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特開2024-157747レベルシフタ、電源制御装置、スイッチング電源
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157747
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】レベルシフタ、電源制御装置、スイッチング電源
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/28 20060101AFI20241031BHJP
   H03K 19/0175 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
H02M3/28 Q
H03K19/0175 220
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072289
(22)【出願日】2023-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤巻 匠
【テーマコード(参考)】
5H730
5J056
【Fターム(参考)】
5H730AA14
5H730AS01
5H730BB26
5H730BB66
5H730DD04
5H730EE02
5H730EE03
5H730EE07
5H730FG01
5J056AA37
5J056BB02
5J056BB17
5J056CC02
5J056CC11
5J056CC15
5J056DD13
5J056DD55
5J056FF09
5J056KK01
(57)【要約】
【課題】低消費電力で信号遅延の小さいレベルシフタを提供する。
【解決手段】レベルシフタ100は、入力信号S1が第1論理レベルから第2論理レベルに切り替わるときに出力信号LVSを第3論理レベルから第4論理レベルに切り替えるための第1駆動電流Id1を一時的に増大させる第1駆動電流生成回路110と、入力信号S1が第2論理レベルから第1論理レベルに切り替わるときに出力信号LVSを第4論理レベルから第3論理レベルに切り替えるための第2駆動電流Id2を一時的に増大させる第2駆動電流生成回路120とを備える。第1駆動電流生成回路110は、出力信号LVSを第3論理レベルから第4論理レベルに切り替えるときに第1駆動電流Id1を第1電流値IHとし、出力信号LVSを第4論理レベルに固定するときに第1駆動電流Id1を第1電流値IHよりも小さい第2電流値IL(=Iref)に引き下げる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号が第1論理レベルから第2論理レベルに切り替わるときに出力信号を第3論理レベルから第4論理レベルに切り替えるための第1駆動電流を一時的に増大させるように構成された第1駆動電流生成回路と、
前記入力信号が前記第2論理レベルから前記第1論理レベルに切り替わるときに前記出力信号を前記第4論理レベルから前記第3論理レベルに切り替えるための第2駆動電流を一時的に増大させるように構成された第2駆動電流生成回路と、
を備え、
前記第1駆動電流生成回路は、前記出力信号を前記第3論理レベルから前記第4論理レベルに切り替えるときに前記第1駆動電流を第1電流値とし、前記出力信号を前記第4論理レベルに固定するときに前記第1駆動電流を前記第1電流値よりも小さい第2電流値に引き下げる、レベルシフタ。
【請求項2】
前記入力信号は、第1上側電圧と第1下側電圧との間でパルス駆動される信号であり、
前記出力信号は、第2上側電圧と第2下側電圧との間でパルス駆動される信号である、請求項1に記載のレベルシフタ。
【請求項3】
前記第1駆動電流生成回路は、
前記入力信号が前記第1論理レベルから前記第2論理レベルに切り替わるときに第1ワンショットパルス信号を生成するように構成された第1ワンショット回路と、
前記第2上側電圧の印加端と前記第1下側電圧の印加端との間に接続されており前記入力信号に応じて前記第1駆動電流を駆動するように構成された第1トランジスタと、
前記第1トランジスタと前記第1下側電圧の印加端との間に接続されており前記第1ワンショットパルス信号に応じてオン/オフされるように構成された第2トランジスタと、
前記第1トランジスタと前記下側電圧の印加端との間に接続されており前記第2電流値の基準電流を生成するように構成された基準電流生成回路と、
を含む、請求項2に記載のレベルシフタ。
【請求項4】
前記第2駆動電流生成回路は、
前記入力信号が前記第2論理レベルから前記第1論理レベルに切り替わるときに第2ワンショットパルス信号を生成するように構成された第2ワンショット回路と、
前記第2上側電圧の印加端と前記第1下側電圧の印加端との間に接続されており前記第2ワンショットパルス信号に応じて前記第2駆動電流を駆動するように構成された第3トランジスタと、
を含む、請求項3に記載のレベルシフタ。
【請求項5】
前記第1トランジスタ及び前記第3トランジスタは、いずれも前記第2上側電圧と前記第1下側電圧との電圧差に耐え得る素子である、請求項4に記載のレベルシフタ。
