(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157889
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】車両推定装置
(51)【国際特許分類】
G08G 1/015 20060101AFI20241031BHJP
G08G 1/04 20060101ALI20241031BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20241031BHJP
G01S 17/89 20200101ALI20241031BHJP
【FI】
G08G1/015 A
G08G1/04
G06T7/00 350B
G01S17/89
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072523
(22)【出願日】2023-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】511121768
【氏名又は名称】今井 龍一
(71)【出願人】
【識別番号】500063228
【氏名又は名称】田中 成典
(71)【出願人】
【識別番号】517305883
【氏名又は名称】山本 雄平
(71)【出願人】
【識別番号】519113745
【氏名又は名称】Intelligent Style株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092956
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 栄男
(74)【代理人】
【識別番号】100101018
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 正
(72)【発明者】
【氏名】今井 龍一
(72)【発明者】
【氏名】田中 成典
(72)【発明者】
【氏名】山本 雄平
(72)【発明者】
【氏名】姜 文渊
(72)【発明者】
【氏名】中原 匡哉
(72)【発明者】
【氏名】中畑 光貴
(72)【発明者】
【氏名】高野 精久
(72)【発明者】
【氏名】山中 亮
(72)【発明者】
【氏名】平野 順俊
【テーマコード(参考)】
5H181
5J084
5L096
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB20
5H181CC03
5H181CC14
5J084AA05
5J084AB01
5J084AD01
5J084BA03
5J084BA31
5J084CA65
5L096AA06
5L096AA09
5L096BA04
5L096CA18
5L096FA02
5L096FA66
5L096FA67
5L096HA11
(57)【要約】
【課題】 精度良く車両の種類を判定できる車両推定装置を提供する。
【解決手段】 計測器2は、走行中の車両の表面各点までの距離を計測し、これに基づいて当該車両の三次元点群データを生成する。三次元点群データの重畳処理4においては、走行中に計測した車両の複数の三次元点群データを重ね合わせて、重畳三次元点群データを生成する。車両の種類推定処理6では、生成した重畳三次元点群データに基づいて車両の種類を推定する。上記のように、重畳三次元点群データに基づいて車両の種類を推定するようにしているので、各三次元点群データに欠損があったとしても、重畳することによって補完でき、より正確な推定を行うことができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行中の車両の表面各点までの距離を計測して三次元点群データを生成する計測器を備え、
走行中の車両について複数の位置における三次元点群データを計測器から取得し、
前記複数組の三次元点群データを重ね合せて重畳三次元点群データを生成し、
重畳三次元点群データに基づいて、車両の種類を推定する車両推定装置。
【請求項2】
走行中の車両の表面各点までの距離を計測して三次元点群データを生成する計測器を備え、
少なくとも一つのプロセッサと、
当該少なくとも一つのプロセッサによって実行されるように構成された少なくとも一つのプログラムを記録するメモリと、
を備えた車両推定装置であって、
前記少なくとも一つのプログラムは、
走行中の車両について複数の位置における三次元点群データを計測器から取得し、
前記複数組の三次元点群データを重ね合せて重畳三次元点群データを生成し、
重畳三次元点群データに基づいて、車両の種類を推定する命令を備える車両推定装置。
【請求項3】
車両推定装置をコンピュータによって実現するための車両推定プログラムであって、
走行中の車両について複数の位置における三次元点群データを計測器から取得し、
前記複数組の三次元点群データを重ね合せて重畳三次元点群データを生成し、
