(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157874
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】ランプユニット
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20241031BHJP
F21S 43/14 20180101ALI20241031BHJP
F21S 43/20 20180101ALI20241031BHJP
F21S 43/50 20180101ALI20241031BHJP
F21S 45/47 20180101ALI20241031BHJP
F21V 5/00 20180101ALI20241031BHJP
F21V 5/04 20060101ALI20241031BHJP
F21V 11/08 20060101ALI20241031BHJP
F21W 103/60 20180101ALN20241031BHJP
F21W 103/20 20180101ALN20241031BHJP
F21W 103/45 20180101ALN20241031BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20241031BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20241031BHJP
【FI】
F21S2/00 340
F21S2/00 375
F21S2/00 330
F21S43/14
F21S43/20
F21S43/50
F21S45/47
F21V5/00 510
F21V5/04 400
F21V11/08
F21W103:60
F21W103:20
F21W103:45
F21Y115:10
F21Y115:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072500
(22)【出願日】2023-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】川村 孝幸
(57)【要約】
【課題】シェードからの熱によるレンズの変形を抑える。
【解決手段】本開示のランプユニット10は、光源12と、光源12からの光を後方へ出射する集光レンズ本体と、集光レンズ挟持部とを有する集光レンズ13と、集光レンズ13から出射された光を部分的に通すスリットと、スリットの周囲に配置されて光を遮光する遮光部とを有し、集光レンズ13の後側に配置されるシェード14と、シェード14のスリットを通過した光を後側へ出射する投影レンズ本体と、投影レンズ挟持部とを有する投影レンズ15と、を備え、シェード14は、遮光部から連続する放熱部42と、集光レンズ挟持部と投影レンズ挟持部との間に挟持されるシェード被挟持部とを有し、集光レンズ13と投影レンズ15との間に配置され、シェード14の放熱部42は、集光レンズ13及び投影レンズ15の外縁よりも外側に露出している。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源からの光を所定方向の一側へ出射する集光レンズ本体と、前記集光レンズ本体の外縁よりも外側に配置される集光レンズ挟持部とを有する集光レンズと、
前記集光レンズから出射された光を部分的に通すスリットと、前記スリットの周囲に配置されて光を遮光する遮光部とを有し、前記集光レンズの前記一側に配置されるシェードと、
前記シェードの前記スリットを通過した光を前記一側へ出射する投影レンズ本体と、前記投影レンズ本体の外縁よりも外側に配置される投影レンズ挟持部とを有する投影レンズと、を備え、
前記シェードは、前記遮光部から連続する放熱部と、前記集光レンズ挟持部と前記投影レンズ挟持部との間に挟持される被挟持部とを有し、前記集光レンズと前記投影レンズとの間に配置され、
前記シェードの前記放熱部は、前記集光レンズ及び前記投影レンズの外縁よりも外側に露出している
ことを特徴とするランプユニット。
【請求項2】
前記集光レンズは、前記集光レンズ本体の外縁周部から前記シェード側へ延びて前記集光レンズ挟持部を支持する集光レンズ周壁部を有し、
前記投影レンズは、前記投影レンズ本体の外縁周部から前記シェード側へ延びて前記投影レンズ挟持部を支持する投影レンズ周壁部を有し、
前記シェードの前記放熱部は、前記集光レンズ周壁部及び前記投影レンズ周壁部の双方の外周縁よりも外側に露出している
ことを特徴とする請求項1に記載のランプユニット。
【請求項3】
前記集光レンズ周壁部及び前記投影レンズ周壁部の双方の前記シェード側の端部には、前記集光レンズ周壁部及び前記投影レンズ周壁部の内部空間と外部とを連通させる切欠部が設けられる
ことを特徴とする請求項2に記載のランプユニット。
【請求項4】
前記所定方向は上下方向と交叉する方向であり、
前記切欠部は、前記集光レンズ周壁部及び前記投影レンズ周壁部の双方の前記シェード側の端部の上下の両側に設けられる
ことを特徴とする請求項3に記載のランプユニット。
【請求項5】
前記集光レンズの前記集光レンズ挟持部は、前記集光レンズ本体に対して前記所定方向と交叉する第1方向の両側に設けられ、
前記投影レンズの前記投影レンズ挟持部は、前記投影レンズ本体に対して前記第1方向の両側に設けられ、
前記シェードの前記被挟持部は、前記遮光部に対して前記第1方向の両側に設けられ、
前記シェードの前記放熱部は、前記所定方向及び前記第1方向の双方と交叉する第2方向の少なくとも一方側に設けられる
