(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157860
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】ホットプレート
(51)【国際特許分類】
A47J 37/06 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
A47J37/06 311
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072483
(22)【出願日】2023-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167438
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100166800
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 裕治
(72)【発明者】
【氏名】豊澤 萌子
(72)【発明者】
【氏名】河阪 雅之
【テーマコード(参考)】
4B040
【Fターム(参考)】
4B040AA02
4B040AA08
4B040AB04
4B040AD04
4B040EB14
4B040GC03
(57)【要約】
【課題】交差角度の変更が容易な支持台を備えるホットプレートを提供する。
【解決手段】ホットプレート1は、被調理物を加熱調理するための本体3と、本体3を支持するための支持台5とを備え、支持台5は2本の棒状部材51A,51Bを備え、2本の棒状部材51A,51Bは、本体3を支持する状態で本体3側から見たときに、長手方向の中間部位が回動可能に連結され、2本の棒状部材51A,51Bの回動動作は 、2本の棒状部材51A,51Bの開閉動作により行われる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被調理物を加熱調理するための本体と前記本体を支持するための支持台とを備えるホットプレートにおいて、
前記支持台は2本の棒状部材を備え、
前記2本の棒状部材は、前記本体を支持する状態で前記本体側から見たときに、長手方向の中間部位が回動可能に連結され、
前記2本の棒状部材の回動動作は、当該2本の棒状部材の開閉動作により行われる、
ホットプレート。
【請求項2】
前記棒状部材は、前記中間部位で連結される中間部と、前記中間部から互いに反対方向の延伸する一対の延伸部とを有し、
前記2本の棒状部材を折り畳んだ折畳状態では、前記2本の棒状部材の同じ側に延伸している2本の延伸部が、平行となる又は一方の延伸部に対して他方の延伸部が10°以内の角度で交差する、
請求項1に記載のホットプレート。
【請求項3】
前記本体は上方から見ると矩形状をし、
前記棒状部材は、前記本体の対角線の長さよりも長い、
請求項2に記載のホットプレート。
【請求項4】
前記2本の棒状部材は、前記中間部が上側に位置する上棒状部材と、前記中間部が下側に位置する下棒状部材とであり、
前記下棒状部材の前記中間部は一対の延伸部から凹入するように設けられ、
前記下棒状部材の前記凹入部分に前記上棒状部材の前記中間部が配され、
前記凹入部分の深さは、前記上棒状部材の前記中間部の高さに対して、0.8~1.2倍である、
請求項2に記載のホットプレート。
【請求項5】
前記2本の棒状部材は、当該2本の棒状部材の間の角度の開き過ぎを規制する角度規制構造を前記中間部に有する、
請求項2に記載のホットプレート。
【請求項6】
前記本体は一対の脚部を底側に有し、
前記2本の棒状部材が開いた状態であって前記本体が載置された状態において、前記一対の脚部は、前記中間部に対して同じ側に延伸する2本の延伸部間に位置する、
請求項2に記載のホットプレート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体を支持可能な支持台を備えるホットプレートに関する。
【背景技術】
【0002】