重畳三次元点群データに基づいて、車両の種類を推定する命令を備える車両推定プログラム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかの装置またはプログラムにおいて、
前記計測器は、LIDARであることを特徴とする装置またはプログラム。
【請求項5】
請求項1~3のいずれかの装置またはプログラムにおいて、
前記重畳三次元点群データ生成においては、複数組の三次元点群データの計測器に近い側の表面形状が合致するように、重ね合わせることを特徴とする装置またはプログラム。
【請求項6】
請求項1~3のいずれかの装置またはプログラムにおいて、
前記車両の種類の推定は、前記重畳三次元点群データの少なくとも縦、横、高さ寸法のいずれかを用いて、少なくとも大型車であるか小型車であるかを判断することを特徴とする装置またはプログラム。
【請求項7】
請求項1~3のいずれかの装置またはプログラムにおいて、
前記車両の種類の推定は、重畳三次元点群データに基づいて学習した推定モデルに、前記重畳三次元点郡データを与えて、車種を推定するものであることを特徴とする装置またはプログラム。
【請求項8】
請求項7の装置またはプログラムにおいて、
前記学習は、実際に測定することによって得た重畳三次元点群データを回転することによって得た複数の重畳三次元点群データにより生成した学習データを用いて行うことを特徴とする装置またはプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両の種類を推定する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
交通量の調査や施設における管理のために、自動車の種類を判断する必要がある。たとえば、交通量の調査においては、交差点などで調査員が目視にて、通過する車両の種類によって分類し、その分類ごとに交通量を計数している。
【0003】
近年、ディープラーニングを用いて撮像した物体の種類を判別することが行われている(たとえばYOLOモデル)。この物体検知モデルを種々の車両によって学習し、学習済モデルにて車両の種類を判別する装置を実現することができる。
【0004】
しかしながら、上記のような学習済モデルによる装置を交通量調査などに適用すると、自動車の種類は推定できたとしても、大型車であるか小型車であるかの推定まではできなかった。特に同一の種類の自動車(たとえばトラック)における、大型・小型(たとえば、大型トラック、小型トラック)の判定は困難であった。
【0005】
そこで、発明者らは、既に大型・小型を含めた車両の種類を推定することのできるシステムを提案している(特許文献1)。このシステムによれば、撮像した画像に基づいて交通量調査を行うことができるので、交通量調査の大幅な効率化を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1のシステムでは、2次元画像による判断であるため正確な大きさを判断できず、大型車小型車の判定精度に改良の余地があった。
【0008】
一方で、仮に、LIDARなどのレーザ測距による三次元点群データを用いたとしても、点群の欠損が避けられず十分な判定精度を達成できなくなるおそれがあった。
【0009】
この発明は、上記のような問題点を解決して、精度良く車両の種類を判定できる車両推定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明の独立して適用可能な特徴を以下に列挙する。
【0011】
(1)-(3)この発明に係る車両推定装置は、走行中の車両の表面各点までの距離を計測して三次元点群データを生成する計測器を備え、走行中の車両について複数の位置における三次元点群データを計測器から取得し、前記複数組の三次元点群データを重ね合せて重畳三次元点群データを生成し、重畳三次元点群データに基づいて、車両の種類を推定する。
【0012】
したがって、欠損のある三次元点群データであっても、車両推定の精度を向上させることができる。
【0013】
(4)この発明に係る車両推定装置は、計測器が、LIDARであることを特徴としている。
【0014】
したがって、夜間など暗い場所においても車両推定を行うことができる。
【0015】
(5)この発明に係る車両推定装置は、重畳三次元点群データ生成においては、複数組の三次元点群データの計測器に近い側の表面形状が合致するように、重ね合わせることを特徴としている。
【0016】
したがって、精度良く重ね合せを行うことができる。
【0017】
(6)この発明に係る車両推定装置は、車両の種類の推定が、前記重畳三次元点群データの少なくとも縦、横、高さ寸法のいずれかを用いて、少なくとも大型車であるか小型車であるかを判断することを特徴としている。
【0018】
したがって、正確に大型小型の判断を行うことができる。
【0019】
(7)この発明に係る車両推定装置は、車両の種類の推定が、重畳三次元点群データに基づいて学習した推定モデルに、前記重畳三次元点郡データを与えて、車種を推定するものであることを特徴としている。
