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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157850
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】車両用発光ユニット、車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 43/239 20180101AFI20241031BHJP
   F21S 43/14 20180101ALI20241031BHJP
   F21S 43/16 20180101ALI20241031BHJP
   F21S 43/249 20180101ALI20241031BHJP
   F21S 43/251 20180101ALI20241031BHJP
   F21V 8/00 20060101ALI20241031BHJP
   F21S 43/242 20180101ALI20241031BHJP
   F21W 103/10 20180101ALN20241031BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20241031BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20241031BHJP
   F21W 105/00 20180101ALN20241031BHJP
【FI】
F21S43/239
F21S43/14
F21S43/16
F21S43/249
F21S43/251
F21V8/00 340
F21S43/242
F21W103:10
F21Y115:10
F21Y115:30
F21W105:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072464
(22)【出願日】2023-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000121
【氏名又は名称】IAT弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】池之上 翔
【テーマコード(参考)】
3K244
【Fターム(参考)】
3K244AA09
3K244BA26
3K244BA48
3K244CA03
3K244DA01
3K244DA02
3K244DA13
3K244EA06
3K244EA17
3K244EB02
3K244ED01
3K244ED12
3K244ED22
(57)【要約】
【課題】励起光を効率良く利用することができ、しかも、覆い隠す範囲を狭く(小さく)してデザインの自由度を向上させることができる車両用発光ユニット、車両用灯具を提供することにある。
【解決手段】この発明は、導光部材4を、光源部2と光変換パネル3との間を渡った状態で配置したものである。この結果、この発明は、光源部2からの励起光L1を、導光部材4を介して、光変換パネル3側に出射させることができ、励起光L1を効率良く利用することができる。しかも、この発明は、導光部材4の第2部分42の上下方向の寸法である板厚の寸法T1が、光源部2と導光部材4の第1部分41との上下の配置方向の寸法T2に対して小さい。この結果、この発明は、光変換パネル3のデザインの自由度を向上させることができる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
励起光を出射する光源部と、
前記光源部と間を空けて配置されていて、前記励起光を2次光に変換して前記2次光を出射させる光変換パネルと、
前記光源部と前記光変換パネルとの間を渡った状態で配置されていて、前記光源部からの前記励起光を前記光変換パネル側に一方向に導く導光部材と、
を備え、
前記導光部材は、
前記光源部側に配置されていて、前記光源部からの前記励起光を入射させる第1部分と、
前記第1部分から前記光変換パネル側に前記一方向に延長されて設けられていて、前記第1部分からの前記励起光を出射させる第2部分と、
を有し、
前記第2部分の前記一方向に対して交差する交差方向の寸法は、前記光源部と前記第1部分との配置方向の寸法に対して小さい、
ことを特徴とする車両用発光ユニット。
【請求項2】
前記第1部分は、
前記光源部からの前記励起光を入射させる入射面と、
前記入射面からの前記励起光を前記第2部分に前記一方向に反射させる複合1次反射面と、
を有し、
前記第2部分は、
前記複合1次反射面からの前記励起光を前記交差方向に反射させる2次反射面と、
前記2次反射面からの前記励起光を前記光変換パネルに出射させる出射面と、
を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用発光ユニット。
【請求項3】
前記第2部分は、前記交差方向を板厚とする板形状をなす、
ことを特徴とする請求項2に記載の車両用発光ユニット。
【請求項4】
前記光変換パネルは、前記2次光により発光する発光面を有し、
前記2次反射面は、縦横に、複数個分割されていて、
複数個の前記2次反射面で反射され、前記出射面から出射された前記励起光の範囲は、前記光変換パネルの前記発光面の範囲と合致する、
ことを特徴とする請求項2に記載の車両用発光ユニット。
【請求項5】
空間を形成するランプハウジングおよびランプレンズと、
前記空間内に配置されている請求項1から4のいずれか1項に記載の車両用発光ユニットと、
を備え、
前記車両用発光ユニットの前記導光部材の前記第2部分と前記ランプレンズとの間には、遮蔽部品が配置されている、
ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項6】
前記車両用発光ユニットの前記光源部および前記導光部材の前記第1部分と前記ランプレンズとの間には、遮蔽部材が配置されている、
ことを特徴とする請求項5に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両用発光ユニット、車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
励起光により励起して発光する2次光(ルミネセンス)を利用する車両用発光ユニット、車両用灯具としては、たとえば、特許文献1に示すものがある。
【0003】
以下、特許文献1の車両用灯具の構成について説明する。特許文献1の車両用灯具は、励起光源と、光変換部材と、を備え、励起光源から出射した励起光(例えば、青色光)を光変換部材に照射し、光変換部材で励起光を2次光(例えば、赤色光)に変換し、2次光を出射するものである。特許文献1の車両用灯具は、例えば、テールランプであって、2次光は、例えば、テールランプの配光パターンとして車両の外部に出射する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-108237号公報
【特許文献2】特開2022-079422号公報
【特許文献3】特開2022-079423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の車両用灯具は、励起光源から出射した励起光を光変換部材に直接照射するものであるから、励起光源と光変換部材との相対位置関係により、励起光源からの励起光の一部しか光変換部材に照射されず、励起光源からの励起光を効率良く利用していない。
【0006】
そこで、特許文献2の車両用灯具および特許文献3の車両用灯具のように、励起光源と光変換部材との間にコリメーター部材を配置させて、励起光源からの励起光をコリメーター部材を介して光変換部材に効率良く照射する車両用灯具が出願されている。
【0007】
しかしながら、特許文献2の車両用灯具および特許文献3の車両用灯具は、励起光源と共にコリメーターを車両の外部から見えないように覆い隠す必要がある場合、覆い隠す範囲(面積)が励起光源のみを覆い隠す場合と比較して広く(大きく)なり、光変換部材のデザインの自由度が損なわれる場合がある。
【0008】
この発明は、励起光を効率良く利用することができ、しかも、覆い隠す範囲を狭く(小さく)して光変換パネルのデザインの自由度を向上させることができる車両用発光ユニット、車両用灯具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の第1の観点の車両用発光ユニットは、前記の課題を解決するため、励起光を出射する光源部と、前記光源部と間を空けて配置されていて、前記励起光を2次光に変換して前記2次光を出射させる光変換パネルと、前記光源部と前記光変換パネルとの間を渡った状態で配置されていて、前記光源部からの前記励起光を前記光変換パネル側に一方向に導く導光部材と、を備え、前記導光部材は、前記光源部側に配置されていて、前記光源部からの前記励起光を入射させる第1部分と、前記第1部分から前記光変換パネル側に前記一方向に延長されて設けられていて、前記第1部分からの前記励起光を出射させる第2部分と、を有し、前記第2部分の前記一方向に対して交差する交差方向の寸法は、前記光源部と前記第1部分との配置方向の寸法に対して小さい、ことを特徴とする。
【0010】
この発明の車両用発光ユニットにおいて、前記第1部分は、前記光源部からの前記励起光を入射させる入射面と、前記入射面からの前記励起光を前記第2部分に前記一方向に反射させる複合1次反射面と、を有し、前記第2部分は、前記複合1次反射面からの前記励起光を前記交差方向に反射させる2次反射面と、前記2次反射面からの前記励起光を前記光変換パネルに出射させる出射面と、を有する、ことが好ましい。
【0011】
この発明の車両用発光ユニットにおいて、前記第2部分は、前記交差方向を板厚とする板形状をなす、ことが好ましい。
【0012】
この発明の車両用発光ユニットにおいて、前記光変換パネルは、前記2次光により発光する発光面を有し、前記2次反射面は、縦横に、複数個分割されていて、複数個の前記2次反射面で反射され、前記出射面から出射された前記励起光の範囲は、前記光変換パネルの前記発光面の範囲と合致する、ことが好ましい。
【0013】
また、この発明の第1の観点の車両用灯具は、前記の課題を解決するため、空間を形成するランプハウジングおよびランプレンズと、前記空間内に配置されているこの発明の車両用発光ユニットと、を備え、前記車両用発光ユニットの導光部材の第2部分と前記ランプレンズとの間には、遮蔽部品が配置されている、ことを特徴とする。
【0014】
この発明の車両用灯具において、前記車両用発光ユニットの光源部および前記導光部材の第1部分と前記ランプレンズとの間には、遮蔽部材が配置されている、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
この発明の車両用発光ユニット、車両用灯具は、励起光を効率良く利用することができ、しかも、覆い隠す範囲を狭く(小さく)してデザインの自由度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、この発明にかかる車両用発光ユニット、車両用灯具の実施形態を示す縦断面図である。
図2図2は、車両用発光ユニットの導光部材を示す平面図(図1におけるII-II線矢視図)である。
図3図3は、車両用発光ユニットの光変換パネルを示す平面図(図1におけるIII-III線矢視図)である。
