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特開2024-157711情報提示システム、情報提示方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157711
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】情報提示システム、情報提示方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241031BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072231
(22)【出願日】2023-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】515203631
【氏名又は名称】ユニファ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104776
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100119194
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 明夫
(72)【発明者】
【氏名】西川 具亨
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】保育施設の職員や撮影カメラマン等の撮影者の負担を軽減させた上で、園児間の撮影枚数や販売枚数のバラツキを解消するための情報を提示するシステムを提供する。
【解決手段】撮影された画像を記憶部16に順次取得する画像取得部12と、取得されたそれぞれの画像に含まれている被写体としての個人を識別する個人識別部13と、画像取得部12により取得された画像を集計対象として、個人識別部13の識別結果に基づいて、被写体ごとの画像数を集計する集計部14と、集計部14が集計した集計情報をまとめて提示する情報提示部15と、を備える情報提示システム1Aとした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者によって撮影された画像を記憶部に順次取得する画像取得部と、
取得されたそれぞれの画像に含まれている被写体としての個人を識別する個人識別部と、
前記画像取得部により取得された画像を集計対象として、前記個人識別部の識別結果に基づいて、前記被写体ごとの画像数を集計する集計部と、
前記集計部が集計した集計情報をまとめて提示する情報提示部と、
を備えることを特徴とする情報提示システム。
【請求項2】
前記画像取得部により取得された前記画像のうち、販売及び/又は外部への共有に適さない可能性が高いとコンピュータが判断した画像を前記集計対象から自動的に予め除外しておく事前選定部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の情報提示システム。
【請求項3】
利用者の入力により前記個人識別部の識別結果を修正する識別修正部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の情報提示システム。
【請求項4】
前記画像取得部により取得された前記画像のうち、販売及び/又は外部への共有に適さない可能性が高いとコンピュータが判断した画像を前記集計対象から自動的に予め除外しておく事前選定部と、
利用者の入力により前記個人識別部の識別結果を修正する識別修正部と、
をさらに備えることを特徴する請求項1に記載の情報提示システム。
【請求項5】
前記画像取得部は、撮影された画像を撮影に応じて自動的に順次取得するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の情報提示システム。
【請求項6】
前記画像取得部は、撮影された画像を利用者の入力操作により順次取得するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の情報提示システム。
【請求項7】
前記画像数は、それぞれの画像の状態に応じて重み付けして集計されていることを特徴とする請求項1に記載の情報提示システム。
【請求項8】
前記集計情報は、被写体ごとの、所定の目標の達成のために不足する不足画像数を含むことを特徴とする請求項1に記載の情報提示システム。
【請求項9】
前記集計部は、所定の期間又は所定の場面で撮影された画像を前記集計対象として集計することを特徴とする請求項1に記載の情報提示システム。
【請求項10】
前記画像取得部が、複数の利用者によって撮影された複数の画像を前記記憶部に順次取得し、
前記個人識別部が、それぞれの画像に含まれている被写体としての個人を識別し、
前記集計部が、前記個人識別部の識別結果に基づいて、複数の利用者によって撮影された複数の画像について、前記被写体ごとの画像数を集計し、
