(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157725
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】調子管理装置、調子管理方法、及び調子管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 20/00 20180101AFI20241031BHJP
G06Q 10/0639 20230101ALI20241031BHJP
【FI】
G16H20/00
G06Q10/0639
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072253
(22)【出願日】2023-04-26
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】523157645
【氏名又は名称】ネクストワン合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103872
【弁理士】
【氏名又は名称】粕川 敏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100149456
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 喜幹
(74)【代理人】
【識別番号】100194238
【弁理士】
【氏名又は名称】狩生 咲
(74)【代理人】
【識別番号】100205648
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 真一
(72)【発明者】
【氏名】武田 吉正
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
5L099
【Fターム(参考)】
5L010AA06
5L049AA06
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】 不調な利用者を適切に支援する。
【解決手段】 利用者端末、組織端末、および支援者端末とネットワークを介して接続される、利用者の調子を管理する調子管理装置。前記利用者の識別情報と、前記組織の識別情報と、前記支援者の識別情報と、を対応付けて記憶する記憶部と、利用者の調子情報を取得する受付部と、調子情報に基づいて利用者の面談が必要であるか判定する判定部と、判定部での判定結果に基づいて、少なくとも記憶部において利用者に対応付けられて記憶されている支援者端末に、利用者との面談の実施を推奨する推奨通知を送信する通信処理部と、少なくとも、利用者の調子情報を組織端末および支援者端末に表示させる表示制御部と、を備える。利用者端末を介して利用者の調子の不調が入力された場合に、不調の原因の入力を受け付ける原因入力画面を利用者端末に表示させ、受け付けた原因を調子情報と対応させて支援者端末に表示させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が使用する利用者端末、前記利用者が通う組織が使用する組織端末、および前記利用者を支援する支援者が使用する支援者端末とネットワークを介して接続される、前記利用者の調子を管理する調子管理装置であって、
前記利用者の識別情報と、前記組織の識別情報と、前記支援者の識別情報と、を対応付けて記憶する記憶部と、
前記利用者端末を介して、前記利用者の調子情報を取得する受付部と、
前記調子情報に基づいて前記利用者の面談が必要であるか判定する判定部と、
前記判定部での判定結果に基づいて、少なくとも前記記憶部において前記利用者に対応付けられて記憶されている前記支援者端末に、前記利用者との前記面談の実施を推奨する推奨通知を送信する通信処理部と、
少なくとも、前記利用者の前記調子情報を前記組織端末および前記支援者端末に表示させる表示制御部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記利用者端末を介して前記利用者の前記調子の不調が入力された場合に、前記不調の原因の入力を受け付ける原因入力画面を前記利用者端末に表示させ、受け付けた前記原因を前記調子情報と対応させて前記支援者端末に表示させる、
調子管理装置。
【請求項2】
前記通信処理部は、前記推奨通知において、前記利用者の前記面談が必要であると判定された時点において、所定期間前から前記時点までの前記調子情報の履歴を前記支援者端末に送信する、
請求項1記載の調子管理装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記利用者ごとに、前記調子情報の履歴から不調の発生が多い環境を抽出し、当該環境であることに基づいて前記利用者の調子の低下を予測し、面談が必要であることを判定する、
請求項1記載の調子管理装置。
【請求項4】
前記記憶部は、前記利用者と、前記利用者が選択した実施しうるセルフケアと、を対応付けて記憶していて、
前記表示制御部は、前記利用者が前記調子の不調を入力した場合に、前記利用者に対応付けられて記憶されている前記セルフケアを表示するセルフケア表示画面、又は前記セルフケア表示画面に遷移可能な操作子を、前記利用者端末上に表示させる、
請求項1記載の調子管理装置。
【請求項5】
前記受付部は、前記セルフケア表示画面において、前記利用者に対応付けられる前記セルフケアのうち、前記利用者が自ら実施することを選択した前記セルフケアの情報を前記利用者端末から取得し、
前記表示制御部は、前記調子情報と共に、前記調子情報の入力時に前記利用者により選択された前記セルフケアを、前記支援者端末に表示させる、
請求項4記載の調子管理装置。
【請求項6】
前記記憶部は、前記利用者の障がいもしくは疾病の種別、又は特性の種別を記憶していて、
前記記憶部は、障がいもしくは疾病の種別、又は特性の種別と、セルフケアとを対応付けるテーブルをあらかじめ記憶していて、
前記表示制御部は、前記利用者が前記調子の不調を入力した場合に、前記テーブルを参照し、前記利用者の障がいもしくは疾病の種別、又は特性の種別に対応付けられている前記セルフケアを前記利用者端末上に表示させる、
請求項1記載の調子管理装置。
【請求項7】
前記受付部は、前記利用者端末から入力される、前記利用者の悩みと、前記悩みに対応する対策又は配慮事項とを、前記利用者の特性を説明する説明情報として取得し、
前記表示制御部は、前記調子情報と共に、前記説明情報を前記支援者端末に表示させる、
請求項1記載の調子管理装置。
【請求項8】
前記受付部は、前記支援者端末から入力される、前記利用者との前記面談の報告情報を取得し、
前記表示制御部は、少なくとも、前記報告情報を前記利用者と対応付けて前記組織端末に表示させる、
請求項1記載の調子管理装置。
【請求項9】
利用者が使用する利用者端末、前記利用者が通う組織が使用する組織端末、および前記利用者を支援する支援者が使用する支援者端末とネットワークを介して接続されるコンピュータにより、前記利用者の調子を管理する調子管理方法であって、
前記コンピュータは、
前記利用者の識別情報と、前記組織の識別情報と、前記支援者の識別情報と、を対応付けて記憶する記憶部、
を備え、
コンピュータが、
前記利用者端末を介して、前記利用者の調子情報を取得する受付ステップと、
前記調子情報に基づいて前記利用者の面談が必要であるか判定する判定ステップと、
前記判定ステップでの判定結果に基づいて、少なくとも前記記憶部において前記利用者に対応付けられて記憶されている前記支援者端末に、前記利用者との前記面談の実施を推奨する推奨通知を送信する通信処理ステップと、
