(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157875
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】外装材接着度合出力システム、外装材接着度合出力方法、及び、外装材接着度合出力プログラム
(51)【国際特許分類】
E04F 13/08 20060101AFI20241031BHJP
E04F 13/14 20060101ALI20241031BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20241031BHJP
G06T 7/62 20170101ALI20241031BHJP
G06T 7/90 20170101ALI20241031BHJP
G01B 11/28 20060101ALI20241031BHJP
G01N 21/27 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
E04F13/08 101V
E04F13/14 103Z
G06T7/00 610Z
G06T7/62
G06T7/90 C
G01B11/28 H
G01N21/27 A
E04F13/14 103G
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072501
(22)【出願日】2023-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000150615
【氏名又は名称】株式会社長谷工コーポレーション
(71)【出願人】
【識別番号】514311678
【氏名又は名称】スパイダープラス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】花田 剛
(72)【発明者】
【氏名】椎名 英明
(72)【発明者】
【氏名】中邨 浩司
(72)【発明者】
【氏名】川西 真人
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼原 雄樹
(72)【発明者】
【氏名】平野 翔大
(72)【発明者】
【氏名】梅原 啓
【テーマコード(参考)】
2E110
2F065
2G059
5L096
【Fターム(参考)】
2E110AA26
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5L096AA02
5L096AA06
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5L096EA06
5L096EA43
5L096FA37
5L096GA55
(57)【要約】
【課題】外装材の接着の度合いを精度よく出力できる外装材接着度合出力システム、外装材接着度合出力方法、及び外装材接着度合出力プログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、接着面を有する外装材が接着剤によって所定の面に接着された後に、剥がされた当該外装材の当該接着面の画像を取得し、取得した画像を解析して接着面の色の対比を行い、色の対比の結果に基づいて接着面の全体に対して接着剤が塗られているとされる割合を算出し、算出の結果に基づいて接着面の接着の度合いを出力する、ことを特徴とする。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着面を有する外装材が接着剤によって所定の面に接着された後に、剥がされた当該外装材の当該接着面の画像を取得する取得部と、
取得した前記画像を解析して、前記接着面の色の対比を行う色対比部と、
前記色の対比の結果に基づいて、前記接着面の全体に対して前記接着剤が塗られているとされる割合を算出する算出部と、
前記算出の結果に基づいて、前記接着面の接着の度合いを出力する出力部と、を備える、外装材接着度合出力システム。
【請求項2】
前記色対比部は、所定の基準値よりも青色寄りか赤色寄りかで、前記接着面の色の対比を行う、請求項1に記載の外装材接着度合出力システム。
【請求項3】
前記色対比部は、色分布を行い、当該色分布の2つの山の間の値を基準値に設定して、当該基準値に基づいて前記接着面の色の対比を行う、請求項1に記載の外装材接着度合出力システム。
【請求項4】
前記出力部は、前記算出の結果に基づいて、前記接着面の接着の度合いを接着率で出力する、請求項1に記載の外装材接着度合出力システム。
【請求項5】
前記出力部は、前記算出の結果に基づいて、前記接着面の接着の度合いを合格か不合格かで出力する、請求項1に記載の外装材接着度合出力システム。
【請求項6】
前記出力部は、前記算出の結果に基づいて、前記接着面の接着の度合いを前記接着剤が当該接着面に対して偏りがあるかどうかで出力する、請求項1に記載の外装材接着度合出力システム。
【請求項7】
前記取得部は、異なる時刻に撮影された前記画像を取得し、
前記出力部は、前記算出の結果に基づいて、前記画像毎の前記接着面の接着の度合いを出力する、請求項1に記載の外装材接着度合出力システム。