前記情報提示部が、前記集計部が集計した複数の利用者の複数の画像を合計して集計情報をまとめて提示するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の情報提示システム。
【請求項11】
利用者によって撮影された画像を、コンピュータが自動的に又は手動で記憶部に順次取得するステップと、
取得されたそれぞれの画像に含まれている被写体としての個人をコンピュータが識別するステップと、
取得された画像を集計対象として、識別結果に基づいて、コンピュータが前記被写体ごとの画像数を集計するステップと、
コンピュータが集計した集計情報をまとめて提示するステップと、
を含むことを特徴とする情報提示方法。
【請求項12】
コンピュータを、
利用者によって撮影された画像を記憶部に順次取得する画像取得部と、
取得されたそれぞれの画像に含まれている被写体としての個人をコンピュータが識別する個人識別部と、
前記画像取得部により取得された画像を集計対象として、前記個人識別部の識別結果に基づいて、前記被写体ごとの画像数を集計する集計部と、
前記集計部が集計した集計情報をまとめて提示する情報提示部と、
を備える情報提示システムとして機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提示システム、情報提示方法及びプログラムに関し、特に画像の集計と集計情報の提示に係る情報提示システム、情報提示方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、幼稚園や保育園等の保育施設や、小学校や中学校等の教育施設、さらには、それらに加え、病院等の医療施設や老人ホーム等介護施設等、家族構成員のうちの一部の人を預かる施設等においては、施設利用者の画像を日常的にまたはイベント時に撮影して保護者や家族に提供・販売することが行われている。
【0003】
このうち、特に保育施設においては、近年はICT(Information and Communication Technology)化を進める施設が増えており、このような保育施設では職員や撮影カメラマンが撮影した画像をパソコンやスマートフォンを介してICTシステムにアップロードするようになっているものもある。そして、ICTシステムのアプリ等を介して、画像が保護者に提供され、保護者は子供の画像を閲覧・購入するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-71553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、例えば園児ごとの画像の撮影枚数や販売枚数にバラツキがある場合、枚数が少ない園児の保護者からの苦情や潜在的な不満につながる可能性がある。また、平等性や公平性の観点からも、園児間の撮影枚数のバラツキをなるべく少なくすべきという価値観が保育の現場において根付いている場合もある。このため、園児間の撮影枚数のバラツキの有無を、保育施設の職員や撮影カメラマンが目視で確認する作業が発生し、大きな負担となっていた。また、このような人手に頼った作業であるとミスが生じる場合もあり、問題となっていた。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、保育施設の職員や撮影カメラマン等の撮影者の負担を軽減させた上で、園児間の撮影枚数や販売枚数のバラツキを解消するための情報を提示するシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を達成するために、本発明は、利用者によって撮影された画像を記憶部に順次取得する画像取得部と、取得されたそれぞれの画像に含まれている被写体としての個人を識別する個人識別部と、前記画像取得部により取得された画像を集計対象として、前記個人識別部の識別結果に基づいて、前記被写体ごとの画像数を集計する集計部と、前記集計部が集計した集計情報をまとめて提示する情報提示部と、を備える情報提示システムとしたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上記記載の構成に加えて、前記画像取得部により取得された前記画像のうち、販売及び/又は外部への共有に適さない可能性が高いとコンピュータが判断した画像を前記集計対象から自動的に予め除外しておく事前選定部をさらに備える情報提示システムとしたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記記載の構成に加えて、利用者の入力により前記個人識別部の識別結果を修正する識別修正部をさらに備える情報提示システムとしたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記記載の構成に加えて、前記画像取得部により取得された前記画像のうち、販売及び/又は外部への共有に適さない可能性が高いとコンピュータが判断した画像を前記集計対象から自動的に予め除外しておく事前選定部と、利用者の入力により前記個人識別部の識別結果を修正する識別修正部