(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157787
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】塗工液、感熱記録体の製造方法、及び、感熱記録体
(51)【国際特許分類】
B41M 5/42 20060101AFI20241031BHJP
B41M 5/44 20060101ALI20241031BHJP
C09D 201/00 20060101ALI20241031BHJP
B32B 7/027 20190101ALI20241031BHJP
B05D 1/36 20060101ALI20241031BHJP
B05D 7/24 20060101ALI20241031BHJP
B05D 5/06 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
B41M5/42 210
B41M5/44 210
B41M5/42 220
C09D201/00
B32B7/027
B05D1/36 Z
B05D7/24 302Z
B05D5/06 104E
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072365
(22)【出願日】2023-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000205306
【氏名又は名称】大阪シーリング印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086737
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 和秀
(72)【発明者】
【氏名】槌井 弘樹
【テーマコード(参考)】
2H026
4D075
4F100
4J038
【Fターム(参考)】
2H026DD01
2H026DD48
2H026DD56
2H026FF01
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2H026FF13
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2H026HH05
4D075AE03
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4J038NA01
4J038NA04
4J038PB04
(57)【要約】
【課題】感熱記録体1の中間層4の透明性を向上させることができる塗工液、それを用いた感熱記録体の製造方法及び感熱記録体を提供する。
【解決手段】基材2上に、感熱記録層3及び中間層4を備える感熱記録体の中間層形成用の塗工液は、結着剤を含有すると共に、1質量%以上5質量%以下の溶剤を含有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に、感熱記録層及び中間層を備える感熱記録体の前記中間層形成用の塗工液であって、
結着剤を含有すると共に、1質量%以上5質量%以下の溶剤を含有する、
塗工液。
【請求項2】
前記溶剤が、2-プロパノール、プロピレングリコール、及び、1-3プロパンジオールのうちの少なくともいずれか1つである、
請求項1に記載の塗工液。
【請求項3】
架橋剤を含有する、
請求項1に記載の塗工液。
【請求項4】
前記結着剤として、コアシェル型樹脂と、コアシェル型樹脂のシェル部を有しないコア型樹脂とを含有する、
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の塗工液。
【請求項5】
基材上に、感熱記録層及び中間層を備える感熱記録体の製造方法であって、
中間層形成用の塗工液を用いて前記中間層を形成する工程を有し、
前記塗工液は、結着剤を含有すると共に、1質量%以上5質量%以下の溶剤を含有する、
感熱記録体の製造方法。
【請求項6】
前記塗工液は、前記溶剤として、2-プロパノール、プロピレングリコール、及び、1-3プロパンジオールのうちの少なくともいずれか1つを含有する、
請求項5に記載の感熱記録体の製造方法。
【請求項7】
前記中間層上にトップコート層を形成する工程を有し、
前記塗工液は、架橋剤を含有する、
請求項5に記載の感熱記録体の製造方法。
【請求項8】
前記塗工液は、前記結着剤として、コアシェル型樹脂と、コアシェル型樹脂のシェル部を有しないコア型樹脂とを含有する、
請求項5ないし7のいずれか一項に記載の感熱記録体の製造方法。
【請求項9】
基材上に、感熱記録層及び中間層を備える感熱記録体であって、
前記中間層が、結着剤を含有すると共に、1質量%以上5質量%以下の溶剤を含有する中間層形成用の塗工液によって形成されている、
感熱記録体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感熱記録体の中間層の形成に好適な塗工液、それを用いた感熱記録体の製造方法、及び、感熱記録体に関する。
【背景技術】
【0002】
感熱記録体は、サーマルヘッド等の加熱によって発色し、記録画像が得られるものである。感熱記録体は、ファクシミリ、自動券売機、科学計測器、あるいはCRT医療計測器等のアウトプット用のプリンターなどの広範な用途に使用されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かかる感熱記録体を、例えば、各種の食品などが収容された容器のラベルや包装用のフィルムとして使用する場合、感熱記録体が不透明であると、ラベルや包装用のフィルムによって、容器の中身が隠れてしまうため、消費者が中身を確認し難い。
【0005】
このため、感熱記録体の透明性を向上させて、容器の中身を確認できるようにすることが望まれる。
【0006】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、感熱記録層上に形成される中間層の透明性に着目し、感熱記録体の透明性を向上させるのに有効な中間層形成用の塗工液、それを用いた感熱記録体の製造方法及び感熱記録体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明では次のように構成している。
【0008】
(1)本発明に係る塗工液は、基材上に、感熱記録層及び中間層を備える感熱記録体の前記中間層形成用の塗工液であって、結着剤を含有すると共に、1質量%以上5質量%以下の溶剤を含有する。
【0009】
本発明に係る中間層形成用の塗工液によると、溶剤を、1質量%以上5質量%以下含有することによって、塗工液のレベリング性が良好となり、中間層の平滑性が向上する。これによって、感熱記録体の中間層の透明性を高めることができる。その結果、感熱記録体全体の透明性の向上に寄与する。
【0010】
また、塗工液は、溶剤の含有量が5質量%以下でよいので、塗工液を使用するために防爆設備が必要となることもない。
【0011】
(2)本発明の好ましい実施態様では、前記溶剤が、2-プロパノール、プロピレングリコール、及び、1-3プロパンジオールのうちの少なくともいずれか1つである。
【0012】