【請求項8】
前記接着面を撮影可能な撮影部を備え、
前記取得部は、前記画像を前記撮影部から取得する、請求項1に記載の外装材接着度合出力システム。
【請求項9】
接着面を有する外装材が接着剤によって所定の面に接着された後に、剥がされた当該外装材の当該接着面の画像を取得するステップと、
取得した前記画像を解析して、前記接着面の色の対比を行うステップと、
前記色の対比の結果に基づいて、前記接着面の全体に対して接着剤が塗られているとされる割合を算出するステップと、
前記算出の結果に基づいて、前記接着面の接着の度合いを出力するステップと、を備える、外装材接着度合出力方法。
【請求項10】
コンピュータに、
接着面を有する外装材が接着剤によって所定の面に接着された後に、剥がされた当該外装材の当該接着面の画像を取得するステップと、
取得した前記画像を解析して、前記接着面の色の対比を行うステップと、
前記色の対比の結果に基づいて、前記接着面の全体に対して接着剤が塗られているとされる割合を算出するステップと、
前記算出の結果に基づいて、前記接着面の接着の度合いを出力するステップと、を実施させる、外装材接着度合出力プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物等の所定の面への外装材の接着の度合いを出力する外装材接着度合出力システム、外装材接着度合出力方法、及び外装材接着度合出力プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、建物等の表面にタイル等の外装材を接着するときに行われる、外装材の接着率(外装材の裏面全体の面積に対する接着剤の付いている領域(接着領域)の面積の割合)を用いた外装材の接着の度合いを評価する方法が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
この方法では、建物等の所定の面に接着剤によって張り付けた外装材を接着剤が硬化する前に剥がして当該外装材の裏面(接着面)を撮影し、この撮影によって得られた接着面の画像を輝度に基づいて二値化し、この二値化した接着面の画像の白色と黒色の領域の面積に基づいて外装材の接着率を導出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記の外装材の接着の度合いを評価する方法では、撮影画像が輝度に基づいて二値化されるため、二値化の際に撮影時の周囲の明るさや接着面への光の当たり具合、接着面に付着している接着剤の凹凸等によって生じる影等の影響が大きく、正確な接着率(接着の度合い)を導出できない場合があった。
【0006】
そこで、本発明は、外装材の接着の度合いを精度よく出力できる外装材接着度合出力システム、外装材接着度合出力方法、及び外装材接着度合出力プログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の外装材接着度合出力システムは、
接着面を有する外装材が接着剤によって所定の面に接着された後に、剥がされた当該外装材の当該接着面の画像を取得する取得部と、
取得した前記画像を解析して、前記接着面の色の対比を行う色対比部と、
前記色の対比の結果に基づいて、前記接着面の全体に対して前記接着剤が塗られているとされる割合を算出する算出部と、
前記算出の結果に基づいて、前記接着面の接着の度合いを出力する出力部と、を備える。
【0008】
このように、接着面の全体に対して接着剤が塗られているとされる割合を、取得した画像(詳しくは、画像における接着面の各位置)の色に基づいて算出することで、撮影時の明るさや接着面に生じる影等の影響が抑えられ、これにより、精度の良い外装材の接着の度合いを出力することができる。
【0009】
前記外装材接着度合出力システムでは、
前記色対比部は、所定の基準値よりも青色寄りか赤色寄りかで、前記接着面の色の対比を行ってもよい。
【0010】
取得した接着面の画像において、接着剤が付着していない部位の色と、接着剤の付着している部位の色とを、所定の基準値(基準となる色)に対して青色寄りか赤色寄りかで判別して対比することで、出力される外装材の接着の度合いを精度良く求めることができる。
【0011】
また、前記外装材接着度合出力システムでは、
前記色対比部は、色分布を行い、当該色分布の2つの山の間の値を基準値に設定して、当該基準値に基づいて前記接着面の色の対比を行ってもよい。
【0012】
このように、外装材の接着の度合いを求める毎に、色対比に用いられる基準値が適切に設定されるため、出力される外装材の接着の度合いをより精度良く求めることができる。
【0013】
また、前記外装材接着度合出力システムでは、
前記出力部は、前記算出の結果に基づいて、前記接着面の接着の度合いを接着率で出力してもよい。
【0014】
かかる構成によれば、精度の良い外装材の接着率が得られる。
【0015】
また、前記外装材接着度合出力システムでは、
前記出力部は、前記算出の結果に基づいて、前記接着面の接着の度合いを合格か不合格かで出力してもよい。
【0016】
かかる構成によれば、外装材の接着の度合いが合格か不合格かで得られるため、外装材が建物等の所定の面に十分に接着されるか否かを容易に判断することができる。