【請求項6】
前記第2上側電圧の印加端と前記第1トランジスタとの間に接続される抵抗をさらに備える、請求項3に記載のレベルシフタ。
【請求項7】
前記第2下側電圧の印加端と前記第1トランジスタとの間に接続されるダイオードをさらに備える、請求項3に記載のレベルシフタ。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載のレベルシフタと、
前記レベルシフタから出力される前記出力信号に応じてスイッチング電源のスイッチ出力段を駆動するように構成されたドライバと、
を備える電源制御装置。
【請求項9】
請求項8に記載の電源制御装置と、
入力電圧から出力電圧を生成するように構成された前記スイッチ出力段と、
を備える、スイッチング電源。
【請求項10】
前記入力電圧は、商用交流電圧を整流して生成される直流電圧である、請求項9に記載のスイッチング電源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、レベルシフタ、電源制御装置及びスイッチング電源に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レベルシフタは、様々なアプリケーションで利用されている。
【0003】
なお、上記に関連する従来技術の一例としては、特許文献1を挙げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-162311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来のレベルシフタは、消費電力及び信号遅延について改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
例えば、本開示に係るレベルシフタは、入力信号が第1論理レベルから第2論理レベルに切り替わるときに出力信号を第3論理レベルから第4論理レベルに切り替えるための第1駆動電流を一時的に増大させるように構成された第1駆動電流生成回路と、前記入力信号が前記第2論理レベルから前記第1論理レベルに切り替わるときに前記出力信号を前記第4論理レベルから前記第3論理レベルに切り替えるための第2駆動電流を一時的に増大させるように構成された第2駆動電流生成回路とを備え、前記第1駆動電流生成回路は、前記出力信号を前記第3論理レベルから前記第4論理レベルに切り替えるときに前記第1駆動電流を第1電流値とし、前記出力信号を前記第4論理レベルに固定するときに前記第1駆動電流を前記第1電流値よりも小さい第2電流値に引き下げる。
【0007】
なお、その他の特徴、要素、ステップ、利点、及び、特性については、以下に続く発明を実施するための形態及びこれに関する添付の図面によって、さらに明らかとなる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、低消費電力で信号遅延の小さいレベルシフタ、並びに、これを用いた電源制御装置及びスイッチング電源を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、スイッチング電源の第1実施形態を示す図である。
図2図2は、第1実施形態におけるレベルシフタの動作例を示す図である。
図3図3は、スイッチング電源の第2実施形態を示す図である。
図4図4は、第2実施形態におけるレベルシフタの動作例を示す図である。
図5図5は、スイッチング周波数と消費電力との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<スイッチング電源(第1実施形態)>
図1は、スイッチング電源の第1実施形態(=後出の第2実施形態と対比される比較例に相当)を示す図である。本実施形態のスイッチング電源Aは、入力電圧VBUSから所望の出力電圧VOUTを生成する絶縁型のDC/DCコンバータである。本図に即して述べると、スイッチング電源Aは、電源制御装置1と、スイッチ出力段2と、コントローラ3と、ブートストラップ回路4と、を備える。
【0011】
電源制御装置1は、スイッチング電源Aの制御主体となる半導体集積回路装置(いわゆる電源制御IC)である。電源制御装置1は、装置外部との電気的な接続を確立するための手段として、複数の外部端子(本図では、HVCCピン、LVCCピン、HINピン、LINピン、HGピン、SWピン、LGピン、及び、GNDピン)を備える。
【0012】
スイッチ出力段2は、電源制御装置1の駆動制御に応じて、入力電圧VBUSから所望の出力電圧VOUTを生成する。本図に即して述べると、スイッチ出力段2は、トランジスタN1及びN2(例えばNMOSFET[N-channel type metal oxide semiconductor field effect transistor])と、インダクタL1と、トランスTRと、キャパシタC1及びC2と、ダイオードD1及びD2と、を含む。
【0013】
トランスTRは、コアに捲回される一次巻線Lpと二次巻線Ls1及びLs2を含む。一次巻線Lpと二次巻線Ls1及びLs2は、互いに磁気結合される。二次巻線Ls1及びLs2は、中点タップを備える単一の二次巻線Lsとして理解され得る。
