(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157762
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】コンベヤシステム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20241031BHJP
B65G 1/00 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
B65G1/137 F
B65G1/00 501B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072311
(22)【出願日】2023-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100176245
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100156395
【弁理士】
【氏名又は名称】荒井 寿王
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 圭亮
(72)【発明者】
【氏名】田中 正彦
【テーマコード(参考)】
3F022
3F522
【Fターム(参考)】
3F022AA15
3F022EE01
3F022EE02
3F022EE05
3F022EE09
3F022FF01
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3F022MM11
3F022NN42
3F522AA02
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3F522BB36
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3F522GG13
3F522GG18
3F522JJ01
3F522JJ03
3F522LL25
3F522LL57
3F522LL62
(57)【要約】
【課題】作業ステーションにおける作業の遅延を抑制することが可能なコンベヤシステムを提供すること。
【解決手段】コンベヤシステムは、自動倉庫と、周回コンベヤと、複数の作業ステーションと、複数の分岐コンベヤと、荷物の搬送を管理するコントローラとを備え、コントローラは、各作業ステーションの作業内容を把握する作業内容把握部51と、作業内容に基づいて、自動倉庫から出庫する荷物の種類及び数を決定する出庫荷物決定部52と、荷物の種類及び数に基づいて自動倉庫の出庫を制御する出庫制御部53と、各作業ステーションの作業進捗を把握する作業進捗把握部54と、作業内容及び作業進捗に基づいて周回コンベヤ上の荷物を複数の分岐コンベヤの何れかへ移送させる分岐指示部55と、を有し、出庫制御部53は、周回コンベヤ上において同じ種類の複数の荷物のうちの少なくとも一部の間隔が所定間隔以上となるように、自動倉庫から荷物を出庫させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動倉庫と、
前記自動倉庫から出庫された荷物を周回軌道に沿って搬送する周回コンベヤと、
作業者が作業する複数の作業ステーションと、
前記周回軌道における互いに異なる複数位置にそれぞれ接続され、前記周回コンベヤから分岐して各作業ステーションへ前記荷物を搬送可能な複数の分岐コンベヤと、
前記荷物の搬送を管理するコントローラと、を備え、
前記コントローラは、
複数の前記作業ステーションのそれぞれの作業内容を把握する作業内容把握部と、
前記作業内容把握部により把握された前記作業内容に基づいて、前記自動倉庫から出庫する前記荷物の種類及び数を決定する出庫荷物決定部と、
前記出庫荷物決定部により決定された前記荷物の種類及び数に基づいて、前記自動倉庫の出庫を制御する出庫制御部と、
複数の前記作業ステーションのそれぞれの作業進捗を把握する作業進捗把握部と、
前記作業内容把握部により把握された前記作業内容及び前記作業進捗把握部により把握された前記作業進捗に基づいて、前記周回コンベヤ上の前記荷物を複数の前記分岐コンベヤの何れかへ移送させる分岐指示部と、を有し、
前記出庫制御部は、
前記周回コンベヤ上において同じ種類の複数の前記荷物のうちの少なくとも一部の間隔が所定間隔以上となるように、前記自動倉庫から前記荷物を出庫させる、コンベヤシステム。
【請求項2】
前記出庫制御部は、
前記出庫荷物決定部により決定された前記荷物の種類及び数に基づいて、前記自動倉庫から出庫する前記荷物の出庫順序を決定する出庫順序決定部と、
前記出庫順序決定部により決定された前記出庫順序で前記荷物が出庫されるように前記自動倉庫を制御する出庫指示部と、を有する、請求項1に記載のコンベヤシステム。
【請求項3】
前記出庫順序決定部は、前記自動倉庫から出庫する前記荷物の出庫順序を、前記周回コンベヤ上において複数の荷物グループごとに搬送されるように決定し、
複数の前記荷物グループのそれぞれは、複数の種類の前記荷物を含む、請求項2に記載のコンベヤシステム。
【請求項4】
前記分岐指示部は、
前記作業内容把握部により把握された前記作業内容に基づいて、前記自動倉庫から前記荷物が出庫される際に当該荷物を移送する前記分岐コンベヤを各前記荷物に割り当て、
前記作業進捗把握部により把握された前記作業進捗に基づいて1つの前記荷物に対する当該分岐コンベヤの割り当てを解除した場合に、当該荷物に後続すると共に当該荷物と同じ種類である第1後続荷物に当該分岐コンベヤを割り当てる変更処理を実行する、請求項1に記載のコンベヤシステム。
【請求項5】
前記分岐指示部は、
前記変更処理において、前記第1後続荷物に前記分岐コンベヤを割り当てるとき、当該第1後続荷物に対する別の前記分岐コンベヤの割り当てを解除した場合に、前記第1後続荷物に後続すると共に前記第1後続荷物と同じ種類である第2後続荷物に当該別の分岐コンベヤを割り当てる、請求項4に記載のコンベヤシステム。
【請求項6】
前記出庫荷物決定部は、前記作業内容把握部により把握された前記作業内容に基づいて、前記自動倉庫から出庫される同じ種類の前記荷物の数が、前記作業内容に対応する当該種類の前記荷物の数より多くなるように、前記自動倉庫から出庫する前記荷物の種類及び数を決定し、
前記出庫制御部は、前記周回コンベヤ上において当該種類の複数の荷物のうちの少なくとも一部の間隔が所定間隔以上となるように、前記自動倉庫から前記荷物を出庫させる、請求項1に記載のコンベヤシステム。
【請求項7】
前記コントローラには、第1ランクに属する種類の前記荷物である第1荷物が予め定められており、
