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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157788
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】超音波装置
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/02 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
H04R1/02 330
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072366
(22)【出願日】2023-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】山田 昌佳
(72)【発明者】
【氏名】岩井 光
【テーマコード(参考)】
5D019
【Fターム(参考)】
5D019AA26
5D019EE06
5D019FF01
5D019HH03
(57)【要約】
【課題】従来の超音波装置では、シールドの固定方法に改善の余地がある。
【解決手段】超音波装置は、グランド電極が形成された回路基板と、回路基板の第1面に実装される超音波デバイスと、グランド電極に電気的に接続され、超音波デバイスを囲うシールドと、を備え、回路基板には、第1面と第1面の反対側の第2面との間を貫通する貫通孔が形成され、シールドは、回路基板の第1面に配置され、超音波デバイスを囲う本体部と、本体部から延伸し、貫通孔を通って第2面から突出する脚部と、を有し、脚部のうち第2面から突出する部位に、第2面を平面視したときに貫通孔の外に突出する突出部が設けられる。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グランド電位となるグランド電極が形成された回路基板と、
前記回路基板の第1面に実装される超音波デバイスと、
前記グランド電極に電気的に接続され、前記超音波デバイスを囲うシールドと、を備え、
前記回路基板には、前記第1面と前記第1面の反対側の第2面との間を貫通する貫通孔が形成され、
前記シールドは、
前記回路基板の前記第1面に配置され、前記超音波デバイスを囲う本体部と、
前記本体部から延伸し、前記貫通孔を通って前記第2面から突出する脚部と、を有し、
前記脚部のうち前記第2面から突出する部位に、前記第2面を平面視したときに前記貫通孔の外に突出する突出部が設けられる、
超音波装置。
【請求項2】
前記シールドは、前記本体部から延伸し、前記第1面に当接する当接部を有し、
前記回路基板の前記第1面を平面視したとき、前記当接部に重なる領域に前記グランド電極が位置する、
請求項1に記載の超音波装置。
【請求項3】
前記第1面を平面視したときに、前記本体部のうち前記超音波デバイスに重なる領域に開口が形成されている、
請求項1に記載の超音波装置。
【請求項4】
前記回路基板には、前記貫通孔を第1貫通孔として、前記第1貫通孔と異なる第2貫通孔がさらに形成され、
前記第2貫通孔は、前記第1面と前記第2面との間を貫通し、
前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔は、前記第1面を平面視したときに、前記超音波デバイスを挟んで互いに反対側に位置し、
前記シールドは、前記脚部を第1脚部として、前記第1脚部と異なる第2脚部をさらに有し、
前記第2脚部は、前記本体部から延伸し、前記第2貫通孔を通って前記第2面から突出し、
前記第2脚部のうち前記第2面から突出する部位に、前記第2面を平面視したときに前記第2貫通孔の外に突出する突出部が設けられる、
請求項1に記載の超音波装置。
【請求項5】
前記第1脚部及び前記第2脚部は、それぞれ、前記本体部側と反対側に導入部を有し、
前記第1脚部の前記導入部と、前記第2脚部の前記導入部とは、互いに線対称となる向きに傾斜する、
請求項4に記載の超音波装置。
【請求項6】
前記導入部は、前記本体部側と反対側に先端部を有し、
前記先端部の幅寸法は、前記第1脚部及び前記第2脚部のそれぞれのうち前記導入部と前記本体部との間の部位の幅寸法よりも小さい、
請求項5に記載の超音波装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、回路基板と、台座部と、超音波素子と、シールド部と、を備える超音波装置を開示する。台座部は、回路基板に配置される。超音波素子は、台座部に配置される。回路基板と超音波素子との間に台座部が介在する。シールドの一例であるシールド部は、台座部及び超音波素子を覆う。シールド部は、回路基板に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-25242号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1には、シールドの回路基板への固定方法が記載されていない。従来の超音波装置では、シールドの固定方法に改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
超音波装置は、グランド電位となるグランド電極が形成された回路基板と、前記回路基板の第1面に実装される超音波デバイスと、前記グランド電極に電気的に接続され、前記超音波デバイスを囲うシールドと、を備え、前記回路基板には、前記第1面と前記第1面の反対側の第2面との間を貫通する貫通孔が形成され、前記シールドは、前記回路基板の前記第1面に配置され、前記超音波デバイスを囲う本体部と、前記本体部から延伸し、前記貫通孔を通って前記第2面から突出する脚部と、を有し、前記脚部のうち前記第2面から突出する部位に、前記第2面を平面視したときに前記貫通孔の外に突出する突出部が設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】イメージスキャナーの外観を示す斜視図。