【0014】
トランジスタN1のドレインは、入力電圧VBUSの印加端に接続される。トランジスタN1のゲートは、HGピン(=上側ゲート駆動信号G1の印加端)に接続される。トランジスタN1のソースは、SWピンに接続される。なお、入力電圧VBUSは、商用交流電圧VAC(例えばAC100~200V)を整流して生成される直流電圧であってもよい。すなわち、スイッチ出力段2の前段には、全波整流回路及び力率改善回路など(いずれも不図示)が設けられてもよい。その場合、システム全体としてみると、スイッチング電源Aは、AC/DCコンバータとして理解され得る。
【0015】
トランジスタN2のドレインは、SWピンに接続される。トランジスタN2ゲートは、LGピン(=下側ゲート駆動信号G2の印加端)に接続される。トランジスタN2のソースは、GNDピンに接続される。GNDピンは、接地電圧GND1の印加端(=一次回路系の接地端に相当)に接続される。
【0016】
インダクタL1の第1端は、SWピンに接続される。インダクタL1の第2端は、一次巻線Lpの第1端(捲始端)に接続される。一次巻線Lpの第2端(捲終端)は、キャパシタC1の第1端に接続される。キャパシタC1の第2端は、GNDピンに接続される。なお、インダクタL1は、共振インダクタとして機能する。インダクタL1は、トランスTRの漏れインダクタンスであってもよい。キャパシタC1は、共振キャパシタとして機能する。このように、スイッチ出力段2は、いわゆるLLC共振型であってもよい。
【0017】
二次巻線Ls1の第1端(捲始端)は、ダイオードD1のアノードに接続される。二次巻線Ls1の第2端(捲終端)と二次巻線Ls2の第1端(捲始端)は、いずれも接地電圧GND2の印加端(=二次回路系の接地端に相当)に接続される。二次巻線Ls2の第2端(捲終端)は、ダイオードD2のアノードに接続される。ダイオードD1及びD2それぞれのカソードとキャパシタC2の第1端は、いずれも出力電圧VOUTの印加端に接続される。キャパシタC2の第2端は、接地電圧GND2の印加端に接続される。
【0018】
コントローラ3は、入力電圧VBUSから所望の出力電圧VOUTが生成されるように出力帰還制御用の上側制御信号S1及び下側制御信号S2を生成し、それぞれをHINピン及びLINピンに出力する。上側制御信号S1及び下側制御信号S2は、それぞれ、電源電圧Vccと接地電圧GND1との間でパルス駆動される信号であってもよい。なお、出力帰還制御のトポロジについては、周知技術が適用され得る。
【0019】
ブートストラップ回路4は、SWピンに現れるスイッチ電圧Vswよりも高いブースト電圧Vbstを生成する。本図に即して述べると、ブートストラップ回路4は、キャパシタC3と、ダイオードD3と、直流電源E1と、を含む。
【0020】
直流電源E1の正極端(=電源電圧Vccの印加端)は、LVCCピンとダイオードD3のアノードに接続される。直流電源E1の負極端は、接地電圧GND1の印加端に接続される。ダイオードD3のカソードとキャパシタC3の第1端は、いずれもHVCCピン(=ブースト電圧Vbstの印加端)に接続される。キャパシタC3の第2端は、SWピン(=スイッチ電圧Vswの印加端)に接続される。
【0021】
ブースト電圧Vbstは、スイッチ電圧Vswよりも常にキャパシタC3の両端間電圧VC(≒Vcc-Vf1、ただし、Vf1はダイオードD3の順方向降下電圧)だけ高い電圧値(≒Vsw+Vcc-Vf1)を持つ。例えば、スイッチ電圧Vswのハイレベル期間(Vsw≒VBUS)には、Vbst≒VBUS+VCとなる。一方、スイッチ電圧Vswのローレベル期間(Vsw≒GND1)には、Vbst≒VC(+GND1)となる。このようにして生成されるブースト電圧Vbstは、上側ゲート駆動信号G1のハイレベル電圧として用いられる。
【0022】
なお、ブートストラップ回路4の構成要素は、一部又は全部が電源制御装置1に集積化されてもよい。また、ダイオードD3は、トランジスタなどのスイッチ素子に置き換えられてもよい。
【0023】
<電源制御装置>
引き続き、図1を参照しながら電源制御装置1の構成及び動作について説明する。電源制御装置1は、レベルシフタ10と、上側ドライバ20と、下側ドライバ30とを含む。
【0024】
レベルシフタ10は、HINピンに印加される上側制御信号S1(=レベルシフタ10の入力信号に相当)から内部制御信号LVS、延いては反転内部制御信号LVSB(=レベルシフタ10の出力信号に相当)を生成する。本図に即して述べると、レベルシフタ10は、トランジスタ11(例えばNMOSFET)と、抵抗12と、ダイオード13と、インバータ14と、を含む。
【0025】
トランジスタ11のゲートは、HINピン(=上側制御信号S1の印加端)に接続される。トランジスタ11のドレインは、内部制御信号LVSの印加端に接続される。トランジスタ11のソースは、接地電圧GND1の印加端に接続される。なお、トランジスタ11は、ブースト電圧Vbstと接地電圧GND1との電圧差に耐え得る高耐圧素子であるとよい。抵抗12の第1端は、HVCCピン(=ブースト電圧Vbstの印加端)に接続される。抵抗12の第2端とダイオード13のカソードは、いずれも内部制御信号LVSの印加端に接続される。ダイオード13のアノードは、SWピン(=スイッチ電圧Vswの印加端)に接続される。