【0017】
また、前記外装材接着度合出力システムでは、
前記出力部は、前記算出の結果に基づいて、前記接着面の接着の度合いを前記接着剤が当該接着面に対して偏りがあるかどうかで出力してもよい。
【0018】
かかる構成によれば、接着面における接着剤の付着した部位の偏りの有無を容易に判断することができる。
【0019】
また、前記外装材接着度合出力システムでは、
前記取得部は、異なる時刻に撮影された前記画像を取得し、
前記出力部は、前記算出の結果に基づいて、前記画像毎の前記接着面の接着の度合いを出力してもよい。
【0020】
かかる構成によれば、異なる時刻に撮影された画像を同時に取得しても画像毎の接着面の接着の度合いを得ることができる。
【0021】
また、前記外装材接着度合出力システムは、
前記接着面を撮影可能な撮影部を備え、
前記取得部は、前記画像を前記撮影部から取得してもよい。
【0022】
このように、外装材接着度合出力システムが撮影部を備えることで、外装材を所定の面に接着する現場において接着面を撮影することができ、これにより、当該現場において接着面の接着の度合いを得ることができる。
【0023】
また、本発明の外装材接着度合出力方法は、
接着面を有する外装材が接着剤によって所定の面に接着された後に、剥がされた当該外装材の当該接着面の画像を取得するステップと、
取得した前記画像を解析して、前記接着面の色の対比を行うステップと、
前記色の対比の結果に基づいて、前記接着面の全体に対して接着剤が塗られているとされる割合を算出するステップと、
前記算出の結果に基づいて、前記接着面の接着の度合いを出力するステップと、を備える。
【0024】
かかる構成によれば、接着面の画像から精度の良い外装材の接着の度合いが得られる。
【0025】
また、本発明の外装材接着度合出力プログラムは、
コンピュータに、
接着面を有する外装材が接着剤によって所定の面に接着された後に、剥がされた当該外装材の当該接着面の画像を取得するステップと、
取得した前記画像を解析して、前記接着面の色の対比を行うステップと、
前記色の対比の結果に基づいて、前記接着面の全体に対して接着剤が塗られているとされる割合を算出するステップと、
前記算出の結果に基づいて、前記接着面の接着の度合いを出力するステップと、を実施させる。
【0026】
このプログラムを用いることで、コンピュータに、接着面の画像から精度の良い外装材の接着の度合いを出力させることができる。
【発明の効果】
【0027】
以上より、本発明によれば、外装材の接着の度合いを精度よく出力できる外装材接着度合出力システム、外装材接着度合出力方法、及び外装材接着度合出力プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る外装材接着度合出力システムの機能ブロック図である。
【
図2】
図2は、前記外装材接着度合出力システムによる外装材の接着の度合いの検査のフローチャートである。
【
図3】
図3は、前記フローチャートにおける接着の度合いの導出のサブルーチンを示す図である。
【
図4】
図4は、前記フローチャートにおける接着の度合いの導出のサブルーチンであって
図3の続きを示す図である。
【
図5】
図5は、所定の面に接着された複数の外装材を示す図である。
【
図6】
図6は、前記所定の面に接着された複数の外装材のうちの一つの外装材を剥がした状態を示す図である。
【
図7】
図7は、前記外装材接着度合出力システムの出力部が機能的に形成される携帯端末であって、前記外装材の接着面を撮影するときの携帯端末を表示・入力部側から見た図である。
【
図8】
図8は、前記携帯端末によって撮影された接着面の画像に基づくヒストグラムを示す図である。
【
図9】
図9の(a)は、接着面を撮影した画像を示す図であり、(b)は前記画像を二値化した画像を示す図である。
【
図10】
図10(a)及び
図10(b)は、接着剤の偏りを検出するときに用いられる領域を説明するための図である。
【
図11】
図11は、導出された接着の度合いを示した状態の前記携帯端末を表示・入力部側から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の一実施形態について、
図1~
図11を参照しつつ説明する。
【0030】
本実施形態に係る外装材接着度合出力システム、外装材接着度合出力方向、及び外装材接着度合出力プログラムは、建物の壁面等の所定の面に接着剤によって張り付けた外装材の接着の度合いを検査するのに用いられるシステム等であり、前記所定の面に接着剤によって張り付けた外装材を当該接着剤が硬化する前に剥がし、この剥がした外装材の裏面(前記所定の面と対向する面:以下、「接着面」と称する。)を撮影することによって当該外装材の接着の度合いを導出できる。ここで、接着の度合いの出力とは、外装材の前記所定の面への接着率の表記や、外装材の接着状態が合格か不合格の表記、外装材の接着面における接着剤の偏りの有無の表記等の出力である。また、外装材の接着率とは、外装材の接着面全体の面積に対する接着剤が付着している領域の面積の割合のことである。
【0031】