この実施態様によると、2-プロパノール、プロピレングリコール、及び、1-3プロパンジオールのうちの少なくともいずれか1つの溶剤を添加して塗工液を調製することによって、感熱記録体の中間層の透明性を高めることができる。その結果、感熱記録体全体の透明性の向上に寄与する。
【0013】
(3)本発明の他の実施態様では、架橋剤を含有する。
【0014】
この実施形態によると、塗工液に含有される溶剤と架橋剤とによって架橋が促進され、溶剤を含有しない架橋剤だけの場合に比べて、早期に架橋が完了して中間層の状態が安定する。
【0015】
(4)本発明の更に他の実施態様では、前記結着剤として、コアシェル型樹脂と、コアシェル型樹脂のシェル部を有しないコア型樹脂とを含有する。
【0016】
この実施形態によると、親水性のシェル部を有するコアシェル型樹脂を含有しているので、成膜性が良好で平滑な中間層が形成される一方、親水性のシェル部を有しないコア型樹脂を含有しているので、耐水性の劣化を防止することができる。このように、中間層の耐水性の劣化が防止できることによって、感熱記録体全体としても耐水性の劣化を防止できる。
【0017】
(5)本発明に係る感熱記録体の製造方法は、基材上に、感熱記録層及び中間層を備える感熱記録体の製造方法であって、
中間層形成用の塗工液を用いて前記中間層を形成する工程を有し、前記塗工液は、結着剤を含有すると共に、1質量%以上5質量%以下の溶剤を含有する。
【0018】
本発明に係る感熱記録体の製造方法によると、中間層形成用の塗工液は、溶剤を1質量%以上5質量%以下含有しているので、レベリング性が良好となり、中間層の平滑性が向上する。これにより、感熱記録体の中間層の透明性を高めることができる。その結果、感熱記録体全体の透明性の向上に寄与する。
【0019】
また、塗工液は、溶剤の含有量が5質量%以下でよいので、塗工液を使用するために防爆設備が必要となることもない。
【0020】
(6)本発明の他の実施態様では、前記塗工液は、前記溶剤として、2-プロパノール、プロピレングリコール、及び、1-3プロパンジオールのうちの少なくともいずれか1つを含有する。
【0021】
この実施態様によると、2-プロパノール、プロピレングリコール、及び、1-3プロパンジオールのうちの少なくともいずれか1つの溶剤を添加して塗工液を調製することによって、感熱記録体の中間層の透明性を高めることができる。その結果、感熱記録体全体の透明性の向上に寄与する。
【0022】
(7)本発明の更に他の実施態様では、前記中間層上にトップコート層を形成する工程を有し、前記塗工液は、架橋剤を含有する。
【0023】
この実施態様によると、中間層形成用の塗工液に含有される溶剤と架橋剤とによって架橋が促進され、溶剤を含有しない架橋剤だけの場合に比べて、早期に架橋が完了して中間層の状態が安定する。これにより、中間層を形成する工程からトップコート層を形成する工程までのエージングに要する期間を短縮することができる。
【0024】
(8)本発明の一実施態様では、前記塗工液は、前記結着剤として、コアシェル型樹脂と、コアシェル型樹脂のシェル部を有しないコア型樹脂とを含有する。
【0025】
この実施態様によると、親水性のシェル部を有するコアシェル型樹脂を含有しているので、成膜性が良好で平滑な中間層が形成される一方、親水性のシェル部を有しないコア型樹脂を含有しているので、耐水性の劣化を防止することができる。このように、中間層の耐水性の劣化が防止できることによって、感熱記録体全体としても耐水性の劣化を防止できる。
【0026】
(9)本発明の感熱記録体は、基材上に、感熱記録層及び中間層を備える感熱記録体であって、
前記中間層が、結着剤を含有すると共に、1質量%以上5質量%以下の溶剤を含有する中間層形成用の塗工液によって形成されている。
【0027】
本発明に係る感熱記録体によると、溶剤を、1質量%以上5質量%以下含有する塗工液によって中間層が形成されているので、中間層の平滑性が向上する。これによって、感熱記録体の中間層の透明性を高めることができる。その結果、感熱記録体全体の透明性の向上に寄与する。
【0028】
また、塗工液は、溶剤の含有量が5質量%以下でよいので、塗工液を使用するために防爆設備が必要となることもない。
【発明の効果】
【0029】
このように本発明によれば、中間層形成用の塗工液は、溶剤を、1質量%以上5質量%以下含有することによって、レベリング性が良好となり、中間層の平滑性が向上する。これにより、感熱記録体の中間層の透明性を高めることができる。その結果、感熱記録体全体の透明性の向上に寄与する。
【0030】
また、塗工液は、溶剤の含有量が5質量%以下でよいので、塗工液を使用するために防爆設備が必要となることもない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】
図1は本発明の一実施形態の感熱記録体の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0033】
図1は本発明の一実施形態に係る感熱記録体の概略断面図である。この実施形態の感熱記録体1は、基材2の上面に、加熱によって発色する感熱記録層3、中間層4及びトップコート層5が積層されて形成されている。
【0034】
なお、基材2と感熱記録層3との密着性を高めるために、アンカー層を設けてもよい。
【0035】
以下、各層の構成について説明する。
【0036】
[基材]
基材2としては、透明の合成樹脂フィルム、例えば、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルムなどを用いることができる。かかるフィルムの厚さは、特に限定されないが、例えば、10μm~100μm程度であれば、基材2に対する塗工性及び基材2の透明性に優れ、好ましい。また、樹脂材料の使用量を削減して脱プラスチックを図るためには、基材2の厚みは、50μm以下であるのが好ましく、40μm以下であるのがより好ましい。
【0037】
[感熱記録層]
感熱記録層3を形成する材料としては、加熱により発色する発色剤、顕色剤、充填剤、結着剤、及び滑剤などを含む。
【0038】
中間層の透明性を高めて、感熱記録体1の透明性を向上させるために、上記の各材料は、粒子径の細かいものを使用するのが好ましい。このような粒子径の細かい材料であれば、粒子の乱反射が抑制される。
【0039】