前記出庫荷物決定部は、前記自動倉庫から出庫される前記第1荷物の数が、前記作業内容に対応する前記第1荷物の数より多くなるように、前記自動倉庫から出庫する前記荷物の種類及び数を決定する、請求項1に記載のコンベヤシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベヤシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、周回コンベヤに沿って配置した作業ステーションと、周回コンベヤから分岐して作業ステーションまで商品容器(荷物)を搬送する分岐コンベヤとを備えるコンベヤシステムを開示する。当該コンベヤシステムでは、複数の商品(物品)を収容した荷物が各作業ステーションに供給され、各作業ステーションにおいて商品容器からオーダー容器へ商品の仕分け作業が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したようなコンベヤシステムでは、作業ステーションの作業進捗によっては、当該作業ステーションへ荷物を搬送できない場合があり、この場合、当該荷物は周回コンベヤ上を搬送され続ける。そして、作業ステーションにおいて荷物が必要になったときに、周回コンベヤ上を再周回した荷物が作業ステーションへ搬送される。よって、作業ステーションへの当該荷物の搬送が遅れる可能性があり、作業ステーションにおける作業者の作業が遅延してしまうおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、作業ステーションにおける作業の遅延を抑制することが可能なコンベヤシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明に係るコンベヤシステムは、自動倉庫と、自動倉庫から出庫された荷物を周回軌道に沿って搬送する周回コンベヤと、作業者が作業する複数の作業ステーションと、周回軌道における互いに異なる複数位置にそれぞれ接続され、周回コンベヤから分岐して各作業ステーションへ荷物を搬送可能な複数の分岐コンベヤと、荷物の搬送を管理するコントローラと、を備え、コントローラは、複数の作業ステーションのそれぞれの作業内容を把握する作業内容把握部と、作業内容把握部により把握された作業内容に基づいて、自動倉庫から出庫する荷物の種類及び数を決定する出庫荷物決定部と、出庫荷物決定部により決定された荷物の種類及び数に基づいて、自動倉庫の出庫を制御する出庫制御部と、複数の作業ステーションのそれぞれの作業進捗を把握する作業進捗把握部と、作業内容把握部により把握された作業内容及び作業進捗把握部により把握された作業進捗に基づいて、周回コンベヤ上の荷物を複数の分岐コンベヤの何れかへ移送させる分岐指示部と、を有し、出庫制御部は、周回コンベヤ上において同じ種類の複数の荷物のうちの少なくとも一部の間隔が所定間隔以上となるように、自動倉庫から荷物を出庫させる。
【0007】
このコンベヤシステムでは、何らかの理由により一の荷物を搬送できなかった搬送先の作業ステーションに対して、当該理由の解消後に荷物を搬送する場合、一の荷物が周回コンベヤ上を再周回し終えるのを待つことなく、当該一の荷物と同種で且つ所定間隔以上の間隔をあけた他の荷物を搬送させることができる。よって、作業ステーションにおける作業の遅延を抑制することが可能となる。
【0008】
(2)上記(1)に記載のコンベヤシステムでは、出庫制御部は、出庫荷物決定部により決定された荷物の種類及び数に基づいて、自動倉庫から出庫する荷物の出庫順序を決定する出庫順序決定部と、出庫順序決定部により決定された出庫順序で荷物が出庫されるように自動倉庫を制御する出庫指示部と、を有してもよい。この場合、周回コンベヤにおける複数の荷物の配置が、自動倉庫からの出庫前に決定される。これにより、自動倉庫による出庫順序を制御する機能を利用して、周回コンベヤ上の荷物間隔が所定以上となるように複数の荷物の配置を制御することができる。その結果、周回コンベヤ上において同じ種類の複数の荷物のうちの少なくとも一部の間隔が所定間隔以上となるように自動倉庫から荷物を出庫させる制御を簡易に実現することができる。
【0009】
(3)上記(2)に記載のコンベヤシステムでは、出庫順序決定部は、自動倉庫から出庫する荷物の出庫順序を、周回コンベヤ上において複数の荷物グループごとに搬送されるように決定し、複数の荷物グループのそれぞれは、複数の種類の荷物を含んでもよい。この場合、周回コンベヤ上において同じ種類の複数の荷物のうちの少なくとも一部の間隔が所定間隔以上となるように自動倉庫から荷物を出庫させる制御をより簡易に実現することができる。
【0010】
(4)上記(1)~(3)のいずれか1つに記載のコンベヤシステムでは、分岐指示部は、作業内容把握部により把握された作業内容に基づいて、自動倉庫から荷物が出庫される際に当該荷物を移送する分岐コンベヤを各荷物に割り当て、作業進捗把握部により把握された作業進捗に基づいて1つの荷物に対する当該分岐コンベヤの割り当てを解除した場合に、荷物に後続すると共に当該荷物と同じ種類である第1後続荷物に当該分岐コンベヤを割り当てる変更処理を実行してもよい。この場合、複数の荷物に対して割り当てる分岐コンベヤを切り替える制御を簡易に実現することができる。また、1つの荷物に対する分岐コンベヤの割り当てが解除された場合、該分岐コンベヤを第1後続荷物にすぐに割り当てることが可能となる。これにより、第1後続荷物が他の分岐コンベヤに移送されることを防ぐと共に、第1後続荷物を該分岐コンベヤに移送することが可能となる。その結果、該分岐コンベヤに対応する作業ステーションでの作業が過度に遅延することを抑制することが可能となる。
【0011】
(5)上記(1)~(4)のいずれか1つに記載のコンベヤシステムでは、分岐指示部は、変更処理において、第1後続荷物に分岐コンベヤを割り当てるとき、当該第1後続荷物に対する別の分岐コンベヤの割り当てを解除した場合に、第1後続荷物に後続すると共に第1後続荷物と同じ種類である第2後続荷物に当該別の分岐コンベヤを割り当ててもよい。この場合、複数の荷物に対して割り当てる分岐コンベヤを順次切り替える制御を簡易に実現することができる。また、荷物に後続すると共に該荷物と同じ種類である各荷物が到着する作業ステーションが、順繰りに入れ替わることによって、各荷物が到着する予定だった作業ステーションにおいて作業が過度に遅延することを抑制することができる。
【0012】
(6)上記(1)~(5)のいずれか1つに記載のコンベヤシステムでは、出庫荷物決定部は、作業内容把握部により把握された作業内容に基づいて、自動倉庫から出庫される同じ種類の荷物の数が、作業内容に対応する当該種類の荷物の数より多くなるように、自動倉庫から出庫する荷物の種類及び数を決定し、出庫制御部は、周回コンベヤ上において当該種類の複数の荷物のうちの少なくとも一部の間隔が所定間隔以上となるように、自動倉庫から荷物を出庫させてもよい。この場合、自動倉庫から周回コンベヤに同じ種類の荷物を余分に出庫することにより、後続荷物への切り替え可能性を上げる。その結果、作業ステーションへの荷物の到着の遅延をより一層抑制することが可能となる。
【0013】
(7)上記(1)~(6)のいずれか1つに記載のコンベヤシステムでは、コントローラには、第1ランクに属する種類の荷物である第1荷物が予め定められており、出庫荷物決定部は、自動倉庫から出庫される第1荷物の数が、作業内容に対応する第1荷物の数より多くなるように、自動倉庫から出庫する荷物の種類及び数を決定してもよい。この場合、自動倉庫から周回コンベヤに第1荷物を余分に出庫することにより、後続荷物への切り替え可能性を上げる。その結果、作業ステーションへの第1荷物の到着の遅延をより一層抑制することが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、作業ステーションにおける作業の遅延を抑制することが可能なコンベヤシステムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係るコンベヤシステムを示す模式的な平面図である。
【
図2】
図2は、
図1のコンベヤシステムにおけるコントローラの機能構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係るコンベヤシステムにおける荷物の出庫順序を説明するための図である。
【
図4】
図4は、コンベヤシステムによる自動倉庫から荷物を出庫する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、コンベヤシステムによる自動倉庫からの出庫を制御する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、コンベヤシステムによる自動倉庫から各作業ステーションまで荷物を搬送する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施形態について、図面を参照して詳細を説明する。各図の説明において、同一又は相当する部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。