【0020】
したがって、寸法のみでは決定できない車両の種類を推定することができる。
【0021】
(8)この発明に係る車両推定装置は、学習が、実際に測定することによって得た重畳三次元点群データを回転することによって得た複数の重畳三次元点群データにより生成した学習データを用いて行うことを特徴としている。
【0022】
したがって、効率よく適切な学習データを得ることができる。
【0023】
「装置」とは、1台のコンピュータによって構成されるものだけでなく、ネットワークなどを介して接続された複数のコンピュータによって構成されるものも含む概念である。したがって、本発明の手段(あるいは手段の一部でもよい)が複数のコンピュータに分散されている場合、これら複数のコンピュータが装置に該当する。
【0024】
「プログラム」とは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソース形式のプログラム、圧縮処理がされたプログラム、暗号化されたプログラム、オペレーティングシステムと協働してその機能を発揮するプログラム等を含む概念である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】一実施形態による車両推定装置の全体構成である。
【
図4】車両推定プログラム26のフローチャートである。
【
図5】三次元点群データとバウンダリーボックスを示す図である。
【
図6】車両部分の三次元点群データを示す図である。
【
図7】車両推定プログラム26のフローチャートである。
【
図8】重畳三次元点群データとバウンダリーボックス80を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
1.全体的構成としての処理の流れ
図1に、この発明の一実施形態による車両推定装置の全体構成を示す。計測器2は、走行中の車両の表面各点までの距離を計測し、これに基づいて当該車両の三次元点群データを生成する。三次元点群データの重畳処理4においては、走行中に計測した車両の複数の三次元点群データを重ね合わせて、重畳三次元点群データを生成する。
【0027】
車両の種類推定処理6では、生成した重畳三次元点群データに基づいて車両の種類を推定する。
【0028】
上記のように、重畳三次元点群データに基づいて車両の種類を推定するようにしているので、各三次元点群データに欠損があったとしても、重畳することによって補完でき、より正確な推定を行うことができる。
【0029】
2.ハードウエア構成
図2に、計測器であるLIDAR(Laser Imaging Detection and Ranging)28の設置状態を示す。この実施形態では、道路の電柱などにLIDAR28を設置している。
【0030】
LIDAR28は、機器の設置方向である中心軸34を中心として、上下左右の全周方向に所定角度θの範囲にて、レーザを照射しその反射を受信するものである。LIDAR28は、照射から反射までの時間を計測し、対象物までの距離を算出する。これに基づいて対象物表面の各点の座標を算出し、三次元点群データとして出力する。なお、LIDAR28は、中心軸34をY軸とし、中心軸34に対して上下方向に垂直な軸40をZ軸とし、中心軸34に対して左右方向に垂直な軸(紙面に垂直な方向)をX軸とした座標にて、三次元点群データを出力する。
【0031】
図3に、車両推定装置のハードウエア構成を示す。CPU10には、メモリ12、ディスプレイ14、通信回路16、SSD18、DVD-ROMドライブ20、キーボード/マウス22、LIDAR28が接続されている。通信回路16は、インターネットに接続するための回路である。
【0032】
LIDAR28は、レーザ光を車両などの対象物に照射しその反射光を受光するまでの時間によって対象物表面までの距離を計測し、これに基づいて対象物表面の各点の三次元座標を示す三次元点群データを生成するものである。
【0033】
SSD18には、オペレーティングシステム24、車両推定プログラム26が記録されている。車両推定プログラム26は、オペレーティングシステム24と協働してその機能を発揮するものである。これらプログラムは、DVD-ROM30に記録されていたものを、DVD-ROMドライブ20を介して、SSD18にインストールしたものである。
【0034】
3.車両推定処理
図4に、車両推定プログラム26のフローチャートを示す。CPU10は、LIDAR28から1フレーム分の三次元点群データを取得する(ステップS2)。取得した三次元点群データの例を、
図5Aに示す。図に示すように、車両だけでなく、道路表面なども含まれた三次元点群データが得られている。なお、この三次元点群データの座標は、
図2に示したように、LIDAR28の設置方向である中心軸34をY軸とする三次元座標である。
【0035】