少なくとも、前記利用者の前記調子情報を前記組織端末および前記支援者端末に表示させる表示制御ステップと、
前記利用者端末を介して前記利用者の前記調子の不調が入力された場合に、前記不調の原因の入力を受け付ける原因入力画面を前記利用者端末に表示させる第2表示制御ステップと、
前記原因入力画面を介して入力を受け付けた前記原因を、前記調子情報と対応させて前記支援者端末に表示させる第3表示制御ステップと、
を実行する、調子管理方法。
【請求項10】
利用者が使用する利用者端末、前記利用者が通う組織が使用する組織端末、および前記利用者を支援する支援者が使用する支援者端末とネットワークを介して接続されるコンピュータに、前記利用者の調子を管理させる調子管理プログラムであって、
前記コンピュータは、
前記利用者の識別情報と、前記組織の識別情報と、前記支援者の識別情報と、を対応付けて記憶する記憶部、
を備え、
前記利用者端末を介して、前記利用者の調子情報を取得する受付命令と、
前記調子情報に基づいて前記利用者の面談が必要であるか判定する判定命令と、
前記判定命令での判定結果に基づいて、少なくとも前記記憶部において前記利用者に対応付けられて記憶されている前記支援者端末に、前記利用者との前記面談の実施を推奨する推奨通知を送信する通信処理命令と、
少なくとも、前記利用者の前記調子情報を前記組織端末および前記支援者端末に表示させる表示制御命令と、
前記利用者端末を介して前記利用者の前記調子の不調が入力された場合に、前記不調の原因の入力を受け付ける原因入力画面を前記利用者端末に表示させる第2表示制御命令と、
前記原因入力画面を介して入力を受け付けた前記原因を、前記調子情報と対応させて前記支援者端末に表示させる第3表示制御命令と、
をコンピュータに実行させる、調子管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調子管理装置、調子管理方法、及び調子管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業や就労移行支援施設等の組織に通う、又は通おうとする利用者の体調等を管理する技術が知られている。
【0003】
その点、特許文献1には、入力端末に、複数段階に設定されたメンタルヘルス状態のうちから利用者がその時の自己に合う状態を示す段階を選択して入力するメンタルヘルス管理システムが記載されている。このシステムでは、入力された段階と移動平均値との差が閾値以上となる回数が所定数存在するか否かに基づいて、利用者毎にメンタルヘルス状態の実態を判定する。特許文献2には、メンタルヘルス管理に関するライフログと、メンタルヘルスの不調者発生日を蓄積し、メンタルヘルスに関する異常がある場合にメンタルヘルス管理の関係者に異常を通知するメンタルヘルス管理支援システムが記載されている。特許文献3には、精神的な健康度合いを示す複数のメンタル値の中から、ユーザの入力に基づきメンタル値を受け付ける受け付け部を備え、判断部によって注意条件を満たすと判断されたユーザがいる場合に、監督者に注意条件を満たすと判断されたユーザの情報を含む注意情報を通知する処理を行う健康管理システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許5572752公報
【特許文献2】特許5656723公報
【特許文献3】特許6849175公報
【0005】
近年、精神障がい者の雇用義務が課されることとなり、民間企業で障がい者雇用率の向上が必要とされている。また、発達障害者数や精神疾患を有する患者数は増加傾向にあり、様々な特性を持った人が一般企業で仕事を行うことが一般的になりつつある。一方で、障がい者および精神疾患患者は、特性により日々の体調や精神バランス、いわゆるメンタルヘルスが安定しなかったり、ストレスを過剰に感じてしまったりするおそれがある。また、障がい者および精神疾患患者は、特性に応じて、雇用者の配慮を必要とする場合がある。この点、就労移行支援施設等の支援者が、障がい者および精神疾患患者である被雇用者と雇用企業との間に入って被雇用者を支援する仕組みがある。しかしながら、必要な支援は被雇用者により異なり、対面機会が少ない中で適切に支援するにあたっては改善の余地がある。
この点、いずれの文献にも、被雇用者としての障がい者および精神疾患患者を適切に支援することについては記載がない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、不調な利用者を適切に支援することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一の観点に係る調子管理装置は、利用者が使用する利用者端末、前記利用者が通う組織が使用する組織端末、および前記利用者を支援する支援者が使用する支援者端末とネットワークを介して接続される、前記利用者の調子を管理する調子管理装置であって、前記利用者の識別情報と、前記組織の識別情報と、前記支援者の識別情報と、を対応付けて記憶する記憶部と、前記利用者端末を介して、前記利用者の調子情報を取得する受付部と、前記調子情報に基づいて前記利用者の面談が必要であるか判定する判定部と、前記判定部での判定結果に基づいて、少なくとも前記記憶部において前記利用者に対応付けられて記憶されている前記支援者端末に、前記利用者との前記面談の実施を推奨する推奨通知を送信する通信処理部と、少なくとも、前記利用者の前記調子情報を前記組織端末および前記支援者端末に表示させる表示制御部と、を備え、前記表示制御部は、前記利用者端末を介して前記利用者の前記調子の不調が入力された場合に、前記不調の原因の入力を受け付ける原因入力画面を前記利用者端末に表示させ、受け付けた前記原因を前記調子情報と対応させて前記支援者端末に表示させる。
【0008】
前記通信処理部は、前記推奨通知において、前記利用者の前記面談が必要であると判定された時点において所定期間前から前記時点までの前記調子情報の履歴を前記支援者端末に送信するものとしてもよい。
【0009】
前記判定部は、前記利用者ごとに、前記調子情報の履歴から不調の発生が多い条件を抽出し、当該条件であることに基づいて前記利用者の調子の低下を予測し、面談が必要であることを判定するものとしてもよい。
【0010】
前記記憶部は、前記利用者と、前記利用者が選択した実施しうるセルフケアと、を対応付けて記憶していて、前記表示制御部は、前記利用者が前記調子の不調を入力した場合に、前記利用者に対応付けられて記憶されている前記セルフケアを表示するセルフケア表示画面、又は前記セルフケア表示画面に遷移可能な操作子を、前記利用者端末上に表示させるものとしてもよい。
【0011】
前記記憶部は、前記利用者の障がいもしくは疾病の種別、又は特性の種別を記憶していて、前記記憶部は、障がいもしくは疾病の種別、又は特性の種別と、セルフケアとを対応付けるテーブルをあらかじめ記憶していて、前記表示制御部は、前記利用者が前記調子の不調を入力した場合に、前記テーブルを参照し、前記利用者の障がいもしくは疾病の種別、又は特性の種別に対応付けられている前記セルフケアを前記利用者端末上に表示させるものとしてもよい。
【0012】
前記受付部は、前記セルフケア表示画面において、前記利用者に対応付けられる前記セルフケアのうち、前記利用者が自ら実施することを選択した前記セルフケアの情報を前記利用者端末から取得し、前記表示制御部は、前記調子情報と共に、前記調子情報の入力時に前記利用者により選択された前記セルフケアを、前記支援者端末に表示させるものとしてもよい。
【0013】