【0017】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係るコンベヤシステム1を示す模式的な平面図である。
図1に示されるように、第1実施形態に係るコンベヤシステム1は、荷物Wを格納する自動倉庫10と、荷物Wを搬送するコンベヤ20と、作業者が作業をする複数の作業ステーション30と、詰め合わせライン40と、荷物Wの搬送を管理するコントローラ50と、を備える。荷物Wは、例えば商品(在庫商品)を収納可能なプラスチックケースである。荷物Wは、段ボール箱、パレット、ケース、トレイ、及び折りたたみコンテナ等であってもよい。荷物Wには、少なくとも1種類の商品が収納されている。コンベヤシステム1では、荷物Wに収納された商品が出荷容器に移し替えられて出荷される。以下、「同じ種類の荷物W」とは、「同じ種類の商品が収納された荷物W」である。
【0018】
自動倉庫10は、搬入された荷物Wを保管する。自動倉庫10は、例えばコントローラ50によって荷物Wをコンベヤ20に出庫するように制御される。自動倉庫10は、例えば、ラックに対して荷物Wを移載可能な搬送車と、荷物Wを昇降可能なリフタとを有するシャトル倉庫である。自動倉庫10は、ラックに対して荷物Wを移載可能なスタッカクレーンを有する一般的な自動倉庫であってもよいし、上記以外のその他の自動倉庫であってもよい。本実施形態のコンベヤシステム1では、コントローラ50によって決定された順序で荷物Wの出庫が決定される。よって、コンベヤシステム1は、シャトル倉庫等の順序制御を有した自動倉庫と相性の良いシステムである。
【0019】
コンベヤ20は、搬出コンベヤ21と、周回コンベヤ22と、複数の分岐コンベヤ23と、複数の合流コンベヤ24と、搬入コンベヤ25とを有する。搬出コンベヤ21は、自動倉庫10から出庫された荷物Wを、周回コンベヤ22へ搬送する。周回コンベヤ22は、自動倉庫10から出庫された荷物Wを周回軌道に沿って搬送する。周回軌道は、詰め合わせライン40に沿った方向を長軸方向とする略楕円形状(滑らかな円弧部と直線部とを備えた形状)を呈する。搬入コンベヤ25は、各作業ステーション30に搬送されなかった荷物W、又は、作業ステーション30に搬送された後に周回コンベヤ22に戻った荷物Wを、周回コンベヤ22から自動倉庫10へ搬送可能に構成されている。
【0020】
複数の分岐コンベヤ23及び複数の合流コンベヤ24は、作業ステーション30と同数設けられている。複数の分岐コンベヤ23は、周回軌道における互いに異なる複数位置P(以下、「分岐点P」と表記する)にそれぞれ接続されている。複数の分岐コンベヤ23は、複数の分岐点Pにおいて周回コンベヤ22からそれぞれ分岐して各作業ステーション30まで延在する。複数の分岐コンベヤ23は、周回コンベヤ22から各作業ステーション30へ荷物Wを搬送可能に構成されている。複数の合流コンベヤ24は、各作業ステーション30から周回コンベヤ22まで延在し、周回コンベヤ22に合流する。複数の合流コンベヤ24は、各作業ステーション30から周回コンベヤ22へ荷物Wを搬送可能に構成されている。また、コンベヤ20は、周回コンベヤ22から各分岐コンベヤ23への分岐点Pにそれぞれ配置された複数のセンサ23aを更に有する。各センサ23aは、分岐点を通過して分岐コンベヤ23に移送された荷物Wの種類及び数を検知する。
【0021】
複数の作業ステーション30は、複数の分岐コンベヤ23の終端にそれぞれ配置されている。複数の作業ステーション30は、詰め合わせライン40に沿って並ぶように設けられている。周回コンベヤ22上の荷物Wは、分岐コンベヤ23を介して作業ステーション30まで搬送される。作業ステーション30は、荷物Wに収納されている商品が荷物Wから商品を取り出されて容器に収容される場所である。言い換えると、作業ステーション30では、荷物Wに収納されている商品がピッキングされる。当該商品を収容した容器は、詰め合わせライン40を介してコンベヤシステム1が設けられた工場等の外部に出荷される。
図1に示される例では、4つの作業ステーション31~34が設けられているが、作業ステーション30の数は、これに限定されない。作業ステーション30の数は、3つ以下であってもよいし、5つ以上であってもよい。
【0022】
例えば、作業ステーション30において、作業者は、コントローラ50に登録されたオーダーに基づいて荷物W(在庫容器)から必要個数分の商品を出荷容器に移し替える。一例としては、作業ステーション30は、ピッキング作業ステーションである。また、例えば、作業ステーション30において、オーダーに基づいて荷物W(出荷容器)から必要個数分の商品を配送用段ボール箱に移し替える。一例としては、作業ステーション30は、梱包ステーションである。詰め合わせライン40は、各作業ステーション30から出荷容器又は配送用段ボール箱を搬送する。また、他の例としては、作業ステーション30は、同じ商品の組をピッキングするステーションである。
【0023】
コントローラ50は、コンベヤシステム1の各動作を制御する制御装置である。コントローラ50は、プログラム等が記憶されたROM(Read Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶媒体、CPU(Central Processing Unit)、及び、無線LAN等の通信回路等を有するコンピュータである。コントローラ50は、例えばROMに格納されているプログラムがRAM上にロードされてCPUで実行されるソフトウェアとして構成することができる。コントローラ50は、電子回路等によるハードウェアとして構成されてもよい。
【0024】
コントローラ50は、荷物Wの出庫及び搬送を管理する。コントローラ50は、自動倉庫10、コンベヤ20、作業ステーション30、及び詰め合わせライン40の動作を少なくとも制御している。コントローラ50は、一つの装置で構成されてもよいし、複数の装置で構成されてもよい。具体的には、コントローラ50は、コンベヤシステム1が設置された施設全体を制御する統括コントローラ、自動倉庫10を制御する自動倉庫コントローラ、コンベヤ20を制御するコンベヤコントローラ(分岐制御)、並びに、作業ステーション30及び当該作業ステーション30における作業を制御するピッキング作業コントローラのうち少なくともいずれか1つにより構成されてもよい。
【0025】
自動倉庫10から出庫された荷物Wは、コントローラ50によって、周回コンベヤ22を経由して分岐コンベヤ23に移送される。分岐コンベヤ23に移送された荷物Wは、作業ステーション30におけるピッキング作業に用いられる。ピッキング作業の終了後、荷物Wは、合流コンベヤ24を介して周回コンベヤ22に戻される。荷物Wは、周回コンベヤ22に戻された場合、又は、分岐コンベヤ23に移送されなかった場合、搬入コンベヤ25を介して自動倉庫10に戻される。
【0026】
図2は、コンベヤシステム1におけるコントローラ50の機能構成を示すブロック図である。
図2に示されるように、コントローラ50は、作業内容把握部51と、出庫荷物決定部52と、出庫制御部53と、作業進捗把握部54と、分岐指示部55と、を有する。以下、コントローラ50の各機能部について詳細に説明する。
【0027】
