130BA89H
3H130DD01Z
3H130DF07X
3H130DJ03X
3H130EC07H
5E322BA01
5E322EA01
(57)【要約】
【課題】安全性を向上させた送風機を得る。
【解決手段】送風機200は、吸気口及び排気口が形成された本体と、本体内に設置されたファンと、ファンを駆動するモーターとを有し、吸気口から本体内に流入し排気口から流出する気流を発生させる送風部と、外部電源から供給される電気が流れる絶縁電線21aを複数本まとめた外部電源電線21の絶縁電線21aを挿入することでモーター3と外部電源とを電気的に接続する複数の接続口20aを有する電源接続部20を備え、固定用ねじに対応した第1のねじ穴33が設けられ、本体の外部に設置される端子台11と、外部電源電線21の絶縁電線21aが通る、接続口20aの個数分の切欠き部34と、第1のねじ穴33と連通して固定用ねじ39が挿入される貫通穴32aとが設けられ、端子台11の電源接続部20を覆う保護カバーと、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気口及び排気口が形成された本体と、
前記本体内に設置されたファンと、前記ファンを駆動するモーターとを有し、前記吸気口から前記本体内に流入し前記排気口から流出する気流を発生させる送風部と、
外部電源から供給される電気が流れる絶縁電線を複数本まとめた外部電源電線の前記絶縁電線を挿入することで前記モーターと前記外部電源とを電気的に接続する、複数の接続口を有する電源接続部を備え、固定用ねじに対応した第1のねじ穴が設けられ、前記本体の外部に設置される端子台と、
前記外部電源電線の前記絶縁電線が通る、前記接続口の個数分の切欠き部と、前記第1のねじ穴と連通して前記固定用ねじが挿入される貫通穴とが設けられ、前記端子台の電源接続部を覆う閉じた状態と前記電源接続部を露出させた開いた状態とに開閉できる保護カバーと、
を備えた送風機。
【請求項2】
前記保護カバーは、回転軸をさらに有し、前記回転軸で前記端子台に回転移動可能に保持され開閉できることを特徴とする請求項1に記載の送風機。
【請求項3】
前記保護カバーは前記切欠き部の上部に、前方に突出した接触防止屋根をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の送風機。
【請求項4】
前記保護カバーは、前記切欠き部の、前記保護カバーが前記回転軸で回転移動して閉じる方向の端部が、前記切欠き部の上側より前記端子台の近くになるように構成されたことを特徴とする請求項2に記載の送風機。
【請求項5】
前記端子台と前記保護カバーとの間に前記固定用ねじの頭部が収まるねじ頭部用空間が設けられ、前記第1のねじ穴に前記固定用ねじを挿入し前記保護カバーを閉じた場合に、前記ねじ頭部用空間に前記固定用ねじの頭部が収まることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の送風機。
【請求項6】
前記保護カバーは、前記保護カバーを閉じた状態で試験指を前記切欠き部の開口に挿入した場合に、前記電源接続部に前記試験指が触れない形状であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の送風機。
【請求項7】
前記保護カバーの前記貫通穴は前記固定用ねじに対応する第2のねじ穴であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の送風機。
【請求項8】
外部電源から供給される電気が流れる絶縁電線を複数本まとめた外部電源電線の前記絶縁電線を接続する複数の接続口を有する電源接続部を備え、固定用ねじに対応した第1のねじ穴が設けられた端子台であって、
前記外部電源電線の前記絶縁電線が通る、前記接続口の個数分の切欠き部と、前記第1のねじ穴と連通して前記固定用ねじが挿入される貫通穴とが設けられ、前記端子台の電源接続部を覆う閉じた状態と前記電源接続部を露出させた開いた状態とに開閉できる保護カバーを備えた端子台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、建物の天井、壁面または床面に設置される送風機および外部電源電線を接続する端子台に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の天井、壁面または床面に設置され、モーターの駆動によりファンを回転させることで、気流を発生させる送風機がある。送風機のモーターを駆動させるためには外部電源から電源を供給する必要がある。この種の送風機は、モーターに電力を供給するモーター電線と外部電源から供給される電力が流れる外部電源電線とを接続するための速結端子などの電源接続部を有する端子台を設けている。例えば、特許文献1には、送風機の上面に端子台を固定し、端子台を全体にわたって覆う端子台カバーと、端子台カバーに軸支され接続部を開放する開放位置と接続部を閉塞する閉塞位置との間で回動可能に設けられた端子台キャップとを備えることで端子台への埃や水の侵入を防ぎ安全性を向上させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5053244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