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のランプユニット。
【請求項6】
前記シェードの前記放熱部は、前記第2方向の両側に設けられ、前記第2方向の一方の面積が他方の面積よりも大きい
ことを特徴とする請求項5に記載のランプユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ランプユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自動車から所定の距離だけ前方に離れた路面上に所定の形状の描画像を描画する路面描画装置が開示されている。路面描画装置は、光源と、描画レンズと、制御部とを主な構成として備える。描画レンズは、光が入射する入射面と、光が出射する出射面とを有している。出射面は、出射面の外縁に位置する描画非寄与領域と、当該描画非寄与領域の内側に位置する描画寄与領域とを含んでいる。描画非寄与領域は、光源からの光が殆ど出射しない領域、或いは、当該領域から光が出射する場合でもこの光の拡散角が大きくなり、路面への投影像として殆ど現れない領域であり、路面描画に寄与しない領域である。一方、描画寄与領域は、光の大部分が出射する領域であり、路面描画に寄与する領域である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、光源からの光を利用して対象面(例えば路面)上に所定の形状の画像を描画するランプユニットには、上記所定の形状のスリットと、その周囲に配置される遮光部とを有するシェードを光源とレンズとの間に配置するものがある。この場合、光源からの光は、シェードの上記所定の形状のスリットを通過し、レンズから投影されて、対象面上に上記所定の形状の画像を描画する。このようなランプユニットでは、シェードが遮光部を有しており、光源からの光を遮るので、光源からの光によってシェードの温度が上昇する。シェードが高温化してしまうと、シェードに隣接するレンズがシェードからの熱を受けて変形してしまうおそれがある。
【0005】
そこで、本開示は、シェードからの熱によるレンズの変形を抑えることが可能なランプユニットの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様のランプユニットは、光源と、前記光源からの光を所定方向の一側へ出射する集光レンズ本体と、前記集光レンズ本体の外縁よりも外側に配置される集光レンズ挟持部とを有する集光レンズと、前記集光レンズから出射された光を部分的に通すスリットと、前記スリットの周囲に配置されて光を遮光する遮光部とを有し、前記集光レンズの前記一側に配置されるシェードと、前記シェードの前記スリットを通過した光を前記一側へ出射する投影レンズ本体と、前記投影レンズ本体の外縁よりも外側に配置される投影レンズ挟持部とを有する投影レンズと、を備え、前記シェードは、前記遮光部から連続する放熱部と、前記集光レンズ挟持部と前記投影レンズ挟持部との間に挟持される被挟持部とを有し、前記集光レンズと前記投影レンズとの間に配置され、前記シェードの前記放熱部は、前記集光レンズ及び前記投影レンズの外縁よりも外側に露出している。
【0007】
本発明の第2の態様は、上記第1の態様のランプユニットであって、前記集光レンズは、前記集光レンズ本体の外縁周部から前記シェード側へ延びて前記集光レンズ挟持部を支持する集光レンズ周壁部を有し、前記投影レンズは、前記投影レンズ本体の外縁周部から前記シェード側へ延びて前記投影レンズ挟持部を支持する投影レンズ周壁部を有し、前記シェードの前記放熱部は、前記集光レンズ周壁部及び前記投影レンズ周壁部の双方の外周縁よりも外側に露出している。
【0008】
本発明の第3の態様は、上記第2の態様のランプユニットであって、前記集光レンズ周壁部及び前記投影レンズ周壁部の双方の前記シェード側の端部には、前記集光レンズ周壁部及び前記投影レンズ周壁部の内部空間と外部とを連通させる切欠部が設けられる。
【0009】
本発明の第4の態様は、上記第3の態様のランプユニットであって、前記所定方向は上下方向と交叉する方向であり、前記切欠部は、前記集光レンズ周壁部及び前記投影レンズ周壁部の双方の前記シェード側の端部の上下の両側に設けられる。
【0010】
本発明の第5の態様は、上記第1の態様から上記第4の態様のいずれかのランプユニットであって、前記集光レンズの前記集光レンズ挟持部は、前記集光レンズ本体に対して前記所定方向と交叉する第1方向の両側に設けられ、前記投影レンズの前記投影レンズ挟持部は、前記投影レンズ本体に対して前記第1方向の両側に設けられ、前記シェードの前記被挟持部は、前記遮光部に対して前記第1方向の両側に設けられ、前記シェードの前記放熱部は、前記所定方向及び前記第1方向の双方と交叉する第2方向の少なくとも一方側に設けられる。
【0011】
本発明の第6の態様は、上記第5の態様のランプユニットであって、前記シェードの前記放熱部は、前記第2方向の両側に設けられ、前記第2方向の一方の面積が他方の面積よりも大きい。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、シェードからの熱によるレンズの変形を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本開示の一実施形態に係るランプユニットを含む車両用灯具を搭載した車両が路面上に所定の形状の画像を描画している状態を示す説明図である。
