(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157829
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】作業車
(51)【国際特許分類】
B62D 33/033 20060101AFI20241031BHJP
B62D 33/037 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
B62D33/033
B62D33/037
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072428
(22)【出願日】2023-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】塚田 鷹介
(72)【発明者】
【氏名】鵜飼 智之
(57)【要約】
【課題】作業車において、ゲートが起立位置と開放位置とに亘って揺動可能、且つ、ゲートが荷台のフロアから容易に取り外されるように構成する。
【解決手段】ゲート10は、軸部16と支持部14aとが互いに取り付けられた状態で、水平方向に沿った軸芯P1周りに、起立位置A11と開放位置A12とに亘って揺動可能であり、フロア9から取り外し可能である。軸部16と支持部14aとが互いに取り付けられた状態で軸部16と支持部14aとの互いの離脱を阻止して、ゲート10を軸芯P1周りに揺動可能に維持する第1位置B11と、軸部16と支持部14aとの互いの離脱を許容して、ゲート10のフロア9からの取り外しを許容する第2位置とに、人為的に操作可能な保持部17が備えられている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置が設けられた機体と、
フロア及びゲートを有して、前記機体に設けられた荷台と、
前記フロア及び前記ゲートのうちの一方に設けられた軸部と、
前記フロア及び前記ゲートのうちの他方に設けられた支持部とが備えられ、
前記ゲートは、前記軸部と前記支持部とが互いに取り付けられた状態で、前記軸部及び前記支持部の水平方向に沿った軸芯周りに、前記フロアから上方に向けて延出された起立位置と、前記フロアから下方に向けて延出された開放位置とに亘って揺動可能であり、
前記ゲートは、前記軸部と前記支持部とが互いに離脱することにより、前記フロアから取り外し可能であり、
前記軸部と前記支持部とが互いに取り付けられた状態で、前記軸部と前記支持部との互いの離脱を阻止して、前記ゲートを前記軸芯周りに揺動可能に維持する第1位置と、前記軸部と前記支持部との互いの離脱を許容して、前記ゲートの前記フロアからの取り外しを許容する第2位置とに、人為的に操作可能な保持部が備えられている作業車。
【請求項2】
前記保持部を前記第1位置に向けて付勢する付勢部が備えられている請求項1に記載の作業車。
【請求項3】
前記保持部を前記第2位置で保持可能な第2位置保持部が備えられている請求項1に記載の作業車。
【請求項4】
前記ゲートが、前記フロアの後部又は前部に配置され、
前記軸部が、前記ゲートに左右方向に沿って設けられ、
前記支持部が、前記フロアに設けられ、上方に向けて開放された凹部であり、
前記軸部が前記凹部に入り込んだ状態で、前記ゲートは前記軸芯周りに揺動可能であり、前記軸部が前記凹部から上方に向けて離脱することにより、前記ゲートは前記フロアから取り外し可能である請求項1に記載の作業車。
【請求項5】
前記保持部に開口部が設けられ、
前記第1位置は、前記凹部に入り込んだ前記軸部の端部が前記開口部に入り込む位置に、前記保持部が操作された位置であり、
前記第1位置に操作された前記保持部において、前記軸部と前記保持部との係合により、前記軸部における前記凹部から上方への離脱が阻止される請求項4に記載の作業車。
【請求項6】
前記ゲートが、前記フロアの横部に配置され、
前記軸部が、前記フロアに前後方向に沿って設けられ、
前記支持部が、前記ゲートに前後方向に沿って設けられたボス部であり、
前記軸部が前記ボス部に入り込んだ状態で、前記ゲートは前記軸芯周りに揺動可能であり、前記ボス部が前記軸部から前方又は後方に向けて離脱することにより、前記ゲートは前記フロアから取り外し可能である請求項1に記載の作業車。
【請求項7】
前記保持部に開口部が設けられ、
前記第1位置は、前記ボス部に入り込んだ前記軸部の端部が前記開口部に入り込む位置に、前記保持部が操作された位置であり、
前記第1位置に操作された前記保持部において、前記ボス部と前記保持部との係合により、前記ボス部における前記軸部から前方又は後方への離脱が阻止される請求項6に記載の作業車。
【請求項8】
前記開放位置から所定の角度だけ上側に位置する下中間位置が設定され、
前記保持部が前記第2位置に操作され、前記ゲートが前記開放位置と前記下中間位置との間に位置した状態において、前記ボス部における前記軸部から前方又は後方への離脱を阻止する第1阻止部が備えられている請求項6に記載の作業車。
【請求項9】
前記起立位置から所定の角度だけ下側に位置し、前記下中間位置よりも上側に位置する上中間位置が設定され、
前記保持部が前記第2位置に操作され、前記ゲートが前記起立位置と前記上中間位置との間に位置した状態において、前記ボス部における前記軸部から前方又は後方への離脱を阻止する第2阻止部が備えられている請求項8に記載の作業車。
【請求項10】
前記第2阻止部が、前記ゲートを前記起立位置で固定及び固定解除可能で、人為的に操作される固定部である請求項9に記載の作業車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輪やクローラ型式の走行装置が設けられた機体に、荷台が設けられた作業車に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示された作業車では、機体に設けられた荷台において、荷台の後部のゲートが、左右方向に沿った軸芯周りに、起立位置と開放位置とに亘って揺動可能に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
荷台が機体に設けられた作業車では、ゲートが起立位置と開放位置とに亘って揺動可能であることに加えて、ゲートを荷台のフロアから取り外すことも要望されている。