図4図4は、車両用発光ユニットの導光部材および光変換パネルを示す正面図(図1におけるIV-IV線矢視図)である。
図5図5は、車両用発光ユニットを示す縦断面図(図2におけるV-V線断面図)である。
図6図6は、車両用発光ユニットを示す縦断面図(図2におけるVI-VI線断面図)である。
図7図7は、導光部材の2次反射面において反射された励起光の出射範囲と光変換パネルの発光面の範囲との相対位置関係を示す説明図である。図7(A)は、図2におけるVIIA-VIIA線断面説明図である。図7(B)は、図2におけるVIIB-VIIB線断面説明図である。図7(C)は、図2におけるVIIC-VIIC線断面説明図である。
図8図8は、車両用発光ユニットの導光部材の2次反射面における励起光の反射光路を示す説明図である。
図9図9は、車両用発光ユニットの導光部材の2次反射面を示す一部斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明にかかる車両用発光ユニットの実施形態(実施例)の1例、および、この発明にかかる車両用灯具の実施形態(実施例)の1例を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0018】
この明細書において、前、後、上、下、左、右は、この発明にかかる車両用発光ユニット、車両用灯具が車両に搭載された車両搭載状態における前、後、上、下、左、右である。また、前後、上下、左右の各方向は、車両用発光ユニット、車両用灯具が車両に搭載された車両搭載状態における方向であって、運転席から車両の進行方向を見た場合における方向を示す。前後方向は、車両の進行方向(前進方向および後退方向)であり、上下方向は、鉛直方向に平行であり、左右方向は、水平方向である。正面方向および背面方向において、車両用発光ユニット、車両用灯具から光が出射される方向を正面方向とし、正面方向の反対方向を背面方向とする。
【0019】
なお、図面は、この発明にかかる車両用発光ユニット、車両用灯具を示す概略図であるから、この発明にかかる車両用発光ユニット、車両用灯具の主要部品を図示し、主要部品以外の部品の図示を省略する。また、ハッチングの一部が省略されている。さらに、図1から図6において、符号「F」は「前」、「B」は「後」、「U」は上、「D」は「下」、「L」は「左」、「R」は「右」である。
【0020】
(実施形態の構成の説明)
以下、この実施形態にかかる車両用発光ユニット、車両用灯具の構成について説明する。
【0021】
(車両用灯具100の説明)
図1中、符号100は、この実施形態にかかる車両用灯具である。車両用灯具100は、この例では、リアコンビネーションランプであって、車両(図示せず)の後部の左右両側にそれぞれ取り付けられていて、光を車両の後方向に出射させる。したがって、この実施形態においては、正面方向が後方向であり、背面方向が前方向である。
【0022】
図1に示されている車両用灯具100は、車両の後部の左側に装備されている左側の車両用灯具100である。以下、左側の車両用灯具100について説明する。なお、車両の後部の右側に装備されている右側の車両用灯具(図示せず)は、左側の車両用灯具100の構成を左右反転させたものであるから、説明を省略する。
【0023】
車両用灯具100は、図1に示すように、アウターハウジング(ランプハウジング)101と、アウターレンズ(ランプレンズ)102と、車両用灯具ユニット、この例では、信号灯としてのテールランプユニット100Uと、その他のランプユニット(図示せず)と、を備える。
【0024】
アウターハウジング101は、光不透過性の部材(樹脂部材など)から構成されている。アウターレンズ102は、光透過性の部材(樹脂部材など)から構成されている。アウターハウジング101とアウターレンズ102とは、相互に固定されていて、アウターハウジング101とアウターレンズ102との内部には、空間すなわち灯具空間103が形成されている。
【0025】
アウターレンズ102は、この例では、無色の素通しのアウターカバーなどである。なお、アウターレンズ102は、赤レンズであっても良い。アウターレンズ102は、内側(灯具空間103側)から外側(灯具空間103に対して反対側)に突出した湾曲形状をなす。アウターレンズ102は、上から下にかけて、前から後に傾斜している。
【0026】
灯具空間103内の上下方向の中央部分には、前記のテールランプユニット100Uが配置されている。また、灯具空間103内には、前記のその他のランプユニットが配置されている。その他のランプユニットは、ストップランプ、テール・ストップランプ、ターンシグナルランプ、バックアップランプやテールフォグランプなどの信号灯や照明灯である。
【0027】
(テールランプユニット100Uの説明)
テールランプユニット100Uは、図1に示すように、インナーハウジング(ランプハウジング)101Uと、インナーレンズ(ランプレンズ)102Uと、この実施形態にかかる車両用発光ユニット1と、を備える。
【0028】
インナーハウジング101Uは、光不透過性の部材(樹脂部材など)から構成されている。インナーレンズ102Uは、この例では、赤レンズから構成されていて、PMMA、PCなどの光透過性の樹脂部材から構成されている。インナーハウジング101Uとインナーレンズ102Uとは、相互に固定されていて、インナーハウジング101Uとインナーレンズ102Uとの内部には、空間すなわち灯具ユニット空間103Uが形成されている。
【0029】
インナーハウジング101Uは、アウターハウジング101に、取付部材104を介して取り付けられている。なお、インナーハウジング101Uは、アウターハウジング101に直接取り付けられていても良い。インナーハウジング101Uとアウターハウジング101との上側、下側、前側には、間(灯具空間103)が空いている。インナーハウジング101Uの後側の垂直壁には、透孔104Uが設けられている。これにより、灯具空間103内と灯具ユニット空間103U内とは、連通している。