【
図2】本開示の一実施形態に係るランプユニットの斜視図である。
【
図3】
図2のランプユニットを分解した状態を示す斜視図である。
【
図7】ランプユニットを投影レンズ側から視た状態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の一実施形態を図面に基づいて説明する。
(車両用灯具)
【0015】
図1は、本開示の一実施形態に係るランプユニットを含む車両用灯具を搭載した車両が路面上に所定の形状の画像を描画している状態を示す説明図である。
【0016】
図1に示すように、本実施形態に係るランプユニット10を含む車両用灯具100は、自動車等の車両1に搭載される。本実施形態に係る車両用灯具100は、例えば、バックランプやターンランプ等と一体的に、或いは別体で、車両1の後部の左右の両側に設けられ、車両1の後方の周辺の路面2に所定の形状の画像(パターン)Pを描画する。なお、
図1には、上記所定の形状の画像Pとして、3つの矩形状のパターンが互いに前後に離間した状態で一直線上に並んだ画像Pが図示されているが、画像Pの上記所定の形状はこれに限定されるものではなく、所望の形状を適用することができる。また、本実施形態では、車両用灯具100を車両1の後部に設けているが、車両1の前部に設けてもよい。
【0017】
左右の車両用灯具100は、後方へ開口するランプハウジング101と、ランプハウジング101の開口を覆うアウターレンズ102と、ランプハウジング101内の灯室103に配置されるランプユニット10とをそれぞれ備える。ランプハウジング101は、光不透過性の樹脂部材から構成される。アウターレンズ102は、光透過性の樹脂部材から構成される。なお、アウターレンズ102は、光透過性の樹脂部材から構成されるアウターカバーであってもよい。また、ランプユニット10に加えて他のランプ(例えばバックランプやターンランプ等)のユニットを灯室103に配置してもよい。
(ランプユニット)
【0018】
図2は、本開示の一実施形態に係るランプユニットの斜視図である。
図3は、
図2のランプユニットを分解した状態を示す斜視図である。
図4は、集光レンズの斜視図である。
図5は、シェードの斜視図である。
図6は、投影レンズの斜視図である。なお、各図において、X方向は、車両1の前後方向を示し、X矢印が指し示す方向は車両後方(一側)を示す。また、Y方向は、X方向と直交する上下方向を示し、Y矢印が指し示す方向は上方を示す。また、Z方向は、X方向及びY方向の双方と直交する幅方向を示し、Z矢印が指し示す方向は車両1の幅方向の内側を示す。以下の説明では、本開示におけるランプユニット10を、所定方向を前後方向とし、第1方向を幅方向とし、第2方向を上下方向とした状態で配置するものとして説明する。また、以下の説明におけるランプユニット10の前後方向は、光を照射する方向を「前方」として説明する。また、車両1の前後方向を示すときは、「車両前方」又は「車両後方」と称する。また、ランプユニット10の「左右方向」は、ランプユニット10を前方から視た状態における左右方向を意味する。
【0019】
図2及び
図3に示すように、ランプユニット10は、車両後方の周辺の路面2に上記所定の形状の画像Pを描画する路面投影ユニットであって、ヒートシンク11と、光源12と、集光レンズ13と、シェード14と、投影レンズ15と、を備える。
(ヒートシンク)
【0020】
図2及び
図3に示すように、ヒートシンク11は、光源12を冷却する部材であって、光源12、集光レンズ13、シェード14、及び投影レンズ15を支持する支持部材としても機能する。ヒートシンク11は、熱伝導性が高い部材(例えばアルミダイカスト製の部材)で構成される。ヒートシンク11は、前後方向と交叉する板形状の光源取付部16と、光源取付部16の前面から前方(X方向の一側)へ突出する左右一対のボス部17と、光源取付部16の後面に設けられる複数のフィン18とを一体的に有する。
【0021】
光源取付部16は、光源12を取り付ける部分である。光源12は、光源取付部16の前面のうち左右のボス部17間の領域に取り付けられる。光源取付部16の前面のうち左右のボス部17間の領域には、光源12を位置決めするための左右の位置決めピン19と、光源12を取り付けるための左右のネジ穴20とが設けられる。左右の位置決めピン19は、互いに略同じ高さ位置に配置される。左右のネジ穴20は、一方のネジ穴20が一方の位置決めピン19の上方に位置し、他方のネジ穴20が他方の位置決めピン19の下方に位置する。光源12は、左右の位置決めピン19によって位置決めされた状態で、ネジ21によって左右のネジ穴20に対して締結され、光源取付部16に固定される。
【0022】
左右のボス部17は、集光レンズ13、シェード14、及び投影レンズ15を取り付けるための部分である。集光レンズ13、シェード14、及び投影レンズ15は、左右のボス部17の前端面に固定される。左右のボス部17の前端面には、集光レンズ13、シェード14、及び投影レンズ15を置決めするための位置決めピン22と、集光レンズ13、シェード14、及び投影レンズ15を取り付けるためのネジ穴23とが設けられる。集光レンズ13、シェード14、及び投影レンズ15は、位置決めピン22によって位置決めされた状態で、ネジ24によって左右のネジ穴23に対して共締めされて、左右のボス部17に固定される。左右のボス部17間の離間距離は、光源12及び集光レンズ13の後述する集光レンズ周壁部30を左右のボス部17間に配置可能な距離に設定される。