図2】イメージスキャナーの概略構成を説明する模式図。
図3】超音波素子基板を示す平面図。
図4図3中のA-A線での断面図。
図5】イメージスキャナーの制御構成を示すブロック図。
図6】送信ユニット及び受信ユニットのそれぞれの構成を説明する斜視図。
図7】送信ユニット及び受信ユニットのそれぞれの構成を説明する分解斜視図。
図8】第1例のシールドを示す斜視図。
図9図6中のA-A線における断面図。
図10】第1例のシールドを示す斜視図。
図11図9中のB部の拡大図。
図12】第2例のシールドを備える超音波ユニットを示す斜視図。
図13】第2例のシールドを備える超音波ユニットを示す平面図。
図14】第3例のシールドを示す斜視図。
図15】第3例のシールドを示す側面図。
図16】第3例のシールドを備える超音波ユニットを示す分解断面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
実施形態についてイメージスキャナーを例に説明する。イメージスキャナー1は、図1に示すように、外装2と、原稿サポート3と、を備える。イメージスキャナー1は、原稿サポート3に載置された原稿Mの画像を読み取る読取装置である。原稿Mは、媒体の一例である。
【0008】
外装2は、イメージスキャナー1の外殻を構成する。外装2には、供給口4、及び排出口5が設けられる。原稿サポート3は、カットシート態様の原稿Mを載置する。原稿サポート3は、複数枚の原稿Mを載置可能に構成される。原稿サポート3は、外装2の上方に配置される。原稿サポート3は、供給口4と接続する位置に設けられる。供給口4は、原稿サポート3に載置された原稿Mを外装2の内部に導入する導入口である。供給口4は、原稿サポート3と接続する。供給口4は、外装2の上方に配置される。排出口5は、供給口4から外装2の内部に導入された原稿Mを外装2の外部に排出する出口である。排出口5は、外装2の下方に設けられる。
【0009】
イメージスキャナー1は、図2に示すように、外装2の内部に、搬送装置7と、読取ユニット8と、超音波センサー9と、制御ユニット11と、を備える。搬送装置7は、供給口4から外装2の内部に導入される原稿Mを排出口5に向けて搬送方向Tに搬送する。搬送装置7は、外装2の上方から下方に向けて原稿Mを搬送する。原稿Mは、紙に限定されない。原稿Mは、フィルムや布帛等で構成されてもよい。搬送装置7は、原稿サポート3に載置された原稿Mを一枚ずつ搬送する。搬送装置7は、搬送経路12と、第1搬送ローラー対13と、第2搬送ローラー対14と、第3搬送ローラー対15と、第4搬送ローラー対16と、を備える。
【0010】
搬送経路12は、供給口4から排出口5までの原稿Mの移動経路である。原稿Mは、搬送経路12に沿って、供給口4から排出口5まで搬送される。搬送経路12に沿って、第1搬送ローラー対13、第2搬送ローラー対14、第3搬送ローラー対15、及び第4搬送ローラー対16が、配置される。搬送経路12は、搬送路の一例に対応する。第1搬送ローラー対13、第2搬送ローラー対14、第3搬送ローラー対15、及び第4搬送ローラー対16のそれぞれは、搬送ローラーの一例である。
【0011】
第1搬送ローラー対13は、供給口4に供給される原稿Mを搬送経路12に沿って搬送する。原稿サポート3に複数枚の原稿Mが載置される場合、第1搬送ローラー対13は、複数枚の原稿Mのうち、最上位に位置する原稿Mを搬送経路12内に供給する。第1搬送ローラー対13は、第1駆動ローラー13A、及び第1従動ローラー13Bを備える。第1駆動ローラー13Aは、原稿Mを搬送させる駆動力を伝達する。第1駆動ローラー13Aは、後述する搬送モーター17の駆動力によって回転駆動する。第1駆動ローラー13Aは、回転駆動することによって、原稿Mを搬送経路12に沿って搬送する。第1従動ローラー13Bは、第1駆動ローラー13Aと接触する。第1従動ローラー13Bは、第1駆動ローラー13Aが回転駆動すると従動回転する。第1従動ローラー13Bは、第1駆動ローラー13Aと原稿Mを挟持し、原稿Mを搬送経路12に沿って搬送する。
【0012】
第2搬送ローラー対14は、第1搬送ローラー対13に対して、搬送方向Tの下流に配置される。第2搬送ローラー対14は、第1搬送ローラー対13で搬送された原稿Mを搬送経路12に沿って搬送する。第2搬送ローラー対14は、第1搬送ローラー対13で搬送された原稿Mを一枚ずつに分離する分離機構として機能する。第2搬送ローラー対14は、第2駆動ローラー14A、及び第2従動ローラー14Bを備える。第2駆動ローラー14Aは、原稿Mを搬送させる駆動力を伝達する。第2駆動ローラー14Aは、搬送モーター17の駆動力によって回転駆動する。第2駆動ローラー14Aは、回転駆動することによって、原稿Mを搬送経路12に沿って搬送する。第2従動ローラー14Bは、第2駆動ローラー14Aと接触する。第2従動ローラー14Bは、第2駆動ローラー14Aが回転駆動すると従動回転する。第2従動ローラー14Bは、第2駆動ローラー14Aと原稿Mを挟持し、原稿Mを搬送経路12に沿って搬送する。第2従動ローラー14Bの外周面の原稿Mに対する摩擦係数は、第2駆動ローラー14Aの外周面の原稿Mに対する摩擦係数よりも大きい。第2搬送ローラー対14の回転により原稿Mは1枚ずつに分離される。
【0013】