【0005】
本発明は、荷台が機体に設けられた作業車において、ゲートが起立位置と開放位置とに亘って揺動可能、且つ、ゲートが荷台のフロアから容易に取り外されるように構成することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の作業車は、走行装置が設けられた機体と、フロア及びゲートを有して、前記機体に設けられた荷台と、前記フロア及び前記ゲートのうちの一方に設けられた軸部と、前記フロア及び前記ゲートのうちの他方に設けられた支持部とが備えられ、前記ゲートは、前記軸部と前記支持部とが互いに取り付けられた状態で、前記軸部及び前記支持部の水平方向に沿った軸芯周りに、前記フロアから上方に向けて延出された起立位置と、前記フロアから下方に向けて延出された開放位置とに亘って揺動可能であり、前記ゲートは、前記軸部と前記支持部とが互いに離脱することにより、前記フロアから取り外し可能であり、前記軸部と前記支持部とが互いに取り付けられた状態で、前記軸部と前記支持部との互いの離脱を阻止して、前記ゲートを前記軸芯周りに揺動可能に維持する第1位置と、前記軸部と前記支持部との互いの離脱を許容して、前記ゲートの前記フロアからの取り外しを許容する第2位置とに、人為的に操作可能な保持部が備えられている。
【0007】
本発明によると、作業車の荷台のフロア及びゲートにおいて、作業者は、軸部と支持部とを互いに取り付けることにより、ゲートを起立位置と開放位置とに亘って操作することができる。
この場合、作業者は保持部を第1位置に操作しておくことにより、軸部と支持部との互いの離脱が保持部により阻止されるので、作業者はゲートを起立位置と開放位置とに亘って無理なく操作することができる。
【0008】
作業者がゲートをフロアから取り外す場合、作業者は保持部を第1位置から第2位置に操作する。これにより、軸部と支持部との互いの離脱が許容されるので、作業者はゲートをフロアから無理なく取り外すことができる。
作業者は、軸部と支持部とを互いに取り付け、ゲートをフロアに取り付けた場合、この後に保持部を第2位置から第1位置に操作すればよい。
【0009】
本発明によると、作業者は、ボルトの締め付け操作及び緩み操作等を行わなくても、保持部の第1位置及び第2位置に操作することにより、ゲートをフロアに取り付け及び取り外すことができるので、作業車の荷台におけるゲートの着脱の作業性が向上する。
【0010】
本発明において、前記保持部を前記第1位置に向けて付勢する付勢部が備えられていると好適である。
【0011】
本発明によると、保持部が第1位置に操作された場合、付勢部により保持部が第1位置に向けて付勢されるので、走行時の振動等により保持部が第1位置から移動するような状態が抑えられる。
作業者は、付勢部の付勢力に抗して保持部を第1位置から第2位置に操作することになるので、付勢部の付勢力による抵抗は、作業者がゲートの取外作業を行うことに対する注意喚起となる。
【0012】
本発明において、前記保持部を前記第2位置で保持可能な第2位置保持部が備えられていると好適である。
【0013】
本発明によると、作業者がゲートをフロアから取り外す場合、作業者は、保持部を第1位置から第2位置に操作し、保持部を第2位置保持部により第2位置に保持しておけばよい。
これにより、作業者がゲートをフロアから取り外す際に、保持部が第2位置から第1位置に移動して、ゲートの取り外しが行い難くなるという状態が避けられるので、作業車の荷台におけるゲートの着脱の作業性の向上の面で有利である。
【0014】
本発明において、前記ゲートが、前記フロアの後部又は前部に配置され、前記軸部が、前記ゲートに左右方向に沿って設けられ、前記支持部が、前記フロアに設けられ、上方に向けて開放された凹部であり、前記軸部が前記凹部に入り込んだ状態で、前記ゲートは前記軸芯周りに揺動可能であり、前記軸部が前記凹部から上方に向けて離脱することにより、前記ゲートは前記フロアから取り外し可能であると好適である。
【0015】
本発明によると、ゲートの軸部がフロアの凹部に入り込み、ゲートの軸部がフロアの凹部で回転することにより、ゲートが起立位置と開放位置とに亘って操作される。
作業者は、保持部を第2位置に操作し、ゲートを持ち上げて、ゲートの軸部をフロアの凹部から上方に向けて離脱させることによって、ゲートをフロアから取り外すことができる。作業者は、ゲートの軸部をフロアの凹部に上方から入り込ませることによって、ゲートをフロアに取り付けることができる。
これにより、作業車の荷台におけるゲートの着脱の作業性の向上の面で有利である。
【0016】
例えば、作業者が、保持部を第2位置に操作した後に、ゲートをフロアから取り外さずに、誤って機体の走行を開始するような状態が生じたとする。
本発明によると、ゲートの軸部が入り込むフロアの凹部は上方に向けて開放された形状であるので、ゲートの軸部はフロアの凹部から上方に向けて離脱可能であるが、ゲートの軸部はフロアの凹部に対して前後方向に移動することはできない。
これにより、保持部が第2位置に操作され、ゲートがフロアから取り外されていない状態で、機体が走行を開始した場合、ゲートが前後方向に振動しても、ゲートの軸部はフロアの凹部から離脱し難い。
【0017】
本発明において、前記保持部に開口部が設けられ、前記第1位置は、前記凹部に入り込んだ前記軸部の端部が前記開口部に入り込む位置に、前記保持部が操作された位置であり、前記第1位置に操作された前記保持部において、前記軸部と前記保持部との係合により、前記軸部における前記凹部から上方への離脱が阻止されると好適である。
【0018】
本発明によると、作業者は、ゲートの軸部をフロアの凹部に入り込ませて、ゲートをフロアに取り付けた場合、保持部を第1位置に操作して、ゲートの軸部を保持部の開口部に入り込ませる。
これにより、ゲートの軸部と保持部との係合により、ゲートの軸部においてフロアの凹部から上方への離脱が阻止される。これに加えてゲートの軸部と保持部との係合により、走行時の振動等により保持部が第1位置から移動するような状態が抑えられる。
【0019】