【0023】
複数のフィン18は、光源取付部16の後面に上下方向に互いに平行に、又は略平行に設けられる。光源12側から発生する熱は、ヒートシンク11の光源取付部16を介して複数のフィン18へ伝達され、複数のフィン18から放熱される。なお、ヒートシンク11の複数のフィン18に向かって風を直接的に当てるためのファンユニットを、ヒートシンク11に対して固定してもよい。これにより、ヒートシンク11による光源12の冷却効果を高めることができる。
(光源)
【0024】
図2及び
図3に示すように、光源12は、基板25と、基板25の前面上に実装される発光素子(本実施形態では上下2つの発光素子)26a,26bとを有する。
【0025】
基板25は、ガラスエポキシ基板等の樹脂材料で板状に形成され、その前面に発光素子26a,26bが実装される。基板25には、ヒートシンク11の左右の位置決めピン19に対応する位置に左右の位置決め孔27が形成され、ヒートシンク11の左右のネジ穴20に対応する位置に左右のネジ挿通孔28が形成される。基板25は、左右の位置決め孔27にヒートシンク11の左右の位置決めピン19を挿通した状態で、左右のネジ挿通孔28を挿通するネジ21によってヒートシンク11の左右のネジ穴20に締結固定される。このように、光源12は、基板25の後面がヒートシンク11の光源取付部16の前面に面接触した状態で、ヒートシンク11に対して取り付けられる。
【0026】
発光素子26a,26bは、例えば、LED(Light Emitting Diode)アレイである。発光素子26a,26bの色(波長帯域)や、分布の態様や、色の数等は、特に限定されるものではなく、適宜設定することができる。例えば、発光素子26a,26bの発光面から放射(放出)される光(放射光、放出光)は、ランバーシアン状をなす白色の光(白色光)であってもよい。本実施形態の発光素子26a,26bは、上下に互いに離間して配置される。発光素子26a,26bの発光中心は、その前方に配置される集光レンズ13の後述する各レンズ部29a,29bの入射面の焦点に配置される。発光素子26a,26bからの光は、直射光として集光レンズ13の入射面に入射する。
【0027】
なお、本実施形態では、1つの基板25上に複数(本実施形態では2つ)の発光素子26a,26bを実装しているが、これに限定されるものではなく、例えば、1つの発光素子が実装された複数の基板で光源12を構成してもよい。また、本実施形態では、発光素子26a,26bをLED(発光ダイオード)としたが、これに限定されるものではなく、例えば、発光素子26a,26bはLD(レーザダイオード)であってもよい。また、発光素子26a,26bの形状は、特に限定されるものではなく、正方形状であってもよいし、或いは長方形状であってもよい。また、本実施形態では、発光素子26a,26bを設ける数を、2個としたが、これに限定されるものではなく、適宜設定することができる。
(集光レンズ)
【0028】
図2~
図4に示すように、集光レンズ13は、光源12からの光を集光して前方のシェード14側へ出射するレンズである。集光レンズ13は、透過性を有する熱可撓性樹脂で成形されることが好ましく、本実施形態では、ポリカーボネートにより一体成形されている。集光レンズ13は、集光レンズ本体29と、集光レンズ本体29の外周縁部から前方(シェード14側)へ延びる集光レンズ周壁部30と、集光レンズ周壁部30の幅方向の両側に配置される左右の集光レンズ取付部31a,31bとを一体的に有する。なお、集光レンズ13は、ポリカーボネート製のレンズに限定されるものではない。
【0029】
集光レンズ本体29は、発光素子26aに対応する第1レンズ部29aと、発光素子26bに対応する第2レンズ部29bとを一体的に有する。各レンズ部29a,29bは、発光素子26a,26bからの光を入射させる後側の入射面と、入射した光を出射する前側の出射面とを有し、発光素子26a,26bからの光を集光して前方へ出射する。集光レンズ本体29は、光軸方向から視て略円形に形成される。集光レンズ本体29の前方には、シェード14が配置されており、集光レンズ本体29は、シェード14の後面のうち後述するスリット40を含む領域に発光素子26a,26bからの光を集光する。
【0030】
第1レンズ部29aは、発光素子26aと光軸方向で対向(発光素子26aの出射光軸上に位置)されており、発光素子26aからの光をシェード14のスリット40を含む領域に光を集める。第2レンズ部29bは、発光素子26bと光軸方向で対向(発光素子26bの出射光軸上に位置)されており、発光素子26bからの光をシェード14のスリット40を含む領域に光を集める。
【0031】
集光レンズ周壁部30は、集光レンズ本体29を保護する部分であって、集光レンズ本体29を囲むように筒状に形成され、集光レンズ本体29から前方へ延びる。集光レンズ周壁部30の前端縁部(シェード14側の端部)の上下の両側には、前方から後方へ凹むように切り欠かれた切欠部32が形成される。切欠部32は、集光レンズ周壁部30の内側に区画される内部空間33と、集光レンズ周壁部30の外部とを連通させる。集光レンズ周壁部30の前端部の幅方向の両側からは、左右の集光レンズ取付部31a,31bが互いに離間する方向へ突出している。すなわち、集光レンズ周壁部30は、左側の集光レンズ取付部31aの右側端部を支持し、右側の集光レンズ取付部31bの左側端部を支持している。
【0032】
