(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157815
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】凍結乾燥味噌汁の製造方法及び凍結乾燥味噌汁の品質向上方法
(51)【国際特許分類】
A23L 23/10 20160101AFI20241031BHJP
A23L 3/44 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
A23L23/10
A23L3/44
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072408
(22)【出願日】2023-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】715011078
【氏名又は名称】アサヒグループ食品株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】檀上 悟史
(72)【発明者】
【氏名】木山 尚
(72)【発明者】
【氏名】湊 明義
(72)【発明者】
【氏名】三部 周子
【テーマコード(参考)】
4B022
4B036
【Fターム(参考)】
4B022LA01
4B022LB06
4B022LJ01
4B022LJ04
4B022LJ06
4B022LR06
4B022LS03
4B036LC03
4B036LE03
4B036LF01
4B036LF07
4B036LG05
4B036LH11
4B036LH12
4B036LH26
4B036LH29
4B036LK01
4B036LK02
4B036LK04
4B036LP01
4B036LP09
(57)【要約】
【課題】味噌含有調味液のBrix値を高くした場合でも凍結乾燥時の昇華を安定させ、コラプスの発生や復元性の低下を抑制することができ、凍結乾燥時間を短縮することが可能な凍結乾燥味噌汁の製造方法及び凍結乾燥味噌汁の品質向上方法を提供する。
【解決手段】味噌含有調味液のBrix値を25~35に調整することを含み、前記味噌含有調味液が、味噌1質量部に対して、リン酸架橋澱粉、加工大豆粉、及び粉末セルロースからなる群から選択される少なくとも1種を0.04~0.20質量部含む凍結乾燥味噌汁の製造方法である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
凍結乾燥味噌汁の製造方法であって、
味噌含有調味液のBrix値を25~35に調整することを含み、
前記味噌含有調味液が、味噌1質量部に対して、リン酸架橋澱粉、加工大豆粉、及び粉末セルロースからなる群から選択される少なくとも1種を0.04~0.20質量部含むことを特徴とする凍結乾燥味噌汁の製造方法。
【請求項2】
凍結乾燥味噌汁の品質向上方法であって、
味噌含有調味液のBrix値を25~35に調整することを含み、
前記味噌含有調味液が、味噌1質量部に対して、リン酸架橋澱粉、加工大豆粉、及び粉末セルロースからなる群から選択される少なくとも1種を0.04~0.20質量部含むことを特徴とする凍結乾燥味噌汁の品質向上方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凍結乾燥味噌汁の製造方法及び凍結乾燥味噌汁の品質向上方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生活様式の変化や嗜好の多様化などにより、お湯で復元させて喫食する凍結乾燥即席味噌汁(以下、「凍結乾燥味噌汁」と称することがある。)に対する需要が近年増々高まっている。例えば、味噌汁と具材とがブロック状に一体化した凍結乾燥味噌汁が販売されている。また、凍結乾燥味噌汁についての様々な開発が行われている。
【0003】
例えば、節類の風味の変質・劣化を抑制し、節類の風味の効いた凍結乾燥味噌スープ及びその製造方法として、(a)少なくとも味噌と水とを含有するスープベースを加熱調製する工程、(b)粉末節類を個食用容器に充填する工程、(c)前記加熱調製済のスープベースを前記個食用容器に注入する工程、(d)これらの食材を前記個食用容器ごと凍結乾燥する工程を含む方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、味噌含有調味液中の塩分が具材に移行することを効果的に抑制できる具材入りの凍結乾燥味噌汁の製造方法として、味噌を含有する調味液と具材とを合わせて予備凍結し、次いで凍結乾燥させることにより製造する凍結乾燥味噌汁の製造方法であって、前記味噌含有調味液を氷結率が7~24%になるようにフリージングし、次いで具材を投入した後、予備凍結し、凍結乾燥させる凍結乾燥味噌汁の製造方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-86692号公報
【特許文献2】特開2019-118326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来、凍結乾燥味噌汁の製造では、凍結乾燥時の昇華を安定させるために、味噌含有調味液のBrix値(可溶性固形分の濃度)をある程度低くすることが基本であった。一方、味噌含有調味液のBrix値を低くすると凍結乾燥時間が長くなってしまうという課題がある。
【0007】