第3搬送ローラー対15は、第2搬送ローラー対14に対して、搬送方向Tの下流に配置される。第3搬送ローラー対15は、第2搬送ローラー対14で搬送された原稿Mを搬送経路12に沿って搬送する。第3搬送ローラー対15は、第3駆動ローラー15A、及び第3従動ローラー15Bを備える。第3駆動ローラー15Aは、原稿Mを搬送させる駆動力を伝達する。第3駆動ローラー15Aは、搬送モーター17の駆動力によって回転駆動する。第3駆動ローラー15Aは、回転駆動することによって、原稿Mを搬送経路12に沿って搬送する。第3従動ローラー15Bは、第3駆動ローラー15Aと接触する。第3従動ローラー15Bは、第3駆動ローラー15Aが回転駆動すると従動回転する。第3従動ローラー15Bは、第3駆動ローラー15Aと原稿Mを挟持し、原稿Mを搬送経路12に沿って搬送する。
【0014】
第4搬送ローラー対16は、第3搬送ローラー対15に対して、搬送方向Tの下流に配置される。第4搬送ローラー対16は、第3搬送ローラー対15で搬送された原稿Mを搬送経路12に沿って搬送する。第4搬送ローラー対16は、排出口5に向けて原稿Mを搬送する。第4搬送ローラー対16は、第4駆動ローラー16A、及び第4従動ローラー16Bを備える。第4駆動ローラー16Aは、原稿Mを搬送させる駆動力を伝達する。第4駆動ローラー16Aは、搬送モーター17の駆動力によって回転駆動する。第4駆動ローラー16Aは、回転駆動することによって、原稿Mを搬送経路12に沿って搬送する。第4従動ローラー16Bは、第4駆動ローラー16Aと接触する。第4従動ローラー16Bは、第4駆動ローラー16Aが回転駆動すると従動回転する。第4従動ローラー16Bは、第4駆動ローラー16Aと原稿Mを挟持し、原稿Mを搬送経路12に沿って搬送する。
【0015】
読取ユニット8は、搬送経路12に沿って搬送される原稿Mを読み取る。読取ユニット8は、搬送経路12に沿って配置される。本実施形態では、読取ユニット8は、第3搬送ローラー対15と第4搬送ローラー対16との間に配置される。換言すれば、読取ユニット8は、搬送経路12で第4搬送ローラー対16の上流に位置する。読取ユニット8は、搬送経路12で第3搬送ローラー対15の下流に位置する。読取ユニット8は、第1スキャナー8Aと、第2スキャナー8Bと、を備える。第1スキャナー8Aと、第2スキャナー8Bとは、搬送経路12を挟んで互いに反対側に位置する。
【0016】
第1スキャナー8Aは、搬送経路12に沿って搬送される原稿Mの第1面を読み取る。第1スキャナー8Aは、原稿Mの第1面を読み取り、第1読取データを生成する。第1スキャナー8Aは、第1光源18A、及び第1イメージセンサー19Aを有する。第1光源18Aは、原稿Mの第1面に光を照射する。第1光源18Aは、原稿Mの第1面と対向する位置に配置される。第1光源18Aは、原稿Mの搬送方向Tと直交する原稿幅方向に沿って光を照射する。
【0017】
第1イメージセンサー19Aは、原稿Mの第1面から反射された光を受光する。第1イメージセンサー19Aは、光を受光することによって、原稿Mの第1面を読み取る。第1イメージセンサー19Aは、原稿幅方向に延在して構成される。第1スキャナー8Aは、第1光源18Aからの光を原稿Mの第1面に照射し、原稿Mの第1面で反射された光を第1イメージセンサー19Aで受光する。第1イメージセンサー19Aは、第1イメージセンサー19Aで光を受光することによって、原稿Mの第1面を読み取る。
【0018】
第2スキャナー8Bは、搬送経路12に沿って搬送される原稿Mの第2面を読み取る。原稿Mの第2面は、原稿Mの第1面の裏面である。第2スキャナー8Bは、原稿Mの第2面を読み取り、第2読取データを生成する。第2スキャナー8Bは、第2光源18B、及び第2イメージセンサー19Bを有する。第2光源18Bは、原稿Mの第2面に光を照射する。第2光源18Bは、原稿Mの第2面と対向する位置に配置される。第2光源18Bは、原稿Mの搬送方向Tと直交する原稿幅方向に沿って光を照射する。第2光源18Bの構成は、第1光源18Aと同じでもよいし、異なっていてもよい。第2光源18Bの構成は、第1光源18Aと同じであることが好ましい。
【0019】
第2イメージセンサー19Bは、原稿Mの第2面から反射された光を受光する。第2イメージセンサー19Bは、光を受光することによって、原稿Mの第2面を読み取る。第2イメージセンサー19Bは、原稿幅方向に延在して構成される。第2イメージセンサー19Bの構成は、第1イメージセンサー19Aの構成と同じでもよいし、異なっていてもよい。第2イメージセンサー19Bの構成は、第1イメージセンサー19Aと同じであることが好ましい。第2スキャナー8Bは、第2光源18Bからの光を原稿Mの第2面に照射し、原稿Mの第2面で反射された光を第2イメージセンサー19Bで受光する。第2イメージセンサー19Bは、第2イメージセンサー19Bで光を受光することによって、原稿Mの第2面を読み取る。
【0020】
超音波センサー9は、搬送経路12に沿って搬送される原稿Mの重送を検出する。本実施形態では、超音波センサー9は、第2搬送ローラー対14と第3搬送ローラー対15との間に配置される。換言すれば、超音波センサー9は、搬送経路12で第3搬送ローラー対15の上流に位置する。超音波センサー9は、搬送経路12で第2搬送ローラー対14の下流に位置する。超音波センサー9は、搬送経路12に沿って配置される。超音波センサー9は、搬送装置7の構成の一部である。超音波センサー9は、送信ユニット21と、受信ユニット22と、を備える。送信ユニット21と受信ユニット22とは、搬送経路12を挟んで互いに反対側に位置する。
【0021】