端子台キャップには、端子台の電源接続部に接続される外部電源電線を通すために、開口部を設ける必要がある。外部電源電線は絶縁素材の被覆で覆われた複数の心線をまとめた構造となっている。このため、端子台キャップの開口部は、被覆で覆われた複数の心線をまとめた外部電源電線が十分通すことができる程度には大きく構成されている。しかしながら、端子台キャップの開口部が大きいと開口部から埃等が電源接続部に侵入する可能性があるため、この点について安全性を向上させる余地があった。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、安全性を向上した送風機および端子台を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る送風機は、吸気口及び排気口が形成された本体と、本体内に設置されたファンと、ファンを駆動するモーターとを有し、吸気口から本体内に流入し排気口から流出する気流を発生させる送風部と、外部電源から供給される電気が流れる外部電源電線を挿入することでモーターと電気的に接続する複数の接続口を有する電源接続部を備え、固定用ねじに対応した第1のねじ穴が設けられ、本体の外部に設置される端子台と、外部電源電線の絶縁電線が通る、接続口の個数分の切欠き部と、第1のねじ穴と連通して固定用ねじが挿入される貫通穴とが設けられ、端子台の電源接続部を覆う閉じた状態と電源接続部を露出させた開いた状態とに開閉できる保護カバーと、を備えるものである。
【0007】
また、本開示に係る端子台は、外部電源から供給される電気が流れる絶縁電線を複数本まとめた外部電源電線の絶縁電線を接続する複数の接続口を有する電源接続部を備え、固定用ねじに対応した第1のねじ穴が設けられた端子台であって、外部電源電線の絶縁電線が通る、接続口の個数分の切欠き部と、第1のねじ穴と連通して固定用ねじが挿入される貫通穴とが設けられ、端子台の電源接続部を覆う閉じた状態と電源接続部を露出させた開いた状態とに開閉できる保護カバーを備えるものである。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、保護カバーの外部電源電線の絶縁電線が通る切欠き部を電源接続部の接続口の個数分設けることで、切欠き部を小さく構成でき、安全性を向上させた送風機および端子台を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1を示す送風機を備えたダクト用換気扇の断面図である。
図2】実施の形態1を示す送風機を備えたダクト用換気扇の下面図である。
図3】外部電源電線未接続の状態の端子台の斜視図である。
図4】外部電源電線を接続した状態の端子台の斜視図である。
図5】外部電源電線を接続した状態で保護カバーを開いた端子台の斜視図である。
図6】保護カバーを開いた状態の端子台の正面図である。
図7】試験指の形状を示す図である。
図8】端子台の保護カバーを閉じ、固定用ねじで固定した状態の断面図である。
図9】ねじ頭部用空間に固定用ねじの頭部が収まり保護カバーを閉じた状態の断面図である。
図10】ねじ頭部用空間に固定用ねじの頭部が収まり保護カバーを開いた状態の断面図である。
図11】実施の形態2を示す端子台の保護カバーを閉じた状態の断面図である。
図12】実施の形態2を示す端子台の保護カバーを開いた状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の対象を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一または相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化または省略する。なお、本開示の対象は以下の実施の形態に限定されることなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、実施の形態の任意の構成要素の変形、または実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【0011】
実施の形態では、本開示に係る送風機をダクト用換気扇として用いる例を述べる。
【0012】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1を示す送風機200を備えたダクト用換気扇100の断面図である。図2は、実施の形態1を示す送風機200を備えたダクト用換気扇100の下面図である。本実施の形態の送風機200は、本体2、送風部1、端子台11および保護カバー31から構成される。ダクト用換気扇100は、送風機200を備え、送風機200の動作により室内の空気を吸い込みダクト14を通じて屋外へ吐出する。
【0013】
送風機200の本体2は、箱型に構成され、本体天面28と、本体2の底面の周囲に天井に取り付けるためのフランジ2aとを有し、本体2の側面に本体2の側面から直角方向に延び、気流の吐出口となる排気口10と、本体2の底面に吸気口5とを設けている。本体2の内部には風路を形成するファンケーシング6が配置される。
【0014】
ダクト用換気扇100は、ダクト14に連通する位置まで排気口10を延長するダクト接続口8を有する。ダクト用換気扇100は、天井25に形成された開口を通じて天井裏に配置される。ダクト接続口8は、屋外に通じるダクト14に挿入される。