と、をさらに備える情報提示システムとしたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記記載の構成に加えて、前記画像取得部は、撮影された画像を撮影に応じて自動的に順次取得するように構成されている情報提示システムとしたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記記載の構成に加えて、前記画像取得部は、撮影された画像を利用者の入力操作により順次取得するように構成されている情報提示システムとしたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記記載の構成に加えて、前記画像数は、それぞれの画像の状態に応じて重み付けして集計されていることを特徴とする請求項1に記載の情報提示システム。
【0014】
また、本発明は、上記記載の構成に加えて、前記集計情報は、被写体ごとの、所定の目標の達成のために不足する不足画像数を含む情報提示システムとしたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、上記記載の構成に加えて、前記集計部は、所定の期間又は所定の場面で撮影された画像を前記集計対象として集計する情報提示システムとしたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、上記記載の構成に加えて、前記画像取得部が、複数の利用者によって撮影された複数の画像を前記記憶部に順次取得し、前記個人識別部が、それぞれの画像に含まれている被写体としての個人を識別し、前記集計部が、前記個人識別部の識別結果に基づいて、複数の利用者によって撮影された複数の画像について、前記被写体ごとの画像数を集計し、前記情報提示部が、前記集計部が集計した複数の利用者の複数の画像を合計して集計情報をまとめて提示するように構成されている情報提示システムとしたことを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、利用者によって撮影された画像を、コンピュータが自動的に又は手動で記憶部に順次取得するステップと、取得されたそれぞれの画像に含まれている被写体としての個人をコンピュータが識別するステップと、取得された画像を集計対象として、識別結果に基づいて、コンピュータが前記被写体ごとの画像数を集計するステップと、コンピュータが集計した集計情報をまとめて提示するステップと、を含む情報提示方法としたことを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、コンピュータを、利用者によって撮影された画像を記憶部に順次取得する画像取得部と、取得されたそれぞれの画像に含まれている被写体としての個人をコンピュータが識別する個人識別部と、前記画像取得部により取得された画像を集計対象として、前記個人識別部の識別結果に基づいて、前記被写体ごとの画像数を集計する集計部と、前記集計部が集計した集計情報をまとめて提示する情報提示部と、を備える情報提示システムとして機能させるプログラムとしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、集計、提示された集計情報に基づいて、撮影者が被写体としての個人間の画像数の違いを把握することができ、その後の撮影で当該情報を基に撮影数を是正していくことができる。
【0020】
また、本発明によれば、販売及び/又は外部への共有に適さない可能性が高いと判断される画像を予め除外して集計することができ、販売及び/又は外部への共有に適した(必要とされる、または、外部に出して問題が生じる可能性が低い)画像の画像数の違いを把握することができる。
【0021】
また、本発明によれば、利用者の入力により個人識別部の識別結果を修正することができるようになっており、コンピュータだけでなく、人の目で確認して個人を識別することが可能となっている。
【0022】
また、本発明によれば、販売及び/又は外部への共有に適さない可能性が高いと判断される画像を予め除外して集計することができ、販売及び/又は外部への共有に適した(必要とされる、または、外部に出して問題が生じる可能性が低い)画像の画像数の違いを把握することと、利用者の入力により個人識別部の識別結果を修正することができ、コンピュータだけでなく、人の目で確認して個人を識別することの、双方が可能となっており、より確実に画像数を集計することができるようになっている。
【0023】
また、本発明によれば、撮影された画像を撮影に応じて自動的に順次、画像取得部で取得するようになっているため、画像を随時所得して識別集計していくことができ、リアルタイムで集計情報を提示することができる。
【0024】
また、本発明によれば、撮影された画像を利用者の入力操作により順次、画像取得部で取得するようになっているため、まとめて画像を取得、識別、集計することで、利用者の好きな時に識別、集計、情報提示を行うことができる。
【0025】