薄板を支持する支持台として、例えば、「天板2がX字形に配置された支持フレーム4により保持されるテーブルであって、支持フレーム4が回転ハンドル7の操作により交差角度を変えることができ、各支持フレーム4の両端部に滑り止め部材を設けることで、支持フレーム4の天板2に対する滑りと床面に対する滑りとを防止する」ものが開示されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記支持フレームは、交差角度を変えるために回転ハンドル7を操作する構造であり、その開閉が面倒であるという課題がある。
本発明は、交差角度の変更が容易な支持台を備えるホットプレートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るホットプレートは、被調理物を加熱調理するための本体と前記本体を支持するための支持台とを備えるホットプレートにおいて、前記支持台は2本の棒状部材を備え、前記2本の棒状部材は、前記本体を支持する状態で前記本体側から見たときに、長手方向の中間部位が回動可能に連結され、前記2本の棒状部材の回動動作は、前記2本の棒状部材の開閉動作により行われる。
【発明の効果】
【0006】
上記構成によれば、支持台の開閉を容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態に係るホットプレートの斜視図であり、(a)は上方から見た図であり、(b)は下方から見た図である。
【
図3】支持台の図であり、(a)は開状態を上方から見た図であり、(b)は閉状態を上方から見た図であり、(c)は閉状態を側方から見た図である。
【
図4】支持台の結合部分が分かるように上棒状部材を反転させた状態の中間部の拡大図であり、(a)は上方から見た図であり、(b)は上方から見た斜視図である。
【
図5】延伸部の凸部を上方から見た拡大斜視図である。
【
図6】支持台の結合部分の断面を上方から見た斜視図である。
【
図7】分解状態の上棒状部材を下方から見た斜視図である。
【
図8】分解状態の下棒状部材を下方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<概要>
実施形態の一態様に係る第1のホットプレートは、被調理物を加熱調理するための本体と前記本体を支持するための支持台とを備えるホットプレートにおいて、前記支持台は2本の棒状部材を備え、前記2本の棒状部材は、前記本体を支持する状態で前記本体側から見たときに、長手方向の中間部位が回動可能に連結され、前記2本の棒状部材の回動動作は 、前記2本の棒状部材の開閉動作により行われる。これにより、支持台の開閉、つまり、2本の棒状部材の回動を容易に行うことができる。また、簡単な構造で開閉できる。
【0009】
実施形態の一態様に係る第2のホットプレートは、第1のホットプレートにおいて、前記棒状部材は、前記中間部位で連結される中間部と、前記中間部から互いに反対方向の延伸する一対の延伸部とを有し、前記2本の棒状部材を折り畳んだ折畳状態では、前記2本の棒状部材の同じ側に延伸している2本の延伸部が、平行となる又は一方の延伸部に対して他方の延伸部が10°以内の角度で交差する。これにより、折畳状態の支持台を小型化できる。
【0010】
実施形態の一態様に係る第3のホットプレートは、第1又は第2のホットプレートにおいて、前記本体は上方から見ると矩形状をし、前記棒状部材は、前記本体の対角線の長さよりも長い。これにより、支持台により支持される本体の安定性が向上する。また、支持台が本体に隠れないため、本体の裏側に配されている支持台の位置を確認し易くできる。
【0011】
実施形態の一態様に係る第4のホットプレートは、第1~第3のホットプレートにおいて、前記2本の棒状部材は、前記中間部が上側に位置する上棒状部材と、前記中間部が下側に位置する下棒状部材とであり、前記下棒状部材の前記中間部は一対の延伸部から凹入するように設けられ、前記下棒状部材の前記凹入部分に前記上棒状部材の前記中間部が配され、前記凹入部分の深さは、前記上棒状部材の前記中間部の高さに対して、0.8~1.2倍である。これにより、支持台の上下方向の寸法(厚み)を小さくできる。
【0012】