作業内容把握部51は、複数の作業ステーション30のそれぞれの作業内容を把握する。具体的には、まず、作業内容把握部51は、上位コントローラ(例えば、客先のコンピュータ)からオーダーを受信して記憶する。オーダーは、ピッキングを行う商品(オーダー商品)の種類及び個数を示す情報を含む。次に、作業内容把握部51は、各作業ステーション30でどのオーダーのピッキング作業を行うかを示す作業内容を記憶する。作業内容は、オーダーごとに、オーダーに対応するピッキング作業が行われる作業ステーション30を示す情報と、作業ステーション30における作業においてピッキングされる商品の種類及び個数を示す情報とを含む。作業内容は、作業内容把握部51によって決定されてもよいし、コンベヤシステム1を利用するユーザによって決定されてもよい。
【0028】
出庫荷物決定部52は、作業内容把握部51により把握された作業内容に基づいて、自動倉庫10から出庫する荷物Wの種類及び数を決定する。具体的には、出庫荷物決定部52は、作業内容把握部51により把握された作業内容に対応する所定の種類の商品の数を、自動倉庫10から出庫する当該種類の商品の数が上回るように、自動倉庫10から出庫する荷物Wの種類及び数を決定する。より詳細には、出庫荷物決定部52は、自動倉庫10から出庫する荷物Wの種類及び個数をバッチ処理ごとに決定する。例えば、出庫荷物決定部52は、荷物W(出庫容器)が増えるように同じ種類の商品を余分に出庫することを、バッチ処理ごとに決定する。一例としては、出庫荷物決定部52は、作業内容把握部51により把握された作業内容に基づいて、自動倉庫10から出庫される所定の種類の荷物Wの数が、作業内容に対応する当該種類の荷物Wの数より多くなるように、自動倉庫10から出庫する荷物Wの種類及び数をバッチ処理ごとに決定する。このように、出庫荷物決定部52は、1回のバッチ処理分の商品の数を種類ごとに合計して、合計数量をまかなえるように在庫商品の出庫を決定する。1回のバッチ処理では、所定の数のオーダーが一括して処理される。出庫荷物決定部52は、1回のバッチ処理において、例えば20個のオーダーを一括して処理する。所定の数は、予め設定されてもよいし、所定の時間内に受信した全てのオーダーの数であってもよい。
【0029】
出庫荷物決定部52は、出庫する各荷物Wに搬送先の作業ステーション30を割り当てる。具体的には、出庫荷物決定部52は、出庫が決定した各荷物Wのそれぞれに、どの作業ステーション30に搬送されるかを関連付ける。
【0030】
なお、出庫荷物決定部52は、作業が行われる作業ステーション30の数と、自動倉庫10から出庫する所定の種類の荷物Wの数とを比較してもよい。出庫荷物決定部52は、荷物Wの数が少ない場合、自動倉庫10から出庫する所定の種類の荷物Wの数を、作業が行われる作業ステーション30の数まで増やしてもよい。この場合、複数の作業ステーション30において同時に作業が行われるときに、各作業ステーション30における作業の遅延を抑制することができる。
【0031】
例えば、まず、出庫荷物決定部52は、自動倉庫10から出庫される同じ種類の商品の数が、作業内容に含まれる当該種類の商品の数以上となるように荷物Wの種類及び数を仮決定する。すなわち、出庫荷物決定部52は、作業内容に対応する当該種類の荷物Wの数を仮決定する。その後、出庫荷物決定部52は、仮決定した荷物Wの数を上回るように、自動倉庫10から出庫する荷物Wの数を種類ごとに決定する。これにより、同じ商品を所定間隔で少し余分に出庫することが可能となる。よって、周回コンベヤ22上に位置する荷物Wを、作業ステーション30への搬送のための在庫(バッファ)として扱うことができる。その結果、ある荷物Wを分岐コンベヤ23に移送できなかった(すかした)場合に、同じ種類の別の荷物Wを当該分岐コンベヤ23に移送することができる。上述した制御は、自動倉庫10及びコンベヤ20を一体的に制御することにより、実現可能である。
【0032】
一例としては、出庫荷物決定部52は、50オーダー分の商品の数を合計した数量を商品の種類ごとに算出する。出庫荷物決定部52は、ある種類の商品の数量を210個であると算出した場合、且つ、1個の荷物Wに50個の商品が入っている場合、出庫する一又は複数の荷物Wに含まれる商品の数が210個を超えるように、当該種類の荷物Wを5個出庫することを仮決定する。その後、出庫荷物決定部52は、仮決定した数を上回るように、当該種類の荷物Wを6個以上出庫することを決定する。同様に、出庫荷物決定部52は、ある種類の商品の数量が20個であると算出した場合、且つ、1個の荷物Wに50個の商品が入っている場合、出庫する一又は複数の荷物Wに含まれる商品の数が20個を超えるように、当該種類の荷物Wを1個出庫することを仮決定する。その後、出庫荷物決定部52は、仮決定した数を上回るように、当該種類の荷物Wを2個以上出庫することを決定する。
【0033】
出庫制御部53は、出庫荷物決定部52により決定された荷物Wの種類及び数に基づいて、自動倉庫10の出庫を制御する。出庫制御部53は、周回コンベヤ22上において同じ種類の複数の荷物Wのうちの少なくとも一部の間隔が所定間隔以上となるように、自動倉庫10から荷物Wを出庫させる。出庫制御部53は、出庫順序決定部53a及び出庫指示部53bを有する。
【0034】
所定間隔は、ユーザ等によって予め設定されている。例えば、所定間隔は、所定の数の荷物Wに対応してもよい。所定間隔は、当該所定間隔にて配置された2つの荷物Wの間に所定の数の荷物Wを配置可能な距離であってもよい。一例としては、後述の出庫順序決定部53aが、同じ種類の2つの荷物Wの間に、所定の数の荷物Wが位置するように出庫順序を決定してもよい。これにより、当該2つの荷物Wの間に他の荷物Wを挟みつつ、当該2つの荷物Wを搬送することによって、当該2つの荷物Wの間隔が所定間隔以上となっている。このような場合、出庫制御部53は、複数の荷物Wの間隔ではなく、複数の荷物Wの並びを制御する。
【0035】
また、例えば、所定の間隔は、所定の距離以上であればよい。一例としては、所定の距離は、周回コンベヤ22における分岐コンベヤ23への分岐点P同士の間の距離以上であってもよい。所定の距離は、周回コンベヤ22の1周の距離を所定の数で除算した距離以上であってもよいし、周回コンベヤ22の1周の距離を同じ種類の荷物Wの数で除算した距離以上であってもよい。
【0036】
また、例えば、所定の間隔は、周回コンベヤ22の搬送速度に所定の時間を乗算した値以上であればよい。一例としては、所定の時間は、作業ステーション30における1個の荷物Wを用いた作業に要する時間に基づいて設定されてもよい。所定の時間は、作業ステーション30における1個の荷物Wを用いた作業に要する時間の平均値であってもよい。所定の時間は、周回コンベヤ22を荷物Wが1周する時間を所定の数で除算した時間以上であってもよいし、周回コンベヤ22を荷物Wが1周する時間を同じ種類の荷物Wの数で除算した時間以上であってもよい。
【0037】
出庫順序決定部53aは、出庫荷物決定部52により決定された荷物Wの種類及び数に基づいて、自動倉庫10から出庫する荷物Wの出庫順序を決定する。具体的には、出庫順序決定部53aは、周回コンベヤ22上において同じ種類の複数の荷物Wのうちの少なくとも一部の間隔が所定間隔以上となるように、自動倉庫10から出庫する荷物Wの出庫順序を決定する。例えば、出庫順序決定部53aは、自動倉庫10から出庫する荷物Wの出庫順序を、周回コンベヤ22上において複数の荷物グループごとに搬送されるように決定する。複数の荷物グループのそれぞれは、複数の種類の荷物Wを含む。一例としては、別々の種類の商品が入った荷物W(在庫容器)を1つの荷物グループとする。出庫順序決定部53aは、周回コンベヤ22上において上述したような荷物グループごとに荷物Wが出庫されるように、自動倉庫10から出庫する荷物Wの出庫順序を決定する。
【0038】