送信ユニット21は、超音波を送信する。送信ユニット21は、超音波発信素子を備える。超音波発信素子は、超音波を発信する。超音波発信素子によって発信された超音波は、送信ユニット21から搬送経路12に向けて送信される。送信ユニット21と対向する位置に原稿Mが搬送されているときに超音波が送信されると、超音波は、原稿Mを通過して受信ユニット22に送信される。超音波が原稿Mを通過するとき、超音波の音圧は減衰する。
【0022】
受信ユニット22は、超音波を受信する。受信ユニット22は、超音波受信素子を備える。超音波受信素子は、超音波を受信する。送信ユニット21から搬送経路12に向けて送信される超音波は、受信ユニット22の超音波受信素子によって受信される。受信ユニット22は、送信ユニット21から送信され、搬送経路12を通過した超音波を受信する。送信ユニット21と対向する位置に原稿Mが搬送されているときに超音波が送信されると、受信ユニット22は、原稿Mを通過した超音波を受信する。受信ユニット22は、超音波の音圧に応じた受信信号を生成する。受信ユニット22は、生成した受信信号を制御ユニット11に送信する。
【0023】
送信ユニット21と受信ユニット22は、互いに同じ構成を有する。送信ユニット21、及び受信ユニット22の構成は、後述される。超音波センサー9は、送信ユニット21、及び受信ユニット22を備えるが、この構成に限定されない。送信ユニット21が、受信ユニット22の機能を有してもよい。送信ユニット21は、原稿Mから反射された超音波を受信する。送信ユニット21は、受信した超音波の音圧に応じた受信信号を生成する。送信ユニット21は、生成した受信信号を制御ユニット11に送信する。
【0024】
制御ユニット11は、各種の制御を行うコントローラーである。制御ユニット11は、一例として、CPU(Central Processing Unit)を有するプロセッサーである。制御ユニット11は、1つ又は複数のプロセッサーで構成されてもよい。制御ユニット11は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリーを有してもよい。メモリーは、制御ユニット11のワークエリアとして機能する。制御ユニット11は、図示しないメモリーに記憶される制御プログラムを実行することによって、各種の機能部として機能する。
【0025】
制御ユニット11は、搬送モーター17の駆動を制御することによって、搬送装置7による原稿Mの搬送を制御する。制御ユニット11は、搬送モーター17を駆動させることによって、原稿Mを搬送経路12に沿って搬送させる。制御ユニット11は、原稿Mの搬送を開始するタイミング、原稿Mの搬送速度、原稿Mの搬送停止等を制御する。制御ユニット11は、読取ユニット8の駆動を制御することによって、原稿Mの読取を制御する。制御ユニット11は、読取ユニット8を動作させることによって、読取ユニット8に原稿Mを読み取らせる。制御ユニット11は、読取ユニット8の読取開始タイミング、読取停止タイミング、片面/両面読取等を制御する。搬送モーター17は、各種駆動ローラーを駆動させる駆動力を発生する。搬送モーター17は、発生した駆動力を図示しない駆動伝達機構を介して、各種駆動ローラーに伝達する。搬送モーター17は、第1駆動ローラー13A、第2駆動ローラー14A、第3駆動ローラー15A、及び第4駆動ローラー16Aを回転駆動させる。
【0026】
制御ユニット11は、超音波センサー9が出力した受信信号を受信する。制御ユニット11は、受信した受信信号に基づいて、原稿Mの重送を検出する。制御ユニット11は、重送を検出したとき、原稿Mの搬送を停止させる。制御ユニット11は、搬送装置7を制御することによって、原稿Mの搬送を停止させる。また、制御ユニット11は、超音波センサー9の駆動を制御する。制御ユニット11は、送信ユニット21の超音波発信素子の駆動を制御する。制御ユニット11は、受信ユニット22の超音波受信素子の駆動を制御する。超音波センサー9と制御ユニット11とは、超音波装置の一例である。超音波センサー9と制御ユニット11とは、重送検出装置の一例である。
【0027】
送信ユニット21及び受信ユニット22は、それぞれ、図3に示す超音波素子基板31を備える。超音波素子基板31は、超音波デバイスの一例である。超音波素子基板31は、複数の超音波素子32を備える。超音波素子32は、供給される駆動信号に応じて、超音波を発信したり、超音波を受信したりする。送信ユニット21の超音波素子基板31では、超音波素子32を超音波発信素子32Aと呼ぶ。受信ユニット22の超音波素子基板31では、超音波素子32を超音波受信素子32Bと呼ぶ。複数の超音波素子32は、超音波素子基板31の主面33に形成されている。主面33は、超音波素子基板31を構成する複数の面のうち最も面積が広い2つの面の一方である。
【0028】
図3を含む複数の図には、X軸、Y軸、及びZ軸が記される。Z軸は、主面33に垂直な方向に沿う。X軸は、Z軸と直交する軸である。X軸は、超音波素子基板31の長辺と平行な軸である。Y軸は、Z軸及びX軸のそれぞれに直交する軸である。Y軸は、超音波素子基板31の短辺と平行な軸である。X軸、Y軸、及びZ軸には、それぞれ、矢印が記される。矢印が示す方向を+方向とする。+方向と逆方向を-方向とする。+Z方向は、主面33から主面33の裏面に向かう方向である。図3は、超音波素子基板31を+Z方向に平面視した図である。
【0029】
超音波素子基板31では、複数の超音波素子32が素子アレイ35を構成する。素子アレイ35は、複数の超音波素子32の配列である。超音波素子基板31において、複数の超音波素子32は、X軸に沿った配列を行とし、Y軸に沿った配列を列とする行列を構成する。図3中のA-A線での断面図である図4に示すように、超音波素子基板31は、基板本体部41と、振動板42と、圧電素子43と、を備える。基板本体部41と振動板42と圧電素子43とは、Z軸に沿って配置される。振動板42は、基板本体部41の-Z方向に配置される。圧電素子43は、振動板42の-Z方向に配置される。