前記受付部は、前記利用者端末から入力される、前記利用者の悩みと、前記悩みに対応する対策又は配慮事項とを、前記利用者の特性を説明する説明情報として取得し、前記表示制御部は、前記調子情報と共に、前記説明情報を前記支援者端末に表示させるものとしてもよい。
【0014】
前記受付部は、前記支援者端末から入力される、前記利用者との前記面談の報告情報を取得し、前記表示制御部は、少なくとも、前記報告情報を前記利用者と対応付けて前記組織端末に表示させるものとしてもよい。
【0015】
上記目的を達成するため、本発明の別の観点に係る調子管理方法は、利用者が使用する利用者端末、前記利用者が通う組織が使用する組織端末、および前記利用者を支援する支援者が使用する支援者端末とネットワークを介して接続されるコンピュータにより、前記利用者の調子を管理する調子管理方法であって、前記コンピュータは、前記利用者の識別情報と、前記組織の識別情報と、前記支援者の識別情報と、を対応付けて記憶する記憶部、を備え、コンピュータが、前記利用者端末を介して、前記利用者の調子情報を取得する受付ステップと、前記調子情報に基づいて前記利用者の面談が必要であるか判定する判定ステップと、前記判定ステップでの判定結果に基づいて、少なくとも前記記憶部において前記利用者に対応付けられて記憶されている前記支援者端末に、前記利用者との前記面談の実施を推奨する推奨通知を送信する通信処理ステップと、少なくとも、前記利用者の前記調子情報を前記組織端末および前記支援者端末に表示させる表示制御ステップと、前記利用者端末を介して前記利用者の前記調子の不調が入力された場合に、前記不調の原因の入力を受け付ける原因入力画面を前記利用者端末に表示させる第2表示制御ステップと、前記原因入力画面を介して入力を受け付けた前記原因を、前記調子情報と対応させて前記支援者端末に表示させる第3表示制御ステップと、を実行する。
【0016】
上記目的を達成するため、本発明のさらに別の観点に係る調子管理プログラムは、利用者が使用する利用者端末、前記利用者が通う組織が使用する組織端末、および前記利用者を支援する支援者が使用する支援者端末とネットワークを介して接続されるコンピュータに、前記利用者の調子を管理させる調子管理プログラムであって、前記コンピュータは、前記利用者の識別情報と、前記組織の識別情報と、前記支援者の識別情報と、を対応付けて記憶する記憶部、を備え、前記利用者端末を介して、前記利用者の調子情報を取得する受付命令と、前記調子情報に基づいて前記利用者の面談が必要であるか判定する判定命令と、前記判定命令での判定結果に基づいて、少なくとも前記記憶部において前記利用者に対応付けられて記憶されている前記支援者端末に、前記利用者との前記面談の実施を推奨する推奨通知を送信する通信処理命令と、少なくとも、前記利用者の前記調子情報を前記組織端末および前記支援者端末に表示させる表示制御命令と、前記利用者端末を介して前記利用者の前記調子の不調が入力された場合に、前記不調の原因の入力を受け付ける原因入力画面を前記利用者端末に表示させる第2表示制御命令と、前記原因入力画面を介して入力を受け付けた前記原因を、前記調子情報と対応させて前記支援者端末に表示させる第3表示制御命令と、をコンピュータに実行させる。
【0017】
なお、コンピュータプログラムは、各種のデータ読取可能な記録媒体に格納して提供したり、インターネット等のネットワークを介してダウンロード可能に提供したりすることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、不調な利用者を適切に支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る調子管理装置の構成及び機能を示した機能ブロック図である。
【
図2】上記調子管理装置が備える記憶部に記憶される、(a)利用者テーブル、(b)調子テーブル、(c)特性-悩みテーブル、(d)悩み-対策テーブル、(e)悩み-配慮事項テーブル、(f)シチュエーション-セルフケアテーブル、の例を示す図である。
【
図3】上記調子管理装置に接続される利用者端末に表示される画面の(a)第1例、(b)第2例、(c)第3例、(d)第4例、を示す図である。
【
図4】上記利用者端末に表示される画面の(a)第5例、(b)第6例、(c)第7例、を示す図である。
【
図5】上記調子管理装置に接続される組織端末に表示される画面の第1例を示す図である。
【
図6】上記組織端末に表示される画面の例の(a)第2例、(b)第3例、(c)第4例を示す図である。
【
図7】上記調子管理装置に接続される支援者端末に表示される画面の1例を示す図である。
【
図8】上記調子管理装置に接続される組織端末および支援者端末に表示されるダッシュボード画面の第1例を示す図である。
【
図9】上記ダッシュボード画面の第1例の続きを示す図である。
【
図10】上記組織端末および上記支援者端末に表示される集計データ画面の1例を示す図である。
【
図11】上記調子管理装置、上記利用者端末、上記組織端末および上記支援者端末における情報の流れの1例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
●概要
以下、本発明の実施形態に係る調子管理装置1について、図を参照して説明する。
本実施形態に係る調子管理装置1は、利用者の調子を管理し、組織又は支援者に対して利用者への適切な支援を促す装置である。
【0021】
利用者は例えば、組織に雇用される被雇用者であり、障がい者又は精神疾患患者であるが、特定の疾患や特性を有する者に限られず、就労に困難を抱える者全般を含んでいてよい。また、利用者は、ストレスチェックにより評価されるストレスが所定以上である、いわゆる高ストレス者であってもよい。さらに、利用者は、所定の期日勤務することが前提とされている者に限らず、休職者であってもよい。利用者の調子は、風邪、疲労および睡眠時間等の体調に関する状態、および抑うつ症状などのメンタルヘルスに関する状態の情報を含む概念である。
【0022】
また、本説明における組織は、例えば利用者を雇用する一般企業の他、利用者の通い先又は通うことを目指している先を含む概念であり、利用者が通所する就労継続支援者であってもよい。また、組織と利用者の法律関係等は任意であり、雇用関係に限らず、利用者が金銭を支払って組織を利用する関係であってもよいし、被雇用型で通所し、利用者が工賃を受け取る関係であってもよい。
【0023】
支援者は、例えば、障がい者又は精神疾患患者が一般企業で就労を継続し、定着するために支援を行う就労移行支援施設(就労移行支援事業所ともいう。)であるが、本発明の技術的範囲はこれに限られず、就労継続支援者、福祉施設、ジョブコーチ、社内産業医、デイサービスといった、組織とは独立して利用者の支援を行う適宜の団体であってよい。なお、支援者は組織と独立して意思決定や助言を行う存在であれば足り、組織に属する者であってもよい。
【0024】
図1に示されるように、調子管理装置1は、ネットワークNWを介して利用者端末2、組織端末3および支援者端末4と通信可能に接続されている。
【0025】
利用者端末2は、利用者が使用する端末である。利用者端末2は、入力部および表示部等を備え、利用者からの日々の調子の入力を受け付ける。また、表示部は、利用者により入力された調子の内容に応じて、調子管理装置1から提示される情報を表示する。
【0026】
組織端末3は、例えば利用者が通う組織が使用する端末である。組織端末3は、一般企業の管理者が使用する他、利用者が通所する就労移行支援施設、就労継続支援施設や福祉施設において使用されてもよい。組織端末3は、例えば利用者端末2を介して入力される利用者の調子の情報を閲覧可能である。また、組織端末3は、支援者端末4を介して入力される支援者と利用者との面談の報告を閲覧できる。