また、本発明によれば、画像数がそれぞれの画像の状態に応じて重み付けして集計されるため、単純な画像の数ではなく、必要とされる画像数を平準化したり必要数確保したりすることができる。
【0026】
また、本発明によれば、集計情報は、被写体ごとの、所定の目標の達成のために不足する不足画像数を含むようになっているため、撮影者にあと必要な画像の数を把握しやすくさせることができる。
【0027】
また、本発明によれば、集計部が所定の期間又は所定の場面で撮影された画像を集計対象として集計することができるため、イベントごとや季節ごと等の適宜の区切りで画像数を集計して集計情報を提示することができる。
【0028】
また、本発明によれば、複数の利用者が撮影した画像をまとめて、識別、集計、集計情報の提示を行うことができるため、自分だけでなく他の人が撮影した画像も踏まえて、被写体ごとの画像数を提示することができる。その結果、全体としての被写体ごとの画像数を把握した上で、次の撮影に臨むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る情報提示システムのネットワーク構成図及び機能ブロック図である。
図2】同実施の形態に係る情報提示システムの動作のフローチャートである。
図3図2のステップS11において画像取得部が取得する画像の一例を示す説明図である。
図4図2のステップS12において記憶部に記憶されるデータテーブルの一例を示す図である。
図5図2のステップS12の処理の詳細を示すフローチャートである。
図6】集計部が作成し、利用者に提示されるデータの一例を示す図である。
図7】本発明の第2の実施の形態に係る情報提示システムのネットワーク構成図及び機能ブロック図である。
図8】同実施の形態に係る情報提示システムの動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
[基本構成]
図1は第1の実施の形態に係る情報提示システム1Aについて説明するためのネットワーク構成図及び機能ブロック図である。なお、以下の記載では、機能ブロックの説明と共に、本実施の形態の個々の機能の説明も行う。
【0031】
情報提示システム1Aは、クライアント・サーバシステムを構成するサーバ装置である。情報提示システム1Aと、1又は複数のユーザ端末21,22,・・・2j(j≧1)とは、ネットワーク3によって通信可能に接続されている。ユーザ端末21,22,・・・2jは、1又は複数名の利用者41,42,・・・4h(h≧1)が所持又は使用する。
【0032】
情報提示システム1Aは、保育園や幼稚園等の保育施設に対してICTシステムを提供する人や法人等が所持、管理、運用等を行うコンピュータ装置、コンピュータシステム等である。情報提示システム1Aは、サーバコンピュータとしての機能を備え、ネットワーク3を介してユーザ端末21,22,・・・2jと通信可能な構成である。情報提示システム1Aは、例えば、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、タブレット、スマートフォン等、演算機能やデータ処理機能や通信機能を有する一又は複数のコンピュータ装置や通信装置によって構成される。ユーザ端末21,22,・・・2jは、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン等、データ処理機能や通信機能を有する通信装置である。情報提示システム1Aは、クラウドシステムのような、ネットワーク3によって接続された不特定のコンピュータ装置や通信端末の集合体として構成されていてもよい。また、情報提示システム1Aは、ユーザ端末21,22,・・・2jのうちの一部又は全部と一体として構成されたピアツーピアシステムや、ネットワーク3に接続されないスタンドアロンのコンピュータ装置であってもよい。
【0033】
なお、以下の記載では、説明の簡単のため、特に区別の必要がある場合を除き、ユーザ端末21,22,・・・2jのうちの任意の1つであるユーザ端末2について説明するものとし、ユーザ端末2を利用する利用者を利用者4と記載する。
【0034】
[情報提示システム1Aの構成]
情報提示システム1Aは、機能手段として、画像取得部12、個人識別部13、集計部14、情報提示部15、及び記憶部16を備える。なお、画像取得部12、個人識別部13、集計部14、及び情報提示部15は、情報提示システム1Aの制御部11(演算処理装置)の一機能として実現することができる。具体的には、情報提示システム1Aの制御部11は、CPU(図示せず)におけるプログラムの演算処理等によって、画像取得部12、個人識別部13、集計部14、及び情報提示部15の一部又は全部の機能を実現できる。画像取得部12、個人識別部13、集計部14、及び情報提示部15の詳細については後述する。
【0035】
記憶部16は、情報提示システム1Aを実現するためのプログラムや、後述のように利用者4がアップロードした画像、画像と紐づけられた各種情報、集計結果、撮影枚数関連情報が記録される記憶媒体である。記憶部16、は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、またはこれらの組み合わせで構成されてもよい。