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、味噌含有調味液のBrix値を高くした場合でも凍結乾燥時の昇華を安定させ、コラプスの発生や復元性の低下を抑制することができ、凍結乾燥時間を短縮することが可能な凍結乾燥味噌汁の製造方法及び凍結乾燥味噌汁の品質向上方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討した結果、味噌含有調味液に、味噌1質量部に対して、リン酸架橋澱粉、加工大豆粉、及び粉末セルロースからなる群から選択される少なくとも1種を0.04~0.20質量部配合することで、味噌含有調味液のBrix値を25~35と高くした場合でも、コラプスの発生や復元性の低下を抑制することができ、凍結乾燥時間を短縮しつつも優れた品質の凍結乾燥味噌汁を製造することができることを知見した。
【0009】
本発明は、本発明者らの前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 凍結乾燥味噌汁の製造方法であって、
味噌含有調味液のBrix値を25~35に調整することを含み、
前記味噌含有調味液が、味噌1質量部に対して、リン酸架橋澱粉、加工大豆粉、及び粉末セルロースからなる群から選択される少なくとも1種を0.04~0.20質量部含むことを特徴とする凍結乾燥味噌汁の製造方法である。
<2> 凍結乾燥味噌汁の品質向上方法であって、
味噌含有調味液のBrix値を25~35に調整することを含み、
前記味噌含有調味液が、味噌1質量部に対して、リン酸架橋澱粉、加工大豆粉、及び粉末セルロースからなる群から選択される少なくとも1種を0.04~0.20質量部含むことを特徴とする凍結乾燥味噌汁の品質向上方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、味噌含有調味液のBrix値を高くした場合でも凍結乾燥時の昇華を安定させ、コラプスの発生や復元性の低下を抑制することができ、凍結乾燥時間を短縮することが可能な凍結乾燥味噌汁の製造方法及び凍結乾燥味噌汁の品質向上方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、コラプスの発生の評価における各評価に該当する一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(凍結乾燥味噌汁の製造方法、凍結乾燥味噌汁の品質向上方法)
本発明の凍結乾燥味噌汁の製造方法は、味噌含有調味液調製工程を少なくとも含み、必要に応じて更にその他の工程を含む。
本発明の凍結乾燥味噌汁の品質向上方法は、味噌含有調味液調製工程を少なくとも含み、必要に応じて更にその他の工程を含む。
本発明の凍結乾燥味噌汁の品質向上方法は、本発明の凍結乾燥味噌汁の製造方法と同様にして実施することができるため、以下では、本発明の凍結乾燥味噌汁の製造方法と本発明の凍結乾燥味噌汁の品質向上方法をまとめて説明する。
【0013】
<味噌含有調味液調製工程>
前記味噌含有調味液調製工程は、味噌含有調味液のBrix値を25~35に調整する工程である。
【0014】
-味噌含有調味液-
前記味噌含有調味液は、味噌と、リン酸架橋澱粉、加工大豆粉、及び粉末セルロースからなる群から選択される少なくとも1種(以下、「物性改善素材」と称することがある。)とを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。
【0015】
--味噌--
前記味噌の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、米味噌、麦味噌、豆味噌、調合味噌などが挙げられる。前記味噌は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0016】
前記味噌の前記味噌含有調味液における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、30~60質量%などが挙げられる。
【0017】
--物性改善素材--
前記物性改善素材は、リン酸架橋澱粉、加工大豆粉、及び粉末セルロースのいずれか1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0018】
前記リン酸架橋澱粉としては、リン酸架橋澱粉、リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉などが挙げられる。
前記リン酸架橋澱粉に使用される澱粉の由来としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コーンスターチ、甘藷澱粉、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、もち澱粉などが挙げられる。
【0019】
前記加工大豆粉とは、大豆を膨化処理して粉末化したものをいう。
【0020】
前記粉末セルロースとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記粉末セルロースは、微細なものであることが好ましく、例えば、400メッシュの篩を通過する程度のものが好ましい。
【0021】
前記物性改善素材は、市販品を使用することができる。
【0022】