本実施形態において、外装材は、平らな接着面を有する部材であり、例えば、外装壁タイル、内装壁タイル等である。また、接着剤は、外装材の接着面と建物等の前記所定の面との間において接着層を構成し、硬化することによって外装材を前記所定の面に接着するものであり、例えば、変成シリコーン樹脂又はウレタン樹脂を主成分とするものであって、JIS A5557(外装タイル張り用有機系接着剤)-2010に適合する一液反応硬化型の有機系接着剤と同等以上の品質を有する有機系接着剤、モルタル等である。
【0032】
外装材接着度合出力システムは、スマートフォンやタブレット等の携帯端末に所定のプログラムが組み込まれることによって構成されている。本実施形態の外装材接着度合出力システムは、スマートフォンに前記プログラムが組み込まれることによって構成されている。
【0033】
この外装材接着度合出力システム1は、
図1、
図5、及び
図6に示すように、接着面100aを有する外装材100が接着剤101によって建物の壁面等の所定の面(被接着面)105に接着された後に、剥がされた外装材100の接着面100aの画像Iを取得する取得部2と、取得した画像Iを解析して、接着面100aの色の対比を行う色対比部3と、色の対比の結果に基づいて、接着面100aの全体に対して接着剤101が塗られているとされる割合を算出する算出部4と、算出の結果に基づいて、接着面100aの接着の度合いを出力する出力部5と、を備える。
【0034】
この外装材接着度合出力システム1は、所定のプログラムがコンピュータに組み込まれることによって構成されており、本実施形態の外装材接着度合出力システム1では、取得部2と色対比部3と算出部4とがクラウド上に配置され、出力部5がスマートフォンやタブレット等の携帯端末に配置される。
【0035】
以下では、先ず、外装材接着度合出力システム1の一部を構成する出力部5を除いた携帯端末10の構成を説明し、その後、出力部5を含めた外装材接着度合出力システム1の具体的な構成について説明する。
【0036】
携帯端末10は、端末本体11と、撮影部12と、撮影部12による撮影の際に撮影対象物を照らす照明部13と、画像Iの表示や外装材接着度合出力システム1の操作のための入力等を行う表示・入力部14と、携帯端末10の制御や各種処理を行う制御演算部15と、を備える。
【0037】
撮影部12は、レンズ等の少なくとも一つの光学素子を有する光学系121と、当該光学系121の結像位置に配置されるCMOSセンサ等のイメージセンサ122と、を有する。本実施形態の撮影部12は、外装材接着度合出力システム1の出力部5を構成する形態端末(本実施形態の例では、スマートフォン)のカメラである。
【0038】
照明部13は、いわゆるフラッシュライトであり、撮影部12による撮影の際に撮影対象物に対して光を照射する。本実施形態の外装材接着度合出力システム1では、撮影時に照明部13がONになる。
【0039】
表示・入力部14は、いわゆるタッチパネルディスプレーであり、撮影部12のイメージセンサ122から出力される画像データ(画像I)の表示や、外装材接着度合出力システム1の操作(スマートフォンの操作を含む)のための各種表示等を行う。また、表示・入力部14において、各種アプリや外装材接着度合出力システム1の操作(スマートフォンの操作を含む)のための入力等が行える。
【0040】
制御演算部15は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、このCPUによって実行される種々のプログラムやその実行に必要なデータ等を予め記憶するROM(Read Only Memory)やEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の不揮発性記憶素子、このCPUのいわゆるワーキングメモリとなるRAM(Random Access Memory)等の揮発性記憶素子およびその周辺回路等を備えたマイクロコンピュータによって構成される。
【0041】
このように構成される制御演算部15には、当該制御演算部15がアプリやプログラムを実行することによって、機能的に、出力部5が構成される。
【0042】
次に、外装材接着度合出力システム1について具体的に説明する。この外装材接着度合出力システム1は、上述のように、取得部2と色対比部3と算出部4と出力部5とを備える。
【0043】
取得部2は、携帯端末10によって外装材100の接着面100aが撮影されたときに、携帯端末10のメモリ等から接着面100aの画像(画像データ)Iを取得する。
【0044】
色対比部3は、取得部2によって取得された画像Iの各位置の色(詳しくは、当該色に対応するデジタル画像の信号値(RGB信号の信号値))において基準値Sよりも青色寄りか赤色寄りかで接着面100aの色の対比を行う。ここで、基準値Sとは、色対比部3において色の対比を行うときに用いられる基準となる色(当該色に対応するRGB信号の信号値)であり、本実施形態の色対比部3では、外装材の接着の度合いを導出する際に設定し直される。具体的には、色対比部3は、色分布を行い、当該色分布の2つの山の間の値を基準値Sに設定して、当該基準値Sに基づいて接着面100aの色の対比を行っている。