具体的には、発色剤であるロイコ染料としては、3-(N-イソブチル-N-エチル)アミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-イソペンチル-N-エチル)アミノ-6-メチル-7-o-クロロアニリノフルオラン、3-(N-エチル-N-p-トルイジノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-N-イソペンチル)アミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エトキシプロピル-N-エチル)アミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-シクロヘキシル-N-メチル)アミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-メチル-N-n-プロピル)アミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-p-トルイジノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-8-メチルフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(m-トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(o-クロロアニリノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-7-クロロフルオラン、3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-ブロモフルオラン、3-ジブチルアミノ-7-(o-クロロアニリノ)フルオラン、3-ジペンチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジメチルアミノ-5-メチル-7-メチルフルオラン、3-ピロリジノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、クリスタルバイオレットラクトン等を用いることができる。
【0040】
上記した発色剤の粒子径は、0.1μm~1.0μmであるのが好ましい。ここで、粒子径とは、マイクロトラックレーザー解析・散乱式粒度分析機による測定50%平均粒子径をいう。以下、「粒子径」とは、このマイクロトラックレーザー解析・散乱式粒度分析機による測定50%平均粒子径をいう。
【0041】
上記の顕色剤としては、例えば、1,1-ビス(p-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(p-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(p-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(p-ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、2,2’-メチレンビス(4-クロロフェノール)、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4-メチルペンタン、2,4'-ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、4-ヒドロキシ-4'-n-プロポキシジフェニルスルホン、4-ヒドロキシ-4'-イソプロポキシジフェニルスルホン、4-ヒドロキシ-4'-メチルジフェニルスルホン、4-ヒドロキシフェニル-4'-ベンジルオキシフェニルスルホン、4-ヒドロキシ-4′-アリルオキシジフェニルスルホン、ビス(3-アリル-4-ヒドロキシフェニル)スルホン、ポリ(4-ヒドロキシ安息香酸)、4-ヒドロキシ安息香酸ベンジル、2,4-ビス(フェニルスルホニル)フェノール、α-{4-[(4-ヒドロキシフェニル)スルホニル]フェニル}-ω-ヒドロキシポリ(重合度n=1~7)(オキシエチレンオキシエチレンオキシ-p-フェニレンスルホニル-p-フェニレン)2,2-ビス[(4-メチル-3-フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレア]ジフェニルスルホン、3,5-ビス(α-メチルベンジル)サリチル酸、ビス[4-(n-オクチルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸亜鉛]、4,4’-ビス(p-トリルスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、4-ヒドロキシベンゼンスルホンアニリド、2’-(3-フェニルウレイド)ベンゼンスルホンアニリド、N-(2-ヒドロキシフェニル)-2-[(4-ヒドロキシフェニル)チオ]アセトアミド、N-(4-ヒドロキシフェニル)-2-[(4-ヒドロキシフェニル)チオ]アセトアミド、4-[[4-[4-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]スルホニルフェノキシ]ブトキシ]フェニル]スルホニル]フェノール、4-tert-ブチルフェノール・ホルムアルデヒド重縮合物、N-(p-トルエンスルホニル)N'-(3-p-トルエンスルホニルオキシフェニル)ウレア、1-フェニル-3-(4-メチルフェニルスルホニル)ウレア等を用いることができ、それらの粒子径は、0.1μm以上1.0μm以下であるのが好ましい。
【0042】
上記の充填剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、硫酸バリウム、シリカゲル、活性白土、タルク、クレー、カオリン、焼成カオリン、ケイソウ土、ホワイトカーボン、酸化亜鉛、酸化珪素、コロイダルシリカ、ポリスチレン樹脂粒子、尿素-ホルマリン樹脂粒子、ポリオレフィン樹脂粒子等を用いることができ、それらの粒子径は、1.0μm以下であるのが好ましい。
【0043】
上記の結着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、デンプン、カゼイン、ゼラチン、ポリアミド、ポリアクリルアミド、変性ポリアクリルアミド、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、スチレン-無水マレイン酸共重合体、イソブチレン-無水マレイン酸共重合体、ジイソブチレン-無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル-無水マレイン酸共重合体、メチルビニル-無水マレイン酸共重合体、イソプロピレン-無水マレイン酸共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、アクリル酸エステル、アクリルニトリル、メチルビニルエーテル等を用いることができる。
【0044】
上記の増感剤としては、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸アミド、ステアリン酸アニリド、メチロールステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、1-ベンジルオキシナフタレン、2-ベンジルオキシナフタレン、2,6-ジイソプロピルナフタレン、1,2-ジフェノキシエタン、1,2-ジフェノキシメチルベンゼン、1,2-ビス(3,4-ジメチルフェノル)エタン、1,2-ビス(3-メチルフェノキシ)エタン、1,2-ビス(4-メチルフェノキシ)エタン、シュウ酸ジ(p-クロロベンジル)、シュウ酸ジ(p-メチルベンジル)、シュウ酸ジベンジル、p-ベンジルビフェニル、m-ターフェニル、ジフェニルスルホン、p-ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、テレフタル酸ジベンジル、p-トルエンスルホンアミド等を用いることができる。
【0045】
上記の滑剤としては、例えば、パラフィンワックス、オレイン酸等の脂肪酸類、ポリエチレンワックス等のポリオレフィンワックス類、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸類、カルナバワックス等のエステルワックス類、シリコンオイル、鯨油等の油類を用いることができ、それらの粒子径は、0.5μm以下であるのが好ましい。