本発明において、前記ゲートが、前記フロアの横部に配置され、前記軸部が、前記フロアに前後方向に沿って設けられ、前記支持部が、前記ゲートに前後方向に沿って設けられたボス部であり、前記軸部が前記ボス部に入り込んだ状態で、前記ゲートは前記軸芯周りに揺動可能であり、前記ボス部が前記軸部から前方又は後方に向けて離脱することにより、前記ゲートは前記フロアから取り外し可能であると好適である。
【0020】
本発明によると、フロアの軸部がゲートのボス部に入り込み、ゲートのボス部がフロアの軸部の周囲を回転することによって、ゲートが起立位置と開放位置とに亘って操作される。
【0021】
本発明によると、作業者は、保持部を第2位置に操作して、ゲートを前方(後方)に移動させて、ゲートのボス部をフロアの軸部から前方(後方)に向けて離脱させることにより、ゲートをフロアから取り外すことができる。作業者は、ゲートを前方(後方)に移動させて、ゲートのボス部にフロアの軸部を入り込ませることにより、ゲートをフロアに取り付けることができる。
これにより、作業車の荷台におけるゲートの着脱の作業性の向上の面で有利である。
【0022】
本発明において、前記保持部に開口部が設けられ、前記第1位置は、前記ボス部に入り込んだ前記軸部の端部が前記開口部に入り込む位置に、前記保持部が操作された位置であり、前記第1位置に操作された前記保持部において、前記ボス部と前記保持部との係合により、前記ボス部における前記軸部から前方又は後方への離脱が阻止されると好適である。
【0023】
本発明によると、作業者は、ゲートのボス部にフロアの軸部を入り込ませて、ゲートをフロアに取り付けた場合、保持部を第1位置に操作して、フロアの軸部を保持部の開口部に入り込ませる。
これにより、ゲートのボス部と保持部との係合により、ゲートのボス部におけるフロアの軸部から前方(後方)への離脱が阻止される。これに加えて、フロアの軸部と保持部との係合により、走行時の振動等により保持部が第1位置から移動するような状態が抑えられる。
【0024】
本発明において、前記開放位置から所定の角度だけ上側に位置する下中間位置が設定され、前記保持部が前記第2位置に操作され、前記ゲートが前記開放位置と前記下中間位置との間に位置した状態において、前記ボス部における前記軸部から前方又は後方への離脱を阻止する第1阻止部が備えられていると好適である。
【0025】
例えば、作業者が、保持部を第2位置に操作した後に、ゲートをフロアから取り外さずに、誤って機体の走行を開始するような状態が生じたとする。この場合、ゲートは、自身の重量により開放位置に位置したり、走行時の振動により開放位置から少し上側に移動したりする。
【0026】
本発明によると、保持部が第2位置に操作され、ゲートが開放位置と下中間位置との間に位置した状態で、走行時の振動等によりゲートが前方(後方)に移動しようとしても、ゲートの前方(後方)への移動が第1阻止部によって阻止される。
これにより、保持部が第2位置に操作され、ゲートがフロアから取り外されていない状態で、機体が走行を開始しても、ゲートのボス部はフロアの軸部から離脱し難い。
【0027】
本発明において、前記起立位置から所定の角度だけ下側に位置し、前記下中間位置よりも上側に位置する上中間位置が設定され、前記保持部が前記第2位置に操作され、前記ゲートが前記起立位置と前記上中間位置との間に位置した状態において、前記ボス部における前記軸部から前方又は後方への離脱を阻止する第2阻止部が備えられていると好適である。
【0028】
作業者が保持部を第2位置に操作してゲートのボス部をフロアの軸部から前方(後方)に向けて離脱させる場合、作業者がゲートを起立位置に近い位置のままで前方(後方)に移動させると、ゲートが前方(後方)に存在する機体の一部に干渉することがある。
【0029】
本発明によると、作業者が保持部を第2位置に操作してゲートのボス部をフロアの軸部から前方(後方)に向けて離脱させる場合、作業者がゲートを起立位置に近い位置のままで前方(後方)に移動させようとしても、この操作は第2阻止部によって阻止される。
【0030】
作業者は、保持部を第2位置に操作した後、ゲートを起立位置から上中間位置と下中間位置との間の位置まで下方に操作することにより、ゲートを前方(後方)に移動させることができる。これにより、ゲートと機体の一部との干渉を避けながら、ゲートのボス部をフロアの軸部から前方(後方)に向けて無理なく離脱させることができる。
【0031】
本発明において、前記第2阻止部が、前記ゲートを前記起立位置で固定及び固定解除可能で、人為的に操作される固定部であると好適である。
【0032】
ゲートが起立位置と開放位置とに亘って操作可能に構成された場合、ゲートを起立位置で固定及び固定解除可能な固定部が備えられることがあり、作業者が固定部を操作する。
本発明によると、第2阻止部が固定部であり、固定部を第2阻止部に兼用することができて、構造の簡素化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図4】リヤゲートの左部の付近の横断平面図である。
【
図5】リヤゲートが取り外された状態を示す左側面図である。
【
図6】サイドゲートが取り外された状態を示す左側面図である。
【
図7】サイドゲートの前部の付近の左側面図である。
【
図8】サイドゲートの前支点部の付近の横断平面図である。
【
図9】サイドゲートの前支点部の付近の縦断正面図である。
【
図10】サイドゲートの後支点部の付近の縦断正面図である。
【
図11】サイドゲートの前支点部の付近において起立位置及び開放位置の状態を示す縦断正面図である。
【
図12】サイドゲートの後支点部の付近において起立位置及び開放位置の状態を示す縦断正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1~
図12に多目的に使用される作業車が示されており、
図1~
図12おいて、Fは前方向を示し、Bは後方向を示し、Uは上方向を示し、Dは下方向を示し、Rは右方向を示し、Lは左方向を示している。
【0035】
(作業車の全体構成)
図1及び
図2に示すように、右及び左の前輪1(走行装置に相当)が機体3の前部に設けられ、右及び左の後輪2(走行装置に相当)が機体3の後部に設けられている。右及び左の座席4、前輪1を操向操作する操縦ハンドル5、ロプスフレーム6が、機体3に設けられている。機体3の前部にボンネット7が設けられ、機体3の後部に荷台8が設けられている。