図3に示される例では、出庫順序決定部53aは、自動倉庫10から出庫する荷物W(在庫容器)の出庫順序を、8つの荷物グループGごとに搬送されるように決定する。複数の荷物グループGのそれぞれは、6種類の荷物W1~W6を含む。出庫順序決定部53aは、周回コンベヤ22上において荷物W1~W6がこの順番で繰り返し並ぶように、出庫順序を決定する。これにより、例えば、周回コンベヤ22上において同じ種類の複数の荷物W1のうちの少なくとも一部の間隔が所定間隔以上となるように、出庫順序が決定される。このとき、2つの荷物W1は、複数の荷物W2~W6を挟んで搬送されているので、2つの荷物W1の間隔が所定間隔以上となっている。
【0039】
なお、1つの荷物グループに、複数種類の荷物Wが含まれてもよいし、全種類の荷物Wが含まれてもよい。1つの荷物グループにおいて、荷物Wの出庫順序が異なる種類の荷物W同士で入れ替わってもよい。1つの荷物グループに含まれる荷物Wの種類が他の荷物グループに含まれる荷物Wの種類と一致してもよいし、厳密には一致しなくてもよい。
【0040】
また、出庫順序決定部53aは、自動倉庫10から出庫する荷物Wの出庫順序を、周回コンベヤ22上において複数の荷物グループごとに搬送されるように決定しなくてもよい。例えば、出庫順序決定部53aは、所定の種類の荷物Wが連続して搬送されないように出庫順序を決定してもよい。一例としては、出庫順序決定部53aは、所定の種類の荷物Wの間に、所定の種類とは異なる種類の荷物Wが位置するように出庫順序を決定してもよい。
【0041】
出庫指示部53bは、出庫順序決定部53aにより決定された出庫順序で荷物Wが出庫されるように自動倉庫10を制御する。例えば、出庫指示部53bは、自動倉庫10に設けられた自動倉庫コントローラに出庫指示を出力する。
【0042】
作業進捗把握部54は、複数の作業ステーション30のそれぞれの作業進捗を把握する。具体的には、作業進捗把握部54は、各作業ステーション30から作業に使用し終わった荷物Wの種類及び数を示す作業完了情報を取得する。作業進捗把握部54は、各分岐コンベヤ23のセンサ23aから、各分岐コンベヤ23に移送された荷物Wの種類及び数を示す移送情報を取得する。作業進捗把握部54は、作業完了情報及び移送情報に基づいて、分岐コンベヤ23が荷物Wにより満杯であるか否を判定し、判定結果を作業進捗として分岐指示部55に出力する。
【0043】
例えば、作業進捗把握部54は、作業完了情報に含まれる荷物Wの数から、移送情報に含まれる荷物Wの数を減算する。これにより、作業進捗把握部54は、分岐コンベヤ23に滞留する荷物Wの数である滞留荷物数を荷物Wの種類ごとに算出する。作業進捗把握部54は、予め設定された分岐コンベヤ23に滞留可能な荷物Wの数である滞留可能数と、算出した滞留荷物数とを比較することによって、分岐コンベヤ23が荷物Wにより満杯であるか否を判定する。なお、作業完了情報は、作業者による商品のバーコードの読み取りによって取得されてもよいし、作業者が完了ボタンを押すことによって取得されてもよいし、上記以外のその他の方法によって取得されてもよい。
【0044】
なお、分岐コンベヤ23は、分岐コンベヤ23上に滞留する荷物Wを検知可能に構成された滞留センサを有してもよい。滞留センサは、例えば、光電センサであってもよく、分岐コンベヤ23が複数の荷物Wにより満杯状態となった場合に、該複数の荷物Wのうち最後尾の荷物Wを検知可能に構成されてもよい。作業進捗把握部54は、当該滞留センサにおける検知結果に基づいて、分岐コンベヤ23が荷物Wにより満杯であると判定した場合、作業ステーション30における作業が遅延していると判定してもよい。また、作業進捗把握部54は、分岐コンベヤ23が荷物Wにより満杯でなくても、作業ステーション30における作業が遅延していると判定してもよい。例えば、作業進捗把握部54は、分岐コンベヤ23上の荷物Wが2個以上の場合に、作業ステーション30における作業が遅延していると判定してもよい。
【0045】
分岐指示部55は、作業内容把握部51により把握された作業内容に基づいて、周回コンベヤ22上の荷物Wを複数の分岐コンベヤ23の何れかへ移送させる。具体的には、分岐指示部55は、出庫荷物決定部52によって割り当てられた搬送先の作業ステーション30に対応する分岐コンベヤ23に、各荷物Wを移送する。搬送先の作業ステーション30は、作業内容把握部51により把握された作業内容に基づいて、出庫荷物決定部52によって各荷物Wに割り当てられている。
【0046】
分岐指示部55は、作業進捗把握部54により把握された作業進捗にも基づいて、周回コンベヤ22上の荷物Wを複数の分岐コンベヤ23の何れかへ移送させる。具体的には、分岐指示部55は、作業進捗把握部54により把握された作業進捗に基づいて1つの荷物Wに対する当該分岐コンベヤ23の割り当てを解除する。分岐指示部55は、当該荷物Wに後続すると共に当該荷物Wと同じ種類の荷物Wである第1後続荷物に当該分岐コンベヤを割り当てる変更処理を実行する。割り当てを解除した荷物Wと第1後続荷物とは、周回コンベヤ22上において上述した所定間隔だけ互いに離間している。分岐指示部55は、変更処理において、第1後続荷物に分岐コンベヤ23を割り当てるとき、当該第1後続荷物に対する別の分岐コンベヤ23の割り当てを解除する。分岐指示部55は、第1後続荷物に後続すると共に第1後続荷物と同じ種類である第2後続荷物に当該別の分岐コンベヤ23を割り当てる。このように、分岐指示部55は、作業ステーション30において作業が遅れている場合は、間隔を空けて搬送されている後続の同種の荷物W(同種容器)に割り当ての変更を行う。
【0047】
分岐指示部55は、移送先の分岐コンベヤ23に荷物Wが接近したとき、分岐コンベヤ23が荷物Wにより満杯であるという判定結果を取得した(作業ステーション30における作業が遅れている)場合、分岐コンベヤ23の割り当てを、当該荷物Wから第1後続荷物に切り替える。そして、分岐指示部55は、別の分岐コンベヤ23の割り当てを、第1後続荷物から第2後続荷物に切り替える。同様に、分岐指示部55は、第2後続荷物に後続する各荷物W(後続荷物)に対する分岐コンベヤ23の割り当てを各荷物Wに後続する同種の荷物Wに順次切り替える。
【0048】
次に、第1実施形態に係るコンベヤシステム1により実施される出庫処理及び搬送処理について説明する。出庫処理は、自動倉庫10から荷物Wを出庫する処理である。搬送処理は、出庫された荷物Wを作業ステーション30まで搬送する処理である。まず、出庫処理について
図4を参照して説明する。
図4は、出庫処理の一例を示すフローチャートである。出庫処理は、バッチ処理ごとに実行される。
【0049】
まず、作業内容把握部51は、複数の作業ステーション30における作業内容を把握する(ステップS01)。具体的には、作業内容把握部51は、上位コントローラから受信したオーダーと、当該オーダーに対応したピッキングをどの作業ステーション30において実行するかを示す作業内容とを記憶する。
【0050】
続いて、出庫荷物決定部52は、作業内容把握部51により把握された作業内容に基づいて、自動倉庫10から出庫する荷物Wの種類及び数を決定する(ステップS02)。具体的には、出庫荷物決定部52は、自動倉庫10から出庫される同じ種類の商品の数が、作業内容に含まれる当該種類の商品の数より多くなるように、自動倉庫10から出庫する荷物Wの種類及び数を決定する。
【0051】
最後に、出庫制御部53は、出庫荷物決定部52により決定された荷物Wの種類及び数に基づいて、自動倉庫10の出庫が制御される(ステップS03)。このとき、出庫制御部53は、周回コンベヤ22上において同じ種類の複数の荷物Wのうちの少なくとも一部の間隔が所定間隔以上となるように、自動倉庫10から荷物Wを出庫させる。