実施形態の一態様に係る第5のホットプレートは、第1~第4のホットプレートにおいて、前記2本の棒状部材は、当該2本の棒状部材の間の角度の開き過ぎを規制する角度規制構造を前記中間部に有する。これにより、2本の棒状部材の開き過ぎを規制でき、支持台の使い勝手を向上できる。
【0013】
実施形態の一態様に係る第6のホットプレートは、第1~第5のホットプレートにおいて、前記本体は一対の脚部を底側に有し、前記2本の棒状部材が開いた状態であって前記本体が載置された状態において、前記一対の脚部は、前記中間部に対して同じ側に延伸する2本の延伸部間に位置する。これにより、2本の棒状部材が閉じるのを防止できる。
【0014】
<実施形態>
1.全体構成
ホットプレート1は、
図1に示すように、被調理物を加熱調理するための本体3と、本体3を支持するための支持台5とを備える。
支持台5は本体3と別体で構成されている。なお、ねじ、磁石、係合構造、スライド構造により、支持台5を本体3に対して着脱可能としてもよい。
【0015】
2.本体
本体3は、被調理物が配される調理板31と、調理板31を加熱するヒータと、調理板31を支持すると共に調理板31との間にヒータを収容するケース32と、ヒータの接続部33に着脱可能に接続されるコードユニット34とを備える。ここでの本体3は脚36を底側に備えている。
本体3は、
図1に示すように、薄型タイプである。本体3は、上方から見ると、矩形状、方形状、円形状、長円形状、楕円形状、これらを組み合わせた形状をし、ここでは、矩形状をしている。
【0016】
調理板31は、上方から見ると、本体3と同じような形状をし、ここでは、矩形状をしている。
ケース32は、上側が開口する薄型箱状をしている。ケース32は、
図2に示すように、底部321に凹入部分322を有している。ケース32と調理板31とを結合するねじ39が、凹入部分322内に配されている。なお、ねじ39の頭部は、凹入部分322内に収まり、ケース32の底部321から下方に張り出していない。凹入部分322は、下方から見たとき、対角線の延伸方向に長い矩形状をし、ケース32の角に近い4か所に設けられている。
ヒータは、本体部が収容され、接続部33がケース32の長手方向と直交する短手側端部の一方から長手方向に張り出す。
【0017】
脚部361は、ケース32の底部321から下方に突出する。脚部361は少なくとも3つあり、脚部361の底面が設置面と接触する。ここでの脚部361は4個ある。4個の脚部361は、仮想矩形状の4つ角に対応するように設けられている。これにより、支持台5なしでも、ケース32を設置面から離間させた状態で、本体3が安定して支持される。なお、4つの脚部361が配される仮想矩形状の長手方向は、調理板31の長手方向と一致する。
4つの脚部361の内、ケース32の短辺端部側に設けられた2個の脚部361は、接続部363により接続される。接続部363は、短手方向と平行な方向に延伸する。つまり、2つの脚部361と接続部363とを有する脚36が、ケース32の底部321であって長手方向に間隔を置いて2個ある。なお、本実施形態における「平行」には、交差しない完全な「平行」な場合と、10°以内の角度で交差するが略平行とみなす「平行」の場合とを含む。
脚36は、2本の棒状部材51が開いた状態であって本体3が載置された状態において、一対(2個)の脚36は、棒状部材51の結合部(中間部511A,511B)に対して同じ側に延伸する2本の延伸部(512A,512B)間に位置する。つまり、脚36は、
図1の(b)に示すように、支持台5の2本の棒状部材51により挟まれている。このように、2個の脚36は、2本の棒状部材51の間の角度が狭くなるのを規制する規制機能を有する。なお、脚36に含まれる2個の脚部361が独立して設けられている場合、2個の脚部361で規制機能を発揮する。また、接続部363が調理板31の短手方向と平行な場合、脚36をコンパクト(短く)にできる。