【0015】
ダクト用換気扇100は、天井25に開けられた本体埋込穴26に埋込み、送風機200の本体2のフランジ2aに設けられたねじ穴27を通じて天井25にねじを打ち込むことで固定される。ダクト用換気扇100は、送風機200のファンケーシング6といった内部部品が見えて見栄えが悪くならないようにするため意匠部品である化粧グリル12を備える。化粧グリル12は、本体取付用のスプリング13を備えており、スプリング13をファンケーシング6に取付けられているスプリング固定部7に引っ掛けることにより固定される。スプリング13はスプリング固定部品15により化粧グリル12に取付けられている。
【0016】
送風部1は、モーター3と、モーター3を固着したモーター取付板22と、モーター3の駆動軸に差込結合され、モーター3の駆動により回転するファン4とから構成されている。モーター取付板22は、板状でモーター3をはめ込む開口を有する。モーター3は、モーター取付板22の開口にはめ込み、周囲をねじ止めすることによりモーター取付板22に固着されている。モーター取付板22は、本体天面28より小さく、本体天面28に本体2の内部からモーター取付板固定ねじ30で固定される。本体天面28は開口部を有する。図1に示すように、モーター取付板22に固着されたモーター3が本体2の開口部を通り、上部に突出するようにモーター取付板22と本体天面28とが固定される。また、モーター取付板22の上部には端子台11が配置される。端子台11もモーター3と同様に、本体天面28にモーター取付板22を固定した場合に、本体天面28の開口部を通り、端子台11が本体2の上部に突出するように形成される。モーター3は、電力を供給するモーター電線23で端子台11と電気的に接続されている。ファン4は、ファンケーシング6の内部に設置される。ファン4は、吸気口5から本体2の中に流入して排気口10から流出する気流を形成する。送風部1は本実施の形態におけるダクト用換気扇100では換気する空気を流通させる換気駆動体として動作する。ダクト用換気扇100の運転時には送風部1のモーター3が駆動しファン4を回転させる。ファン4の回転により吸気口5から空気が流入し、排気口10から空気が吐出する気流が発生する。
【0017】
ファンケーシング6は、円筒状で内部にファン4が位置するようにモーター取付板22にねじにより固定されている。ファンケーシング6は、ファンケーシング6の側面に本体2の排気口10に連通する開口部が設けられている。ファンケーシング6は、ファンケーシング6の底面に本体2の吸気口5に連通する開口部が設けられている。吸気口5からファンケーシング6内に吸い込まれた空気は、送風部1によってファンケーシング6の内壁に沿って排気口10に送られ、ダクト接続口8及びダクト14を介して屋外へ排気される。ファンケーシング6の底面の開口部には、化粧グリル12取付用のスプリング固定部7が形成されている。
【0018】
ダクト接続口8は、ダクト14に連通する位置まで本体2の排気口10を延長する。ダクト接続口8は、径の異なる段状の外形を有している。ダクト接続口8の外形が径の異なる段状であることにより、径が異なるダクト14に接続することが可能であるとともに、テーピングなどの作業性が向上する。ダクト接続口8内には、風圧にて開閉するシャッタ9が設けられている。ダクト用換気扇100の運転時には、送風部1の駆動により、吸気口5から空気が流入し、排気口10から空気が吐出する気流が発生する。排気口10から吐出した空気はダクト接続口8を通過してダクト14に流入する。このとき、排気口10からダクト接続口8に空気が流れることで、風圧が発生する。シャッタ9は風圧でダクト接続口8を空気が通過できるように開き、風圧がない時はシャッタ9の自重でダクト接続口8を閉鎖するように構成されている。ダクト接続口8内にシャッタ9を設けることで、ダクト用換気扇100の停止時に屋外からの外風が室内に侵入するのを防止することができる。
【0019】
ダクト14は、屋外まで延びており建物の屋外外壁に備えたフードなどと連結し、住宅内の空気を換気する換気風路を形成している。ダクト用換気扇100の運転時には、送風部1の駆動により、吸気口5から空気が流入し、排気口10から空気が吐出する気流が発生する。排気口10から吐出した空気はダクト接続口8を通過してダクト14に流入し、屋外に排出される。
【0020】
端子台11は、モーター取付板22に取り付けられ、モーター取付板22を本体天面28に固定した場合に、本体天面28の上部に配置される。端子台11は、系統電源などの外部電源から供給される電気が流れる外部電源電線21の接続を行う、電源接続部20を備える。端子台11は、端子台11の側面からモーター電線23を引き込んでおり、電源接続部20に外部電源電線21を接続することで、モーター電線23と外部電源電線21が電気的に接続され、外部電源電線21から印加された電気がモーター電線23に流れるように構成される。電源接続部20は端子台11の側面に露出している。電源接続部20は、接続口20aと解除ボタン24とを有す。接続口20aに外部電源電線21を挿入することで外部電源電線21からモーター電線23を介してモーター3に電気が流れるように結線することができる。端子台11の側面に露出している電源接続部20を覆うように保護カバー31が配置されている。保護カバー31で電源接続部20を覆うことで、電源接続部20の損傷や埃の侵入を防ぎ、電源接続部20に誤って人が触れるのを防ぐ効果がある。外部電源電線21を通じて供給された電気が電源接続部20を介しモーター電線23からモーター3に流れることで、電気エネルギーがモーター3のシャフトの回転運動に変換される。モーター3が回転運動をファン4に伝えることでファン4が回転し、ファンケーシング6で形成された風路内に空気の流れが形成される。