【0045】
詳しくは、色対比部3は、接着面100aの画像Iが複数の点(点群)によって構成されるとしたときの当該複数の点における基準値Sより青色寄りの点又は赤色寄りの点を、接着面100aにおける接着剤101の付着した領域(付着領域)Ar1を構成する点と判断して(擬制して)色の対比を行う。本実施形態の色対比部3は、付着領域Ar1の色と、接着面100aにおける接着剤101の付着していない領域(非付着領域)Ar2の色と、を対比する。尚、本実施形態の外装材接着度合出力システム1において、接着面100aの画像Iは、撮影部12のイメージセンサ122の各ピクセルと対応する点群によって構成されている。
【0046】
より具体的に、色対比部3は、基準値Sに基づいて複数の点によって構成される画像Iを二値化(画像解析)する。
【0047】
この画像Iの二値化に際し、色対比部3は、接着の度合いの導出毎に二値化に適した基準値Sを設定する。この基準値Sの設定において、色対比部3は色分布を行う。この色分布を行うとは、例えば、本実施形態の色対比部3では、縦軸を点の数とし且つ横軸を色としたときの複数の点(画像Iを構成する複数の点)の分布(ヒストグラム)を作成することである。そして、色対比部3は、色分布(前記ヒストグラム)における縦軸方向の二つのピークP1、P2間に基準値Sを設定する(
図8参照)。
【0048】
詳しくは、色対比部3は、先ず、画像Iを複数(数十万)の点(本実施形態の例では、イメージセンサ122の各ピクセルに対応する点)と捉え、縦軸を点の数とし且つ横軸を点の色がどれほど青色に寄っているか又は赤色に寄っているかを示す値(RGB信号)とするヒストグラム(
図8参照)を作成する。本実施形態の色対比部3は、各点のRGB信号の青成分と赤成分との差分値を元にヒストグラムを作成する。即ち、本実施形態の色対比部3によって作成されるヒストグラムでは、横軸は、青成分と赤成分との差分値である。尚、本実施形態のヒストグラムには、二つのピークP1、P2(接着剤101の色に対応する山のピークP1と、接着面100aの色に対応する山のピークP2)が出現する。
【0049】
また、色対比部3は、ヒストグラムを作成後、縦軸方向の二つのピーク(
図8における符号P1、P2参照)間に基準値Sを設定する。
【0050】
このように基準値Sが設定(算出)されると、色対比部3は、接着面100aの画像I(
図9(a)参照)を基準値Sに基づいて二値化する。
【0051】
算出部4は、色対比部3での色の対比の結果に基づいて外装材100の接着率を算出する。本実施形態の算出部4は、色対比部3によって二値化された画像(画像処理された白黒画像)Ia(
図9(b)参照)から接着面100aにおける接着剤101の付着領域(画像Iaの黒色領域)Ar1と、付着していない領域(非付着領域:画像Iaの白色領域)Ar2と、を判別する。そして、算出部4は、撮影部12によって撮影された外装材100の接着面100aの画像(本実施形態の例では、二値化した画像)Iaに基づき接着率を算出(導出)し、算出した結果を出力部5(携帯端末10)に送信する。
【0052】
出力部5は、算出部4による算出結果に基づいて、接着の度合いを表示・入力部14から外部に出力(表示)させる。本実施形態の出力部5は、接着の度合いとして、接着率と、合格か不合格かの表示と、接着面100aにおける接着剤101の偏りの有無等と、を表示・入力部14に表示させる。
【0053】
具体的に、出力部5は、算出部4によって算出された接着率(数値)を表示・入力部14に表示させる。
【0054】
また、出力部5は、算出部4によって算出された接着率が所定の値(本実施形態の例では、60%)以上であれば、合格と判断し、表示・入力部14に接着率と「合格」のマークを表示させる(
図11参照)。一方、出力部5は、算出された接着率が所定の値未満であれば、不合格と判断し、表示・入力部14に接着率と「不合格」のマークを表示させる。
【0055】
また、出力部5は、二値化された画像Iaに基づいて、接着面100aにおける接着剤101の付着した(塗布された)範囲の偏りの発生の有無を判断する。
【0056】
具体的に、出力部5は、
図10(a)及び
図10(b)に示すように、二値化された画像Iaを当該画像Iaの横方向に並ぶ複数(
図10(a)に示す例では、二つ)の領域Ar11、Ar12に分けた状態で各領域Ar11、Ar22に占める黒色領域の割合を算出すると共に、画像Iaを当該画像Iaの縦方向に並ぶ複数(
図10(b)に示す例では、二つ)の領域Ar21、Ar22に分けた状態で各領域Ar11、Ar22に占める黒色領域の割合を算出する。そして、出力部5は、何れかの領域Ar11、Ar12、Ar21、Ar22において黒色領域の比率が閾値(例えば、25%)未満であったときに、接着面100aにおいて接着剤101の付着領域に偏りが発生していると判断する。
【0057】
尚、
図10(a)及び
図10(b)に示す例では、画像Iaの右側の1/3程度が非付着領域(白色の領域)Ar2となっており、接着剤101(付着領域Ar1)が接着面100aの左側に偏っている(即ち、接着面100aにおいて接着剤101の偏りが発生している)ため、出力部5は、接着剤の偏り有りと判断する。
