(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157780
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】ガスケット及びゴムシート
(51)【国際特許分類】
F16J 15/10 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
F16J15/10 A
F16J15/10 T
F16J15/10 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072351
(22)【出願日】2023-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000004385
【氏名又は名称】NOK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石垣 善行
(72)【発明者】
【氏名】義経 修司
【テーマコード(参考)】
3J040
【Fターム(参考)】
3J040BA07
3J040EA16
3J040FA05
3J040HA03
3J040HA05
(57)【要約】
【課題】連結する分割シート間に隙間が生じることを抑制でき、連結する分割シート同士が外れてしまうことを抑制可能なガスケット及びゴムシートを提供する。
【解決手段】互いに連結される第1分割シート110に設けられる嵌合凸部111が、第2分割シート120に設けられる嵌合凹部122に嵌合されることにより、これらの分割シートが連結されると共に、嵌合凸部111と嵌合凹部122は、いずれも平面形状が円弧形状となる部分を有しており、嵌合凸部111における前記円弧形状の半径R1が、嵌合凹部122における前記円弧形状の半径R2よりも大きいことを特徴とする。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のゴム製の分割シートが連結されることにより構成され、かつ、2部材の端面間の隙間を封止するシート状のガスケットであって、
互いに連結される一方の分割シートに設けられる嵌合凸部が、他方の分割シートに設けられる嵌合凹部に嵌合されることにより、これら一方の分割シートと他方の分割シートが連結されると共に、
前記嵌合凸部と前記嵌合凹部は、いずれも平面形状が円弧形状となる部分を有しており、前記嵌合凸部における前記円弧形状の半径が、前記嵌合凹部における前記円弧形状の半径よりも大きいことを特徴とするガスケット。
【請求項2】
前記嵌合凸部における前記円弧形状の半径をR1、前記嵌合凹部における前記円弧形状の半径をR2とすると、R2<R1≦1.1×R2を満たすことを特徴とする請求項1に記載のガスケット。
【請求項3】
前記嵌合凸部と前記嵌合凹部との接触面のうちの一方には、前記分割シートの表裏面に垂直な方向に対する位置決め用凸部が設けられ、他方には前記位置決め用凸部が嵌る位置決め用凹部が設けられることを特徴とする請求項1または2に記載のガスケット。
【請求項4】
複数のゴム製の分割シートが連結されることにより構成されるゴムシートであって、
互いに連結される一方の分割シートに設けられる嵌合凸部が、他方の分割シートに設けられる嵌合凹部に嵌合されることにより、これら一方の分割シートと他方の分割シートが連結されると共に、
前記嵌合凸部と前記嵌合凹部は、いずれも平面形状が円弧形状となる部分を有しており、前記嵌合凸部における前記円弧形状の半径が、前記嵌合凹部における前記円弧形状の半径よりも大きいことを特徴とするゴムシート。
【請求項5】
前記嵌合凸部における前記円弧形状の半径をR1、前記嵌合凹部における前記円弧形状の半径をR2とすると、R2<R1≦1.1×R2を満たすことを特徴とする請求項4に記載のゴムシート。
【請求項6】