【0036】
(荷台の全体構成)
図1及び
図2に示すように、荷台8は、フロア9と、リヤゲート10(ゲートに相当)と、右及び左のサイドゲート11(ゲートに相当)とを有している。
【0037】
フロア9は、床部9aと前壁部9bとを有しており、前壁部9bが床部9aの前端部に連結されている。リヤゲート10はフロア9の後部に設けられており、右のサイドゲート11はフロア9の右部に設けられ、左のサイドゲート11はフロア9の左部に設けられている。
【0038】
フロア9(床部9a)の後部が、左右方向に沿った軸芯(図示せず)周りに揺動可能に機体3に取り付けられており、油圧シリンダ21が機体3とフロア9(床部9a)とに亘って接続されている。油圧シリンダ21が伸縮操作されることにより、荷台8は、
図1に示す作業位置と、荷台8の前部が持ち上げられたダンプ位置とに亘って操作される。
【0039】
(荷台における請求項との対応)
以上の構成により、作業車において、走行装置(前輪1及び後輪2)が設けられた機体3と、フロア9及びゲート(リヤゲート10及びサイドゲート11)を有して、機体3に設けられた荷台8とが備えられている。
【0040】
(リヤゲートにおける起立位置及び開放位置の概要)
図3及び
図4に示すように、右及び左のフレーム13が、フロア9の床部9aの前端部及び後端部に亘って前後方向に沿って連結され、右及び左の支持ブラケット14が、フレーム13の後端部に連結されている。
【0041】
後述するように、リヤゲート10は、左右方向(水平方向)に沿った軸芯P1周りに揺動可能に支持ブラケット14に取り付けられ、支持ブラケット14から取り外し可能である。
【0042】
リヤゲート10は、フロア9の床部9aの後端部から上方に向けて延出された起立位置A11と、フロア9の床部9aの後端部から後方に向けて延出された開放位置A12と、フロア9の床部9aの後端部から下方に向けて延出された開放位置A13(
図1参照)とに亘って、軸芯P1周りに揺動可能である。
【0043】
係合金具12aを有する右及び左の固定ハンドル12が、リヤゲート10の右部及び左部の上部に、左右方向に沿って設けられている。右及び左のサイドゲート11の後部に、ガイド部11aと、係合部11bと、取付部11cとが設けられている。右及び左のワイヤ15がリヤゲート10の右部及び左部に取り付けられており、ワイヤ15の端部がサイドゲート11の取付部11cに取り付け及び取り外し可能である。
【0044】
リヤゲート10が起立位置A11に操作された状態において、リヤゲート10は右及び左のサイドゲート11(後述する起立位置A21)のガイド部11aの間に入り込んでいる。固定ハンドル12の係合金具12aがサイドゲート11の係合部11bに係合され、固定ハンドル12が固定されることにより、リヤゲート10は起立位置A11で固定される。
【0045】
固定ハンドル12が操作されて、固定ハンドル12の係合金具12aがサイドゲート11の係合部11bから取り外されると、リヤゲート10は軸芯P1周りに後方に揺動可能となって、開放位置A12に操作可能となる。リヤゲート10は、ワイヤ15により開放位置A12に保持される。
【0046】
リヤゲート10の起立位置A11において、ワイヤ15がサイドゲート11の取付部11cから事前に取り外されていると、リヤゲート10は、軸芯P1周りに開放位置A12を超えて下方に揺動可能となるのであり、フロア9の床部9aの後端部から下方に向けて延出された開放位置A13(
図1参照)に揺動可能となる。
【0047】
(リヤゲートにおける起立位置及び開放位置の揺動部分の構成)
図3,4,5に示すように、右及び左の軸部16が、リヤゲート10の右部及び左部の下部に左右方向に沿うように連結されている。上方に向けて開放された凹部14a(支持部に相当)が、支持ブラケット14の後部に設けられ、ピン14b(第2位置保持部に相当)が、支持ブラケット14の後部に設けられている。
【0048】
リヤゲート10の軸部16が支持ブラケット14の凹部14a入り込んだ状態で、リヤゲート10は、左右方向(水平方向)に沿った軸芯P1周りに揺動可能に、支持ブラケット14に取り付けられている。
【0049】
(ゲート(リヤゲート)における請求項との対応)
以上の構成により、フロア9及びゲート(リヤゲート10)のうちの一方に設けられた軸部16と、フロア9及びゲート(リヤゲート10)のうちの他方に設けられた支持部(支持ブラケット14の凹部14a)とが備えられている。
【0050】
ゲート(リヤゲート10)は、軸部16と支持部(支持ブラケット14の凹部14a)とが互いに取り付けられた状態で、軸部16及び支持部(支持ブラケット14の凹部14a)の水平方向に沿った軸芯P1周りに、フロア9から上方に向けて延出された起立位置A11と、フロア9から下方に向けて延出された開放位置A12,A13とに亘って揺動可能である。
【0051】
(リヤゲートにおける保持部の構成)
図3,4,5に示すように、右及び左の保持部17が、支持ブラケット14に取り付けられている。保持部17は、細長い平板状の本体部17aと、本体部17aに設けられた開口部17bと、本体部17aに連結されたハンドル部17cとを有しており、右及び左の保持部17は左右対称に構成されている。
【0052】
保持部17のハンドル部17cは、アングル状に折り曲げられて、保持部17の本体部17aから右側及び左側に出るように、保持部17の本体部17aに連結されており、保持部17のハンドル部17cが支持ブラケット14の開口部に挿入されている。
【0053】
作業者は、保持部17のハンドル部17cを手Hで持つことにより、保持部17を、支持ブラケット14に対して左右方向に沿った軸芯P2周りに揺動操作可能であり、軸芯P2に沿って左右方向に移動操作可能である。
【0054】
保持部17のハンドル部17cの端部と支持ブラケット14との間に、自由長よりも圧縮されたバネ18(付勢部に相当)が取り付けられており、保持部17(本体部17a)が、バネ18により支持ブラケット14に接近する側(
図4の上方)に付勢されている。
【0055】
図3及び