【0027】
組織端末3は、例えば、組織管理者端末3aと、部署端末3bと、を含んでいてもよい。組織管理者端末3aは、例えば組織内において特に利用者の人事管理を行う部署により使用される端末であり、より具体的には、例えば人事部の管理者により使用される端末である。部署端末3bは、例えば利用者が配属されている部署により使用される端末である。調子管理装置1は、後述する表示制御部19により組織端末3に情報を表示させる場合に、組織管理者端末3aと部署端末3bとで表示を許可する情報を異ならせてもよい。例えば、部署端末3bにおいては一部の情報に閲覧制限がかけられていて、組織管理者端末3aは、部署端末3bに比べて多くの情報が表示されてもよい。
【0028】
支援者端末4は、利用者を支援する支援者が使用する端末である。支援者端末4は、調子管理装置1からの通知を受信可能である。また、支援者端末4は、利用者端末2を介して入力された、利用者の調子を含む種々の情報を表示する。
【0029】
利用者端末2、組織端末3および支援者端末4は、パーソナルコンピュータ等の据置型コンピュータ、又はタブレット端末もしくはスマートホン等の携帯型デバイスにより構成されてよい。また、利用者端末2、組織端末3および支援者端末4は、デバイス自体に機能が付加されている態様に限られず、アカウントにログインすることで任意のデバイスを利用者端末2、組織端末3又は支援者端末4として動作させることができる。
【0030】
●調子管理装置1
調子管理装置1は、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット端末又はスマートホン等において所定のコンピュータプログラムを実行することで実現される他、機能の一部又は全部がクラウドコンピュータにより実現されていてもよい。また、調子管理装置1は、複数のハードウェア構成により成っていてもよい。
【0031】
●調子管理装置1の機能ブロック
調子管理装置1は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置、CPUによって実行されるコンピュータプログラム、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の内部メモリ等を備えたサーバ等によって実現される。調子管理装置1はこれにより、主として、利用者情報取得部11、受付部12、環境情報取得部13、セルフケア提示部14、判定部15、サマリー生成部16、支援計画生成部17、通信処理部18、表示制御部19、および記憶部30からなる機能ブロックを構成する。
【0032】
●記憶部30
記憶部30は、主として、利用者情報記憶部30A、調子記憶部30B、特性情報記憶部30C、配慮情報記憶部30D、面談情報記憶部30E、支援計画記憶部30Fを備える。
【0033】
利用者情報記憶部30Aは、利用者に関する情報を記憶する記憶部である。
図2(a)は、利用者情報記憶部30Aに記憶される利用者テーブルT1の例を示す図である。利用者テーブルT1には、利用者の氏名、および利用者の疾病又は障害の種別等が格納されている。また、利用者テーブルT1には、利用者の識別情報と、組織の識別情報と、支援者の識別情報と、が互いに対応付けられて格納されている。
【0034】
また、利用者テーブルT1には、利用者が登録した、利用者自身が就業する上での1又は複数の悩みと、当該悩みに対する1又は複数の対策と、が対応付けられて格納されている。さらに、利用者テーブルT1には、後述するセルフケア設定画面G16(
図4(b)参照)において利用者により選択された、利用者が実施しうる1又は複数のセルフケアが、利用者の識別情報と対応付けられて格納されている。さらにまた、利用者テーブルT1には、組織側が配慮するとよい配慮事項が、利用者の識別情報と対応付けて格納されている。
【0035】
調子記憶部30Bは、利用者の調子に関する情報を記憶する機能部である。利用者の調子に関する情報は、利用者端末2を介して利用者自身により入力される。
図2(b)に示すように、調子記憶部30Bは例えば、利用者の調子情報として、調子の登録時点と、当該時点の体調およびメンタル状態、勤怠情報、調子の原因、および睡眠時間を対応付けた調子テーブルT2を格納している。
【0036】
特性情報記憶部30Cは、例えば、特性と、特性において生じうる悩みとを対応付けて記憶する特性-悩みテーブルT3を格納している。特性に応じた悩みは、例えば医学的知見や体験談等によりあらかじめ知られている悩みが格納されている。また、悩みは、利用者からの入力内容に応じて、管理者等により適宜追加可能になっていてもよい。
【0037】
配慮情報記憶部30Dは、組織又は利用者自身が行いうる、特性や疾病に対する配慮事項を記憶する機能部である。
図2(d)、(e)に示すように、配慮情報記憶部30Dは、悩み-対策テーブルT4と、悩み-配慮事項テーブルT5と、シチュエーション-セルフケアテーブルT6と、を格納している。
【0038】
図2(d)に示す悩み-対策テーブルT4には、利用者に生じる業務上の悩みと、悩みに対する対策事項が対応付けられて格納されている。悩みは複数のカテゴリのいずれかに属しており、1のカテゴリに対して複数の対策事項が対応付けられている。例えば、記憶力というカテゴリに属する悩みには、「仕事を覚えるのに時間がかかる」「パターン化していないと覚えにくい」といった悩みが含まれている。また、記憶力に関する悩みに対して、「TODOリストは、見えるところに貼り確認している」「スケジュール管理ツールを活用し、予定を忘れないようにしている」といった対策が対応付けられている。
【0039】
図2(e)に示す悩み-配慮事項テーブルT5には、組織側、すなわち組織の人事担当者、上司又は同僚等が配慮するとよい配慮事項が、悩みに対応付けられていてもよい。配慮事項は、組織側のマネジメントにおける推奨事項であってもよい。配慮事項は例えば「確認リストを作っていただけると、やり忘れを防ぐことができます」といった内容である。
【0040】
図2(f)に示すシチュエーション-セルフケアテーブルT6は、利用者が調子を崩しうるシチュエーションと、当該シチュエーションで行うと効果的なセルフケアと、効果とが対応付けられているテーブルである。シチュエーション-セルフケアテーブルT6は、あらかじめ蓄積され、設定されている内容の他、利用者からの入力内容に応じて、管理者等により適宜追加可能になっていてもよい。シチュエーションおよび効果は、例えば後述する
図4(a)のセルフケア管理画面G15、
図4(b)のセルフケア設定画面G16、および
図4(c)のセルフケア表示画面G17に表示される。このような構成によれば、利用者は調子管理装置1を介してシチュエーションに応じたセルフケアのアイデアを知ることができ、調子を良好に維持する一助とすることができる。
【0041】
面談情報記憶部30Eは、例えば利用者と支援者との間で行われる、面談に関する情報(「面談情報」ともいう。)を記憶する機能部である。なお本説明全般において、面談には、種々の交信態様が含まれるものとし、例えば、対面、ウェブミーティング又は電話での声掛けといった対話の他、メール等による連絡等も含む。面談情報記憶部30Eは、面談情報として例えば、面談した利用者の識別情報および支援者の識別情報と、面談日時および面談内容を格納する。面談情報には、対面での面談であったか、電話での声掛けであったか、というような、利用者との交信の態様を含んでもよい。面談情報は、調子管理装置1を介して組織端末3から閲覧可能である。この構成によれば、組織は利用者に対する支援者の支援内容を容易に確認できる。
【0042】