前記嵌合凸部と前記嵌合凹部との接触面のうちの一方には、前記分割シートの表裏面に垂直な方向に対する位置決め用凸部が設けられ、他方には前記位置決め用凸部が嵌る位置決め用凹部が設けられることを特徴とする請求項4または5に記載のゴムシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスケット及びゴムシートに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、筐体本体の端面と蓋の端面と間の隙間を封止するゴム製のシート状のガスケットは、その平面形状が筐体本体の形状に倣うように構成される。一般的に、ガスケットは、単一の部材からなる成形品により構成されるが、筐体本体の寸法が大きな場合には、単一の部材として成形するのが難しいことがある。そこで、複数のゴム製の分割シートを連結することによって、ガスケットを構成する技術が知られている。このような技術においては、隣り合う分割シートの連結する部分で如何に外れないようにするかが重要な課題の一つである。すなわち、隣り合う分割シートの連結する部分が外れ易いと、組み立て時等において取り扱いが不便になってしまう。なお、ガスケットだけでなく、製品等の下敷き(防振シートや防音シート)等として使用されるゴムシートでも同様の課題が生じ得る。また、特に、ガスケットの場合には、隣り合う分割シートの連結する部分に隙間が生じるとシール性も低下してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、連結する分割シート間に隙間が生じることを抑制でき、連結する分割シート同士が外れてしまうことを抑制可能なガスケット及びゴムシートを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
【0006】
複数のゴム製の分割シートが連結されることにより構成され、かつ、2部材の端面間の隙間を封止するシート状のガスケットであって、
互いに連結される一方の分割シートに設けられる嵌合凸部が、他方の分割シートに設けられる嵌合凹部に嵌合されることにより、これら一方の分割シートと他方の分割シートが連結されると共に、
前記嵌合凸部と前記嵌合凹部は、いずれも平面形状が円弧形状となる部分を有しており、前記嵌合凸部における前記円弧形状の半径が、前記嵌合凹部における前記円弧形状の半径よりも大きいことを特徴とする。
【0007】
また、複数のゴム製の分割シートが連結されることにより構成されるゴムシートであって、
互いに連結される一方の分割シートに設けられる嵌合凸部が、他方の分割シートに設けられる嵌合凹部に嵌合されることにより、これら一方の分割シートと他方の分割シートが連結されると共に、
前記嵌合凸部と前記嵌合凹部は、いずれも平面形状が円弧形状となる部分を有しており、前記嵌合凸部における前記円弧形状の半径が、前記嵌合凹部における前記円弧形状の半径よりも大きいことを特徴とする。
【0008】
これらの発明によれば、嵌合凸部と嵌合凹部の両者に弾性的な反発力が生じた状態で、
両者が接触する。これにより、嵌合凸部と嵌合凹部との間に隙間が発生することを抑制することができ、嵌合凸部と嵌合凹部が外れてしまうことを抑制することができる。
【0009】
前記嵌合凸部における前記円弧形状の半径をR1、前記嵌合凹部における前記円弧形状の半径をR2とすると、R2<R1≦1.1×R2を満たすとよい。
【0010】
これにより、嵌合凸部と嵌合凹部に過度な力が生じてしまうことを抑制することができ、嵌合凸部及び嵌合凹部の少なくともいずれか一方が大きく変形してしまうことにより隙間が生じたり、嵌合凸部と嵌合凹部が外れたりしてしまうことを抑制することができる。
【0011】
前記嵌合凸部と前記嵌合凹部との接触面のうちの一方には、前記分割シートの表裏面に垂直な方向に対する位置決め用凸部が設けられ、他方には前記位置決め用凸部が嵌る位置決め用凹部が設けられるとよい。
【0012】
これにより、連結する分割シート同士のシート表裏面に垂直な方向の位置ずれを抑制することができる。
【0013】
なお、上記各構成は、可能な限り組み合わせて採用し得る。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明によれば、連結する分割シート間に隙間が生じることを抑制でき、連結する分割シート同士が外れてしまうことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は本発明の実施例1に係る密封構造の概略図である。
【
図2】
図2は本発明の実施例1に係るガスケットの概略図である。
【
図3】
図3は本発明の実施例1に係る分割シートの概略図である。
【
図4】
図4は本発明の実施例1に係る分割シートの概略図である。