前記物性改善素材の前記味噌含有調味液における含有量としては、前記味噌1質量部に対して、0.04~0.20質量部であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記味噌1質量部に対して、0.04~0.18質量部が好ましく、0.06~0.18質量部がより好ましく、0.06~0.12質量部が特に好ましい。前記好ましい範囲であると、凍結乾燥時の昇華がより安定し、コラプスの発生や復元性の低下をより抑制することができる点で、有利である。
【0023】
前記味噌含有調味液における水分量(以下、「加水量」と称することがある。)としては、特に制限はなく、前記味噌含有調味液のBrix値などに応じて適宜選択することができ、例えば、20~50質量%などが挙げられる。
【0024】
前記味噌含有調味液におけるその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、豆乳、デキストリン、風味原料、調味料、キサンタンガム、酸化防止剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分の前記味噌含有調味液における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0025】
前記味噌含有調味液のBrix値としては、25~35であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、25超、35以下が好ましく、26.0~33.0がより好ましく、26.5~29.0が特に好ましい。前記好ましい範囲であると、凍結乾燥の時間をより短縮しつつ、コラプスの発生や復元性の低下を抑制することができる点で、有利である。
【0026】
前記味噌含有調味液のBrix値は、前記味噌含有調味液における可溶性固形分の濃度を表す。前記Brix値の測定方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができ、例えば、手持屈折計MASTER-PT(株式会社アタゴ社製)などにより測定することができる。
【0027】
前記味噌含有調味液のBrix値を調整する方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができ、例えば、前記味噌含有調味液の水分量を調整する方法などが挙げられる。
【0028】
前記味噌含有調味液調製工程では、配合する各成分を加熱混合して調製することが好ましい。
前記加熱の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、70~80℃などが挙げられる。
【0029】
<その他の工程>
前記その他の工程としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、通常の凍結乾燥味噌汁の製造方法で行われる工程を適宜選択することができ、例えば、具材充填工程、味噌含有調味液注入工程、凍結乾燥工程などが挙げられる。
【0030】
<<具材充填工程>>
前記具材充填工程は、具材を個食用容器などの容器に充填する工程である。
前記具材としては、特に制限はなく、味噌汁に含有させる具材を目的に応じて適宜選択することができ、例えば、野菜類、茸類、根菜類、魚介類、海藻類、肉類、豆腐、油揚げなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記具材の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記具材は、凍結させたブロック状のものであることが好ましい。
前記具材の量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記味噌含有調味液100質量部に対して、40~70質量部などが挙げられる。
【0031】
前記容器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、凍結乾燥処理に耐え得るものが好ましい。
【0032】
<<味噌含有調味液注入工程>>
前記味噌含有調味液注入工程は、個食用容器などの容器に前記味噌含有調味液を注入する工程である。
前記味噌含有調味液注入工程は、前記具材充填工程の前に行ってもよいし、同時に行ってもよいし、後に行ってもよい。
前記味噌含有調味液の注入量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、凍結乾燥味噌汁100質量部に対して、55~75質量部などが挙げられる。
【0033】
<<凍結乾燥工程>>
前記凍結乾燥工程は、前記味噌含有調味液と、必要に応じて前記具材とを注入又は充填した容器ごと凍結乾燥(以下、「真空凍結乾燥」と称することがある。)する工程である。
【0034】
前記凍結乾燥の方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができる。例えば、まず予備凍結し、次いで真空凍結乾燥する方法などが挙げられる。
【0035】
前記予備凍結の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、-7~-40℃で完全に凍結するまで静置するなどが挙げられる。なお、凍結の際の温度は、一定であってもよいし、異なる温度で段階的に凍結してもよい。
【0036】