脚36は、矩形状のケース32の長手方向の中央と、その長手方向の短辺側端部との中間に設けられている。これにより、支持台5の2本の棒状部材51の間の最小角度が規定される。なお、この最小角度は、本体3を安定して支持できる角度である。ケース32の長手方向の中央と短辺側端部との距離をL(ケース32の長手方向の寸法(全長)の半分である)とした場合、脚36は、長手方向の中央からの距離が、Lに対して、0.35倍から0.65倍の間にある。
脚36を下方から見たときに、2個の脚部361の互いに対向する部分が接続部363に接続し、接続していない部分が円形状(円弧状)をしている。これにより、使用者が脚36に触れた際に、角がなく、手に優しい構成となる。
接続部363は、下方から見たときに、ケース32の短手方向に長い矩形状をしている。接続部363の幅(ケース32の長手方向の寸法)は、脚部361の直径より小さい。これにより、接続部363の幅が脚部361の直径と同じである場合に比べて、軽量化を図ることができる。なお、接続部363を設けることで、使用感と安定性を向上できる。
ケース32からの脚部361の突出量は、接続部363の突出量よりも大きい。これにより、本体3は、仮想矩形状の角の計4点(4つの脚部361)で支えられることになり、長方形状の平坦面で支持する場合(脚部361と接続部363の突出量が同じ場合、つまり、脚部361と接続部363の底面が面一状の場合)に比べ本体3の設置時の安定性を向上できる。
【0018】
コードユニット34は、ヒータの接続部33と接続するコード側接続部341、電気コード343とを有し、コード側接続部341に調理板31の温度を調整するための操作部345が設けられている。
【0019】
3.支持台
支持台5は、
図1に示すように、本体3の下側に配され、2本の棒状部材51を備える。
ここで、棒状部材51の延伸方向を長手方向ともいい、延伸方向と直交する方向を直交方向や短手方向ともいう。
支持台5は、本体3と別体であるため、サイズの異なる他のサイズの本体(3)であっても、2本の棒状部材51の角度を変えることで、使用可能となる。
2本の棒状部材51は、各棒状部材51の長手方向の中間部位が回動可能に結合されている。2本の棒状部材51の回動は、2本の棒状部材51の開閉動作により行われる。なお、回動軸は上下方向である。
2本の棒状部材51が、
図1や
図3の(a)のような状態を開状態や使用状態とし、
図3の(b)のような状態を閉状態や折畳状態とする。
また、2本の棒状部材51のうち、長手方向の中間部分が上側(本体3側)に位置する棒状部材51を上棒状部材51Aとし、下側に位置する棒状部材51を下棒状部材51Bとし、上棒状部材51Aの構成には符号に「A」を付し、下棒状部材51Bの構成には符号「B」を付す。上棒状部材51Aと下棒状部材51Bとを区別する必要がない場合は、棒状部材51A,51Bとし、棒状部材51の構成も同様とする。なお、図面では、「A」又は「B」を付している。
【0020】
棒状部材51A,51Bは、
図1に示すように、上方から見たとき矩形状をする本体3の対角線の長さよりも長い。これにより、本体3を支持した際の安定性を向上できる。
棒状部材51A,51Bは、
図3の(a)に示すように、長手方向の中心部位で結合される中間部511A,511Bと、中間部511A,511Bから互いに反対方向に延伸する一対の延伸部512A,512Bとを有している。
棒状部材51A,51Bは、
図3の(c)に示すように、延伸部512A,512Bの上面が同一平面内に位置するように、結合されている。これにより、本体3を設置面と平行な状態であって安定した(ガタツキのない)状態で支持できる。
【0021】
(1)中間部
2つの中間部511A,511Bは、上方から見ると、同じような形状をしている。中間部511A,511Bを上方から見た形状は、延伸部512A,512Bが延伸する方向に長い長円形状、円形状をその中心からの距離が等しい2本の平行線で切断したような形状、円形状、これらを組み合わせた形状等をし、ここでは、円形状を平行線で切断したような形状をしている。中間部511A,511Bの短手方向の寸法は、延伸部512A,512Bの短手方向の寸法の1.5~2.5倍の範囲内にある。これにより、棒状部材51A,51Bを小型化できる。特に、短手方向の寸法を小さくできる。
【0022】
下側に位置する中間部511Bは、