【0030】
インナーレンズ102Uは、アウターレンズ102に対向して配置されている。すなわち、インナーレンズ102Uとアウターレンズ102とは、相互に近接していて平行もしくはほぼ平行に向き合っている。インナーレンズ102Uは、アウターレンズ102と同様に、内側(灯具ユニット空間103U側)から外側(灯具ユニット空間103Uに対して反対側)に突出した湾曲形状をなす。インナーレンズ102Uは、上から下にかけて、前から後に傾斜している。
【0031】
インナーレンズ102Uおよびアウターレンズ102は、車両用発光ユニット1から出射された2次光L2を外部(灯具ユニット空間103Uおよび灯具空間103の外側)に出射させる。なお、インナーレンズ102Uは、アウターレンズ102が赤レンズである場合においては、赤レンズでなくとも良い。また、インナーレンズ102Uとアウターレンズ102とが双方共赤レンズであっても良い。インナーレンズ102Uまたはアウターレンズ102の少なくともいずれか一方の赤色のレンズは、赤色光の2次光L2を透過し、赤色光(2次光L2)とは異なる光を吸収する。したがって、外部の光に含まれる後記の励起光L1成分が赤色のレンズによって吸収される。なお、インナーレンズ102Uおよびアウターレンズ102の正面視形状(車両の後側から前側を見た形状)は、図示されていないが、上下方向の幅(上下幅)が小さく(狭く)、左右方向の幅(左右幅)が大きい(広い)。
【0032】
(車両用発光ユニット1の説明)
車両用発光ユニット1は、図1に示すように、空間としての灯具ユニット空間103Uおよび灯具空間103内に配置されている。車両用発光ユニット1は、光源部2と、光変換パネル3と、導光部材4と、遮蔽部品5と、を備える。
【0033】
(光源部2の説明)
光源部2は、励起光L1を出射する。光源部2は、図1図2図5および図6に示すように、光源20と、基板21と、を有する。
【0034】
光源20は、図1に示すように、インナーハウジング101Uとアウターハウジング101との前側の灯具空間103内に配置されている。また、光源20は、図2に示すように、左右に3個配置されている。なお、光源20の個数は、特に限定しない。光源20は、励起光源であって、この例では、青色LEDである。光源20の一面(下面)は、基板21の一面(上面)に実装されている。光源20の他面(上面)は、出射面22である。出射面22の中心を通り、かつ、出射面22に対して垂直な線を光源軸Zとする。
【0035】
光源20は、主波長が約350nmから約500nmまでの範囲の励起光L1を、出射面22から導光部材4の後記の入射面40に向けて出射する。なお、光源20としては、青色LED以外の光源、たとえば、LD(半導体レーザー)などを使用しても良い。また、励起光L1は、この例では、主波長が約450nmの青色光である。さらに、出射面22から出射される励起光L1の指向角は、例えば、180°と、広い。
【0036】
基板21は、光不透過性でかつ熱伝導率が高い部材(樹脂部材または金属部材など)から構成されている。基板21は、アウターハウジング101またはインナーハウジング101Uのうち少なくともいずれか一方に取り付けられている。基板21は、この例では、3個の光源20が実装されている1枚の基板21から構成されている。なお、基板21は、1個の光源20が実装されている1枚の基板21から構成されているものであっても良い。基板21の枚数は、光源20の個数と同様に、限定されない。
【0037】
(光変換パネル3の説明)
光変換パネル3は、図1から図5に示すように、光源部2と、前後方向において、間を空けて配置されている。すなわち、光変換パネル3は、光源部2に対して、後側の灯具ユニット空間103U内に配置されている。光変換パネル3は、光源部2から出射された励起光L1を2次光L2に変換して、その2次光L2を出射させる。
【0038】
光変換パネル3は、インナーハウジング101Uに取付部材(図示せず)を介して、または、直接、取り付けられている。光変換パネル3の正面(インナーレンズ102Uおよびアウターレンズ102に対向している面)は、上側に向いた状態で傾斜している。光変換パネル3の正面は、2次光L2により発光する発光面30を形成する。
【0039】
光変換パネル3の正面の発光面30は、任意の形状の意匠面からなる。光変換パネル3の発光面30の平面視形状(車両の上側から下側を見た形状)は、図3に示す形状をなす。また、光変換パネル3の発光面30の正面視形状は、図4に示す形状をなす。さらに、光変換パネル3の発光面30の断面形状は、図7(A)(B)(C)に示す形状をなす。これにより、光変換パネル3の発光面30は、前後方向、上下方向および左右方向(3次元方向)に任意に変化する意匠面を形成する。なお、図7中の符号「BP」は、光変換パネル3および導光部材4の最も車両の後側に位置する端(以下、「最後端」と称する)を示す。
【0040】
光変換パネル3は、保持部材31と、光変換層32と、を有する。保持部材31は、薄い板形状をなしている。保持部材31は、この例では、励起光L1を反射させる部材からなる。また、保持部材31は、光変換層32を直接形成する時の熱などの影響を受けたりして変形したりすることがない部材、例えば、ガラスや樹脂部材からなる。保持部材31の厚さは、励起光L1の減衰との相対関係に基づいて決定されていて、特に、限定しない。
【0041】