【0058】
次に、外装材接着度合出力システム1を用いた外装材100の接着の度合いの検査の具体的な方法を
図2~
図4も参照しつつ説明する。
【0059】
先ず、外装材接着度合出力システム1を起動させる。本実施形態の外装材接着度合出力システム1では、スマートフォンの所定のアプリ(例えば、接着の度合いの検査用アプリ)を起動させる。
【0060】
次に、表示・入力部14から検査対象情報(日付、検査者、側点等)を入力し(ステップS1)、続いて、外装材100の接着の度合いの導出(画像解析)を行う(ステップS2)。
【0061】
この接着の度合いの導出では、具体的には、先ず、撮影部12が起動し(ステップS21)、照明部(フラッシュライト)13がONになる(ステップS22)。
【0062】
外装材接着度合出力システム1において、撮影部12と照明部13とが起動すると、表示・入力部14に接着率の評価範囲(画像解析範囲)を示す枠(フレーム)141が表示される(ステップS23:
図7参照)。尚、この枠141は、接着の度合いの導出を行う外装材100の種類(大きさや形)によって切り替えることができるように複数準備されている。
【0063】
続いて、この枠141に外装材100の接着面100aの周縁が一致するように距離や角度等を調整して当該接着面100aを撮影する(
図7参照:ステップS24)。この撮影時においては照明部(フラッシュライト)13が光り、接着面100aが照らされる。
【0064】
尚、この接着面100aの撮影では、接着剤101によって建物の壁面等の所定の面105に接着した複数の外装材100(
図5参照)のうちの任意の一つの外装材100を接着剤101が硬化する前に剥がし(
図6参照)、この剥がした外装材100の裏面(接着面)100aを撮影する。
【0065】
外装材100の接着面100aが撮影されると、続いて、取得部2が携帯端末10から画像(画像データ)Iを取得し、この取得された画像Iに基づいて外装材100の接着の度合いの導出を行う(ステップS25)。本実施形態の外装材接着度合出力システム1において、外装材100の接着の度合いの導出とは、画像解析(色分析)による接着率の導出と、接着率に基づく外装材100の接着状態の合否判定(本実施形態の例では、接着率60%を超えているか否かの合否判定)と、接着面100aにおける接着剤101(接着剤101が付着している領域)の偏りの有無(発生)の判断と、である。詳しくは、以下の通りである。
【0066】
この接着の度合いの導出において、色対比部3は、先ず、ピクセル単位の特異点やノイズを無くすための画像(接着面100aの画像)Iの平滑化処理を行う(ステップS251)。本実施形態の色対比部3は、例えば、ガウシアンフィルターによる平滑化を行う。
【0067】
続いて、色対比部3は、画像Iに基づいて、縦軸を点の数とし且つ横軸を点の色がどれくらい青色寄りか又は赤色寄りかを示す値とするヒストグラム(色分布:
図8参照)を作成する(ステップS252)。
【0068】
色対比部3は、ヒストグラムを作成すると、このヒストグラムに基づいて後段の画像の二値化のための基準値Sを算出(導出)する(ステップS253)。
【0069】
続いて、色対比部3は、撮影部12によって撮影された接着面100aの画像Iを基準値Sに基づいて二値化する(
図9参照)。
【0070】
色対比部3が画像Iを二値化すると、算出部4がこの二値化された画像Iaから、黒色領域(付着領域)Ar1と白色領域(非付着領域Ar2)との比率を導出する(ステップS254)。
【0071】
この比率において、黒色領域Ar1が0%より大きく(ステップS26:No)、且つ、60%未満のとき(ステップS27:No)は、算出部4が出力部5にその結果を送信し、出力部5は、表示・入力部14に、二値化した画像Iaと、接着率の値と、接着率の合否(不合格)とを表示させる(ステップS28)。
【0072】
一方、ステップS254において導出された比率において、黒色領域Ar1が0%より大きく(ステップS26:No)、且つ、60%以上のとき(ステップS27:Yes)は、算出部4が出力部5にその結果を送信し、出力部5は、この結果を受信すると、接着面100aにおいて黒色領域(付着領域)Ar1の偏りが発生しているか否かを判断する(ステップS29)。出力部5は、黒色領域(付着領域)Ar1の偏り無しと判断すると(ステップS29:Yes)、
図11に示すように、表示・入力部14に、二値化した画像Iaと、接着率の値と、接着率の合否(合格)とを表示させ(ステップS31)、黒色領域(付着領域)Ar1の偏り有り(
図10(a)及び
図10(b)参照)と判断すると(ステップS29:No)、表示・入力部14に、二値化した画像Iaと、接着率の値と、接着率の合否(不合格)とを表示させる(ステップS28)。尚、
図11に示す例では、表示・入力部14に接着率が78%で合否判定が合格であることが表示されている。
【0073】
また、前記比率において黒色領域Ar1が0%のときは(ステップS26:Yes)、その結果を受信した出力部5は、画像の黒色領域の比率を100%に変換し(ステップS30)、表示・入力部14に、黒色領域の比率を100に変換した画像と、接着率の合否(合格)とを表示させる(ステップS31)。