前記真空凍結乾燥は、公知の凍結乾燥機を用いて行うことができる。
前記真空凍結乾燥の方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができ、例えば、真空度90Pa以下に減圧するとともに、昇温させて真空凍結乾燥させる方法などが挙げられる。
前記真空凍結乾燥後の凍結乾燥味噌汁の水分量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5質量%以下が好ましい。
【0037】
本発明の凍結乾燥味噌汁の製造方法によれば、従来製法より加水量を減らし、味噌含有調味液のBrix値を高くした場合でも、凍結乾燥時の昇華を安定させ、コラプスの発生や復元性の低下を抑制することができる。また、加水量を減らすことで、凍結乾燥時間の短縮が可能となる。
【0038】
前記凍結乾燥味噌汁の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、形状としては、ブロック状などが挙げられる。
【0039】
また、本発明の凍結乾燥味噌汁の品質向上方法によれば、味噌含有調味液のBrix値を高くし、凍結乾燥時間が短縮された場合でも、凍結乾燥時の昇華を安定させ、コラプスの発生や復元性の低下を抑制することができる。
【実施例0040】
以下に試験例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの試験例に何ら限定されるものではない。
【0041】
(試験例1)
<味噌含有調味液の調製>
1食あたりの配合量が表1~8に記載の量となる量で、表1~8の「調味液」の欄に記載の各成分を温度70~80℃で加熱混合し、表1~8に記載のBrix値の味噌含有調味液(以下、「調味液」と称することがある。)を調製した。
なお、風味原料には、かつおエキス、鰹節粉末、昆布粉末を用いた。
【0042】
<調味液の注入>
ブロック状の凍結野菜加工品(揚げなす、ねぎ、油揚げ、わかめ、澱粉含有)を充填した個食用容器に、上記で調製した調味液を注入した。
【0043】
<凍結、凍結乾燥>
調味液を注入した個食用容器ごと、庫内温度-7~-40℃、10時間以上の凍結条件で凍結させた。これを、凍結乾燥機を用い、真空度90Pa以下、最終品温50℃の凍結乾燥条件で凍結乾燥させて、ブロック状の凍結乾燥味噌汁を得た。
【0044】
<評価>
製造した凍結乾燥味噌汁について、コラプス及び復元性を下記のようにして評価した。なお、試験例1-21及び1-22については、凍結乾燥味噌汁を調製することができなかったため、これらの評価は行わなかった。
【0045】
<コラプス>
製造した凍結乾燥味噌汁について、目視にてコラプスの発生を確認し、下記の評価基準で3名の訓練された評価者により評価した。最も多かった評価結果を表1~8に示す。
また、各評価に該当する一例を
図1に示した。
◎ : コラプスが全くない(
図1の左から1番目)。
○ : コラプスがほとんどない(
図1の左から2番目)。
△ : コラプスが僅かにある(
図1の左から3番目)。
× : コラプスがかなりある(
図1の左から4番目)。
【0046】
<復元性>
製造した凍結乾燥味噌汁を160ccの熱湯で、スプーンで混ぜながら(1分間52回攪拌)復元させた際の復元性について、下記の評価基準で3名の訓練された評価者により評価した。最も多かった評価結果を表1~8に示す。
なお、下記評価の「△」、「×」における「溶け残り」とは、凍結乾燥味噌汁の一部が溶けきらずに残っている状態をいう。また、溶けたか否かは具材を除く部分についての評価である。
◎ : 160ccの熱湯で、スプーンで混ぜながら15秒間以内に復元する。
○ : 160ccの熱湯で、スプーンで混ぜながら1分間以内に復元する。
△ : 160ccの熱湯で、スプーンで混ぜながら1分間以内でほとんど復元するが、僅かに溶け残りがある。
× : 160ccの熱湯で、スプーンで混ぜながら1分間以内に復元せず、かなり溶け残りがある。
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
(試験例2)
凍結乾燥味噌汁の1食あたりにおける各成分の量を表9~18に記載の量に変えた以外は、試験例1と同様にして凍結乾燥味噌汁を製造した。
製造した凍結乾燥味噌汁について、試験例1と同様にしてコラプス及び復元性を評価した。結果を表9~18に示す。
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
試験例1~2で用いた物性改善素材又はその比較素材は、下記のとおりである。なお、これらは各素材の一例として用いたものである。
・ リン酸架橋でん粉A : パインスターチRT(クリア)、松谷化学工業株式会社製
・ リン酸架橋でん粉B : PB-7000、日澱化學株式会社製
・ 加工大豆粉 : パフミンF、キッコーマン食品株式会社製
・ 粉末セルロース : KCフロックW-400G、日本製紙株式会社製
・ 水溶性食物繊維 : ファイバーソル2、松谷化学工業株式会社製
・ 可溶性でん粉 : 馬鈴しょでん粉 南十勝、南十勝農産加工農業協同組合連合会製
【0067】
試験例1~2で示したように、本発明によれば、味噌含有調味液のBrix値を高くした場合でも凍結乾燥時の昇華を安定させ、コラプスの発生や復元性の低下を抑制することができ、良好な品質と凍結乾燥時間の短縮とを両立することができることが確認された。