【0021】
本実施の形態のダクト用換気扇100は、本体2およびダクト接続口8を天井25の本体埋込穴26に残したまま、その他の部品を室内側に取り出すことができる。メンテナンスのために、換気扇100を施工したあとに、モーター3や端子台11などの部品を本体埋込穴26から室内側に取り出す手順を説明する。まず、本体2から化粧グリル12を外す。化粧グリル12は、両端を持ち、引き下げることで、スプリング13が伸び本体2と化粧グリル12とに隙間が生じる。化粧グリル12と本体2との隙間からスプリング13をファンケーシング6のスプリング固定部7から外すことで化粧グリル12をファンケーシング6から取り外すことができる。次に、モーター取付板固定ねじ30を取り外し、モーター取付板22と本体天面28との固定を解除する。これにより、本体埋込穴26から、モーター3、モーター取付板22、ファンケーシング6および端子台11を取り出すことができる。このような形状とすることで、天井面に本体埋込穴26とは異なるメンテナンスのための開口を設けなくとも、モーター3や端子台11などの部品を室内側に取り出しメンテナンスが容易にできる。
【0022】
図3は、外部電源電線21未接続の状態の端子台11の斜視図である。図4は、外部電源電線21を接続した状態の端子台11の斜視図である。図5は、外部電源電線21を接続した状態で保護カバー31を開いた端子台11の斜視図である。図6は、保護カバー31を開いた状態の端子台11の正面図である。図3―6を用いて保護カバー31の詳細を説明する。なお、端子台11の正面は図6に示す、電源接続部20が露出した面とする。また、保護カバー31の正面は、保護カバー31が端子台11の電源接続部20を覆った閉じた状態にあるとき、端子台11の正面から見て前面に位置する面である。
【0023】
実施の形態1の端子台11は、電源接続部20を有し、第1のねじ穴33と固定用ねじ39の頭部が収まるねじ頭部用空間41と保護カバー31の爪35が引っ掛かる凹みである爪引っ掛け部36とが設けられる。電源接続部20は、端子台11の前面に露出している。電源接続部20は、外部電源電線21を接続する複数の接続口20aと、接続口20aの個数分の解除ボタン24とを有する。
【0024】
保護カバー31は、端子台11の電源接続部20が露出した前面部分を覆うことで電源接続部20を保護するものである。保護カバー31は、外部電源電線21の絶縁電線21aが通るための切欠き部34を設け、貫通穴32aと、端子台11が有する爪引っ掛け部36に引っ掛かり保護カバー31を端子台11に固定する爪35と、つまみ38と、保護カバー31を回転移動させる回転軸37と、切欠き部34の上部に突出した接触防止屋根40とを有する。保護カバー31の回転軸37は保護カバー31を正面から見たときの保護カバー31の両側の内側に突出して設けられ、端子台11の両側面に設けられた穴(図示省略)に回転移動可能にはめ込まれる。保護カバー31の切欠き部34はU字状の凹みであり、凹みは接続口20aに挿入される外部電源電線21の絶縁電線21aが通る大きさで設けられる。
【0025】
図4―6に示すように、電源接続部20の接続口20aには、外部電源電線21の絶縁電線21aが挿入される。外部電源電線21は、銅などの電気を通す素材でできた心線21bを塩化ビニルなどの絶縁素材の被覆で覆った絶縁電線21aが、さらに複数本まとめて塩化ビニルなどの絶縁素材の外被に覆われた構造となっている。外部電源電線21の先端の外被を70mm程度剥き、絶縁電線21aを露出させ、さらに絶縁電線21aの先端の被覆を10mm程度剥き、心線21bを露出させ電源接続部20の接続口20aに差し込むことで外部電源電線21と電源接続部20とが接続される。図5図6では外部電源電線21は3心の線であるが、2心や4心の場合もある。また、機種によっては信号線が接続される場合もある。すなわち、電源接続部20の接続口20aの数は機種によって異なり、施工後に電線が接続されない接続口20aもある。外部電源電線21の絶縁電線21aは接続口20aに挿入すると電源接続部20内部にて固定される構造となっている。解除ボタン24を押すことにより、外部電源電線21の絶縁電線21aの固定が解除され、解除ボタン24を押し続けた状態で絶縁電線21aを引き抜くことできる。
【0026】
保護カバー31は、回転軸37を中心とし回転移動することで、電源接続部20を覆う閉じた状態と電源接続部20を露出させた開いた状態とに開閉できる。保護カバー31を開いた状態で、回転軸37によって保護カバー31は端子台11に保持される。保護カバー31の爪35と端子台11の爪引っ掛け部36とが引っ掛かることで閉じた状態に固定できる。爪引っ掛け部36は端子台11の両側に設けられた凹み部分である。爪35は保護カバー31の両側面の内側に突出した突起部分である。保護カバー31を回転移動させ、端子台11に押し込むと、保護カバー31の両側に設けられた爪35が端子台11の両側に設けられた爪引っ掛け部36にそれぞれ嵌り、保護カバー31が閉じた状態に固定される。また、保護カバー31は、つまみ38をつまんで引っ張ることで、爪35が爪引っ掛け部36から外れ、回転軸37を軸にして回転移動することで開くことができる。保護カバー31が開閉するとき、保護カバー31が押し込まれたり引っ張られたりした際に、保護カバー31がわずかに変形することで、爪35が爪引っ掛け部36に嵌ったり外れたりする。よって、保護カバー31はプラスチックや金属などの弾性を有する材料で形成される。