【0046】
感熱記録体1の透明性を向上させるためには、感熱記録層3にパラフィンワックスを含有させることが特に有効であることが知られている。このパラフィンは、感熱記録層3の発色温度未満、好ましくは80℃未満、より好ましくは、50℃未満の低融点のパラフィンであるのが好ましい。
【0047】
この低融点のパラフィンの粒子径は、上記のように0.5μm以下であるのが好ましい。このパラフィンの含有量は、乾燥質量で、例えば、0.1g/m2~1.0g/m2であることが好ましい。
【0048】
このように低融点のパラフィンを含有させることによって、感熱記録層3の形成用の塗工液を、基材2上に塗工し、塗工液が乾燥する際に、低融点のパラフィンが溶融し、感熱記録層3を構成する粒子の表面の凹凸等の隙間に入り込んで、隙間を埋める。これによって、感熱記録層3において、粒子の表面の乱反射が抑制されるため、感熱記録体1の透明性が向上し得る。
【0049】
[中間層]
中間層4は、水や油に対するバリア性を有しており、感熱記録層3の耐水性や耐薬品性等を向上させる。
【0050】
中間層4は、主に、結着剤(バインダ)によって形成されている。この中間層4の結着剤としては、例えば、アクリル樹脂のエマルション、水溶性部分を有する樹脂、SBR樹脂などが挙げられる。
【0051】
感熱記録体1の透明性を向上させるためには、中間層4の結着剤は、水溶性部分を有する樹脂、例えば、親水性構造単位としてヒドロキシ基を有する樹脂であるポリビニルアルコール(PVA)を用いることができる。あるいは、疎水性のコア粒子を、水溶性のシェルポリマーでコーティングしたコアシェル型樹脂、例えば、コアシェル型アクリル樹脂を用いることができる。更に、コアシェル型樹脂のシェル部を有しないコア部からなるコア型樹脂を用いることもできる。なお、コアシェル型樹脂のコア部と、コア型樹脂のコア部とは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0052】
水溶性のポリビニルアルコールやコアシェル型アクリル樹脂は、成膜性が良好である。また、感熱記録層3上に、中間層形成用の塗工液を塗工して乾燥する際に、水溶性部分を有する樹脂が、感熱記録層3へ染み込んで平滑な中間層4が形成される。これにより、感熱記録層3での乱反射が抑制されて感熱記録層3の透明性が向上する。
【0053】
この実施形態の中間層4を形成するための中間層形成用の塗工液は、上記の結着剤を含有すると共に、塗工液全体に対して、1質量%以上5質量%以下の溶剤を含有している。
【0054】
この溶剤としては、例えば、第二級アルコールである2-プロパノール、あるいは、二価アルコールであるプロピレングリコール及び1-3プロパンジオールなどのアルコール系の溶剤が好ましい。
【0055】
このような溶剤を塗工液に添加することによって、塗工時のレベリング性が向上し、中間層の平滑性が向上する。その結果、後述の実施例に示すように透明性を高めることができる。
【0056】
この実施形態の中間層形成用の塗工液は、架橋剤を含有している。この架橋剤としては、その主成分が、例えば、カルボジイミド化合物、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂、オキサゾリン系、あるいは、炭酸ジルコニウムアンモニウムが好ましい。
【0057】
透明性を高める上では、架橋剤として、その主成分が、カルボジイミド化合物、あるいは、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂が好ましい。
【0058】
このような架橋剤を含有している中間層形成用の塗工液に、上記のような溶剤を添加することによって、架橋剤だけの塗工液の場合に比べて、架橋が促進され、早期に架橋が完了して中間層の状態が安定する。
【0059】
これによって、感熱記録層3上に、中間層形成用の塗工液を塗工して中間層4を形成する工程が終了した後、中間層4上にトップコート層形成用の塗工液を塗工してトップコート層を形成する工程を開始するまでのエージングに要する時間を短縮することが可能となり、エージング工程を省略するといったことが可能となる。
【0060】
この実施形態の中間層形成用の塗工液には、上記の結着剤、溶剤、架橋剤以外に、充填剤が含有されると共に、必要に応じて、濡れ剤等が含有される。
【0061】
充填剤としては、コロイダルシリカ、炭酸カルシウム、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PS)などが挙げられる。
【0062】
これら充填剤の粒子径は、1.0μm以下であるのが好ましい。透明性を向上させるためには、充填剤として、粒子径の小さいコロイダルシリカが好ましい。
【0063】
[トップコート層]
トップコート層5は、サーマルヘッドに対する感熱記録層3のマッチング性を向上させて、感熱記録層3における発色が適切に行われるようにする。
【0064】
トップコート層5は、結着剤中に、充填剤、滑剤、架橋剤などを添加したものが用いられる。
【0065】
結着剤である樹脂としては、例えば、アクリル樹脂などが挙げられる。
滑剤としては、例えば、ポリエチレン、ステアリン酸亜鉛などが挙げられる。
【0066】
架橋剤としては、例えば、炭酸ジルコニウムなどが挙げられる。
【0067】
充填剤としては、コロイダルシリカ、炭酸カルシウム、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PS)などが挙げられる。
【0068】
これら充填剤の粒子径は、1.0μm以下であるのが好ましい。透明性を向上させるためには、充填剤として、粒子径の小さいコロイダルシリカが好ましい。
【0069】
この実施形態の感熱記録体の製造方法では、基材2上に感熱記録層形成用の塗工液を塗工し、乾燥させて感熱記録層3を形成する工程と、感熱記録層3上に中間層形成用の塗工液を塗工し、乾燥させて中間層4を形成する工程と、中間層4上に、トップコート層形成用の塗工液を塗工し、乾燥させてトップコート層5を形成する工程とを備えている。
【実施例0070】
次に、本発明を具体的な実施例に基づいて、更に詳細に説明するが、以下の実施例は、本発明を何ら限定するものではない。
【0071】
本件発明者は、中間層形成用の塗工液への溶剤の添加が、透明性に与える影響を評価するために、溶剤の含有量を異ならせた複数種類の塗工液を調製した。
【0072】
これら塗工液では、結着剤として、カルボキシル基含有アクリル樹脂を使用した。具体的には、結着剤として、疎水性アクリルのコア部と親水性アクリルのシェル部を有するコアシェル型アクリル樹脂である樹脂1と、コアシェル型アクリル樹脂のシェル部を有しないコア部からなるコア型樹脂である樹脂2とを使用した。
【0073】
このカルボキシル基含有アクリル樹脂は、SiOH基(シラノール基)を含まないアクリル樹脂、すなわち、シラン変性していないアクリル樹脂である。
【0074】
コアシェル型樹脂である樹脂1は、固形分の濃度が24.8%、回転数60rpmにおける粘度が248mPa・s、pHが7.7である。
【0075】