【0036】
[情報提示システム1Aの動作]
図2は、本実施の形態に係る情報提示システム1Aの動作について説明するためのフローチャートである。
【0037】
本フローチャートの開始の状態においては、利用者4がユーザ端末2を操作することで画像を情報提示システム1Aにアップロードする。具体的には、ユーザ端末2は、その入力部(図示せず)への利用者4からのアップロードを指示する入力に応じて、その記憶部(図示せず)に記憶されている画像を情報提示システム1Aに送信する。なお、ここでアップロードされる画像は、ユーザ端末2(例えばスマートフォン)の撮像部(図示せず)で撮影して、ユーザ端末2の記憶部に記憶されている画像でもよいし、外部の撮影装置(例えばデジタルカメラ等の撮影装置)で撮影されて、その撮影装置からユーザ端末2(例えばパーソナルコンピュータ)に取り込まれて、ユーザ端末2の記憶部に記憶されている画像でもよい。また、撮影装置自体に送信機能を有していて、撮影装置から直接、情報提示システム1Aに画像を送信するようになっていても良い。なお、既に過去にアップロードした画像が記憶部16に記憶されていてもよいし、記憶部16には画像が記憶されていなくともよい。
【0038】
ステップS11において、画像取得部12は、利用者4がユーザ端末2を操作してアップロードした画像をネットワーク3を介して取得する。画像取得部12は、取得した画像を撮影日時情報またはアップロード日時情報の少なくとも一方と紐づけて記憶部16に記憶する。さらに、撮影場所(緯度情報や経度情報等も含む)、撮影者、撮影シーン等の任意の情報を紐づけてもよい。ここで、撮影日時及び撮影場所の情報は、撮影装置で撮影を行った時に画像と紐づいて保存される情報である。また、撮影者及び撮影シーンの情報は、同様に撮影時に紐づいて保存されていてもよいし、利用者4がユーザ端末2を操作して手動で設定してもよい。図3は本ステップにおいて画像取得部12が取得する画像の一例を示す。ここでは、3人の園児(A,B,C)のいずれかが写っている9枚(P1,P2,・・・P9)の画像が取得されている。以下では図3の例に基づいて説明する。
【0039】
ステップS12において、個人識別部13は、ステップS11で取得した画像のそれぞれに写っている園児を識別し、各画像と識別結果とを紐づけたデータテーブルを記憶部16に記憶する。ここで、園児の識別は深層学習等の一般的な顔認識技術を用いるものである。個人識別部13は、顔認識を行うための深層学習モデルを備えることで識別を行ってもよい。あるいは、情報提示システム1Aの外部が提供する顔認識サービスに画像を出力して、顔認識の結果を受け取ってもよい。
【0040】
図3に示す例では、画像P1,P2,P4,P7,P8に園児A、画像P3,P6,P8に園児B、画像P5,P8,P9に園児Cが写っており、各画像に該当する園児の情報が紐づけられる。図4は、本ステップにおいて記憶部16に記憶されるデータテーブルの一例を示す。図4に示すデータテーブルは、各画像について、画像と、その画像の撮影日時と、その画像に写っている園児と、を示す情報を格納している。
【0041】
ステップS14において、集計部14は集計処理を行う。図5は、本ステップにおける集計処理の詳細を示すフローチャートである。図5に示されるフローチャートは、ステップS14のサブルーチンに相当する。
【0042】
ステップS141において、集計部14は、集計対象条件及び撮影目標枚数の情報を記憶部16から読み込む。集計対象条件の情報は、利用者4がユーザ端末2を操作することで設定するものである。具体的には、ユーザ端末2は、その入力部(図示せず)に利用者4が入力した集計対象条件の情報を情報提示システム1Aに送信する。集計部14は、ユーザ端末2から受信した集計対象条件の情報を記憶部16に記憶する。集計対象条件の情報としては、例えば下記(a1)~(a5)に例示するような条件が挙げられる。
・(a1)撮影日時またはアップロード日時が所定期間内(1週間以内、1カ月以内等)
・(a2)撮影日時またはアップロード日時が所定日時以降(4月1日以降等)
・(a3)指定された撮影場面(運動会、お遊戯会等のイベントや食事中、昼寝中等のシーン)
・(a4)指定された撮影場所(園庭、公園等)
・(a5)指定された撮影者、撮影機器等(プロのカメラマンや固定カメラ等)
【0043】
例えば(a1)の場合、集計部14は、データテーブルに基づいて、画像と紐づけられた撮影日時またはアップロード日時が集計対象条件の情報が示す所定期間内に含まれると判断した場合、その画像を集計対象とする。
【0044】
あるいは、集計対象条件の情報は情報提示システム1Aにおいてデフォルトで設定されている条件でもよい。また、記憶部16に記憶されている利用者4の画像すべてを集計対象としてもよい。また、撮影目標枚数の情報も利用者4がユーザ端末2を操作することで設定するものであり、利用者4が定めた集計対象の条件内において園児ごとの撮影目標枚数である。なお、撮影目標枚数はすべての園児が同一でもよいし、例えば年齢ごとに異なっていてもよい。また、撮影目標枚数は設定されなくてもよい。