図4に示すように、一対の延伸部512Bにおける中間部511B側の端部から凹入するように設けられている。なお、この凹入部分を凹入部分519とする。
下棒状部材51Bの凹入部分519に上側の中間部511Aが配される。なお、凹入部分519の深さは、中間部511Aの高さ(厚み)に対して0.8倍~1.2倍である。これにより、中間部511Aの高さ(厚み)のバラツキを吸収することができる。
凹入部分519の深さが、中間部511Aの高さ(厚み)に対して0.8倍未満であるとケース32に511Aの上面が当たってしまい本体3と脚36とのガタツキを誘発する虞があり、1.2倍を超えるとケース32と511Aの上面とが離間し過ぎてしまうことから、同様に本体3と脚36とのガタツキを誘発する虞がある。したがって、中間部511A,511Bの機械的特性を確保できることから、凹入部分519の深さを中間部511Aの高さ(厚み)に対して0.8倍~1.2倍とすることが望ましい。
【0023】
棒状部材51A,51Bは、棒状部材51A,51Bの間の角度の開き過ぎを規制する角度規制構造を中間部511A,511Bに有している。角度規制構造は、一方の中間部に形成された凸部分と、他方の中間部に形成された溝部分とで構成される。ここでは、凸部分(511Aa)は上側の中間部511Aに形成され、溝部分(511Ba)は下側の中間部511Bに形成されている。ここでの溝部分511Baの周方向の長さが、棒状部材51A,51Bの開閉範囲(回動範囲)に相当する。
凸部分511Aaは、ここでは、凸部分511Aaを除いて円弧状に凹入し且つ当該凹入部分511Abの周方向の両端面の間に構成されている。
溝部分511Baは、溝部分511Baの周方向の両側が凸出し且つ当該凸出部分511Bbの間に形成されている。
なお、角度規制構造の凸部分及び溝部分は、中間部に形成された(凸部分と溝部分の両側の凹入部分や凸部分により構成されない)凸部分と溝部分であってもよいし、凹凸関係は、中間部511A,511Bで逆であってもよい。
溝部分511Baを構成する2つの凸出部分511Bbの内周(側)面511Bdは、上方から見えると円弧状をし、中間部511Aの凹入部分511Abの内周(側)面511Adと対向する。これにより、棒状部材51A,51Bの結合を容易に行える。
凸出部分511Bbは凹入部分511Abに嵌る。これにより、中間部511A,511Bが厚くなるのを防止できる。
【0024】
棒状部材51A,51Bは、棒状部材51A,51Bの使用時(開状態)と折畳み時(閉状態)の開閉角度を維持する角度維持構造を中間部511A,511Bに有している。
角度維持構造は、一方の中間部に設けられた出没可能な凸体と、他方の中間部に設けられ且つ凸体が出没方向に嵌合可能な2つの凹部と、一方の中間部に設けられ且つ凸体を出方向に付勢するばね体とで構成される。ここでは、凸体53とばね体54(
図7参照)は上側の中間部511Aに設けられ、2つの凹部518は下側の中間部511Bに設けられている。これにより、凸体53が凹部518に嵌る際に「カチッ」と音が発生し、使用者は感覚的に角度維持構造が機能したことを理解できる。
凸体53は、
図4及び
図7に示すように、中間部511A内に配され且つ下端部が中間部511Aの貫通孔633から突出している。凸体53は段付きピン状をし、ばね体54は、凸体53の段差部分と中間部511Aの上壁部の支持部分635との間に配される。2つの凹部518は、
図4に示すように、棒状部材51の回動軸を中心とした円弧状に形成された溝部517の両端に形成されている。溝部517の周方向の長さが、開状態と閉状態の棒状部材51A,51B間の角度(回動範囲)に相当する。
なお、角度維持構造の凸体53、ばね体54、凹部518の位置関係は、上下に逆であってもよいし、回動軸と直交する方向に凸体を設けてもよい。
【0025】
中間部511A,511Bは、
図7及び
図8に示すように、結合用の貫通孔511Ae,511Beを有している。なお、中間部511Bは、貫通孔511Beの周縁から上方に延伸する円筒部分511Bf(
図4参照)を有している。
【0026】
(2)延伸部