【
図5】
図5は本発明の実施例2に係る分割シートの概略図である。
【
図6】
図6は本発明の変形例に係る分割シートの概略図である。
【
図7】
図7は本発明の変形例に係るガスケットの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。以下の実施例においては、ゴムシートがガスケットとして利用される場合の構成について説明する。しかしながら、以下に説明するゴムシート(ガスケット)は、製品等の下敷き(防振シートや防音シート)等としても使用可能である。なお、以下の説明において、「平面形状」とはゴムシートや分割シートにおいて、シートの表裏面に対して垂直方向に見た形状を意味する。
【0017】
(実施例1)
図1~
図4を参照して、本発明の実施例1に係るガスケットについて説明する。
図1は本発明の実施例1に係る密封構造の概略図であり、(a)は密封構造を有する物品の平面図であり、(b)は(a)中のAA断面図である。
図1(a)においては、内部を透視した部分を点線にて示している。
図2は本発明の実施例1に係るガスケットの概略図であり、(a)(b)は分割シートの構成がそれぞれ異なるガスケットの平面図である。
図3は本発明の実施例1に係る分割シートの概略図であり、(a)(b)はそれぞれ互いに連結される分割シートの平面図である。
図4は本発明の実施例1に係る分割シートの概略図で
あり、(a)は分割シートを連結する前の嵌合凸部と嵌合凹部付近を示す平面図であり、(b)は分割シートを連結した後の嵌合凸部と嵌合凹部付近を示す平面図である。
【0018】
<密封構造>
図1を参照して、本実施例に係る密封構造について説明する。図示の例においては、本実施例に係る密封構造を有する物品の一例として、箱状の筐体本体11と、筐体本体11の開口部を塞ぐための蓋12とを有する箱状の筐体10の場合を示している。ただし、本発明に係るガスケットを備える密封構造は、各種物品や装置において、2部材の端面間の隙間を封止する様々な個所に適用可能である。
【0019】
本実施例においては、筐体本体11の開口部側の端面に環状の装着溝11aが設けられている。この装着溝11aは、筐体本体11の開口部に沿うように設けられている。そして、この装着溝11aにガスケット100が装着された状態で、筐体本体11に蓋12が固定される。これにより、筐体本体11の端面と蓋12の端面との間の隙間が、シート状のガスケット100によって封止される。このように、ガスケット100は、2部材(本実施例では、筐体本体11と蓋12)の端面間の隙間を封止する機能を発揮する。
【0020】
<ガスケット>
ガスケット100について詳細に説明する。本実施例に係るガスケット100は、複数のゴム製の分割シートが連結されることにより構成される。本実施例に係るガスケット100は、
図2に示すように、平面形状が直線状の複数の分割シートと、平面形状が略L字形状の複数の分割シートとにより構成される。以下、便宜上、前者を第1分割シート110(または、第1分割シート110A)と称し、後者を第2分割シート120(または、第2分割シート120A)と称する。なお、本実施例に係る上記の各分割シートは、それぞれ金型により成形することにより得られる。
【0021】
本実施例においては、第1分割シート110(または、第1分割シート110A)と第2分割シート120(または、第2分割シート120A)が交互に連結されるように構成されている。
【0022】
第1分割シート110の一端には嵌合凸部111が設けられ、他端には嵌合凹部112が設けられている。そして、第2分割シート120の一端には嵌合凸部121が設けられ、他端には嵌合凹部122が設けられている。また、第1分割シート110Aの一端には嵌合凸部111aが設けられ、他端には嵌合凸部111bが設けられている。更に、第2分割シート120Aの一端には嵌合凹部122aが設けられ、他端には嵌合凹部122bが設けられている。
【0023】
図2(a)に示すガスケット100は、4つの第1分割シート110と4つの第2分割シート120により構成されており、これらが交互に連結されることにより構成されている。この構成の場合には、一端に嵌合凸部が設けられ、他端に嵌合凹部が設けられた分割シートが交互に連結される。
【0024】