支援計画記憶部30Fは、利用者の就労移行支援における個別支援計画を、利用者の識別情報に対応付けて記憶する機能部である。個別支援計画は、所定官庁であらかじめ設定されている項目に沿って登録可能である。例えば、個別支援計画は、利用者の長期目標および短期目標が1又は複数含まれている。また、各短期目標に対して、支援の見立てが対応付けられている。支援計画記憶部30Fに格納されている各情報は、例えば支援者端末4からの所定操作を契機に、所定のフォーマットの個別支援計画書に反映されてもよい。このような構成によれば、支援者は、個別支援計画を容易に作成できる。
【0043】
●利用者情報取得部11
利用者情報取得部11は、通信処理部18を介して、利用者端末2から、利用者に関する情報を取得する機能部である。利用者に関する情報は、例えば利用者の氏名、および特性又は疾病といった情報である。利用者に関する情報は、例えば組織端末3又は支援者端末4を介して登録されるが、調子管理装置1にあらかじめ設定されている情報が含まれていてもよい。
【0044】
●受付部12
受付部12は、利用者端末2、組織端末3および支援者端末4から各種の情報を受け付ける機能部である。受付部12は、利用者端末2を介して、利用者の調子情報を取得する。また、受付部12は、利用者端末2から入力される、利用者の悩みと、悩みに対応する対策と、を対応付けて、利用者の特性を説明する説明情報として取得する。受け付けた説明情報は、利用者-悩みテーブルT6(
図2(f))に格納される。
【0045】
さらに、受付部12は、支援者端末4から入力される、利用者との面談の報告情報を取得する。面談の報告情報は、例えば、表示制御部19を介して、利用者と対応付けて組織端末3に表示される。
【0046】
さらにまた、受付部12は、セルフケア設定画面G16において、利用者に対応付けられるセルフケアのうち、利用者が自ら実施することを選択したセルフケアの情報を利用者端末2から取得する。利用者が自ら実施を宣言する構成によれば、利用者にセルフケアをより確実に実施させることができる。
【0047】
●環境情報取得部13
環境情報取得部13は、利用者の環境に関する情報(「環境情報」ともいう。)を取得する機能部である。環境情報は、特に利用者の調子に影響を及ぼし得る要因であり、例えば、季節もしくは日付、又は、天気、温湿度もしくは気圧等の履歴又は予報であってよい。また、環境情報は、花粉等の飛来の履歴又は予報であってもよい。
【0048】
●セルフケア提示部14
セルフケア提示部14は、利用者が自ら設定した、実施しうるセルフケアの情報を、利用者端末2を介して利用者に提示する機能部である。セルフケア提示部14は、特に、利用者が入力した調子が所定以下である場合に、実施しうるセルフケアの情報を利用者に提示する。この構成によれば、不調な利用者に対して適切なセルフケアを即座に提示することができるので、利用者の調子の回復の一助とすることができる。
【0049】
また、セルフケア提示部14は、利用者の障がいもしくは疾病の種別、又は特性の種別を参照し、障がいもしくは疾病の種別、又は特性の種別に応じたセルフケアを利用者端末2に提示してもよい。この場合、例えば、記憶部30は、障がいもしくは疾病の種別、又は特性の種別と、セルフケアとを対応付けるテーブルをあらかじめ記憶している。このテーブルは、利用者のセルフケアの実施履歴と、利用者が入力するセルフケアの評価とに基づいて、効果の高かったセルフケアの情報を、障がいもしくは疾病の種別、又は特性の種別ごとに対応付けて記憶したものであってもよい。セルフケア提示部14は、記憶部30を参照し、利用者の障がいもしくは疾病の種別、又は特性の種別において効果の高かったセルフケアを、利用者端末2に提示する。このような構成によれば、利用者自身が効果を認識していなかったセルフケアであっても、知見や実績に基づいて推奨することができる。
【0050】
●判定部15
判定部15は、少なくとも受付部12により取得された情報に基づいて、利用者の面談の要否を判定する機能部である。判定部15は、調子情報に基づいて面談の要否を判定する。判定部15は、利用者の調子が所定日数連続して閾値以下である場合に、面談が必要である旨判定する。判定部15は、利用者の調子のうち、体調およびメンタル状態のいずれか又は両方を参照して、面談の要否を判定してよい。また、判定部15は、環境情報取得部13により取得される環境情報を参照して利用者の調子を判定してもよい。判定部15の判定には、公知の適宜のアルゴリズム、機械学習アルゴリズム、人工知能技術を採用することができる。例えば、判定部15は、本人又は他の利用者における実績、例えば不調の推移と勤怠の相関関係等に基づいて、面談の要否を判定してもよい。
【0051】
さらに、判定部15は、環境情報に基づいて、利用者の調子の低下を予測してもよい。例えば、複数の利用者の履歴から、不調の発生が多い環境条件を抽出し、当該環境条件に該当することに基づいて、面談が必要である旨判定してもよい。また、判定部15は、疾病又は障がいの種別ごとに、複数の利用者の履歴から不調の発生が多い環境を抽出し、当該環境であることに基づいて、当該疾病又は障がいの種別に該当する利用者に関して面談が必要である旨判定してもよい。判定部15は、利用者ごとに、利用者の履歴から不調の発生が多い環境を抽出し、当該環境であることに基づいて、面談が必要である旨判定してもよい。すなわち例えば、判定部15は、環境情報取得部13により取得される日付の情報から、月初や月末、年度初め、年度末等であることを推定した上で、当該時期に利用者が不調の傾向がある場合には、現時点で利用者の調子が低下していない場合であっても、面談が必要である旨判定してもよい。また、判定部15は、前年度又は任意の過去の1又は複数年度における月ごとの調子の傾向を算出した上で、当該時期に不調の傾向がある場合には、現時点で利用者の調子が低下していない場合であっても、面談が必要である旨判定してもよい。
【0052】
判定部15の予測の処理においても、いわゆるルールベースによる判定の他、適宜の人工知能技術や機械学習技術を採用してよい。このような構成によれば、利用者が不調をきたす前に面談を行うことができるので、不調を未然に防ぐことができる可能性がある。
【0053】
●サマリー生成部16
サマリー生成部16は、利用者の調子情報等を集計する機能部である。集計は、適宜の期間において行うことができる。
【0054】
図10は、サマリー生成部16により集計されたデータを表示する、集計データ画面G50の例を示す図である。サマリー生成部16は例えば、入力された当該利用者の調子情報を調子の段階ごとに集計する。また、サマリー生成部16は、利用者の調子情報を曜日ごとに集計してもよい。サマリー生成部16により得られた集計データは、少なくとも組織端末3又は支援者端末4により閲覧可能である。この構成によれば、利用者の様子の概略を容易に把握することができる。
【0055】
また、サマリー生成部16は、集計した情報を元に、総括する文章、すなわちサマリーを生成する。サマリー生成部16は、利用者の調子情報を参照し、利用者ごとにサマリーを生成する。また、サマリー生成部16は、調子情報に含まれる複数の項目ごとにサマリーを生成する。例えば、サマリー生成部16は、所定期間に入力された調子の統計を集計する。例えば、サマリー生成部16は、入力された回数に対する各調子の割合を算出する。そして、サマリー生成部16は、当該統計情報を含む文章を生成する。より具体的には、例えば、「体調面の調子は、「あまり調子でないかも」が61%、「問題なし!」が35%、「不調。。」が4%を占めています。」といった文章をサマリーとして生成する。
【0056】
