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  • 特開-ケーブル梱包箱 図1
  • 特開-ケーブル梱包箱 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024015773
(43)【公開日】2024-02-06
(54)【発明の名称】ケーブル梱包箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/02 20060101AFI20240130BHJP
【FI】
B65D85/02
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022118068
(22)【出願日】2022-07-25
(71)【出願人】
【識別番号】000238049
【氏名又は名称】冨士電線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡▲崎▼ 英明
(72)【発明者】
【氏名】中村 昌樹
(72)【発明者】
【氏名】松澤 成郎
(72)【発明者】
【氏名】諏訪 嘉典
(72)【発明者】
【氏名】加藤 翔太
【テーマコード(参考)】
3E068
【Fターム(参考)】
3E068AA24
3E068AB09
3E068AC01
3E068AC03
3E068BB16
3E068CC04
3E068CD01
3E068CE02
3E068DD03
3E068DD08
3E068DE03
3E068EE15
3E068EE31
3E068EE32
(57)【要約】
【課題】ケーブルを傷付けることなく、かつ容易に蓋を開閉できるケーブル梱包箱を提供すること。
【解決手段】ケーブル梱包箱は、箱本体と、蓋とを有する。蓋は、箱本体内からケーブルを引き出すための取出部を有する蓋本体と、蓋本体の右側面側の端部および左側面側の端部に接続され、蓋を閉じたときに箱本体内において蓋本体を支持する一対の蓋支持部とを有する。一対の蓋支持部は、それぞれ、蓋を閉じたときに箱本体に収容されたケーブルに接触しないように構成された第1切り欠き部と、第1切り欠き部を挟むように配置され、蓋を閉じたときに箱本体の底板に接触する一対の脚部と、蓋支持部の正面側の端部に配置され、蓋を開閉するときに箱本体の正面側の部分に接触しないように構成された第2切り欠き部とを有する。蓋本体の正面側の端部には、箱本体内に収容される部材は接続されていない。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイル状に巻回されたケーブルを梱包するためのケーブル梱包箱であって、
開口を有する箱本体と、
背面側において前記箱本体と接続され、前記箱本体の開口を塞ぐように開閉可能に構成された蓋と、
を有し、
前記蓋は、
前記箱本体内から前記ケーブルを引き出すための取出部を有する蓋本体と、
前記蓋本体の右側面側の端部および左側面側の端部に接続され、前記蓋を閉じたときに前記箱本体内において前記蓋本体を支持する一対の蓋支持部と、
を有し、
前記一対の蓋支持部は、それぞれ、
前記蓋を閉じたときに前記箱本体に収容された前記ケーブルに接触しないように構成された第1切り欠き部と、
前記第1切り欠き部を挟むように配置され、前記蓋を閉じたときに前記箱本体の底板に接触する一対の脚部と、
前記蓋支持部の正面側の端部に配置され、前記蓋を開閉するときに前記箱本体の正面側の部分に接触しないように構成された第2切り欠き部と、
を有し、
前記蓋本体の正面側の端部には、前記箱本体内に収容される部材は接続されていないことを特徴とする、
ケーブル梱包箱。
【請求項2】
請求項1に記載のケーブル梱包箱において、
前記第1切り欠き部は、曲線状に切り欠かれていることを特徴とするケーブル梱包箱。
【請求項3】
請求項1に記載のケーブル梱包箱において、
前記第2切り欠き部は、曲線状に切り欠かれていることを特徴とするケーブル梱包箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル梱包箱に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ケーブルなど長尺部材は、コイル状に巻回した状態で梱包箱に収容され、保管および搬送される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、コイル状に巻回したケーブルを収容するためのケーブル梱包箱が記載されている。特許文献1に記載のケーブル梱包箱は、箱本体と、上蓋とを有する。箱本体の前面には、ケーブルを引き出すための前穴が配置されている。上蓋は、その背面で箱本体に接続されており、その前面には箱本体に収容される突起が配置されている。また、上蓋の左右端部には、側蓋がそれぞれ配置されている。側蓋は、箱本体の側面と同じ形状に形成されており、上蓋を閉じた状態では箱本体の内部に収容される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-055626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のケーブル梱包箱では、ケーブルが収容された状態で上蓋を閉じるとき、側蓋がケーブルに接触してしまいケーブルに傷がついてしまうおそれがある。一方、ケーブルに傷をつけないようにするには、手を添えながら上蓋を閉じる必要がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、ケーブルを傷付けることなく、かつ容易に蓋を開閉できるケーブル梱包箱を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため本発明の一態様によれば、