【0030】
基板本体部41は、Si等の半導体基板で構成される。基板本体部41には、複数の開口部45が形成されている。開口部45は、隔壁46によって囲まれる。複数の開口部45は、X軸、及びY軸に沿って設けられる。開口部45は、基板本体部41を貫通する。複数の開口部45は、隔壁46によって区画される。基板本体部41の-Z方向に振動板42が設けられているため、開口部45の-Z方向の一端が振動板42によって塞がれる。開口部45は、+Z方向に開口する。超音波素子基板31では、開口部45を介して振動板42が露出する。振動板42は、酸化シリコン及び酸化ジルコニウムの積層体等により構成される。振動板42は、基板本体部41の隔壁46によって支持される。振動板42の+Z方向の面である振動面47を構成する。
【0031】
1つの開口部45は、1つの圧電素子43に対応している。圧電素子43ごとに開口部45が形成される。基板本体部41に開口部45を形成することによって隔壁46が構成される。換言すれば、基板本体部41に開口部45を形成した残りの部分が隔壁46である。振動板42のうち1つの開口部45に重なる部分と、1つの開口部45に重なる圧電素子43とが、1つの超音波素子32を構成する。送信ユニット21では、1つの超音波素子32が1つの超音波発信素子32Aである。送信ユニット21では、振動板42が振動することによって振動面47から超音波を送信する。超音波発信素子32Aは、電気信号を超音波に変換する。超音波受信素子32Bは、超音波を電気信号に変換する。送信ユニット21では、超音波発信素子32Aは、電気信号を超音波に変換し、超音波を送信する。受信ユニット22では、超音波受信素子32Bは、超音波を受信し、超音波を電気信号に変換する。
【0032】
受信ユニット22では、1つの超音波素子32が1つの超音波受信素子32Bである。受信ユニット22では、振動面47で超音波を受信することによって振動板42が振動する。振動板42の振動に応じて圧電素子43から電気信号が出力される。圧電素子43は、振動板42が超音波を受信して振動したときに、振動を信号に変換する。複数の圧電素子43は、振動板42の-Z方向の面に設けられる。圧電素子43は、開口部45の-Z方向の位置に配置される。圧電素子43は、第1電極49と、圧電体51と、第2電極53と、を有する。第1電極49は、振動板42の-Z方向の面に配置される。第1電極49、圧電体51、第2電極53は、この順に振動板42の-Z方向の面に積層される。圧電体51は、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電材料で構成される。
【0033】
図3に示すように、第1電極49は、素子アレイ35の行ごとに複数の圧電素子43に共通して接続される電極である。第2電極53は、複数の圧電素子43に接続される共通電極である。超音波発信素子32Aでは、第1電極49は、複数の圧電素子43の圧電体51に電気信号を送信する。圧電体51は、電気信号によって伸縮する。第1電極49と第2電極53との間に所定周波数のパルス波電圧が印加されることによって、圧電体51は、伸縮する。圧電体51の伸縮によって、図4に示す振動面47が開口部45の開口幅等に応じた周波数で振動する。これにより、超音波発信素子32Aは、超音波を発信する。
【0034】
超音波受信素子32Bでは、第1電極49は、複数の圧電素子43の圧電体51から電気信号を受信する。超音波受信素子32Bでは、図4に示す振動面47が超音波を受けると振動板42を介して圧電体51が伸縮する。圧電体51が伸縮すると、第1電極49と第2電極53との間の電位差が変化する。超音波受信素子32Bは、電位差の変化に応じた電気信号を出力する。生成した電気信号は、受信信号として制御ユニット11に出力される。
【0035】
イメージスキャナー1は、図5に示すように、送信回路56と、電源回路57と、受信回路58とを有する。イメージスキャナー1は、パーソナルコンピューター等の外部機器と通信するためのインターフェイス部を有してもよい。制御ユニット11は、演算部61と、メモリー62と、を有する。演算部61は、搬送制御部63と、読取制御部64と、重送判定部65と、駆動制御部66と、を含む。メモリー62は、制御ユニット11のワークエリアとして機能する。制御ユニット11は、メモリー62に記憶される制御プログラムを実行することによって、各種の機能部として機能する。
【0036】
制御ユニット11は、メモリー62に記憶される制御プログラムを実行することによって、搬送制御部63、読取制御部64、重送判定部65、及び駆動制御部66の各機能部として機能する。搬送制御部63は、搬送モーター17の駆動を制御する。搬送制御部63は、搬送モーター17の駆動を制御することによって搬送装置7を制御する。読取制御部64は、読取ユニット8を制御する。読取制御部64は、読取ユニット8に原稿Mの画像を読み取らせる。
【0037】
送信回路56は、送信ユニット21の超音波発信素子32Aと電気的に接続される。送信回路56は、制御ユニット11からの指令に基づいて、各超音波発信素子32Aに印加する駆動信号を生成する。電源回路57は、受信ユニット22の超音波受信素子32Bと電気的に接続される。電源回路57は、制御ユニット11からの指令に基づいて、各超音波受信素子32Bに印加する直流電圧を発生する。送信回路56及び電源回路57は、それぞれ、制御ユニット11の駆動制御部66によって制御される。受信回路58は、受信ユニット22の超音波受信素子32Bから出力された受信信号に各種の処理を施してから、受信信号を制御ユニット11に出力する。
【0038】