【0045】
ステップS142において、集計部14は、ステップS141で読み込まれた条件に基づいてデータテーブルから必要なデータを読み込む。
【0046】
ステップS143において、集計部14は、ステップS142で読み込まれたデータテーブルに基づいて集計を行う。本ステップにおいて、画像P8のように複数の園児が写っている画像については次の(b1)~(b5)に例示するような集計を行う。
・(b1)写っている園児全員について1枚としてカウントする。
・(b2)写っている園児の人数の逆数分(P8では1/3)枚として各園児についてカウントする。
・(b3)最も大きく映っているまたは最も鮮明に写っている園児のみ1枚としてカウントし、その他の園児についてはカウントしない。
・(b4)写っている園児の写真に占める面積割合が所定値以上である、あるいは園児の鮮明度が所定値以上である等、所定の条件を満たす園児についてのみ、1枚あるいは条件を満たす園児の人数の逆数分枚としてカウントする。
・(b5)含まれている園児の写真に占める面積や鮮明度等に応じて重みづけをしてカウントする(すなわち、面積が大きくなるに従って重みを大きくする、あるいは鮮明度が大きくなるに従って重みを大きくする)。
【0047】
なお、(b2)、(b4)、(b5)を適用する場合には、算出される画像数が整数でない場合がある。この場合には、算出されるそれぞれの値を四捨五入、切り上げ、または切り下げ等して整数値として扱えるように処理してもよい。
【0048】
また、画像数は単純に園児の写っている写真の枚数でカウントしても良いが、上記したように面積や鮮明度、大きさ、表情等で重み付けを行って、これを加味する場合には、それを足した結果、7枚未満でも画像数7以上にカウントされることや、8枚以上でも画像数7未満にカウントされる場合がある。また、目標枚数が整数でない場合があっても良い。
【0049】
ステップS144において、集計部14は利用者4に提示するためのデータを作成する。図6は、集計部14が作成し、利用者4に提示されるデータの一例である。図6に示すように、作成されるデータには園児ごとの画像数及び目標の達成のために不足する不足画像数を含む。目標の達成のために不足する不足画像数とは、各園児間におけるバラツキをなくすために追加で必要となる画像数と撮影目標枚数を達成するために追加で必要となる画像数との少なくとも一方を含む。各園児間におけるバラツキをなくすという目標は本開示における「複数の被写体間の画像数の平準化」に相当し、不足画像数は最も画像数が多い園児との差である。図6に示す例では、最も画像数が多い園児Aの画像数が5枚であり、園児Bと園児Cの画像数はそれぞれ3枚であるため、バラツキをなくすために追加で必要となる画像数はそれぞれ2枚となる。
【0050】
撮影目標枚数は本開示における「被写体ごとに設定された目標画像数」に相当し、不足画像数はステップS141で読み込んだ撮影目標枚数を達成するために不足している画像数である。図6に示す例では、撮影目標枚数が一人当たり7枚であり、園児A、B、Cの画像数がそれぞれ5枚、3枚、3枚であるため、目標達成のために追加で必要となる画像数はそれぞれ2枚、4枚、4枚となる。
【0051】
ステップS144の後、集計部14は本サブルーチンの処理を終了し、図2に示される処理に戻る。
【0052】
ステップS15において、情報提示部15は、ステップS14で作成したデータをネットワーク3を介してユーザ端末2に送信する。これにより、ユーザ端末2は、その表示部(図示せず)に、情報提示部15から受信したデータを表示する。例えば、ユーザ端末2は、図6に示すような園児ごとの画像数及び今後追加で必要な画像数を表示する。
【0053】
図2に示すフローチャートは、利用者4が画像をアップロードすることで情報提示システム1Aにおいて自動で行われる処理であり、処理が完了し次第S15において送信した情報がユーザ端末2に表示される。あるいは、利用者4がネットワーク3上の情報提示用のページにアクセスすることで情報が表示されるようにしてもよい。
【0054】
[第1の実施の形態の変形例]
以下、本実施の形態の変形例について説明する。
[変形例1]
第1の実施の形態においては、個人識別部13が深層学習によって画像に写っている園児を識別した。しかし、出力される識別結果が必ずしも正しいとは限らない。また、例えばお遊戯会における被り物のために顔を認識することはできないが、保育士や親が見れば園児を特定できる場合もある。このような状況に対応するため、情報提示システム1Aは識別情報を修正するための識別修正部(図示せず)を備えてもよい。具体的には、利用者4に画像数の情報を提示する(ステップS15)とともに、識別修正部は各画像の個人識別結果も提示する。そして、ユーザ端末2は、利用者4からの個人識別結果の修正を受け付ける。利用者4がユーザ端末2の入力部に修正を入力した場合には、ユーザ端末2は入力された修正内容を示す情報を情報提示システム1Aに送信する。情報提示システム1Aの集計部14は、ユーザ端末2から受信した情報が示す修正内容でデータテーブルを更新し、更新されたデータテーブルに基づいて再度集計を行う。そして、情報提示部15は更新された集計結果に基づいて、利用者4に園児ごとの画像数及び今後追加で必要な画像数を提示する。