コイル状に巻回されたケーブルを梱包するためのケーブル梱包箱であって、
開口を有する箱本体と、
背面側において前記箱本体と接続され、前記箱本体の開口を塞ぐように開閉可能に構成された蓋と、
を有し、
前記蓋は、
前記箱本体内から前記ケーブルを引き出すための取出部を有する蓋本体と、
前記蓋本体の右側面側の端部および左側面側の端部に接続され、前記蓋を閉じたときに前記箱本体内において前記蓋本体を支持する一対の蓋支持部と、
を有し、
前記一対の蓋支持部は、それぞれ、
前記蓋を閉じたときに前記箱本体に収容された前記ケーブルに接触しないように構成された第1切り欠き部と、
前記第1切り欠き部を挟むように配置され、前記蓋を閉じたときに前記箱本体の底板に接触する一対の脚部と、
前記蓋支持部の正面側の端部に配置され、前記蓋を開閉するときに前記箱本体の正面側の部分に接触しないように構成された第2切り欠き部と、
を有し、
前記蓋本体の正面側の端部には、前記箱本体内に収容される部材は接続されていないことを特徴とする、ケーブル梱包箱が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ケーブルを傷付けることなく、かつ容易に蓋を開閉できるケーブル梱包箱を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1A、Bは、本発明の一実施の形態に係るケーブル梱包箱の斜視図である。
図2図2は、本発明の一実施の形態に係るケーブル梱包箱の右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施の形態に係るケーブル梱包箱について、図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
(ケーブル梱包箱の構成)
図1Aは、本発明の一実施の形態に係るケーブル梱包箱100の蓋120を閉じた状態の斜視図であり、図1Bは、ケーブル梱包箱100の蓋120を開けた状態の斜視図である。図2は、ケーブル梱包箱100の右側面図である。なお、図1Bおよび図2では、ケーブル梱包箱100に収容されたケーブル130を一点鎖線で示している。また、以下の説明では、箱本体110および蓋120が接続されている側を背面側とし、背面と反対側であって、蓋120を開閉させる側を正面側とし、箱本体110側を下側とし、蓋120が配置された側を上側として説明する。
【0012】
図1A、Bに示されるように、ケーブル梱包箱100は、箱本体110と、蓋120とを有する。ケーブル梱包箱100は、例えば段ボールにより一体成形されており、適宜折り曲げることにより箱となるように構成されている。ケーブル梱包箱100は、保管、搬送などのために、その内部にコイル状に巻回されたケーブル130が梱包されるとともに、ケーブル130の使用時は、ケースとして機能する。
【0013】
箱本体110は、上部に開口を有し、その内部にケーブル130が収容される。箱本体110の形状は、その内部にケーブル130を収容できれば、特に限定されない。箱本体110の平面視形状(底板111の形状)は、n角形(nは、4以上の偶数)であることが好ましい。本実施の形態では、箱本体110の平面視形状は、四角形(正方形)である。すなわち、本実施の形態では、箱本体110は、1つの底板111と、同じ形状の4つの側板112を有する。背面側の側板112には、蓋120が接続されている。底板111の大きさおよび箱本体110の深さ(高さ)は、巻回した状態のケーブル130の大きさにより適宜設定される。
【0014】
蓋120は、背面側において箱本体110と接続され、箱本体110の開口を塞ぐように開閉可能に構成されている。蓋120は、蓋本体121と、一対の蓋支持部122とを有する。
【0015】
蓋本体121は、取出部123を有し、その一部で箱本体110の背面側の側板112に接続されている。蓋本体121は、箱本体110の開口を覆う。蓋本体121の平面視形状は、底板111の形状と略同じ形状である。すなわち、本実施の形態では、蓋本体121の形状は、略正方形である。蓋本体121の右側面側および左側面側の両辺には、一対の蓋支持部122がそれぞれ接続されている。蓋本体121の正面側の端部には、箱本体110の内部に収容される部材は接続されていない。すなわち、本実施の形態では、蓋本体121の正面側の辺には、何も配置されていない。これにより、蓋120の開閉を容易に行うことができる。