【0026】
上側制御信号S1がハイレベル(≒Vcc)であるときには、トランジスタ11がオン状態となる。従って、トランジスタ11を介して駆動電流Idが流れる。このとき、内部制御信号LVSは、ローレベル(≒Vsw-Vf2、ただしVf2はダイオード13の順方向降下電圧)となる。一方、上側制御信号S1がローレベル(≒GND1)であるときには、トランジスタ11がオフ状態となる。このとき、内部制御信号LVSは、ハイレベル(≒Vbst)となる。
【0027】
インバータ14は、内部制御信号LVSの論理レベルを反転させて反転内部制御信号LVSBを生成する。従って、反転内部制御信号LVSBは、内部制御信号LVSがハイレベル(≒Vbst)であるときにローレベル(≒Vsw)となる。また、反転内部制御信号LVSBは、内部制御信号LVSがローレベル(≒Vsw-Vf)であるときにハイレベル(≒Vbst)となる。なお、インバータ14は、ヒステリシス特性を持つシュミットバッファであってもよい。
【0028】
上側ドライバ20は、ブースト電圧Vbstとスイッチ電圧Vswの供給を受けて動作する。上側ドライバ20は、レベルシフタ10から出力される反転内部制御信号LVSB(延いてはHINピンに印加される上側制御信号S1)に応じて上側ゲート駆動信号G1を生成することにより、スイッチ出力段2(特にトランジスタN1)を駆動する。
【0029】
例えば、上側ドライバ20は、反転内部制御信号LVSBがハイレベル(≒Vbst)であるときに上側ゲート駆動信号G1をハイレベル(≒Vbst)とする。このとき、トランジスタN1がオン状態となる。一方、上側ドライバ20は、反転内部制御信号LVSBがローレベル(≒Vsw)であるときに上側ゲート駆動信号G1をローレベル(≒Vsw)とする。このとき、トランジスタN1がオフ状態となる。
【0030】
このように、ブースト電圧Vbstは、上側ゲート駆動信号G1のハイレベル(=トランジスタN1をオン状態とするための論理レベル)として用いられる。従って、トランジスタN1のオン期間Tonには、上側ゲート駆動信号G1のハイレベル(≒Vbst)がスイッチ電圧Vswのハイレベル(≒VBUS)よりも高い電圧値(≒VBUS+VC)まで引き上げられる。その結果、トランジスタN1のゲート・ソース間電圧が高められるので、トランジスタN1が確実にオン状態とされる。
【0031】
下側ドライバ30は、電源電圧Vccと接地電圧GND1の供給を受けて動作する。下側ドライバ30は、LINピンに印加される下側制御信号S2に応じて下側ゲート駆動信号G2を生成することにより、スイッチ出力段2(特にトランジスタN2)を駆動する。
【0032】
例えば、下側ドライバ30は、下側制御信号S2がハイレベル(≒Vcc)であるときに下側ゲート駆動信号G2をハイレベル(≒Vcc)とする。この時、トランジスタN2がオン状態となる。一方、下側ドライバ30は、下側制御信号S2がローレベル(≒GND1)であるときに下側ゲート駆動信号G2をローレベル(≒GND1)とする。このとき、トランジスタN2がオフ状態となる。
【0033】
図2は、第1実施形態(図1)におけるレベルシフタ10の動作例を示す図である。本図では、上から順に、HINピンの端子電圧(=S1)、駆動電流Id、内部制御信号LVSとSWピンの端子電圧との差分電圧(=LVS-SW)、及び、トランジスタN1のゲート・ソース間電圧(=HG-SW)が描写されている。
【0034】
本図で示されるように、HINピンがローレベル(≒GND1)からハイレベル(≒Vcc)に立ち上げられると、トランジスタ11がオン状態となる。従って、トランジスタ11を介して駆動電流Idが流れる。このとき、内部制御信号LVSがローレベル(≒Vsw-Vf2)となる。従って、LVS-SW=-Vf2となる。また、このとき、ゲート駆動信号G1がハイレベル(≒Vbst)となる。従って、HG-SW=Vcc-Vf1(=VC)となる。
【0035】
一方、HINピンがハイレベル(≒Vcc)からローレベル(≒GND1)に立ち下げられると、トランジスタ11がオフ状態となる。従って、駆動電流Idが流れなくなる。このとき、内部制御信号LVSが抵抗12を介してハイレベル(≒Vbst)にプルアップされる。従って、LVS-SW=Vcc-Vf1(=VC)となる。また、このとき、ゲート駆動信号G1がローレベル(≒Vsw)となる。従って、HG-SW=0となる。
【0036】
このように、レベルシフタ10は、電源電圧Vccと接地電圧GND1との間でパルス駆動される入力信号(=上側制御信号S1)をレベルシフトすることにより、ブースト電圧Vbstとスイッチ電圧Vswとの間でパルス駆動される出力信号(=反転内部制御信号LVSB)を生成することができる。
【0037】
ただし、第1実施形態のレベルシフタ10では、入力電圧VBUS、延いてはブースト電圧Vbstが高電圧(例えば数百V)である場合、トランジスタN1のオン期間Ton(=HINピンのハイレベル期間に相当)における消費電力Ploss(=Id×Vbst)が非常に大きくなる。
【0038】