【0055】
[変形例2]
第1の実施の形態においては、利用者4がユーザ端末2を操作してアップロード作業を実施することで情報提示を行うシステムとして説明した。しかし、本発明は利用者4が明示的な操作を行うことを必ずしも必要としない。すなわち、撮影機能を有するユーザ端末2によって撮影を行う度にリアルタイムで情報提示システム1Aに画像をアップロードし、園児ごとの撮影枚数をリアルタイムで利用者4に提示するようにしてもよい。具体的には、撮影機能を有するユーザ端末2によって撮影を行う毎に、画像取得部12は撮影された画像を自動的に順次取得する。個人識別部13は、取得された画像に写っている園児を識別し、順次データテーブルを更新して記憶部16に記憶する。これにより、記憶部16に記憶されているデータテーブルにおいては、過去に取得された画像のみならず新たに取得された画像についても識別結果が紐づけられて記憶される。集計部14は、過去に取得された画像と新たに取得された画像とを集計対象として集計する。そして、情報提示部15は、集計部14による集計が行われる毎に集計情報を提示する。これにより、イベントの最中に園児ごとの撮影枚数をリアルタイムで確認し、その結果に応じて以降の撮影対象を選ぶことが可能となり、短期間のイベント中における園児間のバラツキをなくすことも可能となる。あるいは、園児の写真を毎日保護者に提供する保育施設においても、本変形例によって毎日の園児間のバラツキをなくすことが可能となる。
【0056】
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態に係る情報提示システム1Bについて、第1の実施の形態に係る情報提示システム1Aとの違いに基づいて説明する。
【0057】
[情報提示システム1Bの構成]
図7は、第2の実施の形態に係る情報提示システム1Bについて説明するためのネットワーク構成図及び機能ブロック図である。情報提示システム1Bは、情報提示システム1Aの構成に加えて集計部14が集計する画像を事前に選定する事前選定部17を備える。
【0058】
[情報提示システム1Bの動作]
図8は、本実施の形態に係る情報提示システム1Bの動作について説明するためのフローチャートである。図8は、ステップS12とステップS14との間にステップS13を備える点が図2と異なる。また、ステップS14のサブルーチンは図5と同様であるが、ステップS142とステップS143の詳細が第1の実施の形態とは異なる。また、ステップS15の詳細も第1の実施の形態とは異なる。以下では、第1の実施の形態の場合と同様に、図3の例に基づいて説明する。
【0059】
ステップS13において、事前選定部17は、ステップS12で園児の情報が紐づけられた画像P1~P9に対して販売対象とするか否かを選定する事前選定処理を実施する。具体的には、画像を入力とし、販売対象とするか否かのフラグを出力とする学習済みの深層学習モデルを用いる。この深層学習モデルは、例えば下記(c1)~(c4)に例示するような基準で学習を行っている。
・(c1)写っている園児の表情が泣いているまたは怒っている画像は販売対象としない。
・(c2)ぶれている画像及びぼけている画像は販売対象としない。
・(c3)過去に販売実績のある画像と類似した画像は販売対象とする。
・(c4)過去に手動で販売対象としないようタグ付けされた画像と類似した画像は販売対象としない。
【0060】
また、この他にも、例えば、公序良俗に反する等、販売や外部への共有に適さない可能性が高いとコンピュータ(事前選定部17)が判断した画像は除外して集計部14での集計に含めないようにし、必要とされる、または、外部に出して問題が生じる可能性が低い画像のみを選定して集計部14で集計するのが好ましい。
【0061】
ステップS12で用いた個人識別用の深層学習モデルと同様に、本ステップで用いる深層学習モデルも事前選定部17が備えることで事前選定を実施してもよいし、情報提示システム1Bの外部が提供するサービスを利用してもよい。深層学習モデルが出力したフラグは、画像と紐づけられて記憶部16に記憶される。なお、ステップS13はステップS12の前に実施されてもよい。
【0062】
ステップS13の後、ステップS141における動作は第1の実施の形態と同様である。ステップS142において、集計部14は第1の実施の形態において読み込んだ情報に加えて、販売対象であるか否かのフラグの情報も追加で読み込む。
【0063】