コア型樹脂である樹脂2は、固形分の濃度が20.2%、回転数60rpmにおける粘度が940mPa・s、pHが8である。
【0076】
結着剤は、上記の樹脂1と樹脂2の質量比率を、「50」対「50」とした。
【0077】
架橋剤として、主成分がカルボジイミド化合物であるカルボジライトV-10(日清紡ケミカル社製)を使用した。
【0078】
この架橋剤を、乾燥時における質量比率で、結着剤「100」に対して、「6」添加した。
【0079】
溶剤として、2-プロパノールを使用し、塗工液全体に対して、2-プロパノールの含有量が、0.5質量%、1質量%、3質量%、4質量%、5質量%、7質量%となるように、各塗工液をそれぞれ調製した。
【0080】
調製した中間層形成用の各塗工液を、基材2上の感熱記録層3上にそれぞれ塗工し、乾燥させて中間層を形成し、複数のサンプルを作製した。各サンプルでは、トップコート層は形成しておらず、中間層までの透明性を評価した。
【0081】
次に、実施例の基材2及び感熱記録層3の構成について具体的に説明するが、この構成は、本件出願人が先に提案した上記特許文献1(特許第6202599号公報)と同様の構成である。
【0082】
基材2として、厚さ40μmのOPP(二軸延伸ポリプロピレン)フィルムを使用した。
【0083】
感熱記録層3は、顕色剤として、粒子径が0.4μmの3,3’-ジアリル-4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホンを使用し、充填剤は、粒子径が0.4μmのカオリンを使用した。また、結着剤は、ガラス転移温度Tgが「-3℃」のSBRを使用した。滑剤は、融点が46℃で粒子径が0.2μmのパラフィンを使用した。染料は、粒子径が0.5μmの2-アニリン-3メチル-6-(N-メチル-P-トルイジノ)フルオランを使用した。
【0084】
乾燥時における質量比率で、顕色剤、カオリン、SBR、パラフィン、染料を、25、10、20、4、12とし、全体で74とした。
【0085】
この配合の感熱記録層形成用の塗工液を調製し、上記OPPフィルム上に、塗工量が、乾燥質量で4.5g/m2となるように塗工した後、乾燥して感熱記録層3を形成した。
【0086】
この感熱記録層3上に、上記の溶剤の含有量が異なる複数種類の中間層形成用の各塗工液を、その塗工量が、乾燥質量で2.0g/m2となるように塗工した後、乾燥して中間層4をそれぞれ形成して複数のサンプルを作製した。
【0087】
このようにして、本件発明者は、上記
図1に示される感熱記録体1の中間層4までがそれぞれ形成された複数のサンプルを作製し、各サンプルの透明性を評価した。
【0088】
この透明性の評価は、JIS K 7136に準拠したヘイズ(HAZE)の測定により行った。
【0089】
ヘイズ値は、下記式によって算出される。
【0090】
HAZE(%)=DIF/T.T×100
=(T.T-P.T)/T.T×100
T.T:全光線透過率
P.T:平行線透過率
DIF:拡散(散乱)光成分
各サンプルの作製に使用した塗工液の構成、及び、測定結果を下記表1に示す。
【0091】
【表1】
上記のように、サンプルNo.1~No.7の各サンプルの基材は、OPPフィルムである。また、各サンプルの作製に用いた中間層形成用の各塗工液は、結着剤が、上記の樹脂1及び樹脂2であり、架橋剤は、主成分がカルボジイミド化合物であるカルボジライトV-10であり、溶剤は、2-プロパノールである。
【0092】
サンプルNo.1は、中間層形成用の塗工液に、溶剤である2-プロパノールは含まれてない。
【0093】
サンプルNo.2~No.7の各サンプルでは、中間層形成用の塗工液の2-プロパノールの含有量が、塗工液全体に対して、0.5質量%、1質量%、3質量%、4質量%、5質量%、7質量%である。
【0094】
サンプルNo.1の2-プロパノールを含有していない中間層形成用の塗工液によって形成されたサンプルの中間層までのヘイズ値は、16.70である。
【0095】
サンプルNo.2の2-プロパノールを0.5質量%含有する中間層形成用の塗工液によって形成されたサンプルの中間層までのヘイズ値は、17.80である。
【0096】
サンプルNo.3の2-プロパノールを1質量%含有する中間層形成用の塗工液によって形成されたサンプルの中間層までのヘイズ値は、15.55である。
【0097】
サンプルNo.4の2-プロパノールを3質量%含有する中間層形成用の塗工液によって形成されたサンプルの中間層までのヘイズ値は、14.81である。
【0098】
サンプルNo.5の2-プロパノールを4質量%含有する中間層形成用の塗工液によって形成されたサンプルの中間層までのヘイズ値は、16.01である。
【0099】
サンプルNo.6の2-プロパノールを5質量%含有する中間層形成用の塗工液によって形成されたサンプルの中間層までのヘイズ値は、15.14である。
【0100】
サンプルNo.7の2-プロパノールを7質量%含有する中間層形成用の塗工液によって形成されたサンプルの中間層までのヘイズ値は、19.61である。
【0101】
このように2-プロパノールの含有量が、1質量%、3質量%、4質量%、及び5質量%であるサンプルNo.3、No.4、No.5及びNo.6の中間層形成用の塗工液によって形成された中間層までのヘイズ値は、いずれも2-プロパノールを添加していないサンプルNo.1の中間層までのヘイズ値16.70に比べて、低い数値となっており、透明性が向上している。
【0102】
特に、2-プロパノールの含有量が3質量%であるサンプルNo.4は、ヘイズ値が14.81と最も低い数値となっており、透明性が最も向上している。
【0103】
一方、2-プロパノールの含有量が、1質量%を下回る0.5質量%のサンプルNo.2では、2-プロパノールの含有の効果が得られず、中間層のヘイズ値が、サンプルNo.1のヘイズ値16.70よりも高い数値となっている。
【0104】
また、2-プロパノールの含有量が、5質量%を上回る7質量%であるサンプルNo.7では、サンプルNo.1のヘイズ値16.70よりも高い数値となっており、溶剤の添加による透明性の向上は認められない。
【0105】
したがって、透明性を向上させるには、2-プロパノールの含有量は、1質量%以上5質量%以下であるのが好ましい。
【0106】
溶剤の含有量が、5質量%を超えると、有機溶剤中毒予防規則に規定されているように、防爆設備が必要となる。これに対し、この中間層形成用の塗工液では、溶剤である2-プロパノールの含有量は、5質量%以下でよいので、中間層形成用の塗工液を使用するのに防爆設備を必要としない。
【0107】
上記のように、中間層形成用の塗工液に、溶剤である2-プロパノールを、1質量%以上5質量%以下の含有量となるように添加することが透明性の向上に有効である。
【0108】
本件発明者は、この溶剤の添加による透明性の向上に対して、架橋剤の種類が与える影響を評価した。具体的には、複数種類の架橋剤について、溶剤である2-プロパノールを添加しない塗工液を使用して中間層を形成したサンプルと、2-プロパノールを3質量%含有する塗工液を使用して中間層を形成したサンプルとをそれぞれ作製し、中間層までの感熱記録体のヘイズ値を、上記と同様に測定した。
【0109】
各サンプルの作製に使用した塗工液の構成、及び、測定結果を下記表2に示す。
【0110】