また、第1実施形態のレベルシフタ10では、オフ遅延時間Td_offがオン遅延時間Td_onに比べて非常に長いという問題もある。
【0039】
なお、オン遅延時間Td_onは、HINピンがハイレベルに立ち上げられてから、トランジスタN1のゲート・ソース間電圧(=HG-SW)がハイレベルに立ち上げられるまでの所要時間である。
【0040】
HINピンがハイレベルに立ち上げられると、オン状態(=低インピーダンス状態)のトランジスタ11を介して大きな駆動電流Idが流れる。このとき、内部制御信号LVSが比較的急峻に引き下げられる。従って、内部制御信号LVSがインバータ14の閾値を速やかに下回るので、反転内部制御信号LVSB、延いてはゲート駆動信号G1が遅滞なくハイレベルに立ち上がる。そのため、オン遅延時間Td_onは比較的短時間で済む。
【0041】
一方、オフ遅延時間Td_offは、HINピンがローレベルに立ち下げられてから、トランジスタN1のゲート・ソース間電圧(=HG-SW)がローレベルに立ち下げられるまでの所要時間である。
【0042】
HINピンがローレベルに立ち下げられると、トランジスタ11がオフ状態となる。このとき、内部制御信号LVSは、高インピーダンスの抵抗12を介して比較的緩やかに引き上げられる。従って、内部制御信号LVSがなかなかインバータ14の閾値を上回らないので、反転内部制御信号LVSB、延いてはゲート駆動信号G1の立ち上がりタイミングが遅れる。そのため、オフ遅延時間Td_offが長くなる。
【0043】
以下では、上記の問題点を解消することのできる第2実施形態を提案する。
【0044】
<スイッチング電源(第2実施形態)>
図3は、スイッチング電源の第2実施形態を示す図である。本実施形態のスイッチング電源Aには、先出のレベルシフタ10(図1)に代えて、レベルシフタ100が組み込まれている。
【0045】
レベルシフタ100は、先出のレベルシフタ10と同様、HINピンに印加される上側制御信号S1(=レベルシフタ100の入力信号に相当)から内部制御信号LVS、延いては反転内部制御信号LVSB(=レベルシフタ100の出力信号に相当)を生成する。
【0046】
なお、上側制御信号S1は、電源電圧Vcc(=第1上側電圧に相当)と接地電圧GND1(=第1下側電圧に相当)との間でパルス駆動される信号である。一方、反転内部制御信号LVSBは、ブースト電圧Vbst(=第2上側電圧に相当)とスイッチ電圧Vsw(=第2下側電圧に相当)との間でパルス駆動される信号である。このように、レベルシフタ100は、入力信号の信号レベルをシフトさせて出力信号を生成する。
【0047】
本図に即して述べると、レベルシフタ100は、例えば、第1駆動電流生成回路110と、第2駆動電流生成回路120と、抵抗130と、ダイオード140と、インバータ150と、を含む。
【0048】
第1駆動電流生成回路110は、例えば、上側制御信号S1がローレベルからハイレベルに切り替わるときに、内部制御信号LVSをハイレベルからローレベルに切り替えるための第1駆動電流Id1を一時的に増大させる機能を備える。
【0049】
具体的に述べると、第1駆動電流生成回路110は、内部制御信号LVSをハイレベルからローレベルに切り替えるときに、第1駆動電流Id1を一時的に第1電流値IH(例えば3mA)とする。また、第1駆動電流生成回路110は、内部制御信号LVSをローレベルに固定するときに、第1駆動電流Id1を第1電流値IHよりも小さい第2電流値IL(例えば100μA)に引き下げる。
【0050】
本図に即して述べると、第1駆動電流生成回路110は、第1ワンショット回路111と、トランジスタ112~115(例えばNMOSFET)と、電流源116とを含む。
【0051】
第1ワンショット回路111は、上側制御信号S1がローレベルからハイレベルに切り替わるときに第1ワンショットパルス信号S3を生成する。例えば、第1ワンショットパルス信号S3は、上側制御信号S1の立上りタイミングからパルス幅Tos(例えば50μs)だけハイレベルとなった後、遅滞なくローレベルに復帰する信号であってもよい。
【0052】
トランジスタ112のゲートは、HINピン(=上側制御信号S1の印加端)に接続される。トランジスタ112のドレインは、内部制御信号LVSの印加端に接続される。トランジスタ112のソースは、トランジスタ113のドレインに接続される。トランジスタ113のゲートは、第1ワンショット回路111の出力端(=第1ワンショットパルス信号S3の印加端)に接続される。トランジスタ113のソースは、接地電圧GND1の印加端に接続される。
【0053】
なお、トランジスタ112は、上側制御信号S1に応じて第1駆動電流Id1を駆動する第1トランジスタとして機能する。特に、トランジスタ112は、ブースト電圧Vbstと接地電圧GND1との電圧差に耐え得る高耐圧素子であるとよい。また、トランジスタ113は、第1ワンショットパルス信号S3に応じてオン/オフされる第2トランジスタとして機能する。
【0054】