図4に示す状態は、保持部17が第1位置B11に操作された状態である。第1位置B11は、リヤゲート10の軸部16が支持ブラケット14の凹部14aに入り込んだ状態で、リヤゲート10の軸部16の端部が保持部17の開口部17bに入り込む位置に、保持部17が操作された位置である。保持部17がバネ18により支持ブラケット14に接近する側(
図4の上方)に付勢されていることによって、保持部17はバネ18により第1位置B11に付勢されている。
【0056】
第1位置B11の保持部17の開口部17bに、リヤゲート10の軸部16が入り込んでいることにより、リヤゲート10が起立位置A11及び開放位置A12,A13に操作されても、リヤゲート10の軸部16が支持ブラケット14の凹部14aから上方に離脱することはない。
【0057】
(リヤゲートの取り外し操作)
作業者は、リヤゲート10をフロア9から取り外す場合、
図3及び
図4から
図5に示すように、保持部17のハンドル部17cを手Hで持ち、バネ18を圧縮しながら(バネ18に抗して)、保持部17を軸芯P2に沿って支持ブラケット14から離し操作して(
図4の下方)、保持部17の開口部17bをリヤゲート10の軸部16から抜き操作する。
【0058】
次に作業者は、保持部17を、軸芯P2周りに
図5の時計方向に少し回転させ、保持部17を軸芯P2に沿って支持ブラケット14に接近操作して(
図4の上方)、保持部17の開口部17bに支持ブラケット14のピン14bを入り込ませる。この状態が、保持部17が第2位置B12に操作された状態である。
【0059】
この場合、保持部17の開口部17bに支持ブラケット14のピン14bが入り込んでいることに加えて、保持部17がバネ18により支持ブラケット14に接近する側(
図4の上方)に付勢されている。保持部17は、支持ブラケット14のピン14bとの係合、及びバネ18により第2位置B12に付勢されることにより、第2位置B12から移動することはない。
【0060】
作業者は、保持部17を第2位置B12に操作した後、固定ハンドル12の係合金具12aをサイドゲート11の係合部11bから取り外し、ワイヤ15をサイドゲート11の取付部11cから取り外して、リヤゲート10を持って上方に向けて移動させる。これにより、リヤゲート10の軸部16が支持ブラケット14の凹部14aから上方に向けて離脱するのであり、リヤゲート10がフロア9から取り外される。
【0061】
(ゲート(リヤゲート)における請求項との対応)
以上の構成により、ゲート(リヤゲート10)は、軸部16と支持部(支持ブラケット14の凹部14a)とが互いに離脱することにより、フロア9から取り外し可能である。
ゲート(リヤゲート10)が、フロア9の後部又は前部に配置され、軸部16が、ゲート(リヤゲート10)に左右方向に沿って設けられ、支持部(支持ブラケット14の凹部14a)が、フロア9に設けられ、上方に向けて開放された凹部14aである。
【0062】
軸部16が凹部14aに入り込んだ状態で、ゲート(リヤゲート10)は軸芯P1周りに揺動可能であり、軸部16が凹部14aから上方に向けて離脱することにより、ゲート(リヤゲート10)はフロア9から取り外し可能である。
【0063】
(リヤゲートの取り付け操作)
作業者は、リヤゲート10をフロア9に取り付ける場合、前述とは逆に図 から図 に示すように、リヤゲート10の軸部16を支持ブラケット14の凹部14aに上方から入り込ませる。
【0064】
作業者は、第2位置B12の保持部17のハンドル部17cを手Hで持ち、バネ18を圧縮しながら(バネ18に抗して)、保持部17を軸芯P2に沿って支持ブラケット14から離し操作して(
図4の下方)、保持部17の開口部17bを支持ブラケット14のピン14bから抜き操作する。
【0065】
作業者は、保持部17を、軸芯P2周りに
図3の反時計方向に少し回転させ、保持部17を軸芯P2に沿って支持ブラケット14に接近操作して(
図4の上方)、保持部17の開口部17bにリヤゲート10の軸部16に入り込ませて、保持部17を第1位置B11に操作する。
【0066】
(ゲート(リヤゲート)の保持部における請求項との対応)
以上の構成により、軸部16と支持部(支持ブラケット14の凹部14a)とが互いに取り付けられた状態で、軸部16と支持部(支持ブラケット14の凹部14a)との互いの離脱を阻止して、ゲート(リヤゲート10)を軸芯P1周りに揺動可能に維持する第1位置B11と、軸部16と支持部(支持ブラケット14の凹部14a)との互いの離脱を許容して、ゲート(リヤゲート10)のフロア9からの取り外しを許容する第2位置B12とに、人為的に操作可能な保持部17が備えられている。
【0067】
保持部17を第1位置B11に向けて付勢する付勢部(バネ18)が備えられている。保持部17を第2位置B12で保持可能な第2位置保持部(支持ブラケット14のピン14b)が備えられている。
【0068】
保持部17に開口部17bが設けられ、第1位置B11は、凹部14aに入り込んだ軸部16の端部が開口部17bに入り込む位置に、保持部17が操作された位置であり、第1位置B11に操作された保持部17において、軸部16と保持部17との係合により、軸部16における凹部14aから上方への離脱が阻止される。
【0069】
(サイドゲートにおける起立位置及び開放位置の概要)
図6に示すように、フロア9の床部9aの右端部及び左端部において、前支点部19が前部に設けられ、後支点部20が後部に設けられている。後述するように、サイドゲート11が、前後方向(水平方向)に沿った軸芯P3(
図3及び
図7参照)周りに揺動可能に前支点部19及び後支点部20に取り付けられ、前支点部19及び後支点部20から取り外し可能である。
【0070】
図11及び
図12に示すように、サイドゲート11は、フロア9の床部9aの右端部(左端部)から上方に向けて延出された起立位置A21と、フロア9の床部9aの右端部(左端部)から下方に向けて延出された開放位置A22とに亘って、軸芯P3周りに揺動可能である。
【0071】
図6及び
図7に示すように、係合金具22aを有する右及び左の固定ハンドル22(第2阻止部に相当)(固定部に相当)が、フロア9の前壁部9bの右部及び左部に、上下方向に沿って設けられている。サイドゲート11の前端部に、係合部11dが設けられている。
【0072】