左右の集光レンズ取付部31a,31bは、集光レンズ13をヒートシンク11に対して取り付けるための部分であって、集光レンズ周壁部30の前端部から幅方向の両側へ延びる。本実施形態の左右の集光レンズ取付部31a,31bは、前後方向と交叉する板状に形成されて幅方向に延び、集光レンズ13に左右対称的に設けられる。左右の集光レンズ取付部31a,31bの先端部は、ヒートシンク11の左右のボス部17の前端面に対してシェード14及び投影レンズ15と共に固定される。
【0033】
左右の集光レンズ取付部31a,31bの先端部のうち左右のボス部17の前端面に対向する対向領域の前面側には、投影レンズ15の後述する左右の投影レンズ挟持部51との間にシェード14の後述するシェード被挟持部43を挟持する集光レンズ挟持部34が設けられる。すなわち、左右の集光レンズ取付部31a,31bの集光レンズ挟持部34(「左右の集光レンズ挟持部34」という場合がある。)は、集光レンズ本体29に対して幅方向の両側に設けられ、集光レンズ本体29の外縁よりも外側(本実施形態では幅方向の外側)に配置される。左右の集光レンズ挟持部34は、光軸に対して水平方向の位置(幅方向から水平に視た際に光軸を含む高さ位置(
図4に一点鎖線Lで示す高さ位置))に配置される。本実施形態の集光レンズ挟持部34は、左右の集光レンズ取付部31a,31bの前面35よりも僅かに前方へ突出している。左右の集光レンズ挟持部34には、集光レンズ位置決め孔36と、集光レンズネジ挿通孔37とが形成される。集光レンズ位置決め孔36は、ヒートシンク11の左右のボス部17の位置決めピン22の挿通を許容する孔であり、位置決めピン22に対応する位置に形成される。集光レンズネジ挿通孔37は、ネジ24の挿通を許容する孔であり、ヒートシンク11の左右のボス部17のネジ穴23に対応する位置に形成される。集光レンズ13は、左右の集光レンズ挟持部34の集光レンズ位置決め孔36にヒートシンク11の左右のボス部17の位置決めピン22を挿通させた状態で、集光レンズネジ挿通孔37を挿通するネジ24によって、シェード14及び投影レンズ15と共にヒートシンク11の左右のボス部17のネジ穴23に締結固定されている。
(シェード)
【0034】
図2、
図3、及び
図5に示すように、シェード14は、上記所定の形状の画像P(
図1参照)を描画するために集光レンズ13からの光の一部を上記所定の形状に通過させる部材であって、集光レンズ13の前方に配置される。シェード14は、遮光性を有する材料によって、前後方向と交叉する板状に形成され、集光レンズ13と投影レンズ15との間に配置される。シェード14は、シェード14の幅方向の中央に位置するシェード本体38と、シェード本体38から幅方向の両側へ延びる左右のシェード取付部39a,39bとを一体的に有する。
【0035】
シェード本体38は、集光レンズ13から出射された光を部分的に通すというシェード14の基本的な機能を有する部分であって、前後方向と交叉する板状に形成され、集光レンズ13の集光レンズ本体29に対向するように集光レンズ本体29から前方へ離間した位置に配置される。シェード本体38は、光を通すスリット40と、光を遮光する遮光部41と、シェード14の熱を放熱する放熱部42と、を有する。
【0036】
スリット40は、シェード本体38を前後方向に貫通する開口であって、集光レンズ13から出射された光を部分的に通す。スリット40は、シェード本体38のうち集光レンズ13からの光を受ける領域に配置される。スリット40は、スリット40を通過した光が投影レンズ15によって路面2へ投影された際に上記所定の形状の画像Pを描画できるように、上記所定の形状に対応した形状に形成される。本実施形態のスリット40は、3つの矩形状のパターンが互いに前後に離間した状態で一直線上に並んだ画像P(
図1参照)を路面2に描画できるように、上下に並ぶ3つの矩形状のスリット40a,40b,40cとなっている。スリット40は、集光レンズ本体29によって集光された光源12からの光を部分的に通すことによって、路面2に投影される画像Pを上記所定の形状に成形する。なお、スリット40の形状は、上記3つの矩形状のスリット40a,40b,40cに限定されるものではない。
【0037】
遮光部41は、シェード本体38のうち集光レンズ13からの光を遮光する部分であって、スリット40の周囲に配置される。具体的には、シェード本体38の集光レンズ13からの光を受ける領域のうち、スリット40を除く部分が遮光部41として機能する。
【0038】
放熱部42は、遮光部41の熱を放熱するために、シェード14のうち集光レンズ13及び投影レンズ15の双方の外縁13a,15aよりも外側に露出している部分(
図7参照)であって、遮光部41から連続している。放熱部42は、シェード本体38の外縁を含む領域である。放熱部42の詳細については、後述する。
【0039】
左右のシェード取付部39a,39bは、シェード14をヒートシンク11に対して取り付けるための部分であって、ヒートシンク11の左右のボス部17に対して取り付けられる。本実施形態の左右のシェード取付部39a,39bは、前後方向と交叉する板状に形成されて、シェード本体38から幅方向の両側へ延び、シェード14に左右対称的に設けられる。左右のシェード取付部39a,39bは、ヒートシンク11の左右のボス部17に対して集光レンズ13及び投影レンズ15と共に固定される。
【0040】