【0027】
切欠き部34は、接続口20aの個数分、保護カバー31の正面にU字状に形成された凹みである。なお、切欠き部34の形状はV字状やコ字状でもよい。切欠き部34は、保護カバー31を開いた状態から閉じるときの回転移動する方向(図6における下方向)が開口となっている。これにより、図4に示すように、外部電源電線21の複数の絶縁電線21aをそれぞれ、複数の接続口20aに挿入した状態で、絶縁電線21aがそれぞれ切欠き部34を通ることで保護カバー31を閉じることができる。また、保護カバー31を開くとき、切欠き部34を通る絶縁電線21aは保護カバー31に接触しないため、外部電源電線21を電源接続部20に接続したまま保護カバー31を開くことができる。
【0028】
図3-6に図示するように、切欠き部34は電源接続部20が有する接続口20aの数だけ設けられるため、切欠き部34ひとつは外部電源電線21の絶縁電線21aの1本が通る大きさであればよい。ここでは一例として、外部電源電線21としてVVFケーブル(Vinyl insulated Vinyl Sheathed Flat-type cable)と称されるビニル絶縁ビニルシース平形ケーブルを用いる。VVFケーブルは、直径1.6mmから2.0mmの1本の銅線で心線21bが構成される。心線21bの周りを塩化ビニルなどの絶縁素材の被覆で覆った絶縁電線21aを2本または3本まとめて、さらに絶縁素材の外被で覆っている。電源接続部20の接続口20aに外部電源電線21であるVVFケーブルを挿入するときは、先端の外被を70mm程度剥き、絶縁電線21aを露出させ、さらに絶縁電線21aの先端の被覆を10mm程度剥き、心線21bを露出させる。心線21bが露出した部分を接続口20aに挿入することで外部電源電線21と電源接続部20とが接続される。外部電源電線21を電源接続部20に接続した状態で保護カバー31を閉じたとき、切欠き部34を通る外部電源電線21の絶縁電線21aは外被が剥かれ被覆で覆われた状態の絶縁電線21aとなる。VVFケーブルにおいて、絶縁素材である被覆の厚みは1mm程度であるため、心線21bの直径と合わせて被覆をした状態の絶縁電線21aの断面は直径4mm以下となる。したがって、切欠き部34は直径4mmの円が通る大きさで設けられる。なお、電源接続部20の接続口20aに送風機200を制御する信号線を接続する場合、信号線として用いられるケーブルはVVFケーブルより細いものが一般的である。そのため、切欠き部34はVVFケーブルの被覆をした状態の絶縁電線21aが通る直径4mmの円が通る大きさであれば信号線を通すことができる。したがって、保護カバー31は、切欠き部34を接続口20aの個数分設けることで、切欠き部34ひとつ分は直径4mmの円が通る大きさ以上とすればよく、開口部分を小さくすることができる。これにより、保護カバー31を閉じた状態で埃や使用者の体が入りづらくなり、安全性が向上する効果がある。
【0029】
また、切欠き部34は、人間の指が挿入しても電源接続部20に触れないように構成することで安全性が向上する。人間の指の大きさは、日本の電気用品安全法の別表第四1(2)ハに規定された試験指とする。図7は、試験指50の形状を示す図である。試験指50は直径12mmの円筒状に構成され、先端の20mmほどは先端に近づくにつれ細くなっている。保護カバー31および切欠き部34は、保護カバー31を閉じた状態で切欠き部34に試験指50を挿入した場合に、試験指50の先端が電源接続部20に触れない形状とする。つまり、切欠き部34は、試験指50の最も太い部分の直径12mmが入らない大きさとする。さらに、保護カバー31を閉じた状態で試験指50の先端の20mmほどの直径12mmより細くなっている部分を切欠き部34に挿入しようとした場合に、試験指50の先端が電源接続部20に触れないように、保護カバー31と端子台11との距離が20mmより近い場合は、切欠き部34は直径12mmの円が通る大きさよりさらに小さく形成される。保護カバー31を閉じた状態での保護カバー31と端子台11との距離が小さいほど、切欠き部34に挿入できる試験指50の先端を短くするため、切欠き部34の大きさは、小さく形成される。これにより、保護カバー31を閉じた状態では、切欠き部34の開口に指を挿入しても、電源接続部20に触れることがなく安全性が向上する効果がある。
【0030】
また、保護カバー31は貫通穴32aを設ける。保護カバー31の貫通穴32aは、保護カバー31を閉じたとき、端子台11に設けられた第1のねじ穴33と連通する。保護カバー31を閉じた状態で、固定用ねじ39を貫通穴32aを通して第1のねじ穴33に締め付けることで保護カバー31を端子台11に固定することができる。固定用ねじ39を使用して、保護カバー31を端子台11に固定したときは、保護カバー31を開くためには固定用ねじ39を回す工具が必要となる。そのため、使用者が意図せず保護カバー31が開いて、使用者が電源接続部20に誤って触れることを防ぐことができる。