トランジスタ114のドレインは、トランジスタ112のソースに接続される。トランジスタ114及び115それぞれのゲートは、いずれもトランジスタ115のドレインに接続される。トランジスタ114及び115それぞれのソースは、いずれも接地電圧GND1の印加端に接続される。電流源116は、電源電圧Vccの印加端とトランジスタ115のドレインとの間に接続されており、所定の基準電流Iref(例えばIL=100μA)を生成する。トランジスタ115のドレインに流れる基準電流Irefは、トランジスタ114のドレインに所定の比率(例えば1:1)でミラーされる。このように、トランジスタ114及び115と電流源116は、第2電流値ILの基準電流Irefを生成する基準電流生成回路117を形成する。
【0055】
第2駆動電流生成回路120は、例えば、上側制御信号S1がハイレベルからローレベルに切り替わるときに、内部制御信号LVSをローレベルからハイレベルに切り替えるための第2駆動電流Id2を一時的に増大させる機能を備える。
【0056】
具体的に述べると、第2駆動電流生成回路120は、内部制御信号LVSをローレベルからハイレベルに切り替えるときに、第2駆動電流Id2を一時的に第1電流値IH(例えば3mA)とする。また、第2駆動電流生成回路120は、内部制御信号LVSをハイレベルに固定するときに、第2駆動電流Id2の生成を停止する。
【0057】
本図に即して述べると、第2駆動電流生成回路120は、例えば、第2ワンショット回路121と、トランジスタ122(NMOSFET)と、トランジスタ123及び124(PMOSFET[P-channel type MOSFET])と、インバータ125と、を含む。
【0058】
第2ワンショット回路121は、反転上側制御信号S4の入力を受けており、上側制御信号S1がハイレベルからローレベルに切り替わるときに第2ワンショットパルス信号S5を生成する。例えば、第2ワンショットパルス信号S5は、上側制御信号S1の立下りタイミングからパルス幅Tos(例えば50μs)だけハイレベルとなった後、遅滞なくローレベルに復帰する信号であってもよい。
【0059】
トランジスタ122のゲートは、第2ワンショット回路121の出力端(=第2ワンショットパルス信号S5の印加端)に接続される。トランジスタ122のドレインは、トランジスタ124のドレインに接続される。トランジスタ122のソースは、接地電圧GND1の印加端に接続される。
【0060】
なお、トランジスタ122は、第2ワンショットパルス信号S5に応じてオン/オフされる第3トランジスタとして機能する。特に、トランジスタ122は、ブースト電圧Vbstと接地電圧GND1との電圧差に耐え得る高耐圧素子であるとよい。
【0061】
トランジスタ123及び124それぞれのソースは、いずれもブースト電圧Vbstの印加端に接続される。トランジスタ123及び124それぞれのゲートは、いずれもトランジスタ124のドレインに接続される。トランジスタ123のドレインは、内部制御信号LVSの印加端に接続される。トランジスタ124のドレインに流れる第2駆動電流Id2は、トランジスタ123のドレインに所定の比率(例えば1:1)でミラーされる。
【0062】
インバータ125は、上側制御信号S1の論理レベルを反転させて反転上側制御信号S4を生成する。従って、反転上側制御信号S4は、上側制御信号S1がハイレベルであるときにローレベルとなる。また、反転上側制御信号S4は、上側制御信号S1がローレベルであるときにハイレベルとなる。
【0063】
抵抗130の第1端は、HVCCピンに接続される。抵抗130の第2端は、内部制御信号LVSの印加端に接続される。すなわち、抵抗130は、ブースト電圧Vbst(=第2上側電圧に相当)の印加端とトランジスタ112のドレインとの間に接続される。
【0064】
ダイオード140のカソードは、内部制御信号LVSの印加端に接続される。ダイオード140のアノードは、SWピンに接続される。すなわち、ダイオード140は、スイッチ電圧Vsw(=第2下側電圧に相当)の印加端とトランジスタ112のドレインとの間に接続される。
【0065】
インバータ150は、内部制御信号LVSの論理レベルを反転させて反転内部制御信号LVSBを生成する。従って、反転内部制御信号LVSBは、内部制御信号LVSがハイレベル(≒Vbst)であるときにローレベル(≒Vsw)となる。また、反転内部制御信号LVSBは、内部制御信号LVSがローレベル(≒Vsw-Vf)であるときにハイレベル(≒Vbst)となる。なお、インバータ150は、ヒステリシス特性を持つシュミットバッファであってもよい。
【0066】
本構成例のレベルシフタ100において、上側制御信号S1がハイレベル(≒Vcc)であるときには、トランジスタ112がオン状態となる。また、上側制御信号S1がハイレベルに立ち上げられると、第1ワンショットパルス信号S3がパルス幅Tosに亘ってハイレベルとされる。従って、トランジスタ113もオン状態となる。このとき、内部制御信号LVSの印加端からトランジスタ112を介して引き抜かれる第1駆動電流Id1は、比較的大きい第1電流値IH(例えば3mA)となる。その結果、内部制御信号LVSは、速やかにローレベル(≒Vsw-Vf2、ただしVf2はダイオード140の順方向降下電圧)に立ち下がる。
【0067】