左右のシェード取付部39a,39bの先端部には、集光レンズ13の左右の集光レンズ挟持部34と投影レンズ15の後述する左右の投影レンズ挟持部51との間に挟持されるシェード被挟持部(被挟持部)43が設けられる。すなわち、左右のシェード取付部39a,39bのシェード被挟持部43(「左右のシェード被挟持部43」という場合がある。)は、シェード本体38の遮光部41に対して幅方向の両側に設けられる。左右のシェード被挟持部43には、シェード位置決め孔44と、シェードネジ挿通孔45とが形成される。シェード位置決め孔44は、ヒートシンク11の左右のボス部17の位置決めピン22の挿通を許容する孔であり、位置決めピン22に対応する位置に形成される。シェードネジ挿通孔45は、ネジ24の挿通を許容する孔であり、ヒートシンク11の左右のボス部17のネジ穴23に対応する位置に形成される。シェード14は、集光レンズ13の前方に配置され、左右のシェード被挟持部43のシェード位置決め孔44にヒートシンク11の左右のボス部17の位置決めピン22を挿通させた状態で、シェードネジ挿通孔45を挿通するネジ24によって、集光レンズ13及び投影レンズ15と共にヒートシンク11の左右のボス部17のネジ穴23に締結固定されている。左右のシェード被挟持部43の後面は、集光レンズ13の左右の集光レンズ挟持部34に前方から当接する。左右のシェード被挟持部43の前面は、投影レンズ15の後述する左右の投影レンズ挟持部51に後方から当接する。
(投影レンズ)
【0041】
図2、
図3、及び
図6示すように、投影レンズ15は、シェード14を通過した光を前方の路面2へ投影するレンズであって、シェード14の前方に配置される。投影レンズ15は、透過性を有する熱可撓性樹脂で成形されることが好ましく、本実施形態では、アクリル樹脂により一体成形されている。投影レンズ15は、投影レンズ本体46と、投影レンズ本体46の外周縁部から後方(シェード14側)へ延びる投影レンズ周壁部47と、投影レンズ周壁部47の幅方向の両側に配置される左右の投影レンズ取付部48a,48bとを一体的に有する。なお、投影レンズ15は、アクリル樹脂製のレンズに限定されるものではない。
【0042】
投影レンズ本体46は、シェード14を通過した光を入射させる後側の入射面と、入射した光を出射する前側の出射面とを有し、シェード14を通過した光を前方へ出射して路面2へ投影する。投影レンズ本体46は、光軸方向から視て略円形に形成される。投影レンズ本体46は、シェード14のシェード本体38に前方から対向するように、シェード本体38から前方へ離間した位置に配置される。投影レンズ本体46は、光軸方向で視て円形状の凸レンズとされており、本実施形態では、入射面及び出射面が凸面とされた自由曲面とされている。投影レンズ本体46は、シェード14のスリット40を投影することで、路面2上に上記所定の形状の画像Pを描画する(
図1参照)。なお、本実施形態では、投影レンズ本体46の入射面及び出射面を凸面としたが、これに限定されるものではなく、投影レンズ本体46を凸レンズとするものであればよい。
【0043】
投影レンズ周壁部47は、投影レンズ本体46を保護する部分であって、投影レンズ本体46を囲むように筒状に形成され、投影レンズ本体46から後方へ延びる。投影レンズ周壁部47の後端縁部(シェード14側の端部)の上下の両側には、後方から前方へ凹むように切り欠かれた切欠部49が形成される。切欠部49は、投影レンズ周壁部47の内側に区画される内部空間50と、投影レンズ周壁部47の外部とを連通させる。投影レンズ周壁部47の後端部の幅方向の両側からは、左右の投影レンズ取付部48a,48bが互いに離間する方向へ突出している。すなわち、投影レンズ周壁部47は、左側の投影レンズ取付部48aの右側端部を支持し、右側の投影レンズ取付部48bの左側端部を支持している。
【0044】
左右の投影レンズ取付部48a,48bは、投影レンズ15をヒートシンク11に対して取り付けるための部分であって、投影レンズ周壁部47の後端部から幅方向の両側へ延びる。本実施形態の左右の投影レンズ取付部48a,48bは、前後方向と交叉する板状に形成されて幅方向に延び、投影レンズ15に左右対称的に設けられる。左右の投影レンズ取付部48a,48bの先端部は、ヒートシンク11の左右のボス部17の前端面に対して集光レンズ13及びシェード14と共に固定される。
【0045】
左右の投影レンズ取付部48a,48bの先端部の後面側には、シェード14の左右のシェード被挟持部43を集光レンズ13の左右の集光レンズ挟持部34との間に挟持する投影レンズ挟持部51が設けられる。すなわち、左右の投影レンズ取付部48a,48bの投影レンズ挟持部51(「左右の投影レンズ挟持部51」という場合がある。)は、投影レンズ本体46に対して幅方向の両側に設けられ、投影レンズ本体46の外縁よりも外側(本実施形態では幅方向の外側)に配置される。左右の投影レンズ挟持部51は、光軸に対して水平方向の位置(幅方向から水平に視た際に光軸を含む高さ位置(
図6に一点鎖線Lで示す高さ位置))に配置される。本実施形態の投影レンズ挟持部51は、左右の投影レンズ取付部48a,48bの後面52よりも僅かに後方へ突出している。左右の投影レンズ挟持部51には、投影レンズ位置決め孔53と、投影レンズネジ挿通孔54とが形成される。投影レンズ位置決め孔53は、ヒートシンク11の左右のボス部17の位置決めピン22の挿通を許容する孔であり、位置決めピン22に対応する位置に形成される。投影レンズネジ挿通孔54は、ネジ24の挿通を許容する孔であり、ヒートシンク11の左右のボス部17のネジ穴23に対応する位置に形成される。投影レンズ15は、シェード14の前方に配置され、左右の投影レンズ挟持部51の投影レンズ位置決め孔53にヒートシンク11の左右のボス部17の位置決めピン22を挿通させた状態で、投影レンズネジ挿通孔54を挿通するネジ24によって、集光レンズ13及びシェード14と共にヒートシンク11の左右のボス部17のネジ穴23に締結固定されている。左右の投影レンズ挟持部51は、シェード14の左右のシェード被挟持部43の前面に前方から当接する。