【0031】
図8は、端子台11の保護カバー31を閉じ、固定用ねじで固定した状態の断面図である。保護カバー31は、切欠き部34の上部に接触防止屋根40を有する。図8に示すように、接触防止屋根40は保護カバー31の前方に突出して設けられる。図4に示すように、接触防止屋根40は切欠き部34から出ている外部電源電線21の、保護カバー31を正面から見たときの上方と側方を覆うようにU字状となっている。そのため、外部電源電線21を接続した状態で保護カバー31を閉じると、接触防止屋根40が外部電源電線21の切欠き部34から出ている近辺を覆うこととなる。外部電源電線21は接続口20aに接続する際、先端の外被を剥き、絶縁電線21aを露出させ、さらに絶縁電線21aの先端の被覆を剥き、心線21bがむき出しになる。被覆を剥きすぎてしまった場合、心線21bを接続口20aに挿入して保護カバー31を閉じた状態で被覆を剥いた心線21bが切欠き部34の外側まで露出してしまうことがある。接触防止屋根40を設けることによって、使用者が心線21bに触れることを防ぐことができる。
【0032】
図8に示すように、保護カバー31は、保護カバー31を正面から見たとき切欠き部34の左右に位置する部分が、保護カバー31が回転移動して閉じる方向の端部42にむかって、切欠き部34の上側より端子台11の近くになるように構成される。つまり、保護カバー31における切欠き部34の両側に位置する部分は図8において下方向になるにつれ、端子台11の方向に傾くように構成される。外部電源電線21は複数の絶縁電線21aがまとめて外被で覆われた構造をしている。外部電源電線21を電源接続部20の接続口20aに差し込むため、外部電源電線21の先端の外被を剥き絶縁電線21aを露出させるが、外部電源電線21の保護のため、外被を剥くのは70mm程度である。図5に示すように、外被で覆われた複数の絶縁電線21aからなる外部電源電線21の先端の外被を剥いてそれぞれの絶縁電線21aを接続口20aに挿入した状態で、保護カバー31を開閉する場合、切欠き部34の開口の両側に外部電源電線21の外被が接触し、開閉がしづらくなることがある。図8に示すように、切欠き部34の両側に位置する部分を、保護カバー31が回転移動して閉じる方向の端部にむかって、切欠き部34の開口の上側より端子台11の近くに構成することで、保護カバー31を開閉したときに、切欠き部34の両側が外部電源電線21の外被に接触しづらくなる。したがって、外部電源電線21の絶縁電線21aを接続口20aに接続した状態で保護カバー31の開閉がしやすくなり、作業性が向上する。なお、図8では、保護カバー31における切欠き部34の両側に位置する部分は下方向になるにつれ、端子台11の方向に傾くように構成されるが、保護カバー31における切欠き部34の両側に位置する部分が曲がることで端部42が切欠き部34の上部より端子台11に近くなるように構成してもよい。
【0033】
図9は、ねじ頭部用空間41に固定用ねじ39の頭部が収まり保護カバー31を閉じた状態の断面図である。図10は、ねじ頭部用空間41に固定用ねじ39の頭部が収まり保護カバー31を開いた状態の断面図である。端子台11は第1のねじ穴33に固定用ねじ39を締め付けたとき、固定用ねじ39の頭部が収まるように、ねじ頭部用空間41を設ける。図9に示すように、端子台11の第1のねじ穴33に固定用ねじ39が締め付けられた状態で、ねじ頭部用空間41に固定用ねじ39の頭部が収まり、保護カバー31を爪35と爪引っ掛け部36とで端子台11に固定することができる。図10に示すように、端子台11の第1のねじ穴33に固定用ねじ39が締め付けられた状態で、保護カバー31を開くことができる。製品施工前は、固定用ねじ39を端子台11の第1のねじ穴33に固定することで、送風機200の導通試験や電源接続部20に外部電源電線21を接続するときなど電源接続部20にアクセスする必要があるとき、工具を使用せず、容易に保護カバー31を開くことができ作業性を損ねない。また、固定用ねじ39を第1のねじ穴33に固定して製品を出荷することで固定用ねじ39の紛失を防ぐことができる。
【0034】
以上に説明したように、本実施の形態に係る送風機200は、吸気口及び排気口が形成された本体2と、本体2内に設置されたファン4と、ファン4を駆動するモーター3とを有し、吸気口5から本体2内に流入し排気口10から流出する気流を発生させる送風部1と、外部電源から供給される電気が流れる絶縁電線21aを複数本まとめた外部電源電線21の絶縁電線21aを挿入することでモーター3と外部電源とを電気的に接続する複数の接続口20aを有する電源接続部20を備え、固定用ねじ39に対応した第1のねじ穴33が設けられ、本体2の外部に設置される端子台11と、外部電源電線21の絶縁電線21aが通る、接続口20aの個数分の切欠き部34と、第1のねじ穴33と連通して固定用ねじ39が挿入される貫通穴32aとが設けられ、端子台11の電源接続部20を覆う閉じた状態と電源接続部20を露出させた開いた状態とに開閉できる保護カバー31と、を備えるものである。
【0035】