光変換層32は、保持部材31の正面に直接形成されている。これにより、光変換層32は、保持部材31に保持されている。光変換層32は、導光部材4から出射した励起光L1および保持部材31から反射した励起光L1を2次光L2に変換して2次光L2を正面からインナーレンズ102Uおよびアウターレンズ102側に出射させる。光変換層32の正面は、発光面30を形成する。
【0042】
光変換層32は、有機発光材料、または、無機発光材料のいずれでも良い。すなわち、光変換層32の材料は、有機蛍光体材料、有機燐光体材料または無機蛍光体材料のうち、少なくとも1つからなる。光変換層32の厚さは、励起光L1から2次光L2への変換との相対関係に基づいて決定されていて、特に、限定しない。
【0043】
(導光部材4の説明)
導光部材4は、光透過性の部材(樹脂部材など)であって、この例では、アクリル樹脂やPC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル、メタクリル樹脂)などの無色透明樹脂材からなる。導光部材4は、レンズ部材であって、いわゆる、ライトガイドである。
【0044】
導光部材4は、図1および図5に示すように、インナーハウジング101Uの透孔104Uを通して、前側の灯具空間103内および後側の灯具ユニット空間103U内に配置されている。これにより、導光部材4は、前側の光源部2と後側の光変換パネル3との間を、前後方向に、かつ、上側において、渡った状態(跨いだ状態)で配置されている。導光部材4は、光源部2からの励起光L1を光変換パネル3側に、一方向、この例では、車両の前側から後側への方向(後方向)に導く。導光部材4は、図1図2図4から図7および図9に示すように、第1部分41と、第2部分42と、を有する。なお、この例において、第1部分41と第2部分42と境界線BLは、図2および図5中の二点鎖線にて示す。この第1部分41と第2部分42との境界線は、この例に限定されない。
【0045】
(第1部分41の説明)
第1部分41は、光源部2側に配置されている。第1部分41は、導光部材4のうち、光源部2の上側に配置されている部分である。第1部分41は、光源部2からの励起光L1を入射させる。第1部分41は、入射面と、複合1次反射面と、を有する。
【0046】
入射面は、第1入射面411と、第2入射面412と、を有する。第1入射面411は、図1図5および図6に示すように、第1入射面411は、光源部2からの励起光L1(出射面22の中心を点(角の頂点)とする立体角が約70°~80°の励起光L1)を、平行もしくはほぼ平行な第1入射光L11(入射光の一部)として、屈折入射させる面、すなわち、コリメーターである。第1入射光L11は、光源軸Zと平行もしくはほぼ平行である。第1入射面411は、光源部2の出射面22に対向して設けられている。第1入射面411は、出射面22の中心もしくはその近傍を焦点とする双曲線を、双曲線の主軸(光源軸Z)を回転軸として回転させてなる回転双曲面の屈折面である。
【0047】
第2入射面412は、図1図5および図6に示すように、光源部2からの励起光L1(出射面22の中心を点(角の頂点)とする立体角が約70°~80°から約180°までの間の励起光L1)を、第2入射光L12(入射光の一部)として、屈折入射させる面である。第2入射面412は、第1入射面411の外周側部であって、光源部2の出射面22に対向して設けられている。第2入射面412は、直線もしくは曲線を、光源軸Zを回転軸として回転させてなる回転面の屈折面である。第2入射面412は、光源軸Z方向に対して、少なくとも、導光部材4の成形金型(図示せず)の抜き勾配(図示せず)分傾斜してなる屈折面である。
【0048】
複合1次反射面は、第1反射面413と、3分割の第2反射面414B、414L、414Rと、左側第3反射面415Lおよび右側第3反射面415Rと、を有する。また、3分割の第2反射面414B、414L、414Rは、後側第2反射面414Bと、左側第2反射面414Lと、右側第2反射面414Rと、を有する。
【0049】
第1反射面413は、図5および図6に示すように、第2入射面412から入射した第2入射光L12を、光源軸Zと平行もしくはほぼ平行な第1反射光L13として、全反射させる面、すなわち、コリメーターである。第1反射面413は、光源部2の出射面22の中心もしくはその近傍を焦点とする放物線を、光源軸Zを回転軸として回転させてなる回転放物面である。または、第1反射面413は、前記の放物線に倣った直線を、光源軸Zを回転軸として回転させてなる回転面の反射面である。
【0050】
後側第2反射面414Bは、図5に示すように、第1入射面411からの第1入射光L11の一部および第1反射面413からの第1反射光L13の一部を、光源軸Zに対して垂直の平行もしくはほぼ平行な第2反射光L14として、一方向に、すなわち、後方向(正面方向)に全反射させる面である。後側第2反射面414Bは、第1入射面411の後側の部分および第1反射面413の後側の部分に対向して設けられている。後側第2反射面414Bは、光源軸Zに対してこの例では45°で交差する(傾斜する)直線を、光源軸Zを回転軸として回転させてなる回転曲面の反射面である。
【0051】
左側第2反射面414Lは、図6に示すように、第1入射面411からの第1入射光L11の一部および第1反射面413からの第1反射光L13の一部を、光源軸Zに対して垂直の平行もしくはほぼ平行な左側第2反射光L14Lとして、左方向に全反射させる面である。左側第2反射面414Lは、第1入射面411の左側の部分に対向して設けられている。左側第2反射面414Lは、光源軸Zに対してこの例では45°で交差する(傾斜する)直線を、光源軸Zを回転軸として回転させてなる回転曲面の反射面である。
【0052】