サマリー生成部16は、調子情報に含まれる複数の項目を参照して総括する文章を生成してもよい。例えば、体調とメンタル状態の履歴の双方を参照して、総括する文章を生成してもよい。この場合、生成されるサマリーは、例えば「体調面、メンタル面の両方調子の良くないときは全体の100%、両方良い時は33%でした。」といった内容である。
【0057】
また、サマリー生成部16は、選択入力される調子の原因を集計し、総括する文章を生成してもよい。例えば、「不調の主な原因は、「未回答」「仕事」「その他」で、一番多かったのは「未回答」でした。」といった文章が生成される。このように、集計した情報を、サマリーとして文章に構成する態様によれば、組織の担当者や支援者の担当者がグラフや表を読み解く手間を省略できるので、利用者の調子を一層容易に把握できる。
【0058】
さらに、サマリー生成部16は、説明情報を集計し、サマリーを生成してもよい。このサマリーには、例えば利用者が選択した悩みを集計し、選択項目の多い悩みのカテゴリや、その割合等が含まれていてもよい。このような構成によれば、組織の担当者や支援者の担当者は、利用者の説明情報を容易に把握できる。また、サマリー生成部16は、同様の態様で利用者が実施したセルフケアを集計し、サマリーを生成してもよい。
【0059】
また、サマリー生成部16は、調子情報、調子の原因、および説明情報について、それぞれ、過去の入力情報からの変化を分析し、総括する文章を生成してもよい。例えば、
図10においては、悩みのサマリーが表示されており、説明情報について前回入力時の内容と今回入力時の内容とを比較し、なくなったカテゴリや前回から引き続き選択されているカテゴリについて言及する文章が記載されている。このような構成によれば、利用者の変化を容易に把握できる。
【0060】
●支援計画生成部17
支援計画生成部17は、支援計画記憶部30Fに格納される個別支援計画を生成する機能部である。特に、支援計画生成部17は、支援者端末4に表示される個別支援計画の入力画面において、目標又は支援対策案の選択肢を生成して提示する。例えば、支援計画生成部17は、利用者テーブルT1(
図2(a)参照)を参照し、当該利用者に対応付けられる対策事項を、目標又は支援対策案の選択肢として提示する。また、支援計画生成部17は、対策事項と、対策事項と目標又は支援対策案とを対応付けて格納しているテーブルを参照し、対策事項に対応する目標又は支援対策案を個別支援計画の目標又は支援対策案の選択肢として提示してもよい。このテーブルは、例えば傾向に基づいて調子管理装置1にあらかじめ格納されていてもよいし、テーブルが更新される構成でもよい。テーブルの更新は、管理者により適宜行われてもよいし、調子管理装置1に入力された対策事項と目標の情報等に基づいて自動で行われてもよい。このような構成によれば、利用者の悩みに対応する対策事項に則した個別支援計画が、容易に生成できる。なお、支援計画生成部17は、対策事項に代えて、利用者テーブルT1において利用者に対応付けられる配慮事項、又は配慮事項に対応する目標又は支援対策案を、個別支援計画の目標又は支援対策案の選択肢として提示してもよい。支援計画生成部17は、利用者テーブルT1において利用者に対応付けられる悩みに対応する目標又は支援対策案を、個別支援計画の目標又は支援対策案の選択肢として提示してもよい。
【0061】
また、支援計画生成部17は、上述の構成に代えて、又は加えて、テンプレートとして格納された1又は複数の文章を参照し、当該文章を目標の選択肢として提示してもよい。このテンプレートは、調子管理装置1にあらかじめ登録されている内容であってもよいし、支援者端末4からの入力に応じて追加登録が可能になっていてもよい。このような構成によっても、使用頻度の高い文言を容易に入力することができるので、個別支援計画の生成効率が向上できる。
【0062】
●通信処理部18
通信処理部18は、インターネット等のネットワークNWを介して情報の送受信を実行するための機能部である。
この通信処理部18により、調子管理装置1は、利用者端末2から入力された情報を受信したり、組織端末3又は支援者端末4に対して情報を送信したりすることができる。
【0063】
特に、通信処理部18は、判定部15での判定結果に基づいて、少なくとも支援者端末4に、利用者との面談の実施を推奨する推奨通知を送信する。より具体的には例えば、通信処理部18は、後述する推奨通知画面G31(
図7参照)に示すような、面談を推奨するメールを支援者端末4に送信する。また、通信処理部18は、支援者端末4に代えて、又は加えて、組織端末3に推奨通知を送信してもよい。
【0064】
支援者の担当者は、利用者の就労継続および定着を目的に、定期的に面談を行う必要がある。面談は、例えば定期的に実施される他、利用者が就労に困難を感じていたり、調子を崩していたりするときに行うことで、就労継続等をより効果的に支援することができる。一方で、支援者は、組織内で就労している利用者の様子を常に直接見守るのは困難である。また、組織においても利用者との面談を行う場合があるものの、障がい者雇用の担当者数は限られており、別の事業所に所属している担当者が利用者の様子を把握して適切なタイミングで面談を行うのは困難である。
【0065】
このような課題に対し、本発明にかかる調子管理装置1によれば、利用者の調子を収集し、不調等に基づいて面談の要否を判定した上で、面談が必要と判定される場合には組織端末3および支援者端末4に通知を行うことができる。すなわち、組織の担当者および支援者の担当者は、利用者の様子を直接対面して毎日観察できない場合であっても、利用者の調子に基づいて適切なタイミングで面談を実施できる。ひいては、利用者の就労継続および定着を実現することができる。
【0066】
図7は、組織端末3又は支援者端末4に表示される、面談の推奨通知を示す推奨通知画面G31の例を示す図である。推奨通知は、例えば電子メールにより送信される。すなわち、推奨通知画面G31は、例えば組織端末3又は支援者端末4におけるメール受信ソフトにより閲覧できるようになっている。推奨通知画面G31では、通知の対象となった利用者の氏名、および当該利用者の面談が必要であると判定された時点において所定期間前から当該時点までの調子情報の履歴を示す履歴テーブルG31aが表示されている。この所定期間は、例えば2週間であるが、これに限られない。また、履歴テーブルG31aでは、各入力日における調子の原因、睡眠時間および勤怠状況が、調子情報と対応付けて表示されている。このような構成によれば、組織の担当者又は支援者の担当者は、別途のウェブサイト等にアクセスすることなく、推奨通知により利用者の直近の様子が一見して把握でき、便利である。
なお、判定部15が、利用者の環境条件又は不調の傾向に応じて利用者の調子の低下を予測したことを契機に推奨通知がなされた場合には、通信処理部18は、推奨通知に、予測の根拠となった環境条件又は不調の傾向を提示してもよい。
【0067】
また、推奨通知画面G31に、各入力日の調子の原因が調子情報と対応付けて表示されている構成によれば、組織の担当者又は支援者が、調子の原因に基づいて面談の要否を検討することも容易になる。調子の原因は、例えば、仕事、プライベート、服薬、天候といった項目から選択的に入力されている。組織の担当者は、例えば調子の原因に「仕事」が表示されている場合には、組織の担当者による面談が必要である旨判断してもよい。また、組織の担当者は、プライベートや服薬が調子の原因である場合には、組織の担当者による面談は不要である旨判断してもよい。一方で、支援者は、プライベートが調子の原因である場合には支援者の担当者による面談が必要である旨判断してもよい。このような構成によれば、各担当者が推奨通知に基づいて面談要否を迅速に判断することができる。なお、面談の実行者の判別を調子の原因に基づいて行う処理を、調子管理装置1が行い、原因に応じて通知先を異ならせる構成であってもよい。