その後、第1ワンショットパルス信号S3がローレベルに立ち下がると、トランジスタ113がオフ状態となる。従って、トランジスタ112を介して流れる第1駆動電流Id1は、第1電流値IHよりも小さい第2電流値IL(=Iref、例えば100μA)まで引き下げられる。
【0068】
なお、上側制御信号S1がハイレベルであるときには、第2ワンショットパルス信号S5がローレベルに維持される。従って、トランジスタ122がオフ状態のままとなる。そのため、第2駆動電流Id2が流れることはない。
【0069】
一方、上側制御信号S1がローレベル(≒GND1)に立ち下げられると、第2ワンショットパルス信号S5がパルス幅Tosに亘ってハイレベルとなる。従って、トランジスタ122もオン状態となる。その結果、トランジスタ122に第2駆動電流Id2が流れる。このとき、内部制御信号LVSの印加端には、カレントミラーを形成するトランジスタ123及び124を介して第2駆動電流Id2が流し込まれる。その結果、内部制御信号LVSは、速やかにハイレベル(≒Vbst)に立ち上がる。なお、第2駆動電流Id2の電流値は、先述の第1電流値IH(例えば3mA)と同値であってもよい。
【0070】
その後、第2ワンショットパルス信号S5がローレベルに立ち下がると、トランジスタ122がオフ状態となるので、第2駆動電流Id2が流れなくなる。ただし、内部制御信号LVSは、抵抗130を介してハイレベル(≒Vbst)に維持される。
【0071】
図4は、第2実施形態(図3)におけるレベルシフタ100の動作例を示す図である。本図では、上から順に、HINピンの端子電圧(=S1)、第1駆動電流Id1と第2駆動電流Id2が足し合わされた合算値、内部制御信号LVSとSWピンの端子電圧との差分電圧(=LVS-Vsw)、及び、HGピンとSWピンとの端子間電圧(=G1-Vsw)が描写されている。
【0072】
本図で示されるように、HINピンがローレベル(≒GND1)からハイレベル(≒Vcc)に立ち上げられると、トランジスタ112がオン状態となる。従って、内部制御信号LVSの印加端から第1駆動電流Id1が引き抜かれる。ここで、第1ワンショットパルス信号S3のハイレベル期間(パルス幅Tos)には、第1駆動電流Id1が比較的大きい第1電流値IH(例えば3mA)に設定される。その結果、内部制御信号LVSが速やかにローレベル(≒Vsw-Vf2)に立ち下げられる。
【0073】
その後、第1ワンショットパルス信号S3がローレベルに立ち下がると、第1駆動電流Id1が比較的小さい第2電流値IL(=Iref、例えば100μA)まで引き下げられる。従って、入力電圧VBUS、延いてはブースト電圧Vbstが高電圧(例えば数百V)であっても、トランジスタN1のオン期間Ton(=HINピンのハイレベル期間に相当)における消費電力Ploss(=Id1×Vbst)が小さく抑えられる。
【0074】
一方、HINピンがハイレベル(≒Vcc)からローレベル(≒GND1)に立ち下げられると、第2ワンショットパルス信号S5のハイレベル期間(パルス幅Tos)に亘ってトランジスタ122がオン状態となる。従って、内部制御信号LVSの印加端に第2駆動電流Id2が流し込まれる。その結果、内部制御信号LVSが速やかにハイレベル(≒Vbst)に立ち上がる。例えば、第2駆動電流Id2が先の第1電流値IH(例えば3mA)に設定されている場合には、オフ遅延時間Td_offがオン遅延時間Td_onと同程度まで短縮され得る。
【0075】
その後、第2ワンショットパルス信号S5がローレベルに立ち下がると、トランジスタ122がオフ状態となるので、第2駆動電流Id2が流れなくなる。ただし、内部制御信号LVSは、抵抗130を介してハイレベル(≒Vbst)に維持される。この点については、先に説明した通りである。
【0076】
このように、レベルシフタ100では、内部制御信号LVSの立上げ時及び立下げ時の双方で第1駆動電流Id1及び第2駆動電流Id2が一時的に増大される。また、内部制御信号LVSがローレベルに固定されるときには、第1駆動電流Id1が小さく抑えられる(IH→IL)。このような構成により、低消費電力で信号遅延の小さいレベルシフタ100が実現され得る。
【0077】
図5は、スイッチング周波数Fswと消費電力Plossとの関係を示す図である。実線Xは、第2実施形態(図3)の特性を示している。一方、破線Yは、第1実施形態(図1)の特性を示している。本図から明らかな通り、第2実施形態のレベルシフタ100では、第1実施形態のレベルシフタ10よりも消費電力Plossが大幅に削減され得る。
【0078】
例えば、VBUS=400V、Id=IH=3mA、IL=Iref=100μA、Tos=50μs、及び、Don(=Ton/Tsw、ただしTswはスイッチ出力段2のスイッチング周期)=50%の条件下において、Fsw=300kHzであるときには、消費電力Plossが90%以上も削減され得る(0.6W→0.05W)。
【0079】
<付記>
以下では、上記で説明した種々の実施形態について総括的に述べる。
【0080】