右側第2反射面414Rは、図6に示すように、第1入射面411からの第1入射光L11の一部および第1反射面413からの第1反射光L13の一部を、光源軸Zに対して垂直の平行もしくはほぼ平行な右側第2反射光L14Rとして、右方向に全反射させる面である。右側第2反射面414Rは、第1入射面411の右側の部分および第1反射面413の右側の部分に対向して設けられている。右側第2反射面414Rは、光源軸Zに対してこの例では45°で交差する(傾斜する)直線を、光源軸Zを回転軸として回転させてなる回転曲面の反射面である。
【0053】
左側第3反射面415Lは、図2および図6に示すように、左側第2反射面414Lからの左側第2反射光L14Lを、光源軸Zに対して垂直の平行もしくはほぼ平行な左側第3反射光L15Lとして、一方向に全反射させる面である。左側第3反射面415Lは、左側第2反射面414Lに対向して設けられている。左側第3反射面415Lは、光源軸Zと平行に、かつ、前後方向に対してこの例では45°で交差する(傾斜する)平面の反射面である。
【0054】
右側第3反射面415Rは、図2および図6に示すように、左側第2反射面414Lからの右側第2反射光L14Rを、光源軸Zに対して垂直の平行もしくはほぼ平行な右側第3反射光L15Rとして、一方向に全反射させる面である。右側第3反射面415Rは、右側第2反射面414Rに対向して設けられている。右側第3反射面415Rは、光源軸Zと平行に、かつ、前後方向に対してこの例では45°で交差する(傾斜する)平面の反射面である。
【0055】
(第2部分42の説明)
第2部分42は、第1部分41から光変換パネル3側に一方向に、すなわち、後方向(正面方向)に延長されて設けられている。第2部分42は、導光部材4のうち、第1部分41との境界線BLから光変換パネル3の上側に配置されている部分までの間の部分である。第2部分42は、第1部分41からの励起光L1を出射させる。第2部分42は、2次反射面420と、出射面421と、を有する。第2部分42は、インナーハウジング101Uの透孔104Uを通して、灯具空間103内および灯具ユニット空間103U内に配置されている。
【0056】
2次反射面420は、第2部分42のうち、第1部分41に対して反対側、この例では、後側の側面(後端面)に設けられている。2次反射面420は、上から下にかけて、前から後に傾斜している。2次反射面420は、第1部分41から一方向に反射されて、かつ、第2部分42中を一方向に導かれた励起光L1(第2反射光L14、左側第3反射光L15Lおよび右側第3反射光L15R)を、一方向に対して交差する交差方向、この例では、下方向に反射させる。
【0057】
出射面421は、第2部分42のうち、第1部分41に対して反対側の部分(車両の後側の部分)の下面に、2次反射面420に対向して設けられている。出射面421は、この例では、平面をなしている。出射面421は、2次反射面420で反射された励起光L1を、光変換パネル3側に出射させる。
【0058】
第2部分42は、励起光L1を2次反射面420で反射させる方向(交差方向)、この例では、上下方向を板厚とする板形状をなす。第2部分42の上下方向の寸法、すなわち、板厚の寸法T1は、光源部2と第1部分41との上下の配置方向の寸法T2に対して小さい。板形状の第2部分42は、前後方向および左右方向に広い上下2つの平面を有する。
【0059】
2次反射面420は、上下方向および左右方向に、すなわち、縦横に、複数個分割されている。縦横に隣り合う複数個の2次反射面420は、繋面を介して相互に繋がっている。これにより、図7(A)(B)(C)に示すように、第2部分42の板厚寸法T1を同等(一定)に保った状態で、複数個の2次反射面420の傾斜角度を調整することができ、かつ、繋面の寸法を調整して隣り合う2次反射面420の間の寸法を調整することができる。
【0060】
この結果、複数個の2次反射面420の正面視形状が、図4に示す長方形形状をなし、光変換パネル3の正面視形状と異なっていても、複数個の2次反射面420の平面視形状(車両の上側から下側を見た形状)は、図3に示す形状をなし、光変換パネル3の平面視形状と同一もしくはほぼ同一となす。これにより、複数個の2次反射面420で反射され、出射面421から出射された励起光L1の範囲は、光変換パネル3の発光面30の範囲と合致する。
【0061】
以下、2次反射面420の傾斜角度の調整について、図8を参照して説明する。第2部分42中を一方向に導かれた励起光L1(図8中の実線矢印にて示す第2反射光L14、左側第3反射光L15Lおよび右側第3反射光L15R)は、2次反射面420で下方向に反射する(図8中の実線を参照)。この時の入射角と反射角とは、45°である。
【0062】
ここで、2次反射面420を反時計方向に傾斜させた場合、励起光L1は、2次反射面420で斜め前下方向に反射する(図8中の一点鎖線を参照)。この時の入射角と反射角とは、30°である。一方、2次反射面420を時計方向に傾斜させた場合、励起光L1は、2次反射面420で斜め後ろ下方向に反射する(図8中の二点鎖線を参照)。この時の入射角と反射角とは、60°である。
【0063】
このように、2次反射面420の傾斜角度を調整することにより、2次反射面420からの励起光L1の反射方向(反射範囲)を調整することができる。また、隣り合う2次反射面420の間の寸法を調整することにより、2次反射面420からの励起光L1の反射範囲を調整することができる。
【0064】
(遮蔽部品5の説明)
遮蔽部品5は、灯具ユニット空間103U内であって、導光部材4の第2部分42の2次反射面420および出射面421と、ランプレンズ(インナーレンズ102Uおよびアウターレンズ102)との間に配置されている。遮蔽部品5は、例えば、インナーパネルなどであって、光不透過性の部材(樹脂部材など)から構成されている。
【0065】