図2(b)に示すガスケット100Aは、時計回りで、第1分割シート110A、第2分割シート120A、第1分割シート110A、第2分割シート120、第1分割シート110、第2分割シート120、第1分割シート110、第2分割シート120Aの順に連結されている。この構成の場合には、一端に嵌合凸部が設けられ、他端に嵌合凹部が設けられた分割シートと、両端に嵌合凸部が設けられた分割シートと、両端に嵌合凹部が設けられた分割シートが適宜連結される。
【0025】
なお、特に図示はしないが、両端に嵌合凸部が設けられた分割シートと、両端に嵌合凹
部が設けられた分割シートを交互に連結することでガスケットを構成することもできる。
【0026】
嵌合凸部と嵌合凹部について、特に、
図3及び
図4を参照して、詳細に説明する。上記の各種分割シートに設けられた嵌合凸部の構成、及び嵌合凹部の構成はいずれも同一である。そこで、ここでは、代表して、第1分割シート110に設けられた嵌合凸部111と、第2分割シート120に設けられた嵌合凹部122を例にして説明する。
【0027】
上記の説明から明らかなように、互いに連結される一方の分割シート(ここでは、第1分割シート110)に設けられる嵌合凸部111が、他方の分割シート(ここでは、第2分割シート120)に設けられる嵌合凹部122に嵌合されることにより、これら一方の分割シートと他方の分割シートが連結される。
【0028】
図示のように、嵌合凸部111は、平面形状が円弧形状となる部分を有している。同様に、嵌合凹部122も、平面形状が円弧形状となる部分を有している。そして、嵌合凸部111における上記の円弧形状の半径R1が、嵌合凹部122における上記の円弧形状の半径R2よりも大きくなるように構成されている。なお、R2<R1≦1.1×R2を満たすように構成すると好適である。
【0029】
このような構成を採用したことで、嵌合凸部111と嵌合凹部122を嵌合させると、嵌合凸部111は円の中心に向かって縮径するように圧縮され、かつ、嵌合凹部122は円の中心から拡径するように拡張する。これにより、嵌合凸部111と嵌合凹部122の両者に弾性的な反発力が生じた状態となる(
図4(b)中の矢印参照)。
【0030】
<本実施例に係るガスケットの優れた点>
本実施例に係るガスケット100は、複数のゴム製の分割シートが連結されることにより構成される。これにより、ガスケット100の全体の寸法が大きくても、複数の分割シートは、それぞれ金型により個別に成形することが可能であるので、大型の金型や成形設備を設ける必要もない。
【0031】
そして、本実施例においては、互いに連結される一方の分割シートに設けられる嵌合凸部が、他方の分割シートに設けられる嵌合凹部に嵌合されることにより、これら一方の分割シートと他方の分割シートが連結されるように構成されている。そして、嵌合凸部と嵌合凹部は、いずれも平面形状が円弧形状となる部分を有しており、嵌合凸部における上記の円弧形状の半径R1が、嵌合凹部における上記の円弧形状の半径R2よりも大きくなるように構成されている。そのため、嵌合凸部と嵌合凹部の両者に弾性的な反発力が生じた状態で、両者が接触する。これにより、嵌合凸部と嵌合凹部との間に隙間が発生することを抑制することができる。また、これに伴い、嵌合凸部と嵌合凹部が外れてしまうことを抑制することができる。
【0032】
ここで、R2<R1≦1.1×R2を満たすようにすれば、嵌合凸部と嵌合凹部に過度な力が生じてしまうことを抑制することができる。これにより、嵌合凸部及び嵌合凹部の少なくともいずれか一方が大きく変形してしまうことにより隙間が生じたり、嵌合凸部と嵌合凹部が外れたりしてしまうことを抑制することができる。
【0033】
以上のように、本実施例に係るガスケット100によれば、連結する分割シート間に隙間が生じることを抑制することができる。これにより、シール性を向上することができ、また、分割シート同士が外れてしまうことを抑制することができるので、取り扱い性も向上する。
【0034】
(実施例2)
図5には、本発明の実施例2が示されている。本実施例においては、上記実施例1の構成に加えて、嵌合凸部と嵌合凹部との接触面のうちの一方には、分割シートの表裏面に垂直な方向に対する位置決め用凸部が設けられ、他方には位置決め用凸部が嵌る位置決め用凹部が設けられる構成を示す。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は適宜省略する。