サイドゲート11が起立位置A21に操作された状態において、固定ハンドル12の係合金具12aがサイドゲート11の係合部11bに係合されて、固定ハンドル12が固定されること、並びに、固定ハンドル22の係合金具22aがサイドゲート11の係合部11dに係合されて、固定ハンドル22が固定されることにより、サイドゲート11が起立位置A21で固定される。
【0073】
固定ハンドル12,22が操作されて、固定ハンドル12,22の係合金具12a,22aがサイドゲート11の係合部11b,11dから取り外されると、サイドゲート11は軸芯P3周りに下方に揺動可能となって、開放位置A22に操作可能となる。
【0074】
図3,6,10に示すように、右及び左のブラケット23が、フレーム13の後部に連結され、フレーム13から下方に向けて延出されている。硬質ゴム製のストッパー部24がブラケット23に取り付けられ、硬質ゴム製の当たり部11eがサイドゲート11に取り付けられている。
【0075】
前述のように、サイドゲート11が開放位置A22に操作された場合、サイドゲート11の当たり部11eがストッパー部24に当たって止まるのであり、このサイドゲート11の位置が開放位置A22(
図11及び
図12参照)である。
【0076】
(サイドゲートにおける前支点部の構成)
図6~
図9に示すように、右及び左のブラケット25が、フレーム13の前部に連結され、フレーム13から下方に向けて延出されている。
【0077】
板材が折り曲げられて構成された支点部材26が、ブラケット25の横面部に連結されている。支点部材26において、軸支持部26aが支点部材26の上部に設けられ、ピン26b(第2位置保持部に相当)が支点部材26の前部に前方に向けて連結されている。
【0078】
軸部27が、支点部材26の軸支持部26aに取り付けられ、支点部材26の軸支持部26aから前方に向けて、前後方向(水平方向)に沿って延出されている。板材が折り曲げられて構成された軸受け部材28が、ブラケット25の前面部に連結されている。
前支点部19は、ブラケット25、支点部材26、軸部27及び軸受け部材28を有しており、右及び左の前支点部19は左右対称に構成されている。
【0079】
(サイドゲートにおける後支点部の構成)
図3,4,10に示すように、板材が折り曲げられて構成された支点部材31が、ブラケット23の横面部に連結されている。支点部材31において、軸支持部31aが支点部材31の上部に設けられ、ストッパー部31b(第1阻止部に相当)が支点部材31の前部から横方に向けて延出されている。
【0080】
軸部32が、支点部材31の軸支持部31aに取り付けられ、支点部材31の軸支持部31aから前方に向けて、前後方向(水平方向)に沿って延出されている。
後支点部20は、ブラケット23、支点部材31及び軸部32を有しており、右及び左の後支点部20は左右対称に構成されている。
【0081】
(サイドゲートにおける前支点部及び後支点部に取り付けられる部分の構成)
図6~
図9に示すように、ヒンジ部材33が、サイドゲート11の下部の前部に連結され、サイドゲート11の下部の前部から横方に向けて延出されている。ヒンジ部材33の端部が折り曲げられることにより、円筒状のボス部33a(支持部に相当)が、前後方向(水平方向)に沿ってヒンジ部材33の端部に設けられている。
【0082】
図3,4,6,10に示すように、ヒンジ部材34が、サイドゲート11の下部の後部に連結され、サイドゲート11の下部の後部から横方に向けて延出されている。ヒンジ部材34の端部が折り曲げられることにより、円筒状のボス部34a(支持部に相当)が、前後方向(水平方向)に沿ってヒンジ部材34の端部に設けられている。
【0083】
図6に示すように、サイドゲート11のヒンジ部材33のボス部33aが、前支点部19の軸部27に前方から入り込むようにして、サイドゲート11のヒンジ部材33が前支点部19に取り付けられる。サイドゲート11のヒンジ部材34のボス部34aが、後支点部20の軸部32に前方から入り込むようにして、サイドゲート11のヒンジ部材34が後支点部20に取り付けられる。
【0084】
これにより、
図11及び
図12に示すように、サイドゲート11が、前後方向(水平方向)に沿った軸部27,32(軸芯P3)周りに、起立位置A21と開放位置A22とに亘って揺動可能に、前支点部19及び後支点部20に取り付けられる。
【0085】
(ゲート(サイドゲート)における請求項との対応)
以上の構成により、フロア9及びゲート(サイドゲート11)のうちの一方に設けられた軸部27,32と、フロア9及びゲート(サイドゲート11)のうちの他方に設けられた支持部(ヒンジ部材33,34のボス部33a,34a)とが備えられている。
【0086】
ゲート(サイドゲート11)は、軸部27,32と支持部(ヒンジ部材33,34のボス部33a,34a)とが互いに取り付けられた状態で、軸部27,32及び支持部(ヒンジ部材33,34のボス部33a,34a)の水平方向に沿った軸芯P3周りに、フロア9から上方に向けて延出された起立位置A21と、フロア9から下方に向けて延出された開放位置A22とに亘って揺動可能である。
【0087】
(サイドゲートにおける保持部の構成)
図6~
図9に示すように、右及び左の保持部29が、前支点部19に取り付けられている。保持部29は、細長い平板状の本体部29aと、本体部29aに設けられた開口部29bと、本体部29aに連結されたハンドル部29cとを有しており、右及び左の保持部29は左右対称に構成されている。
【0088】
保持部29のハンドル部29cは、アングル状に折り曲げられて、保持部29の本体部29aから前側及び後側に出るように、保持部29の本体部29aに連結されており、保持部29のハンドル部29cが軸受け部材28の開口部に挿入されている。
【0089】
作業者は、保持部29のハンドル部29cを手Hで持つことにより、保持部29を、前支点部19に対して前後方向に沿った軸芯P4周りに揺動操作可能であり、軸芯P4に沿って前後方向に移動操作可能である。
【0090】
保持部29のハンドル部29cの端部と軸受け部材28との間に、自由長よりも圧縮されたバネ30(付勢部に相当)が取り付けられており、保持部29(本体部29a)が、バネ30により前支点部19に接近する側(
図8の右方)に付勢されている。
【0091】