【0068】
推奨通知画面G31には、
図8~
図9に示すダッシュボード画面G40に遷移可能な操作子G31bが表示されている。ダッシュボード画面G40については、後述する。
【0069】
●表示制御部19
表示制御部19は、調子管理装置1が有する情報を、利用者端末2、組織端末3および支援者端末4に表示させる機能部である。また、表示制御部19は、利用者端末2、組織端末3および支援者端末4に対し、情報の入力を促す画面を表示させる。表示制御部19が表示させる画面は、例えば
図3~
図10に示す画面G11~G50である。
【0070】
●画面例
ここで、
図3~
図6、
図8、
図9を用いて、表示制御部19が各端末2、3、4に表示させる画面の例について説明する。
図3~
図4は、利用者端末2に表示される画面の例を示す図である。
図3は、利用者端末2において入力時点の利用者の調子の入力を受け付ける画面G11~G14の例である。画面G11~G14は、例えば所定時刻になると自動的に表示されるようになっていてもよいし、所定時刻に利用者端末2に適宜の通知がなされ、通知から画面G11に遷移できるようになっていてもよい。また、所定時刻は、例えば一般的な起床の時間帯や、就業時間の所定時間前等適宜に設定される。
【0071】
図3(a)は、利用者の体調の入力を受け付ける画面G11である。画面G11には、体調の入力領域G11aおよび次の画面G12に遷移する遷移ボタンG11b等が表示されている。体調の入力領域G11aは、表情の異なる複数の顔のアイコンが配設されていて、アイコンを選択することで調子を段階的に選択入力することができる。選択されたアイコンは、画面G11の略中央に比較的大きく表示される。このような構成によれば、自身の体調を表情で選択できるので、直感的な選択が可能である。
【0072】
図3(b)は、画面G11に次いで表示される、メンタル状態の入力を受け付ける画面G12である。画面G12には、メンタル状態の入力領域G12aおよび次の画面G13に遷移する遷移ボタンG12b等が表示されている。メンタル状態の入力領域G12aは、表情の異なる複数の顔のアイコンが配設されていて、アイコンを選択することで調子を段階的に選択入力することができる。
【0073】
図3(c)は、画面G12に次いで表示される、入力時点前日の睡眠時間の入力を受け付ける画面G13である。画面G13には、就寝時間および起床時間を入力する入力領域G13a、および別の画面に遷移する遷移ボタンG13b等が表示されている。遷移ボタンG13bを押下すると、画面G11および画面G12で入力された体調およびメンタル状態に応じて異なる画面に遷移する。入力された体調およびメンタル状態が所定より高い、いわゆる良好な状態である場合には、「入力ありがとうございます」といった、入力領域を伴わないメッセージが表示され、画面G13から所定の画面に自動遷移する。入力された体調およびメンタル状態が所定より低い、いわゆる不調な状態である場合には、
図3(d)に示す画面G14に遷移する。なお、調子が良好な場合にも、別途の管理画面に、調子の原因について自由入力を受け付けることができる。
【0074】
図3(d)は、利用者が調子の不調を入力した場合にのみ表示される原因入力画面G14の例を示す図である。原因入力画面G14には、調子の原因の選択入力を受け付ける原因選択入力領域G14a、調子の原因の自由入力を受け付ける原因記述入力領域G14b、今日の仕事で心がけることや対策等の自由入力を受け付ける対策入力領域G14c、および利用者があらかじめ設定したセルフケアリストを表示する、セルフケア表示画面G17(
図4(c)参照)に遷移可能なセルフケア表示ボタンG14d、利用者が選択したセルフケアが選択可能に表示されるセルフケア選択受付領域G14e等が表示されている。セルフケア選択受付領域G14eは、表示されているセルフケアごとに選択入力が可能になっていて、セルフケアを選択すると、選択されたセルフケアが対策入力領域G14cに表示されるようになっている。このような構成によれば、利用者自身があらかじめ実施しうるものと選択しておいたセルフケアを不調時に自身で容易に把握できるとともに、セルフケアの選択入力を容易に行うことができる。なお、セルフケア選択受付領域G14eには、記憶部30において、障がいもしくは疾病の種別、又は特性の種別に対応付けられてあらかじめ記憶されているセルフケアを表示してもよい。
原因選択入力領域G14aおよび原因記述入力領域G14bで入力を受け付けた原因は、利用者の調子情報とともに、推奨通知画面G31(
図7参照)およびダッシュボード画面G40(
図9、10)において支援者端末4に表示される。
【0075】
図4(a)は、利用者がセルフケアを管理するセルフケア管理画面G15の例を示す図である。セルフケア管理画面G15は、セルフケア設定画面G16(
図4(b)参照)に遷移する設定ボタンG15a、セルフケア設定画面G16で自身が選択したセルフケア、および利用者が入力したセルフケアに対する評価が表示されるセルフケア表示領域G15b、各セルフケアの評価を入力する評価入力ボタンG15cが表示されている。また、セルフケア管理画面G15には、利用者が自由入力したセルフケアを表示するオリジナルセルフケア表示領域G15d、およびセルフケアを自由入力する画面に遷移する設定ボタンG15e等が表示されている。
【0076】
図4(b)は、主に設定ボタンG15aから遷移する、行いうるセルフケアを利用者自身が設定するセルフケア設定画面G16の例を示す図である。セルフケア設定画面G16には、不調の原因となりうるシチュエーションに対応するセルフケア(図中では「対策」と表示されている。)および効果が表示される表示領域G16a、および、表示領域G16aの表示内容をシチュエーションで絞り込むシチュエーション選択領域G16b等が表示されている。表示領域G16aには、配慮情報記憶部30Dに記憶されているシチュエーション-セルフケアテーブルT6の一部又は全部が表示されている。また、表示領域G16aでは、セルフケアの選択入力を受け付ける入力領域、具体的にはチェックボックスが、セルフケアごとに表示されている。このチェックボックスにより、利用者は、セルフケア設定画面G16において、自身が試したいセルフケアを複数選択することができる。選択されたセルフケアは、利用者に対応付けて利用者テーブルT1に格納される。また、選択されたセルフケアは、
図4(a)に示すセルフケア管理画面G15に表示される。
【0077】
図4(c)は、セルフケア提示部14により提示される、利用者に対応付けられて記憶されているセルフケアを表示するセルフケア表示画面G17の例を示す図である。セルフケア表示画面G17においても、不調の原因となりうるシチュエーションに対応するセルフケア(図中では「対策」と表示されている。)および効果が表示される表示領域G17a、および、表示領域G17aの表示内容をシチュエーションで絞り込むシチュエーション選択領域G17b等が表示されている。
【0078】
図5は、組織端末3および支援者端末4に表示される一覧画面G20の例を示す図である。一覧画面G20には、組織端末3又は支援者端末4の識別情報に対応付けられている利用者の情報が一覧で表示される。すなわち、一覧画面G20には、利用者の情報を表示する利用者表示領域G20a、利用者の調子を表示する通知アイコンG20b、利用者の特性等に関する説明情報の表示画面に遷移するトリセツ一覧ボタンG20c、利用者の詳細情報を利用者ごとに表示するダッシュボード画面G40(