(シェードの放熱部)
【0046】
次に、シェード14の放熱部42の詳細について説明する。
図7は、ランプユニットを投影レンズ側から視た状態を示す概略図である。なお、
図7では、投影レンズ15とシェード14と集光レンズ13(二点鎖線)とを図示しており、他の部材の図示を省略している。また、
図7では、分かり易くするために放熱部42にハッチングを付している。
【0047】
図7に示すように、シェード14の放熱部42は、遮光部41から連続して集光レンズ13及び投影レンズ15の双方の外縁13a,15aよりも外側に露出している。集光レンズ13の外縁(集光レンズの外縁)13aは、集光レンズ13の前端の外縁であって、集光レンズ周壁部30の前端の外周縁と、左右の集光レンズ取付部31a,31bの外縁とによって構成される(
図4及び
図7参照)。また、投影レンズ15の外縁(投影レンズの外縁)15aは、投影レンズ15の後端の外縁であって、投影レンズ周壁部47の後端の外周縁と、左右の投影レンズ取付部48a,48bの外縁とによって構成される(
図6及び
図7参照)。すなわち、本実施形態の放熱部42は、集光レンズ周壁部30及び投影レンズ周壁部47の双方の外周縁よりも外側に露出している。本実施形態の放熱部42は、集光レンズ13及び投影レンズ15の外縁13a,15aのうちの上縁よりも上方の上部放熱部42aと、外縁13a,15aのうちの下縁よりも下方の下部放熱部42bとを含む。なお、本実施形態では、放熱部42を、上下方向の双方に設けたが、これに限定されるものではなく、上下方向のいずれか一方のみに設けてもよい。
【0048】
シェード14のシェード本体38の上端の高さ位置は、集光レンズ13の上端及び投影レンズ15の上端のいずれか高い方を上方へ超えない高さ位置であることが好ましい。本実施形態では、集光レンズ13及び投影レンズ15の双方の上端(集光レンズ周壁部30及び投影レンズ周壁部47の上端)の高さ位置は略同じであり、シェード14のシェード本体38の上端の高さ位置は、集光レンズ13及び投影レンズ15の双方の上端と同一又は僅かに下方の高さ位置に配置される。このため、本実施形態のシェード14の上部放熱部42aは、ランプユニット10を前方から視た状態(
図7に示す状態)で、投影レンズ15の投影レンズ周壁部47の上側の外周縁(外縁15a)よりも左右の両側、かつ左右の投影レンズ取付部48a,48bの上端縁(外縁15a)よりも上方の領域に露出している。これにより、ランプユニット10の上方への拡大化を抑えつつ、シェード14の熱を放熱することができる。
【0049】
また、シェード14のシェード本体38の下端の高さ位置は、集光レンズ13の下端及び投影レンズ15の下端のいずれか低い方を下方へ超えない高さ位置であることが好ましい。本実施形態では、投影レンズ15の下端(投影レンズ周壁部47の下端)は、集光レンズ13の下端(集光レンズ周壁部30の下端)よりも下方に位置しており、シェード14のシェード本体38の下端の高さ位置は、集光レンズ周壁部30の下端(外縁13a)と略同じ高さ位置に配置される。すなわち、シェード14のシェード本体38の下端の高さ位置は、投影レンズ15の投影レンズ周壁部47の下端(外縁15a)よりも上方の高さ位置に配置される。このため、本実施形態のシェード14の下部放熱部42bは、ランプユニット10を前方から視た状態(
図7に示す状態)で、投影レンズ15の投影レンズ周壁部47の下側の外周縁よりも左右の両側、かつ左右の投影レンズ取付部48a,48bの下端縁よりも下方の領域に露出している。これにより、ランプユニット10の下方への拡大化を抑えつつ、シェード14の熱を放熱することができる。
【0050】
図7に示すように、上部放熱部42aの面積(一方の面積)は、下部放熱部42bの面積(他方の面積)よりも大きい方が好ましい。これにより、下部放熱部42bから放熱されて上昇する熱を小さく抑えつつ、上部放熱部42aから上方へ熱を大きく放熱することができる。なお、上部放熱部42aと下部放熱部42bとの面積の差は、上記に限定されるものではなく、略同一であってもよいし、或いは下部放熱部42bの方が大きくてもよい。
【0051】
上記のように構成されたランプユニット10では、シェード14は、遮光部41から連続して集光レンズ13及び投影レンズ15の双方の外縁13a,15aよりも外側に露出する放熱部42を有する。このため、シェード14の遮光部41が光源12からの光を遮光することによって、遮光部41の温度が上昇する際に、熱は、遮光部41から放熱部42へ伝達されて、ランプユニット10の外部へ放熱される。これにより、シェード14の遮光部41から左右のシェード被挟持部43を介して集光レンズ13及び投影レンズ15に伝達される熱を抑えることができる。
【0052】
また、シェード14の放熱部42は、集光レンズ13及び投影レンズ15のいずれか一方ではなく、双方の外縁13a,15aよりも外側に露出するので、放熱部42の両面から効果的に放熱することができる。
【0053】
従って、本実施形態によれば、シェード14からの熱によるレンズ(集光レンズ13及び投影レンズ15)の変形を抑えることができる。
【0054】