【0052】
図5は、自動倉庫10から荷物Wを出庫する制御の一例を示すフローチャートである。
図5に示されるように、上記ステップS03においては、出庫順序決定部53aは、出庫荷物決定部52により決定された荷物Wの種類及び数に基づいて、自動倉庫10から出庫する荷物Wの出庫順序を決定する(ステップS11)。ステップS11において、出庫順序決定部53aは、周回コンベヤ22上において同じ種類の複数の荷物Wのうちの少なくとも一部の間隔が所定間隔以上となるように、出庫順序を決定する。続いて、出庫指示部53bは、出庫順序決定部53aにより決定された出庫順序で荷物Wが出庫されるように自動倉庫10を制御する(ステップS12)。以上により、自動倉庫10から荷物Wを出庫する処理が終了する。
【0053】
続いて、搬送処理について
図6を参照して説明する。
図6は、搬送処理の一例を示すフローチャートである。第1実施形態に係るコンベヤシステム1では、各荷物Wが自動倉庫10から出庫された後に、以下の搬送処理が周期的に実行される。
【0054】
まず、作業進捗把握部54は、複数の作業ステーション30のそれぞれの作業進捗を把握する(ステップS04)。具体的には、作業進捗把握部54は、各作業ステーション30から作業に使用し終わった荷物Wの種類及び数を示す作業完了情報と、各分岐コンベヤ23に移送された荷物Wの種類及び数を示す移送情報とに基づいて、分岐コンベヤ23が荷物Wにより満杯であるか否を判定する。作業進捗把握部54は、判定した結果を作業進捗として分岐指示部55に出力する。
【0055】
続いて、分岐指示部55は、作業内容把握部51により把握された作業内容及び作業進捗把握部54により把握された作業進捗に基づいて、周回コンベヤ22上の荷物Wを複数の分岐コンベヤ23の何れかへ移送する(ステップS05)。具体的には、分岐指示部55は、作業内容把握部51により把握された作業内容に基づいて、搬送先の作業ステーション30に荷物Wを搬送する。分岐指示部55は、作業進捗把握部54により把握された作業進捗に基づいて1つの荷物Wに対する当該分岐コンベヤ23の割り当てを解除した場合、当該荷物Wに後続すると共に当該荷物Wと同じ種類の荷物Wである第1後続荷物に当該分岐コンベヤを割り当てる変更処理を実行する。分岐指示部55は、変更処理において、第1後続荷物に分岐コンベヤ23を割り当てるとき、当該第1後続荷物に対する別の分岐コンベヤ23の割り当てを解除する。分岐指示部55は、第1後続荷物に後続すると共に第1後続荷物と同じ種類である第2後続荷物に当該別の分岐コンベヤ23を割り当てる。
【0056】
第1実施形態に係るコンベヤシステム1では、何らかの理由により一の荷物Wを搬送できなかった搬送先の作業ステーション30に対して、当該理由の解消後に荷物Wを搬送する場合、一の荷物Wが周回コンベヤ22上を再周回し終えるのを待つことなく、当該一の荷物Wと同種で且つ所定間隔以上の間隔をあけた他の荷物Wを搬送させることができる。よって、作業ステーション30における作業の遅延を抑制することが可能となる。何らかの理由とは、例えば、搬送先の作業ステーション30及び分岐コンベヤ23の少なくともいずれかが他の荷物Wにより埋まっているという理由であってもよいし、作業ステーション30における作業が終わっていないという理由であってもよいし、上記以外のその他の理由であってもよい。
【0057】
コンベヤシステム1では、周回コンベヤ22上において同じ種類の複数の荷物Wのうちの少なくとも一部の間隔が所定間隔以上となる。かかる構成によれば、何らかの理由である荷物Wを搬送先の作業ステーション30に搬送できない場合に、作業ステーション30での進捗に基づいて同じ種類の別の荷物Wを振り分ける。これにより、作業ステーション30において当該荷物Wが必要となったとき、荷物Wが周回コンベヤ22から分岐コンベヤ23への分岐点Pを通過したとしても、同じ種類の別の荷物Wを作業ステーション30に対応する分岐コンベヤ23に移送することが可能となる。その結果、作業者が、荷物Wが周回コンベヤ22を周回した後に作業ステーション30に到着するまで待つ必要がなくなる。よって、作業ステーション30における作業の遅延を抑制することが可能となる。また、コンベヤシステム1における作業ステーション30の数が多くなること、又は、周回軌道に沿った周回コンベヤ22の長さが長くなること(周回ラインが長くなること)によって、荷物が周回コンベヤを周回する時間がより長い場合でも、当該周回する時間が作業ステーションにおける作業終了時間に悪影響を与える(クリティカルに効いてくる)ことを抑制することができる。
【0058】
コンベヤシステム1では、出庫制御部53は、出庫荷物決定部52により決定された荷物Wの種類及び数に基づいて、自動倉庫10から出庫する荷物Wの出庫順序を決定する出庫順序決定部53aと、出庫順序決定部53aにより決定された出庫順序で荷物Wが出庫されるように自動倉庫10を制御する出庫指示部53bと、を有する。この場合、周回コンベヤ22における複数の荷物Wの配置が、自動倉庫10からの出庫前に決定される。これにより、自動倉庫10による出庫順序を制御する機能を利用して、周回コンベヤ22上の荷物Wの間隔が所定以上となるように複数の荷物Wの配置を制御することができる。その結果、周回コンベヤ22上において同じ種類の複数の荷物Wのうちの少なくとも一部の間隔が所定間隔以上となるように自動倉庫10から荷物Wを出庫させる制御を簡易に実現することができる。
【0059】
例えば、周回コンベヤ22上において同じ種類の複数の荷物Wのうちの少なくとも一部の間に所定の数の荷物Wが配置されるように出庫順序を決定する。これにより、同じ種類の複数の荷物Wのうちの少なくとも一部の間隔を所定間隔以上とすることが容易に実現できる。このように、作業ステーション30における作業に基づいて分岐コンベヤ23を各荷物Wに予め割り当てた上で、作業の進捗に基づいて必要な場合だけ荷物Wへの分岐コンベヤ23の割り当てを後続荷物に切り換える。これにより、荷物Wを搬送する制御を簡易に実現することができる。
【0060】
コンベヤシステム1では、出庫順序決定部53aは、自動倉庫10から出庫する荷物Wの出庫順序を、周回コンベヤ22上において複数の荷物グループGごとに搬送されるように決定する。複数の荷物グループGのそれぞれは、複数の種類の荷物Wを含む。この場合、周回コンベヤ22上において同じ種類の複数の荷物Wのうちの少なくとも一部の間隔が所定間隔以上となるように自動倉庫10から荷物Wを出庫させる制御をより簡易に実現することができる。例えば、周回コンベヤ22上において少なくとも2つの荷物グループGに特定の種類の荷物Wがそれぞれ配置された場合、当該少なくとも2つの荷物の間隔を所定間隔以上とすることを容易に実現できる。
【0061】
例えば、作業ステーション30にて特定の荷物Wが必要であるにもかかわらず、作業ステーション30における作業が完了していないので、作業ステーション30に特定の荷物Wを搬送できない(分岐コンベヤ23に移送できない)という場合がある。この場合でも、別の荷物グループGの特定の荷物Wを作業ステーション30に供給することできる。その結果、作業ステーション30に特定の荷物Wを搬送する際に、当該特定の荷物Wを周回コンベヤ22上において周回させる必要がない。よって、荷物Wが自動倉庫10から出庫されてから作業ステーション30に搬送されるまでのリードタイムが短くなる。
【0062】
また、例えば、各荷物グループGの中に1種類の荷物Wをかためるのではなく、1つの荷物グループGの中に複数種類の荷物Wが入るように出庫を制御する。かかる構成によれば、搬送先の作業ステーション30に荷物Wを何らかの理由で搬送できなかったとき、別の荷物グループGに含まれる別の荷物Wを供給することで作業ステーション30における作業の遅延を抑制することができる。よって、作業ステーション30において作業に要する時間の短縮を行うことができる。なお、上記のように、ある荷物グループGに含まれる荷物Wの代わりに、別の荷物グループGに含まれる荷物Wを搬送する制御を実現するためには、ロットの逆転を許容する必要がある。