次に、CPU10は、この三次元点群データから車両部分の三次元点群データを抽出する(ステップS3)。
図5Bに示すように、車両を囲うバウンダリーボックス42を得て、車両を抽出するようにしている。
【0036】
この実施形態においては、三次元点群データから車両部分をバウンダリーボックスにて囲って抽出するよう学習された学習済の推定モデルを用いるようにしている。学習データとしては、
図5Aに示すような三次元点群データと、これに含まれる車両のバウンダリーボックスを特定する座標との組を用いる。なお、推定モデルとしては、三次元に適合させたYOLOであるOpenPC Detを用いることができる。
【0037】
続いて、
図5Bに示すように、バウンダリーボックスの中心44(座標としての中心)を算出する(ステップS5)。CPU10は、当該中心44が、予め設定した第1面36(
図2参照)よりLIDAR28に近い側にあるかどうかを判断する(ステップS6)。第1面36は、道路面に対してほぼ垂直な仮想面である。
【0038】
遠い側にあれば、そのバウンダリーボックスを処理対象としない。近い側にあれば、
図5Cに示すように、バウンダリーボックス42の中心44と、前回のフレームにおけるバウンダリーボックス42Pの中心44Pとの距離に基づいて、両者を同一の車両として関連づける(ステップS8)。車両は概ね所定範囲内の速度で走行しているので、前回のフレームとの移動距離に基づいて関連づけることが可能である。
【0039】
当該車両が走行し、バウンダリーボックス42の中心44が第2面38よりLIDAR28に近い側に位置すると(ステップS7)、それ以降のバウンダリーボックスは処理対象としない。また、CPU10は、ステップS8において追跡した同一車両の複数の三次元点群データを重ね合わせる(ステップS9)。
【0040】
LIDAR28による計測においては、レーザの影になる部分の三次元点群データを得ることができない。したがって、車両が近づいてくるにしたがって、LIDAR28と車両との距離や角度により、
図6A、Bのように、各フレームにおいて、点群の密度や三次元点群データが取得できる部分と取得できない部分が変わってくる。
【0041】
この実施形態では、各フレームの三次元点群データを重畳することにより、欠損している部分を補完し、
図6Cに示すように重畳三次元点群データを生成するようにしている。これにより、次のステップにおける車両の種類推定の精度を向上させている。
【0042】
なお、各フレームの三次元点群データを重畳する際には、いずれのフレームにおいてもレーザが照射されて欠損のない部分(近づいてくる車両であれば前面部分、遠ざかる車であれば背面部分)の形状が合致するように重畳させる。
【0043】
続いて、CPU10は、重畳三次元点群データに基づいて、車両の種類を推定する(ステップS10)。
【0044】
図7に、車両の種類推定の詳細フローチャートを示す。CPU10は、
図8に示すように、重畳三次元点群データを内包する最小のバウンダリーボックス50を生成する。CPU10は、生成したバウンダリーボックス50の長さLを算出する(ステップS21)。算出した長さLに基づいて、当該車両が大型車であるか、小型車であるか、二輪車であるかを判断する(ステップS22)。
【0045】
国土交通省の定める交通量調査においては、
図9に示すように車の種類が区別されている。ここでは、まず、大型車、小型車、二輪車を区別するため、長さLが4.7mよりも大きいと大型車としている。また、長さLが4.7mよりも小さいと小型車か二輪車としている。
図9には示されていないが、一般に、二輪車は長さLが2m以下である場合がほとんどであるので、長さLが2mより大きければ小型車、小さければ二輪車としている。
【0046】
以上のようにして、大型車、小型車、二輪車を判断すると、CPU10は、重畳三次元点群データに基づいて、大型車であればバスか普通貨物車かを推定し(ステップS24)、小型車であれば乗用車か小型貨物車かを推定する(ステップS25)。この実施形態では、欠損の補完された重畳三次元点群データに基づいて推定を行っているので、推定の精度を向上させることができる。
【0047】
ステップS24の推定には、バスか普通貨物車かを推定するよう学習された推定モデル(ニューラルネットワーク)を用いる。学習データとしては、重畳三次元点群データと、当該重畳三次元点群データがバスまたは普通貨物車のいずれであるかを示すラベルとの組を用いる。
【0048】
ステップS25の推定には、乗用車か小型貨物車かを推定するよう学習された推定モデル(ニューラルネットワーク)を用いる。学習データとしては、重畳三次元点群データと、当該三次元点群データが乗用車または小型貨物車のいずれであるかを示すラベルとの組を用いる。
【0049】
なお、ステップS2~ステップS10はフレームごとに繰り返される。また、ステップS5~S10は、フレームに映し出された車両ごとに繰り返される。
【0050】
以上のようにして、乗用車、小型貨物車、バス、普通貨物車、自動二輪車の判別を行うことができる。