【表2】
表2に示すように、各サンプルの基材、結着剤、溶剤は、上記表1と同じである。
【0111】
サンプルNo.1、及び、サンプルNo.4は、架橋剤として、上記のカルボジライトV-10を使用した各サンプルである。この各サンプルは、溶剤である2-プロパノールを添加しないサンプル、及び、透明性が最も向上した2-プロパノールを3質量%含有するサンプルであり、上記表1のサンプルNo.1、及び、サンプルNo.4である。
【0112】
サンプルNo.8、No.9は、架橋剤として、カルボジライトV-10と主成分が同じカルボジイミド化合物であるカルボジライトE-05(日清紡ケミカル社製)を使用したサンプルである。
【0113】
サンプルNo.10、No.11は、架橋剤として、主成分がポリアミドエピクロロヒドリン樹脂であるバリアスターC(三井化学社製)を使用したサンプルである。
【0114】
サンプルNo.12、No.13は、架橋剤として、主成分がオキサゾリン基含有水溶性ポリマーであるエポクロスWS700(日本触媒社製)を使用したサンプルである。
【0115】
サンプルNo.14、No.15は、架橋剤として、主成分が炭酸ジルコニウムアンモニウムであるオキサゾリンAC-7(第一稀元素化学工業社製)を使用したサンプルである。
【0116】
架橋剤として、主成分がカルボジイミド化合物であるカルボジライトE-05を使用したサンプルNo.8、No.9では、溶剤である2-プロパノールを添加しなかったサンプルNo.8の中間層までのヘイズ値が15.77である。これに対して、2-プロパノールを、3質量%含有するサンプルNo.9の中間層までのヘイズ値は、15.97であり、サンプルNo.8のヘイズ値に比べて、数値が上昇しており、透明性の向上は認められなかった。
【0117】
架橋剤として、主成分がポリアミドエピクロロヒドリンであるバリアスターCを使用したサンプルNo.10、No.11では、溶剤である2-プロパノールを添加しなかったサンプルNo.10の中間層までのヘイズ値が31.96である。これに対して、2-プロパノールを、3質量%含有するサンプルNo.11の中間層までのヘイズ値は、31.70であり、サンプルNo.10のヘイズ値に比べて、数値が低下しており、透明性が向上している。
【0118】
架橋剤として、主成分がオキサゾリン基含有水溶性ポリマーであるエポクロスWS700を使用したサンプルNo.12、No.13では、溶剤である2-プロパノールを添加しなかったサンプルNo.12の中間層までのヘイズ値が14.63である。これに対して、2-プロパノールを、3質量%含有するサンプルNo.13の中間層までのヘイズ値は、14.82であり、サンプルNo.12のヘイズ値に比べて、数値が上昇しており、透明性の向上は認められなかった。
【0119】
架橋剤として、主成分が炭酸ジルコニウムアンモニウムであるオキサゾリンAC-7を使用したサンプルNo.14、No.15では、溶剤である2-プロパノールを添加しなかったサンプルNo.14のヘイズ値が14.90である。これに対して、2-プロパノールを、3質量%含有するサンプルNo.15の中間層までのヘイズ値は、15.10であり、サンプルNo.14のヘイズ値に比べて、数値が上昇しており、透明性の向上は認められなかった。
【0120】
溶剤である2-プロパノールを含有しなくても中間層までのヘイズ値が、16を下回る比較的透明性の高いサンプルNo.8、No.12、No.14の架橋剤であるカルボジライトE-05、エポクロスWS700、オキサゾリンAC-7では、溶剤の添加による透明性の向上は認められなかった。
【0121】
架橋剤として、カルボジライトV-10、バリアスターCを使用する場合に、中間層形成用の塗工液に溶剤を添加することによって、透明性を向上させることができる。
【0122】
本件発明者は、溶剤の添加による透明性の向上に対して、溶剤の種類が与える影響を評価した。具体的には、複数種類の各溶剤について、溶剤を3質量%それぞれ含有する各塗工液を使用して各中間層を形成したサンプルをそれぞれ作製し、中間層までの感熱記録体のヘイズ値を、それぞれ測定した。
【0123】
溶剤は、上記の2-プロパノール以外に、プロピレングリコール、及び、1-3プロパンジオールを使用した。
【0124】
各サンプルの作製に使用した塗工液の構成、及び、測定結果を下記表3に示す。
【0125】
【表3】
表3に示すように、各サンプルの基材、結着剤、架橋剤は、上記表1と同じである。サンプルNo.1は、溶剤を添加しないサンプルであり、上記表1のサンプルNo.1である。また、サンプルNo.4は、2-プロパノールを3質量%含有するサンプルであり、上記表1のサンプルNo.4である。
【0126】
溶剤を添加しないサンプルNo.1の中間層までのヘイズ値は、16.70である。
【0127】
溶剤として、2-プロパノールを、3質量%含有するサンプルNo.4の中間層までのヘイズ値は、14.81である。
【0128】
溶剤として、プロピレングリコールを、3質量%含有するサンプルNo.16は、中間層までのヘイズ値が14.50であり、溶剤を添加しないサンプルNo.1のヘイズ値16.70に比べて、数値が低くなっており、透明性が向上している。
【0129】
溶剤として、1-3プロパンジオールを、3質量%含有するサンプルNo.17は、中間層までのヘイズ値が14.98であり、溶剤を添加しないサンプルNo.1のヘイズ値16.70に比べて、数値が低くなっており、透明性が向上している。
【0130】
このように溶剤として、2-プロパノール、プロピレングリコール、1-3プロパンジオールを3質量%含有するサンプルNo.4、No.16、No.17は、いずれも溶剤を含有しない場合に比べて、透明性が向上している。
【0131】
本件発明者は、溶剤の添加による透明性の向上に対して、基材が与える影響を評価した。具体的には、基材を、厚さ40μmの上記のOPPフィルムから厚さ50μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムに変更し、上記表1と同様に、溶剤である2プロパノールを、1質量%、3質量%、5質量%の各含有量となるように添加し、中間層形成用の塗工液をそれぞれ調製した。調製した各塗工液によって、中間層4をそれぞれ形成して複数のサンプルを作製した。作製した各サンプルのヘイズ値を上記と同様に測定した。
【0132】
各サンプルの作製に使用した塗工液の構成、及び、測定結果を下記表4に示す。
【0133】
【表4】
この表4に示すように、基材がPETである以外、各サンプルの結着剤、架橋剤及び溶剤は、上記表1と同じである。
【0134】
溶剤である2-プロパノールを添加しないサンプルNo.18は、中間層までのヘイズ値が15.18である。
【0135】
2-プロパノールを、1質量%含有するサンプルNo.19の中間層までのヘイズ値は14.42であり、2-プロパノールを添加しないサンプルNo.18のヘイズ値15.18に比べて、数値が低くなっており、透明性が向上している。
【0136】
2-プロパノールを、3質量%含有するサンプルNo.20の中間層までのヘイズ値は14.21であり、2-プロパノールを添加しないサンプルNo.18のヘイズ値15.18に比べて、数値が低くなっており、透明性が向上している。
【0137】