【0016】
取出部123は、箱本体110の内部からケーブル130を引き出すために使用される。取出部123は、ケーブル130の搬送時には、塞がれていてもよい。例えば、取出部123は、ケーブル130の使用前には円形のミシン目として形成されていてもよい。この場合、ケーブル130の使用時には、ミシン目に囲まれた部分を切り離して取出部123を開口させ、箱本体110の内部から取出部123を介してケーブル130を取り出せるようにする。取出部123となる貫通孔の大きさは、巻回されたケーブル130の内径よりも小さいことが好ましい。これにより、取出部123を開口させた状態でケーブル梱包箱100を逆さまにしても、ケーブル130がケーブル梱包箱100の外に落ちにくくなる。取出部123の位置は、ケーブル130を引き出すことができれば特に限定されない。取出部123は、蓋本体121の中央に配置されていてもよいし、蓋本体121の外周部に配置されていてもよい。本実施の形態では、取出部123は、蓋本体121の中央に配置されている。
【0017】
一対の蓋支持部122は、蓋120を閉じた状態では、箱本体110の内部に配置され、蓋本体121を支持する。蓋支持部122は、第1切り欠き部124と、一対の脚部125と、第2切り欠き部126とを有する。
【0018】
第1切り欠き部124は、蓋120を閉じたときに箱本体110に収容されたケーブル130に蓋支持部122が接触しないように構成されている。第1切り欠き部124の配置および形状は、上記の機能を発揮できれば特に限定されない。本実施の形態では、第1切り欠き部124は、蓋支持部122の中央部に配置されている。第1切り欠き部124は、複数の直線により切り欠かれていてもよいし、曲線により切り欠かれていてもよい。本実施の形態では、第1切り欠き部124は、略半楕円状に曲線により切り欠かれている。このように、第1切り欠き部124により、蓋120(蓋支持部122)と箱本体110の内部のケーブル130とが接触しないため、ケーブル130が傷付くことがない。
【0019】
一対の脚部125は、第1切り欠き部124を挟むように配置され、蓋120を閉じたときに箱本体110の底部(底板111)に接触して蓋本体121を支持する。一対の脚部125の構成は、上記の機能を発揮できれば特に限定されない。本実施の形態では、ケーブル梱包箱100の深さ方向における脚部125の長さは、箱本体110の内部の深さと略同一である。このように、一対の脚部125が蓋本体121を支持することにより、蓋本体121が箱本体110の内部に入り込んでケーブル梱包箱100が潰れることが抑制される。
【0020】
第2切り欠き部126は、蓋支持部122の正面側の端部に配置され、蓋120を開閉するときに箱本体110の正面側の部分(正面側の側板112)に接触しないように構成されている。第2切り欠き部126の形状は、上記の機能を発揮できれば特に限定されない。第2切り欠き部126は、蓋支持部122の正面側の端部が直線状に切り欠かれていてもよいし、曲線状に切り欠かれていてもよい。本実施の形態では、第2切り欠き部126は、蓋支持部122の正面側の端部が曲線状に切り欠かれている。このように、蓋支持部122は、第2切り欠き部126を有しているため、蓋120を開閉しやすい。
【0021】
ここで、ケーブル梱包箱100の使用方法について説明する。ケーブル梱包箱100の蓋120を開けた状態で、箱本体110の内部にコイル状に巻回されたケーブル130を収容する。
【0022】
次いで、蓋120を閉じる。このとき、一対の蓋支持部122が箱本体110の内部に配置されるように、蓋を閉じる。一対の蓋支持部122は、第1切り欠き部124を有するためケーブル130が一対の蓋支持部122に接触することがない。また、一対の蓋支持部122は、蓋120を閉じたときに箱本体110の底板111に接触するため、ケーブル梱包箱100がつぶれない。さらに、蓋120は、第2切り欠き部126を有するため一対の蓋支持部122が箱本体110の正面側の側板112に接触することがなく、容易に蓋120を閉じることができる。この状態で、ケーブル130を搬送および保管できる。
【0023】
ケーブル130を使用するときは、ミシン目に沿って取出部123を開口させ、取出部123からケーブル130を引き出して使用する。
【0024】
(効果)
以上のように本発明によれば、ケーブル梱包箱100の蓋支持部122は、第1切り欠き部124と、一対の脚部125と、第2切り欠き部126を有しているため、ケーブル130を傷付けることなく、かつ容易に蓋120を開閉できる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明のケーブル梱包箱100は、コイル状に巻回されたケーブル130を梱包、搬送するのに有用である。
【符号の説明】
【0026】
100 ケーブル梱包箱
110 箱本体
111 底板
112 側板
120 蓋
121 蓋本体
122 蓋支持部
123 取出部
124 第1切り欠き部
125 脚部
126 第2切り欠き部
130 ケーブル
図1
図2