例えば、本開示に係るレベルシフタは、入力信号が第1論理レベルから第2論理レベルに切り替わるときに出力信号を第3論理レベルから第4論理レベルに切り替えるための第1駆動電流を一時的に増大させるように構成された第1駆動電流生成回路と、前記入力信号が前記第2論理レベルから前記第1論理レベルに切り替わるときに前記出力信号を前記第4論理レベルから前記第3論理レベルに切り替えるための第2駆動電流を一時的に増大させるように構成された第2駆動電流生成回路とを備え、前記第1駆動電流生成回路は、前記出力信号を前記第3論理レベルから前記第4論理レベルに切り替えるときに前記第1駆動電流を第1電流値とし、前記出力信号を前記第4論理レベルに固定するときに前記第1駆動電流を前記第1電流値よりも小さい第2電流値に引き下げる構成(第1の構成)とされている。
【0081】
なお、上記第1の構成によるレベルシフタにおいて、前記入力信号は、第1上側電圧と第1下側電圧との間でパルス駆動される信号であり、前記出力信号は、第2上側電圧と第2下側電圧との間でパルス駆動される信号である構成(第2の構成)とされてもよい。
【0082】
また、上記第2の構成によるレベルシフタにおいて、前記第1駆動電流生成回路は、前記入力信号が前記第1論理レベルから前記第2論理レベルに切り替わるときに第1ワンショットパルス信号を生成するように構成された第1ワンショット回路と、前記第2上側電圧の印加端と前記第1下側電圧の印加端との間に接続されており前記入力信号に応じて前記第1駆動電流を駆動するように構成された第1トランジスタと、前記第1トランジスタと前記第1下側電圧の印加端との間に接続されており前記第1ワンショットパルス信号に応じてオン/オフされるように構成された第2トランジスタと、前記第1トランジスタと前記下側電圧の印加端との間に接続されており前記第2電流値の基準電流を生成するように構成された基準電流生成回路と、を含む構成(第3の構成)とされてもよい。
【0083】
また、上記第3の構成によるレベルシフタにおいて、前記第2駆動電流生成回路は、前記入力信号が前記第2論理レベルから前記第1論理レベルに切り替わるときに第2ワンショットパルス信号を生成するように構成された第2ワンショット回路と、前記第2上側電圧の印加端と前記第1下側電圧の印加端との間に接続されており前記第2ワンショットパルス信号に応じてオン/オフされることにより前記第2駆動電流を駆動するように構成された第3トランジスタとを含む構成(第4の構成)とされてもよい。
【0084】
また、上記第4の構成によるレベルシフタにおいて、前記第1トランジスタ及び前記第3トランジスタは、いずれも前記第2上側電圧と前記第1下側電圧との電圧差に耐え得る素子である構成(第5の構成)とされてもよい。
【0085】
また、上記第3~第5いずれかの構成によるレベルシフタは、前記第2上側電圧の印加端と前記第1トランジスタとの間に接続される抵抗をさらに備える構成(第6の構成)とされてもよい。
【0086】
また、上記第3~第6いずれかの構成によるレベルシフタは、前記第2下側電圧の印加端と前記第1トランジスタとの間に接続されるダイオードをさらに備える構成(第7の構成)とされてもよい。
【0087】
また、例えば、本開示に係る電源制御装置は、上記第1~第7いずれかの構成によるレベルシフタと、前記レベルシフタから出力される前記出力信号に応じてスイッチング電源のスイッチ出力段を駆動するように構成されたドライバと、を備える構成(第8の構成)とされている。
【0088】
また、例えば、本開示に係るスイッチング電源は、上記第8の構成による電源制御装置と、入力電圧から出力電圧を生成するように構成された前記スイッチ出力段と、を備える構成(第9の構成)とされている。
【0089】
なお、上記第9の構成によるスイッチング電源において、前記入力電圧は、商用交流電圧を整流して生成される直流電圧である構成(第10の構成)とされてもよい。
【0090】
<その他>
なお、本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施形態のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。また、本開示の技術的範囲は、特許請求の範囲により規定されるものであって、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
【符号の説明】
【0091】
1 電源制御装置
2 スイッチ出力段
3 コントローラ
4 ブートストラップ回路
10 レベルシフタ
11 トランジスタ(NMOSFET)
12 抵抗
13 ダイオード
14 インバータ(シュミットバッファ)
20 上側ドライバ
30 下側ドライバ
100 レベルシフタ
110 第1駆動電流生成回路
111 第1ワンショット回路
112~115 トランジスタ(NMOSFET)
116 電流源
117 基準電流生成回路
120 第2駆動電流生成回路
121 第2ワンショット回路
122 トランジスタ(NMOSFET)
123、124 トランジスタ(PMOSFET)
125 インバータ
130 抵抗
140 ダイオード
150 インバータ(シュミットバッファ)
A スイッチング電源
C1~C3 キャパシタ
D1~D3 ダイオード
E1 直流電源
L1 インダクタ
Lp 一次巻線
Ls1、Ls2 二次巻線
N1、N2 トランジスタ(NMOSFET)
TR トランス
図1
図2
図3
図4
図5