ステップS143において、集計部14は第1の実施の形態と同様に販売対象であるか否かのフラグの値に関わらない園児毎の画像数(以下全体撮影枚数)を算出することに加えて、各園児が写っている画像の枚数を販売対象とするフラグが付与されている画像のみについて集計した有効撮影枚数を算出する。そして、目標の達成のために不足する不足画像数の算出にあたっては全体撮影枚数に代えて有効撮影枚数を用いる。
【0064】
ステップS15において、情報提示部15は第1の実施の形態で提示した情報に加えて、有効撮影枚数の情報も提示する。すなわち、全体撮影枚数が10枚で、有効撮影枚数が8枚、販売や外部への共有に適さない可能性が高いとコンピュータが判断した不適切撮影枚数が2枚のときには、例えば、A君10枚(不適切枚数2枚)、A君10枚(有効枚数8枚)というように集計、情報提示をするようになっているのが好ましい。なお、このような情報提示に限るものではなく、不適切枚数を知らせずに有効枚数だけを提示するパターンがあっても良い。どのように情報提示するかは適宜とすれば良い。本発明では、事前選定部17で選定後、集計部14で集計、情報提示部15で情報提示をパターンとして、上記のようなパターンを全て含んでいるものとする。
【0065】
なお、上記した各実施の形態及び変形例では基本的に一人で撮影を想定したパターンとなっていたが、本発明はこれに限るものではなく、複数の撮影者がいて、複数の端末から複数の画像が同時、又は順次送られてきて、順次、記憶部16に取得されるようになっていても良い。この場合には、個人識別部13が、それぞれの画像に含まれている被写体としての個人を識別し、集計部14が、個人識別部13の識別結果に基づいて、複数の利用者によって撮影された複数の画像について、被写体ごとの画像数を集計し、情報提示部15が、集計部14が集計した複数の利用者の複数の画像を合計して集計情報をまとめて提示するようになっている。
【0066】
これにより、複数の利用者が撮影した画像をまとめて、識別、集計、集計情報の提示を行うことができ、自分だけでなく他の人が撮影した画像も踏まえて、被写体ごとの画像数が提示されることとなる。その結果、全体としての被写体ごとの画像数を把握した上で、現状の撮影、又は次回の撮影に臨むことができる。なお、全体の被写体ごとの画像数と共に当該利用者だけの被写体ごとの画像数も情報提示されるようになっていても良い。
【0067】
[保育園以外での用途]
以上は、実施の形態及びその変形例の情報提示システム1を保育施設において用いる例について説明した。しかし、情報提示システム1は、保育施設以外の各種施設、例えば、小学校、中学校、高等学校、専門学校、学習塾のような教育機関、さらには、病院や診療所のような医療機関、児童福祉施設、老人福祉施設、障がい者福祉施設のような福祉施設など、家族構成員のうちの一部の人を預かるどのような施設で用いられてもよい。また、情報提示システム1は、上記以外のいかなる施設や機関で用いられてもよい。
【0068】
特に変形例2のようにリアルタイムで情報提示を行う情報提示システム1については、種々のイベントへの適用が想定され得る。この場合、利用者4は施設の所属者に限定されず、プロのカメラマン等のように個人もあり得る。
【0069】
[作用・効果]
以上示したとおり、実施の形態及びその変形例の情報提示システムは、利用者が撮影してサーバにアップロードした画像を取得して、取得した画像に含まれている園児を識別して、識別結果に基づいて画像を園児毎に集計して、集計情報を利用者に提示する。これにより、利用者が目視で画像を確認することなく園児毎の画像数を把握することができる。したがって、利用者の負担を生じさせることなく、園児間の撮影枚数や販売枚数のバラツキを解消することが可能となる。
【0070】
[その他]
本発明の構成は上記実施の形態のみに限られるものではない。
例えば、情報提示システム1の構成の少なくとも一部をユーザ端末2が備える構成であってもよい。この場合、ユーザ端末2が備える情報提示システム1の構成の少なくとも一部は、プログラムとして構成され、ユーザ端末2にダウンロードされる構成であってもよい。また、情報提示システム1の少なくとも一部の構成は、ネットワーク3に接続されないスタンドアロンのコンピュータシステムで実施されてもよい。また、その他の具体的な構成も上記実施の形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において様々な変更が可能である。
【0071】
上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、情報提示システム1A,1Bに供給することができる。
【0072】
上記実施の形態は本発明の例示であり、本発明が上記実施の形態のみに限定されることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0073】
1A,1B 情報提示システム
2 ユーザ端末
3 ネットワーク
4 利用者
11 制御部
12 画像取得部
13 個人識別部
14 集計部
15 情報提示部
16 記憶部
17 事前選定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8