【0074】
以上のようにして、接着の度合いの導出が終わると、出力部5は、表示・入力部14に、再度の接着の度合いの導出を行うか否か(即ち、再検査が不要か)を選択させるための選択ボタン等を表示させる(ステップS3)。
【0075】
ここで、表示・入力部14において再検査が必要と入力されると(ステップS3:No)、ステップS2に戻り、再度、外装材100の接着の度合いの導出が行われる(ステップS21~S31)。
【0076】
一方、表示・入力部14において再検査が不要と入力されると(ステップS3:Yes)、検査結果が保存される(ステップS4)。
【0077】
導出された外装材100の接着の度合い(二値化された画像Ia、接着率の値、接着率の合否判定結果等)、即ち、検査結果が保存されると、出力部5は、表示・入力部14に、外装材100の接着率の評価(他の外装材100の接着率の評価等)が不要か否かを選択させるための選択ボタン等を表示させる(ステップS5)。
【0078】
ここで、表示・入力部14において他の外装材100の接着の度合いの導出が不要と入力されると(ステップS5:Yes)、外装材100の接着の度合いの検査が終了する。一方、表示・入力部14において他の外装材100の接着の度合いの導出が必要と入力されると(ステップS5:No)、ステップS1に戻り、表示・入力部14に検査対象物情報の入力画面が表示される。
【0079】
以上の外装材接着度合出力システム1は、接着面100aを有する外装材100が接着剤101によって所定の面105に接着された後に、剥がされた当該外装材100の当該接着面100aの画像Iを取得する取得部2と、取得した画像Iを解析して、接着面100aの色の対比を行う色対比部3と、色の対比の結果に基づいて、接着面100aの全体に対して接着剤101が塗られているとされる割合を算出する算出部4と、算出の結果に基づいて、接着面100aの接着の度合いを出力する出力部5と、を備える。
【0080】
このように、接着面100aの全体に対して接着剤101が塗られているとされる割合を、取得した画像I(詳しくは、画像Iにおける接着面100aの各位置)の色に基づいて算出することで、撮影時の明るさや接着面100aに生じる影等の影響が抑えられ、これにより、精度の良い外装材100の接着の度合いを出力することができる。
【0081】
また、本実施形態の外装材接着度合出力システム1では、色対比部3は、所定の基準値Sよりも青色寄りか赤色寄りかで、接着面100aの色の対比を行う。
【0082】
取得した接着面100aの画像Iにおいて、接着剤101が付着していない部位の色と、接着剤101の付着している部位の色とを、所定の基準値S(基準となる色)に対して青色寄りか赤色寄りかで判別して対比することで、出力される外装材100の接着の度合いを精度良く求めることができる。
【0083】
また、本実施形態の外装材接着度合出力システム1では、色対比部3は、色分布を行い、当該色分布の2つの山の間の値を基準値Sに設定して、当該基準値Sに基づいて接着面100aの色の対比を行う。
【0084】
このように、外装材100の接着の度合いを求める毎に、色対比に用いられる基準値Sが適切に設定されるため、出力される外装材100の接着の度合いをより精度良く求めることができる。
【0085】
また、本実施形態の外装材接着度合出力システム1では、出力部5は、算出の結果に基づいて、接着面100aの接着の度合いを接着率で出力する。
【0086】
かかる構成によれば、精度の良い外装材100の接着率が得られる。
【0087】
また、本実施形態の外装材接着度合出力システム1では、出力部5は、算出の結果に基づいて、接着面100aの接着の度合いを合格か不合格かで出力する。
【0088】
かかる構成によれば、外装材100の接着の度合いが合格か不合格かで得られるため、外装材100が建物等の所定の面105に十分に接着されるか否かを容易に判断することができる。
【0089】
また、本実施形態の外装材接着度合出力システム1では、出力部5は、算出の結果に基づいて、接着面100aの接着の度合いを接着剤101が当該接着面100aに対して偏りがあるかどうかで出力する。
【0090】
かかる構成によれば、接着面100aにおける接着剤101の付着した部位の偏りの有無を容易に判断することができる。
【0091】
また、本実施形態の外装材接着度合出力システム1は、接着面100aを撮影可能な撮影部12を備え、取得部2は、画像Iを撮影部12から取得する。
【0092】
このように、外装材接着度合出力システム1が撮影部12を備えることで、外装材100を所定の面105に接着する現場において接着面100aを撮影することができ、これにより、当該現場において接着面100aの接着の度合いを得ることができる。
【0093】
また、本実施形態の外装材接着度合出力方法は、接着面100aを有する外装材100が接着剤101によって所定の面105に接着された後に、剥がされた当該外装材100の当該接着面100aの画像Iを取得するステップと、取得した画像Iを解析して、接着面100aの色の対比を行うステップと、色の対比の結果に基づいて、接着面100aの全体に対して接着剤101が塗られているとされる割合を算出するステップと、算出の結果に基づいて、接着面100aの接着の度合いを出力するステップと、を備える。