図7,8,9に示す状態は、保持部29が第1位置B21に操作された状態である。第1位置B21は、サイドゲート11のヒンジ部材33のボス部33aに前支点部19の軸部27が入り込んだ状態で、前支点部19の軸部27の端部が保持部29の開口部29bに入り込む位置に、保持部29が操作された位置である。保持部29がバネ30により前支点部19に接近する側(
図8の右方)に付勢されていることによって、保持部29はバネ30により第1位置B21に付勢されている。
【0092】
第1位置B21の保持部29の開口部29bに、前支点部19の軸部27が入り込んでいることにより、サイドゲート11がフロア9に対して前方に移動しようとしても、サイドゲート11のヒンジ部材33のボス部33aが保持部29に当たる。これにより、サイドゲート11のヒンジ部材33,34のボス部33a,34aが前支点部19及び後支点部20の軸部27,32から前方に離脱することはない。
【0093】
(サイドゲートの取り外し操作)(その1)
作業者は、サイドゲート11をフロア9から取り外す場合に、
図8及び
図9に示すように、保持部29のハンドル部29cを手Hで持ち、バネ30を圧縮しながら(バネ30に抗して)、保持部29を軸芯P4に沿って前支点部19から離し操作し(
図8の左方)、保持部29の開口部29bを前支点部19の軸部27から抜き操作する。
【0094】
次に作業者は、保持部29を、軸芯P4周りに
図9の時計方向に少し回転させ、保持部29を軸芯P4に沿って前支点部19に接近操作して(
図8の右方)、保持部29の開口部29bに支点部材26のピン26bを入り込ませる。この状態が、保持部29が第2位置B22に操作された状態である。
【0095】
この場合、保持部29の開口部29bに支点部材26のピン26bが入り込んでいることに加えて、保持部29がバネ30により前支点部19に接近する側(
図8の右方)に付勢されている。保持部29は、支点部材26のピン26bとの係合、及びバネ30により第2位置B22に付勢されていることにより、第2位置B22から移動することはない。
【0096】
作業者は、保持部29を第2位置B22に操作した後、
図2及び
図3に示す固定ハンドル12の係合金具12aを、サイドゲート11の係合部11bから取り外す。
図6及び
図7に示す固定ハンドル22の係合金具22aを、サイドゲート11の係合部11dから取り外して、フロア9の前壁部9bの係合部9cに取り付ける。
図3及び
図5に示すワイヤ15をサイドゲート11の取付部11cから取り外す。
【0097】
作業者は、サイドゲート11を後述する範囲C2(
図11及び
図12参照)に位置させた状態で、サイドゲート11を前方に向けて移動させて、サイドゲート11のヒンジ部材33,34のボス部33a,34aを前支点部19及び後支点部20の軸部27,32から前方に離脱させて、サイドゲート11をフロア9から取り外すことができる。
【0098】
(ゲート(サイドゲート)における請求項との対応)
以上の構成により、ゲート(サイドゲート11)は、軸部27,32と支持部(サイドゲート11のヒンジ部材33,34のボス部33a,34a)とが互いに離脱することにより、フロア9から取り外し可能である。
【0099】
ゲート(サイドゲート11)が、フロア9の横部に配置され、軸部27,32が、フロア9に前後方向に沿って設けられ、支持部が、ゲート(サイドゲート11)に前後方向に沿って設けられたボス部33a,34aである。
【0100】
軸部27,32がボス部33a,34aに入り込んだ状態で、ゲート(サイドゲート11)は軸芯P3周りに揺動可能であり、ボス部33a,34aが軸部27,32から前方又は後方に向けて離脱することにより、ゲート(サイドゲート11)はフロア9から取り外し可能である。
【0101】
(サイドゲートの取り外し操作)(その2)
図11及び
図12に示すように、開放位置A22から所定の角度だけ上側に位置する下中間位置A24が設定されている。起立位置A21から所定の角度だけ下側に位置し、下中間位置A24よりも上側に位置する上中間位置A23が設定されている。
【0102】
サイドゲート11が起立位置A21と上中間位置A23との間の範囲C1に位置した状態において、作業者がサイドゲート11を前方に移動させようとした場合、サイドゲート11の前端部が固定ハンドル22に当たる。
【0103】
サイドゲート11が開放位置A22と下中間位置A24との間の範囲C3に位置した状態において、作業者がサイドゲート11を前方に移動させようとした場合、サイドゲート11のヒンジ部材34が後支点部20の支点部材31のストッパー部31bに当たる。
【0104】
サイドゲート11が範囲C1及び範囲C3に位置した状態では、作業者は、サイドゲート11を前方に移動させることができず、サイドゲート11のヒンジ部材33,34のボス部33a,34aを前支点部19及び後支点部20の軸部27,32から前方に離脱させることができない。
【0105】
サイドゲート11が上中間位置A23と下中間位置A24との間の範囲C2に位置した状態において、作業者がサイドゲート11を前方に移動させようとした場合、サイドゲート11の前端部が固定ハンドル22に当たることはなく、サイドゲート11のヒンジ部材34が後支点部20の支点部材31のストッパー部31bに当たることはない。
【0106】
サイドゲート11が範囲C2に位置した状態において、作業者は、サイドゲート11を前方に移動させることができ、サイドゲート11のヒンジ部材33,34のボス部33a,34aを、前支点部19及び後支点部20の軸部27,32から前方に離脱させることができて、サイドゲート11をフロア9から取り外すことができる。
【0107】
(ゲート(サイドゲート)における請求項との対応)
以上の構成により、開放位置A22から所定の角度だけ上側に位置する下中間位置A24が設定されている。
保持部29が第2位置B22に操作され、ゲート(サイドゲート11)が開放位置A22と下中間位置A24との間に位置した状態において、ボス部33a,34aにおける軸部27,32から前方又は後方への離脱を阻止する第1阻止部(ストッパー部31b)が備えられている。
【0108】
起立位置A21から所定の角度だけ下側に位置し、下中間位置A24よりも上側に位置する上中間位置A23が設定されている。