受信回路58はバンドパスフィルター67、アンプ68、サンプルアンドホールド回路69及びコンパレーター71を含む。受信ユニット22から出力された受信信号は、バンドパスフィルター67に入力される。バンドパスフィルター67により受信信号からノイズ成分等が除去される。アンプ68により所定の信号強度以上となるように受信信号が増幅される。次に、受信信号はサンプルアンドホールド回路69に入力される。サンプルアンドホールド回路69は所定の周波数で受信信号をサンプリングする。サンプリングされた受信信号はコンパレーター71に入力される。コンパレーター71はサンプリングされた受信信号のうち信号強度が所定の判定強度を超える受信信号を検出する。コンパレーター71は判定強度を超える受信信号を制御ユニット11に送信する。
【0039】
重送判定部65は原稿Mの重送状態を検出する。受信ユニット22は、送信ユニット21から送信され、原稿Mを透過した超音波を受信する。受信ユニット22は、受信した超音波に応じた受信信号を出力する。重送判定部65は、受信ユニット22から入力された受信信号に基づいて、原稿Mの状態を判定する。受信信号の電圧値が判定値より小さい場合に、重送判定部65は原稿Mが重送されていると判定する。重送判定部65によって原稿Mが重送されていると判定された場合、搬送制御部63は、原稿Mの搬送を停止する。
【0040】
駆動制御部66は、送信回路56に駆動信号の発生を指示する。駆動信号の発生指示を受けた送信回路56は、所定周波数のパルス波電圧を駆動信号として送信ユニット21に出力する。本実施形態では、送信ユニット21に出力される駆動信号は、バースト波の駆動信号である。送信回路56から送信ユニット21に出力される駆動信号によって超音波発信素子32Aを駆動することを発信駆動と呼ぶ。
【0041】
駆動制御部66は、電源回路57を制御する。駆動制御部66は、電源回路57を制御することによって、超音波受信素子32Bに印加する駆動電圧を制御する。駆動制御部66は、電源回路57を制御することによって、超音波受信素子32Bに直流電圧を印加したり、直流電圧の印加を停止したりする。駆動制御部66は、電源回路57を制御することによって、超音波受信素子32Bに印加する駆動電圧の電圧値を変化させる。駆動制御部66が電源回路57を制御することによって、超音波受信素子32Bに駆動電圧を印加することを受信駆動と呼ぶ。
【0042】
送信ユニット21、受信ユニット22、送信回路56、電源回路57、受信回路58、及び駆動制御部66は、超音波装置73の構成の一部である。機能部としての駆動制御部66は、制御部の一例である。超音波装置73は、送信ユニット21、受信ユニット22、送信回路56、電源回路57、受信回路58、及び駆動制御部66を含む。しかしながら、超音波装置73の構成要素は、これらに限定されず、他の構成を含んでいてもよい。また、送信ユニット21、受信ユニット22、送信回路56、電源回路57、受信回路58、駆動制御部66、及び重送判定部65は、重送検出装置の構成の一部である。重送検出装置は、送信ユニット21、受信ユニット22、送信回路56、電源回路57、受信回路58、駆動制御部66、及び重送判定部65を含む。しかしながら、重送検出装置の構成要素は、これらに限定されず、他の構成を含んでいてもよい。
【0043】
図6に示すように、送信ユニット21及び受信ユニット22は、それぞれ、回路基板81と、シールド82と、を備える。回路基板81は、第1面83と、第2面84と、を有する。シールド82は、回路基板81の第1面83に配置される。第2面84は、第1面83の反対側の面である。第2面84は、第1面83の裏面である。図7に示すように、超音波素子基板31は、回路基板81に実装される。回路基板81は、超音波素子基板31が実装される基板の総称である。このため、送信ユニット21及び受信ユニット22は、互いに同じ構成を有するということができる。よって、送信ユニット21及び受信ユニット22を、それぞれ超音波ユニット85と総称することができる。
【0044】
回路基板81には、複数の配線86が形成されている。回路基板81に実装される超音波素子基板31は、複数の配線86のうちの一部に電気的に接続されている。送信ユニット21の超音波素子基板31は、回路基板81の配線86を介して図5に示す送信回路56に接続されている。受信ユニット22の超音波素子基板31は、回路基板81の配線86を介して図5に示す電源回路57及び受信回路58に接続されている。複数の配線86は、グランド電極86A及びグランド電極86Bを含む。グランド電極86A及びグランド電極86Bは、回路基板81の配線86を介して、図示しないイメージスキャナー1の金属フレームに接続されている。これにより、グランド電極86A及びグランド電極86Bは、シャーシーグランドのグランド電位に保たれる。
【0045】
送信ユニット21の回路基板81と、受信ユニット22の回路基板81とは、互いに同一の基板であっても、互いに異なる基板であってもよい。送信ユニット21の回路基板81に、図5に示す送信回路56が形成されていてもよい。受信ユニット22の回路基板81に、図5に示す電源回路57及び受信回路58が形成されていてもよい。なお、回路基板81を送信ユニット21と受信ユニット22とで互いに識別する場合、送信ユニット21の回路基板81を送信回路基板81Aと呼び、受信ユニット22の回路基板81を受信回路基板81Bと呼ぶ。シールド82は、導電性を有する材料で構成され、超音波素子基板31や配線86を電磁ノイズから保護する。本実施形態では、シールド82は、金属で構成される。
【0046】
シールド82の第1例について説明する。