このように、保護カバー31は切欠き部34を接続口20aの個数分設けることで、1つの切欠き部34は外部電源電線21の絶縁電線21aが1本通る程度の大きさとすることができ、開口部分を小さくすることができる。よって、保護カバー31を閉じた状態で埃や使用者の体が入りづらくなり、安全性が向上する効果がある。また、貫通穴32aと第1のねじ穴33とを連通させて固定用ねじ39を締めることで、保護カバー31を端子台11に固定でき、使用者が意図せず保護カバー31が開いて、使用者が電源接続部20に誤って触れることを防ぐことができる。
【0036】
また、保護カバー31は、回転軸37をさらに有し、回転軸37で端子台11に回転移動可能に保持され開閉できる。これにより、保護カバー31を開いた状態で回転軸37によって保護カバー31が保持され、作業性が向上する効果がある。
【0037】
また、保護カバー31は切欠き部34の上部に、前方に突出した接触防止屋根40を備える。これにより、外部電源電線21の絶縁電線21aの被覆を剥きすぎ、保護カバー31を閉じた状態で心線21bが露出している部分が切欠き部34の外側まであった場合に、接触防止屋根40によって、使用者が心線21bに触れることを防ぐことができる。
【0038】
また、保護カバー31は、切欠き部34の、保護カバー31が回転軸37で回転移動して閉じる方向の端部42が、切欠き部34の上側より端子台11の近くになるように構成される。つまり、切欠き部34の両側は下に向かうにつれ、端子台11の方向に傾くように構成される。これにより、切欠き部34の開口の両側が外部電源電線21の外被に接触しないようになり、外部電源電線21を接続口20aに接続した状態で保護カバー31の開閉がしやすくなり、作業性が向上する。
【0039】
また、端子台11と保護カバー31との間に固定用ねじ39の頭部が収まるねじ頭部用空間41が設けられ、第1のねじ穴33に固定用ねじ39を挿入し保護カバー31を閉じた場合に、ねじ頭部用空間41に固定用ねじ39の頭部が収まる。これにより、製品施工前は、固定用ねじ39を端子台11の第1のねじ穴33に固定することで、送風機200の導通試験や電源接続部20に外部電源電線21を接続するときなど電源接続部20にアクセスする必要があるとき、工具を使用せず、容易に保護カバー31を開くことができ作業性を損ねない。また、固定用ねじ39を第1のねじ穴33に固定して製品を出荷することで固定用ねじ39の紛失を防ぐことができる。
【0040】
また、保護カバー31は、保護カバー31を閉じた状態で試験指50を切欠き部34の開口に挿入した場合に、電源接続部20に試験指50が触れない形状である。これにより、保護カバー31を閉じた状態では、切欠き部34の開口に指を挿入しても、電源接続部20に触れることがなく安全性が向上する効果がある。
【0041】
本実施の形態に係る端子台11は、外部電源から供給される電気が流れる絶縁電線21aを複数本まとめた外部電源電線21の絶縁電線21aを接続する複数の接続口20aを有する電源接続部20を備え、固定用ねじ39に対応した第1のねじ穴33が設けられた端子台11であって、外部電源電線21の絶縁電線21aが通る、接続口20aの個数分の切欠き部34と、第1のねじ穴33と連通して固定用ねじ39が挿入される貫通穴32aとが設けられ、端子台11の電源接続部20を覆う閉じた状態と電源接続部20を露出させた開いた状態とに開閉できる保護カバー31を備えるものである。このように、保護カバー31は切欠き部34を接続口20aの個数分設けることで、1つの切欠き部34は外部電源電線21の絶縁電線21aが1本通る程度の大きさとすることができ、保護カバー31を閉じた状態で使用者の指が入ることがなく、使用者が電源接続部20に誤って触れることを防ぐことができる。また、貫通穴32aと第1のねじ穴33とを連通させて固定用ねじ39を締めることで、保護カバー31を端子台11に固定でき、使用者が意図せず保護カバー31が開いて、使用者が電源接続部20に誤って触れることを防ぐことができる。
【0042】
なお、図3-6では保護カバー31の回転軸37は保護カバー31を正面から見たときの保護カバー31の両側に設けられたが、保護カバー31の上部に設けてもよい。回転軸37を設けることにより、保護カバー31を開いた状態で回転軸37によって保護カバー31が保持され、作業性が向上する効果がある。
【0043】
なお、保護カバー31は回転軸37を設けず、保護カバー31が複数の爪35を有し、端子台が複数の爪引っ掛け部36を有し、複数の爪35と爪引っ掛け部36とがそれぞれ引っ掛かり固定されるよう構成してもよい。
【0044】
本実施の形態でのファンケーシング6はモーター取付板22にねじにより固定されており、モーター取付板22を取り外すとき、モーター取付板22と一体に取り外し可能である。なお、ファンケーシング6を本体天面28にねじで固定してもよい。この場合、メンテナンスのときなど、モーター3または端子台11を本体埋込穴26から取り出すには、ファンケーシング6と、モーター取付板22とを別々に取り外す。まず、化粧グリル12を外す。次に、本体天面28とファンケーシング6とを固定するねじを外し、ファンケーシング6を取り外す。次に、モーター取付板固定ねじ30を取り外し、モーター取付板22と本体天面28との固定を解除する。これにより、本体埋込穴26から、モーター3、モーター取付板22および端子台11を取り出すことができる。
【0045】
実施の形態2.