図8参照)に遷移するダッシュボード表示ボタンG20d、面談情報記憶部30Eに格納される面談情報の入力を受け付ける画面に遷移する情報共有ノート表示ボタンG20e等が、複数表示されている。通知アイコンG20bは、例えば、判定部15により、面談の実施が必要であると判定される利用者の利用者表示領域G20aに表示される。また、通知アイコンG20bは、判定部15により、利用者の不調の懸念が検出される場合に、面談の実施が必要であると判定される利用者とは異なるアイコンを表示させてもよい。例えば、不調の懸念が検出される場合には、通知アイコンG20bとして「注意」アイコンを表示し、面談の実施が必要である場合には、通知アイコンG20bとして「不調」アイコンを表示する。
【0079】
図6は、組織端末3に表示される設定画面G22~G24の例を示す図である。なお、同設定画面G22~G24は、支援者端末4に表示可能になっていてもよい。
【0080】
図6(a)および
図6(b)は、組織端末3および支援者端末4に行う通知の要否および通知条件を設定する画面G22、G23である。
図6(a)に示す画面G22は、利用者の体調に関する通知を設定する画面であり、通知の要否、通知(図中では「アラート」と表示されている。)を表示する調子の段階、および当該段階以下の調子が何日連続した場合に「注意」アイコン又は「不調」アイコンを表示するか、の設定を受け付ける。
図6(b)に示す画面G23は、利用者のメンタル状態に関する通知を設定する画面であり、通知の要否、通知(図中では「アラート」と表示されている。)を表示する調子の段階、および当該段階以下の調子が何日連続した場合に「注意」アイコン又は「不調」アイコンを表示するか、の設定を受け付ける。
【0081】
図6(c)は、利用者からの調子の入力が所定期間以上なされなかった場合に、通信処理部18により送信される未入力アラートの設定画面G24である。未入力アラートは、例えば利用者端末2および組織端末3に送信される他、支援者端末4に送信されてもよい。設定画面G24では、未入力アラートの通知有無、および通知条件の設定を受け付ける。設定画面G24では、未入力アラートの通知を行う未入力の日数の閾値を、利用者端末2と組織端末3とで異ならせてもよい。
【0082】
図8~
図9は、組織端末3および支援者端末4に表示されるダッシュボード画面G40の例を示す図である。
図8~
図9は、紙面の都合で分割して表示したが、この順に上下に連結された1の画面として表示される。支援者端末4においては、推奨通知画面G31からダッシュボード画面G40に遷移可能になっている。
【0083】
ダッシュボード画面G40には、別の画面に遷移する複数の遷移ボタンG40a、支援者の担当者名表示欄G40b、利用者の調子情報を表示する調子情報表示領域G40c、利用者により入力された調子の原因およびメモを表示する原因表示領域G40d、および利用者の特性を説明する説明情報を表示する説明情報表示領域G40e等が表示されている。
【0084】
図8に示すように、調子情報表示領域G40cは、利用者端末2を介して段階的に入力された、体調の履歴と、メンタル状態の履歴と、勤怠の情報と、が同じ表示領域G40c-1に、同じ時間軸上に表示されている。体調の履歴およびメンタル状態の履歴は、互いに異なる表示態様の折れ線グラフで表示されている。また、勤怠の情報は、早退、休暇又は欠勤、遅刻等の通常の勤務時間と異なる日に、対応するアイコンを表示することで表している。同図においては、早退は「早」、休暇又は欠勤は「休」、遅刻は「遅」とのアイコンで表示されている。このような構成によれば、利用者の調子と、勤怠の関係が視覚的に明らかなので、支援者の担当者は利用者の状況を容易に考察できる。また、表示領域G40c-1の下方には、利用者の睡眠記録の表示領域G40-2が、表示領域G40c-1と同じ時間軸で表示されている。睡眠記録は、就寝時刻、起床時刻および睡眠時間の情報が含まれている。この構成によれば、支援者の担当者は、利用者の調子と睡眠時間の相関についても容易に考察できる。
なお、図示はしていないが、ダッシュボード画面G40の適宜の領域に、不調が予測される旨を表示してもよい。この場合、環境や時期といった不調の原因となる条件を合わせて表示してよい。例えば、特定の月、又は月末もしくは月初に不調が多い傾向にある、といった表示である。
【0085】
図9に示すように、原因表示領域G40dには、調子が良好な日に対して入力された調子の原因を表示する表示領域G40d-1と、不調な日に対して入力された調子の原因を表示する表示領域G40d-2とを、互いに別の領域に表示させる。表示領域G40d-1には、作成日と、当該日に自由入力を受け付けた、調子が良好である原因が表示される。表示領域G40d-2には、作成日と、当該日に選択入力を受け付けた不調の原因、自由入力された調子メモ、および調子情報の入力時に利用者により選択されたセルフケア(図中では「不調対策」と表示されている。)が表示されている。
【0086】
説明情報表示領域G40eには、利用者悩みテーブルT1(
図2(a)参照)に格納されている情報の少なくとも一部が表示されている。すなわち、説明情報表示領域G40eは、利用者の悩みと、悩みに対応する対策と、が利用者の特性を説明する説明情報として表示されている。
【0087】
このように、上記したダッシュボード画面G40を表示する一連の構成によれば、不調を抱えた利用者の情報を一覧できるため、組織および支援者は、利用者の体調に関する情報を容易に把握することができる。また、ダッシュボード画面G40においても調子の原因が一見して明らかであるので、組織の担当者又は支援者の担当者により面談要否の検討が容易である。また、ダッシュボード画面G40によれば、組織の担当者又は支援者の担当者は、利用者の特性や悩み、普段行っている対策等を把握することができるため、面談の内容を事前に準備することができる。また、ダッシュボード画面G40には利用者の情報がまとまっているため、組織の担当者や支援者の担当者が変更になった場合にも、引継ぎが容易である。
【0088】
●処理の流れ
図11は、調子管理装置1が実行する処理の流れの1例を示すシーケンス図である。
まず、利用者端末2は、利用者の調子情報を受け付ける(ステップS101)。次いで、調子管理装置1は、受け付けた調子情報に基づいて、利用者の調子を判定する(ステップS102)。調子管理装置1は、利用者に面談が必要と判定する場合、組織端末3又は支援者端末4にその旨通知する(ステップS103)。通知を受け付けた支援者端末4はこれを表示する。支援者端末4から表示要求が入力されると(ステップS104)、調子管理装置1は当該利用者の情報を支援者端末4に表示する(ステップS105)。また、組織端末3から調子管理装置1に対し表示要求が送信されると、調子管理装置1は当該利用者の情報を組織端末3に表示してもよい。
なお、上述のフローチャートは例示であり、処理は適宜異なる順番、又は同時に実行されてもよい。
【0089】
以上の本発明の実施形態に係る調子管理装置1によれば、不調な利用者を適切に支援することができる。
【0090】
なお、以上の本実施形態に係る調子管理装置において、各端末又は装置の機能構成は一例であり、本例で示した機能部が、本例とは異なる端末又は装置に備えさせることもできる。
【符号の説明】
【0091】
1 調子管理装置
11 利用者情報取得部
12 受付部
13 環境情報取得部
14 セルフケア提示部
15 判定部
16 サマリー生成部
17 支援計画生成部
18 通信処理部
19 表示制御部
30 記憶部
30A 利用者情報記憶部
30B 調子記憶部
30C 特性情報記憶部
30D 配慮情報記憶部
30E 面談情報記憶部
30F 支援計画記憶部
2 利用者端末
3 組織端末
4 支援者端末