シールド82の第1例をシールド82Aと呼ぶ。シールド82Aを有する超音波ユニット85を超音波ユニット85Aと呼ぶ。図8に示すように、シールド82Aは、本体部87と、第1脚部88と、第2脚部89と、を有する。第1脚部88及び第2脚部89は、それぞれ、脚部の一例である。第1脚部88及び第2脚部89は、それぞれ、本体部87から延伸する。本体部87は、図7に示すように、回路基板81の第1面83側から超音波素子基板31を囲う部分である。本体部87は、第1面83に配置される。第1脚部88及び第2脚部89は、それぞれ、本体部87から回路基板81側に向かって延伸する。回路基板81には、第1貫通孔91と、第2貫通孔92と、が形成されている。第1貫通孔91及び第2貫通孔92は、それぞれ、貫通孔の一例である。
【0047】
図9は、図6中のA-A線における断面図である。図9に示すように、第1貫通孔91及び第2貫通孔92は、それぞれ、回路基板81の第1面83と第2面84との間を貫通する。第1貫通孔91及び第2貫通孔92は、第1面83を平面視したときに、超音波素子基板31を挟んで互いに反対側に位置する。第1面83を平面視するとは、回路基板81を第1面83に対面した状態で見ることを指す。換言すれば、第1面83を平面視するとは、回路基板81を第1面83から第2面84に向かう方向に見ることである。
【0048】
第1脚部88は、第1貫通孔91を通って第2面84から突出する。第2脚部89は、第2貫通孔92を通って第2面84から突出する。第1脚部88及び第2脚部89は、第1面83を平面視したときに、超音波素子基板31を挟んで互いに反対側に位置する。第1脚部88のうち回路基板81の第2面84から突出する部位に第1爪93が設けられる。第2脚部89のうち回路基板81の第2面84から突出する部位に第2爪94が設けられる。
【0049】
第1爪93は、第2面84を平面視したときに第1貫通孔91の外に突出する。第2爪94は、第2面84を平面視したときに第2貫通孔92の外に突出する。第1爪93及び第2爪94は、それぞれ、突出部の一例である。第2面84を平面視するとは、回路基板81を第2面84に対面した状態で見ることを指す。換言すれば、第2面84を平面視するとは、回路基板81を第2面84から第1面83に向かう方向に見ることである。第1脚部88を第1面83側から第1貫通孔91に挿入し、且つ第2脚部89を第1面83側から第2貫通孔92に挿入することによって、シールド82Aを回路基板81に取り付けることができる。
【0050】
シールド82Aによれば、第2面84を平面視したときに、第1爪93が第1貫通孔91の外に突出し、第2爪94が第2貫通孔92の外に突出する。このため、第1爪93及び第2爪94が第2面84に引っ掛かる。よって、第1脚部88が第1貫通孔91から抜けることを防止しやすく、第2脚部89が第2貫通孔92から抜けることを防止しやすい。この結果、シールド82Aを回路基板81に固定することができる。また、シールド82Aによれば、第1面83を平面視したときに、超音波素子基板31を挟んで互いに反対側に位置する第1脚部88及び第2脚部89によってシールド82Aを回路基板81に固定することができる。この結果、シールド82Aを安定して回路基板81に固定しやすい。
【0051】
第1脚部88及び第2脚部89は、それぞれ、弾性を有する。第1脚部88及び第2脚部89を互いに内側にたわませた状態で、第1脚部88を第1貫通孔91に挿入し、且つ第2脚部89を第2貫通孔92に挿入することによって、シールド82Aが回路基板81に取り付けられる。内側とは、第1脚部88と第2脚部89とが互いに向き合う方向を指す。第1爪93及び第2爪94が第2面84から突出すると、第1脚部88及び第2脚部89のそれぞれのたわみの一部が解放される。第1爪93及び第2爪94が第2面84から突出しても、第1脚部88及び第2脚部89には、それぞれ、たわみが残留する。従って、第1爪93及び第2爪94が第2面84から突出すると、第1脚部88及び第2脚部89が回路基板81を互いに外側に向かって付勢する。外側とは、第1脚部88と第2脚部89とが互いに向き合う方向とは反対方向を指す。
【0052】
図10に示すように、第1爪93は、第1脚部88の一部に板金の曲げ加工を施すことによって形成されている。第2爪94は、第2脚部89の一部に板金の曲げ加工を施すことによって形成されている。第1爪93及び第2爪94は、互いに外側に向かって開いている。つまり、第1爪93及び第2爪94は、互いに外側に向かって曲げられている。しかしながら、第1爪93及び第2爪94が互いに内側に向かって曲げられた構成も採用することができる。この構成でも、第1爪93が第1貫通孔91の外に突出し、第2爪94が第2貫通孔92の外に突出すれば、シールド82Aを回路基板81に固定することができる。
【0053】
図11は、図9中のB部の拡大図である。図11に示すように、第1面83の第1貫通孔91の周囲に形成されたグランド電極86Aは、第1貫通孔91を通って第2面84にも広がっている。第1爪93の先端部は、第2面84に広がるグランド電極86Aに当接する。図示しないが、第1面83の第2貫通孔92の周囲に形成されたグランド電極86Aは、第2貫通孔92を通って第2面84にも広がっている。第2爪94の先端部は、第2面84に広がるグランド電極86Aに当接する。このため、シールド82Aは、グランド電位に保たれる。シールド82Aにより、超音波素子基板31や配線86を電磁ノイズから保護することができる。
【0054】
図7に示すように、グランド電極86Bは、回路基板81の第1面83に形成されている。本実施形態では、回路基板81の第1面83に複数のグランド電極86Bが形成されている。本実施形態では、4つのグランド電極86Bが第1面83に形成されている。図8に示すように、シールド82Aは、複数の当接部96を有する。複数の当接部96は、それぞれ、本体部87から延伸している。本実施形態では、シールド82Aは、4つの当接部96を有する。図7に示すように、複数の当接部96は、それぞれ、本体部87から回路基板81の第1面83に向かって延伸する。