【0063】
また、例えば、同じ種類の荷物Wを繰り返して出庫するような場合、周回コンベヤ22上において同じ種類の複数の荷物Wのうちの少なくとも一部の間隔が所定間隔以上となるように自動倉庫10から荷物Wを出庫させる制御をより簡易に実現することができる。
【0064】
コンベヤシステム1では、分岐指示部55は、作業内容把握部51により把握された作業内容に基づいて、自動倉庫10から荷物Wが出庫される際に当該荷物Wを移送する分岐コンベヤ23を各荷物Wに割り当て、作業進捗把握部54により把握された作業進捗に基づいて1つの荷物Wに対する当該分岐コンベヤ23の割り当てを解除した場合に、荷物Wに後続すると共に当該荷物Wと同じ種類の荷物Wである第1後続荷物に当該分岐コンベヤ23を割り当てる変更処理を実行する。この場合、複数の荷物Wに対して割り当てる分岐コンベヤ23を切り替える制御を簡易に実現することができる。また、1つの荷物Wに対する分岐コンベヤ23の割り当てが解除された場合、該分岐コンベヤ23を第1後続荷物にすぐに割り当てることが可能となる。これにより、第1後続荷物が他の分岐コンベヤ23に移送されることを防ぐと共に、第1後続荷物を該分岐コンベヤ23に移送することが可能となる。その結果、該分岐コンベヤ23に対応する作業ステーション30での作業が過度に遅延することを抑制することが可能となる。
【0065】
コンベヤシステム1では、分岐指示部55は、変更処理において、第1後続荷物に分岐コンベヤ23を割り当てるとき、当該第1後続荷物に対する別の分岐コンベヤ23の割り当てを解除した場合に、第1後続荷物に後続すると共に第1後続荷物と同じ種類である第2後続荷物に当該別の分岐コンベヤ23を割り当てる。この場合、複数の荷物Wに対して割り当てる分岐コンベヤ23を順次切り替える制御を簡易に実現することができる。また、荷物Wに後続すると共に該荷物Wと同じ種類である各荷物Wが到着する作業ステーション30が、順繰りに入れ替わることによって、各荷物Wが到着する予定だった作業ステーション30において作業が過度に遅延することを抑制することができる。
【0066】
コンベヤシステム1では、出庫荷物決定部52は、作業内容把握部51により把握された作業内容に基づいて、自動倉庫10から出庫される同じ種類の荷物Wの数が、作業内容に対応する当該種類の荷物Wの数より多くなるように、自動倉庫10から出庫する荷物Wの種類及び数を決定する。出庫制御部53は、周回コンベヤ22上において当該種類の複数の荷物Wのうちの少なくとも一部の間隔が所定間隔以上となるように、自動倉庫10から荷物Wを出庫させる。この場合、自動倉庫10から周回コンベヤ22に同じ種類の荷物Wを余分に出庫することにより、後続荷物への切り替え可能性を上げる。例えば、荷物Wから、当該荷物Wと同じ種類の別の荷物Wに分岐コンベヤ23の割り当て先をより確実に切り替えることが可能となる。その結果、作業ステーション30への荷物Wの到着の遅延をより一層抑制することが可能となる。
【0067】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態の説明では、上記第1実施形態と異なる点について説明し、同様な説明は省略する。第2実施形態に係るコンベヤシステム1は、第1実施形態と同様に、自動倉庫10と、コンベヤ20と、複数の作業ステーション30と、詰め合わせライン40と、コントローラ50とを備える。
【0068】
第2実施形態におけるコントローラ50は、バッチ処理によって複数の荷物Wの搬送先を予め設定した第1実施形態と異なり、オーダーごとに複数の荷物Wの搬送先を予め設定する。具体的には、コントローラ50は、オーダーを連続して処理する。例えば、コントローラ50は、オーダーを受信するごとに、当該オーダーを処理する。第2実施形態におけるコントローラ50は、第1実施形態と同様に、作業内容把握部51と、出庫荷物決定部52と、出庫制御部53と、作業進捗把握部54と、分岐指示部55と、を有する。
【0069】
出庫荷物決定部52は、第1実施形態と異なり、作業内容把握部51によって受信されたオーダーに対して、自動倉庫10から出庫する荷物Wの種類及び数を決定する。具体的には、出庫荷物決定部52は、オーダーに含まれる商品に基づいて自動倉庫10から出庫する荷物W(出庫容器)の種類及び数を次々と決定する。例えば、出庫荷物決定部52は、作業内容把握部51によりオーダーが受信されるごとに、当該オーダーに含まれる商品の種類及び数に応じて自動倉庫10から出庫される荷物Wの種類及び数を次々に決定する。
【0070】
出庫荷物決定部52は、第1実施形態と異なり、所定時間内に自動倉庫10から同じ種類の荷物Wが出庫されない場合(同じ種類の商品が出庫が発生しない場合)、当該種類の別の荷物W(同種在庫容器)を入れ替え用後続荷物として出庫決定する。これにより、出庫制御部53が、周回コンベヤ22上において同じ種類の複数の荷物Wのうちの少なくとも一部の間隔が所定間隔以上となるように、自動倉庫10から荷物Wを出庫させることが可能となる。所定時間は、予め設定されてもよい。所定時間は、第1実施形態における所定の時間と同様であってもよいし、上記以外のその他の時間であってもよい。
【0071】
出庫制御部53は、出庫荷物決定部52により決定された荷物Wの種類及び数に基づいて、自動倉庫10の出庫を制御する。出庫制御部53は、第1実施形態と異なり、出庫指示部53bのみを有する。出庫指示部53bは、出庫荷物決定部52により決定された荷物Wの種類及び数をオーダーごとに順次出庫する。例えば、出庫指示部53bは、出庫荷物決定部52において分岐コンベヤ23が割り当てられた順番で、自動倉庫10から荷物Wを出庫する。
【0072】
ここで、出庫荷物決定部52は、所定時間内に自動倉庫10から同じ種類の荷物Wが出庫されない場合、当該種類の別の荷物Wを出庫決定する。そして、出庫指示部53bは、出庫荷物決定部52により決定された荷物Wの種類及び数をオーダーごとに順次出庫する。以上のことから、出庫指示部53bは、周回コンベヤ22上において同じ種類の複数の荷物Wのうちの少なくとも一部の間隔が所定間隔以上となるように、自動倉庫10から荷物Wを出庫することができる。
【0073】
なお、第2実施形態では、出庫制御部53は、出庫順序決定部53aを有してもよい。この場合、出庫順序決定部53aは、出庫荷物決定部52により決定された荷物Wの種類及び数に基づいて、自動倉庫10から出庫する荷物Wの出庫順序を決定する。具体的には、出庫順序決定部53aは、1つのオーダーにおいて、同じ種類の複数の荷物Wが所定間隔を空けて搬送されるように出庫順序を決定する。例えば、出庫順序決定部53aは、同じ種類の複数の荷物Wの間に、別の種類の商品が入った荷物W(在庫容器)が挟まれるように出庫順序を決める。
【0074】
作業進捗把握部54は、複数の作業ステーション30のそれぞれの作業進捗を把握する。具体的には、作業進捗把握部54は、第1実施形態と異なり、荷物Wの商品を出荷容器に移し替えるピッキング作業において、現時点で実行予定の作業よりも前の作業が終わっていないことを検出する。作業進捗把握部54は、当該検出結果を分岐指示部55に出力する。例えば、作業進捗把握部54は、現時点で実行予定の作業より前の作業における商品のバーコードの読み取りが完了していないこと、及び、前の作業を完了した際に作業者によって押される完了ボタンが押されていないことの少なくとも一方を検知し、検知結果を分岐指示部55に出力する。