【0094】
かかる構成によれば、接着面100aの画像Iから精度の良い外装材100の接着の度合いが得られる。
【0095】
また、本実施形態の外装材接着度合出力プログラムは、コンピュータに、接着面100aを有する外装材100が接着剤101によって所定の面105に接着された後に、剥がされた当該外装材100の当該接着面100aの画像Iを取得するステップと、取得した画像Iを解析して、接着面100aの色の対比を行うステップと、色の対比の結果に基づいて、接着面100aの全体に対して接着剤101が塗られているとされる割合を算出するステップと、算出の結果に基づいて、接着面100aの接着の度合いを出力するステップと、を実施させる。
【0096】
このプログラムを用いることで、コンピュータに、接着面100aの画像Iから精度の良い外装材100の接着の度合いを出力させることができる。
【0097】
尚、本発明の外装材接着度合出力システム、外装材接着度合出力方法、及び外装材接着度合出力プログラムは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
【0098】
上記実施形態の外装材接着度合出力システム1では、接着面100aの撮影毎に接着率や合格・不合格、接着面100aにおける接着剤101の偏りの有無等の接着の度合いが出力(上記実施形態の例では、表示・入力部14に表示)されるが、この構成に限定されない。外装材接着度合出力システム1の取得部2は、異なる時刻(例えば、同じ日の午前と午後)に撮影された画像Iを取得し、出力部5は、算出の結果に基づいて、画像I毎の接着面100aの接着の度合いを出力する構成でもよい。この構成によれば、異なる時刻に撮影された複数の画像Iを同時に取得しても画像I毎の接着面100aの接着の度合いを得ることができる。この場合、複数の画像Iの接着の度合いが表示・入力部14に一緒(同時)に表示(出力)されてもよく、複数の画像Iの接着の度合いが表示・入力部14に別々に表示(例えば、画面を切り替えることで画像I毎の接着の度合いが表示等)されてもよい。
【0099】
上記実施形態の外装材接着度合出力システム1は、携帯端末10の撮影部(カメラ等)12を当該外装材接着度合出力システム1の撮影部として利用しているが、この構成に限定されない。外装材接着度合出力システム1は、専用の撮影部(カメラ等)12を備えていてもよい。また、外装材接着度合出力システム1が撮影部を備えず、他の(汎用品の)撮影装置(デジタルカメラやカメラ付きの携帯端末等)等からSDカードやUSBメモリ等の記録媒体を介して画像(画像データ)Iを取得する構成等であってもよい。
【0100】
また、上記実施形態の外装材接着度合出力システム1では、二値化した画像Iaに基づいて接着の度合いを導出しているが、この構成に限定されない。外装材接着度合出力システム1等は、画像Iを構成する複数の点において所定の色(基準値)Sより青色寄り(RGB信号の青色の信号値から赤色の信号値を引いた値が所定の値より大きい値)の点又は赤色寄り(RGB信号の青色の信号値から赤色の信号値を引いた値が所定の値より小さい値)の点の数に基づいて付着領域Ar1又は非付着領域Ar2の面積を導出し、この導出した面積から接着率等の接着の度合いを導出する構成等であってもよい。即ち、外装材接着度合出力システム1等は、接着面100aの画像Iの各位置(各ピクセル)での色(当該色に対応するRGB信号の信号値)に基づいて接着の度合いを導出する構成であればよい。
【0101】
また、上記実施形態の外装材接着度合出力システム1等では、画像Iを二値化するための基準値Sは、外装材100の接着の度合いの導出毎に自動的に設定される(即ち、基準値Sが固定されていない)構成であるが、この構成に限定されない。基準値Sが固定されていてもよく、手動で設定できる構成であってもよい。この場合、接着面100aの色又は接着剤101の色が決まった色であれば、接着の度合いの導出が精度よく行われる。
【0102】
また、上記実施形態の色対比部3は、基準値Sを設定するときに、ヒストグラムに基づいて設定しているが、例えば、表を用いて基準値Sを設定する構成であってもよい。この場合、例えば、点の数の多い(度数の大きな)色(RGBの信号値)を二つ求め、これら二つの色の間に基準値Sを設定する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0103】
1…外装材接着度合出力システム、2…取得部、3…色対比部、4…算出部、5…出力部、10…携帯端末、11…端末本体、12…撮影部、121…光学系、122…イメージセンサ、13…照明部、14…表示・入力部、141…枠、15…制御演算部、100…外装材、100a…接着面、101…接着剤、105…所定の面、Ar1…付着領域(黒色領域)、Ar11、Ar12…画像を横方向に区分けした領域、Ar2…非付着領域(白色領域)、Ar21、Ar22…画像を縦方向に区分けした領域、I…接着面の画像、Ia…二値化された接着面の画像、P1、P2…ヒストグラムのピーク、S…基準値