【0055】
複数のグランド電極86Bは、それぞれ、各当接部96に対応する位置に形成されている。つまり、回路基板81の第1面83を平面視したとき、各当接部96に重なる領域に各グランド電極86Bが位置する。各当接部96は、対応する各グランド電極86Bに当接する。この構成によれば、当接部96を介してシールド82Aをグランド電極86Bに電気的に接続することができる。さらに、複数の当接部96と、第1爪93及び第2爪94とによって回路基板81を挟持することによって、回路基板81に対するシールド82Aの固定力を強固にすることができる。
【0056】
シールド82の第2例について説明する。
シールド82の第2例をシールド82Bと呼ぶ。シールド82Bを有する超音波ユニット85を超音波ユニット85Bと呼ぶ。図12に示すように、超音波ユニット85Bのシールド82Bには、開口98が形成されている。開口98は、本体部87に形成されている。シールド82Bは、本体部87に開口98が形成されていることを除いて、シールド82Aと同様の構成を有する。以下において、シールド82Bの構成のうちシールド82Aと同一の構成については、シールド82Aの構成と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。開口98は、図13に示すように、回路基板81の第1面83を平面視したときに、超音波素子基板31に重なる領域に形成されている。このため、本体部87に開口98が形成されていても、シールド82Bは、超音波素子基板31を囲う。この構成によれば、開口98を介して超音波を通しやすくすることができる。
【0057】
シールド82の第3例について説明する。
シールド82の第3例をシールド82Cと呼ぶ。シールド82Cを有する超音波ユニット85を超音波ユニット85Cと呼ぶ。図14に示すように、シールド82Cは、第1脚部88及び第2脚部89のそれぞれに、導入部101が形成されている。シールド82Cは、導入部101を有することを除いて、シールド82Aと同様の構成を有する。以下において、シールド82Cの構成のうちシールド82Aと同一の構成については、シールド82Aの構成と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。導入部101は、第1脚部88の本体部87側とは反対側の端部に形成されている。導入部101は、第2脚部89の本体部87側とは反対側の端部に形成されている。
【0058】
図15に示すように、第1脚部88の導入部101と、第2脚部89の導入部101とは、互いに内側に向かって曲げられている。他の観点では、第1脚部88の導入部101と、第2脚部89の導入部101とは、互いに線対称となる向きに傾斜する。第1脚部88の導入部101と、第2脚部89の導入部101とは、互いに線対称となる向きに曲げられている。第1脚部88の導入部101は、第1脚部88の先端に板金の曲げ加工を施すことによって形成されている。第2脚部89の導入部101は、第2脚部89の先端に板金の曲げ加工を施すことによって形成されている。図16に示すように、シールド82Cに導入部101が形成されているので、第1脚部88を第1貫通孔91に導入しやすく、且つ第2脚部89を第2貫通孔92に導入しやすい。
【0059】
さらに、シールド82Cでは、図14に示すように、導入部101が先端部102を有する。先端部102は、導入部101の本体部87側とは反対側の端部に形成されている。先端部102は、第1脚部88及び第2脚部89のそれぞれのうち本体部87側の部位における幅寸法H1よりも小さい幅寸法H2を有する。つまり、シールド82Cでは、第1脚部88の先端部位が本体部87側の部位よりも細く形成されている。同様に、シールド82Cでは、第2脚部89の先端部位が本体部87側の部位よりも細く形成されている。先端部102を有するシールド82Cでは、第1脚部88を第1貫通孔91に一層導入しやすく、且つ第2脚部89を第2貫通孔92に一層導入しやすい。なお、シールド82Cにシールド82Bの開口98を適用した構成も採用することができる。
【符号の説明】
【0060】
1…イメージスキャナー、4…供給口、5…排出口、7…搬送装置、8…読取ユニット、9…超音波センサー、11…制御ユニット、12…搬送経路、13…第1搬送ローラー対、14…第2搬送ローラー対、15…第3搬送ローラー対、16…第4搬送ローラー対、17…搬送モーター、19A…第1イメージセンサー、19B…第2イメージセンサー、21…送信ユニット、22…受信ユニット、32…超音波素子、32A…超音波発信素子、32B…超音波受信素子、42…振動板、43…圧電素子、49…第1電極、51…圧電体、53…第2電極、57…電源回路、65…重送判定部、66…駆動制御部、73…超音波装置、81…回路基板、81A…送信回路基板、81B…受信回路基板、82…シールド、82A…シールド、82B…シールド、82C…シールド、83…第1面、84…第2面、85…超音波ユニット、85A…超音波ユニット、85B…超音波ユニット、85C…超音波ユニット、86…配線、86A…グランド電極、86B…グランド電極、87…本体部、88…第1脚部、89…第2脚部、91…第1貫通孔、92…第2貫通孔、93…第1爪、94…第2爪、96…当接部、98…開口、101…導入部、102…先端部、H1…幅寸法、H2…幅寸法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16