また、集光レンズ13には、筒状の集光レンズ周壁部30が設けられるので、集光レンズ13の変形を抑えることができる。また、投影レンズ15には、筒状の投影レンズ周壁部47が設けられるので、投影レンズ15の変形を抑えることができる。
【0055】
また、集光レンズ13の集光レンズ周壁部30の前端縁部には、集光レンズ周壁部30の内部空間33と外部とを連通させる切欠部32が設けられるので、集光レンズ周壁部30の内部空間33への熱の滞留を抑えることができる。また、投影レンズ15の投影レンズ周壁部47の後端縁部には、投影レンズ周壁部47の内部空間50と外部とを連通させる切欠部49が設けられるので、投影レンズ周壁部47の内部空間50への熱の滞留を抑えることができる。このため、熱によるレンズ(集光レンズ13及び投影レンズ15)の変形を抑えることができる。
【0056】
また、集光レンズ周壁部30の切欠部32は、集光レンズ周壁部30の前端縁部の上下の両側に設けられるので、集光レンズ周壁部30の内部空間33の熱を効果的に上方へ排出することができる。また、投影レンズ周壁部47の切欠部49は、投影レンズ周壁部47の後端縁部の上下の両側に設けられるので、投影レンズ周壁部47の内部空間50の熱を効果的に上方へ排出することができる。このため、熱によるレンズ(集光レンズ13及び投影レンズ15)の変形を抑えることができる。
【0057】
集光レンズ周壁部30の切欠部32は、集光レンズ周壁部30の前端縁部(シェード14側の端部)に、前方から後方へ凹むように切り欠かれているので、集光レンズ周壁部30の前端縁部のうち切欠部32は、シェード14から後方へ離間している。このため、シェード14から集光レンズ周壁部30の前端縁部への熱の伝達を抑えることができる。また、投影レンズ周壁部47の切欠部49は、投影レンズ周壁部47の後端縁部(シェード14側の端部)に、後方から前方へ凹むように切り欠かれているので、投影レンズ周壁部47の後端縁部のうち切欠部49は、シェード14から前方へ離間している。このため、シェード14から投影レンズ周壁部47の後端縁部への熱の伝達を抑えることができる。従って、シェード14からの熱によるレンズ(集光レンズ13及び投影レンズ15)の変形を抑えることができる。
【0058】
また、集光レンズ13の集光レンズ挟持部34は、集光レンズ本体29に対して第1方向(幅方向)の両側に設けられ、投影レンズ15の投影レンズ挟持部51は、投影レンズ本体46に対して第1方向(幅方向)の両側に設けられる。そして、放熱部42は、第1方向と交叉する第2方向の少なくとも一方(本実施形態では両方)に設けられる。このため、集光レンズ挟持部34及び投影レンズ挟持部51を幅方向の両側に配置することによって、放熱部42を少なくとも上方に配置することができる。これにより、集光レンズ挟持部34及び投影レンズ挟持部51を幅方向の両側に配置することによって、集光レンズ13及び投影レンズ15を安定的に保持しつつ、放熱部42を上方に配置して上方へ放熱することができる。
【0059】
また、集光レンズ13の左右の集光レンズ挟持部34は、集光レンズ取付部31a,31bの前面35よりも僅かに前方へ突出しているので、集光レンズ取付部31a,31bの前面35とシェード14のシェード取付部39a,39bの後面とを離間させることができる。また、投影レンズ15の左右の投影レンズ挟持部51は、投影レンズ取付部48a,48bの後面52よりも僅かに後方へ突出しているので、投影レンズ取付部48a,48bの後面52とシェード14のシェード取付部39a,39bの前面とを離間させることができる。このため、シェード14から集光レンズ取付部31a,31b及び投影レンズ取付部48a,48bへの熱の伝達を抑えることができるので、シェード14からの熱によるレンズ(集光レンズ13及び投影レンズ15)の変形を抑えることができる。
【0060】
なお、本実施形態では、本開示における所定方向を前後方向とし、第1方向を幅方向とし、第2方向を上下方向としたが、これに限定されるものではなく、ランプユニット10は所望の方向に配置することができる。
【0061】
また、本実施形態では、ランプユニット10を、車両用灯具100の灯室103に配置したが、これに限定されるものではなく、ランプユニット10を単独で配置してもよい。
【0062】
また、本実施形態では、集光レンズ13、シェード14、及び投影レンズ15をヒートシンク11に取り付けたが、ヒートシンク11とは異なる他の取付対象に対して取り付けてもよい。
【0063】
また、本実施形態では、ランプユニット10に2つのレンズ(集光レンズ13及び投影レンズ15)を設けたが、レンズを設ける数は2つに限定されるものではなく、シェード14を挟持する集光レンズ13及び投影レンズ15に加えて他のレンズを設けてもよい。
【0064】
以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、当然に本発明を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0065】
10:ランプユニット
12:光源
13:集光レンズ
13a:外縁(集光レンズの外縁)
14:シェード
15:投影レンズ
15a:外縁(投影レンズの外縁)
29:集光レンズ本体
30:集光レンズ周壁部
32,49:切欠部
33,50:内部空間
34:集光レンズ挟持部
40:スリット
41:遮光部
42:放熱部
43:シェード被挟持部(被挟持部)
46:投影レンズ本体
47:投影レンズ周壁部
51:投影レンズ挟持部