2-プロパノールを、5質量%含有するサンプルNo.21の中間層までのヘイズ値は14.50であり、2-プロパノールを添加しないサンプルNo.18のヘイズ値15.18に比べて、数値が低くなっており、透明性が向上している。
【0138】
このように基材がPETであっても、基材がOPPである場合と同様に、2-プロパノールを、1質量%、3質量%、5質量%含有する中間層形成用の塗工液を使用した作製されるサンプルNo.19、No.20、No.21は、2-プロパノールを添加しないサンプルNo.18に比べて、中間層までのヘイズ値が低い数値となっており、いずれも透明性が向上している。
【0139】
特に、2-プロパノールを、3質量%含有する中間層形成用の塗工液を使用した作製されるサンプルNo.20は、最もヘイズ値が低い数値となっており、透明性が最も向上している。
【0140】
本件発明者は、結着剤が透明性に与える影響を評価した。具体的には、上記の樹脂1,2を、樹脂3,4に変更し、2-プロパノールを添加しなかった中間層形成用の塗工液を使用して作製したサンプルと、2-プロパノールを、3質量%含有する塗工液を使用して作製したサンプルとのヘイズ値を上記と同様に測定した。
【0141】
樹脂3は、コアシェル型樹脂であり、固形分の濃度が25.7%、回転数60rpmにおける粘度が541mPa・s、pHが6.2である。
【0142】
樹脂4は、コア型樹脂であり、固形分の濃度が20%、回転数60rpmにおける粘度が1036mPa・s、pHが7.9である。
【0143】
樹脂3と樹脂4とは、上記と同様にその質量比率を、「50」対「50」とした。
【0144】
各サンプルの作製に使用した塗工液の構成、及び、測定結果を下記表5に示す。
【0145】
【表5】
この表5に示すように、各サンプルは、結着剤が、樹脂3,4である以外は、基材、架橋剤及び溶剤は、上記表1と同じである。
【0146】
溶剤である2-プロパノールを添加しないサンプルNo.22は、中間層までのヘイズ値が61.04%である。
【0147】
これに対して、2-プロパノールを、3質量%含有するサンプルNo.23は、中間層までのヘイズ値は51.83であり、サンプルNo.22のヘイズ値に比べて、数値が低くなっており、透明性が向上している。
【0148】
以上の表1~表5は、中間層形成用の塗工液を使用して中間層が形成されたサンプルを作製し、中間層までの透明性を評価した。
【0149】
本件発明者は、この中間層上にトップコート層形成用の塗工液を塗工し、乾燥させてトップコート層を形成したサンプルを作製し、トップコート層までの透明性を評価した。
【0150】
すなわち、上記表1~表5と同じ中間層形成用の塗工液によって中間層を形成し、この中間層の上に、トップコート層形成用の塗工液を塗工し、乾燥してトップコート層を形成し、このトップコート層までのヘイズ値を測定した。
【0151】
トップコート層形成用の塗工液は、主剤として、アクリル樹脂を含有し、架橋剤として炭酸ジルコニウムアンモニウムを添加し、更に、濡れ剤、消泡剤を添加した。
【0152】
このトップコート層形成用の塗工液を、中間層4上に、塗工量が、乾燥質量で1.5g/m2となるように塗工乾燥し、トップコート層5を形成した。
【0153】
上記表1と同様に、溶剤としての2-プロパノールの添加量が、0.5質量%、1質量%、3質量%、4質量%、5質量%、7質量%となるように、中間層形成用の各塗工液をそれぞれ調製し、各塗工液を使用して各中間層を形成した。
【0154】
更に、各中間層上に、上記のトップコート層形成用の塗工液を塗工し、乾燥してトップコート層をそれぞれ形成して各サンプルを作製し、トップコート層までのヘイズ値をそれぞれ測定した。
【0155】
各サンプルの作製に使用した中間層形成用の塗工液の構成、及び、測定結果を下記表6に示す。
【0156】
【表6】
表6に示すように、基材、及び、中間層形成用の塗工液の構成(結着剤、架橋剤、溶剤、溶剤の添加量)は、上記表1と同じであり、中間層までのヘイズ値に代えて、トップコート層までのヘイズ値を測定したものである。
【0157】
2-プロパノールを含有していない中間層形成用の塗工液を使用して中間層を形成し、その上にトップコート層を形成したサンプルNo.24のトップコート層までのヘイズ値は、20.67である。
【0158】
これに対して、2-プロパノールを、0.5質量%、1質量%、3質量%、
4質量%、5質量%、及び、7質量%含有する中間層形成用の塗工液を使用して中間層をそれぞれ形成し、その上にトップコート層をそれぞれ形成したサンプルNo.25、No.26、No.27、No.28、No.29、及び、No.30のトップコート層までのヘイズ値は、26.25、21.80、21.48、21.63、21.25、及び、22.60である。
【0159】
これらサンプルNo.25、No.26、No.27、No.28、No.29、及び、No.30のトップコート層までのヘイズ値は、いずれも2-プロパノールを添加していない中間層形成用の塗工液を使用して中間層を形成し、その上にトップコート層を形成したサンプルNo.24のトップコート層までのヘイズ値20.67より高い数値となっており、透明性の向上は認められない。
【0160】
しかし、次に説明するように、架橋剤として、カルボジライトE-05、バリアスターC、エポクロスWS700、オキサゾリンAC-7を使用した中間層形成用の塗工液によって中間層を形成し、この中間層上にトップコート層を形成したサンプルでは、いずれもトップコート層までの透明性が向上している。
【0161】
すなわち、上記表2と同様に、複数種類の架橋剤について、溶剤である2-プロパノールを添加しない中間層形成用の塗工液を使用して中間層を形成し、その上にトップコート層を形成したサンプルと、2-プロパノールを3質量%含有する中間層形成用の塗工液を使用して中間層を形成し、その上にトップコート層を形成したサンプルのトップコート層までの各ヘイズ値を測定した。
【0162】
各サンプルの作製に使用した中間層形成用の塗工液の構成、及び、測定結果を下記表7に示す。
【0163】
【表7】
表7に示すように、基材、及び、中間層形成用の塗工液の構成(結着剤、溶剤、架橋剤、溶剤の添加量)は、上記表2と同じであり、中間層までのヘイズ値に代えて、トップコート層までのヘイズ値を測定したものである。
【0164】
サンプルNo.24、No.27は、架橋剤として、カルボジライトV-10を使用した中間層形成用の塗工液によって中間層をそれぞれ形成し、その上にトップコート層をそれぞれ形成した各サンプルであり、上記表6のサンプルNo.24、No.27である。
【0165】
上記のように、2-プロパノールを、3質量%含有する中間層形成用の塗工液を使用して作製したサンプルNo.27のトップコート層までのヘイズ値は、21.48であり、2-プロパノールを含有しない中間層形成用の塗工液を使用して作製したサンプルNo.24のトップコート層までのヘイズ値20.67に比べて高い数値となっており、透明性の向上は認められない。
【0166】
架橋剤として、主成分がカルボジイミド化合物であるカルボジライトE-05を使用したサンプルNo.31、No.32では、溶剤である2-プロパノールを含有しないサンプルNo.31のトップコート層までのヘイズが22.35である。これに対して、2-プロパノールを、3質量%含有するサンプルNo.32のトップコート層までのヘイズ値は、22.15であり、サンプルNo.31に比べて、ヘイズ値が低い数値となっており、透明性が向上している。