次に、実施の形態2について説明する。なお、本実施の形態のうち、上述した実施の形態と同様の部分の説明は省略する。
【0046】
図11は、実施の形態2を示す送風機200の端子台11の保護カバー31を閉じた状態の断面図である。図12は、実施の形態2を示す送風機の端子台11の保護カバー31を開いた状態の断面図である。実施の形態2に係る送風機200の端子台11の保護カバー31は、貫通穴32aではなく、固定用ねじ39に対応した第2のねじ穴32bを設けた。固定用ねじ39で固定された保護カバー31を開ける場合には、固定用ねじ39を第1のねじ穴33および第2のねじ穴32bから外して取り出すのではなく、図11に示すように端子台11の第1のねじ穴33から外れる程度に固定用ねじ39を緩める。これにより、図12に示すように保護カバー31の第2のねじ穴32bに固定用ねじ39を保持した状態で保護カバー31の開閉が可能である。したがって、メンテナンス作業などで保護カバー31を開くとき、固定用ねじ39を保護カバー31の第2のねじ穴32bで保持しておくことができるため、固定用ねじ39の紛失を防ぐ効果がある。
【0047】
以上に説明したように、本実施の形態に係る送風機200は、保護カバー31の貫通穴32aは固定用ねじ39に対応する第2のねじ穴32bである。これにより、メンテナンス作業などで保護カバー31を開くとき、固定用ねじ39を保護カバー31の第2のねじ穴32bで保持しておくことができるため、固定用ねじ39の紛失を防ぐ効果がある。
【0048】
以上、各実施の形態は、天井面に取り付けるダクト用換気扇であったが、本開示はこれに限定されるものではない。本開示は、壁面や床面に取り付ける換気扇にも適用することができる。さらに、本開示は、送風機を利用した他の機器、例えばサーキュレータや空気調和機にも適用することができる。
【0049】
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
【0050】
以下に、本開示に含まれ得る態様の例について、付記として明記する。
(付記1)
吸気口及び排気口が形成された本体と、
前記本体内に設置されたファンと、前記ファンを駆動するモーターとを有し、前記吸気口から前記本体内に流入し前記排気口から流出する気流を発生させる送風部と、
外部電源から供給される電気が流れる絶縁電線を複数本まとめた外部電源電線の前記絶縁電線を挿入することで前記モーターと前記外部電源とを電気的に接続する複数の接続口を有する電源接続部を備え、固定用ねじに対応した第1のねじ穴が設けられ、前記本体の外部に設置される端子台と、
前記外部電源電線の前記絶縁電線が通る、前記接続口の個数分の切欠き部と、前記第1のねじ穴と連通して前記固定用ねじが挿入される貫通穴とが設けられ、前記端子台の電源接続部を覆う保護カバーと、
を備えた送風機。
(付記2)
前記保護カバーは、回転軸をさらに有し、前記回転軸で前記端子台に回転移動可能に保持され開閉できることを特徴とする付記1に記載の送風機。
(付記3)
前記保護カバーは前記切欠き部の上部に、前方に突出した接触防止屋根をさらに備えることを特徴とする付記1または付記2に記載の送風機。
(付記4)
前記保護カバーは、前記切欠き部の、前記保護カバーが前記回転軸で回転移動して閉じる方向の端部が、前記切欠き部の上側より前記端子台の近くになるように構成されたことを特徴とする付記2または付記2に従属する付記3に記載の送風機。
(付記5)
前記端子台と前記保護カバーとの間に前記固定用ねじの頭部が収まるねじ頭部用空間が設けられ、前記第1のねじ穴に前記固定用ねじを挿入し前記保護カバーを閉じた場合に、前記ねじ頭部用空間に前記固定用ねじの頭部が収まることを特徴とする付記1から付記4のいずれか1項に記載の送風機。
(付記6)
前記切欠き部は、前記保護カバーを閉じた状態で試験指を挿入したとき、前記電源接続部に触れない幅および高さであることを特徴とする付記1から付記5のいずれか1項に記載の送風機。
(付記7)
前記保護カバーの前記貫通穴は前記固定用ねじに対応する第2のねじ穴であることを特徴とする付記1から付記6のいずれか1項に記載の送風機。
(付記8)
外部電源から供給される電気が流れる絶縁電線を複数本まとめた外部電源電線の前記絶縁電線を接続する複数の接続口を有する電源接続部を備え、固定用ねじに対応した第1のねじ穴が設けられた端子台であって、
前記外部電源電線の前記絶縁電線が通る、前記接続口の個数分の切欠き部と、前記第1のねじ穴と連通して前記固定用ねじが挿入される貫通穴とが設けられ、前記端子台の電源接続部を覆う閉じた状態と前記電源接続部を露出させた開いた状態とに開閉できる保護カバーを備えた端子台。
【符号の説明】
【0051】
1 送風部、2 本体、2a フランジ、3 モーター、4 ファン、5 吸気口、6 ファンケーシング、7 スプリング固定部、8 ダクト接続口、9 シャッタ、10 排気口、11 端子台、12 化粧グリル、13 スプリング、14 ダクト、15 スプリング固定部品、20 電源接続部、20a 接続口、21 外部電源電線、21a 絶縁電線、21b 心線、22 モーター取付板、23 モーター電線、24 解除ボタン、25 天井、26 本体埋込穴、27 ねじ穴、28 本体天面、30 モーター取付板固定ねじ、31 保護カバー、32a 貫通穴、32b 第2のねじ穴、33 第1のねじ穴、34 切欠き部、35 爪、36 爪引っ掛け部、37 回転軸、38 つまみ、39 固定用ねじ、40 接触防止屋根、41 ねじ頭部用空間、42 端部、50 試験指、100 ダクト用換気扇、200 送風機。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12