遮蔽部品5は、ランプレンズから灯具ユニット空間103U内を見た時に、導光部材4が見えないように、導光部材4を覆い隠す。遮蔽部品5の正面視形状は、図4中の二点鎖線にて示すように、導光部材4の2次反射面420の正面視形状の長方形形状よりも若干大きい長方形形状をなす。遮蔽部品5の正面視形状の長方形形状は、上下幅が小さく(狭く)、左右幅が大きい(広い)。
【0066】
光源部2および導光部材4の第1部分41とランプレンズとの間には、遮蔽部材としてのインナーハウジング101Uが配置されている。インナーハウジング101Uは、光不透過性の部材(樹脂部材など)から構成されているので、ランプレンズから空間(灯具空間103および灯具ユニット空間103U)内を見た時に、光源部2および導光部材4の第1部分41が見えないように、光源部2および導光部材4の第1部分41を覆い隠す。なお、インナーハウジング101Uの代わりに、光不透過性の部材(樹脂部材など)から構成されていて、インナーハウジング101Uと別個のインナーパネルなどであっても良い。
【0067】
(実施形態の作用の説明)
この実施形態にかかる車両用発光ユニット1、車両用灯具100は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0068】
光源20を点灯すると、光源20の出射面22から励起光L1が出射する。この励起光L1の一部は、導光部材4の第1入射面411から平行な第1入射光L11として導光部材4中に入射する。また、励起光L1の残りの一部は、導光部材4の第2入射面412から第2入射光L12として導光部材4中に入射し、この第2入射光L12は、第1反射面413で平行な第1反射光L13として反射する。
【0069】
平行な第1入射光L11および第1反射光L13の一部は、後側第2反射面414Bで平行な第2反射光L14として一方向(後方向)に反射する。平行な第1入射光L11および第1反射光L13の残りの一部は、左側第2反射面414L、右側第2反射面414Rで平行な左側第2反射光L14L、右側第2反射光L14Rとして左方向、右方向に反射する。平行な左側第2反射光L14L、右側第2反射光L14Rは、左側第3反射面415L、右側第3反射面415Rで平行な左側第3反射光L15L、右側第3反射光L15Rとして一方向に反射する。
【0070】
一方向に反射した平行な第2反射光L14、左側第3反射光L15Lおよび右側第3反射光L15Rは、複数個の2次反射面420で一方向に交差する方向(下方向)に反射する。複数個の2次反射面420で反射された励起光L1は、導光部材4の出射面421から光変換パネル3側に出射する。
【0071】
導光部材4から出射した青色光の励起光L1は、光変換パネル3の光変換層32により、赤色光の2次光L2に変換される。2次光L2は、光変換層32の正面の発光面30から出射し、インナーレンズ102Uおよびアウターレンズ102を透過して外部に、所定の配光パターン、この例では、テールランプの配光パターンとして、出射する。
【0072】
(実施形態の効果の説明)
この実施形態にかかる車両用発光ユニット1、車両用灯具100は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0073】
この実施形態にかかる車両用発光ユニット1は、導光部材4を、光源部2と光変換パネル3との間を渡った状態で配置したものであるから、光源部2からの励起光L1を、導光部材4を介して、光変換パネル3側に出射させることができ、励起光L1を効率良く利用することができる。
【0074】
しかも、この実施形態にかかる車両用発光ユニット1において、導光部材4の第2部分42の上下方向の寸法である板厚の寸法T1が、光源部2と導光部材4の第1部分41との上下の配置方向の寸法T2に対して小さい。これにより、この実施形態にかかる車両用発光ユニット1は、導光部材4の第2部分42を覆い隠す場合において、導光部材4の第2部分42を覆い隠す範囲を、光源部2と導光部材4の第1部分41とを覆い隠す範囲よりも、狭く(小さく)することができるので、光変換パネル3のデザインの自由度を向上させることができる。
【0075】
この実施形態にかかる車両用発光ユニット1において、導光部材4の第1部分41は、光源部2からの励起光L1を入射させる入射面(第1入射面411、第2入射面412)と、入射面からの励起光L1(第1入射光L11、第2入射光L12)を第2部分42に一方向(後方向)に反射させる複合1次反射面(第1反射面413、後側第2反射面414B、左側第2反射面414L、右側第2反射面414R、左側第3反射面415L、右側第3反射面415R)と、を有する。また、導光部材4の第2部分42は、複合1次反射面からの励起光L1(第2反射光L14、左側第3反射光L15L、右側第3反射光L15R)を交差方向(下方向)に反射させる2次反射面420と、2次反射面420からの励起光L1を光変換パネル3に出射させる出射面421と、を有する。これにより、この実施形態にかかる車両用発光ユニット1は、光源部2からの励起光L1を、導光部材4を介して、光変換パネル3側に効率良く出射させることができ、励起光L1を効率良く利用することができる。
【0076】
この実施形態にかかる車両用発光ユニット1において、導光部材4の第2部分42は、交差方向(上下方向)を板厚とする板形状をなす。これにより、この実施形態にかかる車両用発光ユニット1は、板形状の第2部分42を覆い隠す場合において、板形状の第2部分42を覆い隠す範囲を、光源部2と導光部材4の第1部分41とを覆い隠す範囲よりも、狭く(小さく)することができるので、光変換パネル3のデザインの自由度を向上させることができる。
【0077】