棒状部材51A,51Bは、折畳状態では、2本の棒状部材51A,51Bの同じ側に延伸している2本の延伸部512A,512Bが、
図3の(b)に示すように、平行となるように、又は一方の延伸部512Aに対して他方の延伸部512Bが10°以内の角度で交差するように、中間部511A,511Bに設けられている。これにより、折畳状態の支持台5に短手方向の寸法を小さくできる。
延伸部512A,512Bは、
図4の(a)に示すように、中間部511A,511Bにおいて、中間部511A,511Bの短手方向の中央(回動軸)を通り且つ中間部511A,511Bの長手方向に延伸する仮想線LA,LBに交差すると共に中間部511A,511Bの中心(回動軸)を挟んで対向する部位514A,514Bから延伸している。
延伸部512A,512Bは、中間部511A,511Bにおいて、仮想線LA,LBと交差せずに、当該仮想線LA,LBに対して周方向の外側(仮想線から離れる側)から、仮想線LA,LBと平行に延伸している。上方から見ると、「Z」状に延伸部512A,512Bが延伸する。
ここで、中間部511A,511Bの短手方向の寸法が、棒状部材51A,51Bにおける同じ側に延伸する2つの延伸部512A,512Bの短手方向の寸法の和に対して、1.05~1.2倍の範囲内にある。これにより、折畳状態において、上棒状部材51Aの延伸部512Aと、下棒状部材51Bの延伸部512Bとの隙間を小さくでき、短手方向の寸法を小さくできる。
【0027】
上棒状部材51Aの延伸部512Aは、
図3の(b)に示すように、延伸部512Aの上面512Aaが中間部511Aの上面511Ajと同一平面となる状態で延伸し、
図3の(a)に示すように、延伸部512Aにおける下棒状部材51Bの延伸部512Bと短手方向に対向しない側面512Abが中間部511Aの長手方向に沿う側面511Ahと同一平面となる状態で延伸する。
下棒状部材51Bの延伸部512Bは、
図4の(b)に示すように、延伸部512Bの上面512Baが中間部511Bの上面から上方に張り出す状態で延伸し、
図3の(b)に示すように、延伸部512Bにおける上棒状部材51Aの延伸部512Aと短手方向に対向しない側面512Bbが中間部511Bの長手方向に沿う側面512Bhと同一平面となる状態で延伸する。
下棒状部材51Bの凹入部分519は、
図4の(b)に示すように、一対の延伸部512Bの基部部分の間に位置し、凹入部分519を構成する側面519aは、一対の延伸部512Bが延伸する基部部分の側面(端面)のみ存在する。これにより、下棒状部材51Bに対して、上棒状部材51Aが回動軸回りに回動可能となる。
【0028】
延伸部512A,512Bは、
図3の(c)に示すように、長手方向の中間であって下部側に凹入部分512Ad,512Bdを有している。これにより、棒状部材51A,51Bを軽量化できる。
棒状部材51A,51Bと本体3は、支持台5が本体3を支持する状態を維持する支持維持構造を有する。
支持維持構造は、一方に設けられた凸部と、他方に設けられ且つ凸部が嵌合可能な凹部とで構成される。ここでは、
図2に示すように、凸部は、本体3に設けられ、本体3の底部321の凹入部分322のねじ39の頭部である。凹部は、
図5に示すように、棒状部材51A,51Bの延伸部512A,512Bの上面512Aa,512Baの凸部515A,515Bに設けられた凹部516A,516Bにより構成される。
凸部515A,515Bは、上方から見ると、延伸部512A,512Bの長手方向に長い矩形状をしている。
ここでは、支持台5の凸部515A,515Bは、本体3の凹入部分322に嵌合する。このため、支持台5の凸部515A,515Bと本体3の凹入部分322は、第2の支持維持構造ともいえる。
【0029】
(3)結合
棒状部材51A,51Bの結合は、ピン591を利用している。ピン591は、
図6に示すように、上棒状部材51Aの中間部511Aの貫通孔511Aeを挿通して、下棒状部材51Bの中間部511Bの内部で、スナップリング593により固定されている。
なお、
図6~