【0075】
分岐指示部55は、作業内容把握部51により把握された作業内容及び作業進捗把握部54により把握された作業進捗に基づいて、周回コンベヤ22上の荷物Wを複数の分岐コンベヤ23の何れかへ移送させる。
【0076】
次に、第2実施形態に係るコンベヤシステム1により実施される出庫処理及び搬送処理について説明する。出庫処理について
図4を参照して説明する。この出庫処理は、第1実施形態と異なり、オーダーごとに実行される。まず、作業内容把握部51は、複数の作業ステーション30における作業内容を把握する(ステップS01)。
【0077】
続いて、出庫荷物決定部52は、作業内容把握部51により把握された作業内容に基づいて、自動倉庫10から出庫する荷物Wの種類及び数を決定する(ステップS02)。ステップS02では、第1実施形態と異なり、出庫荷物決定部52は、作業内容把握部51により受信されたオーダーごとに、荷物W(出庫容器)を出庫決定する。また、出庫荷物決定部52は、所定時間内に自動倉庫10から同じ種類の荷物Wが出庫されない場合、当該種類の別の荷物Wを出庫決定する。
【0078】
最後に、出庫制御部53は、出庫荷物決定部52により決定された荷物Wの種類及び数に基づいて、自動倉庫10の出庫を制御する(ステップS03)。ステップS03では、出庫指示部53bは、出庫荷物決定部52により決定された荷物Wの種類及び数をオーダーごとに順次出庫するように自動倉庫10を制御する。
【0079】
以上のことから、ステップS02において、所定時間内に自動倉庫10から同じ種類の荷物Wが出庫されない場合、当該種類の別の荷物Wを出庫決定されるので、ステップS03において、周回コンベヤ22上において同じ種類の複数の荷物Wのうちの少なくとも一部の間隔が所定間隔以上となるように、自動倉庫10から荷物Wが出庫される。
【0080】
続いて、搬送処理について
図6を参照して説明する。第2実施形態に係るコンベヤシステム1では、各荷物Wが自動倉庫10から出庫された後に、以下の搬送処理が周期的に実行される。
【0081】
まず、作業進捗把握部54は、複数の作業ステーション30のそれぞれの作業進捗を把握する(ステップS04)。具体的には、作業進捗把握部54は、ピッキング作業において、予定よりも前の作業が終わっていないことを検出し、検出結果を分岐指示部55に出力する。
【0082】
続いて、分岐指示部55は、作業内容把握部51により把握された作業内容及び作業進捗把握部54により把握された作業進捗に基づいて、周回コンベヤ22上の荷物Wを複数の分岐コンベヤ23の何れかへ移送する(ステップS05)。
【0083】
第2実施形態に係るコンベヤシステム1においても、第1実施形態と同様の作用効果が奏される。
【0084】
以上、第1実施形態及び第2実施形態について説明したが、本発明の一態様は、上記実施形態に限られず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0085】
コントローラ50には、第1ランクに属する種類の荷物Wである第1荷物が予め定められており、出庫荷物決定部52は、自動倉庫10から出庫される第1荷物の数が、作業内容に対応する第1荷物の数より多くなるように、自動倉庫10から出庫する荷物Wの種類及び数を決定してもよい。具体的には、コントローラ50には、顧客に人気の商品であり、自動倉庫10からの出庫頻度が高い商品が高頻度ランク商品であると予め定められている。当該高頻度ランク商品を収納する荷物Wを高ランク荷物(第1荷物)であると設定する。出庫荷物決定部52は、自動倉庫10から当該高ランク荷物を他の種類の荷物Wよりも多めに出庫させる。この場合、出庫荷物決定部52は、高ランク荷物以外の種類の荷物Wを、他の種類の荷物Wよりも多めに出庫させない。なお、第1ランクに属する荷物は、高ランク荷物に限定されない。例えば、複数のオーダーをバッチ処理する際に、出庫数が多い荷物Wを第1ランクに属する荷物であると定めてもよい。
【0086】
上記変形例によれば、自動倉庫10から周回コンベヤ22に同じ種類の荷物Wを余分に出庫することにより、後続荷物への切り替え可能性を上げる。例えば、第1荷物から、別の第1荷物に分岐コンベヤ23の割り当て先をより確実に切り替えることが可能となる。その結果、作業ステーション30への荷物Wの到着の遅延をより一層抑制することが可能となる。例えば、高ランク荷物について分岐コンベヤ23の割り当て先の切り替えがより確実に実行されるので、高ランク荷物を作業ステーション30に迅速に供給することが可能となる。これにより、全ての作業ステーション30が高ランク荷物を待つ状態となることを抑制することができるので、周回コンベヤ22上の荷物Wの数の増加を抑制することができる。その結果、周回コンベヤ22上における荷物Wの渋滞を抑制することができる。このように、高頻度に出庫する必要がある商品である高頻度ランク品のみを自動倉庫10から余分に出庫することで、周回コンベヤ22上における荷物Wの渋滞を防ぐ。
【0087】
上記第1実施形態、第2実施形態及び変形例では、自動倉庫10から出庫される前に各荷物Wに搬送先の作業ステーション30が割り当てられていたが、自動倉庫10から出庫された後に、各荷物Wに搬送先の作業ステーション30が割り当てられてもよい。例えば、周回コンベヤ22上において同じ種類の複数の荷物Wのうちの少なくとも一部の間隔が所定間隔以上となった状態で、各作業ステーション30からの要求に応じて作業ステーション30を荷物Wに割り当て、当該作業ステーション30に対応する分岐コンベヤ23に荷物Wを移送してもよい。例えば、分岐指示部55は、各作業ステーション30において現時点から5つ程度先の作業まで(5手先程度まで)必要な商品を把握してもよい。分岐指示部55は、必要な商品を収納した荷物Wが接近した時に、分岐コンベヤ23での荷物Wの滞留可能数を上限として当該荷物Wを分岐コンベヤ23に移送してもよい。
【0088】
上記第1実施形態、第2実施形態及び変形例では、出庫荷物決定部52は、自動倉庫10から出庫される同じ種類の商品の数が、作業内容に含まれる当該種類の商品の数と同数となるように、自動倉庫10から出庫する荷物Wの種類及び数を決定してもよい。この場合においても、出庫制御部53は、上記第1実施形態、第2実施形態及び変形例と同様に、周回コンベヤ22上において同じ種類の複数の荷物Wのうちの少なくとも一部の間隔が所定間隔以上となるように、自動倉庫10から荷物Wを出庫させる。
【0089】
上記第1実施形態、第2実施形態及び変形例では、複数の作業ステーション30は、直線状の詰め合わせライン40によって接続されているが、これに限定されない。例えば、複数の作業ステーション30は、直線状ではない詰め合わせライン40によって接続されてもよい。また、例えば、複数の作業ステーション30は、詰め合わせライン40によって接続されなくてもよい。この場合、複数の作業ステーション30において準備された出庫容器は、無人搬送車によって搬送されてもよい。
【0090】
上記実施形態及び変形例における各構成には、上述した材料及び形状に限定されず、様々な材料及び形状を適用することができる。上記実施形態又は変形例における各構成は、他の実施形態又は変形例における各構成に任意に適用することができる。上記実施形態又は変形例における各構成の一部は、本発明の一態様の要旨を逸脱しない範囲で適宜に省略可能である。
【符号の説明】
【0091】
1…コンベヤシステム、10…自動倉庫、22…周回コンベヤ、23…分岐コンベヤ、30,31~34…作業ステーション、50…コントローラ、51…作業内容把握部、52…出庫荷物決定部、53…出庫制御部、53a…出庫順序決定部、53b…出庫指示部、54…作業進捗把握部、55…分岐指示部、G…荷物グループ、P…複数位置(分岐点)、W…荷物。