保持部29が第2位置B22に操作され、ゲート(サイドゲート11)が起立位置A21と上中間位置A23との間に位置した状態において、ボス部33a,34aにおける軸部27,32から前方又は後方への離脱を阻止する第2阻止部(固定ハンドル22)が備えられている。
第2阻止部が、ゲート(サイドゲート11)を起立位置A21で固定及び固定解除可能で、人為的に操作される固定部(固定ハンドル22)である。
【0109】
(サイドゲートの取り付け操作)
作業者は、サイドゲート11をフロア9に取り付ける場合、前述とは逆に
図6,11,12に示すように、サイドゲート11を範囲C2に位置させた状態で後方に移動させて、サイドゲート11のヒンジ部材33,34のボス部33a,34aに、前支点部19及び後支点部20の軸部27,32を前方から入り込ませる。
【0110】
図8及び
図9に示すように、作業者は、第2位置B22の保持部29のハンドル部29cを手Hで持ち、バネ30を圧縮しながら(バネ30に抗して)、保持部29を軸芯P4に沿って前支点部19から離し操作して(
図8の左方)、保持部29の開口部29bを前支点部19の支点部材26のピン26bから抜き操作する。
【0111】
作業者は、保持部29を、軸芯P4周りに
図9の反時計方向に少し回転させ、保持部29を軸芯P4に沿って前支点部19に接近操作して(
図8の右方)、保持部29の開口部29bに前支点部19の軸部27に入り込ませて、保持部29を第1位置B21に操作する。
【0112】
(ゲート(サイドゲート)の保持部における請求項との対応)
以上の構成により、軸部27,32と支持部(ヒンジ部材33,34のボス部33a,34a)とが互いに取り付けられた状態で、軸部27,32と支持部(ヒンジ部材33,34のボス部33a,34a)との互いの離脱を阻止して、ゲート(サイドゲート11)を軸芯P3周りに揺動可能に維持する第1位置B21と、軸部27,32と支持部(ヒンジ部材33,34のボス部33a,34a)との互いの離脱を許容して、ゲート(サイドゲート11)のフロア9からの取り外しを許容する第2位置B22とに、人為的に操作可能な保持部29が備えられている。
【0113】
保持部29を第1位置B21に向けて付勢する付勢部(バネ30)が備えられている。保持部29を第2位置B22で保持可能な第2位置保持部(支点部材26のピン26b)が備えられている。
【0114】
保持部29に開口部29bが設けられ、第1位置B21は、ボス部33a,34aに入り込んだ軸部27,32の端部が開口部29bに入り込む位置に、保持部29が操作された位置であり、第1位置B21に操作された保持部29において、ボス部33a,34aと保持部29との係合により、ボス部33a,34aにおける軸部27,32から前方又は後方への離脱が阻止される。
【0115】
(発明の実施の第1別形態)
リヤゲート10において、軸部16をフロア9に設け、凹部14a(支持部)をリヤゲート10に設けてもよい。
この構成によると、凹部14aは、下方に向けて開放された姿勢で、リヤゲート10に設けられる。
【0116】
(発明の実施の第2別形態)
リヤゲート10において、
図6~
図10に示すサイドゲート11の保持部29、前支点部19及び後支点部20等の構成を採用してもよい。
この構成によると、リヤゲート10は、右方又は左方に移動操作されることにより、フロア9から取り外される。この場合に、リヤゲート10が範囲C1,C3に位置していても、リヤゲート10が、右方又は左方に移動可能で、フロア9から取り外されるように構成してもよい。
【0117】
(発明の実施の第3別形態)
サイドゲート11において、軸部27,32をサイドゲート11に設け、ボス部33a,34a(支持部)をフロア9に設けてもよい。
【0118】
(発明の実施の第4別形態)
サイドゲート11が範囲C1に位置していても、サイドゲート11が、起立位置A21から前方に移動可能で、フロア9から取り外されるように構成してもよい。
サイドゲート11が後方に移動操作されることにより、サイドゲート11のヒンジ部材33,34のボス部33a,34aが、前支点部19及び後支点部20の軸部27,32から離脱し、サイドゲート11がフロア9から取り外されるように構成してもよい。
サイドゲート11において、
図3,4,5に示すリヤゲート10の保持部17及び支持ブラケット14等の構成を採用してもよい。
【0119】
(発明の実施の第5別形態)
サイドゲート11が、フロア9に連結されて、フロア9から取り外しできないように構成されてもよい。
この構成において、
図3,4,5に示すリヤゲート10の保持部17及び支持ブラケット14等の構成を、リヤゲート10に採用してもよい。
図6~
図10に示すサイドゲート11の保持部29、前支点部19及び後支点部20等の構成を、リヤゲート10に採用してもよい。
【0120】
(発明の実施の第6別形態)
作業車において、荷台8が機体3の前部に設けられ、機体3の操縦部が機体3の後部に設けられてもよい。この構成によると、フロントゲート(ゲートに相当)(図示せず)が荷台8(フロア9)の前部に配置される。
前輪1及び後輪2に代えて、クローラ型式の走行装置(図示せず)が、機体3に設けられてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0121】
本発明は、機体に荷台が設けられた作業車に適用できる。
【符号の説明】
【0122】
1 前輪(走行装置)
2 後輪(走行装置)
3 機体
8 荷台
9 フロア
10 リヤゲート(ゲート)
11 サイドゲート(ゲート)
14a 凹部(支持部)
14b ピン(第2位置保持部)
16 軸部
17 保持部
17b 開口部
18 バネ(付勢部)
22 固定ハンドル(固定部)(第2阻止部)
26b ピン(第2位置保持部)
27 軸部
29 保持部
29b 開口部
30 バネ(付勢部)
31b ストッパー部(第1阻止部)
32 軸部
33a ボス部(支持部)
34a ボス部(支持部)
A11 起立位置
A12 開放位置
A13 開放位置
A21 起立位置
A22 開放位置
A23 上中間位置
A24 下中間位置
B11 第1位置
B12 第2位置
B21 第1位置
B22 第2位置
P1 軸芯
P3 軸芯