【0167】
架橋剤として、主成分がポリアミドエピクロロヒドリンであるバリアスターCを使用したサンプルNo.33、No.34では、溶剤である2-プロパノールを含有しないサンプルNo.33のトップコート層までのヘイズが28.49である。これに対して、2-プロパノールを、3質量%含有するサンプルNo.34のトップコート層までのヘイズ値は、28.41であり、サンプルNo.33に比べて、ヘイズ値が低い数値となっており、透明性が向上している。
【0168】
架橋剤として、主成分がオキサゾリン基含有水溶性ポリマーであるエポクロスWS700を使用したサンプルNo.35、No.36では、溶剤である2-プロパノールを含有しないサンプルNo.35のトップコート層までのヘイズが22.11である。これに対して、2-プロパノールを、3質量%含有するサンプルNo.36のトップコート層までのヘイズ値は、21.58であり、サンプルNo.35に比べて、ヘイズ値は低い数値となっており、透明性が向上している。
【0169】
架橋剤として、主成分が炭酸ジルコニウムアンモニウムであるオキサゾリンAC-7を使用したサンプルNo.37、No.38では、溶剤である2-プロパノールを含有しないサンプルNo.37のトップコート層までのヘイズ値が23.84である。これに対して、2-プロパノールを、3質量%含有するサンプルNo.38のトップコート層までのヘイズ値は、23.46であり、サンプルNo.37に比べて、ヘイズ値が低い数値となっており、透明性が向上している。
【0170】
このように架橋剤が、カルボジライトE-05、バリアスターC、エポクロスWS700、オキサゾリンAC-7では、溶剤を3質量%含有した中間層形成用の塗工液を使用したサンプルは、いずれも溶剤を含有しないサンプルに比べて、トップコート層までのヘイズ値が低い数値であり、透明性が向上している。
【0171】
上記表3と同様に、2-プロパノール、プロピレングリコール、及び、1-3プロパンジオールの3種類の溶剤について、溶剤の含有量が3質量%となるように調製した中間層形成用の塗工液を使用して中間層を形成し、その上にトップコート層を形成したサンプルのトップコート層までの各ヘイズ値を測定した。
【0172】
各サンプルの作製に使用した塗工液の構成、及び、測定結果を下記表8に示す。
【0173】
【表8】
表8に示すように、基材、及び、中間層形成用の塗工液の構成(結着剤、架橋剤、溶剤、及び、溶剤の添加量)は、上記表3と同じであり、中間層までのヘイズ値に代えて、トップコート層までのヘイズ値を測定したものである。
【0174】
サンプルNo.24、27は、架橋剤として、カルボジライトV-10を使用した中間層形成用の塗工液によって中間層をそれぞれ形成し、その上にトップコート層をそれぞれ形成した各サンプルであり、上記表6のサンプルNo.24、27である。
【0175】
上記のように、2-プロパノールを、3質量%含有する中間層形成用の塗工液を使用して作製したサンプルNo.27のトップコート層までのヘイズ値21.48は、溶剤を含有しない中間層形成用の塗工液を使用して作製したサンプルNo.24のトップコート層までのヘイズ値20.67より高い数値となっており、透明性の向上は認められない。
【0176】
溶剤として、プロピレングリコールを、3質量%含有するサンプルNo.39のトップコート層までのヘイズ値は21.27であり、溶剤を含有しない中間層形成用の塗工液を使用して作製したサンプルNo.24のトップコート層までのヘイズ値20.67より高い数値となっており、透明性の向上は認められない。
【0177】
溶剤として、1-3プロパンジオールを、3質量%含有するサンプルNo.40は、トップコート層までのヘイズ値が21.29であり、溶剤を含有しないサンプルNo.24のヘイズ値20.67に比べて、高い数値となっており、透明性の向上は認められない。
【0178】
上記表4と同様に、基材を厚さ50μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムに変更し、溶剤である2プロパノールを、1質量%、3質量%、5質量%の各含有量となるように添加した中間層形成用の塗工液を使用して中間層を形成し、その上にトップコート層を形成したサンプルをそれぞれ作製し、作製した各サンプルのトップコート層までのヘイズ値をそれぞれ測定した。
【0179】
各サンプルの作製に使用した塗工液の構成、及び、測定結果を下記表9に示す。
【0180】
【表9】
表9に示すように、基材、及び、中間層形成用の塗工液の構成(結着剤、架橋剤、溶剤、及び、溶剤の添加量)は、上記表4と同じであり、中間層までのヘイズ値に代えて、トップコート層までのヘイズ値を測定したものである。
【0181】
溶剤である2-プロパノールを含有しないサンプルNo.41は、トップコート層までのヘイズ値が21.46%である。
【0182】
2-プロパノールを、1質量%含有するサンプルNo.42のトップコート層までのヘイズ値は20.50であり、2-プロパノールを含有しないサンプルNo.41のトップコート層までのヘイズ値21.46に比べて低い数値となっており、透明性が向上している。
【0183】
2-プロパノールを、3質量%含有するサンプルNo.43のトップコート層までのヘイズ値は20.90であり、2-プロパノールを含有しないサンプルNo.41のトップコート層までのヘイズ値21.46に比べて低い数値となっており、透明性が向上している。
【0184】
2-プロパノールを、5質量%含有するサンプルNo.44のトップコート層までのヘイズ値は20.55であり、2-プロパノールを含有しないサンプルNo.41のヘイズ値21.46に比べて低い数値となっており、透明性が向上している。
【0185】
このように基材がPETであっても、2-プロパノールを、1質量%、3質量%、5質量%含有する中間層形成用の塗工液を使用して作製されるサンプルNo.42、No.43、No.44は、2-プロパノールを添加しないサンプルNo.41に比べて、トップコート層までのヘイズ値が低い数値となっており、いずれも透明性が向上している。
【0186】
上記表5と同様に、結着剤を、樹脂1,2から樹脂3,4に変更し、2-プロパノールを含有しない中間層形成用の塗工液を使用して作製したサンプルと、2-プロパノールを、3質量%含有する塗工液を使用して作製したサンプルとのトップコート層のまでのヘイズ値を測定した。
【0187】
各サンプルの作製に使用した塗工液の構成、及び、測定結果を下記表10に示す。
【0188】
【表10】
表10に示すように、基材、及び、中間層形成用の塗工液の構成(結着剤、架橋剤、溶剤、及び、溶剤の添加量)は、上記表5と同じであり、中間層までのヘイズ値に代えて、トップコート層までのヘイズ値を測定したものである。
【0189】
溶剤である2-プロパノールを添加しないサンプルNo.45は、トップコート層までのヘイズ値が33.34%である。
【0190】
これに対して、2-プロパノールを、3質量%含有するサンプルNo.46は、トップコート層までのヘイズ値は31.72であり、サンプルNo.45のヘイズ値が33.34に比べて低い数値となっており、透明性が向上している。