この実施形態にかかる車両用発光ユニット1において、光変換パネル3は、2次光L2により発光する発光面30を有し、導光部材4の2次反射面420は、縦横に、複数個分割されていて、複数個の2次反射面420で反射され、導光部材4の出射面421から出射された励起光L1の範囲は、光変換パネル3の発光面30の範囲と合致する。これにより、この実施形態にかかる車両用発光ユニット1は、光変換パネル3の発光面30を、3次元方向に任意に変化する意匠面として形成しても、励起光L1を、導光部材4の出射面421から光変換パネル3の発光面30全面に亘って出射させることができ、励起光L1を効率良く利用することができる。
【0078】
この実施形態にかかる車両用発光ユニット1は、2次反射面420を縦横に複数個分割したものであるから、板形状の第2部分42の板厚寸法T1を同等(一定)に保った状態で、複数個の2次反射面420の傾斜角度、および、隣り合う2次反射面420の間の寸法を調整することができる。これにより、この実施形態にかかる車両用発光ユニット1は、複数個の2次反射面420の正面視形状が、長方形形状をなし、光変換パネル3の正面視形状と異なっていても、複数個の2次反射面420の平面視形状を、光変換パネル3の平面視形状と同一となすことができ、複数個の2次反射面420で反射され、出射面421から出射された励起光L1の範囲を、光変換パネル3の発光面30の範囲と合致させることができる。この結果、この実施形態にかかる車両用発光ユニット1は、励起光L1を効率良く利用することができ、光変換パネル3のデザインの自由度を向上させることができる。
【0079】
特に、この実施形態にかかる車両用発光ユニット1は、板形状の第2部分42および複数個の2次反射面420により、ランプレンズ(インナーレンズ102U、アウターレンズ102)の正面視形状が、上下方向の幅(上下幅)が小さく(狭く)、左右方向の幅(左右幅)が大きい(広い)場合において、励起光L1を効率良く利用することができ、光変換パネル3のデザインの自由度を向上させることができる。
【0080】
この実施形態にかかる車両用灯具100は、この実施形態にかかる車両用発光ユニット1を備えるものであるから、この実施形態にかかる車両用発光ユニット1と同様の効果を達成することができる。
【0081】
この実施形態にかかる車両用灯具100は、車両用発光ユニット1の導光部材4の第2部分42とランプレンズ(インナーレンズ102U、アウターレンズ102)との間に、遮蔽部品5を配置したものであるから、遮蔽部品5により、ランプレンズ(インナーレンズ102U、アウターレンズ102)から灯具ユニット空間103U内を見た時に、導光部材4の第2部分42が見えないように、導光部材4の第2部分42を覆い隠すことができる。これにより、この実施形態にかかる車両用灯具100は、光変換パネル3の発光面30を際立てることができ、光変換パネル3のデザインの自由度を向上させることができる。
【0082】
この実施形態にかかる車両用灯具100は、車両用発光ユニット1の光源部2および導光部材4の第1部分41とランプレンズ(インナーレンズ102U、アウターレンズ102)との間に、遮蔽部材としてのインナーハウジング101Uを配置したものであるから、インナーハウジング101Uにより、ランプレンズ(インナーレンズ102U、アウターレンズ102)から灯具ユニット空間103U内を見た時に、光源部2および導光部材4の第1部分41が見えないように、光源部2および導光部材4の第1部分41を覆い隠すことができる。これにより、この実施形態にかかる車両用灯具100は、光変換パネル3の発光面30を際立てることができ、光変換パネル3のデザインの自由度を向上させることができる。
【0083】
(実施形態以外の例の説明)
なお、前記の実施形態においては、車両用発光ユニット1、車両用灯具100がリアコンビネーションランプを構成するテールランプである、例について説明するものである。しかしながら、この発明においては、車両用発光ユニット1、車両用灯具100がテールランプ以外のストップランプ、テール・ストップランプまたはターンシグナルランプであっても良い。ストップランプ、テール・ストップランプの場合において、2次光L2は、赤色光であり、ターンシグナルランプの場合において、2次光L2は、黄橙色光となる。この発明は、前記の実施形態により限定されるものではない。
【符号の説明】
【0084】
100 車両用灯具
101 アウターハウジング(ランプハウジング)
102 アウターレンズ(ランプレンズ)
103 灯具空間
104 取付部材
100U テールランプユニット(車両用灯具ユニット)
101U インナーハウジング(ランプハウジング)
102U インナーレンズ(ランプレンズ)
103U 灯具ユニット空間
104U 透孔
1 車両用発光ユニット
2 光源部
20 光源
21 基板
22 出射面
3 光変換パネル
30 発光面
31 保持部材
32 光変換層
4 導光部材
41 第1部分
411 第1入射面
412 第2入射面
413 第1反射面
414B 後側第2反射面
414L 左側第2反射面
414R 右側第2反射面
415L 左側第3反射面
415R 右側第3反射面
42 第2部分
420 2次反射面
421 出射面
5 遮蔽部品
B 後
BL 境界線
BP 最後端
D 下
F 前
L 左
L1 励起光
L2 2次光
L11 第1入射光
L12 第2入射光
L13 第1反射光
L14 第2反射光
L14L 左側第2反射光
L14R 右側第2反射光
L15L 左側第3反射光
L15R 右側第3反射光
R 右
T1 第2部分42の上下方向の寸法(第2部分42の板厚の寸法)
T2 光源部2と第1部分41との配置方向の寸法
U 上
Z 光源軸

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9