【0051】
この実施形態では、レーザを用いているので、夜間であっても精度良く推定を行うことができる。
【0052】
4.その他変形例
(1)上記実施形態では、大型車・小型車の判定を行った後、種別を推定して、乗用車、小型貨物車、バス、普通貨物車、自動二輪車の判別を行っている。しかし、大型・小型の判定のみを行うようにしてもよい。また、大型・小型の判定を経ずに、種別推定を行うようにしてもよい。
【0053】
(2)上記実施形態では、乗用車、小型貨物車、バス、普通貨物車、自動二輪車の推定を行うようにしている。しかし、より詳細に、セダン、SUVなどの推定や、メーカ名と車種(セルシオ(商標)、クラウン(商標)、10トントラック、20トントラックなど)の推定を行うようにしてもよい。
【0054】
(3)上記実施形態では、LIDAR28の設置方向の中心軸34をY軸とした座標を用いて、ステップS3の抽出処理、ステップS10の推定処理を行うようにしている。いずれの処理においても、LIDAR28の設置方向によって、三次元点群データの座標が異なることとなる。したがって、上記推定処理に用いる推定モデルを学習する際の学習データとして、同じ三次元点群データについて異なる座標のものを多数用意することが好ましい。
【0055】
そこで、実測した三次元点群データを学習データとして用いる際に、X軸、Y軸、Z軸のそれぞれについて、-10度から+10度の範囲(所定角度範囲)にて、2度ごと(所定角度ごと)に回転させて、多数の学習データを生成することが好ましい。このようにすれば、大量の学習データを容易に得ることができる。
【0056】
また、上記のようにLIDAR28の設置方向の中心軸34をY軸にせず、道路に水平な面をXY軸による平面とし、これに垂直な方向をZ軸とした、座標を用いて三次元点群データを表現するようにしてもよい。このようにすれば、LIDAR28の設置方向に影響を受けずに三次元点群データを得ることができるので、上記のように回転を行って学習データを生成する必要がなくなる(あるいは、回転させて生成する学習データの数を減らすことができる)。
【0057】
(4)上記実施形態では、各フレームにおける同一車両の追跡のために、バウンダリーボックス42の中心点44を用いている。しかし、中心点44以外のバウンダリーボックス42を代表する点(いずれかのコーナー点、いずれかの面の中心点、三次元点群データの重心点など)を用いるようにしてもよい。
【0058】
また、三次元点群データによる形状の特徴を算出し、当該特徴に基づいて各フレームの同一車両を紐付けるようにしてもよい。
【0059】
(5)上記実施形態では、第1面36と第2面38を操作者が設定するようにしている。しかし、CPU10が、三次元点群データに映し出された道路表面に垂直な方向に、所定間隔で第1面36、第2面38を設定するようにしてもよい。
【0060】
(6)上記実施形態では、バウンダリーボックスの中心44が、第1面36を超えてから、第2面38を超えるまでの間の、各フレームの三次元点群データを重ね合わせて重畳三次元点群データを生成している。
【0061】
しかし、中心44以外のバウンダリーボックス42を代表する点を用いるようにしてもよい。また、第1面36と第2面38において、異なる代表点を用いるようにしてもよい。
【0062】
(7)上記実施形態では、向かってくる車両を対象として車両の種類を判断するようにしている。しかし、遠ざかる車両を対象として車両の種類を判断するようにしてもよい。
【0063】
(8)上記実施形態では、車両の種類を推定するようにしている。しかし、これに代えて、あるいは加えて、通過した車両の台数を計測するようにしてもよい。
【0064】
この場合、バウンダリーボックスの中心44が第1面36を超えた後、第2面38を超えれば、1台の車両が通過したと判定できる。これに、上記の車両の種類の推定を加味すれば、いずれの種類の車が何台通過したかを計測することができる。
【0065】
なお、反対車線の車両については、バウンダリーボックスの中心44が第2面38を超えた後、第1面36を超えれば、通過したものと判定することができる。このように、第1面36、第2面38の通過順序により、向かってくる車か遠ざかる車かを判断できるので、上下車線の双方をLIDAR28にて撮像し、同時に計測を行うことができる。
【0066】
(9)上記実施形態では、
図8に示すバウンダリーボックスの長さLに基づいて、大型・小型を判断している。しかし、バウンダリボックスの幅や高さに基づいて、あるいは幅や高さも併せて考慮して判断してもよい。また、これら寸法に基づいて、大型・小型以外の車両の種類(トラックかバスかなど)を判断するようにしてもよい。
【0067】
(10)上記実施形態では、
図1の処理をCPUを用いて実現している。しかし、その一部又は全部を論理回路によって実現するようにしてもよい。
【0068】
(11)上記変形例は、互いに組み合わせて実施可能である。