図8に示すように、ピン591と中間部511Aの貫通孔511Aeとの間にはブッシュ595が、中間部511A,511Bとの間にワッシャ597が、スナップリング593と中間部592Bとの間にワッシャ598等がそれぞれ配されている。
【0030】
(4)棒状部材の構造
棒状部材51A,51Bのそれぞれは、
図7、8に示すように、2つの部材から構成され、内部が中空状に構成されている。
上棒状部材51Aは、上側に位置する上第1部材61Aと、下側に位置する上第2部材63Aと備える。下棒状部材51Bは、上側に位置する下第1部材61Bと、下側に位置する下第2部材63Bと備える。
上第1部材61Aと下第1部材61Bとを、上第2部材63Aと下第2部材63Bとをそれぞれ区別する必要がない場合は、第1部材61A,61Bや第2部材63A,63Bとして説明する。
第1部材61A,61Bと第2部材63A,63Bはねじ691A,691Bにより結合されている。ねじ691A,691Bは、第2部材63A,63Bの凹み631A,631Bに配され、凹み631A,631Bはカバー695A,695Bにより塞がれている。
支持維持構造の凸部515A,515Bは、内部のねじ693A,693Bにより上第1部材61A,61Bに固定されている。
【0031】
以上、実施形態を説明したが、この実施形態に限られるものではなく、例えば、以下のような変形例であってもよい。また、実施形態と変形例、変形例同士を組み合わせたものであってもよい。
また、実施形態や変形例に記載していない例や、要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。
【0032】
<変形例>
1.本体
実施形態の本体3は、蓋部について明記していないが、蓋部を備えてもよいし、蓋部を備えなくてもよい。
本体は、1枚(1種類)の調理板31を備えていたが、複数種類の調理板を交換可能にケース32に備えてもよい。
ヒータの接続部33は、矩形状の調理板31の短手方向に沿う端部に設けられていたが、長手方向に沿う端部に設けられてもよい。
コードユニット34は、着脱可能にヒータに接続されているが、固定的にヒータに接続されてもよい。
脚36は、調理板31の短手方向に沿って延伸し、長手方向に間隔をおいて2個設けられているが、長手方向に沿って延伸し、短手方向の間隔をおいて2個設けられてもよい。
脚36は、調理板31の短手方向又は長手方向に間隔を2個設けられているが、短手方向と長手方向に間隔をおいて合計で4個以上設けられてもよい。
脚36は、一対の脚部361を接続する接続部363を有しているが、接続部363を有していなくてもよい。
脚部361は、下方から見ると円弧状をした円弧部を有しているが、円弧部を有しなくてもよい。つまり、下方から見たときに、接続部と接続する部分以外が多角形をしてもよい。
ケース32は、ねじ39用の凹入部分322を有しているが、凹入部分を有しなくてもよい。但し、ねじ39の頭部だけが支持台5の凹部516に嵌る構成よりも、支持維持性能は高い。
ねじ39は、4か所で、調理板31とケース32とを結合しているが、8か所で結合し、支持台5の開閉角度を複数種類としてもよい。この場合、支持台5と干渉しないように脚部361を設ける必要がある。
【0033】
2.支持台
一対の棒状部材51,51Bは、折畳状態において延伸部512A,512Bが平行となるように結合されているが、平行でなくてもよい。但し、平行又は平行に近い状態の方が小型化できる。
中間部511は、棒状部材51の長手方向の中央に位置しているが、中央から長手方向に外れて位置してもよい。
延伸部512は凹入部分512dを有しているが、凹入部分を有しなくてもよい。
中間部に、開状態を折畳状態に又は折畳状態を開状態に付勢するばねと、ばねの付勢力を規制する規制部と、規制部を解除する解除部とを有し、解除部の操作により、自動で状態を変更できるようにしてもよい。
支持維持機構は、本体3側に凹入部分332を、支持台5側に凸部515を設けているが、凹凸関係は逆としてもよい。
ピン591は、上方から2本の棒状部材51を結合しているが、下方から2本の棒状部材51を結合してもよい。
【符号の説明】
【0034】
1 ホットプレート
3 本体
5 支持台
51 棒状部材