【0035】
図5は本発明の実施例2に係る分割シートの概略図であり、(a)は分割シートを連結する前の嵌合凸部と嵌合凹部付近を示す平面図であり、(b)は分割シートを連結した後の嵌合凸部と嵌合凹部付近を示す平面図であり、(c)は(b)中のBB断面図である。なお、(a)においては、内部を透視した部分を点線にて示している。
【0036】
密封構造やガスケット全体の構成等については、実施例1と同様であるので、その説明は省略する。本実施例においては、嵌合凸部と嵌合凹部の構成のみ実施例1と異なるので、これらについてのみ説明する。
【0037】
本実施例に係る第1分割シート110Xに設けられた嵌合凸部111においても、上記実施例1と同様に、平面形状が円弧形状となる部分を有している。同様に、第2分割シート120Xに設けられた嵌合凹部122も、平面形状が円弧形状となる部分を有している。円弧形状における半径については、実施例1で説明した通りである。
【0038】
そして、本実施例においては、嵌合凸部111における嵌合凹部122との接触面には、分割シートの表裏面に垂直な方向に対する位置決め用凸部111Xが設けられている。また、嵌合凹部122における嵌合凸部111との接触面には、位置決め用凸部111Xが嵌る位置決め用凹部122Xが設けられている。
【0039】
以上のように構成される本実施例に係るガスケットにおいても、上記実施例1と同様の効果を得ることができる。また、本実施例においては、位置決め用凸部111Xと位置決め用凹部122Xを設ける構成を採用したことで、連結する分割シート同士のシート表裏面に垂直な方向の位置ずれを抑制することができる。これにより、ガスケットの表裏面に段差が形成されてしまうことを抑制することができる。
【0040】
なお、本実施例においては、嵌合凸部に位置決め用凸部を設けて、嵌合凹部に位置決め用凹部を設ける構成を示したが、嵌合凸部に位置決め用凹部を設けて、嵌合凹部に位置決め用凸部を設ける構成を採用することもできる。
【0041】
また、本実施例においては、位置決め用凸部は、嵌合凸部における平面形状が円弧形状となる部分全体を含む領域に設けられる構成を示したが、位置ずれを抑制できれば、位置決め用凸部を設ける範囲が限定されることはない。なお、位置決め用の凹部は、位置決め用凸部が設けられる範囲に対応させて設けられることは言うまでもない。
【0042】
(その他)
上記実施例においては、分割シートの端部に1箇所の嵌合凸部または嵌合凹部が設けられる構成を示した。しかしながら、本発明においては、分割シートの端部に、2か所以上の嵌合凸部や嵌合凹部を設ける構成を採用することもできる。例えば、
図6(a)に示すように、第1分割シート110Yの端部に2か所の嵌合凸部111を設け、第2分割シート120Yの端部に2か所の嵌合凹部122を設ける構成を採用することができる。また、
図6(b)に示すように、第1分割シート110Zの端部に嵌合凸部111と嵌合凹部112を設け、第2分割シート120Zの端部に嵌合凹部122と嵌合凸部121を設ける構成を採用することができる。
【0043】
また、上記実施例1に示すガスケット100は、内周側面と外周側面の平面形状が略矩形の場合の構成を示したが、本発明においては、各種形状のガスケット(ゴムシート)に適用することができる。例えば、
図7に示すガスケット(ゴムシート)200は、内周側面と外周側面の平面形状が円形である。このガスケット200においても、複数のゴム製の分割シート210が連結されることにより構成される。そして、実施例1と同様に、分割シート210の一端には嵌合凸部211が設けられ、他端には嵌合凹部212が設けられている。嵌合凸部211と嵌合凹部212の構成については、実施例1と同様である。
【符号の説明】
【0044】
10:筐体
11:筐体本体
11a:装着溝
12:蓋
100,100A,200:ガスケット
110,110A,110X,110Y,110Z:第1分割シート
111,111a,111b:嵌合凸部
111X:位置決め用凸部
112:嵌合凹部
120,120A,120X,120Y,120Z:第2分割シート
121:嵌合凸部
122,122a,122b:嵌合凹部
122X:位置決め用凹部
210:分割シート
211:嵌合凸部
212:嵌合凹部